JP6670608B2 - 結合研磨物品 - Google Patents

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Description

本発明は、結合研磨物品、特に、高精密研削において有用であるものに関する。高精密研削用の結合研磨物品は、加工物品を所望の形状及びサイズに精度よく研削するために有用である。
結合研磨物品は、結合媒体によって1つに結合した研磨粒子を有する。結合研磨物品を作製するために使用される結合系の主な種類は、レジノイド、ビトリファイド、及び金属である。レジノイド結合研磨物質は、有機結合剤系(例えば、フェノール結合剤系)を利用して、研磨粒子を一つに結合して、成形された集塊を形成する。別の主要なタイプは、結合研磨物品であり(例えば、ビトリファイド結合ホイール)、研磨粒子を一緒に結合するために、ガラス状結合剤系が使用される。通常、これらの結合剤は、700℃〜1500℃の温度にてガラス化される。金属結合研磨物品では、典型的には、焼結されるか、又はめっきされた金属(plated metal)を利用して、研磨粒子を結合する。ビトリファイド結合研磨物品は、これらが研磨粒子を結合するために、ガラス状相を使用し、よって実質的により高い温度で処理されるという点において、レジノイド結合研磨物品とは異なる。ビトリファイド結合研磨物品は、使用中においてより高い温度に耐えることができ、レジノイド結合ホイールよりも、より剛性かつ脆性である。
結合研磨剤は、3次元構造であり、典型的には、研磨粒子の成形された集塊であり、結合剤によって1つに保持されている。このような成形された集塊は例えば、研削砥石車などの、砥石車の形態であり得る。
表面の少なくとも一部分上に表面プロファイルを有する結合研磨物品は、多くの研削用途、具体的には、加工物品にプロファイルを付与する研削用途の場合に有用である。具体例として、一部を挙げると、ねじ研削、歯車研削、表面研削、円筒研削などが挙げられるが、これらに限定されない。
理想的な状態において、結合研磨物品は自生発刃する。しかしながら、現実には、特に十分に力が大きい場合に、結合研磨物品が壊れ、研磨粒子が破壊されたり、脱落したりしてしまう場合がある。結合研磨物品が早く摩耗して、その好ましい形状を失うと、引き出される研削力は、研削用途の開始値を超えて減少する。結合研磨物品はしたがって、典型的には周期的研削曲線を示す(研削時間を関数とした研削力消費)。研磨する加工物品の欠損を避けるため、及び結合研磨物品の一定の研磨性能をもたらすために、研削周期の終端点において、結合研磨物品(例えば、研削砥石車)の目直しが行われなければならない。
結合研磨物品が使用されると、結合研磨物品はゆっくりと摩耗していき、結合研磨物品の3次元的形状の変化、例えば、表面プロファイルの形状の変化(典型的には、「鋭さの減少」又は「平坦化」)、及び研削砥石車の直径の変化が生じる。結合研磨物品の形状が変化した結果、最終的な研削加工物品に所望される精度が維持できなくなったり、損なわれたりする。加工物品に所望される精度を達成するため、結合研磨物品は、典型的には、目直し機を使用して定期的に再成形、及びサイズ直し、又は「目直しされる」必要がある。目直しは典型的に、ダイヤモンド目直しツールなどの目直しツールを使用して行われる。
目直しの際、結合研磨物品と目直し機とは、(目直し接触領域において)互いに接触し、これらの一方又は両方が互いに対して移動させられる。目直しにより、目直し機の表面が結合研磨物品の表面から粒子及び/又は結合剤を取り除くことによって、その表面を再成形する。
しかしながら、従来の結合研磨物品では、目直し時に取り除かれる研磨粒子は、典型的には、結合剤から除去され(又は引き抜かれ)るため、研磨物品では、研磨粒子の元の位置に空間が残される。結果として、物品の(特に、プロファイルの先端領域における)理想的な表面プロファイルを、(物品の初回使用の前に)作製すること、又は(物品が摩耗した後に)再度作製することは困難な場合がある。(摩耗の際に、かつ/又は、目直しの際にも)結合剤から除去される粒子のために、プロファイルの先端領域は、摩耗しやすく、理想的な形状へと完全に(再度)目直しすることは困難な場合がある。これにより、特徴部、具体的には、結合研磨物品の表面プロファイルの先端領域の、望ましくない平坦化又は切頭化が引き起こされ得る。例えば、プロファイル特徴部のフランクなどに現れた角部などの他の特徴部も、同様の平坦化及び/又は切頭化を示し得る。先端領域に切頭を呈する結合研磨物品が、最終の加工物品プロファイルを付与するために使用される場合、結合研磨物品の先端領域における切頭により、最終加工物品プロファイルの根元領域において、対応する切頭をもたらされてしまう場合がある。例えば、プロファイルのフランクにおける平坦な角部により、最終加工物品プロファイルにおいて、対応して平坦化された相補的な角部をもたらされてしまう場合がある。それ故、根元領域又は角部領域などの鋭い表面特徴部を有する最終加工物品プロファイルを提供することは困難な場合が多い。
それ故、非常に小さな表面特徴部(具体的には非常に鋭い先端領域)を、結合研磨物品に精度よく(再度)作製することは困難な場合がある。表面プロファイルを、(物品の初回使用の前に)作製すること、又は(物品が摩耗した場合に)再度作製すること(例えば、目直し)は、1つ又は複数の表面特徴部、具体的には、プロファイルの先端領域又は角部領域における、寸法の減少により、より困難となる。
それ故、本発明より以前には、当該技術分野において、非常に小さな表面特徴部(具体的にはプロファイルの先端領域における)を有するプロファイルを、結合研磨物品に精度よく(再度)作製するためには、(再度)作製される特徴部の寸法よりもずっと小さい公称寸法(典型的には、少なくとも約10倍小さいサイズ)を有する研磨粒子(破砕粒子などの従来の粒子)の使用が必要であるという一般的な認識があった。
それ故、表面の少なくとも一部分上に表面プロファイルを有する結合研磨物品の調製では、好適な研磨粒子の使用は、(再度)作製される表面特徴部より約一桁小さい1つ又は複数の公称寸法を有するものに限定されるという、当該技術分野における一般的な理解に従って、従来より研磨粒子が選択されている。
例としては、寸法が約1500μmの表面特徴部(例えば、ねじ山のピッチ)を(再度)作製するためには、典型的には、(例えば、一山ねじ研削用途に関しては)FEPA等級に従ってF240(平均粒径約45μmに相当する)以下の研磨粒子が必要であると考えられているであろうし、寸法が約700μm〜1000μmの表面特徴部(例えば、ねじ山のピッチ)を(再度)作製するためには、典型的には、FEPA等級に従ってF320(平均粒径約30μmに相当する)〜FEPA等級F400(平均粒径約18μmに相当する)の範囲以下の研磨粒子径が必要であると考えられているであろうし、寸法が約300〜約600μmほどの細かさの表面特徴部(例えば、ねじ山のピッチ)を(再度)作製するためには、典型的には、FEPA等級に従ってF400(平均粒径約18μmに相当する)〜FEPA等級F500(平均粒径約13μmに相当する)の範囲以下の研磨粒子径が必要であると考えられているであろう。
従来の推奨値は、具体的な研削用途に応じて、いくらか変化し得るものの、それらは、いずれも好適な研磨粒子は、(再度)作製される表面特徴部よりも約一桁小さい(即ち、典型的には、10倍、20倍、30倍、又は更に小さい)粒径(典型的には、公称寸法)を呈していなければならない、という理解に基づいている。
一部の実例においては、十分に細かい粒径を選択することは、結合研磨物品の表面プロファイルにおいて、小さな表面特徴部を実現する代表的な方法の1つである。しかしながら、この方法には、特に結合研磨物品の表面プロファイルにおける先端領域の鋭さに関して、未だ制限がある。更に、この方法は、好適なグリット寸法が利用可能である、という点に依存している。加えて、所与の研削作業について、研削される材料及びその硬度、研磨される材料の量(粗研磨なのか、表面仕上げなのか)、研削プロセス条件(例えば、湿式なのか、乾式なのか)、又は研削機械の種類などの多くの要素を注意深く考慮しなければならない。結果として、小さな表面特徴部の(再)作製のために必要なグリット寸法は、所与の研削操作の他の側面(研磨される材料の量など)の下では、理想的なグリット寸法でない場合がある。
換言すると、所与のグリット寸法(具体的な研削用途で所望されるか、又は必要な)の研磨粒子を組み込んだ結合研磨物品においては、プロファイル表面特徴部、具体的には、先端領域の表面特徴部は、任意のサイズにスケールダウンすることができない。
驚くべきことに、本明細書において定義される成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含むビトリファイド結合組成物が、上述の問題を解決し得る結合研磨物品を提供可能であることが見出された。このような物品は、高精密研削用途において、特に有効であることが見出された。
一態様において、本発明は、結合研磨物品の作製に使用するためのビトリファイド結合組成物に関し、前記ビトリファイド結合組成物は、本明細書において定義される成形研磨粒子(典型的には、複数の成形研磨粒子)と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含み、前記結合研磨物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部(surface feature)を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。前記表面特徴部は、典型的には、雄型表面特徴部である。好ましくは、前記雄型表面特徴部の高さは、前記成形研磨粒子の最大寸法の約0.1〜約9倍の寸法を有する。好ましくは、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
更なる態様において、本発明は、複数の成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含む結合研磨物品に関し、前記成形研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含み、前記第1の側部は、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含み、前記厚さtは、粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さと等しい、又はこれより短く、前記物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。前記表面特徴部は、典型的には、雄型表面特徴部である。好ましくは、前記雄型表面特徴部の高さは、前記成形研磨粒子の最大寸法の約0.1〜約9倍の寸法を有する。好ましくは、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
更なる態様において、本発明は、結合研磨物品の生産方法に関し、前記プロセスは、(a)基礎形状を有する前駆ビトリファイド結合研磨物品を提供する工程と、(b)前記前駆ビトリファイド結合研磨物品の前記表面の少なくとも一部上に、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを付与する工程であって、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する、工程と、を含み、工程(b)は、好ましくは、目直しを含む。前記表面特徴部は、典型的には、雄型表面特徴部である。好ましくは、前記雄型表面特徴部の高さは、前記成形研磨粒子の最大寸法の約0.1〜約9倍の寸法を有する。好ましくは、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmax(好ましくは、R(tip)≦Lmax、又は更に好ましくは、R(tip)≦0.5 Lmax)であることを特徴とする。
本発明は更に、表面の少なくとも一部上に、プロファイルを有する加工物品を調製する方法に関し、前記方法は、(1)初期形状を有する加工物品を提供する工程と、(2)本発明に係る研磨物品の少なくとも一部を、前記加工物品の表面に摩擦接触させる工程と、(3)前記加工物品の前記表面の少なくとも一部分が研磨されるように、前記加工物品又は前記研磨物品の少なくとも一方を動かし、前記加工物品の表面の少なくとも一部上に、少なくとも部分的には前記結合研磨物品の表面プロファイルに対応する最終表面プロファイルを有する、最終加工物品を提供する工程と、を含む。好ましい実施形態によると、前記最終加工物品表面プロファイルは、少なくとも1つの最終加工物品表面特徴部を含み、前記成形研磨粒子は、前記少なくとも1つの最終加工物品の表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。好ましい実施形態では、前記表面プロファイルは、根元半径R(root)を呈する少なくとも1つの雌型表面特徴部を含み、前記根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
また、本発明は、本発明に係る結合研磨物品を使用することを特徴とする研削の方法にも関し、具体的には、ねじ研削の方法、歯車研削の方法、表面研削の方法、及び円筒研削の方法に関する。
本発明に係る結合研磨物品は、加工物品に意図する形状(例えば、表面プロファイル)を精度よく付与するために特に有用である。
(研削後かつ目直し前の)実施例1の結合研磨物品の断面を示す。 (研削後かつ目直し前の)実施例1の結合研磨物品と同種のプロファイルを含むが、プロファイルの表面特徴部よりもずっと小さな粒径を有する、従来型の破砕研磨粒子を含む、比較用の結合研磨物品の断面である。 本発明で有用な、例示的な雄型表面特徴部を示す。 (研削用途で使用された後、かつ目直し前の)実施例1の結合研磨物品の断面の画像を示し、表面特徴部の高さ(横棒(rail)の高さ)は、成形研磨粒子の側面寸法におよそ等しく、両寸法は、およそ0.5mmである(この写真の左下にある三角の成形研磨粒子の面に留意されたい)。
本明細書で使用するとき、用語「高精密研削」は、高精度で加工物品を研削するのに有用である、研削応用を指すために使用される。
本明細書で使用するとき、用語「作用面」は、結合研磨物品との関連で使用される場合には、研削の際に、加工物品と接触する本物品の表面に関する。例えば、具体的に研削砥石車に関しては、作用面は、砥石車の2つの側面ではなく、砥石車の円周面に関する(また、砥石車の円周面は、場合によって、単に砥石車の「面」とも呼ばれる)。
本明細書で使用するとき、用語「成形研磨粒子」とは、その研磨粒子の少なくとも一部が、成形前駆体研磨粒子の形成に使用される成形型のキャビティから複製された所定の形状を有する、研磨粒子を意味する。研磨破片の場合(例えば、米国特許出願公開第2009/0169816号、及び同第2009/0165394号)を除き、本発明に係る成形研磨粒子は一般に成形研磨粒子の形成に使用された成形型のキャビティを実質的に複製する、所定の幾何形状を有することになる。典型的には、型から複製される成形研磨粒子は、粒子のそれぞれが、実質的に同一の形状(即ち、形状の複製を行う型によって予め定められる形状)を有することを特徴とし得る。対照的に、押出成形によって(押出ロッドなど)調製された複数の研磨粒子においては、粒子の形状は、例えば、個々の粒子が、各粒子の長さに沿って異なった程度の曲率を有する場合がある点などにおいて、若干異なり得る。(同一の型から複製された)複数の成形研磨粒子は、典型的には、所定の幾何形状である結果として、粒径の際立った分布を示さない。成形研磨粒子は、従来の破砕された研磨剤と比較して、非常に狭い粒径分布によって記述することができる。成形研磨粒子は、例えば、米国規格メッシュサイズを使用したふるいがけなどの、当該技術分野において既知の方法に基づいた公称寸法に帰することができる。典型的には、成形研磨粒子は、同じ縁部長さ、同じ粒子高さなどの粒子寸法、並びに同一のメッシュサイズによるフィッティングに基づく、公称寸法に帰することができる。実質的に同一の長さとは、共通の縁部又は高さが、公称長さ、又は高さのそれぞれ+/−20パーセント以内の長さを有することを意味する。本明細書で使用するとき、「公称」は、実際とは異なり得る指定又は理論的寸法及び/若しくは形状、あるいは実際とは異なり得る指定又は理論的寸法及び/若しくは形状に関連するということを意味する。
本明細書で使用するとき、成形研磨粒子は、機械的破砕操作によって得られる研磨粒子(典型的には、形状が不規則であり、典型的には、異なる粒径分布を特徴とする)を除く。
本明細書で使用するとき、「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、及び「備える、含む(include)」といった語形は、法律的に等価かつ非限定的である。したがって、記載される要素、機能、工程、又は限定以外に、更なる記載されない要素、機能、工程、又は限定が存在し得る。
本明細書で使用するとき、「研磨剤分散液」とは、成形型のキャビティ内に組み込まれた研磨材料(例えば、αアルミナ)に変換される前駆体(典型的にはαアルミナ前駆体)を意味する。この組成物は、揮発性成分が十分に除去されて研磨材分散液の固化が生じるまでの研磨材分散液を指す。
本明細書で使用するとき、「前駆体成形研磨粒子」という用語は、研磨材分散液が成形型のキャビティ内にある場合に、研磨材分散液から十分な量の揮発性成分を除去することによって生成され、成形型のキャビティから取り出して、その後の加工作業中にその成型形状を実質的に保持することができる固化体を形成する、未焼結の粒子を意味する。
本発明による成形研磨粒子の3次元形状に関しては、長さとは、最も長い粒子寸法を指し、幅とは長さと垂直な最大粒子寸法を指す。本明細書における厚さはまた、典型的には長さ及び幅と垂直である。いくつかの場合において、最長粒子寸法は、粒子の長手方向軸に沿うことがあるが、これは必須要件ではない。
本発明に係る結合研磨物品の表面プロファイルにおける、表面特徴部の寸法、特に、雄型表面特徴部の寸法(雄型表面特徴部の高さ、又は幅、角部半径R(corner)、又は先端半径R(tip))との比較に関連する、あるいは、最終加工物品プロファイルにおける雌型表面特徴部(最終加工物品表面プロファイルにおける、雌型表面特徴部の根元半径R(root)、又は相補的角部半径R(corner)’など)との比較に関連する、最大粒子寸法は、典型的には、成形粒子の長さに対応する。
本明細書で使用するとき、「厚さ」という用語は、その平面構造にわたって異なる厚さを有する粒子に適用する場合、最大厚さを意味する。粒子が実質的に均一の厚さの場合、極小、極大、中間、及び平均の厚さは、実質的に等しくなる。例えば、三角形の場合、厚さが「a」に等しければ、三角形の最短辺の長さは、好ましくは少なくとも「2a」である。2つ以上の最短面寸法が等しい長さである粒子の場合、このような関係は引き続き維持される。ほとんどの場合、成形研磨粒子は、少なくとも3辺を有する多角形であり、各辺の長さは粒子の厚さよりも大きい。円形、楕円形、又は非常に短い辺を有する多角形という特別な場合には、円の直径、楕円形の最小直径、又は非常に短辺の多角形の周りに外接され得る円の直径が粒子の最短面寸法と見なされる。
更なる例示のため、四面体形状の研磨粒子の場合、長さは典型的には1つの三角形の面の辺長さに対応し、幅は、三角形の面の先端部と反対側の側縁部の垂線との間の寸法であり、厚さは通常「四面体の高さ」と称されるものと対応し、即ち、頂点と基部(又は第1の側部)の垂線との間の寸法である。
研磨粒子が、切頭、円筒形、切頭角錐形、切頭円筒形、切頭球形、又は切頭回転楕円体を有する成形型のキャビティから調製される場合、厚さは、以下のように決定される(1)角錐又は円筒形の場合、厚さは粒子の基部と垂直な、角錐又は円筒の頂部に延びる直線の長さであり、(2)切頭角錐又は切頭円筒形の場合、厚さは、切頭角錐又は切頭円筒のより大きな基部の中央と垂直であり、切頭角錐又は切頭円筒のより小さい基部へと延びる直線の長さであり、(3)切頭球体又は切頭回転楕円体の場合において、厚さは、切頭球体又は切頭回転楕円体の基部の中央と垂直であり、切頭球体又は切頭回転楕円体の湾曲した境界まで延びる直線の長さである。
粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さは、粒子の基部の最も短い面寸法の長さ(例えば、粒子が1つの基部のみを有する場合、典型的には第1の面)、又は粒子のより長い基部の最も短い面寸法の長さ(粒子が、粒子が2つの基部を持つ場合、例えば第2の側部が第2の面を含む場合)である。
本明細書で使用するとき、用語「扇形」又は「円部分」とは、小区分と大区分を含む、2つの半径及び孤によって囲まれるディスクの部分を指す。
本明細書で使用するとき、用語「円形区分」とは、割線又は弦によって円の残部から「切り離された」領域として非定型的に(informally)画定された円の領域を指す。円形区分は、円形の中央を除き、割線と孤との間の部分を構成する。これは一般的にメグリオ領域(Meglio’s Area)として既知である。
本明細書で使用するとき、用語「液滴形状」とは、1つの頂点及び1つの曲線からなるものとして記載され得る、外辺部(液滴形状の領域を囲む経路)を有する形状(曲線の端部が出会う点において頂点が形成される)を指すことを意図される。
本明細書で使用するとき、用語「菱形」とは、等しい長さの4つの縁部を有する四辺形を指し、対抗する頂点は、国際特許出願第2011/068714号の図1及び図3に見られるものと同じ挟角を有する。
本明細書で使用するとき、用語「偏菱形」とは、国際特許出願第2011/068714号の図4に見られるように、長手方向軸の一方の側の2つの交差する縁部が異なる長さであり、これらの縁部の間の角が斜めの挟角を有する、平行四辺形を指す。
国際特許出願2011/068714号の図5に見られるように、本明細書で使用するとき、「凧形」とは、横軸の上方の2つの対向する縁部の長さが等しく、横軸より下方の2つの対向する縁部は長さが等しいが横軸の上方の縁部/とは異なる長さである四辺形を指す。菱形から、対向する主頂点のうちの1つを横軸に近づける又は横軸から遠ざける、のどちらかに移動させると、凧形が形成される。
本明細書で使用するとき、用語「超楕円」とは、以下の式を有するラメ曲線によって画定される、全ての点のセット(x,y)として、デカルト座標内に画定された幾何図形を指す。
Figure 0006670608

式中、n、a、及びbは正数である。nが0と1との間であるとき、超オーバル形は国際特許出願第2011/068714号の図2に示すように凹の縁部(スカラップなしで)を有する4本腕の星のように見える。nが1であるとき、菱形a=b、又は凧形a≠bが形成される。nが1と2の間であるとき、縁部は凸状になる。
本明細書で使用するとき、用語「二次研磨粒子」とは、一般的に本発明に従って使用される成形研磨粒子とは異なる、研磨粒子を指す。
本発明において使用される用語「硬質材料」とは、3500kg/mm(34GPa)以下(典型的には、約1500〜約3000kg/mm(約15〜約30GPa))のヌープ硬度を有するものとして特徴付けられる材料を指すことが意図されている。
本発明において使用するとき、用語「超硬質材料」とは、典型的には、3500kg/mm(34GPa)(典型的には約4000〜約9000kg/mm(約40〜約90GPa)のヌープ硬度を有するものとして特徴付けられ得る材料を指すことが意図されている。
用語「超砥粒」とは、本発明において使用するとき、典型的には、4500、又は4500kg/mm超(45、又は45GPa超)、(典型的には4700〜約9000kg/mm(47〜約90GPa))のヌープ硬度を有するものとして特徴付けられる研磨材を指すことが意図されている。
ほとんどの酸化物系セラミックスは、1000〜1500kg/mm(10〜15GPa)の範囲のヌープ硬度を有し、多くの炭化物は、2000kg/mm(20GPa)超である。ヌープ硬度を判定する方法は、ASTM C849、C1326、及びE384に記載される。
本発明によれば、驚くべきことに、本明細書で記載される成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含むビトリファイド結合研磨組成物は、先行発明の以前には、本明細書で記載されるような相対粒径を使用することによって達成可能とは思われていなかったと考えられる寸法の表面特徴部を含む、表面プロファイルを精度よく呈し得る結合研磨物品を提供できることが見出された。より具体的には、驚くべきことに、従来教示されていた粒径(即ち、従来は表面プロファイル内に(再度)作製される表面特徴部の寸法よりも少なくとも約一桁小さい粒径が教示されていた)と比較して、より大きな粒径寸法を使用しているにも関わらず、結合研磨物品の表面プロファイルは、比較的小さな表面特徴部を含み得ることが見出された。
本発明によれば、表面の少なくとも一部分上に(典型的には、その作用面上に)少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを有する、結合研磨物品を提供することができ、前記成形研磨粒子は、前記表面プロファイル特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。本発明において、本発明の全ての態様に関して、使用されるとき、用語「同程度」は、本発明より以前に教示されていた異なる寸法上の差異を、単に排除するように、いくぶん広い意味にて理解されるべきである。本発明における好適な寸法上の差異は、以前に必要であると教示されていたものより、更に小さい寸法上の差異を包含してもよく、意図する研削用途に応じて、0.1(又は0.1以下)、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0程度の小さな倍率における寸法上の差異のみならず、最大で4、5、6、7、8又は9程度の寸法上の差異を含むが、これらに限定されない。例えば、ある実施形態では、好適な倍率は、約0.1〜約3、好ましくは0.1〜約2.5、又はより好ましくは、約0.1〜約2.0の範囲であってよい。他の実施形態では、好適な倍率は、約2.5超〜約4又は〜約5、好ましくは、約3超〜約4又は〜約5の範囲であってよく、更なる実施形態では、4超又は5超〜約9(4超又は5超〜約7など)が有用となり得る。
例示すると、倍率0.5とは、前記成形研磨粒子の最大寸法が、検討中の前記表面特徴部の寸法の2倍の大きさであることを意味する。倍率1.0とは、前記成形研磨粒子の最大寸法と前記表面特徴部の寸法とが、ほぼ同じサイズであることを意味する。倍率2とは、前記成形研磨粒子の最大寸法が、前記雄型表面特徴部の寸法の半分のサイズであることを意味する。
本発明において使用されるとき、用語「寸法」とは、例えば、角度に対して、長さの観点から見た特徴部、即ち、長手方向距離を記述するために使用される単位に帰される寸法(実例としては、長さ、高さ、幅、半径などが挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
検討中の表面特徴部の寸法は、好ましくは、本明細書において定義される雄型表面特徴部に関する。前記成形研磨粒子の最大寸法とのサイズ比較を目的とした表面特徴部(好ましくは、雄型表面特徴部)は、特に限定されず、意図する研削用途、及び所望の最終加工物品プロファイルに基づいて、選択することができる。実例としては、表面特徴部の(最大)幅、表面特徴部の(最大)高さ、又は表面プロファイルの深さ、具体的には、角部半径R(corner)若しくは先端半径R(tip)などの表面特徴部の鋭さを表す半径などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る表面特徴部及び粒子の相対寸法により、表面特徴部(典型的には、雄型表面特徴部)は、典型的には、比較的制限された数の個々の成形研磨粒子を含む一方で、従来の結合研磨物品においては、表面プロファイル特徴部は、(上述したように)膨大な数の非常に細かな粒径を有する個々の粒子の和よりなる。本発明によれば、個々の粒子の数は、当該技術分野で一般的に周知かつ理解されている測定法に基づき、決定することができ、例えば、好適な断面(即ち、検討中の表面プロファイル及び表面特徴部(典型的には、雄型表面特徴部)の典型的な断面)の好適な画像を提供することによって、又は、単純に、表面特徴部を構成する粒子(即ち、大部分(即ち、粒子のほぼ半分超)が、表面特徴部で表される領域内にある粒子)を数えることによって、決定することができる。2つの実質的に平行な面を有する、傾斜側壁(及び側壁の抜き勾配が98度の)を有する三角プリズム形状の成形研磨粒子であって、第1の面は、中央寸法が0.49mmの正三角形を含み、第2の面も、中央縁部長さが0.415mmの正三角形を含み、これらの面間の平均距離が、0.095mmである、成形研磨粒子(即ち、実施例Iにて使用された80+で示された粒子)に関しては、表面特徴部に含まれる個々の粒子の比較的限定された数とは、例えば、粒子数が1〜約200個(例えば、1〜約50個、又は1〜約20個、又はより典型的には、1〜約15個)から選択される任意の整数を意味し得るが、これらの例に限定されない。
同様に、本発明に係る表面特徴部及び成形研磨粒子の相対寸法により、驚くべきことに、雄型表面特徴部の高さが、成形研磨粒子の最大寸法の約0.1〜約9倍、より典型的には、成形研磨粒子の最大寸法の約0.5〜約4倍、更により典型的には、約0.5〜約3倍の寸法を有する、結合研磨物品を提供することができる。好ましくは、雄型表面特徴部の高さは、前記成形研磨粒子の最大寸法とほぼ同一寸法であり、即ち、この高さは、成形研磨粒子の最大寸法の約0.5〜約1.5倍の寸法である。
本発明の好ましい実施形態によると、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
本発明の基礎となる効果は、表面プロファイル特徴部の(再)作製には、(再度)作製される特徴部の寸法よりも少なくとも約一桁小さい粒子寸法が必要とされるという、当該技術分野における旧来の一般的な理解と全く逆のものである。
第1の側面では、本発明は、ビトリファイド結合研磨物品(以降は省略して、単に「本組成物」と呼ぶ)の作製に使用するためのビトリファイド結合研磨組成物を提供する。本組成物は、複数の成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含む。
本発明において使用するための成形研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含み、前記第1の側部は、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含み、前記厚さtは、粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さと等しい、又はこれより短い。
本組成物は、結合研磨物品の作製に使用するために好適であり、前記研磨物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。前記表面特徴部は、典型的には、雄型表面特徴部である。好ましい実施形態では、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦Lmaxであること、又はより好ましくは、R(tip)≦0.8 Lmax、又はR(tip)≦0.7 Lmax、又はR(tip)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦0.5 Lmax、又はR(tip)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
本組成物の特徴部は、結合研磨物品に関して記載した通りである。それ故、好ましい実施形態では、成形研磨粒子、結合媒体、ガラス質結合剤、表面プロファイル、表面特徴部(好ましくは、少なくとも1つの雄型表面特徴部)、雄型表面特徴部の高さ、先端半径R(tip)、角部半径R(corner)、及び前記結合研磨物品は、本発明の第2の態様(結合研磨物品)に関して定義した通りである。
第2の態様では、本発明は、複数の成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含む結合研磨物品を提供する。本物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。前記表面特徴部は、好ましくは、雄型表面特徴部である。好ましい実施形態では、前記雄型表面特徴部は、先端半径R(tip)を呈し、前記先端半径R(tip)は、前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxと等しい、又はこれより短い。
プロファイルという用語は、当該技術分野で、表面形状のより複雑な、又はより複雑でないアウトラインを指すものとして一般によく理解されている。本発明において使用される用語「表面プロファイル」とは、作用面の少なくとも一部上の(即ち、最終加工物品の形状を付与する上で有効な表面の一部上の)、有効表面プロファイルを指す。結合研磨物品の有効表面プロファイルは、少なくとも部分的に、かつ好ましくは実質的に、最終加工物品プロファイルに対応する。有効表面プロファイルは、典型的には、意図する研削動作の方向に沿って(例えば、研削砥石車の円周面に沿って)、実質的に同一である。
数学的には、実際の結合研磨物品の表面プロファイルは、結合研磨物品の作用面を表す断面を得るために、本物品を通って平面を仮想的に交差させることによって得られる2次元曲線として、考えることができる。例としては、結合研磨研削砥石車の表面プロファイルは、大まかには、回転軸(ほとんどの場合、砥石車の軸に対応する)を通る平面と、砥石車の作用面(即ち、砥石車の円周面)との交差によって得られる2次元曲線として考えることができる。
最も理想的で、かつ好ましい場合では、実際の表面プロファイルは、交差可能な全ての箇所において、同一であるが、現実には、例えば、表面に存在する気孔などの要因により、実際の表面プロファイルは、ある箇所の可能な断面と、他の箇所の可能な断面とはわずかに異なり得る。
有効表面プロファイルは、大まかには、包絡線(intrinsic/enveloping curve)という観点から、上記意味における、(本物品の作用面領域全体にわたる)実際の表面プロファイルに対する、可能な全ての仮想的な交差の和の有効平均として考えることができる。換言すると、表面プロファイル特徴部の寸法の目的では、有効表面プロファイルと異なる実際の表面プロファイルをもたらし得る因子(例えば、表面に存在する気孔など)は、典型的には、考慮に入れない。
表面プロファイルは、少なくとも1つの表面特徴部を含み、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。
本明細書で使用するとき、用語「表面特徴部」とは、結合研磨物品の表面プロファイルによって含まれる形状特徴部に関する。雄型表面特徴部は、前記特徴部の周囲に対して突出している特徴部である。雌型表面特徴部は、前記特徴部の周囲に対して窪んでいる特徴部である。数学的な観点からは、雄型表面特徴部は、極大部を含むプロファイルの一部を指し、雌型表面特徴部は、極小部を含むプロファイルの一部を指す。典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルによって含まれる表面特徴部は、最終加工物品プロファイルにおいて、対応する(典型的には、相補的な)片われとなる表面特徴部を有する。例えば、表面プロファイルによって含まれる雄型表面特徴部は、典型的には、最終加工物品プロファイルにおける対応する雌型片われを有する。
前記成形研磨粒子の最大寸法とのサイズ比較のための表面特徴部(好ましくは、雄型表面特徴部)は、特に限定されず、例えば、研削用途、及び意図する最終加工物品プロファイルに基づいて、選択することができる。表面特徴部の実例としては、表面特徴部の(最大)幅、表面特徴部の(最大)高さ(又は深さ)、角部半径、又は先端半径R(tip)が挙げられ、好ましい実例は、角部半径、先端半径、並びに1つ以上の角部半径及び先端半径の組み合わせから選択されるが、これらに限定されない。
表面特徴部の高さは、プロファイルのアウトラインに基づき、容易に確定することができる。典型的には、この高さは、雄型表面特徴部によって含まれる極大部と、2つの隣接する極小部を結ぶ線であり得る基準線との間の距離である。典型的な場合では、雄型表面特徴部の高さは、表面プロファイルの深さに対応し得る。
また、表面特徴部の幅も、プロファイルのアウトラインに基づき、容易に確定することができる。典型的には、表面特徴部の幅は、例えば、表面特徴部の仮想的な基準線における、表面特徴部の最大距離である。
角部半径は、角部を含む表面特徴部の一部に嵌め込み得る最小の曲率半径に関する。先端領域が、表面特徴部の極大部を含む一方で、本明細書で使用する角部領域とは、1つの角部を含む、先端領域以外の任意の領域を指すことが意図されている。それ故、角部領域は、典型的には、表面特徴部のフランクに位置する。角部領域の実例は、例えば、図3の形状39、39E、B、C、又はMである。角部半径は、先端半径に加えて、又は先端半径の代わりに存在し得る。1つ以上の角部半径に加えて先端半径を含み得るプロファイルの例としては、階段状プロファイルが挙げられるが、これに限定されない。結合研磨物品の表面プロファイルにおける角部半径R(corner)は、典型的には、最終加工物品プロファイルにおいて対応する相補的な角部半径R(corner)’を有する。
典型的な場合では、表面プロファイルは、限定ではないが、山部、山部及び谷部のパターン、三角形のピーク、三角曲線、正弦曲線、及び当該技術分野において既知の他のパターンを含むパターンから選択され得る。
雄型表面特徴部は、概して雄型表面特徴部の先端領域を囲む2つのフランク(側面)を含む。先端領域は、典型的には、雄型表面特徴部の極大部を含む。先端領域は、これらの2つの側面又はフランクを接合する、雄型表面特徴部の表面プロファイル部分を広く指すように意図されており、この領域のいずれかの特定のプロファイル形状に限定する意図はない。それ故、本発明に係る寸法上の関係が満たされる限りは、また、より好ましくは、このような特徴部が本発明に係る先端半径を特徴とし得る限りは、先端領域は、より丸い又は平坦な表面特徴部、並びにより尖った表面特徴部をも等しく含み得る。
フランクの性質は、特に限定されない。例えば、これらの2つのフランクは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、これらの2つのフランクは、(本明細書において定義される)雄型表面特徴部の長手方向軸に対して、互いに対称であってもよいし、これらの2つのフランク間にいかなる種類の対称性も生じない形状であってもよい。
例えば、これらの2つのフランクは、実質的に直線であってもよく、この場合において、頂部領域は、これらの実質的な直線を雄型表面特徴部の極大部を含む曲線に変換し始める部分を含んでもよい。
これらの2つのフランクは、互いに対して下方に傾き、角εを含むようになっていてもよいが、これは必須要件ではない。他の実施形態では、これらの2つのフランクは、互いに実質的に平行であってもよい(これは、本明細書において、角ε°が約0°であることに対応するものとして定義される)。原則として、角εは、意図する研削用途に有用である形状をもたらす限りは、限定されない。典型的な場合では、角εは、約100°未満となるように、より典型的には、約85°未満となるように、又は、更により典型的には、約90℃以下となるように選択される。好ましい場合では、角εは、約28〜約82°、より好ましくは、約33°〜約65°、更により好ましくは、約55°〜約63°の範囲に選択される。しかしながら、更なる他の好ましい実施形態では、角εは、例えば、約25°〜約45°の範囲に選択され得ることから、これらの範囲は、限定であると理解されるべきではない。更なる他の実施形態では、実質的に29°、30°、35°、45°、55°、60°、80°、又は90°に対応する(又は、好ましくは、これらに等しい)角度を有することが望ましい場合がある。
角εは、典型的には、最終加工物品プロファイルにおける角ε’に対応し、例としては、ねじ山の角度(隣接するねじのフランク間の角度)、又は隣接する歯車のフランク間の角度などが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な雄型表面特徴部を、図3に示す。図3に示された例示的な図に関しては、これらの模式図が縮尺調整されていない点、また、V、W、R、U、X、及びJで表される変数は、先端半径、角部半径、又は表面特徴部の高さに対する好ましい寸法上の関係などの本発明に係る寸法上の要件に合った任意の値を取り得る点について理解されるべきである。
好ましい実例によれば、雄型表面特徴部は、DIN ISO 525:2000に従った、図3に示される標準砥石面B、C、D、E、F、M、N、Pなどの任意の標準砥石面による雄型表面特徴部から選択される。図3に関しては、形状1Eの砥石車とは、砥石面Eに従った雄型表面特徴部を含む標準形状1の砥石車を意味し得、又は、形状39Eの砥石車とは、砥石面Eに従った雄型表面特徴部を含む標準形状39の砥石車を意味し得る。また、本発明によれば、好適な雄型表面特徴部は、非標準的タイプの面形状を含んでいてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「先端半径」又は「R(tip)」とは、概して、先端領域(即ち、雄型表面特徴部の極大部を含む表面プロファイル部分)に嵌め込み得る最小の曲率半径を指す。
先端半径R(tip)は、典型的には、最終加工物品プロファイルにおける根元半径R(root)(ねじ山又は歯車の根元半径など)に対応する。しかしながら、根元半径という用語は、これらの例示的な加工物品に限定されず、本発明に従って付与することができる(最終加工物品プロファイル及び加工物品材料の両方の観点における)任意の種類の加工物品プロファイルを指すように意図されている。
先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、好ましくは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、有効先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦Lmax、又はより好ましくは、R(tip)≦0.8 Lmax、又はR(tip)≦0.7 Lmax、又はR(tip)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦0.5 Lmax、又はR(tip)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
先端半径は、任意の好適な実寸を有していてよく、好ましい実寸は、約0.01mm〜約6.00mm、好ましくは、約0.05mm〜約3.00mmの範囲である。
他の好ましい実施形態では、結合研磨物品の表面プロファイルは、角部半径R(corner)を呈する、少なくとも1つの表面特徴部(典型的には、雄型表面特徴部)を含む。また、好ましくは、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦Lmax、又はより好ましくは、R(corner)≦0.8 Lmax、又はR(corner)≦0.7 Lmax、又はR(corner)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦0.5 Lmax、又はR(corner)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
表面特徴部は、先端半径に加えて、又は先端半径の代わりに、1つ以上の角部半径を呈し得る。角部半径は、任意の好適な実寸を有していてよく、好ましい実寸は、約0.01mm〜約6.00mm、好ましくは、約0.05mm〜約3.00mmの範囲である。
本発明の好ましい実施形態によると、(結合研磨物品の表面の少なくとも一部分によって含まれる)前記表面プロファイルは、少なくとも部分的には、目直しによって付与されている。目直しは、例えば、結合研磨物品より高い硬度を有する目直しツールを使用するなどの、当該技術分野において既知の方法により行われてよい。典型的には、目直し工具は、ダイヤモンドなどの超硬質材料(即ち、ASTM C849、C1326、及びE384に従って3500kg/mm(35GPa)超の硬度を有する材料)から作製され、単石ダイヤモンドドレッサ、Diaform(商標)固定式目直し工具、多石ダイヤモンドドレッサ、ダイヤモンド刃工具、及びMCD目直しブレードなどの固定式目直し工具、又はフォームドレスロール、PCDフォームドレスロール、ダイヤモンド目直しディスク、ダイヤモンドプロファイルロール、ダイヤモンド径方向ドレスロール(radius dressing roll)などの回転式目直し工具などを含み得る。また、回転式目直しは、焼入れ工具鋼、高速度鋼などの鋼鉄、又はタングステンカーバイドなどの硬質金属などから作製した破砕ロールを使用した、破砕式目直しによっても行われ得る。
理論に束縛されるものではないが、本発明において使用される成形研磨粒子は、目直しの際に、従来使用されていた研磨粒子(不規則な形状及びサイズの分布を有する破砕された粒子など)のように、簡単に結合剤から引き抜かれないと考えられる。結果として、粒子自体が、目直しプロセスに関与することができると考えられる。対照的に、目直しの際に結合剤から引き抜かれた粒子は、それら自体が目直しされ得ず、更に研磨粒子の元の位置に空間が残されることになる。
目直しプロセスに関与する粒子は、典型的には、少なくとも一部が目直しされる、少なくとも1つの表面を有することを特徴とする。目直しされた表面は、目直しされた粒子を含む箇所に隣接する表面プロファイルの部分に合致する。換言すると、研磨粒子の目直しされた表面部分は、結合研磨物品の表面プロファイルの一部を形成する。そのため、目直しされた表面部分は、結合研磨物品の表面プロファイルの精度に寄与し得る。それ故、結合研磨物品は、改変形状(modified shape)を有する改変成形研磨粒子(modified shaped abrasive particles)を更に含み、前記改変形状は、目直しにより、前記成形研磨粒子の元の形状から導き出すことができる。改変形状は、表面の少なくとも一部上に、目直しされた表面部分を含むことを特徴とする。研磨粒子の目直しされた表面部分は、好ましくは、結合研磨物品の表面プロファイルの一部を形成する。好ましくは、目直しされた表面部分は、結合研磨物品の表面プロファイルの精度に寄与する。更により好ましくは、目直しされた表面部分は、1つ以上の表面特徴部(例えば、幅、高さ、角部半径、及び先端半径から選択される1つ以上の表面特徴部)の精度、具体的には、雄型表面特徴部の任意の先端及び/又は角部領域の精度に寄与する。
それ故、前記改変成形研磨粒子の、好ましくは少なくとも一部、より好ましくは大部分、更により好ましくは実質的に全てが、前記表面特徴部の精度に寄与する。
好ましくは、前記寄与する改変成形研磨粒子は、雄型表面特徴部の先端領域及び/又は1つ以上の角部領域に、又はそれらの付近に位置している。
少なくとも1つの雄型表面特徴部の具体的な形状は限定されない。この形状は、所望の研削用途、及び意図する最終加工物品プロファイルに基づいて、選択することができる。典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルに含まれる雄型表面特徴部は、最終加工物品プロファイルにおける、雌型表面特徴部に対応する。
典型的な場合では、雄型表面特徴部は、(必須要件ではないが)長手方向軸を有していてもよい。「長手方向軸」は、雄型表面特徴部へ引くことができる、想像上の基準線から、先端領域(即ち、雄型表面特徴部の極大部付近の領域)を通って延びる軸として理解される。
前記雄型表面特徴部の形状は、前記長手方向軸に対して対称であってもよい。他の実施形態では、前記雄型表面特徴部の形状は、前記長手方向軸に対して対称でなくてもよい。
典型的な雄型表面特徴部の例としては、山部、先端、角部、縁部、及び他の雄型表面プロファイル要素が挙げられるが、これらに限定されない。
このプロファイルは、単一の雄型表面特徴部(一山ねじ研削砥石車の場合など)を含み得る。しかしながら、他の場合では、(例えば、マルチリブ研削砥石車の場合などに、)このプロファイルは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれ以上(例えば、最大350まで)から選択される複数の前記雄型表面特徴部を含み得る。
表面プロファイルが複数の雄型表面特徴部を含む場合は、前記特徴部は、互いに同一であるか、又は異なるかのどちらであってもよい。例えば、前記複数の特徴部が、第1の複数の雄型表面特徴部と、第2の複数の第2の複数のものと、を含み、第1の複数の雄型表面特徴部よりなる表面特徴部は、第2の複数のものよりなる表面特徴部と異なっていてもよい。
本発明の全ての態様で使用するための成形研磨粒子は、次のように記載することができる。
特定の形状を有する、研磨粒子を生成するために利用された3つの基本的な技術は、(1)溶融、(2)焼結、及び(3)化学セラミックである。本発明において使用するために、成形研磨粒子を提供するために、これらの基本的技術のいずれか1つ、又はこれらの技術の2つ若しくは全部のいずれかの組み合わせが使用され得る。
本発明の成形研磨粒子へと作製され得る材料としては、研磨粒子としての使用に好適であるものとして既知である、任意の好適な硬質又は超硬質材料が挙げられる。
したがって、一実施形態では、成形研磨粒子は、硬質研磨材料を含む。別の実施形態において、成形研磨粒子は超硬質研磨材料を含む。更に他の実施形態において、成形研磨粒子は、硬質材料と超硬質材料の混合を含む。
好適な研磨材料の具体例としては、既知のセラミック材料、炭化物、窒化物、及び他の硬質及び超硬質物質、例えば、酸化アルミニウム(例えば、αアルミナ)材料(溶接、熱処理、セラミック、及び焼結酸化アルミニウム材料)、炭化ケイ素、二ホウ化チタン、窒化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶系窒化ホウ素(CBN)、ガーネット、アルミナジルコニア、ゾルゲルに由来する研磨粒子、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
上記のうち最も有用なものは典型的に、酸化アルミニウムに基づき、本発明による特定の記述は、酸化アルミニウムを特に参照して例示され得る。しかしながら、本発明は、酸化アルミニウムに限定されず、複数の異なる硬質及び超硬質材料と共に使用するように適合され得ることが理解される。
成形研磨粒子を調製するために3つの基本的な技術(即ち、溶融、焼結、及び化学セラミック技術)に関し、本発明において、成形研磨粒子は、これらの技術(即ち、1つ以上の、溶融、焼結、又はセラミック材料)と、酸化アルミニウムである好ましい材料(好ましくは酸化αアルミナ)によって調製された1つ以上の材料に基づき得る。換言すると、本発明による好ましい成形研磨粒子は、アルミナに基づき、即ち、このような粒子はアルミナからなるか、又は研磨粒子の総重量の主要部分、例えば、50%超、例えば、55〜100重量%超、60〜80重量%、より好ましくは85〜100重量%がアルミナからなる。残りの部分は、先に概要を示された硬質、及び超硬質材料が挙げられるがこれらに限定されない、研磨剤として機能する成形研磨粒子を損なわない、いずれかの材料を含み得る。いくつかの好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、100%酸化アルミニウムからなる。更に他の好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、酸化アルミニウムの60重量%の酸化アルミニウム、又は少なくとも70重量%の酸化アルミニウムを含む。有用な成形研磨粒子としては例えば、多量の溶融酸化アルミニウム(例えば、50重量%以上、又は好ましくは55重量%以上)、及び酸化溶融アルミニウムとは異なる少量(例えば、50重量%未満、及び好ましくは45重量%未満)の研磨材(例えば、酸化ジルコニウム)が挙げられるが、これに限定されない。
また、研磨粒子であって、前記成形研磨粒子の少なくとも一部は、表面の少なくとも一部分上に表面被覆を含む、研磨粒子の使用も、本発明の範囲内である。表面被覆は、例えば、無機粒子を含んでもよい。成形研磨粒子上の表面被覆を使用して、研磨物品中の成形研磨粒子と結合材との間の接着を改善してもよく、又は成形研磨粒子の静電沈着を助けてもよい。一実施形態では、米国特許第5,352,254号(Celikkaya)に記載されているような表面コーティングを、成形研磨粒子の重量に対して0.1〜2%表面被覆の量で使用してもよい。かかる表面被覆は、米国特許第5,213,591号(Celikkaya et al.)、同第5,011,508号(Wald et al.)、同第1,910,444号(Nicholson)、同第3,041,156号(Rowse et al.)、同第5,009,675号(Kunz et al.)、同第5,085,671号(Martin et al.)、同第4,997,461号(Markhoff−Matheny et al.)、及び同第5,042,991号(Kunz et al.)に記述されている。更に、表面被覆は成形研磨粒子のキャッピングを防ぎ得る。キャッピングとは、研磨中の加工物品からの金属粒子が成形研磨粒子の上面に溶接されるようになる現象を記述する用語である。上記の機能を発揮する表面被覆は、当業者には既知である。
本発明において、化学セラミック技術、即ち、セラミック成形研磨粒子により生成される成形研磨粒子を使用することが好ましい。しかしながら、本発明は、このような粒子の使用に限定されない。
一実施形態では、セラミック成形研磨粒子は、αアルミナを含み、即ち、粒子はαアルミナに基づくセラミック成形粒子である。
一実施形態では、セラミック成形研磨粒子はゾルゲル法によるアルミナ研磨粒子を含む。種晶、及び非種晶ゾルゲル誘導アルミナ系研磨粒子は、本発明により好適に使用され得る。しかしながら、いくつかの例において、非種晶ゾルゲル誘導アルミナ系研磨粒子を使用することが好ましい場合がある。
本発明の成形研磨粒子はそれぞれ、実質的に正確に成形された3次元形状を有する。典型的には成形研磨粒子は一般的に所定の幾何形状(例えば、成形研磨粒子を形成するために使用された成形型のキャビティを実質的に複製するもの)を有する。
好ましくは、成形研磨粒子は、薄い本体部として特徴付けられる。本明細書で使用するとき、薄い本体部は、フィラメント状粒子(例えば、ロッド)から区別するために使用され、1つの粒子寸法(長さ、最長粒子寸法)が他の2つの粒子寸法(幅及び厚さ)よりも実質的に大きく、これは、3つの粒子寸法(本明細書において定義される長さ、幅、及び厚さ)が同程度であるか、又は2つの粒子寸法(長さ及び幅)が残りの粒子寸法(厚さ)よりも大きい、本発明において有用な粒子寸法とは異なる。従来のフィラメント状研磨粒子は、約1:1〜50:1、好ましくは約2:1〜約50:1、及びより典型的には約5:1〜25:1である、長さ(最長粒子寸法)の最長断面寸法(長さと垂直な最高断面寸法)に対する比率である、アスペクト比によって特徴付けることができる。更に、このような従来のフィラメント状研磨粒子は、長さに沿って変化しない、断面形状(長さ、又は粒子の最長寸法と垂直にとった断面の形状)断面形状によって特徴付けられる。
これに対し、本発明による成形研磨粒子は、粒子の長さに沿って変化する断面形状によって典型的に特徴付けることができる。変化は、断面形状の大きさ、又は断面形状の形状に基づく場合がある。
概して、研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含む。第1の側部は一般的に、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面(典型的な場合では、平坦な面)を含む(かつより典型的にはこのような第1の面である)。
好ましくは、厚さtは、粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さと等しい、又はこれより短い(粒子の第1の側部の最も短い側部、及び第2の側部;粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さはまた、本明細書において、粒子の最も短い面寸法の長さと称されることがある)。
典型的な場合では、第2の側部は厚さtにより前記第1の側部から分離した頂点を含み、又は第2の側部は、厚さtにより前記第1の側部から分離した稜線を含み、又は第2の側部は、厚さtにより前記第1の側部から分離した第2の面を含む。例えば、第2の側部は、頂点と、前記頂点と第1の面の外辺部を接続する少なくとも1つの側壁と、を含み得る(実例としては、角錐形の粒子、例えば、四面体形状の粒子など)。あるいは、第2の側部は、稜線、及び稜線と第1の面の外辺部を接続する少なくとも1つの側壁を含んでもよい(例示的な実施例は屋根型の粒子を含む)。あるいは、第2の側部は、第2の面、及び第2の面と第1の面を接続する少なくとも1つの側壁(これは、傾斜側壁であってもよい)を含み得る(実例としては、三角形のプリズム、又は角錐台が挙げられる)。
本発明による異なる成形研磨粒子のブレンドは、本発明の結合研磨物品において使用され得る。成形研磨粒子のブレンドは、本発明による第1の複数の成形研磨粒子、及び本発明による第2の複数の成形研磨粒子を含む場合があり、第1の複数の粒子は、第2の複数の粒子とは異なる。差異は、例えば、研磨粒子の形状、等級、又は化学的組成に基づいて選択される。
厚さtは同じであるか(例えば、第1及び第2の側部が並行な平面を有する実施形態において)、又は粒子の平坦な構成にわたって変化する(例えば、第1及び第2の側部の一方又は両方が非平坦な面を有する実施形態、又は第2の側部が以下でより詳細に記載される頂点又は稜線を含む実施形態において)。
ほとんどの場合において、成形研磨粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さの、成形研磨粒子の厚さに対する比率は、少なくとも1:1であるが、1:1〜10:1であり、より好ましくは2:1〜8:1であり、最も好ましくは3:1〜6:1の範囲である。この比率は、本明細書において第1アスペクト比と称される。
粒子の厚さの寸法は、特に限定されない。例えば、特定の場合において、厚さは約5μm以上、又は約10μm以上、又は約25μm以上、又は約30μm以上、又は更に約200μm以上であり得る。厚さの上限は、大きな粒子に関して約4mm以下、約3mm以下、約1600μm以下、約1200μm以下、約100μm以下、約500μm以下、約300μm、又は約200μm以下であるように選択され得る。
成形研磨粒子は典型的に、0.001mm〜26mm、より典型的には0.1mm〜10mm、及びより典型的には0.5mm〜5mmの範囲の長さを有するように選択されるが、他の長さもまた使用されてもよい。いくつかの実施形態では、長さは、結合研磨物品が内部で含まれる厚さの分数として表され得る。例えば、成形研磨粒子は、結合研磨車の厚さの半分より大きい長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、長さは、結合した研磨車の厚さよりも大きくてもよい。
成形研磨粒子は典型的に、0.001mm〜26mm、より典型的には0.1mm〜10mm、及びより典型的には0.5mm〜5mmの範囲の幅を有するように選択されるが、他の長さもまた使用されてもよい。
好ましい実施形態では、前記成形研磨粒子の最大寸法(又は長さ)は、約50〜2650μmの範囲、より典型的には、約100μm〜約1400μmの範囲から選択される。
成形研磨粒子は、様々な体積アスペクト比を有してよい。体積アスペクト比は、体積の重心を貫通する最大断面積を重心を貫通する最小断面積で除した比率として定義される。
一部の形状に関しては、最大の断面積、又は最小の断面積は、その形状の外面幾何学形状に対して、傾いているか、角度が付いているか、又は傾斜している平面となる場合がある。例えば、球体は1.000の体積アスペクト比を有する一方、立方体は1.414の体積アスペクト比を有する。長さAに等しい各側辺、及びAに等しい均一な厚さを有する、正三角形の形態の成形研磨粒子は、1.54の体積測定アスペクト比を有することになり、この均一な厚さを0.25Aに低減した場合には、体積測定アスペクト比は、2.64に増大する。より大きい体積アスペクト比を有する成形研磨粒子は、改善された切削性能を有すると考えられる。
本発明の様々な実施形態では、成形研磨粒子の体積アスペクト比は、約1.15超、又は約1.50超、又は約2.0超、又は約1.15〜約10.0、又は約1.20〜約5.0、又は約1.30〜約3.0であってよい。
研磨粒子は好ましくは、様々な3次元形状を有する、薄い3次元本体の形状である。典型的な例としては、本明細書において以下により詳細に記載されるように、内方へ(例えば、陥没部又は凹部)成形された少なくとも1つの面、及びより好ましくは2つの面を有する、平坦な三角形、平坦な矩形、平坦な三角形の形態の粒子(典型的には薄い本体であるが、絶対に必要というわけではない)が挙げられる。
第1の側部は一般的に、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含む(かつより典型的にはこのような第1の面である)。
例えば、第1の幾何形状は、少なくとも1つの頂点、より典型的には2つ以上、好ましくは3つ以上、最も好ましくは3つ又は4つの頂点を有する幾何形状から選択され得る。
少なくとも1つの頂点を有する幾何形状の好適な実施例としては多角形(等辺系、等角、星形、規則的又は不規則的多角形)、レンズ形、三日月形、円形、半円形、オーバル形、扇形、円形区分、液滴形、及びハイポサイクロイド(例えば、超オーバル形)が挙げられる。好ましい例は、多角形類から選択される。
好適な多角形幾何形状のための具体例としては、三角形、及び四辺形が挙げられる(例えば、正方形、矩形、菱形、偏菱形、台形(trapezoid)、凧形、又は超楕円)。
好適な四辺形の頂点は更に、長手方向軸に交差する一対の対向する主頂点及び長手方向軸の両側に位置する一対の対向する副頂点とに分類することができる。この種類の四辺形を有する第1の側部を有する成形研磨粒子は、長手方向軸に沿った最大長さを長手方向軸と横方向の最大幅で割った、1.3以上、好ましくは1.7〜約5のアスペクト比によって特徴付けることができる。このアスペクト比はまた、本明細書において二次アスペクト比と称される。
いくつかの実施形態では、第1の幾何形状は、三角形、例えば、二等辺三角形、又はより好ましくは等辺三角形から選択されることが特に好ましい。
他の実施形態において、第1の幾何形状は、四辺形、好ましくは、正方形、矩形、菱形、偏菱形、台形、凧形、又は超楕円から選択され、より好ましくは、矩形、菱形、偏菱形、凧形、又は超楕円の群から選択される。
本発明の目的のため、幾何形状はまた、規則的又は非規則多角形、又は星形を含み、1つ以上の縁部(面の外辺部の一部)が弓状であり得る(内側に向かって、又は外側に向かって、前者が好ましい)。それ故、本発明の目的において、三角形には、縁部の1つ以上(面の外辺部の部分)が弓形であり得る三角形をも含み、即ち、三角形の定義は、球面三角形まで拡張され、四辺形の定義は超楕円まで拡張される。
第2の側部は、第2の面を含み、(好ましくは)第2の面である。第2の面は、第2の幾何形状の外辺部を有し得る。
第2の幾何形状は、第1の幾何形状と同じか、又は異なる場合がある。好ましくは、第2の幾何形状は、第1の幾何形状と実質的に同じ形状を有するように選択され、好ましくは第1の幾何形状を有するように適合する方法で構成される(しかしながら、幾何形状の大きさ又は面積は異なることがあり、即ち、一方の面が他方よりも大きいことがある)。
換言すると、本明細書で使用するとき、用語「実質的に同じ形状」、又は「実質的に同一の形状」は、上記形状により包囲される領域の大きさが異なり得る場合も含むことが意図される。
本明細書で使用するとき、実質的に同一の第1及び第2の幾何形状の、好ましい場合に関し、用語「第1の幾何形状と適合する方法で構成される」とは、第1及び第2の幾何形状が互いに対して僅かに回転されている場合を含むことが意図されるが、上記実質的に同一の第1及び第2の幾何形状が完全に位置合わせされているか、ほんの僅かしか互いに回転していないことが好ましい。角度(回転角度)は、第1の面及び第2の面の特定の幾何形状、及び粒子の厚さに依存する。回転の許容可能な角度は、0+/−30°、好ましくは0+/−15°、より好ましくは0+/−10°の範囲であり得る。最も好ましくは、回転角度は約0°(例えば、0+/−5°)である。
第2の面の外辺部の好適な幾何形状の実施例としては、第1の幾何形状に関して、先に例示された形状が挙げられる。
第1及び好ましくは第2の幾何形状は、三角形、例えば、二等辺三角形、又はより好ましくは等辺三角形から選択されることが特に好ましい。
第1の面は実質的には平坦であり得、又は第2の面(存在する場合)は実質的に平坦であり得る。また、両面とも実質的に平坦であり得る。多くの典型的な場合において、第1の面は平坦である(第1の側部と同一)。
あるいは、第1及び第2の面(存在する場合)の少なくとも一方は非平坦な面であり得る。また両面が非平坦な面であってもよい。
例えば、第1及び第2の面の一方又は両方(存在する場合)は内方へ成形され得(例えば、陥没しているか、又は凹状)、又は外方に成形され得る(例えば、凸状)。
例えば、第1の面(又は存在する場合は、第2の面)は、内方へ成形され得(例えば、陥没しているか、又は凹状)、第2の面(存在する場合、又は第1の面)は実質的に平坦であり得る。あるいは、第1の面(又は存在する場合第2の面)は外方に成形され得(例えば、凸状)、第2の面(存在する場合、又は第1の面)は内方へ成形され得る(例えば、陥没しているか、又は凹状)か、第1の面は内方へ成形され得(例えば、陥没しているか又は凹状)、第2の面(存在する場合)はまた、内方へ成形され得る(例えば、陥没しているか又は凹状)。
第1の面及び第2の面(存在する場合)は、互いに実質的に並行であり得る。あるいは、第1の面及び第2の面(存在する場合)は非平行であり、例えば、各面と接する想像線がある点で交差する(1つの面が他の面に対して傾斜している例示的な場合)。
第2の面は典型的には、以下でより詳細に記載されるように、傾斜側壁であり得る、少なくとも1つの側壁によって、第1の面の外辺部に接続される。側壁は、四辺形の小平面から典型的に選択される、1つ以上の小平面を含み得る。
第2の面を有する成形粒子の具体例としては、プリズム(例えば、三角形プリズム)及び角錐台が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第2の側部は、側壁(図に見られるように側壁と第2の面との間の抜き勾配は90°に等しい)、又は傾斜側壁(側壁と第2の面との間の抜き勾配αは90°より大きい)を形成する第2の面及び4つの小平面を含む。傾斜側壁を有する傾斜した研磨粒子の厚さtが大きくなると、成形研磨粒子は、抜き勾配αが90°超であるときに、角錐台に似る。
成形研磨粒子は、傾斜側壁であり得る少なくとも1つの側壁を含み得る。典型的には、第1の面及び第2の面は、少なくとも1つの側壁によって互いに接続される。
他の実施形態において、稜線及び第1の面は、少なくとも1つの側壁によって互いに接続される。
更に他の実施形態において、頂点及び第1の面は、少なくとも1つの側壁によって互いに接続される。
いくつかの実施形態では、2つ以上の(例えば、2つ又は3つの)傾斜側壁が存在する場合があり、各傾斜側壁のための傾斜又は角度は同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の面及び第2の面は、側壁によって相互に連結される。他の実施形態において、面が薄い縁部又は点へとテーパ状になり、これらが側壁を有する代わりにここで出会う粒子において、側壁が最小化され得る。
側壁は変動する場合があり、これは一般的に、第1の面及び第2の面(存在する場合)の外辺部を形成する。傾斜側壁の場合、これは第1の面の外辺部、及び第2の面(存在する場合)の外辺部を形成する。一実施形態では、第1の面及び第2の面の外辺部は幾何形状であるように選択され(好ましくは三角形)、第1の面及び第2の面は同一の幾何形状を有するように選択される。ただし、これらは寸法が異なり、1つの面が他の面よりも大きくてよい。
成形研磨粒子の第2の面と傾斜側壁との間の抜き勾配αは様々であり、各面の相対的寸法を変化させてよい。本発明の様々な実施形態では、第1の面の面積又は寸法と第2の面の面積又は寸法とは実質的に等しい。本発明の他の実施形態では、第1の面又は第2の面は、他方の面よりも小さくてもよい。
本発明の一実施形態では、抜き勾配αは、両面が実質的に等しくなるように約90°であってよい。本発明の別の実施形態において、抜き勾配αは、第1の面の面積が第2の面の面積よりも大きくなるように、90°超であってよい。本発明の別の実施形態において、抜き勾配αは、第1の面の面積が第2の面の面積よりも小さくなるように、90°未満であってよい。本発明の様々な実施形態では、抜き勾配αは、約95°〜約130°、又は約95°〜約125°、又は約95°〜約120°、又は約95°〜約115°、又は約95°〜約110°、又は約95°〜約105°、又は約95°〜約100°であってよい。
第1の面及び第2の面は、少なくとも、第1抜き勾配を有する第1傾斜側壁によって、及び第1抜き勾配とは異なる値に選択される第2抜き勾配を有する第2傾斜側壁によって、互いにつながっている。例示される実施形態では、第1の面及び第2の面はまた、他の2つの抜き勾配のいずれとも異なる値の第3抜き勾配を有する第3傾斜側壁によっても、互いにつながっていることがある。一実施形態では、第1抜き勾配、第2抜き勾配、及び第3抜き勾配は、全て互いに異なる値である。例えば、第1抜き勾配は120°とすることができ、第2抜き勾配は110°とすることができ、第3抜き勾配は100°とすることができる。
1つの傾斜側壁を有する研磨粒子の場合と同様に、傾斜側壁を備える成形研磨粒子の第1、第2、及び第3傾斜側壁は、変化してもよく、これらは一般的に、第1の面及び第2の面の外辺部を一般的に形成する。
一般的に、成形研磨粒子の第2の面とそれぞれの傾斜側壁との間の第1、第2、及び第3の抜き勾配は様々であってよく、抜き勾配の少なくとも2つは異なる値であり、望ましくは3つ全てが異なる値である。本発明の様々な実施形態では、第1抜き勾配、第2抜き勾配、及び第3抜き勾配は、約95度〜約130度、又は約95度〜約125度、又は約95度〜約120度、又は約95度〜約115度、又は約95度〜110度、又は約95度〜約105度、又は約95度〜約100度とすることができる。
傾斜側壁はまた、抜き勾配αの代わりに半径Rによっても画定され得る(米国特許出願第2010/0151196号の図5Bに例示される)。半径Rは、側壁のそれぞれに関して変化し得る。
更には、成形研磨粒子の様々な傾斜側壁は、同じ抜き勾配、又は異なる抜き勾配を有し得る。更に、90°の抜き勾配は、1つ以上の側壁で使用され得る。しかしながら、傾斜側壁を備える成形研磨粒子が所望される場合、側壁の少なくとも一方が、約90°超、好ましくは95°以上の抜き勾配を有する傾斜側壁である。
側壁は、正確に成形され、例えば、凹状又は凸状であり得る。あるいは、側壁(上面)は、均一な平面であってもよい。均一な平面状とは、側壁が、一方の面から他方の面に凸状である領域、又は一方の面から他方の面に凹状である領域を有さないことを意味する。例えば、側壁表面の少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも85%以上が平坦である。均一な平面状の側壁は、側壁が第1の面及び第2の面と交差する場所に、より良好に画定された(より鋭利な)縁部を提供し、このことはまた、研削性能を向上させると考えられる。
側壁はまた、典型的には、三角形及び四辺形の小平面、又は三角形及び四辺形の小平面の組み合わせから選択される、1つ以上の小平面を含み得る。
第1の側部と側壁との間の角度βは、20°〜約50°、又は約10°〜約60°、又は約5°〜約65°であり得る。
第2の側部は稜線を含み得る。稜線は典型的に、上記のように、傾斜側壁であり得る少なくとも1つの側壁によって、第1の面の外辺部に接続されている。側壁は、典型的には、三角形及び四辺形の小平面、又は三角形及び四辺形の小平面の組み合わせから選択される、1つ以上の小平面を含み得る。
稜線は、第1の側部と実質的に平行であり得る。あるいは、稜線は第1の側部と非平行であってもよく、例えばそれによって、稜線と接する想像線が一点において第1の側部と交差する(稜線が第1の面に対して傾斜している、例示的な場合において)。
稜線は直線的であってもよく、又は稜線が弓状構造を有する例示的な場合におけるように、非直線的であってもよい。
小平面は、平面的又は非平面的であり得る。例えば、小平面の少なくとも1つが非平坦、例えば、凹状又は凸状であってもよい。いくつかの実施形態では、小平面の全てが、例えば、凹状小平面など、非平坦な小平面であり得る。
稜線を有する成形粒子の具体例としては、屋根型粒子、例えば、国際特許出願第2011/068714号の図4A〜4Cに記載の例示の粒子が挙げられる。好ましい屋根型粒子としては、寄せ棟屋根、又は寄棟屋根(いずれかの側壁小平面が、稜線から第1の側部へと下方に傾斜を呈する屋根の種類)が挙げられる。寄棟屋根は典型的には、垂直な側壁又は小平面を含まない。
いくつかの実施形態では、第1の幾何形状は、4つの縁部及び4つの頂点を有する四辺形から(例えば、菱形、偏菱形、凧形、超楕円からなる群から)選択され、第2の側部は、寄棟屋根と同様の構造を形成する、稜線及び4つの小平面を含む。したがって、対向する2つの小平面は、三角形状を有し、対向する2つの小平面は、台形形状を有す。
第2の側部は、頂点と、前記頂点と第1の面の外辺部を接続する少なくとも1つの側壁と、を含み得る。少なくとも1つの側壁は、以下に記載されるように、傾斜側壁であってもよい。側壁は、典型的には三角形の小平面から選択される1つ以上の小平面を含み得る。小平面は、平面的又は非平面的であり得る。例えば、小平面の少なくとも1つが非平坦、例えば、凹状又は凸状であってもよい。いくつかの実施形態では、小平面の全てが、例えば、凹状小平面など、非平坦な小平面であり得る。
実例としては、角錐状粒子、例えば、四面体形状の粒子、又は国際特許出願第2011/068714号の図1A〜1C、及び図2A〜2Cに例示される粒子が挙げられる。
成形研磨粒子の厚さTを調整して、第1の側部と側壁(又は小平面)との間の角度βを選択することができる。本発明の様々な実施形態では、第1の側部と側壁(小平面)との間の角度βは20〜約50°、又は約10°〜約60°、又は約5°〜約65°であり得る。
典型的な実施形態において、第2の側部は、頂点、及び角錐を形成する三角形の小平面を含み、及びより典型的にはこれからなる側壁を含む。側壁からなる小平面の数が、第1の幾何形状内に存在する縁部(第1の面の外辺部を画定する)の数に依存する。例えば、三辺形の第1の幾何形状によって特徴付けられる第1の側部を有する角錐状成形研磨粒子は一般的に、頂点で出会う3つの三角形小平面を有し、よって角錐を形成し、四辺形第1の幾何形状によって特徴付けられる第1の側部を有する角錐状成形研磨粒子は頂点で出会う4つの三角形小平面を有し、よって角錐を形成する、などである。
いくつかの実施形態では、第2の側部は、頂点、及び角錐を形成する4つの小平面を含む。例示的な実施形態において、成形研磨粒子の第1の側部は、4つの縁部及び4つの頂点を有する四辺形の第1の面を含み、四辺形は、菱形、偏菱形、凧形、又は超楕円からなる群から選択される。第1の面の外辺部の形状(即ち、第1の幾何形状)は、好ましくは上記の群から選択され得るがこれは、これらの形状が、長手方向軸に沿った対抗する主要頂点を備える成形研磨粒子を生じ、横方向軸から各対向する主要頂点に向かってテーパ状となる形状を生じる。
テーパの度合いは、長手方向軸に沿った最大長Lを長手方向軸に垂直の横軸に沿った最大幅Wで割ることで画定される特定の粒子のアスペクト比を選択することで調整できる。いくつかの用途において所望され得る成形研磨粒子に関して、このアスペクト比(本明細書ではまた「二次アスペクト比」とも称される)は、1.0超であるべきである。本発明の様々な実施形態では、二次アスペクト比は約1.3〜約10、又は約1.5〜約8、又は約1.7〜約5である。二次アスペクト比が大きくなりすぎると、成形研磨粒子は壊れやすくなり得る。
いくつかの実施形態では、国際特許出願第2011/068714号の図1に破線42で示すように、頂点の1つ以上をわずかに切頭し、成形研磨粒子をそのような形状に成形することが可能である。これらの実施形態では、切頭が行われる縁部を延長させて1つ以上の想像上の頂点が形成されるのであれば、それは請求項に係わる四辺形を完成し、第1の側部は請求項に係る形状であると考えられる。例えば、対向する主頂点の双方が切頭されるのであれば、縁部を切頭を通り越して延長させるとき、縁部は2つの想像上の頂点を形成し、それによって第1の側部の菱形形状を完成するので、得られる形状もやはり菱形であると考えられる。
頂点を含む第2の側部を有する成形研磨粒子の別の例示的な種類は、四面体形状の粒子である。四面体形状は一般的に、6つの共通の縁部によって結合される4つの主要側部を含み、4つの主要側部の1つが、4つの主要側部の他の3つと接触し、6つの共通の縁部は実質的に同じ長さを有する。本明細書において使用される定義により、四面体形状は、第1の面として正三角形を含む第1の側部と、頂点、及び第1の面と頂点を接続し、よって四面体を形成する、3つの正三角形を小平面として含む、第2の側部とによって特徴付けることができる。
4つの主要側部(即ち、第1の側部及び3つの小平面からなる群)の少なくとも1つが実質的に平坦であり得る。4つの主要側部の少なくとも1つが凹状であり、又は4つの主要側部全部が凹状である。4つの主要側部の少なくとも1つが凸状であり、又は4つの主要側部全部が凸状である。
本実施形態の成形粒子は典型的には四面体の対称性を有する。本実施形態の成形研磨粒子は好ましくは実質的に、規則的な四面体として成形される。
成形研磨粒子が、以下から選択される少なくとも1つの成形特徴を含む:開口部(好ましくは第1及び第2の側部を通じて延びる又は通過するもの)、少なくとも1つの陥没した(又は凹状)面又は小平面、外方に成形された(又は凸状)の少なくとも1つの面又は小平面、複数の溝を含む少なくとも1つの側部、少なくとも1つの断裂表面、低い真円度係数(本明細書において以下に記載される)、鋭利な先端部を有する1つ以上の角点を含む第1の面の外辺部、鋭利な先端部を有する1つ以上の角点を含む外辺部を有する第2の面を含む第2の側部、又は上記形状特徴の1つ以上の組み合わせ。
好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、第1の面、及び任意により第2の面の実質的に三角形の外辺部と組み合わせた上記の形状特徴の少なくとも1つを含む。
他の好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、実質的に四辺形の第1の幾何形状と組み合わせた、上記の形状特徴の少なくとも1つを含む。
他の好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、記載の形状特徴の2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ以上の)の組み合わせを含む。例えば、研磨粒子は、開口部並びに外方に成形された(又は凸状)第1の面及び陥没した(又は凹状)第2の面、複数の溝及び低い真円度係数を含む第2の面、又は開口部並びに外方に成形された(又は凸状)第1の面及び陥没した(又は凹状)第2の面を含み得る。
成形研磨粒子は好ましくは、鋭い先端部を有する1つ以上の角点を含む、第1及び任意の第2の面の外辺部を有する。好ましくは、外辺部に含まれる角点の全てが鋭い先端部を有する。成形研磨粒子は好ましくはまた、側壁(例えば、側壁に含まれる2つの一致する小平面の間)に存在し得るいずれかの縁部に沿って鋭い先端部を有する。
角点の鋭さは、上記角点に沿った、曲率半径によって特徴付けられる場合があり、半径は外辺部の内側に延びる。
本発明の様々な実施形態では、曲率半径(本明細書において平均先端半径とも称される)は、75μm未満、又は50μm未満、又は25μm未満であり得る。より鋭い先端は、使用中に成形研磨粒子のより積極的な切削、及び改善された断裂を促進すると考えられる。
より小さな曲率半径とは、粒子を調製するために使用される成形型の縁部又は角の特徴(即ち、粒子の理想的な形状)をより完全に複製し、即ち、成形研磨粒子はより正確に作製されることを意味する。典型的に、所望の形状の成形型を使用して作製される成形研磨物品(特に、セラミック成形研磨粒子)は、例えば、プレス、穿孔、又は押し出しに基づく方法により、成形研磨粒子を調製する他の方法に基づく方法よりも、より正確に作製された粒子をもたらす。
成形研磨粒子は、開口部を含み得る。開口部は、第1の側部及び第2の側部を完全に通過し得る。あるいは、開口部は、両方の側部を完全に通過しないことがある、貫通孔を含み得る。
一実施形態では、開口部の大きさは、第1の面、又は第2の面(存在する場合)の外辺部によって画定される領域に対してかなり大きい場合がある。
開口部は、第1の幾何形状及び第2の幾何形状と同じ又は異なる幾何形状であり得る、幾何形状を含み得る。
第1の面又は第2の面のいずれか大きい方の面の面積で除した、開口部の面積の開口比は、約0.05〜約0.95、又は約0.1〜約0.9、又は約0.1〜約0.7、又は約0.05〜約0.5、又は約0.05〜約0.3であってもよい。この計算の目的のために、開口部によるいずれかの面積を減算することなく、面の面積は、外辺部によって囲まれた面積に基づいている。
開口部を有する成形研磨粒子は、中空ではない、開口部を持たない成形研磨粒子を上回る、複数の利点を有することができる。第1に、開口部を有する成形研磨粒子は、中実の成形研磨粒子と比較したとき、向上した切削率を有する。面の大きさに対してより大きな開口部を有する成形研磨粒子は、より高い研削性能を有し得る。
開口部の内側表面は様々な輪郭を有し得る。例えば、内側表面の輪郭は、開口部を有する成形研磨粒子の製造に使用される、規律する成形要素の形状に従って、平坦、凸状、又は凹状であり得る。加えて、内表面は、各面の開口部の寸法が異なるように先細であってよい。内表面は、成形研磨粒子が成形型から最も容易に放出され、乾燥工程中の成形研磨粒子のひび割れを防ぐために、開口部が成形型のキャビティの上部でより狭く、成形型のキャビティの底部でより広いように、先細表面であることが好ましい。
開口部は、第1外辺部と実質的に同じ形状を有するように選択され得る。開口部は、第1の面の外辺部、及び第2の面の外辺部と実質的に同じ形状を有するように選択され得る。したがって、開口部を有する成形研磨粒子は、例えば、米国特許出願第2010/0151201号の図1A又は図5Aに例示される閉じた多角形を形成するべく、その対応する端部で結合された複数の線の一体接続を含み得る。あるいは、開口部の形状は、米国特許出願第2010/0151201号の図5Bに例示される、第1及び任意により第2の外辺部の形状とは異なるように選択され得る。開口部の大きさ及び/又は形状は、異なる機能をより効果的に実行するために変化し得る。一実施形態では、開口部の形状は、実質的に三角形であり、より好ましくは正三角形の形状である。
開口部を有する成形研磨粒子の別の特徴は、ANSI B74.4「Procedure for Bulk Density of Abrasive Grains」(1992年)で検査したときに、嵩密度が極めて低いことであってよい。開口部は、全体の寸法を減らさずに成形研磨粒子の質量を大幅に低減できるので、結果として生じる嵩密度は極めて低くてよい。更に、成形研磨粒子の嵩密度は、単に粒子の開口部の寸法及び形を変化させることによって、容易に変更され、制御されてよい。本発明の様々な実施形態では、開口部を有する成形研磨粒子の嵩密度は、1.35g/cm未満、又は1.20g/cm未満、又は1.00g/cm未満、又は0.90g/cm未満であってよい。
成形研磨粒子は、少なくとも1つの非平坦面を含み得る。例えば、第1の面は、非平坦面であってもよく、又は第1の面及び第2の面の両方が非平坦であってもよく、第1の面及び第2の面の一方又は両方が内方へ成形され得るか(例えば、陥没又は凹状)、外方に成形され得る(例えば、凸状)。
例えば、第1の面は、内方へ成形され得(例えば、陥没しているか、又は凹状)、第2の面は実質的に平坦であり得る。あるいは、第1の面は外方に成形され得(例えば、凸状)、第2の面は内方へ成形され得る(例えば、陥没しているか、又は凹状)か、第1の面は内方へ成形され(例えば、陥没しているか又は凹状)、第2の面はまた、内方へ成形され得る(例えば、陥没しているか又は凹状)。
内方へ成形される面(例えば、陥没した面)は、実質的に平坦な中心部、及び複数の隆起角部又は上向きの点を含み得る。このような面を更に特徴付けるため、成形研磨粒子の第1の面の湾曲は、www.NLREG.comから得られる、Phillip Sherrod(Brentwood、Tenn.)から入手可能な非線形回帰曲線適合プログラム「NLREG」などの好適な画像分析プログラムを使用して、球体を適合することによって、測定され得る。陥没した面は、想像分析により、陥没した面に適合する球の湾曲の半径を含み得る。球の中心が、第1の面24の中点の上で垂直に位置合わせされるとき、半径は約1mm〜約25mm、より好ましくは約1mm〜約14mm、又は約2mm〜約7mmであり得る。一実施形態では、皿状研磨粒子に適合した球体の半径は2.0mmであり、別の実施形態においては3.2mm、別の実施形態においては5.3mm、及び別の実施形態においては13.7mmであった。
一実施形態では、研磨粒子は、皿状研磨粒子として記載され得る。概して、皿状研磨粒子は、典型的には、変化する厚さtを有する側壁によって分離された第1の面と第2の面を有する、薄い本体部を含む。概して、側壁の厚さは、皿状研磨粒子の先端又は角部においてより厚く、かつ縁部の中点においてより薄い。したがって、TmはTcよりも小さい。いくつかの実施形態では、側壁は、先により詳細に記載されたように、90°超の抜き勾配αを有する傾斜側壁である。2つ以上の傾斜側壁が存在してもよく、各傾斜側壁に関する傾斜又は抜き勾配は、先に記載されたように、皿状研磨粒子の各側部において同じであっても、異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の面は内方へ成形され(例えば、陥没した)、第2の面及び側壁は実質的に平坦である。「陥没している」とは、第1の面の内部の厚さTiが、外辺部に沿った部分における成形研磨粒子の厚さよりも薄いことを意味する。
上記のように、いくつかの実施形態では、陥没した面は、実質的に平坦な中央部、及び複数の上向きの点、又は複数の隆起した角部を有する。皿状研磨粒子の外辺部は、上向きの点又は角部の間の点において平坦又は直線的であり得、厚さTcは、Tmよりも遥かに大きい場合がある。
他の実施形態において、陥没した第1の面は実質的に凹状であり、3個の上向きの先端部又は角部と、実質的に平面的な第2の面を有する(成形研磨粒子は平凹状である)。第1の面が陥没し、第2の面及び側壁が実質的に平坦である実施形態と比較して、TcとTmとの間の差は少なく、第1の面の内側から各上向きの点へとより段階的な遷移が存在し得る。陥没した面は、型キャビティにゾルゲルを含み、第1の面を陥没した状態にするメニスカスを形成する、製造方法の使用によるものであり得る。上述したように、先端部又は角部における厚さTcが、第の面の内部の厚さTiよりも大きい傾向にあるように、第1の面は陥没している。したがって、点又は角部が、第1の面の内部よりも高くなっている。
本発明の様々な実施形態では、厚さ比Tc/Tiは、1.25〜5.00、又は1.30〜4.00、又は1.30〜3.00であってよい。厚さの比率は、米国特許出願第2010/0151195号の[0036]に記載されるように、計算され得る。三角形の皿状研磨粒子は、いくつかの実施形態では、1.55〜2.32の厚さの比率を有するように測定された。米国特許第5,366,523号(Rowenhorst et al.)に開示される従来技術の方法で製造された三角形の粒子は、0.94〜1.15の厚さ比を有することが測定された。つまり、これらの粒子は実質的に平坦であり、中央部がやや薄い可能性があるのと同様に、中央部がやや厚い可能性がある。1.20を超える厚さ比を有する皿状研磨粒子は、95%の信頼区間で統計的にRowenhorst粒子とは異なる。
上記のように、第2の面と皿状研磨粒子の側壁との間の1つ以上の抜き勾配αは、各面の相対的大きさを偏向するために変動し得る。
皿状研磨粒子の好ましい実施形態は、陥没した面を有するものである。抜き勾配αはおよそ98°であり、皿状研磨粒子の外辺部は正三角形を含む。各三角形の辺は、第1の面の外辺部において約1.4mm長であった。
一実施形態では、厚さtはより均一であり得る。したがって、TmはTcにほぼ等しい。
一実施形態では、例えば、皿状研磨粒子が球殻の三角形断面を実質的に含むように、第1の面は凸状であり、第2の面は凹状である(凹凸状)。
凸面は、ゾルゲルの蒸発乾燥中に、ピーナッツオイルなどの離型剤が存在するために成形型の底面から放出される成形型のキャビティ内のゾルゲルによって形成されると考えられる。次に、ゾルゲルのレオロジーは第1及び第2の面を凸状/凹状に形成し、一方で外辺部は、蒸発乾燥中に(好ましくは三角形に)形成される。
本発明の様々な実施形態では、球体の中心を第2の面の中心上に垂直に位置合わせする場合、凹状の第2の面に適合する球体の半径は、約1mm〜約25mm、又は約1mm〜約14mm、又は約2mm〜約7mmであり得る。
本発明の他の実施形態において、皿状研磨粒子の第1の面及び第2の面は、両方とも窪んでいてよい。いくつかの実施形態では、皿状研磨粒子は両凹面であってよく、凹状の第1の面と凹状の第2の面とを有する。あるいは、他の陥没した構造形状が第2の面に形成されてもよい。例えば、複数の上向きの点、又は複数の隆起した角部が第2の面にある。かかる実施形態において、第1の面の湾曲度又は平坦度は、皿状研磨粒子の乾燥方法(これにより、窪んだ若しくは湾曲した第1の面、又は実質的に平面的な第1の面をもたらす)によってある程度制御可能である。
成形研磨粒子は、第1の側部及び第2の側部の一方又は両方に複数の溝を含み得る。好ましくは、第2の側部(即ち、第2の側部、及びより好ましくは第2の面に含まれる、1つ以上の側壁、面又は小平面)は複数の溝を含む。
成形研磨粒子は、第1の側部及び第2の側部の一方又は両方に複数の山部を含み得る。好ましくは、第2の側部(即ち、第2の側部、及びより好ましくは第2の面に含まれる、1つ以上の側壁、面又は小平面)は複数の山部を含む。
複数の溝(又は山部)は、成形型から成形研磨粒子の前駆体を取り出すことをより容易にすることが見出されている成形型のキャビティの底面の複数の山部(又は溝)によって形成され得る。
複数の溝(又は山部)は特に限定されず、例えば、側部にわたって完全に延びても延びなくてもよい、平行な直線を含み得る。アスペクト比に関し、本発明で使用するための成形研磨粒子は、約2:1〜約50:1、及びより典型的に約5:1〜約25:1以上である、最大断面寸法の長さの比率を有するものとして特徴付けられる場合がある。一実施形態では、複数の溝(又は山部)は、第2の側部を完全に横断して(好ましくは、第2の面を横断して)延びる平行線を含む。好ましくは、平行な直線は、第1縁部に沿った外辺部と90°の角度で交差する。以下で更に記載されるように、溝又は山部の断面形状は、切頭三角形、三角形、又は他の形状であり得る。本発明の様々な実施形態では、複数の溝の深さDは、約1μm〜約400μmであってよい。更に、皿状研磨粒子の厚さTcに対する溝の深さDのパーセント比(D/Tc、%で示される)は、約0.1%〜約30%、又は約0.1%〜20%、又は約0.1%〜10%、又は約0.5%〜約5%であってよい。
本発明の様々な実施形態では、各溝(又は山部)同士の間隔は、皿状研磨粒子の縁部の1つの長さなど面寸法の約1%〜約50%、又は約1%〜40%、又は約1%〜30%、又は約1%〜20%、又は約5%〜20%であってよい。
別の実施形態により、複数の溝は、面にわたって完全に延びても延びなくてもよい、交差する並行線のクロスハッチパターンを含む。第1組の平行線は、外辺部の1つの縁部を90°の角度で交差して(三角形の縁部長さの例えば、6.25%のパーセント間隔を有する)、第2組の平行線は、外辺部の第2縁部を約90°の角度で交差し(例えば、6.25%のパーセント間隔を有する)、第2の面にクロスハッチパターンを生み出し、複数の隆起した菱形を形成した。様々な実施形態では、クロスハッチパターンは、交差平行線、交差非平行線、線間の様々なパーセント間隔、弓状の交線、又は溝の様々な断面形状を使用してよい。
本発明の他の実施形態において、各成形型のキャビティの底面の山部(又は溝)の数は、1〜約100、又は約2〜約50、又は約4〜約25であってよく、したがって、成形研磨粒子内に対応する数の溝(又は山部)を形成する。
成形研磨粒子は、低い平均真円度係数(Average Roundness Factor)を有し得る。このような成形研磨粒子は、基部から研磨物品の研削先端部まで延びる長手方向軸を含む(例えば、米国特許出願第2010/0319269号の図1に示される)。成形研磨粒子の平均真円度係数は、約15%〜0%、又は約13%〜0%、又は約12%〜0%、又は約12%〜約5%であってもよい。
成形研磨粒子の横方向切削(即ち、長手方向軸と90°で横方向に切断したもの、又は単に断面形状とも称される)により生じる断面平面の幾何形状は、特に制限されず、変動し得る。非円形断面形状が最も好ましいものとして使用される。円形断面は丸みをおびており、より鈍いと考えられる。非円形の断面は研削性能が改善されると考えられるが、それは、1つ以上の鋭い角部が存在し、1つ以上の辺がのみの刃と同様にほぼ直線状であり得るためである。望ましくは、断面形状は、三角形、矩形、台形、又は五角形を含むが、これらに限定されない多角形状である。
好ましい実施形態において(例えば、粒子が第2の面を有し、第1の面及び第2の面の少なくとも一方、又は好ましくは両方が内方へ成形される場合)、断面形状の大きさが、第2の面の外辺部から、第2の面の中央に向かって低減する。この関連において、用語「中央」とは、第2の面の幾何形状(即ち、第2の幾何形状)の正確な幾何的中央に制限されないものの、この選択肢もまた想到され、いくつかの場合において好ましいことがあるが、第2の幾何形状により画定される第2の面の境界とは異なり、第2の面の幾何形状の内側に一般的に位置する領域を包含することが意図される。
一実施形態では、成形研磨粒子の第1及び第2の側部(及び好ましくは第1及び第2の面)の外辺部は三角形であり、断面形状は台形である。
成形研磨粒子はまた、少なくとも1つの破損表面を含む(少なくとも1つの破損表面を有する成形研磨粒子がまた、本明細書においては破損成形研磨粒子又は研磨破片と称される)。換言すると、上記のように、研磨粒子は成形研磨粒子であり得るが、少なくとも1つの表面が破損表面である。
少なくとも1つの破損表面を有さない同じ成形研磨粒子と比較して、破損研磨粒子は、比較される粒子の元の形状の面積の少なくとも60%、又は70%、又は80%、又は90%など、大部分を含むものと考えられる。用語元の形状とは、同じ形状であるが、少なくとも1つの破損表面を有さないことを意味する。典型的には、元の形状は、比較される理想的な成形研磨粒子を調製するために使用される型キャビティの形状に対応する。
少なくとも1つの破損表面とは異なり、破損成形研磨粒子は、元の形状の主要部を画定する正確に形成された表面のみを含み、機械的破砕操作により得られた粒子は除く。
一実施形態では、破砕された成形研磨粒子は、4つ以上、好ましくは3つ以上の破砕された表面を含まない。別の実施形態において、破砕された成形研磨粒子は1つの破損表面を含む。
元の形状は特に制限されず、少なくとも1つの破損表面を含まない研磨粒子に関して先に定義された幾何形状から選択され得る。
破損した成形研磨粒子は、三角形のキャビティなど、元の形状を有する金型に形成され得る。典型的には成形型は、研磨破片を経済的に製造するための複数のキャビティを有する。
一実施例において、成形研磨粒子は、第1の正確に形成された表面、所定の角度αにおいて、第1の正確に形成された表面と交差する第2の正確に形成された表面、第1の正確に形成された表面と反対側の第3表面、及び破損表面を含む。
第1の正確に形成された表面は、成形型のキャビティ(元の形状に対応する)の底面と接触することによって形成され得る。第1の正確に成形された面は、キャビティの底面の表面の仕上げ及び形を実質的に複製する。研磨破片の第2の正確に成形された面は、成形型のキャビティの側壁との接触によって形成され得る。側壁は、所定の角度α(本発明においては抜き勾配αとも称される)で底面と交差するように設計される。第2の正確に成形された面は、キャビティの側壁の表面の仕上げ及び形を実質的に複製する。第2の正確に成形された面は、キャビティの側壁との接触によって成型される。このように、結果的にもたらされる研磨破片の少なくとも2つの面は正確に成形され、これら2つの面がなす交差角αは、選択された成形型の形状に基づく既定の角度である。第1の正確に成形された面と対向する研磨破片の第3表面は、キャビティが研磨材分散液で充填された後に空気と接触するので、ランダムな波又は起伏のある外観であり得る。第3面はキャビティとの接触により成型されるものではないので、正確には成形されない。多くの場合、第3面は、成形型から余分な研磨材分散液を除去するために成形型の上面を擦り取る又は修理することによって作られる。この修理又は擦り取り工程は、拡大して見ることができる第3面の微妙な波状又は不規則形状をもたらす。したがって、第3面は、同じく正確に成形されない面である押出し成形によって作られる面と類似している。押出しプロセスでは、ゾル−ゲルがダイから押し出される。したがって、押出しプロセスの結果、ゾル−ゲルの表面は擦れた跡、擦り取られてできた溝、及び/又は刻み線を呈する。そのような跡は、ゾル−ゲルとダイとの間の相対動作によって作られる。加えて、ダイから押出し成形された面は、概して滑らかな平面であり得る。これに対し、正確に成形された面は、表面の長さに沿って高さに有意な変化を有する正弦波形状の面又は他のより複雑な立体形状面を複製することができる。
研磨破片の破損面は、概して、底面の面積に比べてキャビティの深さが比較的小さいときに、第1の正確に成形された面と、それに対向する第3面との間、及びキャビティの対向する側壁の間で伝搬する。破損面は、脆性の断裂に典型的な尖ったのこぎり状のポイントによって特徴付けられる。破損面は、成形研磨粒子前駆体がキャビティ内にあるうちに、その少なくとも過半数を亀裂又は断裂して少なくとも2つの片にする乾燥プロセスによって作り出すことができる。これは、研磨破片の作製に使用された成形型のキャビティよりも小さいサイズを有する研磨破片を製造する。研磨破片を形成後にジグソーパズルの片のように再び組み合わせて、それらの作製に使用された成形型の元のキャビティの形を再現することができる。前駆体研磨粒子の亀裂又は断裂は、研磨材分散液がキャビティ内で乾燥されるにつれて、キャビティの壁に対する研磨材分散液の表面張力が研磨材分散液の内部の引力より確実に大きくなるようにすることによって生じると考えられる。
別の実施形態は、多角形の第1の面(又は基部)、多角形の第2の面(又は頂部)、及び基部と頂部を接続する複数の側壁によってそれぞれ囲まれる成形研磨粒子であり、隣接する側壁は、50μm未満の平均曲率半径を有する対応する側壁縁部で出会う。例えば、図6A〜6Bを参照すると、例示的な成形研磨粒子320は、多角形基部321と、三角形上部323と、基部321及び上部323を接続する複数の側壁325a、325b、325cとによって囲まれている。基部321は、50マイクロメートル未満の平均曲率半径を有して、側壁縁部327a、327b、327cを有する。図6C〜6Dは、側壁縁部327aの曲率半径329aを示す。一般に、曲率半径が小さいほど側壁縁部は鋭くなる。典型的に、成形研磨粒子の基部及び頂部は実質的に平行であり、結果としてプリズム状又は角錐台の形状(図6A〜6Bに示すように)となるが、これは必要条件ではない。示されるように、側部325a、325b、325cは等しい寸法を有し、基部321と約82°の二面角を形成する。しかしながら、他の二面角(90°を含む)も使用され得るということが理解されるであろう。例えば、基部と側壁の各々との間の二面角は独立して、45〜90°、典型的には70〜90°、より典型的には75°〜85°の範囲であってもよい。
特定の好ましい実施形態により、成形研磨粒子は、3次元形状の三角形小片、又は平坦な矩形の小片を有し、三角形の小片が好ましい。このような成形研磨粒子はまた、単純に平坦な三角形、又は平坦な矩形と称され得る。
それ故、特定の好ましい実施形態において、成形研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含み、前記厚さtは、好ましくは、粒子の最も短い辺と関連する寸法の長さと等しい、又はこれより短く、前記第1の側部は、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含み(又は好ましくは第1の面である)、前記第2の側部は、第2の幾何形状の外辺部を有する第2の面を含み(又は好ましくは第2の面である)、前記第2の側部は、厚さtによって前記第1の側部から分離され、少なくとも1つの側壁が前記第2の面と前記第1の面を接続し、前記第1の幾何形状及び前記第2の幾何形状は、大きさが異なっていても同じであってもよい実質的に同一の幾何形状を有し、前記同一の幾何形状は、両方とも三角形の形状、又は四辺形の形状から選択される。
上記第1の幾何形状は好ましくは、上記のように、上記第2の幾何形状と一致する。
また、このような粒子の第1の面及び第2の面は実質的には平坦であり、互いに実質的に並行である。
好ましい三角形及び四辺形、又は矩形の形状は、上記のように定義される。
側壁はまた、上記のように画定され得る。例えば、側壁は非傾斜側壁であってもよく(即ち、第1の幾何形状の大きさは第2の幾何形状の大きさと同一であり、例えば、三角形、矩形のプリズムなど)、又は傾斜側壁であってもよい(即ち、上記のように、切頭三角形、又は矩形の角柱の形状を有する粒子の場合など、第1の幾何形状の大きさは第2の幾何形状と同一ではなく、典型的にはその大きさよりも大きい)。
上記のように、特定の好ましい実施形態により、成形研磨粒子は、平坦な三角形の正面(また単に平坦な三角形とも称される)、又は平坦な矩形の正面(また単に平坦な矩形とも称される)が第1の面及び第2の面の少なくとも一方が内方へ成形されている(例えば、陥没した、又は凹状の)。
例えば、第1の面は内方へ成形され得(例えば、陥没しているか、又は凹状)、第2の面は実質的に平坦であり得るか、若しくは外方に成形されている(例えば、凸状)、又は第2の面は内方へ成形され得(例えば、陥没しているか又は凹状である)、第1の面は実質的に平坦であるか若しくは外方に成形されている(例えば、凸状)。
あるいは、又はより好ましくは、第1の面は内方へ成形され(例えば、陥没しているか、又は凹状である)、第2の面はまた、内方へ成形され得る(例えば、陥没しているか、又は凹状である)。
本実施形態による粒子に関し、厚さは典型的には、粒子の平坦な構成にわたって変化し、「粒子の中央」に向かって低減する。
本実施形態による粒子はまた、粒子の中央に向かって面積が低減する断面形状(長さに垂直)によって特徴付けられる。
この関連において使用される用語「粒子の中央」とは一般的な方法で理解され、粒子の幾何形的中央である必要はないが、上記のように、断面形状の最小厚さ、又は最小面積が、粒子の幾何学的中央に見いだされる場合もある。
本発明において使用される成形研磨粒子は、研磨剤業界が特定する、特定の公称等級、又は公称のふるいにかけた等級を有する。
研磨粒子は、一般に、使用前に、所与の粒径分布に分級される。そのような分布は、典型的には、粗粒子から微粒子までのある範囲の粒径を有する。研磨の技術分野では、この範囲は、「粗粒」画分、「対照」画分、及び「細粒」画分と呼ばれる場合がある。研磨業界公認の分級基準に従って分級された研磨粒子は、各公称等級に対する粒径分布を数量的限界内で指定している。このような工業的に認められた分級規格(即ち、研磨工業規格の公称等級)としては、アメリカ規格協会(ANSI)規格、研磨製品の欧州生産者連盟(FEPA)規格、及び日本工業規格(JIS)規格として知られているものが挙げられる。
ANSI等級表記(即ち、具体的な公称等級)としては、ANSI 4、ANSI 6、ANSI 8、ANSI 16、ANSI 24、ANSI 36、ANSI 46、ANSI 54、ANSI 60、ANSI 70、ANSI 80、ANSI 90、ANSI 100、ANSI 120、ANSI 150、ANSI 180、ANSI 220、ANSI 240、ANSI 280、ANSI 320、ANSI 360、ANSI 400、及びANSI 600が挙げられる。FEPA等級表記としては、F4、F5、F6、F7、F8、F10、F12、F14、F16、F20、F22、F24、F30、F36、F40、F46、F54、F60、F70、F80、F90、F100、F120、F150、F180、F220、F230、F240、F280、F320、F360、F400、F500、F600、F800、F1000、F1200、F1500、及びF2000が挙げられる。JIS等級表記としては、JIS8、JIS12、JIS16、JIS24、JIS36、JIS46、JIS54、JIS60、JIS80、JIS100、JIS150、JIS180、JIS220、JIS240、JIS280、JIS320、JIS360、JIS400、JIS600、JIS800、JIS1000、JIS1500、JIS2500、JIS4000、JIS6000、JIS8000、及びJIS10,000が挙げられる。
あるいは、成形研磨粒子は、米国標準試験用ふるいを使用し、ASTM E−11「Standard Specification for Wire Cloth and Sieves for Testing Purposes」に準拠して、公称のふるいにかけた等級に、等級付けすることもできる。ASTM E−11は、指定の粒径に従って材料を分類するために、枠にはめた織布ワイヤクロスを媒体として用いる試験用ふるいの設計及び構造の要件を規定している。典型的な表記は、−18+20のように表される場合があり、これは、成形研磨粒子がASTM E−11の18号ふるいの規格に一致する試験用ふるいを通過するものであり、ASTM E−11の20号ふるいの規格に一致する試験用ふるいに残るものであることを意味する。一実施形態では、成形研磨粒子は、大部分の粒子が18号のメッシュ試験用ふるいを通過し、20、25、30、35、40、45、又は50号のメッシュ試験用ふるいに残るような粒径を有する。本発明の様々な実施形態では、成形研磨粒子は、−18+20、−20+25、−25+30、−30+35、−35+40、−40+45、−45+50、−50+60、−60+70、−70+80、−80+100、−100+120、−120+140、−140+170、−170+200、−200+230、−230+270、−270+325、−325+400、−400+450、−450+500、又は−500+635を含む、公称のふるいにかけた等級を有し得る。
本発明の全ての態様による成形研磨粒子は、研磨粒子の断片に含まれてもよく(又は研磨片)、また本発明において研磨粒子のブレンドと称される(参照を容易にするため、本明細書で使用するとき、用語「ブレンド」とは、研磨粒子の断片(又はブレンド)が、断片内に存在する研磨粒子の合計量に基づいて、成形研磨粒子の100重量%を含む場合も含むことを意図される。
ブレンドは、本発明による1種類以上の成形研磨粒子を含む場合があり、任意により、一般的に「二次研磨粒子」と称される1種類以上の研磨粒子を含む場合がある(本発明により使用される成形研磨粒子とは異なる研磨粒子)。例えば、本発明によらない形状を有する研磨粒子(例えば、フィラメント状研磨粒子、又は細長いロッド)、又は従来の非成形研磨粒子が二次研磨粒子として使用され得る。
ブレンドは本発明による成形研磨粒子、及び任意の量の二次研磨粒子を含み得る。したがって、成形研磨粒子、及び二次研磨粒子は、ブレンドに含まれてもよく、二次研磨粒子の容量は、ブレンド内に存在する研磨粒子の合計量に基づいて、最大95重量%、又はそれ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、ブレンドの総重量に基づき、少なくとも5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、更に100重量%のブレンドが、本発明による成形研磨粒子である。それ故、他の非常に好ましい実施形態において、本組成物又は結合研磨物品は、二次研磨粒子を含有しない。
更なる例としては、本組成物又は結合研磨物品は、任意の好適な量の成形研磨粒子を含有していてよく、例えば、前記結合研磨物品中の、成形研磨粒子に二次研磨粒子を加えた総重量に対して、約5〜約100重量%、又は10〜80、典型的には、20〜60重量%、又は30〜50重量%含有していてよい。
本発明は、研磨破片(又はブレンド)中に存在する研磨粒子の総重量に対し、本発明による成形研磨粒子を100重量%にて含む際に最も顕著な効果を有するが、本組成物又は結合研磨物品が例えば、研磨破片に存在する研磨粒子の総重量に対し、5重量%程度の、本発明による成形研磨粒子、及び最大95重量%の二次研磨粒子を含む際にも有効である。それ故、本組成物又は結合研磨物品は、研磨粒子の総重量に対し、総量で最大100重量%の本発明による研磨粒子を含み得る(換言すると、本研磨物品又は本組成物は、二次研磨粒子を含有しない)。いくつかの研削用途において、二次研磨粒子の追加は、高価な成形研磨粒子の量を低減させることによって、費用を低減させる目的のためである。他の用途において、二次研磨粒子の混合は相乗効果を有し得る。
二次研磨粒子は、任意の好適な粒子形態を有し得る(これが、本発明において使用する研磨粒子の形状と異なる限り)。例示的な粒子の形態としては、機械的破砕操作により得られる粒子、凝集形態、及び本明細書において定義される特定の研磨粒子とは異なる他のいずれかの形態が挙げられるがこれらに限定されない。
二次研磨粒子を構成する材料は、特に限定されず、研磨粒子としての使用に好適であるものとして既知である、任意の好適な硬質、又は超硬質材料が挙げられる。したがって、一実施形態では、二次研磨粒子は、主要部分が硬質研磨材料である。例えば、二次研磨粒子の総重量の、少なくとも30重量%、又は少なくとも50重量%、又は60重量%〜100重量%以上、又は90重量%以上、又は100重量%が、硬質材料を含む。別の実施形態において、二次研磨粒子は、主要部分が超硬質研磨材料である。例えば、二次研磨粒子の総重量の、少なくとも30重量%、又は少なくとも50重量%、又は60重量%〜100重量%以上、又は90重量%以上、又は100重量%が、超硬質材料を含む。
二次研磨粒子の好適な研磨材料の実施例としては、既知のセラミック材料、炭化物、窒化物、並びに他の硬質及び超硬質材料が挙げられ、成形研磨粒子に関して本明細書において例示された材料を含み、本発明の成形研磨粒子、及び二次研磨粒子は、このような例示の材料又はこれらの組み合わせから独立に選択され得る。
二次研磨粒子の材料の代表的な例としては、例えば、溶融酸化アルミニウム、例えば、白色溶融アルミナ、熱処理した酸化アルミニウム、3M Company(St.Paul、Minnesota)から商標名3M CERAMIC ABRASIVE GRAINで市販されるようなセラミック酸化アルミニウム、焼結した酸化アルミニウム、炭化ケイ素(黒色炭化ケイ素、及び緑色炭化ケイ素が含まれる)、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶系窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナジルコニア、ゾルゲル誘導研磨粒子(ゾルゲル誘導酸化アルミニウム粒子を含む)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンの粒子が挙げられる。ゾル−ゲル法による研磨粒子の例は、米国特許第4,314,827号(Leitheiser et al.)、同第4,623,364号(Cottringer et al.)、同第4,744,802号(Schwabel)、同第4,770,671号(Monroe et al.)、及び、同第4,881,951号(Monroe et al.)に見出すことができる。
好ましい実施形態において、二次研磨粒子は、溶融酸化アルミニウム材料、又は溶融アルミナジルコニア(好ましくは溶融酸化アルミニウム)を含む溶融酸化材料の粒子から選択される。
別の好ましい実施形態において、二次研磨粒子は、超砥粒材料、例えば、立方晶系窒化ホウ素、及び天然又は合成ダイヤモンドの粒子から選択される。好適なダイヤモンド、又は立方晶系窒化ホウ素材料は、結晶質又は多結晶であり得る。二次研磨粒子として使用するための好ましい超砥粒材料は、立方晶系窒化ホウ素である。
更に別の実施形態において、二次研磨粒子は、炭化ケイ素材料の粒子から選択される。
ブレンドに含まれる二次研磨粒子は、研磨工業規格の公称等級、又は公称のふるいにかけた等級を有し得る。上記のように、成形研磨粒子はまた、研磨工業規格の公称等級、又は公称のふるいにかけた等級を有してもよく、二次研磨粒子の等級、及び本発明の成形研磨粒子の等級は、いずれかの有用な等級から独立に選択されてもよい。
好ましい実施形態では、二次研磨粒子は、前記成形研磨粒子の最大寸法よりも小さな(例えば、FEPAに従った)公称寸法等級(又は、例えば、複数の等級を使用する場合には複数の等級)であることを特徴とし得る。
例えば、本組成物又は結合研磨物品は、破砕された二次研磨粒子(本明細書において定義される研磨破片を除く)を更に含んでもよく、これは、任意選択的に、研磨工業規格の公称等級分けされたもの(abrasive industry specified nominal graded)、又はこれらの組み合わせに対応していてもよい。破砕研磨粒子は、成形研磨粒子よりも細かい大きさの1つの等級又は複数の等級(例えば、複数の大きさの等級が使用される場合)のものであり得る。いくつかの実施形態では、破砕研磨粒子は、成形研磨粒子よりも荒い大きさの1つの等級又は複数の等級(例えば、複数の大きさの等級が使用される場合)であり得る。
典型的に、従来の破砕研磨粒子は、研磨工業規格の公称等級に従って、個別に寸法決めされる。二次研磨粒子の、例示的な研磨剤業界で認識される等級基準及び等級としては、成形研磨粒子に関して言及されるものが挙げられる。
成形研磨粒子をもたらす方法は、当該技術分野において既知であり、(1)溶融、(2)焼結、及び(3)化学セラミックに基づく技術が挙げられる。好ましい成形研磨粒子が、化学セラミック技術を使用して得られる一方で、非セラミック成形研磨粒子もまた本発明の範囲内に含まれる。本発明の記載において、成形研磨粒子を調製する方法は、セラミック成形研磨粒子、特にアルミナ系セラミック成形研磨粒子を特に参照として記載され得る。しかしながら、本発明は、アルミニウムに限定されず、複数の異なる硬質及び超硬質材料と共に使用するように適合され得ることが理解される。
本発明に使用されるセラミックの成形研磨粒子は典型的に、ダイヤモンド金型を使用して、金型(即ち、成形型)カットを使用して作製することができ、これは例えば鍛造又はパンチングなど他の製造の代替手段よりも、形状のより高い精細度を提供する。典型的に、金型面におけるキャビティは鋭角な縁部に沿って合流する平坦な面を有し、側部と角錐台の頂部を形成する。結果として得られる成形研磨粒子は、対応する公称平均形状を有し、これは金型面においてキャビティの形状(例えば角錐台)に対応するが、しかし、公称平均形状からの変形(例えばランダムな変形)が製造中に生じる場合があり、かかる変形を呈する成形研磨粒子は、本明細書で使用される成形研磨粒子の定義内に含まれる。
成形研磨粒子(例えば、αアルミナ系セラミック粒子)は、典型的に好適な前駆体(例えば、セラミック前駆体)の寸法安定分散液を使用する多工程プロセスによって作製され得る。
プロセスにおいて典型的に利用される分散液は、好適な前駆体のいずれかの分散液であってもよく、これは、本発明において好適なプロセスに供した後に、成形研磨粒子の形態である、細かい分散材料を意図する。前駆体は、化学的前駆体(例えば、ベーマイトはαアルミナの化学的前駆体である)、形態的前駆体(例えば、γアルミナはαアルミナの形態的前駆体である)、並びに(又はあるいは)、αアルミナの微細に分割された形態はある形状へと成形され、その形状を維持するために焼結されることができるという意味では、物理的前駆体であってもよい。この典型的な場合において、好適な前駆体の寸法安定分散液は、ゾルゲルである。
分散系が、物理的又は形態的前駆体を含む場合には、本明細書においてこの用語を用いる場合、前駆体は、共に焼結されると従来の結合及び被覆研磨用途において有用な研磨粒子を形成する、微細に分割された粉末粒子の形態である。このような材料は、一般に、約20マイクロメートル未満、好ましくは約10マイクロメートル未満、及び最も好ましくは約1マイクロメートル未満の平均寸法を有する粉末粒子を含む。物理的又は形態的前駆体の分散系の固形分は、約40〜65%が好ましいが、最大約80%までの高い固形分を使用することができる。このような分散系においては、微細に分割された粒子と一緒に有機化合物が使用されることが多く、懸濁化剤として、また多くは粒子が乾燥されてその形状を十分に保持するまでの一時的結合剤として使用される。これらは、そのような目的に広く知られる任意のものでよく、例えばポリエチレングリコール、ソルビタンエステル等が挙げられる。
加熱すると最終的な安定した(例えば、セラミック)形態に変化する前駆体固形分は、乾燥及び焼成して粒子を焼結させる間に前駆体から遊離し得る水を考慮する必要がある場合がある。このような場合、固形分は、典型的にはやや低めであり、例えば約75%以下、より好ましくは約30%〜約50%である。ベーマイトゲルの場合、約60%、又は更に40%の最大固形分が好ましく、解膠された約20%の最小固形分のゲルも使用可能である。
物理的前駆体から作製される粒子は、典型的には、種晶化学的前駆体から形成されるものよりも高い温度で焼成される必要がある。例えば、種晶ベーマイトゾル−ゲルの粒子は、約1250℃を下回る温度で、実質的に完全に緻密化したαアルミナを形成するのに対して、αアルミナゲルから製造された粒子は、十分に緻密化するために約1400℃を上回る焼成温度が必要となり得る。
例として、本発明における使用に好適な方法は、化学セラミック技術を含み、これは、任意により他の酸化金属前駆体と混合された、コロイド状分散液、又はヒドロゾル(場合によりゾルと称される)を、ゲル又は成分の可動性を制限する他の物理的状態に変換することと、乾燥させることと、焼成してセラミック材料を得ることとを含む。ゾルは、水溶液から金属水酸化物を沈殿させ、その後解膠させる工程と、金属塩の溶液からアニオンを透析する工程と、金属塩の溶液からアニオンの溶媒を抽出する工程と、揮発性アニオンを有する金属塩の溶液を水熱分解させる工程とを含む、いくつかの方法のいずれかにより調製される。ゾルは任意により、酸化金属又はその前駆体を含み、例えば水などの溶媒の部分抽出により、ゲルなどの可動性を制限された半剛性固形状態に変換され、ゲルはプレス、成形、押出などの任意の便利な方法により成形されて、成形研磨粒子をもたらし得る。
化学セラミック技術を含む例示的な方法は、セラミック前駆体の寸法的に安定した分散液(これは例えば、αアルミナに変換され得る、種晶、又は非種晶ゾルゲルαアルミナのいずれかの前駆体分散液を含み得る)を作製する工程と、成形研磨粒子の所望の外径を有する1つ以上の成形型のキャビティにセラミック前駆体の寸法安定分散液を充填する工程と、セラミック前駆体の安定分散液を乾燥させて、前駆体セラミック成形研磨粒子を形成する工程と、成形型のキャビティから前駆体セラミック成形研磨粒子を除去する工程と、前駆体セラミック成形研磨粒子を焼成して(calcine)焼成前駆体セラミック成形研磨粒子を形成する工程と、その後、焼成前駆体セラミック成形研磨粒子を焼結してセラミック成形研磨粒子を形成する工程とを含む。このプロセスは、米国特許第5,201,916号(Berg et al.)により詳細に記載される。
本発明の成形粒子にされ得る材料としては、例えば、既知のセラミック材料、炭化物、αアルミナなどの窒化物、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化チタン、アルミナ/ジルコニア、及び立方晶系窒化ホウ素(CBN)の、超微粒子などの、物理的前駆体が挙げられる。また、三水和アルミナ、ベーマイト、γアルミナ及び他の遷移相アルミナ、並びにボーキサイトなどの化学的及び/又は形態的前駆体が挙げられる。上記のうち最も有用なものは、アルミナ、及びその物理的又は化学的前駆体に基づき、本発明における使用に好適な方法に従う特定の記載において、特にアルミナを参照として例示される。
アルミナを主成分とする粒子を製造するための特定の状況において望ましいことが分っているその他の成分としては、核生成剤、例えば、微細に分割されたαアルミナ、酸化鉄、酸化クロム、及び前駆体形態からαアルミナ形態への転化において核形成することができるその他の物質、また、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、及び他の希土類金属酸化物が挙げられる。このような添加剤は、多くの場合、結晶成長抑制剤又は境界相改質剤として作用する。前駆体中のこのような添加剤の量は、通常、約10重量%未満であり、多くの場合5重量%未満である(固体基準)。
また、αアルミナの化学的又は形態的前駆体の代わりに、微細に分割されたαアルミナそのもののスリップを有機化合物と一緒に使用することも可能であり、有機化合物は、スリップを懸濁液の中に保持し、粒子が焼成されて実質的に十分に緻密化する際の一時的結合剤として作用する。そのような場合、懸濁液物質を含むことが多くの場合に可能であり、この懸濁液物質は、焼成すると異質な相を形成する、又は、乾燥及び焼成中、若しくは焼成後に成形粒子の構造的一体性を維持する助剤として作用することができる。このような物質は不純物として存在することができる。例えば、前駆体が微細に分割されたボーキサイトの場合、粉末粒子が共に焼結して成形粒子を形成した後に、第2相を形成する少量のガラス質材料が存在する。
αアルミナ、マグネシウムアルミナスピネル、及び希土類六方晶系アルミネートの結晶からなるセラミック成形研磨粒子が使用されてもよい。このような粒子は、例えば、米国特許第5,213,591号(Celikkaya et al.)、及び米国特許出願第2009/0165394 A1号(Culler et al.)、及び同2009/0169816 A1号(Erickson et al.)に記載される方法による、ゾルゲル前駆体αアルミナ粒子を使用して、調製され得る。
いくつかの実施形態では、セラミック成形研磨粒子は、多段階プロセスに従って作製され得る。このプロセスはここで、特にアルミナを参照として、より詳細に記載される。一般的にαアルミナ系の成形研磨粒子は、当該技術分野において既知であるように、ゲル化され、成形され、形状を保持するように乾燥させられ、焼成され、かつ焼結される、酸化アルミニウム一水和物の分散液から作製され得る。成形研磨粒子の形状は、結合剤を必要とせずに保持される。
多工程プロセスの第1プロセス工程は、αアルミナに変換することができるαアルミナ前駆体の種晶添加又は種晶添加されていない分散液のいずれかを提供する工程を伴う。αアルミナ前駆体分散液は、揮発性成分である液体を含むことが多い。一実施形態では、揮発性成分は水である。分散体は、成形型のキャビティを充填して成形型表面を複製することを可能にするために、研磨剤分散体の粘度を十分に低くするのに十分な量でありながらも、後に成形型のキャビティから液体を除去することを実現不可能なほど高価にしない程度の量の液体を含まなくてはならない。一実施形態では、αアルミナ前駆体分散液は、αアルミナに変換可能な、酸化アルミニウム一水和物(ベーマイト)粒子などを2重量%〜90重量%、及び水のような揮発性成分を少なくとも10重量%、又は50重量%〜70重量%、又は50重量%〜60重量%含む。逆に、いくつかの実施形態では、αアルミナ前駆体分散液は、30重量%〜50重量%、又は40重量%〜50重量%の固体を含有する。
ベーマイト以外の酸化アルミニウム水和物もまた、使用することができる。ベーマイトは、既知の技術によって調製することができ、あるいは市販のものを入手することができる。市販のベーマイトの例としては、両方ともSasol North America,Inc.(Houston,Texas)から入手可能な商品名「DISPERAL」及び「DISPAL」、あるいはBASF Corporation(Florham Park,New Jersey)から入手可能な「HiQ−40」が挙げられる。これらの酸化アルミニウム一水和物は比較的純粋であり、即ち、一水和物以外の水和相を、たとえ含んでいるとしても比較的少なく含み、また高表面積を有する。
得られるセラミック成形研磨粒子の物理的特性は、一般に、αアルミナ前駆体分散液に使用される材料のタイプによる。一実施形態では、αアルミナ前駆体分散液はゲル状である。本明細書で使用するとき、「ゲル」とは、液体に分散された3次元網状組織の固体である。
αアルミナ前駆体分散液は、改質用添加剤又は改質用添加剤の前駆体を含有することができる。改質用添加剤は、研磨粒子のいくつかの望ましい特性を強化するため、又は後の焼結工程の有効性を増加させるために機能することができる。改質用添加剤又は改質用添加剤の前駆体は、融解性の塩の形状であってよく、典型的には水溶性の塩であってよい。これらは、典型的には、金属含有化合物からなり、マグネシウム、亜鉛、鉄、ケイ素、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、イットリウム、プラセオジウム、サマリウム、イッテルビウム、ネオジム、ランタン、ガドリニウム、セリウム、ジスプロシウム、エルビウム、チタン、及びこれらの混合物の酸化物の前駆体であってよい。αアルミナ前駆体分散液中に存在し得るこれらの添加剤の具体的な濃度は、当該技術に基づき変動する場合がある。
典型的には、改質用添加剤又は改質用添加剤の前駆体の導入によって、αアルミナ前駆体分散液はゲルになる。また、一定の時間をかけて加熱することによって、αアルミナ前駆体分散液をゲル化することもできる。αアルミナ前駆体分散液はまた、水和又は焼成した酸化アルミニウムからαアルミナへの変換を促進するために、成核剤(播種)を含有することもできる。本発明に好適な成核剤としては、αアルミナ、α酸化第二鉄又はその前駆体、酸化チタン及びチタン酸塩、酸化クロム、並びにこの形質転換の成核剤となるであろう他の任意の物質の微粒子が挙げられる。成核剤を使用する場合、その量は、αアルミナの変換を引き起こすために十分でなくてはならない。かかるαアルミナ前駆体分散液に核を生成する工程は、米国特許第4,744,802号(Schwabel)に開示されている。
αアルミナ前駆体分散液に解膠剤を添加して、より安定したヒドロゾル又はコロイド状αアルミナ前駆体分散液を製造することができる。好適な解膠剤は、酢酸、塩酸、ギ酸、及び硝酸のような、一塩基酸又は酸化合物である。多塩基酸を使ってもよいが、多塩基酸はαアルミナ前駆体分散液を急速にゲル化する場合があり、取り扱い又は追加的な成分の導入を困難にする。ベーマイトの一部の市販供給源は、安定したαアルミナ前駆体分散液の形成を助ける(吸収されたギ酸又は硝酸のような)酸タイターを含有する。
αアルミナ前駆体分散液は任意の好適な手段、例えば、単に酸化アルミニウム一水和物を解膠剤含有水と混合することによって、又は酸化アルミニウム一水和物のスラリーを生成し、そこに解膠剤を加えることによって形成することができる。
気泡を形成する傾向又は混合中に空気が混入する傾向を低減するために、消泡剤又は他の好適な化学物質を加えることができる。湿潤剤、アルコール、又はカップリング剤などの追加的な化学物質を、所望により添加することができる。αアルミナ研磨粒子は、米国特許第5,645,619号(Erickson et al.)に開示されているように、シリカ及び酸化鉄を含有してもよい。αアルミナ研磨粒子は、米国特許第5,551,963号(Larmie)に開示されているように、ジルコニアを含有してもよい。あるいは、αアルミナ研磨粒子は、米国特許第6,277,161号(Castro)に開示されているように、微小構造又は添加剤を有することができる。
第2のプロセス工程は、少なくとも1つの成形型キャビティ、好ましくは複数のキャビティを有する成形型を提供する工程を伴う。この成形型は、概して平面状の底面、及び複数個の成形型のキャビティを有し得る。複数のキャビティは、生産用金型内で形成することができる。生産用金型は、ベルト、シート、連続ウェブ、輪転グラビアのようなコーティングロール、コーティングロール上に載置されるスリーブ、又はダイであることが可能である。一実施形態では、製造工具は高分子材料を含む。好適な高分子材料の例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、若しくはこれらの組み合わせなどの熱可塑性樹脂、又は熱硬化性材料が挙げられる。一実施形態では、金型全体が高分子材料又は熱可塑性材料で作製される。別の実施形態においては、乾燥中にゾル−ゲルと接触する金型表面(例えば、複数のキャビティの表面など)は、高分子材料又は熱可塑性材料を含み、金型の他の部分は他の材料から製造されてもよい。好適な高分子被覆を金属金型に適用して、実施例の方法によってその表面張力特性を変更してもよい。
高分子の工具又は熱可塑性の工具は、金属マスター工具から複製されてもよい。このマスター工具は、製造工具に所望の逆パターンを有する。マスター工具は、製造工具と同様の方法で作製することも可能である。一実施形態では、マスター金型は金属(例えばニッケル)で作製され、ダイヤモンド旋盤加工される。高分子シート材料をマスター金型と共に加熱して、2つを一緒に加圧することにより、マスター金型パターンにて高分子材料がエンボス加工されるようにすることができる。高分子又は熱可塑性材料はまた、マスター工具上へと押出又はキャスティングされ、次に加圧成形することもできる。熱可塑性材料を冷却し固化させて、製造工具が製造される。熱可塑性製造工具が使用される場合、熱可塑性製造工具を歪めて寿命を制限する場合がある過度の熱を生成しないよう注意が必要である。生産工具又はマスター工具の設計及び製作に関する更なる情報は、米国特許第5,152,917号(Pieper et al.)、同第5,435,816号(Spurgeon et al.)、同第5,672,097号(Hoopman et al.)、同第5,946,991号(Hoopman et al.)、同第5,975,987号(Hoopman et al.)、同第6,129,540号(Hoopman et al.)に見出すことができる。
キャビティへは、成形型の上面又は底面にある開口部から達することができる。場合によっては、キャビティは、成形型の全厚さまで延びていてよい。あるいは、キャビティは、成形型の厚さの一部分のみにわたって延びていてよい。一実施形態では、上面は、ほぼ均一の深さを有するキャビティを伴う成形型の底面とほぼ平行である。成形型の少なくとも1つの面、即ち、キャビティが形成される面は、揮発性成分の除去工程の間、周囲の外気に曝露したままにされることができる。
キャビティは、セラミック成形研磨粒子を作製するための特定の3次元形状を有する。深さの寸法は、上面から、底面の最下点までの垂直距離と等しい。所与のキャビティの深さは均一であってもよく、又はその長さ及び/又は幅に沿って変化してもよい。所与の成形型のキャビティは、同じ形状であってもよく、又は異なる形状であってもよい。
第3のプロセス工程は、αアルミナ前駆体分散液で(例えば従来の技法によって)成形型のキャビティを充填する工程を伴う。いくつかの実施形態では、ナイフロールコーター又は真空スロットダイコーターを使用することができる。所望により、離型剤を使用して、成形型からの粒子の取り出しを補助することができる。典型的な離型剤としてはオイル、例えばピーナッツオイル、又は鉱油、魚油、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、及びグラファイトが挙げられる。一般に、離型剤を所望の場合、成形型の単位面積ごとに約0.1mg/in(0.02mg/cm)〜約3.0mg/in(0.46mg/cm)、又は約0.1mg/in(0.02mg/cm)〜約5.0mg/in(0.78mg/cm)の離型剤が存在するように、液体中(水又はアルコールなど)で離型剤(ピーナッツオイルなど)が、ゾル−ゲルと接触する生産用金型の表面に塗布される。いくつかの実施形態では、成形型の上面は、αアルミナ前駆体分散液で被覆される。αアルミナ前駆体分散液は、上面の上に送り出されてもよい。
次に、スクレーパ又はならし棒を使用して、αアルミナ前駆体分散液を成形型のキャビティに完全に押し入れることができる。キャビティに入り込まないαアルミナ前駆体分散液の残余部分は、成形型の上面から取り除いて再利用することができる。いくつかの実施形態では、αアルミナ前駆体分散液のごく一部分が上面に残る場合があり、他の実施形態では上面には分散液が実質的に存在しない。スクレーパ又はならし棒により適用される圧力は、典型的には、100psi(0.7MPa)未満、又は50psi(0.3MPa)未満、又は更には10psi(69kPa)未満である。いくつかの実施形態では、αアルミナ前駆体分散液の曝露された表面が実質的に上面を超えて延びることはなく、得られるセラミック成形研磨粒子の均一な厚さが確保される。
第4のプロセス工程は、揮発性成分を除去して分散体を乾燥させる工程を伴う。望ましくは、揮発性成分を、高速な蒸発速度で除去する。いくつかの実施形態では、蒸発による揮発性成分の除去は、この揮発性成分の沸点を超える温度で生じる。乾燥温度の上限は、モールドを作製する材料に依存することが多い。ポリプロピレンの金型では、温度はこのプラスチックの融点未満でなくてはならない。一実施形態では、固体が約40〜50%の水分散液とポリプロピレン成形型では、乾燥温度は約90℃〜約165℃、又は約105℃〜約150℃、又は約105℃〜約120℃であってよい。高温は生産速度の改善をもたらすことができるが、ポリプロピレンの工具を劣化させて成形型としての耐用年数を制限する場合もある。
第5のプロセス工程は、得られた前駆体セラミック成形研磨粒子を成形型のキャビティからの取り出すことを伴う。前駆体セラミック成形研磨粒子は、成形型のキャビティから粒子を取り出すために重力、振動、超音波振動、真空、又は加圧空気のプロセスを、単独で又は組み合わせで成形型に対して用いることによって、キャビティから取り出すことができる。
研磨粒子の前駆体を成形型の外で更に乾燥することができる。αアルミナ前駆体分散液を、成形型内で望ましいレベルまで乾燥させる場合には、この追加的な乾燥工程は必要ではない。しかしながら、場合によっては、この追加的な乾燥工程を採用して、成形型内にαアルミナ前駆体分散液が滞留する時間を最低限にすることが経済的である場合がある。典型的には、前駆体セラミック成形研磨粒子は、50℃〜160℃、又は120℃〜150℃の温度で、10〜480分、又は120〜400分の間乾燥される。
第6のプロセス工程は、前駆体セラミック成形研磨粒子の焼成工程を伴う。焼成の間、本質的に全ての揮発性材料が除去され、αアルミナ前駆体分散液中に存在していた多様な成分は、金属酸化物へと変換される。前駆体セラミック成形研磨粒子は、一般に、400℃〜800℃の温度に加熱され、遊離水及び90重量%を超すあらゆる結合揮発性材料が除去されるまで、この温度範囲内に維持される。選択的工程において、所望により、含浸プロセスによって改質用添加剤を導入することができる。焼成された前駆体セラミック成形研磨粒子の気孔に、水溶性の塩を含浸によって導入することができる。次に、前駆体セラミック成形研磨粒子を再び予備焼成する。このオプションは、米国特許第5,164,348号(Wood)に更に記載されている。
第7のプロセス工程は、焼成された、セラミック成形研磨粒子の前駆体を焼結して、αアルミナ粒子を形成する工程を伴う。焼結前は、焼成された前駆体セラミック成形研磨粒子は完全には緻密化されていないので、セラミック成形研磨粒子として使用するための所望の硬度が足りない。焼成された、セラミック成形研磨粒子の前駆体を1000℃〜1650℃の温度に加熱し、実質的に全てのαアルミナ一水和物(又は同等のもの)がαアルミナに変換され、多孔率が15体積%未満に低減されるまで、それらをこの温度範囲内に維持することによって焼結を行う。このレベルの変換を達成するために焼成された前駆体セラミック成形研磨粒子をこの焼結温度に曝露しなくてはならない時間の長さは、様々な要因にもよるが、通常、5秒〜48時間が典型的である。
別の実施形態において、焼結工程の持続時間は、1分間〜90分間の範囲である。焼結後、セラミック成形研磨粒子は、10GPa、16GPa、18GPa、20GPa以上のヴィッカース硬度を有してよい。
記述したプロセスを修正するために、例えば、焼成温度から焼結温度まで物質を急速に加熱する工程、αアルミナ前駆体分散液を遠心分離してスラッジ及び/又は廃棄物などを除去する工程といった他の工程を使用することができる。更に、所望により2つ以上のプロセス工程を組み合わせることによってこのプロセスを修正することができる。本開示のプロセスを修正するために使用できる従来のプロセス工程は、米国特許第4,314,827号(Leitheiser)に、より完全に詳述されている。セラミック成形研磨粒子を製造するための方法に関する更なる情報は米国出特許出願公開第2009/0165394 A1号(Culler et al.)に開示されている。
少なくとも1つの傾斜側壁を有する成形研磨粒子を作製する方法は例えば、米国特許出願公開第2010/0151196号、及び同第2009/0165394号に記載される。開口部を有する成形研磨粒子を作製する方法は例えば、米国特許出願公開第2010/0151201号、及び同第2009/0165394号に記載される。少なくとも一方の側に溝を有する成形研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/0146867号に記載される。皿状研磨粒子を作製する方法は例えば、米国特許出願公開第2010/0151195号、及び同第2009/0165394号に記載される。低真円度を有する成形研磨粒子の作製方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/0319269号に記載される。少なくとも1つの破損表面を備える成形研磨粒子の作製方法は、米国特許出願公開第2009/0169816号、及び同第2009/0165394号に記載される。第2の側部が頂点を含む、研磨粒子を作製する方法は、頂点(例えば、二重テーパ状研磨粒子)又は稜線(例えば、屋根型粒子)を含む、研磨粒子の作製方法は、国際特許出願第2011/068714号に記載される。
本発明に係る組成物及び結合研磨物品は、結合媒体を含む。結合媒体は、本結合組成物又は結合研磨物品中に成形研磨粒子(及び二次研磨粒子、充填剤、及び添加物などの任意の追加成分)を保持するように機能する。
本発明により、結合媒体は、ガラス状(ビトリファイドとも言われる)結合相を含む。好ましい実施形態において、結合媒体は、ガラス質結合剤(相)である。ガラス質結合剤は、組成物又は物品中の成形研磨粒子を保持するように機能する(本明細書において記載されるいずれかの任意の二次研磨粒子)。研磨粒子(成形研磨粒子及びいずれかの任意の二次研磨粒子)を一緒に結合するガラス質結合剤相は、任意の好適な組成であり得る。
当該技術分野において、「ビトリファイド結合部」、「ガラス質結合剤」、「セラミック結合部」、又は「ガラス結合部」とも称されるガラス質結合剤相は、高温に加熱されるときに、溶解及び/又は溶融して一体ガラス状マトリックス相を形成する、1つ以上の原材料の混合又は組み合わせを含むガラス質結合剤前駆体組成物から生成され得る。
原材料は特に限定されない。ガラス質結合剤相を形成するために典型的な原材料は、酸化金属(半金属酸化物を含む)、非金属酸化物、非金属化合物、ケイ酸、天然及び合成鉱物、及びこれらの原材料の1つ以上の組み合わせから選択され得る。
酸化金属は、例えば、酸化コバルト、酸化クロム、又は酸化鉄、及びこれらの組み合わせの顔料として特徴付けられ得る、例えば、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物、リチウム酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化鉄から選択され得る。
非金属酸化物は例えば、酸化ホウ素、リン酸化物、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
非金属化合物の好適な例としてはホウ酸が挙げられる。
ケイ酸は、例えば、ケイ酸アルミニウム、ホウケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸リチウム、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
鉱物は例えば、粘土、長石、カオリン、ウォラストナイト、ホウ砂、石英、ソーダ灰、石灰岩、白雲石、白亜、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
本発明において、ガラス質結合剤相はまた、フリット、即ち、結合研磨物品のガラス質結合剤相を形成するために、ガラス質結合剤前駆体組成物に利用する前に事前焼成された組成物から形成され得る。本明細書で使用するとき、用語「フリット」は、1つ以上のフリット形成組成物を含む混合物を完全にブレンドし、続いて混合物を少なくともこれを溶解させるために十分に高い温度まで加熱し(事前焼成とも称される)、ガラスを冷却し、これを粉砕することによって形成される材料の一般的名称である。成分を形成するフリットは、通常、粉末として一緒に混合され、この混合物を融解するために焼成された後、この融解混合物は冷却される。冷却された混合物は破砕され、非常に微細な粉末までふるいをかけられ、次いで溶融したフリット結合として使用される。粉末の細かさは、特に限定されない。例示的な粒径の例は、35μm以下又は63μm以下であるがこれに限定されない。研削砥石車などの、本発明の結合研磨物品のガラス質結合剤を調製するために、この最終的な粉末が、ガラス質結合剤前駆体組成物において使用され得る。
フリット、これらの原料、及び組成物は当該技術分野において既知である。フリット形成組成物としては、ガラス質結合剤を形成するための原料として先に参照された材料が挙げられる。フリットは周知の材料であり、例えば、磁器、金属及び宝石を被覆するためのエナメルとして、また、工業用セラミック及び研削砥石車のガラス質結合剤として、長年にわたって使用されてきた。ビトリファイド結合研磨物品のためのフリット並びにセラミック結合部は、Ferro Corporation(1000 Lakeside Avenue、Cleveland、Ohio、USA 44114−7000)及びReimbold & Strick(Cologne、Germany)などの、供給者から市販されている。ビトリファイド結合研磨物品において使用するためのフリットは典型的には、500〜1300℃の範囲の融点を示す。
本発明により、原料に加えて、又は原料の代わりにフリットが使用されてもよい。あるいは、ガラス質結合剤は、非フリット組成物に由来してもよい。
例えば、ガラス質結合剤は、0〜100重量%のフリットを含むガラス質結合剤前駆体組成物から形成され得るが、より典型的には3〜70重量%のフリットを含む。ガラス質結合剤前駆体組成物の残りの部分は、非フリット材料であり得る。
ビトリファイド結合組成物のための好適な範囲は、以下のように指定され得る:ガラス質結合剤の総重量に基づき、25〜90重量%、好ましくは35〜85重量%のSiO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%のB;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜40重量%、好ましくは5〜30重量%のAl;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%のFe;ガラス質結合剤の総重量に基づき0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%のTiO;ガラス質結合剤の総重量に基づき0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%のCaO;ガラス質結合剤の総重量に基づき0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%のMgO、ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%のKO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜25重量%、好ましくは0〜15重量%のNaO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0〜12重量%のLiO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%のZnO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%のBaO;ガラス質結合剤の総重量に基づき、0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%の金属酸化物(例えば、CoO、Cr(顔料))。
研磨物品の作製を補助し、及び/又はこのような物品の性能を工場させるために、ガラス質結合研磨物品の作製において様々な添加物を使用することは既知である。本発明の実施において使用され得るこのような従来型の添加物は、潤滑剤、充填剤、一時的結合剤、及び加工助剤が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、一時的結合剤として有機結合剤が使用される。典型的な一時的結合剤は、デキストリン、尿素樹脂(尿素ホルムアルデヒド樹脂を含む)、多糖類、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、及び任意の他の種類の接着剤などである。また、これらの結合剤は、水、又はポリエチレングリコールなどの液体成分、粘度調整剤又はpH調整剤、及び混合助媒を含んでいてもよい。一時的結合剤の使用は、事前焼成した又は未焼成体の、並びに焼成した物品の均一性及び構造的品質を改善し得る。結合剤は焼成中に燃え尽きるため、これは最終的な結合、又は研磨物品の一部にはならない。
本発明に係るビトリファイド結合組成物及び結合研磨物品は、任意の好適な方法に従って製造されることができる。ビトリファイド結合研磨組成物及びビトリファイド結合研磨物品(例えば、研削砥石車)を製造するための、当該技術分野において周知の手順及び条件、及び特に、ガラス質結合剤ゾルゲルアルミニウム系研磨物品を製造するための手順及び条件が、本発明のビトリファイド結合組成物及び研磨物品を作製するために使用され得る。これらの手順は、当該技術分野における従来のかつ既知の器具を利用し得る。ビトリファイド結合研磨組成物の例示的な製造方法は、
(a)本発明に係る成形研磨粒子と、ガラス質結合剤前駆体組成物と、任意選択で、一時的結合剤組成物(例えば、1種類以上の一時的結合剤、及び気孔誘発剤から選択される1種類以上の成分など)、及び二次研磨粒子から選択される1種類以上の成分と、を含む、前駆体組成物を提供する工程と、
(b)前記前駆体組成物を、ガラス質の結合が生じるのに好適な温度で(例えば、約700℃〜約1500℃から選択される温度で)焼成して、ビトリファイド結合研磨組成物を得る工程と、を含む。
また、本方法は、本組成物に3次元前駆形状を付与して、前駆ビトリファイド結合研磨物品を提供する工程を含んでもよい。用語「前駆ビトリファイド結合研磨物品」は、本発明において定義される表面プロファイルを、作用面の少なくとも一部上に呈していない物品を指す。前駆ビトリファイド結合研磨物品は、国際規格ISO 525:1999及び国際規格ISO 603:1999に列挙されている形状、FEPA(Federation of European Producers of Abrasives)の規格に従った標準タイプ、又は他の規格、並びに非標準的なタイプなどの、任意の3次元的形状を有していてもよい。例としては、典型的な形状として、砥石車、ホーニング砥石、セグメント砥石、軸付砥石、研削ウォーム、又はFEPA又はISO 525:1999、ISO 603:1999に従った他のタイプ、及び他の規格、並びに非標準的な個別のタイプの形状などが挙げられるが、これらに限定されない。前駆結合研磨物品に好ましい形状は、ビトリファイド結合研磨車、特に、ビトリファイド結合研削砥石車である。
ビトリファイド結合研磨物品の例示的な製造方法は、
(a)本発明に係る成形研磨粒子と、ガラス質結合剤前駆体組成物と、任意選択で、一時的結合剤組成物(例えば、1種類以上の一時的結合剤、及び気孔誘発剤から選択される1種類以上の成分など)、及び二次研磨粒子から選択される1種類以上の成分と、を含む、前駆体組成物を提供する工程と、
(b)前記前駆体組成物を所望の形状に成形して、未焼成構造体を得る工程と、
(c)任意選択で、前記未焼成構造体を乾燥させる工程と、
(d)工程(b)又は(c)で得られた前記未焼成構造体を、ガラス質の結合が生じるのに好適な温度で(例えば、約700℃〜約1500℃から選択される温度で)焼成して、前駆ビトリファイド結合研磨物品を得る工程と、を含む。
一部の実例では、前駆ビトリファイド結合研磨物品は、このように使用され得る。しかしながら、本発明により関連の深い場合においては、例えば、表面の少なくとも一部上に、表面プロファイルを提供するために、典型的には、かつ好ましくは、目直しによって、前駆ビトリファイド結合研磨物品は、1つ以上の形状特徴部において更に変化させられる。本発明において議論されるように、表面の少なくとも一部上に、表面プロファイルを有する結合研磨物品を提供することは、典型的には、表面特徴部の寸法を任意のサイズにスケールダウンできないという点において困難な場合がある。
それ故、更なる態様によると、本発明はまた、結合研磨物品の生産方法をも提供し、前記プロセスは、(a)前駆ビトリファイド結合研磨物品を提供する工程と、(b)前記前駆ビトリファイド結合研磨物品の前記表面の少なくとも一部上に、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを付与する工程であって、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する、工程と、を含む。本方法は、好ましいことに、本発明の第2の態様に関して記載される特徴部を有する結合研磨物品を提供する。それ故、好ましい実施形態では、高さ、先端半径、及び1つ以上の角部半径は、本発明の結合研磨物品に関して記載したように、好ましい寸法を有する。
例えば、結合研磨物品の表面プロファイルは、好ましくは、先端半径R(tip)を有する少なくとも1つの雄型表面特徴部を含み、前記先端半径R(tip)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(tip)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
工程b)は、好ましくは、前記物品を目直しして、前記表面プロファイルを付与する工程を含む。目直しは、当該技術分野において既知であるように行うことができ、目直し機、又は目直しの具体的な方法(例えば、静止した目直し機に対して回転を使用するなど)のいずれも、特定して限定されない。既に述べたように、目直しは、通常、単石ダイヤモンドドレッサ、Diaform(商標)固定式目直し工具、多石ダイヤモンドドレッサ、ダイヤモンド刃工具、及びMCD目直しブレードなどの固定式目直し工具、又はフォームドレスロール、PCDフォームドレスロール、ダイヤモンド目直しディスク、ダイヤモンドプロファイルロール、ダイヤモンド径方向ドレスロールなどの回転式目直し工具、焼入れ工具鋼、高速度鋼などの鋼鉄、若しくはタングステンカーバイドなどの硬質金属、若しくは当該技術分野において既知の他のものから作製した破砕ロールを使用して行われる。
ビトリファイド結合研磨組成物又は物品の製造中において、ガラス質結合剤前駆体組成物は、粉末の形態において、例えば、焼成ビトリファイド結合媒体の一部を成さない一時的結合剤(典型的に有機結合剤)と混合されてもよい。結合研磨物品は典型的には、研磨粒子、ガラス質結合剤前駆体組成物、及び任意により、一時的結合剤、並びに他の任意の添加剤及び充填剤を含む未焼成構造体を形成することによって調製される。形成は、例えば、圧力により、又は圧力によらず成形することによって完成する。典型的な形成圧力は、広範であり得、未焼成構造体の組成物によって、0〜400kg/cm(0〜39MPa)の範囲の圧力から選択され得る。続いて、このような前駆体組成物又は未焼成構造体は焼成される。ガラス質結合剤相は、通常、典型的には、約700℃〜約1500℃の範囲内、好ましくは、約750℃〜約1350℃の範囲内、最も好ましくは、約800℃〜約1300℃の範囲内の温度における焼成工程中に生み出される。また、約1000℃以下、又は約1100〜約1200℃の温度においても良い結果を得ることができる。ガラス質結合剤相が形成される実際の温度は、例えば、具体的な化学的結合に依存する。ガラス質結合剤前駆体組成物の焼成は典型的には、より長い時間にわたり(例えば、約10〜130時間)室温から最大温度へと温度を上昇させることと、最大温度で維持すること(例えば、1〜20時間)と、その後長時間(10〜140時間)にわたり焼成した物品を室温まで冷却することとによって達成される。焼成工程のために選択される温度及びガラス質結合剤相の組成物は、ビトリファイド結合組成物又は研磨物品に含まれる研磨粒子(成形粒子、及び任意の二次粒子)の物理的特性、及び/又は組成に悪影響を与えないように選択されなければならないことが理解され得る。
本発明に係るビトリファイド結合組成物及び結合研磨物品は、(本発明により定義される)成形研磨粒子、及びガラス質結合剤を含む結合媒体を含む。加えて、本組成物及び結合研磨物品は、二次研磨粒子、充填剤、及び添加物から選択される1つ以上の任意の成分を含み得る。
研磨粒子の量(本明細書で記載される、1つ以上の二次研磨粒子を含むブレンドに含まれ得る)は広範に変化させてよく、例えば、10〜80体積%、より好ましくは25〜60体積%の範囲におよび得る。
また、結合媒体の量も広範に変化させてよく、例えば、1〜60体積%、より好ましくは2.5〜40体積%の範囲であり得る。
好ましくは、結合研磨物品の密度は、少なくとも1.20g/cm、より好ましくは少なくとも1.30g/cmであり、更により好ましくは、1.35〜2.65g/cmの範囲から選択される密度である。
任意選択で、本組成物及び結合研磨物品は、多孔性を含んでもよい。気孔を含む結合研磨物品は、開いた構造(相互連結、又は相互接続された気孔)を有し、これは、高い材料除去のためのチップクリアランスをもたらし、摩擦を低減させる一方で接触領域により多くの冷却材を移送し、自生発刃プロセスを最適化する。気孔により、結合研磨物品において、使用された又は摩耗した研磨粒子が取り除かれ、新規の切断縁部又は新しい研磨粒子が暴露されることが可能となる。
本発明による組成物及び結合研磨物品は、約5〜約80体積%、好ましくは約20〜約70体積%の、任意の有用な多孔率範囲を有し得る。
好ましくは、本組成物並びに本発明に係る結合研磨物品は、気孔を含有する。気孔は、結合研磨物品に含まれる材料の充填密度によりもたらされる自然な間隔により、及び当該技術分野において既知の気孔誘発成分により、又はその両方により形成され得る。
気孔誘発成分は、一時的な成分(即ち、最終結合研磨組成物、又は最終結合研磨物品中に存在しない成分)、非一時的な成分(即ち、(最終組成物及び最終物品中に存在する成分)、及びこれらの組み合わせから選択され得る。好ましい気孔誘発成分は、最終的な組成物又は研磨物品に、化学的痕跡をのこすべきではなく(即ち、一時的成分)、除去の際に膨張せず、研磨粒子と良好に混ざり、所望の種類(例えば、相互接続した)及び多孔率をもたらすことができる。気孔誘発成分は典型的には、組成物及び物品それぞれの全体の0〜40体積%の範囲の量で使用される。典型的な非一時的気孔誘発成分は、ガラス、セラミック(酸化アルミニウム)、及びガラス片などの材料からなる、中空の球体などの材料から選択され得る。典型的な一時的気孔誘発成分は、ポリマー材料(フォーム状ポリマー材料)コルク、粉砕したクルミの殻、木材粒子、有機化合物(例えば、ナフタレン、又はパラジクロロベンゼン)、及びこれらの組み合わせから選択され得る。好ましい実施形態では、本組成物並びに研磨物品は、(一時的気孔誘発成分として)ナフタレンを使用することによって誘発される気孔を含む。
本発明による結合研磨組成物及び物品は、例えば、当該技術分野において既知の充填剤及び添加剤などの追加的成分を含有していてもよい。本発明に係る組成物又は物品に含有され得る任意選択的な添加剤の例としては、先に記載されるような非一時的気孔誘発剤と、潤滑剤、充填剤、一時的結合剤、及び加工助剤が挙げられるがこれらに限定されない、ガラス質結合剤を作製する際に使用されるいずれかの成分が挙げられる。
本発明において定義される表面プロファイル以外に、本発明に係る結合研磨物品は、表面プロファイルに付与され得る任意の3次元基礎形状を有していてもよい。具体的な基礎形状は、特定して限定されない(例えば、ホイール形状、又はセグメント形状)。典型的に、基礎形状は、意図される研削用途(研削方法、研削条件、及び加工物品を含む)、並びに顧客のニーズなどの要因によって選択される。単に例示として、国際規格ISO 603:1999は、結合研磨物品の好適な形状を掲載し、これらは全て本発明において有用である。FEPA(欧州研磨製品連盟)の規格による標準タイプ、又は他の規格、並びに非標準的タイプもまた使用され得る。
例としては、典型的な形状として、砥石車、ホーニング砥石、セグメント砥石、軸付砥石、研削ウォーム、又はFEPA又はISO 525:1999、及びISO 603:1999に従った他のタイプ、及び他の規格、並びに非標準的な個別のタイプの形状などが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい結合研磨物品は、ビトリファイド結合研磨車、特に、ビトリファイド結合研削砥石車である。
本発明による研磨車の直径は特に限定されず、例えば、1mm〜2000mm、又は10mm〜1200mm、又は100mm〜750mmから選択され得るが、他の寸法もまた使用され得る。同様に、研磨(研削)砥石の厚さは特に限定されない。例えば、厚さは典型的には約2〜600mm、5〜350mm、又は10mm〜300mmの範囲から選択され得るが、他の寸法もまた使用され得る。例えば、孔の直径は0mm〜800mm、より典型的には4mm〜400、又は8mm〜350mmであり得る。
研磨物品(好ましくは研削砥石車)の特定の設計は制限されず、「モノリシック」設計、及び「帯状」設計(例えば、区分けされ、層化された設計)から選択され得る。両方の設計は、熱硬化樹脂などの接着剤、例えば、エポキシ樹脂、重縮合体、及びフェノール樹脂から選択される樹脂を使用する、孔の補強を含み得る。
研磨粒子(即ち、1つ以上の種類の成形研磨粒子、及び任意の1つ以上の種類の二次研磨粒子)は、研磨物品内に均一に又は不均一に分布されてもよく、例えば、研磨物品の選択される領域、層、区分、又は部分に分布又は集中する。均一又は不均一な分布は、均一にブレンドされているか、又は研磨物品の選択される領域、層、区分、又は部分のみに位置及び分布するような様式であり得る。
例えば、結合研磨車は、外側領域(多くの場合、リム又は外辺部とも称される)、及び内側領域(多くの場合、コア又は中央部分とも称される)などの、少なくとも2つの別個の区分を含んでいてよい。結合の組成(例えば、結合材料、又は存在する気孔の量)から選択される1つ以上の態様における差異、研磨粒子の形状(例えば、研磨−破砕、又は第1形状−第2形状)、研磨粒子のグリット寸法(例えば、より細かい−より荒い)、及び研磨粒子の量(例えば、研磨粒子の存在若しくは不在、又は第1(例えば、多量)量−第2(例えば少量)量)、に基づいて異なる区分がもたらされてもよい。いくつかの実施形態では、外側領域は、本発明による成形研磨粒子を含み、一方で内側領域は含まない。他の実施形態において、内側領域は、本発明による成形研磨粒子を含み、一方で外側領域は含まない。
研磨車はまた、非ガラス質結合剤材料(例えば、プラスチックなど)から作製される内側領域を含み得る。
結合研磨物品は、研削砥石車などの、研磨車である場合、研磨粒子は、中央、又は外側領域(即ち、砥石の外辺部)の方に集中し得る。中央部は、異なる(より高い、又はより低い)量の研磨粒子を含み得る。
帯状設計の別の例は、本発明による成形研磨粒子を含むリム、及び好ましくは本明細書による成形研磨粒子を任意により含み、好ましくは含まない、内側領域を有する、研削砥石車などの研磨車である。この設計の内側領域は、同じ又は異なるグリット寸法を有し得る、二次研磨粒子(例えば、溶融アルミナ、焼結アルミナ)を任意により含み得る。この設計はまた、成形研磨粒子の不在により研削砥石車の費用を最小化し、同時に破損速度を増加させることを意図された、特殊中央部設計とも称される。
別のバリエーションにおいて、研磨車は、研磨車の両側に位置付けられた2つ以上の種類の研磨粒子を含み得る。例えば、第1研磨粒子は、ホイールの1つの面に第1研磨粒子が存在し、反対側の面に別の研磨粒子が存在してもよい。第1研磨粒子と第2研磨粒子のいずれか、又は両方が、本発明による成形研磨粒子から選択される。しかしながら、典型的に研磨粒子全てが互いに均一に分配される。なぜならば、ホイールの製造がより容易であり、研削効果は、研磨粒子、又は2つ以上の種類の研磨粒子が互いに密接に配置されたときに最適化されるからである。
一実施形態では、本発明による研磨粒子は、結合研磨物品にわたって均一に分布する。
非常に好ましい実施形態によると、本組成物又は物品は、成形研磨粒子及び任意選択的な二次研磨粒子の総量に対して、主要部分を占める成形研磨粒子、即ち、少なくとも50重量%〜最大100重量%の成形研磨粒子を含む。より好ましくは、本組成物又は本物品は、成形研磨粒子及び任意選択的な二次研磨粒子の総量に対して、少なくとも70%又は80重量%、更により好ましくは、90重量%超の成形研磨粒子を含む。
非常に好ましい実施形態によると、本発明に係る組成物又は物品は、本明細書で記載されるような平坦な三角形状又は平坦な矩形状の成形研磨粒子を含み、即ち、ここで、前記第1の幾何形状及び前記第2幾何形状は、実質的に同一の幾何形状(サイズは異なっていてもよいし、異なっていなくてもよい)を有し、前記同一の幾何形状は、共に三角形及び四辺形から、より好ましくは、本明細書で記載されるように三角形から選択される。
他の非常に好ましい実施形態によると、前記成形研磨粒子の最大寸法(又は長さ)は、約50μm〜2650μmの範囲、より典型的には、約100μm〜約1400μmの範囲から選択される。
好ましくは、本組成物又は本物品は、上記特徴部のうちの1つ以上の組み合わせ、即ち、成形研磨物品の主要部分、平坦な三角形又は平坦な矩形の成形研磨粒子、及び約50μm〜2650μmから、より典型的には、約100μm〜約1400μmの範囲から選択される成形研磨粒子の最大寸法から選択される1つ以上の特徴部の組み合わせを含む。
また、更なる態様において、本発明は、加工物品の提供方法にも関し、前記方法は、(1)初期形状を有する加工物品を提供する工程と、(2)本発明に係る研磨物品の少なくとも一部を、前記加工物品の表面に摩擦接触させる工程と、(3)前記加工物品の表面の少なくとも一部が研磨されるように、前記加工物品又は前記研磨物品の少なくとも一方を動かし、最終形状を有する加工物品を提供する工程と、を含む。
本発明によれば、前記最終形状は、典型的には、表面の少なくとも一部上に、少なくとも部分的には、結合研磨物品の表面プロファイルに対応する最終加工物品表面プロファイルを含む。
好ましい実施形態によると、前記最終加工物品表面プロファイルは、少なくとも1つの最終加工物品表面特徴部を含み、前記成形研磨粒子は、前記少なくとも1つの最終加工物品の表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有する。最終加工物品表面特徴部は、典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルに相補的な片われを有する。
典型的な場合では、表面プロファイルは、限定ではないが、谷部、山部及び谷部のパターン、三角形の窪み、三角曲線、正弦曲線、及び当該技術分野において既知の他のパターンを含むパターンから選択され得る。複数の実施形態では、前記最終加工物品表面特徴部は、典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルにおいて前記雄型表面特徴部に対応する、雌型表面特徴部である。それ故、好ましい実施形態では、前記表面プロファイルは、根元半径R(root)を呈する少なくとも1つの雌型表面特徴部を含み、前記根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦2 Lmaxであることを特徴とする。
本発明において使用される、用語「根元半径」とは、最終加工物品プロファイルにおける雌型表面特徴部の根元領域を広く指すように意図されており、いずれかの具体的な研削用途、又はいずれかの具体的な最終加工物品プロファイルの種類に言及するものではない。本明細書では、用語「根元領域」とは、雌型表面特徴部の極小部を包含する、雌型表面特徴部のプロファイル領域として言及される。それ故、本発明によると、根元は、任意の種類の加工物品プロファイルを指すことができ、ねじ又は歯車形状の加工物品に限定されない(しかしながら、本発明の様々な実施形態において、このような加工物品は好ましいものであり得る。)。
換言すると、前記最終加工物品表面プロファイルは、好ましくは、結合研磨物品が呈する前記表面プロファイルに含まれる前記雄型表面特徴部に対応する、少なくとも1つの雌型表面特徴部を含む。
それ故、雌型表面特徴部は、好ましくは、結合研磨物品の先端半径R(tip)に対応する根元半径R(root)を含む。
典型的には、最終加工物品プロファイルの雌型表面特徴部は、結合研磨物品の表面プロファイルに含まれる雄型表面特徴部に対応する。好ましい雌型表面特徴部は、本明細書で記載される好ましい雄型表面特徴部に対応する。しかしながら、少なくとも1つの雌型表面特徴部の具体的な形状は限定されない。例えば、雌型表面特徴部は、雄型表面特徴部に関して記載したように、(必須要件ではないが)長手方向軸を有していてもよい。雌型表面特徴部に関する「長手方向軸」とは、雌型表面特徴部へ引くことができる、想像上の基準線から、雌型表面特徴部の根元又は底部領域(即ち、雌型表面特徴部の極小部を囲む領域)を通って延びる軸として理解される。
前記雌型表面特徴部の形状は、前記長手方向軸に対して対称であってもよい。他の実施形態では、前記雌型表面特徴部の形状は、前記長手方向軸に対して対称でなくてもよい。
雌型表面特徴部は、概して雌型表面特徴部の底部(又は根元)領域を囲む2つのフランク(側面)を含む。底部領域は、典型的には、雌型表面特徴部の極小部を含む。底部領域は、これらの2つの側面又はフランクを接合する、雌型表面特徴部の表面プロファイル部分を広く指すように意図されており、この領域のいずれかの特定のプロファイル形状に限定する意図はない。それ故、このような特徴部が、好ましくは、根元半径R(root)に関して本発明に係る寸法上の要件に従う限りは、底部領域は、平坦な又は丸い表面特徴部、並びに尖った表面特徴部をも等しく含み得る。
フランクの性質は、特に限定されない。例えば、これらの2つのフランクは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、これらの2つのフランクは、(本明細書において定義される)雌型表面特徴部の長手方向軸に対して、互いに対称であってもよいし、これらの2つのフランク間にいかなる種類の対称性も生じない形状であってもよい。
例えば、これらの2つのフランクは、実質的に直線であってもよく、この場合において、底部領域は、これらの実質的な直線を雌型表面特徴部の極小部を含む曲線に変換し始める部分を含んでもよい。
これらの2つのフランクは、互いに対して下方に傾き、角ε’を含むようになっていてもよいが、これは必須要件ではない。他の実施形態では、これらの2つのフランクは、互いに実質的に平行であってもよい(これは、本明細書において、角ε’が約0°であることに対応するものとして定義される)。原則として、角ε’は、限定されない。典型的な場合では、角ε’は、約100°未満となるように、より典型的には、約85°未満となるように、又は、更により典型的には、約90℃以下となるように選択される。好ましい場合では、角ε’は、約28〜約82°、より好ましくは、約33°〜約65°、更により好ましくは、約55°〜約63°の範囲に選択される。しかしながら、更なる他の好ましい実施形態では、角ε’は、例えば、約25°〜約45°の範囲に選択され得ることから、これらの範囲は、限定であると理解されるべきではない。更なる他の実施形態では、実質的に29°、30°、35°、45°、55°、60°、80°、又は90°に対応する(又は、好ましくは、これらに等しい)角ε’を有することが望ましい場合がある。
角ε’は、典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルにおける角εに対応する。例としては、ねじ山の角度(隣接するねじのフランク間の角度)、又は隣接する歯車のフランク間の角度などが挙げられるが、これらに限定されない。
典型的な雌型表面特徴部の例としては、谷部、根元、角部、縁部、及び他の雌型プロファイル要素が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい雌型表面特徴部は、図3に示されるものなどの好ましい雄型表面特徴部に対応するが、これらに限定されない。
換言すると、前記根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、好ましくは、R(root)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦Lmax、又はより好ましくはR(root)≦0.8 Lmax、又はR(root)≦0.7 Lmax、又はR(root)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦0.5 Lmax、又はR(root)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
本明細書で使用するとき、用語「根元半径」又は「R(root)」とは、概して、雌型表面特徴部の極小部付近の領域に嵌め込み得る最小の曲率半径を指す。既に述べたように、最終加工物品プロファイルにおける根元半径R(root)(ねじ山又は歯車の根元半径など)は、典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルにおける先端半径R(tip)に対応する。特に限定はされないが、好ましい実施形態では、根元半径R(root)は、約0.01mm〜約6.00mmの範囲、好ましくは約0.05〜約3.00mmの範囲から選択される。
他の好ましい実施形態によると、最終加工物品プロファイルは、少なくとも1つの角部半径R(corner)(典型的には、結合研磨物品の表面プロファイルにおける角部半径に対して相補的な角部半径)を呈する表面特徴部を、先端半径の代わりに、又は先端半径に加えてのいずれかで、含む。角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、好ましくは、R(corner)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、角部半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦Lmax、又はより好ましくは、R(corner)≦0.8 Lmax、又はR(corner)≦0.7 Lmax、又はR(corner)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦0.5 Lmax、又はR(corner)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、角部半径R(corner)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(corner)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
1つ以上の角部半径に加えて先端半径を含み得る最終加工物品プロファイルの例としては、階段状プロファイルが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の結合研磨物品は、広範な研削用途において有利に使用され得る。
有益な効果は、特に、高い材料除去速度を含む研削用途、特に、粗削り、及び半粗削り操作から選択される研削用途(即ち、典型的に高い材料除去速度を含む用途)において達成され得る。しかしながら、本発明は、高い材料除去速度を含む研削用途に限定されず、仕上げ操作などの、高い材料除去速度を含まない研削用途においても有益に使用され得る。それ故、本発明の結合研磨物品は、粗削り操作から、半粗削り操作を経て、仕上げ操作に至るまで、広範な研削用途において好適に使用され得る。
具体的には、結合研磨物品は、加工物品の表面の少なくとも一部上での最終加工物品プロファイル(具体的には、本明細書において定義されるような最終加工物品プロファイル)の作製(本明細書では、このような研削用途は、簡略に「プロファイル研削用途」とも呼ばれる)を含む、任意の種類の研削用途において好適に使用され得る。
具体的には、有利な効果は、高精度研削が必要とされる研削用途において、典型的には、(特に、プロファイルの深部領域における、)最終加工物品表面プロファイルの精度のよい生産に関して、達成され得、このような最終加工物品表面プロファイルは、本発明により、精度よく(即ち、鋭く)付与され得る。
例示的な研削用途としては、標準化した、及び標準化されていない研削用途、例えば、DIN−8589:2003による方法などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の結合研磨物品は、ねじ研削、歯車研削、円筒研削、及び表面研削などの用途に特に有用であるが、これらに限定されない。
使用は、任意の特定のねじ山、歯車、又は表面プロファイルを提供することに限定されない。むしろ、当業者であれば、所望の加工物品プロファイルに基づき、好適な研削用途を容易に確立できる。本発明の結合研磨物品を使用して、あらゆる種類のねじ山、歯車、又は表面プロファイルを提供することができる。
例示的なねじとしては、Vねじ(例えば、DIN 13に従ったもの)、ウィットねじ(例えば、DIN 11に従ったもの)、管用ねじ(例えば、DIN 11に従ったもの)、丸ねじ(例えば、DIN 405に従ったもの)、アクメねじ(例えば、DIN 103に従ったもの)、メートル台形ねじ(metric trapezoidal thread)(例えば、DIN 103に従ったもの)、のこ歯ねじ(例えば、DIN 513に従ったもの)、及びスチールコンジットねじ(例えば、DIN 40430に従ったもの)などが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な歯車としては、平歯車(例えば、DIN 868に従った、歯の先端が歯車の回転軸に平行な歯車)、及びヘリカルギア(例えば、DIN 868に従った、歯の先端が回転軸に対して平行ではなく、角度を付けて配置されている歯車)、外歯車及び内歯車、かさ歯車、まがりばかさ歯車、ハイポイドギア、クラウンギア、ウォーム、非円形歯車、ラックアンドピニオン式ギア、エピサイクリックギア、太陽と遊星歯車、ハーモニックドライブ、ケージギアなどが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な表面プロファイルとしては、谷部、谷部及び山部のパターン、三角形の窪み、三角曲線、正弦曲線、及び当該技術分野において既知の他のパターンから選択されるパターンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
研磨中に適用される力は特に限定されず、研削用途に応じて選択され得る。
使用中、結合研磨物品は、乾式で、又は、好ましくは湿式で使用され得る。湿式研削中、結合研磨物品は典型的には、水又は市販の潤滑剤(冷却剤とも称される)を含み得る、研削流体と共に使用される。湿式研削中、潤滑剤は一般的に、加工物品及び砥石車を冷却し、境界面を潤滑化し、くず(チップ)を除去し、砥石車を清浄化するために使用される。潤滑剤は典型的には、流体が研削砥石車によって除去されないように、研削領域に直接適用される。使用される潤滑の種類は、加工物品の材料により、当該技術分野において既知であるように選択され得る。
一般的な潤滑剤は、水と混ざるその能力によって分類され得る。本発明において使用するために好適な第1分類としては、鉱油(典型的には石油系の油)及び植物油などの、油が挙げられる。本発明において使用するために好適な第2分類としては、潤滑剤のエマルション(例えば、鉱油ベース潤滑剤、植物油ベース潤滑剤、及び半合成潤滑剤)、及び水を含む潤滑剤溶液(典型的には半合成、及び合成潤滑剤)を含む。
本発明に係る研磨物品は、研削方法に特化した任意の研削機械で使用され得る。研削機械は、任意の好適な速度(一般的には、約10〜250m/sの速度)にて、電気的に、液圧により、又は空圧(pneumatically)により駆動され得る。
本発明による結合研磨物品は例えば、加工物品の研磨のために有用である。結合研磨物品は、鋼(粉末冶金鋼及び鋼合金、炭素鋼、軟鋼、工具鋼、ステンレス鋼、硬化鋼、ボールベアリング鋼、冷間加工鋼、鋳鉄)、非鉄金属、及び合金(例えば、アルミニウム、チタン、銅など)、硬質金属(例えば、炭化タングステン、炭化チタン、窒化チタン、サーメットなど)などの金属、セラミック(工業用セラミック、例えば、酸化セラミック、珪酸塩セラミック、非酸化セラミック)、並びにガラスから作製される加工物品において使用するために特に好適であり得る。しかしながら、結合研磨物品の使用は、これらの例示的な加工物品材料における使用に限定されない。
本発明の結合研磨物品は、細かな最終加工物品プロファイル(具体的には鋭い根元を有するもの)を精度よく付与することを意図した、任意の研削用途のために特に有用である。好ましい研削用途は、以降に更に例示する、ねじ研削、歯車研削、表面研削、及び円筒研削などが挙げられるが、これらに限定されない。
歯車研削
本発明において使用される用語、歯車研削とは一般的に、歯車の創成研削、及び歯車のプロファイル研削の方法を指す。歯車は、ギアボックスの速度伝達比を決定する。歯車の第2基本原理により、この比率は前の歯が係合離脱する前に次の歯が既に係合している場合においてのみ一定である。歯面の表面がより完全に研削されると、より適合した形態となり、ギアボックスはより滑らかかつ静かに運転する。歯面を機械加工するプロセスは、寸法の正確性及び形状の正確性においてより高い要求をもたらし、また構成要素の縁部領域の特性に特に高い要求をもたらす。マクロ及びマイクロ幾何(これは、歯により生じる雑音の量及び種類に影響する)は、品質要件によって厳しい制限内の許容誤差を有し、「ゼロ許容誤差」ポリシーが、歯面の縁部領域に適用される。構造体に対する影響の結果としての、縁部領域への損傷は、歯のより早い摩耗に寄与し、極端な場合において、歯を破損及び破壊する。これらの要件と関連して、異なる技術が有用であり得、これらは全て、本発明の範囲内に含まれる。
例示的な歯車研削技術としては、次のものが挙げられる。
−研削ウォームを使用した、連続的な創成研削技術による歯車研削:結合研磨物品(典型的には研削砥石車)が研削ウォームに対応する形状を有し、その基本的な歯のプロファイルは常にラックプロファイルをしている。研削ウォーム、及び歯車装置の連続的な創成研削を通じ、インボリュート形態が生じる。このプロセスは、歯車の連続生産に非常に役に立つ。
−鼓形研削ウォームによる歯車研削(連続的なプロファイル研削):連続的な創成研削技術とは異なり、この場合における結合研磨物品の形状は、基本的な歯のプロファイルとして、ラックプロファイルを備える研削ウォームに対応しない。代わりに、鼓形研削ウォームは、歯面の輪郭を位置付ける。研削プロセス中の歯の形状は、歯の空隙への工具の実質的に線形の係合を通じて生成される。この方法は、差動歯車において主に使用される研削かさ歯車に関して予め決定され、任意により、以降のホーニング工程と組み合わされてもよい。
−単一フランク創成研削:インボリュート形状は、創成研削プロセスにおいて生じ、プロセス中研削砥石車は、歯の空隙あたり、研削の方向において単一のフランクのみを機械加工する。この方法は、不変の砥石車の幅で、異なるモジュールの機械加工を可能にし、かつ左巻き、又は右巻き歯面に関して異なる切り込みを可能にする。
−放射状を備える形態、又はプロファイル研削:インボリュート形態は、結合研磨物品(最も典型的には研削砥石車)に転写され、これは、加工物品の歯の空隙に形状を生じる。
−回転切り込みを備える形態、又はプロファイル研削:インボリュート形態は、結合研磨物品(典型的には研削砥石車)に転写され、これはその後、加工物品の歯の空隙に形状を生じる。
歯車研削用途において使用するための結合研磨物品は、特に限定されず、上記の通りである。好ましい実施形態において、歯車研削用途において使用するための、結合研磨物品は、平坦な三角形、又は平坦な矩形から選択される粒子形状によって特徴付けられてもよく、任意により、特に好ましい粒子形状に関連して先に記載されたように、少なくとも1つの面が内方へ成形される。
表面研削
表面研削又は面研削技術は典型的には、周辺長手方向表面研削(大きい表面の表面研削、面研削)、及び周辺横方向表面研削(フルート状研削、プロファイル研削)に分割される。
周辺長手方向研削の場合、研削砥石車は直角で係合し、工作台によって移動される加工物品へと選択される送達度で前進する。プロセス中、切り込み及び供給率は、研削結果を規定する。
周辺横方向表面研削は、大きな平坦な表面に理想的に適している。この方法により、結合研磨物品はまた、加工物品に対して直角に位置付けられるが、結合研磨物品の幅と正確に対応する量だけ送達される。両方の方法が、往復研削及びクリープフィード研削に使用され得る。
往復研削により、結合研磨物品は加工物品上で、基準縁部と直角に「前後」に動き、生じる運動は「往復運動」として記載される。この方法は、表面研削の最も古い変形とみられ、低い切削深さ(例えば、0.005〜0.2mmの低さ)、及び高い工作台速度(例えば、15〜30m/分の範囲)により特徴付けられる。この技術は、研削が容易であり、バッチサイズが小さく、材料除去の量が少ない材料、並びに比較的少ない機械投資の場合に、特に有用である。
表面研削用途において使用するための結合研磨物品は、特に限定されず、上記の通りである。好ましい実施形態において、表面研削用途において使用するための、結合研磨物品は、平坦な三角形、又は平坦な矩形から選択される粒子形状によって特徴付けられてもよく、任意により、特に好ましい粒子形状に関連して先に記載されたように、少なくとも1つの面が内方へ成形される。
円筒研削
円筒研削は、一般的に、以下の4つの特徴の1つ以上、好ましくは全部を有することにより特徴付けられる研削技術である。
(1)加工物品が一定速度で回転する、(2)研削砥石車が一定速度で回転する、(3)研削砥石車が加工物品に対し向かって、及び離れるように送達される、(4)加工物品又は研削砥石車の一方が他方に対して横断する。
円筒研削用途の大部分が、4つ全ての運動を利用するが、4つの動作のうち3つのみを利用する用途も存在する。3つの主な種類の円筒研削は外径(OD)研削、内径(ID)研削、及び心なし研削であり、及びこれらの技術いずれか1つが本発明において好適に使用され得る。
−外径(OD)研削は、自動車産業など(これはカムシャフト及びクランクシャフトの研削に使用される)最も頻繁に使用される研削技術の1つである。工業的開発の過程で、及び結果として生じる要件に対応して、外径研削は、加工物品が搭載される方法により、かつ主要送達方向により異なる技術の異なる類型へと分類された。
○中心間の周辺横方向外径(OD)研削(プランジ研削としても既知)
○心なし周辺横方向外径(OD)研削
○中心間の周辺長手方向外径(OD)研削(プランジ研削としても既知)
○心なし周辺長手方向外径(OD)研削
中心間の研削のプロセスにおいて、加工物品は、その端面を取付具の中心に合わせる際に、2つの中心間においてしっかりとクランプされ、この位置において、加工物品は研削機械によって駆動される。砥石車の主要送達方向により(直角プランジ送達又は加工物品に沿った並行移動)、これは横方向又は長手方向研削と称される。
周辺横方向外径研削のプロセスにおいて、研削砥石車は一般的に加工物品に対して直角である。この技術は一般的に、直線的なプランジ研削を使用して、軸受け座部、肩部、及び溝を機械加工するために使用される。多くの場合において、カットインは、チップ除去速度を逓減させる割合の順で実行されるいくつかのプロセス工程に分割される。特定の作業、及びバッチの大きさにより、角度プランジ研削はより生産的であり得る別の形態である。
周辺長手方向外径研削のプロセスは、研削砥石車の幅よりも著しく長い円筒形、又は円錐形加工物品を必要とする用途において特に好適である。実施例としては、プレスシリンダー、及び製紙用のローラー、加えて、製鉄業におけるロールミルにおいて使用するためのロールの機械加工が挙げられるがこれに限定されない。この技術において、研削砥石車は、加工物品と平行に移動し、反転点において加工物品と直角に送り込まれる。要求される仕上がり寸法は、数回のパス、又は単一のパスのいずれかで得られ、後者は剥離研削と称される。これらの方法は、クリープフィード研削及び往復研削と同等である。自動車産業において、例えば、駆動シャフトの製造において剥離研削が使用される。
−心なし研削:柔軟又は脆性の材料で作製された、長く及び/又は薄い、丸い構成要素を大量に機械加工することが課題である場合、心なし研削が解決法であり得る。加えて、心なし研削は、単一のパスで行われる、マルチタスク(例えば、粗削り、及び仕上げ)を可能にする技術である。機械加工プロセス自体は、「外径研削」に関して先に記載したものと同様の他の円筒研削技術と対応する(中心がなくても、プロセスは依然として、プランジ研削及びスルーフィード技術を含む。)
−内径(ID)研削は、軸又はシャフトと非確動的接続を形成するために必要な構成要素において完全な機能面をもたらす。外径(OD)研削と同様に、この方法は、研削方向による2つの異なる技術へと分類される。
○周辺横方向内径(ID)研削(プランジ研削)
○周辺長手方向内径(ID)研削
研削砥石車及び加工物品の挙動について、両方の技術が中心間の外径(OD)研削とほぼ同一の特性を示す。ID研削が一般的に使用される用途の例としては、高精密嵌合を備えた孔の精砕が挙げられるがこれらに限定されない(研削砥石車が機械加工される表面よりも狭い必要があり、長手方向研削及びプランジ研削の組み合わせが必要である場合、硬質及び超硬質材料の機械加工において、単一のパスで異なる直径を機械加工し、加えてテーパ状嵌合を生じるため)。典型的な場合において、研削砥石車は、孔直径の2/3、又は最大4/5を超えないようにするべきである。
円筒研削用途において使用するための結合研磨物品は、特に限定されず、上記の通りである。好ましい実施形態において、円筒研削用途において使用するための、結合研磨物品は、平坦な三角形、又は平坦な矩形から選択される粒子形状によって特徴付けられてもよく、任意により、特に好ましい粒子形状に関連して先に記載されたように、少なくとも1つの面が内方へ成形される。
驚くべきことに、本発明に係る結合研磨物品は、広範な研削用途、及び特に高精密研削用途において優れた結果をもたらすことが見出された。
本発明の目的のため、高精密研削用途という用語は、有効表面プロファイル及び対応する最終加工物品プロファイルの点において、現時点での従来型の研磨剤で一般的に可能なものよりも、高精度であることを指すように意図されている。従来の研磨剤は、いわゆるセラミック研磨剤を含む全ての種類の酸化アルミニウム、及び炭化ケイ素を包含する。
驚くべきことに、本発明に係る結合研磨物品は、加工物品に最終プロファイルを付与可能な有効表面プロファイルを呈し得、より高精度な研削を、特に、加工物品表面プロファイルのより深いところまで行うことができることが見出された。
本発明の導入部において概要を述べた問題のため、鋭い根元を呈する最終加工物品プロファイルを提供することが困難な場合がある。具体的には、従来の粒子は、摩耗時に(及び目直しの際に)結合研磨物品から除去されるため、雄型表面特徴部の先端領域において切頭が生じ得る。結果として、雄型表面特徴部の先端領域が切頭された結合研磨物品を使用して付与された加工物品プロファイルは、対応する雌型表面特徴部が、同様に切頭され、根元の切頭がもたらされた、最終加工物品プロファイルをもたらすことになる。
本発明に係る結合研磨物品は、加工物品プロファイルの深部内における(特に鋭い根元に関する)優れた精度を有する最終加工物品プロファイルを提供するために、有利に使用することができる。最終加工物品プロファイルの精度を決定する例示的なパラメータの1つは、最終加工物品の雌型表面特徴部の根元半径R(root)である。
根元半径という用語は、関連する技術分野においてよく理解されている。例えば、ねじに関しては、用語「根元」とは、2つの隣接するねじ山の側面を接合する底部表面のことを意味し、一方で、用語「頂部(crest)」とは、ねじ山の2つの側面を接合する頂部表面のことを意味する。
前記根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、好ましくは、R(root)≦2 Lmaxであることを特徴とする。より好ましくは、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦0.8 Lmax、又はR(root)≦0.7 Lmax、又はR(root)≦0.6 Lmaxであることを特徴とする。更により好ましくは、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦0.5 Lmax、又はR(root)≦0.4 Lmaxであることを特徴とする。最も好ましい場合では、根元半径R(root)及び前記成形研磨粒子の最大寸法Lmaxは、R(root)≦0.35 Lmaxであることを特徴とする。
本発明は、あらゆる種類のプロファイル(特に非常に細かい寸法のもの)を広く提供することができるものと理解されたい。本発明は、いずれかの具体的な実寸に限定されない。しかしながら、好ましい実施形態では、本明細書で記載される本発明の態様は、少なくとも1つの根元半径R(root)が、約0.01mm〜約6.00mmの範囲、好ましくは、約0.05〜約3.00mmの範囲から選択されることを特徴とする、最終加工物品プロファイルを提供するために有用であり得る。
既に述べた効果に加えて、本発明の結合研磨物品は、長時間にわたって、又は、厳しい研削条件においても(例えば、特定の高材料除去速度において)、一定の研削結果をもたらすことが見いだされた。それ故、本発明は、過去に達成されたことのない性能の特徴の組み合わせを提供する。
加えて、本発明による結合研磨物品は、粗削り操作から、半粗削り操作を経て、仕上げ操作に至る、広範な研削用途において使用される加工物品のより良好な表面仕上げ(より低い表面粗さR)をもたらし得る。使用中、結合研磨物品はまた、加工物品を損傷するリスクを確実に低減させ(例えば、加工物品の燃焼、又は変色)、同時に使用中の結合研磨物品の目詰りを最小化させることを確実にする。
本発明の結合研磨物品は、より多くの加工物品の部分を目直し周期の間に仕上げることを可能にする長い目直し周期、加えて結合研磨物品の長い合計耐用寿命によって特徴付けられる。本発明の結合研磨物品を使用して実現され得る、より高い材料除去速度により、より短い研削時間が生じ、全体的により高い加工物品フローに寄与する。
研削用途の性能を特徴付けるために多くの場合において使用される別のパラメータは、特定のチップ体積V’である。V’は、目直しが行われる前(即ち、第1研削周期中)の研削用途中に除去される加工物品材料[mm]の合計量を示す。目直しがされなくてはならない時間(即ち、研削周期の終了時)は、研削作業の当業者によって容易に認識され得る。例として、研削周期の終了時は典型的には研削機械による電力のいくぶん際立った低下によって示される。研削周期の終了時を認識するための、追加的又は代替的指標として使用され得る他の要素としては、結合研磨物品の形状の損失、及びプロファイル保持の損失、加工物品の品質の低下、例えば、加工物品の燃焼又は変色、又は表面粗さRの増加により示される、より劣悪な表面仕上げが挙げられるがこれらに限定されない。
研削周期の終了時において、特定のチップ体積は、当該技術分野において既知であるように当業者によって容易に算出され得る。特定のチップ体積を決定する目的のため、研削の実際の開始が、研削周期の開始点と捉えられる。特定の研削用途の性能を評価するため、特定の材料除去速度Q’は典型的には一定に設定され、研削用途の性能は、特定のチップ体積V’に関して評価される。
実際、特定のチップ体積は、一般的に、研削用途において使用される、活性研磨物品のプロファイルの有効幅に基づく(即ち、特定のチップ体積は、結合研磨物品の幅1mm当たり(例えば、1研削周期中における1mm砥石車幅)除去される加工物品材料の合計体積を示す)。
本発明による結合研磨物品は驚くべきことに、特定のチップ体積V’に関して優れた結果をもたらすことが見出され(特に、歯車研削などの用途において)、したがって、例えば、再目直しのより高い設定限界に繋がる。チップ体積に関するこのような優れた結果は、驚くべきことに、高い材料除去速度においても(即ち、研削サイクルの際に高い定数値Q’を使用した場合にも)、達成され得ることを強調しておきたい。典型的には、従来の研磨粒子に基づく研磨物品は、より高い特定の材料除去速度Q’において、より低い特定の材料除去速度Q’における同一の研削用途と比較して、より低い特定のチップ体積V’を示し、また、典型的には、より高い特定の材料除去速度において使用される場合、燃焼、又は変色などの、加工物品に関する悪影響を示す。これらの厳しい研削条件においても、本発明による結合研磨物品を使用する際には、加工物品の燃焼又は変色は観察されなかった。
歯車研削用途などの特定の研削用途が、特定のチップ体積に関してこのような優れた結果をもたらすこと見出された一方で、他の研削用途は、同様の顕著な効果をもたらすものと考えられる。
本明細書において定義される、成形研磨粒子を組み込む本発明による結合研磨物品は、現在の従来の研磨剤(高性能研削用途に関して定義される)で一般的に達成され得るものよりも実質的に高い、特定のチップ体積を提供することができる。
研削業界の当業者は、適切な比較可能な結合研磨物品を確実に確認することができる。比較可能な結合研磨物品として使用するための好適な結合研磨物品は例えば、研磨粒子が成形されていないという点で異なる同じ研磨剤量に基づき得る。例えば、同じ結合研磨物品であるが、本発明による成形研磨粒子が、同じ化学組成を有する同じ公称寸法及び重量の破砕研磨粒子と置換されているものが、比較可能な結合研磨物品として使用され得る。比較可能な結合研磨物品はまた、評価される結合研磨物品として使用される際、同じ化学的組成を有する、いずれかの光学的二次研磨粒子の同じ公称寸法及び重量を含む。それ故、評価される結合研磨物品に含有される、本明細書において定義される成形研磨粒子は好ましくは、特定のチップ体積V’を評価する際に使用される比較可能な結合研磨物品との差のみを表す。これは、同じ種類(特に、化学組成に関して)、及び同じ量の結合媒体(及び存在する場合は、任意により同じ体積の多孔率)が好ましくは、評価される結合研磨物品、及び比較可能な結合研磨物品に使用されることを意味する。
単に例として、本発明において達成可能な特定のチップ体積は典型的には、このような現在の従来の研磨剤に基づき、比較可能な結合研磨物品で一般的に達成され得るよりも、2、又は5、又は10、又は15、更に20倍高い。
本結合研磨物品は、形状又はプロファイルの高い保持性を特徴とすることから、目直しがより少ないことが必要であり、それ故、これは、プロセス及び工具の消費における経済性により優れることを意味する。
ビトリファイド結合研磨物品における、成形研磨粒子の使用(任意により1つ以上の内方へ成形された面を有する、本明細書において記載される平坦な三角形及び平坦な矩形)は、結合研磨物品の広範な異なる組成、加えて広範な用途のために、これらの有益な効果が達成されることを可能にする。いくつかの用途において、研磨物品が物品に存在する研磨粒子の総量に基づいて、本発明による成形研磨粒子を100%含む場合に最も顕著な効果が達成されるが、物品に存在する研磨粒子の総量に基づいて、例えば、最低5重量%の本発明による成形研磨粒子、及び最大95重量%の二次研磨粒子を含む物品がまた、広範な用途にわたり優れた性能をもたらすことが示された。
本発明において達成される効果はまた、結合研磨物品が典型的に、いずれかの特定の配向の成形研磨剤を含む必要がないという点において予期せぬものである。配向が利益となり得る、比較的薄くコーティングした研磨物品の状況とは異なり、結合研磨物品(例えば、砥石車、区分、層、又はその一部)は典型的にはランダムな配向の成形研磨粒子を含むが、粒子の配向は、本発明の領域から排除されない。
粒子及び表面プロファイル寸法の測定
成形研磨粒子の寸法(例えば、長さ、幅、及び厚さ)は例えば、当該技術分野において既知の方法を使用して、例えば、定規、バーニャキャリパー、マイクロメータ、又は顕微鏡測定技術などの従来の測定ツールの使用により、及び典型的には好適な数の測定の平均の計算により、測定され得る。
例えば、Nikon Americas Inc.(Melville、NY)から入手される、Nikon MM−40などの測定顕微鏡を、以下の試験方法に従って、使用することができる。1つ以上の成形研磨粒子を、好ましくは、(存在する場合には)最も大きな実質的な平坦面を、(粒子に存在する場合には、皿状面又は凹面を上にして)スライドガラスに接触させることにより、スライドガラス上に支持する。スライドガラスはその後、Nikon MM−40顕微鏡の試料台上に配置される。試料台は、X及びY方向に移動する能力を有し、これはまた、X−Y方向の移動距離のカウンターを備える。十字線が、成形研磨粒子の外側頂点の1つと位置合わせされる。例えば、薄い三角形の粒子は、3つの頂点の1つを使用し、矩形の基部角錐は、角錐の4つの矩形基本頂点の1つを使用する。X及びYのカウンターをゼロに合わせる。十字線はその後、測定される幾何形状の次の外側頂点へと時計回り方向に動かされ、X及びYの読み取り値が記録される。時計回り方向に移動する残りの外側頂点はその後、順次測定される。各外側頂点のX及びY座標はその後、表計算シートに入力され、頂点のいずれか2つの間の最大寸法が、ピタゴラスの定理により計算される。
三角形に関して、長さは、3つの頂点のいずれかの2つの隣接する頂点の間の最大距離である。矩形において、長さは、隣接する頂点の間の最大距離である。細長い平行四辺形において、長さは、隣接する頂点の間の最大寸法である。凧形又は菱形において、長さは相対する頂点の最大寸法である。別の幾何形状に関して長さを決定するための最大寸法は、顕微鏡内で幾何形状を見た際に、当業者によって決定され得る。その後、長さ寸法がX軸と平行になるように、選択される頂点の座標を使用するか、又は試料台若しくはスライドを回転させることにより、長さと垂直な幅が測定され得る。三角形において、幅は、隣接する頂点間の最も長い辺と、反対側の頂点との間の最大距離である。矩形において、幅は、より短い相対する頂点の2つの対の間の、最大寸法である。細長い平行四辺形において、幅は、最も長い隣接する頂点間の辺と、対向する辺との間の最大寸法である。凧形又は菱形において、幅は、相対する頂点の短い方の寸法である。別の幾何形状に関して幅を決定するための最大寸法は、顕微鏡内で幾何形状を見た際に、当業者によって決定され得る。
Nikon MM−40顕微鏡はまた、カウンターを有するZ軸スケールを備える。厚さt(スライドガラスからの高さ)を測定するため、最初に、(最高精度が)100倍の対物レンズを用いて、スライドガラスの上面に視野の焦点を当てる。Zカウンターはその後ゼロに合わせられる。視野はその後、観察され得る成形研磨粒子の最も高い可能な点に移動され(より高い点を見つけるためにより低い倍率が必要なことがある)、顕微鏡はこの最も高い点で100×倍率で再び拡大される。粒子の厚さは、再拡大後に、Z読み取り値によって測定される。
少なくとも20の成形研磨粒子の、対象の寸法が測定される(個別の長さ、個別の幅、個別の厚さ)。対象の寸法の平均(個別の長さ、幅、厚さ寸法)が、測定される成形研磨粒子の寸法(長さ、幅、厚さ)を画定するために、それぞれ測定される。
測定の目的のため、開口部を有する粒子の厚さは、粒子の実際の最大厚さの部位において測定される(即ち、典型的には開口部内ではない)。典型的には、最も短い側部に関連する寸法、開口部を有する粒子の幅及び長さは、開口部とこれらの寸法のいずれか1つ(存在する場合)との重複の長さを引くことなく測定される。例えば、均一な厚さtの第1の側部と第2の側部との間で延びる開口部を有する、等辺のプリズム粒子の幅及び長さは、開口部を考慮することなく、第1の面(又は第2の面)の外辺部に基づいて測定され得る。
体積アスペクト比は、上記のように顕微鏡測定技術によって決定される、粒子の実際の最大及び最小断面積、及び/又は外部寸法を使用して、好適な数(例えば、20回以上)の個別の粒子測定値の平均を計算することによって、当該技術分野の方法を使用して決定され得る。正三角形の成形研磨粒子に関し、厚さ及び辺の長さは、上記顕微鏡技術、及び測定される体積アスペクト比によって測定され得る。
成形研磨粒子に関しては、曲率半径は、例えば、(例えば、国際公開第2011/109188号、12ページ25行目〜13ページ7行目に記載されているように)、倒立光学顕微鏡と連動するClemex Technologies,Inc.(Longueuil,Quebec,Canada)から入手可能なCLEMEX VISION PE画像解析プログラム、又は他の適切な画像解析ソフトウェア/機器を使用した画像分析を使用して測定することができる。第1の面と第2の面との間でとられた好適な研磨断面を使用して、側壁の縁部又は角点の顕微鏡検査を補助することができる。成形研磨物品の点の各々の曲率半径は、観察したときに(例えば100倍率において)、点の各々の先端において3つの点を画定することによって決定することができる。点は先端の曲線の始点に配置され、先端の頂点において直線の縁部から曲線の始点への移行と、湾曲した先端から直線の縁部に戻る移行が存在する。次に、画像解析ソフトウェアが、これら3つの点(湾曲の開始、中間点、及び終了)によって定義される弧線を描き、曲率半径を算出する。少なくとも30の頂点について曲率半径が測定され、平均をとって、平均先端半径が決定される。
平均真円度係数は、米国特許出願公開第2010/0319269号の[0029]〜[0033]に記載されるように、上記特許出願公開の[0029]に定義される横方向切断Cを使用して決定される。
本発明の目的のために、結合研磨物品の表面プロファイルにおける、対象とする表面特徴部の寸法(雄型表面特徴部の高さ、表面特徴部の幅、プロファイルの深さ、角部半径、又は先端半径など)は、当該技術分野において一般に周知の方法に基づいて、容易に決定することができ、例えば、カーボンブラシ(Schunk Kohlenstofftechnik GmbH(Heuchelheim、Germany)製の「Werkstoff L 53 ZP」など)のシムで、結合研磨物品の有効表面プロファイル(典型的には、好適な、即ち、可能な限り所望のプロファイルに近いものを達成可能な目直し方法を使用することによる目直し後で、かつ使用前のもの)を再作製すること、及び、当該技術分野において既知の、好適な方法及び装置を使用し、例えば、投影機(profile projector)(旧Henri Hauser AG(Biel/Bienne、Switzerland)製のISOMA M119、又はHauser machine type 218など)を使用して、再作製したプロファイルで、対象とされた表面特徴部の寸法を決定することにより、決定することができる。他の選択肢は、対象とする任意の1つ又は複数の表面特徴部の1つ又は複数の寸法(半径、距離、角度、極大点、極小点など)を精度よく決定可能なソフトウェアが付属した高精度輪郭測定装置を使用することである。好適な高精度輪郭測定装置の一例としては、Mahr GmbH Gottingen(Gottingen、Germany)製の、CD120駆動ユニット、MarSurf ST500測定スタンド、及び、測定作業に対する最適な調整を行うためのプローブアームを有する、MarSurf XC10がある。
最終加工物品プロファイルにおける表面特徴部の寸法(雌型表面特徴部の深さ、表面特徴部の幅、プロファイルの深さ、根元半径、又は角部半径など)は、当該技術分野において既知であるような、好適な測定方法を使用し、例えば、投影機(ISOMA SA(Biel/Bienne、Switzerland)製のISOMA M119など)を使用して、最終加工物品の形状に基づき、容易に決定することができる。好適なデジタル式の方法は、得られる加工物品プロファイルを示す試験用シートの使用と、加工物品のプロファイルを検出する工程と、を含んでもよい。根元半径は、雌型表面特徴部の極小部の周りの領域に嵌め込み得る、最小の曲率半径を測定することによって決定され、例えば、歯のフランクにおいて接線を配置し、これらの接線がフランクからそれ始める点において、開始/終端する最小の弧の半径を測定することによって決定される。角部半径は、角部領域に関することを除き、根元半径に関して記載したように、即ち、角部を含む領域に嵌め込み得る最小の曲率半径を決定することにより、確定される。
以降の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これらの実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、割合、及び比率は、重量による。特に指示されない限り、研削は、水中の油又は合成潤滑剤(例えば、Castrol LTd.又はCastrol Groupから入手可能なCastrol Syntilo 81 E若しくはCastrol Syntilo CR 4、又はCimcool(登録商標)Fluid Technology,LLCから入手可能なCimtech(登録商標)D18など)の3〜5%エマルション(体積/体積)など、研削用途に一般的な潤滑剤を使用して、湿式で行われた。
Figure 0006670608

最終製品中に存在しない。
実施例I−ねじ研削
A.研磨研削ツールの製造プロセス
表1に記載される組成、種類、寸法(砥石車径×厚さ×気孔径)、形状、及び結合剤を有するビトリファイド結合研磨研削砥石車が、以下のように調製された。
A.研磨研削砥石車の製造プロセス
同じ結合剤及び砥石車寸法(350×12×160mm(砥石車径×厚さ×気孔径))、及びT1形状(DIN:ISO 603:1999による)を有するビトリファイド結合研磨研削砥石車、即ち平形研削砥石車が、以下の製造プロセスによって調製された。
(i)混合
これらの実施例に関して特定される研磨粒子/粒子混合物が混合凝集体内に配置され、混合中に液体状一時的結合剤がこれに加えられた。約3〜5分にわたり撹拌した後、ビトリファイド結合前駆体混合物、及び固体状一時的結合剤からなる混合物が加えられ、混合は約10分間にわたり十分に行われた。
(ii)ふるいがけ
所与の実施例に関して、工程(i)で得られる混合物は、16メッシュ(メッシュ寸法1.18mm)のふるいで、ふるいがけされた。
(iii)成形
工程(ii)で得られる混合物は、成形型に配置され、加圧することで未焼成体がもたらされる。100%80+を含む研磨混合物を有する未焼成体のための典型的な形成圧力は126〜150kg/cm(12.4〜15MPa)であり、30% 80、60+、又はT形研磨粒子を含有する研磨混合物を有する未焼成体においては21〜51kg/cm(2.1〜5.0MPa)である。
(iv)熱処理
所与の実施例に関し、得られた未焼成体は130℃の温度で乾燥され、930℃の温度で焼結される。
(vii)仕上げ
仕上げ操作は、孔、横方向表面、及び周辺表面の研削を含む。
Figure 0006670608

焼成前の未焼成砥石車の重量
**ここで、及び以下において、砥石車タイプ(又は研磨物品又はツールタイプ)は、試験研磨ツールの硬度/構造に関し、研磨ツール(例えば、砥石車又はセグメント)内の結合剤及び多孔率の割合に基づき、タイプI(より低い体積率の結合剤及び研磨粒子、及びより高い体積%の多孔率)からタイプII(より高い割合の結合剤及び研磨粒子、及びより低い体積%の多孔率)の種類に分類され、体積%の高い結合剤ほど、より数字の大きいタイプ(higher type)に、かつ、より剛性又は硬質の研磨ツールに対応する。
例えば、特に実施例I(即ち、タイプII、又はタイプI)に関して、タイプIの試験砥石車は、タイプIIの砥石車に存在するより高い体積%の結合、及びより低い多孔率のために、タイプIIの試験砥石車と比較して、使用される研削条件下においてより固く、又はより剛性に機能するものと考えられる。
B.試験手順
実施例Iと同様に調製された研削砥石車について、砥石車の研削性能を確認するために、ねじ研削用途における試験を行った。
実施例Iの砥石車を使用して、研削試験は以下の研削条件を使用して行われた。
Figure 0006670608
C.結果
Figure 0006670608
適用範囲を調査するため、適用するパラメータセット、研削時間、及び研削サイクルの数に関して、試験用ホイール(実施例I−1)に対し、次のような改善を行った。加工物品の回転を、比較例参照番号I−2に比較して、粗研削プロセスにおいて約345%、仕上げ研削プロセスにおいて200%増加させた。動作速度を、粗研削プロセスにて約57%、及び仕上げ研削プロセスにて約17%増加させた。目直しサイクルの数を、50%減少させた。これらのパラメータの増加により、全研削時間が約68%減少した。根元半径を考慮すると、改善が観察された。根元半径は、0.15mmと測定された。このねじ山の最大許容根元半径R(root)は、0.26mmである。加工物品の燃焼及び研削砥石車の目詰りは生じなかった。記載した研削条件は、比較例参照番号I−2に対しては、この研削工具にとって、過負荷となり(即ち、プロファイルの消失、研磨剤の抜け出し、目詰りなどを示し)、それ故、結果的に研削性能が不十分となると考えられることから、適用できない。

Claims (3)

  1. 結合研磨物品の作製に使用するためのビトリファイド結合研磨物品であって、前記ビトリファイド結合研磨物品は、成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含み、前記成形研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含み、前記第1の側部は、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含み、前記厚さtは、前記粒子の最も短い辺の長さと等しい、又はこれより短く、結合研磨物品の調製のために、前記ビトリファイド結合研磨物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有し、
    前記表面プロファイルが、意図する研削動作の方向に沿って実質的に同一であるパターンを有し、
    前記表面特徴部が、加工物品に当該表面特徴部と相補的な形状を与えるための前記表面プロファイルの部分である、ビトリファイド結合研磨物品
  2. 成形研磨粒子と、ガラス質結合剤を含む結合媒体と、を含む結合研磨物品であって、前記成形研磨粒子は、それぞれ、厚さtで分離された第1の側部及び第2の側部を含み、前記第1の側部は、第1の幾何形状の外周部を有する第1の面を含み、前記厚さtは、前記粒子の最も短い辺の長さと等しい、又はこれより短く、前記結合研磨物品は、少なくともその表面の一部上で、少なくとも1つの表面特徴部を含む表面プロファイルを呈し、前記成形研磨粒子は、前記表面特徴部と比較して、ほぼ同程度又はより大きい最大寸法を有し、
    前記表面プロファイルが、意図する研削動作の方向に沿って実質的に同一であるパターンを有し、
    前記表面特徴部が、加工物品に当該表面特徴部と相補的な形状を与える前記表面プロファイルの部分である、結合研磨物品。
  3. 前記表面プロファイルは、少なくとも部分的には、目直しによって付与されている、請求項1に記載のビトリファイド結合研磨物品
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