JP6675505B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、光電変換素子の製造方法に関する。
有機光電変換材料、または、有機物と無機物とを含む光電変換材料、を用いた太陽電池やセンサなどの光電変換素子が研究開発されている。光電変換材料を塗布または印刷することによって、光電変換素子を生産できると、比較的低コストでデバイスを作製することができる可能性がある。このような光電変換素子において、変換効率を高め、耐久性を向上させることが望まれる。
特開2014−49551号公報
本発明の実施形態は、耐久性を向上させることができる光電変換素子の製造方法を提供する。
本発明の実施形態によれば、光電変換素子の製造方法は、ペロブスカイト構造を有する材料を含む光電変換層の上に、金属酸化物前駆体液体、及び、チオシアン酸を含む溶液の少なくともいずれかを含む液体を塗布して中間層を形成する工程と、前記中間層の上に、第1物質と第2物質とを含む第1層を形成する工程と、を含む。前記第1層における前記第2物質の濃度は、前記第1層における前記第1物質の濃度よりも低い。前記第1層における前記第2物質の濃度は、前記光電変換層における前記第2物質の濃度の10倍以上である。
図1(a)〜図1(c)は、実施形態に係る光電変換素子を例示する模式図である。 実施形態に係る光電変換素子の製造方法を例示するフローチャートである。 参考例に係る光電変換素子を例示する写真像である。 図4(a)〜図4(c)は、実施形態に係る別の光電変換素子を例示する模式的断面図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1(a)〜図1(c)は、実施形態に係る光電変換素子を例示する模式図である。
図1(a)は、実施形態に係る光電変換素子101を例示する模式的平面図である。図1(b)は、図1(a)に表した切断面A−A’における光電変換素子101の模式的断面図である。図1(c)は、図1(a)に表した切断面B−B’における光電変換素子101の模式的断面図である。
図1(a)〜図1(c)に表したように、光電変換素子101は、第1層11と、中間層31と、光電変換層13と、を含む。さらに、光電変換素子101は、第2層12と、第1電極10と、第2電極20と、基板15と、を含む。光電変換素子101は、例えば、太陽電池またはセンサである。
本願明細書において、光電変換層13から第1層11へ向かう積層方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直で、Z軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
第2電極20は、基板15の一部の上に設けられる。第2電極20は、陽極および陰極のいずれか一方である。
第1電極10は、基板15の上に設けられ、第2電極20と離間している。第1電極10は、陽極および陰極のいずれか他方である。
図1(c)に表したように、第1電極10は、第1部分10aと、第2部分10bと、第3部分10cと、を含む。第1部分10aは、第2電極20の上に設けられ、Z軸方向において第2電極20と離間する。例えば、第1部分10aは、第2電極20に対して平行である。第2部分10bは、Y軸方向において、第2電極20と並ぶ。第3部分10cは、第1部分10aと第2部分10bとの間に設けられ、第1部分10aと第2部分10bとを接続する部分である。
光電変換層13は、第1電極10(第1部分10a)と、第2電極20と、の間に設けられる。光電変換層13は、ペロブスカイト構造を有する材料を含む。
第1層11(第1のバッファ層)は、第1電極10(第1部分10a)と、光電変換層13と、の間に設けられる。
第2層12(第2のバッファ層)は、第2電極20と、光電変換層13と、の間に設けられる。
第1層11および第2層12は、正孔または電子を輸送するキャリア輸送層である。第1層11および第2層12の少なくともいずれかは、ドーパントを含む。これにより、キャリア輸送層の輸送性が向上する。
この例では、第1層11がドープされたキャリア輸送層であり、第1層11は、正孔輸送性を有するキャリア輸送層(正孔輸送層)である。そして、第2層12は、電子輸送性を有するキャリア輸送層(電子輸送層)である。
中間層31は、ドープされたキャリア輸送層と、光電変換層13と、の間に設けられる。すなわち、第1層11と光電変換層13との間に、中間層31が設けられている。中間層31は、好ましくは金属酸化物およびチオシアン酸塩の少なくともいずれかを含む。中間層31は、第1層11のドーパントが光電変換層13へ拡散することを抑制するドーパントブロック層である。
例えば、基板15と第2電極20と第2層12とを介して、光電変換層13に光が入射する。または、第1電極10と第1層11と中間層31とを介して、光電変換層13に光が入射する。このとき、光電変換層13において、入射した光によって電子または正孔が励起される。
励起された正孔は、第1層11を介して第1電極10から取り出される。そして、励起された電子は、第2層12を介して第2電極20から取り出される。このようにして、光電変換素子101に入射した光に応じて、第1電極10および第2電極20を介して電気が取り出される。
次に、本実施形態に係る光電変換素子に用いられる部材の詳細について説明する。
(基板15)
基板15は、ほかの構成部材(第1電極10、第2電極20、第1層11、第2層12、中間層31、光電変換層13および絶縁層17)を支持する。この基板15は、電極を形成することができる。基板15としては、熱や有機溶媒によって変質しないものが好ましい。基板15は、例えば、無機材料を含む基板、プラスチック基板、高分子フィルム、または、金属基板等である。無機材料としては、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。プラスチック及び高分子フィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。金属基板の材料としては、ステンレス鋼(SUS)、チタン、シリコン等が挙げられる。
光電変換素子101の光が入射する側に基板15が配置される場合、基板15には、光透過率の高い(例えば透明な)材料を使用する。基板15とは反対側の電極(この例では第1電極10)が透明または半透明である場合、基板15として不透明な基板を使用してもよい。その他の構成部材を支持するために十分な強度を有していれば、基板15の厚さは、特に限定されない。
光電変換素子101の光が入射する側に基板15が配置される場合には、例えば、光入射面にモスアイ構造の反射防止膜を設置する。これにより、光を効率的に取り込み、セルのエネルギー変換効率を向上させることが可能である。モスアイ構造は、表面に100ナノメートル(nm)程度の規則的な突起配列を有する構造である。この突起構造により厚み方向の屈折率が連続的に変化する。そのため、無反射フィルムを媒介させることで、屈折率の不連続的な変化を減少させることができる。これにより、光の反射が減少し、セル効率が向上する。
(第1電極10および第2電極20)
第1電極10および第2電極20に関する説明において、単に「電極」という場合には、第1電極10および第2電極20の少なくともいずれかをいうものとする。
第1電極10の材料および第2電極20の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されない。光を透過させる側の電極(例えば第2電極20)の材料としては、透明または半透明の導電性を有する材料が用いられる。第1電極10及び第2電極20は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で形成される。透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。
具体的には、透明または半透明の電極として、導電性酸化物膜や、金、白金、銀または銅等を含む金属膜が用いられる。導電性酸化物膜の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等が挙げられる。導電性酸化物の材料として、特に、ITOまたはFTOが用いられることが好ましい。
電極の厚さは、電極の材料がITOの場合には、30nm以上300nm以下であることが好ましい。電極の厚さが30nmより薄いと導電性が低下して抵抗が高くなる。抵抗が高くなることは、変換効率が低下する原因となる。電極の厚さが300nmよりも厚いと、ITOの可撓性が低くなる。このため、応力が作用したときにITOが割れる場合がある。シート抵抗は低いことが好ましく、10Ω/□以下であることが好ましい。
電極が電子輸送層と接する場合には、電極の材料として仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、Na、K、Rb、Cs、Ba、およびこれらの合金を挙げることができる。電極は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料を含む層が積層された構造を有していてもよい。
また、前述した仕事関数の低い材料のうちの少なくともいずれかと、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、および錫の少なくともいずれかと、の合金でもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、カルシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
電極が正孔輸送層と接する場合には、電極の材料として仕事関数の高い材料を用いることが好ましい。仕事関数の高い材料としては、例えば、Au、Ag、Cuおよびこれらの合金が挙げられる。電極は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料を含む層が積層された構造を有していてもよい。
電極が正孔輸送層と接する場合には、電極の材料としてPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などのポリチオフェン系ポリマーを用いてもよい。ポリチオフェン系ポリマーの代表的な製品としては、例えば、スタルク社のClevios PH500、CleviosPH、CleviosPV P Al 4083、CleviosHIL1,1が挙げられる。
電極に上記の仕事関数の低い材料、または、上記の仕事関数の高い材料を用いた場合に、電極の厚さは、好ましくは1nm以上500nm以下である。電極の厚さは、より好ましくは10nm以上300nm以下である。電極の厚さが1nmよりも薄い場合には、抵抗が高くなり過ぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できないことがある。電極の厚さが500nmよりも厚い場合には、電極の形成に長時間を要する。このため、材料温度が上昇し、他の材料にダメージを与えて性能が劣化することがある。さらに、材料を大量に使用するため、電極を形成する装置(成膜装置)を占有する時間が長くなり、コストアップに繋がる。
(光電変換層13)
光電変換層13には、ペロブスカイト構造を有する材料を用いることができる。ペロブスカイト構造は、例えばイオンA1、イオンA2、およびイオンXからなり、A1A2Xと表すことができる。イオンA2がイオンA1に比べて小さい場合にペロブスカイト構造を有する場合がある。ペロブスカイト構造は、例えば立方晶系の単位格子をもつ。立方晶の各頂点にイオンA1が配置され、体心にイオンA2が配置される。体心のイオンA2を中心として立方晶の各面心にイオンXが配置される。
A2X八面体の向きは、イオンA1との相互作用によって、歪みやすい。対称性の低下により、モット転移が生じ、イオンMに局在していた価電子がバンドとして広がることができる。イオンA1は、CHNHであることが好ましい。イオンA2は、PbおよびSnの少なくともいずれかであることが好ましい。イオンXは、Cl、Br、およびIの少なくともいずれかであることが好ましい。イオンA1、イオンA2、およびイオンXを構成する材料のそれぞれは、単一の材料であっても混合された材料であっても良い。光電変換層13の厚さは、例えば、30nm以上1000nm以下である。
光電変換層を塗布する際には、材料を溶媒に溶解する。それに用いる溶媒としては、例えば、不飽和炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、エーテル類等が挙げられる。不飽和炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等が挙げられる。ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒としては、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。ハロゲン化飽和炭化水素系溶媒としては、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン等が挙げられる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。ハロゲン系の芳香族溶剤を用いることが、より好ましい。さらにDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、2−プロパノール、γ-ブチロラクトンを用いることもできる。これらの溶剤を単独、もしくは混合して使用することが可能である。材料を溶解できる溶媒であれば特に制約されない。
溶液を塗布し、膜または層を形成する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、スプレー法、スクリーン印刷、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア・オフセット印刷、ディスペンサー塗布、ノズルコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法等が挙げられる。これらの塗布法を単独で、もしくは組み合わせて用いることができる。
(第1層11および第2層12)
光電変換素子においては、第1層11および第2層12のいずれか一方が正孔輸送層であり、いずれか他方が電子輸送層である。前述した通り、この例では第1層11が正孔輸送層であり、第2層12が電子輸送層である。
なお正孔輸送層は、活性層(光電変換層13)から正孔を受け入れる材料である。正孔輸送層の材料は、正孔輸送性を有するものであれば制約されない。電子輸送層は、活性層から電子を受け入れる材料である。電子輸送層の材料は、電子輸送性を有するものであれば制約されない。
第2層12(電子輸送層)は、ハロゲン化合物および金属酸化物の少なくともいずれかを含む。
ハロゲン化合物としては、LiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KIおよびCsFが好適な例として挙げられる。第2層12に用いられるハロゲン化合物としては、LiFがより好ましい。
金属酸化物としては、チタン酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、セシウム酸化物およびアルミニウム酸化物が好適な例として挙げられる。例えば、ゾルゲル法にてチタンアルコキシドを加水分解して得たアモルファス性の酸化チタンを用いることができる。無機物を用いる場合、金属カルシウムなどが好適な材料である。
第2層12は、電子を効率的に輸送する機能を有する。第2層12の材料として酸化チタンを使用する場合、第2層12の厚さは、5nm以上100nm以下であることが好ましい。第2層12が薄すぎる場合は、ピンホールが発生しやすくなるため、Voc(開放電圧)が低下してしまう。第2層12が厚すぎる場合は、膜抵抗が大きくなり、発生した電流が制限されるため、光変換効率が低下する。
第2層12の形成には、塗布法が好ましい。例えば、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコード法、ロールコート法、ワイアーバーコード法、スプレー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア・オフセット印刷法、ディスペンサー塗布、ノズルコート法、キャピラリーコート法、または、インクジェット法等が用いられる。これらの形成方法を単独で、または組み合わせて用いても良い。但し、第2層12の形成方法は、薄膜を形成することができる方法であれば特に限定されない。塗布する溶液は、予めフィルターで濾過されていることが好ましい。所望の厚さとなるように溶液を塗布した後、ホットプレート等で加熱および乾燥する。50℃以上500℃以下の温度において、1分間以上10分間以下程度、加熱および乾燥することが好ましい。加熱および乾燥は、空気中において加水分解を促進しながら行われる。
第1層11(正孔輸送層)は、ドープされたキャリア輸送層である。ドープされたキャリア輸送層は、第1物質(ホスト)と、第2物質(ドーパント)と、を含む。キャリア輸送層における第2物質の濃度は、キャリア輸送層における第1物質の濃度よりも低い。
例えば、第1層11の材料として、p形有機物半導体またはn形有機半導体を用いることができる。
第一物質としては、例えば、カルバゾール系、ヒドラゾン系、スチリルアミン系、トリフェニルアミン系等が好ましい。具体的にはTriphenyl Diamine (TPD)、N,N'-Di(1-naphthyl)-N,N'-diphenylbenzidine (α-NPD)、4,4',4''-Tris[phenyl(m-tolyl)amino]triphenylamine (m-MTDATA)、2,2',7,7'-Tetrakis-(N,N-di-4-methoxyphenylamino)-9,9'-spirobifluorene(Spiro-OMeTAD)、Poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl) (P3HT)、poly(triarylamine)'s (PTAA's)等が好ましい。
さらに、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、チエノ[3,2-b]チオフェン誘導体等を、第1物質として使用することができる。p形有機半導体として、これらを併用してもよい。また、これらの共重合体を使用してもよい。共重合体としては、例えば、チオフェン−フルオレン共重合体、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体等が挙げられる。
p形有機半導体としては、π共役を有する導電性高分子であるポリチオフェンおよびその誘導体を用いることが好ましい。ポリチオフェンおよびその誘導体は、比較的優れた立体規則性を確保することができる。ポリチオフェンおよびその誘導体の溶媒への溶解性は、比較的高い。ポリチオフェンおよびその誘導体は、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に限定されない。ポリチオフェンおよびその誘導体の具体例としては、ポリアルキルチオフェン、ポリアリールチオフェン、ポリアルキルイソチオナフテン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。ポリアルキルチオフェンとしては、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−ブチルチオフェン、ポリ3−ヘキシルチオフェン、ポリ3−オクチルチオフェン、ポリ3−デシルチオフェン、ポリ3−ドデシルチオフェン等が挙げられる。ポリアリールチオフェンとしては、ポリ3−フェニルチオフェン、ポリ3−(p−アルキルフェニルチオフェン)等が挙げられる。ポリアルキルイソチオナフテンとしては、ポリ3−ブチルイソチオナフテン、ポリ3−ヘキシルイソチオナフテン、ポリ3−オクチルイソチオナフテン、ポリ3−デシルイソチオナフテン等が挙げられる。
また近年では、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンを含む共重合体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体は、優れた変換効率を得られる化合物として知られている。さらにベンゾジチオフェン(BDT)誘導体とチエノ[3,2-b]チオフェン誘導体との共重重合体が、第1物質として好ましい。例えば、Poly[[4,8-bis[(2-ethylhexyl)oxy]benzo[1,2-b:4,5-b']dithiophene-2,6-diyl][3-fluoro-2-[(2-ethylhexyl)carbonyl]thieno[3,4-b]thiophenediyl]](PTB7)、PTB7のアルコキシ基よりも電子供与性が弱いチエニル基を導入したPTB7ーTh(別名PCE10、PBDTTT−EFT)等が好ましい。
例えば、第二物質として、N(PhBr)3SbCl6)、Li[CF3SO2]2N、4-tert-ブチルピリジン (tBP)、tris[2-(1H-pyrazol-1-yl)pyridine]cobalt(III) trisHhexafluorophosphate(FK102)が好ましい。
第1層11の材料として、ドーパントを含むSpiro−OMeTAD(2,2',7,7'-Tetrakis-(N,N-di-4-methoxyphenylamino)-9,9'-spirobifluorene)を用いてもよい。すなわち、第1物質は、Spiro−OMeTADを含む。そして、ドーパント(第2物質)は、例えばピリジン化合物およびアセトニトリル(acetonitrile)の少なくともいずれかを含む。ピリジン化合物は、例えば4−tert−ブチルピリジン(butylpyridine)を含む。ドーパントは、酸素、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(lithium-bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(Li−TFSI))、tris[2-(1H-pyrazol-1-yl)pyridine]cobalt(III) trisHhexafluorophosphate(FK102)、および、tris[2-(1H-pyrazol-1-yl)pyrimidine]cobalt(III) tris[bis(trifluoromethylsulfonyl)imide](MY11)の少なくともいずれかを含んでもよい。
第1層11の厚さは、例えば、2nm以上1000nm以下である。
第1層11の形成には、例えば、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコード法、ロールコート法、ワイアーバーコード法、スプレー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア・オフセット印刷法、ディスペンサー塗布、ノズルコート法、キャピラリーコート法、または、インクジェット法等が用いられる。これらの形成方法を単独で、または組み合わせて用いてもよい。 第1層11中のドーパントの濃度は、例えば0.1%以上40%以下である。
(中間層31)
中間層31(ドーパントブロック層)の材料には、中間層31と接するキャリア輸送層に含まれる成分が拡散しにくい(例えば拡散性が無い)材料が用いられる。これにより、中間層31は、ドーパントブロック性を有する。すなわち、中間層31は、キャリア輸送層のドーパントが光電変換層13へ拡散することを抑制する。
例えば、完成した光電変換素子を90℃の窒素ガス雰囲気に1000時間放置した後、第1層11に含まれていたドーパントの光電変換層13における濃度を分析する。これにより、ドーパントブロック性を評価することができる。この際、ドーパント自体を検出してもよいが、ドーパント特有の元素またはドーパント特有の分子骨格からドーパント自体の量を算出してもよい。例えば、各層の分析には、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)による元素マッピング、飛行時間二次イオン質量分析(Time-of-flight secondary ion mass spectrometer:TOF−SIMS)、オージェ電子分光分析、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)等を用いることができる。「ドーパントブロック性を有する(ドーパントの拡散を抑制する)」とは、実質的には、第1層11に含まれるドーパントの濃度(比率)が、光電変換層13に含まれる当該ドーパントの濃度の10倍以上に保たれていることを意味する。
すなわち、実施形態に係る光電変換素子では、その使用の初期においても、90℃の窒素雰囲気下で1000時間放置した後においても、第1層11におけるドーパントの濃度は、光電変換層13における当該ドーパントの濃度の10倍以上である。
中間層31の厚さは、例えば、2nm以上1000nm以下である。中間層31が2nmよりも薄い場合は、ドーパントブロック性とキャリアブロック性(正孔または電子)が不十分なことがある。中間層31が1000nmよりも厚い場合は、直列抵抗が大きくなり光電変換素子の特性を低下させる。太陽電池の場合には、変換効率が低下する。
中間層31の材料には、例えば、塗布によって膜を形成することのできる金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物の好適な例としては、チタン酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、セシウム酸化物、およびアルミニウム酸化物の少なくともいずれかが挙げられる。これらの材料のバンドギャップは広い。このため、輸送キャリアの選択性が高い。したがって、高いフィルファクタ(FF)を得やすい。変換効率を高めることもできる。これらの材料を用いた場合、室温で塗布できるため、膜の形成も簡便であり、下地へのダメージも低い。
中間層31の形成には、金属と過酸化水素とから得られる前駆体溶液を用いることが好ましい。例えば、バナジウムまたはモリブデン等の金属粉末をエタノール中に分散させた後、過酸化水素水(30wt%)を加える。3時間後、真空乾燥した後、乾固物をエタノールに分散する。このようにして前駆体溶液を作ることができる。また、前駆体溶液として、バナジウム(V)オキシトリイソプロポキシドをイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)に溶解した溶液を用いることも好ましい。
中間層31の材料として、チオシアン酸塩を使用してもよい。チオシアン酸塩は、チオシアン酸の共役塩基を含む化合物である。塩を形成する金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、銀、水銀、鉛、および、これらの金属の混合物、の少なくともいずれかである。中間層31には、チオシアン酸銅を用いることが好ましい。
次に、実施形態に係る光電変換素子の製造方法の例について説明する。
図2は、実施形態に係る光電変換素子の製造方法を例示するフローチャートである。実施形態に係る光電変換素子の製造方法は、ステップS101〜ステップS106を含む。
この例では、基板15にはガラス基板を用いる。第2電極20には、FTOを用いる。電子輸送層である第2層12には、酸化チタンを用いる。正孔輸送層である第1層11には、Spiro−OMeTADを主材とした材料を用いる。ドーパントブロック層である中間層31にはバナジウム酸化物を用いる。光電変換層13には、ヨウ化メチルアンモニウムとヨウ化鉛とが用いられ、ペロブスカイト層が形成される。第1電極10には、金が用いられる。
まず、ガラス基板の上に、第2電極20としてITO膜を形成する(ステップS101)。FTO膜の形成には、スパッタ法が用いられる。
その後、第2電極20の上に、第2層12として酸化チタン層を形成する(ステップS102)。例えば、スピンコート法を用いて、チタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトナート)溶液を複数回塗布し、400℃で焼成することで酸化チタン層を形成する。
その後、第2層12の上に、光電変換層13を形成する(ステップS103)。例えば、窒素雰囲気下でスピンコート法を用いてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶液を塗布し、90℃で3時間アニールして、光電変換層13を形成する。ここで、DMF溶液は、ヨウ化メチルアンモニウムとヨウ化鉛とを含む。DMF溶液中のヨウ化メチルアンモニウムの物質量(モル量)と、DMF溶液中のヨウ化鉛の物質量とは、例えば等しい。
その後、光電変換層13の上に、中間層31を形成する(ステップS104)。例えば、バナジウム酸化物の前駆体溶液を塗布し、大気中で80℃で10分間加熱して、中間層31を形成する。ここで、前述したように前駆体溶液は、過酸化水素水を用いて作製される。
その後、中間層31の上に、Spiro−OMeTADを含む第1層11を形成する(ステップS105)。第1層11の形成において塗布される液は、80mg/mlのSpiro−OMeTADを含むクロロベンゼン溶液に、28.5マイクロリットル(μL)の4−tert−ブチルピリジン、17.5μLのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)溶液(1mlのアセトニトリル中、520mgのLi−TFSI)を添加したものである。この塗布液をスピンコート法によって塗布した後、ドライエアー中で12時間静置して、第1層11を形成する。
この第1層11は、光電変換層13(及び中間層31)を形成した後に、塗布によって形成される。光電変換層13の形成後の表面は、ペロブスカイトの結晶成長に起因した凹凸が形成されている。このため、その上に形成される第1層(キャリア輸送層)を、比較的厚くすることで平坦性が向上する。一方、第1層11が厚すぎる場合は、電流を取り出しにくくなる。そこで実施形態においては、第1層11にドーピングを行う。これにより、キャリアの輸送性が向上する。
その後、第1層11の上に、金を蒸着して第1電極10を形成する(ステップS106)。
なお、第1電極10の材料としてPEDOTを用いる場合には、スピンコート法などの塗布によって電極を形成することができる。第1電極10の形成において塗布される溶液は、エタノール水溶液であることが好ましい。これにより、溶液の表面張力および浸透性が調整される。例えば、PEDOTを含むエタノール水溶液を所望の厚さとなるように塗布した後、ホットプレート等で加熱および乾燥する。140℃以上200℃以下の温度において、1分間以上10分間以下程度、加熱および乾燥することが好ましい。
以上説明したようにして、実施形態に係る光電変換素子が形成される。
例えば、中間層31を有しない参考例の光電変換素子109がある。すなわち、光電変換素子109においては、光電変換層の上に直接、第1層(正孔輸送層)が形成されている。中間層31を有しないこと以外については、参考例に係る光電変換素子109の構成は、実施形態に係る光電変換素子101の構成と同様である。
本願発明者は、このような参考例の光電変換素子109の耐久性試験をJIS C 8938のB−1に準拠して評価した。この耐久性試験においては、光電変換素子の温度を高温に維持し、変換効率の時間的な変化が測定される。参考例の光電変換素子109の1000時間後の変換効率は、初期の変換効率の例えば10%程度にまで大きく低下する。
図3は、参考例に係る光電変換素子を例示する写真像である。
図3に表した領域R1は、光電変換層であるペロブスカイト層に4−tert−ブチルピリジンを滴下した領域である。図3に表した領域R2は、ペロブスカイト層にアセトニトリルを滴下した領域である。
第1層11のドーパントが滴下された領域R1の色および領域R2の色は、ドーパントが滴下されていない領域R3の色と異なる。これは、滴下したドーパントによってペロブスカイト層が溶解したためである。
本願発明者の解析によると、耐久性試験によって特性が劣化した参考例の光電変換素子109においては、第1層に含まれるドーパントが光電変換層であるペロブスカイト層中にまで拡散していることが分かった。拡散したドーパントによってペロブスカイト層の結晶が変化し変換効率が劣化したと考えられる。また、ドーパントが離脱したため、第1層のキャリア輸送性が劣化し、変換効率が劣化したと考えられる。
これに対して、実施形態に係る光電変換素子101においては、光電変換素子109と同様の耐久性試験を行った場合、1000時間後の変換効率は、初期の変換効率の90%以上である。耐久性試験を行った後に、実施形態に係る光電変換素子を解析すると、前述の光電変換素子109に比べて、光電変換層13中に拡散したドーパントの量が少ないことがわかる。
ドーパントブロック性を有する中間層31を設けることによって、第1層11中のドーパント(例えばピリジン化合物)の光電変換層13への拡散を抑制することができる。このように、光電変換層13と、第1層11(ドープされたキャリア輸送層)と、の間に中間層31を設けることで、光電変換素子の耐久性を向上させることができる。
ピリジンのような溶解性のドーパントを含む層をペロブスカイト層上に塗布した場合、ペロブスカイト層の一部を溶解してしまうことがある。これにより、劣化以前の初期効率そのものが低くなってしまう。ドーパントブロック性を有する中間層31を設けることによって初期特性も向上させることができる。
図4(a)〜図4(c)は、実施形態に係る別の光電変換素子を例示する模式的断面図である。図4(a)〜図4(c)は、実施形態に係る光電変換素子101a〜101cのZ−X平面における断面を例示している。
図4(a)に表したように、光電変換素子101aは、基板15と第1電極10と第2電極20とを含む。これらについては、光電変換素子101についての説明と同様の説明を適用することができる。光電変換素子101aは、さらに、第1層11aと、第2層12aと、中間層31aと、を含む。
第1層11aは、第1電極10と光電変換層13との間に設けられる。第1層11aは、電子輸送層である。光電変換層13において励起された電子は、第1層11aを介して第1電極10から取り出される。そして、この例では、第1層11aがドープされたキャリア輸送層である。
第2層12aは、第2電極20と光電変換層13との間に設けられる。第2層12aは、正孔輸送層である。光電変換層13において励起された正孔は、第2層12aを介して第2電極20から取り出される。
中間層31aは、光電変換層13と第1層11aとの間に設けられる。中間層31aは、第1層11aのドーパントが光電変換層13へ拡散することを抑制するドーパントブロック層である。
光電変換素子101aにおいても、ドープされたキャリア輸送層と光電変換層13との間にドーパントブロック層が設けられている。これにより、キャリア輸送層中のドーパントが光電変換層13中へ拡散することが抑制され、光電変換素子の耐久性を向上させることができる。
図4(b)に表したように、光電変換素子101bは、基板15と第1電極10と第2電極20とを含む。これらについては、光電変換素子101についての説明と同様の説明を適用することができる。光電変換素子101bは、さらに、第1層11bと、第2層12bと、中間層31bと、を含む。
第1層11bは、第1電極10と光電変換層13との間に設けられる。この例では、第1層11bは、電子輸送層である。第1層11bの材料は、例えば光電変換素子101の電子輸送層と同様である。
第2層12bは、第2電極20と光電変換層13との間に設けられる。第2層12bは、正孔輸送層である。また、第2層12bは、ドープされたキャリア輸送層である。第2層12bの材料は、例えば光電変換素子101の正孔輸送層と同様である。
中間層31bは、光電変換層13と第2層12bとの間に設けられる。中間層31bは、第2層12bのドーパントが光電変換層13へ拡散することを抑制する。中間層31bの材料は、例えば光電変換素子101のドーパントブロック層と同様である。このように、実施形態においては、光電変換層13から見て基板15の側に、ドープされた輸送層およびドーパントブロック層が設けられてもよい。
図4(c)に表したように、光電変換素子101cは、基板15と第1電極10と第2電極20と第1層11と中間層31と光電変換層13とを含む。これらについては、光電変換素子101についての説明と同様の説明を適用することができる。
さらに、光電変換素子101cは、第2層12cと中間層31cとを含む。第2層12cは、ドープされた電子輸送層である。第2層12cの材料は、図4(a)で説明した第1層11aと同様である。中間層31cは、第2層12cのドーパントが光電変換層13へ拡散することを抑制するドーパントブロック層である。中間層31cの材料は、図4(a)で説明した中間層31aと同様である。
実施形態においては、このように、正孔輸送層および電子輸送層の双方が、ドーパントを含むキャリア輸送層であってもよい。この場合には、キャリア輸送層のそれぞれと、光電変換層13と、の間に中間層が設けられる。これにより、キャリア輸送層中のドーパントの拡散が抑制され、光電変換素子の耐久性を向上させることができる。
実施形態によれば、耐久性を向上させることができる光電変換素子が提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、光電変換層、第1層、第2層、中間層、電極、基板などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した光電変換素子を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての光電変換素子も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1電極、 10a…第1部分、 10b…第2部分、 10c…第3部分、 11、11a、11b…第1層、 12、12a、12b…第2層、 13…光電変換層、 15…基板、 20…第2電極、 31、31a、31b…中間層、 101、101a、101b、101c、109…光電変換素子、 R1〜R3…領域、 S101〜S106…ステップ、 SB…積層体

Claims (10)

  1. ペロブスカイト構造を有する材料を含む光電変換層の上に、金属酸化物前駆体液体、及び、チオシアン酸を含む溶液の少なくともいずれかを含む液体を塗布して中間層を形成する工程と、
    前記中間層の上に、第1物質と第2物質とを含む第1層を形成する工程と、
    を備え、
    前記第1層における前記第2物質の濃度は、前記第1層における前記第1物質の濃度よりも低く、
    前記第1層における前記第2物質の濃度は、前記光電変換層における前記第2物質の濃度の10倍以上である、光電変換素子の製造方法。
  2. 前記中間層は、チタン酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、セシウム酸化物、およびアルミニウム酸化物の少なくともいずれかを含む、請求項1記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記中間層は、チオシアン酸塩を含む請求項1記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記第1物質は、Spiro−OMeTADを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記第2物質は、ピリジン化合物およびアセトニトリルの少なくともいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記ピリジン化合物は、4−tert−ブチルピリジンを含む請求項5記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記ペロブスカイト構造を有する材料をA1A2Xとしたときに、
    前記A1は、CHNHを含み、
    前記A2は、PbおよびSnの少なくともいずれかを含み、
    前記Xは、Cl、Br、およびIの少なくともいずれかを含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記第1層の上にポリエチレンジオキシチオフェンを含む第1電極を形成する工程をさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 第2電極の上に第2層を形成する工程と、
    前記第2層の上に前記光電変換層を形成する工程と、
    をさらに備えた請求項8記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記第2層は、ハロゲン化合物および金属酸化物の少なくともいずれかを含む請求項9記載の光電変換素子の製造方法。
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