JP6673292B2 - 車両用合流支援装置 - Google Patents

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Description

この発明は、高速道路のインターチェンジ等の合流ポイントへの自車両の合流を支援する車両用合流支援装置に関する。
特許文献1に記載の走行支援装置では、自車両を支線から本線に合流させる際、本線走行中の他車両の車速をそれら各他車両の車間距離が接近し過ぎないように制御すると共に、それら各他車両の走行状態に基づいて、支線走行中の自車両の車速および操舵を自動制御することで、自車両をそれら各他車両の間に合流させている。
特開2010−170385号公報
特許文献1に記載の走行支援装置では、本線が渋滞している場合は、自車両の本線合流時の車速は遅くなるように制御されるが、運転者がその本線の渋滞を知らない場合は、運転者は、これから本線に合流しようとするのに、自車両の車速がなかなか上昇しないことに対して違和感を持つ場合がある。
そこで、この発明は、支線走行中の自車両の運転者が本線の渋滞を知らない場合に、自車両の本線合流時に、運転者の感覚通りに自車両の車速が上昇するように車速操作の支援が行われないことに対する運転者の違和感を抑制することができる車両用合流支援装置を提供することを目的とする。
この発明は、自車両の支線から本線への合流を支援する車両用合流支援装置であって、前記自車両の本線合流時の目標車速を設定する目標車速設定部と、前記自車両の支線走行中に、前記自車両の車速が前記目標速度に到達するように前記自車両の運転者の車速操作を支援する車速制御支援部とを備え、前記車速制御支援部は、前記自車両の運転者の車速操作の支援開始時から前記運転者が本線の交通状況を確認可能になる時までの所定期間、前記自車両の車速が前記目標車速よりも高い車速である暫定目標車速まで上昇するように前記運転者の運転操作を支援し、前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速以上の場合、前記暫定目標車速を設定しない一方、前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速よりも低い場合、前記暫定目標車速を当該目標車速よりも高い車速に設定し、前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速よりも低い場合、前記自車両の車速が前記目標車速を超えて前記暫定目標車速まで上昇した後、自車両の車速が当該暫定目標車速から低下して前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援するものである。
この構成によれば、車速制御支援部は、目標車速が所定車速よりも低い場合(例えば、本線が渋滞の場合)は、自車両の車速が目標車速を超えて暫定目標車速まで上昇した後に目標車速に到達するように運転者の車速操作を支援するため、車速制御支援部による車速操作の支援が通常の運転感覚に近くなり、この結果、支線走行中の自車両の運転者が本線の渋滞を知らない場合に、自車両の本線合流時に、運転者の感覚通りに自車両の車速が上昇するように車速操作の支援が行われないことに対する運転者の違和感を抑制することができる。
また、前記車速制御支援部は、前記自車両の運転者の車速操作の支援開始時から前記運転者が本線の交通状況を確認可能になる時までの所定期間、前記自車両の車速が前記暫定目標車速まで上昇するように前記運転者の運転操作を支援するため、運転者の上記の確認の後(すなわち、上記の違和感の払拭後)は、速やかに、自車両の車速が目標車速に到達するように運転者の車速操作を支援でき、運転者の安心感を確保することができる。
また、この発明の態様として、前記所定期間は、前記支援開始時から前記運転者が本線の交通状況を視認可能になる時までの期間であるため、より一層、通常の運転感覚に合った車速操作の支援を行うことができる。
また、この発明の態様として、前記所定期間は、前記支援開始時から支線走行中の前記自車両が支線と本線との間の側壁の終端を通過する時までの時間である。
この場合、支線と本線との間の側壁の終端の位置は、道路地図データから判断可能であるため、道路地図データに基づいて、前記支援開始時から運転者が本線の交通状況を視認可能になるまでの期間を設定することできる。
また、この発明の態様として、本線の交通情報を前記運転者に報知する報知部を備え、前記所定期間は、前記支援開始時から前記報知部による本線の交通情報の報知後所定時間経過する時までの期間であるため、報知部による本線の交通情報の報知を利用して、上記の所定期間を設定することできる。
また、この発明の態様として、前記支線には、前記車速制御支援部による車速操作支援が行われる車速調整区間が設定され、前記車速制御支援部は、前記自車両が前記車速調整区間の終端を通過する所定時間前までに、前記自車両の車速が前記暫定目標車速まで上昇するように、前記運転者の車速操作を支援する。
このため、自車両が車速調整区間の終端を通過する所定時間前までに、自車両の車速を暫定目標車速まで上昇させるための運転者の車速操作の支援を終了することができる。
この結果、その終了時から、自車両が車速調整区間の終端を通過するまでの時間で、自車両の車速を目標車速に到達するように運転者の車速操作を支援することができる。
すなわち、自車両の車速が暫定目標車速まで上昇するように運転者の車速操作が支援される場合でも、自車両が車速調整区間の終端を通過する時には自車両の車速が目標車速に到達するように、運転者の車速操作を支援することができる。
また、この発明の態様として、前記車速制御支援部は、前記車速制御支援部による車速操作支援の前に、前記運転者が本線の交通状況を確認可能である場合は、前記暫定目標車速を設定せずに、前記自車両の車速が前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援する。
すなわち、車速操作の支援の前に運転者が既に本線の交通状況(例えば渋滞)を確認できていると推定される場合には、暫定目標車速を設定せずに自車両の運転者の車速操作を支援する。
これにより、本線が渋滞であることを自車両の運転者は認識しているにも関わらず、自車両の目標車速がどんどん上昇するように車速支援が行われることに対する運転者の違和感を抑制することができる。
また、この発明の態様として、前記暫定目標車速は、前記目標車速に応じて設定されるため、暫定目標車速が目標車速から離れ過ぎた値に設定されることを抑制することができる。
また、この発明の態様として、前記車速制御支援部は、前記自車両の車速を前記暫定目標車速まで上昇させた後に前記目標車速に到達させるための基準車速ラインを設定し、前記自車両の車速が前記基準車速ラインに従って前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援する
このため自車両の車速が、暫定目標車速まで上昇する途中や目標車速に到達する途中で大きく加速または減速することを抑制できる。この結果、無駄の無い車速操作でスムーズに、自車両の車速を暫定目標車速および目標車速に到達させることができる。
この発明によれば、支線走行中の自車両の運転者が本線の渋滞を知らない場合に、自車両の本線合流時に、運転者の感覚通りに自車両の車速が上昇するように車速操作の支援が行われないことに対する運転者の違和感を抑制することができる車両用合流支援装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両用合流支援装置のブロック図。 自車両の本線合流時の様子を示す平面図。 (a)は、支線を車速調整区間と操舵区間とに区分した状態を示す平面図、(b)は、暫定目標車速が無い場合の基準車速ラインの一例を示す図。 (a)は、暫定目標車速が有る場合の基準車速ラインの一例を示す図、(b)は、暫定目標車速が有る場合の基準車速ラインの別の例を示す図、(c)は、暫定目標車速と目標車速との対応関係の一例を示す図。 目標車速の表示方法の一例を示す図。 目標車速を段階的に変化させて表示する様子を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用合流支援装置の動作を説明するフローチャート。 本発明の実施形態に係る車両用合流支援装置の動作を説明する別のフローチャート。 変形例に係る車両用合流支援装置の動作を説明するフローチャート。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
<実施形態>
図1〜図8を参照して、この発明の実施形態に係る車両用合流支援装置1について説明する。
車両用合流支援装置1は、自動車等の車両(自車両)に搭載され、高速道路のインターチェンジ等の合流ポイントへの自車両の合流を支援するものである。より詳細には、車両用合流支援装置1は、自車両の運転者が本線の渋滞を知らない場合において、自車両の本線合流時の目標車速Vmが低い場合、目標車速Vmが低いことに対する自車両の運転者の違和感を抑制するために、自車両の車速が一旦、目標車速Vmを超えて暫定目標車速Vzまで上昇した後に目標車速Vmに到達するように、自車両の運転者の車速操作を支援するものである。
≪構成説明≫
図1に示すように、車両用合流支援装置1は、この装置1の動作を制御するコントローラ4と、コントローラ4の入力側に接続された車速センサ5、カーナビゲーション装置6、送受信部7、合流支援スイッチ8および操舵トルクセンサ9と、コントローラ4の出力側に接続された車速メータ10、表示部11(報知部)、警報制御部12、自車両の走行用のエンジン13および自車両の操舵用のステアリング機構14とを備えている。
車速センサ5は、自車両の車速を検出するものである。
カーナビゲーション装置6は、例えば表示部11に道路地図を表示し、その道路地図上に、自車両の現在位置を表示すると共に自車両の現在位置から目的地までの走行経路を案内表示するものである。カーナビゲーション装置6は、少なくとも、自車両の現在位置を検出する自車位置検出部6aと、道路地図データベース6bとを備えている。
自車位置検出部6aは、例えば、GPS衛星から発信された測位情報を受信し、その測位情報に基づいて自車両の現在位置を検出する。道路地図データベース6bは、上記の案内表示に使用可能な道路地図データで構成されたデータベースであり、例えば、高速道路の支線の長さに関する支線長さ情報、支線が本線に合流する合流ポイントの位置情報、制限車速が設定された支線のその制限車速およびその制限車速区間に関する支線制限車速情報、並びに、支線と本線の間を仕切る側壁が終わる終端の位置情報などを含んでいる。
送受信部7は、高速道路の本線の合流レーン走行中の他車両との間で無線通信で車車間通信を行う他に、高速道路の周辺に設置された路側通信装置を介して上位の中央処理装置との間で無線通信で路車間通信を行う。
送受信部7は、車車間通信では、合流レーン走行中の他車両から、当該他車両の車速および位置に関する他車両情報を受信する。また、送受信部7は、路車間通信では、路側通信装置から、合流レーン走行中の他車両の車速および位置に関する他車両情報を受信する。
合流支援スイッチ8は、車両用合流支援装置1を作動または停止させるためのオンオフ操作を受け付ける操作部である。合流支援スイッチ8がオン操作されると、車両用合流支援装置1の運転支援が作動し、合流支援スイッチ8がオフ操作されると、車両用合流支援装置1の運転支援が停止する。
操舵トルクセンサ9は、ステアリング機構14に設けられ、自車両の運転者が操舵操作したときの操舵トルクを検出する。
車速メータ10は、自車両の車速を表示するものであり、自車両の運転席周辺(例えばインストルパネル)に配置されている。車速メータ10は、自車両の車速を表示する他に、自車両の本線合流時の目標車速Vm、および暫定目標車速Vzに関する情報を表示する。
表示部11は、例えばセンターディスプレイ(すなわち、自車両のセンターコンソールに配置されたディスプレイ)であり、自車両の本線合流のための自車両の運転者の操舵操作を支援するための操舵操作支援情報(例えば操舵タイミングや必要操舵トルクなどに関する情報)、カーナビゲーション装置6の上記の案内表示、および、高速道路の本線の交通情報(すなわち、渋滞情報)等を表示する。
なお、表示部11に表示される高速道路の本線の交通情報は、例えば、送受信部7が車車間通信または路車間通信で受信した上記の他車両情報に基づいて、コントローラ4の所定の判定部(例えば目標車速設定部43)が、本線が渋滞であるか否かや、本線が渋滞である場合にどの程度の渋滞であるかを判定した情報であるか、または、送受信部7が路車間通信で路側通信装置から受信した本線の交通情報である。
警報制御部12は、例えば音声出力装置であり、自車両の運転者が車両用合流支援装置1による操舵操作支援の前に運転者が操舵操作を行った場合、運転者の当該操舵操作を止めさせる旨の警報を出力する。なお、運転者が操舵操作を行ったか否かは、例えば操舵トルクセンサ9の検出結果に基づいて行われる。
コントローラ4は、その入力側に接続された各構成要素(車速センサ5、カーナビゲーション装置6、送受信部7、合流支援スイッチ8および操舵トルクセンサ9)からの各種情報に基づいて、その出力側に接続された各構成要素(車速メータ10、表示部11、警報制御部12、エンジン13およびステアリング機構14)を制御する。
コントローラ4は、合流ポイント設定部41と、目標到達時間設定部42と、目標車速設定部43と、区間設定部44と、基準車速ライン設定部45と、車速制御支援部46と、操舵支援部47とを備えている。
合流ポイント設定部41は、自車位置検出部6aの検出結果と道路地図データベース6bとに基づいて、自車両が走行する支線が本線の合流レーンに合流する合流ポイントを設定する。
目標到達時間設定部42は、自車両が所定位置(例えば高速道路の料金所の地点、自車両の現在位置、または、車両用合流支援装置1の作動時の自車両の位置)から合流ポイントに到達する目標到達時間ΔTmを設定する。
目標到達時間ΔTmは、本線の合流レーンを走行する各他車両の間の各車間間隔(合流候補用車間間隔)のうち、自車両が合流する所定の車間間隔(合流用車間間隔)が、合流ポイントに到達する到達時間として設定される。すなわち、目標到達時間ΔTmとは、合流用車間間隔が合流ポイントに到達した時に、自車両が合流ポイントに到達するための時間である。
よって、具体的には、目標到達時間設定部42は、目標到達時間ΔTmとして、上記の合流候補用車間間隔の中から合流用車間間隔を決定し、その合流用車間間隔が合流ポイントに到達する到達時間を算出する。
なお、上記の各合流候補用車間間隔は、送受信部7が上記の各他車両または路側通信装置から受信した上記の各他車両の位置に関する他車両情報に基づいて、求められる。上記の合流用車間間隔は、各合流候補用車間間隔のうちの適当なもの(例えば、各合流候補用車間間隔の合流ポイントへの到達時間と、自車両の合流ポイントへの到達時間との時間差が一定範囲内(例えば最小)のもの)として決定される。
上記の車間間隔(合流用車間間隔および合流候補用車間間隔)の合流ポイントへの到達時間は、上記の車間間隔の直前または直後を走行する他車両が合流ポイントに到達する時間であり、例えば、当該他車両から合流ポイントまでの距離を当該他車両の車速で割って求められる。上記の自車両の合流ポイントへの到達時間は、例えば、自車両の現在位置から合流ポイントまでの距離を自車両の車速で割って求められる。
目標車速設定部43は、自車両の本線合流時の目標車速Vmを設定する。より詳細には、目標車速設定部43は、送受信部7が上記の各他車両または路側通信装置から受信した上記の各他車両の車速に基づいて、上記の各他車両の平均車速を求め、その平均車速に基づいて、上記の目標車速Vmを設定する。なお、上記の平均車速自体が上記の目標車速Vmに設定されてもよい。
また、目標車速設定部43は、目標車速Vmが所定車速Vs(例えば50km/h)よりも低い場合(すなわち、本線が交通渋滞の場合)は、さらに、本線の交通情報が表示部11に表示されていない場合(すなわち、運転者が本線の交通渋滞を認識していない場合)は、目標車速Vmよりも高い車速である暫定目標車速Vzを設定する。
なお、暫定目標車速Vzは、目標車速Vmに応じて設定される。例えば図4(c)に示すように、暫定目標車速Vzは、目標車速Vmが高いほど高く設定され、目標車速Vmが低いほど低く設定される。暫定目標車速Vzは、目標車速Vmに応じてマップ化(グラフ化)されて所定の記憶部に格納されており、そのマップに基づき、設定された目標車速Vmに応じた値に設定される。
区間設定部44は、自車両が走行する支線を車速調整区間Lvと操舵区間Lsとに区分する。操舵区間Lsは、自車両の運転者の本線合流のための操舵操作が支援される区間であり、合流ポイントから手前に所定の長さに設定される。例えば、操舵区間Lsは、支線の長さに依らない一定時間Δt(例えばΔt=5秒)と目標車速Vmとの乗算した長さ(すなわち、Ls=Δt×Vm)に設定される。また、車速調整区間Lvは、自車両の運転者の本線合流のための車速操作が支援される区間であり、自車両が走行する支線の長さLoから操舵区間Lsを減算した長さ(すなわち、Lv=Lo−Ls)に設定され、操舵区間Lsの始端から手前に設定される。
なお、支線の長さLo、操舵区間Lsおよび車速調整区間Lvをそれぞれ、自車両がそれらを通過するときの目標通過時間で表すと(すなわち、時間換算で表すと)、支線の目標通過時間は目標到達時間ΔTmとなり、操舵区間Lsの目標通過時間は一定時間Δtとなり、車速調整区間Lvの目標通過時間は、目標到達時間ΔTmから一定時間Δtを減算した値(=ΔTm−Δt)となる。すなわち、この車両用合流支援装置1の運転支援の下では、自車両は、支線を目標到達時間ΔTmで通過する必要があり、その際、車速調整区間Lvを(ΔTm−Δt)の目標通過時間で通過し、操舵区間Lsを一定時間Δtの目標通過時間で通過する必要がある。
基準車速ライン設定部45は、基準車速ラインSを設定する。基準車速ラインSは、自車両の車速調整区間Lvの走行中の模範(すなわち、基準)となる車速変化を規定したものであり、自車両の車速が、大きく加減速することなく(すなわち、僅かな車速変化で)、車速調整区間Lvの終端で最終的な目標車速Vmに到達する車速ラインに形成されている。
なお、基準車速ライン設定部45は、目標車速設定部43が暫定目標車速Vzを設定した場合で、本線の交通情報が表示部11に表示されていない場合は、自車両の車速が一旦、暫定目標車速Vzまで上昇した後に、車速調整区間Lvの終端で目標車速Vmに到達するように、基準車速ラインSを設定する。
車速制御支援部46は、自車両の運転者の本線合流のための車速操作(例えばアクセル操作)を支援する。車速制御支援部46は、自車両が車速調整区間Lvに進入すると、車速メータ10を制御して車速メータ10に目標車速Vmを表示する。その際、車速制御支援部46は、車速メータ10に表示する目標車速を、例えば自車両の現在車速から変化させて車速調整区間Lvの終端で目標車速Vm(すなわち、最終的な目標車速)に到達するように、基準車速ラインSに沿って段階的に変化させて表示してもよい。これにより、自車両の操舵区間Lsへの進入時に、自車両の車速が丁度、目標車速Vmに到達するように、運転者の車速操作が支援される。
また、車速制御支援部46は、車速調整区間Lv内で、自車両の車速が目標車速Vmに到達すると、例えば自車両の本線合流が終了するまで、自車両の車速を目標車速Vmに維持するように制御する(自動車速制御)。具体的には、車速制御支援部46は、自車両がオートクルーズ機能(すなわち、アクセルペダルを踏み続けることなく設定した一定の車速を維持する機能)を有する場合、自車両の車速が目標車速Vmに到達した時に、オートクルーズ機能を自動でオン制御にして設定車速を現在の車速(すなわち、目標車速Vm)に設定する。
操舵支援部47は、自車両の運転者の本線合流のための操舵操作を支援する。より詳細には、操舵支援部47は、自車両の操舵区間Lsの走行中に、表示部11に、本線合流のための操舵操作を行う適宜タイミングで、本線合流のための操舵操作のタイミングを知らせる操舵支援情報(例えば「ハンドルを操作して合流してください」または「ハンドルを右に15度回してください」などの表示情報)を表示する。
なお、この実施形態では、上述の通り、車速制御支援部46は目標車速Vmを表示することで車速操作の支援を行い、操舵支援部47は操舵支援情報を表示することで操舵操作の支援を行うが、それら車速操作支援および操舵操作支援は、表示で行われる代わりに音声案内で行われてもよい。
≪動作説明≫
まず図2〜図6を参照して、車両用合流支援装置1の動作概要を説明する。
図2に示すように、車両用合流支援装置1は、自車両Kgが高速道路の支線Dsに進入すると(例えば料金所Rを通過すると)、車車間通信または路車間通信を利用して、目標到達時間ΔTmおよび合流ポイントPgを決定する。そして、車両用合流支援装置1は、支線Dsを走行する自車両Kgに対して、本線Dhの合流レーンDh1に合流するための車速操作および操舵操作の支援を行う。なお、図2中、符号Dh2は、本線Dhの追越レーンであり、符号Ktは、他車両であり、符号Wgは、合流用車間間隔である。
そして、図2に示すように、車両用合流支援装置1は、自車両Kgの運転者の車速操作および操舵操作の支援を行う際に、まず、支線Dsを車速調整区間Lvと操舵区間Lsとに区分する。そして、車両用合流支援装置1は、自車両Kgが車速調整区間Lvを走行しているときに、自車両Kgの車速が基準車速ラインSに沿って変化するように自車両Kgの運転者の車速操作の支援を行い、自車両Kgが操舵区間Lsを走行しているときに、適切な操舵タイミングで本線合流のための操舵操作が行われるように自車両Kgの運転者の操舵支援を行う。なお、車速調整区間Lv、操舵区間Lsおよび基準車速ラインSの設定の考え方は、下記の通りである。
すなわち、図3(a)に示すように、支線Dsの長さLoが400mの場合は、目標到達時間ΔTmが20sであり、且つ目標車速Vmが80km/h(=22m/s)であるならば、自車両Kgが操舵区間Lsを通過するときの目標通過時間は、一定時間Δt(例えば5s)に設定され、操舵区間Lsは、110m(=Vm×Δt=22m/s×5s)に設定される。すなわち、操舵区間Lsは、合流ポイントPgの110m手前から始まるように設定される。なお、支線Dsの長さLoに関係無く、操舵区間Lsの目標通過時間は一定の時間である。そして、自車両Kgが車速調整区間Lvを通過するときの目標通過時間は、15s(=ΔTm−Δt=20s−5s)に設定され、車速調整区間Lvは、290m(=Lo−Ls=400m−110m)に設定され、操舵区間Lsの290m手前から始まるように設定される。
この場合、目標車速Vmが例えば80km/hで所定車速Vs(=50km/h)以上であるため、暫定目標車速Vzは設定されず、図3(b)に示すように、自車両Kgの運転者の車速操作の支援で使用するための基準車速ラインS(すなわち、暫定目標車速Vzが無い場合の基準車速ライン)が設定される。すなわち、車速調整区間Lvの始端(例えば高速道路の料金所Rの地点)で自車両Kgの車速がVo(例えばVo=20km/h)となり、車速調整区間Lvの始端から15sの目標通過時間で290m走行して車速調整区間Lvの終端に到達した時に、自車両Kgの車速が滑らかに(例えば直線的に)変化して目標車速Vm(=80km/h)に到達するように、基準車速ラインSが設定される。
他方、目標車速Vmが例えば40Km/hで所定車速Vs(=50km/h)よりも低く(すなわち、本線が渋滞の場合で)、本線Dhの交通情報が表示部11に表示されていない(すなわち、運転者が本線Dhの渋滞を認識していない)場合は、図4(c)のマップに基づいて、暫定目標車速Vzが目標車速Vmよりも高い車速(例えば50km/h)に設定される。そして、図4(a)に示すように、暫定目標車速Vzが有る場合の基準車速ラインSが設定される。
すなわち、暫定目標車速Vzが有る場合の基準車速ラインSは、車速調整区間Lvの始端(例えば高速道路の料金所Rの地点)で自車両Kgの車速がVo(例えばVo=20km/h)となり、車速調整区間Lvの始端から自車両Kgの車速が滑らかに(例えば直線的に)上昇して、運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時taに自車両Kgの車速が暫定目標車速Vz(=50km/h)になり、その時taから自車両Kgの車速が滑らかに低下して、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過した時(すなわち、自車両Kgが車速調整区間Lvの始端を通過した時点から15sの目標通過時間で290m走行した時)に自車両Kgの車速が目標車速Vm(=40km/h)に到達するように、設定される。
このように、本線Dhの交通渋滞で目標車速Vmが所定車速Vsよりも低い場合は、自車両Kgの運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時taまでは(すなわち、自車両Kgの運転者が目標車速Vmが低くなる理由を把握していない間は)、自車両Kgの車速を一旦、目標車速Vmを超えて暫定目標車速Vzまで上昇させ、その確認可能後(すなわち、自車両Kgの運転者が目標車速Vmが低い理由を把握した後)、自車両Kgの車速を目標車速Vmまで低下させるように、自車両Kgの運転者の車速操作支援を行う。これにより、これから本線Dhに合流するのに目標車速Vmが低いことに対する自車両Kgの運転者の違和感を抑制している。
なお、上記の「運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時ta」とは、例えば、運転者が本線Dhの交通状況を視認可能になる時(具体的には、自車両Kgが支線Dsと本線Dhとの間を仕切る側壁Hsの終端Hs1を通過した時)である。この場合、例えば基準車速ライン設定部45が、道路地図データベース6bに含まれる側壁Hsの終端Hs1の位置情報と、自車位置検出部6aが検出した自車両Kgの現在位置とに基づいて、支線走行中の自車両Kgが側壁Hsの終端Hs1を通過したか否かを判定することで、上記の「運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時ta」を判定する。
なお、支線Dsと本線Dhとの間の側壁Hsが無い場合は、暫定目標車速Vzが有る場合の基準車速ラインSは、図4(b)に示すように、車速調整区間Lvの始端(例えば高速道路の料金所Rの地点)で自車両Kgの車速がVo(例えばVo=20km/h)となり、車速調整区間Lvの始端から、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過する所定時間(例えば3秒)前までに自車両Kgの車速が暫定目標車速Vz(=50km/h)まで滑らかに上昇し、その後、自車両Kgの車速が滑らかに低下して、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過した時(すなわち、自車両Kgが車速調整区間Lvの始端を通過した時点から15sの目標通過時間で290m走行した時)に自車両Kgの車速が目標車速Vm(=40km/h)に到達するように、設定される。
また、車速調整区間Lvでは、図5に示すように、車速メータ10に目標車速Vmが表示されることで、自車両Kgの運転者に対して車速操作の支援が行われる。
具体的には、車速メータ10は、例えば指針式の車速メータで構成されており、文字板10aと、主指針10bと、副指針10cとを備えている。文字板10aは、車速を示す数字が円弧状に並んで表示されたものである。主指針10bは、文字板10a上に回動可能に設けられ、文字板10aに表示された車速のうちから自車両Kgの現在の車速を差し示すものである。副指針10cは、文字板10a上に回動可能に設けられ、文字板10aに表示された車速のうちから目標車速Vmを差し示すものである。この場合は、副指針10cで目標車速Vmが差し示されることで、車速メータ10に目標車速Vmが表示される。
なお、この場合、図6に示すように、副指針10cで差し示される目標車速Vmは、基準車速ラインSに基づいて、車速調整区間Lvの終端で最終的な目標車速Vmに到達するように、自車両Kgの車速の上昇(または、自車両Kgが車速調整区間Lvの始端を通過した時からの経過時間、または、車速調整区間Lv内での自車両Kgの現在の走行位置)に応じて段階的に変化される。図6では、副指針10cで差し示される目標車速Vmは、例えば40km/h→65km/h→80km/hのように段階的に変化されている。運転者は、自車両Kgの車速が副指針10cで差し示される目標車速Vmに一致するように車速操作を行うことで、自車両Kgの車速を本線合流に必要な車速にスムーズに操作することができる。
また、操舵区間Lsでは、図5の表示部11に適宜タイミングで操舵支援情報が表示されることで、自車両Kgの運転者に対して操舵操作の支援が行われる。運転者は、操舵支援情報が表示部11に表示されたときに、本線合流のための操舵操作を行うことで、自車両Kgを本線Dhにスムーズに合流させることができる。
次に図7および図8を参照して、車両用合流支援装置1の動作の時系列的な流れを説明する。
図7に示すように、ステップS1で、合流ポイント設定部41が、道路地図データベース6bから道路地図データを読み込む。そして、ステップS2で、合流ポイント設定部41は、読み込んだ道路地図データに基づいて、自車両Kgが高速道路の支線Dsに進入したか(具体的には例えば料金所Rを通過したか)否かを判定する。その判定の結果、自車両Kgが支線Dsに進入していない場合(S2でNOの場合)は、処理がステップS1に戻り、他方、自車両Kgが支線Dsに進入した場合(S2でYESの場合)は、処理がステップS3に進む。そして、ステップS3で、合流ポイント設定部41は、合流支援スイッチ8がオン操作されているか否かを判定する。この判定の結果、合流支援スイッチ8がオン操作されていない場合(S3でNOの場合)は、処理がステップS1に戻り、他方、合流支援スイッチ8がオン操作されている場合(S3でYESの場合)は、処理がステップS4に進み、車両用合流支援装置1の運転支援が作動する。
ステップS4では、合流ポイント設定部41は、道路地図データベース6bから読み込んだ道路地図データに基づいて、自車両Kgが走行する支線Dsが本線Dhの合流レーンDh1に合流する合流ポイントPgを設定する。
そして、ステップS5では、目標到達時間設定部42が、送受信部7を介して上記の合流レーンDh1を走行する他車両Ktとの間で車車間通信を行って、または、送受信部7を介して上記の高速道路の周辺に設置された路側通信装置との間で路車間通信を行って、上記の合流レーンDh1を走行する各他車両Ktのうち、自車両Kgの一定範囲内を走行する各他車両Ktの車速および位置に関する他車両情報を取得する。
そして、ステップS6で、目標到達時間設定部42は、ステップS4で設定されて合流ポイントPgと、ステップS5で取得された他車両情報とに基づいて、合流レーンDh1を走行する各他車両Ktの間の車間間隔のうちの所定の車間間隔である合流用車間間隔Wgが合流ポイントPgに到達する時間を算出し、その時間を、自車両Kgが合流ポイントPgに到達する目標到達時間ΔTmとして設定する。
そして、ステップS7で、目標車速設定部43が、ステップS5で取得された他車両情報に基づいて、合流レーンDh1を走行する各他車両Ktの平均車速Vbを求め、その平均車速Vbから、自車両Kgの本線合流時の目標車速Vmを設定する。
そして、ステップS8で、区間設定部44が、予め設定された一定時間Δt(例えばΔt=5s)と目標車速Vmとに基づいて、支線Dsに操舵区間Ls(=Vm×Δt)を設定する。そして、ステップS9で、区間設定部44は、道路地図データベース6bから取得された支線Dsの長さLoと、ステップS8で設定された操舵区間Lsとに基づいて、支線Dsに車速調整区間Lv(=Lo−Ls)を設定する。なお、車速調整区間Lvの始端は、支線Dsの始端(例えば料金所Rの地点)と一致しているため、ステップS2での自車両Kgの支線Dsへの進入によって、自車両Kgは車速調整区間Lvに進入している。
そして、ステップS10で、目標車速設定部43は、ステップS7で設定した目標車速Vmが所定車速Vs(例えば50km/h)よりも低いか否かを判定する。その判定の結果、目標車速Vmが所定車速Vsよりも低くない場合(S10でNOの場合)は、処理がステップS11に進み、基準車速ライン設定部45が、暫定目標車速Vzが無い場合の基準車速ラインS(例えば図3(b)参照)を設定する。そして、処理が図8のステップS17に進む。
他方、ステップS10の判定の結果、目標車速Vmが所定車速Vsよりも低い場合(S10でYESの場合)は、処理がステップS12に進み、目標車速設定部43が、本線Dhの交通情報が表示部11に既に表示されているか否かを判定する。この判定の結果、本線Dhの交通情報が表示部11に既に表示されている場合(S12でYESの場合)は、処理がステップS11に進み、他方、本線Dhの交通情報が表示部11に表示されていない場合(S12でNOの場合)は、処理がステップS13に進む。
そして、ステップS13で、目標車速設定部43が、コントローラ4の所定の記憶部から目標車速Vmと暫定目標車速Vzとの対応関係を規定したマップ(図4(c)参照)を読み出し、そのマップに基づいて、ステップS7で設定された目標車速Vmに対応した暫定目標車速Vzを設定する。
そして、ステップS14で、基準車速ライン設定部45が、道路地図データベース6bに基づいて、自車両走行中の支線Dsと本線Dhとの間に側壁Hsが有るか否かを判定する。その判定の結果、自車両走行中の支線Dsと本線Dhとの間に側壁Hsが有る場合(S14でYESの場合)は、処理がステップS15に進み、基準車速ライン設定部45は、図4(a)に示すように、側壁Hsの終端で自車両Kgの車速が暫定目標車速Vzに到達するように基準車速ラインSを設定する。そして、処理が図8のステップS17に進む。
他方、ステップS14の判定の結果、自車両走行中の支線Dsと本線Dhとの間に側壁Hsが無い場合(S14でNOの場合)は、処理がステップS16に進み、基準車速ライン設定部45は、図4(b)に示すように、車速調整区間Lvの終端を通過する所定時間(例えば3秒)前までに自車両Kgの車速が暫定目標車速Vzに到達するように基準車速ラインSを設定する。そして、処理が図8のステップS17に進む。
そして、図8に示すように、ステップS17では、車速制御支援部46が、ステップS11,S15またはS16で設定された基準車速ラインSに従って、目標車速Vmを車速メータ10に表示する。そして、ステップS18で、操舵支援部47が、操舵トルクセンサ9の検出結果に基づいて、自車両Kgの車速調整区間Lvの走行中に、自車両Kgの運転者が操舵操作を行ったか否かを判定する。この判定の結果、自車両Kgの運転者が操舵操作を行った場合(S18でYESの場合)は、処理がステップS19に進み、操舵支援部47は、警報制御部12から当該操舵操作を止めさせる旨の警報を出力させる。そして、処理がステップS20に進む。他方、ステップS18の判定の結果、運転者が操舵操作を行っていない場合(S18でNOの場合)は、処理がステップS19を省略してステップS20に進む。
ステップS20では、車速制御支援部46が、車速センサ5の検出結果に基づいて、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達したか否かを判定する。この判定の結果、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達していない場合(S20でNOの場合)は、処理がステップS17に戻り、ステップS17〜S20の処理が繰り返される。これにより、自車両Kgの運転者は、本線合流のための車速操作と操舵操作のうち車速操作だけに集中して運転操作でき、自車両Kgの車速を大きく加減速させることなく目標車速Vmまで到達させることができる。
他方、ステップS20の判定の結果、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達している場合(S20でYESの場合)は、ステップS21で、車速制御支援部46が、自車両Kgの本線合流が終了するまで、自車両Kgの車速を自動で目標車速Vmに維持するように自動車速制御を開始する。これにより、運転者は、この後の本線合流のための操舵操作に集中することができる。そして、ステップS22で、車速制御支援部46が、車速メータ10への目標車速Vmの表示を止める。
そして、ステップS23で、操舵支援部47が、道路地図データベース6bから読み出された道路地図データに基づいて、自車両Kgが操舵区間Lsに進入したか否かを判定する。この判定の結果、自車両Kgが操舵区間Lsに進入していない場合(S23でNOの場合)は、ステップS23の処理が繰り返される。他方、自車両Kgが操舵区間Lsに進入した場合(S23でYESの場合)は、処理がステップS24に進み、操舵支援部47は、操舵支援情報を適宜タイミングで表示部11に表示する。自車両Kgの運転者は、この操舵支援情報が表示部11に表示されたタイミングで、本線合流のための操舵操作を行うことで、スムーズに自車両Kgを本線Dhに合流させることができる。また、運転者は、車速操作の後に操舵操作を行うため、操舵操作に集中することができる。
そして、ステップS25で、操舵支援部47が、道路地図データベース6bから読み出された道路地図データに基づいて、自車両Kgが本線Dhに合流したか否かを判定する。この判定の結果、自車両Kgが本線Dhに合流していない場合(S25でNOの場合)は、ステップS25の処理が繰り返される。他方、自車両Kgが本線Dhに合流した場合(S25でYESの場合)は、処理が終了する。
≪主要な効果≫
以上、この実施形態に係る車両用合流支援装置1によれば、自車両Kgの本線合流時の目標車速Vmを設定する目標車速設定部43と、自車両Kgの支線走行中に、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように自車両Kgの運転者の車速操作を支援する車速制御支援部46とを備え、車速制御支援部46は、目標車速Vmが所定車速Vsよりも低い場合、自車両Kgの車速が目標車速Vmを超えて暫定目標車速Vzまで上昇した後に目標車速Vmに到達するように運転者の車速操作を支援するものである。
この構成によれば、車速制御支援部46は、目標車速Vmが所定車速Vsよりも低い場合(例えば、本線が渋滞の場合)は、自車両Kgの車速が目標車速Vmを超えて暫定目標車速Vzまで上昇した後に目標車速Vmに到達するように運転者の車速操作を支援するため、車速制御支援部46による車速操作の支援が通常の運転感覚に近くなり、この結果、支線走行中の自車両Kgの運転者が本線Dhの渋滞を知らない場合に、自車両Kgの本線合流時に、運転者の感覚通りに自車両Kgの車速が上昇するように車速操作の支援が行われないことに対する違和感を抑制することができる。
また、車速制御支援部46は、自車両Kgの運転者の車速操作の支援開始時(すなわち、自車両Kgの車速調整区間Lvの始端通過時)から運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時taまでの所定期間、自車両Kgの車速が暫定目標車速Vzまで上昇するように運転者の運転操作を支援するため、運転者の上記の確認の後(すなわち、上記の違和感の払拭後)は、速やかに、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように運転者の車速操作を支援でき、運転者の安心感を確保することができる。
また、上記の所定期間は、上記の支援開始時から自車両Kgの運転者が本線Dhの交通状況を視認可能になる時までの期間であるため、より一層、通常の運転感覚に合った車速操作の支援を行うことができる。
具体的には、上記の所定期間は、上記の支援開始時から支線走行中の自車両Kgが支線Dsと本線Dhとの間の側壁Hsの終端Hs1を通過する時までの時間である。この場合、支線Dsと本線Dhとの間の側壁Hsの終端Hs1の位置は、道路地図データから判断可能であるため、道路地図データに基づいて、上記の支援開始時から、運転者が本線Dhの交通状況を視認可能になる時までの期間を設定することできる。
また、支線Dsには、車速制御支援部46による車速操作支援が行われる車速調整区間Lvが設定され、車速制御支援部46は、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過する所定時間(例えば3秒)前までに、自車両Kgの車速が暫定目標車速Vzまで上昇するように、自車両Kgの運転者の車速操作を支援する。
このため、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過する所定時間前までに、自車両Kgの車速を暫定目標車速Vzまで上昇させるための運転者の車速操作の支援を終了することができる。
この結果、その終了時から、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過するまでの時間で、自車両Kgの車速を目標車速Vmに到達するように運転者の車速操作を支援することができる。すなわち、自車両Kgの車速が暫定目標車速Vzまで上昇するように運転者の車速操作が支援される場合でも、自車両Kgが車速調整区間Lvの終端を通過する時には自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように、運転者の車速操作を支援することができる。
また、車速制御支援部46は、当該車速制御支援部46による車速操作支援の前に、自車両Kgの運転者が本線Dhの交通状況を確認可能である場合は、暫定目標車速Vzを設定せずに、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように運転者の車速操作を支援する。すなわち、車速操作の支援の前に運転者が既に本線の交通状況(例えば渋滞)を確認できていると推定される場合には、暫定目標車速Vzを設定せずに自車両Kgの運転者の車速操作を支援する。これにより、本線Dhが渋滞であることを自車両Kgの運転者が認識しているにも関わらず、自車両Kgの目標車速Vmがどんどん上昇するように車速支援が行われることに対する運転者の違和感を抑制することができる。
また、暫定目標車速Vzは、目標車速Vmに応じて設定されるため、暫定目標車速Vzが目標車速Vmから離れ過ぎた値に設定されることを抑制することができる。
また、車速制御支援部46は、自車両Kgの車速を暫定目標車速Vzまで上昇させた後に目標車速Vmに到達させるための基準車速ラインSを設定し、自車両Kgの車速が基準車速ラインSに従って目標車速Vmに到達するように、自車両Kgの運転者の車速操作を支援するため、自車両Kgの車速が、暫定目標車速Vzまで上昇する途中や目標車速Vmに到達する途中で大きく加速または減速することを抑制できる。この結果、無駄の無い車速操作でスムーズに、自車両Kgの車速を暫定目標車速Vzおよび目標車速Vmに到達させることができる。
<変形例1>
上記の実施形態では、「運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時ta」の具体例として、支線Dsと本線Dhとの間に側壁Hsが有る場合は、自車両Kgが側壁Hsの終端Hs1を通過した時としたが、この代わりに、表示部11(報知部)による本線Dhの交通情報の表示(報知)後所定時間(例えば3秒)経過した時としてもよい。この変形例によれば、表示部11による本線の交通情報の表示を利用して、運転者が本線Dhの交通状況を確認可能になる時taを設定することできる。
<変形例2>
上記の実施形態では、車速制御支援部46は、車速支援として、車速調整区間Lvで車速メータ10に目標車速Vm(運転者が本線Dhの渋滞を知らない場合は目標車速Vmおよび暫定目標車速Vz)を表示したが、車速制御支援部46は、車速調整区間Lvで、運転者の車速操作に対して、自車両Kgの車速が基準車速ラインSから超過または不足している場合、その超過分または不足分が相殺されるように、エンジン出力(例えばスロットル弁の開度)を制御して自車両Kgの車速を制御してもよい(車速アシスト制御)。すなわち、運転者の車速操作による超過分または不足分の車速が車速制御支援部46のエンジン制御で相殺されて、自車両Kgの車速が目標車速Vmに制御されてもよい。これにより、運転者の車速操作のスキルが低い場合でも、自車両Kgの車速を基準車速ラインSに沿って目標車速Vmに到達させることができる。
同様に、上記の実施形態では、操舵支援部47は、操舵支援として、操舵区間Lsで表示部11に操舵支援情報を表示したが、操舵支援部47は、操舵区間Lsで、運転者の操舵操作に対して、操舵トルクが本線合流のために必要な必要操舵トルクから超過または不足している場合は、その超過分または不足分が相殺されるように、ステアリング機構14を制御して自車両Kgの操舵トルクを制御してもよい(操舵アシスト制御)。
すなわち、運転者の操舵操作による超過分または不足分の操舵トルクが操舵支援部47の操舵トルク制御で相殺されて、操舵トルクが必要操舵トルクに制御されてもよい。これにより、運転者の操舵操作のスキルが低い場合でも、自車両Kgを支線Dsから本線Dhにスムーズに合流させることができる。
<変形例3>
上記の実施形態では、車速制御支援部46は、車速支援として、車速調整区間Lvで車速メータ10に目標車速Vm(運転者が本線の渋滞を知らない場合は目標車速Vmおよび暫定目標車速Vz)を表示したが、車速制御支援部46は、車速調整区間Lvで、例えば基準車速ラインSに沿って自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように、自車両Kgの車速を自動制御してもよい。
この変形例3では、図のフローチャートは、図のフローチャートのように変更される。
のフローチャートは、図のフローチャートと比べて、ステップS17,S21がそれぞれステップS17A,S21Aに変更されたものである。ステップS17Aでは、車速制御支援部46は、ステップS11,S15またはS16で設定された基準車速ラインSに従って、自車両Kgの車速が目標車速Vmに到達するように、自車両Kgの車速を自動制御する(自動車速制御)。また、ステッS21Aでは、車速制御支援部46は、自車両Kgの本線合流が終了するまで、自車両Kgの車速を目標車速Vmに維持するように自動車速制御を継続する。
この発明は、上述の実施形態および変形例の構成のみに限定されるものではなく、上述の実施形態および変形例の組み合わせも含み、多くの実施の形態を得ることができる。
この発明は、自車両の支線から本線への合流を支援する車両用合流支援装置への適用に好適である。
1…車両用合流支援装置
11…表示部(報知部)
43…目標車速設定部
46…車速制御支援部
Hs…側壁
Kg…自車両
Lv…車速調整区間
S…基準車速ライン
Vm…目標車速
Vs…所定車速
Vz…暫定目標車速

Claims (8)

  1. 自車両の支線から本線への合流を支援する車両用合流支援装置であって、
    前記自車両の本線合流時の目標車速を設定する目標車速設定部と、
    前記自車両の支線走行中に、前記自車両の車速が前記目標速度に到達するように前記自車両の運転者の車速操作を支援する車速制御支援部とを備え、
    前記車速制御支援部は、前記自車両の運転者の車速操作の支援開始時から前記運転者が本線の交通状況を確認可能になる時までの所定期間、前記自車両の車速が前記目標車速よりも高い車速である暫定目標車速まで上昇するように前記運転者の運転操作を支援し、
    前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速以上の場合、前記暫定目標車速を設定しない一方、
    前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速よりも低い場合、前記暫定目標車速を当該目標車速よりも高い車速に設定し、
    前記車速制御支援部は、前記目標車速が所定車速よりも低い場合、前記自車両の車速が前記目標車速を超えて前記暫定目標車速まで上昇した後、自車両の車速が当該暫定目標車速から低下して前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援する
    車両用合流支援装置。
  2. 前記所定期間は、前記支援開始時から前記運転者が本線の交通状況を視認可能になる時までの期間である
    請求項に記載の車両用合流支援装置。
  3. 前記所定期間は、前記支援開始時から支線走行中の前記自車両が支線と本線との間の側壁の終端を通過する時までの時間である
    請求項に記載の車両用合流支援装置。
  4. 本線の交通情報を前記運転者に報知する報知部を備え、
    前記所定期間は、前記支援開始時から前記報知部による本線の交通情報の報知後所定時間経過する時までの期間である
    請求項に記載の車両用合流支援装置。
  5. 前記支線には、前記車速制御支援部による車速操作支援が行われる車速調整区間が設定され、
    前記車速制御支援部は、前記自車両が前記車速調整区間の終端を通過する所定時間前までに、前記自車両の車速が前記暫定目標車速まで上昇するように、前記運転者の車速操作を支援する
    請求項1に記載の車両用合流支援装置。
  6. 前記車速制御支援部は、前記車速制御支援部による車速操作支援の前に、前記運転者が本線の交通状況を確認可能である場合は、前記暫定目標車速を設定せずに、前記自車両の車速が前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援する
    請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用合流支援装置。
  7. 前記暫定目標車速は、前記目標車速に応じて設定される
    請求項1〜6の何れか一項に記載の車両用合流支援装置。
  8. 前記車速制御支援部は、前記自車両の車速を前記暫定目標車速まで上昇させた後に前記目標車速に到達させるための基準車速ラインを設定し、前記自車両の車速が前記基準車速ラインに沿って前記目標車速に到達するように前記運転者の車速操作を支援する
    請求項1〜7の何れか一項に記載の車両用合流支援装置。
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