JP6673503B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナを備えるアンテナ装置に関する。
複数のアンテナを備えるアンテナ装置が知られている。たとえば、特開2006−42111号公報(特許文献1)には、2つのアンテナを備えるアンテナ装置が開示されている。
特開2006−42111号公報
複数のアンテナを備えるアンテナ装置においては、アンテナ間のアイソレーションを確保する必要がある。アイソレーションとは、アンテナ素子間において一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子への信号の漏れの程度を示す量である。アイソレーションは、一方のアンテナ素子への入力信号の電力と、一方のアンテナ素子から他方のアンテナ素子への漏洩信号の電力との比(dB)として表される。
特許文献1に開示されているアンテナ装置においては、無給電素子および地板によって形成されたループ経路において生じる共振現象により、一方のアンテナから他方のアンテナへ励振される電流が低減される。その結果、アンテナ間のアイソレーションが確保される。
特許文献1に開示されているようなアンテナ装置において、ループ経路の共振周波数は、アンテナが受信する信号の周波数に基づいて調整される必要がある。無給電素子の長さは、無給電素子のインダクタンス成分に影響を与える。無給電素子の長さを変更すると、ループ経路の共振周波数が変わってしまう。そのため、無給電素子の長さを変更するとアンテナによって受信された信号にループ部が共振し難くなる。当該アンテナから他方のアンテナに伝達される信号量が増加しアンテナ間のアイソレーションが低下する可能性がある。特許文献1に開示されているようなアンテナ装置においては、無給電素子が、アンテナ間のアイソレーションを確保しながらアンテナ装置を小型化することの障害になり得る。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的はアンテナ間のアイソレーションを確保しながら、アンテナ装置を小型化することである。
本発明の一実施形態に係るアンテナ装置は、グランド導体と、第1アンテナおよび第2アンテナと、第1ループ部とを備える。第1アンテナおよび第2アンテナは、グランド導体に電気的に接続されている。第1ループ部は、第1無給電素子と第1リアクタンス素子とを含む。第1無給電素子は、第1無給電素子の一方端がグランド導体に電気的に接続されている。第1無給電素子は、第1無給電素子の他方端が第1リアクタンス素子を介してグランド導体に接続されている。
或る回路素子が他の回路素子に「電気的に接続されている」とは、両者が直接に接続されていること、あるいは両者とは別の回路素子を介して間接に接続されていることを意味する。
本発明に係るアンテナ装置においては、第1アンテナあるいは第2アンテナによって受信された信号が第1ループ部に伝達されることにより、当該信号のエネルギーが第1ループ部において消費される。一方のアンテナから他方のアンテナへ伝達される信号の電力が低減される。その結果、アンテナ間のアイソレーションを確保することができる。
また、本発明に係るアンテナ装置においては、第1無給電素子の他方端が第1リアクタンス素子を介してグランド導体に接続されている。第1ループ部の共振周波数は、アンテナ装置の設計時において、第1無給電素子の長さ(インダクタンス成分)および第1リアクタンス素子のリアクタンスによって調整可能である。第1無給電素子を短くする場合でも、第1リアクタンス素子のリアクタンスを調整することにより、第1ループ部が第1アンテナによって受信された信号に共振するようにアンテナ装置を設計することができる。その結果、アンテナ装置を小型化することができる。
本発明に係るアンテナ装置によれば、アンテナ間のアイソレーションを確保しながら、アンテナ装置を小型化することができる。
実施の形態1に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 図1に示されるアンテナ装置の外観の一例を示す図である。 図1に示されるアンテナ装置のアイソレーション特性を示す図である。 実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 実施の形態2に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 図5に示されるアンテナ装置の外観の一例を示す図である。 図5に示されるアンテナ装置のアイソレーション特性、および図1に示されるアンテナ装置のアイソレーション特性を併せて示す図である。 実施の形態3に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 図8に示されるアンテナ装置の外観の一例を示す図である。 図8に示されるアンテナ装置のアイソレーション特性、および図5に示されるアンテナ装置のアイソレーション特性を併せて示す図である。 実施の形態4に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 図11に示されるアンテナ装置の外観の一例を示す図である。 実施の形態4の変形例1に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 実施の形態4の変形例2に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。 実施の形態4の変形例3に係るアンテナ装置の等価回路図の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るアンテナ装置1の等価回路図の一例を示す図である。アンテナ装置1は、複数の通信方式に準拠して通信を行なうことができる。アンテナ装置1は、たとえば2400〜2484MHz(2.4GHz帯)においてWiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)およびBluetooth(登録商標)に準拠して通信を行なうことができる。
図1に示されるように、アンテナ装置1は、グランド導体GND1と、アンテナANT1,ANT2と、ループ部LP11とを備える。図1においては、各構成要素間の接続関係をわかり易くするため、グランド導体GND1は、給電点FP1とFP2とを接続する直線として描かれている。図4、図5、図8、図11、および図13〜図15においても同様である。
アンテナANT1は、給電点FP1を介してグランド導体GND1に接続されている。アンテナANT2は、給電点FP2を介してグランド導体GND1に接続されている。アンテナANT1の共振周波数とアンテナANT2の共振周波数とは近接している。
ループ部LP11は、無給電素子PE11と、リアクタンス素子RT11とを含む。無給電素子PE11の端部T9は、リアクタンス素子RT11を介してグランド導体GND1に接続されている。無給電素子PE11の端部T10は、グランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT11は、接続点N11においてグランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT11は、インダクタL11を含む。リアクタンス素子RT11は、キャパシタを含んでいてもよい。
ループ部LP11において、無給電素子PE11、リアクタンス素子RT11、および接続点N11から無給電素子PE11の端部T12までのグランド導体GND1の部分により、ループ経路が形成されている。
ループ部LP11とアンテナANT1との容量結合は、ループ部LP11とアンテナANT2との容量結合よりも強い。図1において当該大小関係は、無給電素子PE11とアンテナANT1とがキャパシタC1を介して接続されている一方で、無給電素子PE11とアンテナANT2とはキャパシタを介して接続されていないことによって表現されている。
アンテナANT1,ANT2を備えるアンテナ装置1においては、アンテナANT1とANT2との間のアイソレーションを確保する必要がある。アンテナ装置1においては、アンテナANT1あるいはANT2によって受信された信号がループ部LP11に伝達されることにより、当該信号の電力がループ部LP11において消費される。一方のアンテナから他方のアンテナへ伝達される信号の電力が低減される。アンテナ装置1においては、ループ部LP11によりアンテナANT1およびアンテナANT2の間のアイソレーションを確保することができる。
アンテナ装置1において、ループ部LP11の共振周波数f1は、アンテナANT1あるいはANT2が受信する信号の周波数に基づいて調整される必要がある。ループ部LP11に含まれる無給電素子PE11の長さは、無給電素子PE11のインダクタンス成分に影響を与える。無給電素子PE11の長さを変更すると、ループ部LP11の共振周波数f1が変わってしまう。アンテナANT1およびアンテナANT2の間のアイソレーションを確保しながら、無給電素子PE11の長さを短くすることによりアンテナ装置1を小型化するためには、ループ部LP11の共振周波数f1を無給電素子PE11の長さの変更以外の方法で調整する必要がある。
そこでアンテナ装置1においては、リアクタンス素子RT11のリアクタンスを変更することによってループ部LP11の共振周波数f1を調整する。ループ部LP11の共振周波数f1は、アンテナ装置1の設計時において、無給電素子PE11の長さ(インダクタンス成分)およびリアクタンス素子RT11のリアクタンスによって調整可能である。無給電素子PE11を短くする場合でも、リアクタンス素子RT11のリアクタンスを調整することにより、ループ部LP11がアンテナANT1あるいはANT2によって受信される信号に共振するようにアンテナ装置1を設計することができる。その結果、アンテナ装置を小型化することができる。
図2は、図1に示されるアンテナ装置1の外観の一例を示す図である。図2において、X軸方向とY軸方向は互いに直交している。図6、図9、および図12においても同様である。
図2に示されるように、グランド導体GND1は、X軸方向に伸びている。アンテナANT1、ならびにループ部LP11に含まれる無給電素子PE11、およびリアクタンス素子RT11は、誘電体基板10に配置されている。アンテナANT2は、誘電体基板20に配置されている。
アンテナANT1は、給電点FP1からY軸方向に伸び、Y軸方向からX軸方向に屈曲する逆F型のモノポールアンテナである。アンテナANT1は、本体部ML1と、短絡線SL1と、給電線FL1とを含む。本体部ML1は、アンテナANT1の屈曲部BP1からX軸方向に伸びている。給電線FL1は、給電点FP1から屈曲部BP1までY軸方向に伸びている。短絡線SL1は、本体部ML1とグランド導体GND1とを接続している。短絡線SL1にはインダクタンス成分があるため、短絡線SL1を形成することにより、アンテナANT1の共振周波数を所望の値に調整することができる。
アンテナANT1を逆F型のモノポールアンテナとすることにより、実装スペースを有効に活用することができる。その結果、デッドスペースが減少し、アンテナ装置1を小型化することができる。また、本体部ML1をグランド導体GND1から離して配置することができるため、本体部ML1とグランド導体GND1との容量結合を弱めることができる。その結果、本体部ML1の信号の放射能力を高めることができる。
ループ部LP11とアンテナANT1との距離は、ループ部LP11とアンテナANT2との距離よりも小さい。そのため、ループ部LP11とアンテナANT1との容量結合は、ループ部LP11とアンテナANT2との容量結合よりも強い。実施の形態1においては、ループ部LP11をアンテナANT1に近接させているため、ループ部LP11とアンテナANT2との間に誘電体基板を形成する必要がない。そのため、たとえばループ部LP11とアンテナANT2との間に誘電体基板の切り欠き(ノッチ)を形成することができるなど、誘電体基板の設計の自由度を高くすることができる。
無給電素子PE11は、リアクタンス素子RT11からY軸方向に伸び、屈曲部BP2においてY軸方向からX軸方向に屈曲している。無給電素子PE11は、屈曲部BP2からX軸方向に伸び、屈曲部BP3においてX軸方向からY軸方向に屈曲している。無給電素子PE11は、屈曲部BP3からY軸方向に伸び、屈曲部BP4においてY軸方向からX軸方向に屈曲している。無給電素子PE11は、グランド導体GND1からY軸方向に伸び、屈曲部BP5においてY軸方向からX軸方向に屈曲している。無給電素子PE11は、屈曲部BP4からBP5まで伸びている。
無給電素子PE11は、部分PT1および部分PT2を含む。部分PT1は、屈曲部BP2からBP3までの部分である。部分PT2は、屈曲部BP4からBP5までの部分である。部分PT1は、アンテナANT1の本体部ML1とグランド導体GND1との間に配置されている。部分PT2とグランド導体GND1との距離は、部分PT1とグランド導体GND1との距離より大きい。
無給電素子PE11が複数の屈曲部BP2〜BP5を有することにより、限られた実装スペースの中で、できるだけ長くなるように無給電素子PE11を配置することができる。また、実装スペースを有効に活用することができるため、デッドスペースが減少し、アンテナ装置1を小型化することができる。さらに、部分PT1と本体部ML1との距離を調整することにより、無給電素子PE11とアンテナANT1との容量結合を所望の強さに調整することができる。
図3は、図1に示されるアンテナ装置1のアイソレーション特性IS1を示す図である。図3において縦軸の減衰量(dB)はマイナスの値として示されている。減衰量の絶対値が大きい程、一方のアンテナによって受信された信号が他方に伝わっていないことを意味するため、アンテナ間のアイソレーションは大きい。図7,図10においても同様である。図3に示されるように、減衰量は、ループ部LP11の共振周波数f1において極小となり、−20dB程度の減衰量が実現されている。
アンテナ装置1においては、ループ部LP11がアンテナANT1とANT2との間に配置されている。ループ部LP11は、たとえば図4に示されるアンテナ装置1Aのように、アンテナANT1とANT2との間ではなく、アンテナANT1から見て、アンテナANT2とは反対側に配置されていてもよい。
以上、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係るアンテナ装置によれば、アンテナ間のアイソレーションを確保しながら、アンテナ装置を小型化することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、ループ部に含まれる無給電素子の一方端のみがリアクタンス素子を介してグランド導体に接続されている場合について説明した。実施の形態2においては、無給電素子の両端がそれぞれリアクタンス素子を介してグランド導体に接続されることにより、アンテナ間のアイソレーションをさらに大きくする場合について説明する。
図5は、実施の形態2に係るアンテナ装置2の等価回路図の一例を示す図である。図5に示されるアンテナ装置2においては、図1に示されるアンテナ装置1のループ部LP11がループ部LP12に置き換えられている。ループ部LP12以外の構成についてはアンテナ装置1と同様であるため、当該構成の説明を繰り返さない。
ループ部LP12は、無給電素子PE12と、リアクタンス素子RT11,RT12とを含む。無給電素子PE12の端部T11は、リアクタンス素子RT11を介してグランド導体GND1に接続されている。無給電素子PE12の端部T12は、リアクタンス素子RT12を介してグランド導体GND1に接続されている。
リアクタンス素子RT12は、接続点N12においてグランド導体と接続している。リアクタンス素子RT12は、インダクタL12を含む。リアクタンス素子RT12は、キャパシタを含んでいてもよい。
ループ部LP12において、無給電素子PE12、リアクタンス素子RT11、接続点N11からN12までのグランド導体GND1の部分、およびリアクタンス素子RT12により、ループ経路が形成されている。ループ部LP12の共振周波数は、実施の形態1と同様に共振周波数f1である。
図6は、図5に示されるアンテナ装置2の外観の一例を示す図である。図6に示されるように、ループ部LP12に含まれる無給電素子PE12、およびリアクタンス素子RT11,RT12は、誘電体基板10に配置されている。
図7は、図5に示されるアンテナ装置2のアイソレーション特性IS2、および図1に示されるアンテナ装置1のアイソレーション特性IS1を併せて示す図である。図7に示されるアイソレーション特性IS1は、図3に示されるアイソレーション特性IS1と同様である。
図7に示されるように、ループ部LP12の共振周波数f1において、アイソレーション特性IS2の減衰量の絶対値は、アイソレーション特性IS1の減衰量の絶対値を15dB程度上回っている。このようにアイソレーション特性IS2の減衰量の絶対値がアイソレーション特性IS1の減衰量の絶対値を上回るのは、無給電素子PE12の両端がそれぞれリアクタンス素子RT11,RT12を介してグランド導体に接続されていることにより、実施の形態1よりも無給電素子PE12における電流分布の偏りが抑制されるためである。アンテナ装置2によれば、アンテナANT1とANT2との間のアイソレーションをさらに大きくすることができる。
以上、実施の形態2に係るアンテナ装置によっても、アンテナ間のアイソレーションを確保するとともに、アンテナ装置を小型化することができる。
さらに実施の形態2に係るアンテナ装置によれば、ループ部の無給電素子の両端がそれぞれリアクタンス素子を介してグランド導体に接続されていることにより、無給電素子における電流分布の偏りを抑制することができる。その結果、アンテナ間のアイソレーションをさらに大きくすることができる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2においては、アンテナ装置が1つのループ部を備える場合について説明した。本発明に係るアンテナ装置は、複数のループ部を備えていてもよい。実施の形態3においては、アンテナ装置が2つのループ部を備え、アンテナ毎にループ部が配置される場合について説明する。
図8は、実施の形態3に係るアンテナ装置3の等価回路図の一例を示す図である。図8に示されるアンテナ装置3においては、図5に示されるアンテナ装置2の構成にループ部LP22が追加されている。ループ部LP22以外の構成についてはアンテナ装置2と同様であるため、当該構成の説明を繰り返さない。
ループ部LP22は、無給電素子PE22と、リアクタンス素子RT21,RT22とを含む。無給電素子PE22の端部T21は、リアクタンス素子RT21を介してグランド導体GND1に接続されている。無給電素子PE22の端部T22は、リアクタンス素子RT22を介してグランド導体GND1に接続されている。
リアクタンス素子RT21は、接続点N21においてグランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT21は、インダクタL21を含む。リアクタンス素子RT21は、キャパシタを含んでいてもよい。
リアクタンス素子RT22は、接続点N22においてグランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT22は、インダクタL22を含む。リアクタンス素子RT22は、キャパシタを含んでいてもよい。
ループ部LP22において、無給電素子PE22、リアクタンス素子RT21、接続点N21からN22までのグランド導体GND1の部分、およびリアクタンス素子RT22により、ループ経路が形成されている。ループ部LP22の共振周波数は、共振周波数f2である。
ループ部LP22とアンテナANT2と容量結合は、ループ部LP22とアンテナANT1との容量結合よりも強い。図8において当該大小関係は、無給電素子PE22とアンテナANT2とがキャパシタC2を介して接続されている一方で、無給電素子PE22とアンテナANT1とはキャパシタを介して接続されていないことによって表現されている。
図9は、図8に示されるアンテナ装置3の外観の一例を示す図である。図9に示されるようにループ部LP22に含まれる無給電素子PE21、リアクタンス素子RT21,RT22は、誘電体基板20に配置されている。
ループ部LP22とアンテナANT2との距離は、ループ部LP22とアンテナANT1との距離よりも小さい。そのため、ループ部LP22とアンテナANT2との容量結合が、ループ部LP22とアンテナANT1との容量結合よりも強い。実施の形態2においては、ループ部LP22をアンテナANT2に近接させているため、ループ部LP22とアンテナANT1との間に誘電体基板を形成する必要がない。そのため、たとえばループ部LP22とアンテナANT1との間に誘電体基板の切り欠き(ノッチ)を形成することができるなど、誘電体基板の設計の自由度を高くすることができる。
図10は、図8に示されるアンテナ装置3のアイソレーション特性IS3、および図5に示されるアンテナ装置2のアイソレーション特性IS2を併せて示す図である。図10に示されるアイソレーション特性IS2は、図7に示されるアイソレーション特性IS2と同様である。図10に示される2000〜3000MHzの周波数帯においては、アイソレーション特性IS3の方がアイソレーション特性IS2よりも減衰量の絶対値が大きい。アイソレーション特性IS3は、ループ部LP22の共振周波数f2において減衰量の絶対値が最も大きくなっている。
アンテナ装置3は2つのループ部LP12,LP22を備えているため、アンテナANT1あるいはANT2で受信された信号は、ループ部LP12に伝達されたときに当該信号のエネルギーがループ部LP12において消費されるとともに、ループ部LP22に伝達されたときにもループ部LP22において当該信号のエネルギーが消費される。その結果、アイソレーション特性IS3の方がアイソレーション特性IS2よりも減衰量の絶対値が大きくなり、アンテナANT1とANT2との間のアイソレーションをさらに大きくすることができる。
以上、実施の形態3に係るアンテナ装置によっても、アンテナ間のアイソレーションを確保するとともに、アンテナ装置を小型化することができる。
さらに実施の形態3に係るアンテナ装置によれば、複数のループ部により、アンテナ間のアイソレーションをさらに大きくすることができる。
[実施の形態4]
実施の形態1〜実施の形態3においては、アンテナ装置が2本のアンテナを備える場合について説明した。本発明に係るアンテナ装置は、3本以上のアンテナを備えていてもよい。実施の形態4においては、アンテナ装置が3本のアンテナを備える場合について説明する。
図11は、実施の形態4に係るアンテナ装置4の等価回路図の一例を示す図である。図11に示されるアンテナ装置4においては、図8に示されるアンテナ装置3の構成にアンテナANT3、ループ部LP32、および給電点FP3が追加されている。これら以外の構成についてはアンテナ装置3と同様であるため、当該構成の説明を繰り返さない。
アンテナANT3は、給電点FP3を介してグランド導体GND1に接続されている。ループ部LP32は、無給電素子PE32と、リアクタンス素子RT31,RT32とを含む。無給電素子PE32の端部T31は、リアクタンス素子RT31を介してグランド導体GND1に接続されている。無給電素子PE32の端部T32は、リアクタンス素子RT32を介してグランド導体GND1に接続されている。
リアクタンス素子RT31は、接続点N31においてグランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT31は、インダクタL31を含む。リアクタンス素子RT31は、キャパシタを含んでいてもよい。
リアクタンス素子RT32は、接続点N32においてグランド導体GND1に接続されている。リアクタンス素子RT32は、インダクタL32を含む。リアクタンス素子RT32は、キャパシタを含んでいてもよい。
ループ部LP32において、無給電素子PE32、リアクタンス素子RT31、接続点N31からN32までのグランド導体GND1の部分、およびリアクタンス素子RT32により、ループ経路が形成されている。
ループ部LP32とアンテナANT3と容量結合は、ループ部LP32とアンテナANT1との容量結合よりも強く、ループ部LP32とアンテナANT2との容量結合よりも強い。図11において当該大小関係は、無給電素子PE32とアンテナANT3とがキャパシタC3を介して接続されている一方で、無給電素子PE32とアンテナANT1,ANT2とはキャパシタを介して接続されていないことによって表現されている。
図12は、図11に示されるアンテナ装置4の外観の一例を示す図である。図12に示されるように、アンテナANT3、ならびにループ部LP32に含まれる無給電素子PE32、およびリアクタンス素子RT31,RT32は、誘電体基板30に配置されている。
ループ部LP32とアンテナANT3との距離は、ループ部LP32とアンテナANT1との距離よりも小さく、ループ部LP32とアンテナANT2との距離よりも小さい。そのため、ループ部LP32とアンテナANT3との容量結合が、ループ部LP32とアンテナANT1との容量結合よりも強く、ループ部LP32とアンテナANT2との容量結合よりも強い。実施の形態4においては、ループ部LP32をアンテナANT3に近接させることにより、ループ部LP32とアンテナANT1との間およびループ部LP32とアンテナANT2との間に誘電体基板を形成する必要がない。そのため、たとえばループ部LP32とアンテナANT1との間およびループ部LP32とアンテナANT2との間に誘電体基板の切り欠きを形成するなど、誘電体基板の設計の自由度を高くすることができる。
実施の形態4においては、3つのアンテナ毎にループ部が配置されている場合について説明した。3本のアンテナ毎にループ部が配置されている必要はなく、無給電素子の少なくとも一方端がリアクタンス素子を介してグランド導体に接続されているループ部が1つあれば、どのような構成であってもよい。たとえば図13に示される実施の形態4の変形例1に係るアンテナ装置4A(アンテナANT2に対応するループ部がない場合)および図14に示される実施の形態4の変形例2に係るアンテナ装置4B(アンテナANT3に対応するループ部がない場合)のように、3本のアンテナのうち1本のアンテナに対応するループ部がない構成であってもよい。あるいは、図15に示される実施の形態4の変形例3に係るアンテナ装置4C(アンテナANT2およびアンテナANT3に対応するループ部がない場合)のように、3本のアンテナのうち2本のアンテナに対応するループ部がない構成であってもよい。
以上、実施の形態4および実施の形態4の変形例1〜変形例3に係るアンテナ装置によっても、アンテナ間のアイソレーションを確保するとともに、アンテナ装置を小型化することができる。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1〜4,1A,4A〜4C アンテナ装置、10,20,30 誘電体基板、ANT1〜ANT3 アンテナ、BP1〜BP5 屈曲部、C1〜C3 キャパシタ、FL1 給電線、FP1〜FP3 給電点、GND1 グランド導体、L11,L12,L21,L22,L31,L32 インダクタ、LP11,LP12,LP22,LP32 ループ部、ML1 本体部、PE1,PE11,PE12,PE21,PE22,PE32 無給電素子、PT1,PT2 部分、RT11,RT12,RT21,RT22,RT31,RT32 リアクタンス素子、SL1 短絡線。

Claims (14)

  1. グランド導体と、
    前記グランド導体に電気的に接続された第1アンテナおよび第2アンテナと、
    第1無給電素子と第1リアクタンス素子とを含む第1ループ部とを備え、
    前記第1無給電素子は、前記第1無給電素子の一方端が前記グランド導体に電気的に接続されているとともに、前記第1無給電素子の他方端が前記第1リアクタンス素子を介して前記グランド導体に接続されている、アンテナ装置。
  2. 前記第1ループ部と前記第1アンテナとの距離は、前記第1ループ部と前記第2アンテナとの距離よりも小さい、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1ループ部は、前記第1アンテナに近接している、請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1リアクタンス素子は、インダクタを有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記グランド導体は、第1方向に伸び、
    前記第1無給電素子は、前記第1方向と直交する第2方向に伸び、前記第2方向から前記第1方向に屈曲している屈曲部を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1アンテナは、前記第2方向から前記第1方向に屈曲するモノポールアンテナである、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1無給電素子は、前記第1方向に沿う第1部分および第2部分を含み、
    前記第1部分は、前記第1アンテナの前記第1方向に沿う特定部分と前記グランド導体との間に配置され、
    前記第2部分と前記グランド導体との距離は、前記第1部分と前記グランド導体との距離より大きい、請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記特定部分を前記グランド導体に接続する短絡導体をさらに備える、請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1ループ部は、第2リアクタンス素子をさらに含み、
    前記第1無給電素子の前記一方端は、前記第2リアクタンス素子を介して前記グランド導体に接続されている、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  10. 第2ループ部をさらに備え、
    前記第2ループ部と前記第2アンテナとの距離は、前記第2ループ部と前記第1アンテナとの距離よりも小さい、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第2ループ部は、前記第2アンテナに近接している、請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記グランド導体に電気的に接続された第3アンテナをさらに備え、
    前記第1ループ部と前記第1アンテナとの距離は、前記第1ループ部と前記第3アンテナとの距離よりも小さく、
    前記第2ループ部と前記第2アンテナとの距離は、前記第2ループ部と前記第3アンテナとの距離よりも小さい、請求項10または請求項11に記載のアンテナ装置。
  13. 第3ループ部をさらに備え、
    前記第3ループ部と前記第3アンテナとの距離は、前記第3ループ部と前記第1アンテナとの距離よりも小さく、前記第3ループ部と前記第2アンテナとの距離よりも小さい、請求項12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記第3ループ部は、前記第3アンテナに近接している、請求項13に記載のアンテナ装置。
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