JP6675391B2 - 糖類の分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法に関する。
本願は、2015年5月28日に、日本に出願された特願2015−108145号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
糖類の分析には、液体クロマトグラフィーが広く用いられている。糖類の分析方法としては、イオン交換クロマトグラフィー用カラムを用いるイオン交換クロマトグラフィー(IEC)、配位子交換クロマトグラフィー用カラムを用いる配位子交換クロマトグラフィー(LEC)、及び、親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムを用いる親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)等が挙げられる。
イオン交換クロマトグラフィー用カラムを用いる前記方法では、溶離液として、強アルカリ水溶液が用いられる(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、糖類の分離性能が高い反面、強アルカリ水溶液による糖類の分解や、分析装置にアルカリ耐性が求められる等の課題がある。
また、配位子交換クロマトグラフィー用カラムを用いる前記方法(例えば、特許文献1参照)では、高温条件を必要とし、その為、カラムの充填剤の金属イオンが脱離しやすいという課題がある。
これらの方法に対して、親水性相互作用クロマトグラフィーを用いた、具体的には基材にアミノ基を化学結合させてなる充填剤を充填したカラム(以下、「アミノカラム」と言う。)を用いた親水性相互作用クロマトグラフィーを用いた、糖類の分析方法は、溶離液としてアルカリ溶液を必要としないばかりではなく、低温において再現性よく分析できるという点で優れている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭61−71354号公報 特開平2−227144号公報
T.R.I.Cataldi et.al. J.Chromatogr.A855(1999)539−550
アミノカラムを用いた糖類の分析方法では、糖類の親水性の違いを利用して、糖類を分離する。しかしながら、糖類は、多様な化合物群であるにもかかわらず、互いの構造が非常に似ている。
例えば、グルコースとガラクトースは、5つある水酸基のうちの1つの結合の向きが異なるのみであり、その他は共通した構造を持つ。このように構造が似ている事から、親水性の違いだけで分離することが非常に難しい糖類がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。従来法では分離が難しかった糖類を精度よく分離することができる、液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、溶離液に塩基と無機塩を添加して、溶離液のpHと塩濃度を調整することにより、液体クロマトグラフィーによって、従来法では分離が難しかった糖類を、精度よく分離することができることを見出した。
本発明は親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムを用いた液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法であって、塩基と無機塩を含む溶離液を用いることを特徴とする糖類の分析方法を提供する。
具体的には、本発明の第一の態様は以下の分析方法である。
[1]親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムと、塩基と無機塩を含む溶離液とを用意する工程と、前記カラム及び前記溶離液を用いて、親水性相互作用クロマトグラフィーを行う工程とを有することを特徴とする糖類の分析方法。
本発明の第一の態様は、以下の特徴を有することが好ましい。
[2] 上記[1]の分析方法において、前記塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
[3] 上記[1]または[2]において、前記無機塩は、アルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物である。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記塩基と前記無機塩との配合比が、モル比で、塩基:無機塩=5:1〜1:1である。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記塩基と前記無機塩との組み合わせが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのいずれか1つの塩基と、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化リチウムのうちのいずれか1つの無機塩である。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかにおいて、前記親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムに用いる充填剤が、アミノ基が化学結合されたポリビニルアルコールである。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかにおいて、前記溶離液に含まれる前記塩基と前記無機塩の濃度が、それぞれ1mmol/L〜20mmol/Lである。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかにおいて、前記塩基と前記無機塩を含む前記溶離液のpHが、11.0以上13.0以下である。
[9] 上記[1]〜[8]のいずれかにおいて、前記溶離液が、水と有機溶媒を含み、溶離液中の有機溶媒の比率が50%以上95%以下である。
本発明によれば、従来法では分離が難しかった糖類を精度よく分離することができる、液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法を提供することができる。
本発明の糖類の分析方法で用いられる液体クロマトグラフの一例を示す模式図である。 実施例1で得られたクロマトグラムである。 比較例2で得られたクロマトグラムである。
本発明の糖類の分析方法の好ましい実施の形態の例について説明する。
なお、本実施の形態の例は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。本発明の範囲内において、必要に応じて、変更、省略、交換及び/又は追加することも可能である。
[親水性相互作用クロマトグラフィー]
親水性相互作用クロマトグラフィーは、一般に、極性基を有する固定相と、アセトニトリル等の有機溶媒及び水の組み合わせの系による移動相とを用いて、親水性化合物を保持及び分離する方法である。親水性相互作用によって分離が行われる。カラムに注入されたサンプルは、親水性の低い化合物(低極性化合物)から順に溶出する。より具体的には、固定相(充填剤)の表面に水和相が形成され、水和相と移動相の間で試料の分離が行われる。この為、水和相には親和性の高い極性化合物が保持されやすく遅く溶出する。一方、極性が低い化合物は保持されにくく、早い段階で溶出する。本発明は、親水性相互作用クロマトグラフィーにおいて、優れた効果を供することが可能である。
[糖類の分析方法]
本発明の糖類の分析方法は、親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムを用いた液体クロマトグラフィーにより分析を行う、糖類の分析方法であって、塩基と無機塩を含む溶離液を用いる。
本発明において分析される糖類は、必要に応じて選択できるが、主に単糖とオリゴ糖が分析される。本発明は、これらの糖のうち、アルデヒド基を持つアルドースの分析に特に有効である。試料の導入量は必要に応じて選択される。
「カラム」
本発明で用いられる親水性相互作用クロマトグラフィー用カラム(以下、「カラム」と略す。)は任意に選択されるが、後述する充填剤が充填されたカラムであることが好ましい。充填剤の種類やサイズや量も任意に選択できる。本発明で好ましく使用されるカラムは、例えば、円筒形状等の形状を有するハウジングと、そのハウジングの内部に充填された充填剤、例えば、後述する充填剤、とから、概略構成されている。
ハウジングの材質、大きさ(内径、長さ等)及び形状は、特に限定されず、任意に選択できる。好ましい形状の例を挙げれば、中空の円筒形状やチューブ形状等を挙げる事ができる。ハウジングの両端部又は片端部には、液を入れる又は排出する為の流通孔を有する蓋部を有しても良い。前記流通孔は入り口又は出口として機能する。蓋部はそれぞれハウジングと一体になっていても、または着脱可能であっても良い。本発明は、一般に販売されている親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムを使用することができる。
「充填剤」
充填剤は任意で選択でき、シリカゲルやポリマー等の基材と、この基材に化学結合されたイオン交換基や極性基のような官能基と、を有する充填剤を好ましく使用できる。本発明で使用できる基材としては、例えば、ポリビニルアルコールが好ましく用いられ、官能基としては、アミノ基が好ましく用いられる。本発明において、充填剤としては、アミノ基が化学結合されたポリビニルアルコールがより好ましい。
基材に化学結合されたアミノ基は、親水性に優れたアミノ基であることが好ましい。このようなアミノ基の具体例を挙げれば、基材に、例えばポリビニルアルコールに、D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミン、1−アミノ−1−デオキシ−D−マンニトール、1−アミノ−1−デオキシ−D−ガラクチトール、1−アミノ−1−デオキシ−D−イジトール、1−アミノ−1−デオキシ−D−アラビニトール、1−アミノ−1−デオキシ−D−キシリトール、4−アミノ−1,2,3−ブタントリオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、及び3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオールからなる群から選択される少なくとも1つを化学結合させて、基材に導入された、アミノ基が挙げられる。
充填剤が粒子形状を有する場合、その粒径は任意に選択することができる。例を挙げれば体積平均粒径が2.0〜20.0μmであることが好ましく、2.0〜10.0μmがより好ましい。比表面積なども任意に選択することができ、例を挙げれば、1.0〜200m/gが好ましく、50〜150m/gがより好ましい。平均細孔径も任意に選択でき、例を挙げれば1.0〜20nmが好ましく、5〜15nmがより好ましい。細孔容積も任意に選択でき、例を挙げれば0.01〜1.0cm/gが好ましく、0.1〜1.0cm/gがより好ましい。
「溶離液」
本発明における溶離液は、塩基および無機塩を含む。より詳細には、本発明における溶離液は、塩基および無機塩を含む水溶液と、有機溶媒との混合溶液であることが好ましい。すなわち、本発明における溶離液では、含まれる溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒からなる。
本発明における塩基とは、強アルカリ性を示す無機塩基を意味する。このような無機塩基は任意に選択されるが、具体例を挙げれば、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。これらは単独で使用しても、組み合わせて使用しても良い。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい理由は、これらは水に対する溶解度が高く、かつ、強アルカリ性を示すからである。
なお、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムと同様に、強アルカリ性を示す水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化リチウムは、溶媒に対する溶解度が低く、溶離液中に析出することがある。このため、これら化合物の本発明における効果は、前記2つの化合物(水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム)ほどは大きくない。また、アミン化合物は、塩基性度が低いため、本発明の効果が、前記2つの化合物ほどは大きくない。
本発明における無機塩とは、中性の無機塩を意味する。このような無機塩は任意に選択されるが、アルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく使用される。これらは組み合わせて使用しても良い。無機塩として、アルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましい理由は、水に対する溶解度が高く、かつ、固定相において、液液分離に有効な水和層が形成しやすくなるからである。
アルカリ金属のハロゲン化物は任意に選択できる。具体例を挙げれば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、及びヨウ化カリウム等が好ましく使用できる。これらは単独で使用しても、2種類以上を任意で組み合わせて使用しても良い。アルカリ金属のハロゲン化物として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、及びヨウ化カリウム等が好ましい理由は、これら化合物を使用することがより効果的な水和層を形成することに有効であるからである。
アルカリ土類金属のハロゲン化物は任意に選択できる。具体例を挙げれば、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウム等が好ましく使用できる。これらは単独で使用しても、2種類以上を任意で組み合わせて使用しても良い。アルカリ土類金属のハロゲン化物として、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウム等が好ましい理由は、これら化合物を使用することがより効果的な水和層を形成することに有効であるからである。
有機溶媒は任意に選択されるが、水と任意に相溶するものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール、及びメタノール等が好ましく挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における溶離液において、塩基および無機塩を含む水溶液と、有機溶媒とを混合する際の、有機溶媒の溶離液中に占める比率や、前記比率の好ましい範囲は、必要に応じて任意に選択できる。例えば、下限値は、50%、55%、60%、70%又は80%など必要に応じて選択できる。上限値も任意に選択でき、例えば、80%、85%、90%又は95%などを挙げる事ができる。
糖類の保持時間が長すぎることがなく、また、分離性能を高めることが要求される場合には、塩基および無機塩を含む水溶液と、有機溶媒とを混合する際の有機溶媒の比率は、体積比で50%以上であることが好ましい。また、糖類の保持時間が長すぎることがなく、また、分離性能をさらに高めることが要求される場合には、有機溶媒の比率は、体積比で70%以上95%以下であることがより好ましい。有機溶媒の比率は、必要に応じて、50%以上95%以下であったり、60%以上85%以下などであっても良い。
本発明では、上記のように有機溶媒の比率が高い溶離液が好ましく用いられる。この時、溶媒に対する溶解度が低い塩基または無機塩を用いると、塩基および無機塩を含む水溶液と、有機溶媒とを混合した際、塩基または無機塩が析出する可能性がある。析出した塩基または無機塩を含む溶離液を用いると、その析出した塩基または無機塩により、配管内やカラム内が詰り、分析圧の上昇や、カラムの劣化等の原因となる可能性がある。そのため、塩基や無機塩は、溶媒に対して充分な溶解性を有するものを用いることが好ましい。このような塩基や無機塩は、水に対する溶解度が30g/100mL以上であることが好ましく、70g/100mL以上であることがより好ましく、100g/100mL以上であることがさらに好ましい。
なお、水酸化ナトリウムの水に対する溶解度は109g/100mL、水酸化カリウムの水に対する溶解度は110g/100mL、塩化ナトリウムの水に対する溶解度は35.7g/100mL、塩化リチウムの水に対する溶解度は76.9g/100mL、及びヨウ化カリウムの水に対する溶解度は148g/100mLである。
また、本発明における溶離液において、塩基または無機塩の濃度が高過ぎると、塩基または無機塩が溶離液中に析出するおそれがある。そのため、溶離液に含まれる塩基と無機塩の濃度は任意に選択できるが、それぞれ1mmol/L〜20mmol/Lであることが好ましい。溶離液に含まれる塩基と無機塩の濃度の和は、20mmol/L以下であることが好ましい。
また、本発明における溶離液において、塩基と無機塩の配合比は任意に選択できるが、モル比で、5:1〜1:1が好ましい。より好ましくは、3:1〜1:1であり、更に好ましくは2:1〜1:1である。溶離液において、塩基と無機塩の配合比を前記の範囲内とすることにより、各糖類の保持時間を調節でき、各糖類が良好に分離可能である。
また、塩基および無機塩を含む水溶液のpHは任意に選択することができる。10.0以上であることが好ましく、11.0以上13.0以下であることがより好ましい。
塩基および無機塩を含む水溶液のpHを10.0以上とすることにより、この塩基および無機塩を含む水溶液を用いて調製した溶離液において、塩基または無機塩が析出することを防止できる。
本発明の糖類の分析方法では、例えば、図1に示すような液体クロマトグラフが用いられる。
図1に示す液体クロマトグラフ100は、移動相としての溶離液200が流される方向(溶離液200の通液方向)に沿って、容器110と、通液ポンプ120と、試料導入部130と、カラム140と、検出器150と、を順に備えている。これら容器や部材や装置は、配管等からなる流路160を介して互いに連結されている。
容器110内には、溶離液200が収容されている。
溶離液200としては、上記の塩基および無機塩を含む溶離液が用いられる。
通液ポンプ120は、容器110内の溶離液200を一定の流量で送ることができる。
試料導入部130は、通液ポンプ120とカラム140を連結する流路160の途中に設けられている。この試料導入部130から、流路160を流れる溶離液200に、分析の対象となる試料が導入される。
カラム140は、ハウジングに、上記の基材にアミノ基を化学結合させてなる充填剤が充填されたカラムである。カラム140は、試料に含まれる、糖類を分離する。
検出器150は、カラム140にて分離された糖類を検出する。
また、液体クロマトグラフ100では、試料導入部130、カラム140および検出器150が、図示しない恒温漕内に設置されていてもよい。恒温漕は、温度制御機能を備え、試料導入部130、カラム140および検出器150の温度を制御する。これにより、安定した分析を行うことができる。なお制御温度は任意に設定することができる。
液体クロマトグラフ100を用いた分析では、試料導入部130から流路170内に試料が注入され、前記試料は、通液ポンプ120によって流路160内を通液される溶離液200により、カラム140へと導かれる。試料は、検出すべき物質を含んだ溶液の状態で加えられることが好ましい。カラム140にて、試料中の糖類が分離され、分離された糖類を、検出器150が、溶離液200のみの場合の信号からの変化量として計測する。検出器150からの出力信号を、検出器150に接続された図示しないデータ処理部がクロマトグラムに変換する。
溶離液200、すなわち、移動相の流速(カラム140内を流れる速さ)は、特に限定されず、必要に応じて任意に選択できる。例えば、0.5mL/min〜1.5mL/minの流速を好ましく使用することができる。
また、移動相を通液する際のカラム140の温度は、特に限定されず、任意に選択できる。好ましい温度範囲の下限は、必要に応じて選択でき、例えば、20℃、30℃、35℃、又は40℃などを挙げる事ができる。上限も任意に選択でき、70℃、60℃、55℃、又は50℃などを挙げる事ができる。具体的な好ましい温度範囲を挙げれば、30℃〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。
本発明の糖類の分析方法によれば、親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムを用いた液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法において、塩基と無機塩を含む溶離液を用いることにより、従来法では分離が難しかった糖類を、精度よく、分析ピークとピークが重ならないように、分離することができる。その結果、定量性に優れた分析が可能である。なお、本発明の糖類の分析方法によれば、強アルカリ性の溶離液が用いられる。このため、シリカゲル基材からなる充填剤を用いる場合、溶離液によるカラムの劣化の可能性を考慮して、材料や部材や条件を選択する事が好ましい。例えば、基材として強アルカリ性に対して耐性のある基材を使用することにより、例えば、ポリビニルアルコールからなる基材を用いることにより、長寿命で安定性に優れた分析が可能である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
カラムとして、昭和電工社製のShodex(登録商標) HILICpak VG−50 4E(カラム材質:SUS、官能基:アミノ基、充填剤粒径:5μm、カラム内径:4.6mm、カラム長さ:150mm)と、示差屈折率検出器とを用いて、アラビノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、グルコースの5種の糖を分析した。具体的には、これら5つの糖をそれぞれ0.1%含む水溶液を用意し、試料として用いた。 Shodex HILICpak VG−50 4Eは、ポリビニルアルコールからなる基材にアミノ基を化学結合させた充填剤を充填したカラムである。
溶離液としては、アセトニトリルと、8mMの水酸化ナトリウムおよび5mMの塩化ナトリウムを含む水溶液(1mM=1mmol/L)とを、体積比で、(アセトニトリル):(8mMの水酸化ナトリウムおよび5mMの塩化ナトリウムを含む水溶液)=82:18の割合で含む、混合溶液を用意し用いた。なお、8mMの水酸化ナトリウムおよび5mMの塩化ナトリウムを含む溶液においては、水酸化ナトリウム:塩化ナトリウム=8:5(モル比)である。
溶離液の流速(カラム内を流れる溶離液の速さ)を1.0mL/min、カラム温度を40℃とした。
得られたクロマトグラムを図2に示す。図2において、1はアラビノースのピーク、2はキシロースのピーク、3はマンノースのピーク、4はガラクトースのピーク、及び5はグルコースのピークを示す。また、図2に示すクロマトグラムにおける糖類の分離度を表1に示す。表1において、1−2は、図2における1と2のピークの分離度、3−4は、図2における3と4のピークの分離度、及び4−5は、図2における4と5のピークの分離度を示す。
なお、クロマトグラムのピークの分離度は、隣接するピークからの分離の程度を表す数値である。例えば、ピーク1とピーク2が存在する場合、下記の式(1)または式(2)に基づいて算出される。図2や図3においては、横軸が保持時間を示し、分布のベースラインにおけるピーク幅がベース幅を示し、ピーク高さの半分でのピーク幅を半値幅として示す。
分離度=2×[(ピーク2の保持時間)−(ピーク1の保持時間)]/[(ピーク1のベース幅)+(ピーク2のベース幅)]・・・(1)
分離度=1.18×[(ピーク2の保持時間)−(ピーク1の保持時間)]/[(ピーク1の半値幅)+(ピーク2の半値幅)]・・・(2)
本実施例では、上記の式(2)に基づいて、分離度を算出した。
[比較例1]
溶離液として、アセトニトリルと、8mMの水酸化ナトリウム水溶液とを、体積比で、アセトニトリル:8mMの水酸化ナトリウム水溶液=82:18の割合で含む混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、上記の5種の糖を分析した。
得られたクロマトグラムに基づく糖類の分離度を表1に示す。
Figure 0006675391
一般に、クロマトグラムのピークの分離度が1.5以上の場合、隣接するピーク同士が完全に分離していると判断されている。一方、クロマトグラムのピークの分離度が1.5未満の場合、隣接するピークが一部重なっていると判断される。
表1の結果から、実施例1では、全てのピークが完全に分離していることが分かった。
一方、比較例1では、3−4の分離度のみ1.5よりも低いことが分かった。以上の結果から、塩基(水酸化ナトリウム)を含み、無機塩(塩化ナトリウム)を含まない混合溶液を溶離液として用いた場合、上記の5種の糖を全て完全に分離できないことが分かった。
[比較例2]
溶離液として、アセトニトリルと、5mMの塩化ナトリウム水溶液とを、体積比で、アセトニトリル:5mMの塩化ナトリウム水溶液=82:18の割合で含む混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、上記の5種の糖を分析した。
得られたクロマトグラムを図3に示す。図3において、1はアラビノースのピーク、2はキシロースのピーク、3はマンノースのピーク、4はガラクトースのピーク、及び5はグルコースのピークを示す。
図3の結果から、1と2のピークが重なっているとともに、4と5のピークが重なっていることが分かった。すなわち、無機塩(塩化ナトリウム)を含み、塩基(水酸化ナトリウム)を含まない混合溶液を溶離液として用いた場合、上記の5種の糖を全て完全に分離できないことが分かった。そのため、比較例2では、分離度を測定することができなかった。
本発明は、複数の糖類を分離し定量する分析手法として、すでに広く用いられている液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法において、糖類の分離性能をさらに改善する方法に寄与する。分離能の改善は、溶離液の高流速化による分析時間の短縮、及び/又は、カラムの小径化や短尺化による溶離液の消費量の削減に寄与できる。
本発明は、従来法では分離が難しかった糖類を精度よく分離することができる、液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法を提供できる。
100・・・液体クロマトグラフ
110・・・容器
120・・・通液ポンプ
130・・・試料導入部
140・・・カラム
150・・・検出器
160・・・流路
200・・・溶離液

Claims (8)

  1. 親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムと、塩基と無機塩を含む溶離液と、を用意する工程と、
    前記カラム及び前記溶離液を用いて、親水性相互作用クロマトグラフィーを行う工程と、
    を有し、
    前記無機塩が、アルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物であることを特徴とする液体クロマトグラフィーによる糖類の分析方法。
  2. 前記塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることを特徴とする、請求項1に記載の糖類の分析方法。
  3. 前記塩基と前記無機塩との配合比が、モル比で、塩基:無機塩=5:1〜1:1である、請求項1または2に記載の糖類の分析方法。
  4. 前記塩基と前記無機塩との組み合わせが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのいずれか1つの塩基と、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化リチウムのうちのいずれか1つの無機塩との組み合わせである、請求項1〜のいずれか1項に記載の糖類の分析方法。
  5. 前記親水性相互作用クロマトグラフィー用カラムに用いる充填剤が、アミノ基が化学結合されたポリビニルアルコールである、請求項1〜のいずれか1項に記載の糖類の分析方法。
  6. 前記溶離液に含まれる前記塩基と前記無機塩の濃度が、それぞれ1mmol/L〜20mmol/Lである、請求項1〜のいずれか1項に記載の糖類の分析方法。
  7. 前記塩基と前記無機塩を含む前記溶離液のpHが、11.0以上13.0以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の糖類の分析方法。
  8. 前記溶離液が、水と有機溶媒を含み、溶離液中の有機溶媒の比率が50%以上95%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の糖類の分析方法。
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