以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1Aは、給水装置を備えた給水システムの構成概略の一例を示す図である。この給水システムは、給水装置10(ポンプ装置)と、2つの受水槽110A、110Bと、を備え、主にマンション、オフィスビル、商業施設、又は学校等の建物(給水対象)に水を供給するためのシステムである。図1Aに示す例では、給水装置10は、吸込側(一次側)に2つの受水槽110A、110Bが設置される受水槽方式(受水槽二槽式)で使用されている。ただし、本実施形態の給水装置10は、一次側に1つの受水槽が設置される受水槽方式(受水槽一槽式)で使用することもできる。なお、「受水槽方式」は、「水槽方式」の一例である。給水装置10の吐出側(二次側)には給水管107が接続されており、この給水管107は、図示しない建物の各給水栓(例えば蛇口)に連通する。給水装置10は、水供給源である図示しない水道本管から受水槽110A、110Bに貯められた水を加圧し、建物の各給水栓に水を供給する。
図1Aに示す受水槽二槽式について詳細に説明する。受水槽二槽式では、2つの受水槽110A、110Bが使用される。2つの受水槽110A、110Bには、水道本管に連通する導入管102より分岐した流入管130A、130Bによって、水供給源である水道本管(図示せず)からの水が貯められる。流入管130A、130Bのそれぞれには、市水流入弁132A、132Bが設けられている。市水流入弁132A、132Bは、流入管130A、130Bの流路を遮蔽可能なバルブであって、例えば、電磁弁や電動弁で構成される。本実施形態では、市水流入弁132A、132Bは、給水装置10のI/O部47からの出力信号によって制御される。受水槽110Aは、市水流入弁132Aが設けられた流入管130Aの下流に設置されており、市水流入弁132Aが開けられることにより、導入管102の水が受水槽110Aへと流入する。また、受水槽110Bは、市水流入弁132Bが設けられた流入管130Bの下流に設置されており、市水流入弁132Bが開けられることにより、導入管102の水が受水槽110Bへと流入する。
受水槽110A、110Bと給水装置10の吸込口10Aとは、導入管116A、116Bによって接続されている。導入管116A、116Bのそれぞれには、手動で開閉可能な仕切弁118A、118Bが設けられている。仕切弁118Aが開けられることによって受水槽110Aと給水装置10とが連通し、仕切弁118Bが開けられることによって受水槽110Bと給水装置10とが連通する。これにより、仕切弁118A、118Bの開閉に応じて、受水槽110A、110Bの一方または両方に貯められた水が給水装置10に導入される。
また、受水槽110A、110Bは、止水弁114が設けられた連通管112によって互いに接続されている。止水弁114は例えば仕切弁で構成され、止水弁114が開かれているときには受水槽110A、110Bは同じ水位となり、止水弁114が閉じられているときには受水槽110A、110Bは独立した水位となる。
受水槽110A、110Bのそれぞれには、受水槽110A内の水位を検出する水位計である第1水位計、受水槽110B内の水位を検出する水位計である第2水位計が設けられている。具体的には、受水槽110A、110B内の水位を検出する水位計である電極式レベルスイッチ120A(第1水位計)、電極式レベルスイッチ120B(第2水位計)が設けられている。本実施形態では、給水装置10は、受水槽110A、110B内の水位の閾値として少なくともひとつの水位レベルを有し、受水槽110A、110B内の水位が当該水位レベル以上または水位レベル未満かによって判断した水位状態にて水槽水位制御を行う。具体的には、後述する水槽方式(設定コードP10)に基づく水位レベルは、例えば、水位の低い順に電極式レベルスイッチ120A、120Bの電極に割り当てられた渇水の水位レベル、減水の水位レベル、開水位レベル、閉水位レベル、満水の水位レベルである。給水装置10は、受水槽110A、110B内の水位が、ポンプ20を強制的に停止させる渇水の水位レベルよりも高い減水の水位レベル未満で水位状態を「減水状態」と判断し、更に水位が低くなりポンプ20を強制的に停止させる所定の水位レベル(渇水の水位レベル)未満となったら水位状態を「渇水状態」と判断する。更に、給水装置10は、水が溢れる虞がある満水の水位レベル以上となったら水位状態を「満水状態」と判断する。なお、制御部40は減水を検出するか否かの設定値を有し、制御部40が減水を検出しない場合は、水槽の水位が渇水の水位レベル以上満水の水位レベル未満であれば、水位状態は「正常状態」である。一方、制御部40が減水を検出する場合は、水槽の水位が減水の水位レベル以上満水の水位レベル未満であれば、水位状態は「正常状態」である。
電極式レベルスイッチ120A、120Bによる検出信号は、給水装置10のI/O部47に入力される。電極式レベルスイッチ120A、120Bのそれぞれは、受水槽110A、110B内に配置される複数の電極棒121〜125を備えている。複数の電極棒121〜125は、水位検知器であって、本実施形態では、コモン電極棒121、及び、低い水位を検出できる順に、渇水の水位レベルの検出のための電極棒122、市水流入弁132A、132Bを開放する開水位レベルの検出のための電極棒123、市水流入弁132A、132Bを閉止する閉水位レベルの検出のための電極棒124、満水の水位レベルの検出のための電極棒125となっている。なお、電極式レベルスイッチ120A、120Bは、5本の電極棒121〜125を有するものに限られず、3本、4本、または6本以上の電極棒を有してもよい。その場合でも、最も低い水位レベルを検出できる電極棒にて渇水の水位レベルを検出し、最も高い水位レベルを検出できる電極棒にて満水の水位レベルを検出するとよい。また、市水流入弁132A、132Bを開放するための開水位レベルは、市水流入弁132A、132Bを閉止するための閉水位レベルよりも低い水位レベルとするとよい。
ここで、電極式レベルスイッチ120A(第1水位計)、電極式レベルスイッチ120
B(第2水位計)においては、各電極棒122〜125と最も長いコモン電極棒121との間の抵抗値の変化を検出することにより、水槽の水面が各電極棒122〜125の下端よりも高い位置にあることを検出するようになっている。すなわち、受水槽110A、110Bの水面が各電極棒122〜125の下端よりも高くなり、その少なくとも一部が水面下の電極棒122〜125とコモン電極棒121の間が水により導通されたときに各水位レベル以上の検出信号を後述するI/O部47へ出力する。一方、受水槽110A、110Bの水面が各電極棒122〜125の下端よりも低くなると、その全ての部分が水面上の電極棒122〜125とコモン電極棒121との間は、水により導通されないため、後述するI/O部47へ出力される各水位レベル以上の検出信号をオフする。
受水槽110A、110Bのそれぞれには、電極式レベルスイッチ120A、120Bに代えて、もしくは加えて、受水槽110A、110B内の水位を検出する水位計であるフロートスイッチ140A、140Bが設けられていてもよい。フロートスイッチ140A、140Bによる検出信号は、給水装置10の制御部40に入力され、ポンプ装置10は、受水槽110A、110Bの水位が少なくともひとつの水位レベル(渇水、市水流入弁132A、132Bの開水位、閉水位、又は満水等の水位レベル)以上または未満であると判断する。なお、フロートスイッチ140A、140Bは、給水装置10が渇水の水位レベル、市水流入弁132A、132Bの開水位レベルおよび閉水位レベル、又は満水の水位レベルを検出する場合、複数設けられるとよい。
なお、市水流入弁132A、132Bの開閉は制御部40を介さずに行ってもよい。具体的には、上述した水位計は、市水流入弁132A、132Bに接続されるリレー接点等の出力部が設けられ、市水流入弁132A、132Bの開閉は、当該水位計の出力部からの信号によって制御される。各水位計の出力部は、市水流入弁132A、132Bの開水位レベル以下の検出にて該当する市水流入弁132A、132Bを開とする信号をONし、市水流入弁132A、132Bの閉水位レベル以上の検出にて該当する市水流入弁132A、132Bを開とする信号をOFF(つまり、市水流入弁132A、132Bを閉じる)してもよい。
次に、受水槽110A、110Bの下流(二次側)に接続された給水装置10について説明する。給水装置10は、受水槽モードとして、受水槽110Aを用いて給水を行う第1受水槽モード、受水槽110Bを用いて給水を行う第2受水槽モード、後述する仕切弁118Bが解放された状態で受水槽110Aと受水槽110Bの両方を用いて給水を行う受水槽共用モードのうち何れかのモードを備える。本実施形態では、給水装置10は、後述する水槽制御操作表示部への外部入力による水槽選択ボタン441(図1D)で「No1」、「No2」、または、「共用」の何れかが選択される。そして、給水装置10は、受水槽選択にてNo1が選択されたときに第1受水槽モード、No2が選択されたときに第2受水槽モード、共用が選択されたときに受水槽共用モードとする。なお、こうした受水槽モードは、給水装置10が受水槽二槽式で使用される場合にのみ変更できるものとし、給水装置10が受水槽一槽式で使用される場合には第1受水槽モードで固定されるとよい。
給水装置10の具体的な構成について説明する。給水装置10は、ポンプ20と、このポンプ20を駆動する駆動部としてのモータ21と、モータ21を可変速駆動する周波数変換器としてのインバータ22と、を備えている。また、給水装置10は、ポンプ20の吐出し側(下流側)に、逆止弁23と、フロースイッチ24と、圧力センサ26と、圧力タンク28と、を備える。受水槽110A、110Bは、ポンプ20の搬送液を貯水する水槽である。
図1Aに示す例では、ポンプ20、モータ21、逆止弁23、及びフロースイッチ24
が2組設けられ、これらは並列に設けられている。なお、1組、または3組以上のポンプ20、モータ21、逆止弁23、及びフロースイッチ24が設けられてもよい。複数台のポンプ20を設けることにより、一部のポンプ20が運転不可となった場合には、運転可能な他のポンプ20にて給水を継続し極力断水を避けるようになっている。
逆止弁23は、ポンプ20の吐出口に接続された吐出管32に設けられており、ポンプ20が停止したときの水の逆流を防止する。逆止弁23の下流側には、フロースイッチ24が設けられている。フロースイッチ24は、吐出管32を流れる水の流量が所定の値にまで低下したこと、すなわち過少水量(小水量)を検出する流量検出器である。吐出管32におけるフロースイッチ24のさらに下流側には、圧力センサ26、及び圧力タンク28が設けられている。圧力センサ26は、ポンプ20の吐出し圧力(以降、吐出し圧力とは、圧力センサ26にて測定した圧力値を示す。)を測定するための圧力測定器である。圧力タンク28は、ポンプ20が停止している間の吐出し圧力を保持するための圧力保持器である。
給水装置10は、ポンプ20を制御して給水動作を制御する制御部40を備えている。図1Aに示すように、制御部40は、記憶部41と、演算部42と、I/O部47と、運転パネル44と、通信部48と、を備えている。
記憶部41としては、ROM、HDD、EEPROM、FeRAM、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリが使用される。記憶部41は、給水装置10を制御するための制御プログラムと、装置情報、設定値情報、メンテナンス情報、履歴情報、異常情報、運転情報等の給水装置10に関する各種データを記憶する。なお、これらは、記憶部41が不揮発性記憶領域を有する場合には、その不揮発性記憶領域に記憶されてもよい。
なお、本実施形態では、設定変更可能な装置情報または設定値情報として、受水槽が一槽式または二槽式であるか、受水槽選択、電極式レベルスイッチ120A、120Bにおける電極棒の本数、さらには各電極に入力される水位信号並びに現在選択されている受水槽110Aおよび/または110Bが記憶される。
また、本実施形態では記憶部41に、設定値情報として、受水槽が一槽式または二槽式であるか、電極式レベルスイッチ120A、120Bにおける電極棒の本数、及び市水流入弁132A、132Bの制御方法、に関連付けられた設定コードP10(受水槽設定)が記憶されている。設定コードP10に基づいて「受水槽方式」が決定される。
図1Bは、記憶部41に記憶される設定コードP10の設定値と受水槽方式に関する各情報との関係の一例を示す図である。本実施形態では、設定コードP10の設定値として「1」〜「15」が予め定められており、設定コードP10の設定に応じて制御部40は水槽水位制御を実行する。図1Bに示す例は、一例であって、設定コードP10と各情報との対応関係は適宜定められればよい。本実施形態では、図1Bに示すように、受水槽方式は、受水槽の数を示す受水槽コード、水位計の方式を示す水位計コード、電磁弁方式を示す電磁弁コード並びに市水流入弁制御コード等が含まれる。例えば設定コードP10の値が「1」であるときには、受水槽方式は、受水槽コードより「受水槽一槽式」、且つ、電極コードより「レベルスイッチ120Aの電極棒数が4本」、且つ、電磁弁コード並びに市水流入弁制御コードにより「制御部40は、市水流入弁132Aの制御信号の出力なし」であることを意味する。また、例えば設定コードP10の値が「9」であるときには、受水槽方式は、「受水槽二槽式」、且つ、「レベルスイッチ120A、120Bの電極棒数が5本」、且つ、「制御部40は市水流入弁132A、132Bを同時に開閉させる制御信号の出力あり」である、ことを意味する。
図1Cは、図1Bにおける設定コードP10の設定値が「9」であるときの電極棒と制御部40との配線関係を示している。本実施形態の制御部40は、I/O部47に、図1Cに模式的に示す入力端子E11〜E15、E31〜E33、E21〜25、及びE41〜E43を有する。そして、記憶部41には、設定コードP10の設定値毎に、各電極棒からの電気配線がどの入力端子に接続されるのかが記憶されている。一例として、図1Cに示す例では、受水槽110Aに設置されるレベルスイッチ120Aのコモン電極棒121は、入力端子E15に接続される。また、電極棒122〜125は、入力端子E14〜E11に接続される。同様に、受水槽110Bに設置されるレベルスイッチ120Bの電極棒121〜125は、入力端子E25〜E21に接続される。一例として設定コードP10の設定値が「9」であるときの配線関係を説明したが、記憶部41には他の設定値に対しても電極棒と入力端子との配線関係が予め記憶されている。具体的には、記憶部41には、設定コードP10の設定値毎の図1Cに示すような模式図やそれに相当する情報(入力端子と接続される電極の相互関係のデータテーブル等)が記憶されている。
図1Aに説明をもどす。演算部42としては、CPUが使用される。演算部42は、記憶部41に格納されている制御プログラム及び各種データ、並びにI/O部47から入力される信号に基づいて、給水装置10を構成する各機器を制御するための演算等を行う。また、演算部42は、通信部48及びI/O部47等における通信制御、並びに、運転パネル44における表示および操作の制御を行う。演算部42における演算結果は、記憶部41に記憶されるとともに、I/O部47、通信部48に出力される。例えば、演算部42は、設定コードP10に基づいて決定された「受水槽方式」に基づいた水槽水位制御を行う。
I/O部47としては、ポートや端子等が使用され、電極式レベルスイッチ120A、120Bの検出信号を入力する入力端子E11〜E15、E31〜E33、E21〜25及びE41〜E43(図1C参照)を有する。また、I/O部47は、圧力センサ26、フロースイッチ24、受水槽110A、110Bに設けられている電極式レベルスイッチ120A、120B、フロートスイッチ140A、140B、等の各種センサ類の検出信号等を受け入れて演算部42に送る。また、I/O部47は、市水流入弁132A、132Bへ演算部42からの開閉指令信号を送るための出力端子を有する。また、I/O部47は、インバータ22と互いに接続されている。I/O部47とインバータ22とは、RS422、232C、485等の通信手段により互いに接続されるとよい。
運転パネル44は、記憶部41に記憶される各種データを、演算部42を介して表示ならびに変更することができるGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)である。具体的には、運転パネル44は、装置情報、設定値情報、メンテナンス情報の表示および設定変更、メンテナンス情報、履歴情報の表示、入力、履歴のクリア、異常情報の表示およびリセット、水槽の水位情報、並びに、運転情報の表示等を行う。なお、制御部40と運転パネル44は同一の基板にて構成されてもよいし、別々の基板としてもよい。別々の基板の場合、制御部40と運転パネル44とは、シリアル通信もしくは信号線等の有線、または無線にて接続されるとよい。また、運転パネル44を給水装置10から離れた場所(例えば、管理人室等)に設置し、運転パネル44は、CPUを備えて該CPUにて表示操作の制御をしたり、制御部40および外部表示器80との通信制御を行ったりしてもよい。
運転パネル44の設定部45は、制御部40の情報入力部であって、ユーザからの外部操作により給水装置10における自動給水の運転/停止、受水槽110A、110Bの選択、警報リセット、及び、各種データの設定変更等の各種入力操作を行うために使用される。設定部45は、操作ボタンまたはタッチパネル等を備えるとよい。ここで、本実施形
態では、設定部45を通じた入力と、I/O部47を通じた入力と、通信部48を通じた入力とを、外部入力という。設定部45を通じて外部操作によって入力された情報は、記憶部41に記憶される。例えば、設定部45は、受水槽方式、給水装置10の給水方式、設定圧力PA、最低圧力PB、始動圧力、及び停止圧力を設定値情報として設定変更することができる。
運転パネル44の表示部46は、ユーザインターフェースとして機能し、記憶部41に格納されている各種データを表示できるように構成されている。給水装置10は、機械室またはポンプ室などの電気的なノイズの多い環境に設置されることがある。こうした場合に備えて、表示部46は、液晶表示およびタッチパネルよりも電気的ノイズに強い7セグメントLEDまたは表示灯、並びに機械的な押圧ボタンなどにて構成された表示器が使用されてもよい。これにより、電気的なノイズ等によって外部表示器80の表示操作部80Aに異常が発生するような外部環境においても、給水装置10の運転に必要な最低限度の表示を表示部46に表示することができる。したがって、給水装置10を電気的ノイズの多い環境下にも設置することができる。ただし、表示部46としては、電気的ノイズに強い表示器に限定されず、ドットマトリクス方式による液晶表示器やタッチパネルなどが使用されてもよい。
図1Dは、本実施形態の運転パネル44の一例を示す図である。本実施形態の運転パネル44は、図示するように、水位警報表示部150と水槽制御操作表示部160とを有する。水槽制御操作表示部160は、水槽選択ボタン441及び表示ランプL3、L4を有する。水槽選択ボタン441は例えばタクトスイッチであって操作者が押下することで、受水槽選択として「No.1」、「No.2」または「共用」の何れかを選択でき、当該選択された受水槽選択の状態が表示ランプL3、L4の一方または両方の点灯によって示される。つまり、受水槽選択にて「No.1」が選択されているときには表示ランプL3のみが点灯し、「No.2」が選択されているときには表示ランプL4のみが点灯し、「共用」が選択されているときには表示ランプL3、L4の両方が点灯する。水位警報表示部150は表示ランプL1、L2を有する。水位警報は表示ランプL1、もしくは、L2の点灯または点滅によって示すとよい。具体的には、受水槽選択として選択された受水槽の水位が満水状態となっているときに満水警報として表示ランプL1が点灯する。また、選択された受水槽水位が減水状態となっているときに減水警報として表示ランプL2が点滅し、選択された受水槽水位が渇水状態となっているときに表示ランプL2が渇水警報として点灯する。なお、受水槽選択は、水槽選択ボタン441によって変更されるものに代えて、または加えて、通信部48またはI/O部47への外部入力によって変更されるものとしてもよい。
通信部48は、有線通信または無線通信によって外部表示器80と通信可能なように構成されている。具体的には、記憶部41に記憶された給水装置10に関する各種情報を外部表示器80へ送信するとともに、制御部40の情報入力部として外部表示器80からの設定値情報の設定変更を受信し、演算部42に送る。通信部48における無線通信としては、例えば近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)の技術を利用することができる。また、Bluetooth(登録商標)およびWi−Fi(登録商標)など、任意の方式の無線通信を利用することができる。ただし、NFCは、制御部40と外部表示器80とを近づけるだけで通信を完了させることができる点で有利である。また、有線通信としては、例えば制御部40にUSB(Universal Serial Bus)のような外部接続端子が設けられ、ここに外部表示器80が接続されることによって通信がなされてもよいし、RS422、RS232C、RS485等のシリアル通信を用いてもよい。
外部表示器80(表示器)は、表示操作部80Aを有し、給水装置10の通信部48と通信して給水装置10に関する各種データを表示・変更可能なように構成されている。具
体的には、外部表示器80は、記憶部41に記憶された各種データを給水装置10の通信部48から受信し表示操作部80Aに表示する。また、外部表示器80は、ユーザが表示操作部80Aを操作して入力した各種データの変更要求を給水装置10の通信部48へ送信する。表示操作部80Aは、タッチ入力方式または押圧ボタン方式を用いた液晶画面での高機能表示器を採用することができる。この場合、給水装置10の表示部46には簡易な情報を表示させ、外部表示器80には大きな情報量の情報を表示させてもよい。こうした構成により、外部表示器80は、記憶部41に記憶された各種データのうち複数の情報(例えば、後述する水槽方式グラフィックや水位表示、設定圧力PA、最低圧力PB、始動圧力、停止圧力、目標圧SV、現在圧PV、ポンプ20の運転・停止、回転速度など)を、表示操作部80Aの同一画面上に表示することができる。これにより、給水装置10に不慣れなユーザも誤解することなく、給水装置10の状態を認識したり、設定入力を行うことができる。
さらに、外部表示器80として、スマートフォン、携帯電話、パソコン、又は、タブレットなどの汎用端末機器(PDA:personal digital assistant)を採用した場合には、これらのPDAに、外部表示器80として作用するための専用のアプリケーションソフトウエアをインストールさせてもよい。この場合には、専用のアプリケーションソフトウエアをユーザのレベル又は目的に沿って複数用意してもよい。また、外部表示器80は各種ネットワーク90に接続でき、当該ネットワーク90を介して専用のアプリケーションソフトウエアをダウンロードしたり、給水装置10より取得した情報を外部に送信できるとよい。
なお、上述した運転パネル44の機能は、外部表示器80にて全て実施可能としてもよい。こうすれば、給水装置10が操作しにくい場所(例えば、運転パネル44が操作者の足元あたり)に設置されていても給水装置10の状態確認や設定値情報の変更等の操作が容易となる。
次に、制御部40による給水装置10の給水制御の一例について説明する。渇水状態が発生しておらず、且つ、ポンプ20が停止している状態で吐出し圧力が所定の始動圧力以下に低下すると、制御部40はポンプ20の少なくとも1つを始動させる。具体的には、制御部40はポンプ20の駆動を開始するようにモータ21(インバータを備える場合にはインバータ)に指令を出す。ポンプ20の運転中は、設定された圧力(設定圧力PA)により推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御などの制御が行われる。具体的には推定末端圧力一定制御の場合は、水供給先の末端の圧力が一定となるように、制御部40は、ポンプ20の回転数と目標圧力制御カーブとを用いてポンプ20の吐出し圧力に対する目標圧SVを設定する。目標圧力一定制御の場合は、制御部40は、ポンプ20の吐出し側の圧力が設定圧力PAとなるように、設定圧力PAを目標圧SVと設定する。また、推定末端圧力一定制御と目標圧力一定制御とのいずれの場合にも、制御部40は、吐出し圧力を現在圧PVとして、目標圧SVと現在圧PVの偏差にてPI演算またはPID演算にてポンプ20の指令回転速度を算出する。なお、推定末端圧一定制御において、設定圧力PAは最大流量時の圧力値であり、最低圧力PBは末端の給水栓における流量ゼロ時の圧力値である。また、制御部40は、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合は、同時に起動可能なポンプ台数(ポンプ並列運転台数)にて水量に応じたポンプの台数制御も行う。なお、ポンプ並列運転台数は設定値情報として記憶部41に記憶されるとよい。
ポンプ20の運転中に建物での水の使用が少なくなると、ポンプ20からの吐出し流量が過少水量未満に至ったことをフロースイッチ24が検出し、検出信号がI/O部47を介して制御部40に送られる。制御部40は、この検出信号を受けると、所定時間で吐出し圧力が停止圧力に達するようにポンプ20の回転数を制御する蓄圧運転を行う。そして、吐出し圧力が所定の停止圧力に達すると、圧力タンク28に蓄圧したと判断して蓄圧運
転を終了し、ポンプ20を停止(小水量停止)させる。ポンプ20が小水量停止した後に、再び建物内で水が使用されて吐出し圧力が始動圧力以下まで低下すると、ポンプ20の小停再始動が行われる。なお、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合には、始動するポンプ20をローテーションさせ、ポンプ20内に水が滞留するのを防ぐことが好ましい。また、小水量を検知する方法としては、フロースイッチ24を用いずに、モータ21の電流値による低負荷や締切揚程等その他の手段を用いてもよい。
また、本実施形態では、制御部40は、水槽方式である現在の設定コードP10を参照することにより、受水槽の数、及び電極式レベルスイッチ120A、120Bの電極の数などの情報を判断して受水槽制御を実行する。具体的には、設定コードP10が「9」のときには、図1Bおよび図1Cに示すように、制御部40は、受水槽二槽式、電極棒の数が5本であると判断する。そして、制御部40は、各入力端子に入力される電極式レベルスイッチ120A、120Bの各電極棒を判断する。制御部40は、コモン電極棒121が入力端子E15に接続され、入力端子E14に渇水の水位レベルの検出のための電極棒122、入力端子E13に開水位レベルの検出のための電極棒123、入力端子E12に閉水位レベルの検出のための電極棒124、入力端子E11に満水の水位レベルの検出のための電極棒125が接続され、同様に、入力端子E25〜E21にはレベルスイッチ120Bの電極棒121〜125が接続されていると判断する。
そして、制御部40は、入力端子E11〜E15、E31〜E33、E21〜25、及びE41〜E43に入力された電極式レベルスイッチ120A、120Bの検出信号に基づいて受水槽110A、110Bの水位を判定し、判定した水位に基づいて受水槽制御(水槽水位制御)を実行する。つまり、制御部40は、電極式レベルスイッチ120A、120Bより取得した少なくともひとつの水位レベル(例えば、満水レベル、減水レベル、渇水レベル)に基づいて判断された水位状態(例えば、満水状態、減水状態、渇水状態)によって受水槽水位制御を行う。受水槽制御には、市水流入弁132A、132Bの開閉制御、渇水状態によるポンプ20の強制停止、運転パネル44や外部表示器80等への水位警報の表示、及び水位警報等の外部出力等の少なくともひとつが含まれる。受水槽二槽式の場合、制御部40は、第1受水槽モードでは電極式レベルスイッチ120Aの検出信号に基づいて受水槽110Aの水位を判定し、第2受水槽モードでは電極式レベルスイッチ120Bの検出信号に基づいて受水槽110Bの水位を判定するとよい。また、制御部40は、共用モードでは、予め定めた一方の電極式レベルスイッチ120A、120Bの検出信号に基づいて受水槽110A、110bの水位を判定するものとしてもよいし、両方の検出信号に基づいて受水槽110A、110bの水位を判定するものとしてもよい。なお、一実施形態として、受水槽一槽式の場合に制御部40は、電極式レベルスイッチ120Aの検出信号に基づいて受水槽110Aの水位を判定し、受水槽制御(水槽水位制御)を実行する。
次に、受水槽110A、110Bの状態を表示する方法について説明する。以下の説明では、一例として、外部表示器80の表示操作部80Aに、受水槽110A、110Bの状態を表示する方法について説明する。この場合、制御部40は所得した水位状態を含む水位情報と水槽方式とを外部表示器80に送信する。また、受水槽110A、110Bの状態の表示については、外部表示器80に加えて又は代えて制御部40の表示部46(運転パネル44)にてなされてもよい。運転パネル44にて表示等される場合、運転パネル44が外部表示器80と同様の構成並びに機能を有する。換言すれば、以下に説明する受水槽110A、110Bの状態を表示する方法は、給水装置10の制御部40によって実行されてもよいし、運転パネル44によって実行されてもよいし、給水装置10の制御部40から情報を取得可能な外部表示器80によって実行されてもよい。運転パネル44および外部表示器80は、表示操作器の一例に当たる。また、受水槽110A、110Bの状態を表示する方法は、単独の装置によって実行されるものに限定されず、複数の装置の機能が組み合わされることによって実行されてもよい。
図2は、外部表示器80によって実行される水位表示処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、外部表示器80と給水装置10との通信が確立された状態で、ユーザが外部表示器80を操作して受水槽110A、110Bの水位表示を指示したときに、所定のタイミング毎(例えば数msec〜数百msec毎、数秒毎など)に実行される。
水位表示処理が実行されると、外部表示器80は、受水槽方式(水槽方式)と、受水槽110A、110Bの水位と、を取得する(ステップ:S12)。外部表示器80によるS12の処理は、給水装置10から情報を受信することにより行われる。本実施形態では、外部表示器80は、受水槽方式として設定コードP10(受水槽設定)の値を取得する。なお、一般に受水槽方式は一度設定されるとその後に変更されるものではないため、外部表示器80は、給水装置10から受水槽方式を、水位表示の画面起動時に一度だけ受信して図示しない記憶部に記憶し、以降は自身の記憶部を参照することによって受水槽方式を取得してもよい。また、受水槽110A、110Bの水位情報については、外部表示器80は、給水装置10の制御部40から電極式レベルスイッチ120Aおよび/または120Bによる水位レベルに基づく水位の検出信号(例えば、満水レベル以上または未満、減水レベル以上または未満、渇水レベル以上または未満等)を取得するとよい。
続いて、外部表示器80は、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックと、水位情報を表示するための水位表示と、を併せて表示操作部80Aに表示する。(ステップ:S14)
ここで、外部表示器80が、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックを表示する方法を説明する。図2Aに示すように、本実施形態では、外部表示器80の記憶部80B(図1A参照)に、設定コードP10の値に対応する水槽方式グラフィック群1120X(図中、1120a〜1120j等)が予め記憶されている。具体的には、記憶部80Bには、P10の設定値群P10Xと、水槽方式グラフィック群1120Xと、当該P10Xの各値と水槽方式グラフィック群1120Xの各図の関係性を示すリレーション群P10X1が記憶されている。そして、外部表示器80は、水槽方式グラフィック群1120Xの中からリレーション群P10X1にて設定コードP10と関連付けられた図を水槽方式グラフィックとして選択し、当該選択された水槽方式グラフィックを表示操作部80Aの水槽方式グラフィック部1120に表示する。
また、外部表示器80が、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックを表示する方法の一実施形態では、外部表示器80は、設定コードP10に含まれる受水槽コード、水位計コード、電磁弁コード並びに市水流入弁制御コードのそれぞれに対応したグラフィック群を有し、取得した設定コードP10より当該グラフィック群の中から選択されたグラフィックの組み合わせにて水槽方式グラフィック群1120Xを作画してもよい。
また、外部表示器80が、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックを表示する方法の一実施形態では、外部表示器80は、設定コードP10の値に基づいて図1120a〜1120jのうち何れかを水槽方式グラフィックとして作画するプログラムを記憶部80Bに予め記憶しており、設定コードP10の取得時に当該プログラムを実行して、作画した水槽方式グラフィックを表示操作部80Aの水槽方式グラフィック部1120に表示する。
このように、外部表示器80に設定コードP10の値に対応する図1120a〜1120jや図1120a〜1120jを作図するプログラムを有することで、例えば、給水装置10の運転を継続しながら、外部表示器80は、外部のネットワークを介して外部表示器80に水槽方式グラフィック群1120Xに図を追加変更したり、水槽方式グラフィッ
ク群1120Xの図を作図するプログラムを追加変更することできる。給水装置10はライフラインであり、運転を停止すると断水となってしまうため、給水装置10の運転を継続しつつ外部表示器80にて水槽方式グラフィックの変更や水槽方式の追加ができれば、ユーザは、常時、最適な表示形式で水槽方式や水位の状態を確認できる。
図3は、ステップ:S14にて表示操作部80Aに表示される受水槽の状態表示の一例を示す図である。外部表示器80は、取得した設定コードP10の値を表示する受水槽設定情報部1110と、受水槽の数や受水槽に設けられる水位計の検出方法の文字情報を表示する文字情報部1111と、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックを表示する水槽方式グラフィック部1120と、水位を表示(水位表示)するための水位表示部86と、水位警報表示部1150と、受水槽選択表示部1160と、受水槽方式選択ボタン1170と、有し、設定コードP10の値(受水槽設定情報)、受水槽の数や受水槽に設けられる水位計の検出方法の文字情報、水槽方式グラフィック、水位表示、水位警報、及び受水槽選択表示を併せて表示操作部80Aに表示する。
本実施形態では、外部表示器80は、ひとつの画面に、受水槽設定情報部1110、文字情報部1111、水槽方式グラフィック部1120、水位表示部86、水位警報表示部1150、受水槽選択表示部1160、及び受水槽方式選択ボタン1170を有する。一実施形態では、外部表示器80は、複数の画面を有し、ひとつ画面上に少なくとも水槽方式グラフィック部1120と、水位表示部86と、を有すればよく、例えば、他の画面に受水槽設定情報部1110、文字情報部1111、水位警報表示部1150、受水槽選択表示部1160、及び受水槽方式選択ボタン1170を有してもよい。
本実施形態では、外部表示器80の記憶部80B(図1A参照)に、設定コードP10の値に対応する水槽方式グラフィック群1120X(1120a〜1120j等)が予め記憶されている。しかしながら、一実施形態では、制御部40の記憶部41(図1A参照)に、P10の設定値群P10Xと、水槽方式グラフィック群1120Xと、当該P10Xの各値と水槽方式グラフィック群1120Xの関係性を示すリレーション群P10X1とが記憶されており、外部表示器80は、通信にて設定コードP10の値に対応する水槽方式グラフィックを制御部40より取得してもよい。また、制御部40に設定コードP10の値に対応する図1120a〜1120jや図1120a〜1120jを作図するプログラムを有し、外部表示器80は、通信にて設定コードP10の値に対応して作図された水槽方式グラフィックを制御部40より取得してもよい。なお、水槽方式グラフィック群1120Xには、水槽方式グラフィック部3120に示される全てのグラフィック(例えば、後述するグラフィック表示310、320、330、340、350、410、420、430、440、450)が含まれることが好ましい。更に、水槽方式グラフィック部3120に示される全てのグラフィック(図7、図8参照)、水槽方式グラフィック部5120に示される全てのグラフィック(図21、図22参照)が含まれてもよい。これにより、どのような水槽方式でも同じアプリケーションにて対応できる。
なお、水槽方式グラフィックとしては、S12において取得される受水槽方式を模したグラフィックであればよく、例えば、受水槽一槽式であれば1つの受水槽を模したグラフィックを表示し、受水槽二槽式であれば2つの受水槽を模したグラフィックを表示してもよい。ただし、受水槽二槽式の場合には、第1受水槽モード、又は第2受水槽モードの場合には、選択されている1つの受水槽を模したグラフィックのみを表示するものとしてもよい。また、外部表示器80は、水位計の方式を取得した場合、水位計の方式を模したグラフィックを水槽方式グラフィック部1120として表示するとよい。
このようにして、水槽方式グラフィックとして水位計を模した図が表示される。図1に示す例では、水位計の方式は、5本の電極棒121〜125を有する電極式レベルスイッ
チ120A、120Bであり、表示操作部80Aの水槽方式グラフィック部1120には、5本の電極棒121〜125を模したグラフィック1121〜1125を含む図が表示される。本実施形態では、各電極棒122〜125は、その下端が、受水槽110A,120Bの水位の閾値としての水位レベルを画定し、図3において、電極棒122〜125を模した各グラフィック1122〜1125の下端は水位レベルに当たる。また、図3に示す例では、グラフィック1122〜1125の下端から延びて、水位レベルを線(図3に示す例では破線)で示す水位レベル表示部1128が併せて示されている。これらのグラフィック1122〜1125および水位レベル表示部1128は、水位レベルを模した水位レベルグラフィックの一例に当たる。更に、水槽方式グラフィック部1120は、各電極棒における水位状態に対する制御動作を模した矢印を表示する制御動作矢印部1130並びに各水位状態に対する制御動作を表す文字情報部1140を有し、各電極棒における水位状態に対する制御動作を模した矢印と各水位状態に対する制御動作を表す文字情報が表示されるとよい。制御動作矢印部1130および文字情報部1140は、水槽の水位状態に対するポンプ装置の制御動作を示すための制御動作グラフィックの一例に当たる。
なお、本実施形態では、電極式レベルスイッチ120Aが有する全ての電極棒を模したグラフィックが表示されているが、コモン電極棒121を省略して表示するなど、一部の電極棒のみが表示されてもよい。
図3は、設定コードP10の値が「9」で第1受水槽モードが選択されているときの受水槽の状態表示の一例を示している。本実施形態で外部表示器80は、図2のステップS12にて受水槽方式(水槽方式)として、受水槽の数、水位計の方式(電極棒の本数)、市水流入弁132A、132Bの制御方法を含む設定コードP10の値を取得している。そして、図2のステップS14にて、水槽方式グラフィック部1120は複数の電極棒を模したグラフィックを表示している。
水槽方式グラフィック部1120は、更に、複数の電極棒に基づく検出水位に対する受水槽制御を示す制御動作矢印部1130、各水位状態に対する制御動作を表す文字情報部1140、満水状態、減水状態、又は渇水状態を示す情報(水位警報表示)を表す水位警報表示部1150、受水槽選択の状態を表す水槽制御操作表示部1160、設定コードP10の値を表示する受水槽設定情報表示部1110、及び設定コードP10の値に対応する制御を簡易的に示す情報表示部1111を有する。そして、各表示部には複数の電極棒に基づく検出水位に対する受水槽制御を示す情報、各水位状態に対する制御動作を表す文字情報、水位警報表示、受水槽選択の状態、受水槽設定情報、及び設定コードP10の値に対応する制御を簡易的に示す情報をひとつの画面上の水槽方式グラフィック部1120に併せて表示している。
図3に示す例では、ひとつの画面上の水槽方式グラフィック部1120に、各電極棒における水位状態に対する制御動作を模した制御動作矢印部1130、及び各水位状態に対する制御動作を表す文字情報部1140が併せて表示され、複数の電極棒に基づく検出水位に対する受水槽制御が示されている。これにより、給水装置10に不慣れな操作者でも、現在の設定コードP10の値によって、どの電極棒にてどのような水位警報が出力されるかがひとつの画面上で確認できるため、受水槽制御の確認を容易に行うことができる。
さらに、図3に示す例では、外部表示器80は、水槽を選択するためのボタン1441、及び後述する受水槽設定処理のための受水槽方式選択ボタン1170が併せて示されている。なお、受水槽方式選択ボタン1170は、特定の権限を有する者に対してのみ表示されるように構成されてもよい。具体的には、操作者は、パスワードの入力等の特定の手順によって受水槽方式選択ボタン1170を表示できる。これにより、権限を有さない者が誤って設定変更するのを防ぐことができる。受水槽方式が誤った値に設定変更され、渇
水が誤発報されると給水が停止して水供給先は断水してしまう。また、外部表示器80は、こうした例に限定されず、上記した情報の少なくとも一部のみを表示してもよいし、さらに異なる情報を併せて表示してもよい。
水位表示は、ステップS12において取得された水位情報をユーザへ示すために表示されるものである。水位表示としては、ユーザが水位情報を認識できるように表示されればよく、種々の態様の表示を採用することができる。
一例として、外部表示器80は受水槽の水位を模した水位グラフィックを表示する水位グラフィック部86を有し、水位表示は当該水位グラフィックにて表示されるとよい。図3では、水位グラフィック部86には、水位グラフィックの一例である太線横棒によって現在の水位情報が表示されている。水位グラフィックは、受水槽110Aの水面を模しており、図3に示す例では、グラフィック1123が示す電極棒の下端(開水位以上)とグラフィック1124が示す電極棒の下端(閉水位未満)との間に、現在の受水槽110Aの水位があることが示されている。つまり、水位グラフィックは、水位レベルグラフィックの一例であるグラフィック1122〜1125および水位レベル表示部1128を利用して、水位が水位レベル以上か未満かを表示している。このように、水位表示が、水位レベルグラフィックを利用して表示されることにより、現在の水位の状態を視覚的に容易に確認することができる。
外部表示器80は、水位情報として、制御部40より下記(1)から(4)の水位レベルに基づく水位を取得(図2のステップS12)した。
(1)満水の水位レベル未満(電極棒121と電極棒125導通なし)
(2)閉水位レベル未満(電極棒121と電極棒124導通なし)
(3)開水位レベル以上(電極棒121と電極棒123導通あり)
(4)渇水の水位レベル以上(電極棒121と電極棒122導通あり)
よって、図2のステップS14で外部表示器80は、電極棒121と導通ありなしが切り替わる電極棒123と電極棒124の間に水面があると判断し、水位グラフィック部86には、電極棒123を模したグラフィック1123の下端と電極棒124を模したグラフィック1124の下端との間に水面(水位レベルに基づく水位)を模した太線横棒(水位グラフィック)を表示し、且つ、水位状態は正常状態であると判断する。
また、水位グラフィック部86は、受信した水位情報に基づいて現在の水位状態が正常状態であるか、満水状態、減水状態、又は渇水状態であるかを判断して表示する水位文字情報部87を有し、現在の水位情報が正常状態であるか、満水状態、減水状態、又は渇水状態であるかを文字情報として併せて示すとよい。図3では、水位グラフィック部86の太線横棒と横並びの位置に配置された水位文字情報部87に「水位(正常)」と表示することで、現在の水位情報が正常状態であることを文字にて示している。外部表示器80が水位グラフィック部86に加えて水位文字情報部87を有し、水位グラフィックと水位文字情報を表示することで、ユーザは、現在の受水槽の水位を、取扱説明書等の紙媒体を用いるよりも的確に認識できる。
ここで、満水、減水、又は渇水など、給水装置10の表示部46で表示される情報については、外部表示器80における表示を給水装置10における表示と同様の表示にするとよい(図1D及び図3参照)。つまり、水位警報表示部1150は、給水装置10の表示部46における水位警報表示部150を模したグラフィックとし、水槽制御操作表示部1160は、水槽制御操作表示部160を模したグラフィックとする。水位警報表示部1150には、表示パネル44の表示ランプL1,L2に模したランプ表示部L1001,L1002が配置され、水槽制御操作表示部1160には、水槽選択ボタン441を模したボタン表示1441、及び表示パネル44の表示ランプL3,L4に模したランプ表示部
L1003,L1004が配置される。具体的には、各ランプ表示部L1001,L1002,L1003,L1004の表示は、各表示ランプL1,L2,L3,L4が消灯する状態の場合には消灯を示す色(例えば黒)で表示され、表示ランプL1,L2,L3,L4が点灯する状態の場合には点灯を示す色(例えば黄)で表示される。こうすれば、特に給水装置10の表示部46における表示に慣れている者にとって、外部表示器80における表示を分かり易くすることができる。
図4は、水位状態が満水状態であるときの受水槽の状態表示の一例を示す図である。外部表示器80は、受水槽110Aの水位状態が満水状態である、つまり電極式レベルスイッチ120Aの電極棒125が水に浸かっているという水位情報を取得している。この場合には、図4に示すように、水位グラフィック部86は、電極棒125の下端よりも上側に太線横棒が示される。
外部表示器80は、水位情報として、制御部40より下記(1)から(4)の水位レベルに基づく水位を取得(図2のステップS12)した。
(1)満水の水位レベル以上(電極棒121と電極棒125導通あり)
(2)閉水位レベル以上(電極棒121と電極棒124導通あり)
(3)開水位レベル以上(電極棒121と電極棒123導通あり)
(4)渇水の水位レベル以上(電極棒121と電極棒122導通あり)
よって、図2のステップS14で外部表示器80は、全ての電極棒が電極棒121と導通があるので電極棒125の下端以上の高さに水面があると判断し、水位グラフィック部86には、電極棒125を模したグラフィック1125の下端よりも上に水面(水位レベルに基づく水位)を模した太線横棒(水位グラフィック)を表示すると共に水位状態が満水状態であると判断する。
ここで、水位グラフィック86は、水位情報が満水状態であるときに水位情報が正常状態であるときと異なる表示形式とされるとよい。例えば、水位情報が正常状態であるときには、水位グラフィック86は、第1の表示形式(黒、青、緑などの第1の色、および/または、点灯)で示され、制御部40より取得した水位情報に基づいた水位状態が満水状態であるときには、水位グラフィック86が第2の表示形式(赤、黄などの第2の色、および/または、点灯、点滅、拡大表示等の強調表示)で示される。こうすれば、外部表示器80の表示を見たユーザに、満水状態を容易に知らせることができる。
また、水位グラフィック86部と横並びに配置された水位文字情報部87に「水位(満水)」と表示されることで、現在の水位情報が満水状態であることを示している。水位文字情報部87も水位グラフィック86における第2の表示のような強調表示を行うとよい。さらに、図4に示す表示器80では、表示部46における水位警報表示部150並びに水槽制御操作表示部160の満水警報を模した水位警報表示部1150並びに水槽制御操作表示部1160を併せて示している。具体的には、満水警報の発報に伴い、ランプ表示部L1001の表示色が、正常状態を示す第1の表示色(例えば黒)から当該第1の表示色と異なる第2の表示色(例えば黄)に変更される。なお、ランプ表示部L1001の第2の表示色は、表示パネル44の表示ランプL1と同色であるとよい。こうすれば、特に給水装置10の表示部46における表示に慣れている者にとって、外部表示器80における満水警報の表示を分かり易くすることができる。
図5は、水位情報が渇水状態であるときの受水槽の状態表示の一例を示す図である。外部表示器80は、受水槽110Aが渇水状態である、つまり電極式レベルスイッチ120Aの電極棒122が水から露出しているという水位情報を取得している。この場合には、図5に示すように、水位グラフィック部86は、グラフィック1121の下端とグラフィック1122の下端との間に、太線横棒(水位グラフィック)が示される。
外部表示器80は、水位情報として、制御部40より下記(1)から(4)の水位レベルに基づく水位を取得(図2のステップS12)した。
(1)満水の水位レベル未満(電極棒121と電極棒125導通なし)
(2)閉水位レベル未満(電極棒121と電極棒124導通なし)
(3)開水位レベル未満(電極棒121と電極棒123導通なし)
(4)渇水の水位レベル未満(電極棒121と電極棒122導通なし)
よって、図2のステップS14で外部表示器80は、全ての電極棒が電極棒121と導通がないので電極棒122の下端以下の高さに水面があると判断し、水位グラフィック部86は、電極棒122を模したグラフィック1122の下端よりも下に水面(水位レベルに基づく水位)を模した太線横棒(水位グラフィック)を表示し、水位状態が渇水状態であると判断する。
ここで、外部表示器80は、制御部40より取得した水位情報により判断した水位状態がポンプを強制停止させる渇水状態であるときには、水位グラフィック部86は水位情報が正常状態であるときと異なる表示形式としてもよい。例えば、水位状態が正常状態であるときには、水位グラフィック86を第1の表示形式(黒、青、緑などの第1の色、および/または、点灯)で示し、水位状態が渇水状態であるときには、水位グラフィック86を第3の表示形式(赤、黄などの第3の色、および/または、点灯、点滅)で示してもよい。なお、水位状態が渇水状態であるときには、水位状態が満水状態であるときと同一または同様の水位グラフィック部86の表示を採用してもよいし、異なる水位グラフィック部86の表示を採用してもよい。また、図5では、水位グラフィック部86と横並びの位置に配置された水位文字情報部87には「水位(渇水)」と表示することで、現在の水位状態が渇水状態であることを示している。こうすれば、表示ランプL2にて渇水を示すのに比べて、外部表示器80の表示を見たユーザに、渇水状態を容易に知らせることができる。
さらに、図5の表示器80では、表示部46における渇水警報を模した水位警報表示部1150並びに水槽制御操作表示部1160を併せて示している。具体的には、渇水警報の発報に伴い、ランプ表示部L1002の表示色が、正常状態を示す第1の表示色(例えば黒)から当該第1の表示色と異なる第2の表示色(例えば黄)に変更される。なお、ランプ表示部L1002の第2の表示色は、表示パネル44の表示ランプL2と同色であるとよい。こうすれば、特に給水装置10の表示部46における表示に慣れている者にとって、外部表示器80における渇水警報の表示を分かり易くすることができる。
また、外部表示器80は、水位計に異常が生じているときには、水位計の異常を表示してもよい。例えば、外部表示器80は、取得した水位計による水位状態の検出に矛盾が生じている場合には、水位計に異常が生じていると判断して、水位計の異常を表示するとよい。ただし、外部表示器80は、給水装置10の制御部40から水位計の異常を示す信号を取得できるものとしてもよい。
図6の外部表示器80は、水位計に異常が生じているときの水槽の状態表示の一例を示す図である。一例として、外部表示器80は、制御部40より、電極棒のうち最も低い水位を検出する電極棒122が水から露出した渇水状態と、最も高い水位を検出する電極棒125が水に浸かっている満水状態と、を同時が発生する、という矛盾した水位情報を取得している。この場合には、図5に示すように、水位グラフィック部86は、グラフィック1125の下端よりも上側に満水状態を示す太線横棒(水位グラフィック)と、グラフィック1122の下端よりも下側に渇水状態を示す太線横棒(水位グラフィック)と、が示される。また、外部表示器80は異常表示部1180を有し、当該異常表示部1180にて「電極異常」との表示をして、水位計に異常が生じていることが併せて示される。
外部表示器80は、水位情報として、制御部40より下記(1)から(4)の水位レベルに基づく水位を取得(図2のステップS12)した。
(1)満水の水位レベル以上(電極棒121と電極棒125の導通あり)
(2)閉水位レベル以上または未満(電極棒121と電極棒124の導通あり又は導通なし)
(3)開水位レベル以上または未満(電極棒121と電極棒123の導通あり又は導通なし)
(4)渇水の水位レベル未満(電極棒121と電極棒122導通あり)
よって、図2のステップS14で外部表示器80は、電極棒125が電極棒121と導通があるため電極棒125の下端以上の高さに水面があると判断し、水位グラフィック86として電極棒125を模したグラフィック1125の下端よりも上に水面(水位レベルに基づく水位)を模した太線横棒を表示する。さらに、外部表示器80は、電極棒122が電極棒121と導通がないので電極棒122の下端以下の高さに水面があると判断し、水位グラフィック86として、電極棒122を模したグラフィック1122の下端よりも下に水面(水位レベルに基づく水位)を模した太線横棒を更に表示する。
図6に示す例で水位グラフィック部86はグラフィック1125の下端よりも上方とグラフィック1122の下端よりも下方の太線横棒にて水面(水位レベルに基づく水位)を示している。こうした表示によって、外部表示器80は、制御部40から取得した水位に矛盾が生じていることを示すことができる。
また、水位グラフィック部86のグラフィック1125の下端よりも上方の太線横棒の横並びに配置された水位文字情報部87には「水位(満水)」、グラフィック1122の下端よりも下方の太線横棒の横並びに配置された水位文字情報部87には「水位(渇水)」が表示されている。こうすれば、ユーザは、どの電極に異常が発生しているかを判断することができる。
なお、図6の外部表示器80に示す例では、水位警報表示部1150に渇水警報と満水警報が併せて示されている。具体的には、満水警報の発報に伴い、ランプ表示部L1001の表示色が、正常状態を示す第1の表示色(例えば黒)から当該第1の表示色と異なる第2の表示色(例えば黄)に変更される。また、渇水警報の発報に伴い、ランプ表示部L1002の表示色が、正常状態を示す第1の表示色(例えば黒)から当該第1の表示色と異なる第2の表示色(例えば黄)に変更される。なお、ランプ表示部L1001の第2の表示色は、表示パネル44の表示ランプL1の点灯時と同色であるとよい。ランプ表示部L1002の第2の表示色は、表示パネル44の表示ランプL2の点灯時と同色であるとよい。こうすれば、特に給水装置10の表示部46における表示に慣れている者にとって、外部表示器80における電極異常の表示を分かり易くすることができる。
図7は、受水槽の状態表示の別の一例を示す図である。図7の外部表示器80では、図3と同様に、受水槽内の水位が、電極棒123の下端と電極棒124の下端との間に位置している。ただし、図7に示す例では、受水槽内の水に浸かっている電極棒(水面下の電極棒)121〜123のグラフィック1121〜1123と、受水槽内の水に浸かっていない、つまり水から露出している電極棒(水面上の電極棒)124、125のグラフィック1124、1125とで、表示形式が異なる。換言すれば、外部表示器80には、水面下の電極棒と水面上の電極棒とを区別して表示されている。図7に示す例では、水面上の電極棒である電極棒121〜123を示すグラフィック1121〜1123が第1の電極表示形式(例えば、表示色が青および/または点灯など)で示され、水面上の電極棒である電極棒124、125を示すグラフィック1124、1125が第1の色とは異なる第2の電極表示形式(例えば、表示色が緑および/または点滅など)で示されている。この
ように、水面上の電極棒と水面下の電極棒とを区別して表示することにより、特に給水装置10に不慣れな者にとって、水位計による検出を分かり易く知らせることができる。
図8は、受水槽の状態表示の更に別の一例を示す図である。図8の外部表示器80に示すように、第1受水槽モード、又は第2受水槽モード、共用の何れである場合にも、水槽方式グラフィック部1120は、両方の受水槽110A、110Bを模した水槽方式グラフィック部1120A,1120Bを表示してもよい。
また、図8の外部表示器80に示すように、外部表示器80は、水位情報として、受水槽110A、110B内の水の量を数字等の文字情報で示す文字情報部88A,88Bを有し、受水槽110A、110B内の水の量を数字等の文字情報で示してもよい。なお、図8に示す例で文字情報部88(88A,88B)は、満水水位に対する水位の割合(60%)が表示されているが、こうした例に限定されず、水位の高さ、水量等が数値で示されてもよい。
なお、上記したように、図3〜図8等を参照して説明した受水槽の状態の表示は、給水装置10の表示部46にてなされてもよい。この場合には、表示部46は、記憶部41の参照、又はI/O部47を通じた信号の入力によって、受水槽方式(水槽方式)、及び受水槽水位(水槽水位)を取得するとよい(図5、S12)。そして、上記した外部表示器80における表示と同様に、表示部46においても、水槽方式グラフィック部1120と水位表示部86とは同一画面に配置され、水槽方式グラフィックと水位表示とを併せて表示するとよい(S14)。
以上のように、本実施形態では、外部表示器80又は給水装置10の制御部40が、給水装置10の受水槽方式を取得し、水位計から受水槽110A、110Bの水位を取得する。そして、水槽方式グラフィック部1120と水位表示部86とが同一画面に配置された外部表示器80及び/又は給水装置10の制御部40は、取得した受水槽方式を模した水槽方式グラフィックと、取得した受水槽の水位を示すための水位表示と、を併せて表示する。こうした受水槽の状態表示よれば、受水槽の状態を視覚的に容易に確認することができ、給水装置10に不慣れな者も受水槽110A、110Bの状態を容易に把握することができる。
また、水位計にて検出された水槽110A、110Bの満水、閉水位、開水位、減水等の水位レベル未満または以上といった水位レベルに基づく水位を取得し、当該水位レベルに基づく水位よって水槽水位制御を行う制御部40は、水槽110A、110Bの水位を表示する外部表示器80(表示操作器)と通信する通信部48を有し、当該通信部48は、少なくとも水位レベルに基づく水位を含む水位情報を外部表示器80に送信する。これにより、当該通信部48と通信する表示操作器は、満水状態、減水状態、渇水状態のみを示す水位警報に比べて、どの電極が水面から露出しているかといった、より詳細な水位情報を取得することができる。また、これにより水位計の配線ミスや電極の異常が発生したときに、その原因となる水位を表示できる。例えば、上述の実施形態に示すように、通信部48に接続された外部表示器80が水位レベルに対応した水位表示(例えば、図3から図8の水位表示部86、水位文字情報部87での表示)をし、操作者に示すことができる。また、一実施形態では、通信部48に接続された外部機器によって水位レベルに応じた制御ロジックを組み、当該制御ロジックを制御部40に組み込んで水槽水位制御の選択肢を増やしてもよい。こうすれば、給水装置10の運転中に水槽水位制御の変更や追加ができる。
次に、給水装置10における受水槽方式を設定変更する方法について説明する。以下の説明では、一例として、外部表示器80を用いて給水装置10の受水槽方式を設定する方
法を説明する。しかしながら、受水槽方式の設定については、外部表示器80を使用することなく給水装置10の運転パネル44を通じて行われてもよい。換言すれば、運転パネル44は外部表示器80と同様の構成を有し、以下に説明する受水槽方式を設定する方法は、ユーザが運転パネル44を操作することにより実行されてもよいし、ユーザが外部表示器80を操作することによって実行されてもよい。
図9は、水槽設定処理の一例を示すフローチャートである。水槽設定処理の一例である受水槽設定処理は、例えばユーザが外部表示器80に対して受水槽方式を設定変更するための予め決められた特定の操作を行うことで開始される。本実施形態では、受水槽方式選択ボタン1170が押下されたら、水槽設定処理が開始される。
水槽設定処理が開始されると、まず、表示ステップとして、外部表示器80が、給水装置10において選択可能な水槽方式をグラフィック表示する(ステップ:S22)。ここで、選択可能な受水槽方式のグラフィック表示は、受水槽のグラフィック表示と、水位計の方式のグラフィック表示との少なくとも一方を含む。一例として、外部表示器80は、上述の水槽方式グラフィック部1120(制御動作矢印部1130、文字情報部1140)に示したような受水槽方式の一例である設定コードP10に対応する構成を視覚化したものをグラフィック表示する。なお、外部表示器80は、選択可能な受水槽方式を給水装置10の制御部40から受信して表示してもよい。
続いて、入力ステップとして、操作者が、受水槽方式をグラフィック表示している外部表示器80を操作することによって受水槽方式を選択(入力)する(ステップ:S24)。給水装置10が上記した図1Bに示すような多様な使用態様に対応できるように、本実施形態の給水装置10は、複数(図1Bでは15種)の受水槽方式のうちの何れかひとつを選択し、当該選択された水槽方式に基づいた水位状態を同一画面に表示することができる。そして、本実施形態の方法によれば、選択可能な受水槽方式がグラフィック表示されるので、操作者は、制御動作矢印部1130等で水槽制御が可視化されたグラフィック表示を見ながら、当該グラフィック表示と同一の画面上で受水槽方式を選択することができる。このため、給水装置10に不慣れな者にとっても、容易に受水槽方式を選択することができる。
そして、操作者によって受水槽方式が選択されると、設定ステップとして、外部表示器80は、操作者による入力に基づいて受水槽方式を設定(ステップ:S26)する。次に、受水槽方式含まれる受水槽コード、水位計コード、電磁弁コード並びに市水流入弁制御コード等の全ての設定が完了したか否かを判断し、設定されていない項目があれば(ステップ:S28がNo)、表示ステップ(S22)に戻り、全ての設定が完了したら(ステップ:S28がYes)、外部表示器80は、ステップ:S26で設定した受水槽方式を給水装置10の制御部40へと送信する(ステップ:S30)。制御部40は、外部表示器80から受信した受水槽方式に基づいて受水槽制御を行う。なお、本実施形態では、全ての設定が完了したら(ステップ:S28がYes)、外部表示器80は、ステップ:S26で設定した受水槽方式を給水装置10の制御部40へと送信する(ステップ:S30)。しかしながら、一実施形態では、設定ステップ(ステップ:S26)後に、当該設定された値を制御部40に送信し、表示ステップ(S22)に戻って次の設定を行ってもよい。
以下、図9に示す水槽設定処理の具体的な例を示す。なお、本実施形態では、外部表示器80が、タッチパネルで構成され、表示操作部80A上のグラフィック表示を直接押すことによって、操作者がグラフィック表示に対応する受水槽方式の各種設定を選択できるものとしている。ただし、こうした例に限定されず、外部表示器80は、受水槽方式のグラフィック表示に対応する仮想上の操作ボタンをタッチパネルに設けてもよいし、操作者
が設定値を文字入力や音声入力することで受水槽方式の各種設定を選択してもよい。また、外部表示器80は、図示しない機械式スイッチを有し、操作者は、外部表示器80の機械式スイッチを操作して、各種設定を選択するものとしてもよい。
(受水槽方式の第1の設定手段)
図9Aは、第1の設定手段による設定処理の一例を示すフローチャートである。図10A〜図10Dは、受水槽方式の第1の設定手段を説明するための図である。具体的には、外部表示器80による選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示(図9:ステップS22)と、操作者による選択(図9:ステップS24)と、の第1の例を説明するための図である。
外部表示器80による第1の設定手段は、受水槽コードを設定する画面である図10A、電極コードと電磁弁コードを設定する画面である図10Bまたは図10C、市水流入弁制御コードを設定する画面である図10Dにて構成され、図9Aに示す下記の第1工程、第2工程の順番で設定される受水槽方式の各値に基づいて設定コードP10が設定される。
第1工程:受水槽コードの設定(図9A:ステップS42)
第2工程:電極コードと電磁弁コードとの設定(ステップS44)
更に、第1工程にて設定された受水槽方式が2槽式で第2工程にて設定された市水流入弁方式が電磁弁の場合のみ(ステップS46:Yes)、以下の第3工程が実行される。これは、受水槽方式が1槽式であれば(ステップS46:No)市水流入弁制御コードが「単独」で決定されるので市水流入弁制御コードを設定する必要がなく、市水流入弁方式が電磁弁でなければ(ステップS46:No)市水流入弁制御コードを設定する必要がないことに基づく。
第3工程:市水流入弁制御コードの設定(図9A:ステップS48)
なお、本実施形態では設定コードP10によっては水位計による検出に基づいて市水流入弁132A,132Bが制御される。このため、上記の例では、第2工程にて水位計コードの設定の一例として電極コードと電磁弁コードとを設定している。ただし、こうした例に限定されず、例えば第2工程にて電極コードのみを設定してもよい。なお、第1工程にて設定された受水槽方式が1槽式又は2槽式且つ第2工程にて設定された市水流入弁方式がボールタップの場合は(ステップS56:No)、上述の第3工程が省略され、受水槽方式の第1の設定手段は終了する。
まず、受水槽方式選択ボタン1170が押下される等で受水槽設定処理が開始されると、外部表示器80は、上述の第1工程(図9A:S42)を実施する。まず、第1工程では、表示ステップとして、外部表示器80は、図10Aに示す受水槽コードを設定する画面(受水槽コード設定画面)を表示する(図9:S22)。具体的には、外部表示器80は、受水槽方式のグラフィック表示部200を有し、選択可能な水槽の数を表示する。具体的には、グラフィック表示部200には1つの受水槽のグラフィック表示210による受水槽一槽式(1槽式)と、2つの受水槽のグラフィック表示220による受水槽二槽式(2槽式)と、が表示されている。操作者は、グラフィック表示部200を見て、給水装置10に接続される受水槽の数を選択することで受水槽コードの選択ができる。なお、グラフィック表示210、220は、水槽の数を文字情報として表示する表示部211、221、並びに、水位計(一例として電極棒)を模したグラフィック部212、222を備える。これにより操作者の視認性が向上する。
また、外部表示器80は、給水装置10において現在設定されている受水槽方式を強調して示してもよい。本実施形態の給水装置10では、工場出荷時に設定コードP10が「2」に設定される。そして、図10Aに示す例では、設定コードP10が「2」に対応する1槽式のグラフィック表示210が強調表示部201の一例である太枠で囲まれて強調
表示されている。このように、現在設定されている受水槽方式が強調表示部201にて示されることにより、操作者は、現在の受水槽方式を容易に確認することができる。なお、強調表示部201は、太枠でもよいし、色や線(実線、点線等)、形状、表示方法(点滅等)にて強調されてもよい。
次に、第1工程の入力ステップで、操作者は、グラフィック表示210または220を直接押すことで、受水槽コードの設定を選択できる(図9:ステップS24)。ここで、操作者がグラフィック表示210を押すと受水槽コードは1槽式が選択され、操作者がグラフィック表示220を押すと受水槽コードは2槽式が選択される。次に、第1工程の設定ステップで外部表示器80は、当該選択された受水槽コードを設定する(図9:ステップS26)と、第1工程(図9A:S42)が終了する。
次に、受水槽方式の第1の設定手段では、外部表示器80は、受水槽方式含まれる他の設定を行う(図9:S28がNo)第2工程(図9A:S44)を実施する。具体的には、外部表示器80は、第2工程の表示ステップで、電極コードと電磁弁コードを設定する画面(図10Bまたは10C)を表示する。第1工程の入力ステップで、操作者がグラフィック表示210を選択すると、設定ステップで受水槽コードは1槽式が設定され、次の第2工程の表示ステップでは、図10Bの画面が外部表示器80に表示される。。一方、第1工程の入力ステップで、操作者がグラフィック表示220を選択すると、第2工程の設定ステップで受水槽コードは2槽式が設定され、第2工程の表示ステップでは図10Cの画面が外部表示器80に表示される。
図10Bは、第2工程の表示ステップで、図10Aにおいて1槽式が選択された際の外部表示器80の表示の一例を示している。外部表示器80は、1槽式で選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示部300を有し、グラフィック表示部200で操作者によって1槽式が選択されると、1槽式で選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示部300を表示する。なお、図10Aと同様に、図10Bでは、給水装置10において現在設定されている設定コードP10=「2」が、強調表示部301の太枠で囲まれて強調表示されている。
図1Bに示すように、本実施形態では、設定コードP10=「1」〜「5」が受水槽一槽式であり、グラフィック表示部300では、5つの受水槽方式のグラフィック表示310、320、330、340、350が表示されている。具体的には、設定コードP10=1に対応したグラフィック表示310、設定コードP10=2に対応したグラフィック表示320、設定コードP10=3に対応したグラフィック表示330、設定コードP10=4に対応したグラフィック表示340、設定コードP10=5に対応したグラフィック表示350が表示されている(図9:S22)。グラフィック表示310は、表示エリア311、312、313、314、315を有し、表示エリア311は設定コードP10の値の文字情報、表示エリア312は受水槽コードと電極コードの文字情報、表示エリア313は電極棒の模式図(水位レベル表示部(破線)も併せて示されている)、表示エリア314は各水位状態に対する制御動作を表す矢印、表示エリア315は各水位状態に対する制御動作を表す文字情報を示す。グラフィック表示320、330、340、350もグラフィック表示310と同様の表示エリア321〜325、331〜335、341〜345、351〜355を有する。このように、グラフィック表示部300では、設定コードP10毎の電極棒を模したグラフィックが表示されると共に、複数の電極棒によって検出される水位に応じた受水槽制御に関する情報が併せて示されている。
そして、第2工程の入力ステップで、操作者は、グラフィック表示部300を見て、給水装置10の受水槽方式を選択する。操作者によって、設定コードP10=1に対応したグラフィック表示310、設定コードP10=2に対応したグラフィック表示320、設
定コードP10=3に対応したグラフィック表示330、設定コードP10=4に対応したグラフィック表示340、設定コードP10=5に対応したグラフィック表示350の何れかひとつを選択する操作がなされる(図9:S24)と、第2工程の設定ステップで、当該選択された受水槽方式が設定される(図9:S26)。ここで、1槽式の場合、市水流入弁制御コードは「単独」のみのため、外部表示器80は受水槽方式の全ての設定が完了したと判断(図9:S28がYes、図9A:S46がNo)して、図9のステップS30に移行して選択された受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。また、これにより、図9Aにおける第1の設定手段による設定処理が終了する。
図10Cは、第2工程の表示ステップで、図10Aにおいて2槽式が選択された際の外部表示器80の表示の一例を示している。外部表示器80は、2槽式で選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示部400を有し、第1工程の設定ステップで2槽式が設定されると(図9A:S42)、次の第2工程(図9A:S44)の表示ステップでは2槽式で選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示部400を表示する(図9:S22)。図1Bに示すように、本実施形態では、設定コードP10=「7」〜「11」、「13」〜「15」が受水槽二槽式であり、グラフィック表示部400では、設定コードP10=7に対応したグラフィック表示410、設定コードP10=8に対応したグラフィック表示420、設定コードP10=9または13に対応したグラフィック表示430、設定コードP10=10または14に対応したグラフィック表示440、設定コードP10=11または15に対応したグラフィック表示450が表示されている。具体的には、グラフィック表示410は、表示エリア411、412、413、414、415を有し、表示エリア411は設定コードP10の値の文字情報、表示エリア412は受水槽方式と電極コードの文字情報、表示エリア413は電極棒の模式図(水位レベル表示部(破線)も併せて示されている)、表示エリア414は各水位状態に対する制御動作を表す矢印、表示エリア415は各水位状態に対する制御動作を表す文字情報を示す。グラフィック表示420、430、440、450もグラフィック表示410と同様の表示エリア421〜425、431〜435、441〜445、451〜455を有する。このように、グラフィック表示部400では、設定コードP10毎の電極棒を模したグラフィックが表示されると共に、複数の電極棒によって検出される水位に応じた受水槽制御に関する情報が併せて示されている。そして、操作者は、グラフィック表示を見て、給水装置10の受水槽方式を選択する(図9:S24)。
第2工程の入力ステップで、操作者は、グラフィック表示410、420、430、440、450の何れかひとつを直接押すことによって、電極コードおよび電磁弁コードを選択できる(図9:S24、図9A:S42)。そして、操作者がグラフィック表示410を押すと「電極コード=4本、電磁弁コード=市水流入方式ボールタップ」が選択され、操作者がグラフィック表示420を押すと「電極コード=5本、電磁弁コード=市水流入方式ボールタップ」が選択され、操作者がグラフィック表示430を押すと「電極コード=5本、電磁弁コード=市水流入方式電磁弁」が選択され、操作者がグラフィック表示440を押すと「電極コード=4+3本、且つ、電磁弁コード=市水流入方式電磁弁」が選択される。操作者がグラフィック表示450を押すと「電極コード=5+3本、且つ、電磁弁コード=市水流入方式電磁弁」が選択される。そして、第2工程の設定ステップで、当該選択された電極コードと電磁弁コードが設定(図9:ステップS26)される。
なお、本実施形態では、設定コードP10の値が「9」〜「11」場合と、「13」〜「15」の場合とでは、市水流入弁132A、132Bの制御方法のみが異なり、受水槽の数及び電極棒の数(電極コード)は同一である。このため、第2工程の設定ステップで、設定コードP10の値として「9」〜「11」、「13」〜「15」が設定される場合には、第2工程で操作者が図10Cにて対応する受水槽方式を選んだ後に、外部表示器8
0は第3工程を実施して市水流入弁132A、132Bの制御方式である市水流入弁制御コードを設定する必要がある。そのため、外部表示器80は、第2工程の後、図9:ステップS28がNoとなって、第3工程の表示ステップである市水流入弁132A、132Bの制御方式を表示する画面に移行する。つまり、上記したように、第1工程にて受水槽方式として2槽式が選択され且つ第2工程にて市水流入弁方式として電磁弁が設定されると(図9A:S46がYes)、市水流入弁制御コードを設定するための第3工程の処理へと移行する(図9A:S48)。具体的には、第2工程の図10Cにおいて、操作者がグラフィック表示430、440、450のうちの何れかを選択したら、外部表示器80は、次に第3工程へと移行して、表示ステップにて市水流入弁132A、132Bの制御方式を選択する図10Dのグラフィック表示500を表示する。一方、第2工程の図10Bにおいて、操作者によってグラフィック表示410または420(設定コードP10=「7」又は「8」)が選択されたときには、第2工程が終了後、図9:S28がNoとなり、外部表示器80は、図9のステップS30に移行して、設定された受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10においても受水槽方式の設定がなされる。また、このときには、市水流入弁方式が電磁弁ではないと判断され(図9A:S46がNo)、第1の設定手段による設定処理が終了する。
図10Dは、第2工程である図10Cにおいて、グラフィック表示450(設定コードP10=「11」「15」)が選択された際の第3工程の表示ステップにおける外部表示器80の表示の一例を示している。第3工程における表示ステップでは、外部表示器80は、市水流入弁132A、132Bの制御方法を選択するための表示をするグラフィック表示部500を有し、市水流入弁132A、132Bの制御方法を選択するためのグラフィック表示をする。図10Dに示す例では、市水流入弁132Aまたは132Bを単独で開閉させるか、又は交互に開閉させるかを選択するためのボタン510、520が表示されている。また、グラフィック表示部500には、図10Cにて選択されたグラフィック表示450と同様の表示であるグラフィック表示530が表示されるとよい。そして、第3工程における入力ステップでは、操作者によって、ボタン510または520の何れかひとつが選択される。そして、第3工程における設定ステップで外部表示器80は、当該選択された市水流入弁132A、132Bの制御方法を設定する。更に、図9のステップS30に移行して、対応する受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。
(受水槽方式の第2の設定手段)
図9Bは、第2の設定手段による設定処理の一例を示すフローチャートである。図11は、受水槽方式の第2の設定手段を説明するための図である。具体的には、外部表示器80による選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示(図9:ステップS22)と、操作者による選択(図9:ステップS24)と、の第2の例を説明するための図である。
外部表示器80による第2の設定手段は、受水槽コード、電極コード、電磁弁コードを設定する画面である図11と市水流入弁制御コードを設定する画面である図10Dにて構成され、下記の第1工程で設定される受水槽方式の各値に基づいて設定コードP10が設定される。
第1工程:受水槽コードと電極コードと電磁弁コードの設定(図9B:ステップS52)
更に、第1工程にて設定された受水槽方式が2槽式で市水流入弁方式が電磁弁の場合のみ(ステップS56:Yes)、以下の第2工程が実行される。これは、受水槽方式が1槽式であれば(ステップS56:No)市水流入弁制御コードが「単独」で決定されるので市水流入弁制御コードを設定する必要がなく、市水流入弁方式が電磁弁でなければ(ステップS56:No)市水流入弁制御コードを設定する必要がないことに基づく。
第2工程:市水流入弁制御コードの設定(図9B:ステップS58)
なお、第1工程にて設定された受水槽方式が1槽式又は2槽式且つ市水流入弁方式がボールタップの場合は(ステップS56:No)、上述の第2工程が省略され、受水槽方式の第2の設定手段は終了する。
受水槽方式選択ボタン1170が押下される等で受水槽設定処理が開始されると、外部表示器80は、第1工程(図9B:52)を実施する。第1工程では、表示ステップとして、外部表示器80は、図11に示す受水槽コードと電極コードと電磁弁コードを設定する画面を表示する(図9:S22)。具体的には、外部表示器80は、グラフィック表示部600を有し、受水槽方式に含まれる設定のうち、市水流入弁制御コードを除く受水槽コード、電極コード、電磁弁コードの値を組み合わせた構成を示すグラフィック表示をグラフィック表示部600に表示している。グラフィック表示部600では、図10Bに示すグラフィック表示310〜350と、図10Cに示すグラフィック表示410〜450とを、併せて示している。図11で、図10A〜10Dのグラフィック表示と同じグラフィック表示は、図10A〜10Dと同一の符号を付している。なお、図11では、給水装置10において現在設定されている設定コードP10=「2」が、強調表示部201と同様の強調表示部601で強調表示されている。
図11に示すグラフィック表示部600は、1槽式で選択可能な5つの受水槽方式のグラフィック表示310〜350、及び2槽式で選択可能な5つの水槽方式グラフィック表示410〜450を表示する(図9のステップS22)。また、一例として、グラフィック表示310は、表示エリア311、312、313、314、315を有し、表示エリア311は設定コードP10の値の文字情報、表示エリア312は受水槽方式と電極棒の数の文字情報、表示エリア313は電極棒の模式図、表示エリア314は各水位状態に対する制御動作を表す矢印、表示エリア315は各水位状態に対する制御動作を表す文字情報を示す。グラフィック表示320〜350,410〜450もグラフィック表示310と同様の表示エリア321〜325,331〜335,341〜345,351〜355,411〜415,421〜425,431〜435,441〜445,451〜455を有する(図10A,図10B参照。図11では符号省略)。
次に、第1工程の入力ステップで、操作者は、グラフィック表示320〜350,410〜450を直接押すことで、受水槽コードと電極コードと電磁弁コードとを選択できる(図9:ステップS24)。ここで、図11に示すグラフィック表示部600のグラフィック表示310〜350,410,420のうちの何れかが操作者によって選択(図9のステップS24)されたときには、受水槽方式が1槽式であるか又は市水流入弁が電磁弁ではないかの何れかであって市水流入弁制御コードを設定する必要がないため(図9B:S56:No)、第1工程の設定ステップで、設定コードP10=「1」〜「5」、「7」、又は「8」に設定され第1工程が終了する。そして、第2工程を省略すべく図9のステップS28がYesとなり、外部表示器80は、図9のステップS30に移行して、選択された受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。
また、第1工程の入力ステップで、図11に示すグラフィック表示部600のグラフィック表示430〜450(設定コードP10=「9」〜「11」、「13」〜「15」)のうちの何れかが選択(図9のステップS24)されたときには、第1工程の設定ステップで当該選択された値を設定し、次に、図9のステップS28がNoとなり、第2工程に移行する。第2工程では、市水流入弁制御コードが選択されるため、第1の設定手段の第3工程と同様に、図10Dと同様の表示(図9のステップS24)をして、市水流入弁132A、132Bの制御方法を選択(図9のステップS24)させる。つまり、第1工程にて受水槽方式として2槽式が選択され且つ市水流入弁方式として電磁弁が設定されると(図9B:S56がYes)、市水流入弁制御コードを設定するための処理へと移行する
(図9B:S58)。そして、操作者によって、市水流入弁132A、132Bの制御方法が選択されると(図9B:S58)、図9のステップS28がYesとなり、外部表示器80は、図9のステップS30に移行して、対応する受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。
図11に示すグラフィック表示部600では、図10Bと同様に、市水流入弁132A、132Bの制御方法のみが異なる受水槽方式については同一のグラフィック表示をしている(グラフィック表示430〜450参照)。しかしながら、一実施形態では、市水流入弁132A、132Bの制御方法のみが異なる受水槽方式についても別々のグラフィック表示をしてもよい。具体的には、グラフィック表示部600に、設定コードP10=「1」〜「15」の構成を模したグラフィックを表示する。
(受水槽方式の第3の設定手段)
図9Cは、第3の設定手段による設定処理の一例を示すフローチャートである。図12A、図12Bは、受水槽方式の第3の設定手段を説明するための図である。具体的には、外部表示器80による選択可能な受水槽方式を模したグラフィック表示(図9:ステップS22)と、操作者による選択(図9:ステップS24)と、の第3の例を説明するための図である。
外部表示器80による第3の設定手段は、電極コードと電磁弁コードを設定する画面である図12A、受水槽コードを設定する画面である図12B、市水流入弁制御コードを設定する画面である図10Dにて構成され、下記の第1工程、第2工程の順番で設定される受水槽方式の各値に基づいて設定コードP10が設定される。
第1工程:電極コードと電磁弁コードとの設定(図9C:ステップS62)
第2工程:受水槽コードの設定(ステップS64)
更に、第2工程にて設定された受水槽方式が2槽式で第1工程にて設定された市水流入弁方式が電磁弁の場合のみ(ステップS66:Yes)、以下の第3工程が実行される。これは、受水槽方式が1槽式であれば(ステップS66:No)市水流入弁制御コードが「単独」で決定されるので市水流入弁制御コードを設定する必要がなく、市水流入弁方式が電磁弁でなければ(ステップS66:No)市水流入弁制御コードを設定する必要がないことに基づく。
第3工程:市水流入弁制御コードの設定(ステップS68)
まず、受水槽方式選択ボタン1170が押下される等で受水槽設定処理が開始されると、外部表示器80は、上述の第1工程(図9C:S62)を実施する。まず、第1工程では、表示ステップとして、外部表示器80は、図12Aに示す電極コードと電磁弁コードを設定する画面を表示する(図9:S22)。具体的には、外部表示器80はグラフィック表示部800を有し、まず、受水槽方式のグラフィック表示部800に選択可能な水位計の方式(電極コードと電磁弁コード)をグラフィック表示する(図9:ステップS22)。グラフィック表示部800には、電極コードが「4本」で且つ電磁弁コードが「市水流入弁方式ボールタップ」の構成を模したグラフィック表示810と、電極コードが「4本」で且つ電磁弁コードが「市水流入弁方式電磁弁」の構成を模したグラフィック表示820と、電極コードが「5本」で且つ電磁弁コードが「市水流入弁方式ボールタップ」の構成を模したグラフィック表示830と、電極コードが「5+3本」で且つ電磁弁コードが「市水流入弁方式電磁弁」の構成を模したグラフィック表示840と、電極コードが「5本」で且つ電磁弁コードが「市水流入弁方式電磁弁」の構成を模したグラフィック表示850と、が表示されている。なお、図12Aでは、給水装置10において現在設定されているグラフィック表示830が、強調表示部201と同様の強調表示部801で強調表示されている。
なお、グラフィック表示810は、水位計の方式(一例として電極棒の数)を文字情報として表示する表示エリア812、水位計(一例として電極棒)の機器構成を模した表示エリア(水位レベル表示部(破線)も併せて示されている)813、各水位状態に対する制御動作を矢印で表す表示エリア814、及び各水位状態に対する制御動作を文字情報で表す表示エリア815を有する。グラフィック表示820〜850もグラフィック表示810と同様の表示エリア822〜825、832〜835、842〜845、852〜855を有する。次に、第1工程の入力ステップで、操作者は、グラフィック表示部800を見て、水位計の方式のうち何れかひとつを選択する(図9:ステップS24)。具体的には、操作者は、グラフィック表示810〜850のうちの何れかひとつを押す。次に、第1工程の設定ステップで外部表示器80は、当該選択された電極コードおよび電磁弁コードを設定する(図9:ステップ26)と、第1工程(図9C:S62)が終了する。
次に、受水槽方式の第2の設定手段では、外部表示器80は、受水槽方式に含まれる他の設定を行う(図9:S28がNo)第2工程(図9C:S64)を実施する。具体的には、外部表示器80は、第2工程の表示ステップで、受水槽コードを設定する画面(図12B)を表示する。
図12Bでは、第2工程の表示ステップで、図12Aにおいて、グラフィック表示830が選択された場合の表示の一例を示している。ここで、本実施形態の給水装置10は、いずれの水位計の方式に対しても、受水槽一槽式と受水槽二槽式とを選択することができる。このため、グラフィック表示部900は、図12Aにおいて操作者が選択した水位計の方式に対応した1つの受水槽のグラフィック表示910による1槽式と、2つの受水槽のグラフィック表示920による2槽式と、が表示される。
なお、グラフィック表示910は、設定コードP10の値を文字情報で表す表示エリア911、受水槽方式と電極の数を文字情報で表す表示エリア912、水位計(一例として電極棒)を模したグラフィック表示をする表示エリア(水位レベル表示部(破線)も併せて示されている)913、各水位状態に対する制御動作を矢印で表す表示エリア914、及び各水位状態に対する制御動作を文字情報で表す表示エリア915を有する。グラフィック表示920も、グラフィック表示910と同様に、表示エリア921〜925を有する。そして、操作者は、第2工程の入力ステップで、グラフィック表示部900を見て、受水槽の数を選択する。
第2工程の入力ステップで、操作者によって、グラフィック表示910が選択される(図9:S24、図9C:S64)と、第2工程の設定ステップで、外部表示器80は、対応する受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。この場合には、第2工程の終了後、図9:S28がNoとなり、外部表示器80は、図9のステップS30に移行して、設定された受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10においても受水槽方式の設定がなされる。また、このときには、受水槽方式が2槽式ではないと判断され(図9C:S66がNo)、第3の設定手段による設定処理が終了する。一方、第2工程の入力ステップで、操作者によって、グラフィック表示920が選択(図9:S24、図9C:S64)されたときには、外部表示器80は、第3工程を実施して市水流入弁132A、132Bの制御方式である市水流入弁制御コードを設定する必要がある。そのため、外部表示器80は、第2工程の後、図9:ステップS28がNoとなって、第3工程の表示ステップである市水流入弁132A、132Bの制御方式を表示する画面に移行する。つまり、上記したように、第2工程にて受水槽方式として2槽式が選択され且つ第1工程にて市水流入弁方式として電磁弁が設定されると(図9C:S66がYes)、市水流入弁制御コードを設定するための第3工程の処理へと移行する(図9C:S68)。具体的には、第2工程の図12Bにおいて、操作者がグラフィック表示920を選択したら、外部表示器80は、次に第3工程へと移行して、表示ス
テップにて市水流入弁132A、132Bの制御方式を選択する図10Dと同様の表示(図9:S24)をする。そして、第3工程の入力ステップで、市水流入弁132A、132Bの制御方法を選択(図9のステップS24)させる。そして、操作者によって、市水流入弁132A、132Bの制御方法が選択されると、第3工程における設定ステップで外部表示器80は、当該選択された市水流入弁132A、132Bの制御方法を設定する。更に、図9のステップS28がYesとなり、外部表示器80は、図9のステップS30に移行して、対応する受水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において受水槽方式の設定がなされる。
図12Aに示すグラフィック表示部600では、図10Bと同様に、市水流入弁132A、132Bの制御方法のみが異なる受水槽方式については同一のグラフィック表示をしている(グラフィック表示810〜850参照)。しかしながら、一実施形態では、市水流入弁132A、132Bの制御方法が異なる受水槽方式についても別々のグラフィック表示をしてもよい。
上述した受水槽方式の第1〜第3の設定手段において、外部表示器80は、操作者による受水槽方式の設定が完了したときには、設定された受水槽方式をグラフィック表示するとよい。更に、外部表示器80は、図9のステップS30で受水槽方式を給水装置10へと送信した後に、制御部40に正しい値が設定されているか否かを確認するために制御部40に設定された受水槽方式を受信して当該受信した受水槽方式に対応するグラフィック表示するとよい。こうすれば、操作者は、設定した受水槽方式を視覚的に確認することができ、受水槽方式の誤設定を抑制できる。また、設定された受水槽方式をグラフィック表示するときには、水位計から受水槽の水位情報を取得して、図4〜図8等を参照して説明したように、受水槽方式を模した水槽方式グラフィック部1120と、水位情報を示すための水位表示部86と、を併せて表示するとよい。こうすれば、水位計の検出に矛盾が生じている場合などに例えば図6に示すように電極異常部1180に「電極異常」と表示されるので、操作者は、受水槽方式の設定ミスや、複数の電極棒と給水装置10との電気接続の誤りを知ることができる。
なお、上記したように、図10A〜図12B等を参照して説明した受水槽方式のグラフィック表示は、給水装置10の表示部46にてなされてもよい。この場合には、操作者は、表示部46のグラフィック表示を見ながら、給水装置10の設定部45を操作して、給水装置10の受水槽方式を設定すればよい。
上述の水位計の方式を模したグラフィックとしては、受水槽110A、110Bに設けられている水位計の方式に基づいて決定されればよく、複数の電極棒を模したグラフィックに限定されない。具体的には、受水槽方式に含まれる水位計コードに基づいて水位計の方式を模したグラフィックが決定されるとよい。一例として、記憶部41に記憶された水位計コードが5本の電極棒を有する電極式レベルスイッチを示す値である場合は、図3に示すように、水槽方式グラフィック部1120には、5本の電極棒121〜125を模したグラフィック1121〜1125を含む図が表示操作部80Aに表示され、一方、水位計コードがフロートスイッチを示す値の場合は、図13に示すように水槽方式グラフィック部1120は、水位計の方式を模したグラフィックの表示として、フロートスイッチ140A、140Bを模したグラフィック2140を含む図が表示操作部80Aに表示されてもよい。
図13に示す例では、水槽方式グラフィック部1120は、フロートスイッチ140A,140Bの一方を模したグラフィック部2140と、水位の閾値である水位レベルを示す水位レベルグラフィック部2128(図13に示す例では実線で示されている)と、フロートスイッチ140A,140Bにおける水位状態に対する制御動作を模した制御動作
矢印部2230と、各水位状態に対する制御動作を表す文字情報部2240と、受水槽110A(110B)の水面を模した水位グラフィックを表示する水位グラフィック部86とを有し、フロートスイッチ140A,140Bの一方を模したグラフィックと、フロートスイッチ140A,140Bにおける水位状態に対する制御動作を模した矢印と、各水位状態に対する制御動作を表す文字情報と、受水槽110A(110B)の水面を模した水位グラフィックと、が示されている。具体的には、図13に示す例では、フロートスイッチ140A,140Bによって、市水流入弁132A、132Bを開放する開水位レベル、及び市水流入弁132A、132Bを閉止する閉水位レベルが検出されることが示されている。そして、図13(A)では、現在の受水槽110A(110B)の水位が、開水位レベルと閉水位レベルとの間であることが示されている。また、図13(B)では、現在の受水槽110A(110B)の水位が、開水位レベル未満であることが示されている。この場合には、市水流入弁132A(132B)を開とする信号がONされる。さらに、図13(C)では、現在の受水槽110A(110B)の水位が、閉水位レベルを超えていることが示されている。この場合には、市水流入弁132A(132B)を開とする信号がOFFされる(つまり、市水流入弁132A、132Bが閉じられる)。
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る給水システムの一例を示す図である。第2の実施形態の給水システム1000は、上述した図1Aの実施形態と同一の構成である給水装置10を高置水槽方式にて使用する。ただし、第2の実施形態に係る給水装置10は、上記した運転パネル44に代えて運転パネル44Cを有するものとする。運転パネル44Cは、水槽制御操作表示部160がない等、インターフェイスが細部において運転パネル44Cと異なる。
本実施形態では、給水装置10は、その吸込口10aと水道本管100Cまたは不図示の受水槽とが連通し、ポンプ20によって送水された搬送液は、建物500Cの屋上に設置された高置水槽110Cに貯水され、当該高置水槽110Cからの落水によって建物500C内の給水対象(例えば蛇口)501Cに給水される。給水装置10の吐出口10bに接続された給水管107には、定水位弁232Cが設けられている。定水位弁232Cは給水管107の流路を遮蔽可能なバルブであって、高置水槽110Cの水位が一定範囲内(高置水槽減水以上、満水未満)となるように開閉制御される。例えば、定水位弁232Cは、電磁弁で構成されており、高置水槽方式の給水装置10の制御部40(I/O部47)からの出力信号によって開閉制御される。なお、制御部40を介さずに定水位弁232Cの開閉が行われてもよい。
高置水槽方式で制御部40はポンプ20を給水制御する。具体的には、定水位弁232Cが開かれると、吐出し圧力が低下してポンプ20が起動する。そして、定水位弁232Cが閉じると、制御部40は、ポンプ20の吐出し流量が過少水量Qmin未満に至ったことをフロースイッチ24にて検出し、ポンプ20を小水量停止する。なお、ポンプ20が起動した後に、何らかの異常で高置水槽110Cの水位が閉水位以上となっても定水位弁232Cが閉じられないと、高置水槽110C内の水が溢れて建物500Cの住居等に二次被害を及ぼしてしまう。そのため、制御部40は、満水水位状態にてポンプ20を強制停止してもよい。
また、制御部40は、水位計120Cの信号に基づいて高置水槽110Cの水位状態を判定し、判定した水位状態に基づいた制御(水槽水位制御)を実行する。当該水槽水位制御には、定水位弁232Cの開閉制御、定水位弁開または減水水位によるポンプ20の始動、満水状態によるポンプ20の強制停止、運転パネル44Cや外部端末80等への水位(減水,定位水位弁開・閉 ,満水)の表示、及び定水位弁232Cの開閉信号や水位警報等の外部出力等の少なくともひとつが含まれる。第2の実施形態では、高置水槽110
Cの水槽水位制御を行うために、設定コードP10の設定値として「30:定水位弁232Cの開閉制御あり」、「31:定水位弁232Cの開閉制御なし」が予め定められており、設定コードP10の設定に応じて制御部40は水槽水位制御を実行するものとする。給水装置10は、設定コードP10の設定値が「30:定水位弁232Cの開閉制御あり」または「31:定水位弁232Cの開閉制御なし」のとき、高置水槽110Cの水位の閾値として少なくともひとつの水位レベルを有し、高置水槽110C内の水位が当該水位レベル以上または水位レベル未満かによって判断した水位状態にて水槽水位制御を行う。水位レベルには、水位の低い順に電極式レベルスイッチ120Cの電極に割り当てられた減水の水位レベル、開水位レベル、閉水位レベル、満水の水位レベルの何れかが含まれる。高置水槽110C内の水位が、水槽水位が不足して断水となるおそれがある減水の水位レベル未満で水位状態を「減水状態」と判断し、水が溢れるおそれがある満水の水位レベル以上となったら水位状態を「満水状態」と判断する。水槽の水位が減水の水位レベル以上満水の水位レベル未満であれば、水位状態は「正常状態」である。また、制御部40は、水槽水位制御として、開水位レベル未満で定水位弁232Cを開き、閉水位レベル以上で定水位弁232Cを閉じるべく開閉指令を定水位弁232Cへ出力する。
図15は、第2の実施形態の運転パネル44Cの一例を示す図である。運転パネル44Cは、図示するように、水位警報表示部150Cを有している。水位警報表示部150Cは、表示ランプL31,L32を含み、水槽水位制御として、高置水槽110Cの水位警報を表示ランプL31,L32の点灯または点滅によって示すとよい。具体的には、高置水槽110Cの水位が満水状態となっているときに満水警報として表示ランプL31が点灯する。また、高置水槽110Cが減水状態となっているときに減水警報として表示ランプL32が点灯する。
(高置水槽方式の水位表示)
第2の実施形態における高置水槽110Cの水位表示について説明する。一例として、外部表示器80は、上記した図2の処理において、受水槽110A,110Bを高置水槽110Cへと置き換えた処理を実行して、高置水槽110Cの水位表示を行うとよい。つまり、外部表示器80は水槽方式グラフィック部3120と水位表示部86を有し、制御部40より高置水槽110Cの水槽方式と高置水槽110Cの水位とを取得し、取得した水槽方式を模した水槽方式グラフィックを水槽方式グラフィック部3120に表示し、水位情報を表示するための水位表示を水位表示部86に表示する。
図16、図17は、高置水槽110Cの水位表示の一例を示している。ここで、図16は、水槽設定として制御部40によって定水位弁制御が行われる設定がなされている場合(設定コードP10の値が「30」)の一例を示しており、図17は、水槽設定として制御部40によって定水位弁制御が行われない設定がなされている場合(設定コードP10の値が「31」)の一例を示している。なお、上記した第1の実施形態と同様に、外部表示器80の記憶部80Bの水槽方式グラフィック群1120X並びにリレーション群P10X1の中に、高置水槽110Cのための設定コードP10の値(設定コードP10の値が「30」または「31」)に対応する水槽方式グラフィックが選択可能となるよう予め記憶されているものとする。
外部表示器80は、水槽方式グラフィック部3120を有し、水位計(一例として複数の電極棒)を模したグラフィックを表示している。グラフィック部3120に表示されるグラフィックには、高置水槽110Cに設けられた複数の電極棒121C〜125Cを模したグラフィック3121〜3125と、グラフィック3122〜3125の下端から延びて、水位レベルを線(図16、図17に示す例では破線)で示す水位レベル表示部3128と、を含む。また、水槽方式グラフィック部3120は、水位計に基づく検出水位に対する水槽水位制御を示す情報3130、3140、満水、減水、又は渇水を示す情報を
表す水槽警報表示3150、設定コードP10の値3110、及び設定コードのP10の値に対する制御を簡易的に示す情報3111を併せて示している。図16、図17に示す例では、各電極棒における水位状態に対する制御動作を模した矢印3130、及び各水位状態に対する制御動作を表す文字情報3140を使用して、複数の電極棒に基づく検出水位に対する高置水槽110Cの水槽水位制御が示されている。さらに、図16、図17に示す例では、水槽方式(設定コードP10の値)を変更するための設定ボタン3170が併せて示されている。なお、設定ボタン3170は、特定の権限を有する者に対してのみ表示されるように構成されてもよい。こうした表示により、操作者の視認性が向上する。
(高置水槽方式の設定手段)
次に、第2の実施形態における高置水槽110Cの水槽方式の設定手段について説明する。一例として、上記した図9の処理において、受水槽110A,110Bを高置水槽110Cへと置き換えた処理を実行して、高置水槽110Cの水槽方式が設定されるとよい。つまり、外部表示器80は、給水装置10において選択可能な高置水槽110Cの水槽方式をグラフィック表示(表示ステップ:図9のステップS22)する。そして、操作者が水槽方式を選択(入力)(入力ステップ:図9のステップS24)し、操作者による入力に基づいて給水装置10における高置水槽110Cの水槽方式が設定(設定ステップ:図9のステップS26)される。そして、全ての設定が完了(図9のステップS28がYes)したら、制御部40へ水槽方式を送信する(図9のステップS30)。
図18は、高置水槽方式における水槽方式の設定手段を説明するための図である。具体的には、外部表示器80による選択可能な水槽方式を模したグラフィック表示と、操作者による選択と、の一例を説明するための図である。図18に示す例では、外部表示器80は、高置水槽方式における水槽方式の一覧をグラフィック表示するグラフィック表示部3200を有している。
外部表示機80による高置水槽方式での設定手段は、水位計コードを設定する画面である図18にて構成され、外部表示器80は、図16または図17に示す設定ボタン3170が押下されると図18の画面を表示し、操作者が当該画面に設定入力することで、水位計コードの設定に基づいて設定コードP10が設定される。なお、本実施形態では設定コードP10によっては水位計によって検出される高置水槽110Cの水位に基づいて定水位弁232Cの制御が行われる。このため、図18及び以下の説明では、水位計コードの設定の一例として制御部40による定水位弁232Cの制御の有無を設定している。ただし、こうした例に限定されず、例えば電極棒の数に関する電極コードが設定されてもよいし、高置水槽の数に関する水槽コードが設定されてもよい。
表示ステップで表示された図18に示すグラフィック表示部3200は、制御部40によって定水位弁232Cの制御が行われる方式を示すグラフィック表示3210と、制御部40によって定水位弁232Cの制御が行われない方式を示すグラフィック表示3220と、を併せて示している。具体的には、グラフィック表示3210は、設定コードP10の値の文字情報を示す表示エリア3211、高置水槽であることと電極棒の数との文字情報を示す表示エリア3213、各水位状態に対する制御動作を表す矢印を示す表示エリア3214、各水位状態に対する制御動作を表す文字情報を示す表示エリア3215、及び水位レベル表示部(表示エリア3212〜3215の下端から延びる破線)を有する。グラフィック表示3220は、グラフィック表示3210と同様に、表示エリア3221〜3225、及び水位レベル表示部(表示エリア3222〜3225の下端から延びる破線)を有する。なお、図18では、給水装置10において現在設定されている水槽方式に対応したグラフィック表示3210が、強調表示部201と同様の強調表示部3201で強調表示されている。
入力ステップで、操作者は、こうしたグラフィック表示を見て、高置水槽方式を選択(入力)する。設定ステップで、外部表示器80は、操作者によって選択された高置水槽方式を給水装置10へと送信し、給水装置10において高置水槽方式の設定がなされる。
なお、上記した高置水槽110Cの水槽状態の表示、及び高置水槽110Cの水槽方式の設定については、外部表示器80を通じて表示および/または設定されるものに限定されず、運転パネル44を通じて表示および/または設定されてもよい。
(第3の実施形態)
図19に示すポンプ部4100は浄化槽等に用いられる排水設備等で用いられる。排水設備において、汚水の移送や排水のために汚水用の水中ポンプを用いたポンプ装置が用いられている。当該ポンプ装置は、ポンプと、ポンプが設置された水槽内の水位を検知するフロートスイッチと、このフロートスイッチの水位信号に応じてポンプの運転停止を制御(水槽水位制御)する運転制御回路とを備える。
図19は、このようなポンプを2台備えたポンプ部4100を示す模式図である。図20は、ポンプ部4100と制御部4140を有するポンプ装置4200を備えた排水設備4000を示す模式図である。図19に示すように、ポンプ部4100は、浄化槽4300(水槽)内に設置される2台の水中ポンプ4201、4202を有する。水中ポンプ4201は、ケーシング内に不図示の羽根車を備えたポンプ4101と当該ポンプを駆動するモータ4102と、当該ポンプの運転を制御する運転制御回路4103と、運転開始水位LV1を検出するフロートスイッチ4210と、運転停止水位LV2を検出するフロートスイッチ4220とを備えている。水中ポンプ4202は、不図示の羽根車を備えたポンプ4101と、当該ポンプを駆動するモータ4102と、当該ポンプの運転を制御する運転制御回路4103と、運転開始水位LV3を検出するフロートスイッチ4230と、運転停止水位LV4を検出するフロートスイッチ4240と、異常水位LV5を検出するフロートスイッチ4250とを備えている。
運転制御回路4103は、一例として、記憶部(不図示)と、演算部(不図示)と、I/O部(不図示)と、を備えている。そして、水中ポンプ4201の運転制御回路4103は、フロートスイッチ4210にて測定した水位が運転開始水位レベルLV1以上で、水位状態を運転開始水位状態とし、水中ポンプ4201の運転を開始して水槽に貯水された水を搬送し、フロートスイッチ4220にて測定した水位が運転停止水位レベルLV2以上で、水位状態を停止水位状態とし運転を停止する。水中ポンプ4202の運転制御回路4103は、フロートスイッチ4230にて測定した水位が運転開始水位LV3以上の2回に1回の割合で、水位状態を運転開始水位状態とし、水中ポンプ3202の運転を開始し、フロートスイッチ4240にて測定した水位が運転停止水位LV4を下回ると運転を停止し、フロートスイッチ4250にて測定した水位が異常水位LV5を上回ると、水位状態を異常増水状態とし、運転を開始する。このような構成により、通常時は水中ポンプ4201と水中ポンプ4202とが交互に自動運転され、異常水位LV5を上回ったときに水中ポンプ4201と水中ポンプ4202が同時に起動される。一実施例の水槽水位制御では、水中ポンプ4201と水中ポンプ4202に接続されたフロートスイッチは同水位を検出し、水中ポンプ4201と水中ポンプ4202は同時に運転停止してもよい。本実施形態では、フロートスイッチにて検出される水位とポンプの起動停止の組み合わせが水槽方式となる。このように、運転制御回路4103は、水位レベルLV1〜LV5のうち少なくともひとつを浄化槽4300の水位の閾値とし、浄化槽4300水位を計測する水位計であるフロートスイッチから取得した水位が当該水位レベル以上か未満かによって判断した前記水槽の水位状態に基づいて、水中ポンプ4201、4202の運転停止といった水槽水位制御を行う。
また、ポンプ装置4200は、水中ポンプ4201と水中ポンプ4202と制御装置4140とを有し、当該ポンプ装置4200において、運転制御回路4103は、水槽外に設置された制御装置4140を介して外部表示器80と信号のやり取りを行う。制御装置4140は、制御部40と同様に、記憶部4141と、演算部4142と、I/O部4147と、運転パネル4144と、通信部4148と、を備える。制御装置4140のI/O部4147は無線または有線にて運転制御回路4103と接続され、通信部4148は無線または有線にて外部表示器80に接続される。これにより、外部表示器80はポンプ装置4100の状態や水槽4300の水位を表示することができる。このように、制御装置4140は、水位レベル以上か未満かによって判断した浄化槽4300の水位状態に基づいて、運転パネル4144や外部表示器80への水位状態の表示といった水槽水位制御を行う。
なお、制御装置4140は運転制御回路4103に代えて水中ポンプ4201,4202の運転停止を制御してもよい。また、制御装置4140を介さずに外部表示器80と運転制御回路4103が直接接続されて信号のやり取りを行ってもよい。第3の実施形態では、水中ポンプ4201,4202の運転停止にて水中ポンプ4201,4202の搬送液を貯水する浄化槽4300の水槽水位制御を行う。よって、本実施形態の水槽方式の各設定に加えて/または代えて、運転方式が含まれ、設定コードP10の設定値として、上述の値に加えて/または代えて、「40」、「41」、「42」が予め定められており、設定コードP10の設定に応じて制御部4140は水槽水位制御を実行するものとする。具体的には、ポンプ装置4100は、設定コードP10の値が40の時に運転方式を並列交互運転とし、設定コードP10の値が41の時に運転方式を単独交互運転とし、設定コードP10の値が42の時に運転方式を単独運転とする。また、本実施形態における水槽水位制御には、運転パネル4144や外部表示器80等への水位の表示、及び水位警報等の外部出力等の少なくともひとつが含まれる。
(排水ポンプの水位表示)
第3の実施形態における排水設備における浄化槽4300の水位表示について説明する。一例として、外部表示器80は、上記した図2の処理において、受水槽100A,110Bを浄化槽4300へと置き換えた処理を実行して、浄化槽4300の水位表示を行うとよい。つまり、外部表示器80は、浄化槽4300の浄化槽方式(水槽方式)と浄化槽4300の水位とを取得し、取得した水槽方式を模した水槽方式グラフィック部5120と、水位情報を表示するための水位表示部86とを有し、水槽方式グラフィックと水位情報を表示する。
図21は、浄化槽4300の水位表示の一例を示している。ここで、図21は、水槽設定として、並列交互運転が設定されている場合(設定コードP10の値が「40」)の一例を示している。なお、上記した第1、第2の実施形態と同様に、外部表示器80の記憶部80Bには、水槽方式グラフィック群1120X並びにリレーション群P10X1の中に浄化槽4300のための設定コードP10の値に対応する水槽方式グラフィックが予め記憶されているものとする。
図21は、外部表示器80は、水槽方式グラフィック部5120に、水位計(一例として複数のフロートスイッチ)を模したグラフィック、及び水位の閾値である水位レベル(図21では、LV1〜LV5)を示す水位レベルグラフィック部5128(図21に示す例では実線で示されている)を表示している。グラフィック部5120に表示されたグラフィックには、水中ポンプ4201、4202の形状を模したグラフィックと複数のフロートスイッチ4210〜4250を模したグラフィック5210〜5250を含む。フロートスイッチ4210〜4250が検知する水位は水中ポンプの形状に依存するため、本実施形態では、フロートスイッと併せてポンプの形状を模したグラフィックを表示すると
よい。
また、外部表示器80は、水位計に基づく検出水位に対する水槽水位制御を示す情報5130、5140、異常増水を表す水槽警報表示5150、設定コードP10の値5110、及び設定コードP10の値に対する制御を簡易的に示す情報5111を併せて示している。図22に示す例では、各水位状態に対する制御動作を模した矢印5130、及び各水位状態に対する制御動作を表す文字情報5140を使用して、複数のフロートスイッチに基づく検出水位に対する浄化槽4300の水槽水位制御が示されている。こうした表示により、操作者の視認性が向上する。
(排水ポンプの設定手段)
次に、第3の実施形態における浄化槽4300の水槽方式の設定手段について説明する。一例として、上記した図9の処理において、受水槽110A,110Bを浄化槽4300へと置き換えた処理を実行して、浄化槽4300の水槽方式が設定されるとよい。つまり、外部表示器80は、表示ステップでポンプ装置4200において選択可能な水槽方式を模したグラフィック表示(図9のステップS22)をする。そして、入力ステップで、操作者が水槽方式を選択(入力)(図9のステップS24)し、設定ステップで、操作者による入力に基づいて排水設備における浄化槽4300の水槽方式が設定(図9のステップS26)される。全ての設定が完了(図9のステップS28がYes)したら、制御部40へ水槽方式を送信する(図9のステップS30)。
図22は、浄化槽方式における水槽方式の設定手段を説明するための図である。具体的には、外部表示機80による選択可能な水槽方式を模したグラフィック表示と、操作者による選択と、の一例を説明するための図である。図22に示す例では、外部表示器80は、浄化槽方式の一覧をグラフィック表示するグラフィック表示部6200を有している。
外部表示機80による浄化槽方式での設定手段は、浄化槽4300内に設置されるポンプの台数を示すポンプ台数コードを設定する画面である図22にて構成され、外部表示器80は、図21の設定ボタン3170が押下されると図22の画面を表示し、操作者が当該画面に設定入力することで、ポンプの運転方式の設定に基づいて設定コードP10が設定される。なお、こうした例に限定されず、フロートスイッチに関する水位計コードが設定されてもよいし、浄化槽の数に関する水槽コード等が設定されてもよい。
図22に示すグラフィック表示部6200は、運転方式が1台のポンプ4201を備えた単独運転による水槽方式を模したグラフィック表示6210、運転方式が2台のポンプ4201,4202を備えてポンプ4201,4202が1台ずつ交互に運転される単独交互運転による水槽方式を模したグラフィック表示6220、及び運転方式が2台のポンプ4201,4202を備えて流入量に応じてポンプ4201,4202を単独または並列運転させる並列交互運転による水槽方式を模したグラフィック表示6230が含まれる。また、外部表示器80は、現在設定されている水槽方式を強調して示してもよい。本実施形態では、グラフィック表示6230が強調表示部6201の一例である太枠で囲まれて強調表示されている。
表示ステップで、グラフィック表示6210は、浄化槽4300の水槽方式を簡易的に示す文字情報を表す表示エリア6211と、水位計(フロートスイッチ)を模したグラフィックを表す表示エリア6212と、水位レベルを示す表示エリア6214と、各水位状態に対する制御動作を示す文字情報を表す表示エリア6213と、を有する。グラフィック表示6220、6230もグラフィック表示6210と同様の表示エリア6221〜6224,6231〜6234を有する。なお、グラフィック表示6210〜6230は、第1、第2の実施形態と同様に設定コードP10の値の文字情報や、各水位状態に対する
制御動作を表す文字情報などを有してもよい。
入力ステップで、操作者は、こうしたグラフィック表示を見て、浄化槽方式を選択(入力)する。そして、設定ステップで、外部表示器80は、操作者によって選択された浄化槽方式を設定し、当該設定した水槽方式を制御部40へと送信し、制御部40において浄化槽方式の設定がなされる。
以上のように、本実施形態では、外部表示器80、ポンプ装置の制御部(給水装置10の制御部40、)またはポンプ装置の運転パネルが、給水装置40の水槽方式(受水槽方式、高置水槽方式、浄化槽方式を含む)と水槽の水位情報とを取得し、外部表示器80又は給水装置10の表示部46において、水槽方式を模した水槽方式グラフィックと水槽の水位情報を示すための水位表示とを併せて表示する。こうした水槽の状態の表示によれば、水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
また、本実施形態では、外部表示器80又は給水装置10の表示部46が、給水装置10において選択可能な水槽方式(受水槽方式、高置水槽方式、浄化槽方式を含む)をグラフィック表示する。そして、操作者は、グラフィック表示がなされた外部表示器80又は給水装置10の設定部45を操作することにより水槽方式を設定する。こうした水槽方式の設定よれば、外部表示器80または給水装置10においてグラフィック表示される選択可能な水槽方式を見て、給水装置10における水槽方式の設定を容易に行うことができる。
以上説明した本実施形態は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、水槽の状態を表示するための表示方法が提案され、前記水槽は、ポンプの搬送液を貯水し、当該水槽の水槽方式と水位とに基づいた水槽水位制御が前記ポンプを備えたポンプ装置によって行われ、前記表示方法は、前記水槽方式を取得するステップと、前記水槽の水位を取得するステップと、を有し、前記取得した前記水槽方式を模した水槽方式グラフィックと、前記取得した前記水槽の水位を示すための水位表示と、を併せて表示する。形態1によれば、水槽方式を模した水槽方式グラフィックと、水槽の水位情報を示すための水位表示と、が併せて表示されるので、水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記水位情報は、前記受水槽の水面を模した水位グラフィックを含む。形態2によれば、水位グラフィックの表示によって、水位情報を視覚的に容易に確認することができる。
[形態3]形態3によれば、形態1または2において、前記ポンプ装置は、前記水槽方式に基づいた少なくともひとつの水位レベルを前記水槽の水位の閾値とし、前記水槽の水位を計測する水位計から取得した水位が当該水位レベル以上か未満かによって判断した前記水槽の水位状態に基づいて前記水槽水位制御を行い、前記表示方法は、前記水槽の水位を取得するステップで、前記水槽の水位が前記水位レベル以上か未満かを取得し、前記水槽方式グラフィックは、前記水位レベルを模した水位レベルグラフィックを含み、前記水位表示は、前記水位レベルグラフィックを利用して、前記取得した前記水槽の水位が前記水位レベル以上か未満かが表示される。形態3によれば、水位表示が、水位レベルグラフィックを利用して表示されることにより、現在の水位の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態4]形態4によれば、形態1から3において、前記水槽方式は、前記水槽の水位を検出する水位計の方式を含み、前記水槽方式グラフィックは、前記水位計を模したグラフィックを含む。形態3によれば、水位計の方式を視覚的に容易に確認することができる。
[形態5]形態5によれば、形態4において、前記水位計は、複数の電極棒を有するレベルスイッチであって、前記表示方法は、前記複数の電極棒のうちの少なくとも一部の電極棒をグラフィック表示する。形態5によれば、複数の電極棒と、水位表示とが併せて表示されるので、受水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態6]形態6によれば、形態5において、少なくとも一部が前記水槽の水面下の電極棒と、全てが水面上の電極棒と、で表示形式が異なる。形態5によれば、少なくとも一部が水槽の水面下の電極棒と、全てが水面上の電極棒と、を視覚的に容易に区別することができる。
[形態7]形態7によれば、形態4から6において、前記水位計の異常を表示するステップを更に含む。形態6によれば、ユーザに水位計の異常を知らせることができる。
[形態8]形態8によれば、形態1から7において、前記水位表示は、前記水槽の減水状態、渇水状態、又は満水状態のうち少なくとも1つを示す水位状態の表示を含む。形態8によれば、ユーザに水位状態を知らせることができる。
[形態9]形態9によれば、形態8において、前記水位表示における水位状態の表示は、前記取得した水位に基づいて判断されて表示される。
[形態10]形態10によれば、形態1から9において、前記ポンプ装置は、前記水槽方式に基づいた少なくともひとつの水位レベルを前記水槽の水位の閾値とし、前記水槽の水位を計測する水位計から取得した水位が当該水位レベル以上か未満かによって判断した前記水槽の水位状態に基づいて前記水槽水位制御を行い、前記表示方法は、前記水位レベルを模した水位レベルグラフィックと、前記水槽の水位状態に対する前記ポンプ装置の制御動作を示すための制御動作グラフィックと、を併せて表示する。形態10によれば、水位レベルを模した水位レベルグラフィックと、水槽の水位状態に対するポンプ装置の制御動作を示すための制御動作グラフィックと、が併せて示されるので、ポンプ装置の制御動作と併せて水槽の水位状態を容易に確認することができる。
[形態11]形態11によれば、形態10において、前記制御動作グラフィックは、前記水位レベルに対する前記ポンプ装置の制御動作の変化を矢印で示す制御動作矢印部と、前記水位状態に対する前記ポンプ装置の制御動作を文字情報で示す文字情報部と、の少なくとも一方を含む。形態11によれば、制御動作矢印部と文字情報部との少なくとも一方を見て、ポンプ装置の動作を容易に確認することができる。
[形態12]形態12によれば、形態1から11の何れか1つに記載の表示方法を実行可能な表示部を備えるポンプ装置が提案される。かかるポンプ装置によれば、上記した表示方法と同様の効果を奏することができる。
[形態13]形態13によれば、ポンプ装置と、形態1から12の何れか1つに記載の方法を実行可能な外部表示器と、を備えるポンプシステムが提案される。かかるポンプシステムによれば、外部表示器を利用して上記した方法と同様の効果を奏することができる。
[形態14]形態14によれば、ポンプ装置が提案される。かかるポンプ装置は、ポンプの搬送液を貯水する水槽の水位を、水位の閾値である水位レベル以上または未満として取得し、当該取得した水位に基づいて判断した水位状態によって水槽水位制御を行う制御部を備える。そして、前記制御部は、前記水槽の水位を表示する表示器と通信する通信部を有し、当該通信部は、少なくとも前記水位レベルに基づく水位を含む水位情報を前記表示
器に送信することを特徴とする。形態14によれば、水位レベルに基づく水位を含む水位情報が表示器に送信されるので、水槽の水位を表示する表示器の表示によって水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態15]形態15によれば、形態14において、前記水槽水位制御は、前記制御部に記憶された水槽方式に基づいて実行され、前記通信部は、更に、前記表示器に前記水槽方式を送信する、ことを特徴とする。形態15によれば、水槽方式が表示器に送信されるので、水槽の水位を表示する表示器に、水槽方式を併せて表示することができ、水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態16]形態16によれば、形態15に記載のポンプ装置と通信可能な表示器が提案され、前記表示器は、前記水槽方式に対応する水槽方式グラフィックを表示する水槽方式グラフィック部と、前記水槽方式グラフィック部に表示可能な水槽方式グラフィック群が予め記憶された記憶部と、を有し、前記水槽方式グラフィック群の中から前記ポンプ装置より取得した前記水槽方式に対応する水槽方式グラフィックを選択し、当該選択した水槽方式グラフィックを前記水槽方式グラフィック部に表示する。形態16によれば、ポンプ装置の水槽方式に対応する水槽方式グラフィックが水槽方式グラフィック部に表示されるので、水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態17]形態17によれば、水槽の状態を表示するための表示方法が提案され、前記水槽は、ポンプの搬送液を貯水し、当該水槽の水槽方式と水位とに基づいた水槽水位制御が前記ポンプを備えたポンプ装置によって行われ、前記ポンプ装置は、前記水槽方式に基づいた少なくともひとつの水位レベルを前記水槽の水位の閾値とし、前記水槽の水位を計測する水位計から取得した水位が当該水位レベル以上か未満かによって判断した前記水槽の水位状態に基づいて前記水槽水位制御を行い、前記表示方法は、前記水位レベルを模した水位レベルグラフィックと、前記水槽の水位状態に対する前記ポンプ装置の制御動作を示すための制御動作グラフィックと、を併せて表示する。形態17によれば、水槽の水位レベルを模した水位レベルグラフィックと、水槽の水位状態に対するポンプ装置の制御動作を示すための制御動作グラフィックと、が併せて表示されるので、水槽の状態を視覚的に容易に確認することができる。
[形態18]形態18によれば、形態17において、前記制御動作グラフィックは、前記水位レベルに対する前記ポンプ装置の制御動作の変化を矢印で示す制御動作矢印部と、前記水位状態に対する前記ポンプ装置の制御動作を文字情報で示す文字情報部と、の少なくとも一方を含む。形態11によれば、制御動作矢印部と文字情報部との少なくとも一方を見て、ポンプ装置の動作を容易に確認することができる。
[形態19]形態19によれば、水槽に応じた水槽方式を設定するための設定方法が提案され、前記水槽は、ポンプの搬送液を貯水し、当該水槽の水位と水槽方式とに基づいた水槽水位制御が前記ポンプを備えたポンプ装置によって行われ、前記ポンプ装置は表示操作器を介して各種状態の表示および操作がなされ、前記設定方法は、前記表示操作器に、選択可能な水槽方式を模した複数のグラフィックが表示される表示ステップと、操作者が前記複数のグラフィックの中から該当するグラフィックを選択する入力ステップと、前記ポンプ装置に当該選択されたグラフィックに基づいた水槽方式が設定される設定ステップと、を含む。形態19によれば、ポンプ装置または外部表示器が備える操作表示器においてグラフィック表示される選択可能な水槽方式を見て、ポンプ装置における水槽方式の設定を容易に行うことができる。
[形態20]形態20によれば、形態19において、前記表示ステップは、前記複数のグラフィックの中で現在設定されている前記水槽方式に対応するグラフィックを強調表示す
るステップを更に含む。形態20によれば、現在設定されている水槽方式を知らせることができる。
[形態21]形態21によれば、形態19または20において、前記ポンプ装置は前記水槽が受水槽である受水槽方式の給水装置であって、前記水槽方式は、受水槽の数を示す受水槽コードと、水位計の方式を示す水位計コードと、を含み、前記設定方法は、前記受水槽コードを設定する第1工程と、前記水位計コードを設定する第2工程と、を有し、前記第1工程は、前記表示ステップで、前記表示操作器に、選択可能な前記受水槽コードを模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記複数のグラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に前記選択されたグラフィックに対応する前記受水槽コードが設定され、前記第2工程は、前記表示ステップで、前記表示操作器に、前記第1工程にて設定された前記受水槽コードに基づいた選択可能な前記水位計コードを模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記グラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に前記選択されたグラフィックに対応する前記水位計コードが設定される。
[形態22]形態22によれば、形態19または20において、前記ポンプ装置は前記水槽が受水槽である受水槽方式の給水装置であって、前記水槽方式は、受水槽の数を示す受水槽コードと、水位計の方式を示す水位計コードと、を含み、前記設定方法は、前記受水槽コードと前記水位計コードとを設定する第1工程を有し、前記第1工程は、前記表示ステップで、前記表示操作器に、選択可能な前記受水槽コードと選択可能な前記水位計コードとを組み合わせて模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記複数のグラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に前記選択されたグラフィックに対応する前記受水槽コードと前記水位計コードとが設定される。
[形態23]形態23によれば、形態19または20において、前記ポンプ装置は前記水槽が受水槽である受水槽方式の給水装置であって、前記水槽方式は、受水槽の数を示す受水槽コードと、水位計の方式を示す水位計コードと、を含み、前記設定方法は、前記水位計コードを設定する第1工程と、前記受水槽コードを設定する第2工程と、を有し、前記第1工程は、前記表示ステップで、前記表示操作器に、選択可能な前記水位計コードを模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記複数のグラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に選択されたグラフィックに対応する水位計コードが設定され、前記第2工程は、前記表示ステップで、前記表示操作器に前記第1工程にて設定された前記水位計コードに基づいた選択可能な前記受水槽コードを模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記グラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に前記選択されたグラフィックに対応する前記受水槽コードが設定される。
[形態24]形態24によれば、形態19または20において、前記ポンプ装置は前記水槽が高置水槽である高置水槽方式の給水装置であって、前記水槽方式は、水位計の方式を示す水位計コードを含み、前記表示ステップで、前記表示操作器に、選択可能な前記水位計コードを模した複数のグラフィックが表示され、前記入力ステップで、操作者が前記グラフィックの中から該当するグラフィックを選択し、前記設定ステップで、前記ポンプ装置に前記選択されたグラフィックに対応する水位計コードが設定される。
[形態25]形態25によれば、形態19または20において、前記ポンプ装置は前記水槽がポンプを収容する浄化槽である浄化槽方式のポンプ装置であって、前記水槽方式は、
前記浄化槽内に設置されるポンプの台数を示すポンプ台数コードを含み、前記表示ステップで、選択可能な前記ポンプ台数コードを模した複数のグラフィックを表示し、前記入力ステップで、選択されたグラフィックに対応する前記ポンプ台数コードを設定する。
[形態26]形態26によれば、形態19から25において、前記設定方法は、特定の権限を有する者に対してのみ、前記表示操作器に、前記ポンプ装置における前記水槽方式を設定または変更するための水槽方式選択ボタンが表示されることを含み、前記水槽方式選択ボタンが押下されることによって前記表示ステップが開始される。これにより、権限を有さない者が誤って水槽方式を設定変更することを防ぐことができる。
[形態27]形態27によれば、形態19から26において、前記設定方法は、前記表示操作器に、前記設定ステップで前記ポンプ装置に設定された水槽方式がグラフィック表示されることを含む。形態27によれば、ポンプ装置に設定された水槽方式を確認することができる。
[形態28]形態28によれば、形態19から26において、前記設定方法は、前記設定ステップで前記ポンプ装置に水槽方式が設定された後に、前記ポンプ装置から前記設定された水槽方式を取得し、前記表示操作器に、前記取得した水槽方式がグラフィック表示されることを含む。形態28によれば、ポンプ装置に実際に設定された水槽方式を確認することができる。
[形態29]形態29によれば、形態19から28の何れか1つに記載の設定方法を実行可能な操作表示器を備えるポンプ装置が提案される。形態29によれば、上記した設定方法と同様の効果を奏することができる。
[形態30]形態30によれば、ポンプ装置と、形態18から28の何れか1つに記載の方法を実行可能な表示操作器と、を備えるポンプシステムが提案される。形態30によれば、表示操作器を利用して上記した方法と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。