JP6674781B2 - 軸受構造及びその製造方法、並びに電磁弁 - Google Patents

軸受構造及びその製造方法、並びに電磁弁 Download PDF

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本発明は、軸受構造及びその製造方法、並びに電磁弁に関し、特に、軸受構造においてボールを収容、保持するボール保持部にカシメ部を有する軸受構造及びその製造方法と、その軸受構造を備えた電磁弁に関する。
従来、筒体と、該筒体の内側に挿入された摺動体と、筒体及び摺動体のいずれか一方に形成されたボール保持部に収容されたボールとを備えた軸受構造において、ボール保持部からボールが脱落するのを防止するために、ボール保持部のボール挿入側の開口端部にカシメ加工を施したものが知られている。
例えば、特許文献1には、筒体と、該筒体に挿入される摺動体と、該摺動体に形成されたボール保持部に収容されたボールとを備えた軸受構造が記載されている。この軸受構造は直動型であって、ボール保持部は、軸方向へ延びる溝状であって、軸方向へ延びる摺動体の外周面に複数形成されている。ボール保持部は、ボールが転動可能な収容部と、ボールの脱落を防止してボールの収容状態を確保するためのカシメ部とを有している。
カシメ部は、ボール保持部においてボール挿入口となる開口端部(つまり、軸方向に延びるボール保持部の端部)に形成される。このカシメ部は、ボール挿入口となる、収容部とほぼ同一の径寸法(溝の幅寸法)を有する開口端部を加圧して、該開口端部の径寸法が収容部の径寸法よりも小さくなるように開口端部を塑性変形させるカシメ加工によって形成される。このカシメ加工は、それぞれのボール保持部の開口端部において、摺動体の外周壁を摺動体の径方向外側から径方向内側に向かって加圧することによって施されている。
特開2000−249247号公報
特許文献1に記載の軸受構造のように、ボール挿入口となる開口端部にカシメ加工を施してボールの収容状態を確保するものでは、開口端部に別途、ボール挿入口を閉塞するための部材を設けることなく、ボールの脱落を防止することができるので、部材コストを抑えることができる。
しかし、特許文献1に記載の軸受構造のカシメ部は、摺動体の外周壁を摺動体の径方向外側から径方向内側に向かって加圧して、ボール保持部の開口端部の径寸法が小さくなるように塑性変形させており、それぞれのボール保持部において、カシメ加工の加圧方向が異なるので、カシメ加工をそれぞれのボール保持部ごとに行う必要があり、作業が煩雑になる。
カシメ加工の作業を簡素化するためには、複数のボール保持部のカシメ部を同時に形成することができるように、それぞれのボール保持部におけるカシメ加工の加圧方向を同一方向、つまり、ボール保持部の延在方向(すなわち、ボール保持部の収容部の中心軸方向)とすることが考えられる。図10(a)は、カシメ加工の加圧方向が同一方向となるように、ボール保持部110を加圧した場合、すなわち、ボール保持部110において、矢印で示すように、ボール挿入口となる開口端部118を収容部111の中心軸Pの方向へ加圧するカシメ加工を施した場合のボール保持部110の断面形状を示している。
図10(a)に示すように、単に、収容部111の径寸法d2とほぼ同一の径寸法を有する開口端部118を中心軸Pの方向へ加圧してカシメ加工を施した場合には、中心軸P側へ突出したカシメ部115の頂部115aは、収容部111からボール挿入口へ向かって次第に中心軸Pへ接近するようにテーパ状に形成される。このボール保持部110では、カシメ部115の頂部115aのテーパ角度θが比較的に小さくなりやすい。ここで、テーパ角度θとは、図10(b)に示すように、カシメ部115の頂部115aの接線と、中心軸P方向へ延びる直線とが形成する交角をいう。
図10(a)に示すボール保持部110では、カシメ部115のテーパ角度θが小さくなりやすいので、図10(b)に示すように、ボール170が開口端部118側に移動した際に、ボール170がカシメ部115のテーパ状の内周面に嵌まり込んで移動不能となる、いわゆるスタックが生じるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ボール保持部にカシメ部を有する軸受構造において、カシメ加工の作業を簡素化することができ、ボールがスタックするのを防止することができる軸受構造及びその製造方法、並びに軸受構造を備えた電磁弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の軸受構造は、筒体と、該筒体の内側に挿入された摺動体とを備え、前記筒体及び前記摺動体のいずれか一方に形成されたボール保持部に収容されたボールを介して、前記筒体に対する前記摺動体の移動をスムーズにする軸受構造において、前記ボール保持部は、前記ボールを転動可能に収容する収容部と、該収容部に連続し、該収容部よりも大径の開口端部と、該開口端部に形成され、前記収容部におけるボールの収容状態を確保するようにカシメ加工を施したカシメ部とを有し、該カシメ部は、前記開口端部の内周面から前記収容部の中心軸側へ向かって前記収容部の内周面よりも内方へ突出することを特徴とする。
この構成によれば、ボール挿入口が同一方向を向く複数のボール保持部に対して、カシメ加工の加圧方向が同一方向となるように、ボール保持部の開口端部を加圧してカシメ部を形成することができるとともに、開口端部が収容部よりも大径であるため、カシメ加工による開口端部の塑性変形量が比較的大きくなり、その結果、カシメ部のテーパ角度を大きくすることができる。これにより、カシメ加工の作業を簡素化するとともに、カシメ部のテーパ角度を大きくしてボールがスタックするのを防止することができる。
請求項2に記載の軸受構造は、請求項1に記載の軸受構造において、前記開口端部の前記中心軸の方向における長さ寸法は、前記ボールの直径の二分の一以下であることを特徴とする。
この構成によれば、開口端部及びカシメ部の長さ寸法を小さくして軸受構造を備える装置を小型化することができる。
請求項に記載の軸受構造は、請求項1又は2に記載の軸受構造において、前記摺動体は、前記筒体の軸方向へ移動可能であって、前記筒体とともに直動型の軸受構造を構成し、前記ボール保持部は、前記軸方向に沿って延びており、前記カシメ部は、前記ボール保持部の前記軸方向における端部に位置すること特徴とする。
この構成によれば、直動型の軸受構造において、カシメ作業の簡素化を図ることができ、また、ボールがスタックするのを防止することができる。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載の電磁弁は、請求項に記載の軸受構造と、前記摺動体の周囲に配置された固定コアと、通電によって、前記固定コアと前記摺動体とを通過する磁束を発生するコイルと、前記摺動体とともに前記軸方向へ移動可能に連結された弁体とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、電磁弁に用いられる軸受構造において、ボール保持部におけるカシメ加工の作業を簡素化することができる。また、ボールがスタックするのを防止し、摺動体を軸方向へスムーズに移動させることができる。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載の軸受構造の製造方法は、筒体と、該筒体の内側に挿入された摺動体とを備え、前記筒体及び前記摺動体のいずれか一方に形成されたボール保持部に収容されたボールを介して、前記筒体に対する前記摺動体の移動をスムーズにする軸受構造の製造方法において、前記ボール保持部は、前記ボールを転動可能に収容する収容部と、該収容部に連続し、該収容部よりも大径の開口端部と、該開口端部に形成され、前記収容部におけるボールの収容状態を確保するようにカシメ加工を施したカシメ部とを有し、該カシメ部は、前記開口端部を前記収容部よりも大径に形成した後、前記開口端部の内周面から前記収容部の中心軸側へ向かって前記収容部の内周面よりも内方へ突出するように、前記開口端部をボール挿入口側から前記収容部側へ向かって前記中心軸方向へ加圧して形成することを特徴とする。
この構成によれば、ボール挿入口が同一方向を向く複数のボール保持部に対して、カシメ加工の加圧方向が同一方向となるように、ボール保持部の開口端部を加圧してカシメ部を形成することができるとともに、開口端部が収容部よりも大径であるため、カシメ加工による開口端部の塑性変形量が比較的大きくなり、その結果、カシメ部のテーパ角度を大きくすることができる。これにより、カシメ加工の作業を簡素化するとともに、カシメ部のテーパ角度を大きくしてボールがスタックするのを防止することができる。
本発明に係る軸受構造及び軸受構造を備えた電磁弁によれば、カシメ部を有する軸受構造において、カシメ加工の作業を簡素化することができ、ボールがスタックするのを防止することができる。
本発明の第1実施形態である軸受構造を有する電磁弁の軸体の一部断面図。 図1に示す電磁弁の弁駆動部におけるプランジャの移動状態を示す断面図。 軸受構造を構成するプランジャの斜視図。 (a)は、図3に示すプランジャの要部拡大図。(b)は、図3に示すボール保持部の開口端部をボール挿入側から視た平面図。 (a)は、図4(b)のV−V線に沿う断面図であって、ボールがカシメ部のボール当接位置に移動した状態を示す。 (a)〜(d)は、ボール保持部におけるカシメ部の形成方法を説明する図。 図6(a)と同様の断面図。 テーパ角度とボール保持力との関係を説明する図。 カシメ部の形成方法の他の例を示す図。 (a)は、従来のボール保持部のカシメ部を示す断面図。(b)は、図10(a)の要部拡大図。
図1は、本発明の第1実施形態である軸受構造を有する電磁弁1の一部断面図であり、図2は、図1に示す電磁弁1における弁駆動部20の移動状態を示す断面図である。なお、図1〜図10は、模式図であって、各構成部材の寸法等を厳密に示したものではない。
電磁弁1は、例えば、流体通路内において、気体や液体の流量を制御するために用いられるものであり、ハウジング30と、弁部40と、弁駆動部20とを備える。弁駆動部20は後述するように、プランジャ(摺動体)50と、プランジャ50を囲むスリーブ60とを備えている。また、プランジャ50とスリーブ60との間には、スリーブ60に対してプランジャ50がスムーズに移動可能となるように、軸受構造が設けられている。なお、図1では、弁部40及びプランジャ50を非断面状態で示している。
ハウジング30は、弁部40及び弁駆動部20を内包する筐体であり、略筒状をなしている。ハウジング30は、弁部40を内包する第1ハウジング31と、弁駆動部20を内包する第2ハウジング32とを有する。第1ハウジング31の一方の端部31aは閉塞しており、他方の端部31bは開口している。第2ハウジング32の一方の端部32aは、嵌合部33において第1ハウジング31の開口端部31bと嵌合している。第2ハウジング32の他方の端部32bは、図示していない閉塞部材によって閉塞される。第1ハウジング31の弁部側の周壁には、流体の入口となる第1ポート34と、流体の出口となる第2ポート35とが形成されている。図示していないが、第1ポート34及び第2ポート35は、それぞれ、第1ハウジング31に複数形成される構成であってもよい。
弁部40は、弁駆動部20の駆動力によってハウジング30内を移動して、各ポート34,35を開閉するものであり、弁体41と、弁軸42とを有する。弁軸42は、棒状に延びており、弁駆動部20のプランジャ50と連動して、ハウジング30内を軸方向へ移動する。弁体41は、各ポート34,35を開閉可能となるように弁軸42の外周に設けられる。本実施形態では、弁軸42の外周に円柱状の弁体41を設けている。弁体41は、第1ポート34及び第2ポート35の位置に対応して複数設けることができる。
弁駆動部20は、弁部40を軸方向へ移動させる駆動源であり、図1及び図2に示すように、コイル21と、プランジャ50と、スリーブ60と、ケース22と、固定コア23とを備える。
コイル21は、図示していない電源部に接続され、通電によって周囲に磁束を発生するものであり、具体的には、周囲に配置された固定コア23とプランジャ50とを通過する磁束を発生する。コイル21は、プランジャ50、スリーブ60及び固定コア23の周囲を囲むように第2ハウジング32の内周面に隣接して配置される。
プランジャ50は、略柱状であって、磁性金属材料によって形成されている。プランジャ50は、本体部51と軸部52とを有し、本体部51は、略円柱状であって、外周面54に電磁弁1の軸方向へ延びる複数の溝からなる複数のボール保持部10を有する。ボール保持部10の内部にはボール70が収容されている。軸部52は、本体部51の一端から弁部40へ向かって突出する棒状の部位であり、その先端は、弁軸42と連なっている。
スリーブ60は、プランジャ50を囲む筒状体であり、本実施形態では一方の端部61が開口した有底の円筒状に形成されている。スリーブ60は、大径部62と小径部63とを有し、大径部62は、弁部40側に位置する開口端部61側に形成されており、その内径が小径部63よりも大きくなっている。小径部63の内径は、その内部においてプランジャ50の本体部51が軸方向に沿ってスライド移動可能となるように、プランジャ50の本体部51の外形よりも僅かに大きく設定される。
ケース22は、略筒状に形成され、スリーブ60の大径部62の内周面に圧入等によって固定されている。ケース22は、内周面に沿ってプランジャ50の本体部51が軸方向に沿ってスライド移動可能となるようにプランジャ50の周囲を囲む筒部26と、筒部26の一端側においてプランジャ50の軸部52を囲むように径方向内側へ延びる鍔部27とを有する。鍔部27は、スリーブ60の開口端部61側に位置しており、中央にプランジャ50の軸部52が挿通される貫通孔を有する。プランジャ50は、スリーブ60及びケース60の内部において軸方向へ移動可能に配置される。軸方向において弁体41とケース22との間には、プランジャ50を弁体41側へ付勢するスプリング25が配置されている。
固定コア23は、磁性金属材料によって形成され、本実施形態では、円筒状に形成されており、スリーブ60の小径部63の外周を囲むようにプランジャ50とコイル21との間に配置されている。
上述した弁駆動部20では、コイル21の非通電時に、スプリング25の付勢力によって、スリーブ60内においてプランジャ50が弁部40側に移動し、第1ポート34及び第2ポート35を閉塞した状態となる(図2(a)参照)。プランジャ50は、本体部51がケース22の鍔部27と当接することにより、弁部40側への移動が規制される。一方、コイル21の通電時には、固定コア23に磁力が発生し、プランジャ50が固定コア23側に吸引される。これにより、プランジャ50は、スプリング25の付勢力に抗して、スリーブ60内において弁体から離れる方向へ移動する(図2(b)参照)。プランジャ50は、本体部51がスリーブ60の底部に当接することにより、その移動が規制される。
既述のとおり、プランジャ50とスリーブ60との間には軸受構造が設けられており、この軸受構造によってプランジャ50の移動がスムーズに行われるようにしている。この軸受構造は、スリーブ60と、プランジャ50と、プランジャ50に形成されたボール保持部10に収容されたボール70とによって構成され、本実施形態では、スリーブ60に対してプランジャ50が軸方向へ移動可能な直動型の軸受構造を構成している。
図3は、軸受構造を構成するプランジャ50の斜視図である。既述のとおり、プランジャ50の外周面54には複数のボール保持部10が形成されている。
ボール保持部10は、ボール70を転動可能に収容、保持する部位である。図示例では、ボール保持部10がプランジャ50の外周面54に5箇所形成されているが、ボール保持部10の数はこれに限られない。それぞれのボール保持部10には、球状のボール70が少なくとも一つ収容される。ボール70は非磁性体及び磁性体で形成することができる。ボール保持部10は、収容部11と、カシメ部15とを有する。
図4(a)は、図3に示すプランジャ50の要部である収容部11の一部及びカシメ部15の拡大図であり、図4(b)は、図3に示すボール保持部10の開口端部18をボール挿入側から視た平面図、つまり、カシメ部15をボール挿入側から視た平面図を示している。なお、図4(b)では、弁駆動部20におけるスリーブ60の位置を仮想線で記載している。
収容部11は、ボール70を転動可能に収容する部位であり、本実施形態では、軸方向へ延びる溝状に形成されている。収容部11の底面(溝の底面)12は、ボール70が収容部11に沿って軸方向へ移動可能となるように、断面(径方向断面)が、ボール70の表面形状に沿った優円弧状に形成されている。収容部11において軸方向へ延びる開口部の幅W1は、ボール70の直径(寸法D)よりも小さく、ボール70を保持しながらボール70の一部が露出するように設定される。
カシメ部15は、ボール保持部10からボール70が脱落するのを防止し、収容部11におけるボール70の収容状態を保持する部位である。カシメ部15は、ボール保持部10においてボール挿入口となり、かつ収容部11より大径の開口端部18をボール挿入側から加圧して、その内周面をボール保持部10の径方向内側へ、すなわち、ボール保持部10の収容部11の中心軸P方向へ突出するように塑性変形させて形成される。ここで、中心軸Pとは、図4及び図5に示すように、収容部11の優円弧の円の中心を通る軸線であり、本実施形態では、開口端部18の優円弧の円の中心を通る軸線と等しくなっている。このように、カシメ部15は、開口端部18の内周面から収容部11の中心軸P側へ向かって収容部11の内周面よりも内方へ突出することにより、収容部11からボール70が脱落するのを防止している。また、図4(a)に示すように、開口端部18の軸方向の長さ寸法L1は、ボールの直径の二分の一(D/2)以下に設定される。
本実施形態では、収容部11と開口端部18との境界部分に、収容部11に比して開口端部18の径寸法(つまり、優円弧の円の直径寸法)が大きくなるような段差14を設けて、開口端部18を収容部11に比して大径にしている。このような段差14を設けることで、後述するカシメ加工を施した場合に、段差14を設けていないものに比して、カシメ部15におけるテーパ角度θ、特に、カシメ部15のボール当接部位17におけるテーパ角度θを大きくすることができる。ここで、テーパ角度θとは、テーパ状のカシメ部15の頂部(つまり、中心軸P側に突出するカシメ部15の稜線部)15aにおける接線と、中心軸P方向へ延びる直線とが形成する交角をいう。また、ボール当接部位17とは、ボール70が最も開口側(ボール挿入口側)に移動した場合に、カシメ部15の頂部15aにおいて、ボール70の表面が当接する部位をいう。本実施形態では、それぞれのカシメ部15のボール当接部位17におけるテーパ角度θが、20度以上になっている。
なお、収容部11とカシメ部15との境界部分は、段差14を設けることなく、例えば、段差14のない傾斜面状や曲面状にして開口端部18の径寸法d1が収容部11の径寸法d2よりも大きくなるようにしてもよい。かかる場合にもカシメ部15のテーパ角度θが20度以上、特に、ボール当接部位17におけるテーパ角度θが20度以上であることが好ましい。
このようなカシメ部15は、一つのボール保持部10のボール挿入側の開口端部18において、少なくとも一箇所設けられていればよい。本実施形態では、開口端部18において、中心軸Pを挟んで対向する位置にカシメ部15が配置されるようにしている。より具体的には、一対のカシメ部15が、開口端部18の優円弧の円の径方向においてボール70の中心軸Pを通る直線上に位置するように、ほぼ対称に形成されている。各カシメ部15のボール当接部位17におけるそれぞれのテーパ角度θが20度以上であって、ボール当接部位17において両テーパ面が形成する接線の角度αが40度以上になっている(図5(b)参照)。
なお、上述した実施形態において、収容部11は、軸方向へ延びる溝形状を有しているが、収容部11の形状はこれに限られない。収容部11は、ボール70が内部で転動可能であって、ボール70が軸受の機能を奏するように、ボール70の一部が収容部11から露出する形状であればよい。また、プランジャ50及びケース60は、断面が多角形状であってもよい。
次に、上述したカシメ部15の形成方法を説明する。図6(a)〜(d)は、ボール保持部10におけるカシメ部15の形成方法を説明する図であって、形成過程における図4(b)のVI−VI線に沿う部分の断面図を示している。なお、図6では、開口端部18及びカシメ部15の寸法を誇張して表している。
まず、図6(a)に示すように、プランジャ50の外周面54に、ボール70を収容するためのボール収容穴19を複数形成する。ボール収容穴19は、ボール70を転動可能に収容する収容部11と、収容部11よりも内径が大きくなるように拡径した開口端部18とを有する。開口端部18は、プランジャ50の本体部51の軸方向における一方の端部に形成される。図示例では、開口端部18と収容部11との境界部に段差14を設けて、開口端部18を収容部11よりも拡径している。また、開口端部18の軸方向の長さ寸法L1は、ボールの半径(D/2)以下に設定されている。
図6(b)に示すように、ボール70を開口端部18から収容部11内に収容する。その後、図6(c)に示すように、カシメ装置80によって、ボール挿入口側から収容部11側へ向かって(すなわち、中心軸Pの方向へ向かって)開口端部18を加圧するカシメ加工を施す。
カシメ装置80は、同一方向へ突出する複数の加圧部81を有する。各加圧部81の位置は、各ボール収容穴19においてカシメ部15を形成する位置に対応している。このような複数の加圧部81を有するカシメ装置80によって、それぞれのボール収容穴19の開口端部18を同時に加圧することにより、それぞれの開口端部18の優円弧の一部又は全部を中心軸P側へ突出するように塑性変形させる。また、カシメ加工では、収容部11と開口端部18とのうち、開口端部18のみが塑性変形するように押圧力を調整している。
本実施形態において、加圧部81は、一つのボール収容穴19に対して一つの加圧部81が位置するように配置されている。また、一つの加圧部81によって、ボール収容穴19の開口端部18に中心軸Pを挟んで一対のカシメ部15が形成されるように加圧部81の形状を設定している。
図6(d)に示すように、カシメ加工後の開口端部18、つまり、カシメ部15は、ボール挿入口の最小幅がボール70の直径よりも十分に小さく、ボール70の脱落を防止し得る大きさに形成される。また、開口端部18の径寸法d1を収容部11の径寸法d2よりも大きくすることで、カシメ部15を形成する開口端部18の中心軸P方向における長さ寸法L1をボール70の半径以下(D/2以下)と比較的短くした場合であっても、容易にカシメ部15のボール当接部位17のテーパ角度θを大きく形成することができる。
上述したカシメ部15を有する軸受構造では、ボール挿入口側から収容部11へ向かって開口端部18を押圧してカシメ加工を施したものであるため、外周面54にボール挿入口が同一方向を向く複数のボール保持部10を有するプランジャ50にカシメ加工を施す際に、各ボール保持部10に対してカシメ部15を同時に形成することができる。そのため、従来の軸受構造のように、それぞれのボール保持部に対して、個別にカシメ部を形成するものに比して、カシメ加工の作業を簡素化することができる。また、従来の軸受構造のように、ボール保持部の開口端部を径方向外側から内側に向かって加圧してカシメ部を形成するものに比して、カシメ部15の長さ寸法(図5(b)に示す、カシメ部15の軸方向における寸法)L2を短くすることができ、その結果、電磁弁1を小型化することができる。既述のとおり、本実施形態では、開口端部18の長さ寸法L1がボール70の半径以下であり、カシメ部15の長さ寸法L2は、ボール70の半径未満の大きさとなっている。
また、本実施形態の軸受構造では、カシメ部15を形成する開口端部18を収容部11よりも拡径しているため、カシメ加工を施した場合に、ボール当接部位17のテーパ角度θを大きくしてボール70がスタックするのを防止することができる。
図7を参照すると、ボール保持部10において、ボール70の脱落を防止するために必要な強度代(すなわち、収容部11の内周面に対する中心軸Pへの突出量)をX1とし、カシメ加工による変形量をX2とすると、カシメ加工前の開口端部18の径寸法d1が、収容部11の径寸法d2と等しいもの(つまり、図10に示す従来のボール保持部110)では、突出量X1と変形量X2とが等しい値となる。これに対し、本実施形態のボール保持部10では、収容部11と開口端部18との間に段差14を設けて、開口端部18の径寸法d1を収容部11の径寸法d2よりも大きく形成し、この拡径した開口端部18にカシメ加工を施している。そのため、本実施形態のカシメ部15では、カシメ加工による変形量X2が、ボール70の抜け防止に必要な突出量X1よりも大きくなり、その結果、突出量X1と変形量X2が等しいものと比べて、テーパ角度θを大きくすることができる。
また、開口端部18の長さ寸法L1をボール70の半径以下とすることで、ボール70が開口端部18側に移動した場合であっても、ボール70の中心が収容部11の内部に位置するようにすることができる。
図8は、テーパ角度θとボール保持力の関係を示す図である。プランジャ50が軸方向へ移動した際にボール70がスタックを起こさないためには、ボール保持力の値が0以下となるようにテーパ角度θを設定することが好ましい。本実施形態では、テーパ角度θを20度以上に設定することで、ボール保持力を0以下にしており、これによりスタックの発生を確実に防止することができる。なお、テーパ角度θは20度以上に限られるものではなく、ボール70がスタックを起こさない程度にボール保持力が小さくなる角度であればよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、軸受構造において摺動体となるプランジャ50にボール保持部10を形成しているが、筒体となるスリーブ60の内周面にボール保持部10を形成する構成であってもよい。
また、カシメ部15の位置は上述した位置に限られるものではなく、例えば、上述した一対のカシメ部15とともに、又はこれに代えて、カシメ部15がプランジャ50の外周面54に位置するようにしてもよい。カシメ部15を外周面54に形成する場合には、カシメ装置80において、図9に示すように、円錐台状又は円錐状の中空を有する加圧部81を該加圧部81の内周面がプランジャ50の外周面54に当接するようにボール挿入口側から収容部11側へ向かって中心軸P方向へ押圧する。これにより、プランジャ50の外周面54(つまり、開口端部18の優円弧の両端部)において、開口端部18の内周面が収容部11の内周面よりも中心軸P側へ突出するように、開口端部18を塑性変形させてカシメ部15を形成することができる。この方法によれば、円錐台状又は円錐状の中空を有する加圧部81によって、それぞれのボール保持部10におけるカシメ部15を同時に形成することができる。
1 電磁弁
10 ボール保持部
11 収容部
15 カシメ部
18 開口端部
20 弁駆動部
21 コイル
22 ケース
23 固定コア
30 ハウジング
40 弁部
50 プランジャ(摺動体)
60 スリーブ(筒体)
70 ボール

Claims (5)

  1. 筒体と、該筒体の内側に挿入された摺動体とを備え、前記筒体及び前記摺動体のいずれか一方に形成されたボール保持部に収容されたボールを介して、前記筒体に対する前記摺動体の移動をスムーズにする軸受構造において、
    前記ボール保持部は、
    前記ボールを転動可能に収容する収容部と、
    該収容部に連続し、該収容部よりも大径の開口端部と、
    該開口端部に形成され、前記収容部におけるボールの収容状態を確保するようにカシメ加工を施したカシメ部とを有し、
    該カシメ部は、前記開口端部の内周面から前記収容部の中心軸側へ向かって前記収容部の内周面よりも内方へ突出することを特徴とする軸受構造。
  2. 前記開口端部の前記中心軸の方向における長さ寸法は、前記ボールの直径の二分の一以下であることを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
  3. 前記摺動体は、前記筒体の軸方向へ移動可能であって、前記筒体とともに直動型の軸受構造を構成し、
    前記ボール保持部は、前記軸方向に沿って延びており、
    前記カシメ部は、前記ボール保持部の前記軸方向における端部に位置すること特徴とする請求項1又は2に記載の軸受構造。
  4. 請求項に記載の軸受構造と、
    前記摺動体の周囲に配置された固定コアと、
    通電によって、前記固定コアと前記摺動体とを通過する磁束を発生するコイルと、
    前記摺動体とともに前記軸方向へ移動可能に連結された弁体とを備えることを特徴とする電磁弁。
  5. 筒体と、該筒体の内側に挿入された摺動体とを備え、前記筒体及び前記摺動体のいずれか一方に形成されたボール保持部に収容されたボールを介して、前記筒体に対する前記摺動体の移動をスムーズにする軸受構造の製造方法において、
    前記ボール保持部は、
    前記ボールを転動可能に収容する収容部と、
    該収容部に連続し、該収容部よりも大径の開口端部と、
    該開口端部に形成され、前記収容部におけるボールの収容状態を確保するようにカシメ加工を施したカシメ部とを有し、
    該カシメ部は、前記開口端部を前記収容部よりも大径に形成した後、前記開口端部の内周面から前記収容部の中心軸側へ向かって前記収容部の内周面よりも内方へ突出するように、前記開口端部をボール挿入口側から前記収容部側へ向かって前記中心軸方向へ加圧して形成することを特徴とする軸受構造の製造方法。
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