JP6670220B2 - 芳香成分の拡散装置及び拡散方法 - Google Patents

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本発明は、芳香成分の拡散装置及び拡散方法、特に、空気の粗密波、振動あるいは脈動などを伴う気流を利用して芳香成分を拡散させることのできる芳香成分の拡散装置及び拡散方法に関する。
従来より、人にとっての良質な入眠環境を整えることを意図してある種の芳香(アロマ)やスピーカによる再生音を利用することが行われている。また、一定の光環境を創り出すことによって良質な入眠環境を整えることも行われている。
先行例として、超音波振動によって発生させた霧に香料成分を同伴させるようにしたアロマディフューザーが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。さらに他の先行例として、アロマディフューザーやメロディカードをプリザードフラワーといった装飾品と組み合わせて使用するようにしたヒーリングプリザードフラワーも提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
そのほか、アロマディフューザーのような芳香成分の拡散装置には、芳香成分を自然拡散させるもの、芳香成分を加熱して拡散させる方法を利用したもの、なども知られている。
特開2016−153117号公報 特開2011−106078号公報
本発明は、以上の状況の下でなされたものであり、芳香成分担持体に含浸させた芳香成分を、空気の粗密波、振動あるいは脈動などを伴う気流を利用して拡散させることのできる芳香成分の拡散装置及び拡散方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、人にとっての良質な入眠環境を、芳香環境に音環境又は光環境を組み合わせて整えるという状況を創り出す場合に、スピーカーユニットによる再生音の周波数が、人に聞こえる周波数(良聴周波数)である場合は勿論、人に聞こえにくい周波数(難聴周波数)であっても、そのスピーカーユニットの作動によって生じる気流を利用して芳香成分を拡散させることのできる芳香成分の拡散装置を提供することを目的としている。
本発明に係る芳香成分の拡散装置(以下、「本発明装置」という。)は、芳香成分を含浸させた芳香成分担持体を用いる芳香成分の拡散装置であって、振動板の振動によってその前側に向けて再生音と気流とを生じさせる機能を備えたスピーカーユニットでなる起振手段と、この起振手段の作動によってその前側に生じた気流が接触する箇所に配備された上記芳香成分担持体と、を備えている。加えて、上記スピーカーユニットの振動板の振動によって気流と共に発せられる再生音は、スピーカーユニット駆動回路に組み合わされたローパスフィルター回路の機能を介して、所定周波数よりも高い音及びその所定周波数以下の音の両方を減衰させない第1モードと、上記所定周波数よりも高い音を減衰させて上記所定周波数以下の音を減衰させない第2モードと、の2つのモードから選択可能である、という構成を備えている。
この本発明装置によれば、起振手段の作動によってその前側に生じた粗密波、振動、脈動などを伴う気流が芳香成分担持体に接触することにより、接触後に芳香成分担持体から離れる気流に芳香成分が同伴してその気流と共に拡散する。また、スピーカーユニットの本来の機能である音の再生のみならず、スピーカーユニットからその前側に向けて放出される気流が芳香成分担持体から芳香成分を拡散させることに利用される。この発明装置において、振動板の振動によってその前側に向けて再生音と気流とを生じさせる機能を備えたスピーカーユニットの代表例としてダイナミック型のスピーカーユニットがある。これによれば、スピーカーユニットの本来の機能である音の再生のみならず、スピーカーユニットからその前側に向けて放出される気流が芳香成分担持体から芳香成分を拡散させることに利用される。さらに、この発明装置によれば、たとえば、室内でスピーカーユニットによる再生音を聴く場合には第1モードを選択し、室内で再生音を流したくない場合や、屋外でイヤホーンを利用して電車内などで再生音を使用者自身だけで楽しみたい場合などには第2モードを選択するといった使い分けが可能になり、そのいずれの場合においても、スピーカーユニットの振動に伴って生じる気流が芳香成分担持体から芳香成分を拡散させることに利用される。
本発明装置では、筒形筐体の内部に装備されたスピーカーユニットの上記振動板が、その振動板の前側に配備された保護カバーによって覆われ、その保護カバーに上記気流を通過させることのできる多数の音口が開設されていると共に、その保護カバーを挟んで上記振動板の反対側に、板状に形成された上記芳香成分担持体がその保護カバーに対面して配備されている、という構成を採用することが可能である。この構成を採用すると、スピーカーユニットによって発せられる再生音と芳香成分担持体に接触する気流とが保護カバーの音口を通過するために、再生音によって創り出される音環境と、気流が芳香成分担持体から芳香成分を拡散させることによって創り出される芳香環境と、の両方が同時に創り出される。しかも、スピーカーユニットやその振動板などに異物が当たってそれらが損傷するというような事態が保護カバーによって未然に防止される。さらに筒形筐体がスピーカーユニットによる再生音の音質を向上させる機能を発揮するエンクロ−ジャとして役立つ。
本発明装置において、上記保護カバーはその外周部のみに多数の上記音口が配列されているのに対し、その中央部が音口を有しない遮蔽部とされ、その保護カバーに間隔を隔てて配備された上記芳香成分担持体の外周部が、その遮蔽部の外側へ張り出して上記音口に臨んでいる、という構成を採用することが可能である。これによれば、保護カバーの遮蔽部によって、芳香成分担持体に含浸されている芳香成分を含む薬剤による悪影響からスピーカーユニットやその振動板が確実に防護される。これに加えて、保護カバーの音口を通過した気流が、保護カバーと芳香成分担持体の外周部との間隔によって形成されている隙間内で拡散して芳香成分担持体の外周部のみに接触することにより、芳香成分は主に芳香成分担持体の外周部から満遍なく一様に拡散する一方で、芳香成分担持体の中央部から外周部に向けて芳香成分担持体に含浸されている芳香成分が漸次補給されることになる。したがって、芳香成分担持体に含浸されている芳香成分が効率よく有効使用されることになる。
本発明装置では、上記保護カバーが樹脂製であり、その保護カバーの上記遮蔽部に、上記芳香成分担持体に含浸されている芳香成分を含む薬剤に対する耐食性を備えた板状のスペーサーが重ね合わされ、そのスペーサーに上記芳香成分担持体を重ね合わせることによって、芳香成分担持体の外周部と上記保護カバーの外周部との間の上記間隔を保たせている、という構成を採用することが可能である。これによれば、板状のスペーサによって芳香成分担持体の外周部と保護カバーの音口形成箇所との間隔が保たれるだけでなく、芳香成分担持体に含浸されている芳香成分を含む薬剤が樹脂製の保護カバーに付着してその保護カバーを劣化させるという事態を防ぐことにスペーサーが役立つ。
本発明装置では、上記保護カバーに設けられスペーサーの上記嵌合孔から突出した上記突起に上記芳香成分担持体に設けられた嵌合孔を抜き差しすることによってその芳香成分担持体を上記スペーサーに対して着脱可能としていることが望ましい。これによれば、保護カバーに対するスペーサーの装着や芳香成分担持体の交換操作が容易にかつ迅速に可能になる。
本発明装置では、上記筒形筐体が上記スピーカーユニットの背方に向けて延長されていて、その延長側の端部に発光モジュールが設置されていると共に、その筒形筐体の胴壁部に、外部から上記発光モジュールの作動状態を覗き見ることのできる開口窓が設けられている、という構成を採用することが可能である。この構成を採用すると、使用者にとっては、芳香成分の拡散とスピーカユニットによる音の再生とによる作用と併せて、発光モジュールによる光学的表示の作用が得られ、それらの相乗作用によって良質な入眠環境を整えやすくなる。
一方、本発明に係る芳香成分の拡散方法(以下、「本発明方法」という。)は、芳香成分を含浸させた芳香成分担持体を用いる芳香成分の拡散方法であって、振動板の振動によってその前側に向けて再生音と気流とを生じさせる機能を備えたスピーカーユニットでなる起振手段の作動によってその前側に生じる気流を、上記スピーカーユニットの振動板の前側に配備された保護カバーに設けられている多数の音口を通過させることにより上記芳香成分担持体に接触させてその芳香成分担持体から芳香成分を周囲に拡散させると共に、上記振動板の振動によって気流と共に発せられる再生音の周波数を、所定周波数より高い音及びその所定周波数以下の音の両方を減衰させない第1モードと、上記所定周波数より高い音を減衰させて上記所定周波数以下の音を減衰させない第2モードと、の2つのモードから選択する、というものである。この方法は、たとえば請求項1に記載した本発明装置によって実行される。
本発明方法では、上記芳香成分担持体の外周部を間隔を隔てて上記カバーに対面させておくことによって、上記音口を通過した上記気流を拡散させた後に上記芳香成分担持体の外周部のみに接触させてその芳香成分担持体に含浸されている上記芳香成分を周囲に拡散させながら、上記芳香成分担持体の中央部から外周部に向けて芳香成分担持体に含浸されている上記芳香成分を補給させる、という構成を採用することが可能である。この方法は、たとえば請求項3及び請求項5に記載した本発明装置によって実行される。
本発明方法では、上記スピーカーユニットによる音の再生に、大きなダイナミックレンジを有し、かつ、音圧の高い部分と低い部分とが交互に現れる音源を用いることが可能である。この方法を採用すると、音源の大きなダイナミックレンジ及び音圧の高低がスピーカーユニットの振動板の振動によって発現するので、芳香成分担持体に接触する気流の強さや速さが広いレンジで変化し、そのことによって芳香成分の拡散による芳香に顕著な強弱が生じる。そして、このことが、芳香に対する人の慣れ習性を緩和することに役立って、芳香による体感作用の持続性が向上する。
以上のように、本発明に係る芳香成分の拡散装置及び拡散方法によれば、気流を芳香成分担持体に接触させることによって芳香成分を拡散させることできるようになる。また、人にとっての良質な入眠環境を、芳香、音又は発光モジュールによる光学的表示を組み合わせて整えることも可能になる。
本発明の実施形態に係る芳香成分の拡散装置の一例を示した概略斜視図である。 同拡散装置の上部の構成を示した縦断側面図である。 同拡散装置の上部構造を示した平面図である。 同拡散装置の横断平面図である。 同拡散装置の底面図である。 スピーカーユニットによる再生音の周波数を選択するための対策を実行するための回路の一例を示した概念図である。
以下、本発明に係る芳香成分の拡散装置を、本発明に係る芳香成分の拡散方法と併せて説明する。図1は本発明の実施形態に係る芳香成分の拡散装置の一例を示した概略斜視図、図2は同拡散装置の上部の構成を示した縦断側面図、図3は同拡散装置の上部構造を示した平面図、図4は同拡散装置の横断平面図である。
この拡散装置では、図2のように、筒形筐体10の上部にダイナミック型のスピーカーユニット20が上向きに組み付けられていて、スピーカーユニット20による再生音の音質が、筒形筐体10のエンクロージャとしての機能によって高められるようになっている。スピーカーユニット20はダイナミック型であって、同図に例示したように、ヨーク21、磁石22、ボイスコイル23などによって構成される磁気回路や、コーン形の振動板24、フレーム25、環状ガスケット26などを備えている。また、筒形筐体10の上部に、保護カバー30が配備されている。図例では、保護カバー30が筒形筐体10と共に樹脂で円板形に一体成形されているけれども、この点は、樹脂製の保護カバー30を別体として筒形筐体10に装着しておいてもよい。
図1〜図3に示したように、円板形の保護カバー30は、スピーカーユニット20の近傍箇所でその前側(実施形態では上側に相当する。)の全体を覆っていて、この保護カバー30が、スピーカーユニット20やその振動板24などを物理的に防護することに役立っている。すなわち、スピーカーユニット20やその振動板24などに異物が当たってそれらが損傷するというような事態が保護カバー30によって未然に防止されている。図2及び図3に示したように、保護カバー30は、その外周部のみに円環状に2列に亘って配列された多数の音口31,32が開設されているのに対して、その中央部は音口を有しない遮蔽部33とされている。さらに、保護カバー30の中心部に突起34が上向きに設けられている。そして、嵌合孔41を有する円板状のスペーサー40の上記嵌合孔41が上記突起34に嵌め込まれていることによって、スペーサー40が保護カバー30の遮蔽部33の上に重ね合わされている。スペーサー40は、後述する芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分を含む薬剤が付着しても容易に腐食や劣化を起こさない材料、たとえばアルミニウム合金などの金属や高耐食性樹脂などで作られている。さらに、保護カバー30に2列に亘って円環状に配列されている音口31,32のうち、外周側の音口31は内周側の音口32よりも径大になっている。また、両方の音口31,32は、スピーカーユニット20による再生音を通過させるだけでなく、スピーカーユニット20の振動板24の振動によって生じる気流を通過させるのにも十分な大きさを有している。
図1において、50は芳香成分担持体である。この芳香成分担持体50は、フェルトなどの不織布で円形に作製されていて、その中心部に嵌合孔51を有している。また、この芳香成分担持体50には、その全体に亘って芳香成分を含む薬剤が含浸されている。芳香成分を含む薬剤はスポイトなどを使って芳香成分担持体50に滴下して含浸させることも可能であるけれども、芳香成分を含む薬剤を含浸させた芳香成分担持体50を使い捨てタイプとして提供することも可能である。
図2のように、芳香成分担持体50はその嵌合孔51を、保護カバー30の遮蔽部33に重なり合った板状のスペーサー40の嵌合孔41から突出している上記突起34に嵌合させることによって、そのスペーサー40の上に重ね合わされる。こうして、スペーサー40の上に芳香成分担持体50を装着した状態では、図2のように、芳香成分担持体50の外周部が、スペーサー40や保護カバー30の遮蔽部33の外側へ張りだして保護カバー30の音口31,32に間隔Sを隔てて臨んでいる。さらに具体的には、図3に仮想線で示したように、スペーサー40や保護カバー30の遮蔽部33の外側へ張り出している芳香成分担持体50の外周部が、保護カバー30の音口31,32のうちの内周側の径小な音口32の半分程度だけを覆うようになっていて、径小な音口32の残りの部分や径大な音口31は芳香成分担持体50の外周部によっては覆われていない。図2には芳香成分担持体50が径小な音口32を覆う範囲を符号Aで示している。
次に、図1によって判るように、筒形筐体10は、スピーカーユニット20の背方(下方)に向けて延長されていて、その延長側の端部、すなわち下部に、発光モジュール60が設置されていると共に、筒形筐体10の胴壁部には、外部から発光モジュール60の作動状態を覗き見ることのできる大きな開口窓11が設けられている。発光モジュール60は、たとえば所要数の発光素子のマトリックスでなる。この発光モジュール60では、多数の発光素子の幾つかを点滅させたり発光色を変えたりすることによって、文字や柄模様、その他の形態の表示を光学的に表現させることが可能である。また、文字や柄模様、その他の形態の表示を、スピーカーユニット20による再生音に同調させることも可能である。
図1のように、筒形筐体10には、バッテリー(不図示)が装着されるホルダー部12が一体に設けられていて、このホルダー部12に装着したバッテリーの電力が、スピーカーユニット20や発光モジュール60の駆動電力として利用される。
図5は図1の拡散装置の底面図である。同図のように、筒形筐体10の下面に、1つのモード切り替えキー61と、4つの機能キー62,63,64,65が装備されていて、これらのモード切り替えキー61や、機能キー62,63,64,65のいずれかを選択操作することによって、スピーカーユニット20の作動の開始や停止、スピーカーユニット20の音量調節や選曲、発光モジュール60による表示形態の設定などを行うことができるようになっている。
以上説明した拡散装置において、スピーカーユニット20は起振手段の一例である。そして、起振手段としてのスピーカーユニット20の作動によって振動板24が振動すると、振動板24の前側で、粗密波、振動、脈動などを伴う気流が生じる。同時に、振動板24の振動によってスピーカーユニット20による音の再生が行われる。
この実施形態による拡散装置において、起振手段としてのスピーカーユニット20を駆動することによって振動板24の前側に生じた気流は、保護カバー30の音口31,32を通過して芳香成分担持体50の外周部に接触した後、その周囲に拡散する。この作用により、芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分も気流に同伴して周囲に拡散し、一定の芳香環境を創り出す。同時に、スピーカーユニット20の振動板24が振動すると、その振動の状態に見合う再生音が、保護カバー30の音口31,32を通過して周囲に一定の音環境を創り出す。さらに、発光モジュール60が併せて駆動されていると、開口窓11から漏れ出る発光モジュール60の光や、開口窓11を通して見える発光モジュール60の光によって一定の光環境が創り出される。したがって、上記の芳香環境に、音環境や光環境のうちの片方又は両方を組み合わせることによって良質な居住環境や入眠環境を整えることが可能である。
また、保護カバー30に設けられている音口31,32のうち、径小な音口32の一部が芳香成分担持体50の外周部によって覆われていることにより、径大な音口31を通過する気流よりも流速の速い気流が芳香成分担持体50の外周部に接触して芳香成分の拡散が促進されるという作用が発揮されることになる。
この実施形態では、図2に示したように、芳香成分担持体50の外周部が、スペーサー40の厚さに相応する間隔Sを隔てて、保護カバー30の音口31,32に臨んでいることにより、音口31,32を通過した気流がその間隔Sによって形成されている隙間内で拡散した後、芳香成分担持体50の外周部に接触する。このことにより、気流が芳香成分担持体50の外周部に満遍なく一様に接触しやすくなり、その結果、芳香成分担持体50の外周部での芳香成分の逸散状態にムラが生じにくくなる。また、芳香成分は主に芳香成分担持体50の外周部から逸散する一方で、芳香成分担持体50の中央部から外周部に向けて芳香成分が漸次補給されることになる。したがって、芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分が効率よく有効使用される。その一方で、この実施形態では、スペーサー40によって、芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分などの薬剤が保護カバー30の遮蔽部33に付着することが防止されている。また、スペーサー40によって、芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分などの薬剤がスピーカーユニット20やその振動板24に付着することも防止されている。そのため、保護カバー30が樹脂製であっても、芳香成分担持体50に含浸されている芳香成分を含む薬剤が保護カバー30に付着して保護カバー30が早期に劣化するという事態や、スピーカーユニット20が損傷したり腐食したりするといった事態も起こらない。
ところで、図1に例示した拡散装置は、筒形筐体10の外形が当該拡散装置のシンプルな外観を作り出していて、その大きさも携行に適する程度になっている。そのような拡散装置は、室内で使用するだけでなく、電車内などでの移動中の使用にも適する。このことを考慮すると、当該拡散装置では、室内使用と電車内などでの移動中使用との両方に適する仕様を選択できるようにしておくことが望ましい。
そこで、この実施形態では、室内でスピーカーユニットによる再生音を聴きながら使用するときには、スピーカーユニット20によって高低両方の周波数の音が再生され、室内でスピーカーユニットによる再生音を流さずに使用するときや、電車内などでの移動中に使用するときには、周囲に迷惑がかからないようにスピーカーユニット20によって他周波の音を制限して、人に聞こえにくい周波数(難聴周波数)である低周波の音が主に再生されるようにする対策を講じている。
図6はその対策を実行するための回路の一例を示した概念図である。同図に例示した回路は、スピーカーユニット20とスピーカーユニット駆動回路70とを接続している信号路にローパスフィルター回路71を並列に接続して組み合わせてあると共に、スピーカーユニット駆動回路70からの信号が、ローパスフィルター回路71を経由せずにスピーカーユニット20に入力される第1モードと、ローパスフィルター回路71を経由してスピーカーユニット20に入力される第2モードと、を択一的に選択することのできるスイッチ要素72を備えている。加えて、スイッチ要素72の切換手段74を備えている。切換手段74には、スライドスイッチや、イヤホーンの差込プラグ、あるいは、それに類似する形状のピン形部材などを採用することが可能である。ローパスフィルター回路71は、特定の周波数以外の信号を遮断する機能を持つフィルタのうち、高域周波数を減衰させて低域周波数を減衰させずに通過させるフィルター回路のことである。
この実施形態において、スイッチ要素72によって第1モードを設定しておくと、ローパスフィルター回路71によって減衰される周波数を含めて高低両方の周波数の音がスピーカーユニット20によって再生され、併せて、スピーカーユニット20の振動板24の振動によって生じた気流の作用によって、芳香成分担持体50に担持されている芳香成分が拡散される。これに対し、スイッチ要素72によって第2モードを設定しておくと、スピーカーユニット20とスピーカーユニット駆動回路70とを接続している信号路にローパスフィルター回路71が介在されてそのローパスフィルター回路71によって人に聞こえにくい周波数(難聴周波数)である低周波数の音が主に再生され、高周波数の音が減衰されるけれども、スピーカーユニット20の振動板24の振動によって生じた気流の作用によって、芳香成分担持体50に担持されている芳香成分の拡散は行われる。このことを利用すると、上記したように、室内でスピーカーユニットによる再生音を聴きながら使用するときには、スピーカーユニット20によって高低両方の周波数の音を再生し、室内でスピーカーユニットによる再生音を流さずに使用するときや、電車内などでの移動中に使用するときには、周囲に迷惑がかからないようにスピーカーユニット20によって人に聞こえにくい周波数(難聴周波数)である低周波数の音を主に再生する、といった使い方が可能になる。そして、このような利用目的に適合するローパスフィルター回路71による周波数の閾値は100Hzであることが判っている。したがって、ローパスフィルター回路71は、周波数の閾値を100Hzに定めて、第2モードでは100Hzより高域周波数の音を減衰させるようにしておくことが望ましい、ということが云える。
この実施形態では、スピーカーユニット20による音の再生に、大きなダイナミックレンジを有し、かつ、音圧の高い部分と低い部分とが交互に現れる音源を用いることが可能である。このような再生方法を採用すると、音源の大きなダイナミックレンジ及び音圧の高低がスピーカーユニットの振動板の振動によって発現するので、芳香成分担持体50に接触する気流の強さや速さが広いレンジで変化し、そのことによって芳香成分の拡散による芳香に顕著な強弱が生じる。そして、このことが、芳香に対する人の慣れ習性を緩和することに役立って、芳香の体感作用の持続性が向上する。なお、ダイナミックレンジとは、最も強い音と最も弱い音の範囲をデシベル(db)で表示したものであり、音の大小を再現できる範囲のことであって、音圧レベルとは区別される。ちなみに、人間の耳のダイナミックレンジは、個人差はあるけれども、0dbの音から120dbの音を聞き取れるので120dbである。したがって、ダイナミックレンジは120dbで必要十分である。
以上説明した実施形態では、起振手段としてダイナミック型のスピーカーユニット20を採用しているけれども、起振手段としては、その作動によってその前側に気流を生じさせるもの、たとえばマグネチック型のスピーカーユニットであっても、さらには電話機に用いられている受話器であってもよい。
また、この実施形態では、芳香成分担持体50の外周部のみに気流を接触させるものを説明したけれども、この点は、芳香成分担持体50の全体に気流を接触させるように構成されたものであってもよい。
10 筒形筐体
11 開口窓
20 スピーカーユニット
24 振動板
30 保護カバー
31,32 音口
33 遮蔽部
34 突起
40 スペーサー
41 スペーサーの嵌合孔
50 芳香成分担持体
51 芳香成分担持体の嵌合孔
60 発光モジュール
70 スピーカーユニット駆動回路
71 ローパスフィルター回路
S 芳香成分担持体の外周部と保護カバーの外周部との間隔

Claims (9)

  1. 芳香成分を含浸させた芳香成分担持体を用いる芳香成分の拡散装置であって、
    振動板の振動によってその前側に向けて再生音と気流とを生じさせる機能を備えたスピーカーユニットでなる起振手段と、この起振手段の作動によってその前側に生じた気流が接触する箇所に配備された上記芳香成分担持体と、を備え
    上記スピーカーユニットの振動板の振動によって気流と共に発せられる再生音は、スピーカーユニット駆動回路に組み合わされたローパスフィルター回路の機能を介して、所定周波数よりも高い音及びその所定周波数以下の音の両方を減衰させない第1モードと、上記所定周波数よりも高い音を減衰させて上記所定周波数以下の音を減衰させない第2モードと、の2つのモードから選択可能であることを特徴とする芳香成分の拡散装置。
  2. 筒形筐体の内部に装備されたスピーカーユニットの上記振動板が、その振動板の前側に配備された保護カバーによって覆われ、その保護カバーに上記気流を通過させることのできる多数の音口が開設されていると共に、その保護カバーを挟んで上記振動板の反対側に、板状に形成された上記芳香成分担持体がその保護カバーに対面して配備されている請求項1に記載した芳香成分の拡散装置。
  3. 上記保護カバーはその外周部のみに多数の上記音口が配列されているのに対し、その中央部が音口を有しない遮蔽部とされ、その保護カバーに間隔を隔てて配備された上記芳香成分担持体の外周部が、その遮蔽部の外側へ張り出して上記音口に臨んでいる請求項2に記載した芳香成分の拡散装置。
  4. 上記保護カバーが樹脂製であり、その保護カバーの上記遮蔽部に、上記芳香成分担持体に含浸されている芳香成分を含む薬剤に対する耐食性を備えた板状のスペーサーが重ね合わされ、そのスペーサーに上記芳香成分担持体を重ね合わせることによって、芳香成分担持体の外周部と上記保護カバーの外周部との間の上記間隔を保たせている請求項3に記載した芳香成分の拡散装置。
  5. 上記保護カバーに設けられ、スペーサーの上記嵌合孔から突出した上記突起に上記芳香成分担持体に設けられた嵌合孔を抜き差しすることによってその芳香成分担持体を上記スペーサーに対して着脱可能としている請求項4に記載した芳香成分の拡散装置。
  6. 上記筒形筐体が上記スピーカーユニットの背方に向けて延長されていて、その延長側の端部に発光モジュールが設置されていると共に、その筒形筐体の胴壁部に、外部から上記発光モジュールの作動状態を覗き見ることのできる開口窓が設けられている請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載した芳香成分の拡散装置。
  7. 芳香成分を含浸させた芳香成分担持体を用いる芳香成分の拡散方法であって、
    振動板の振動によってその前側に向けて再生音と気流とを生じさせる機能を備えたスピーカーユニットでなる起振手段の作動によってその前側に生じる気流を、上記スピーカーユニットの振動板の前側に配備された保護カバーに設けられている多数の音口を通過させることにより上記芳香成分担持体に接触させてその芳香成分担持体から芳香成分を周囲に拡散させると共に、上記振動板の振動によって気流と共に発せられる再生音の周波数を、所定周波数より高い音及びその所定周波数以下の音の両方を減衰させない第1モードと、上記所定周波数より高い音を減衰させて上記所定周波数以下の音を減衰させない第2モードと、の2つのモードから選択することを特徴とする芳香成分の拡散方法。
  8. 上記芳香成分担持体の外周部を間隔を隔てて上記保護カバーに対面させておくことによって、上記音口を通過した上記気流を拡散させた後に上記芳香成分担持体の外周部のみに接触させてその芳香成分担持体に含浸されている上記芳香成分を周囲に拡散させながら、上記芳香成分担持体の中央部から外周部に向けて芳香成分担持体に含浸されている上記芳香成分を補給させる請求項7に記載した芳香成分の拡散方法。
  9. 上記スピーカーユニットによる音の再生に、大きなダイナミックレンジを有し、かつ、音圧の高い部分と低い部分とが交互に現れる音源を用いる請求項7又は請求項8に記載した芳香成分の拡散方法。
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