以下、本発明の一実施の形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム装置10−n(nは正の整数。10−1、10−2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム装置10−nおよびサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して接続されている。ここで、複数のゲーム装置10−nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム装置10」と記載して説明する。
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム装置10−nおよびサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
ユーザが操作するゲーム装置10は、家庭用のゲーム専用機(据置型または携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、業務用(商業用)ゲーム機等により構成することができる。
サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと対応付けて、ユーザのゲームに関する情報を、データベースに記憶して管理する。また、サーバ30は、通信対戦を行う場合の対戦相手決定処理(いわゆるマッチング処理)等を実行する。通信対戦では、例えば、ゲーム装置10−1を操作するユーザAと、ゲーム装置10−2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。通信対戦の場合、サーバ30によってマッチングされたゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦を行ってもよい。
ゲーム装置10−nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
一方、P2P等で接続されるゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム装置10−nでは、サーバ30を介さずに、複数台のゲーム装置10−n間で、直接通信を行って対戦ゲームを実行することもできる。
本実施の形態のゲームシステム1において実行されるゲームとしては、野球、サッカー、テニス等の各種スポーツを題材としたスポーツゲーム、格闘や戦闘を題材としたゲーム等、様々なゲームを挙げることができる。その一例として、ここでは、主に、ユーザが複数の球種の中から任意の球種を選択して、投手キャラクタに投球させることができる野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。ここで、「球種」とは、例えば、野球ゲームにおいて投手キャラクタが投球するボールオブジェクトを、その変化の方向・球速・回転などにより分類したものである。例えば、ストレート、スライダー、フォーク、ナックル等が球種の一例に相当する。
ゲームの一例の概要を以下に説明する。
〔ゲームの一例〕
現実世界の野球では、フォークやナックル等の特定の球種は、投手の握力の消耗が大きく、他の球種に比べて連投や多投が難い。このような特定の球種に関する連投や多投のし難さをゲームに反映させるために、投手キャラクタが有するパラメータの一つとして握力パラメータ(第1パラメータの一例)という、従来にはなかった概念を導入する。
図2には、投手キャラクタC10を操作するユーザのゲーム装置10−1に表示される画面D10の一例を示している。図2は、投手側から打者側を見た状態の画面D10を示しており、投手側のユーザは、投打の対戦時には、当該画面D10を見ながらゲームを行なう。二人のユーザのゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2がネットワークNを介して通信対戦する形態では、打者側のユーザのゲーム装置10−2には、打者側から投手側を見た状態の図示しない画面が表示される。なお、ユーザがコンピュータ(CPU)を相手とする1人プレイの対戦(いわゆるCPU対戦)を遊技することも可能である。
画面D10には、投手キャラクタC10、打者キャラクタC20、ストライクゾーンSZ、握力ゲージG13、体力ゲージG16等が表示される。握力ゲージG13は、投手キャラクタC10の握力パラメータの残量(現在値)を示すオブジェクトである。握力パラメータは、投手キャラクタC10に関係づけられており、投手キャラクタC10が投球を行う毎に、投球した球種に対応する消費量(例えば「1」〜「8」)だけ低減し、その後次の投球の前に所定の回復量(例えば「2」)だけ増加するパラメータである。例えば、握力パラメータは、投手キャラクタC10の投球の1球毎に、最低値「0」〜最大値「10」の範囲で増減する。
投手キャラクタC10が投球可能な球種毎に、1球投球した際の握力パラメータの消費量が予め設定されている。例えば、握力パラメータの消費量は、ストレート「1」、スライダー「2」、カーブ「2」、シュート「3」、フォーク「7」、ナックル「8」等である。打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも、握力パラメータの消費量が予め大きく設定されている。
ゲーム内には複数の投手キャラクタC10が存在し、投手キャラクタC10によって、投球可能な球種(ユーザが選択可能な球種)が異なる。また、同じ球種(例えばフォーク)であっても、投手キャラクタC10によって握力パラメータの消費量を異ならせてもよい。例えば、ある投手キャラクタ「A」は、フォークに対応する握力パラメータの消費量は「7」である。これに対して、投手キャラクタ「A」と比べてフォークの投げ方や握り方の技術に優れている投手キャラクタ「B」の場合、投手キャラクタ「A」よりも握力を使わないでフォークを投球できるものとし、フォークに対応する握力パラメータの消費量は「4」とする。このように、同じ球種であっても、投手キャラクタごとに握力パラメータの消費量(または減少率)を変えることにより、例えばフォークを連投できない投手キャラクタ「A」と、フォークを連投できる投手キャラクタ「B」とが存在することとなり、投手キャラクタごとに個性を出すことが可能となる。
体力ゲージG16は、投手キャラクタC10の体力パラメータの残量(現在値)を示すオブジェクトである。体力パラメータ(第2パラメータの一例)は、投手キャラクタC10に関係づけられており、投手キャラクタC10の投球の1球毎に、投球した球種に対応する第2消費量(例えば「1」〜「8」)だけ、初期値(例えば「500」)から低減するパラメータである。この体力パラメータは、握力パラメータの最大値「10」よりもはるかに大きい初期値「500」を有し、1試合の中で投球毎に減少するのみであり、握力パラメータのように試合中に回復しない。
ユーザは、投球前に、投手キャラクタC10が投球可能な複数の球種の中から任意の球種を選択できる。例えば、画面D10には球種選択用アイコンSCが表示され、ユーザは、この球種選択用アイコンSCを見ながらコントローラ(アナログスティックまたは方向キー等)を操作して球種を選択し、決定ボタンを押すことで球種の選択を確定する。なお、画面一体型等のゲーム装置10において、画面がタッチパネルになっている場合には、ユーザが指またはスタイラスペン等で画面に接触することにより、球種選択用アイコンSCを操作できるようにしてもよい。
図2に示す球種選択用アイコンSCの例では、中央部から周囲に向かって6本のラインSC1、SC2、SC3、SC4、SC5、SC6が延びており、6種類の球種から1つを選択可能である。例えば、SC1が「ストレート」、SC2が「シュート」、SC3が「ナックル」、SC4が「フォーク」、SC5が「カーブ」、SC6が「スライダー」である。なお、図2の例では、6種類の球種が選択可能であるが、選択可能な球種は投手キャラクタC10毎に異なっており、例えば2種類〜5種類の球種しか選択できない場合もあれば、7種類以上の球種を選択できる場合もある。ユーザの操作によって選択された球種は、選択球種表示領域PTに表示される。
なお、図2に示すように、画面D10に球種選択用アイコンSCが表示された直後には、デフォルトとして「ストレート」SC1の球種が選択された状態になっており、ユーザが「ストレート」SC1以外の球種を選択する場合のみ、他の球種SC2〜SC6を選び直すようにしてもよい。
例えば、選択肢としての「ストレート」SC1、「シュート」SC2、「ナックル」SC3、「フォーク」SC4、「カーブ」SC5、「スライダー」SC6のそれぞれのラインの長さは、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量に応じた長さになっている。また、各球種のラインの先端付近には、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量が数値で表示されている。これにより、ユーザは、球種選択用アイコンSCにおける各選択肢のラインの長さから直観的に握力パラメータの消費量が把握できるとともに、各選択肢の握力パラメータの消費量を正確な数値として確認できる。
握力ゲージG13の上方には、握力パラメータの残量(現在値)GP10が数値で表示される。これにより、ユーザは、握力ゲージG13を見て直観的に握力パラメータの残量が把握できるとともに、握力パラメータの残量を正確な数値として確認できる。また、握力ゲージG13の上方には、現在選択されている球種が投球されたと仮定した場合における投球後の握力パラメータ(予定値)GP20が表示される。例えば、握力パラメータの残量(現在値)GP10と投球後の握力パラメータ(予定値)GP20との間には、前者から後者へと向かう矢印が表示され、握力パラメータの変化の状態が、投球前に予め表示される。図2の例では、握力パラメータの消費量「1」の「ストレート」SC1が選択されているので、投球後には、握力パラメータの残量(現在値)が「8」から「7」へと変化することを、「8→7」として投球前に予め表示している。
図3は、ユーザが球種を「ストレート」SC1から「フォーク」SC4へと選び直した場合の画面D10の一例を示している。図3の例では、握力パラメータの消費量「7」の「フォーク」SC4が選択されたことにより、投球後には、握力パラメータの残量(現在値)が「8」から「1」へと変化することを、「8→1」として投球前に予め表示している。
また、体力ゲージG16の上方には、体力パラメータの残量(現在値)PHが数値で表示される。なお、体力パラメータについても、握力パラメータの場合と同様に、現在選択されている球種が投球されたと仮定した場合における投球後の体力パラメータ(予定値)を、投球前に予め表示してもよい。
なお、図2および図3では図示していないが、上記の投球後の握力パラメータの変化を、上記の数値の変化に加えて、あるいは単独で、握力ゲージG13で視認できるように構成してもよい。例えば、投球することで低減する握力パラメータ分に相当する領域の色調を薄くする、色、模様を変える等の対応を行なってもよい。
ユーザは、上記のようにして球種を選択した後、所定の投球開始ボタンを押せば、球種が確定し、投手キャラクタC10が投球動作を開始する。投球動作の開始後は、前記球種選択用アイコンSCが画面から消去されるようにしてもよい。例えば、投手キャラクタC10が投球モーションを開始してからボールをリリースするまでの間に、ユーザは投球コースを指定することができる。例えば、図4に示すように、ストライクゾーンSZには投球コースを指定するための投球ポイントPPTが表示される。例えば、ユーザは、アナログスティックまたは方向キー等を操作して投球ポイントPPTを移動させ、投球コースを指定できる。なお、画面がタッチパネルになっている場合には、ユーザが指またはスタイラスペン等で画面に接触することにより、接触位置を投球コースとして指定できるようにしてもよい。
図4に例示するように、投手キャラクタC10が投球動作を開始した直後から、投球ポイントPPTの周囲に、円形の投球カーソルPCRが出現する。この投球カーソルPCRは、投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングを計るための円形の枠であり、出現時が最も大きく、その後、時間経過に伴って収縮して、投球ポイントPPTと重なり、最小となる。ユーザは、投球カーソルPCRが投球ポイントPPTと重なるタイミングに合わせて、所定のリリース操作を行う。リリース操作のタイミングが所定の期間内、例えば、投球カーソルPCRと投球ポイントPPTとが重なるタイミングを含む3フレームの期間(3/60秒の期間)内で行われた場合、ボールの球威が向上するベストピッチングとなる。
ゲーム装置10は、ユーザによって選択された球種および投球コース等に基づいて、投手キャラクタC10からリリースされたボールの軌道を算出し、図5に例示するように、ボールBLをホームベース方向へと移動させる。なお、ゲーム装置10は、球種および投球コースだけではなく、投手キャラクタC10の能力パラメータ(球速、制球力、変化レベル等)に基づいて、投手キャラクタC10からリリースされたボールBLの軌道を算出してもよい。ボールBLの軌道の算出については、既知のアルゴリズムを適用できる。
また、図5に例示するように、投手キャラクタC10がボールBLをリリースした後は、投球した球種に対応した消費量だけ握力パラメータが低減され、握力ゲージG13および握力パラメータの残量GP10が更新される。図5の例では、消費量「7」のフォークが投球されたことにより、握力パラメータの残量GP10が投球前の「8」から「1」に更新されている。
また、投球後には、投球した球種に対応した第2消費量だけ体力パラメータが低減され、体力ゲージPHおよび体力パラメータの残量PHが更新される。図5の例では、第2消費量「5」のフォークが投球されたことにより、体力パラメータの残量PHが投球前の「450」から「455」に更新されている。
投球後、対戦相手の打者側のユーザの操作に基づいて、打者キャラクタC20の打撃動作が制御される。CPU対戦の場合、ゲーム装置10のCPUによって打者キャラクタC20の動作が自動制御される。打撃の結果、スリーアウトになって、イニングが終了にならなければ、図6に例示する画面D10に遷移し、次の投球の操作が可能となる。
投手キャラクタC10の握力パラメータは、次の投球の前に、所定の回復量だけ増加する。ここでは回復量を「2」として説明する。例えば、図5に示すように、前回の投球でフォークが投げられた結果、握力パラメータが「1」になった場合、次の投球前に、握力パラメータは「3」に回復する。図6の例では、握力ゲージG13および握力パラメータの残量GP10が、投球後の「1」から「3」に更新されている。
ユーザは回復した後の握力パラメータと、各球種に必要な握力量(各球種に対応した消費量)とを比較した上で、球種を選択する必要がある。図6に例示するように、握力パラメータの残量「3」に対して、ユーザが消費量「1」の「ストレート」SC1を選択した場合(または、消費量が「3」以下の「シュート」SC2、「カーブ」SC5、「スライダー」SC6を選択した場合)、ユーザがゲーム上不利になることはない。ここで、ゲーム上不利とは、例えば、ゲーム上の設定がユーザにとって不利になることであり、野球ゲームの例では、暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる等である。一方、図7に例示するように、握力パラメータの残量「3」に対して、ユーザが消費量「7」の「フォーク」SC4を選択した場合(または、消費量が「8」の「ナックル」SC3を選択した場合)、投球は可能であるが、暴投率が大きくなる等、ゲーム上不利になる。図7の例のように、握力パラメータの残量(現在値)よりも消費量の大きい球種が選択された場合には、投球後の握力パラメータ(予定値)GP20の表示領域には例えば「−」が表示される。また、画面D10には、例えば「握力不足!」等と表示された警告テキストWAが表示される。これにより、ユーザは、握力パラメータの残量よりも大きな消費量の球種を選択していることが分かる。ここで、ユーザは握力が不足しているために暴投になる可能性を承知の上で、フォークで空振りを狙いにいくこともできるし、リスクを回避するために、別の球種に変更することもできる。なお、警告テキストWAの他に、握力パラメータの残量よりも大きな消費量の球種が選択されていることを、記号、画像、握力ゲージG13の色変化、警告音等によりユーザに報知してもよい。
なお、握力パラメータの最低値は「0」であり、マイナスの値はとらないため、握力パラメータの残量よりも大きな消費量の球種による投球が行われた場合、投球後の握力パラメータは「0」となる。バリエーションとしては、握力パラメータがマイナスの値をとるようにしてもよい。
握力パラメータは、守備イニングの開始時に最大値(例えば「10」)となり、その後は、前述のとおり、1球毎に、選択された球種に応じた消費量(例えば「1」〜「8」)だけ低減し、次の投球前に所定の回復量(例えば「2」)だけ増加することを繰り返し、イニング中は、1球毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で増減する。また、新たな守備イニングが開始された場合には、攻撃イニング中に握力が回復するものとして、握力パラメータは最大値に戻る。なお、イニングの途中で、投手キャラクタの交代が行われた場合には、新たにマウンドに立った投手キャラクタの握力パラメータは、最大値からスタートする。
なお、上記では投手側のユーザが、球種の選択、投球コースの指定、リリースタイミングの指定等の投球に関する操作を行うゲーム例を示したが、例えば、ユーザが球種の選択のみを行うことにより、CPUが自動的に投球コースを決定し、投手キャラクタC10が投球を行うような、より簡易的な野球ゲームとすることもできる。あるいは、ユーザが球種の選択と投球コースの指定を行うが、リリースタイミングの指定を行わない野球ゲームであってもよい。あるいは、ユーザが球種の選択とリリースタイミングの指定は行うが、投球コースの指定は行わない野球ゲームであってもよい。
上記のゲーム例の場合、握力パラメータの消費量(握力の消耗)の大きい球種については、連投や多投を効果的に制限できるので、リアル感のある投球操作を実現できる。また、打者を打ち取る効果が大きい球種であるフォークやナックルなどに前記の制限をつけることで、ゲームバランスが良くなる。また、球種によっては、連投や多投をすれば、暴投になり易い等のリスクが発生するため、ユーザは球種の選択を慎重に検討する必要がある。例えば、ユーザは、握力の消耗の大きい球種は勝負所で使用する(例えば、決め球としてフォークを温存する)等、投球の組み立てを考慮する必要があり、従来のゲームに比べて遊戯性が向上する。これを実現するゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10の構成等を、以下に説明する。
(ゲーム装置のハード構成)
図8は、ゲーム装置10のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。ゲーム装置10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信制御部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン19を介して相互に接続されている。なお、バスライン19と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム装置10は、表示部20および音声出力部21を備えている。
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム装置10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。
(サーバのハード構成)
図9は、サーバ30のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。サーバ30は、主に、CPU31と、ROM32と、RAM33と、補助記憶装置34と、通信制御部35とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン36を介して相互に接続されている。なお、バスライン36と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。
通信制御部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム装置10−nとの間の通信を制御する。また、通信制御部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信制御部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。
本実施の形態では、サーバ30が、ログイン認証機能、各ユーザのゲームに関する情報(ゲーム履歴、ランキング等)を管理する機能、通信対戦の際のマッチング処理機能等を有すものとし、主要なゲームプログラムについては、ゲーム装置10において実行される構成例について説明する。そこで、以下には、ゲーム装置10の機能的構成について説明する。
(ゲーム装置の機能的構成)
図10は、ゲーム装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。ゲーム装置10は、基本的に、入力管理手段110、実行手段120、出力管理手段130、キャラクタ管理手段140、ユーザ情報管理手段150、通信管理手段160等を備えている。これらの各手段は、基本的に、ゲーム装置10のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段110は、操作部16を介した操作に関する情報を、実行手段120に出力する。実行手段120は、前記操作に関する情報や、サーバ30または他のゲーム装置10から受信した情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。この実行手段120の有する機能の詳細については後述する。実行手段120によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段130は、画像処理部17およびサウンド処理部18を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段130は、画像処理部17を制御して、表示部20にゲーム画面を表示させたり、サウンド処理部18を制御して、音声出力部21からゲームプレイ中の効果音を出力させたりする。
キャラクタ管理手段140は、キャラクタデータベース(以下、キャラクタDBと称する)に基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。キャラクタDBは、RAM13または補助記憶装置14に記憶されている。あるいは、キャラクタDBはサーバ30に存在し、ゲーム装置10がサーバ30にアクセスして必要な選手キャラクタの情報を、サーバ30を介してダウンロードするようにしてもよい。
野球ゲームおけるキャラクタDBには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、能力パラメータ等の情報が記憶される。図11に、キャラクタDBに登録されている複数の投手キャラクタのうち、選手ID=501の1人分の情報を例示している。投手キャラクタの場合、選手ID(キャラクタの識別情報)と対応付けて、選手名、ポジション、球速、制球力、投球可能な複数の球種、各球種のパラメータ値、各球種の握力消費量、キャラクタの画像等の情報が記憶される。これらの各種パラメータは、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。
球速は、投手キャラクタがストレートを投げた場合の最高球速である。制球力は、投手キャラクタのコントロールの良さの指標となるパラメータである。投球可能な球種は、いわゆる投手キャラクタの持ち球である。図11の例では、選手ID=501の投手キャラクタは、「ストレート」、「シュート」、「ナックル」、「フォーク」、「カーブ」、「スライダー」の6種類の球種を持ち球としている。各投手キャラクタに応じて持ち球の球種は異なっている。投手キャラクタによっては、5種類以下または7種類以上の球種を持ち球とする場合があってもよい。なお、持ち球の球種の数に上限を設けてもよい(例えば、10種類を上限とする)。
また、キャラクタDBには、投手キャラクタの持ち球の各球種と対応付けて、球種のパラメータ値(能力値)が記憶されている。「ストレート」のパラメータ値は、ボールの伸びを示すものであり、「ストレート」以外の変化球のパラメータ値は、変化量を示すものである。各球種のパラメータ値には、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のうちの何れかの値が設定される。「5」が最もボールの伸びまたは変化量が大きく、「1」が最もボールの伸びまたは変化量が小さい。なお、前記球種のパラメータ値も、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。これは投手毎に得意、不得意な球種が異なるためである。
また、キャラクタDBには、投手キャラクタの持ち球の各球種と対応付けて、握力パラメータの消費量が記憶されている。図11の例では、各球種に対応付けられた握力パラメータは、ストレート「1」、シュート「3」、ナックル「8」、フォーク「7」、カーブ「2」、スライダー「2」である。
また、キャラクタDBには、複数の野手キャラクタの情報が記憶されている。野手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、能力パラメータ(巧打力、長打力、走力、守備力等)、投球コースに対する得意/不得意の情報、投手との相性の情報、特殊能力、キャラクタの画像等が記憶される。これらの各種パラメータは、各野手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。
ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)に記憶して管理する。例えば、ユーザ情報管理手段150は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。ユーザ情報管理手段150が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。また、ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。また、ユーザ情報管理手段150は、サーバ30に記憶されているユーザのゲームに関する情報があれば、サーバ30からダウンロードする。
通信管理手段160は、通信制御部15を介して、サーバ30や他のゲーム装置10等との間の情報通信を管理する機能を有する。
次に、ゲーム装置10の実行手段120が有する主な機能について、詳細に説明する。
図10に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120は、主に、動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125等を備えている。
動作制御手段121は、複数の選択肢の中からユーザによって選択された選択肢に基づいて、キャラクタに動作を行わせる機能を有する。ここで、前記「選択肢」とは、例えば、ユーザが選択可能なゲーム上のパラメータ、当該パラメータに関係づけられた数字、文字、記号、画像等である。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタが投球可能なストレート、スライダー、フォーク、ナックル等の球種が選択肢の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、パンチ、キック、火炎放射、光線発射等の攻撃の種類が選択肢の一例に相当する。
また、前記「ユーザ」とは、例えば、ゲームの操作をする人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。
また、前記「キャラクタ」とは、例えば、ゲームに登場して動作するオブジェクトのことであり、人物や動物のほか、架空の生き物(モンスター、妖怪)やロボットなどがキャラクタの一例に相当する。また、オブジェクトとは、ゲーム内において視覚的に認識可能に表示された画像である。
また、前記「動作」とは、例えば、ゲーム内におけるキャラクタの行為・行動であり、キャラクタが所定の目的や意図を完了するまでの一単位の行為・行動である。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタがボールオブジェクトを投球することが、動作の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタが相手に対して攻撃を仕掛けることが、動作の一例に相当する。
画面上の動作の表示態様は様々である。例えば、キャラクタの動作は、画面上で動画により表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、文章による動作の説明(テキスト情報)と静止画とにより表示してもよい。その具体例としては、次のような態様がある。画面上にテキストによる動作の説明のみが表示され、その後、画面が切り替わってキャラクタの動作中または動作後の静止画が表示される。あるいは、画面上にテキストによる動作の説明とキャラクタの動作中または動作後の静止画とが同時に表示される。また、例えば、キャラクタの動作は、動作前および動作後の静止画によって表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、動作前、動作中、動作後の静止画によって表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、キャラクタを画面に表示することなく、文章による動作の説明(テキスト情報)のみにより表示してもよい。
図2ないし図7に例示した野球ゲームでは、ゲーム装置10は、操作対象の投手キャラクタC10が投球可能な複数の球種を、キャラクタDBから読み出して、複数の球種を選択するための球種選択用アイコンSCを画面D10に表示させる。ユーザは、タッチパネル、ボタン、方向キー、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等の操作部16を介して球種選択用アイコンSCを操作し、これらか投球する球種を選択する。動作制御手段121は、ユーザによって選択された球種を、投手キャラクタC10に投球させる。
なお、ユーザによる球種の選択は、球種選択用アイコンSCを用いた操作に限定されるものではない。例えば、画面上に複数の球種に対応する複数の球種ボタンが表示され、当該複数の球種ボタンの中からユーザが任意の球種ボタンを選択するようにしてもよい。あるいは、予め各球種に割り当てられた物理的なボタンを選択する操作であってもよい。あるいは、各球種には数字が割り当てられており、数字を入力することにより、球種を選択してもよい。あるいは、ユーザによる音声入力により、複数の球種の中から任意の球種を選択してもよい。
次に、図10のパラメータ管理手段122について説明する。パラメータ管理手段122は、前記キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理する機能を有する。ここで、前記「第1パラメータ」とは、例えば、キャラクタの能力、状態等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、キャラクタの握力が第1パラメータの一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタの瞬発力が第1パラメータの一例に相当する。
また、パラメータ管理手段122は、前記動作制御手段121が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させる機能を有する。ここで、「消費量」とは、例えば、ゲーム内でキャラクタが動作を行ったことにより減少するパラメータの量のことをいう。例えば、「消費量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「消費量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。図2に示すように、前述の野球ゲームの例では、球種選択用アイコンSCの各ラインSC1、SC2、SC3、SC4、SC5、SC6の長さによって、各ラインに対応する球種の握力パラメータの消費量を表している。図2の例では、消費量が大きいほど、ラインの長さが長くなるように表示している。また、図示していないが、ラインを二重に構成し、一方のラインが球種のパラメータ(ボールの伸び、変化量等)を示すように、他方のラインが消費量を示すように表示しても良い。
記憶制御手段123は、前記複数の選択肢のそれぞれに対応する前記第1パラメータの前記消費量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14等)に記憶する機能を有している。本実施の形態の記憶制御手段123は、図11に例示するように、投手キャラクタが投球可能な複数の球種のそれぞれに対応づけて、握力パラメータの消費量を記憶装置に記憶させる記憶制御を行う。この記憶制御手段123は、キャラクタDBを管理する選手管理手段140を制御して、または選手管理手段140と協働して、球種毎の握力パラメータの消費量をRAM13等に記憶する。
図11の例では、選手ID=501の投手キャラクタが投球可能な各球種に対応付けられた握力パラメータの消費量は、ストレート「1」、シュート「3」、ナックル「8」、フォーク「7」、カーブ「2」、スライダー「2」である。また、握力パラメータの回復量は全ての球種で「2」である。このように、複数の選択肢(球種)のそれぞれには、異なる消費量を対応付けることができる。特に、本実施の形態では、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種(指に負担がかかる球種)であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも消費量を予め大きく設定している。
また、パラメータ管理手段122は、前記動作制御手段121が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させるだけでなく、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させる機能を有する。ここで、前記「回復」とは、例えば、消費されて減少した、数値、ポイント、レベル等で示されるパラメータが増加することをいう。例えば、「回復」は、画面上に表示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等の変化によって視覚的に表すことができる。また、前記「回復量」とは、例えば、消費されて減少したパラメータが増加する量のことをいう。例えば、「回復量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「回復量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。
本実施の形態の野球ゲームの例では、投手キャラクタによる投球の1球毎に、投球された球種に応じた消費量(例えば、ストレート「1」、スライダー「2」、フォーク「7」、ナックル「8」)だけ握力パラメータが低減し、次の投球前には所定の回復量(例えば「2」)だけ握力パラメータが回復する。これにより、投手キャラクタの投球毎に所定範囲内(例えば、最小値「0」〜最大値「10」の範囲内)で握力パラメータが増減する。
ここで、ある球種Xの連投(2回以上連続して同じ球種を投球すること)を制限するための好ましい設定について説明する。ある球種Xに対応する握力パラメータの消費量をP、当該球種Xが投球された後に握力パラメータが回復する回復量をQ、握力パラメータがとり得る所定範囲の最大値をRとする。ある球種Xの連投を制限する場合、R−P+Q<Pの関係を満たすように、消費量Pを設定すればよい。すなわち、握力パラメータの最大値Rから、球種Xに対応する握力パラメータの消費量Pを差し引き、投球後の回復量Qを加算した値(R−P+Q)は、次の投球前に残っている握力パラメータの最大の値である。この値よりも、球種Xに対応する握力パラメータの消費量Pが大きい場合(R−P+Q<P)、球種Xを連続して投球すれば、必ず2回目の投球の際に握力パラメータが不足することになる。例えば、握力パラメータの最大値R=10、投球後の回復量Q=2とした場合、P>6が球種Xの連投を制限するために好ましい消費量Pの条件である。
図11における球種毎の握力パラメータの消費量の例では、フォークの消費量が「7」、ナックルの消費量が「8」であり、消費量P>6の条件を満たす。従って、フォークおよびナックルについては、連投が制限された球種となっている。
消費量P≦6の球種であれば、握力パラメータの残量によってはゲーム上不利になることなく連投も可能であるが、消費量が大きい球種ほど多投はし難くなる。
なお、球種Xの握力パラメータの消費量Pが、握力パラメータの最大値Rよりも大きければ、当該球種Xを選択すれば、必ず握力不足になってしまう。これを回避するためには、R−P+Q<P≦Rの関係を満たすように、消費量Pを設定することが好ましい。例えば、握力パラメータの最大値R=10、投球後の回復量Q=2とした場合、6<P≦10が球種Xの連投を制限するために好ましい消費量Pの条件である。
次に、図10の管理手段124について説明する。管理手段124は、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する機能を有する。ここで、前記「ゲーム上不利」とは、例えば、ゲーム上の設定がユーザにとって不利になることをいう。例えば、野球ゲームでは、ユーザの操作対象の投手キャラクタの暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる(これによって、相対的に投手側が不利になる)等が、ゲーム上不利の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、ユーザの操作対象のキャラクタの攻撃力が低下する、攻撃に失敗する(攻撃が相手に当たらない)確率が高くなる、相手キャラクタの防御力が向上する等が、ゲーム上不利の一例に相当する。
野球ゲームにおいてゲーム上不利の具体例を説明する。例えば、握力パラメータの残量よりも握力消費量の小さい球種、または握力パラメータの残量と同一の握力消費量の球種が選択された場合の暴投率(暴投になる確率)を2%とする。これに対して、握力パラメータの残量よりも、握力消費量の大きい球種が選択された場合の暴投率を20%とする。これにより、ユーザが、握力パラメータの残量よりも握力消費量の大きい球種を選択して投球した場合、必ず暴投になるわけではないが、暴投になる確率が10倍にアップする。
また、例えば、図11に示すように、選手ID=501の投手キャラクタの制球力のレベルは「3」である。よって、握力パラメータの残量よりも握力消費量の小さい球種が選択された場合の制球力のレベルは「3」であるが、握力パラメータの残量よりも握力消費量の大きい球種が選択された場合、制球力のレベルは「2」に低下する。
また、図4に例示する画面D10において、円形の投球カーソルPCRが投球ポイントPPTと重なるタイミングに合わせて、ユーザがリリース操作を行うことにより、ボールの球威が向上するベストピッチングとなる。ベストピッチングとなる期間の長さは、握力パラメータの残量よりも握力消費量の小さい球種が選択された場合、投球カーソルPCRと投球ポイントPPTとが重なるタイミングを含む3フレームの期間(3/60秒の期間)に設定される。これに対して、握力パラメータの残量よりも握力消費量の大きい球種が選択された場合、ベストピッチングとなる期間の長さは、投球カーソルPCRと投球ポイントPPTとが重なるタイミングを含む1フレームの期間(1/60秒の期間)に短縮される。これにより、投球操作の難易度が高くなる。
図12には、あるイニングの投球の履歴および投球毎の握力パラメータの変化の一例を示している。この例では、握力パラメータの最大値「10」、投球後の握力パラメータの回復量「2」、各球種の1球毎の握力パラメータの消費量を、ストレート「1」、シュート「3」、ナックル「8」、フォーク「7」、カーブ「2」、スライダー「2」とする。パラメータ管理手段122は、イニングの最初(投球前)から1球毎に、握力パラメータの変動を記憶装置(RAM13等)に記憶して、握力パラメータを管理する。
図12の例では、イニングの最初(投球前)において、握力パラメータは最大値「10」である。1球目に消費量「7」のフォークが投球されたことにより、1球目投球後の握力パラメータの残量は「3」になる。その後、2球目の投球前に握力パラメータが回復量「2」だけ増加して「5」になる。この場合、暴投率が大きくなる等のリスクを回避するためには、消費量が5以下の球種を選択することが要求される。よって、2球目に消費量「7」のフォークを連投することはリスクを伴う。図12の例では、2球目に消費量「1」のストレートが投球されている。2球目に消費量「1」のフォークが投球されたことにより、2球目投球後の握力パラメータの残量は「4」になる。その後、3球目の投球前に握力パラメータが回復量「2」だけ増加して「6」になる。
このように、回復量「2」よりも小さい消費量「1」のストレートを選択することにより、次の投球前には握力パラメータの残量は増加する。ユーザは、フォークを投げて減ってしまった握力パラメータを、再度、フォークを投げられるまでに回復させるためには、回復量よりも小さい消費量の球種を何回か選択する必要がある。従って、複数の選択肢の中には、回復量よりも小さい消費量を有する選択肢(球種)を少なくとも1つは設けておくことが好ましい。
3球目の投球前の握力パラメータの残量が「6」なので、まだ消費量「7」のフォークの選択にはリスクを伴う。ここで、仮に、ストレートを選択すれば、4球目の投球前には握力パラメータが「7」にまで回復する。しかしながら、ストレートを2球続けて投球すると打者キャラクタが速い球に慣れることも考え、ユーザは、3球目に消費量「2」のスライダーを選択している。これにより、3球目投球後の握力パラメータの残量は「4」になる。その後、4球目の投球前に握力パラメータが回復量「2」だけ増加して「6」になる。このように、回復量「2」と同一の消費量の球種を選択することにより、次の投球前には握力パラメータを現状維持できる。
図12の例では、ユーザが、5球目に決め球としてフォークを投球することを予定して、4球目に消費量「1」のストレートを選択している。これにより、4球目投球後の握力パラメータの残量は「5」になる。その後、5球目の投球前に握力パラメータが回復量「2」だけ増加して「7」になる。そして、ユーザは、5球目に決め球として消費量「7」のフォークを選択している。これにより、5球目投球後の握力パラメータの残量は「0」になる。
図13には、あるイニングの投球の履歴および投球毎の握力パラメータの変化の他の例を示している。この例でも、図12の場合と同様に、握力パラメータの最大値「10」、投球後の握力パラメータの回復量「2」、各球種の1球毎の握力パラメータの消費量を、ストレート「1」、シュート「3」、ナックル「8」、フォーク「7」、カーブ「2」、スライダー「2」とする。
図13の例では、1球目に消費量「1」のストレートが投球されたことにより、1球目投球後の握力パラメータの残量は「9」になる。その後、2球目の投球前に握力パラメータは最大値の「10」まで回復する。2球目に消費量「2」のカーブ、3球目に消費量「2」のスライダーが選択されているが、上述のとおりこれらは握力パラメータが現状維持となる球種なので、4球目の投球前の握力パラメータは最大値の「10」のままである。図13の例では、4球目に決め球のナックルを投球するために、1球目から3球目までは握力パラメータの消費量が少ない球種を選択している。
4球目に消費量「8」のナックルが投球されたことにより、4球目投球後の握力パラメータの残量は「2」になる。その後、5球目の投球前に握力パラメータが回復量「2」だけ増加して「4」になる。図13の例では、早めに握力パラメータを回復させる等のために、5球目および6球目に消費量「1」のストレートを選択している。これにより、7球目の投球前に握力パラメータが「6」まで回復している。図13の例では、ユーザは7球目が勝負どころであると考えて、暴投になるリスクを覚悟で、握力パラメータの残量「6」よりも大きい消費量「7」のフォークを選択している。これにより、7球目投球後の握力パラメータの残量は、最低値である「0」になる。なお、図13では省略しているが、その後、8球目の投球前に握力パラメータは「2」になる。
本構成により、例えば、野球ゲームでは、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックル等の特定の球種(選択肢の一例)の握力パラメータ(第1パラメータの一例)の消費量を、その他の球種の消費量よりも予め大きく設定することができる。これにより、打者を打ち取る効果が大きいからといってフォーク等の特定の球種を連投または多投すれば、当該球種の消費量が握力パラメータの残量(現在値)を超えてしまい、暴投率が大きくなる等の不利な状態となる。なお、ある球種の消費量が握力パラメータを超えていても、投球することは可能であるため、ユーザは、暴投率が大きくなる等のリスクを承知の上で、その球種を選択するか否かを判断する必要が生じ、従来にはない興趣性の高いゲームを実現できる。
すなわち、従来では、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの消費量が異なるので、上述のように、ユーザが選択する球種によっては、暴投率が大きくなる等のリスクが発生するため、ユーザは球種選択を慎重に検討することとなり、従来のゲームに比べて遊戯性が向上する。
例えば、ユーザは、握力パラメータの消費量の大きい球種は勝負所で使用する(例えば、決め球としてフォークを温存する)等、投球の組み立てを考慮する必要がある。そして、握力パラメータの低減リスクがない(または少ない)ストレート、カットボール、カーブ、スライダー等の球種も、決め球としてフォーク等を投球するための配球に必要な球種となる。すなわち、従来のゲームでは、フォーク等と較べて打ち取る効果の低い球種はユーザに軽視される。これに対して、本実施の形態のゲームでは、握力パラメータの消費量の小さい球種は、それ自体が打ち取る効果の低い球種であっても、握力パラメータの回復、維持等のためには重要な役割を持つ。
次に、図10の表示制御手段125について説明する。表示制御手段125は、前記第1パラメータに関する情報と、前記複数の選択肢のそれぞれの前記消費量に関する情報とを、ゲーム画面に表示させる機能を有する。また、表示制御手段125は、複数の選択肢に共通の前記回復量に関する情報を、ゲーム画面に表示させてもよい。
表示制御手段125は、図8の画像処理部17を制御して表示部20に所望の画面を表示させる。例えば、図2に例示するように、表示制御手段125は、第1パラメータの一例としての握力パラメータの残量を、握力ゲージG13を用いて画面D10に表示させる。また、表示制御手段125は、握力パラメータの残量(現在値)GP10を、数値として画面D10に表示させる。また、表示制御手段125は、球種選択用アイコンSCにおける各球種のラインを、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量に応じた長さにして画面D10に表示させる。また、表示制御手段125は、各球種のラインの先端付近に、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量が数値で表示されるように制御する。これらの表示制御は一例であり、握力パラメータの残量と、球種毎の握力パラメータの消費量とが画面上で明確化できればよい。例えば、球種選択用アイコンSCにおける各球種のラインの面積や色により、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量を画面上に表してもよい。
本構成により、第1パラメータ(例えば、握力の残量)と、選択肢毎の第1パラメータの消費量とがゲーム画面上で明確化される。これにより、ユーザによる選択肢の選択がし易くなる。
(ゲーム装置の動作例)
次に、本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を、図14および図15のフローチャートを参照しながら以下に説明する。図14および図15は、野球の1イニングの制御例を示すフローチャートである。
図14に示すように、ゲーム装置10のCPU21は、イニングの開始時に投手キャラクタの握力パラメータを最大値(例えば10)に設定する(S100)。この握力パラメータは、記憶装置(RAM13等)に記憶されて管理される。そして、CPU21は、ユーザが球種選択を行うための画面を表示させる(S102)。これにより、例えば、図2に示すように、投手キャラクタが投球可能な複数の球種の中から任意の球種を選択できる球種選択用アイコンSCが表示された画面D10が表示される。フローチャートには表示していないが、球種選択用の画面は、後記の投球動作(S116)に入る際に画面から消去してもよい。
また、CPU21は、握力パラメータの残量(現在値)を、画面に表示させる(S104)。例えば、図2に示す握力ゲージG13に、握力パラメータの残量が表示される。イニングの開始直後(1球目の投球前)においては、握力パラメータの残量は最大値になっている。
また、CPU21は、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量を画面に表示させる(S106)。図2の例では、球種選択用アイコンSCのラインの先端付近に、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量が数値で表示される。また、種選択用アイコンSCの各球種のラインも、各球種に対応づけられた握力パラメータの消費量に応じた長さで表示される。
その後、ユーザが、投手キャラクタが投球可能な複数の球種の中から任意の球種を1つ選択し、その選択が確定すると(S108でYES)、CPU21は、握力パラメータの残量よりも消費量の大きい球種が選択されたか否かを判断する(S110)。本実施の形態のゲームでは、ユーザが球種選択用アイコンSCを操作して、複数の球種の中から任意の球種を1つ選択し、その後、投球開始ボタンを押すことにより球種の選択が確定する。握力パラメータの残量よりも消費量の大きい球種が選択された場合(S110でYES)、CPU21は、ユーザがゲーム上不利になるように、例えば、暴投率をデフォルトの2%よりも大きい20%に設定する。一方、前記ステップS110でNOの場合、CPU21は、デフォルトの暴投率2%を適用する(S114)。
その後、CPU21は、ユーザによって選択された球種を投手キャラクタに投球させる(図15のS116)。本実施の形態のゲームでは、投手キャラクタが投球動作を開始した後、ユーザは投球コースの指定およびリリースタイミングの指定を行うことができる。ゲーム装置10のCPU21は、ユーザによる入力情報(球種、投球コース、リリースタイミング)、前記ステップS112またはS114で設定された暴投率、投手キャラクタの能力パラメータ(制球力等)に基づいて、リリースされたボールの軌道を算出し、ボールをホームベース方向へと移動させる。
その後、CPU21は、投球された球種に応じた消費量だけ握力パラメータを低減させる(S118)。例えば、図12に示すように、1球目に消費量「7」のフォークが投球された場合、CPU21は、握力パラメータを「10」から「3」に低減させる。この場合、CPU21は、低減後の握力パラメータを記憶装置に記憶する。
投球後、CPU21は、対戦相手の打者側のユーザの操作に基づいて、打者キャラクタの打撃動作を制御する。なお、CPU対戦の場合、CPU21は、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づく自動制御により、打者キャラクタの打撃動作を制御する。打者キャラクタは、バットを振ることもあれば、振らずにボールを見逃すこともある。CPU21は、打撃の結果を画面に表示する(S120)。打撃の結果には、安打、凡打、ファールボール、空振り三振、見逃し三振、四球、ボールカウントの変化等が含まれる。
打撃の結果、スリーアウトにならなければ、現在のイニングが継続され(S122でNO)、投手キャラクタは同一イニング内の投球を継続する。この場合、CPU21は、次の投球前に、所定の回復量(例えば2)だけ握力パラメータを増加させる(S124)。この場合、CPU21は、増加後(回復後)の握力パラメータを記憶装置に記憶する。
ステップS124の後、前記のステップS102に移行し、次の投球のための球種選択用の画面が表示される。そして、ステップS124により回復した後の握力パラメータが画面に表示される(S104)。ステップS102以降の処理は、イニングが終了するまで繰り返される。
打撃の結果、スリーアウトになってイニングが終了すれば(S122でYES)、当該イニングの処理を終了する。前記ステップS100〜S124の処理は、イニング毎に行われる。
以上のように、本実施の形態のゲーム装置10は、複数の選択肢の中からユーザによって選択された選択肢に基づいて、キャラクタに動作を行わせる動作制御手段121と、前記キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理するものであり、前記動作制御手段121が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段122と、前記複数の選択肢のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置に記憶する記憶制御手段123と、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段124と、を備える構成である。これにより、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができる。
なお、ゲーム装置10は、前記第1パラメータに関する情報と、前記複数の選択肢のそれぞれの前記消費量に関する情報とを、ゲーム画面に表示させる表示制御手段125を備えていることが好ましいが、これらの情報をゲーム画面に表示させないゲームモードを設けてもよい。例えば、野球ゲームにおいて、握力パラメータの残量、各球種の消費量が画面に表示されない(内部的にはこれらの情報が管理されている)ゲームモードの場合、ユーザは投球毎に、握力パラメータの残量を自らが計算しながらゲームを遊戯すればよい。
また、本実施の形態のゲーム装置10を野球ゲームに適用した場合、前記キャラクタは野球ゲームの投手キャラクタであり、前記複数の選択肢は、前記投手キャラクタが投球可能な複数の球種であり、前記動作は、前記投手キャラクタによる投球であり、前記第1パラメータは、前記投手キャラクタの握力パラメータとすることができる。
すなわち、野球ゲームを制御する本実施の形態のゲーム装置10は、投手キャラクタが投球可能な複数の球種の中からユーザによって選択された球種を前記投手キャラクタに投球させる動作制御手段121と、前記キャラクタに関係づけられた握力パラメータを管理するものであり、前記動作制御手段121が選択された前記球種を前記投手キャラクタに投球させた場合に、当該球種に対応する消費量だけ前記握力パラメータを低減させ、且つ、その後次の投球の前に所定の回復量だけ前記握力パラメータを増加させることにより、投球毎に所定範囲内で前記握力パラメータを増減させるパラメータ管理手段122と、前記複数の球種のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置に記憶する記憶制御手段123と、前記握力パラメータよりも前記消費量の大きい球種が選択された場合には、前記握力パラメータよりも前記消費量の小さい球種が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段124と、を備える構成である。
これにより、従来のゲームと較べて、興趣性の高い野球ゲームを実現することができる。すなわち、従来では、握力パラメータという概念がなく、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの消費量が異なるので、フォークやナックル等の握力の消耗の大きい球種(一般的に打者を打ち取る効果が大きいが連投し難いと言われている球種)の連投や多投を効果的に制限することができる。これにより、リアル感のある投球操作を実現できる。また、ユーザが選択する球種によっては、暴投率が大きくなる等のリスクが発生するため、ユーザは球種選択を慎重に検討する必要がある。また、ユーザは、握力の消耗の大きい球種は勝負所で使用する(例えば、決め球としてフォークを温存する)等、投球の組み立てを考慮する必要があり、対戦相手との新たな駆け引きが発生する。これにより、従来のゲームと較べて遊戯性が向上する。
以下には、ゲーム装置10のバリエーションについて説明する。ユーザが投手キャラクタの投げるボールの球速を設定できるようにした場合、ボールの球速が大きいほど、指に負担がかかるものとし、握力パラメータの消費量を大きくしてもよい。あるいは、ボールの球速が大きいほど、投球後の握力パラメータの回復量を小さくしてもよい。例えば、球種がストレートの場合、ユーザの操作により、「遅い」、「普通」、「速い」の3段階の球速が任意に選択できる。例えば、ユーザがストレートの「遅い」を選択した場合、握力パラメータの消費量は「0」、ストレートの「普通」を選択した場合、握力パラメータの消費量は「1」、ストレートの「速い」を選択した場合、握力パラメータの消費量は「2」になるようにする。
これは、ストレートという球種は1種類ではなく、「遅いストレート」、「普通のストレート」、「速いストレート」という3種類の球種として扱うことも可能である。各速度のストレートには、握力パラメータの消費量が関係づけられて記憶装置に記憶されている。
あるいは、「遅い」、「普通」、「速い」の3段階の球速の何れのストレートが選択されても、ストレートの握力パラメータの消費量は同一(例えば「1」)とし、投球後の握力パラメータの回復量が球速によって異なるようにしもよい。例えば、ユーザがストレートの「遅い」を選択した場合、回復量は「3」、ストレートの「普通」を選択した場合、回復量は「2」、ストレートの「速い」を選択した場合、回復量は「1」になるようにする。
なお、上記の場合、ストレートを例に挙げたが、他の球種も同様である。例えば、スライダーの場合、ユーザの操作により、「普通」と「高速」の2段階の球速が任意に選択できものとする。例えば、ユーザがスライダーの「普通」を選択した場合、握力パラメータの消費量は「2」、スライダーの「高速」を選択した場合、握力パラメータの消費量は「3」になるようにする。
このように、ユーザ操作により設定された球速に応じて握力パラメータの消費量または回復量を異ならせることにより、よりリアル感のある投球操作を実現できる。
次に、キャラクタに動作を行わせた結果(例えば、投球の結果)応じて、第1パラメータの回復量を変動させるバリエーションについて説明する。図16に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120Aは、前述の動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125等の他に、回復量変動手段126Aをさらに備えている。
回復量変動手段126Aは、前記動作制御手段が前記キャラクタに前記動作を行わせた結果に応じて、当該動作後の前記回復量を変動させる機能を有する。ここで、前記「キャラクタに動作を行わせた結果(動作の結果)」とは、例えば、キャラクタの動作によって生じたゲーム上の状況、状態等のことをいう。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタの投球により打者キャラクタを三振に仕留めた、本塁打を打たれた等が、動作の結果の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタの攻撃により相手が倒れた、攻撃をかわされた等が、動作の結果の一例に相当する。
例えば、回復量変動手段126Aは、投手キャラクタが三振で打者を打ち取った場合、当該投手キャラクタの気分が乗っているものとし、次の打者に対して投球している期間中(あるいはそのイニングの終了まで等でもよい)、通常よりも第1パラメータの回復量を大きくする。例えば、通常の回復量「2」に対して、回復量を「3」にする。また、例えば、投手キャラクタが2者連続三振を奪った場合、次の打者に対して投球している期間中、回復量を「4」にしてもよい。回復量変動手段126Aが回復量を変動させる期間は任意に定めることができる。
また、例えば、投手キャラクタが本塁打を打たれた場合、当該投手キャラクタの精神的ダメージが残っているものとし、次の打者に対して投球している期間中(あるいはそのイニングの終了まで等でもよい)、通常よりも第1パラメータの回復量を小さくする。例えば、通常の回復量「2」に対して、回復量を「1」にする。
ゲーム装置10は、回復量を変動させる対象となる動作の結果と、当該結果に対応する回復量とを関係づけた情報を予め記憶装置に記憶している。この情報に基づいて、回復量変動手段126Aは、回復量を変動させる対象となる動作の結果が発生した場合に、回復量を変動させる。
このように、キャラクタによる動作の結果によって第1パラメータ(例えば握力パラメータ)の回復量を変動させることにより、ゲームに変化が生じ、ゲーム性がさらに向上する。
次に、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)だけではなく、第2パラメータ(例えば体力パラメータ)も適用したバリエーションについて説明する。
パラメータ管理手段122は、前記第1パラメータだけでなく、前記第1パラメータがとる前記所定範囲の最大値(例えば10)よりも大きい初期値(例えば500)を有する第2パラメータをさらに管理する機能を有する。そして、パラメータ管理手段122は、前記動作制御手段121が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する第2消費量だけ前記第2パラメータを低減させる。
ここで、前記「第2パラメータ」とは、例えば、キャラクタの能力、状態等を示す情報であり、前記第1パラメータとは異なるものである。例えばキャラクタの体力、スタミナ、持久力等が第2パラメータの一例に相当する。また、前記「第2消費量」とは、例えば、ゲーム内でキャラクタが動作を行ったことにより減少する第2パラメータの量のことをいう。例えば、「第2消費量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「第2消費量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。
図2ないし図7に例示した前述の野球ゲームでは、体力ゲージG16により示される体力パラメータが、第2パラメータに相当する。パラメータ管理手段122は、投手キャラクタの体力パラメータを、記憶装置(RAM13等)に記憶して管理する。すなわち、パラメータ管理手段122は、投手キャラクタの投球の1球毎に、投球した球種に対応する第2消費量(例えば「1」〜「8」)だけ、体力パラメータを初期値(例えば「500」)から低減する。前述のとおり、体力パラメータは、握力パラメータの最大値(例えば「10」)よりもはるかに大きい初期値(例えば「500」)を有し、1試合をとおして投球毎に減少するのみであり、握力パラメータのように試合中に1球毎に回復しない。また、体力パラメータは、イニングが変わっても初期値には戻らない。
複数の選択肢のそれぞれには、異なる第2消費量を対応付けることができる。例えば、選択肢を球種とした場合、打者を打ち取る効果が大きいが体力の消耗が大きい球種であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも体力パラメータの第2消費量を予め大きく設定する。例えば、各球種の第2消費量は、ストレート「1」、カーブ「2」、スライダー「3」、シュート「4」、フォーク「5」、ナックル「8」等とする。また、同じ球種でも、投手キャラクタによって、第2消費量を異ならせてもよい。
なお、第1パラメータの消費量と、第2パラメータの第2消費量とを同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
そして、管理手段124は、前記第2パラメータが閾値以下になった場合、前記動作制御手段による前記動作を禁止する機能を有する。ここで、前記「動作を禁止する」とは、例えば、キャラクタが動作できない状態にすることをいう。例えば、ユーザが選択した選択肢に基づいてキャラクタが動作する場合において、ユーザが選択肢を選択しても、キャラクタが動作しない(反応しない)状態にすることが、「動作を禁止する」一例に相当する。なお、動作を禁止した場合、選択肢を選択してもキャラクタが動作しないので、そもそも選択肢を画面に表示しない、または選択不可能な状態で選択肢を表示(例えばグレイアウトで表示)するようにしてもよい。
前記閾値としては、任意の値を予め設定することができる。例えば、代表的な閾値としては「0」であるが、閾値を「5」等としてもよい。
あるいは、前記管理手段124は、前記第2パラメータ(体力パラメータ等)が閾値以下になった場合、前記キャラクタの前記動作を禁止するのではなく、前記第2パラメータが前記閾値よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理してもよい。ここで、ゲーム上不利の一例としては、野球ゲームの場合、前述のように、投手キャラクタの暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる等を挙げることができる。体力パラメータは、握力パラメータのように回復しない。このため、一度、キャラクタの体力パラメータが閾値以下になってしまえば、ゲーム上不利な状態が続くことになる。
従って、野球ゲームの場合、体力パラメータが閾値以下(例えば0)になった投手キャラクタは、他の投手キャラクタと交代させる必要が生じる。
上述のように、握力パラメータは、体力パラメータのレンジ(例えば0〜500)よりもはるかに小さいレンジ(例えば0〜10の範囲)で投球毎に増減するパラメータであり、たとえ体力パラメータが十分に残っていても、握力パラメータが不足すれば暴投等のリスクが発生する。よって、体力パラメータとは異なる概念の握力パラメータを導入したことにより、握力パラメータの消費量の大きい球種ばかりを連続して選択できない状況を効果的につくることができる。これに対して、体力パラメータは、握力パラメータより大きい初期値(例えば500)から消費されるパラメータであり、握力パラメータのように1動作毎に(1球毎に)、次の選択肢の選択に影響がでるようなパラメータではない。但し、体力パラメータが閾値以下になれば、投球できなくなったり、不利な状態が続くことになったりするので、ユーザは体力パラメータにも気を配る必要がある。つまり、体力パラメータは、野球の1試合または複数イニングを通して、投球の組み立て(球種の選択)を要求されるパラメータである。例えば、ユーザが一人の投手キャラクタを9イニングまで投げさせる(完投させる)ためには、一球毎の握力パラメータの変動を考慮するとともに、1試合をとおして体力パラメータの残量も考慮しながら、球種を選択することを要求される。
このように、キャラクタに関係づけられた異なる概念の第1パラメータ(握力パラメータ等)および第2パラメータ(体力パラメータ等)によってゲームを制御することにより、よりゲーム性を高めることができる。
次に、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)と第2パラメータ(例えば体力パラメータ)とに関連性を持たせるバリエーションについて説明する。
図17に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120Bは、前述の動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125等の他に、第1変更手段127Bをさらに備えている。なお、実行手段120Bは、図16の回復量変動手段126Aをさらに備えていてもよい。
第1変更手段127Bは、前記第2パラメータが低下するほど、前記第1パラメータの前記消費量が大きくなる、または前記第1パラメータの前記回復量が小さくなるように変更する機能を有する。
ゲーム装置10は、体力パラメータと握力パラメータの消費量との関係を示す関係情報を予め記憶装置に記憶している。この関係情報に基づいて、第1変更手段127Bは、体力パラメータが低下するほど、握力パラメータの消費量が大きくなるようにする。この関係情報の一例を図18に示す。図18の例では、体力パラメータが初期値の40%以上(例えば体力パラメータの初期値が「500」の場合、「200」以上)の場合、握力パラメータの消費量はデフォルトの値が適用される。ここで、デフォルトの値が適用されるとは、例えば図11の選手キャラクタの場合、握力パラメータの消費量として、ストレート「1」、スライダー「2」、カーブ「2」、シュート「3」、フォーク「7」、ナックル「8」が適用されるということである。
また、体力パラメータが40%未満になると、各球種の握力パラメータの消費量はデフォルトの値より「+1」に変更(補正)される。さらに、体力パラメータが20%未満になると、各球種の握力パラメータの消費量はデフォルトの値より「+2」に変更される。例えば、体力パラメータが40%以上(「200」以上)の場合は、フォークに対応する握力パラメータの消費量が「7」であるが、体力パラメータが40%未満になるとその消費量が「8」に、さらに体力パラメータが20%未満(「100」未満)になると消費量が「9」になる。
なお、前記関係情報は、テーブルの情報ではなく、体力パラメータと握力パラメータの消費量との関係を示す関係式(関数)であってもよい。
あるいは、ゲーム装置10は、体力パラメータと握力パラメータの回復量との関係を示す関係情報を予め記憶装置に記憶している。この関係情報に基づいて、第1変更手段127Bは、体力パラメータが低下するほど、握力パラメータの回復量が小さくなるように変更する。この関係情報の一例を図19に示す。図19の例では、体力パラメータが初期値の40%以上の場合、握力パラメータの回復量は「3」であるが、体力パラメータが40%未満になるとその回復量が「2」に、さらに体力パラメータが20%未満になるとその回復量が「1」になる。
なお、前記関係情報は、テーブルの情報ではなく、体力パラメータと握力パラメータの回復量との関係を示す関係式(関数)であってもよい。
これにより、イニングが進行して投手キャラクタの投球数が多くなると、体力パラメータが低下し、それに応じて投球毎の握力の消耗が大きくなる(または回復が小さくなる)。従って、試合後半になって体力パラメータが低下すれば、フォーク等の握力パラメータの消費量の大きい球種がより投げにくくなり、よりリアル感を出すことができる。よって、ユーザは投手キャラクタの体力に余裕がある場合と、その体力が低下した場合とで、投球の組み立て(球種の選択の仕方)を変更することが要求される。本構成のように第1パラメータと第2パラメータとに関連性を持たせることによりゲームに変化が生じ、ゲーム性がより向上する。
次に、1試合中のゲームが進行するほど、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)の消費量が大きくなる、またはその回復量が小さくなるバリエーションについて説明する。
図20に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120Cは、前述の動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125等の他に、第2変更手段128Cをさらに備えている。なお、実行手段120Cは、図16の回復量変動手段126Aをさらに備えていてもよい。
第2変更手段128Cは、前記キャラクタを使用したゲームの開始から当該ゲームの結果が出るまでの期間内において当該ゲームが進行するほど、前記消費量が大きくなる、または前記回復量が小さくなるように変更する機能を有する。ここで、前記「ゲームの結果」とは、例えば、所定のゲーム終了条件を満たした場合に確定する勝敗、スコア、順位、タイム、成功、失敗等のゲームパラメータのことをいう。例えば、野球ゲームでは、野球の1試合の終了により確定した勝敗、スコア等が、ゲームの結果の一例に相当する。また、例えば、格闘の試合を行うゲームでは、1試合の終了により確定した勝敗等が、ゲームの結果の一例に相当する。また、前記「ゲームが進行する」とは、例えば、ゲームの開始からゲームの結果が出るまでの期間内においてゲームの状況が変化することをいう。例えば、野球ゲームでは、試合中のイニングが6回、7回、8回…と進むこと、投手キャラクタの投球数が100球、110球、120球…と大きくなること等が、「ゲームが進行する」の一例に相当する。すなわち、「ゲームが進行する」とは、1試合内のゲームの進行等を対象としたものである。
ゲーム装置10は、ゲームの進行に関する情報と握力パラメータの消費量との関係を示す関係情報を予め記憶装置に記憶している。この関係情報に基づいて、第2変更手段128Cは、ゲームが進行するほど、握力パラメータの消費量が大きくなるようにする。この関係情報の一例を図21に示す。図21の例では、ゲームの進行に関する情報として1試合内のイニングを適用している。例えば、試合中のイニングが6回までの場合、握力パラメータの消費量はデフォルトの値が適用される。また、イニングが7回および8回の場合、各球種の握力パラメータの消費量はデフォルトの値より「+1」に変更(補正)される。さらに、イニングが9回以降になると、各球種の握力パラメータの消費量はデフォルトの値より「+2」に変更される。
なお、前記関係情報は、テーブルの情報ではなく、ゲームの進行に関する情報と握力パラメータの消費量との関係を示す関係式(関数)であってもよい。
あるいは、ゲーム装置10は、ゲームの進行に関する情報と握力パラメータの回復量との関係を示す関係情報を予め記憶装置に記憶している。この関係情報に基づいて、第1変更手段127Bは、ゲームが進行するほど、握力パラメータの回復量が小さくなるように変更する。この関係情報の一例を図22に示す。図22の例では、試合中のイニングが6回までの場合、握力パラメータの回復量は「3」であるが、イニングが7回および8回になるとその回復量が「2」に、さらにイニングが9回以降になるとその回復量が「1」になる。
なお、前記関係情報は、テーブルの情報ではなく、ゲームの進行に関する情報と握力パラメータの回復量との関係を示す関係式(関数)であってもよい。
これにより、イニングの進行に応じて投球毎の握力の消耗が大きくなる(または回復量が小さくなる)。従って、イニングが進行して試合後半になれば、フォーク等の握力パラメータの消費量の大きい球種が投げにくくなり、よりリアル感を出すことができる。よって、ユーザは試合の序盤と終盤とで、投球の組み立て(球種の選択の仕方)を変更することが要求される。本構成のようにゲームの進行に応じて第1パラメータの消費量または回復量を変更することによりゲームに変化が生じ、ゲーム性がより向上する。
次に、所定条件を満たした場合に、第1パラメータの回復量が大きくなるバリエーションについて説明する。
図23に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120Dは、前述の動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125等の他に、第3変更手段129Dをさらに備えている。なお、実行手段120Dは、前述の回復量変動手段126A、第1変更手段127B、第2変更手段128Cの一部または全部をさらに備えていてもよい。
第3変更手段129Dは、所定条件を満たした場合には、当該所定条件を満たしていない場合よりも、前記第1パラメータの前記回復量が大きくなるように変更する機能を有する。ここで、前記「所定条件を満たす」とは、例えば、予め定められたゲーム上の設定、状態になったり、予め定められた特定の操作が行われたりする事象が成立することである。例えば、ユーザが特定のボタンを押す(それによって特定の表示、演出の状態になったり、ポイント等が消費されたりする)ことが、所定条件を満たす一例に相当する。また、例えば、ユーザがゲーム内で特定のアイテム(課金アイテム等)を使用することが、所定条件を満たす一例に相当する。
例えば、第3変更手段129Dは、ユーザが所定の操作を行い、それにより、ピッチングコーチがマウンドに行ってアドバイスする演出が発生することにより、所定条件を満たしたと判断する。このように、ピッチングコーチがマウンドに行く演出が発生すれば、投手キャラクタの握力を回復するための時間を稼ぐことができるものとし、第3変更手段129Dは、通常の回復量「2」に、例えば追加回復量「4」を加えてトータルの回復量を「6」にする。これは一例であり、変更後の回復量は任意に定めることができ、例えば最大値まで回復するようにしてもよい。
例えば、図13に示す投球の7球目において、握力パラメータが不足しているのにフォークを投げているが、このような状況で、フォークを投げる前に、ユーザが特定のボタンを押して、ピッチングコーチがマウンドに行く演出を発生させる。すると、7球目投球前の握力パラメータに追加回復量「4」が加算され、7球目投球前の握力パラメータが「6」から「10」に変更される。これにより、ユーザは、暴投率増加等のリスクを伴うことなく、7球目にフォークを投球することができるようになる。
このような、所定条件を満たしたことによる握力パラメータの回復は、現実の野球と同様に、1イニングに2回までに制限したり、あるいは1試合に2回までに制限したりする等、回数制限を設けることが好ましい。
ここでは、ピッチングコーチがマウンドに行く演出の発生を、所定条件とする例を挙げたが、その他の様々な所定条件を適用できる。ゲーム装置10は、所定条件に関する情報と追加回復量とを関係づけた情報を予め記憶装置に記憶している。この情報に基づいて、第3変更手段129Dは、所定条件を満たしたか否かを判断し、所定条件を満たした場合に、当該所定条件を満たしていない場合よりも、第1パラメータの回復量を大きくする。
本構成により、所定条件を満たした場合にのみ、第1パラメータの現在値よりも消費量が大きい選択肢の選択が、ゲーム上不利になることなく可能となり、ゲーム性の向上が図られる。
第3変更手段129Dを用いた上記の構成では、所定条件を満たした場合に、第1パラメータの回復量を大きくしているが、そのような回復量の調整を行わないバリエーションについて次に説明する。
前記管理手段124は、所定条件を満たした場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量が大きい選択肢が選択された場合でも前記不利にならないようにする機能を有する。
例えば、管理手段124は、大きな体力を消耗する「渾身の一球」等の特殊なボタンを押すことにより、所定条件を満たしたものとし、握力パラメータよりも消費量が大きい球種を選択しても、不利にならないようにする。例えば、前記特殊なボタンを押せば、通常の体力消費量の30倍の体力を消費する。この処理は、例えば、1試合に1回のみに制限する等、回数制限を設けてもよい。ユーザは、勝負どころで特殊なボタンを押す操作を行うことにより、ゲームを有利に進めることができる。
ここでは、大きな体力を消耗する特殊なボタンを押すことを、所定条件とする例を挙げたが、その他の様々な所定条件を適用できる。ゲーム装置10は、所定条件に関する情報を予め記憶装置に記憶している。この情報に基づいて、管理手段124は、所定条件を満たしたか否かを判断し、所定条件を満たした場合に、第1パラメータよりも前記消費量が大きい選択肢が選択された場合でもゲーム上不利にならないようにする。
これにより、所定条件を満たした場合に、不利な状態になることなく第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢の選択が可能となり、ゲーム性が向上する。
なお、大きな体力を消耗する特殊なボタンを押すことにより、大きな体力消費と引き換えに、1球だけ、握力が不足していても通常の投球が可能な上記の処理が実行された場合、その後、キャラクタの能力が低下するようにしてもよい。例えば、ユーザが勝負所で、所定条件を満たす上記の操作を行なった場合、その投球は有効に生かせるが、大きな体力消耗があるので、その後(例えば、そのイニング中などの所定期間)は投手キャラクタの投球の能力が低下する(例えば制球力が小さくなる、球威が小さくなる)ものとしてもよい。従って、大きな体力消耗があっても、その球種で勝負するか、別の球種を使うかの選択がユーザに求められることになり、さらなるゲーム性の向上が図られる。
〔第2の実施の形態〕
前述の第1の実施の形態では、第1パラメータよりも消費量の大きい選択肢の選択を許可するが、当該選択肢が選択された場合にはゲーム上不利になるように管理する例を示した。これに対して、第2の実施の形態では、第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢を選択できないように管理する。
図24に例示するように、第2の実施の形態のゲーム装置10の実行手段120Eは、動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124E、表示制御手段125等を備えている。第1の実施の形態との違いは、管理手段124Eのみであり、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。そこで、以下では、主に、管理手段124Eについて説明する。
管理手段124Eは、前記第1パラメータよりも前記消費量が大きい選択肢を選択できないように管理する機能を有する。例えば、管理手段124Eは、複数の選択肢のうち、第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢を、画面から消去する(不可視にする)、または選択不可能な状態で選択肢を表示する(例えばグレイアウトで表示する)。例えば、野球ゲームの場合、握力パラメータの残量よりも消費量の大きい球種については、選択できないようにグレイアウトで表示される。
本実施の形態の構成でも、第1の実施の形態と同様に、選択肢に応じて第1パラメータの消費量を異ならせることができるので、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の消費量の大きい球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができる。
また、第1の実施の形態で説明した様々な構成(例えば、回復量変動手段126A、第1変更手段127B、第2変更手段128C、第3変更手段129D等)の一部または全部を、第2の実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
また、次のようなバリエーションの管理手段を採用してもよい。握力パラメータの残量がある球種Xの消費量よりも小さい場合、当該球種Xの消費量の1/2を閾値とし、握力パラメータの残量が当該閾値以上であれば、当該球種Xの選択を許可する。但し、握力パラメータの残量よりも消費量の小さい球種が選択された場合よりも、ゲーム上不利になるように管理する。一方、握力パラメータの残量が前記閾値未満の場合、前記球種Xの選択を許可しない(前記球種Xは投球できないようにする)。この構成は、前記閾値という概念を導入し、第1の実施の形態の制御手段124と、第2の実施の形態の制御手段124Eとを組み合わせた構成である。
〔第3の実施の形態〕
前述の第1および第2の実施の形態では、第1パラメータの回復量が選択肢によらず同一(例えば、回復量はどの選択肢も「2」)であり、その消費量を選択肢によって異ならせることができる構成について説明した。これに対して、第3の実施の形態では、第1パラメータの消費量が選択肢によらず同一(例えば、消費量はどの選択肢も「5」)であり、その回復量を選択肢によって異ならせることができる構成について説明する。
図25に例示するように、第3の実施の形態のゲーム装置10の実行手段120Fは、動作制御手段121、パラメータ管理手段122F、記憶制御手段123F、管理手段124F、表示制御手段125F等を備えている。第1の実施の形態との違いは、パラメータ管理手段122F、記憶制御手段123F、管理手段124F、表示制御手段125Fであり、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。そこで、以下では、主に、パラメータ管理手段122F、記憶制御手段123F、管理手段124F、表示制御手段125Fについて説明する。
記憶制御手段123Fは、複数の選択肢のそれぞれに対応する第1パラメータの前記回復量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14等)に記憶する機能を有する。本実施の形態の記憶制御手段123Fは、図26に例示するように、投手キャラクタが投球可能な複数の球種のそれぞれに対応づけて、握力パラメータの回復量を記憶装置に記憶させる記憶制御を行う。図26は、図11の変形例であり、握力消費量および握力回復量のみ異なる。
図26の例では、選手ID=501の投手キャラクタが投球可能な各球種に対応付けられた握力パラメータの回復量は、ストレート「6」、シュート「4」、ナックル「1」、フォーク「2」、カーブ「5」、スライダー「5」である。また、握力パラメータの消費量は全ての球種で「5」である。これは一例であり、消費量および回復量の値はこれに限定されるものではない。このように、複数の選択肢(球種)のそれぞれには、異なる回復量を対応付けることができる。特に、本実施の形態では、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種(指に負担がかかる球種)であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも回復量を予め小さく設定している。
また、パラメータ管理手段122Fは、キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理するものであり、動作制御手段121が選択肢に基づいて前記キャラクタに動作を行わせた場合に、所定の消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に前記選択肢に対応する回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させる機能を有する。
この構成により、例えば、投手キャラクタによる投球の場合、投球毎に、所定の消費量(例えば「5」)だけ握力パラメータが低減し、投球された球種に応じた回復量(例えばストレート「6」、シュート「4」、ナックル「1」、フォーク「2」、カーブ「5」、スライダー「5」)だけ次の投球前に握力パラメータが回復する。これにより、投手キャラクタの投球毎に所定範囲内(例えば、最小値「0」〜最大値「10」の範囲内)で握力パラメータが増減する。
また、管理手段124Fは、前記第1パラメータが前記消費量よりも小さい場合には、前記第1パラメータが前記消費量よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理する機能を有する。
例えば、野球ゲームでは、管理手段124Fは、握力パラメータの残量が、握力パラメータの消費量(例えば「5」)よりも小さくなってしまった場合には、どの球種を投球しても、ユーザの操作対象の投手キャラクタの暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる等のゲーム上不利な状態が発生する。
本構成により、例えば、野球ゲームでは、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックル等の特定の球種(選択肢の一例)の握力パラメータ(第1パラメータの一例)の回復量を、その他の球種の回復量よりも予め小さく設定することができる。これにより、打者を打ち取る効果が大きいからといってフォーク等の特定の球種を連投または多投すれば、握力パラメータが所定の消費量よりも小さくなってしまい、暴投率が大きくなる等の不利な状態となる。なお、握力パラメータが前記消費量よりも小さい場合でも、投球することは可能である。このため、これから投球する球種として回復量の小さいフォーク等の球種を選択すれば、その次の投球時には暴投率が大きくなる等のリスクが発生するのを承知の上で、その球種を選択することもできる。
従来では、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの回復量が異なるので、上述のように、ユーザが選択する球種によっては、暴投率が大きくなる等のリスクが発生するため、ユーザは球種選択を慎重に検討することとなり、遊戯性が向上する。
以上のように、本構成では、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができる。
また、表示制御手段125Fは、前記第1パラメータに関する情報と、前記複数の選択肢のそれぞれの前記回復量に関する情報とを、ゲーム画面に表示させる機能を有する。また、表示制御手段125Fは、複数の選択肢に共通の前記消費量に関する情報を、ゲーム画面に表示させてもよい。
例えば、表示制御手段125Fは、第1パラメータの一例としての握力パラメータの残量を、握力ゲージG13(図2参照)を用いて画面D10に表示させる。また、表示制御手段125Fは、球種選択用アイコンSC(図2参照)における各球種のラインを、各球種に対応づけられた握力パラメータの回復量に応じた長さ、面積、色等にして画面に表示させることができる。また、表示制御手段125Fは、各球種のラインの先端付近に、各球種に対応づけられた握力パラメータの回復量が数値で表示されるように制御してもよい。これらの表示制御は一例であり、握力パラメータの残量と、球種毎の握力パラメータの回復量とが画面上で明確化できればよい。
本構成により、第1パラメータ(例えば、握力の残量)と、選択肢毎の第1パラメータの回復量とがゲーム画面上で明確化される。これにより、ユーザによる選択肢の選択がし易くなる。
また、第1の実施の形態で説明した様々な構成(例えば、回復量変動手段126A、第1変更手段127B、第2変更手段128C、第3変更手段129D等)の一部または全部を、第3の実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔第4の実施の形態〕
前述の第1および第2の実施の形態では、第1パラメータの回復量が選択肢によらず同一(例えば、回復量はどの選択肢も「2」)であり、その消費量を選択肢によって異ならせることができる構成について説明した。これに対して、第4の実施の形態では、第1パラメータの消費量および回復量を選択肢によって異ならせることができる構成について説明する。
図27に例示するように、第4の実施の形態のゲーム装置10の実行手段120Gは、動作制御手段121、パラメータ管理手段122G、記憶制御手段123G、管理手段124、表示制御手段125G等を備えている。第1の実施の形態との違いは、パラメータ管理手段122G、記憶制御手段123G、表示制御手段125Gであり、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。そこで、以下では、主に、パラメータ管理手段122G、記憶制御手段123G、表示制御手段125Gについて説明する。
記憶制御手段123Gは、複数の選択肢のそれぞれに対応する第1パラメータの前記消費量および前記回復量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14等)に記憶する機能を有する。本実施の形態の記憶制御手段123Gは、図28に例示するように、投手キャラクタが投球可能な複数の球種のそれぞれに対応づけて、握力パラメータの消費量および回復量を記憶装置に記憶させる記憶制御を行う。図28は、図11の変形例であり、握力消費量および握力回復量のみ異なる。
図28の例では、選手ID=501の投手キャラクタが投球可能な各球種に対応付けられた握力パラメータの消費量は、ストレート「3」、シュート「5」、ナックル「7」、フォーク「6」、カーブ「2」、スライダー「3」である。また、握力パラメータの回復量は、ストレート「4」、シュート「4」、ナックル「1」、フォーク「1」、カーブ「2」、スライダー「3」である。これは一例であり、消費量および回復量の値はこれに限定されるものではない。このように、複数の選択肢(球種)のそれぞれには、異なる消費量および異なる回復量を対応付けることができる。特に、本実施の形態では、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種(指に負担がかかる球種)であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも、(消費量−回復量)の値が大きくなるように予め設定している。
また、パラメータ管理手段122Gは、キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理するものであり、前記動作制御手段12が選択肢に基づいて前記キャラクタに動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に前記選択肢に対応する回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させる機能を有する。
この構成により、例えば、投手キャラクタによる投球の場合、投球毎に、投球された球種に応じた消費量(例えばストレート「3」、シュート「5」、ナックル「7」、フォーク「6」、カーブ「2」、スライダー「3」)だけ握力パラメータが低減し、投球された球種に応じた回復量(例えばストレート「4」、シュート「4」、ナックル「1」、フォーク「1」、カーブ「2」、スライダー「3」)だけ次の投球前に握力パラメータが回復する。これにより、投手キャラクタの投球毎に所定範囲内(例えば、最小値「0」〜最大値「10」の範囲内)で握力パラメータが増減する。
また、管理手段124は、前記第1パラメータが前記消費量よりも小さい場合には、前記第1パラメータが前記消費量よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理する機能を有する。
本実施の形態の構成においても、前述の第1ないし第3の実施の形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができる。
また、前記キャラクタは複数存在し、前記キャラクタによって、各選択肢に対する前記消費量または前記回復量の少なくとも一方の設定を異ならせることが好ましい。この構成により、同じ選択肢でもキャラクタによって第1パラメータの消費量、回復量またはその両方を異ならせることができるので、例えば、フォークを連投できるキャラクタと、連投できないキャラクタといったようなキャラクタ毎の個性を出すことができる。
また、表示制御手段125Gは、前記第1パラメータに関する情報と、前記複数の選択肢のそれぞれの前記消費量および前記回復量に関する情報とを、ゲーム画面に表示させる機能を有する。本構成により、第1パラメータ(例えば、握力の残量)と、選択肢毎の第1パラメータの消費量および回復量とがゲーム画面上で明確化される。これにより、ユーザによる選択肢の選択がし易くなる。
また、第1の実施の形態で説明した様々な構成(例えば、回復量変動手段126A、第1変更手段127B、第2変更手段128C、第3変更手段129D等)の一部または全部を、第4の実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔第5の実施の形態〕
前述の第1ないし第4の実施の形態のゲームシステム1では、サーバ30の側ではなく、ゲーム装置10の側に、ゲーム制御の主体がある構成を説明した。すなわち、第1ないし第4の実施の形態では、本発明の一態様によるゲーム制御装置を、ゲーム装置10によって実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム制御装置を各ユーザが操作する端末装置(ゲーム装置)と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本発明の一態様によるゲーム制御装置をサーバによって構成する例について説明する。ゲーム制御装置としてのサーバ30Hが組み込まれたゲームシステム1Hの構成例を、図29に示している。このゲームシステム1Hは、インターネットなどのネットワークN上に設置されたサーバ30Hと、ネットワークNを介してサーバ30Hと通信可能に接続できる複数のゲーム装置10H−n(nは正の整数。10H−1、10H−2、・・・)と、を含む。ここで、複数のゲーム装置10H−nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム装置10H」と記載して説明する。
なお、サーバ30Hのハード構成は、基本的に、図9に例示するサーバ30と同様であり、また、ゲーム装置10Hのハード構成は、基本的に、図8に例示するゲーム装置10と同様であるので、その説明を省略する。
このゲームシステム1Hの例において、サーバ30Hは、ゲームサービスを受ける各ユーザのゲーム装置10HからのネットワークNを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNを介したゲームサービスを提供する。
サーバ30Hによるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がサーバ30Hに実装されており、ゲーム装置10Hでゲームを実行するのではなく、ゲーム装置10Hでのゲーム操作入力に応じてサーバ30Hでゲームを実行し、その実行結果を各ユーザのゲーム装置10Hに送信する形態がある。例えば、各ユーザのゲーム装置10Hに搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ30Hが提供する。あるいは、例えば、サーバ30Hでゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式でゲーム装置10Hに送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをサーバ30Hが提供する。
前記のクラウドゲーミング等では、ユーザのゲーム装置10Hは、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はサーバ30H側にある。なお、ゲーム装置10Hにゲームプログラムの一部をインストールし、ゲーム装置10Hにおいても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
ゲーム装置10H(端末装置の一例)としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、業務用ゲーム機など、ネットワークN経由でサーバ30Hに接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
図30は、サーバ30Hの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。サーバ30Hは、基本的に、通信管理手段310H、実行手段320H、キャラクタ管理手段340H、ユーザ情報管理手段350H等を備えている。これらの各手段は、基本的に、サーバ30HのCPUが本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
通信管理手段310Hは、ゲーム装置10H等との情報通信を管理する機能を有する。キャラクタ管理手段340Hおよびユーザ情報管理手段350Hは、第1の実施の形態のゲーム装置10のキャラクタ管理手段140およびユーザ情報管理手段150と同様の機能を有するものであり、その説明を省略する。
実行手段320Hは、ゲーム装置10Hから受信した情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。この実行手段320Hは、主に、動作制御手段321H、パラメータ管理手段322H、記憶制御手段323H、管理手段324H、表示制御手段325H等を備えている。なお、動作制御手段321H、パラメータ管理手段322H、記憶制御手段323H、管理手段324H、表示制御手段325Hは、それぞれ、第1の実施の形態の動作制御手段121、パラメータ管理手段122、記憶制御手段123、管理手段124、表示制御手段125と同様の機能を有するものであり、その説明を省略する。このように、前記第1の実施の形態のゲーム装置10の有する機能を、本実施の形態のサーバ30Hに持たせた場合も、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。同様に、第2ないし第4の実施の形態のゲーム装置10の有する機能を、サーバ30に持たせた場合も、第2ないし第4の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、サーバ30Hとゲーム装置10Hとは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、サーバ30Hとゲーム装置10Hとを含むゲームシステム1Hにおいて、動作制御手段321H、パラメータ管理手段322H、記憶制御手段323H、管理手段324H、表示制御手段325H等の全部または一部は、サーバ30Hまたはゲーム装置10H(端末装置の一例)の何れか一方が備えていればよい。このようなシステム構成でも、前述の第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。同様に、第1ないし第4の実施の形態で示した各構成の全部または一部は、サーバ30Hまたはゲーム装置10Hの何れか一方が備えていればよい。すなわち、本実施の形態のゲームシステム1Hは、例えば、以下に示す構成とすることができる。
すなわち、ゲームシステム1Hは、サーバ30Hと、当該サーバ30Hとの間で通信を行うゲーム装置10H(端末装置の一例)と、を含み、複数の選択肢の中からユーザによって選択された選択肢に基づいて、キャラクタに動作を行わせる動作制御手段321Hと、前記キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理するものであり、前記動作制御手段321Hが前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段322Hと、前記複数の選択肢のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置に記憶する記憶制御手段323Hと、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段324Hと、の各手段を前記サーバ30H又は前記ゲーム装置10Hのいずれか一方が備える。
このゲームシステム1Hの構成により、前述の第1の実施の形態のゲーム装置10と同様の作用効果を奏する。すなわち、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1・1Hの内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10・10H、サーバ30・30AのRAMや補助記憶装置、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した様々な構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム制御装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
すなわち、本実施の形態のプログラムは、コンピュータを前述のゲーム制御装置(またはゲームシステム)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(またはゲームシステム)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。
本実施の形態のプログラムをコンピュータが実行することにより、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
〔第6の実施の形態〕
上述の各実施の形態では、本発明の一態様のゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムについて、野球ゲームへの適用例を中心に説明したが、野球ゲーム以外の様々なゲームにも適用できる。その一例を以下に説明する。
このゲームは、ユーザAのキャラクタAと、対戦相手(他のユーザBまたはCPU)のキャラクタBとが試合で対戦するバトルゲームである。試合中は、キャラクタAの攻撃ターンと、キャラクタBの攻撃ターンとが複数回(例えば10回)繰り返される。1回の攻撃ターンの中では、相手に対して10回の攻撃が可能である。ユーザAの攻撃ターンでは、ユーザAは、画面に表示されている複数の攻撃方法(選択肢の一例)の中から任意の攻撃方法を選択することができる。例えば、ユーザが選択可能な攻撃方法の例としては、パンチ、チョップ、キック、火炎放射、光線発射等がある。キャラクタAは、ユーザが選択した攻撃方法で、キャラクタBに攻撃(動作の一例)を行う。
キャラクタAには、瞬発力(第1パラメータの一例)および体力(第2パラメータの一例)が関係づけられている。複数の攻撃方法のそれぞれには、異なる瞬発力の消費量が対応づけられている。例えば、瞬発力の消費量は、パンチ「1」、チョップ「2」、キック「3」、火炎放射「7」、光線発射「8」である。火炎放射および光線発射は、その他の攻撃方法と較べて破壊力は大きいが瞬発力の消費量も大きい。ユーザAが選択した攻撃方法に基づいてキャラクタAに攻撃を行わせた場合、当該攻撃方法に対応する消費量だけキャラクタAの瞬発力が低減し、且つ、その後次の攻撃の前に所定の回復量(例えば「3」)だけ瞬発力が増加することにより、攻撃毎に所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で瞬発力が増減する。
ユーザAにより、瞬発力の残量よりも大きい消費量の攻撃方法が選択された場合には、瞬発力の残量よりも小さい消費量の攻撃方法が選択された場合よりも、攻撃に失敗する(攻撃が相手に当たらない)確率が高くなる。
上述の各実施の形態で説明したゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムは、このようなゲームの制御に好適である。これは一例であり、複数の選択肢の中からユーザによって選択された選択肢に基づいて、キャラクタに動作を行わせるようなゲームであれば、その他の様々なゲームにも適用できる。
〔付記〕
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様によるゲーム制御装置(10、10H、30H)は、複数の選択肢(例えば球種SC1〜SC6)の中からユーザによって選択された選択肢(SC1〜SC6)に基づいて、キャラクタ(例えば投手キャラクタC10)に動作(例えば投球)を行わせる(例えばS116の処理)動作制御手段(121)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた第1パラメータ(例えば握力パラメータ)を管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた(例えばS116の処理)場合に、当該選択肢(SC1〜SC6)に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ(例えばS118の処理)、且つ、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させる(例えばS124の処理)ことにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122)と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14)に記憶する記憶制御手段(123)と、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合(例えばS110のYESの処理)には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理(例えばS112の処理)する管理手段(124)と、を備える。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、業務用ゲーム機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成の動作制御手段は、複数の選択肢の中からユーザによって選択された選択肢に基づいて、キャラクタに動作を行わせる。ここで、前記「選択肢」とは、例えば、ユーザが選択可能なゲーム上のパラメータ、当該パラメータに関係づけられた数字、文字、記号、画像等である。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタが投球可能なストレート、スライダー、フォーク、ナックル等の球種が選択肢の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、パンチ、キック、火炎放射、光線発射等の攻撃の種類が選択肢の一例に相当する。また、前記「キャラクタ」とは、例えば、ゲームに登場して動作するオブジェクトのことであり、人物や動物のほか、架空の生き物(モンスター、妖怪)やロボットなどがキャラクタの一例に相当する。また、オブジェクトとは、ゲーム内において視覚的に認識可能に表示された画像である。また、前記「動作」とは、例えば、ゲーム内におけるキャラクタの行為・行動であり、キャラクタが所定の目的や意図を完了するまでの一単位の行為・行動である。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタがボールオブジェクトを投球することが、動作の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタが相手に対して攻撃を仕掛けることが、動作の一例に相当する。画面上の動作の表示態様は様々である。例えば、キャラクタの動作は、画面上で動画により表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、文章による動作の説明(テキスト情報)と静止画とにより表示してもよい。その具体例としては、次のような態様がある。画面上にテキストによる動作の説明のみが表示され、その後、画面が切り替わってキャラクタの動作中または動作後の静止画が表示される。あるいは、画面上にテキストによる動作の説明とキャラクタの動作中または動作後の静止画とが同時に表示される。また、例えば、キャラクタの動作は、動作前および動作後の静止画によって表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、動作前、動作中、動作後の静止画によって表示してもよい。また、例えば、キャラクタの動作は、キャラクタを画面に表示することなく、文章による動作の説明(テキスト情報)のみにより表示してもよい。本構成によれば、ユーザは、複数の選択肢(例えば複数の球種)の中から任意の選択肢を選択してキャラクタに動作(例えば、投手キャラクタに投球)を行わせることができる。
パラメータ管理手段は、前記キャラクタに関係づけられた第1パラメータを管理する。ここで、前記「第1パラメータ」とは、例えば、キャラクタの能力、状態等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、キャラクタの握力が第1パラメータの一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタの瞬発力が第1パラメータの一例に相当する。
このパラメータ管理手段は、前記動作制御手段が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させる。ここで、「消費量」とは、例えば、ゲーム内でキャラクタが動作を行ったことにより減少するパラメータの量のことをいう。例えば、「消費量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「消費量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。
そして、記憶制御手段は、前記複数の選択肢のそれぞれに対応する前記第1パラメータの前記消費量を記憶装置に記憶する。すなわち、複数の選択肢のそれぞれには、異なる消費量を対応付けることができる。例えば、選択肢を球種とした場合、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも消費量を予め大きく設定する(ストレート「1」、スライダー「2」、フォーク「7」、ナックル「8」等)。
また、パラメータ管理手段は、前記動作制御手段が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、当該選択肢に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させるだけでなく、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させる。ここで、前記「回復」とは、例えば、消費されて減少した、数値、ポイント、レベル等で示されるパラメータが増加することをいう。例えば、「回復」は、画面上に表示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等の変化によって視覚的に表すことができる。また、前記「回復量」とは、例えば、消費されて減少したパラメータが増加する量のことをいう。例えば、「回復量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「回復量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。
本構成により、例えば、投手キャラクタによる投球の場合、投球毎に、球種に応じた消費量(例えば、ストレート「1」、スライダー「2」、フォーク「7」、ナックル「8」)だけ握力パラメータが低減し、次の投球前には所定の回復量(例えば「2」)だけ握力パラメータが回復する。これにより、投手キャラクタの投球毎に所定範囲内(例えば、最小値「0」〜最大値「10」の範囲内)で握力パラメータが増減する。
また、管理手段は、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する。ここで、前記「ゲーム上不利」とは、例えば、ゲーム上の設定がユーザにとって不利になることをいう。例えば、野球ゲームでは、ユーザの操作対象の投手キャラクタの暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる(これによって、相対的に投手側が不利になる)等が、ゲーム上不利の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、ユーザの操作対象のキャラクタの攻撃力が低下する、攻撃に失敗する(攻撃が相手に当たらない)確率が高くなる、相手キャラクタの防御力が向上する等が、ゲーム上不利の一例に相当する。
本構成により、例えば、野球ゲームでは、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックル等の特定の球種(選択肢の一例)の握力パラメータ(第1パラメータの一例)の消費量を、その他の球種の消費量よりも予め大きく設定することができる。これにより、打者を打ち取る効果が大きいからといってフォーク等の特定の球種を連投または多投すれば、当該球種の消費量が握力パラメータの残量(現在値)を超えてしまい、暴投率が大きくなる等の不利な状態となる。なお、ある球種の消費量が握力パラメータを超えていても、投球することは可能であるため、ユーザは、暴投率が大きくなる等のリスクを承知の上で、その球種を選択するか否かを判断する必要が生じ、従来にはない興趣性の高いゲームを実現できる。
すなわち、従来では、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの消費量が異なるので、上述のように、ユーザが選択する球種によっては、暴投率が大きくなる等のリスクが発生するため、ユーザは球種選択を慎重に検討することとなり、遊戯性が向上する。
以上のように、本構成では、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができるという効果を奏する。
2)上記の1)の構成において、前記第1パラメータに関する情報と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれの前記消費量に関する情報とを、ゲーム画面に表示(例えばS104、S106の処理)させる表示制御手段(125)をさらに備えることが好ましい。
この構成により、第1パラメータ(例えば、握力の残量)と、選択肢毎の第1パラメータの消費量とがゲーム画面上で明確化される。例えば、野球ゲームにおいて、第1パラメータの一例を握力パラメータ、複数の選択肢の一例を投手キャラクタの手持ち球種(ストレート、スライダー、フォーク、ナックル等)とした場合、握力パラメータの残量(現在値)と、球種毎の握力消費量とが画面に表示される。これにより、ユーザによる選択肢の選択がし易くなる。
3)上記の1)または2)の構成において、前記動作制御手段(121)が前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた結果に応じて、当該動作後の前記回復量を変動させる回復量変動手段(126A)をさらに備えることが好ましい。
ここで、前記「キャラクタに動作を行わせた結果(動作の結果)」とは、例えば、キャラクタの動作によって生じたゲーム上の状況、状態等のことをいう。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタの投球により打者キャラクタを三振に仕留めた、本塁打を打たれた等が、動作の結果の一例に相当する。また、例えば、相手を攻撃するゲームでは、キャラクタの攻撃により相手が倒れた、攻撃をかわされた等が、動作の結果の一例に相当する。
回復量変動手段は、動作の結果に応じて、当該動作後の前記回復量を変動させる。例えば、投手キャラクタが三振で打者を打ち取った場合、当該投手キャラクタの気分が乗っているものとし、次の打者への投球の際(あるいはそのイニングの終了まででもよい)、通常よりも第1パラメータの回復量を大きくする。また、例えば、投手キャラクタが本塁打を打たれた場合、当該投手キャラクタの精神的ダメージが残っているものとし、次の打者への投球の際(あるいはそのイニングの終了まででもよい)、通常よりも第1パラメータの回復量を小さくする。このように、キャラクタによる動作の結果によって第1パラメータの回復量を変動させることにより、ゲームに変化が生じ、ゲーム性がさらに向上する。
4)上記の1)ないし3)の何れかの構成において、前記パラメータ管理手段(122)は、前記所定範囲の最大値よりも大きい初期値を有する第2パラメータ(例えば体力パラメータ)をさらに管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた場合に、当該選択肢(SC1〜SC6)に対応する第2消費量だけ前記第2パラメータを低減させ、前記管理手段(124)は、前記第2パラメータが閾値以下になった場合、前記動作制御手段(121)による前記動作を禁止する、または前記第2パラメータが前記閾値よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理することが好ましい。
ここで、前記「第2パラメータ」とは、例えば、キャラクタの能力、状態等を示す情報であり、前記第1パラメータとは異なるものである。例えばキャラクタの体力、スタミナ、持久力等が第2パラメータの一例に相当する。この構成では、パラメータ管理手段により、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)だけではなく、第2パラメータ(例えば体力パラメータ)がさらに管理される。第2パラメータは、キャラクタの動作によって初期値から低減するものであり、第2パラメータの初期値(例えば「500」)は、第1パラメータがとり得る所定範囲の最大値(例えば「10」)よりも大きい。
前記「第2消費量」とは、例えば、ゲーム内でキャラクタが動作を行ったことにより減少する第2パラメータの量のことをいう。例えば、「第2消費量」は、数値、ポイント、レベル等の様々な単位の形態で表すことができる。また、例えば、「第2消費量」は、画面上に視覚的に示されるゲージ等の画像の長さ、面積、色等によって表すことができる。複数の選択肢のそれぞれには、異なる第2消費量を対応付けることができる。例えば、選択肢を球種とした場合、打者を打ち取る効果が大きいが体力の消耗が大きい球種であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも第2パラメータ(例えば体力)の消費量を大きく設定することができる(ストレート「1」、スライダー「2」、フォーク「5」、ナックル「8」等)。
なお、第1パラメータの消費量と、第2パラメータの第2消費量とを同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
また、前記管理手段は、前記第2パラメータが閾値以下になった場合、前記動作制御手段による前記動作を禁止する。ここで、前記「動作を禁止する」とは、例えば、キャラクタが動作できない状態にすることをいう。例えば、ユーザが選択した選択肢に基づいてキャラクタが動作する場合において、ユーザが選択肢を選択しても、キャラクタが動作しない(反応しない)状態にすることが、「動作を禁止する」一例に相当する。なお、動作を禁止した場合、選択肢を選択してもキャラクタが動作しないので、そもそも選択肢を画面に表示しない、または選択不可能な状態で選択肢を表示(例えばグレイアウトで表示)するようにしてもよい。
前記閾値としては、任意の値を予め設定することができる。例えば、代表的な閾値としては「0」であるが、閾値を「5」等としてもよい。
あるいは、前記管理手段は、前記第2パラメータが閾値以下になった場合、前記キャラクタの前記動作を禁止するのではなく、前記第2パラメータが前記閾値よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理してもよい。
上述のように、第1パラメータはキャラクタの動作毎に所定範囲内で増減するパラメータであり、ユーザは消費量の大きい選択肢ばかりを連続して選択できないので、キャラクタの動作毎にどの選択肢を選択すべきかを考慮する必要がある。これに対して、第2パラメータは、第1パラメータより大きい初期値から消費されるパラメータであり、第1パラメータのように1動作毎に(1球毎に)、次の選択肢の選択に影響がでるようなパラメータではない。例えば、第2パラメータは、野球の1試合または複数イニングを通して、球種の組み立てを要求される体力等のパラメータである。このように、キャラクタに関係づけられた異なる概念の第1パラメータ(握力パラメータ等)および第2パラメータ(体力パラメータ等)によってゲームを制御することにより、よりゲーム性を高めることができる。
5)上記の4)の構成において、前記第2パラメータが低下するほど、前記消費量が大きくなる、または前記回復量が小さくなるように変更する第1変更手段(127B)をさらに備えることが好ましい。
この構成では、第1パラメータと第2パラメータとに関連性を持たせ、第2パラメータ(例えば体力パラメータ)が低下するほど、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)の消費量を大きくする、またはその回復量を小さくする。例えば、野球ゲームの場合、初期値「500」の体力パラメータが「200」以上の場合は、フォークに対応する握力パラメータの消費量が「7」であるが、体力パラメータが「200」よりも小さくなるとその消費量が「8」に、さらに体力パラメータが「100」よりも小さくなると消費量が「9」になるようにする。あるいは、体力パラメータが「200」以上の場合は、握力パラメータの回復量が「3」であるが、体力パラメータが「200」よりも小さくなるとその回復量が「2」に、さらに体力パラメータが「100」よりも小さくなるとその回復量が「1」になるようにする。これにより、イニングが進行して投手キャラクタの投球数が多くなると、体力パラメータが低下し、それに応じて投球毎の握力の消耗が大きくなる(または回復量が小さくなる)。従って、試合後半になって体力パラメータが低下すれば、フォーク等の握力パラメータの消費量の大きい球種がより投げにくくなり、よりリアル感を出すことができる。よって、ユーザは投手キャラクタの体力に余裕がある場合と、その体力が低下した場合とで、投球の組み立て(球種の選択の仕方)を変更することが要求される。本構成のように第1パラメータと第2パラメータとに関連性を持たせることによりゲームに変化が生じ、ゲーム性がより向上する。
6)上記の1)ないし4)の何れかの構成において、前記キャラクタ(C10)を使用したゲームの開始から当該ゲームの結果が出るまでの期間内において当該ゲームが進行するほど、前記消費量が大きくなる、または前記回復量が小さくなるように変更する第2変更手段(128C)をさらに備えることが好ましい。
ここで、前記「ゲームの結果」とは、例えば、所定のゲーム終了条件を満たした場合に確定する勝敗、スコア、順位、タイム、成功、失敗等のゲームパラメータのことをいう。例えば、野球ゲームでは、野球の1試合の終了により確定した勝敗、スコア等が、ゲームの結果の一例に相当する。また、例えば、格闘の試合を行うゲームでは、1試合の終了により確定した勝敗等が、ゲームの結果の一例に相当する。また、前記「ゲームが進行する」とは、例えば、ゲームの開始からゲームの結果が出るまでの期間内においてゲームの状況が変化することをいう。例えば、野球ゲームでは、試合中のイニングが5回、6回、7回…と進むこと、投手キャラクタの投球数が100球、110球、120球…と大きくなること等が、「ゲームが進行する」の一例に相当する。すなわち、「ゲームが進行する」とは、1試合内のゲームの進行等を対象としたものである。
この構成では、ゲームが進行するほどキャラクタの体力低下等が生じているものとし、第1パラメータ(例えば握力パラメータ)の消費量を大きくする、またはその回復量を小さくする。例えば、野球ゲームの場合、試合中のイニングが6回までの場合は、フォークに対応する握力パラメータの消費量が「7」であるが、イニングが7回以降になるとその消費量が「8」になり、さらにイニングが9回以降になるとその消費量が「9」になるようにする。あるいは、イニングが6回までの場合は、握力パラメータの回復量が「3」であるが、イニングが7回以降になるとその回復量が「2」になり、イニングが9回以降になるとその回復量が「1」になるようにする。これにより、イニングの進行に応じて投球毎の握力の消耗が大きくなる(または回復量が小さくなる)。従って、1試合中のイニングが進行するほど、フォーク等の握力パラメータの消費量の大きい球種が投げにくくなる。よって、ユーザは試合の序盤と終盤とで、投球の組み立て(球種の選択の仕方)を変更することが要求される。本構成のようにゲームの進行に応じて第1パラメータの消費量または回復量を変更することによりゲームに変化が生じ、ゲーム性がより向上する。
7)上記の1)ないし6)の何れかの構成において、所定条件を満たした場合には、当該所定条件を満たしていない場合よりも前記回復量が大きくなるように変更する第3変更手段(129D)をさらに備えることが好ましい。
ここで、前記「所定条件を満たす」とは、例えば、予め定められたゲーム上の設定、状態になったり、予め定められた特定の操作が行われたりする事象が成立することである。例えば、ユーザが特定のボタンを押す(それによって特定の表示、演出の状態になったり、ポイント等が消費されたりする)ことが、所定条件を満たす一例に相当する。また、例えば、ユーザがゲーム内で特定のアイテム(課金アイテム等)を使用することが、所定条件を満たす一例に相当する。
この構成によれば、所定条件を満たす、例えば、ユーザが所定の操作を行い、それにより、ピッチングコーチがマウンドに行ってアドバイスする演出が発生することにより、通常の回復量よりも大きな回復量が得られる。例えば、前記のようにピッチングコーチがマウンドに行ってアドバイスする演出が発生すれば、投手キャラクタの握力を回復するための時間を稼ぐことができるものとし、これによって、通常の回復量「2」に、例えば「4」を加えて回復量を「6」にする。この処理は、例えば、野球ゲームでは、1試合に2回までに制限する等、回数制限を設けてもよい。所定条件を満たした場合にのみ、第1パラメータの現在値よりも消費量が大きい選択肢の選択が、ゲーム上不利になることなく可能となり、ゲーム性の向上が図られる。
8)上記の1)ないし7)の何れかの構成において、前記管理手段(124)は、所定条件を満たした場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量が大きい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合でも前記不利にならないようにすることが好ましい。
この構成によれば、所定条件を満たす、例えば、大きな体力を消耗する「渾身の一球」等の特殊なボタンを押すことにより、第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢を選択しても不利にならないようにする。この処理は、例えば、野球ゲームでは、1試合に1回のみに制限する等、回数制限を設けてもよい。これにより、所定条件を満たした場合にのみ、不利な状態になることなく第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢の選択が可能となり、ゲーム性が向上する。
なお、上記の処理が実行された場合、その後、キャラクタの能力が低下するようにしてもよい。例えば、ユーザが勝負所で、所定条件を満たす操作を行なった場合、その投球は有効に生かせるが、大きな体力消耗があるので、その後(例えば、そのイニング中などの所定期間)は投手キャラクタの投球の能力が低下する(例えば制球力が小さくなる、球威が小さくなる)ものとしてもよい。従って、大きな体力消耗があっても、その球種で勝負するか、別の球種を使うかの選択がユーザに求められることになり、さらなるゲーム性の向上が図られる。
9)上記の1)ないし8)の何れかの構成において、前記キャラクタ(C10)は野球ゲームの投手キャラクタ(C10)であり、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)は、前記投手キャラクタ(C10)が投球可能な複数の球種であり、前記動作は、前記投手キャラクタ(C10)による投球であり、前記第1パラメータは、前記投手キャラクタ(C10)の握力パラメータであることが好ましい。
ここで、前記「球種」とは、例えば、野球ゲームにおいて投手キャラクタが投球するボールオブジェクトを、その変化の方向・球速・回転などにより分類したものである。例えば、ストレート、スライダー、フォーク、ナックル等が球種の一例に相当する。本構成では、投手キャラクタに握力パラメータを持たせ、投手キャラクタが投球可能な球種によって、握力パラメータの消費量を変えることができる。
従来では、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの消費量が異なるので、フォークやナックル等の握力の消耗の大きい球種(一般的に打者を打ち取る効果が大きいが連投し難いと言われている球種)の連投を効果的に制限することができる。これにより、リアル感のある投球操作を実現できる。また、ユーザは、握力の消耗の大きい球種は勝負所で使用する(例えば、決め球としてフォークを温存する)等、投球の組み立てを考慮する必要があり、対戦相手との新たな駆け引きが発生する。これにより、従来のゲームと較べて、興趣性の高い野球ゲームを実現することができるという効果を奏する。
10)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、10H、30H)は、複数の選択肢(例えば球種SC1〜SC6)の中からユーザによって選択された選択肢(SC1〜SC6)に基づいて、キャラクタ(例えば投手キャラクタC10)に動作(例えば投球)を行わせる動作制御手段(121)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた第1パラメータ(例えば握力パラメータ)を管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた場合に、当該選択肢(SC1〜SC6)に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122)と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14)に記憶する記憶制御手段(123)と、前記第1パラメータよりも前記消費量が大きい選択肢(SC1〜SC6)を選択できないように管理する管理手段(124E)と、を備える。
本構成のゲーム制御装置は、前記1)の構成のゲーム制御装置と比較して、管理手段の構成が異なり、その他の構成は同一である。前記1)の構成の管理手段は、第1パラメータよりも消費量の大きい選択肢の選択を許可するが、当該選択肢が選択された場合にはゲーム上不利になるように管理する。これに対して、本構成の管理手段は、第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢を選択できないように管理する。例えば、複数の選択肢のうち、第1パラメータよりも消費量が大きい選択肢を、画面から消去する(不可視にする)、または選択不可能な状態で選択肢を表示する(例えばグレイアウトで表示する)。
本構成でも、前述の1)の構成と同様に、選択肢に応じて第1パラメータの消費量を異ならせることができるので、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の消費量の大きい球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができるという効果を奏する。
11)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、10H、30H)は、複数の選択肢(例えば球種SC1〜SC6)の中からユーザによって選択された選択肢(SC1〜SC6)に基づいて、キャラクタ(例えば投手キャラクタC10)に動作(例えば投球)を行わせる動作制御手段(121)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた第1パラメータ(例えば握力パラメータ)を管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた場合に、所定の消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に前記選択肢(SC1〜SC6)に対応する回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122F)と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれに対応する前記回復量を記憶装置に記憶する記憶制御手段(123F)と、前記第1パラメータが前記消費量よりも小さい場合には、前記第1パラメータが前記消費量よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段(124F)と、を備える。
この構成では、第1パラメータの消費量が選択肢によらず同一(例えば、消費量はどの選択肢も「5」)であり、その回復量を選択肢によって異ならせることができる。すなわち、本構成の記憶制御手段は、複数の選択肢のそれぞれに対応する回復量を記憶装置に記憶する。例えば、野球ゲームにおいて、選択肢を球種とした場合、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックルは、ストレートやスライダー等の球種よりも、投球後の第1パラメータの回復量を予め小さく設定する(例えば、回復量を、ストレート「6」、スライダー「5」、フォーク「2」、ナックル「1」等とする)。
そして本構成のパラメータ管理手段は、前記動作制御手段が前記選択肢に基づいて前記キャラクタに前記動作を行わせた場合に、所定の消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に前記選択肢に対応する回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させる。
本構成により、例えば、投手キャラクタによる投球の場合、投球毎に、所定の消費量(例えば「5」)だけ握力パラメータが低減し、投球された球種に応じた回復量(例えばストレート「6」、スライダー「5」、フォーク「2」、ナックル「1」等)だけ次の投球前に握力パラメータが回復する。これにより、投手キャラクタの投球毎に所定範囲内(例えば、最小値「0」〜最大値「10」の範囲内)で握力パラメータが増減する。
また、管理手段は、前記第1パラメータが前記消費量よりも小さい場合には、前記第1パラメータが前記消費量よりも大きい場合よりもゲーム上不利になるように管理する。例えば、野球ゲームでは、ユーザの操作対象の投手キャラクタの暴投率が大きくなる、ボールになる確率が大きくなる、制球力が小さくなる、球威が小さくなる、投球操作の難易度が高くなる、打者側の打撃力が大きくなる等のゲーム上不利な状態が発生する。
本構成により、例えば、野球ゲームでは、打者を打ち取る効果が大きいが連投し難い球種であるフォークやナックル等の特定の球種(選択肢の一例)の握力パラメータ(第1パラメータの一例)の回復量を、その他の球種の回復量よりも予め小さく設定することができる。これにより、打者を打ち取る効果が大きいからといってフォーク等の特定の球種を連投または多投すれば、握力パラメータが所定の消費量よりも小さくなってしまい、暴投率が大きくなる等の不利な状態となる。なお、握力パラメータが前記消費量よりも小さい場合でも、投球することは可能である。このため、これから投球する球種として回復量の小さいフォーク等の球種を選択すれば、その次の投球時には暴投率が大きくなる等のリスクが発生するのを承知の上で、その球種を選択することもできる。
従来では、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの回復量が異なるので、上述のように、ユーザが選択する球種によっては、暴投率が大きくなる等のリスクが発生するため、ユーザは球種選択を慎重に検討することとなり、遊戯性が向上する。
以上のように、本構成では、複数の選択肢の中からユーザが任意の選択肢を選択してキャラクタに動作を行わせるゲームにおいて、特定の選択肢(例えば、フォークやナックル等の球種)の選択を制限できるようになり、従来よりもどの選択肢を選択すべきかをユーザが考慮しながら遊戯する必要がある興趣性の高いゲームを実現することができるという効果を奏する。
12)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、10H、30H)は、複数の選択肢(例えば球種SC1〜SC6)の中からユーザによって選択された選択肢(SC1〜SC6)に基づいて、キャラクタ(例えば投手キャラクタC10)に動作(例えば投球)を行わせる動作制御手段(121)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた第1パラメータ(例えば握力パラメータ)を管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた場合に、当該選択肢(SC1〜SC6)に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に前記選択肢(SC1〜SC6)に対応する回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122G)と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれに対応する、前記消費量および前記回復量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14)に記憶する記憶制御手段(123G)と、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段(124)と、を備え、前記キャラクタ(C10)は複数存在し、前記キャラクタ(C10)によって、各選択肢(SC1〜SC6)に対する前記消費量または前記回復量の少なくとも一方の設定を異ならせる。
この構成により、同じ選択肢でもキャラクタによって第1パラメータの消費量、回復量またはその両方を異ならせることができるので、例えば、フォークを連投できるキャラクタと、連投できないキャラクタといったようなキャラクタ毎の個性を出すことができる。
13)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、10H、30H)は、投手キャラクタ(C10)が投球可能な複数の球種の中からユーザによって選択された球種を前記投手キャラクタ(C10)に投球させる動作制御手段(121)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた握力パラメータを管理するものであり、前記動作制御手段(121)が選択された前記球種を前記投手キャラクタ(C10)に投球させた場合に、当該球種に対応する消費量だけ前記握力パラメータを低減させ、且つ、その後次の投球の前に所定の回復量だけ前記握力パラメータを増加させることにより、投球毎に所定範囲内で前記握力パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122)と、前記複数の球種のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置(例えばRAM13、補助記憶装置14)に記憶する記憶制御手段(123)と、前記握力パラメータよりも前記消費量の大きい球種が選択された場合には、前記握力パラメータよりも前記消費量の小さい球種が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段(124)と、を備える。
従来では、握力パラメータという概念がなく、常時、どの球種も自由に選択できるので、ユーザは、結局、打者を打ち取る効果の高い特定の球種ばかりを選択しがちになり、ゲームが単調になり易かった。これに対して、本構成では、投球の動作毎に、所定範囲内(例えば「0」〜「10」)で握力パラメータが増減し、選択する球種に応じて握力パラメータの消費量が異なるので、フォークやナックル等の握力の消耗の大きい球種(一般的に打者を打ち取る効果が大きいが連投し難いと言われている球種)の連投や多投を効果的に制限することができる。これにより、リアル感のある投球操作を実現できる。また、ユーザは、握力の消耗の大きい球種は勝負所で使用する(例えば、決め球としてフォークを温存する)等、投球の組み立てを考慮する必要があり、対戦相手との新たな駆け引きが発生する。これにより、従来のゲームと較べて、興趣性の高い野球ゲームを実現することができるという効果を奏する。
14)本発明の他の一態様によるゲームシステム(1、1H)は、サーバ(30、30H)と、当該サーバ(30、30H)と通信可能な端末装置(10、10A)とを含むゲームシステム(1、1H)であって、複数の選択肢(例えば球種SC1〜SC6)の中からユーザによって選択された選択肢(SC1〜SC6)に基づいて、キャラクタ(例えば投手キャラクタC10)に動作(例えば投球)を行わせる動作制御手段(121、321H)と、前記キャラクタ(C10)に関係づけられた第1パラメータ(例えば握力パラメータ)を管理するものであり、前記動作制御手段(121)が前記選択肢(SC1〜SC6)に基づいて前記キャラクタ(C10)に前記動作を行わせた場合に、当該選択肢(SC1〜SC6)に対応する消費量だけ前記第1パラメータを低減させ、且つ、その後次の前記動作の前に所定の回復量だけ前記第1パラメータを増加させることにより、前記動作毎に所定範囲内で前記第1パラメータを増減させるパラメータ管理手段(122、322H)と、前記複数の選択肢(SC1〜SC6)のそれぞれに対応する前記消費量を記憶装置(例えばRAM13、33、補助記憶装置14、34)に記憶する記憶制御手段(123、323H)と、前記第1パラメータよりも前記消費量の大きい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合には、前記第1パラメータよりも前記消費量の小さい選択肢(SC1〜SC6)が選択された場合よりもゲーム上不利になるように管理する管理手段(124、324H)と、の各手段を前記サーバ(30、30H)又は前記端末装置(10、10A)のいずれか一方が備える。
15)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを前記1)ないし13)の何れかに記載のゲーム制御装置(10、10H、30H)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(10、10H、30H)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。