以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置(ゲーム制御装置の一例)、ゲームシステム(ゲーム制御装置の一例)及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲーム装置の構成〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム制御装置としてのゲーム装置は、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等により構成することができる。本実施の形態では、ゲーム装置をスマートフォンとする例について以下に説明する。
スマートフォンは、携帯電話端末と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であり、その記憶装置に、ゲームサーバからダウンロード等したゲームプログラムをインストールすれば、スマートフォンのCPU(Central Processing Unit)がゲームプログラムを実行することによって、ユーザが各種ゲームを遊戯することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置10の外観の一例を示す平面図である。また、図2は、ゲーム装置10のハード構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、本体部12と、タッチパネル部13と、ボタン操作部14(ホームボタン14a、ボリュームボタン14b、スリープボタン14c)と、音声入力部15と、音声出力部16a・16bとを具備している。
タッチパネル部13は、本体部12の筐体の一面に設けられた接触入力式の画像表示部である。このタッチパネル部13は、液晶ディスプレイ等からなる表示部とタッチインターフェースを備えた位置入力部とを組み合せて構成され、操作者(ユーザ)の指やペンを指示体として画面に接触させることによって接触位置が検出されるので、直感的な入力操作が可能となっている。本実施の形態のタッチパネル部13は、投影型の静電容量方式のマルチタッチスクリーンとして構成されており、多点同時検出が可能となっている。なお、タッチパネル部13としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式または表面型の静電容量方式などのその他の方式を採用することもできる。
ボタン操作部14は、ホームボタン14a、ボリュームボタン14b及びスリープボタン14cなどからなり、タッチパネル部13での操作以外の基本操作をボタン操作により可能とする。ホームボタン14aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の下方に設けられ、当該ボタンが押されるとタッチパネル部13にホーム画面が表示されるようになっている。ボリュームボタン14bは、例えば本体部12の側面に設けられており、当該ボタンの上部が押されると音量が増加し、その下部が押されると音量が減少するようになっている。スリープボタン14cは、例えば本体部12の上部に設けられ、当該ボタンが押されるとゲーム装置10がスリープ状態に遷移する一方、スリープ状態のときに当該ボタンが押されるとスリープ状態から復帰させることができるようになっている。
音声入力部15は、本体部12に内蔵されたマイクロフォンからなり、例えば本体部12の下面に設けられたマイク用開口から集音できるようになっている。この音声入力部15は、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。
音声出力部16aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の上方に設けられ、電話通信時の受話スピーカとなる。また、音声出力部16bは、本体部2に内蔵されており、例えば本体部12の下面に設けられた出力口からゲーム実行時の効果音などを出力するようになっている。
なお、ゲーム装置10の本体部12には、ヘッドセットジャック、給電用またはパーソナルコンピュータとの接続用のコネクタ、内臓カメラ用のレンズ等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
また、図2に示すように、ゲーム装置10は、主に、制御部17と、補助記憶装置18と、通信制御部19とを備えている。
制御部17は、CPU21と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)22及びRAM(Random Access Memory)23と、画像処理部24と、タッチ入力検出部25と、サウンド処理部26とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン27を介して相互に接続されている。なお、バスライン27と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU21は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM22は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM23は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU21に対する作業領域を確保する。
画像処理部24は、CPU21からの画像表示命令に基づいてタッチパネル部13を駆動し、当該タッチパネル部13の画面に画像を表示させる。また、画像処理部24はタッチ入力検出部25を備えている。このタッチ入力検出部25は、指やペン等の指示体がタッチパネル部13の画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の接触位置がCPU21に認識されるようになっている。また、画像処理部24は、タッチパネル部13の画面に表示されている所定の検出対象領域に指等が接触したとき、当該検出対象領域が選択されたことを示す選択信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の検出対象領域が選択されたことが、CPU21に認識されるようになっている。
サウンド処理部26は、音声入力部5から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU21からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部16a又は16bに出力する。
補助記憶装置18は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置18としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部19は、通信インタフェース19aを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部19は、CPU21からの命令に基づいてゲーム装置10を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU21へ供給する。
なお、ゲーム装置10には、その他にもCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、GPS(Global Positioning System)信号受信回路、3軸加速度センサなどが備えられていてもよい。
上記構成のゲーム装置10において、補助記憶装置18に記憶されているゲームプログラムがRAM23へロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU21で実行されることにより、様々なゲームが実行可能である。また、ゲーム装置10を、無線LAN通信、インターネット通信、距離無線通信または有線通信などにより他のゲーム装置10と接続し、両者間で同期をとりながらデータのやり取りを行うことによって、対戦型のゲームを実行することも可能である。
〔ゲームの一例〕
本実施の形態のゲーム装置10が管理(制御)するゲームは、野球、サッカー、ゴルフなどの各種スポーツを題材としたスポーツゲーム、戦闘を題材とした戦闘ゲーム、モンスター対戦ゲーム、音楽シミュレーションゲーム、その他種々のロールプレイングゲーム・育成ゲーム・シミュレーションゲームといったように、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを挙げることができる。その一例として、ここでは、投手キャラクタが打者キャラクタに対して投球する野球ゲームについて説明する。
本実施の形態の野球ゲームにおいて、ユーザが投手キャラクタの投球を操作する場合、打者キャラクタに対する1球ごとの球種、投球コースの設定操作は行なわずに、1打席ごとの配球プランを、1打席の最初の投球前に1回だけ設定する操作(第1の操作の一例)を行う。これにより、1打席内における、投手キャラクタの1球毎の配球に関するパラメータ(球種、投球コース等)については、ゲーム装置10のCPU21が自動的に決定する。
図3ないし図5は、1打席の1球目を投球する前に表示される、配球プラン設定用のゲーム画面G10の一例を示している。ゲーム画面G10は、主ゲーム画面領域G10aと、投球操作領域G10bと、配球プラン設定操作領域G10cとを含んでいる。
主ゲーム画面領域G10aには、ユーザの操作対象である投手キャラクタC10、対戦相手の打者キャラクタC20、捕手キャラクタC30等が表示される。対戦相手の打者キャラクタC20は、コンピュータ対戦モードではCPU21が自動制御し、通信対戦モードでは相手ユーザによって操作される。さらに、主審キャラクタ、ストライクゾーン等を主ゲーム画面領域G10aに表示してもよい。また、主ゲーム画面領域G10aには、ゲーム進行情報G16(現在のイニング、スコア、ボールカウント、ランナーの情報)なども表示される。投球操作領域G10bについては後述する。
配球プラン設定操作領域G10cは、1打席内の配球の傾向を示す配球プランを設定するための操作領域である。図3では、「かわす」B10(第1の配球プランの一例)、「バランス」B20(第3の配球プランの一例)、「攻める」B30(第2の配球プランの一例)という3つの配球プランの中から、ユーザが任意の配球プランを選択することにより、1打席毎の配球プランを設定することができる例を示している。
「かわす」B10は、コントロールを重視してコーナを突いてかわす配球の傾向を示す配球プランであり、「コーナを突く」、「コントロール重視」、「弱気」等の別の表現を用いて表すこともできる。また、「攻める」B30は、球威または球速を重視して強気に攻める配球の傾向を示す配球プランであり、「球威重視」、「球速重視」、「強気」等の別の表現を用いて表すこともできる。「バランス」B20は、「かわす」B10および「攻める」B30の両配球プランの傾向をバランス良く含む配球プランである。
ユーザは、配球プラン設定操作領域G10cに表示された「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30の何れかのボタン(領域)を、指等でタッチする操作を行うことにより、これから投球する1打席の配球プランを設定(決定)できる。例えば、現在選択されている配球プランの上部には、捕手の形をしたカーソルG12が表示される。
なお、配球プラン設定操作領域G10cがゲーム画面G10に表示された直後の初期状態では、何れかの配球プラン、例えば「バランス」B20がデフォルトで選択状態になっており、デフォルト以外の配球プランを選択したい場合にのみ、ユーザが他の配球プランのボタンをタッチする操作を行うようにしてもよい。
その打席の1球目の投球の開始までは、配球プランの選択を変更することが可能であり、投球開始の直前に選択した配球プランが、その打席の配球プランとして決定される。
また、配球プラン設定操作領域G10cには、配球プラン説明領域G13が設けられている。この配球プラン説明領域G13は、現在選択されている配球プランを、捕手の視点で説明するテキスト表示領域である。図3に例示するように、配球プランとして「かわす」B10が選択されている場合、配球プラン説明領域G13には、例えば「長打は出にくいが、四球が増えるぞ!」等の説明文が表示される。これは、配球プランとして「かわす」B10が選択された場合のメリットである「長打は出にくい」と、デメリットである「四球が増える」とを画面上で説明するものであり、配球プランのメリットおよびデメリットをユーザに報知する一例である。
また、図4に例示するように、配球プランとして「攻める」B30が選択されている場合、配球プラン説明領域G13には、例えば「長打を恐れず三振狙いだ!」等の説明文が表示される。これは、配球プランとして「攻める」B30が選択された場合のメリットである「三振を奪い易い」と、デメリットである「長打になり易い」とを画面上で説明するものであり、配球プランのメリットおよびデメリットをユーザに報知する一例である。配球プランのメリットおよびデメリットの詳細については後述する。
また、図5に例示するように、配球プランとして「バランス」B20が選択されている場合、配球プラン説明領域G13には、例えば「バランス良く投げて打ちとろう!」等の説明文が表示される。
また、野球ゲームにおいて、投手キャラクタC10が長打を打たれると、失点につながる可能性が高くなるので、投手にとっては重要なリスクの一つである。そこで、配球プラン設定操作領域G10cには、選択されている配球プランに対する長打リスクを表示する長打リスク表示領域G14が設けられている。本実施の形態では、長打リスク表示領域G14に表示される、バットの形をしたリスク表示用オブジェクトG14aの本数(例えば1本〜5本)によって、配球プランに対する長打リスクを分かり易くユーザに報知している。すなわち、表示されるリスク表示用オブジェクトG14aの本数が多いほど、長打のリスクが高いことを示す。図3に例示するように、配球プランとして「かわす」B10が選択されている場合の長打リスクはLv.1(リスク表示用オブジェクトG14aが1本)であり、図4に例示するように、配球プランとして「攻める」B30が選択されている場合の長打リスクはLv.5(リスク表示用オブジェクトG14aが5本)であり、図5に例示するように、配球プランとして「バランス」B20が選択されている場合の長打リスクはLv.3(リスク表示用オブジェクトG14aが3本)である。
野球ゲームの一例としては、上記のようにしてユーザが1打席に対する配球プランを決定する操作を行って投球を開始させれば、その後、その1打席の間は、決定された配球プランに対応する配球パラメータに従って投手キャラクタC10が自動的に投球を行うものとし、ユーザが何ら操作をせずとも自動的に1打席のゲームが進行するようにしてもよい。
野球ゲームの他の例としては、上記のようにしてユーザが1打席に対する配球プランを決定する操作を行った後、投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングをユーザ自身が指定するリリース操作(第2の操作の一例)を行うことにより、1打席のゲームが進行するようにしてもよい。この例を以下に説明する。
前記リリース操作の難易度は、ユーザが選択した配球プランによって変動しないものとすることができるが、ここでは、ユーザが選択した配球プランに応じて前記リリース操作の難易度が変動する例を示す。
配球プラン設定操作領域G10cには、選択されている配球プランに対応するリリース操作の難易度を表示する操作難易度表示領域G15が設けられている。リリース操作の難易度は、例えば、レベル1「簡単」、レベル2「普通」、レベル3「難しい」の3段階に設定される。図3に例示するように、配球プランとして「かわす」B10が選択されている場合のリリース操作の難易度は「難しい」に設定され、図4に例示するように、配球プランとして「攻める」B30が選択されている場合のリリース操作の難易度は「簡単」に設定され、図5に例示するように、配球プランとして「バランス」B20が選択されている場合のリリース操作の難易度は「普通」に設定される。これは一例であり、例えば、「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30の難易度を、それぞれ、「簡単」、「普通」、「難しい」に設定してもよい。
ユーザが1打席に対する配球プランを決定する操作を行った後、タッチパネル部13の投球操作領域G10bを指等でタップ(画面を叩くようにして、一瞬だけ画面に触れる操作)することにより、投手キャラクタC10が投球動作(投球モーション)を開始する。これにより、配球プラン設定操作領域G10cがゲーム画面G10から消去される。
図6は、投手キャラクタC10が投球動作中のゲーム画面G20の一例である。主ゲーム画面領域G10aには、ゲーム装置10のCPU21によって自動的に決定された球種G19が表示される。図6中ではストライクゾーンG21が不透明になっているが、半透明の枠によってストライクゾーンG21を表示してもよい。
また、主ゲーム画面領域G10aには、投手キャラクタC10が投球動作を開始した直後から、投球コースを示す投球ポイントG22の周囲に、円形の投球カーソルG23が出現する。この投球カーソルG23は、投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングを計るための円形の枠であり、出現時が最も大きく、その後、時間経過に伴って収縮して、投球ポイントG22と重なり、最小となる。ユーザは、投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なるタイミングに合わせて、投球操作領域G10bを、再度、タップする。すなわち、ユーザが投球を行う操作は、投球操作領域G10bを指等で2回タップ(2度押し)することである。1回目のタップ操作で投手キャラクタC10が投球動作を開始し、2回目のタップ操作で投手キャラクタC10がボールをリリースする。
なお、ユーザが選択した配球プランに基づいて、ゲーム装置10のCPU21が自動的に決定した球種G19および投球コースを示す投球ポイントG22は、1打席の1球目を投球する前のゲーム画面G10(図3ないし図5参照)に表示されるようにしてもよい。
2回目のタップ操作であるリリース操作が、投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングを指定する第2の操作に該当する。なお、例えば、配球プランを決定する操作の後、または、前回の投球の完了後、所定時間(例えば3秒)が経過すれば、投手キャラクタC10が自動的に投球動作を開始するようにすれば、投手キャラクタC10に投球動作を開始させる1回目のタップ操作は、省略することも可能である。
ユーザによるリリース操作が、投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なるタイミングを含む所定の基準期間で行われた場合、リリース成功となる一方、前記基準期間で行われなかった場合、失投となる。前記基準期間(成功判定が行われる期間)を変動させることにより、リリース操作の難易度を変動させることができる。具体例を示すと、基準期間を1/60秒(1フレーム期間)に設定した場合よりも、基準期間を3/60秒(3フレーム期間)に設定した場合の方が、成功判定が行われる期間が長くなるため、リリース操作の難易度が低下する。
例えば、リリース操作が基準期間で行われた場合(リリース成功)、投球前に自動的に決定された投球コース付近に投げることができるが、リリース操作が基準期間で行われなかった場合(失投)、投手キャラクタC10のコントロールが乱れ、投球前に自動的に決定された投球コースから大きく外れたコースに投球されるようになる。あるいは、リリース操作が基準期間で行われた場合には、投球前に自動的に決定された球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが向上するようにしてもよい。また、リリース操作が基準期間で行われなかった場合には、前記のようなコントロールの乱れに代えて、またはコントロールの乱れと共に、球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが低下するようにしてもよい。
図7には、1打席における2球目以降を投球する前のゲーム画面G30の一例を示している。同図に示すように、1打席内の2球目以降のゲーム画面G30には、配球プラン設定操作領域G10cは表示されず、ゲーム画面G30は、主ゲーム画面領域G10aと、投球操作領域G10bとにより構成される。ゲーム画面G30の主ゲーム画面領域G10aには、ゲーム装置10のCPU21が自動的に決定した、次の投球の球種G19および投球コースを示す投球ポイントG22が表示される。
1打席における2球目以降の投球操作も、1球目の投球操作と同様に、投球操作領域G10bを指等で2回タップすることにより行われる。
このように、本野球ゲームは、1打席毎にユーザが配球プランを決めて、1球毎に2度押しの投球操作を行う。前述のように、1打席内の配球の傾向を示す配球プランを、1打席の最初の投球までに1回だけ決定すれば、当該配球プランに基づいて、1打席内の配球に関するパラメータ(1球毎の球種、投球コース等)が自動的に決定される。よって、ユーザは、1打席内の配球プランを決定した後は、2度押しの投球操作、特に投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングを指定するリリース操作に集中することができる。
なお、1打席の途中で、ユーザの操作により、配球プランを変更することができるようにしてもよい。この場合、ユーザが配球プランを1打席の途中で変更するための所定の操作(例えば、ゲーム装置10を振るシェイク操作や所定のボタン操作等)をすれば、図3等に示すよう配球プラン設定操作領域G10cが、再度画面に表示され、その打席の残りの投球に対する配球プランを設定できる。
また、リリース操作は画面をタップする操作に限定されるものではなく、投手キャラクタC10がボールをリリースするタイミングを指定できる操作であれば様々な操作が適用でき、例えば、物理的なボタンを押す操作等であってもよい。
投手キャラクタC10の投球後は、ゲーム装置10のCPU21が、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づく自動制御で、打者キャラクタC20の打撃またはボール見送りの動作を制御する。なお、ユーザ同士の対戦の場合は、打者キャラクタC20の打撃操作をする相手ユーザの操作に基づいて、打者キャラクタC20の打撃またはボール見送りの動作が制御される。
〔ゲーム装置の基本的な機能的構成〕
図8は、ゲーム装置10の基本的な構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係るゲーム装置10は、入力管理手段110、実行手段120、出力管理手段130、選手管理手段140、ユーザ情報管理手段150、通信管理手段160等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段110は、タッチ入力検出部25等を介した操作に関する情報を、実行手段120に出力する。実行手段120は、操作に関する情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。本野球ゲームでは、ユーザによる配球プラン設定操作や投球操作等に基づいて、投手キャラクタC10による投球等を実行する。実行手段120によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段130は、画像処理部24およびサウンド処理部26を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段130は、画像処理部24を制御して、図3ないし図5等に示すようにゲーム画面G10を表示させる。出力管理手段130の機能の一部には、後述する入力用オブジェクト表示手段等が含まれる。
選手管理手段140は、選手データベースに基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。選手データベースは、RAM23または補助記憶装置18に記憶されている。あるいは、選手データベースは、ゲームサーバに存在し、ゲーム装置10がゲームサーバにアクセスして必要な選手キャラクタの情報を、ゲームサーバを介してダウンロードするようにしてもよい。
選手データベースには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、能力パラメータ等の情報が記憶される。図9Aに、選手データベースに登録されている投手キャラクタ(選手ID=001)1人分の情報を例示している。投手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、球速、制球力、投球可能な球種、打者との相性、キャラクタの画像等の情報が記憶される。
球速は、投手キャラクタがストレートを投げた場合の最高球速である。制球力は、投手キャラクタのコントロールの良さの指標となるパラメータである。投球可能な球種は、いわゆる投手キャラクタの持ち球である。図9Aの例では、選手ID=001の投手キャラクタは、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」の4種類の球種を持ち球としている。これらのパラメータは、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。なお、打者との相性の情報については後述する。
また、選手データベースには、投手キャラクタが投球可能な各球種と対応付けて、球種のパラメータが記憶されている。本実施の形態では、球種のパラメータとして、球威パラメータを例示する。球威パラメータは、投球されたボールの威力を示すパラメータである。なお、球種のパラメータも、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。これは投手毎に得意、不得意な球種が異なるためである。なお、球種のパラメータとしては、さらに、ボールの速さを示す球速パラメータ、コントロールの良さを示す制球パラメータ、変化球の軌道変化の大きさを示す変化パラメータ等を適用してもよい。球種のパラメータは、これらに限るものではなく、少なくとも1つのパラメータが設定されていればよい。
また、図9Bに、選手データベースに登録されている野手キャラクタ(選手ID=101)1人分の情報を例示している。野手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、能力パラメータ(巧打力、長打力、走力、守備力等)、キャラクタの画像等が記憶される。
本実施の形態では、投手キャラクタおよび野手キャラクタの能力パラメータは、8段階のランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」のうちの何れかのランクに設定される。Sランクが最も高く、Gランクが最も低い。例えば、制球力については、ランクが高いほどコントロールが良く、球威については、ランクが高いほどボールに威力が増す。ランクの横の数字(例えば、0〜100)はパラメータ値(能力値)であり、パラメータ値が大きいほどキャラクタの能力が高い。ランクとパラメータ値との関係は、例えば、「S(90〜100)」、「A(80〜89)」、「B(70〜79)」、「C(60〜69)」、「D(50〜59)」、「E(40〜49)」、「F(30〜39)」、「G(0〜29)」である。
ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶して管理する。ユーザ情報管理手段150が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。例えば、ゲームサーバにアクセスしてオンラインモードで遊戯できるゲームの場合、ユーザ情報管理手段150は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。また、ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。
通信管理手段160は、通信制御部19を介して、ゲームサーバ、他のユーザのゲーム装置10等との間の情報通信を管理する機能を有する。
〔ゲーム装置の主要な機能的構成(第1の実施の形態)〕
本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10の主要な機能的構成を、図10の機能ブロック図等を参照して以下に説明する。
ゲーム制御装置(例えばゲーム装置10)は、ゲームキャラクタによる複数回の動作を一単位として構成するゲームを制御するゲームを制御する。
ここで、「ゲームキャラクタ」とは、例えば、ゲームに登場して動作するオブジェクトのことであり、人物や動物のほか、架空の生き物(モンスター、妖怪)やロボットなどがゲームキャラクタの一例に相当する。また、オブジェクトとは、ゲーム内において視覚的に認識可能に表示された画像である。
また、前記の「動作」とは、例えば、オブジェクトの少なくとも一部が動くことであり、手、足、指、頭、口などの部位が動くことが動作の一例に該当する。また、動いていたオブジェクトの少なくとも一部を停止させる停止の動作も、「動作」の一例に含まれる。前記の「ゲームキャラクタによる動作」の一例としては、投手キャラクタが投球すること、打者キャラクタがバットを振ること、サッカーのゴールキーパーがボールをキャッチすること等が該当する。例えば、投手キャラクタがボールを投球するという投球動作は、投手キャラクタが足を上げ、腕を振り、足を地面について踏ん張り、掴んでいるボールを離す(リリースする)という一連の動きから成る。この投球動作は、例えばキャラクタが足を動かすだけでは投球するという目的を達成できない(所望の動作結果を得られない)ものであり、キャラクタの手、足、指等の動きにより1つの動作が構成される。このように、キャラクタの動作によっては、キャラクタの複数の部位の一連の動きにより1つの動作が構成される。
また、前記の「一単位」とは、例えば、ゲームを構成する基準の単位である。本構成では、「ゲームキャラクタによる複数回の動作を一単位とする」と規定しており、ゲームキャラクタが複数回の動作を行うことによって、一単位が構成される。例えば、ゲームキャラクタによる動作を前記投球動作とした場合、打者がアウト、ヒット、または四死球になるまで複数回の投球動作が行われる「1打席」、打者が3アウトになるまで複数回の投球動作が行われる「1イニング」等が、前記一単位に相当する。
一単位が完了する条件としては、様々な条件を適用することができる。前述の打者がアウト、ヒット、または四死球になるという条件を適用すれば、「1打席」が一単位となり、打者が3アウトになるという条件を適用すれば、「1イニング」が一単位となる。「一単位」においては、ゲームキャラクタによる複数回の動作が可能でなければならないので、ゲームキャラクタによる動作を前記投球動作とした場合、1球毎の投球については「一単位」には含まれない。なお、1打席が1回の投球で終わる(打者が1球目を打ってヒットまたはアウトとなる)こともあるが、1打席は常時1回の投球だけで終了するものではなく、複数回の投球も可能であるため、1打席は「一単位」に含まれる。
また、サッカーゲームを例に挙げると、ゲームキャラクタによる動作を、1人(または同一チーム内の複数)の選手キャラクタのキック動作(パスまたはシュートをする動作)とした場合、複数回のキック動作が行われる「前半」、「後半」を一単位とすることができる。また、サッカーゲームにおいて、ファール等により試合が中断することを一単位が完了する条件として、一単位が「前半」または「後半」よりも短い期間になるようにしてもよい。また、テニスゲームでは、ゲームキャラクタがボールを打つ動作を複数回行う「ゲーム」または「セット」を一単位とすることができる。また、バレーボールゲームでは同一チーム内の複数の選手キャラクタのサーブ、レシーブ、トス、アタック等の動作が複数回行われる「セット」を一単位とすることができる。同様に、バスケットボールゲームでは「ピリオド」を一単位とすることができる。また、ゴルフゲームでは、ゲームキャラクタによる動作を、選手キャラクタがゴルフボールを打つ動作(ショットまたはパット)とした場合、「ホール」を、一単位とすることができる。
また、本構成はスポーツゲーム以外にも適用可能であり、例えば、ゲームキャラクタによる動作を、攻撃動作または防御動作とし、一単位を複数回繰り返して評価される、キャラクタ間や、複数のキャラクタから構成されるグループ間における対戦ゲームにおいて、敵キャラクタまたは味方キャラクタが全滅したことを一単位の完了条件とすることができる。また、一単位の完了は、時間を条件としてもよい。例えば、プレイ開始から3分間経過により、一単位が完了するものとしてもよい。
このような様々なゲームに適用できるゲーム制御装置としてのゲーム装置10は、図10に例示する機能ブロック図に示すように、ゲーム傾向決定手段121、パラメータ決定手段122等を備えている。
図10に示すゲーム傾向決定手段121は、ユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向を決定する機能を有する。
ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲームの操作をする人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。
また、「傾向」とは、例えば、動作や状態等の偏りを示す指標であり、「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」等が傾向の一例に相当する。
また、「ゲームキャラクタの動作の傾向」とは、例えば、ゲームキャラクタがとる動作、あるいは当該ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況の偏りを示す指標である。「ゲームキャラクタの動作の傾向」の一例としては、前記「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」の他に、「積極的」、「消極的」、「動的」、「静的」等を挙げることができる。このうち、「積極的」、「消極的」の一例としては、例えば、キャラクタが他のキャラクタと対戦を行う頻度が高いか、低いかといった傾向を示すものとすることができる。また、「動的」、「静的」の一例としては、例えば、単位時間当たりのキャラクタの移動距離が大きいか、小さいか、あるいは、行動範囲が広いか、狭いか等といった傾向を示すものとしてもよい。そして、上記の各傾向に応じて、ゲーム進行に応じて必要とされる消費ポイントの大きさを変えるようにしてもよい。即ち、上記の例であれば、「強気」、「攻撃的」、「積極的」、「動的」の各傾向における消費ポイントを、それぞれ「弱気」、「守備的」、「消極的」、「静的」の各傾向における消費ポイントよりも大きくするようにしてもよい。この場合、ユーザは、ポイント消費の度合いも勘案しながら、どのような傾向を選択するかを検討する必要があるため、ゲーム性が向上する。
また、「ゲームキャラクタの動作の傾向」の他の例としては、「冷静」、「興奮」、「怒り」等のゲームキャラクタの動作中の状態(例えば、キャラクタの精神的または感情的な状態)の傾向としてもよい。例えば、「冷静」の場合は、当該キャラクタが相手から攻撃を受けても反撃する確率が低くなり、「興奮」または「怒り」の場合には相手の攻撃に対して反撃する確率が高くなる等の傾向(反撃の頻度が高いか低いかの傾向)を示すものとすることができる。なお、前記「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」、「積極的」、「消極的」等についても、キャラクタの精神的または感情的な状態の傾向として扱ってもよい。これらは一例であり、「ゲームキャラクタの動作の傾向」は、上記の例に限定されるものではなく、ゲームに種類、内容に応じた様々な傾向を適用できる。
また、「ゲームキャラクタの動作の傾向」は、「ゲーム進行の傾向」とすることもできる。「ゲーム進行」とは、例えば、キャラクタの動作等によりゲームの状況が変化することを言う。ゲームの状況の変化には、画面上の視覚的な変化がなく時間が経過する(時間が進む)場合を含む。
また、前記の「第1の操作」とは、例えば、ユーザによって行われるゲーム装置または端末に対する操作であって、一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向を決定するための操作である。例えば、ユーザが物理的なボタンを押す操作、画面がタッチパネルで構成されている場合にタッチパネルに指等を接触する操作、音声入力による操作等が第1の操作に相当する。
前述の野球ゲームの例では、ゲーム傾向決定手段121は、1打席の最初の投球までに行われるユーザの第1の操作(例えば、ゲーム画面に表示された「かわす」、「攻める」、「バランス」の何れかを選択する操作)に基づいて、投手キャラクタによる1打席内の配球の傾向(「かわす」、「攻める」、「バランス」の何れかの配球の傾向)を決定する。
また、例えばサッカーゲームでは、ゲーム傾向決定手段121は、前半(または後半)の開始までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位としての前半(または後半)の傾向を決定する。具体例を挙げると、野球ゲームで「かわす」、「攻める」、「バランス」等の配球の傾向(前記傾向の一例)をユーザがゲーム画面において選択可能としたのと同様に(図3等参照)、「守備的」、「攻撃的」、「バランス」等の傾向を、ユーザが選択可能にゲーム画面に表示する。そして、ゲーム傾向決定手段121は、ユーザが選択した前記傾向を、前半(または後半)における傾向として決定する。あるいは、後述する図30の画面例と同様に、ユーザの操作に基づいて、第1の傾向(例えば「守備的」)と第2の傾向(例えば「攻撃的」)との割合を設定して、前記一単位内のゲームキャラクタの動作の傾向を決定してもよい。ゲーム傾向決定手段121の詳細については後述する。
また、図10に示すパラメータ決定手段122は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記傾向に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作に関するパラメータを決定する機能を有する。
ここで、「動作に関するパラメータ」とは、例えば、ゲームキャラクタのとる動作を指定するための情報、あるいは当該ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況を指定するための情報である。対戦において「攻撃する」、「防御する」、「逃げる」等のゲームキャラクタの動作の種類を指定する情報は、「動作に関するパラメータ」の一例である。また、対戦において「攻撃力」や「防御力」などの動作の大小や強弱を示す数値情報は、「動作に関するパラメータ」の一例である。また、数値情報に限らず、A・B・C…や弱・中・強などで示された動作の大小や強弱を示すレベル情報も、「動作に関するパラメータ」の一例に相当する。また、「ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況」の一例としては、移動体を送出する動作によって生じる移動体の軌道変化、移動コース、速さ等の状況を挙げることができる。例えば、投手キャラクタの投球動作によって生じる投球されたボールの球種、投球コース、球威、球速、変化量等の情報は、「動作に関するパラメータ」の一例に相当する。
前述の野球ゲームの例では、パラメータ決定手段122は、例えば、ゲーム傾向決定手段121によって決定された1打席内の配球の傾向が「攻める」であれば、ストレート系等の球速や球威の大きい球種のボールを、際どいコースを狙わずに投げ込む(又は、そのような球種や投球コースが選択される確率が高くなる)ように、投手キャラクタの投球の動作に関するパラメータ、すなわち配球に関するパラメータを決定する。このパラメータ決定手段122の詳細については後述する。
また、例えばサッカーゲームの場合、パラメータ決定手段122は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前半(または後半)の傾向が「守備的」であれば、守備重視でカウンターを狙うように、各選手キャラクタの動作または状態(フォーメーション等)に関するパラメータを決定するようにすることができる。これはほんの一例であり、同様にして様々なゲームに適用できる。
本構成では、ゲームキャラクタが複数回の動作を行う一単位ごとに、ユーザがゲームキャラクタの動作の傾向を決定する第1の操作を1回だけ行えば、一単位のゲーム中は、ゲームキャラクタの動作に関するパラメータの設定操作を、何度も行う必要がなくなる。従って、ゲーム進行のための操作を簡略化できるゲームを実現することができる。一方で、ゲームキャラクタの動作の傾向については、一単位ごとにユーザが設定できるため、ユーザによるゲームへの関与を適度に担保することができる。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、図19に例示するように、さらに難易度設定手段123を備えている構成とすることができる。この難易度設定手段123は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記傾向に応じて、前記一単位内の前記ユーザの第2の操作の難易度を変動させる機能を有する。
ここで、「第2の操作」とは、例えば、ユーザによって行われるゲーム装置または端末に対する操作であって、一単位内のゲーム進行に関わる操作である。例えば、ユーザが物理的なボタンを押す操作、画面がタッチパネルで構成されている場合にタッチパネルに指等を接触する操作、音声入力による操作等が第2の操作に相当する。
また、「操作の難易度」とは、例えば、操作の難しさのことである。基準期間でボタンを押すまたは離すことにより成功判定が行われる操作において、基準期間(成功判定が行われる期間)が短いほど成功し難いので、基準期間の短さが「操作の難易度」の一例に相当する。また、操作対象オブジェクトを他のオブジェクトに重ねる操作において、操作対象オブジェクトの面積が小さいほど前記他のオブジェクトに重ね難いので、操作対象オブジェクトの面積の小ささが「操作の難易度」の一例に相当する。
また、音声入力による操作の場合、例えば、音声を入力できる期間の短さ、入力できる周波数の帯域の狭さが「操作の難易度」の一例に相当し、音声を入力できる期間や周波数の帯域(即ち、音声の高低の幅)等をどの程度制限するかにより、「操作の難易度」を設定できる。
例えば、野球ゲームの投球における第2の操作とは、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われるユーザの操作である。この一例としては、前述したように、投手キャラクタがボールをリリースするタイミングをユーザが指定する操作とすることができる。
例えば、サッカーゲームの場合、選手キャラクタがボールをキックするタイミングを指定する操作を第2の操作とすることができる。また、テニスゲームの場合は、選手キャラクタがボールを打ち返すタイミングを指定する操作、例えばラケットを振る操作を第2の操作とすることができる。この第2の操作の難易度は、決定された前記一単位内の傾向に基づいて設定(変動)される。例えば、野球ゲームのリリース操作と同様にして、基準期間(サッカーゲームの場合であれば、キックの成功判定が行われる期間、テニスゲームの場合であれば、ショットの成功判定が行われる期間)を変動させることにより、第2の操作の難易度を変動させることができる。例えば、前記一単位内の傾向が「攻撃的」である場合に、成功判定の期間を短くして、判定を厳しくするようにしてもよい。
本構成により、ゲーム傾向決定手段121によって決定されたゲームキャラクタの動作の傾向に応じて、一単位内において行われるユーザの第2の操作の難易度が変動する。例えば、野球ゲームでは、1打席内の配球の傾向が「強気で攻める」の場合と、「コーナを突いてかわす」の場合とで、第2の操作としての投球操作の難易度が異なる。従って、ユーザは第2の操作の難易度を考慮して、ゲームキャラクタの動作の傾向を決定することが要求されるので、よりゲーム性が高まる。
前述のように、本実施の形態のゲーム装置10は、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームに適用可能であるが、以下には、主に、野球ゲームへ適用した場合について説明する。
本実施の形態のゲーム装置10が制御する前記ゲームは、前記ゲームキャラクタとしての投手キャラクタが前記動作として打者キャラクタに投球する野球ゲームであり、前記一単位は、1打席である。
ここで、「1打席」とは、例えば、野球ゲームにおいてバッターボックスに入った1人の打者キャラクタがアウト、ヒット、または四死球になるまでのゲームの単位である。
図10に示すように、本実施の形態のゲーム装置10は、主に、ゲーム傾向決定手段121、パラメータ決定手段122等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。なお、ゲーム傾向決定手段121およびパラメータ決定手段122は、図8に示した実行手段120の有する機能の一部である。
ゲーム傾向決定手段121は、1打席の最初の投球までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、1打席内の配球の傾向を示す配球プランを決定する機能を有する。
ここで、「配球」とは、例えば、投手キャラクタの打者キャラクタに対する投球の組み立てであり、球種、投球コース、球速などを変化させて複数の投球を組み立てることが「配球」の一例に相当する。
移動体を複数回移動させる場合における、複数存在する移動方法(例えば、移動体の移動コース、軌道の変化の仕方等が異なれば、移動方法は異なる)の順序、組合せの仕方の一例が「配球」である。
前記第1の操作の一例としては、図3ないし図5に例示したように、1打席の1球目を投球する前のゲーム画面G10に、「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30等の複数の配球プランを表示し、ユーザが何れかの配球プランを選択する配球プラン設定操作とすることができる。なお、画面がタッチパネル部13で構成されている場合には、指等の指示体で、画面上の複数の配球プランの何れかを直接タッチする操作により、配球プランを選択することができる。また、画面がタッチパネル部13で構成されていないゲーム装置の場合には、例えば図示しない方向キーの操作により複数の配球プランの何れかを選択できるようにしてもよい。あるいは、複数の配球プランのそれぞれに割り当てられた複数のボタンの何れかを選択することにより、複数の配球プランの何れかを選択できるようにしてもよい。
ゲーム傾向決定手段121は、1打席の最初の投球までに、上記のようなユーザによる配球プラン設定のための操作が行われた場合、当該操作に関する情報に基づいて、配球プランを決定し、決定した配球プランをRAM23に記憶する。
なお、前述のように、配球プラン設定操作領域G10cがゲーム画面G10に表示された直後の初期状態では、何れかの配球プラン、例えば図5のように「バランス」B20がデフォルトで選択状態になっており、デフォルト以外の配球プランを選択したい場合にのみ、ユーザが他の配球プランを選択する操作を行うようにしてもよい。この場合において、デフォルトの配球プランが選択された状態でユーザが投球を開始する操作をした場合にも、ユーザがデフォルトの配球プランを選択したものとみなすことができる。
なお、ここでは「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30という3つの配球プランの中からユーザが1つの配球プランを選択する例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、「かわす」B10および「攻める」B30という2つの配球プランの何れかを、ユーザが選択するものであってもよい。あるいは、後述するように、4つ以上の配球プランからユーザが選択するものであってもよい。あるいは、複数の配球の傾向の割合(重み)を、ユーザが設定するものであってもよい。
パラメータ決定手段122は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記配球プランに基づいて、前記1打席内における、前記投手キャラクタC10の配球に関するパラメータを決定する機能を有する。
ここで、「配球に関するパラメータ」とは、例えば、配球を指定するための情報であり、投手キャラクタが投球する1球ごとの球種、投球コース、球威、球速、変化量等の情報が「配球に関するパラメータ」に相当する。
例えば、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって決定された配球プランに基づいて、1打席における1球毎の球種および投球コースを、AIプログラムを実行する等により、自動的に決定する。パラメータ決定手段122による配球に関するパラメータの決定処理の一例を、次に示す。
(基本配球処理)
この基本配球処理は、ユーザによって「バランス」B20の配球プランが選択された場合における、配球に関するパラメータの決定処理に該当する。基本的に、配球は、以下の手順で決定される。
先ず、現在、マウンドに立っている投手キャラクタC10の持ち球(投球可能な球種)の中から、次に投球する球種を選択(決定)する。例えば、投手キャラクタC10の持ち球の全ての球種のそれぞれに、一定の重みポイント(例えば、基準値「100」)を付けてテーブル化する。図9Aに例示する選手ID=001の投手キャラクタの場合、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」の4種類の球種が持ち球であり、当該4種類の球種に対して、例えば図11Aに示すように、「ストレート=100」、「スライダー=100」、「カーブ=100」、「フォーク=100」の重みポイントを付けて、RAM23に記憶する。この例の場合、全ての球種の重みポイントが、基準値「100」で同一であり、各球種の選択確率は全て25%となり、完全ランダムで球種が選択される。このように、投手キャラクタC10の持ち球の中から完全ランダムで球種を選択してもよい。
さらに、投手キャラクタの各球種のパラメータに応じて、各球種の重みポイントを変動させてもよい。例えば、球威パラメータが「D」の場合を基準レベルとして、当該基準レベルよりも高レベルの球種を、投手キャラクタの「得意球種」と判断し、その重みポイントを基準値「100」よりも大きくする。また、球威パラメータが基準レベル「D」よりも低レベルの球種を、投手キャラクタの「苦手球種」と判断し、その重みポイントを基準値「100」よりも小さくする。例えば、球威パラメータが「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」の重みポイントの変動値をそれぞれ、「+20」、「+15」、「+10」、「+5」、「0」、「−5」、「−10」、「−15」とする重み調整が行われる。一例を挙げると、図9Aの選手ID=001の場合、球威パラメータは、「ストレート=A」、「スライダー=F」、「カーブ=G」、「フォーク=B」であるため、図11Bに示すように、各球種の重みポイントは、「ストレート=115」、「スライダー=90」、「カーブ=85」、「フォーク=110」となる。各球種に設定されたポイントを重みとして、次に投球する球種が決定されるので、重みポイントが大きい球種ほど、選択される確率が高くなる。つまり、各球種に設定される「重み」または「重みポイント」とは、例えば、各球種が選択される確率の大きさの指標となる値であり、当該値が大きいほど選択確率が高いことを示す。
各球種の選択確率(%)は、例えば、(対象となる球種の重みポイント/各球種の重みポイントの総和)×100として算出できる。すなわち、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」に設定される重みポイントを、それぞれWfast、Wslider、Wcurve、Wforkとした場合、例えば「ストレート」の球種が選択される確率(%)は、Wfast×100/(Wfast+Wslider+Wcurve+Wfork)となる。図9Aの例では、「ストレート」の球種が選択される確率は、115×100/(115+90+85+110)=28.75%である。また、他の球種の選択確率も、前記「ストレート」と同様にして算出できる。図11A〜図11Cには、各球種の重みポイントから算出される、各球種の選択確率も併せて記載している(後述する図15および図16も同様である)。
この構成の場合、投手キャラクタが投球できる球種毎の得意または不得意(苦手)を考慮した上で、次の投球の球種がバランスよく選択される。
さらに、ボールカウントの状況に応じて、各球種の重みポイントを変動させてもよい。例えば、次の投球で決めたい状況(例えば2ストライクになった状況)および/またはボールにしたくない状況(例えば2ボールまたは3ボールになった状況)においては、前記「得意球種」の重みポイントを上昇させ(例えば+5)、前記「苦手球種」の重みポイントを低下させる(例えば−5)。一例を挙げると、図9Aの選手ID=001の場合、図11Cに示すように、各球種の重みポイントは、「ストレート=120」、「スライダー=85」、「カーブ=80」、「フォーク=115」となる。この場合、投手キャラクタが投球できる球種毎の得意または不得意(苦手)だけでなく、ボールカウントの状況も考慮した上で、次の投球の球種がバランスよく選択される。
また、打者キャラクタの各球種の得意または不得意(苦手)に関するパラメータに基づいて、各球種の重みポイントを変動させてもよい。例えば、図12に示すように、複数の球種を、それぞれの特徴から、「ストレート系」、「空振り系」、「手元変化系」、「打たせてとる系」、「緩い球系」、「落ちる球系」という6種類の属性に分類する。そして、打者キャラクタのパラメータとして、得意球種または苦手球種に関する情報を、選手データベースに記憶する。例えば、得意球種はストレート系であり、苦手球種は落ちる球系である等の情報を、選手IDと対応付けて記憶する。そして、打者キャラクタの「得意球種」の重みポイントを低下させ(例えば−5)、打者キャラクタの「苦手球種」の重みポイントを上昇させる(例えば+5)。一例を挙げると、現在、打席に立っている打者キャラクタの「苦手球種」が、「落ちる球系」であれば、「落ちる球系」に属するフォーク、スプリット等の球種の重みポイントを「+5」とする重み調整が行われる。
次に、投球コースを決定する。例えば、図13Aに示すように、ストライクゾーンG21を縦5×横5の25個のマス目に分割して、各マス目を投球コース決定のための分割領域Z1〜Z25とする。一例としては、「バランス」B20の配球プランが選択された基本配球処理の場合、分割領域Z1〜Z25の全てに、同じ重みポイント「100」を設定し、投球コースが完全ランダムで選択されるようにしてもよい。あるいは、決定された球種に応じて、分割領域Z1〜Z25に設定する重みポイントを調整してもよい。例えば、図13Bに示すように、フォーク等の落ちる球は、分割領域Z16〜Z25の重みポイントを、その他の分割領域よりも大きくする(+20)。これにより、球種として落ちる球系(フォーク、スプリット等)が選択された場合には、低めの投球コースが選択される確率が、その他の投球コースが選択される確率よりも高くなる。
また、ボールカウントに応じて、ストライクゾーンG21から外れたボールゾーンが投球コースとして選択されるようにしてもよい。一例を挙げると、2ストライク、且つ、0ボール又は1ボールの場面では、例えば約50%の確率でボールゾーンが投球コースとして選択されるようにしてもよい。この場合、図14に例示するように、ストライクゾーンG21の外側に、ストライクゾーンG21を囲む分割領域Z26〜Z49を設け、当該分割領域Z26〜Z49のそれぞれに、分割領域Z1〜Z25と同じ重みポイント「100」を設定する。
図13Aおよび図13Bの例では、ストライクゾーンG21を5×5=25の分割領域Z1〜Z25に分けて何れかの分割領域に対応する投球コースを選択する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ストライクゾーンG21を、3×3=9、4×4=16、4×5=20、10×10=100等の分割領域に分けて、各分割領域に重みポイントを設定して、投球コースを決定してもよい。あるいは、ストライクゾーンG21の1画素を単位として、画素毎に重みポイントを設定して投球コースを決定してもよい。
パラメータ決定手段122は、上記のような球種および投球コースの決定処理を、1打席が終了するまでの1球毎に行う。
上記のように、「バランス」B20の配球プランが選択された場合には、球種および投球コースを完全ランダムに決定してもよいし、投手キャラクタの球種毎のパラメータ、ボールカウント状況、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて、球種または投球コースを決定するための重みの設定を、細かく調整してもよい。
また、上記の説明では球種を決定してから投球コースを決定する例を示したが、例えば、ランダムに配球コースを決定してから、ランダムに球種を決定してもよい。
(配球プラン「かわす」が選択された場合の配球処理の一例)
配球プランとして「かわす」B10が選択された場合における、前述の基本配球処理との違いは、次のとおりである。すなわち、球種の決定処理に関し、ストレートやカットボールなどのストレート系の球種(所定の球種の一例)の重みポイントを、前述の基本配球処理の場合よりも低くする(例えば−50)一方、ストレート系以外の球種の重みポイントを、前述の基本配球処理よりも高くする(例えば+50)。一例を挙げると、図9Aの選手ID=001の場合、図15に示すように、各球種の重みポイントは、「ストレート=50」、「スライダー=150」、「カーブ=150」、「フォーク=150」となる。よって、「ストレート」が選択される確率は10%となる一方、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」が選択される確率はそれぞれ30%となり、変化球の球種が選択され易くなる。
また、配球プランとして「かわす」B10が選択された場合、前述の基本配球処理の場合よりも、ストライクゾーンG21の端部領域の投球コースが選択される確率を高くする。ここで、「ストライクゾーンの端部領域」とは、例えば、ストライクゾーン内における外角、内角、高め、低めの投球コースに該当する領域である。例えば、パラメータ決定手段122は、図17に示すように、ストライクゾーンG21の端部領域(分割領域Z1〜Z6、Z10、Z11、Z15、Z16、Z20〜Z25)の重みポイントを「200」に設定し、その他の領域の重みポイントを「10」または「20」に設定する。この例では、ストライクゾーンG21の中央領域(分割領域Z13)の重みポイントを「10」に設定し、中央領域の周辺領域(分割領域Z7〜Z9、Z12、Z14、Z17〜Z19)の重みポイントを「20」に設定している。なお、ストライクゾーンG21の中央領域(分割領域Z13)の重みポイントを最も小さくしている理由は、ストライクゾーンG21の端部領域から最も遠い領域であるからである。
なお、前述の基本配球処理と同様に、投手キャラクタの球種毎のパラメータ、ボールカウント状況、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて、球種または投球コースを決定するための重みの設定を、細かく調整してもよい。
(配球プラン「攻める」が選択された場合の配球処理の一例)
配球プランとして「攻める」B30が選択された場合における、前述の基本配球処理との違いは、次のとおりである。すなわち、球種の決定処理に関し、ストレートやカットボールなどのストレート系の球種(所定の球種の一例)の重みポイントを、前述の基本配球処理の場合よりも高くする(例えば+250)一方、ストレート系以外の球種の重みポイントを、前述の基本配球処理よりも低くする(例えば−50)。一例を挙げると、図9Aの選手ID=001の場合、図16に示すように、各球種の重みポイントは、「ストレート=350」、「スライダー=50」、「カーブ=50」、「フォーク=50」となる。よって、「ストレート」が選択される確率は70%となる一方、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」が選択される確率はそれぞれ10%となり、「ストレート」が選択され易くなる。
また、配球プランとして「攻める」B30が選択された場合、前述の基本配球処理の場合よりも、ストライクゾーンG21の端部領域の投球コースが選択される確率を低くする。例えば、パラメータ決定手段122は、図18に示すように、ストライクゾーンG21の端部領域(分割領域Z1〜Z6、Z10、Z11、Z15、Z16、Z20〜Z25)の重みポイントを「20」に設定し、その他の領域の重みポイントを「200」または「150」に設定する。この例では、ストライクゾーンG21の中央領域(分割領域Z13)の重みポイントを「150」に設定し、中央領域の周辺領域(分割領域Z7〜Z9、Z12、Z14、Z17〜Z19)の重みポイントを「200」に設定している。なお、ストライクゾーンG21の中央領域(分割領域Z13)の重みポイントを中央領域の周辺領域の重みポイントよりも小さくしている理由は、ストライクゾーンG21の中央領域は最も甘い投球コースであり、長打を打たれ易いので、投手または捕手にとっては中央領域の投球コースを避けようとする意識が働くことを考慮したものである。
また、配球プランとして「攻める」B30が選択された場合、ボールカウントが不利になった場合、すなわちストライク数よりもボール数の方が多くなった場合、ストライクゾーンG21の中央領域(分割領域Z13)および中央領域の周辺領域(分割領域Z7〜Z9、Z12、Z14、Z17〜Z19)の重みポイントを、図18の場合よりもさらに高くして、より確実にストライクコースに投げ込まれるようにしてもよい。
さらに、前述の基本配球処理と同様に、投手キャラクタの球種毎のパラメータ、ボールカウント状況、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて、球種または投球コースを決定するための重みの設定を、細かく調整してもよい。
また、パラメータ決定手段122は、球速、球威、変化球の変化量等のパラメータを決定する。これらのパラメータは、基本的には投手キャラクタのパラメータに基づいて決定される。例えば、図9Aに示すように、投手キャラクタが投球可能な球種毎に、球威パラメータが設定されており、次に投球される球種が決定されると、球種に応じた球威が決定される。図9Aでは、球種毎の球威パラメータを例示しているが、球速および変化量のパラメータも、同様に、投手キャラクタの球種毎に予め定められている。なお、後述するように、図9Aに示す球威パラメータは、ユーザによるリリース操作が基準期間で行われた場合(すなわちリリース成功の場合)のレベルおよび値を示しており、リリース操作が基準期間で行われなかった場合(すなわち失投の場合)には、図9Aに示す球威パラメータよりも低いパラメータ値(またはレベル)が適用されるようにしてもよい。上記のとおり、球威等のパラメータは、基本的には投手キャラクタのパラメータに基づいて決定されるが、次のように、選択されている配球プランに応じて変更してもよい。例えば、配球プランとして「かわす」B10が選択されている場合、「攻める」B30の場合よりも、球速および球威は小さくするが、変化量は大きくする。また、配球プランとして「攻める」B30が選択されている場合、「かわす」B10の場合よりも、球速および球威は多くするが、変化量は小さくする。また、配球プランとして「バランス」B20が選択されている場合、球速、球威、変化球のパラメータ値は、「かわす」B10の場合のパラメータ値と「攻める」B30の場合のパラメータ値との間の値とする。
上記の例のように、パラメータ決定手段122は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された1打席内の配球プランに基づいて、前記1打席内における1球毎の配球に関するパラメータを決定する。従って、ユーザは、1打席毎の配球プランを、各打席の最初の投球前に1回だけ決定すれば、打者に対する1球ごとの配球に関するパラメータの設定を行なう必要がなくなる。また、ユーザは1打席毎に、配球の傾向を示す配球プランを設定できるので、投球の設定に関するゲーム性は野球ゲームの試合全体を通して担保される。
本実施の形態により、ユーザは、1打席毎に、「かわす」、「攻める」、「バランス」等の配球プランを、各打席の最初の投球前に1回だけ決定すれば、打者に対する1球ごとの球種、投球コース等の設定を行なう必要がなくなる。
本実施の形態の配球プランは、少なくとも、第1の配球プラン(例えば「かわす」)および第2の配球プラン(例えば「攻める」)という配球プランを含む。そして、前述のように、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって第1の配球プランが決定された場合に、第2の配球プランよりもストライクゾーンの端部領域の投球コースが選択される確率を高くする。例えば、ストライクゾーンG21内の投球コースの重み分布に関し、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合の重み分布は、図17に例示するように、端部領域(分割領域Z1〜Z6、Z10、Z11、Z15、Z16、Z20〜Z25)の重みポイントが「200」に設定される。一方、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合の重み分布は、図18に例示するように、端部領域(分割領域Z1〜Z6、Z10、Z11、Z15、Z16、Z20〜Z25)の重みポイントが「20」に設定される。
その一方、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって第2の配球プラン(例えば「攻める」)が決定された場合に、第1の配球プラン(例えば「かわす」)よりも所定の球種(例えば、ストレート系)が選択される確率を高くする。
ここで、「球種」とは、例えば、野球ゲームにおいて投手キャラクタが打者キャラクタに投じたボールを、変化の方向、球速、回転などにより分類したものであり、現実世界の野球と同様、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」等が「球種」の一例である。
移動体の軌道変化の種類の一例が「球種」である。
例えば、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合、図15に例示するようにストレートの重みポイントは「50」に設定される一方、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合、図16に例示するようにストレートの重みポイントは「200」に設定される。
本構成により、第1の配球プランを選択することによって、コースを突いたかわす投球が可能となり、第2の配球プランを選択することによって、例えば攻める投球が可能となる。
前述のように、第1の配球プラン「かわす」は、コースを突いたコントロール重視の配球の傾向を示す配球プランであり、第2の配球プラン「攻める」は、所定の球種、例えばストレート系の球種等を中心とする、球威または球速重視の配球の傾向を示す配球プランであり、ユーザは、対戦する打者毎(打席毎)に配球を変更することができる。よって、本実施の形態により、ユーザは、例えば強打者と対戦する場合には第1の配球プラン「かわす」を選択し、下位打線の打者と対戦する場合には第2の配球プラン「攻める」を選択する等の戦略をとることができる。
ところで、前記ゲーム傾向決定手段121によって第2配球プラン(例えば「攻める」)が決定された場合に、パラメータ決定手段122は、配球に関するパラメータとして、第1の配球プラン(例えば「かわす」)よりも球威または球速の大きい球種が選択される確率を高くすることが好ましい。
ここで、「球威」とは、例えば、投手キャラクタが投じたボールの威力を示すパラメータであり、数値の他に、A・B・C…や弱・中・強などで示されたレベル等で示すこともできる。例えば、同じ球種、同じ球速、同じ投球コースに投げられたボールの場合には、「球威」が大きいほど打者から空振りを奪い易く、ヒットになり難い。
移動体の威力(または移動の勢い)の一例が「球威」である。例えば、移動体の加速度や運動エネルギーが大きいほど、移動体の威力は大きくなる。
この構成では、第2の配球プランは、球威または球速重視の配球の傾向を示す攻めの配球プランとなる。ユーザが第2の配球プランを選択すれば、第1配球プランよりも球威または球速の大きい球種(例えばストレート系の球種)が選択される確率が高くなる。ユーザは、少なくとも、コースを突いたコントロール重視の第1の配球プランと、球威または球速重視の第2の配球プランを選択可能であり、対戦する打者毎(打席毎)にこれらの配球を変更して試合を進行することができる。
上記では、球威または球速の大きい球種として、ストレート系の球種(所定の球種の一例)が選択される確率を高くする例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、投手キャラクタによって、球威パラメータが高い球種(すなわち、得意な球種)は異なるので、ストレート系の球種以外でも球威パラメータが基準値(またはレベル)よりも高い球種を、選択確率を高める対象球種としてもよい。例えば、カットボールやシュート等の手元変化系の球種の球威パラメータが基準値(またはレベル)よりも高い投手キャラクタの場合には、次のようにしてもよい。すなわち、パラメータ決定手段122は、第2配球プラン「攻める」が選択された場合に、第1の配球プラン「かわす」が選択された場合よりも、手元変化系の球種が選択される確率を高くする(あるいは、ストレート系および手元変化系の両方の球種が選択される確率を高くする)。
また、本実施の形態の野球ゲームにおいて、配球プランは、前記第1の配球プラン(例えば「かわす」)と前記第2の配球プラン(例えば「攻める」)との間の配球の傾向を示す、少なくとも1つの第3の配球プラン(例えば「バランス」)を含む。そして、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって第3の配球プランが決定された場合に、配球に関するパラメータとして、ストライクゾーンの端部領域の投球コースが選択される確率を、第1の配球プランよりも低く且つ第2の配球プランよりも高くする。
例えば、ストライクゾーンG21内の投球コースの重み分布に関し、第3の配球プラン「バランス」が選択されている場合の重み分布は、図13Aに例示するように、端部領域(分割領域Z1〜Z6、Z10、Z11、Z15、Z16、Z20〜Z25)の重みポイントが「100」に設定される。これに対し、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合の端部領域の重みポイントは、図17に例示するように「200」に設定され、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合の端部領域の重みポイントは、図18に例示するように「20」に設定される。
また、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって第3の配球プラン(例えば「バランス」)が決定された場合に、配球に関するパラメータとして、所定の球種(例えば、球威または球速の大きい球種)が選択される確率を、前記第1の配球プラン(例えば「かわす」)よりも高く且つ前記第2の配球プラン(例えば「攻める」)よりも低くする。
例えば、第3の配球プラン「バランス」が選択されている場合、図11Aに例示するようにストレートの重みポイントは「100」に設定される。これに対し、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合、図15に例示するようにストレートの重みポイントは「50」に設定され、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合、図16に例示するようにストレートの重みポイントは「200」に設定される。
本構成によれば、第1の配球プランおよび第2の配球プランの他に、当該両配球プランの間の配球の傾向を示す第3の配球プランもユーザが選択でき、1打席毎に設定できる配球のバリエーションが増す。
本実施の形態により、互いに相反する配球の傾向である第1の配球プラン「かわす」および第2の配球プラン「攻める」の他に、当該両配球プランの間の配球の傾向を示す第3の配球プラン「バランス」をユーザが選択でき、配球のバリエーションが増す。なお、第3の配球プランは、1つに限るものではなく、後述するように、複数(例えば、第1の配球プランと前記第2の配球プランとの中間の配球傾向、中間よりも第1の配球プラン寄りの配球傾向、中間よりも第2の配球プラン寄りの配球傾向等)であってもよい。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、図21の機能ブロック図に例示するように、ゲーム傾向決定手段121およびパラメータ決定手段122の他に、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記配球プランに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段124をさらに備えている構成とすることができる。このゲーム進行制御手段124は、第1の配球プラン(例えば「かわす」)が決定された場合に、第2の配球プラン(例えば「攻める」)が決定された場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなる一方、四球になる割合が高くなるようにゲーム進行を制御する機能を有する。また、ゲーム進行制御手段124は、第2の配球プラン(例えば「攻める」)が決定された場合に、第1の配球プラン(例えば「かわす」)が決定された場合よりも、打者キャラクタが三振する割合が高くなる一方、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなるようにゲーム進行を制御する機能を有する。
なお、一般的に「長打」とは、例えば二塁打以上の安打(二塁打、三塁打、本塁打)を含む。但し、これに限定されるものではなく、例えば「長打」を本塁打のみとし、本塁打以外の安打を長打でないものとしてもよい。あるいは、三塁打および本塁打を「長打」とし、二塁打を長打でないものとしてもよい。
例えば、ゲーム進行制御手段124は、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータ(能力)から、想定される打席結果の確率テーブルを生成し、当該確率テーブルに基づいて打席の結果を決定することができる。そして、ゲーム進行制御手段124は、決定した打席の結果になるように、投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタの動作を制御することにより1打席のゲームを進行させる。この場合、ゲーム進行制御手段124は、確率テーブルの内容を、パラメータ決定手段122によって決定された配球プランに応じて変更し、配球プランに応じた打席の結果が得られ易くする。
例えば、投手キャラクタAおよび打者キャラクタBの対戦において、第3の配球プラン「バランス」が選択された場合の確率テーブル(基本テーブル)の一例を、図20Aに示す。この例の場合、「長打」、「単打」、「四球」、「フライ(アウト)」、「ゴロ(アウト)」、「三振」の確率(または重み)が、それぞれ「5%」、「25%」、「3%」、「25%」、「30%」、「12%」に設定される。
ここで、前記確率テーブル内の「長打」には、二塁打、三塁打、本塁打を含むものとすることができる。確率テーブルにより長打が選択された場合、さらに、二塁打、三塁打、本塁打を抽選してもよい(例えば、二塁打78%、三塁打2%、本塁打20%等の重み抽選を行う)。
また、図20Aの場合と同じ投手キャラクタAおよび打者キャラクタBの対戦において、第1の配球プラン「かわす」が選択された場合の確率テーブルの一例を、図20Bに示す。この例の場合、「長打」、「単打」、「四球」、「フライ(アウト)」、「ゴロ(アウト)」、「三振」の確率(または重み)が、それぞれ「3%」、「22%」、「15%」、「22%」、「35%」、「3%」に設定される。これにより、第1の配球プラン「かわす」が選択された場合、図20Aの基本テーブルおよび後述する図20Cの確率テーブルに較べて、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなる一方、四球になる割合が高くなる。
また、図20Aおよび図20Bの場合と同じ投手キャラクタAおよび打者キャラクタBの対戦において、第2の配球プラン「攻める」が選択された場合の確率テーブルの一例を、図20Cに示す。この例の場合、「長打」、「単打」、「四球」、「フライ(アウト)」、「ゴロ(アウト)」、「三振」の確率(または重み)が、それぞれ「10%」、「30%」、「1%」、「20%」、「10%」、「24%」に設定される。これにより、第2の配球プラン「攻める」が選択された場合、図20Aの基本テーブルおよび図20Bの確率テーブルに較べて、打者キャラクタを三振に仕留める割合が高くなる一方、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなる。
上記の確率テーブルを用いたゲーム進行制御は、予め1打席のゲーム進行のシナリオを決定するシナリオ決定型の制御である。このゲーム進行制御の場合、ユーザが1球毎にリリース操作等のアクション操作を行う必要はなく、ユーザは1打席毎に、配球プラン設定操作を行うだけで、ゲーム装置10が自動的にゲームを進行させる。
また、ユーザが1球毎に前述したリリース操作を行う(ゲーム進行にユーザのアクション操作を伴う)場合においては、ゲーム進行制御手段124は、例えば、次のようにして、投手キャラクタ(ユーザ側)および打者キャラクタ(CPU21側)を制御する。
先ず、第1の配球プラン「かわす」が選択されている打席における、ゲーム進行制御手段124の制御動作について説明する。投手側のユーザのリリース操作が基準期間で行われなかった場合(失投の場合)、ゲーム進行制御手段124は、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合よりも、ボールゾーンに投球され易くなるように制御する。これにより、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合に、前記第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合よりも、四球になる割合が高くなる。
また、第1の配球プラン「かわす」が選択されている打席では、ゲーム進行制御手段124は、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合よりも、投手キャラクタの投げるボールの球威を小さく設定する。これにより、打者キャラクタが空振りする割合が低下する(すなわち、三振の割合が低くなる)。
また、第1の配球プラン「かわす」が選択されている打席では、ゲーム進行制御手段124は、AIプログラム等による自動制御により、打者キャラクタを次にように制御する。打者キャラクタによる打撃動作(バットスイング動作)には、少なくとも、バットには当たりやすいが長打は出にくい「ミート打ち」と、空振りし易いが当たれば長打になりやすい「強振」とがある。そして、ゲーム進行制御手段124は、第1の配球プラン「かわす」が選択されている打席では、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合よりも、打者キャラクタがミート打ちをする確率を高める(すなわち、打者キャラクタにミート打ちを中心に行動させる)。例えば、打者キャラクタがミート打ちする確率を90%、強振する確率を10%にする。これにより、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合に、前記第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなる。
次に、第2の配球プラン「攻める」が選択されている打席における、ゲーム進行制御手段124の制御動作について説明する。投手側のユーザのリリース操作が基準期間で行われなかった場合(失投の場合)、ゲーム進行制御手段124は、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合よりも、ストライクゾーンG21の中央領域(真ん中コース)に投球され易くなるように制御する。そして、ストライクゾーンG21の中央領域に投球されたボールは、いわゆる甘い球であるため、ゲーム進行制御手段124は、打者キャラクタの打撃結果が長打(例えば、本塁打)になり易いように制御する。これにより、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合に、前記第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなる。
また、第2の配球プラン「攻める」が選択されている打席では、ゲーム進行制御手段124は、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合よりも、投手キャラクタの投げるボールの球威を大きく設定する。これにより、打者キャラクタが空振りする割合が高くなる。
また、第2の配球プラン「攻める」が選択されている打席では、ゲーム進行制御手段124は、AIプログラム等による自動制御により、打者キャラクタを次にように制御する。すなわち、ゲーム進行制御手段124は、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合よりも、打者キャラクタが強振する確率を高める(すなわち、打者キャラクタに強振を中心に行動させる)。例えば、打者キャラクタが強振する確率を90%、ミート打ちする確率を10%にする。これにより、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合に、前記第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなるが、打者キャラクタが三振する割合も高くなる。
本実施の形態の構成により、第1の配球プラン「かわす」が決定された場合には、第2の配球プラン「攻める」が決定された場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなるというメリットが生じる一方、四球になる割合が高くなるというデメリットが生じる。また、第2の配球プラン「攻める」が決定された場合には、第1の配球プラン「かわす」が決定された場合よりも、打者キャラクタが三振する割合が高くなるというメリットが生じる一方、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなるというデメリットが生じる。
このように、第1の配球プラン(例えば「かわす」)または第2の配球プラン(例えば「攻める」)を選択した場合に、それぞれメリットおよびデメリットを発生させることにより、ユーザは、このメリットおよびデメリットを比較考量して、配球プランを決定することが必要になり、ゲームの興趣性が高まる。
また、図3に例示するように、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合、ゲーム装置10は、配球プラン説明領域G13に「長打は出にくいが、四球が増えるぞ!」等の情報を表示し、メリット「長打は出にくい」とデメリット「四球が増える」とを、ユーザに報知することが好ましい。
また、図4に例示するように、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合、ゲーム装置10は、配球プラン説明領域G13に「長打を恐れず三振狙いだ!」等の情報を表示し、メリット「三振を奪い易い」とデメリット「長打になり易い」とを、ユーザに報知することが好ましい。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、図19の機能ブロック図に例示するように、ゲーム傾向決定手段121およびパラメータ決定手段122の他に、難易度設定手段123をさらに備えている構成とすることができる。なお、ゲーム装置10は、前述のゲーム進行制御手段124をさらに備えていてもよい。前記難易度設定手段123は、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われる、ユーザによる第2の操作の難易度を、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された配球プランに基づいて設定する機能を有する。
ここで、野球ゲームの投球における「第2の操作」とは、例えば、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われるユーザの操作である。「第2の操作」の一例としては、投手キャラクタがボールをリリースするタイミングをユーザが指定する、前述のリリース操作とすることができる。例えば、図6において、投手キャラクタC10が投球動作を開始した後に、投球コースを示す投球ポイントG22の周囲に、投球ポイントG22よりも大きい投球カーソルG23が表示される。投球カーソルG23は、時間経過に伴って収縮するように構成されており、ユーザは、投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なるタイミングに合わせて、リリース操作(例えば、画面上の投球操作領域G10bに指等を接触する操作、物理的なボタンを押す操作等)を行う。投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なるタイミングで押されると、投球が成功、逆にタイミングがずれれば、失投と判断される。難易度設定手段123が設定したリリース操作の難易度の情報は、RAM23に記憶される。
なお、「第2の操作」は、前記リリース操作に限定されるものではなく、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われる操作であれば様々な操作を適用できる。例えば、「第2の操作」は、投手キャラクタが投球動作を開始した後に、足を上げるタイミングを指定するユーザの操作、上げた足をホームベースに向かって踏み出すタイミングを指定するユーザの操作等であってもよい。ここでは、「第2の操作」をリリース操作として説明する。
また、「基準期間」とは、例えば、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられる所定の期間またはタイミングである。「基準期間」の期間内でユーザによってリリース操作が行われた場合には、リリース成功となる。
難易度設定手段123が、配球プランに基づいて、リリース操作の難易度を設定(変更)する一例を、次に示す。例えば、基準期間(成功判定が行われる期間)を変動させることにより、リリース操作の難易度を変動させることができる。すなわち、基準期間をより長い期間として設定した場合の方が、成功判定が行われる期間が長くなるため、リリース操作の難易度が低下する。
図22は、リリース操作の難易度を説明するための説明図である。図22の横軸は時間軸であり、投手キャラクタが投球動作を開始してからの時間tを示す。例えば、ゲーム画面は、1/60秒毎に切り替わり、動画として表示されるので、時間軸の1目盛りは1/60秒とする。図6に例示するように、投手キャラクタC10が投球動作を開始した直後から、投球コースを示す投球ポイントG22の周囲に、ボールをリリースするタイミングを計るための円形の投球カーソルG23が出現する。この投球カーソルG23は、時間経過に伴って収縮して、投球ポイントG22と重なり、最小となる。図22には、投球カーソルG23が1/60秒毎に収縮する状態を示している。
時刻t1において、投球カーソルG23は、投球ポイントG22と重なり、最小となる。この時刻t1を含む1/60秒の期間T1を、例えば、第1の配球プラン「かわす」に対応する基準期間とすることができる。また、前記時刻t1を含むフレームおよびそれよりも前1フレームおよび後ろ1フレームの合計3フレーム、即ち3/60秒の期間T2を、例えば、第3の配球プラン「バランス」に対応する基準期間とすることができる。また、前記時刻t1を含むフレームおよびそれよりも前3フレームおよび後ろ1フレームの合計5フレーム、即ち5/60秒の期間T3を、例えば、第2の配球プラン「攻める」に対応する基準期間とすることができる。
なお、上記は一例であり、例えば、第1の配球プラン「かわす」に対応する基準期間を5/60秒の期間T3とし、第2の配球プラン「攻める」に対応する基準期間を1/60秒の期間T1としてもよい。
図3ないし図5に例示するように、ゲーム画面G10に操作難易度表示領域G15を設けて、現在設定さている配球プランに対応するリリース操作の難易度を画面表示(報知)することが好ましい。これにより、ユーザは、配球プランに応じたリリース操作の難易度を把握することができる。なお、リリース操作の難易度の画面表示は、配球プラン設定操作領域G10cが消去された後の画面にも継続して表示してもよい。
本実施の形態の構成では、設定する配球プランによって第2の操作(例えば、リリース操作)の難易度が変動するので、ユーザは第2の操作の難易度を考慮に入れた上で、配球プランを決定する必要が生じ、ゲーム性がより高まる。
ところで、図22において、投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なった時刻t1から2/60秒が経過した時刻t2に達しても、ユーザがリリース操作を行わなかった場合(すなわち、ユーザのリリース操作が、基準期間より遅れた場合)、時刻t2の時点で、ゲーム装置10のCPU21が、自動的に、投手キャラクタのボールリリースを開始させるようにしてもよい。この場合、時刻t2は、投手キャラクタがボールを保持できる限界タイミングである。
また、第2の操作の一例としてのリリース操作は、基本的に、打席内の1球毎にユーザによって行われるが、次のようにしてもよい。例えば、1球目はユーザがリリース操作を行うことにより投手キャラクタがボールをリリースし、2球目はユーザのリリース操作を伴わずにゲーム装置10のCPU21が自動的に投手キャラクタに投球させ、3球目は、再度、ユーザがリリース操作を行うというように、リリース操作の有無を1球毎に交互に繰り返してもよい。あるいは、例えば1打席の所定球目(例えば3球目)まではユーザがリリース操作を行うことにより投手キャラクタが投球し、それ以降はユーザのリリース操作を伴わずにゲーム装置10のCPU21が自動的に投手キャラクタに投球させることにより、その打席のゲームが進行するようにしてもよい。すなわち、リリース操作(第2の操作の一例)は、1打席(一単位の一例)の中で、少なくとも1回以上行われるものであればよい。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、図23の機能ブロック図に例示するように、ゲーム傾向決定手段121、パラメータ決定手段122および難易度設定手段123の他に、判定手段125および調整手段126をさらに備えている構成とすることができる。なお、ゲーム装置10は、前述のゲーム進行制御手段124をさらに備えていてもよい。
前記判定手段125は、前記第2の操作(例えば、リリース操作)が、前記基準期間で行われたか否かを判定する機能を有する。例えば、ユーザにより第2の操作の一例としてのリリース操作が行われた場合、当該リリース操作に関する情報が、タッチ入力検出部25等を介して入力される。判定手段125は、前述した基準期間として設定された期間中に、リリース操作が行われたか否かを判定する。
また、前記調整手段126は、前記判定手段125の判定結果に基づいて、前記パラメータ決定手段122によって投球前に決定された配球に関するパラメータ(例えば、投球コース、球威、球速、変化量等)を調整する機能を有する。従って、リリース操作が基準期間で行われたか否か(すなわちリリース成功か失投か)に基づいて、最終的な投球コース、球威、球速、変化量等の配球に関するパラメータが変動する。
例えば、リリース操作が基準期間で行われたと判定された場合には、リリース成功となり、調整手段126は、投球前に決定された投球コースを変更しない。従って、リリース成功の場合には、投球前に決定された投球コース(またはその付近)に投げることができる。一方、リリース操作が基準期間で行われなかったと判定された場合には、失投となって、調整手段126は、投球前に決定された投球コースを変更する。従って、失投の場合には、投手のコントロールが乱れ、投球前に決定された投球コースから大きく外れたコースに投球されるようになる。
また、調整手段126は、リリース操作が基準期間で行われたと判定された場合には、投球前に決定された球威、球速、変化量を変更しない。従って、リリース成功の場合には、投球前に決定された球威等のボールを投げることができる。前述のように、本実施の形態の野球ゲームでは、図9Aに例示するように、投手キャラクタの持ち球(球種)毎に、球威パラメータが設定されている。図9Aの球威パラメータは、ユーザによるリース操作が基準期間で行われた場合(すなわちリリース成功の場合)のレベルおよび値を示しており、リリース成功の際には、予め定められた図9Aの球威パラメータが適用される。例えば、選手ID=001の投手キャラクタが次に投球する球種が「ストレート」であった場合、リリース成功の場合には、球威パラメータ「A85」が適用されることになる。ここでは球威のみについて説明するが、球速、変化量も同様である。また、調整手段126は、リリース操作が基準期間で行われなかったと判定された場合(すなわち、失投の場合)には、前記のようなコントロールの乱れに代えて、またはコントロールの乱れと共に、投球前に決定された球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが低下するように調整することができる。例えば、リリース失敗(失投)の場合には、リリース成功の際に適用される図9Aの球威パラメータから所定値(または所定ランク)低下した球威パラメータが適用される。一例を挙げると、球種が「ストレート」であった場合、リリース操作が基準期間で行われなかった場合には、球威パラメータは、リリース成功時の「A85」からパラメータ値が10だけ低下した「B75」が適用されることになる。すなわち、リリース操作が基準期間で行われた場合のストレートの球威は「A85」であり、基準期間で行われなかった場合のストレートの球威は「B75」であるというように、予め定められており、リリース操作が基準期間で行われたか否かに応じて、何れかの球威に振り分けられる。なお、図9Aの例ではリリース成功時の球威パラメータのみが記憶されているが、失投時の球威パラメータも予め記憶しておいてもよい。すなわち、失投時の球威パラメータは、予め記憶しておくか、またはリリース成功時の球威パラメータから算出すればよい。ここでは球種が「ストレート」の場合を例示したが、「スライダー」等の他の球種の投球時も同様である。また、前述のように、配球プランに応じて球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが変動するようにしてもよい。この場合、配球プランが決定された段階で、リリース操作が基準期間で行われた場合の球威、球速、変化量のパラメータと、基準期間で行われなかった場合の球威、球速、変化量のパラメータとは、既に決定されており、リリース操作に応じた各パラメータのレベルまたは値が適用される。
また、調整手段126は、リリース操作のタイミングが、基準期間から時間的にずれているほど、球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが、より低下するようにしてもよい。この場合、基準期間からのずれ時間と、球威、球速、変化量等のレベルまたは値のデータとを関係づけた関係情報を、予め記憶装置に記憶しておく構成とすることができる。前記関係情報の例としては、基準期間からのずれ時間が、「0(ずれ無し)」、「1/60秒」、「2/60秒」、…といったように、1/60秒毎の「ずれ時間」と、球威等のパラメータ値と、を関係付けたテーブルを挙げることができる。あるいは、球威等のパラメータVを、基準期間からのずれ時間Sの関数V=f(S)として表した所定の演算式を用いて算出してもよい。また、リリース操作のタイミングが、投球カーソルG23と投球ポイントG22とが丁度重なる最適時刻t1(図22参照)のときに、球威、球速および変化量が最大となり、最適時刻t1からずれているほど、球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが、より低下するようにしてもよい。
本実施の形態の構成では、ゲーム内で投手キャラクタにベストピッチングを行わせるには、ユーザが基準期間でリリース操作を行うことが重要になる。前述のように、本実施の形態のゲーム装置10では、1打席分の配球の傾向を示す配球プランを、1打席の最初の投球までに1回だけ決定すれば、当該配球プランに基づいて、1打席内の配球に関するパラメータ(例えば、1球毎の球種、投球コース等)が自動的に決定されるようになっている。よって、ユーザは、1打席内の配球プランを決定した後は、投手キャラクタがボールをリリースするタイミングを指定するリリース操作に集中することができる。
これにより、1打席毎にユーザが配球プランを決めて、当該配球プランの投球を、ユーザが第2の操作(例えば、リリース操作)を基準期間内で行うことにより達成していくという興趣性の高いゲームを実現できる。
また、前記調整手段126は、ゲーム傾向決定手段121によって第1の配球プラン(例えば、「かわす」)が決定されている場合において、前記第2の操作(例えば、リリース操作)が前記基準期間で行われなかったと判定手段125によって判定された場合には、最終的な投球コースをボールゾーンに設定することが好ましい。
ここで、「最終的な投球コース」とは、例えば、第2の操作に応じて最終的に決定される投球コースのことである。この構成では、第2の操作の前(すなわち投手キャラクタが投球する前)に決定された投球コースに必ずしも投球されるものではなく、第2の操作が基準期間で行われなかった場合には、第2の操作の前に決定された投球コースが調整され、調整後の投球コースが「最終的な投球コース」となる。
最終的な投球コースをボールゾーンに設定するとは、投球後の実際の投球コースがボールゾーンになる(投球がボールになる)ように、パラメータ決定手段122によって投球前に決定された配球に関するパラメータとしての投球コースを、調整することである。
あるいは、前記調整手段126は、ゲーム傾向決定手段121によって第1の配球プラン(例えば、「かわす」)が決定されている場合において、前記第2の操作(例えば、リリース操作)が前記基準期間で行われなかったと判定手段125によって判定された場合には、最終的な投球コースがボールゾーンに設定される確率を、前記第2の操作が前記所定タイミングで行われた場合よりも高くしてもよい。例えば、最終的な投球コースがボールゾーンに設定される確率を、リリース操作が基準期間で行われなかった場合に95%とし、リリース操作が基準期間で行われた場合に5%とする。この場合、失投の場合でも、最終的な投球コースがボールゾーンにならない可能性もある。また、リリース成功の場合でも、最終的な投球コースがボールゾーンになる可能性がある。
本実施の形態の構成により、コースを突いた配球をする第1の配球プラン「かわす」がある打席の配球の傾向として決定されている場合において、その打席内におけるリリース操作が基準期間で行われなかった場合(すなわち失投の場合)、最終的な投球コースがボールゾーンに設定される(またはボールゾーンに設定される確率がリリース成功時よりも高くなる)。
これにより、ユーザが第1の配球プラン(例えば、「かわす」)を選択した場合、投手キャラクタは主にコースを突いた投球をするので打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる可能性は低くなるというメリットはあるが、第2の操作(例えば、リリース操作)のタイミングが基準期間から外れるとボールとなる(またはボールになり易い)ので、結果的に四球になり易いというデメリットもある。ユーザは、このメリットおよびデメリットを考慮して、1打席毎に、第1の配球プラン(例えば、「かわす」)を選択するか否かを決定する必要が生じ、ゲーム性が高まる。
また、前記調整手段126は、ゲーム傾向決定手段121によって第2の配球プラン(例えば、「攻める」)が決定されている場合において、前記第2の操作(例えば、リリース操作)が前記基準期間で行われなかったと判定手段125によって判定された場合には、最終的な投球コースをストライクゾーンの中央領域に設定することが好ましい。
最終的な投球コースをストライクゾーンの中央領域に設定するとは、投球後の実際の投球コースがストライクゾーンの中央領域になる(すなわち、投球コースが甘くなる)ように、パラメータ決定手段122によって投球前に決定された配球に関するパラメータとしての投球コースを、調整することである。
あるいは、前記調整手段126は、ゲーム傾向決定手段121によって第2の配球プラン(例えば、「攻める」)が決定されている場合において、前記第2の操作(例えば、リリース操作)が前記基準期間で行われなかったと判定手段125によって判定された場合には、最終的な投球コースがストライクゾーンの中央領域に設定される確率を前記第2の操作が前記所定タイミングで行われた場合よりも高くしてもよい。例えば、最終的な投球コースがストライクゾーンの中央領域に設定される確率を、リリース操作が基準期間で行われなかった場合に95%とし、リリース操作が基準期間で行われた場合に5%とする。
本実施の形態の構成により、球威重視等の攻めの配球をする第2の配球プラン「攻める」がある打席の配球の傾向として決定されている場合において、その打席内におけるリリース操作が基準期間で行われなかった場合(すなわち失投の場合)、最終的な投球コースがストライクゾーンの中央領域に設定される(または中央領域に設定される確率が投球成功時よりも高くなる)。
これにより、ユーザが第2の配球プラン(例えば、「攻める」)を選択した場合、投手キャラクタは主に球威重視の投球をするので打者キャラクタから三振を奪う割合が高くなるというメリットがあるが、第2の操作(例えば、リリース操作)のタイミングが基準期間から外れるとストライクゾーンの中央領域に投球される甘い球となり、長打を打たれ易くなるというデメリットもある。ユーザは、このメリットおよびデメリットを考慮して、1打席毎に、第2の配球プラン(例えば、「攻める」)を選択するか否かを決定する必要が生じ、ゲーム性が高まる。
なお、調整手段126は、前述したゲーム進行制御手段124の有する機能の一部としてもよい。
また、前記難易度設定手段123は、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された配球プランが第1の配球プラン(例えば、「かわす」)である方が、第2の配球プラン(例えば、「攻める」)よりも、前記第2の操作(例えば、リリース操作)の難易度を高く設定することが好ましい。これは、次の理由による。
すなわち、前述のように、第1の配球プラン「かわす」の場合には長打を打たれるリスクは低く、第2の配球プラン「攻める」の場合には長打を打たれるリスクが高くなる。特に、第2の配球プラン「攻める」の場合には、リリース操作が基準期間で行われない失投が1回でも生じれば、その1回の失投が長打につながる可能性が高くなる。これに対して、第1の配球プラン「かわす」の場合には、リリース操作が基準期間で行われないという失投が生じても、ボール球になるだけであり、長打を打たれるリスクが高くなるわけではない。また、第1の配球プランの場合には、1回の失投で直ぐに四球になるわけではなく、四球になるまでには3回までボール球の投球が許容される。すなわち、複数回の失投が許容されることになる。そこで、第1の配球プラン「かわす」の方が、第2の配球プラン「攻める」よりも、リリース操作の難易度を高くしている。
これにより、第1の配球プラン(例えば、「かわす」)では長打になるリスクが小さい一方で第2の操作(例えば、リリース操作)の難易度が高くなり、第2の配球プラン(例えば、「攻める」)では長打になるリスクが大きい一方で第2の操作の難易度が低くなり、バランスのとれたゲームを実現できる。
また、図3ないし図5に例示するように、ゲーム画面G10に、操作難易度表示領域G15を設けて、現在設定さている配球プランに対応するリリース操作の難易度を画面表示(報知)すると共に、長打リスク表示領域G14を設けて、現在設定さている配球プランに対応する長打リスクの情報を表示することが好ましい。これにより、ユーザは、配球プランに応じたリリース操作の難易度と長打リスクとを的確に把握することができる。なお、リリース操作の難易度および長打リスクの画面表示は、配球プラン設定操作領域G10cが消去された後の画面にも継続して表示してもよい。
次に、リリース操作の難易度の設定(変更)に関するバリエーションについて説明する。難易度設定手段123は、投手キャラクタのパラメータ、打者キャラクタのパラメータ、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータの値またはレベルの差、または投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報の少なくとも1つに応じて、第2の操作の難易度を変動させてもよい。
前述のように、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータは、選手データベースに記憶されている。また、選手データベースはRAM23等に記憶されている。
例えば、難易度設定手段123は、投手キャラクタの制球力等の能力パラメータのレベルまたはパラメータ値が大きいほど、リリース操作の難易度が低くなるように設定する。これは、投手キャラクタの能力パラメータが高いほど失投が少ない好投手であることを、第2の操作(例えば、リリース操作)の難易度を低下させることでゲームに反映させたものである。本構成によれば、投手キャラクタが変われば、第2の操作の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
例えば、ユーザは自分のチームの複数の投手キャラクタの中から、先発、中継ぎ、抑えの投手キャラクタをそれぞれ選んで試合を行う場合、どの投手キャラクタを選んで使うかによって、リリース操作の難易度が異なるので、それを考慮して使用する投手キャラクタを選択することが要求される。また、使用する投手キャラクタが先発から中継ぎに変更される等により、リリース操作の難易度が変化するので、ユーザはその難易度の変化に対応することが要求される。
なお、前述の説明ではリリース操作の難易度を3段階に設定する例を示したが、リリース操作の難易度を、例えば5段階、10段階等に設定可能としてもよい。例えば、リリース操作の難易度を10段階のレベル(レベル1〜レベル10)で設定可能とする場合、基準期間(成功判定が行われる期間)を、難易度レベルに応じて、1/60秒〜10/60秒の間で変更すればよい。前述のとおり、基準期間の期間が短いほど、リリース操作の難易度は高くなる。
また、例えば、難易度設定手段123は、打者キャラクタの巧打力等の能力パラメータのレベルまたはパラメータ値が大きいほど、リリース操作の難易度が高くなるように設定する。これは、レベルの高い強打者ほど、投手にとっては正確な投球のコントロールが要求されるものとして、打者キャラクタの能力パラメータのレベルまたは値が大きいほど、リリース操作の難易度を高くするものである。本構成によれば、打席に立つ打者キャラクタが変われば、リリース操作の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
また、例えば、難易度設定手段123は、投手キャラクタのパラメータ値P1と打者キャラクタのパラメータ値P2との差(P1−P2)がプラスの場合(すなわちP1−P2>0の場合)には、その差が大きいほどリリース操作の難易度を低くする。これは、投手キャラクタの方が打者キャラクタよりも能力が高いことを考慮して、投手キャラクタ有利の状況を、リリース操作の難易度を低下させることでゲームに反映させたものである。投手キャラクタのパラメータ値P1の一例としては、制球力のパラメータ値とすることができる(図9A参照)。また、打者キャラクタのパラメータ値P2の一例としては、巧打力のパラメータ値とすることができる(図9B参照)。前述のように、投手キャラクタおよび野手キャラクタの各能力のパラメータ値は、「0〜100」の何れかの値をとり、同一の単位系で比較可能である。具体例を挙げると、図9Aに例示する投手キャラクタ(選手ID=001)の制球力のパラメータ値P1は「75」であり、図9Bに例示する打者キャラクタ(選手ID=101)の巧打力のパラメータ値P2は「65」である。よって、この場合、投手キャラクタのパラメータ値P1と打者キャラクタのパラメータ値P2との差は、P1−P2=75−65=10となる。
なお、前記では、投手キャラクタのパラメータ値P1の一例として制球力のパラメータ値を用いたが、これに限定されず、例えば、球威等の他の能力のパラメータ値を用いてもよい。あるいは、制球力、球威等の複数の能力のパラメータ値に基づいて、投手キャラクタの総合能力のパラメータ値を求め、当該総合能力のパラメータ値を用いてもよい。また、前記では、打者キャラクタのパラメータ値P2の一例として巧打力のパラメータ値を用いたが、これに限定されず、例えば、長打力等の他の能力のパラメータ値を用いてもよい。あるいは、巧打力、長打力等の複数の能力のパラメータ値に基づいて、打者キャラクタの総合能力のパラメータ値を求め、当該総合能力のパラメータ値を用いてもよい。また、パラメータ値ではなく、パラメータのレベルを用いて、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータの差を求めてもよい。前述のように、投手キャラクタおよび野手キャラクタの各能力のパラメータは、8段階のランク(S、A〜G)で示されるので、同一の単位系で比較可能である。例えば、8段階のランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」を、それぞれ「8」、「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の数値に換算し、レベル差を数値化して扱うこともできる。
また、例えば、難易度設定手段123は、投手キャラクタのパラメータ値P1と打者キャラクタのパラメータ値P2との差(P1−P2)がマイナスの場合(すなわちP1−P2<0の場合)には、その差が大きいほどリリース操作の難易度を高くする。これは、投手キャラクタの方が打者キャラクタよりも能力が低いことを考慮して、投手キャラクタ不利の状況を、リリース操作の難易度を向上させることでゲームに反映させたものである。
例えば、ゲーム装置10は、投手キャラクタのパラメータ値P1と打者キャラクタのパラメータ値P2との差と、リリース操作の難易度(例えば、レベル1〜レベル10)との対応関係を定めたテーブルを予め記憶装置に記憶しておき、当該テーブルに基づいてリリース操作の難易度を決定してもよい。
また、例えば、難易度設定手段123は、投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報に応じて、リリース操作の難易度を変動させてもよい。ここで、相性に関する情報とは、例えば、右打者は左投手に対して相性がよく、右投手に対しては相性が悪いというような情報であってもよいし、個々の投手キャラクタと打者キャラクタとの相性であってもよい。例えば、投手Aは、打者Bを得意にしているが、打者Cを苦手にしているという情報であってもよい。前記相性に関する情報は、RAM23等に記憶されている。
例えば、図9Aに示すように、投手キャラクタの選手IDと対応付けて、打者との相性の情報が記憶されている。図9Aの例では、選手ID=001の投手キャラクタにとって得意な打者の情報として、打者キャラクタの選手ID=125、238、…が記憶されている。また、苦手な打者の情報として、打者キャラクタの選手ID=106、397、…が記憶されている。なお、打者キャラクタの選手IDと対応付けて、投手との相性の情報を記憶するようにしてもよい。
投手キャラクタにとって相性の良い得意打者との対戦時には、難易度設定手段123は、リリース操作の難易度を、得意打者との対戦時以外の場合よりも低くする。これは、投打の相性に関して投手キャラクタ有利の状況を、リリース操作の難易度を低下させることでゲームに反映させたものである。また、投手キャラクタにとって相性の悪い苦手打者との対戦時には、難易度設定手段123は、リリース操作の難易度を、苦手打者との対戦時以外の場合よりも高くする。これは、投打の相性に関して投手キャラクタ不利の状況を、リリース操作の難易度を向上させることでゲームに反映させたものである。
本実施の形態の構成によれば、マウンドに立つ投手キャラクタまたは打席に立つ打者キャラクタが変われば、第2の操作(例えば、リリース操作)の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
リリース操作の難易度は、ユーザの操作により打席毎に決定される配球プラン、投手キャラクタのパラメータ、打者キャラクタのパラメータ、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータ値(またはレベル)の差、投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報の何れか、またはそれらの種々の組み合わせに基づいて、設定(変動)させることができる。
〔ゲーム装置の動作例〕
ここで、本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を、図24ないし図27のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。ここでは、ユーザが投手キャラクタの投球を操作して、打者キャラクタの動作を自動制御するコンピュータ(CPU21)と対戦する場合について説明する。
図24に示すように、ゲーム装置10は、ユーザが1打席分の配球プランを設定するための配球プラン設定操作用の画面を表示する(S100)。例えば、ゲーム装置10のCPU21は、図3に示すように、配球プラン設定操作領域G10cを有するゲーム画面G10を、表示部としてのタッチパネル部13に表示させる。配球プラン設定操作領域G10cには、例えば、「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30という3つの配球プランが表示され、ユーザが何れかの配球プランを選択できる。ここで、ユーザが配球プランを選択する操作、例えば、「かわす」B10、「バランス」B20、「攻める」B30の何れかの領域を、指等でタッチする操作を行えば(S102でYES)、タッチ入力検出部25を介して当該操作の情報がゲーム装置10に入力される。これにより、ゲーム装置10のゲーム傾向決定手段121は、ユーザによって選択された配球プランを、1打席内の配球プランとして決定する(S104)。そして、ゲーム装置10は、決定した配球プランの情報を、RAM23に記憶する。
その後、ゲーム装置10のパラメータ決定手段122は、前記ステップS104において決定された配球プランに基づいて、1球目の配球に関するパラメータとして、球種、投球コース等を自動的に決定する(S106)。例えば、第3の配球プラン「バランス」が決定されている場合には、前述した基本配球処理を実行することにより、球種および投球コースが決定される。
また、第1の配球プラン「かわす」が決定されている場合には、例えば、投手キャラクタの持ち球の中のストレート系の球種の重みを小さくし、ストレート系以外の球種の重みを大きくした抽選が行われる。これにより、変化球の球種が選択され易くなる。また、投球コースの決定に際しては、ストライクゾーンG21の端部領域(外角、内角、高め、低め)の投球コースの重みを大きくした抽選により、ストライクゾーンG21の端部領域の投球コースが選択され易くなる。
また、第2の配球プラン「攻める」が決定されている場合には、例えば、投手キャラクタの持ち球の中のストレート系の球種(または球威または球速の大きい球種)の重みを大きくし、それ以外の球種の重みを小さくした抽選が行われる。これにより、ストレート系の球種が選択され易くなる。また、投球コースの決定に際しては、ストライクゾーンG21の中央領域およびその周辺領域の投球コースの重みを大きくした抽選により、ストライクゾーンG21の中央領域およびその周辺領域の投球コースが選択され易くなる。
また、パラメータ決定手段122は、図9Aに例示する選手データベースに登録された投手キャラクタのパラメータに基づいて、球威、球速、変化量等のパラメータも決定する。なお、前述のように、球威、球速、変化量等のパラメータが配球プランによって変動するようにしてもよい。例えば、図9Aに示す球威パラメータは、「バランス」の配球プランが選択された場合の球威であり、「かわす」、「攻める」の各配球プランの場合に適用される球威パラメータとしては、「バランス」とは異なるパラメータ値の球威が予め定められている(記憶されている)ものとしてもよい。球速、変化量等のパラメータについても同様である。パラメータ決定手段122は、決定した配球に関するパラメータ(球種、投球コース等)をRAM23に記憶する。
なお、以下には、リリース操作が基準期間で行われたか否かによって、球威パラメータが変動する例を示す。図9Aに示す球威パラメータは、リリース操作が基準期間で行われた場合のパラメータ値であり、ステップS106では当該パラメータ値が投球前の球威として採用される。但し、後述するように、リリース操作が基準期間で行われなかった場合、球威は、後述のように、図9Aに示す球威パラメータの値よりも低い値に調整されることになる。
また、ゲーム装置10の難易度設定手段123は、前記ステップS104において決定された配球プランに基づいて、リリース操作の難易度を設定する(S108)。難易度設定手段123は、設定したリリース操作の難易度をRAM23に記憶する。図26は、リリース操作の難易度を設定する処理の一例を示すフローチャートである。難易度設定手段123は、現在決定されている配球プランを認識し、配球プランに応じてその後の処理を分岐する(S140)。そして、難易度設定手段123は、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合、リリース操作の難易度を「難しい」に設定する(S142)。この場合、リリース成功判定が行われる期間である基準期間が、例えば1/60秒に設定される(S144)。
また、難易度設定手段123は、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合、リリース操作の難易度を「簡単」に設定する(S146)。この場合、前記基準期間が、例えば5/60秒に設定される(S148)。
また、難易度設定手段123は、第3の配球プラン「バランス」が選択されている場合、リリース操作の難易度を「普通」に設定する(S150)。この場合、前記基準期間が、例えば3/60秒に設定される(S152)。
なお、前述のように、配球プラン、投手キャラクタのパラメータ、打者キャラクタのパラメータ、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータ値(またはレベル)の差、投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報の少なくとも1つに基づいて、リリース操作の難易度を変動させてもよい。
図24に戻って説明を続けると、ユーザが、その打席の1球目の投球を開始させる操作、例えば、図3ないし図5に示す投球操作領域G10bを、指等でタッチする操作を行った場合(S110でYES)、ゲーム装置10は、配球プラン設定操作用の画面を消去する(S112)。すなわち、ゲーム装置10は、配球プラン設定操作領域G10cを消去し、図6に例示するように、投球動作中のゲーム画面G20に切り替える。ユーザによる投球を開始させる操作により、ゲーム装置10は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。また、ゲーム装置10は、投球モーションの開始後、投球コースを示す投球ポイントG22の周囲に、円形の投球カーソルG23を出現させる。また、ゲーム装置10は、投球カーソルG23を時間経過に伴って収縮させる。ユーザは、収縮する投球カーソルG23を視認しながら、投球カーソルG23が投球ポイントG22と重なるタイミングに合わせて、リリース操作を行う。
なお、この例では、円形の投球カーソルG23を収縮させることによって、ユーザにボールをリリースする最適なタイミングを案内しているが、他の方法で前記の案内を行ってもよい。例えば、投球コースを示す投球ポイントG22の色や濃度を変化させることにより、ユーザにボールをリリースする最適なタイミングを案内してもよい。また、前記のような案内表示を行うことなく、ユーザが投手キャラクタC10の動き(特に腕の振り)を見ながら、リリースのタイミングを計るようにしてもよい。
ユーザによってリリース操作が行われた場合(図25のS114でYES)、ステップS118に移行する。もし、ボール保持限界タイミング(図22の時刻t2)に達するまでにユーザがリリース操作を行わなかった場合も(S114でNO、S116でYES)、ステップS118に移行する。
ステップS118では、ゲーム装置10が、リリース操作のタイミングに基づいて、投球前に決定された配球に関するパラメータを調整する処理を実行する(S118)。このステップS118の処理の一例を、図27のフローチャートを参照しながら、次に説明する。
ゲーム装置10の判定手段125は、リリース操作が、基準期間で行われたか否かを判定する(S160)。ここで、リリース操作が基準期間で行われなかったと判定された場合(S160でNO)、失投となり(S162)、ステップS164に移行し、配球プランに応じた分岐処理に進む。
失投(リリース操作失敗)の場合において、配球プランが「かわす」の場合、ゲーム装置10の調整手段126は、例えば、最終的な投球コースがボールゾーンになるように、投球前に決定された投球コースのパラメータを変更する(S166)。また、失投の場合において、配球プランが「攻める」の場合、調整手段126は、例えば、最終的な投球コースがストライクゾーンの中央領域になるように、投球前に決定された投球コースのパラメータを変更する(S168)。また、失投の場合において、配球プランが「かわす」、「攻める」、「バランス」の何れの場合も、調整手段126は、失投時の球威パラメータを適用する。ここで、失投時の球威パラメータとしては、例えば、図9Aの示す球種毎の球威からパラメータ値を「10」だけ低下させた球威が適用される。例えば、球種が「ストレート」ならば、「A85」からパラメータ値が「10」だけ低くなった「B75」が適用されることになる(パラメータ値の低下に応じて、ランクもAからBに低下する)。なお、前述のように、配球プランに応じて異なる球威が適用される場合、配球プランに応じて予め定められた失投時の球威パラメータが適用される。
一方、リリース操作が基準期間で行われたと判定された場合(S160でYES)、リリース成功となり(S172)、リリース成功時の球威パラメータが適用される(S174)。すなわち、図24のステップS106において投球前に決定された球威パラメータが、そのまま適用される。
投球前に決定されてRAM23に記憶されている配球に関するパラメータのうち、リリース操作タイミングに基づいて変更されたパラメータは、変更後のパラメータに更新される。
図24に戻って説明を続けると、ゲーム装置10は、RAM23に記憶されている配球に関するパラメータに基づいて、投手キャラクタからリリースされたボールを移動させる(S120)。
その後、ゲーム装置10は、打者キャラクタのパラメータに基づいて、打者キャラクタの打撃等の動作をAIにより自動制御する。打者キャラクタは、打撃する(バットを振る)こともあれば、ボールを見逃すこともある。例えば、ボールがボールゾーンに投球された場合、打者キャラクタはボールを見逃すことが多い。また、ボールがストライクゾーンの中央領域に投球された甘い球の場合、打者キャラクタは打撃することが多い。
この際、ゲーム装置10は、前述のように、現在決定されている配球プランに基づいて、打者キャラクタの打撃動作を制御してもよい。例えば、第1の配球プラン「かわす」が選択されている場合、ゲーム装置10のゲーム進行制御手段124は、打者キャラクタに、バットには当たりやすいが長打は出にくい「ミート打ち」を中心に行動させる。例えば、打者キャラクタがバットを振る場合において、ミート打ちする確率を90%、強振する確率を10%にする。また、第2の配球プラン「攻める」が選択されている場合、ゲーム進行制御手段124は、打者キャラクタに、空振りし易いが当たれば長打になりやすい「強振」を中心に行動させる。例えば、打者キャラクタがバットを振る場合において、強振する確率を90%、ミート打ちする確率を10%にする。また、第3の配球プラン「バランス」が選択されている場合、ゲーム進行制御手段124は、打者キャラクタに、「ミート打ち」および「強振」をバランス良く行わせる。例えば、打者キャラクタがバットを振る場合において、ミート打ちする確率を50%、強振する確率を50%にする。
そして、ゲーム装置10は、打者キャラクタによる打撃等の結果を画面に表示する(S122)。
その後、ゲーム装置10は、現在打席に立っている、同じ打者キャラクタに対する投球を継続するか否かを判断する(S124)。例えば、打者キャラクタが打撃したがファールになった場合、空振りしたが三振でない場合、ボールを見送ったが三振または四球でない等の場合には、同じ打者キャラクタに対する投球が継続されるので(S124でYES)、これらの場合はステップS126に移行する。
ステップS126では、ゲーム装置10のパラメータ決定手段122が、前記ステップS104において決定された配球プランに基づいて、次の投球の配球に関するパラメータとして、球種、投球コース等を自動的に決定する。このステップS126の処理は、前述のステップS106と同様の処理である。
その後、ユーザが、次に投球を開始させる操作、例えば、図7に示す投球操作領域G10bを、指等でタッチする操作を行った場合(S128でYES)、ゲーム装置10は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。その後、前述のステップS114に移行し、以下、現在の打席の結果が確定するまで、ステップS114〜S128の処理が繰り返される。
現在の打席の結果が確定する(ヒット、アウト、四死球の何れかになる)ことにより、同じ打者キャラクタに対する投球を継続しない場合(S124でNO)、スリーアウトでイニングが終了でなければ(S130でNO)、図24のステップS100に移行する。そして、ゲーム装置10は、ユーザが次の打席の配球プランを設定するための配球プラン設定操作用の画面を表示する(S100)。そして、上述のステップS100〜S130の処理は、投手キャラクタがスリーアウトをとって、イニングが終了するまで繰り返される。
以上のように、本実施の形態のゲーム装置10の構成により、ユーザは、1打席毎の配球プランを、各打席の最初の投球前に1回だけ決定すれば、打者に対する1球ごとの球種、投球コースの設定を行なう必要がなくなり、従来よりも大幅に投球に関する設定操作の手間を省くことができる。また、ユーザは1打席毎に、配球の傾向を示す配球プランを設定できるので、投球の設定に関するゲーム性は試合全体を通して担保されることになる。よって、本構成により、手間のかからない簡易な操作でユーザの所望の投球(配球)を行うことができる興趣性の高い野球ゲームを実現できる。
なお、前述の説明では、配球プランまたは配球の傾向として、「かわす」、「攻める」等を適用する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、「落ちる球系重視」、「ストレート系重視」等を配球プランまたは配球の傾向として適用してもよい。
〔第2の実施の形態〕
前述の実施の形態では、第1の配球プラン「かわす」、第2の配球プラン「攻める」、第31の配球プラン「バランス」という3つの配球プランの中からユーザが1つの配球プランを選択する例を示した。本実施の形態では、その変形例として、4つ以上の配球プランからユーザが任意の配球プランを選択できる例を示す。
図28は、1打席の1球目を投球する前の、配球プラン設定用のゲーム画面G50の一例を示している。このゲーム画面G50は、主ゲーム画面領域G50aと、投球操作領域G50bと、配球プラン設定操作領域G50cとを含んでいる。このゲーム画面G50は、図3ないし図5に例示したゲーム画面の変形例であり、主ゲーム画面領域G50aおよび投球操作領域G50bは、図3に示した主ゲーム画面領域G10aおよび投球操作領域G10bと同じである。
配球プラン設定操作領域G50cは、1打席内の配球の傾向を示す配球プランを設定するための操作領域である。配球プラン設定操作領域G50c内には、5つの配球プランの中の1つを選択するためのゲージG51(入力用オブジェクトの一例)およびカーソルG52が表示される。ゲージG51には5つの配球プランにそれぞれ対応するポイントG51a、G51b、G51c、G51d、G51eが設けられている。ゲージG51の左端のポイントG51aは、第1の配球プラン「かわす」に対応している。また、ゲージG51の右端のポイントG51eは、第2の配球プラン「攻める」に対応している。また、両端のポイントG51a、G51eの間に配されたポイントG51b、G51c、G51dは、第1の配球プランと第2の配球プランとの間の配球の傾向を示す、3種類の第3の配球プランに対応する。
前記3種類の第3の配球プランは、例えば「バランス(かわす重視)」、「バランス」、「バランス(攻める重視)」であり、それぞれポイントG51b、G51c、G51dに対応している。
ポイントG51cに対応する「バランス」は、第1の配球プランと第2の配球プランとの中間の配球傾向を示す配球プランであり、前述の第1の実施の形態で説明した第3の配球プラン「バランス」と同じである。
ポイントG51bに対応する「バランス(かわす重視)」は、第1の配球プランと第2の配球プランとの間の配球傾向を示すが、中間よりも第1の配球プラン寄りの配球傾向を示す配球プランである。
ポイントG51dに対応する「バランス(攻める重視)」は、第1の配球プランと第2の配球プランとの間の配球傾向を示すが、中間よりも第2の配球プラン寄りの配球傾向を示す配球プランである。
ユーザが、ポイントG51a、G51b、G51c、G51d、G51eの何れかを選択する操作、例えば指等でタッチする操作をすれば、選択したポイントに、例えば投手の形をしたカーソルG52が移動する。あるいは、カーソルG52に指等を接触させた状態でスライドさせることによって、ゲージG51に沿ってカーソルG52を移動させてもよい。あるいは、物理的な方向キー等でカーソルG52を移動させる操作を行ってもよい。図28の例では、カーソルG52がポイントG51cの位置に存在するので、ポイントG51cに対応する「バランス」が1打席分の配球プランとして選択されている状態である。
また、例えば、ゲージG51の上方には、ゲージG51と平行にメリット報知ゲージG53が表示される。このメリット報知ゲージG53は、例えば「凡打に仕留める(打たせてとる)」および「三振を奪い易い」というメリットを、グラデーション等で表示するものである。なお、「凡打に仕留める(打たせてとる)」とは、例えば、「長打は出にくい」というメリットと同様のメリットである。選択する配球プランがゲージG51の左端に近づくほど、「凡打に仕留める(打たせてとる)」というメリットが大きくなる一方、「三振を奪い易い」というメリットが小さくなる。逆に、選択する配球プランがゲージG51の右端に近づくほど、「三振を奪い易い」というメリットが大きくなる一方、「凡打に仕留める(打たせてとる)」というメリットが小さくなる。
また、例えば、ゲージG51の下方には、ゲージG51と平行にリスク報知ゲージG54が表示される。このリスク報知ゲージG54は、例えば「四球が増える」および「長打になり易い」というリスク(デメリット)を、グラデーション等で表示するものである。選択する配球プランがゲージG51の左端に近づくほど、「四球が増える」というリスクが大きくなる一方、「長打になり易い」というリスクが小さくなる。逆に、選択する配球プランがゲージG51の右端に近づくほど、「長打になり易い」というリスクが大きくなる一方、「四球が増える」というリスクが小さくなる。
また、選択さている配球プランに対応するリリース操作の難易度を表示する操作難易度表示領域G55も設けられる。
本実施の形態のゲーム装置10は、図29の機能ブロック図に例示するように、ゲーム傾向決定手段121およびパラメータ決定手段122の他に、入力用オブジェクト表示手段127を備えている構成とすることができる。なお、ゲーム装置10は、前述のゲーム進行制御手段124、難易度設定手段123、判定手段125、調整手段126等をさらに備えていてもよい。
入力用オブジェクト表示手段127は、第1の配球プランを一端とすると共に、第2の配球プランを他端とする、入力用オブジェクトの一例としてのゲージG51を画面に表示させる機能を有する。なお、入力用オブジェクトの画像情報は、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶されている。
そして、第1の操作の一例としての配球プラン設定操作は、前記入力用オブジェクトにおける、前記一端の選択により前記第1の配球プラン、前記他端の選択により前記第2の配球プラン、前記一端と前記他端との間の位置の選択により当該位置に応じた配球の傾向を示す前記第3の配球プランをそれぞれ決定する。
ここで、第3の配球プランは、少なくとも1つあればよく、複数であってもよい。図28の例では、3種類の第3の配球プランを選択できる例を示したが、第3の配球プランは、2つまたは4つ以上であってもよい。
本実施の形態のゲーム装置10は、配球プランの設定に関する違いはあるが、その他の構成については、前述の第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、配球プラン設定の変形例として、2つの配球の傾向の割合(重み)を、ユーザが設定することにより、配球プラン(配球の傾向)を設定できる一例を示す。
図30は、配球プラン設定用のゲーム画面G60の一例を示している。このゲーム画面G60は、図28に例示したゲーム画面G50の変形例であり、図28のゲーム画面G50と同様の構成要素には同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
図30のゲーム画面G60には、図28のゲーム画面G50のゲージG51に代えて、ゲージG61(入力用オブジェクトの一例)が表示される。このゲージG61は、無段階でゲージG61内の任意の位置にカーソルG52を移動させることができる点で、特定の位置にしかカーソルG52を移動させることができないゲージG51と異なっている。
ゲージG61の左端G61aは、例えば、第1の傾向「かわす」を最大(割合の最大)に設定する位置である。また、ゲージG61の右端G61bは、例えば、第2の傾向「攻める」を最大(割合の最大)に設定する位置である。
ユーザが、ゲージG61内の任意の位置を指定する操作、例えば指等でゲージG61内任意の位置をタッチする操作をすれば、指定した位置にカーソルG52が移動する。あるいは、カーソルG52に指等を接触させた状態でスライドさせることによって、ゲージG51に沿ってカーソルG52を任意の位置に移動させてもよい。あるいは、物理的な方向キー等でカーソルG52を任意の位置に移動させる操作を行ってもよい。図30の例では、カーソルG52がゲージG61の左端G61aよりも右端G61bの方に近い位置にあり、第1の傾向「かわす」よりも第2の傾向「攻める」の割合が大きい配球の傾向に設定されている状態である。
例えば、ユーザが指定したゲージG61内の位置であるカーソルG52の位置と、左端G61aとの距離をL1、カーソルG52の位置と右端G61bとの距離をL2とした場合、第1の傾向「かわす」の割合(%)は、(L2×100)/(L1+L2)とすることができる。また、第2の傾向「攻める」の割合(%)は、(L1×100)/(L1+L2)とすることができる。従って、図30の例では、第1の傾向「かわす」が30%、第2の傾向「攻める」が70%の割合に設定されている状態である。
なお、ユーザがゲージG61の左端G61aを指定すれば、第1の傾向「かわす」が最大(例えば100%)となる。また、ユーザがゲージG61の右端G61bを指定すれば、第2の傾向「攻める」が最大(例えば100%)となる。
本実施の形態においてユーザが設定可能な配球の傾向(ゲームキャラクタの動作の傾向の一例)には、第1の傾向(例えば、「かわす」)および第2の傾向(例えば、「攻める」)を含む。そして、本実施の形態のゲーム傾向決定手段121(ゲーム傾向決定手段の一例)は、ユーザの第1の操作に基づいて、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定して、前記一単位内における前記傾向(例えば、1打席内の配球の傾向)を決定する機能を有する。
この構成では、一単位内の傾向を、第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)を設定することにより決定する。ここで、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)には、「第1の傾向100、第2の傾向0」、「第1の傾向0、第2の傾向100」を含む。第1の傾向の割合を高くすれば、第2の傾向の割合が低くなる。例えば、第1の傾向の割合をn(%)とすれば、第2の傾向の割合は(100−n)(%)となる。
なお、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定するための第1の操作としては、上記のように入力用オブジェクト(ゲージG61等)を用いて両傾向の割合(重み)を指定する操作の他、ユーザが両傾向の割合(重み)を数値で入力するようにしてもよい。
本構成では、特定の1つの傾向を指定するのではなく、第1の傾向と第2の傾向との割合を設定することにより一単位内におけるゲームキャラクタの動作を設定することができるので、当該傾向を細かく設定することができる。
第1の傾向および第2の傾向は、任意の傾向を適用できるが、互いに相反する傾向であることが好ましい。本実施の形態では、配球に関する第1の傾向を「かわす(または弱気)」、第2の傾向を「攻める(または強気)」としており、これは互いに相反する傾向を適用した好ましい形態である。本実施の形態により、第1の傾向「かわす」と第2の傾向「攻める」という、相反する配球の傾向の割合をユーザが任意に設定して、多様な配球を組み立てることができる。
また、入力用オブジェクト表示手段127は、前記第1の傾向を最大に設定する位置を一端とし、前記第2の傾向を最大に設定する位置を他端とし、両端間の位置に応じて前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定するための入力用オブジェクトを画面に表示する機能を有する。
ここで、「入力用オブジェクト」とは、例えば、画面に表示される画像であり、第1の傾向と前記第2の傾向との割合をユーザが設定するための入力操作用の画像である。例えば、図30に示すように、入力用オブジェクト表示手段127は、第1の傾向を最大に設定する位置を一端G61aとし、前記第2の傾向「攻める」を最大に設定する位置を他端G61bとし、両端間の位置に応じて前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定するための入力用オブジェクト(ゲージG61等)を画面に表示する。
そして、ゲーム傾向決定手段121(ゲーム傾向決定手段の一例)は、前記入力用オブジェクト内の位置を指定する前記第1の操作に基づいて、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定して、前記一単位内における前記傾向を決定する機能を有する。例えば、図30に示すように、ゲーム傾向決定手段121は、ゲージG61内の位置を指定するユーザの操作(第1の操作)に基づいて、前記第1の傾向「かわす」と前記第2の傾向「攻める」との割合を設定して、前記1打席内のプレイにおける配球の傾向を決定する。
この構成の場合、ユーザが指定した入力用オブジェクト内の位置が、第1の傾向が最大(例えば100%)の一端と第2の傾向が最大(例えば100%)の他端とのどちらに近いかによって、第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)を設定することができる。よって、ユーザは、入力用オブジェクトの位置を指定するだけで、直観的に、第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定することができる。
なお、図30では、入力用オブジェクトの例として、直線状のゲージG61を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図31に示すような、略円形状のゲージG71を入力用オブジェクトの一例として適用することができる。このゲージG71において、例えば、第1の傾向「かわす」を最大に設定する位置を一端G71aとし、第2の傾向「攻める」を最大に設定する位置を他端G71bとすることができる。略円形状のゲージG71の円弧部または内部の任意の位置をユーザが指定(指でタッチ等)すれば、その位置を示すカーソルG52が表示される。そして、ユーザが指定した位置(カーソルG52の位置)を通る半径Rが、一端G71aと他端G71bとのどちらに近いかによって、第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)を設定することができる。
本実施の形態によれば、図30または図31に例示するように、入力用オブジェクトの一例としての直線状のゲージG61または略円形状のゲージG71内の位置をユーザが指定するだけで、直観的に、「かわす」配球傾向と「攻める」配球傾向との割合を設定することができる。
〔第4の実施の形態〕
また、本実施の形態のゲーム制御装置は、前記一単位内でゲームキャラクタが移動体を複数回送出または打撃することが可能な様々なゲーム(例えば、野球ゲーム以外にもテニスゲームやサッカーゲーム等)に適用することができる。このようなゲームにおいて、ゲーム傾向決定手段121は、前記一単位の開始までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位内の移動体の移動に関するプランを決定する。そして、パラメータ決定手段122は、ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記プランに基づいて、前記一単位内における、前記ゲームキャラクタが複数回送出または打撃する移動体のそれぞれの移動パラメータを決定する。
例えば、テニスゲームでは、「ゲーム」または「セット」を一単位とし、キャラクタが、複数回、ボールをサーブおよび打ち返す(打撃する)。移動体の移動に関するプランとしては、「攻撃型プラン」、「守備型プラン」などを挙げることができる。「攻撃型プラン」では、キャラクタが主にフラットショット等の無回転(または少ない回転)で速いボールを打つように移動パラメータが決定され、「守備型プラン」では、キャラクタがスライスショット等の回転系のボールを「攻撃型プラン」よりも多く使用するように移動パラメータが決定されるようにすることができる。具体例としては、「攻撃型プラン」に決定されている場合は、フラットショットのボールの移動パラメータ(回転数小、速度大)が選択される確率を、スライスショットのボールの移動パラメータ(回転数大、速度小)が選択される確率よりも高くする。一方、「守備型プラン」に決定されている場合は、スライスショットのボールの移動パラメータが選択される確率を、フラットショットのボールの移動パラメータが選択される確率よりも高くする。これはほんの一例であり、同様にして様々なゲームに適用できる。
この構成により、ユーザが、一単位の開始までに、一単位内の移動体の移動に関するプランを決定する第1の操作を1回だけ行えば、一単位のゲーム中は、キャラクタが複数回送出または打撃する移動体のそれぞれの移動パラメータの設定操作を、その都度行う必要がなくなる。よって、一単位ごとの簡易な設定操作で、ユーザが所望するようにゲームを進行させることができる。
〔ゲーム制御装置の他の構成例(第5の実施の形態)〕
前述の各実施の形態では、ゲーム制御装置を、ユーザが操作するゲーム装置10にて実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム制御装置を各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
ゲーム制御装置をサーバとして構成する例について説明する。ゲーム制御装置としてのサーバが組み込まれたゲームシステムの構成例を、図32に示している。同図に示すように、ゲームシステム1は、インターネットなどのネットワークN上に設置されたサーバ30と、ネットワークNを介してサーバ30と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置50(50−1、50−2、…50−n)とによって構成される。
このゲームシステム1の例において、サーバ30は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置50からのネットワークNを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNを介したゲームサービスを提供する。
サーバ30によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がサーバ30に実装されており、端末装置50でゲームを実行するのではなく、端末装置50でのゲーム操作入力に応じてサーバ30でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置50に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置50に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ30が提供する。あるいは、サーバ30でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置50に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをサーバ30が提供する。
なお、端末装置50にゲームプログラムの一部をインストールし、端末装置50においても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
サーバ30および端末装置50のハード構成は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信インタフェース等を備えた、一般的なコンピュータの構成とすることができる。端末装置50としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)など、ネットワークN経由でサーバ30に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
前記のクラウドゲーミング等では、ユーザの端末装置50は、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はサーバ30側にある。よって、例えば、図32に示すように、サーバ30が、前述の実施の形態で説明した、ゲーム傾向決定手段121、パラメータ決定手段122、難易度設定手段123等を備える構成とすることができる。なお、図32に例示する構成において、難易度設定手段123を省略することもできる。また、図32では、サーバ30が前記手段121〜123のみを備えている例を示しているが、前述の各実施の形態で説明した手段121〜127の一部または全部を、サーバ30の構成要素として含めてもよい。この構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、サーバ30と端末装置50とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。従って、本実施の形態のゲームシステム1は、以下に示す構成とすることができる。
すなわち、ゲームシステム1は、サーバ30と、当該サーバ30との間で通信を行う端末装置50と、を含み、ゲームキャラクタによる複数回の動作を一単位として構成するゲームを制御する。そして、ゲームシステム1は、ユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向を決定するゲーム傾向決定手段121と、前記ゲーム傾向決定手段121によって決定された前記傾向に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作に関するパラメータを決定するパラメータ決定手段122と、の各手段を前記サーバ30又は前記端末装置50のいずれか一方が備える。
このゲームシステム1の構成により、前述のゲーム装置10と同様の作用効果を奏する。すなわち、ユーザが、一単位のプレイ開始までに、ゲームキャラクタの動作の傾向を決定する第1の操作を1回だけ行えば、一単位のプレイ中は、ゲームキャラクタの動作に関するパラメータの設定操作を、何度も行う必要がなくなる。よって、一単位ごとの簡易な設定操作で、ユーザが所望するようにゲームを進行させることができる。一方で、ゲームキャラクタの動作の傾向については、一単位のプレイごとにユーザが設定できるため、ユーザによるゲームへの関与を適度に担保することができる。
また、サーバ30と端末装置50とを含むゲームシステム1において、上述の各実施の形態で説明したゲーム装置10が具備していた手段121〜127、131、132、134等の全部または一部は、サーバ30または端末装置50の何れか一方が備えていればよい。このシステム構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置10またはゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10、サーバ30、端末装置50のRAMや補助記憶装置、あるいはゲーム装置10、サーバ30、端末装置50とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム制御装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
すなわち、本実施の形態のプログラムは、コンピュータを前述のゲーム制御装置(またはゲームシステム)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(またはゲームシステム)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。
本実施の形態のプログラムをコンピュータが実行することにより、前述のとおり、前記一単位ごとの簡易な設定操作で、ユーザが所望するようにゲームを進行させることができる。また、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
〔付記〕
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。
1)本発明の一態様によるゲーム制御装置(1、10、30、50)は、ゲームキャラクタ(例えば野球ゲームの投手キャラクタ)による複数回の動作(例えば投球)を一単位として構成するゲームを制御するゲーム制御装置(1、10、30、50)であって、ユーザの第1の操作(例えばS102の処理)に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向(例えば投手キャラクタの配球の傾向)を決定(例えばS104の処理)するゲーム傾向決定手段(121)と、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記傾向に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作に関するパラメータを決定(例えばS106およびS124の処理)するパラメータ決定手段(122)と、を備える。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成のゲーム制御装置は、ゲームキャラクタによる複数回の動作を一単位として構成するゲームを制御する。ここで、「ゲームキャラクタ」とは、例えば、ゲームに登場して動作するオブジェクトのことであり、人物や動物のほか、架空の生き物(モンスター、妖怪)やロボットなどがゲームキャラクタの一例に相当する。また、オブジェクトとは、ゲーム内において視覚的に認識可能に表示された画像である。また、前記の「動作」とは、例えば、オブジェクトの少なくとも一部が動くことであり、手、足、指、頭、口などの部位が動くことが動作の一例に該当する。また、動いていたオブジェクトの少なくとも一部を停止させる停止の動作も、「動作」の一例に含まれる。前記の「ゲームキャラクタによる動作」の一例としては、投手キャラクタが投球すること、打者キャラクタがバットを振ること、サッカーのゴールキーパーがボールをキャッチすること等が該当する。例えば、投手キャラクタがボールを投球するという投球動作は、投手キャラクタが足を上げ、腕を振り、足を地面について踏ん張り、掴んでいるボールを離す(リリースする)という一連の動きから成る。この投球動作は、例えばキャラクタが足を動かすだけでは投球するという目的を達成できない(所望の動作結果を得られない)ものであり、キャラクタの手、足、指等の動きにより1つの動作が構成される。このように、キャラクタの動作によっては、キャラクタの複数の部位の一連の動きにより1つの動作が構成される。
また、前記の「一単位」とは、例えば、ゲームを構成する基準の単位である。本構成では、「ゲームキャラクタによる複数回の動作を一単位とする」と規定しており、ゲームキャラクタが複数回の動作を行うことによって、一単位が構成される。例えば、ゲームキャラクタによる動作を前記投球動作とした場合、打者がアウト、ヒット、または四死球になるまで複数回の投球動作が行われる「1打席」、打者が3アウトになるまで複数回の投球動作が行われる「1イニング」等が、前記一単位に相当する。
一単位が完了する条件としては、様々な条件を適用することができる。前述の打者がアウト、ヒット、または四死球になるという条件を適用すれば、「1打席」が一単位となり、打者が3アウトになるという条件を適用すれば、「1イニング」が一単位となる。「一単位」においては、ゲームキャラクタによる複数回の動作が可能でなければならないので、ゲームキャラクタによる動作を前記投球動作とした場合、1球毎の投球については「一単位」には含まれない。なお、1打席が1回の投球で終わる(打者が1球目を打ってヒットまたはアウトとなる)こともあるが、1打席は常時1回の投球だけで終了するものではなく、複数回の投球も可能であるため、1打席は「一単位」に含まれる。
また、サッカーゲームを例に挙げると、ゲームキャラクタによる動作を、1人(または同一チーム内の複数)の選手キャラクタのキック動作(パスまたはシュートをする動作)とした場合、複数回のキック動作が行われる「前半」、「後半」を一単位とすることができる。また、サッカーゲームにおいて、ファール等により試合が中断することを一単位が完了する条件として、一単位が「前半」または「後半」よりも短い期間になるようにしてもよい。また、テニスゲームでは、ゲームキャラクタがボールを打つ動作を複数回行う「ゲーム」または「セット」を一単位とすることができる。また、バレーボールゲームでは同一チーム内の複数の選手キャラクタのサーブ、レシーブ、トス、アタック等の動作が複数回行われる「セット」を一単位とすることができる。同様に、バスケットボールゲームでは「ピリオド」を一単位とすることができる。また、ゴルフゲームでは、ゲームキャラクタによる動作を、選手キャラクタがゴルフボールを打つ動作(ショットまたはパット)とした場合、「ホール」を、一単位とすることができる。
また、本構成はスポーツゲーム以外にも適用可能であり、例えば、ゲームキャラクタによる動作を、攻撃動作または防御動作とし、一単位を複数回繰り返して評価される、キャラクタ間や、複数のキャラクタから構成されるグループ間における対戦ゲームにおいて、敵キャラクタまたは味方キャラクタが全滅したことを一単位の完了条件とすることができる。また、一単位の完了は、時間を条件としてもよい。例えば、プレイ開始から3分間経過により、一単位が完了するものとしてもよい。
本構成のゲーム傾向決定手段は、ユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向を決定する。ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲームの操作をする人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。また、「傾向」とは、例えば、動作や状態等の偏りを示す指標であり、「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」等が傾向の一例に相当する。また、「ゲームキャラクタの動作の傾向」とは、例えば、ゲームキャラクタがとる動作、あるいは当該ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況の偏りを示す指標である。「ゲームキャラクタの動作の傾向」の一例としては、前記「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」の他に、「積極的」、「消極的」、「動的」、「静的」等を挙げることができる。このうち、「積極的」、「消極的」の一例としては、例えば、キャラクタが他のキャラクタと対戦を行う頻度が高いか、低いかといった傾向を示すものとすることができる。また、「動的」、「静的」の一例としては、例えば、単位時間当たりのキャラクタの移動距離が大きいか、小さいか、あるいは、行動範囲が広いか、狭いか等といった傾向を示すものとしてもよい。
また、「ゲームキャラクタの動作の傾向」の他の例としては、「冷静」、「興奮」、「怒り」等のゲームキャラクタの動作中の状態(例えば、キャラクタの精神的または感情的な状態)の傾向としてもよい。例えば、「冷静」の場合は、当該キャラクタが相手から攻撃を受けても反撃する確率が低くなり、「興奮」または「怒り」の場合には相手の攻撃に対して反撃する確率が高くなる等の傾向(反撃の頻度が高いか低いかの傾向)を示すものとすることができる。なお、前記「強気」、「弱気」、「攻撃的」、「守備的」、「積極的」、「消極的」等についても、キャラクタの精神的または感情的な状態の傾向として扱ってもよい。これらは一例であり、「ゲームキャラクタの動作の傾向」は、上記の例に限定されるものではなく、ゲームに種類、内容に応じた様々な傾向を適用できる。
また、前記の「第1の操作」とは、例えば、ユーザによって行われるゲーム装置または端末に対する操作であって、一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向を決定するための操作である。例えば、ユーザが物理的なボタンを押す操作、画面がタッチパネルで構成されている場合にタッチパネルに指等を接触する操作、音声入力による操作等が第1の操作に相当する。
例えば、野球ゲームにおいて、ゲーム傾向決定手段は、1打席の最初の投球までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、1打席内の投手キャラクタの投球動作の傾向、いわゆる配球の傾向(例えば「強気で攻める」、「コーナを突いてかわす」等)を決定する。
そして、パラメータ決定手段は、前記ゲーム傾向決定手段によって決定された前記傾向に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作に関するパラメータを決定する。ここで、「動作に関するパラメータ」とは、例えば、ゲームキャラクタのとる動作を指定するための情報、あるいは当該ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況を指定するための情報である。対戦において「攻撃する」、「防御する」、「逃げる」等のゲームキャラクタの動作の種類を指定する情報は、「動作に関するパラメータ」の一例である。また、対戦において「攻撃力」や「防御力」などの動作の大小や強弱を示す数値情報は、「動作に関するパラメータ」の一例である。また、数値情報に限らず、A・B・C…や弱・中・強などで示された動作の大小や強弱を示すレベル情報も、「動作に関するパラメータ」の一例に相当する。また、「ゲームキャラクタがとった動作によって生じる状況」の一例としては、移動体を送出する動作によって生じる移動体の軌道変化、移動コース、速さ等の状況を挙げることができる。例えば、投手キャラクタの投球動作によって生じる投球されたボールの球種、投球コース、球威、球速、変化量等の情報は、「動作に関するパラメータ」の一例に相当する。
例えば、ゲーム傾向決定手段によって決定された1打席内の配球の傾向が「強気で攻める」であれば、パラメータ決定手段は、ストレート系等の球速や球威の大きい球種のボールを、際どいコースを狙わずに投げ込む(又は、そのような球種や投球コースが選択される確率が高くなる)ように、投手キャラクタの投球動作に関するパラメータ(球種、投球コース等)を決定する。
また、例えばサッカーゲームでは、ゲーム傾向決定手段は、前半(または後半)の開始までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、前半(または後半)のゲーム進行の傾向(例えば「攻撃的」、「守備的」等)を決定する。例えば、ゲーム傾向決定手段によって決定された前半のゲーム進行の傾向が「守備的」であれば、守備重視でカウンターを狙うように、各選手キャラクタの動作に関するパラメータを決定する。
本構成では、ゲームキャラクタが複数回の動作を行う一単位ごとに、ユーザがゲームキャラクタの動作の傾向を決定する第1の操作を1回だけ行えば、一単位のゲーム中は、ゲームキャラクタの動作に関するパラメータの設定操作を、何度も行う必要がなくなる。従って、ゲーム進行のための操作を簡略化できるゲームを実現することができる。一方で、ゲームキャラクタの動作の傾向については、一単位ごとにユーザが設定できるため、ユーザによるゲームへの関与を適度に担保することができる。
また、後述する2)の構成のように、一単位内のゲーム中に第2の操作(例えば、野球ゲームにおいてボールをリリースするタイミングをユーザが指定する操作)が行われる場合には、第2の操作に先立つ操作(例えば、野球ゲームにおいて従来構成の場合には必要であった、1球毎に球種および投球コースを設定する操作)を一単位内で行う必要がないので、ユーザは第2の操作に集中することができる。
2)上記の1)の構成において、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記傾向に応じて、前記一単位内の前記ユーザの第2の操作(例えばS114の処理)の難易度を変動(例えばS108の処理)させる難易度設定手段(123)をさらに備えていることが好ましい。
ここで、「第2の操作」とは、例えば、ユーザによって行われるゲーム装置または端末に対する操作であって、一単位内のゲーム進行に関わる操作である。例えば、ユーザが物理的なボタンを押す操作、画面がタッチパネルで構成されている場合にタッチパネルに指等を接触する操作、音声入力による操作等が第2の操作に相当する。例えば、野球ゲームの投球における第2の操作とは、投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われるユーザの操作である。この一例としては、投手キャラクタがボールをリリースするタイミングをユーザが指定する操作とすることができる。
また、「操作の難易度」とは、例えば、操作の難しさのことである。基準期間でボタンを押すまたは離すことにより成功判定が行われる操作において、基準期間(成功判定が行われる期間)が短いほど成功し難いので、基準期間の短さが「操作の難易度」の一例に相当する。また、操作対象オブジェクトを他のオブジェクトに重ねる操作において、操作対象オブジェクトの面積が小さいほど前記他のオブジェクトに重ね難いので、操作対象オブジェクトの面積の小ささが「操作の難易度」の一例に相当する。
また、音声入力による操作の場合、例えば、音声を入力できる期間の短さ、入力できる周波数の帯域の狭さが「操作の難易度」の一例に相当し、音声を入力できる期間や周波数の帯域(即ち、音声の高低の幅)等をどの程度制限するかにより、「操作の難易度」を設定できる。
この構成によれば、ゲーム傾向決定手段によって決定されたゲームキャラクタの動作の傾向に応じて、一単位内において行われるユーザの第2の操作の難易度が変動する。例えば、野球ゲームでは、1打席内の配球の傾向が「強気で攻める」の場合と、「コーナを突いてかわす」の場合とで、第2の操作としての投球操作の難易度が異なる。従って、ユーザは第2の操作の難易度を考慮して、ゲームキャラクタの動作の傾向を決定することが要求されるので、よりゲーム性が高まる。
3)上記の1)の構成において、前記ゲームは、前記ゲームキャラクタとしての投手キャラクタ(C10)が前記動作として打者キャラクタ(C20)に投球する野球ゲームであり、前記一単位は、1打席であり、前記ゲーム傾向決定手段(121)は、1打席の最初の投球までに行われるユーザの前記第1の操作(例えばS102の処理)に基づいて、1打席内の配球の傾向を示す配球プランを決定(例えばS104の処理)し、前記パラメータ決定手段(122)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記配球プランに基づいて、前記1打席内における、前記投手キャラクタ(C10)の配球に関するパラメータを決定(例えばS106およびS124の処理)することが好ましい。
ここで、「1打席」とは、例えば、野球ゲームにおいてバッターボックスに入った1人の打者キャラクタがアウト、ヒット、または四死球になるまでのゲームの単位である。また、「配球」とは、例えば、投手キャラクタの打者キャラクタに対する投球の組み立てであり、球種、投球コース、球速などを変化させて複数の投球を組み立てることが「配球」の一例に相当する。
移動体を複数回移動させる場合における、複数存在する移動方法(例えば、移動体の移動コース、軌道の変化の仕方等が異なれば、移動方法は異なる)の順序、組合せの仕方の一例が「配球」である。
また、「配球に関するパラメータ」とは、例えば、配球を指定するための情報であり、投手キャラクタが投球する1球ごとの球種、投球コース、球威、球速、変化量等の情報が「配球に関するパラメータ」に相当する。
この構成によれば、1打席分の配球の傾向を示す配球プランを、1打席の最初の投球までに1回だけ決定すれば、当該配球プランに基づいて、1打席内の配球に関するパラメータ(例えば、1球毎の球種、投球コース等)が自動的に決定される。
配球プランを決定するための第1の操作の例としては、複数の配球プラン(例えば、「かわす」、「バランス」、「攻める」等)の中からユーザが任意の配球プランを選択する操作が挙げられる。また、配球プランを決定するための第1の操作の他の例としては、ライン状、円形状等の配球用ゲージの中の1ポイントをユーザが選択する操作としてもよい。例えば、ライン状の配球用ゲージの場合であれば、配球用ゲージの一端を第1の傾向(例えば、弱気又はコントロール重視の攻め)の最大、その他端を第2の傾向(例えば、強気又は球威重視の攻め)の最大とし、配球用ゲージ内におけるユーザが選択したポイント(位置)に応じて、第1の傾向と第2の傾向の割合(重み)を設定して、配球の傾向が決定される。
従って、ユーザは、1打席毎の配球プランを、各打席の最初の投球前に1回だけ決定すれば、打者に対する1球ごとの球種、投球コース等の設定を行なう必要がなくなり、従来よりも大幅に投球に関する設定操作の手間を省くことができる。また、ユーザは1打席毎に、配球の傾向を示す配球プランを設定できるので、投球の設定に関するゲーム性は試合全体を通して担保されることになる。よって、本構成により、手間のかからない簡易な操作でユーザの所望の投球(配球)を行うことができる興趣性の高い野球ゲームを実現できる。
なお、1打席の最初の投球までに、その1打席内の配球の傾向を示す配球プランが決定された場合、基本的に、その1打席が終了するまでの投手キャラクタの1球毎の配球に関するパラメータが自動的に決定されるが、1打席の途中で、ユーザの操作により、配球プランを変更することができるようにしてもよい。1打席の途中で配球プランが変更された場合、変更後の配球プランに基づいて、その打席内における配球に関するパラメータが自動的に決定される。
4)上記の3)の構成において、前記配球プランは、少なくとも第1の配球プランおよび第2の配球プランを含み、前記パラメータ決定手段(122)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって前記第1の配球プランが決定された場合に、前記第2の配球プランよりも前記配球に関するパラメータとしてストライクゾーンの端部領域の投球コースが選択される確率を高くする一方、前記第2の配球プランが決定された場合に、前記配球に関するパラメータとして前記第1の配球プランよりも所定の球種が選択される確率を高くすることが好ましい。
ここで、「球種」とは、例えば、野球ゲームにおいて投手キャラクタが打者キャラクタに投じたボールを、変化の方向、球速、回転などにより分類したものであり、現実世界の野球と同様、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」等が「球種」の一例である。
移動体の軌道変化の種類の一例が「球種」である。
この構成では、少なくとも第1の配球プランおよび第2の配球プランを含む。ここで、第1の配球プランは、コースを突いたコントロール重視の配球の傾向を示す配球プランとすることができる。また、第2の配球プランは、所定の球種、例えばストレート系の球種等を中心とする、球威重視の配球の傾向を示す配球プランとすることができる。第1の配球プランを選択することによって、コースを突いたかわす投球が可能となり、第2の配球プランを選択することによって、例えば攻める投球が可能となるので、ユーザは、例えば強打者と対戦する場合には第1の配球プランに決定し、下位打線の打者と対戦する場合には第2の配球プランに決定する等の戦略をとることができる。
5)上記の4)の構成において、前記パラメータ決定手段(122)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって前記第2配球プランが決定された場合に、前記第1配球プランよりも球威または球速の大きい球種が選択される確率を高くすることが好ましい。
ここで、「球威」とは、例えば、投手キャラクタが投じたボールの威力を示すパラメータであり、数値の他に、A・B・C…や弱・中・強などで示されたレベル等で示すこともできる。例えば、同じ球種、同じ球速、同じ投球コースに投げられたボールの場合には、「球威」が大きいほど打者から空振りを奪い易く、ヒットになり難い。
移動体の威力(または移動の勢い)の一例が「球威」である。例えば、移動体の加速度や運動エネルギーが大きいほど、移動体の威力は大きくなる。
この構成では、第2の配球プランは、球威または球速重視の配球の傾向を示す攻めの配球プランである。ユーザが、第1の操作によって第2の配球プランを選択すれば、第1配球プランよりも球威または球速の大きい球種、例えばストレート系の球種や投手キャラクタが得意とする球種が選択される確率が高くなる。ユーザは、少なくとも、コースを突いたコントロール重視の第1の配球プランと、球威または球速重視の第2の配球プランを選択可能であり、対戦する打者毎(打席毎)に配球を変更することができる。
6)上記の4)または5)の構成において、前記配球プランは、前記第1の配球プランと前記第2の配球プランとの間の配球の傾向を示す少なくとも1つの第3の配球プランを含み、前記パラメータ決定手段(122)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって前記第3の配球プランが決定された場合に、前記配球に関するパラメータとして前記ストライクゾーンの端部領域の投球コースが選択される確率を、前記第1の配球プランよりも低く且つ前記第2の配球プランよりも高くすると共に、前記配球に関するパラメータとして前記所定の球種が選択される確率を、前記第1の配球プランよりも高く且つ前記第2の配球プランよりも低くすることが好ましい。
この構成では、前述の第1の配球プランおよび第2の配球プランの他に、当該両配球プランの間の配球の傾向を示す第3の配球プランもユーザが選択でき、配球のバリエーションが増す。ここで、第3の配球プランは、1つに限るものではなく、複数(例えば、第1の配球プランと前記第2の配球プランとの中間の配球傾向、中間よりも第1の配球プラン寄りの配球傾向、中間よりも第2の配球プラン寄りの配球傾向等)であってもよい。
7)上記の4)ないし6)の何れかの構成において、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記配球プランに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段(124)をさらに備え、前記ゲーム進行制御手段(124)は、前記第1の配球プランが決定された場合に、前記第2の配球プランが決定された場合よりも、前記打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなる一方、四球になる割合が高くなるようにゲーム進行を制御すると共に、前記第2の配球プランが決定された場合に、前記第1の配球プランが決定された場合よりも、前記打者キャラクタが三振する割合が高くなる一方、前記打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなるようにゲーム進行を制御することが好ましい。
この構成では、第1の配球プランが決定された場合には、第2の配球プランが決定された場合よりも、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が低くなるというメリットが生じる一方、四球になる割合が高くなるというデメリットが生じる。また、第2の配球プランが決定された場合には、第1の配球プランが決定された場合よりも、打者キャラクタが三振する割合が高くなるというメリットが生じる一方、打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる割合が高くなるというデメリットが生じる。このように、第1の配球プランまたは第2の配球プランを選択した場合に、それぞれメリットおよびデメリットを発生させることにより、ユーザは、このメリットおよびデメリットを比較考量して、配球プランを決定することが必要になり、よりゲーム性が高まる。
なお、一般的に「長打」とは、例えば二塁打以上の安打(二塁打、三塁打、本塁打)を含む。但し、これに限定されるものではなく、例えば「長打」を本塁打のみとし、本塁打以外の安打を長打でないものとしてもよい。あるいは、三塁打および本塁打を「長打」とし、二塁打を長打でないものとしてもよい。
8)上記の3)ないし7)の何れかの構成において、前記投手キャラクタが投球動作を開始した後に設けられた所定の基準期間に合わせて行われる、ユーザによる第2の操作の難易度を、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記配球プランに基づいて設定する難易度設定手段(123)をさらに備えることが好ましい。
この構成では、例えば、投手キャラクタがボールをリリースするタイミングを指定する操作が第2の操作に該当する。この第2の操作は、1球毎に、ユーザが行うようにすることができる。この第2の操作の難易度は、配球プランに基づいて設定(変動)される。例えば、前記基準期間(成功判定が行われる期間)を変動させることにより、第2の操作の難易度を変動させることができる。具体例を示すと、基準期間を1/60秒に設定した場合よりも、基準期間を3/60秒に設定した場合の方が、成功判定が行われる期間が長くなるため、第2の操作の難易度が低下する。本構成では、ユーザは第2の操作の難易度を考慮に入れた上で、配球プランを決定する必要が生じ、ゲーム性がより高まる。
9)上記の8)の構成において、前記第2の操作が、前記基準期間で行われたか否かを判定する判定手段(125)と、前記判定手段(125)の判定結果に基づいて、前記パラメータ決定手段(122)によって投球前に決定された配球に関するパラメータを調整する調整手段(126)と、をさらに備えることが好ましい。
この構成では、第2の操作が基準期間で行われたか否かに基づいて、パラメータ決定手段によって投球前に決定された配球に関するパラメータ(投球コース、球威、球速、変化量等)が調整される。すなわち、第2の操作が基準期間で行われたか否かに基づいて、最終的な投球コース、球威、球速、変化量等の配球に関するパラメータが変動する。例えば、第2の操作が基準期間で行われた場合には、投球成功(リリース成功)となり、投球前に決定された投球コース付近に投げることができるが、第2の操作が基準期間で行われなかった場合には、失投となって投手のコントロールが乱れ、投球前に決定された投球コースから大きく外れたコースに投球されるようになる。あるいは、第2の操作が基準期間で行われた場合には、投球前に決定された球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが向上するようにしてもよい。また、第2の操作が基準期間で行われなかった場合には、前記のようなコントロールの乱れに代えて、またはコントロールの乱れと共に、球威、球速、変化量の少なくとも1つのパラメータが低下するようにしてもよい。
この構成では、ゲーム内で投手キャラクタにベストピッチングを行わせるには、基準期間で第2の操作を行うことが重要になる。前述のように、本ゲーム制御装置では、1打席分の配球の傾向を示す配球プランを、1打席の最初の投球までに1回だけ決定すれば、当該配球プランに基づいて、1打席内の配球に関するパラメータ(例えば、1球毎の球種、投球コース等)が自動的に決定される。よって、ユーザは、1打席内の配球プランを決定した後は、投手キャラクタがボールをリリースするタイミング等を指定する第2の操作に集中することができる。本構成により、1打席毎にユーザが配球プランを決めて、当該配球プランの投球を、ユーザが第2の操作を基準期間内で行うことにより達成していくという興趣性の高いゲームを実現する。
10)上記の9)の構成において、前記調整手段(126)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって前記第1の配球プランが決定されている場合において、前記第2の操作が前記基準期間で行われなかった場合には、最終的な投球コースをボールゾーンに設定する、またはボールゾーンに設定される確率を前記第2の操作が前記所定タイミングで行われた場合よりも高くすることが好ましい。
ここで、「最終的な投球コース」とは、例えば、第2の操作に応じて最終的に決定される投球コースのことである。この構成では、第2の操作の前(すなわち投手キャラクタが投球する前)に決定された投球コースに必ずしも投球されるものではなく、第2の操作が基準期間で行われなかった場合には、第2の操作の前に決定された投球コースが調整され、調整後の投球コースが「最終的な投球コース」となる。
コースを突いた配球をする第1の配球プランがある打席の配球の傾向として決定されている場合において、その打席内における第2の操作が基準期間で行われなかった場合(すなわち失投の場合)、最終的な投球コースがボールゾーンに設定される(またはボールゾーンに設定される確率が投球成功時よりも高くなる)。これにより、ユーザが第1の配球プランを選択した場合、投手キャラクタは主にコースを突いた投球をするので打者キャラクタに打撃された場合の結果が長打になる可能性は低くなるが、第2の操作のタイミングが基準期間から外れるとボールとなり(またはボールになり易くなり)、結果的に四球になり易くなる。ユーザは、このメリットおよびデメリットを考慮して、1打席毎に、第1の配球プランを選択するか否かを決定する必要があり、ゲーム性がより高まる。
11)上記の10)の構成において、前記調整手段(126)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって前記第2の配球プランが決定されている場合において、前記第2の操作が前記基準期間で行われなかった場合には、最終的な投球コースをストライクゾーンの中央領域に設定する、または前記中央領域に設定される確率を前記第2の操作が前記所定タイミングで行われた場合よりも高くすることが好ましい。
球威重視等の攻めの配球をする第2の配球プランがある打席の配球の傾向として決定されている場合において、その打席内における第2の操作が基準期間で行われなかった場合(すなわち失投の場合)、最終的な投球コースがストライクゾーンの中央領域に設定される(または中央領域に設定される確率が投球成功時よりも高くなる)。これにより、ユーザが第2の配球プランを選択した場合、投手キャラクタは主に球威重視の投球をするので打者キャラクタから三振を奪う割合が高くなるが、第2の操作のタイミングが基準期間から外れるとストライクゾーンの中央領域に投球される甘い球となり、長打を打たれ易くなる。ユーザは、このメリットおよびデメリットを考慮して、1打席毎に、第2の配球プランにするか否かを決定する必要があり、ゲーム性がより高まる。
12)上記の11)の構成において、前記難易度設定手段(123)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記配球プランが前記第1の配球プランである方が、前記第2の配球プランよりも、前記難易度を高く設定することが好ましい。
前記11)の構成では、第1の配球プランの場合には長打を打たれるリスクは低く、第2の配球プランの場合には長打を打たれるリスクが高くなる。特に、第2の配球プランの場合には、第2の操作が基準期間で行われない失投が1回でも生じれば、その1回の失投が長打につながる可能性が高くなる。これに対して、第1の配球プランの場合には、第2の操作が基準期間で行われないという失投が生じても、ボール球になるだけであり、長打を打たれるリスクが高くなるわけではない。また、第1の配球プランの場合には、1回の失投で直ぐに四球になるわけではなく、四球になるまでには3回までボール球の投球が許容される。そこで、本構成では、第1の配球プランの方が、第2の配球プランよりも、第2の操作の難易度を高くしている。これにより、第1の配球プランでは長打になるリスクが小さい一方で第2の操作の難易度が高くなり、第2の配球プランでは長打になるリスクが大きい一方で第2の操作の難易度が低くなり、バランスのとれたゲームを実現できる。
13)上記の8)ないし12)の何れかの構成において、前記難易度設定手段(123)は、前記投手キャラクタのパラメータ、前記打者キャラクタのパラメータ、前記投手キャラクタおよび前記打者キャラクタのパラメータの値またはレベルの差、または前記投手キャラクタおよび前記打者キャラクタの相性に関する情報の少なくとも1つに応じて、前記難易度を変動させることが好ましい。
この構成は、第2の操作の難易度の設定(変更)に関するバリエーションであり、投手キャラクタのパラメータ、例えば、制球力の能力値(レベル)に応じて、第2の操作の難易度を変動させる。例えば、難易度設定手段は、投手キャラクタの球威パラメータのレベルまたはパラメータ値が大きいほど、第2の操作の難易度が低くなるように設定する。本構成によれば、投手キャラクタが変われば、第2の操作の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
例えば、ユーザは自分のチームの複数の投手キャラクタの中から、先発、中継ぎ、抑えの投手キャラクタを選んで、各投手キャラクタの投球に関する第2の操作を行うことができる場合、どの投手キャラクタを選んで使うかによって、第2の操作の難易度が異なるので、それを考慮して使用する投手キャラクタを選択することが要求される。また、使用する投手キャラクタが先発から中継ぎに変更される等により、第2の操作の難易度が変化するので、ユーザはその難易度の変化に対応することが要求される。
また、打者キャラクタのパラメータ、例えば、巧打力の能力値(レベル)に応じて、第2の操作の難易度を変動させてもよい。例えば、難易度設定手段は、打者キャラクタの巧打力の能力値が大きいほど、第2の操作の難易度が高くなるように設定する。本構成によれば、打席に立つ打者キャラクタが変われば、第2の操作の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
また、前記投手キャラクタおよび前記打者キャラクタのパラメータの値またはレベルの差に応じて、第2の操作の難易度を変動させてもよい。また、投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報に応じて、第2の操作の難易度を変動させてもよい。ここで、相性に関する情報とは、例えば、右打者は左投手に対して相性がよく、右投手に対しては相性が悪いというような情報であってもよいし、個々の投手キャラクタと打者キャラクタとの相性であってもよい。例えば、投手Aは、打者Bを得意にしているが、打者Cを苦手にしているという情報であってもよい。本構成によれば、マウンドに立つ投手キャラクタまたは打席に立つ打者キャラクタが変われば、第2の操作の難易度も変化し、ゲーム性がさらに高まる。
上記した投手キャラクタのパラメータ、打者キャラクタのパラメータ、投手キャラクタおよび打者キャラクタのパラメータの値またはレベルの差、投手キャラクタおよび打者キャラクタの相性に関する情報の何れか、またはそれらの組み合わせに基づいて、第2の操作の難易度を変動させることができる。
14)上記の1)または2)の構成において、前記傾向には、第1の傾向および第2の傾向を含み、前記ゲーム傾向決定手段(121)は、前記第1の操作に基づいて、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定して、前記一単位内における前記傾向を決定することが好ましい。
この構成では、一単位内におけるゲームキャラクタの動作の傾向を、第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)を設定することにより決定する。ここで、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)には、「第1の傾向100、第2の傾向0」、「第1の傾向0、第2の傾向100」を含む。第1の傾向の割合を高くすれば、第2の傾向の割合が低くなる。例えば、第1の傾向の割合をn(%)とすれば、第2の傾向の割合は(100−n)(%)となる。
第1の傾向および第2の傾向は、任意の傾向を適用できるが、互いに相反する傾向であることが好ましい。例えば、野球ゲームの場合、配球に関する第1の傾向を「弱気(又はかわす)」第2の傾向を「強気(又は攻める)」とすることができる。
前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定するための第1の操作としては、後述する5)の構成のように、入力用オブジェクト(ライン状ゲージ等)を用いて両傾向の割合(重み)を指定する操作の他、ユーザが両傾向の割合(重み)を数値で入力するようにしてもよい。
本構成では、特定の1つのゲーム進行の傾向を指定するのではなく、第1の傾向と第2の傾向との割合を設定することにより一単位内におけるゲームキャラクタの動作の傾向を設定することができるので、当該傾向を細かく設定することができる。
15)上記の14)の構成において、前記第1の傾向を最大に設定する位置を一端とし、前記第2の傾向を最大に設定する位置を他端とし、両端間の位置に応じて前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定するための入力用オブジェクトを画面に表示する入力用オブジェクト表示手段(127)をさらに含み、前記ゲーム傾向決定手段(121)は、前記入力用オブジェクト内の位置を指定する前記第1の操作に基づいて、前記第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定して、前記一単位内における前記傾向を決定することが好ましい。
ここで、「入力用オブジェクト」とは、例えば、画面に表示される画像であり、第1の傾向と前記第2の傾向との割合をユーザが設定するための入力操作用の画像である。「入力用オブジェクト」の例としては、直線状、円形状のゲージを適用することができる。この構成の場合、例えば、ユーザが指定した入力用オブジェクト内の位置が、第1の傾向が最大(例えば100%)の一端と第2の傾向が最大(例えば100%)の他端とのどちらに近いかによって、第1の傾向と前記第2の傾向との割合(重み)を設定することができる。本構成により、ユーザは、入力用オブジェクトの位置を指定するだけで、直観的に、第1の傾向と前記第2の傾向との割合を設定することができる。
16)上記の1)または2)の構成において、前記ゲームは、前記一単位内で前記ゲームキャラクタが移動体を複数回送出または打撃することが可能なゲームであり、前記ゲーム傾向決定手段(121)は、前記一単位の開始までに行われるユーザの第1の操作に基づいて、前記一単位内の前記移動体の移動に関するプランを決定し、前記パラメータ決定手段(122)は、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記プランに基づいて、前記一単位内における、前記ゲームキャラクタが複数回送出または打撃する前記移動体のそれぞれの移動パラメータを決定することが好ましい。
この構成のゲーム制御装置は、野球ゲーム以外にも、プレイの一単位内でキャラクタが移動体を複数回送出または打撃する、様々なゲームに適用できる。例えば、テニスゲームでは、「ゲーム」または「セット」を一単位とし、キャラクタが複数回、ボールをサーブおよび打ち返す(打撃する)。移動体の移動に関するプランとしては、「攻撃型プラン」、「守備型プラン」などを挙げることができる。「攻撃型プラン」では、キャラクタが主にフラットショット等の強いボールを打つように移動パラメータが決定され、「守備型プラン」では、キャラクタがスライスショット等を「攻撃型プラン」よりも多く使用するように移動パラメータが決定される。
この構成でも、前述の構成と同様に、ユーザが、一単位の開始までに、一単位内の移動体の移動に関するプランを決定する第1の操作を1回だけ行えば、一単位のプレイ中は、ゲームキャラクタが複数回送出または打撃する移動体のそれぞれの移動パラメータの設定操作を、その都度行う必要がなくなる。よって、一単位ごとの簡易な設定操作で、ユーザが所望するようにゲームを進行させることができる。
17)本発明の他の一態様によるゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、当該サーバ(30)との間で通信を行う端末装置(50)と、を含み、ゲームキャラクタ(例えば野球ゲームの投手キャラクタ)による複数回の動作(例えば投球)を一単位として構成するゲームを制御するゲームシステム(1)であって、前記ユーザの第1の操作(例えばS102の処理)に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作の傾向(例えば投手キャラクタの配球の傾向)を決定するゲーム傾向決定手段(121)と、前記ゲーム傾向決定手段(121)によって決定された前記傾向に基づいて、前記一単位内における前記ゲームキャラクタの動作に関するパラメータを決定するパラメータ決定手段(122)と、の各手段を前記サーバ(30)又は前記端末装置(50)のいずれか一方が備える。
18)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを上記の1)ないし16)の何れかに記載のゲーム制御装置(1、10、30、50)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(1、10、30、50)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。