JP6674575B1 - 無針注射器 - Google Patents
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Abstract
Description
この無針注射器は、例えば図6に示すように、ケーシング100と、このケーシング100の内部に設けられたシリンダ101と、このシリンダ101の内部を往復移動可能なピストン102と、このピストン102を一方向へ向けて付勢する圧縮コイルバネ103と、圧縮コイルバネ103を圧縮した状態で前記ピストン102がアンプルA方向へ移動するのを規制するための図示しないロック機構とを備えている。
この無針注射器によれば、予めピストン102を、圧縮コイルバネ103の付勢力に抗して移動(往動)させ、ロック機構によりピストン102の移動をロックした状態で、ピストン102のロックを解除すると、圧縮コイルバネ103の付勢力により、ピストン102を弾撥的に復動させることができ、これにより、プランジャーロッド105をアンプルA内に押し込んで、アンプルA内の薬液を噴射させることができる。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、アンプルに収容した薬液を、少量ずつ広い範囲に投与することができる無針注射器を提供することを目的とする。
筒状のケーシングと、
前記ケーシングの一端部に設けられ、前記プランジャーロッドの一端側を前記ケーシングの内部に導入した状態で、前記アンプルを取り付けるアンプル取着部と、
軸線をケーシングの軸線に沿わせた状態で当該ケーシングの内部に設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に挿入され、当該シリンダの軸方向に沿って往復移動可能なピストンと、
前記ピストンを、第1の原位置から前記ケーシングの他端部方向へ一定ストローク往動させるピストン往動機構と、
前記ピストン往動機構によって往動された前記ピストンを、前記第1の原位置に復動させる第1のばねと、
前記ピストンを、往動された位置にロックし、このロックを解除すると、前記ピストンが第1の原位置に復動するのを許容するロック機構と、
前記ピストンが復動する毎に、前記プランジャーロッドを一定ストロークずつ間欠的にアンプル内に押し込む押し込み機構と、を備え、
前記押し込み機構は、
前記シリンダの内部に往復移動可能に挿入され、前記ピストンの往動に伴って第2の原位置からケーシングの他端部方向へ一定ストローク往動し、前記ピストンの復動に伴って前記第2の原位置へ復動するリボルバーと、
前記リボルバーが所定ストローク往動した状態で、当該リボルバーを一定角度ずつ回動させる回動駆動機構と、を備え、
前記リボルバーは、前記回動駆動機構によって一定角度ずつ回動する毎に、前記ケーシングの内部に導入されたプランジャーロッドの端面を順次押圧して、当該プランジャーロッドをアンプル内に間欠的に押し込む複数の押圧部を有している。
以後、前記動作を繰り返すことにより、前記プランジャーロッドをアンプル内に間欠的に押し込むことができる。
したがって、アンプルに収容された薬液を少量ずつ繰り返し投与することができる。
この場合、前記複数の押圧部をリボルバー簡単に構成することができる。
前記ケーシングの内部に設けられ、前記一定角度毎に複数のラチェット歯を有するラチェット歯車と、前記ラチェット歯に噛み合うラチェット爪とを備えるラチェット機構と、
前記ラチェット歯車を、ケーシングの外部から一定角度ずつ回動させるラチェット操作部と、を備えるのが好ましい。
このため、前記押圧部の切り換えを簡単に行うことができる。
この場合、前記ラチェット歯車を回動させると同時に、リボルバーも回動させることができるので、両者を連動させる機構が不要となる。このため、前記回動駆動機構の構造を簡素化することができる。
この場合、前記リセットブロックをケーシングの内部に押し込む毎に、ラチェットレバーを介して前記ラチェット歯車を一定角度ずつ回動させることができるので、ラチェット歯車を繰り返し容易に回動させることができる。
この場合、前記リセットブロックをケーシングの内部に押し込むだけで、前記カム機構によりシリンダを往動させることができるので、前記シリンダを容易に往動させることができると共に、ピストン往動機構の構造を簡素化することができる。
図1はこの発明に係る無針注射器の一実施形態を示す断面図である。この無針注射器は、アンプルAに収容した薬液を、アンプルAの先端のノズル(オリフェス)から噴射させるものである。
アンプルAには、その先端のノズルから薬液を噴射させるためのプランジャーA1が設けられている。このプランジャーA1は、筒状のケーシング1の内部に導入されている。
なお、第1の原位置X1とは、ピストン4の図1において左端面41aが、ケーシングの一端部1a側へ最も移動した位置(復動端)である。
なお、第2の原位置X2とは、リボルバー81の軸84の図1において左端面84aがブロック21に突き当たった位置である。
図3も参照して、リボルバー81は、前記軸84と、この軸84の左端面84a寄りに当該軸84と同芯に設けられた柱状部85と、軸84の右端面84b側に設けられたラチェット歯車86とを有している。
柱状部85は軸84よりも大径であり、この柱状部85と、軸84の右端面84b側とは、第2のシリンダ部32に、ケーシング1の軸方向に沿って往復移動可能に挿入されている。
各段部87は、隣接する段部87に対して軸方向に所定長さ(段差)Lずつ、柱状部85の図1において右端面85b側に、段階的にずれている。つまり、複数の段部87は、螺旋階段状に設けられている。
なお、リボルバー81の往動ストロークは、リボルバー81の回動時にプランジャーロッドA2と段部87とが干渉しないように、互いに隣接する段部87の段差Lよりも長くなっている。このリボルバー81の往動ストロークに対して、ピストン4の往動ストロークはさらに長くなっている。
なお、以下の説明において、リボルバー81の各段部87のうちの、第1の段部87aに隣接し、軸84の軸方向において、当該軸84の左端面84aから最も遠い段部87を、「第2の段部」という。
前記第2のばね82は、圧縮コイルバネからなり、常時弾性収縮させた状態で、ばね孔84cの底部とブロック21との間に介在している。
ラチェット爪94は、図4において上下動可能であり、第4のばね94aによってラチェット歯車86方向へ常時弾性的に付勢されている。したがって、ラチェット爪94は、ラチェット歯車86の回動に伴って一旦下方へ退避した後、上昇して、ラチェット歯86aに再び係合する。
リセットブロック93は、所定間隔離れて互いに対向する一対の平板状の脚部93aと、この脚部93aの基端部どうしを繋ぐ基部93bとを有する双脚状のものである。
なお、リセットブロック93を第3のばね93iの付勢力に抗してケーシング1の内部に押し込むには、片方の手でケーシング1を握り、この片方の手の指をリセットブロック93の基部93bに引っ掛けて、当該指で基部93bをケーシング1内に押し込めばよい。このように、片手による操作でリセットブロック93をケーシング1内に押し込むことができるので、その操作を容易に行うことができる。
脚部93aの一方(図4において右側)には、ラチェット歯車86を一定角度θずつ回動させるためのラチェットレバー91aが設けられている。このラチェットレバー91aは、一方の脚部93aに設けられた凹溝93e内に配置されている。ラチェットレバー91aの基端部93fは、ラチェットレバー91aがラチェット歯車86方向へ回動できるように、脚部93aに回動可能に支持されている。このラチェットレバー91aは、凹溝93e内に設けられた板ばね91cによって、ラチェット歯車86方向へ常時弾性的に回動付勢されている。
なお、前記回転駆動機構90によってラチェット歯車86を回動させるタイミングは、リボルバー81の回転に伴って、その段部87とプランジャーロッドA2とが干渉しない位置までリボルバー81が往動した時点に設定されている。
カムピン51bは、各脚部93aの前記直角三角形の開口部及びピストン4を挿通しており、その両端部は、脚部93aから突出して、ピンガイド51cに導入されている。
ピンガイド51cは、シリンダ3の内周に設けられた長孔で構成されており、その長手方向をケーシング1の軸線に沿わせた状態で設けられている。
ロックレバー71は、シリンダ3の外周に設けられた凹溝33内に配置されており、その先端寄りに設けられたピン71eを介して、凹溝33に揺動可能に取り付けられている。
なお、以下の説明において、ピストン4が第1の原位置X1に位置し、リボルバー81が第2の原位置X2に位置し、リボルバー81の第1の段部87aがアンプル取着部2に対向し、ロック爪71aとロック溝72との係合が解除された状態(図1の状態)を「初期状態」という。
前記ピストン4の往動に伴って、リボルバー81は、第2のばね82の付勢力により、第2の原位置X2からケーシング1の他端部1b方向に往動する。
リセットブロック93は、リボルバー81が一定角度θ回動した後、その押圧を解除して原位置に戻す。
以後、前記動作を繰り返すことにより、アンプルA内の薬剤を間欠的に噴射させることができる。
しかも、リセットブロック93をケーシング1内に押し込むだけで、リボルバー81の回動と、ピストン4及びリボルバー81の往動とを行うことができるので、薬剤を投与するための操作が容易である。
また、従来の無針注射器を用いた場合、薬液を投与する部位によっては、薬液が過剰に投与されることがある。しかし、前記実施形態に係る無針注射器によれば、薬液を投与する量を選択できるので、薬液が過剰に投与されるのを抑制することができる。
2 アンプル取着部
3 シリンダ
4 ピストン
5 ピストン往動機構
51 カム機構
6 第1のばね
7 ロック機構
8 押し込み機構
81 リボルバー
82 第2のばね
86 ラチェット歯車
86a ラチェット歯
87 段部(押圧部)
90 回動駆動機構
91 ラチェット機構
91a ラチェットレバー
92 ラチェット操作部
93 リセットブロック
A アンプル
A1 プランジャー
A2 プランジャーロッド
1a ケーシングの一端部
1b ケーシングの他端部
X1 第1の原位置
X2 第2の原位置
Claims (6)
- 一端側がアンプルから突出しているプランジャーロッドを、アンプル内に押し込むことにより、アンプルに収容した薬液を、アンプルの先端から噴射させる無針注射器であって、
筒状のケーシングと、
前記ケーシングの一端部に設けられ、前記プランジャーロッドの一端側を前記ケーシングの内部に導入した状態で、前記アンプルを取り付けるアンプル取着部と、
軸線をケーシングの軸線に沿わせた状態で当該ケーシングの内部に設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に挿入され、当該シリンダの軸方向に沿って往復移動可能なピストンと、
前記ピストンを、第1の原位置から前記ケーシングの他端部方向へ一定ストローク往動させるピストン往動機構と、
前記ピストン往動機構によって往動された前記ピストンを、前記第1の原位置に復動させる第1のばねと、
前記ピストンを、往動された位置にロックし、このロックを解除すると、前記ピストンが第1の原位置に復動するのを許容するロック機構と、
前記ピストンが復動する毎に、前記プランジャーロッドを一定ストロークずつ間欠的にアンプル内に押し込む押し込み機構と、を備え、
前記押し込み機構は、
前記シリンダの内部に往復移動可能に挿入され、前記ピストンの往動に伴って第2の原位置からケーシングの他端部方向へ一定ストローク往動し、前記ピストンの復動に伴って前記第2の原位置へ復動するリボルバーと、
前記リボルバーが所定ストローク往動した状態で、当該リボルバーを一定角度ずつ回動させる回動駆動機構と、を備え、
前記リボルバーは、前記回動駆動機構によって一定角度ずつ回動する毎に、前記ケーシングの内部に導入されたプランジャーロッドの端面を順次押圧して、当該プランジャーロッドをアンプル内に間欠的に押し込む複数の押圧部を有する無針注射器。 - 前記複数の押圧部は、螺旋階段状に配置した複数の段部からなる請求項1に記載の無針注射器。
- 前記回動駆動機構は、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記一定角度毎に複数のラチェット歯を有するラチェット歯車と、前記ラチェット歯に噛み合うラチェット爪とを備えるラチェット機構と、
前記ラチェット歯車を、ケーシングの外部から一定角度ずつ回動させるラチェット操作部と、を備える請求項1又は請求項2に記載の無針注射器。 - 前記ラチェット歯車が、リボルバーに形成されている請求項3に記載の無針注射器。
- 前記ラチェット操作部は、
一部がケーシングの外部に露出するリセットブロックと、前記リセットブロックをケーシングの内部に押し込む毎に、前記ラチェット歯車を一定角度ずつ回動させるラチェットレバーとを有する請求項3又は請求項4に記載の無針注射器。 - 前記ピストン往動機構は、前記リセットブロックをケーシングの内部に押し込む動作を、前記ピストンを往動させる動作に変換するカム機構を有する請求項5に記載の無針注射器。
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