JP6669548B2 - 抄紙用織物 - Google Patents

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本開示は、抄紙用織物に関し、例えば抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において使用される抄紙用ワイヤーに適した抄紙用織物に関する。
経糸及び緯糸を製織することによって構成した抄紙用織物は、抄紙用のワイヤーやプレスフェルト、プレスベルト、ドライヤーカンバス等の多くの用途に使用されている。抄紙機のワイヤーパートにおいて使用される抄紙用ワイヤーは、製造される紙の品質向上や、製造速度の高速化による生産効率向上の要請に応えるため、皺なく蛇行せずに安定して走行する走行性、原料液から水をより多く除去する脱水性や通気性、表面の凹凸が転写して紙に残ることを抑制する紙面性(表面平滑性)、目詰まりや粘着成分の付着を抑制する防汚性、摩耗や高圧洗浄による損傷に耐える耐久性等が求められている。
このような要求を満たすために、少なくとも緯糸を2重にし、製紙面側の層で紙面性を向上させ、走行面側の層で耐摩耗性を向上させる抄紙用ワイヤーが知られている。例えば特許文献1には、走行面側緯糸が経糸7本分ないし19本分の長いクリンプの緯糸と、長いクリンプの半分以下の短いクリンプの緯糸とからなる抄紙用ワイヤーが記載されている。その効果として、緯糸に形成された長いクリンプによって、経糸の摩耗が抑制され、かつ緯糸の摩耗体積が増大するため緯糸の耐摩耗性も向上することが記載されている。また、特許文献2には、走行面側緯糸としてポリアミド糸とポリエステル糸とが配置され、ポリアミド糸は1回、ポリエステル糸は2回、それぞれ1本の経糸により織り込まれた完全組織を有する2重織の抄紙用ワイヤーが記載されている。すなわち、特許文献の抄紙用ワイヤーでは、完全組織において走行面側緯糸が経糸2n本分に渡って存在し、その中で、ポリアミド糸の走行面側緯糸ではクリンプが経糸2n−1本分の長さであり、ポリエステル糸の走行面側緯糸ではクリンプが経糸n−1本分の長さである。耐摩耗性に優れたポリアミド糸でポリエステル糸の約2倍長いクリンプを形成することによって、太いポリアミド糸を使えるほどクリンプ性が良好となり、剛性に優れたポリエステル糸が含まれることによって抄紙用ワイヤーの剛性が良好になることが記載されている。
特開平2−74693号公報 特開平2−74691号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の抄紙用ワイヤーでは、長いクリンプが短いクリンプの2倍以上の長さであるため、長いクリンプの走行面側へ突出したクリンプの高さと短いクリンプの走行面側へ突出したクリンプの高さとの差が大きくなり、経糸の走行面側を通過する長いクリンプの中央部分の摩耗が他の部分に比べて大きくなるという問題があった。特許文献2のように長いクリンプを有する走行面側緯糸に耐摩耗性の高いポリアミドを用いても、長いクリンプの摩耗が大きかった。
本発明は、以上の問題を鑑み、寸法安定性を損なうことなく耐摩耗性を高めた抄紙用織物を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、所定の繰り返し単位で互いに織り込まれた走行面側緯糸(3,13)及び走行面側経糸(2,12)を備える抄紙用織物(1,11)であって、前記走行面側緯糸に含まれる最長のクリンプは、前記走行面側経糸の7〜19本分に渡って前記走行面側経糸の走行面側を通過しているロングクリンプ(7,17)からなり、前記走行面側緯糸は、第1走行面側緯糸(3a,13a)と、第2走行面側緯糸(3b,13b)とを含み、前記第1走行面側緯糸は、前記第2走行面側緯糸よりも耐摩耗性が高く、少なくとも一部の前記第1走行面側緯糸は、前記ロングクリンプを有し、前記第2走行面側緯糸は、前記第1走行面側緯糸よりも剛性が高く、前記第2走行面側緯糸が有する最長のクリンプは、前記ロングクリンプよりも前記走行面側経糸の2本分又は3本分短い長さで前記走行面側経糸の走行面側を通過しているショートクリンプ(8,18)からなることを特徴とする。ここで走行面側経糸とは、経2重の織物の走行面側経糸と、経1重の織物の経糸の走行面側の組織を構成する部分とを含む。耐摩耗性及び剛性は、糸の素材及び太さ等に基づいて判断される。
この構成によれば、ロングクリンプがショートクリンプよりも経糸2本分又は3本分長いことによって生じる、ロングクリンプの走行面側への突出高さとショートクリンプの走行面側への突出高さとの差が小さいため、ロングクリンプがわずかに摩耗した後、ロングクリンプとショートクリンプとが略均等に摩耗する。よって、特許文献1及び2に記載の抄紙用ワイヤーのように長いクリンプと短いクリンプと長さの差が大きい抄紙用織物よりも耐摩耗性が高くなる。一方、全てのクリンプを同じ長さとし、走行面側経糸の7〜19本分とすると、抄紙用織物の剛性が低くなって筋が曲がりやすくなるため、幅が入り(詰り)抄き幅(湿紙の幅)ギリギリになる、抄紙用織物の裏面の偏摩耗(部分的な摩耗)を引き起こす、抄紙用織物が片寄って走行が不安定になる、というデメリットが生じる。上記構成では、ロングクリンプとショートクリンプとに長さの差があるため、このようなデメリットを回避できる。さらに、第1走行面側緯糸が、第2走行面側緯糸よりも耐摩耗性が高いことから、抄紙用織物が抄紙機に圧接してロングクリンプとショートクリンプとが同時に抄紙機から摩擦力を受けるとき、ロングクリンプが比較的大きな摩擦力を引き受けながら、ロングクリンプとショートクリンプとが略均等に摩耗し、抄紙用織物全体として耐摩耗性が向上する。さらに、ショートクリンプを有する第2走行面側緯糸が、ロングクリンプを有する第1走行面側緯糸よりも剛性が高い素材からなることにより、抄紙用織物の寸法安定性を確保できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記第1走行面側緯糸はポリアミドからなり、前記第2走行面側緯糸はポリエステルからなることを特徴とする。
この構成によれば、抄紙機上ではロングクリンプが厚さ方向に変形しやすく、ショートクリンプとの突出高さの差がさらに小さくなり、ロングクリンプ及びショートクリンプが略均等に摩耗する。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、順に並んだ4本の前記走行面側緯糸によって1セットの前記走行面側緯糸が構成され、1セットの前記走行面側緯糸における前記第1走行面側緯糸及び前記第2走行面側緯糸は、1本ずつ交互に配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、ロングクリンプ及びショートクリンプがバランスよく配置され、抄紙用織物の耐摩耗性が向上するとともに、互いに異なる素材の第1及び第2走行面側緯糸がバランスよく配置されるため、抄紙用織物の寸法安定性も向上する。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、全ての前記第1走行面側緯糸が前記ロングクリンプを有し、完全組織における前記ロングクリンプと前記ショートクリンプとの個数の比が、1:1であることを特徴とする。また、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、50%の前記第1走行面側緯糸が有するクリンプは前記ロングクリンプのみであり、残りの50%の前記第1走行面側緯糸が有する最長のクリンプは前記ショートクリンプであり、前記ロングクリンプのみでクリンプが構成される前記第1走行面側緯糸と前記ショートクリンプを有する前記第1走行面側緯糸とが、前記第2走行面側緯糸を間に挟んで交互に配置され、完全組織における前記ロングクリンプと前記ショートクリンプとの個数の比が、1:3であることを特徴とする。
この構成によれば、ロングクリンプ及びショートクリンプの双方がバランスよく配置され、抄紙用織物が安定して抄紙機に接触するため、ロングクリンプ及びショートクリンプが均等に摩耗する。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記ロングクリンプを有する任意の1本の前記第1走行面側緯糸(3a)において、緯方向に互いに隣接する前記ロングクリンプ(7)間では、該第1走行面側緯糸は、前記走行面側経糸(2)の製紙面側を1本分だけ織り込んでおり、前記第2走行面側緯糸(3b)の前記ショートクリンプ(8)は、前記ロングクリンプよりも前記走行面側経糸の2本分短く、任意の1本の前記第2走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ショートクリンプ間では、該第2走行面側緯糸は、前記走行面側経糸を1本ずつ製紙面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいることを特徴とする。また、本発明の少なくともいくつかの他の実施形態では、上記構成のいずれかにおいて、前記ロングクリンプを有する任意の1本の前記第1走行面側緯糸(13a)において、緯方向に互いに隣接する前記ロングクリンプ(17)間では、該第1走行面側緯糸は、前記走行面側経糸(12)の製紙面側を1本分だけ織り込んでおり、前記第2走行面側緯糸(13b)の前記ショートクリンプ(18)は、前記ロングクリンプよりも前記走行面側経糸の3本分短く、任意の1本の前記第2走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ショートクリンプ間には、4本の前記走行面側経糸が存在し、該第2走行面側緯糸は、4本の該経糸を製紙面側、走行面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいることを特徴とする。
これらの構成によれば、走行面側緯糸は、経糸をロングクリンプ及びショートクリンプよりも走行面側に突出させないように織り込むことができ、経糸の摩耗を防止することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記ロングクリンプは、前記走行面側経糸の9本分に渡って前記走行面側経糸の走行面側を通過していることを特徴とする。
この構成によれば、ロングクリンプとショートクリンプとの摩耗をさらに均等にさせることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、経2重緯2重の織物であることを特徴とする。
この構成によれば、製紙面側の層を走行面側の層とは独立に構成できるため、紙面性に影響を与えずに本発明を適用できる。
以上の構成によれば、抄紙用織物において、寸法安定性を損なうことなく耐摩耗性を向上させることができる。
第1実施形態に係る抄紙用織物を走行面側から見た模式的説明図 図1の一部を抜き出した模式的説明図 第1実施形態に係る抄紙用織物の緯断面の写真 第1実施形態に係る抄紙用織物の経断面の写真 第2実施形態に係る抄紙用織物を走行面側から見た模式的説明図 図5の一部を抜き出した模式的説明図 試験装置の模式図 試験結果を示す写真((a)第1実施形態に対応するサンプル、(b)比較対象のサンプル)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態に係る抄紙用織物は、抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において、紙料(液)から湿紙を形成するためのワイヤーとして使用されるものである。抄紙機に取り付けられた抄紙用織物は、無端のベルト状の形状となるが、以下の説明においては、便宜上、緯糸番号(No.)の小さい緯糸の存在する側(説明図の上方)を前方、緯糸No.の大きい緯糸の存在する側(同図の下方)を後方とし、経糸No.の小さい経糸が存在する側(同図の右方)を右方、経糸No.の大きい経糸が存在する側(同図の左方)を左方とする。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る抄紙用織物1の組織を走行面側から見た模式的説明図である。図2は、図1の一部を抜き出したもので、抄紙用織物1の走行面側の組織のみを示す。図3及び図4は、それぞれ、抄紙用織物1の緯断面及び経断面で切断した写真である。抄紙用織物1は、走行面側の層を構成する互いに織り込まれた走行面側経糸2及び走行面側緯糸3と、走行面側の層とは別の組織の製紙面側の層を構成する互いに織り込まれた製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5と、2つの層を接結する接結糸6とを備える3重織(経2重緯2重)の織物である。製紙面側から見ると、実際には、走行面側経糸2及び走行面側緯糸3は、それぞれ製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5に重なって配置されるが、図1では便宜上それらを互いにずらして示している。走行面側経糸2及び走行面側緯糸3によって構成される走行面側の織物組織のみに着目すると、経糸No.2'〜20'の10本の走行面側経糸2と、緯糸No.2〜45の20本の走行面側緯糸3とによって完全組織が構成される。
図1及び2において、走行面側経糸2は経糸No.が偶数のものであり、製紙面側経糸4は経糸No.が奇数のものである。任意の走行面側経糸2は、その走行面側経糸2よりも経糸No.が1小さい製紙面側経糸4と、上下に略重なって配置される。また、図1及び2において、走行面側緯糸3は、糸の素材を示すPA又はPETの記号が横に付されたものであり、製紙面側緯糸5は、走行面側緯糸3より1つ番号が小さいものである。任意の走行面側緯糸3は、その走行面側緯糸3よりも緯糸No.が1つ小さい製紙面側緯糸5に略重なって配置される。接結糸6は、緯糸No.5、14、23、32及び41の糸である。
走行面側緯糸3は、ポリアミドモノフィラメントを素材とする第1走行面側緯糸3a(図1及び2中に、PA(ポリアミド)の記号が付されている糸)と、ポリエステルモノフィラメントを素材とする第2走行面側緯糸3b(図1及び2中に、PET(ポリエチレンテレフタレート)の記号が付されている糸)とを有する。ポリアミドモノフィラメントに使用されるポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、更には、ナイロンが好ましい。ナイロンとしては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。また、ポリエステル系糸に使用されるポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等であってよい。本実施形態では、ポリエステルモノフィラメントの素材としてポリエチレンテレフタレートを使用している。ポリアミドモノフィラメントは、ポリエステルモノフィラメントに比べて、耐摩耗性が高いという利点を有し、ポリエステルモノフィラメントは、ポリアミドモノフィラメントに比べて、剛性が高いという利点を有する。なお、第1走行面側緯糸3a及び第2走行面側緯糸3bの素材を、第1走行面側緯糸3aの耐摩耗性が第2走行面側緯糸3bの耐摩耗性よりも高いという関係を満たす素材、好ましくは、さらに、第2走行面側緯糸3bの剛性が第1走行面側緯糸3aの剛性よりも高いという関係を満たす素材に変更してもよい。また、走行面側緯糸3において、第1走行面側緯糸3a及び第2走行面側緯糸3bは、1本ずつ交互に配置される。なお、順に並んだ4本の走行面側緯糸3を1セットとし、1セットの走行面側緯糸3において、第1走行面側緯糸3a及び第2走行面側緯糸3bが1本ずつ交互に配置され、一部又は全部のセットにおいて、互いに隣接する2つのセットでは、第1走行面側緯糸3a及び第2走行面側緯糸3bの配列順序が逆になるように変形してもよい。すなわち、互いに隣接する2つのセットの一方では、第1、第2、第1、第2の順の走行面側緯糸3が並び、他方では、第2、第1、第2、第1の順に走行面側緯糸3が並ぶように変形してもよい。なお、1セット中の走行面側緯糸3の本数を変更してもよい。また、完全組織中の第1走行面側緯糸3aと第2走行面側緯糸3bとの本数の比を1:3に変更してもよい。
第1走行面側緯糸3aは、所定の繰り返し単位で走行面側経糸2に織り込まれる。第1走行面側緯糸3aは、走行面側経糸2の9本分に渡って走行面側経糸2の走行面側を通過しているロングクリンプ7を有し、ロングクリンプ7は、第1走行面側緯糸3aが有するクリンプの中で最長のクリンプである。なお、ロングクリンプ7の長さは、走行面側経糸2の7〜19本分の範囲で変更してもよく、好ましくは、走行面側経糸2の7本〜11本分、さらに好ましくは、走行面側経糸2の7本〜9本分である。例えば、緯糸No.2の第1走行面側緯糸3a(以下、緯糸No.xの第1走行面側緯糸3aを「第1走行面側緯糸No.x」と記す。走行面側経糸2及び第2走行面側緯糸3bについても同様に記す)は、順に並んだ走行面側経糸No.20',2',4',6',8',10',12',14'及び16'の走行面側を通過し、走行面側経糸No.18'の製紙面側を通過するように走行面側経糸2を織り込む。本実施形態では、ある第1走行面側緯糸3a(例えば、第1走行面側緯糸No.2)とその1本後方に配置された第1走行面側緯糸3a(第1走行面側緯糸No.7)とがそれぞれ走行面側経糸2の製紙面側を織り込んでいる位置は、後者の位置(走行面側経糸No.20')が、前者の位置(走行面側経糸No.18')に対して走行面側経糸2の1本分右方にずれている。なお、この位置関係は変更可能であるが、織り込み位置が特定の走行面側経糸2に集中しないように規則的にずれてバランスよく配置されることが好ましい。
第2走行面側緯糸3bは、所定の繰り返し単位で走行面側経糸2に織り込まれる。第2走行面側緯糸3bは、走行面側経糸2の7本分に渡って走行面側経糸2の走行面側を通過しているショートクリンプ8を有し、ショートクリンプ8は、第2走行面側緯糸3bが有するクリンプの中で最長のクリンプである。なお、ロングクリンプ7の長さを走行面側経糸2のn本分(nは、7以上の整数)に変更したときは、ショートクリンプ8の長さは、走行面側経糸2のn−2本分となる。任意の1本の第2走行面側緯糸3bにおいて、互いに緯方向に隣接する2つのショートクリンプ8間には3本の走行面側経糸2が存在し、第2走行面側緯糸3bは、これらの走行面側経糸2を1本ずつ製紙面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいる。従って、第2走行面側緯糸3bの繰り返し単位は、第1走行面側緯糸3aの繰り返し単位と同じ、走行面側経糸2の10本分となる。また、第1走行面側緯糸3aと第2走行面側緯糸3bとが1本ずつ交互に配置されているため、ロングクリンプ7とショートクリンプ8との数の比は1:1となる。本実施形態では、ある第2走行面側緯糸3b(例えば、第2走行面側緯糸No.4)とその1本後方に配置された第2走行面側緯糸3b(第2走行面側緯糸No.9)とがそれぞれ走行面側経糸2の製紙面側を織り込んでいる位置は、後者の位置(走行面側経糸No.10'及び14')が、前者の位置(走行面側経糸No.8'及び12')に対して走行面側経糸2の1本分右方にずれている。なお、この位置関係は変更可能であるが、織り込み位置が特定の走行面側経糸2に集中しないように規則的にずれてバランスよく配置されることが好ましい。また、第1走行面側緯糸3aにロングクリンプ7とショートクリンプ8とを交互に配置して、走行面側組織におけるロングクリンプ7とショートクリンプ8との数の比を1:3としてもよい。
また、任意の第2走行面側緯糸3bと、これに経方向に隣接して配置された第1走行面側緯糸3aとは、互いに異なる走行面側経糸2の製紙面側を通ることが好ましい。例えば、第2走行面側緯糸No.4は、走行面側経糸No.8'及び12'の製紙面側を通るのに対して、前方に隣接する第1走行面側緯糸No.2は、走行面側経糸No.18'の製紙面側を通り、後方に隣接する第1走行面側緯糸No.7は、走行面側経糸No.20'の製紙面側を通っている。
製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5は、走行面側経糸2及び走行面側緯糸3に対して独立した織物組織を構成する。製紙面側経糸4と製紙面側緯糸5とは、互いに1本ずつ織り込まれた平織り組織を形成している。また、製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5は、それぞれ、走行面側経糸2及び走行面側緯糸3と同数含まれる。なお、製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5の、互いの織り込み方及び本数は、任意に変更可能である。
接結糸6は、互いに独立した走行面側経糸2及び走行面側緯糸3による織物組織と、製紙面側経糸4及び製紙面側緯糸5による織物組織とを互いに接結する。接結糸6は、走行面側緯糸3及び製紙面側緯糸5に平行に配置され、走行面側経糸2及び製紙面側経糸4に織り込まれる。例えば、緯糸No.5の接結糸6は、走行面側経糸2及び製紙面側経糸4の間(経糸No.1'及び2')、走行面側(経糸No.3'及び4')、間(経糸No.5'及び6')、間(経糸No.7'及び8')、製紙面側(経糸No.9'及び10')、間(経糸No.11'及び12')、走行面側(経糸No.13'及び14')、間(経糸No.15'及び16')、間(経糸No.17'及び18')、製紙面側(経糸No.19'及び20')と通るように織り込まれる。接結糸6は、走行面側緯糸3及び製紙面側緯糸5のそれぞれの4本、合計8本ごとに1本配置される。任意の接結糸6と1本後方の接結糸6とでは、後者の織り込みパターンは、前者の織り込みパターンに対して、右方に走行面側経糸2及び製紙面側経糸4のそれぞれの2本分(合計4本分)右方にずれている。なお、接結糸6の本数並びに走行面側経糸2及び製紙面側経糸4への織り込み方は、適宜変更可能である。
抄紙用織物1においては、走行面側緯糸3がロングクリンプ7及びショートクリンプ8を有することにより、走行面側経糸2は、走行面側緯糸3よりも製紙面側に配置される部分が多くなり、走行面側経糸2の摩耗を防ぐことができる。さらに、走行面側経糸2が走行面側緯糸3よりも走行面側を通過するように織り込まれた部分においても、その織り込みは走行面側緯糸3の1本分であるため、その走行面側への突出高さが、これに近接する位置に配置されたロングクリンプ7及びショートクリンプ8の走行面側への突出高さに比べて小さくなり、その部分の摩耗は抑制される。また、ロングクリンプ7はショートクリンプ8に比べて長いため、走行面側経糸2に対するロングクリンプ7の緯方向の中央部分の走行面側への突出高さ(h)は、ショートクリンプ8の緯方向の中央部分の走行面側への突出高さ(h)よりも大きいが、ロングクリンプ7とショートクリンプ8との長さの違いが走行面側経糸2の2本分であるため突出高さの差(Δh)は小さい(図3参照)。そのため、ロングクリンプ7はショートクリンプ8よりも先に抄紙機のロール、サクションボックス、フォイルなどの脱水エレメントから摩擦力を受けるが、ロングクリンプ7の摩耗が小さい段階で、ロングクリンプ7がショートクリンプ8と同じ突出高さになり、その後、ロングクリンプ7とショートクリンプ8とが均等に摩耗する。さらに、ロングクリンプ7を形成する第1走行面側緯糸3aはポリアミドモノフィラメントからなり、ポリアミドモノフィラメントは、ショートクリンプ8を形成する第2走行面側緯糸3bを構成するポリエステルモノフィラメントよりも耐摩耗性が高い。そのため、走行面側経糸2の9本分のロングクリンプ7が、走行面側経糸2の7本分のショートクリンプ8よりも大きく摩擦力に抵抗し、抄紙用織物1全体としての耐摩耗性が向上する。また、第2走行面側緯糸3bに、第1走行面側緯糸3aのポリアミドモノフィラメントよりも剛性が高いポリエステルモノフィラメントを使用することにより、抄紙用織物1全体として丈伸びが抑制され、抄紙用織物1の寸法安定性が向上する。寸法安定性の向上により、走行面側の摩擦損失動力が小さくなり、抄紙用織物1を適用した抄紙機の電力負荷が低減する。
なお、ショートクリンプ8の長さを本実施形態より長くして、ロングクリンプ7よりも走行面側経糸12の1本分短い長さとすると、互いに緯方向に隣接する走行面側経糸2がペアリングしやすくなるという問題が生じる。また、ロングクリンプ7とショートクリンプ8とを同じ長さにすると、抄紙用織物1の剛性が低くなって筋が曲がりやすくなるため、幅が入り(詰り)抄き幅(湿紙の幅)ギリギリになる、抄紙用織物1の裏面の偏摩耗(部分的な摩耗)を引き起こす、抄紙用織物1が片寄って走行が不安定になる、というデメリットが生じる。そのため、ショートクリンプ8は、ロングクリンプ7よりも走行面側経糸2の2本分以上短いことが好ましい。
≪第2実施形態≫
次に、図5及び6を参照して、第2実施形態に係る抄紙用織物11について説明する。図5は、第2実施形態に係る抄紙用織物11の組織を走行面側から見た説明図であって、図1と同様に模式的な図である。図6は、図5の一部を抜き出したもので、抄紙用織物11の走行面側の組織のみを示す。第2実施形態に係る抄紙用織物11は、ショートクリンプ18が、ロングクリンプ17よりも走行面側経糸12の3本分少なく、走行面側経糸12の6本分の長さである点で第1実施形態と相違する。また、製紙面側経糸4、製紙面側緯糸5及び接結糸6に関しては、第1実施形態と同様の構成のため、同じ符号を付し説明を省略する。
図5及び6中の経糸No.及び緯糸No.と、走行面側経糸12、走行面側緯糸13、製紙面側経糸4、製紙面側緯糸5及び接結糸6との対応関係については、図1及び2中の経糸No.及び緯糸No.と、第1実施形態におけるこれらの糸との対応関係と同様である。
走行面側緯糸13は、ポリアミドモノフィラメントを素材とする第1走行面側緯糸13aと、ポリエステルモノフィラメントを素材とする第2走行面側緯糸13bとを有する。第1走行面側緯糸13a及び第2走行面側緯糸13bに関して、変更可能な糸の素材、及び順に並んだ4本をセットとする配置順序は第1実施形態と同様である。
また、第1走行面側緯糸13aについては、ロングクリンプ17を有すること、ロングクリンプ17が第1走行面側緯糸13aの所定の繰り返し単位の中で最長のクリンプであること、ロングクリンプ17の長さ及び配置、並びに走行面側経糸12への織り込み方は、第1実施形態と同様である。
第2走行面側緯糸13bは、走行面側経糸12の6本分に渡って走行面側経糸12の走行面側を通過しているショートクリンプ18を有し、ショートクリンプ18が、第2走行面側緯糸13bの走行面側経糸12への織り込みの所定の繰り返し単位の中で最長のクリンプである。なお、ロングクリンプ17の長さを走行面側経糸12のn本分(nは、7以上の整数)に変更したときは、ショートクリンプ18の長さは、走行面側経糸12のn−3本分となる。任意の1本の第2走行面側緯糸3bにおいて、互いに緯方向に隣接する2つのショートクリンプ18間には4本の走行面側経糸12が存在し、第2走行面側緯糸13bは、これらの走行面側経糸12を1本ずつ製紙面側、走行面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいる。従って、第2走行面側緯糸13bの繰り返し単位は、第1走行面側緯糸13aの繰り返し単位と同じ、走行面側経糸12の10本分となる。また、ロングクリンプ17とショートクリンプ18との数の比は1:1となる。第1実施形態と同様に、両者の比を1:3に変更してもよい。本実施形態では、ある第2走行面側緯糸13b(例えば、第2走行面側緯糸No.4)とその1本後方に配置された第2走行面側緯糸13b(第2走行面側緯糸No.9)とがそれぞれ走行面側経糸12の製紙面側を織り込んでいる位置は、後者の位置(走行面側経糸No.8'及び14')が、前者の位置(走行面側経糸No.6'及び12')に対して走行面側経糸12の1本分右方にずれている。なお、この位置関係は変更可能であるが、織り込み位置が特定の走行面側経糸12に集中しないように規則的にずれてバランスよく配置されることが好ましい。
第2実施形態においては、ショートクリンプ18は、ロングクリンプ17よりも走行面側経糸12の3本分短く、走行面側経糸12の6本分であるが、第1実施形態と同様の効果を発揮する。すなわち、走行面側経糸12の9本分のロングクリンプ17が、走行面側経糸12の6本分のショートクリンプ18よりも大きな摩擦力を受けることによる摩耗の増大は、ロングクリンプ17を構成するポリアミドモノフィラメントがショートクリンプ18を構成するポリエステルモノフィラメントよりも耐摩耗性が高いことによって抑制され、ロングクリンプ17とショートクリンプ18との摩耗の差が小さくなる。また、走行面側緯糸13にポリアミドモノフィラメント及びポリエステルモノフィラメントを使用することにより、抄紙用織物11の寸法安定性が向上し、抄紙用織物11を適用した抄紙機の電力負荷が低減する。
なお、ショートクリンプ18の長さを本実施形態より短くして、ロングクリンプ17よりも走行面側経糸12の4本分以上短い長さとすると、ロングクリンプ17に対する摩擦力がショートクリンプ18に対する摩擦よりも著しく大きくなり、ポリアミドモノフィラメントとポリエステルモノフィラメントとの耐摩耗性の差では摩耗の程度の差を十分に縮小することができない。そのため、ショートクリンプ18とロングクリンプ17との長さの差は、走行面側経糸2の3本分以下であることが好ましい。
第1実施形態に対応するサンプルa、第2実施形態に対応するサンプルb、及び比較対象のサンプルcについて、強伸度試験を行った。試験装置として、東洋精機工業株式会社製の「ストログラフ(STROGRAPH)V10−D」を用いた。試験対象の織物の経方向長さは280mm、緯方向幅は10mm、チャック間距離は200mm、試験速度は100mm/分とした。各サンプルについて2回ずつ試験を行い、その結果の平均値を得た。サンプルの条件及び試験結果を表1に示す。
ショートクリンプの長さが経糸7本分又は6本分の(ロングクリンプの長さより経糸2本分又は3本分短い)本発明に係るサンプルa及びサンプルbは、ショートクリンプの長さが経糸4本分(ロングクリンプの長さの半分以下)の比較対象のサンプルに比べて初期伸度が小さく、寸法安定性に優れていた。
図7及び図8を参照して、本発明のサンプル及び比較対象のサンプルに対して行った摩耗試験について説明する。
(試験装置)
本発明の第1実施形態に対応するサンプルと比較対象のサンプルとを図7に示す試験装置50を用いて摩耗試験を行った。試験対象の抄紙用織物51の経方向の一端側は固定部52に固定される。試験対象の抄紙用織物51の経方向の他端側には、重り53が取り付けられている。試験対象の抄紙用織物51は、経方向の中間の走行面側において研磨紙が巻かれたロール54に当接している。試験対象の抄紙用織物51は、固定部52からロール54までは略水平に延在し、ロール54から重り53までは略鉛直に延在する。ロール54は、重り53側に向かって、すなわち、図7の紙面の右回りに回転する。試験対象の抄紙用織物51は、重り53によってロール54に押し付けられ、ロール54から抗力を受けるため、ロール54が回転するとロール54から摩擦力を受ける。試験中は、ロール54の上方に設置されたシャワー55から放出される水が、ロール54上の試験対象の抄紙用織物51に供給される。
(試験条件)
試験対象の抄紙用織物51は、両サンプルともに、経方向長さが65cm、緯方向幅が3cmであった。また、試験装置50に関しては、研磨紙の粒度を320(NCA社製)、重り53の重さを500g、ロール54の回転速度を180rpmとした。本発明のサンプルは、実施例1のサンプル(a)である。比較対象のサンプルは、実施例1のサンプル(c)である実施例及び比較例をそれぞれ、1回ずつ、ロール54を200回回転させ、摩耗状況を確認した。
(結果)
図8(a)は、本発明のサンプルに係る試験結果の写真であり、図8(b)は比較対象のサンプルに係る試験結果の写真である。ポリアミドモノフィラメント及びポリエステルモノフィラメントは、図8の紙面の左右方向に延在し、ポリアミドモノフィラメントはPAの記号で示され、ポリエステルモノフィラメントはPETの記号で示されている。図8(b)に示されるように、比較対象のサンプルでは、ポリアミドモノフィラメントにおけるロングクリンプの経方向の中央部分で切断寸前まで摩耗し、ポリエステルモノフィラメントはほとんど摩耗しなかった。一方、図8(a)に示されるように、本発明のサンプルでは、ポリアミドモノフィラメントのロングクリンプの経方向の中央付近の摩耗が最も激しかったものの、切断されるまでには十分な余裕があり、ポリエステルモノフィラメントのショートクリンプ部分もある程度摩耗した。このように、比較対象のサンプルではポリアミドモノフィラメントに摩耗が集中したのに対して、本発明に係るサンプルは、ポリアミドモノフィラメント及びポリエステルモノフィラメントに摩耗が分散して、ポリアミドモノフィラメントの摩耗の量が減少した。すなわち、本発明に係るサンプルは、ショートクリンプの長さがロングクリンプの長さの半分以下である比較対象のサンプルよりも織物全体として耐摩耗性が高かった。
ポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントとの強伸度及び耐摩耗性を試験した。強伸度試験は、実施例1と同様の装置で行い、耐摩耗性試験は実施例2と同様の装置で行った。強伸度試験に使用したモノフィラメントの長さは280mm、チャック間距離は200mm、試験速度は300mm/分であった。ポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントについてそれぞれ15回ずつ試験を行い、その結果の平均値を得た。また、耐摩耗性試験に使用したモノフィラメントの長さ及び線径は、それぞれ、65cm及び0.4mmであり、試験装置50の研磨紙の粒度は320(NCA社製)、重り53の重さは22.8g、ロール54の回転速度は100rpmであった。モノフィラメントが切れるまでのロール54の回転数を調べた。ポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントについてそれぞれ10回ずつ試験を行い、その結果の平均値を得た。両試験の結果を表2に示す。
剛性に関する強伸度試験については、ポリエステルモノフィラメントはポリアミドモノフィラメントと比較して、約2.6倍の1%伸度時強度の差があり、剛性が高いことがわかる。本発明に係る第2走行面側緯糸3b,13bが第1走行面側緯糸3a,13aと比較し剛性が高い点に関しては、上記試験での1%伸度時強度が1.2〜5倍の差が好ましく、2〜3.5倍の差がより好ましい。
耐摩耗性試験については、ポリアミドモノフィラメントはポリエステルモノフィラメントと比較して、約2.7倍の回転数の差があり、耐摩耗性が高いことがわかる。本発明に係る第1走行面側緯糸3a,13aが第2走行面側緯糸3b,13bと比較し耐摩耗性が高い点に関しては、上記試験での回転数が1.2〜5倍の差が好ましく、2〜3.5倍の差がより好ましい。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本発明が適用される抄紙用織物は、3重織(経2重緯2重)の織物に限定されないが、緯糸は、走行面側緯糸と製紙面側緯糸とを有することが好ましい。具体的には、2重織(経1重緯2重)、2.5重織(経1重緯2重+浮糸)、3重織SSB(経2重緯2重+経又は緯の自接結糸)及び3.5重織(経1重緯3重)が挙げられる。これらの場合、走行面側緯糸以外の緯糸の本数及びその織り込み方や、走行面側緯糸に織り込まれない経糸の本数及び織り込み方、走行面側緯糸に織り込まれる経糸の走行面側緯糸以外の緯糸への織り込み方は、任意に選択できる。また、ロングクリンプとショートクリンプとの繰り返し単位の長さを必ずしも揃える必要はない。同一の走行面側緯糸上で、互いに緯方向に隣接する2つのロングクリンプ又は2つのショートクリンプ間の織り込み方は、それぞれ、ロングクリンプ又はショートクリンプよりも長いクリンプを作らない範囲で変更できる。また、一部の第1走行面側緯糸にのみロングクリンプを形成してもよい。例えば、50%の第1走行面側緯糸にはロングクリンプを形成し、残りの50%の第1走行面側緯糸にはショートクリンプを形成してもよい。これらの場合、走行面側緯糸におけるロングクリンプとショートクリンプとの個数の比は、1:1又は1:3であることが好ましく、このような比とすることで、ロングクリンプ及びショートクリンプの双方がバランスよく抄紙機から摩擦力を受け、ロングクリンプ及びショートクリンプの一方が他方よりも著しく早く摩耗することを防止できる。
1,11:抄紙用織物
2,12:走行面側経糸
3,13:走行面側緯糸
3a,13a:第1走行面側緯糸
3b,13b:第2走行面側緯糸
7,17:ロングクリンプ
8,18:ショートクリンプ

Claims (8)

  1. 所定の繰り返し単位で互いに織り込まれた走行面側緯糸及び走行面側経糸を備える抄紙用織物であって、
    前記走行面側緯糸に含まれる最長のクリンプは、前記走行面側経糸の7〜19本分に渡って前記走行面側経糸の走行面側を通過しているロングクリンプからなり、
    前記走行面側緯糸は、第1走行面側緯糸と、第2走行面側緯糸とを含み、
    前記第1走行面側緯糸は、前記第2走行面側緯糸よりも耐摩耗性が高く、少なくとも一部の前記第1走行面側緯糸は、前記ロングクリンプを有し、
    前記第2走行面側緯糸は、前記第1走行面側緯糸よりも剛性が高く、前記第2走行面側緯糸が有する最長のクリンプは、前記ロングクリンプよりも前記走行面側経糸の2本分短い長さで前記走行面側経糸の走行面側を通過しているショートクリンプからなり、
    前記ロングクリンプを有する任意の1本の前記第1走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ロングクリンプ間では、該第1走行面側緯糸は、前記走行面側経糸の製紙面側を1本分だけ織り込んでおり、
    任意の1本の前記第2走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ショートクリンプ間では、該第2走行面側緯糸は、前記走行面側経糸を1本ずつ製紙面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいることを特徴とする抄紙用織物。
  2. 所定の繰り返し単位で互いに織り込まれた走行面側緯糸及び走行面側経糸を備える抄紙用織物であって、
    前記走行面側緯糸に含まれる最長のクリンプは、前記走行面側経糸の7〜19本分に渡って前記走行面側経糸の走行面側を通過しているロングクリンプからなり、
    前記走行面側緯糸は、第1走行面側緯糸と、第2走行面側緯糸とを含み、
    前記第1走行面側緯糸は、前記第2走行面側緯糸よりも耐摩耗性が高く、少なくとも一部の前記第1走行面側緯糸は、前記ロングクリンプを有し、
    前記第2走行面側緯糸は、前記第1走行面側緯糸よりも剛性が高く、前記第2走行面側緯糸が有する最長のクリンプは、前記ロングクリンプよりも前記走行面側経糸の3本分短い長さで前記走行面側経糸の走行面側を通過しているショートクリンプからなり、
    前記ロングクリンプを有する任意の1本の前記第1走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ロングクリンプ間では、該第1走行面側緯糸は、前記走行面側経糸の製紙面側を1本分だけ織り込んでおり、
    任意の1本の前記第2走行面側緯糸において、緯方向に互いに隣接する前記ショートクリンプ間には、4本の前記走行面側経糸が存在し、該第2走行面側緯糸は、4本の該走行面側経糸を製紙面側、走行面側、走行面側、製紙面側の順に織り込んでいることを特徴とする抄紙用織物。
  3. 前記第1走行面側緯糸はポリアミドモノフィラメントからなり、前記第2走行面側緯糸はポリエステルモノフィラメントからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の抄紙用織物。
  4. 順に並んだ4本の前記走行面側緯糸によって1セットの前記走行面側緯糸が構成され、1セットの前記走行面側緯糸における前記第1走行面側緯糸及び前記第2走行面側緯糸は、1本ずつ交互に配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抄紙用織物。
  5. 全ての前記第1走行面側緯糸が前記ロングクリンプを有し、完全組織における前記ロングクリンプと前記ショートクリンプとの個数の比が、1:1であることを特徴とする請求項に記載の抄紙用織物。
  6. 50%の前記第1走行面側緯糸が有するクリンプは前記ロングクリンプのみであり、残りの50%の前記第1走行面側緯糸が有する最長のクリンプは前記ショートクリンプであり、前記ロングクリンプのみでクリンプが構成される前記第1走行面側緯糸と前記ショートクリンプを有する前記第1走行面側緯糸とが、前記第2走行面側緯糸を間に挟んで交互に配置され、
    完全組織における前記ロングクリンプと前記ショートクリンプとの個数の比が、1:3であることを特徴とする請求項に記載の抄紙用織物。
  7. 前記ロングクリンプは、前記走行面側経糸の9本分に渡って前記走行面側経糸の走行面側を通過していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の抄紙用織物。
  8. 経2重緯2重の織物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の抄紙用織物。
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