JP6670214B2 - 金属酸化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属酸化物の製造方法に関する。
酸化亜鉛は、粒子状材料としては、ゴムの加硫促進助剤、化粧料の紫外線吸収剤、光触媒等に利用され、また、膜状材料としては、フラットパネルディスプレイや太陽電池の透明導電膜、気体分離膜等に利用されている。かかる酸化亜鉛の製造方法として、例えば、特許文献1には、酢酸亜鉛水溶液をオートクレーブ中において180℃で6時間加熱して水熱合成させることにより酸化亜鉛粒子を製造することが開示されている。
また、金属酸化物の製造方法として、特許文献2には、金属酸化物前駆体溶液内に配置した基板の第1主面側に、光源からレーザー光を照射することにより、基板の第1主面上に金属酸化物薄膜を形成させることが開示されている。
国際公開2013/137228 特開2012−31022号公報
特許文献1に開示された酸化亜鉛の製造方法では、オートクレーブを用いて高圧にして水熱合成に好適な高温の反応環境を整える必要があり、また、反応の完了までに長時間を要するため生産性が低いという問題がある。特許文献2に開示された金属酸化物の製造方法では、金属酸化物前駆体溶液の溶媒として有機溶媒を用いているので、これにレーザー光を照射して加熱することに安全性の面での問題が懸念される。
本発明の課題は、反応環境を整える必要がなく、生産性が高く、且つ安全性の高い金属酸化物の製造方法を提供することである。
本発明は、レーザー光を、金属カルボン酸水溶液を介して、前記金属カルボン酸水溶液に接触するように設けられた被照射体に対して照射することにより前記被照射体の表面に金属酸化物を析出させる金属酸化物の製造方法である。
本発明によれば、金属カルボン酸水溶液を介してレーザー光を被照射体に対して照射し、それにより金属カルボン酸水溶液に接触した被照射体の表面に金属酸化物を析出させるので、特別な反応環境を整える必要がない。また、短時間で金属酸化物が析出するので生産性が高く、更に、溶媒を水とする金属カルボン酸水溶液を原料水溶液としているので、高い安全性で金属酸化物を製造することができる。
実施例で用いた実験装置の構成を示す図である。 実施例1で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例2で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例3で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例4で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例5で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例6で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例7で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例8で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例9で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例10で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。 実施例11で作製した酸化亜鉛のSEM観察写真である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る金属酸化物の製造方法は、レーザー光を、原料水溶液である金属カルボン酸水溶液を介して、その原料水溶液の金属カルボン酸水溶液に接触するように設けられた被照射体に対して照射することにより被照射体の表面に金属酸化物を析出させるものである。
この実施形態に係る金属酸化物の製造方法によれば、原料水溶液の金属カルボン酸水溶液を介してレーザー光を被照射体に対して照射し、それにより原料水溶液の金属カルボン酸水溶液に接触した被照射体の表面に金属酸化物を析出させるので、オートクレーブのような装置を用いて特別な反応環境を整える必要がない。また、短時間で金属酸化物が析出するので生産性が高く、更に、溶媒を水とする金属カルボン酸水溶液を原料水溶液としているので、高い安全性で金属酸化物を製造することができる。これは、被照射体のレーザー光が照射された部分の周辺における原料水溶液の金属カルボン酸水溶液が局所的・瞬間的に高温となって水熱合成が進行するためであると推定される。なお、「水熱合成」とは、高温の水、特に高温及び高圧の水の存在の下に行なわれる物質の合成及び結晶成長法をいう。
ここで、レーザー光としては、例えば、紫外レーザー光、可視レーザー光、近赤外レーザー光、赤外レーザー光が挙げられる。これらのうち近赤外レーザー光が好ましい。近赤外レーザー光の波長は、金属酸化物の生産に好適であるという観点から、好ましくは750nm以上、より好ましくは850nm以上、更に好ましくは950nm以上であり、また、同様の観点から、好ましくは1400nm以下、より好ましくは1300nm以下、更に好ましくは1200nm以下である。近赤外レーザー光の波長は、好ましくは750nm以上1400nm以下、より好ましくは850nm以上1300nm以下、更に好ましくは950nm以上1200nm以下である。なお、レーザー光源としては、特に限定されるものではなく、例えば、ファイバーレーザーなどの固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。
原料水溶液の金属カルボン酸水溶液に含まれる金属カルボン酸塩としては、例えば、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸マンガン、酢酸バリウム、酢酸銅、酢酸セリウム、酢酸カルシウムなどの金属酢酸塩;蟻酸亜鉛、蟻酸ニッケル、蟻酸バリウム、蟻酸銅、蟻酸カルシウムなどの金属蟻酸塩;シュウ酸マンガン、シュウ酸バリウムなどの金属シュウ酸塩等が挙げられる。金属カルボン酸水溶液に含まれる金属カルボン酸塩は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。また、生産性の観点から、上記の金属カルボン酸塩として金属酢酸塩を用いることが好ましく、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸マンガン、酢酸バリウム、及び酢酸銅から選ばれる1種又は2種以上を用いることがより好ましく、酢酸亜鉛を用いることが最も好ましい。
原料水溶液の金属カルボン酸水溶液における金属カルボン酸塩由来の金属イオンのモル濃度は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは0.0100mol/L以上、より好ましくは0.0500mol/L以上、更に好ましくは0.100mol/L以上であり、また、金属カルボン酸塩の析出を抑制する観点から、好ましくは2.00mol/L以下、より好ましくは1.50mol/L以下、更に好ましくは1.00mol/L以下である。金属イオンのモル濃度は、好ましくは0.0100mol/L以上2.00mol/L以下、より好ましくは0.05mol/L以上1.50mol/L以下、更に好ましくは0.100mol/L以上1.00mol/L以下である。
原料水溶液は、反応環境を整える必要がなく且つ高い生産性及び安全性で金属酸化物を製造することができるという作用効果を損なわない範囲で、金属カルボン酸塩以外に、界面活性剤や高分子等を含んでいてもよく、また、溶媒として、水よりも少量の有機溶媒を含んでいてもよい。
被照射体は、原料水溶液内に設けられていてもよく、また、原料水溶液が入れられた容器で構成されていてもよい。被照射体の材質は、レーザー光を吸収して昇温するものであれば特に限定されるものではないが、耐熱性及び耐薬品性の観点から、金属、ガラス、セラミックが好ましい。また、金属としては、例えば、ステンレス、チタン、タングステン、白金、クロム、モリブデン、鉄、亜鉛等が挙げられる。被照射体の形態としては、特に限定されるものではないが、例えば、基板等の定形体であってもよく、また、不定形体であってもよい。被照射体におけるレーザー光の照射表面は、平坦面であってもよく、また、曲面であってもよい。
レーザー光の照射態様は、点状であってもよく、また、線状であってもよい。レーザー光の照射は、被照射体の表面の一定部に集中して行ってもよく、また、被照射体の表面の2つの定部間をスキャンするように行ってもよい。後者の場合、それらの2つの定部間の間隔は、金属酸化物の生産効率に好適であるという観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは2.0mm以上であり、また、同様の観点から、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下、更に好ましくは10mm以下である。2つの定部間の間隔は、好ましくは0.5mm以上100mm以下、より好ましくは1.0mm以上50mm以下、更に好ましくは2.0mm以上10mm以下である。スキャン速度は、金属酸化物の均一性を高める観点から、好ましくは0.5mm/sec以上、より好ましくは0.8mm/sec以上、更に好ましくは1mm/sec以上であり、また、同様の被照射体へのレーザー光の吸収を高める観点から、好ましくは10m/sec以下、より好ましくは1m/sec以下、更に好ましくは0.1m/sec以下である。スキャン速度は、好ましくは0.5mm/sec以上10m/sec以下、より好ましくは0.8mm/sec以上1m/sec以下、更に好ましくは1mm/sec以上0.1m/sec以下である。スキャン速度は一定であることが好ましい。
被照射体へのレーザー光の照射は、原料水溶液の上方に設けられたレーザー光源から原料水溶液の液面に向かってレーザー光を発することにより、気相の空気及び液相の原料水溶液を介して行ってもよい。また、被照射体へのレーザー光の照射は、レーザー光を透過する容器に入れられた原料水溶液の側方又は下方に設けられたレーザー光源から容器の側面部又は底面部に対してレーザー光を発することにより、気相の空気、固相の容器、及び液相の原料水溶液を介して行ってもよい。更に、被照射体へのレーザー光の照射は、原料水溶液を入れたレーザー光を透過する容器の側面部又は底面部に当接するように設けられたレーザー光源からレーザー光を発することにより、固相の容器及び液相の原料水溶液を介して行ってもよい。また、被照射体へのレーザー光の照射は、原料水溶液内に設けられたレーザー光源からレーザー光を発することにより、液相の原料水溶液のみを介して行ってもよい。
原料水溶液内におけるレーザー光路長は、原料水溶液の温度上昇を抑制する観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上であり、また、原料水溶液によるレーザー光の吸収を抑制する観点から、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下、更に好ましくは30mm以下である。原料水溶液内におけるレーザー光路長は、好ましくは1mm以上50mm以下、より好ましくは3mm以上40mm以下、更に好ましくは5mm以上30mm以下である。
被照射体に対して照射するレーザー光のスポットサイズ、つまり、被照射体におけるレーザー光が照射された領域の直径は、金属酸化物の生産に好適であるという観点から、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは2.0mm以上、更に好ましくは3.0mm以上であり、また、同様の観点から、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。レーザー光のスポットサイズは、好ましくは1.0mm以上50mm以下、より好ましくは2.0mm以上20mm以下、更に好ましくは3.0mm以上10mm以下である。ここで、スポットサイズとは、集光したレーザー光の径に沿った出力分布の中心値に対して1/eとなる出力領域の直径である。なお、スポット形状が線状や楕円等の非円形の場合、スポットサイズは、その出力領域の等価直径である。
レーザー光の照射は、パルスレーザー光の連続的な照射であってもよく、また、連続レーザー光の照射であってもよい。レーザー光の照射は、パルスレーザー光の所定の照射時間の連続的な照射と所定の停止時間の照射停止とを交互に繰り返す間欠照射であってもよく、また、連続レーザー光の所定の照射時間の照射と所定の停止時間の照射停止とを交互に繰り返す間欠照射であってもよい。レーザー光の照射は、パルスレーザー光を連続的に照射し続ける連続照射であってもよく、また、連続レーザー光を照射し続ける連続照射であってもよい。
間欠照射の場合、レーザー光の照射時間は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは10msec以上、より好ましくは30msec以上、更に好ましくは50msec以上であり、また、原料水溶液の温度上昇を抑制する観点から、好ましくは900000msec以下、より好ましくは700000msec以下、更に好ましくは100000msec以下である。レーザー光の照射時間は、好ましくは10msec以上900000msec以下、より好ましくは30msec以上700000msec以下、更に好ましくは50msec以上100000msec以下である。
レーザー光の停止時間は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは500msec以下、より好ましくは200msec以下、更に好ましくは100msec以下である。
レーザー光の照射時間は、停止時間と同一であってもよく、また、停止時間よりも短くてもよく、或いは、停止時間よりも長くてもよい。レーザー光の照射時間の停止時間に対する比は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上である。
レーザー光の総照射時間は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは0.05min以上、より好ましくは0.1min以上、更に好ましくは0.2min以上であり、また、原料水溶液の温度上昇を抑制する観点から、好ましくは90min以下、より好ましくは80min以下、更に好ましくは70min以下である。レーザー光の総照射時間は、好ましくは0.05min以上90min以下、より好ましくは0.1min以上80min以下、更に好ましくは0.2min以上70min以下である。
レーザー光の平均出力は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは1W以上、より好ましくは3W以上、更に好ましくは5W以上であり、また、原料水溶液の温度上昇を抑制する観点から、好ましくは60W以下、より好ましくは50W以下、更に好ましくは40W以下である。レーザー光の平均出力は、好ましくは1W以上60W以下、より好ましくは3W以上50W以下、更に好ましくは5W以上40W以下である。なお、パルスレーザー光を用いる場合、その連続照射における平均出力は、パルスエネルギー(J)に周波数(Hz)を乗じて算出され、また、間欠照射における平均出力は、更にそれに(連続照射時間+停止時間)に対する連続照射時間の比を乗じて算出される。
レーザー光の照射前の原料水溶液の初期温度は、金属酸化物の生産性を高める観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上であり、また、安全性の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。レーザー光の照射前の原料水溶液の初期温度は、好ましくは0℃以上50℃以下、より好ましくは5℃以上40℃以下、更に好ましくは10℃以上30℃以下である。
レーザー光の照射前の原料水溶液の初期温度とレーザー光の照射後の水溶液の最終温度との温度差は、安全性の観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは40℃以下である。
レーザー光の照射時における周辺の圧力は、大気圧(0.101MPa)であることが好ましい。
被照射体の表面に析出して回収される金属酸化物は、粒子状であってもよく、また、膜状であってもよく、更には、それらが混在していてもよい。金属酸化物の粒径又は膜厚は例えば1nm以上5000nm以下である。
以下の実施例1〜11の酸化亜鉛の製造実験を行った。それぞれの内容については表1にも示す。
(実施例1)
<原料水溶液調製>
容量100cmのガラスビーカーに、酢酸亜鉛二水和物(和光純薬工業社製 試薬特級)2.22gと超純水(和光純薬工業社製)45.0gとを仕込み、酢酸亜鉛二水和物を超純水に溶解させて亜鉛イオン濃度が0.224mol/Lの酢酸亜鉛水溶液を原料水溶液として調製した。
<レーザー光照射>
厚さ0.3mmの100mm角のチタン板(ニコラ社製)から10mm角のチタン板片を切り出し、それを原料水溶液を仕込んだガラスビーカーの底に沈めた。
次いで、図1に示すように、ガラスビーカー11をラボジャッキ12の上に載せてレーザー光照射装置13(MD−3000 キーエンス社製)の下方に、レーザー光照射装置13からのレーザー光Lがガラスビーカー11の原料水溶液14内のチタン板片15に対して照射されるように設置した。
続いて、チタン板片15に対して照射されるレーザー光Lのスポットサイズが3.0mmとなるようにラボジャッキ12で高さの調節を行った。原料水溶液14の液面からチタン板片15の表面までの距離、つまり、原料水溶液14内におけるレーザー光路長は23mmであった。
そして、レーザー光照射装置13及びガラスビーカー11を固定した状態で、原料水溶液14を入れたガラスビーカー11の上方に設けられたレーザー光照射装置13から原料水溶液14の液面に向かってパルス状のレーザー光Lを連続的に発することにより、気相の空気及び液相の原料水溶液14を介して原料水溶液14内に設けられたチタン板片15の定点にレーザー光Lを照射した。レーザー光Lには波長が1090nmの近赤外線レーザー光を用いた。レーザー光Lの照射は、大気圧(0.101MPa)下で行い、照射時間50msec及び停止時間100msecの間欠照射とし、総照射時間を10minとした。レーザー光Lの平均出力は10Wとした。原料水溶液14の初期温度は24.5℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は36.4℃であった。
<結果>
レーザー光Lを照射した後のチタン板片15をガラスビーカー11から取り出し、それをイオン交換水で洗浄して80℃で24時間の減圧乾燥を行った後、リアルサーフェスビュー顕微鏡(VE−7800 キーエンス社製)を用いてチタン板片15の表面の生成物のSEM観察を行った。
図2Aは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶の膜が形成されていることが分かる。この生成物は元素分析により酸化亜鉛であることを確認した。
(実施例2)
レーザー光Lの総照射時間を1minとしたことを除いて実施例1と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は24.5℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は26.2℃であった。
図2Bは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として微粒子が形成されていることが分かる。
(実施例3)
レーザー光Lの総照射時間を0.5minとしたことを除いて実施例1と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は24.5℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は25.1℃であった。
図2Cは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として花弁状粒子膜が形成されていることが分かる。
(実施例4)
レーザー光Lの照射を、照射時間100msec及び停止時間100msecの間欠照射、レーザー光Lの総照射時間を60min、及びレーザー光Lの平均出力を15Wとしたことを除いて実施例1と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は20.5℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は54.9℃であった。
図2Dは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として板状粒子膜が形成されていることが分かる。
(実施例5)
レーザー光Lの照射を連続照射、レーザー光Lの総照射時間を10min、及びレーザー光Lの平均出力を30Wとしたことを除いて実施例1と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は20.3℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は52.1℃であった。
図2Eは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶粒子及び膜が形成されていることが分かる。
(実施例6)
超純水の仕込み量を45.1g、及びレーザー光Lのスポットサイズを4.4mmとしたことを除いて実施例5と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.2℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は65.5℃であった。
図2Fは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶粒子が形成されていることが分かる。
(実施例7)
レーザー光Lのスポットサイズを4.4mm、及びレーザー光Lの総照射時間を1minとしたことを除いて実施例5と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.7℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は35.9℃であった。
図2Gは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶粒子及び膜が形成されていることが分かる。
(実施例8)
レーザー光Lの総照射時間を0.5minとしたことを除いて実施例7と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.5℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は32.8℃であった。
図2Hは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として微粒子が形成されていることが分かる。
(実施例9)
チタン板片15の表面の3mmの間隔を速度1cm/secで200回スキャンするようにレーザー光Lを照射したことを除いて実施例7と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.4℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は36.1℃であった。
図2Iは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶粒子が形成されていることが分かる。
(実施例10)
チタン板片15の表面の3mmの間隔を速度1m/secで20000回スキャンするようにレーザー光Lを照射したことを除いて実施例7と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.6℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は34.5℃であった。
図2Jは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶粒子が形成されていることが分かる。
(実施例11)
容量100cmのガラスビーカーに、酢酸亜鉛二水和物0.332gと超純水6.75gとを仕込み、酢酸亜鉛二水和物を超純水に溶解させて亜鉛イオン濃度が0.224mol/Lの酢酸亜鉛水溶液を原料水溶液14として調製し、原料水溶液14の液面からチタン板片15の表面までの距離、つまり、原料水溶液14内におけるレーザー光路長を5.0mmとし、チタン板片15の表面の3mmの間隔を速度1mm/secで20回スキャンするようにレーザー光Lを照射したことを除いて実施例7と同一の操作を行った。原料水溶液14の初期温度は26.6℃及びレーザー光L照射後の水溶液の最終温度は45.3℃であった。
図2Kは、チタン板片15の表面の生成物のSEM観察写真(倍率10000倍)である。これによれば、チタン板片15の表面に生成物として六方晶膜が形成されていることが分かる。
本発明は、金属酸化物の製造方法の技術分野について有用である。
L レーザー光
11 ガラスビーカー
12 ラボジャッキ
13 レーザー光照射装置
14 原料水溶液
15 チタン板片

Claims (7)

  1. レーザー光を、金属カルボン酸水溶液を介して、前記金属カルボン酸水溶液に接触するように設けられた被照射体に対して照射することにより前記被照射体の表面に金属酸化物を析出させる金属酸化物の製造方法。
  2. 前記金属カルボン酸水溶液が金属酢酸塩水溶液である請求項1に記載された金属酸化物の製造方法。
  3. 前記レーザー光が近赤外線レーザー光である請求項1又は2に記載された金属酸化物の製造方法。
  4. 前記被照射体が前記金属カルボン酸水溶液内に設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載された金属酸化物の製造方法。
  5. 前記被照射体への前記レーザー光の照射を、前記金属カルボン酸水溶液の上方に設けられたレーザー光源から前記金属カルボン酸水溶液の液面に向かってレーザー光を発することにより、気相の空気及び液相の前記金属カルボン酸水溶液を介して行う請求項1乃至4のいずれかに記載された金属酸化物の製造方法。
  6. 前記レーザー光の照射を間欠照射で行う請求項1乃至5のいずれかに記載された金属酸化物の製造方法。
  7. 前記レーザー光の照射を連続照射で行う請求項1乃至5のいずれかに記載された金属酸化物の製造方法。
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