以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置(ゲーム管理装置の一例)、ゲームサーバ(ゲーム管理装置の一例)、ゲームシステム及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲーム装置の構成〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置としてのゲーム装置は、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等により構成することができる。本実施の形態では、ゲーム装置をスマートフォンとする例について以下に説明する。
スマートフォンは、携帯電話端末と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であり、その記憶装置に、ゲームサーバからダウンロード等したゲームプログラムをインストールすれば、スマートフォンのCPU(Central Processing Unit)がゲームプログラムを実行することによって、ユーザが各種ゲームを遊戯することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置1の外観の一例を示す平面図である。また、図2は、ゲーム装置1のハード構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置1は、本体部2と、タッチパネル部3と、ボタン操作部4a・4b・4cと、音声入力部5と、音声出力部6a・6bとを具備している。
タッチパネル部3は、本体部2の筐体の一面に設けられた接触入力式の画像表示部である。このタッチパネル部3は、液晶ディスプレイ等からなる表示部とタッチインターフェースを備えた位置入力部とを組み合せて構成され、操作者(ユーザ)の指やペンを指示手段として画面に接触させることによって接触位置が検出されるので、直感的な入力操作が可能となっている。本実施の形態のタッチパネル部3は、投影型の静電容量方式のマルチタッチスクリーンとして構成されており、多点同時検出が可能となっている。なお、タッチパネル部3としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式または表面型の静電容量方式などのその他の方式を採用することもできる。
ボタン操作部は、ホームボタン4a、ボリュームボタン4b及びスリープボタン4cなどからなり、タッチパネル部3での操作以外の基本操作をボタン操作により可能とする。ホームボタン4aは、例えば本体部2におけるタッチパネル部3の下方に設けられ、当該ボタンが押されるとタッチパネル部3にホーム画面が表示されるようになっている。ボリュームボタン4bは、例えば本体部2の側面に設けられており、当該ボタンの上部が押されると音量が増加し、その下部が押されると音量が減少するようになっている。スリープボタン4cは、例えば本体部2の上部に設けられ、当該ボタンが押されるとゲーム装置1がスリープ状態に遷移する一方、スリープ状態のときに当該ボタンが押されるとスリープ状態から復帰させることができるようになっている。
音声入力部5は、本体部2に内蔵されたマイクロフォンからなり、例えば本体部2の下面に設けられたマイク用開口から集音できるようになっている。この音声入力部5は、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。
音声出力部6aは、例えば本体部2におけるタッチパネル部3の上方に設けられ、電話通信時の受話スピーカとなる。また、音声出力部6bは、本体部2に内蔵されており、例えば本体部2の下面に設けられた出力口からゲーム実行時の効果音などを出力するようになっている。
なお、ゲーム装置1の本体部2には、ヘッドセットジャック、給電用またはパーソナルコンピュータとの接続用のコネクタ、内臓カメラ用のレンズ等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
また、図2に示すように、ゲーム装置1は、主に、制御部10と、補助記憶装置20と、通信制御部21とを備えている。
制御部10は、CPU11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13と、画像処理部14と、サウンド処理部16とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン17を介して相互に接続されている。なお、バスライン17と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置1全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置1の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
画像処理部14は、CPU11からの画像表示命令に基づいてタッチパネル部3を駆動し、当該タッチパネル部3の画面に画像を表示させる。また、画像処理部14はタッチ入力検出部15を備えている。このタッチ入力検出部15は、指やペン等がタッチパネル部3の画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、タッチパネル部3の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。また、画像処理部14は、タッチパネル部3の画面に表示されている所定の検出対象領域に指等が接触したとき、当該検出対象領域が選択されたことを示す選択信号をCPU11へと供給する。これによって、タッチパネル部3の画面上の検出対象領域が選択されたことが、CPU11に認識されるようになっている。
サウンド処理部16は、音声入力部5から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部6a又は6bに出力する。
補助記憶装置20は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置20としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部21は、通信インタフェース21aを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部21は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置1を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
なお、ゲーム装置1には、その他にもCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、GPS(Global Positioning System)信号受信回路、3軸加速度センサなどが備えられていてもよい。
上記構成のゲーム装置1において、補助記憶装置20に記憶されているゲームプログラムがRAM13へロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、様々なゲームが実行可能である。また、ゲーム装置1を、無線LAN通信、インターネット通信、距離無線通信または有線通信などにより他のゲーム装置1と接続し、両者間で同期をとりながらデータのやり取りを行うことによって、対戦型のゲームを実行することも可能である。
〔ゲームの一例〕
本実施の形態のゲーム装置1が管理(制御)するゲームは、複数の選択対象の中からユーザがいずれかの対象を選択するゲームである。以下には、複数の球種の中からユーザによって選択された球種を投手(投手キャラクタ)が投球する野球ゲームを例に挙げて説明する。
ゲーム内の選手キャラクタに関する情報は、選手データベースにおいて管理されている。選手データベースの一例を、図3に示す。選手データベースには、ゲームに登録されている全ての選手キャラクタに関する情報が含まれているが、図3には、投手キャラクタ(選手ID=001)1人分の情報を例示している。
選手情報データベースには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、投球可能な球種(いわゆる持ち球)等の情報が記憶される。図3の例では、選手ID=001の投手キャラクタは、「ストレート」、「カーブ」、「フォーク」、「カットボール」、「チェンジアップ」の5種類の球種を持ち球としている。
また、選手情報データベースには、投手キャラクタが投球可能な各球種と対応付けて、球種のパラメータの初期値が記憶されている。本実施の形態では、球種のパラメータとして、球威および制球という2つのパラメータを例示する。球威パラメータは、投球されたボールの威力を示すパラメータである。制球パラメータは、制球力(コントロールの良さ)を示すパラメータである。初期値は各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。これは投手毎に得意、不得意な球種が異なるためである。なお、球種のパラメータとしては、さらに、ボールの変化の大きさを示す変化パラメータ等を適用してもよい。球種のパラメータは、これらに限るものではなく、少なくとも1つのパラメータが設定されていればよい。
本実施の形態では、球威パラメータおよび制球パラメータは、8段階のランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」のうちの何れかのランクに設定される。Sランクが最も高く、Gランクが最も低い。球威パラメータについては、ランクが高いほどボールに威力が増し、制球パラメータについては、ランクが高いほど制球力が増すことを表す。後述するように、球種のパラメータは、ゲーム中に初期値から変動する。
図4に例示するように、本実施の形態の野球ゲームでは、投手キャラクタが投球可能な球種情報が視認可能にデジタルカード化され、ゲーム画面上に球種カード100(球種選択用オブジェクトの一例)として表示される。この球種カード100には、ストレート等の球種の名称101、当該球種のボールの握り方を示す画像102、当該球種の球威パラメータ103、当該球種の制球パラメータ104等が表示される。
図5に、ユーザが投球の操作を行うための投球操作画面の一例を示す。この投球操作画面には、ユーザが操作する投手キャラクタ111、対戦相手の打者キャラクタ112、捕手キャラクタ113、ゲーム進行情報114(現在のイニング、スコア、ボールカウント、ランナーの情報)などが表示される。対戦相手の打者キャラクタ112は、通信対戦モードでは相手ユーザによって操作され、コンピュータ対戦モードではCPU11が自動制御する。さらに、主審キャラクタ、ストライクゾーン等を画面に表示してもよい。
また、投球操作画面には、所定枚数(この例では4枚)の球種カード100が、複数の選択対象として表示される。選択対象として画面に表示される4枚の球種カード100のそれぞれは、投手キャラクタ111の持ち球としての複数の球種カード100の中から、ランダムに選択されたものである。図4の例では、ストレート2枚、フォークボール1枚、カーブ1枚の合計4枚の球種カード100が画面に表示されている。この例のように、同じ球種の球種カード100が複数枚、画面に表示されることもある。画面に最初に表示された前記4枚の球種カード100のそれぞれのパラメータ(球威および制球)としては、初期値が設定される。
以下、画面に表示される複数の選択対象である4枚の球種カード100を、球種カード群200と称する。
また、投球操作画面には、球種カード群200を間に挟む位置に、投球コースのパラメータを設定するための、ストライクコース領域121およびボールコース領域122が表示される。図5では、球種カード群200の上方に、帯状のストライクコース領域121が配置されると共に、その下方に、帯状のボールコース領域122が配置される例を示している。ストライクコース領域121には、例えば「ストライクをとりにいく」というテキスト情報が表示され、どのような領域なのかをユーザに分かり易くしている。同様に、ボールコース領域122には、例えば「ボールコースに投げる」というテキスト情報が表示される。
タッチパネル部3に表示された前記投球操作画面において、ユーザは、当該画面への接触操作により、球種の選択および投球コースの選択を行う。投球の基本操作は、次のとおりである。図6に例示するように、ユーザは、画面上の球種カード群200の中の任意の球種カード100に指を接触させることによって、選択候補を指定する。このとき、指定された選択候補以外の残りの球種カード100の表示状態(色または濃度等)が変化し、選択候補を指定している状態であることが、ユーザに報知される。あるいは、選択候補の球種カード100に指を接触させると、選択候補の球種カード100の表示状態が変化するようにしてもよい。
さらに、上記のようにして選択候補が指定された時点で、当該指定された選択候補以外の残りの球種カード100のパラメータの変化に関する情報(例えば、パラメータの向上/低下を矢印、数値、記号等で表す情報)が画面に表示される。これは、球種カード群200の中から選択候補が指定された場合、その選択が確定する前の段階で、選択が確定したと仮定した場合の残りの球種カード100のパラメータ変化を、画面上で報知するものである。図6では、選択候補以外の3枚の球種カード100のそれぞれに、パラメータの向上または低下を示す矢印オブジェクト131が表示される例を示している。
なお、球種カード100には、球威パラメータおよび制球パラメータの2つが設定されているが、本実施の形態では、変化の影響を受けるパラメータを球威パラメータのみとする例を示す。
図6を参照して具体例を示すと、ユーザが選択候補として右端のストレートの球種カード100を指定(指でタッチ)すると、左端のストレートの球種カード100には下向きの矢印オブジェクト131が表示されると共に、フォークおよびカーブの球種カード100には上向きの矢印オブジェクト131が表示される。これにより、ユーザは、もしも右端のストレートの球種カード100の選択をこのまま確定すれば、選択していない左端のストレートの球種カード100の球威パラメータが低下する一方、フォークおよびカーブの球種カード100の球威パラメータが向上することを認識できる。すなわち、ユーザはどの球種を次に投げれば、さらにその次の投球でどのようなパラメータの球種を投球できるのかを、球種カード群200の中から選択候補を指定した時点で、事前に知ることができるのである。
なお、選択候補ではない球種カード100には、球威パラメータの変化を示す矢印オブジェクト131を表示するだけでもよいが、併せて、変化後の球威パラメータを表示してもよい。図6の例では、選択候補ではない左端のストレートの球種カード100内の球威パラメータの表示が、初期値「B」から下位ランクの「C」に変化している。また、選択候補ではないフォークの球種カード100内の球威パラメータの表示が、初期値「F」から上位ランクの「E」に変化している。また、選択候補ではないカーブの球種カード100内の球威パラメータの表示が、初期値「C」から上位ランクの「B」に変化している。
球種カード群200の中の1枚の球種カード100に指130をタッチしただけでは、まだその球種カード100の選択は確定していない。図6に例示する選択候補の指定状態において、ユーザが画面から指130を離せば、当該選択候補の指定状態は解除され、図5の画面に戻る。すなわち、選択候補の指定状態の解除に伴い、選択候補ではない球種カード100上に表示さえていた矢印オブジェクト131は消去され、当該球種カード100内の球威パラメータの表示も変化前のランクに戻る。
例えば、図5の画面の状態から、図7に示すように、ユーザが選択候補としてカーブの球種カード100を指定(指でタッチ)した場合、2枚のストレートの球種カード100にはそれぞれ上向きの矢印オブジェクト131が表示されると共に、フォークの球種カード100には下向きの矢印オブジェクト131が表示される。これにより、ユーザは、もしもカーブの球種カード100の選択をこのまま確定すれば、選択していないストレートの球種カード100の球威パラメータが向上する一方、フォークの球種カード100の球威パラメータが低下することを認識できる。
図6に示すように、選択候補としてストレートの球種カード100を指定すれば、フォークの球種カード100の球威パラメータは向上するが、図7に示すように、選択候補としてカーブの球種カード100を指定すれば、フォークの球種カード100の球威パラメータは低下する。このように、同じフォークの球種カード100であっても、球種カード群200の中から指定する選択候補が変われば、その球威パラメータは、向上することもあれば低下することもある。
ユーザは、選択候補の指定とその解除とを繰り返して、様々な球種カード100を選択候補として指定してみることにより、次にどの球種を投げれば、さらにその次に投げる球種のパラメータがどのように変化するのかの事前シミュレーションを行うことができる。よって、ユーザには、次の投球だけでなく、その後の展開も想定した投球の組み立てが求められる。
ユーザは、上記のように指130でタッチして選択候補の球種カード100を選んだ後、当該球種カード100をストライクコース領域121またはボールコース領域122の何れかに移動させることにより、球種と投球コースとを同時に決定できる。例えば、図8に示すように、画面における右端のストレートの球種カード100に指130を接触させ、画面への指130の接触状態を連続的に維持したまま(途中で指130を画面から離さずに移動中も接触状態を継続して)、指130をストライクコース領域121の方向へと移動させて指を画面から離すことで、球種「ストレート」および投球コース「ストライクコース」の両方が、同時に確定される。この操作は、いわゆるドラッグ&ドロップの操作である。前記のように、画面上の球種カード100に指130を接触させたまま、指130を画面から離すことなく移動させれば、指130の接触位置座標の変化に連動して、当該球種カード100も移動する。
なお、移動中の球種カード100(または、指130の接触位置座標)がストライクコース領域121と重なった場合、当該ストライクコース領域121の表示状態が変化する(例えば、色、濃度等が変化する)ようにすることが好ましい。これにより、いつ画面から指130を離せば、球種カード100がストライクコース領域121まで移動させたことになるのかが明確化される。
同様に、選択候補の球種カード100に指130を接触させ、画面への指130の接触状態を連続的に維持したまま、指130をボールコース領域122の方向へと移動させて指を画面から離すことで、当該球種カード100に対応する球種および投球コース「ボールコース」の両方が、同時に確定される。
このようにして、球種カード群200の中の球種カード100を、ストライクコース領域121またはボールコース領域122の何れかにドラッグし、指130を画面から離間させたタイミングで、球種および投球コースが確定されると共に、投球が開始され、図9に例示するように投手キャラクタ111が投球する。すなわち、球種の選択、投球コースの設定、投球開始といった3つの操作要素を含むゲーム操作を、画面に表示されている複数の球種カード100の中の1つを、ストライクコース領域121またはボールコース領域122に移動させるという、指1本で簡単に行える操作により実現している。
なお、上記した球種カード100の移動操作により、球種および投球コースを確定した後、別の操作として投球を開始するための操作(例えば画面をタップする操作等)が行われたタイミングで、投手キャラクタ111による投球が開始されるようにしてもよい。
本実施の形態では、投球コースについては、ストライクコースとボールコースとの投げ分けのみが可能であり、投手キャラクタ111からリリースされたボールの軌道については、決定された球種およびそのパラメータ(特に、制球パラメータ)に基づいて、ゲーム装置1のCPU11によって決定される。
また、上記の操作例では、画面上の球種カード100を、ドラッグ操作により移動させたが、その他の方法により、球種カード100を移動させてもよい。例えば、ユーザが画面上の特定の球種カード100に指130を接触させ、ストライクコース領域121またはボールコース領域122の何れかの方向へ、指130を素早くスライドさせる操作(いわゆるフリック操作)により、前記球種カード100を移動させてもよい。
前記の例では、ユーザが細かいコース設定をせずとも簡単に投球操作ができるように、投球コースのパラメータとしては、ストライクコースとボールコースの2つのみに限定している。ただし、これに限定されるものではなく、後述するように、より細かいコース設定(例えば、高め、低め、内角、外角等のコース設定)を可能としてもよい。
投球後、現在打席に立っている打者キャラクタ112に対して2球目を投球する場合(すなわち、打者キャラクタ112が一球目を見逃した場合、またはバットを振ったが空振りまたはファールボールになった場合)、1球目と同様に、ユーザは2球目の投球操作を行う。この場合、図10に例示するように、1球目の球種として確定された右端のストレートの球種カード100は画面から消去され、代わりに新たな球種カード100a(この例ではカーブの球種カード100a)が画面上に補充される。ここで、補充される新たな球種カード100aは、投手キャラクタ111の持ち球としての複数の球種カード100の中からランダムに選択された球種カード100である。そして、補充された新たな球種カード100aのパラメータは、初期値に設定される。
一方、新たな球種カード100a以外の3枚の球種カード100(ストレート、フォーク、カーブ)は、1球目の球種として確定されたストレートの影響を受けて(図6、図8参照)、球威パラメータが変化している。よって、同じカーブの球種でも、1球目の球種の影響を受けた右から2番目のカーブの球種カード100の球威パラメータは「Bランク」であるが、2球目の球種カード群200として補充された新たな球種カード100aの球威パラメータは初期値の「Cランク」である。
このように、本実施の形態のゲームでは、前回投球された球種の影響を受けるのは、前回の投球時に「場」に出ていた(4枚の球種カード100からなるデッキに含まれていた)、球種カード100のみであり、補充された新たな球種カード100aには、前回投球された球種の影響は及ばないようにしている。なお、これは一例であり、補充された新たな球種カード100aについても、前回投球された球種の影響が及ぶようにしてもよい。例えば、2球目の球種カード群200として補充されたカーブの球種カード100aの球威パラメータも、1球目の球種の影響を受けた右から2番目のカーブの球種カード100と同じ「Bランク」としてもよい。
図6等に例示したように、ユーザがストレートを選択すると、その次の投球においてストレートの球威パラメータが低下し、逆にカーブの球威パラメータが向上するという関係は、予めゲームプログラムにおいて決められている。選択された(または選択候補として指定された)球種により、非選択の(または非指定の)球種のパラメータがどのように変化するかについてのパラメータ変化情報は、ゲーム装置1の記憶装置に予め記憶されており、ゲーム装置1は当該パラメータ変化情報に基づいて、非選択の(または非指定の)球種カード100のパラメータを変化させている。どのようにパラメータを変化させるかは、任意に定めることができる。その一例を次に示す。
球種(球種カード100)には、複数の属性のうちの何れかの属性が設定されている。具体例としては、ストレート、カットボール等の球種には属性「速い球」が設定されており、カーブ、チェンジアップ等の球種には属性「遅い球」が設定されている。そして、選択された球種と、非選択の球種との関係が同一属性の関係であれば、非選択の球種のパラメータを低下させる。例えば、属性「速い球」のストレートを投げると、打者の目がその球速に慣れるものとして、同一属性のストレートまたはカットボールの球威パラメータを低下させる。また、選択された球種と、非選択の球種との関係が異なる属性の関係であれば、非選択の球種のパラメータを向上させる。例えば、属性「遅い球」のカーブを投げると、属性「速い球」の球種に対しては、緩急の変化に打者の目がついていかなくなるものとして、異なる属性のストレートまたはカットボールの球威パラメータを向上させる。これにより、現実世界の野球における投球のようなリアル感のあるゲームを実現できる。
なお、球種の属性は「速い球」、「遅い球」に限定されるものではなく、例えば、「ストレート系」の属性と、「変化球系」の属性に分類してもよい。球種の属性の他の例については後述する。
現在打席に立っている打者キャラクタ112に対する3球目以降の投球も、2球目の場合と同様であり、選択が確定された球種の球種カード100は画面から消去され、初期値のパラメータが設定された新たな球種カード100aが画面上に補充される。そして、球種の選択が確定して投球が行われる毎に、非選択の球種カード100については球威パラメータが変化するが、その変化は1球毎に累積される。例えば、ユーザがストレートを2連投(2回連続してストレートの球種カード100を選択)した場合、2回とも選択されずに残ったカーブの球種カード100の球威パラメータは、2段階向上するが、2回とも選択されずに残ったストレートの球種カード100の球威パラメータは、2段階低下する。このように、同じ属性の球種の投球を続ければ続けるほど、画面に表示されている非選択の球種カード100の球威パラメータへの影響は大きくなっていく。よって、例えばストレートの球種ばかり選択して投球していると、「速い球」の属性を持った球種の威力パラメータはどんどん低下し、逆に、「遅い球」の属性を持った球種の威力パラメータはどんどん向上する。
よって、球威パラメータが小さい(ランクが低い)球種であっても、その属性を考えて投球することにより、大きな存在価値を発揮する。特に、本実施の形態のゲームでは、選択候補として指定した球種(球種カード100)を、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを選択することができる。よって、例えば、球威パラメータが小さい(ランクが低い)球種をボールコースに投げることにより、その球種と異なる属性の球種の球威パラメータを向上させ、勝負どころのボールカウントで、球威パラメータが向上した球種カード100を使用することにより、打者キャラクタ112を頭脳的に打ち取ることができる。
図11に例示するように、ボールカウントが2ストライクになると、ストライクコース領域121の表示が、それまでの「ストライクをとりにいくから」、例えば「勝負にいく」に変化する。また、ボールコース領域122の表示も、それまでの「ボールコースに投げるから」、例えば「一球外す」に変化する。
図11の例では、ボールカウントが「2ボール、2ストライク」であり、あと1球はボールコースに投球することが可能である。また、球種カード群200の中には球威パラメータがAランク(最大ランクまであと1段階)のストレートの球種カード100が含まれている。よって、ユーザは、次の投球でボールコースに投球し、ストレートの球種カード100を最高ランクのSにできないかを検討することが要求される。ここで、例えば、図12に示すように、ユーザがフォーク(またはカーブでもよい)の球種カード100にタッチして選択候補を指定すれば、ストレートの球種カード100のパラメータが向上することが矢印オブジェクト131によって報知される。よって、ユーザは、「2ボール、2ストライク」のボールカウントにおいて、フォークまたはカーブの球種カード100を選択してボールコースに投球する操作を行うことによって、「3ボール、2ストライク」のボールカウントの際には、Sランク(最大)の球威パラメータになったストレートの球種カード100で勝負できるという投球の組み立てを行うことができる。
打席に立っていた1人の打者キャラクタ112に対する投球が終了し、次の新たな打者キャラクタ112が打席に立った場合、再度、投手キャラクタ111の持ち球の中からランダムに選択された4枚の球種カード100が選択対象として画面に表示される。この4枚の球種カード100のパラメータとしては、初期値が適用される。このように、1打席毎に(すなわち、打席に立つ打者が変わる毎に)、複数の選択対象である4枚の球種カード100のパラメータが全て初期値に設定される。
あるいは、前に対戦した打者キャラクタ112の最終投球時に、選択されないで残った3枚の球種カード100は、次の新たな打者キャラクタ112に対する1球目の選択対象として残してもよい。この場合であっても、選択されないで残った3枚の球種カード100のパラメータは、次の新たな打者キャラクタ112に対する1球目には、初期値にリセットされる。そして、初期値のパラメータを有する、もう1枚の新たな球種カード100が補充される。
なお、これは一例であり、1打席毎に全ての球種カード100のパラメータを初期値にするのではなく、打席に立つ打者キャラクタ112が変わっても、非選択の球種カード100のパラメータの変化は継続されるようにしてもよい。例えば、1イニングの投球が終了するまで、非選択の球種カード100のパラメータの変化は継続されるものとしてもよい。
〔ゲーム装置の基本的な機能的構成〕
図13は、ゲーム装置1の基本的な構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係るゲーム装置1は、入力管理手段51、実行手段52、出力管理手段53、選手管理手段54、ユーザ情報管理手段55、通信管理手段56等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段51は、タッチ入力検出部15等を介した操作に関する情報を、実行手段52に出力する。実行手段52は、操作に関する情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。本野球ゲームでは、ユーザによる投球操作に基づいて、投手キャラクタ111による投球等を実行する。実行手段52によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM13、補助記憶装置20等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段53は、画像処理部14およびサウンド処理部16を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段53は、画像処理部14を制御して、図5に示すように、複数の球種カード100等を含む投球操作画面を表示させる。出力管理手段53の機能の一部には、後述する表示制御手段74が含まれる。
選手管理手段54は、前述した選手データベース(図3参照)に基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。
ユーザ情報管理手段55は、各ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM13、補助記憶装置20等)に記憶して管理する。ユーザ情報管理手段55が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。例えば、ゲームサーバにアクセスしてオンラインモードで遊戯できるゲームの場合、ユーザ情報管理手段55は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。また、ユーザ情報管理手段55は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。
通信管理手段56は、通信制御部21を介して、ゲームサーバまたは他のユーザのゲーム装置1との間の情報通信を管理する機能を有する。
〔ゲーム装置の主要な機能的構成(第1の実施の形態)〕
次に、図14の機能ブロック図等を参照して、前記のゲームを実現するゲーム装置1の主要な機能的構成について説明する。ゲーム管理装置としてのゲーム装置1は、主に、選択候補指定手段71、報知手段72、パラメータ管理手段73等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
選択候補指定手段71は、ユーザの操作に関する情報に基づいて、複数の選択対象の中から選択候補を指定する機能を有する。本実施の形態の野球ゲームの例では、複数の選択対象とは、投手キャラクタ111が投球可能な球種の全部または一部である。投手キャラクタ111が投球可能な球種の情報は、図3に例示する選手データベースに記憶されている。本実施の形態では、4枚の球種カード100が選択対象として画面に表示されるので、投手キャラクタ111が投球可能な球種が4種類以内であれば、全ての球種が選択対象となることもあるが、投球可能な球種が5種類以上であれば、そのうちの一部が選択対象になる。なお、図5に例示するように、同じ球種の球種カード100が複数枚画面に表示されることもあるので、例えば、投手キャラクタ111が投球可能な球種が4種類であったとしても、常に4種類の球種が選択対象になるとは限らない。
選択対象としてのストレート、カーブ等の球種は、画面上で球種カード100として視覚化されている。よって、以下の説明では、「球種」といえば球種カード100を表すものとし、また、球種カード100といえば「球種」そのものを表すものとする。
選択候補を指定するためのユーザの操作の例としては、図6に示すように、投球操作画面に表示された複数の球種カード100の中の1つに、ユーザが指130を接触させる操作が挙げられる。投球操作画面において、ユーザの指130が画面へ接触した場合、その接触位置の座標の情報が、タッチ入力検出部15を介して、ユーザの操作に関する情報としてゲーム装置1に取り込まれる。そして、選択候補指定手段71は、指130の接触位置の座標が、画面に表示された複数の球種カード100の何れの球種カード100と重なっている(球種カード100の表示領域内に接触位置の座標が含まれている)場合、当該球種カード100を選択候補として指定する。また、選択候補として指定された球種カード100の情報は、RAM13に一時記憶される。
なお、前述のように、選択候補の指定が行われた場合、選択候補の球種カード100と、選択候補以外の球種カード100との両者の表示状態を異ならせる(例えば、両者の何れか一方の色、濃度等を、他方と異ならせる)ことにより、選択候補が指定されている状態を画面上で明確化することが好ましい。図6の例では、選択候補以外の球種カード100を通常時よりも暗く表示し、選択候補の球種カード100が画面上で目立つようにしている。
なお、選択候補を指定するためのユーザの操作は、画面上の複数の球種カード100の何れか1つに指130を接触させる操作に限定されるものではない。例えば、ゲーム装置1をゲーム専用機やパーソナルコンピュータとして構成した場合には、画面上に表示されるカーソルをユーザが移動させて、選択候補を指定する操作を行ってもよい。すなわち、ユーザは、アナログスティック、マウス等のポインティングデバイスを操作し、画面上の複数の球種カード100の何れか1つに、カーソルを重ねる(またはカーソルを重ねた状態でクリック操作をする)。この場合、選択候補指定手段71は、カーソルと重なっている球種カード100を選択候補として指定する。これに限らず、複数の選択対象の中から特定の選択対象が選択的に指定される操作であれば、いかなるユーザの操作であってもよい。
ゲーム装置1の画面がタッチパネル部3で構成されている場合には、図6に示すように、ユーザの指130またはペン等の接触物を、画面上の球種カード100へ直接、接触させる操作を可能とすることにより、選択候補の指定をユーザが直観的にできるので好ましい。
次に、報知手段72について説明する。報知手段72は、前記選択候補指定手段71によって選択候補が指定された時点で、当該指定された選択候補以外の選択対象(球種カード100)のパラメータの変化に関する情報を報知する機能を有する。本実施の形態の野球ゲームの例では、図6に示すように、選択候補としてストレートの球種カード100が指定されると、その選択が確定する前に、選択が確定したと仮定した場合の残りの球種カード100(例えば、ストレート、フォーク、カーブ)の球威パラメータの向上または低下の変化情報が、画面に表示される矢印オブジェクト131によって報知される。
図6の例では、選択候補ではない球種カード100に重畳された矢印オブジェクト131が上向きであれば、当該球種カード100の球威パラメータは向上し、当該矢印オブジェクト131が下向きであれば、当該球種カード100の球威パラメータは低下することを、画面上でユーザに報知している。これは一例であり、選択候補以外の選択対象のパラメータの変化の方向性だけを、「+(プラス)」、「−(マイナス)」等の記号により報知してもよい。
なお、本実施の形態の野球ゲームでは、球種のパラメータとして「球威」を変化させているが、バリエーションとしては、「球速」、「変化球の変化度合い」等のパラメータを変化させるようにしてもよい。
本実施の形態のゲームでは、前述のように、球種カード100のパラメータはS、A〜Gの8段階のランクで表され、その変化量は1ランクずつであるが、1回の変化で2ランク以上変化するようにしてもよい。また、例えば、ストレートの球種カード100が選択された場合、カーブの球種カード100のパラメータは1ランク向上するが、フォークの球種カード100のパラメータは2ランク向上するというように、非選択の選択対象によって、パラメータの変化量(または変化の度合い)が異なるようにしてもよい。この場合、報知手段72は、パラメータの変化の方向性および変化量の両方を報知してもよい。たとえば、矢印オブジェクト131の上下方向によってパラメータの向上または低下を示すと共に、矢印オブジェクト131の長さによって、パラメータの変化量を表しても良い。具体的には、パラメータが1ランク向上するよりも、パラメータが2ランク向上する方が、矢印オブジェクト131の長さを長くする。この場合、パラメータが2ランク向上する場合の矢印オブジェクト131の長さを、必ずしも、パラメータが1ランク向上する場合の矢印オブジェクト131の長さのちょうど2倍にする必要はなく、パラメータの変化量(度合い)が分かり易いように、実際の変化量に対応する長さよりも矢印オブジェクト131を長く表示してもよい。逆に、実際の変化量に対応する長さよりも矢印オブジェクト131を短く表示してもよい。つまり、実際のパラメータの変化量(度合い)と、矢印オブジェクト131の長さとの間に、ズレが生じていてもよい。
あるいは、パラメータの変化の方向性および変化量(度合い)を「+1(%)」、「+2(%)」、「−1(%)」、「−2(%)」等の数値および記号を表示することにより報知してもよい。あるいは、このような画面の表示と併せて、音声による報知を行ってもよい。あるいは画面表示による報知に代えて、音声のみによる報知を行ってもよい。
報知手段72は、選択対象である球種カード100のパラメータの変化を、独自に管理してもよい。ただし、選択対象である球種カード100のパラメータの変化については、パラメータ管理手段73により管理されている。よって、報知手段72は、前記選択候補指定手段71によって特定の選択候補(球種カード100)が選択候補として指定された時点で、当該選択対象に対する選択が確定したと仮定した場合における、残りの選択対象のパラメータの変化に関する情報を、パラメータ管理手段73から取得して報知する構成とすることができる。
次に、パラメータ管理手段73について説明する。パラメータ管理手段73は、画面に表示されている複数の選択対象としての球種のパラメータを、記憶装置(RAM13等)に記憶して管理する。図21に、パラメータ管理手段73が記憶装置に記憶して管理している球種のパラメータの情報の一例を示す。
本実施の形態のゲームでは、複数の選択対象として4枚の球種カード100が画面に表示されるので、画面上の左端の球種カード100から順に、1〜4のカード番号が付され、画面上のそれぞれの位置の球種カード100のパラメータが管理される。例えば、図5に示すように、1球目の球種として選択可能な4枚の球種カード100が、カード番号1=ストレート、2=フォーク、3=カーブ、4=ストレートであったとする。この場合、図21に示すように、投球1球目の選択対象の球種として、前記カード番号1〜4の球種が記憶されると共に、各球種のパラメータとして初期値が記憶される。各球種のパラメータの初期値は、図3に例示する選手データベースから取得できる。
なお、本実施の形態では、変化するパラメータを「球威パラメータ」のみとしているので、図21では、便宜上、球種の横に「球威パラメータ」のランクのみを記載している。例えば、「ストレートB」と記載した場合、ストレートの球種の球威パラメータがBランクであることを表している。
また、パラメータ管理手段73は、選択候補指定手段71によって指定された選択候補が選択の対象として確定された場合に、当該確定された選択の対象以外の選択対象(本実施の形態では非選択の3枚の球種カード100)のパラメータを変化させる機能を有する。パラメータ管理手段73は、変化後のパラメータを、記憶装置に記憶して管理する(図21の2球目以降)。以下に、パラメータ管理手段73が球種のパラメータを変化させる一例を示す。
選択された球種(球種カード100)に応じて、非選択の球種のパラメータがどのように変化するかについてのパラメータ変化情報が、記憶装置(補助記憶装置20等)に予め記憶されている。パラメータ管理手段73は、選択候補として指定された球種カード100の選択が確定した場合に、前記パラメータ変化情報に基づいて、非選択の球種カード100のパラメータ(本実施の形態では球威パラメータ)を変化させる。パラメータ変化情報の一例を、図15に示す。
図15のパラメータ変化情報においては、ストレートの球種の選択により、非選択の球種としてのカーブ、チェンジアップ、フォークのパラメータが向上する一方、非選択の球種としてのストレート、カットボール、シュートのパラメータが低下する例を示している。また、カーブの球種の選択により、非選択の球種としてのストレート、カットボール、シュートのパラメータが向上する一方、非選択の球種としてのカーブ、チェンジアップ、フォークのパラメータが低下する例を示している。これは一例であり、どの球種が選択されれば、どのような球種のパラメータが向上または低下するのかは、任意に定めることができる。
なお、パラメータの変化量(変化の度合い)が一定でない場合は、図16に示すように、当該変化量(変化の度合い)の情報も、パラメータ変化情報の中に含められる。図16では、ストレートの球種の選択により、非選択の球種としてのカーブのパラメータが2ランク向上し、チェンジアップおよびフォークのパラメータが1ランク向上し、ストレートのパラメータが2ランク低下し、カットボールおよびシュートのパラメータが1ランク低下する例を示している。
また、球種に属性を設定し、属性によってパラメータの変化を管理してもよい。その一例を次に示す。図17に例示するように、本実施の形態の野球ゲームでは、複数の選択対象としての球種(球種カード100)のそれぞれには、複数の属性としての「速い球」および「遅い球」のうちの何れかの属性が設定されている。この属性情報は、ゲーム装置1の記憶装置(補助記憶装置20等)に予め記憶されている。図17の例では、「ストレート」、「カットボール」、「シュート」等の球種には属性「速い球」が設定され、「カーブ」、「フォーク」、「チェンジアップ」等の球種には属性「遅い球」が設定されている。そして、パラメータ管理手段73は、選択が確定された球種カード100の属性と、それ以外の球種カード100、すなわち4枚の球種カード100のうちの非選択の球種カード100の属性との関係に基づいて、非選択の球種カード100のパラメータを変化させる。例えば、パラメータ管理手段73は、図18に例示するパラメータ変化情報に基づいて、非選択の球種のパラメータを変化させる。
図18のパラメータ変化情報においては、属性「速い球」の球種(ストレート、カットボール、シュート等)の選択により、非選択の球種としての属性「遅い球」の球種のパラメータが向上する一方、属性「速い球」の球種のパラメータが低下する例を示している。また、属性「遅い球」の球種(カーブ、フォーク、チェンジアップ等)の選択により、非選択の球種としての属性「速い球」の球種のパラメータが向上する一方、属性「遅い球」の球種のパラメータが低下する例を示している。すなわち、ユーザによって選択された球種カード100の属性と、非選択の球種カード100の属性との関係が、異なる属性の関係であれば、非選択の球種カード100のパラメータを向上させる。これは、前述のとおり、「速い球」(または「遅い球」)を投げると、異なる属性の「遅い球」(または「速い球」)に対しては緩急の変化に打者の目がついていかないため、当該異なる属性の球種の球威パラメータを向上させるものである。一方、ユーザによって選択された球種カード100の属性と、非選択の球種カード100の属性との関係が、同一属性の関係であれば、非選択の球種カード100のパラメータを低下させる。これは、前述のとおり、「速い球」(または「遅い球」)を投げると、打者の目がその球速に慣れるものとして、同一属性の「速い球」(または「遅い球」)の球威パラメータを低下させるものである。
このように、選択対象としての球種に属性を設定して、非選択の球種のパラメータ変化を管理することにより、当該管理処理を単純化できる。
なお、上記の例では、球種の属性を2種類としているが、3種類以上の属性を適用してもよい。その一例を図19に示す。この例では、複数の球種を、それぞれの特徴から、「ストレート系」、「空振り系」、「手元変化系」、「打たせてとる系」、「緩い球系」、「落ちる球系」という6種類の属性に分類している。そして、パラメータ管理手段73は、図20に例示するパラメータ変化情報に基づいて、非選択の球種のパラメータを変化させる。
図20のパラメータ変化情報においては、非選択の球種のパラメータが向上または低下する場合の他、変化しない場合の情報も含まれている。例えば、「空振り系」の球種(スライダー、高速シンカー等)が選択された場合、非選択の球種としての「打たせてとる系」および「緩い球系」の球種のパラメータが向上し、「空振り系」および「手元変化系」の球種のパラメータが低下し、「ストレート系」および「落ちる球系」の球種のパラメータは変化しない。これは、「空振り系」の球種と、「ストレート系」および「落ちる球系」の球種との類似性を考慮したものであり、「空振り系」の球種を投げても、その次の投球では「ストレート系」および「落ちる球系」のパラメータには影響が及ばないものとしている。
上記の例のように、ある球種カード100が選択された場合、非選択の球種カード100のパラメータが変化しない組合せを設けてもよい。すなわち、選択候補が選択の対象として確定された場合に、当該確定された選択の対象以外の選択対象のパラメータを変化させる場合には、当該確定された選択の対象以外の選択対象のパラメータの一部を変化させる(一部は変化しない)場合が含まれる。
また、ゲーム装置1は、図22に例示するように、選択候補指定手段71、報知手段72およびパラメータ管理手段73の他に、表示制御手段74を備えている。この表示制御手段74は、複数の選択対象としての複数の球種カード100を画面に表示させる機能を有する。
また、表示制御手段74は、選択候補指定手段71によって指定された選択候補が選択の対象として確定され、当該確定された選択の対象に関するゲームが進行した後(例えば、投手キャラクタ111による投球が行われた後)、当該確定された選択の対象を消去して、新たな選択対象を画面に表示させる機能を有する。本実施の形態の野球ゲームの例では、図8に示すように、1球目の投球として、カード番号4のストレートの球種カード100の選択が確定して、図9に示すように、ストレートの投球が行われた後、表示制御手段74は、カード番号4のストレートの球種カード100を画面から消去し、図10に示すように、代わりに新たな選択対象として例えばカーブの球種カード100を画面に表示させる。例えば、表示制御手段74は、投手キャラクタ111が投球可能な球種(いわゆる持ち球)の中からランダムに選択された球種の球種カード100を、新たな選択対象として画面に表示する。これにより、1球目の投球に使用された球種カード100の代わりに、新たな球種カード100が補充され、2球目の投球の球種として選択できるようになる。
また、前記パラメータ管理手段73は、表示制御手段74によって表示された前記新たな選択対象としての球種カード100のパラメータを、所定の初期値(いわゆるデフォルト値)に設定する。例えば、パラメータ管理手段73は、図3に示す選手データベースに基づいて、投手キャラクタ111の球種の初期値を取得し、補充された新たな球種カード100に初期値を適用する。よって、表示制御手段74によって画面に表示された新たな球種カード100には、初期値のパラメータが表示される。この場合、図21に示すように、2球目の球種として選択可能な4枚の球種カード100は、カード番号1=ストレートC、2=フォークE、3=カーブB、4=カーブCとなり、この情報が記憶装置に記憶される。なお、図21では、1球毎に、選択されたカード番号の情報も記憶する例を示しているが、当該情報は省略してもよい。
本構成の場合、ある球種カード100が選択された場合、パラメータ変化の影響を受けるのは、画面に表示されている非選択の球種カード100のみであり、その後に補充される新たな球種カード100にはパラメータ変化の影響は及ばない。例えば、図8に示すように、1球目の投球として、ストレートの球種カード100が選択されたことにより、残りの選択対象としてのカーブの球種カード100等のパラメータが向上し、その後、図10に示すように、カーブの球種カード100aが新たに補充された場合、パラメータが「Bランク」に向上したカーブの球種カード100と、パラメータが初期値「Cランク」のカーブの球種カード100aとが混在することになる。このように、同じカーブの球種でも、パラメータが異なるので、選択対象のバリエーションが増え、ユーザはそれを考慮しながら球種を選択する面白さがある。
また、パラメータ管理手段73は、選択候補指定手段71によって指定された選択候補が選択の対象として確定される毎に、当該確定された選択の対象以外の選択対象の変化後のパラメータを記憶装置に記憶して、パラメータの変化を累積する機能を有する。
例えば、図21に示すように、ストレートを2連投(1球目としてカード番号4=ストレートを選択、2球目としてカード番号1=ストレートを選択)した場合、2回とも選択されずに残ったカード番号2=フォークのパラメータは、初期値「Fランク」から「Eランク」→「Dランク」と、2段階向上する。また、2回とも選択されずに残ったカード番号2=フォークのパラメータは、初期値「Fランク」から「Eランク」→「Dランク」と、2段階向上する。また、2回とも選択されずに残ったカード番号3=カーブのパラメータも、初期値「Cランク」から「Bランク」→「Aランク」と、2段階向上する。
また、例えば、ストレートを2連投し、2回とも選択されずに残った球種カード100がストレートであった場合、残ったストレートの球種カード100のパラメータのランクは2段階低下する。但し、球種カード100のパラメータの変化が大きくなり過ぎないように、パラメータ変化の上限および/または下限を設けても良い。
このように、初期値のパラメータを有する選択対象がn回選択されずに残された場合、n回分のパラメータの変化(向上または低下)が累積される。すなわち、ユーザはある選択対象を選択せずに何度も残すことによって、その選択対のパラメータを所望のレベルまで高めることができ、いわゆる育成のような面白さがある。
ただし、パラメータの低下が累積されることもある。1打席の投球数が増加するに連れ、画面上の複数の球種カード100のそれぞれの非選択の回数もバラバラになり易い(例えば、n回連続で非選択、(n−1)回連続で非選択、(n−2)回だけ非選択等)。すなわち、パラメータの変化の累積回数も、各球種カード100によって様々となる。従って、ユーザに対して、様々な戦略の選択肢を提供できる興趣性の高いゲームを実現できる。
なお、図21では、1球毎に、カード番号1〜4のそれぞれの球種のパラメータの変化の履歴を記憶する例を示しているが、カード番号1〜4のそれぞれの球種の最新のパラメータのみを記憶してもよい。すなわち、球種の選択が確定して投球が行われる毎に、カード番号1〜4のそれぞれの球種のパラメータを、順次、最新の情報に更新(上書き)してもよい。
また、パラメータ管理手段73は、1人の打者キャラクタ112に対する1打席毎に、初球の球種として選択可能に画面に表示されている複数の選択対象のパラメータを全て所定の初期値に設定するようにしてもよい。すなわち、打席に立つ打者キャラクタ112が変わる毎に、カード番号1〜4のそれぞれの球種のパラメータを、全て初期値に設定する。この場合、前述のように、画面に表示される4枚の球種カード100を、全て選択し直してもよいし、前の打席の最終投球時に、選択されないで残った3枚の球種カード100を、次の打席の1球目の選択対象として残し、パラメータを初期値にリセットしてもよい。
そして、パラメータ管理手段73は、1打席が終了するまでの間は、前述のとおり、1投毎に変化させた、非選択の(確定された選択対象以外の)選択対象のパラメータを記憶装置に記憶して、パラメータの変化を累積する。即ち、1打席の間は、同じ打者に対する投球であるため、例えば同じ球種ばかりを連続すると、その打者の目が慣れてくるものとして、1打席の間は、パラメータ変動を累積(蓄積)させるのである。また、ある打席の投球が終わり、次の打席で新たな打者に投球する場合、前の打席の投球が次の打席の打者に影響するものではない。よって、前述のように、1打席毎に(すなわち、打席に立つ打者が変わる毎に)、複数の選択対象のパラメータを全て初期値にリセットする。これにより、現実の野球のリアル性を反映した興趣性の高いゲームを実現できる。
また、図23に例示するように、ゲーム装置1は、選択候補指定手段71、報知手段72、パラメータ管理手段73および表示制御手段74の他に、投球コース選択手段75を備えていることが好ましい。この投球コース選択手段75は、ユーザの操作に関する情報に基づいて、選択候補指定手段71によって指定された選択候補としての球種を、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを選択する機能を有する。
本実施の形態の野球ゲームでは、選択候補指定手段71は、図8等に示すように、選択候補として指定された球種カード100を、ストライクコース領域121およびボールコース領域122に移動させる操作の情報(タッチ入力検出部15から入力される接触位置座標の情報)に基づいて、選択候補としての球種の投球コースを決定する。すなわち、選択候補の球種カード100が、ストライクコース領域121に移動された場合には、投球コースをストライクコースとする一方、ボールコース領域122に移動された場合には、投球コースをボールコースとする。
なお、上記では球種カード100をストライクコース領域121またはボールコース領域122に移動させる操作により、ストライクコースまたはボールコースへの投げ分けを実現しているが、これに限定されるものではない。例えば、図33に示すように、球種カード100を、内角ストライクコース領域155、外角ストライクコース領域156またはボールコース領域157に移動させる操作により、ストライクコースまたはボールコースへの投げ分けと共に、ストライクコースの大まかな投球コースを設定できるようにしてもよい。図33の詳細は後述する。あるいは、ストライクコースまたはボールコースの何れかを選択する、物理的なボタンや方向キーによる操作であってもよい。すなわち、投球コース選択手段75は、少なくともストライクコースとボールコースとの投げ分けができる操作の情報に基づいて、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを選択できればよいので、画面に表示されたボタンに対する操作、物理的なボタンに対する操作等、様々な操作も適用できる。
この構成では、ユーザが選択した球種を、ボールコースに投げるという選択ができるので、ボール球(いわゆるウエストボール、捨て球、遊び球、釣り球、見せ球等と称される投球)をうまく活用して、投球を組み立てることができる。例えば、図12に例示するように、パラメータの低い球種「フォーク」が選択対象として画面に表示されている場合でも、その球種をウエストボールとしてボールコースに投げれば、残りの選択対象の球種(例えば、ストレート)のパラメータを向上させることも可能である。従って、ユーザが決め球として使用したい球種のパラメータを上げるために、他のパラメータの低い球種を敢えてボールコースに投げる、といった戦術をとることができる。このように、パラメータの低い球種であっても、必要に応じてボールコースに投げる(ボールカウントがスリーボールになるまで、最大3回までボールコースに投げることができる)ことにより、大きな存在価値を発揮するので、興趣性の高いゲームを実現できる。
次に、ゲーム装置1の構成のバリエーションを説明する。図24に示すように、ゲーム装置1は、選択候補指定手段71、報知手段72、パラメータ管理手段73、表示制御手段74および投球コース選択手段75の他に、判定手段76を備えていることが好ましい。この判定手段76は、選択候補指定手段71によって指定された前記選択候補としての球種を、ストライクコースに投球したと仮定した場合における、打者に安打を許す危険度、または打者を打ち取る安心度を、前記選択候補としての球種のパラメータに基づいて判定する機能を有する。前記危険度および前記安心度を求める方法の一例を以下に示す。
例えば、球種の球威パラメータのランクS、Aの場合に、危険度10%(安心度90%)、ランクB、Cの場合に、危険度30%(安心度70%)、ランクD、Eの場合に、危険度50%(安心度50%)、ランクF、Gの場合に、危険度70%(安心度30%)というように、球種のパラメータと危険度との関係を予め定めておき、当該関係を示す情報に基づいて、選択候補として指定された球種の危険度または安心度を判定してもよい。また、打者キャラクタ112のパラメータ(打力パラメータ等)に基づいて、前記の危険度または安心度を補正してもよい。例えば、打者キャラクタ112のパラメータがランクBよりも高ければ、危険度を10%高くする(安心度を10%低くする)。また、打者キャラクタ112のパラメータがランクEよりも低ければ、危険度を10%低くする(安心度を10%高くする)。
あるいは、球種のパラメータのランクS、A〜Gに、1〜8の数値を割り当てる。そして、選択候補として指定された球種の球威パラメータの数値をv、打者に安打を許す危険度をD、打者を打ち取る安心度をRとした場合、危険度Dおよび安心度Rを、
D=f(v)=10×a×v ・・・(1)
R=100−D ・・・(2)
として算出してもよい。ここで上式(1)中のaは定数である。
上記の例では、投手キャラクタ111の球種の球威パラメータのみに基づいて、簡易的に危険度または安心度を求めたが、さらに、打者キャラクタ112のパラメータ(打力パラメータ等)に基づいて、前記の危険度または安心度を補正してもよい。例えば、打者キャラクタ112のパラメータをbとし、上式(1)中のaを、a=f(b)としてbの関数として表してもよい。すなわち、上式(1)中のaを、打者キャラクタ112のパラメータbによって変化する変数とする。
そして、報知手段72は、選択候補指定手段71によって選択候補が指定された時点で、前記判定手段76から前記危険度または前記安心度に関する情報を取得して報知する機能を有する。報知の一例を、図25に示す。同図では、画面に危険度表示領域125が設けられ、当該危険度表示領域125に、危険度の数値が表示されることで、ユーザに、選択候補として指定している球種をストライクコースに投球したと仮定した場合の危険度を報知している。これに限らず、例えば、危険度または安心度をゲージ表示したり、イラストで表示したりしてもよい。あるいは、このような画面の表示と併せて、音声による報知を行ってもよい。あるいは画面表示による報知に代えて、音声のみによる報知を行ってもよい。
なお、危険度の表示は、ユーザが指130を球種カード100に接触させることによって選択候補の指定が行われた場合にのみ行われるので、ユーザが画面から指130を離して、選択候補の指定を解除すれば、危険度の表示は消える。
本構成によれば、ユーザは、報知された危険度または安心度を参考にして、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを決定することができる。よって、ウエストボールを上手く活用して打者を打ち取ることを知らない野球ゲーム初心者であっても、ストライクコースに投げると危険度が高い場合には、ボールコースへの投球を選択するようになり、ウエストボールの活用がゲームを通して自然と身に付き、ゲームの面白さを感じることができるようになる。
ここで、本実施の形態のゲーム装置1における投球時の動作の一例を、図26および図27のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
ゲーム装置1は、投手キャラクタ111の持ち球としての複数の球種カード100の中から、選択対象の4枚の球種カード100をランダムに選択する(S1)。なお、ランダムに選択するのではなく、予め決められた順番に従って、球種カード100を選択するようにしてもよい。投手キャラクタ111の持ち球の情報は、図3に例示する選手データベースから取得できる。
また、ゲーム装置1は、前記ステップS1で選択された4枚の球種カード100に、初期値のパラメータを設定する(S2)。この初期値のパラメータも、選手データベースから取得できる。このとき、ゲーム装置1は、4枚の球種カード100およびそれらのパラメータを、図21に例示するように、記憶装置に記憶する。そして、図5に例示するように、ゲーム装置1は、パラメータが初期化された前記4枚の球種カード100を、複数の選択対象として画面に表示する(S3)。
その後、ユーザが4枚の球種カード100の何れかを選択候補として指定したか否かが判定される(S4)。本実施の形態では、図6に示すように、ユーザが4枚の球種カード100の何れかに指130をタッチすることにより、選択候補の指定が可能である。4枚の球種カード100の中から選択候補が指定された場合(S4でYES)、ゲーム装置1は、非指定の3枚の球種カード100のパラメータの変化に関する情報を取得する(S5)。球種のパラメータの変化は、パラメータ管理手段73によって管理されている。例えば、ゲーム装置1は、図18に例示するパラメータ変化情報に基づいて、選択候補に対する選択が確定したと仮定した場合における、選択候補以外の非指定の3枚の球種カード100のそれぞれのパラメータの変化に関する情報を取得する。
そして、ゲーム装置1は、非指定の3枚の球種カード100のパラメータの変化に関する情報を、画面上に報知する(S6)。例えば、図6に示すように、ゲーム装置1は、選択候補以外の3枚の球種カード100のそれぞれに、パラメータの向上または低下を示す矢印オブジェクト131を表示する。これにより、ユーザは、次に投球する球種を選択候補として指定した時点で、指定されていない残りの球種のパラメータがどのように変動するかを、画面上で認識できる。
また、ゲーム装置1は、選択候補として指定された球種を、ストライクコースに投球したと仮定した場合における、打者に安打を許す危険度を、当該球種のパラメータに基づいて判定する(S7)。例えば、上式(1)により、危険度を求める。そして、ゲーム装置1は、図25に例示するように、前記危険度を画面に表示する(S8)。なお、危険度の代わりに、または危険度と併せて、打者を打ち取る安心度を画面に表示するようにしてもよい。このステップS7およびS8は、省略することもできる。
その後、ユーザが、球種カード100にタッチしている指130を離して、選択候補の指定を解除した場合(S9でYES)、ゲーム装置1は、画面に表示されていた矢印オブジェクト131による報知および危険度の報知を解除し(S10)、図5に例示するように、選択候補が指定される前の元の画面表示に戻す。その後、前記ステップS4に遷移する。
一方、ユーザが、選択候補として指定した球種カード100を、ストライクコース領域121またはボールコース領域122へ移動させる操作を行った場合(S11でYES)、ゲーム装置1は、選択候補の球種の選択を確定すると共に、投球コースも同時に確定する(図27のS12)。例えば、図8に示すように、選択候補のストレートの球種カード100が、ストライクコース領域121に移動された場合には、ゲーム装置1は、ストレートをストライクコースに投球するものとして確定する。さらに、ゲーム装置1は、図9に例示するように、投手キャラクタ111による投球を開始させる(S13)。
その後、ゲーム装置1は、打者キャラクタ112による打撃の結果を画面に表示する(S14)。また、ゲーム装置1は、現在打席に立っている、同じ打者キャラクタ112に対する投球を継続するか否かを判断する(S15)。例えば、打者キャラクタ112が打撃したがファールになった場合、空振りしたが三振でない場合、ボールを見送ったが三振または四球でない場合は、同じ打者キャラクタ112に対する投球が継続されるので(S15でYES)、これらの場合はステップS16に移行する。
ステップS16では、ゲーム装置1は、今回の投球では選択されなかった3枚の球種カード100のそれぞれのパラメータを変更する。すなわち、ゲーム装置1は、前記ステップS6において矢印オブジェクト131で報知したとおりに、非選択の3枚の球種カード100のそれぞれのパラメータを変化させる。また、ゲーム装置1は、変化後のパラメータを、図21に例示するように、記憶装置に記憶する。
さらに、ゲーム装置1は、今回の投球では使用された球種カード100に代わる、新たな球種カード100を、投手キャラクタ111の持ち球としての複数の球種カード100の中からランダムに選択する(S17)。そして、ゲーム装置1は、前記新たな球種カード100のパラメータを初期値に設定する(S18)。また、ゲーム装置1は、新たな球種カード100およびそのパラメータ(初期値)を、図21に例示するように、記憶装置に記憶する。また、ゲーム装置1は、投球された球種カード100に代えて、パラメータが初期化された新たな球種カード100を画面に表示する(S19)。その後、図26のステップS4に移行する。
一方、前記ステップS15において、ゲーム装置1は、同じ打者キャラクタ112に対する投球を継続しない場合(S15でNO)、例えば、打者キャラクタ112がヒットを打ったりアウトになったりした場合、スリーアウトでイニングが終了でなければ(S20でNO)、図26のステップS1に移行する。そして、新しい打者キャラクタ112に投球するための4枚の球種カード100が、新たに選択され(S1)、当該4枚の球種カード100のパラメータが初期化される(S2)。
上述のステップS1〜S20の処理は、投手キャラクタ111がスリーアウトをとって、イニングが終了するまで繰り返される。
なお、上記では、選択候補として指定された球種カード100を、ストライクコース領域121またはボールコース領域122に移動させることによって、当該選択候補が選択の対象として確定される例を示したが、これに限定されない。バリエーションとして、選択候補としてある球種カード100がユーザにより指定され、その後所定時間、例えば2秒が経過すれば(指130で、2秒間、球種カード100を押し続ければ)、自動的に当該選択候補の球種カード100が選択の対象として確定され、その球種で投球が開始されるようにしてもよい。この場合は、ストライクコースまたはボールコースの投球コースも自動決定されるものとする。
ところで、前述のように、ストライクコースとボールコースの投げ分けができるように構成することが好ましいが、ユーザが投球コースの設定操作をしない構成にする(すなわち、ユーザは、投球時に球種の選択のみを行う)ようにしてもよい。例えば、図28に示すように、投球操作画面から、前述のストライクコース領域121およびボールコース領域122を省き、球種カード群200の上方の領域を、全て投球領域132とする。そして、ユーザは、球種カード群200の中の任意の球種カード100にタッチして球種カード100をドラッグし、投球領域132まで移動させると、球種が確定し、投手キャラクタ111による投球が開始される。この場合、ゲーム装置1により、投球コースは自動決定される。
また、上記では、球種のパラメータをS、A〜Gの8段階のランクで表したが、これに限定されるものではなく、例えば0〜99の能力値で表してもよい。
また、同一属性の球種の選択を連続するほど、非選択の球種のパラメータの変動量(率)がより大きくなるようにしてもよい。その一例を次に示す。例えば、同一属性の球種を3連続で選択した場合(具体例としては、ストレートを3連投した場合)、選択した球種と同一属性の非選択の球種のパラメータ(能力値)は、1投目で「−5」変化し、2投目でさらに「−7」変化し、3投目でさらに「−9」変化する。よって、この場合、3回とも選択されずに残った前記同一属性の球種のパラメータは、合計で「−21」の変化(低下)となる。一方、同一属性の球種を3連続で選択した場合、選択した球種と異なる属性の非選択の球種のパラメータ(能力値)は、1投目で「+5」変化し、2投目でさらに「+7」変化し、3投目でさらに「+9」変化する。よって、この場合、3回とも選択されずに残った前記異なる属性の球種のパラメータは、合計で「+21」の変化(向上)となる。
また、上記では、複数の選択対象として4枚の球種カード100が画面に表示される例を示したが、選択対象は2以上であればよい。また、画面に表示される選択対象の数は固定である必要はなく、選択対象の数を変動させてもよい。すなわち、場(デッキ)に表示される球種カード100の枚数を変化させてもよい。例えば、通常時は4枚の球種カード100が画面に表示されるが、所定の条件を満たした場合には、球種カード100の枚数が5枚以上になるようにしてもよい。所定の条件の例としては、ユーザが所有しているポイントやゲーム内通貨を消費すること、所定日数(たとえば7日間)連続でゲームにアクセスすること、ゲーム内の試合で3連勝すること等、任意の条件を設定できる。
また、上記では、野球ゲームへの適用例を説明したが、これに限定されるものではない。本実施の形態のゲーム装置1は、複数の選択対象(項目)の中から特定の選択対象が指定された場合に、当該指定に応じた残りの選択対象のパラメータ変動を、事前にユーザに報知することを特徴としている。ゲーム装置1は、この特徴を含む構成であれば、様々なゲームに適用できる。他のゲームへの適用例を以下に示す。
キャラクタまたはアイテムを使用した対戦ゲーム、例えばモンスターキャラクタ(以下、単にモンスターと称する)を使用した対戦ゲームにおいて、複数の選択対象として、複数のモンスターが画面に表示される。例えば、モンスターをカード化し、複数枚のモンスターのカードによるデッキを構成し、当該デッキに含まれる各モンスターを選択対象として画面に表示する。各モンスターには、例えば攻撃力(0〜99)のパラメータが設定されている。
また、各モンスターには複数の属性のうちの何れかの属性が設定されている。例えば、A属性(A属性はB属性に対する相性は良いがC属性に対する相性は悪い)、B属性(B属性はC属性に対する相性は良いがA属性に対する相性は悪い)、C属性(C属性はA属性に対する相性は良いがB属性に対する相性は悪い)という3種類の属性があり、そのうちの何れか1つの属性が各モンスターに設定されている。なお、属性は、2種類または4種類以上であってもよい。
ユーザは、前記デッキの中から次の攻撃に使用するモンスターを選択しながら、敵のモンスターに対する攻撃を仕掛ける。ここで、ゲーム装置1は、デッキの中から次の攻撃に使用するモンスターが選択候補として指定された時点で、指定されていない他のモンスターのパラメータが、どのように変動するのかを、ユーザに報知する。例えば、画面上で、前述の矢印オブジェクト131を表示して報知したり、「+」または「−」の記号で報知したり、「+5」、「−10」等の数値および記号で報知したりする。例えば、ゲーム装置1は、選択候補として指定されたモンスターの属性と同一属性(または同類属性)の非指定のモンスターについては攻撃力が低下する一方、異なる属性の非指定のモンスターについては攻撃力が向上するように報知する。これは、敵が先のモンスターの攻撃に慣れる結果、先と同一(または同類)の属性のモンスターの攻撃には免疫ができるが、異なる属性のモンスターの攻撃には逆に弱くなることを、非指定のモンスターの攻撃力に反映させたものである。
また、例えば、前記モンスターに代えて、武器、戦闘機、戦車等、攻撃のスキル(スキルカード)等のアイテムを選択対象とするゲームであってもよい。このようなキャラクタやアイテムを使用した対戦にも、前述の野球ゲームで説明したゲーム装置1の構成を適用することにより、同様の作用効果を奏する。
なお、上記では、「複数の選択対象の中から選択候補を指定する選択候補指定手段71」および「複数の選択対象の中から選択候補を指定した時点で、ユーザに選択候補以外の選択対象のパラメータ変化を報知する報知手段72」を備えているゲーム装置1について説明してきたが、これらを省略した構成も可能である。すなわち、対戦に使用される複数の選択対象の中からユーザが選択対象を選択するゲームを管理するゲーム装置1(ゲーム管理装置)が、ユーザの操作に関する情報に基づいて、前記複数の選択対象の中からいずれかの選択対象が選択された場合に、当該選択された選択対象以外の選択対象のパラメータを変化させるパラメータ管理手段73を備える構成とすることができる。つまり、図14、図22〜図24において、選択候補指定手段71および報知手段72を省いた構成のゲーム装置1としてもよい。また、図26のフローチャートにおいて、ステップS4〜S10を省略してもよい。
上記の構成では、複数の選択対象の中のいずれかの選択対象の選択が確定した場合に、選択された選択対象以外の選択対象(非選択の選択対象)のパラメータが変化する。前述の野球ゲームの例では、4枚の選択候補の球種カード100の中から、例えばストレートの球種カード100の選択が確定すると、選択されなかった、例えばカーブの球種カード100の球威パラメータが向上(逆に、ストレートの球種カード100の球威パラメータが低下)する。野球以外の対戦ゲームの例では、ユーザのデッキには、複数の選択対象としてのモンスターA、B、C、D、Eが表示されており、その中のモンスターBが対戦相手へ攻撃するために選択された(選択が確定した)場合、他のモンスターA,C,D,Eの攻撃力が変化する。
対戦相手(実際のユーザまたはCPUいずれも含む)が存在する対戦ゲームにおいては、複数の選択対象(項目)の中から何らかの選択対象を選択して対戦に使用することで、対戦相手がその選択対象に慣れてしまう。例えば、ユーザが使用した選択対象と同じ属性の非選択の選択対象に対しては、相手は耐性ができて強くなり、それ以外の非選択の選択対象については、相手は弱くなる。この傾向を、ゲーム上で疑似的に表現するために、ある選択対象が選択されて使用された後は、選択されずに残っている選択対象のパラメータを変化させている。本構成は、様々な対戦ゲームに適用でき、前記選択対象としては、野球ゲームの場合の球種、モンスターをはじめとする種々のキャラクタ、武器、攻撃のスキル等、様々なものを含めることができる。
本構成によれば、複数の選択対象の中から特定の選択対象を選択すれば、当該選択された特定の選択対象に応じて、選択されなかった選択対象のパラメータが変化するので、どの選択対象を選択するかによって、様々な戦略の選択肢が生じる。これにより、興趣性の高いゲームを実現できる。
〔ゲーム装置の主要な機能的構成(第2の実施の形態)〕
以下には、ゲーム画面のサイズが限定されている場合であっても、複数の操作要素を含む投球等のゲーム操作を簡易に行えるユーザインタフェースを実現する、ゲーム装置1の機能的構成を中心に説明する。
本実施の形態のゲーム装置1は、接触操作により、画面に表示された複数の選択対象の中から選択対象を選択して遊戯するゲームを管理するゲーム管理装置であり、図29に例示するように、主に、表示制御手段81、領域設定手段82、パラメータ設定手段83等を備えている。前記の接触操作には、タッチパネル部3に対するタッチ操作の他、表示部の裏面に設けられた背面入力用のタッチパッドに対するタッチ操作(いわゆる背面タッチ操作)等も含まれる。ここでは、タッチパネル部3に対するタッチ操作を例示する。
表示制御手段81は、複数の選択対象を前記画面に表示させる機能を有する。この表示制御手段81は、前述の第1の実施の形態の表示制御手段74と同様の機能を有し、図5に例示するように、複数の選択対象としての複数の球種カード100を、画面に表示させる。
領域設定手段82は、複数のパラメータのそれぞれに対応する複数のパラメータ領域を、複数の選択対象が表示された前記画面内に設定する機能を有する。ここで、複数のパラメータとは、野球ゲームの例では、ストライクコースのパラメータ、ボールコースのパラメータ等の複数の投球コースのパラメータが該当する。複数のパラメータ領域の一例としては、図5に示すように、「ストライクコース」の投球コースパラメータに対応するストライクコース領域121、および「ボールコース」の投球コースパラメータに対応するボールコース領域122が該当する。
なお、領域設定手段82が画面に設定するパラメータ領域の数は、任意に定めることができる。図5に示すように、2つの投球コースに対応する2つのパラメータ領域(ストライクコース領域121およびボールコース領域122)を設定する以外にも、後述するように、3つ以上のパラメータ領域を設定してもよい。
パラメータ設定手段83は、複数の選択対象の中から接触操作により選択された選択対象を、前記複数のパラメータ領域の中のいずれかのパラメータ領域に移動させる操作が行われた場合に、当該選択対象に対して、前記移動させたパラメータ領域に対応するパラメータを設定する機能を有する。
例えば、図8に示すように、ユーザは、画面に表示された複数の選択対象としての4枚の球種カード100の中の特定の球種カード100に指130(またはペン等)を接触させ、接触状態を維持したまま、特定のパラメータ領域(ストライクコース領域121またはボールコース領域122)まで移動させて指を離す操作(いわゆるドラッグ&ドロップの操作)を行う。あるいは、画面上の特定の球種カード100に指を接触させ、特定のパラメータ領域(ストライクコース領域121またはボールコース領域122)の方向へ指を素早くスライドさせる操作、いわゆるフリック操作により、特定の球種カードを特定のパラメータ領域へ移動させてもよい。ユーザによってこのような操作が行われた場合、パラメータ設定手段83は、指130でタッチされた球種カード100(球種)に対して、それが移動させたストライクコース領域121またはボールコース領域122に対応するパラメータを設定する。例えば、ユーザがストレートの球種カード100を指130でタッチして、当該球種カード100をストライクコース領域121まで移動させる操作を行った場合、パラメータ設定手段83は、球種「ストレート」に対して、投球コースパラメータ「ストライクコース」を設定する。
また、ユーザが選んだ球種カード100をストライクコース領域121またはボールコース領域122に移動させるだけで、さらなるユーザの操作がなくとも、決定された球種および投球コースにより、自動的に投手キャラクタ111による投球が開始される。なお、前述のように、別途、投球開始の操作が行われたときに、投手キャラクタ111による投球が開始されるようにしてもよい。
本構成により、野球ゲームの例では、球種の選択および投球コースの設定という複数の操作要素を含むゲーム操作を、画面に表示されている複数の球種カード100の中の1つを、特定のパラメータ領域(ストライクコース領域121またはボールコース領域122)に移動させるという、指1本で簡単に行える操作により実現できる。特に、本構成は、画面のサイズが限定されているスマートフォン等の携帯型端末で実行されるゲームにおいて、効果的なユーザインタフェースを提供できる。
なお、前述の実施の形態1では、複数の選択対象の中から選択候補を指定した時点で、ユーザに選択候補以外の選択対象のパラメータ変化を報知する機能を設けていたが、本実施の形態のユーザインタフェースにも当該機能を設けてもよいし、当該機能を省略してもよい。
また、ユーザが選んだ球種カード100を、ストライクコース領域121等に移動させる操作において、画面上の球種カード100に指130を接触させたまま、指130を画面から離すことなく移動させれば、図8に示すように、指130の接触位置座標の変化に連動して、当該球種カード100もリアルタイムに移動する。但し、これに限定されるものではなく、指130の接触位置座標の変化に遅れて、ユーザが選んだ球種カード100が移動するようにしてもよい。例えば、図30に示すように、ストレートの球種カード100に指130を接触させ、画面への指130の接触状態を連続的に維持したまま(途中で指130を画面から離さずに移動中も接触状態を継続して)、指130をストライクコース領域121の方向へと移動させる。そして、図31に示すように、ストライクコース領域121上で指130を画面から離す。この場合、図30に示すように、画面に接触させた指130の移動中は、球種カード100が元の位置にとどまり、図31に示すように、ストライクコース領域121上で指130が画面から離れたタイミングで、球種カード100がストライクコース領域121に移動し、球種「ストレート」および投球コース「ストライクコース」の両方が、同時に確定されるようにしてもよい。
また、前述の実施の形態1と同様に、ユーザは先ず、球種カード群200の中から選択候補を指定し、当該選択候補を複数のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121およびボールコース領域122)の中のいずれかのパラメータ領域に移動させる操作を行うことによって、選択候補としての球種カード100がパラメータ領域へ移動されたタイミングで、球種と投球コースパラメータとの両方の選択(設定)が確定するようにすることができる。この場合、前記パラメータ設定手段83は、球種カード群200の中から接触操作により指定された選択候補を、複数のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121およびボールコース領域122)の中のいずれかのパラメータ領域に移動させる操作が行われた場合に、前記選択候補を選択の対象として確定すると共に、当該確定された選択の対象に対して、前記移動させたパラメータ領域に対応するパラメータ(例えば、ストライクコースまたはボールコース)を設定する。この場合、選択候補としての球種カード100がパラメータ領域へ移動されるまでは、球種は未確定であり、例えば選択候補から指を離して選択候補の指定を解除すれば、球種は選択されていないことになる。よって、ユーザにとっては、球種の最終決定までに、選択候補の指定と解除とを繰り返して球種を簡単に選び直すことができる。
また、この場合、前述の実施の形態1で説明した「複数の選択対象の中から選択候補を指定した時点で、ユーザに選択候補以外の選択対象のパラメータ変化を報知する」構成を適用すれば、ユーザは、選択候補の指定とその解除とを繰り返して、様々な球種カード100を選択候補として指定してみることにより、次にどの球種を投げれば、さらにその次に投げる球種のパラメータがどのように変化するのかの事前シミュレーションを行うことができる。よって、ユーザには、次の投球だけでなく、その後の展開も想定した投球の組み立てが求められる興趣性の高いゲームが実現できる。
なお、バリエーションとしては、球種カード群200の中の何れかの球種カード100にユーザの指等の接触物が接触したタイミングで、球種カード100(球種)の選択が確定するようにしてもよい。この場合、選択が確定した球種カード100を、複数のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121およびボールコース領域122)の中のいずれかのパラメータ領域に移動させる操作を行うことによって、球種カード100がパラメータ領域へ移動されたタイミングで、投球コースパラメータの設定が確定する。
また、前記複数のパラメータ領域は、第1のパラメータ(例えばストライクコース)に対応する第1のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121)と、第2のパラメータ(例えばボールコース)に対応する第2のパラメータ領域(ボールコース領域122)と、を含む。そして、前記領域設定手段82は、複数の選択対象(例えば、4枚の球種カード100)を間に挟む位置に、前記第1のパラメータ領域および前記第2のパラメータ領域を配置することが好ましい。
例えば、図5に示すように、複数の選択対象としての球種カード群200の上側に第1のパラメータ領域としてのストライクコース領域121を配置し、球種カード群200の下側に第2のパラメータ領域としてのボールコース領域122を配置する。この場合、ユーザは、投球に使用したい球種カード100を、上方または下方の何れかに移動させる操作をするだけで、球種と投球コース(ストライクコースまたはボールコース)とが併せて確定されて、投球が開始される。
なお、図示しないが、複数の選択対象としての球種カード群200を間に挟んで、その左右に、第1のパラメータ領域としてのストライクコース領域121および第2のパラメータ領域としてのボールコース領域122を配置してもよい。
本構成のように、球種カード群200を間に挟む位置に、ストライクコース領域121およびボールコース領域122を配置したことにより、球種カード群200の中から特定の球種カード100を選んで、それを移動させる方向を変えるだけで所望の操作が可能となり、簡単で分かり易いユーザインタフェースを実現できる。
また、本実施の形態の図5等に示すユーザインタフェースは、投球の機能を球種選択と、ストライクコースまたはボールコースのコース選択との2つの機能に限定したものである。そして、球種選択機能を実現するための球種カード群200を間に挟む位置に、コース選択機能を実現するためのストライクコース領域121およびボールコース領域122を各々配置したものである。画面サイズが限られると共に、手で把持した状態で遊戯することが前提のスマートフォン等の携帯型のゲーム装置1の場合、複数段階の操作や詳細な設定操作はユーザにとって煩わしい。しかし、単純に球種選択のみを可能とした場合には、遊戯性の低下が懸念される。これに対して、本実施の形態のユーザインタフェースを適用すれば、スマートフォン等のように画面サイズが限定されている場合であっても、遊戯性を大きく低下させることなく、且つ簡易な操作で、投球操作(球種選択および投球コース選択)を行うことを可能とするゲームを実現できる。
また、前記領域設定手段82は、図5に例示するように、前記第1のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121)および前記第2のパラメータ領域(例えば、ボールコース領域122)を、画面の略左端141から略右端142まで延設することが好ましい。
この構成により、ユーザがスマートフォン等のゲーム装置1を片手で把持しながらゲームを遊戯する場合において、右手で把持する場合も、左手で把持する場合も、片手で(把持した手の親指で)簡単に操作できる。すなわち、ユーザが右手でゲーム端末を把持した場合、右手の親指は画面の右側の領域には届くが、画面の左側の領域には届き難い。逆に、ユーザが左手でゲーム端末を把持した場合、左手の親指は画面の左側の領域には届くが、画面の右側の領域には届き難い。しかし、本構成では、ストライクコース領域121およびボールコース領域122は、何れも画面の左端141またはその近傍および右端142またはその近傍まで、ライン状に延びているので、把持した手が左右のいずれであっても、把持した手の親指は、ストライクコース領域121およびボールコース領域122の何れにも問題なく届く。よって、ユーザがゲーム装置1を左右の何れの手で把持する場合も、把持した手の親指を使用した画面への接触操作により、選択対象としての球種カード100を、ストライクコース領域121またはボールコース領域122へ確実に移動させることができる。
本実施の形態のユーザインタフェースは、「複数の選択対象(項目)の中から特定の選択対象を選択した状態で、複数のパラメータ領域の中の特定のパラメータ領域に前記特定の選択対象を移動させることで、前記特定の選択対象に特定のパラメータが設定される」点にあるので、このバリエーションとしては、以下に示す様々な態様をとることができる。
まず、3つ以上のパラメータ領域を有するユーザインタフェースのバリエーションについて説明する。領域設定手段82によって画面内に設定される複数のパラメータ領域は、第1ないし第nのパラメータ(nは3以上の自然数)にそれぞれ対応する第1ないし第nのパラメータ領域を含む。そして、前記領域設定手段82は、複数の選択対象を囲むように、前記第1ないし第nのパラメータ領域をそれぞれ配置する。例えば、n=4として、第1ないし第4のパラメータ領域が画面に設定される構成を以下に例示する。
第1ないし第4のパラメータを、例えば、高めコース、低めコース、外角コース、内角コース、の4つの投球コースのパラメータとする。そして、図32に例示するように、複数の選択対象としての球種カード群200を、例えば上下左右に囲むように、第1のパラメータ領域「高めコース領域151」、第2のパラメータ領域「低めコース領域152」、第3のパラメータ領域「外角コース領域153」、第4のパラメータ領域「内角コース領域154」がそれぞれ配置される。この例の場合、ユーザは、球種カード群200の中の任意の球種カード100を指で選択した状態でドラッグし、第1ないし第4のパラメータ領域151〜154の何れかの領域上で指を離せば、投球する球種および大まかな投球コース(高めコース、低めコース、外角コース、内角コースの何れか)の設定が可能となる。なお、上記の「外角コース領域153」および「内角コース領域154」は、打者が右打者か左打者かによって左右の位置を設定するようにしてもよい。即ち、図32の例は右打者に対する表示とし、左打者については、図32と左右の位置を逆にするようにしてもよい。この構成によれば、ユーザにとって、内角、外角が直観的に判断できるので、操作性がよい。
また、n=3とする例を挙げると、第1ないし第3のパラメータを、内角のストライクコース、外角のストライクコースおよびボールコースの3つの投球コースのパラメータとする。そして、図33に例示するように、複数の選択対象としての球種カード群200を囲むように、第1のパラメータ領域「内角ストライクコース領域155」、第2のパラメータ領域「外角ストライクコース領域156」、第3のパラメータ領域「ボールコース領域157」が、略三角形に配置される。この例の場合、ユーザは、球種カード群200の中の任意の球種カード100を指で選択した状態でドラッグし、内角ストライクコース領域155で指を離せば、当該球種カード100に対応する球種を、内角のストライクコースに投球することができる。また、同様に、任意の球種カード100をドラッグして、外角ストライクコース領域156まで移動させれば、当該球種カード100に対応する球種を、外角のストライクコースに投球することができる。また、同様に、任意の球種カード100をドラッグして、ボールコース領域157まで移動させれば、当該球種カード100に対応する球種を、ボールコースに投球することができる。なお、本構成においても、図32と同様、「内角ストライクコース領域155」および「外角ストライクコース領域156」は、打者が右打者か左打者かによって左右の位置を設定するようにしてもよい。即ち、図33の例は右打者に対する表示とし、左打者については、図33と左右の位置を逆にするようにしてもよい。この構成によれば、ユーザにとって、内角、外角が直観的に判断できるので、操作性がよい。
なお、前記nは3以上であればよく、複数の選択対象(球種カード群200等)を囲むように、第1ないし第nのパラメータ領域が、略n角形に配置されるようにすることができる。
このように、複数の選択対象である球種カード群200を中心とし、それを囲むように、複数の(3つ以上の)パラメータ領域をその周りに配置する(図32、図33参照)。これにより、球種カード群200の周囲に移動先となる複数のパラメータ領域(図32の領域151〜154、図33の領域155〜157)がまとめて配置されるので、球種カード群200の中から特定の球種カード100を選んでそれを何れかのパラメータ領域に移動させる操作が行い易い。また、球種カード群200の中から特定の球種カード100を選択してそれを移動させる方向を変えるだけで、所望の設定操作が可能となり、簡単で分かり易いユーザインタフェースを実現できる。
また、上記のバリエーションとして、前記第1ないし第nのパラメータ領域の他に、第(n+1)のパラメータに対応する第(n+1)のパラメータ領域をさらに含む構成について説明する。この構成の領域設定手段82は、球種カード群200を囲むように配置された第1ないし第nのパラメータ領域の外側の領域を、前記第(n+1)のパラメータ領域とする。例えば、n=4として、第1ないし第5のパラメータ領域が画面に設定される構成を、図34を参照しながら以下に例示する。
図34は、図32の変形例である。図32と同様に、複数の選択対象としての球種カード群200を上下左右に囲むように、第1のパラメータ領域「高めコース領域151」、第2のパラメータ領域「低めコース領域152」、第3のパラメータ領域「外角コース領域153」、第4のパラメータ領域「内角コース領域154」を配置する。さらに、これら第1ないし第4のパラメータ領域151〜154の外側の領域に、第5のパラメータとしてのボールコースのパラメータを設定するための第5のパラメータ領域「ボールコース領域158」を設ける。図34において、ボールコース領域158を図面中で明確化するため、便宜上、ハッチングで示しているが、実際の画面では、ハッチングは表示されない。
この場合、ユーザは、球種カード群200の中の任意の球種カード100を指で選択した状態でドラッグし、第1ないし第4のパラメータ領域151〜154の何れかの領域上で指を離せば、ストライクコースの設定ができる(ストライクコースにおける高め、低め、外角、内角の大まかなコース設定も可能)。さらに、第1ないし第4のパラメータ領域151〜154を越えた場所(すなわち、第5のパラメータ領域であるボールコース領域158)で指を離せば、ボールコースの設定もできる。なお、本構成においても、図32と同様、「外角コース領域153」および「内角コース領域154」は、打者が右打者か左打者かによって左右の位置を設定するようにしてもよい。即ち、図32の例は右打者に対する表示とし、左打者については、図32と左右の位置を逆にするようにしてもよい。
この構成の場合、ユーザは、球種カード100に接触させた指等の接触物を移動させる方向と移動距離によって、所望の設定操作が可能となり、簡単で分かり易いユーザインタフェースを実現できる。
さらに、図34に示すユーザインタフェースのバリエーションとしては、第1ないし第4のパラメータ領域151〜154の外側に設けられたボールコース領域158のどの位置に、球種カード100が移動されたか(球種カード100をドラッグする指をどの位置で画面から離したか)によって、次に示すように、ボールコースにおける大まかなコース設定を可能としてもよい。
すなわち、高めコース領域151を越えた位置(高めコース領域151よりも上方のボールコース領域158)に、球種カード100が移動された場合、パラメータ設定手段83は、当該球種カード100の球種に対して高めのボールコースを設定する。また、低めコース領域152を越えた位置(低めコース領域152よりも下方のボールコース領域158)に、球種カード100が移動された場合、パラメータ設定手段83は、当該球種カード100の球種に対して低めのボールコースを設定する。また、外角コース領域153を越えた位置(外角コース領域153よりも左方のボールコース領域158)に、球種カード100が移動された場合、パラメータ設定手段83は、当該球種カード100の球種に対して外角のボールコースを設定する。また、内角コース領域154を越えた位置(内角コース領域154よりも右方のボールコース領域158)に、球種カード100が移動された場合、パラメータ設定手段83は、当該球種カード100の球種に対して内角のボールコースを設定する。これにより、ストライクコースおよびボールコースの何れにおいても、高め、低め、外角、内角の大まかなコース設定が可能となる。
さらに、図32または図34に示すユーザインタフェースのバリエーションとしては、第1ないし第4のパラメータ領域151〜154内のどの位置に、球種カード100が移動されたか(球種カード100をドラッグする指をどの位置で画面から離したか)によって、次に示すように、ストライクコースにおける詳細なコース設定を可能としてもよい。
図35に示すように、高めコース領域151および低めコース領域152の水平方向(X方向)の長さLは、ストライクゾーンの水平方向の距離と一致している。なお、図35中に一点鎖線で記載しているホームベース145は、ストライクゾーンの水平方向の距離を説明するために仮想的に記載したものである。そして、高めコース領域151および低めコース領域152の水平方向の位置が、ストライクゾーンの水平方向の位置と一致する。また、図35において、便宜上、3枚の球種カード100の記載を省略し、移動された1枚の球種カード100のみを一点鎖線で記載している。例えば、ユーザが、球種カード100を低めコース領域152までドラッグして移動させ、座標(X1,Y1)で指130を画面から離した場合、パラメータ設定手段83は、球種カード100の移動先の位置(指130を離した位置)のX座標の値X1に基づいて、ストライクゾーンの水平方向の投球コースを設定する。図35の例の場合、低めコース領域152内の左寄り(外角寄り)の位置X1で、指130が離されているので、パラメータ設定手段83は、投球コースパラメータを、ストライクコースの外角低めに設定する。
また、外角コース領域153および内角コース領域154の垂直方向(Y方向)の長さHは、ストライクゾーンの垂直方向の距離と一致している。そして、外角コース領域153および内角コース領域154の垂直方向の位置が、ストライクゾーンの水平方向の位置と一致する。例えば、ユーザが、球種カード100を外角コース領域153までドラッグして移動させ、座標(X2,Y2)で指130を画面から離した場合、パラメータ設定手段83は、球種カード100の移動先の位置(指130を離した位置)のY座標の値Y2に基づいて、ストライクゾーンの垂直方向の投球コースを設定する。この場合では、外角コース領域153内の上側(高め寄り)の位置Y2で、指130が離されているので、パラメータ設定手段83は、投球コースパラメータを、ストライクコースの外角高めに設定する。
次に、ユーザインタフェースの他のバリエーションについて説明する。図36に例示するように、前記複数のパラメータ領域は、第1のパラメータ(例えばストライクコース)に対応する第1のパラメータ領域(例えば、ストライクコース領域121)と、第2のパラメータ(例えばボールコース)に対応する第2のパラメータ領域(ボールコース領域122)と、を含む。そして、前記領域設定手段82は、複数の選択対象としての球種カード群200を環状に囲むように前記第1のパラメータ領域としてのストライクコース領域121を配置すると共に、前記第1のパラメータ領域の外側の領域を前記第2のパラメータ領域としてボールコース領域122とする。
なお、図36において、ボールコース領域122を図面中で明確化するため、便宜上、ハッチングで示しているが、実際の画面では、ハッチングは表示されない。
この例の場合、ユーザは、球種カード群200の中の任意の球種カード100を指で選択した状態でドラッグし、ストライクコース領域121で指を離せば、当該球種カード100に対応する球種を、ストライクコースに投球することができる。また、任意の球種カード100をドラッグして、ストライクコース領域121を越えた場所(すなわち、ボールコース領域122)で指を離せば、当該球種カード100に対応する球種を、ボールコースに投球することができる。
なお、図36では、球種カード群200を環状に囲むストライクコース領域121を、長方形(正方形でもよい)とした例を示したが、これに限定さえるものではなく、図37に示すように、ストライクコース領域121を楕円形(円形でもよい)としたり、図38に示すように、ストライクコース領域121を菱形としたりしてもよい。
本構成の場合、球種カード100に接触させた指等の接触物を移動させる方向は問わず、その移動距離によって、所望の設定操作が可能となり、簡単で分かり易いユーザインタフェースを実現できる。
なお、選択対象としての球種カード100の形状は、長方形に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。たとえば、図38では、球種カード100の形状を、ストライクコース領域121の形状に合わせて、三角形にしている。
以上のように、本実施の形態のゲーム装置1は、接触操作により、画面に表示された複数の球種の中から、投手が投球する球種を選択して遊戯する野球ゲームを管理(制御)する。図39に例示するように、本ゲーム装置1の好ましい一態様は、前記複数の球種を選択するための複数の球種カード100(球種選択用オブジェクト)を前記画面に表示させる表示制御手段81を備えている。また、ゲーム装置1は、図5に例示するように、前記画面内における複数の球種カード100を間に挟む位置に、ストライクコースのパラメータに対応する帯状のストライクコース領域121と、ボールコースのパラメータに対応する帯状のボールコース領域122とを設定する領域設定手段82を備えている。また、ゲーム装置1は、前記複数の球種カード100の中から選択候補として指定された特定の球種カード100を、前記ストライクコース領域121または前記ボールコース領域122の何れかに移動させる操作が行われた場合に、前記特定の球種カード100に対応する球種の選択を確定すると共に、当該球種を投げるコースのパラメータとして、移動先の前記ストライクコース領域121または前記ボールコース領域122に対応するストライクコースまたはボールコースを設定して、投球を開始させる投球実行手段84を備えている。
本構成により、球種の選択、投球コースの設定、投球開始といった3つの操作要素を含む投球操作を、画面に表示されている複数の球種カード100の中の1つを、特定のパラメータ領域に移動させるという、指1本で簡単に行える操作により実現できる。特に、本構成は、画面のサイズが限定されているスマートフォン等の携帯型端末で実行されるゲームにおいて、効果的なユーザインタフェースを提供できる。
本実施の形態のユーザインタフェースを使用したゲーム装置1の動作の一例は、前述した図26および図27のフローチャートに記載したとおりである。なお、前記フローチャートにおいて、選択候補を指定した時点で、選択候補以外の選択対象のパラメータ変化を事前に報知する動作(S5、S6)、および打者に安打を許す危険度を報知する動作(S7、S8)の両方または何れか一方を省略してもよい。
また、当然ながら、本実施の形態1に記載のゲーム装置1の構成に、前述の実施の形態2に記載の各構成(手段71〜76等)の全部または一部を組み合わせることが可能である。
なお、上述した野球ゲームでは、選択対象を「球種」とし、画面に複数の「球種」(球種カード100)を表示させる例を示したが、「球種」に代えて、「球速」、「球威」等を選択対象としてもよい。選択対象を「球速」とする場合であれば、例えば、速い、普通、スローという複数の「球速」の中からユーザが任意の「球速」を選択できるようにする。例えば、図5、図28、図32〜図34、図36〜図38等に示す画面内の複数の球種カード100(球種カード群200)の代わりに、複数の「球速」(球速カード)を表示させる。この場合、例えば、スローの「球速」(球速カード)を、図5のストライクコース領域121に移動させる操作が行われた場合に、スローボールをストライクコースに投げるといった設定ができる。
また、上記では、野球ゲームへの適用例を説明したが、これに限定されるものではない。本実施の形態のゲーム装置1は、複数の選択対象(項目)の中から接触操作により選択された選択対象を、複数のパラメータ領域の中のいずれかのパラメータ領域に移動させる操作が行われた場合に、当該選択対象に対して、前記移動させたパラメータ領域に対応するパラメータを設定することを特徴としている。ゲーム装置1は、この特徴を含む構成であれば、様々なゲームに適用できる。他のゲームへの適用例を以下に示す。
キャラクタまたはアイテムを使用した対戦ゲーム、例えば前述したモンスターを使用した対戦ゲームにおいて、複数の選択対象として、複数のモンスターが画面に表示される。そして、ゲームの画面には、複数のモンスターを挟んで、複数のパラメータ領域として、例えば攻撃領域と防御領域とが配置される。攻撃領域は、モンスターに攻撃を行わせるパラメータ領域である。また、防御領域は、モンスターに防御を行わせるパラメータ領域である。ユーザは、画面に表示されている複数のモンスターの中の任意のモンスターに指でタッチし、攻撃領域または防御領域へと移動させる操作を行う。モンスターを攻撃領域に移動させた場合には、当該モンスターが相手に攻撃を仕掛ける。一方、モンスターを防御領域に移動させた場合には、当該モンスターが相手からの攻撃を防御する。
上記モンスター対戦ゲームのバリエーションとしては、複数のパラメータ領域として、例えば、陸上攻撃領域、海上攻撃領域、航空攻撃領域および防御領域を設ける。そして、これら4つのパラメータ領域を、複数のモンスターを囲むようにして配置する。このバリエーションでは、複数のモンスターの中の任意のモンスターを、前記4つのパラメータ領域の何れかに移動させることにより、陸、海、空の何れかの攻撃または防御を行わせる操作が可能となる。
また、例えば、前記モンスターに代えて、武器、戦闘機、戦車等、攻撃または防御のスキル(スキルカード)等のアイテムを選択対象とするゲームであってもよい。このようなキャラクタやアイテムを使用したゲームにも、前述の野球ゲームで説明したゲーム装置1の構成を適用することにより、同様の作用効果を奏する。
〔ゲーム管理装置の他の構成例〕
前述の各実施の形態では、ゲーム管理装置を、ユーザが操作するゲーム装置1にて実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム管理装置を各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム管理装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
ゲーム管理装置をサーバとして構成する例について説明する。ゲーム管理装置としてのサーバが組み込まれたゲームシステムの構成例を、図40に示している。同図に示すように、このゲームシステムは、インターネットなどのネットワーク304上に設置されたゲームサーバ301と、ネットワーク304を介してゲームサーバ301と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置303とによって構成される。
このゲームシステムの例において、ゲームサーバ301は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置303からのネットワーク304を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワーク304を介したゲームサービスを提供する。
ゲームサーバ301によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がゲームサーバ301に実装されており、端末装置303でゲームを実行するのではなく、端末装置303でのゲーム操作入力に応じてゲームサーバ301でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置303に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置303に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをゲームサーバ301が提供する。あるいは、ゲームサーバ301でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置303に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをゲームサーバ301が提供する。
なお、端末装置303にゲームプログラムの一部をインストールし、端末装置303においても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
ゲームサーバ301および端末装置303のハード構成は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信インタフェース等を備えた、一般的なコンピュータの構成とすることができる。端末装置303としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)など、ネットワーク304経由でゲームサーバ301に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
前記のブラウザゲームやクラウドゲーミングでは、ユーザの端末装置303は、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はゲームサーバ301側にある。よって、例えば、図40に示すように、ゲームサーバ301が、前述の実施の形態1で説明した、選択候補指定手段71、報知手段72、パラメータ管理手段73等を備える構成とすることができる。なお、図40では、ゲームサーバ301が前記手段71〜73のみを備えている例を示しているが、前述の実施の形態1で説明したその他の手段74〜76の一部または全部を、ゲームサーバ301の構成要素として含めてもよい。この構成でも、前述の実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
同様に、例えば、図41に示すように、ゲームサーバ301が、前述の実施の形態2で説明した、表示制御手段81、領域設定手段82、パラメータ設定手段83等を備える構成とすることができる。なお、図41では、ゲームサーバ301が前記手段81〜83のみを備えている例を示しているが、前述の実施の形態2で説明した投球実行手段84等を、ゲームサーバ301の構成要素として含めてもよい。この構成でも、前述の実施の形態2と同様の作用効果を奏する。
また、当然ながら、前述の実施の形態1に記載の各構成(手段71〜76等)と、前述の実施の形態2に記載の各構成(手段81〜84等)を種々組み合わせた構成のゲームサーバ301とすることが可能である。
また、ゲームサーバ301(サーバ)と端末装置303とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、ゲームサーバ301と端末装置303とを含むゲームシステムにおいて、上述の各実施の形態で説明したゲーム装置1が具備していた手段71〜76、81〜84等の全部または一部は、サーバまたは端末装置の何れか一方が備えていればよい。このシステム構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置またはゲームシステムの内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置、ゲームサーバ、端末装置のRAMや補助記憶装置、あるいはゲーム装置、ゲームサーバ、端末装置とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム管理装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
これまで説明してきたように、本実施の形態のゲーム管理装置等の概要は、以下のとおりである。
1)本発明の一態様によるゲーム管理装置(1、301、303)は、複数の選択対象の中からユーザがいずれかの対象を選択するゲームを管理するゲーム管理装置(1、301、303)であって、ユーザの操作に関する情報に基づいて、前記複数の選択対象の中から選択候補を指定する選択候補指定手段(71)と、前記選択候補指定手段(71)によって前記選択候補が指定された時点で、当該指定された選択候補以外の前記選択対象のパラメータの変化に関する情報を報知する報知手段(72)と、前記指定された選択候補が選択の対象として確定された場合に、当該確定された選択の対象以外の前記選択対象のパラメータを変化させるパラメータ管理手段(73)と、を備える。
この構成のゲーム管理装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム管理装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム管理装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成によれば、複数の選択対象(例えば野球ゲームであれば、ストレート、カーブ、フォーク等の球種情報をカード化した複数の球種カード)が画面に表示され、その中からユーザが任意の選択対象を選択しながら遊戯する。野球ゲームにおいて、ユーザが投手としてプレイする場合、投手が次に投球する球種の選択を、画面に表示された複数の球種カードの中から任意に1つ選択することにより行う。ここで、ユーザが、複数の選択対象の中から特定の選択対象を選択候補として指定する操作(例えば、タッチパネルに表示された複数の球種カードの中の1つに指を接触させる操作)を行った時点で、当該指定された選択候補以外の残りの選択対象のパラメータの変化に関する情報が報知される。例えば、ユーザが選択候補としてストレートの球種カードを指定すると、その選択が確定する前に、選択が確定したと仮定した場合の残りの球種カードのパラメータの変化に関する情報(例えば、球威パラメータの向上/低下を矢印、数値、記号等で表す情報)が画面に表示される。
パラメータ管理手段は、複数の選択対象のそれぞれのパラメータを管理するものであり、指定された選択候補が選択の対象として確定された場合に、当該確定された選択の対象以外の前記選択対象のパラメータを変化させる。よって、例えば、報知手段は、選択候補指定手段によって特定の選択対象が指定された時点で、前記特定の選択対象に対する選択が確定したと仮定した場合における、残りの選択対象のパラメータの変化に関する情報を、パラメータ管理手段から取得して報知することが可能である。あるいは、報知手段は、前記パラメータの変化に関する情報を、パラメータ管理手段から取得するのではなく、例えば、独自に管理するものとしてもよい。
本構成により、ユーザは、次に投球する球種を選択候補として指定した時点で、指定されていない残りの球種のパラメータがどのように変動するかを認識できる。従って、ユーザはどの球種を次に投げれば、さらにその次の投球でどのようなパラメータの球種を投球できるかを、事前に知ることができるので、次の投球だけでなくその後の展開も想定した投球の組み立てが求められる興趣性の高いゲームを実現することができる。
2)上記の1)の構成において、前記複数の選択対象のそれぞれには、複数の属性のうちの何れかの属性が設定されており、パラメータ管理手段(73)は、前記確定された選択の対象の属性と、前記確定された選択の対象以外の前記選択対象の属性との関係に基づいて、前記確定された選択の対象以外の前記選択対象のパラメータを変化させることが好ましい。
例えば、野球ゲームの場合、選択対象としての球種に対して、「速い球」または「遅い球」の何れかの属性が設定される。具体例としては、ストレート、カットボール等の球種には属性「速い球」が設定されており、カーブ、チェンジアップ等の球種には属性「遅い球」が設定されている。
例えば、ユーザによって選択された特定の選択対象の属性と、選択されていない残りの選択対象の属性との関係が、同一属性の関係であれば、残りの選択対象のパラメータを低下させる(向上させてもよい)。上記の野球ゲームの例では、「速い球」(または「遅い球」)を投げると、打者の目がその球速に慣れるものとして、同一属性の「速い球」(または「遅い球」)の球威パラメータを低下させる。
また、例えば、ユーザによって選択された特定の選択対象の属性と、選択されていない残りの選択対象の属性との関係が、異なる属性の関係であれば、残りの選択対象のパラメータを向上させる(低下させてもよい)。上記の野球ゲームの例では、「速い球」(または「遅い球」)を投げると、異なる属性の「遅い球」(または「速い球」)に対しては緩急の変化に打者の目がついていかないものとして、当該異なる属性の球種の球威パラメータを向上させる。
本構成では、ユーザが特定の選択対象を選択候補として指定した時点で、特定の選択対象の属性と、残りの選択対象の属性との関係に基づいた、残りの選択対象のパラメータ変化が投球前にユーザに報知される。よって、例えばストレートを投げれば、ストレートやカットボールの球威パラメータが低下するが、カーブやチェンジアップの球威パラメータが向上するという、現実世界の野球における投球のようなリアル感のあるゲームを実現できる。
3)上記の1)または2)の構成において、前記選択候補が選択の対象として確定され、当該確定された選択の対象に関するゲームが進行した後、当該確定された選択の対象を消去して、新たな選択対象を画面に表示させる表示制御手段(74)をさらに備え、前記パラメータ管理手段(73)は、前記新たな選択対象のパラメータを所定の初期値に設定することが好ましい。
例えば野球ゲームの場合、球種カードの選択が確定して投球が行われた後、当該球種カードが画面から消去され、代わりに新たな選択対象としての球種カードが補充される。例えば、投手が投球可能な球種(いわゆる持ち球)の中からランダムに選択された球種の球種カードが補充される。そして、新たな選択対象として補充された球種カードのパラメータは、所定の初期値(いわゆるデフォルト値)に設定される。
一方、画面に表示されている残りの選択対象(確定された選択の対象以外の選択対象)については、それまでのパラメータ変化の影響はそのまま継続させる。その結果、例えば、ストレートの球種カードが選択されたことにより、残りの選択対象としてのカーブの球種カードのパラメータが向上し、その後、カーブの球種カードが新たに補充された場合には、パラメータが向上したカーブの球種カードと、パラメータが初期値のカーブの球種カードとが混在することになる。このように、同じカーブの球種でも、パラメータが異なるので、選択対象のバリエーションが増え、ユーザはそれを考慮しながら球種を選択する面白さがある。
4)上記の1)ないし3)の何れかの構成において、前記パラメータ管理手段(73)は、前記指定された選択候補が選択の対象として確定される毎に、当該確定された選択の対象以外の前記選択対象の変化後のパラメータを記憶装置に記憶して前記パラメータの変化を累積することが好ましい。
この構成では、特定の選択対象に対する選択が確定する毎に、画面に表示されていた残りの選択対象についてはパラメータが変化し、その変化は累積される。例えば、ストレートを2連投(2回連続してストレートを選択)した場合、2回とも選択されずに残ったカーブの球威パラメータが2段階向上する。
このように、例えば、初期値のパラメータを有する選択対象がn回選択されずに残された場合、n回分のパラメータの変化が累積される。すなわち、ユーザはある選択対象を選択せずに何度も残すことによって、その選択対のパラメータを所望のレベルまで高めることができ、いわゆる育成のような面白さがある。
5)上記の1)ないし4)の何れかの構成において、前記ゲームは、複数の球種の中から選択された球種を投手が投球する野球ゲームであり、前記複数の選択対象は、前記投手が投球可能な球種の全部または一部であることが好ましい。前述の各構成は、野球ゲームにおいて、投手が投球する球種をユーザが選択する構成として好適である。
6)上記の5)の構成において、前記パラメータ管理手段(73)は、1人の打者に対する1打席毎に、初球の球種として選択可能に画面に表示されている前記複数の選択対象のパラメータを全て所定の初期値に設定すると共に、1打席が終了するまでの間は、1投毎に変化させた、前記確定された選択の対象以外の前記選択対象のパラメータを記憶装置に記憶して、前記パラメータの変化を累積することが好ましい。
この構成によれば、1打席毎に(すなわち、打席に立つ打者が変わる毎に)、複数の選択対象(球種)のパラメータが全て所定の初期値に設定される。そして、1打席の間は、選択されずに残された球種のパラメータ変動は累積されていく。即ち、1打席の間は、同じ打者に対する投球であるため、例えば同じ球種ばかりを連続すると、その打者の目が慣れてくるものとして、1打席の間は、パラメータ変動を累積(蓄積)させるのである。また、ある打席の投球が終わり、次の打席で新たな打者に投球する場合、前の打席の投球が次の打席の打者に影響するものではないので、複数の選択対象のパラメータを全て初期値にリセットする。これにより、現実の野球のリアル性を反映した興趣性の高いゲームを実現できる。
7)上記の5)または6)の構成において、ユーザの操作に関する情報に基づいて、前記選択候補指定手段(71)によって指定された前記選択候補としての球種を、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを選択する投球コース選択手段(75)をさらに備えることが好ましい。
この構成では、ユーザが選択した球種を、ボールコースに投げるという選択ができるので、ボール球(いわゆるウエストボール、捨て球、遊び球、釣り球、見せ球等と称される投球)をうまく活用して、投球を組み立てることができる。例えば、パラメータの低い球種(例えばフォークボール)が選択対象として画面に表示されている場合でも、その球種をウエストボールとしてボールコースに投げれば、残りの選択対象の球種(例えば、ストレート)のパラメータを向上させることも可能である。従って、ユーザが決め球として使用したい球種のパラメータを上げるために、他のパラメータの低い球種を敢えてボールコースに投げる、といった戦術をとることができる。このように、パラメータの低い球種であっても、必要に応じてボールコースに投げる(ボールカウントがスリーボールになるまで、最大3回までボールコースに投げることができる)ことにより、大きな存在価値を発揮するので、興趣性の高いゲームを実現できる。
8)上記の7)の構成において、前記選択候補指定手段(71)によって指定された前記選択候補としての球種を、前記ストライクコースに投球したと仮定した場合における、打者に安打を許す危険度、または打者を打ち取る安心度を、前記選択候補としての球種のパラメータに基づいて判定する判定手段(76)をさらに備え、前記報知手段(72)は、前記選択候補指定手段(71)によって前記選択候補が指定された時点で、前記判定手段(76)から前記危険度または前記安心度に関する情報を取得して報知することが好ましい。
この構成によれば、特定の選択対象の球種が選択候補として指定された時点で、その球種をストライクコースに投球したと仮定した場合における、打者に安打を許す危険度、または打者を打ち取る安心度が報知される(例えば、画面に数値やゲージ等で表示される)。これにより、ユーザは、報知された危険度または安心度を参考にして、ストライクコースまたはボールコースの何れに投球するかを決定することができる。よって、ウエストボールを上手く活用して打者を打ち取ることを知らない野球ゲーム初心者であっても、ストライクコースに投げると危険度が高い場合には、ボールコースへの投球を選択するようになり、ウエストボールの活用がゲームを通して自然と身に付き、ゲームの面白さを感じることができるようになる。
9)本発明の他の一態様によるゲーム管理装置(1、301、303)は、対戦に使用される複数の選択対象の中からユーザが選択対象を選択するゲームを管理するゲーム管理装置(1、301、303)であって、ユーザの操作に関する情報に基づいて、前記複数の選択対象の中からいずれかの選択対象が選択された場合に、当該選択された選択対象以外の選択対象のパラメータを変化させるパラメータ管理手段(73)を備える。
対戦相手(実際のユーザまたはCPUいずれも含む)が存在する対戦ゲームにおいては、複数の選択対象(項目)の中から何らかの選択対象を選択して対戦に使用することで、対戦相手がその選択対象に慣れてしまう。例えば、ユーザが使用した選択対象と同じ属性の非選択の選択対象に対しては、相手は耐性ができて強くなり、それ以外の非選択の選択対象については、相手は弱くなる。この傾向を、ゲーム上で疑似的に表現するために、ある選択対象が選択されて使用された後は、選択されずに残っている選択対象のパラメータを変化させている。本構成は、様々な対戦ゲームに適用でき、前記選択対象としては、野球ゲームの場合の球種、モンスターをはじめとする種々のキャラクタ、武器、攻撃のスキル等、様々なものを含めることができる。
本構成によれば、複数の選択対象の中から特定の選択対象を選択すれば、当該選択された特定の選択対象に応じて、選択されなかった選択対象のパラメータが変化するので、どの選択対象を選択するかによって、様々な戦略の選択肢が生じる。これにより、興趣性の高いゲームを実現できる。
10)本発明の他の一態様によるゲームシステムは、サーバ(301)と、当該サーバ(301)との間で通信を行う端末装置(303)と、を含み、複数の選択対象の中からユーザがいずれかの対象を選択するゲームを管理するゲームシステムであって、ユーザの操作に関する情報に基づいて、前記複数の選択対象の中から選択候補を指定する選択候補指定手段(71)、前記選択候補指定手段(71)によって前記選択候補が指定された時点で、当該指定された選択候補以外の前記選択対象のパラメータの変化に関する情報を報知する報知手段(72)、前記指定された選択候補が選択の対象として確定された場合に、当該確定された選択の対象以外の前記選択対象のパラメータを変化させるパラメータ管理手段(73)、を前記サーバ(301)又は前記端末装置(303)のいずれか一方が備える。
11)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを上記の1)ないし9)の何れかに記載のゲーム管理装置(1、301、303)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム管理装置(1、301、303)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。