本発明は経路を生成する方法及びシステムに関し、特に、ネットワーク(道路網)を通るトラフィックフローをより均一に均衡させる方式で経路を生成するように構成されたナビゲーション装置及びサーバに更に拡張されるが、それに限定されない。本発明の例示的な実施形態はポータブルナビゲーション装置(いわゆるPND)、特に、全地球測位システム(GPS)信号受信及びGPS信号処理の機能性を含むPNDに関する。
GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むポータブルナビゲーション装置(PND)は周知であり、車両搭載型のナビゲーションシステム又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用される。
一般に、最近のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性及び不揮発性のうち少なくとも一方であり、通常は双方)及び前記メモリ内に格納された地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。更に、PNDの機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的である。
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話し且つ装置を制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースとを更に備える。出力インタフェースの例は、表示装置及び可聴出力用スピーカを含む。入力インタフェースの例は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合はステアリングホイール上に存在してもよい)及びユーザの音声を検出するためのマイクを含む。特に好適な構成において、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触れることにより装置を操作できるようにする入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(例えば、タッチセンシティブオーバレイによって)構成される。
また、この種の装置は、装置との間で電力及びオプションとしてのデータ信号を送受信可能にする1つ以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びに例えばWi−Fi(登録商標)、Wi−Max、GSM(登録商標)などである他の信号/データネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機とを含む場合が多い。
この種のPND装置はGPSアンテナを更に含み、これにより、場所データを含む衛星放送信号を受信でき、その後、装置の現在地を決定するために衛星放送信号を処理できる。
PND装置は、現在の角加速度及び直線加速度を決定し、GPS信号から導出された場所情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度及び相対変位を決定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような特徴を車両搭載型のナビゲーションシステムに提供するのが最も一般的であるが、PND装置に提供するのが好都合な場合はPND装置に提供する。
そのようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地又は現在地)と第2の場所(通常は目的地)との間で経路を決定する機能において主に示される。これらの場所は、装置のユーザにより、種々の異なる方法のうちいずれかで、例えば郵便番号、道路名及び番地、事前に格納された「既知の」目的地(有名な場所、公営の場所(運動場又は水泳プールなど)又は他の関心地点など)により入力可能である。
通常、PNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を計算するためにソフトウェアにより有効化される。「最善」又は「最適」な経路は、所定の基準に基づいて計算され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度であり、選択される経路は、履歴情報、既存の交通道路情報及び/又は予測される交通道路情報を考慮に入れてもよい。
更に、装置は、道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によって残る行程で取るべき経路を変更することを提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムが、交通遅滞を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両の無線装置の内蔵コンピュータの一部又は実際は車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)メディアプレイヤー又は移動電話などのハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路の計算及び計算された経路に沿ったナビゲーションの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算資源により更に提供される。例えば、routes.tomtom.comでオンライン経路計画/ナビゲーション機能性が提供されるが、この機能を使用することにより、ユーザは、出発地及び目的地を入力でき、その後、ユーザのPCと接続されているサーバが経路(経路のアスペクトはユーザにより指定される)を計算し、地図を生成し、選択された出発地から選択された目的地までユーザを案内するための徹底したナビゲーション命令のセットを生成する。この機能は、更に、計算された経路を疑似3次元レンダリングし、その経路に沿って進むユーザをシミュレートする経路プレビュー機能性を提供し、それにより、計算された経路のプレビューをユーザに提供する。
PNDの場合、経路が計算されると、ユーザは、ナビゲーション装置と対話し、オプションとして、提案された経路のリストから所望の計算された経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えば、ある特定の行程に関して特定の経路、道路、場所又は基準が回避されるべきであるか又は必須であると指定することにより、経路選択処理を仲介又は誘導する。PNDの経路計算の面は1つの主要な機能を形成し、そのような経路に沿ったナビゲーションは別の主要な機能である。
計算された経路に沿ったナビゲーション中、そのようなPNDが、選択された経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従って、装置が車両ナビゲーションに使用されている場合にユーザ又はユーザの車両の現在地を示すように、画面上で定期的に更新される。
画面上に表示されるアイコンは、通常は装置の現在地を示し、装置の現在地の近傍の現在の道路及び周辺の道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図特徴と共に中央に配置される。更に、ナビゲーション情報は、オプションとして、表示された地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示される。ナビゲーション情報の例は、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離を含み、その進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンにより示される。ナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを更に決定する。理解されるように、「100m先で左折」などの単純な命令は、膨大な処理及び解析を必要とする。上述のように、ユーザと装置との対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えて又はその代わりに、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の何らかの適切な方法により行われてもよい。
装置により提供される更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れる(誤って又は故意に)場合、別の経路がより適切であるとリアルタイムの交通状況が示し且つ装置がそのような状況を適切に自動認識できる場合、あるいはユーザが何らかの理由で能動的に装置に経路の再計算を実行させる場合における自動経路再計算である。
経路計算機能及びナビゲーション機能はPNDの総合的な実用性の基本になるものであるが、装置を単に情報表示、すなわち「フリードライビング」のために使用することが可能である。この場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、ナビゲーションは現時点で装置により実行されていない。そのような動作モードは、ユーザが走行するのが望ましい経路を既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能であることが多い。
以上説明した種類の装置は、ユーザを1つの場所から別の場所へナビゲートすることを可能にする信頼性の高い手段を提供する。
ナビゲーション装置はネットワーク(道路網)の現在の状態、例えば渋滞を考慮に入れて目的地までの経路を計算するように構成される場合が多い。この方式のナビゲーションでは、最速経路が生成されてもよい。ナビゲーションの開始後、交通状態は変化する可能性があるので、経路は最速経路ではなくなるかもしれない。この状況で、実際の交通状況を考慮に入れた新たな最速経路が生成され、ユーザに提案されてもよい。これはナビゲーションが進行するにつれて現在の条件下でより速い経路を求めて、例えばPNDにより実行される連続背景検査の結果であってもよく、あるいは経路の前方の交通事象を示すメッセージを例えばライブ配信を介して受信することに応答しての経路生成であってもよいだろう。このような方法は実際の交通状態に応答し、既存の経路が最速経路ではなくなった場合に単に新たな最速経路を提供するだけである。
種々の種類の車両搭載型ナビゲーションデバイスが更に広く普及してきている。例えばPNDなどの移動装置及び一体型システム、例えばインダッシュシステムの車両での使用は増加している。しかし、経路を計画する場合にリアルタイム交通情報を考慮に入れるようにナビゲーション装置が構成されている場合に、問題が起こる可能性もある。渋滞の影響を受けている領域に進入するか又はそのような領域に向かって走行している多数の車両がそのような装置を使用する場合に、各装置は運転者が渋滞領域を回避できるようにするために、先に説明したような方法で各車両の運転者に代替経路を示唆する。しかし、例えば新たな最速経路を提供するために、各装置が同じような渋滞情報に基づいて動作し、同じような方法で経路を計算すれば、装置は同じような代替経路へ運転者を進路変更させることになる。これはネットワークにおける全体的な渋滞レベルを低減させるどころか、別の場所へ渋滞を移動させるだけの効果、すなわち運転者に示唆された代替経路に沿って渋滞を移動させるだけの効果しか生まないだろう。幹線道路の閉鎖又は障害物などの重大な事象が関連している場合には、その影響は特に大きくなるだろう。
この問題に対応し、異なる車両と関連するナビゲーション装置に渋滞事象に対して、交通をネットワーク全体に更に均一に分散させるように代替経路を計算させるための種々の試みがなされてきた。1つの技術はネットワーク全体にわたりトラフィックフローを均衡させるために中央サーバを使用することを含む。例えば既存の経路又は他で渋滞が発見されることなどに応答して、ナビゲーション装置が経路を計算する必要がある場合に、装置はサーバへ経路要求を送信する。サーバは多数の装置からそのような経路要求を受信し、個別の装置に特定して経路を決定し、それらの経路を各装置へ送信する。異なる装置に関する経路はネットワーク全体にわたり流れを更に均一に分散させることを意図して決定される。これを実現するために、新たな経路が計算される場合、他のナビゲーション装置に関して計算された以前の経路に依存するように計算が実行される。実際、場合によっては新たな経路要求が受信されるたびに、すべてのナビゲーション装置に関する経路が再計算される。従って、この解決策は計算負荷が大きく、スケーリングすることが難しい。そのような解決策の一例は以前はグリーンウェイappとして知られていたグラフマスターズ(www.graphmasters.net)により提案、開発され、マイクロソフト・イマジン・カップ2012の一部として提示されたシステムである。この種の別の技術はダイムラークライスラー社からの支援によりベルリン工科大学により実施(http://www3.math.tu-berlin.de/coga/projects/traffic/routeguidance/)された名称「最適経路ガイダンスのためのアルゴリズム(Algorithms for Optimal Route Guidance)」の一部として創作され、ネットワークを通過するすべてのユーザの総走行時間を最短にするようにトラフィックフローを分散させることを目的とする。
出願人はナビゲート可能ネットワーク全体にわたるトラフィックフローを均衡させることを試みるようにネットワークにおいて経路を生成する改善された更に効率のよい方法が依然として必要とされていると理解している。
本発明の第1の態様によれば、電子地図によってカバーされる領域内で経路を決定する方法であって、地図は電子地図によってカバーされる領域内のナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントを表す複数のセグメントを備え、方法は、
第1の場所と第2の場所との間でナビゲート可能ネットワークを通る複数の経路を生成し、ナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを使用して、経路ごとの相対フロー値を決定することと、
第1の場所と第2の場所との間でナビゲーションを実行するときに使用するために、複数の経路の中から所定の1つの経路を選択することと、
を備え、ナビゲートされる経路として複数の経路の中から所定の1つの経路が選択される確率はその経路に関して決定された相対フロー値に基づくことを特徴とする方法が提供される。
本発明によれば、ネットワークのセグメント全体にわたる負荷、すなわちトラフィックフローを従来の技術で可能であった流れより更に効率よく均衡させるように、ナビゲート可能セグメントから成るネットワークを通る経路を生成することを可能にする方法が提供される。これは第1の場所と第2の場所との間で生成可能な複数の経路の各々に沿った相対トラフィックフロー量を示す値を取得するために、ナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを使用することにより実現される。その後ナビゲーションを実行するために経路の中の所定の1つの経路が選択され、複数の経路の中からその経路が選択される確率はその経路の相対フロー値に基づく。例えば現在容量データに基づいて、生成可能な3つの経路がそれぞれ70%、20%及び10%の相対フロー割合を有すると決定されてもよい。ナビゲーションを実行するためにそれらの経路の中から所定の1つの経路が選択される確率は、その経路の相対フロー値に基づいて重み付けされる。単純な一実施形態では、経路が選択される確率はその経路の相対フロー割合に対応してもよい。
このように、複数のユーザにより使用するために経路を提供する目的で本方法が使用される場合に、ナビゲーションのために異なるユーザに関して選択される経路の全体的な分布はそれらの経路のフロー割合値を反映するので、フロー割合値が高い経路はフロー割合値が低い経路より選択される尤度が高い。その結果、セグメントの容量に従って、ネットワーク全体にわたり交通負荷が更に均一に分散されるようになり、そのため渋滞を起こしにくくなる。先に説明した従来の技術とは対照的に、これは他のユーザに関してどの経路が選択されていたかもしれないかを知る必要なく実現される。例えば複数のナビゲーション装置は本発明に従ってナビゲーションを実行するためにそれぞれ独立して経路を選択してもよく、選択された経路はそれらの経路に沿って可能なフロー割合に関して可能経路の間で適切に分散され(経路のセグメントの容量に基づいて)、所定のナビゲーション装置がその他のナビゲーション装置により選択されていた経路を知る必要はない。これにより、必要とされる処理の量は大幅に減少する。更に、少なくとも好適な実施形態において、本発明は個別のナビゲーション装置が独立して適切な経路を生成することを可能にし、これはネットワーク全体にわたり負荷を均衡させるのに有用だろう。これは他のナビゲーション装置に関して選択された経路に基づいて所定のナビゲーション装置に関する経路選択を全体的に協調させなければならない技術であったため、経路生成及び経路選択のために個別のナビゲーション装置ではなく、中央サーバに依存することが必要であった従来の方法とは対照的である。
本発明は本明細書において説明される本発明の態様又は実施形態のうちいずれかに従って方法を実行するためのシステムに拡張される。
本発明の第2の態様によれば、電子地図によってカバーされる領域内で経路を生成するシステムが提供され、電子地図は電子地図によってカバーされる領域内のナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントを表す複数のセグメントを含み、システムは、
第1の場所と第2の場所との間でナビゲート可能ネットワークを通る複数の経路を生成する手段、及びナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを使用して経路ごとの相対フロー値を決定する手段と、
第1の場所と第2の場所との間でナビゲーションを実行するときに使用するために、複数の経路の中から所定の1つの経路を選択する手段と
を備え、ナビゲートされる経路として複数の経路の中から所定の1つの経路が選択される確率はその経路に関して決定された相対フロー値に基づくことを特徴とするシステムが提供される。
当業者には理解されるように、本発明のこの更なる態様は本発明のその他の態様のうちいずれかに関して本明細書において説明される本発明の好適な特徴及びオプションの特徴のうちいずれか1つ以上又はすべてを適宜含むことができ、含むのが好ましい。明示して指示されない限り、本発明のシステムは本発明の態様又は実施形態のいずれかで本発明の方法に関連して説明されるいずれかのステップを実行するための手段を備えてもよし、備えていなくてもよい。
本発明はコンピュータで実現される発明であり、本発明の態様又は実施形態のうちいずれかに関連して説明されるステップは、いずれも1つ以上のプロセッサの集合の制御の下で実行されてもよい。システムと関連して説明されるステップのうちいずれかを実行する手段は、1つ以上のプロセッサの集合であってもよい。
一般に、本発明の実施形態のうちいずれかにおける本発明のシステムは少なくとも1つの処理デバイスであってもよい。前記又は任意の処理デバイスはPND又は集積デバイスのいずれであってもよく、ナビゲーション装置のような移動装置のデバイスであるか、あるいはサーバのデバイスであってもよい。
本発明の方法はナビゲーション動作に関連して実現されるのが好ましい。
好適な実施形態では、本発明の態様又は実施形態のうちいずれかにおける本発明の方法は、ナビゲーション装置を使用して実行され、本発明は本発明の態様又は実施形態のうちいずれかの方法のステップを実行するように構成されるナビゲーション装置に拡張される。ナビゲーション装置はどのような形態であってもよく、移動装置又は例えば車載型装置のような一体型装置であってもよい。装置は車両と関連付けられるのが好ましく、すなわち装置の位置が車両の位置に対応するように関連付けられるのが好ましい。ナビゲーション装置はナビゲーション機能性を有するどのような装置であってもよい。例えば移動ナビゲーション装置は例えばPND又はナビゲーション機能性を有する何らかの移動装置であってもよい。
本発明の態様又は実施形態のいずれかによれば、ナビゲーション装置はユーザに電子地図を表示するディスプレイとデジタル地図データにアクセスし、ディスプレイを介してユーザに対して電子地図を表示させるように構成された1つ以上のプロセッサの集合と、ユーザが装置と対話することを可能にするためにユーザにより操作可能なユーザインタフェースとを備えてもよい。従って、本発明のシステムは任意のシステム、例えばナビゲーション装置の処理デバイスであってもよい。
それらの好適な実施形態において、本発明はナビゲート可能ネットワークにおける全体的な負荷を容易に均衡させるように、ナビゲート可能ネットワークを通る経路を決定する方法を提供し、方法はクライアントデバイスで、すなわちサーバから離れた場所で実行されてもよい。これはサーバで実行されなければならず、他のナビゲーション装置に関して導出された経路を考慮に入れてナビゲーション装置により使用するための経路をサーバにより導出可能にする従来の技術とは対照的である。方法をクライアントデバイスで実行可能であるのは各経路のセグメントの現在容量を示すデータを使用して経路ごとに決定される相対フロー値に基づく確率によって、複数の可能経路の中から経路を選択するという概念による。複数の装置がナビゲーションのための経路を決定するためにこの方法を使用する場合に、全体として交通負荷がネットワーク全体に更に均一に分散されるという効果が得られるだろう。
サーバが本発明の方法のステップを実行し、第1の場所と第2の場所との間のナビゲーションで使用するために、ナビゲーション装置へ送信される経路を選択することができることも当然考えられる。従って、他のいくつかの実施形態では、方法はサーバにより実現されてもよい。その場合、方法は選択された経路を第1の場所と第2の場所との間のナビゲーションでナビゲーション装置により使用するために、選択された経路をサーバがナビゲーション装置へ送信することを更に備えてもよい。方法はサーバが第1の場所及び第2の場所の指示をナビゲーション装置から受信するステップを更に備えてもよい。この指示は第1の場所と第2の場所との間のナビゲーションで使用するためにサーバにより生成される経路に対する要求の一部としてナビゲーション装置によりサーバへ送信されてもよい。サーバにより実現される場合に、要求される処理パワーの量が少ないため、本発明の方法は従来の技術と比較して有利である。ナビゲーション装置が経路生成ステップを実行する実施形態に関連して説明したように、本発明は所定の経路を生成する場合に、先に生成されていた他の経路を知る必要がないという意味で、ネットワーク全体に負荷を更に効率よく更に均一に分散させることができるように経路を取得する方法を提供してもよい。これにより、先に生成された経路の詳細を保持し、それを参照することが必要である従来の方法の場合と比べて少ない処理容量及び/又は記憶容量で本発明は実現される。
従って他の実施形態では、本発明の態様又は実施形態のうちいずれかにおける本発明の方法はサーバにより実行されてもよく、本発明は本発明の態様又は実施形態のうちいずれかの方法のステップを実行するように構成されるサーバに拡張される。本発明の態様又は実施形態のうちいずれかにおける本発明のシステムは、サーバの処理デバイスであってもよい。
更に別の実施形態では、本発明の方法のステップはその態様又は実施形態のいずれかにおいて、一部がサーバにより実行され、一部がナビゲーション装置により実行されてもよい。
方法は第1の場所と第2の場所との間で複数の経路を生成するステップを備える。第1の場所は現在地、ナビゲート中の所定の経路に沿った場所及び/又は所望の経路の出発地であってもよい。ナビゲート中の所定の経路に沿った場所は、ナビゲート中の所定の経路に沿った現在地又は現在地の前方の場所であってもよい。例えば第1の場所は将来の特定の時刻に到着する所定の経路に沿った場所、又は所定の経路の残り部分に沿った決定地点に対応する場所などであってもよい。第1の場所は現在地であるのが好ましい。現在地は車両と関連付けられてもよいナビゲーション装置の現在地であってもよい。
第2の場所は所望の目的地、ナビゲート中の所定の経路に沿った目的地又はナビゲート中の所定の経路に沿った場所であってもよい。第2の場所はナビゲート中の所定の経路の目的地又は走行方向に第1の場所の先にある所定の経路に沿った場所であってもよい。第1の場所と第2の場所との間で生成される経路はナビゲート中の所定の経路に続く部分、例えば所定の経路の延長、あるいはたどるべき新たな経路になる所定の経路の修正後の残り部分又は残り区間を提供することを意図する。このような状況では、第1の場所は自動的に選択されてもよいだろう。
従って、いくつかの実施形態において、方法は所定の経路に沿った走行が開始された後に実行される。そこで、方法は所定の経路の残り部分の少なくとも一部に代わる経路、又は実施形態においてその残り部分(全体)に代わる経路を提供してもよい。その経路は「走行途中代替経路」として説明されてもよい。いくつかの実施形態において、方法は領域内の第1の経路出発地と第1の経路目的地との間で第1の経路を生成することを備え、第1の場所と第2の場所との間で生成される複数の経路は第1の経路の残り部分の少なくとも一部に代わる代替経路を提供する。それらの実施形態は例えば所定の経路の残り部分の少なくとも一部が渋滞の影響を受けると判明した場合に使用されてもよい。その場合、本発明は渋滞の影響が少ない代替経路を決定する方法を提供してもよい。
他の実施形態では、第1の場所は出発地であり、第2の場所は目的地である。それらの実施形態は代替経路の生成を含む方法のステップが経路のナビゲーションの実行前に実行される場合に特に適用可能である。出発地及び目的地はユーザにより指定されてもよい。
第1の場所及び/又は第2の場所がナビゲート中の所定の経路に沿った場所である場合に、方法はナビゲート中の所定の経路を生成するステップに拡張されてもよいが、拡張されなくてもよいことが理解されるだろう。
第1の場所及び第2の場所は何らかの適切な方法で取得されてもよい。例えば一方又は双方の場所がユーザにより指定されてもよい。他の構成では、場所は例えばナビゲーション装置又はサーバにより自動的に決定されてもよい。例えばこれは場所間で所定の経路の少なくとも一部に代わる代替経路が生成されてもよい第1の場所及び第2の場所を提供するために、第1の場所及び/又は第2の場所がナビゲート中の所定の経路と関連付けられるような場合である。第1の場所及び/又は第2の場所は通信ネットワークを介して受信されてもよい。
本発明の方法はユーザ入力、例えば経路の生成を要求するユーザ入力に応答して開始されてもよいが、例えばナビゲート中の所定の経路に沿って渋滞が検出された場合などに自動的に開始されてもよいことが理解されるだろう。方法は受信されるライブ交通データに応答してナビゲーション装置により開始されてもよい。
第1の場所と第2の場所との間で生成される複数の経路は、第1の場所と第2の場所との間の代替経路であると考えてもよい。経路は当該技術で知られている何らかの適切な方法で生成されてもよい。例えば経路は、経路指定エンジンの決定に従って第1の場所と第2の場所との間で生成されるナビゲート可能ネットワークを通る最小コスト経路及び1つ以上の次に低いコストの経路であってもよいだろう。例えば経路は最小コスト経路及び最小コスト経路の所定の範囲内に入る最小コストより高いコストを有する各経路であってもよい。経路のコストは、例えば走行時間、平均速度、長さなどのナビゲート可能ネットワークのセグメントの何らかの所望の属性を考慮に入れるコスト関数を使用して決定されてもよい。最小コスト経路はナビゲート可能ネットワークのセグメントを走行することと関連するコストを最小にすることに基づいてもよく、このコストは適切なコスト関数を使用して決定される。例えばコスト関数はユーザ入力に基づいて、最小コスト経路が最短経路、最速経路、最もエコロジカルな経路などになるように適宜選択されてもよい。一例では、最速経路を決定するようにコスト関数が選択される場合に、複数の経路は最速経路及び最速経路の行程時間の閾値以内にあるいずれかの経路、例えば最速経路の10%以内又は最速経路の20%以内のいずれかの経路を決定してもよい。
方法は複数の経路を生成することと、各経路のセグメントの現在容量データを使用して経路ごとの相対フロー値を決定することとを含む。それらのステップは順次実行されてもよいが、順次実行されなくてもよいことが理解されるだろう。例えば最初に、例えば第1のアルゴリズムにより複数の経路が生成され、次に、例えば第2のアルゴリズムを使用して、各経路のセグメントの現在容量データに基づいて経路ごとに相対フロー値が取得されてもよい。しかし、その代わりに経路の相対フロー値を決定するステップは、例えば同一のアルゴリズムを使用して、経路を生成するステップと同時に実行されるのが好ましいと考えられる。これはナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを考慮に入れるコスト関数を使用して実現されてもよい。セグメントを走行することのコストを決定する場合にセグメントの他の属性、例えば走行時間などと共に現在容量が使用されてもよく、これはネットワークを通る経路、例えば最小コスト経路を決定するときに使用されてもよいことがわかる。
本発明によれば、第1の場所と第2の場所との間で限られた数の経路が生成される。生成される複数の経路は第1の場所と第2の場所との間の可能経路のサブセットである。いくつかの実施形態において、経路のサブセットは最適経路、例えば最速経路、最短経路などと、最適経路の所定の閾値の範囲内のいずれかの経路(又は所定の数までの経路)とを含む。
経路のサブセットは種々の方式で選択されてもよい。いくつかの実施形態において、方法は第1の場所と第2の場所との間で所定の数の経路を生成することを備える。次に、方法は例えば各経路のセグメントの現在容量を示すデータを使用して、経路ごとの相対フロー値を決定することを備えてもよい。言い換えれば、それらの実施形態では、方法はまず第1の場所と第2の場所との間で経路を生成するステップと、次に、経路ごとのフロー値を決定するステップという2つの異なるステップを含んでもよい。そのような実施形態では、経路を生成するステップはナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量データを参照することなく実行される。これは経路の生成と、経路の相対フロー値の取得とに異なる特定のアルゴリズムを使用して実現されてもよい。
好適な実施形態では、生成される複数の経路は第1の場所と第2の場所との間の可能経路のサブセットであり、経路のサブセットは経路のフロー値を参照することにより選択される。経路のサブセットは所定のフロー閾値を超えるフロー値を有する経路であるのが好ましい。経路ごとのフロー値はナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを使用して決定される。それらの実施形態において、経路ごとのフロー値は経路のサブセットを選択する処理の一部として決定されるので、複数の経路を生成するステップと、経路ごとの相対フロー値を決定するステップとは都合よく組み合わされてもよい。その場合、それらのステップは同一のアルゴリズムを使用して実行されてもよい。
本発明によれば、その実施形態のいずれかにおいて、生成される経路の各々に関して相対フロー値が取得される。前述のように、説明される特定の実施形態に従って経路のサブセットが取得されるか否かにかかわらず、相対フロー値は複数の経路、すなわちネットワークを通る可能経路のサブセットを生成する処理の一部として決定されてもよいが、生成される各経路に関連して、すなわち生成経路のサブセットの中の各経路に関連して、経路生成とは別の後続ステップで決定されてもよい。生成経路の中の所定の1つの経路の相対フロー値は生成されたすべての経路に関する総フロー値に対するその経路のフロー値を示す。相対フロー値は相対フローを示す何らかの尺度であってもよい。
方法は第1の場所と第2の場所との間のナビゲーションで使用するために、複数の生成経路の中から所定の1つの経路を選択することを備える。経路の中の所定の1つの経路は複数の生成経路の中から無作為に選択される。複数の生成経路の中から所定の1つの経路を選択する処理において、各経路はその経路に関して決定された相対フロー値に基づいて選択される確率を有する。経路の相対フロー値は複数の経路の各経路と関連するフロー値の総計に対するその経路のフロー値を表す。各経路を選択する確率はその経路の相対フロー値に従って重み付けされる。確率は経路の相対フロー値に対応してもよいが、何らかの適切な方法でフロー値に基づいてもよい。例えば経路を選択する確率はその経路のフロー値に比例してもよい。複数の生成経路の中から経路が選択される確率はその経路のフロー値が増すにつれて高くなり、フロー値が小さくなるにつれて確率は低くなる。このように、相対的に高いフロー値を有する経路は相対的に低い相対フロー値を有する経路より選択されやすい。
ナビゲートされる経路の生成及び選択がどこで実行されるかにかかわらず、方法は選択された経路を示すデータを例えばナビゲーション装置を使用して出力するステップを更に備えてもよい。方法は選択された経路を示すデータをユーザへ出力することを備えてもよい。データは経路を何らかの方法で示してもよく、例えば聴き取れる形又は目に見える形態である命令のセットであってもよいが、経路の視覚表現であるのが好ましい。好適な実施形態では、方法は経路をユーザに表示することを備える。しかし、他の形態の出力が使用されてもよい。その代わりに又はそれに加えて、例えば方法は経路を示す情報を印刷することを備えてもよい。好適な実施形態では、経路を表示するステップは経路を電子地図に重ね合わせることを備えてもよい。その代わりに又はそれに加えて、方法は選択された経路に沿って運転者を案内するためのナビゲーション命令のセットを生成するステップを備えてもよい。その代わりに又はそれに加えて、方法は選択された経路を記憶することを備えてもよい。このステップはナビゲーション装置により実行されてもよい。
本発明は生成経路の各々に関する相対フロー値を決定するとき及びいくつかの実施形態では更に経路を生成するときに、ナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量を示すデータを使用することを含む。所定の経路に関する相対フロー値を決定するときに使用される現在容量データはその経路のセグメントに関連する容量データに限定されてもよいが、限定されなくてもよいことが理解されるだろう。フロー値の決定と、経路の決定とが同時に実行される実施形態において、最終的に経路の一部を形成するセグメント以外のナビゲート可能ネットワークのセグメントの現在容量データが使用されてもよく、すなわち第1の場所と第2の場所との間のネットワークを通る潜在経路を探索するときに使用されてもよい。例えば第1の場所と第2の場所との間のネットワークを通る可能経路と関連するフロー値が決定され、先に説明したように可能経路のサブセットを選択するために、閾値と比較されてもよい。他の実施形態では、経路ごとの相対フロー値は例えば経路の一部を形成するセグメントのみと関連する容量データを使用して、そのようなセグメントに関する現在容量データに基づいて決定される。これは経路の生成と、相対フロー値の決定とが順次実行されるような場合だろう。
ナビゲート可能セグメントの現在容量データは経路の相対フロー値を取得するために何らかの適切な方式で使用されてもよい。相対フロー値は複数の生成経路、すなわち複数の生成経路により提供される第1の場所と第2の場所との間のすべての可能経路のサブセットで定義される経路に関する値である。複数の生成経路は第1の場所と第2の場所との間でナビゲート可能セグメントから成るネットワークを独自に定義するものとして考えられてもよい。このネットワークはナビゲート可能セグメントから成るネットワークの中の部分ネットワークである。そこで、ナビゲート可能セグメントから成るネットワークのナビゲート可能セグメント(部分ネットワークのセグメントに限定されてもよいが、限定されなくてもよい)の現在容量データは、ナビゲート可能セグメントの部分ネットワークの各経路に沿った相対フローを決定するために使用されてもよい。
所定の経路の相対フロー値は、所定の経路に沿って延びる複数の生成経路のすべてを経る第1の場所と第2の場所との間の全体フローに占める割合を示す。従って、相対フローは本発明の目的のために生成され、考慮される複数の経路に関する相対的なフローである。複数の経路を経る第1の場所と第2の場所との間の全体フローは、複数の経路のセグメントにより定義されるナビゲート可能セグメントの部分ネットワーク全体にわたるフローに対応する。全体フローは第1の場所と第2の場所との間の複数の経路の各々に沿ったフローの和であってもよい。全体フロー及び所定の各経路に沿ったフローはナビゲート可能ネットワークのセグメントの容量、又は実施形態においては複数の経路のセグメントの容量に基づいて決定される。所定の経路の相対フロー値は、第1の場所と第2の場所との間でその経路に沿って通過する流れ全体に占める割合を何らかの方式で示してもよい。経路に沿った流れはトラフィックフロー、すなわち第1の場所から第2の場所までその経路に従って走行する車両の流れを表す。
好適な実施形態において、複数の経路の経路ごとの相対フロー値は、第1の場所と第2の地との間で複数の経路を経る第1の場所と第2の場所との間のフローが最大である条件の下の各経路に沿ったフローに基づく。相対フロー値は第1の場所と第2の場所との間の複数の経路により定義されるナビゲート可能セグメントの部分ネットワーク全体にわたり第1の場所と第2の場所との間の流れを最大にするフロー値である。相対フロー値の決定はネットワークのナビゲート可能セグメントの現在容量データ、実施形態においては複数の生成経路のナビゲート可能セグメントの現在容量データに基づく。
ネットワークのセグメントの現在容量に基づいてネットワーク全体にわたる最大フローを提供するアルゴリズムは当該技術で知られている。第1の場所及び第2の場所は考慮されるネットワークのソース及びシンクとしてモデル化されてもよい。いくつかの好適な実施形態において、フォード−ファルカーソンのアルゴリズムに基づくアルゴリズムが使用される。そのようなアルゴリズムは経路の生成及び相対フロー値の決定を同時に実行するために使用されてもよい。
本発明に従った現在容量データは、そのデータが関連するナビゲート可能セグメントの現在容量を何らかの方式で示してもよい。容量データは容量であってもよく、あるいは容量の決定を可能にするデータであってもよいと考えられる。容量データはセグメントで現在起こっていること又は少なくとも相対的に近い時点で起こったことを指示するという意味で現在容量を示している。「現在」容量データは通常例えば最前の10分以内又は5分以内のセグメントの状態に関連してもよい。
現在容量データは「ライブ」容量データ、すなわち信号で発生する相対的に現在に近い状態を反映するリアルタイムで取得されたデータに基づいてもよいが、基づかなくてもよい。しかし、データは少なくとも部分的にライブ容量データに基づくのが好ましい。「ライブ」データは同様に最前の10分又は5分の間のセグメントの状態に関連してもよい。以下に更に詳細に説明されるように、セグメントの現在容量データはそのデータが現在の状態を適切に反映することが直接又は間接的に検証されているのであれば、実際にはそのセグメントに関する履歴容量データに少なくとも部分的に、更には全体として基づいてもよい。例えばナビゲーション装置は、時間依存データであるのが好ましいセグメントの履歴容量データを格納してもよい。装置は実際の現在容量が関連履歴データに基づく予測容量と所定の量だけ異なっているセグメントにのみ関連して、「ライブ」容量データの更新を受信してもよい。装置はこのデータを使用して履歴データを修正し、セグメントに関する現在容量データを提供してもよい。従って、現在容量データは部分的にのみライブデータに基づいてもよい。現在容量データは部分的に履歴データに基づいてもよい。履歴容量データがまだ適切に現在状態を反映している場合にはナビゲーション装置により更新情報は受信されず、履歴データはセグメントの現在容量データとして使用されてもよい。従って、現在容量データはセグメントの履歴容量データに全体として基づいてもよい。
この点に関連して、「履歴」という用語はライブではないデータ、すなわち現時点又は過去の直近の時点(おそらくは最前の約5分又は約10分の間)のセグメントの状態を直接反映していないデータを示すと考えられるべきである。履歴容量は例えば過去の数日、数週間、更には数年間にわたるセグメントの状態に関連してもよい。従って、そのようなデータは現在の道路状態を監視している結果ではないだろうが、例えば所定の時点に関して、現在容量が予測した通りであるようなセグメントの現在容量を依然として示すと考えてよい。
経路のフロー値を決定する場合に使用される各ナビゲート可能セグメントの現在容量データは、そのセグメントの最大容量に対するセグメントの現在容量を示す。従って、現在容量はセグメントの相対現在容量を示す。本明細書において使用される場合の「相対容量」はセグメントの最大容量に対するそのセグメントの容量を表す。セグメントの最大容量はその値を超えるとセグメントが渋滞するとみなされる閾値容量値に対応してもよい。最大容量は例えばセグメントの車線の数、信号機のサイクル数、道路カテゴリなどに基づいて、実験により又は理論上決定されてもよい。セグメントの最大容量は、例えばそのセグメントを示す電子地図データと関連するセグメントの属性であってもよい。他の実施形態では、セグメントの最大容量はセグメントに関して任意に設定された所定の最大容量であってもよい。例えばセグメントに関して、最大容量は種々の理由により、例えば交通管理センター又はネットワーク立案者などの第三者により設定されてもよい。最大容量は交通を他のセグメントに進路変更させようと試みるため又はセグメントの領域で環境への影響を特定のレベル以下に維持しようと試みるためなどの目的で設定されてもよいだろう。従って、最大容量はセグメントの実際の又は理論上の最大容量より少ない人工的な最大容量であってもよい。
現在容量データはセグメントに沿った現在の状態を示す。従って、容量データはセグメントの容量に影響を及ぼしている現在の交通状態、例えば渋滞を考慮に入れる。方法は現在容量データを取得するステップに拡張される。これは何らかの適切な方法で実現されてもよい。現在容量データは1つ以上のライブ(又はリアルタイム)交通情報配信から取得されてもよい。セグメントの現在容量データはそのセグメントの1つ以上の現在属性、例えばセグメントの現在速度プロファイルに基づいて決定されてもよい。そのようなデータは容量データを取得するために、車線の数、セグメントに沿って設置されている信号機などのセグメントの他の属性(変動していなくてもよい)と関連して使用されてもよい。現在容量データはサーバにより決定されてもよく、サーバ又はそれに接続された通信手段はデータを1つ以上の装置へ送信する。
方法はナビゲート可能ネットワークのセグメントのうち少なくともいくつかのセグメントの現在容量を示すデータを受信することを備えるのが好ましい。それらの実施形態は決定されるフロー値が少なくとも部分的にライブ容量データに基づくように、本発明の方法で使用するためのライブ現在容量データを送信する能力を提供するので好適である。データを受信するステップはナビゲーション装置により実行されるのが好ましい。装置は複数の経路を生成するステップと、経路の相対フロー値を決定するステップと、経路の中の所定の1つの経路を選択するステップとを更に実行するのが好ましい。現在容量データが受信される対象であるセグメントの中の少なくともいくつかのセグメントは、本発明に従って複数の経路の各々に関してフロー値を取得するときに現在容量データが使用されるセグメントの少なくとも一部又はすべてを含むのが好ましい。以下に説明されるように、ナビゲート可能セグメントのうちいくつかのセグメントの現在容量データは装置には既にわかっていてもよく、例えば装置により格納されていてもよい。方法はサーバから現在容量データを受信することを備えるのが好ましい。サーバはライブ交通情報システムのサーバであってもよい。方法は移動通信網を介して現在容量データを受信することを備えてもよい。方法は本発明の方法で使用するために現在容量データを例えばナビゲーション装置へ送信するステップに拡張される。方法は例えばサーバがナビゲーション装置などの装置へ現在容量データを送信するステップを更に備えてもよい。他の実施形態では、データが他の方式で受信されてもよいことは理解されるだろう。データは何らかのライブ交通情報源から取得されてもよい。例えば現在容量データはブロードキャスト方法を介して、例えばトラフィックメッセージチャネル(TMC)システム又は他の同様の種類のシステムを介するなどのラジオ放送により受信されてもよい。
ナビゲート可能ネットワークのセグメントに関連して現在容量データを提供するためにサーバなどの処理デバイスを使用することは、それ自体有益であると考えられる。
本発明の更なる態様によれば、処理デバイス、オプションとしてサーバが提供され、処理デバイスは電子地図によってカバーされる領域内のナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントを表す1つ以上のセグメントに関連して電子地図データを生成する手段を備え、生成される電子地図データは1つ以上のセグメントの現在容量を示すデータを含み、処理デバイスは1つ以上のナビゲート可能セグメントの現在容量を示すデータをナビゲーション装置へ送信する通信デバイスに接続可能である。
セグメントの現在容量データはナビゲーション装置によりセグメントを示す電子地図データと関連付けられる属性の形態であってもよい。処理デバイス、例えばサーバは現在容量データをそのデータが関連している前記又は各ナビゲート可能セグメントを示すデータと関連させて送信するように構成されてもよい。
無線通信網を介して装置へデータを送信することが可能であるのが好ましい通信デバイスは、ナビゲーション装置への送信のためのこのデータのアクセスとは異なる場所で電子地図データの生成が実行されるように、処理デバイスとは別であってもよい。他の実施形態では、処理デバイス及び通信デバイスは1つの場所で同一のシステムの中で組み合わされてもよい。
別の態様において、本発明は処理デバイス、オプションとしてサーバを動作させる方法に拡張され、方法は電子地図によってカバーされる領域内のナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントを表す1つ以上のセグメントに関連させて電子地図データを生成することを備え、生成される電子地図データは1つ以上のセグメントの現在容量を示すデータを含む。方法は1つ以上のナビゲート可能セグメントの現在容量を示すデータをナビゲーション装置へ送信することを備えるのが好ましい。
当業者には理解されるように、本発明のそれらの更なる態様は本発明のその他の態様のうちいずれかに関して本明細書において説明される本発明の好適な特徴及びオプションの特徴のうちいずれか1つ以上又はすべてを適宜含むことができ、含むのが好ましい。明示して述べられていない場合、本発明のシステムは本発明の方法に関連してその態様又は実施形態のいずれかにおいて説明される何らかのステップを実行する手段を備えてもよく、その逆もまったく同じである。
それらの更なる態様で生成される現在容量データは、先に示した本発明の態様に関連して本明細書で説明される実施形態のうちいずれかに従っていてもよい。現在容量データは前記又は各セグメントに関するライブ容量データに基づくのが好ましい。現在容量データは例えば位置データ(又はプローブデータ)、車両間(V2V)データ、環状道路、第三者データなどの1つ以上のデータソースを使用してサーバにより何らかの適切な方法で取得されてもよい。データソースは1つ以上のライブ(又はリアルタイム)交通情報配信であってもよい。
好適な実施形態において、ライブ容量データはナビゲート可能ネットワークのセグメントに沿った複数の装置の移動に関連する位置データを使用して取得される。位置データは時間に関する装置の位置を示す。従って、位置データは時間データと関連付けられるのが好ましい。位置データは必ずしも本発明の目的のために特定して受信されるのではない位置データであってもよい。例えばデータはそのような「プローブ」データの既存のデータベースから取得されるデータであってもよく、そこから関連データが取り出されてもよい。いくつかの構成において、データを取得するステップはデータをアクセスすること、すなわち以前に受信され、格納されていたデータをアクセスすることを含んでもよい。他の実施形態では、位置データを取得するステップは装置から例えばサーバでデータを受信することを含む。受信されたデータは位置データ及び関連時間データであるのが好ましい。方法が装置からデータを取得又は受信することを含む構成では、方法は本発明のその他のステップの実行へ進む前に受信された位置データを格納することを更に備えてもよいと考えられる。
前述のように、位置データは時間に関する装置の移動に関連し、装置がたどる経路の位置「トレース」を提供するために使用されてもよい。装置は本発明の目的のために位置データ及び十分な関連タイミングデータを提供することが可能な何らかの移動デバイスであってもよい。装置は位置決定能力を有する何らかのデバイスであってもよい。通常装置はGPS又はGSM(登録商標)デバイスを備えてもよい。そのような装置はナビゲーション装置、測位能力を備える移動通信装置、位置センサなどを含んでもよい。装置は車両と関連付けられるのが好ましい。それらの実施形態において、装置の位置は車両の位置に対応する。装置は車両と一体化され、例えば組み込みセンサ又は組み込みナビゲーション装置であってもよいが、(取り外し可能に装着可能な)ポータブルナビゲーション装置のように、車両と関連する別の装置であってもよい。当然のことながら、位置データは異なる装置の組み合わせから取得されてもよいが、1つの種類の装置、例えば車両と関連する装置から取得されてもよい。
複数の装置から取得される位置データは「プローブデータ」と呼ばれてもよいことが理解されるだろう。従って、プローブデータという場合、それは用語「位置データ」と互換性を持つものとして理解すべきであり、簡略にするため、位置データがプローブデータと呼ばれてもよい。
方法は本明細書において説明される実施形態のうちいずれかに従った方法を実施するときに、ナビゲーション装置により使用するための現在容量データをサーバが提供することを備えてもよい。それらの更なる態様によるサーバは以下に説明される実施形態のうちいずれかに従って動作してもよく、サーバはあらゆるステップを実行するものとして説明されることが理解されるだろう。
本発明によれば、本明細書で説明される方法で使用するために現在容量データが送信及び/又は受信される態様又は実施形態のいずれかにおいて、受信されるデータは経路のフロー値を取得するときに使用されるのと同一の形態であってもよいが、同一の形態でなくてもよい。例えばフロー値決定で相対現在容量データが使用される場合に、絶対現在容量データが受信され、方法で使用するための相対現在容量データに変換されてもよい。従って、受信される現在容量データ及び使用される現在容量データは共にナビゲート可能セグメントの現在容量を示すが、異なる形態で現在容量を示してもよい。セグメントの現在容量データはそのセグメントを示す電子地図データであるか又はそれと関連する属性の形態であってもよい。
受信され、本発明の種々の態様又は実施形態のいずれかにおいては送信もされる現在容量データは、ナビゲート可能セグメントごとの相対現在容量データであってもよい。現在容量データの送信を含む本発明の態様又は実施形態のいずれにおいても、方法はナビゲート可能セグメントの各々の現在絶対容量を示すデータをサーバが決定することと、ナビゲーション装置へ送信するための各セグメントの現在相対容量を示すデータを取得するために、決定されたデータを各セグメントの最大容量を示すデータと共に使用することとを備えてもよい。サーバはナビゲート可能セグメントごとの最大容量データを格納するように構成されてもよい。受信される現在容量データがセグメントの現在相対容量を示すようなそれらの実施形態では、ナビゲーション装置がセグメントの最大容量データを格納する必要はない。
他の実施形態において、方法はナビゲート可能セグメントごとの絶対現在容量を示すデータを受信することと、セグメントごとの相対現在容量を示すデータを取得するために、受信されたデータをナビゲート可能セグメントごとの最大容量を示すデータと共に使用することとを備えてもよい。絶対現在容量データはナビゲーション装置により受信されてもよく、ナビゲーション装置はそのデータを使用して、セグメントごとの相対現在容量データを取得するのが好ましい。方法はサーバが絶対現在容量データをナビゲーション装置へ送信するステップに拡張される。本発明のこれらの更なる態様のサーバは、そのような絶対容量データを送信するように構成されてもよい。方法はクライアントデバイス、例えばナビゲーション装置がいずれかのナビゲート可能セグメントの最大容量又はナビゲート可能セグメントごとの最大容量を示すデータを決定するステップを備えてもよい。決定するステップは格納されているセグメントごとの最大容量データをアクセスすること、又はセグメントごとの最大容量データを導出することを備えてもよい。従って、いくつかの実施形態において、ナビゲート可能セグメントごとの最大容量データは格納されたデータであってもよく、方法はクライアントデバイス、例えばナビゲーション装置が各ナビゲート可能セグメントを示す電子地図データを格納することと、セグメントの相対現在容量データを取得するときに使用するために、格納されている最大容量データを検索することとを備えてもよい。例えば各セグメントの最大容量を示すデータは、各セグメントを示す電子地図データと関連付けられてもよい。セグメントの最大容量データは、そのセグメントを示す電子地図データと関連する属性として格納されてもよい。他の実施形態では、方法はセグメントを示す電子地図データと関連するセグメントの1つ以上の属性を示すデータを使用して、セグメントごとの最大容量データを決定することを備えてもよい。例えば最大容量データは、例えば車線の数、道路クラスなどを含む属性に基づいて決定されてもよい。
方法はクライアントデバイス、例えばナビゲーション装置がナビゲート可能セグメントの現在容量を示す受信データを格納することを備えてもよい。データはセグメントを示す電子地図データと関連させて格納されてもよい。
現在容量データが受信され且つ/又は送信される実施形態では、現在容量データはナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントの中の少なくともいくつかのセグメントに関連する。現在容量データは本発明に従って経路の相対フロー値を決定するときに現在容量データが使用される各ナビゲート可能セグメントに関連してもよいが、関連していなくてもよい。いくつかの実施形態において、方法はナビゲート可能ネットワークのセグメントを示す電子地図データと関連する履歴容量データを格納することを備える。履歴容量データはセグメントの絶対容量データ又は相対容量データの形であってもよい。ナビゲート可能セグメントごとの履歴容量データは時間に依存するのが好ましい。それらの好適な実施形態では、履歴容量データは所定の期間中のセグメントの容量を示す。いくつかの好適な実施形態において、各セグメントは複数の履歴容量を示すデータと関連付けられ、各履歴容量は異なる所定の期間に関するデータである。例えばセグメントの履歴容量は1年間の異なる時点、曜日間の異なる時点及び/又は1日の異なる時刻に対応する期間にわたり格納されてもよい。
方法は現在容量がセグメントの履歴容量データ(すなわち、現在時刻に適用可能な時間に関する)と所定の量だけ異なっているようなセグメントにのみ関連して現在容量データを受信すること及び/又は送信することを備えてもよい。それらの実施形態では、セグメントの現在容量データが格納されている履歴データと所定の量だけ異なることをサーバが決定できるようにするために、現在容量データを送信するサーバはナビゲーション装置により格納されている履歴容量データの知識を有する。本発明の更なる態様又は実施形態によれば、方法は電子地図により表されるナビゲート可能ネットワークの複数のナビゲート可能セグメントの各々に関する履歴容量データをサーバが格納することと、ネットワークのナビゲート可能セグメントの現在容量を示すデータを決定することと、現在容量が格納されているナビゲート可能セグメントの履歴データと所定の量だけ異なる場合に限り、そのナビゲート可能セグメントの現在容量を示すデータをナビゲーション装置へ送信することとを備えてもよい。
それらの実施形態では、格納されているセグメントの履歴データがそのセグメントの現在容量をまだ適切に反映しているのであれば、本発明の相対フロー値を取得するときに装置により使用される現在容量データは格納されているセグメントの履歴データに対応してもよい。履歴容量データが絶対容量データである場合に、装置はまず、セグメントの最大容量を示すデータ、例えば格納されている最大容量データを使用して、セグメントの履歴相対容量データを取得してもよい。しかし、履歴容量データは相対容量データであるのが好ましい。従って、現在容量データがセグメントの現在容量を反映すると考えることができるのであれば、例えば受信されているセグメントの更新済み現在容量データが存在しない場合に現在容量を暗黙に反映すると考えることができるのであれば、現在容量データはライブデータであってもよいし、ライブデータではなくてもよい。
現在容量データが取得される、例えば受信され且つ/又は送信されるネットワークのナビゲート可能セグメントのうち少なくともいくつかは、現在地(すなわち、方法を実行しているクライアントデバイスの場所)、第1の場所及び第2の場所のうち1つ以上に基づいて決定されるナビゲート可能ネットワークのナビゲート可能セグメントのサブセットであってもよい。ナビゲート可能セグメントのサブセットは現在地、第1の場所及び第2の場所のうち1つ以上に基づく領域内のナビゲート可能セグメントのサブセットであってもよい。ナビゲート可能セグメントのサブセットは現在地に基づくか、又は現在地及び第2の場所に基づくのが好ましい。領域は例えばそれらの場所のうち1つを中心とするほぼ矩形又は円形の領域、あるいは現在地又は第1の場所と第2の場所との間で定義される領域であってもよい。領域は数十キロメートル又は数百キロメートル程度の直径、例えば50〜200kmの直径を有してもよい。領域の大きさはデータを受信しているナビゲーション装置の現在速度に基づいて、例えば車両の現在走行速度に対応して選択されてもよい。例えば装置(及び車両)が100km/hで走行している場合に、装置が30km/hで走行している場合と比較して領域は広くなってもよい。従って、取得される現在容量データ、例えば受信され且つ/又は送信される現在容量データはルーティングコリドーが定義される方式と同様の方式で、第1の場所と第2の場所との間で経路を生成する場合に考慮されると予測されるナビゲート可能セグメントのサブセットのみに関連して取得されるのが、例えば受信され且つ/又は送信されるのが好ましい。これにより、過剰な量のデータを送信する必要を回避できる。方法はナビゲーション装置が装置の現在地、第1の場所及び第2の場所のうち1つ以上を示すデータをサーバに提供することと、サーバがセグメントのサブセットに関する現在容量データを装置へ送信することとを備えてもよい。サーバが現在容量データを送信することを含む本発明の更なる態様又は実施形態によれば、方法はサーバがクライアント、例えばナビゲーション装置の現在地、並びに場所間で経路が生成される第1の場所及び/又は第2の場所のうち1つ以上を示すデータを受信することと、ナビゲート可能ネットワークのセグメントのサブセットに関する現在容量データを装置へ送信することとを備えてもよく、ナビゲート可能セグメントのサブセットは現在地、第1の場所及び/又は第2の場所を示す受信データに基づく。
現在容量データを取得するステップ、例えば受信するステップは複数の経路を生成するステップの前に実行されてもよいが、そのステップの前に実行されなくてもよく、経路の生成は経路のフロー値を取得するのに先立って実行される。しかし、容量データは経路が生成される前に取得されるのが好ましい。
ナビゲートされる複数の経路を提供することと関連して本発明の方法が実行される場合、すなわち本発明の方法が全体としての装置/ユーザの集団に対して複数の装置により又は複数のユーザに関して実行される場合に、ユーザは異なる経路に沿って分散し、各経路に沿って誘導されるユーザの割合がそれらの経路の相対フロー値を反映すると予測される。従って、本発明の方法は異なる経路に沿って利用可能な実際の流れを利用するように、ネットワーク全体にわたり負荷を均衡させるのに有用であることが理解されるだろう。実施形態はネットワーク全体にわたる流れを少なくともほぼ最適化するということができる。本発明が第1の場所と第2の場所との間の可能経路のサブセットのみを考慮するために、流れが最適化される程度が制約させることは言うまでもない。第1の場所と第2の場所との間のネットワークに沿った流れは、生成経路に対応する第1の場所と第2の場所との間の可能経路のサブセットに関連して少なくとも最適化される。
好適な実施形態において、本発明の方法は異なるユーザによるナビゲーションのために複数の経路を提供することに関連して複数回実行される。方法は異なるナビゲーション装置によりその都度1回ずつ実行されるのが好ましいが、前述のように、ナビゲートされる前記又は各経路を取得することに関連して、サーバが方法を実行してもよいだろう。これにより、経路と関連するフロー値に従って複数の経路にわたり流れを効果的に分散させることができる。
尚、1つ以上のセグメントに関連する語句「〜と関連する」はデータ記憶場所に対する何らかの特定の制限を要求すると解釈されるべきではない。この語句は特徴が1つのセグメントと識別可能に関連していることを要求するだけである。従って、関連付けは例えばおそらくは遠隔サーバに配置されるサイドファイルを参照することによって実現されてもよい。
本明細書において使用する場合の用語「セグメント」は、当該技術における通常の意味を有する。セグメントは2つのノードを接続するナビゲート可能リンク又はそのいずれかの部分であってもよい。本発明の実施形態は道路のセグメントに関連して説明されるが、歩道、河川、運河、自転車道路、航路、鉄道線路などのセグメントのような他のナビゲート可能セグメントにも本発明を適用可能であることを理解すべきである。参照を容易にするために、セグメントは一般に道路セグメントとして表されるが、「道路セグメント」への言及はいずれも「ナビゲート可能セグメント」又は何らかの特定の種類のそのようなセグメントへの言及と置き換えられてよい。
「現在容量データ」というとき、それは明示して述べられていない場合でも現在容量データを示すデータを表し、そのような表現と置き換えられてもよい。
ナビゲート中の所定の経路の参照は、当該技術で使用されている通常の意味で、例えばナビゲーション装置により、好ましくは提供されているナビゲーション命令に関連してユーザが案内されている経路を参照することであると理解されてもよい。それらは通常は例えば経路に従って走行するためにユーザが実行すべき操縦及び他のアクションを示す1つ以上の命令から成る命令セットと組み合わされた経路の表示の形であってもよく、聴き取ることができるように且つ/又は目に見えるように与えられてもよい。所定の経路は代替経路が生成されるか又は少なくともユーザに提示される時点で走行中の経路を表す。
本発明に係る方法のいずれかは、少なくとも部分的にソフトウェア、例えばコンピュータプログラムを使用して実現されてもよい。従って、本発明は本発明の態様又は実施形態のうちいずれかに係る方法を実行するために、あるいはナビゲーション装置及び/又はサーバに実行させるために実行可能なコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラムに更に拡張される。
それに対応して、本発明はデータ処理手段を備えるシステム又は装置を動作させるために使用される場合に、前記データ処理手段と共同して、前記装置又はシステムに本発明の方法のステップを実行させるようなソフトウェアを備えるコンピュータソフトウェアキャリアに拡張される。そのようなコンピュータソフトウェアキャリアは、ROMチップ、CD ROM又はディスクなどの非一時的物理格納媒体であることが可能であるか、あるいは回線を介する電子信号、光信号又は衛星などへの無線信号のような信号であることが可能だろう。本発明は、機械により読み取られた場合に、その機械を本発明の態様又は実施形態のうちいずれかの方法に従って動作させる命令を含む機械可読媒体を提供する。
本発明に従って使用されるナビゲーション装置のようなクライアントデバイスは、その実現形態にかかわらず、プロセッサと、メモリと、前記メモリの中に格納されたデジタル地図データとを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。装置の機能性の制御を可能にするために、1つ以上の追加ソフトウェアプログラムが提供されてもよい。装置は、GPS(全地球測位ステム)信号の受信及び処理の機能性を含むのが好ましい。装置はユーザへ情報を中継するための1つ以上の出力インタフェースを備えてもよい。出力インタフェースは視覚表示に加えて、可聴出力のためのスピーカを含んでもよい。装置は装置のオン/オフ動作又は装置の他の機能を制御するための1つ以上の物理ボタンを含む入力インタフェースを備えてもよい。
他の実施形態では、ナビゲーション装置は、特定のナビゲーション装置の一部を形成しない処理デバイスのアプリケーションによって少なくとも部分的に実現されてもよい。例えば、本発明はナビゲーションソフトウェアを実行するように構成された適切なコンピュータシステムを使用して実現されてもよい。システムは移動コンピュータシステム又はポータブルコンピュータシステム、例えば移動電話又はラップトップであってもよいが、デスクトップシステムであってもよい。
明示して述べられていない場合、本発明はその態様のいずれかにおいて、本発明の他の態様又は実施形態に関して説明された特徴のうちいずれか又はすべてを、それらの特徴が互いに排他的にならない範囲内で含んでもよいことが理解されるだろう。特に方法において及び装置により実行される動作の種々の実施形態が説明されているが、それらの動作のうち1つ以上又はすべては、希望に応じて、何らかの組み合わせで方法において及び装置により適宜実行されてもよいことが理解されるだろう。
以下に、それらの実施形態の利点が記載され、それらの実施形態の各々の更なる詳細及び特徴は、添付の従属特許請求の範囲及び以下の詳細な説明のいずれかの箇所で定義される。
添付の図面を参照して、単に例として本発明の実施形態を以下に説明する。
ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な一部分を概略的に示す図である。
ナビゲーション装置とサーバとの間の通信のための通信システムを示す概略図である。
図2のナビゲーション装置又は他の何らかの適切なナビゲーション装置の電子構成要素を示す概略図である。
ナビゲーション装置を搭載し且つ/又はドッキングする構造を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る方法のステップを示すフローチャートである。
出発地と目的地との間の3つの代替経路に関連して本発明の方法がどのように実現されるかを示す図である。
本発明が関連して実現されてもよい出発地と目的地との間で取得可能な3つの代替経路を示す図である。
特にポータブルナビゲーション装置(PND)に関連させて、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の教示はPNDに限定されず、経路計画機能性及びナビゲーション機能性を提供するようにポータブル構成でナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されたどのような種類の処理装置にも広く本発明を適用可能であることを忘れてはならない。従って本出願に関連して、ナビゲーション装置は装置がPNDとして具現化されるか、自動車などの車両として具現化されるか、あるいは実際にポータブル計算資源、例えば経路計画ソフトウェア及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)として具現化されるかにかかわらず、どのような種類の経路計画/ナビゲーション装置も(制限なく)含むことが意図される。
更に、本発明の実施形態は道路セグメントに関連して説明される。歩道、河川、運河、自転車道路、航路、鉄道線路などの他のナビゲート可能セグメントにも本発明を適用可能であることを認識すべきである。参照しやすくするために、これらは共通して道路セグメントと呼ばれる。
また、ユーザが1つの地点から別の地点までどのようにナビゲートすべきかに関する命令を求めておらず、単に所定の場所のビューの提供を希望しているだけであるような状況でも、本発明の教示を利用可能であることが以下の説明から明らかになるだろう。そのような状況では、ユーザにより選択される「目的」地は、ユーザがナビゲートを開始することを望む対応する出発地を有する必要はなく、そのため本明細書において「目的」地又は実際には「目的地」のビューは経路の生成が不可欠であること、「目的地」までの走行が実際に起こらなければならないこと、又は実際に目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味しないと解釈されるべきである。
以上の条件に留意して、図1の全地球測位システム(GPS)などは多様な目的のために使用される。一般に、GPSは連続した位置、速度、時間及び場合によっては無限の数のユーザに関する方向情報を決定することが可能な衛星無線を利用するナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、きわめて精密な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。それらの精密な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をGPSデータとして何らかの数の受信ユニットへ中継できる。しかし、GLOSNASS、全地球測位衛星システム、COMPASS測位システム又はIRNSS(インド地域航法衛星システム)などの全地球測位システムも使用可能だろうということが理解される。
GPSデータを受信するように特別に装備された装置がGPS衛星信号に関して無線周波数のスキャンを開始した場合に、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は複数の異なる従来の方法のうち1つの方法によってその衛星の正確な場所を決定する。装置は多くの場合に、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号に関するスキャンを継続する(尚、通常、2つの信号のみでは位置は決定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみで位置を決定することは可能である)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は3つの既知の位置を利用して衛星に対する受信機自体の2次元位置を決定する。これは既知の方法で実行可能である。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は既知の方法で同一の幾何学的計算により受信装置自体の3次元位置を計算できる。位置及び速度のデータは無限の数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
図1に示されるように、GPSシステム100は地球104を周回する複数の衛星102を備える。GPS受信機106は複数の衛星102のうちいくつかの衛星からGPSデータをスペクトラム拡散GPS衛星データ信号108として受信する。スペクトラム拡散データ信号108は各衛星102から連続的に送信され、送信される各スペクトラム拡散データ信号108はそのデータストリームを発信している特定の衛星102を識別する情報を含むデータストリームを含む。2次元位置を計算可能にするために、GPS受信機106は、一般に少なくとも3つの衛星102からのスペクトラム拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトラム拡散データ信号を受信すると、GPS受信機106は既知の技術を使用して3次元位置を計算することが可能である。
図2を参照すると、GPS受信装置106を備えるか又はGPS受信装置106に結合されたナビゲーション装置200(すなわち、PND)はデジタル接続、例えば既知のBluetooth(登録商標)技術によるデジタル接続を確立するために、移動デバイス(図示せず)、例えば移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を備える何らかの装置を介して「移動」通信網又は電気通信網のネットワークハードウェアとのデータセッションを必要に応じて確立することが可能である。その後、移動デバイスはネットワークサービスプロバイダを介してサーバ150との間にネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。従って、「リアルタイム」の又は少なくともごく「最新」の情報のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単独で及び/又は車両に搭載されて走行する間に移動可能であり、多くの場合に移動する)とサーバ150との間で「移動」ネットワーク接続を確立できる。
移動装置(サービスプロバイダを介する)と、サーバ150などの別の装置との間で例えばインターネットを使用してネットワーク接続を確立することは既知の方法で実行可能である。この点に関して、例えばTCP/IPレイヤプロトコルなどの何らかの数の適切なデータ通信プロトコルを採用可能である。更に、移動装置はCDMA2000、GSM(登録商標)、IEEE802.11a/b/c/g/nなどの何らかの数の通信規格を利用できる。
従って、データ接続を介して、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内部の移動電話技術を介して実現可能なインターネット接続が利用されてもよいことがわかる。
図示されていないが、ナビゲーション装置200はナビゲーション装置200自体の中に独自の移動電話技術を当然含んでもよい(例えば、アンテナを含むか、又はオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内部の移動電話技術は、内部構成要素を含むことができ及び/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナによって完成する挿入可能なカード(例えば、サブスクライバアイデンティティモジュール(SIM)カード)を含むことができる。このためナビゲーション装置200内部の移動電話技術は、同様にナビゲーション装置200とサーバ150との間でいずれかの移動デバイスに類似する方法で、例えばインターネットを介するネットワーク接続を確立できる。
電話設定に関して、絶えず変化している移動電話の型式、メーカーなどに対して正確に動作するためにBluetooth(登録商標)有効化ナビゲーション装置が使用され、例えば型式/メーカー別設定がナビゲーション装置200に記憶されてもよい。この情報に関して記憶されるデータは更新可能である。
図2では、ナビゲーション装置200はいくつかの異なる構成のうちいずれかの構成により実現可能な汎用通信チャネル152を介してサーバ150と通信しているものとして示される。通信チャネル152は、一般にナビゲーション装置200とサーバ150を接続する伝搬媒体又は伝搬経路を表す。サーバ150とナビゲーション装置200との間に通信チャネル152を介する接続が確立された場合に、サーバ150及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動デバイスを介するデータ接続、パーソナルコンピュータを使用するインターネットを介する直接接続などであることが可能である)。
通信チャネル152は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル152は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル152は多様な技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル152は電気通信、光通信及び/又は電磁通信などのための経路を提供するように構成可能である。従って、通信チャネル152は電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブルなどの電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、自由空間などのうち1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル152は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機などの中間装置を含むことができる。
1つの例示的な構成において、通信チャネル152は電話網及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル152は無線通信、例えば赤外線通信、マイクロ波周波数通信などの無線周波数通信に対応可能であってもよい。また、通信チャネル152は衛星通信に対応できる。
通信チャネル152を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされる又は望まれる信号を含むが、それに限定されない。例えば信号は時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GPRS)などのセルラ通信技術で使用されるように構成されてもよい。通信チャネル152を介して、デジタル信号及びアナログ信号の双方を送信可能である。それらの信号は通信技術で望まれるような変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
サーバ150は図示されない他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され、有線接続又は無線接続158を介して大容量記憶装置160にも動作可能に接続されたプロセッサ154を含む。大容量記憶装置160は、ナビゲーションデータ及び地図情報を格納し、サーバ150とは別の装置であることが可能であるが、サーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は通信チャネル152を介してナビゲーション装置200との間で情報を送受信するために、送信機162及び受信機164にも動作可能に接続される。送受信される信号はデータ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164はナビゲーションシステム200の通信設計で使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。更に、送信機162及び受信機164の機能は1つのトランシーバに組み合わされてもよい。
前述のように、ナビゲーション装置200は通信チャネル152を介して信号及び/又はデータを送受信するために送信機166及び受信機168を使用して、通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成可能であるが、これらの装置はサーバ150以外の装置と通信するためにも使用可能である。更に、送信機166及び受信機168はナビゲーション装置200の通信設計で使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機166及び受信機168の機能は先に図2に関連して説明したような1つのトランシーバに組み合わされてもよい。ナビゲーション装置200は以下に更に詳細に説明されるように、他のハードウェア部分及び/又は機能部分を当然備えている。
サーバメモリ156に格納されたソフトウェアはプロセッサ154に関する命令を提供し、このソフトウェアによりサーバ150はナビゲーション装置200にサービスを提供できる。サーバ150により提供されるサービスの1つは、ナビゲーション装置200からの要求を処理すること及び大容量データ記憶装置160からナビゲーション装置200へナビゲーションデータを送信することを含む。サーバ150により提供可能な別のサービスは、所望のアプリケーションに関して種々のアルゴリズムを使用してナビゲーションデータを処理すること及び計算の結果をナビゲーション装置200へ送信することを含む。
サーバ150は無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能な遠隔データソースを構成する。サーバ150はローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)などに配置されたネットワークサーバを含んでもよい。
サーバ150はデスクトップ又はラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル152はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、サーバ150とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立するために、パーソナルコンピュータはナビゲーション装置200とサーバ150との間に接続されてもよい。
ナビゲーション装置200は自動的に、随時又はユーザがナビゲーション装置200をサーバ150に接続した時点で更新される情報ダウンロードを介してサーバ150から情報を提供されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ150とナビゲーション装置200との間でより一定の又は頻繁な接続が実行されるのに応じて更に動的であってもよい。多くの動的計算に関して、サーバ150のプロセッサ154は大量の処理要求を処理するために使用されてもよいが、ナビゲーション装置200のプロセッサ(図2には図示せず)も多くの場合にサーバ150への接続から独立して、大量の処理及び計算を処理できる。
図3を参照すると、ナビゲーション装置200のブロック図はナビゲーション装置のすべての構成要素を含んではおらず、多くの構成要素の例を表しているだけであることに注意すべきである。ナビゲーション装置200は筐体(図示せず)の中に配置される。ナビゲーション装置200は、例えば先に説明したプロセッサ202を備える処理回路を含み、プロセッサ202は入力デバイス204と、ディスプレイデバイス、例えば表示画面206とに結合される。ここでは入力デバイス204は単数であるものとして参照するが、入力デバイス204がキーボードデバイス、音声入力デバイス、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他のあらゆる既知の入力デバイスを含む何らかの数の入力デバイスを表していることを当業者は理解すべきである。同様に、表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)のような何らかの種類の表示画面を含むことができる。
1つの構成において、複数の表示選択肢の中の1つを選択するために又は複数の仮想ボタン又は「ソフト」ボタンの中の1つを起動するためにユーザが表示画面206の一部にタッチするだけでよいように、入力デバイス204、タッチパネル及び表示画面206の1つの態様は、情報の入力(直接入力、メニュー選択などによる)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするためにタッチパッド又はタッチスクリーン入力部250(図4)を含む一体型入力/ディスプレイデバイスを提供するように統合される。この点に関して、プロセッサ202はタッチスクリーンと関連して動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を支援する。
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は接続210を介して入力デバイス204に動作可能に接続され、入力デバイス204から接続210を介して入力情報を受信可能であり、また表示画面206及び出力デバイス208へ情報を出力するために、対応する出力接続212を介して表示画面206及び出力デバイス208のうち少なくとも一方に動作可能に接続される。ナビゲーション装置200は出力デバイス208、例えば可聴出力デバイス(例えばスピーカ)を含んでもよい。出力デバイス208はナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるので、入力デバイス204も入力音声コマンドを受信するためのマイク及びソフトウェアを含むことができることを同様に理解すべきである。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力デバイスのような何らかの追加入力デバイス204及び/又は何らかの追加出力デバイスを含むこともできる。
プロセッサ202は、接続216を介してメモリ214に動作可能に接続され、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を受信/送信するように更に構成され、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/Oデバイス222に接続可能である。外部I/Oデバイス222は、例えばイヤホンなどの外部聴取デバイスを含んでもよいが、それに限定されない。更に、I/Oデバイス222への接続は、例えばハンズフリー操作及び/又は音声起動動作、イヤホン又はヘッドホンへの接続及び/又は例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニットなどの他の何らかの外部デバイスへの有線接続又は無線接続であることが可能であり、移動電話接続はナビゲーション装置200と例えばインターネット又は他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立し且つ/又は例えばインターネット又は他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用可能である。
ナビゲーション装置200のメモリ214は、不揮発性メモリの一部(例えば、プログラムコードを格納するため)及び揮発性メモリの一部(例えば、プログラムコードが実行される場合にデータを格納するため)を備える。ナビゲーション装置は、取り外し可能メモリカード(一般にカードと呼ばれる)を装置200に追加できるようにするために接続230を介してプロセッサ202と通信するポート228を更に備える。説明されている実施形態では、ポートはSD(セキュアデジタル)カードを追加できるように構成される。他の実施形態では、ポートは他のフォーマットのメモリ(コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード、メモリスティック、xDメモリカード、USB(ユニバーサルシリアルバス)フラッシュドライブ、MMC(マルチメディア)カード、スマートメディアカード、マイクロドライブなど)の接続を可能にしてもよい。図3は、プロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の接続226を介する動作接続を更に示し、アンテナ/受信機224は、例えばGPSアンテナ/受信機であり、従って図1のGPS受信機106と同様に機能するだろう。尚、図中符号224により示されるアンテナ及び受信機は、図示の便宜上概略的に組み合わされているが、アンテナ及び受信機は個別に配置された構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことを理解すべきである。
図3に示される電子構成要素が従来のように1つ以上の電源(図示せず)により給電されることは当業者には当然理解されるだろう。そのような電源は、内部バッテリ及び/又は低電圧DC電源又は他の何らかの適切な構造に対応する入力部を含んでもよい。当業者には理解されるように、図3に示される構成要素の異なる組み合わせも考えられる。例えば図3に示される構成要素は、有線接続及び/又は無線接続などを介して互いに通信していてもよい。従って、本明細書において説明されるナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200であることが可能である。
更に、図3のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、バイク、自動車又はボートなどの車両に既知の方法で接続又は「ドッキング」させることが可能である。その場合ナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションに使用するためにドッキング場所から取り外し可能である。実際他の実施形態では、装置200はユーザのナビゲーションのためにハンドヘルドになるように構成されてもよい。
図4を参照すると、ナビゲーション装置200は図2の一体型入力/ディスプレイデバイス206及び他の構成要素(内部GPS受信機224、プロセッサ202、電源(図示せず)、メモリシステム214などを含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
ナビゲーション装置200はアーム252に載置されてもよく、アーム252自体は吸引カップ254を使用して車両のダッシュボード/ウィンドウなどに固定されてもよい。このアーム252はナビゲーション装置200をドッキングできるドッキング場所の一例である。ナビゲーション装置200は、例えばナビゲーション装置200をアーム252にスナップ結合することによりドッキング場所のアーム252にドッキングされるか又は他の方法で結合されることが可能である。ナビゲーション装置200はアーム252で回転可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキング場所との結合を解除するために、例えばナビゲーション装置200にあるボタン(図示せず)を押してもよい。ナビゲーション装置200をドッキング場所に着脱するための他の同等に適切な構造は、当業者には周知である。
説明されている実施形態では、ナビゲーション装置のプロセッサ202はアンテナ224により受信されたGPSデータを受信し、そのGPSデータをGPSデータが受信されたときのタイムスタンプと共に随時格納するようにプログラムされ、メモリ214はナビゲーション装置の場所のレコードを作成する。そのように格納される各データレコードはGPS測位場所であると考えてよく、すなわちこれはナビゲーション装置の測位場所であり、緯度、経度、タイムスタンプ及び正確度レポートを含む。
一実施形態において、データは、例えば5秒ごとにほぼ定期的に格納される。他の周期も可能であり、データ分解能とメモリ容量との間で均衡が保たれることは当業者には理解されるだろう。すなわち、より多くのサンプルを取り入れることによりデータの分解能が向上するにつれて、そのデータを保持するために更に多くのメモリが要求される。しかし、他の実施形態では、分解能はほぼ1秒ごと、10秒ごと、15秒ごと、20秒ごと、30秒ごと、45秒ごと、1分ごと、2.5分ごと(又は実際にはそれらの周期の間の任意の周期)であってもよいだろう。従って、装置のメモリの中では複数の時点で装置200の所在地のレコードが作成されている。いくつかの実施形態において、周期が長くなるにつれて取り込まれるデータの品質は低下し、劣化の程度はナビゲーション装置200が移動していた速度に少なくとも部分的に依存し、約15秒の周期が適切な上限を提供することがわかる。ナビゲーション装置200は、一般に装置の所在地のレコードを作成するように構成されるが、実施形態によっては行程の開始時又は終了時に所定の周期及び/又は距離に関するデータを記録しない。そのような構成はおそらくはナビゲーション装置200のユーザの自宅及び他の頻繁に訪れる目的地の所在を保護するので、ユーザのプライバシーを保護するのに有用である。例えばナビゲーション装置200は、行程の初めの5分間に関して及び/又は行程の初めの1マイルに関してはデータを格納しないように構成されてもよい。
他の実施形態では、GPSは定期的に格納されず、所定のイベントが発生した時点でメモリに格納されてもよい。例えばプロセッサ202は装置が道路のジャンクションを通過するか、道路セグメントの変更又は他のそのようなイベントが発生した時点でGPSデータを格納するようにプログラムされてもよい。
更に、プロセッサ202は装置200の所在地のレコード(すなわち、GPSデータ及びタイムスタンプ)を随時サーバ150にアップロードするように構成される。ナビゲーション装置200がナビゲーション装置200をサーバ150に接続する通信チャネル152を永久的に有するか又はほぼ常に有するいくつかの実施形態において、データのアップロードは、例えば24時間ごとに一度などの周期で起こる。他の周期も可能であり、実質的に15分ごと、30分ごと、毎時間、2時間ごと、5時間ごと、12時間ごと、1日おき、毎週又はそれらの間の任意の時点などの周期のうちいずれか1つであってもよいことは当業者には理解されるだろう。実際そのような実施形態では、プロセッサ202はほぼリアルタイムで装置の所在地のレコードをアップロードするように構成されてもよいが、これは実際にデータが相対的に短い送信間周期で随時送信され、そのため疑似リアルタイムであると考えるのがより正確であることを必然的に意味してもよい。そのような疑似リアルタイムの実施形態において、ナビゲーション装置はメモリ214の中及び/又はポート228に挿入されたカードにGPS測位場所をバッファし、所定の数が格納された時点でそれらのデータを送信するように構成されてもよい。この所定の数は20、36、100、200又はそれらの間の任意の数であってもよい。所定の数はメモリ214又はポート228の中のカードのサイズにより部分的に管理されることが当業者には理解されるだろう。
ほぼ常に存在する通信チャネル152を備えていない他の実施形態では、プロセッサ202は通信チャネル152が作成された時点でレコードをサーバ152にアップロードするように構成されてもよい。これは例えばナビゲーション装置200がユーザのコンピュータに接続された時点であってもよい。このような実施形態でも、ナビゲーション装置はメモリ214の中又はポート228に挿入されたカードにGPS測位場所をバッファするように構成されてもよい。メモリ214又はポート228に挿入されたカードがGPS測位場所で満杯になった場合、ナビゲーション装置は最も古いGPS測位場所を削除するように構成されてもよく、そのため先入れ先出し(FIFO)バッファであると考えられてもよい。
説明されている実施形態において、所在地のレコードは1つ以上のトレースを含み、各トレースは24時間の周期の中のそのナビゲーション装置200の移動を表す。各24時間は暦上の1日と一致するように構成されるが、他の実施形態ではこれは必須ではない。
一般に、ナビゲーション装置200のユーザはサーバ150にアップロードされる装置の所在地のレコードに同意する。同意が得られない場合、サーバ150にレコードはアップロードされない。ナビゲーション装置自体及び/又はナビゲーション装置が接続されているコンピュータはそのような所在地のレコードの使用に関してユーザの同意を求めるように構成されてもよい。
サーバ150は装置の所在地のレコードを受信し、処理のためにレコードを大容量データ記憶装置160の中に格納するように構成される。従って、時間の経過に伴って、大容量記憶装置160はデータをアップロードしていたナビゲーション装置200の所在地の複数のレコードを累積する。
先に説明したように、大容量データ記憶装置160は地図データを更に格納する。そのような地図データは、道路セグメントの場所に関する情報、関心地点に関する情報及び地図上で一般に見られる他のそのような情報を提供する。
次に、図5、図6及び図7を参照することにより本発明の一実施形態を説明する。
図5を参照して、ナビゲーション装置によりステップが実行される好適な一実施形態を参照することにより本発明を説明する。ナビゲーション装置は車両と関連し、PND又は一体型ナビゲーション装置であってもよい。
ナビゲーション装置は道路セグメントから成るネットワークを表すデータを含む電子地図を格納する。方法のステップはナビゲーション装置が関連している車両が目的地までの所定の経路に沿って走行している間に実現される。装置が、従って車両が経路に沿った特定の場所に到着したときに、経路の残り部分が渋滞による影響を受けることが決定される。ナビゲーション装置はサーバから通信システムを介して又は無線放送システムを介するなどの他の手段によって交通情報更新を受信してもよい。そこで、ナビゲーション装置は現在地から当初の目的地までの渋滞領域を回避する代替経路を計算する必要がある。他の実施形態では、所定の経路に沿ってナビゲートしているとき以外の時点で本発明が実現されてもよく、生成される代替経路は必ずしも現在地と走行中の所定の経路の目的地との間ではなく、何らかの第1の場所と第2の場所との間の経路であってもよいことが理解されるだろう。
この処理の第1のステップとして、ナビゲーション装置は装置の現在地の所定の領域内の道路セグメントに関する現在容量データを受信する(ステップ400)。サーバはリアルタイム交通情報システムのサーバである。これはナビゲーション装置による要求に応答したものであってもよい。あるいは所定の領域は現在地及びナビゲーション装置の所期の目的地又はそれに類似する場所に基づいてもよく、その場合、現在容量データは代替経路を決定する場合に考慮されると予測される特定の領域の中に含まれる道路セグメントに関してのみ送信される。受信される現在容量データはライブデータに基づく。例えばサーバは1つ以上のライブ交通情報配信を介して受信されるデータに基づくデータを生成してもよい。
受信される現在容量データはセグメントの現在容量をそのセグメントの最大容量の割合として示す現在相対容量データの形であってもよい。セグメントの最大容量データはその値を超えるとセグメントが渋滞すると考えられる閾値であってもよく、あるいは交通管理センターなどの第三者により、例えば環境への影響を特定のレベル以下に維持するためのそのセグメントのトラフィックフローの所望の最大レベルであるとして設定される人工的な任意の最大容量値であってもよい。それらの実施形態において、サーバは相対現在容量データを取得するときに使用するために道路セグメントごとの最大容量データを格納する。
他の実施形態では、サーバはセグメントの絶対現在容量値を送信してもよく、ナビゲーション装置はナビゲーション装置によりセグメントに関して格納されている最大容量データ又は装置の電子地図データにおけるセグメントの属性を使用して装置により導出される最大容量データに基づいて本発明の方法で使用するための相対現在容量データを導出するために、それらの絶対現在容量値を使用してもよい。絶対容量データを送信すべきか又は相対容量データを送信すべきかに関する決定はナビゲーション装置の利用可能記憶パワーと、サーバと装置との間のデータの送信に利用可能な帯域幅の量とに基づいてもよい。
更に別の構成では、ナビゲーション装置は電子地図により表される道路セグメントに関する時間依存の履歴容量の値を格納するように構成されてもよい。各道路セグメントは異なるタイムスロット、例えば週日、ピーク期間又はピーク外れ期間、週末、夜間などに関して複数の容量値と関連していてもよい。サーバはライブデータに基づく現在容量値が所定の量だけ履歴値と異なっている場合に限り、装置へ現在容量データを送信するように構成されてもよい。サーバから装置により新たな現在容量値が受信されない場合に、装置は生成経路が要求される時間、すなわち現在時間に適用可能なセグメントに関して、格納されている履歴容量値を使用する。従って、ナビゲーション装置により使用される現在容量データは一部は履歴容量値に基づき、一部は受信されるライブ容量値に基づいてもよい。装置はまず、必要に応じて履歴データを相対容量データに変換してもよい。
更に別の構成では、ナビゲーション装置は通信システムを介してデータを受信するのではなく、リアルタイム交通情報を提供するために使用される無線周波数で同報通信中のデータ(TMCシステムなど)を介して現在容量データを受信してもよい。
その場合、装置は現在地と目的地との間で可能経路のサブセットである複数の経路を生成する。これは当該技術で知られている標準的な経路指定アルゴリズムを使用して実現されてもよい。装置は経路ごとの相対フロー値を更に取得する(ステップ402)。
いくつかの実施形態において、現在地と目的地との間でいくつかの経路、実施形態では所定の数の経路を決定するために、特定のアルゴリズムが使用され、続いて、経路ごとの相対フロー値を決定するために経路のセグメントに関連する現在容量データが使用される。他の好適な実施形態では、可能経路のサブセットを生成するステップ及びネットワークのセグメントの現在容量データを使用して経路のフロー値を取得するステップは同時に実行される。例えばアルゴリズムは第1の場所と第2の場所との間で第1の最適経路、例えば最速経路、最短経路、最も安価な経路、最もエコロジカルな経路などを決定でき、次に、最適経路の所定の閾値以内にある代替経路、例えば決定された最速経路、最短経路、最も安価な経路、最もエコロジカルな経路の10%以内、20%以内などのいずれかの経路を決定できる。それらの実施形態において、経路決定及び相対フロー値は同一のアルゴリズムにより同時に決定されてもよい。第1の場所と第2の場所との間で、例えば現在地と目的地との間で複数の経路を決定するために、本発明においては経路ごとの相対フロー値と共に使用するように、フォード−ファルカーソンのアルゴリズムに基づくアルゴリズムが使用されてもよいことがわかっている。図6は本発明の一実施形態に従ってフォード−ファルカーソンのアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して計算された3つの経路を示し、アルゴリズムは経路ごとのフロー値(及び確率分布)を更に計算する。経路のサブセットのフロー値及び実際には経路のサブセットを取得するときに考慮される他の経路のフロー値は道路セグメントに関する現在容量データに基づく(同様に図6に示される)。
現在地と目的地との間で生成される複数の経路の各々に関して取得されるフロー値は生成される複数の経路から構成されるネットワークを通って現在地から目的地に至るまで最大のフローが存在するという条件に基づいて、すなわち現在地と目的地との間のすべての可能経路の中のこのサブセットのみを考慮に入れて決定される。
次のステップ404において、生成経路の中から、すなわち現在地と目的地との間の可能経路のサブセットから、装置により1つの経路が無作為に選択される。複数の経路の中から各経路が選択される確率はその経路に関して決定された相対フロー値に基づく。例えば経路が3つあり、3つの経路の間でフローが70%:20%:10%の割合で分割される場合に、各経路を選択する確率はそれに従って70:20:10で重み付けされる。これは本発明の方法を実行するすべての装置全体にわたり、装置により選択され、ユーザが誘導されるときにたどる経路もほぼ70:20:10の割合で分割されることを意味する。このように、ユーザは渋滞領域を回避するが、新たな渋滞領域を形成するのを避け、ネットワークを通る流れを少なくともほぼ最適化するように再誘導される。当然のことながら、この最適化はユーザには許容できるとみなされる経路のセットではあるが、すべての可能経路の中のサブセットのみが考慮されるということにより制約を受ける。しかし、限られた数の経路を考慮することにより、計算に関して効率のよい方式で、ネットワークを通る流れの妥当な均衡が保たれることがわかっている。
次のステップ406において、ナビゲーション装置は選択された経路に沿ってユーザを案内するためのナビゲーション命令のセットを生成する。
図6及び図7は出発地と目的地との間の例示的な経路のセットに関連して、本発明がどのようにして実現されるかを示す。
図6は例えばナビゲーション装置により出発地Sと目的地Tとの間で生成されてもよいA、B及びCとラベル付けされた3つの経路を示す。それらの経路は先に説明した方法のうちいずれかで生成されてもよい。例えば経路は適用可能なコスト関数を使用してSとTの間で決定された3つの最小コスト経路であってもよく、あるいは所定の閾値を超えるフローを有する3つの経路であってもよい。3つの経路A、B及びCは本発明で便宜上考慮されるSとTの間のネットワークを通る可能経路のサブセットを提供する。経路の一部を形成するセグメントの各々は現在相対容量値を有する。ナビゲーション装置は先に説明した方法のうちいずれかによりセグメントの現在相対容量を示すデータを受信するか又は決定してもよい。
セグメントの現在相対容量を使用して、SとTの間のフローが最大である条件の下で、そのセグメントのフロー値を決定することが可能である。これはネットワークの地点間の最大フローを決定するためのフォード−ファルカーソンのアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して実行される。経路の一部を形成するセグメントの各々に沿ったフロー値も図6に示される。経路ごとのフロー値及び経路A、B及びCに沿った総フローに占める割合としての経路ごとの相対フロー値が決定される。例えば経路A、B及びCの相対フロー値はそれぞれ等しいこと、すなわちそれぞれ33%であることが決定されてもよい。
次に、ナビゲーション装置はナビゲーションで使用するために、経路A、B及びCのうち1つの経路を無作為に選択する。経路A、B又はCのうち所定の1つを選択する確率はその経路の相対フロー値に従って重み付けされる。この場合、各経路は経路ごとに33%の確率を均等に与えることにより重み付けされる。
SとTの間で経路を取得することを望む別のナビゲーション装置は同一の計算を実行して、上記の確率に従って経路の中の1つの選択に至るだろう。このようにして多数のナビゲーション装置により方法が実現されると、その結果、運転者は3つの経路にわたりそれらの経路の容量に従って交通を更に均一に分散させるSとTの間の経路を提供されることになる。
図7は出発地Sと目的地Tとの間の3つの例示的な経路500、502及び504のセットを示し、それら3つの経路の中から、ナビゲートされるべき経路はその経路の相対フロー、例えば図6に関連して説明したようなフロー値に基づく適切な確率によって選択されてもよい。図6の実施形態と同様に経路の間で特定の道路セグメントが共有されている。例えば経路502及び504は分岐する前に出発地Sから始まる1つのセグメントを共有する。その後、経路502は目的地Tに向かって経路500と合流する。これらの経路に関連して本発明が実現される場合に、交通の流れはSとTの間で代替経路500、502及び504の間で更に均等に分散される。図7からわかるように、SとTの間で代替経路を計算する必要がある場合に、本発明は交通を単に別の経路へ進路変更して、その経路を渋滞させてしまうのではなく、異なる経路の間で交通の流れを適切に分散させるように、この計算を実行する。
複数の経路を生成し、それらの経路の中からナビゲートされるべき1つの経路を選択するナビゲーション装置を参照することにより本発明を説明したが、方法はサーバによっても実現可能であろうと考えられ、その場合、サーバは選択された経路をナビゲーション装置へ送信する。
従って、本発明はその実施形態のいずれにおいても、例えば渋滞領域を回避するためにネットワーク全体にわたり流れを均衡させるような方式で、ネットワークにおいて複数の装置により使用するための経路を生成することを可能にする方法を提供する。これは異なるナビゲーション装置に関して中央で経路間の調整が必要である従来の技術のようにナビゲーション装置がサーバに経路の決定を要求する必要なく実現される。ナビゲーション装置は他の装置により使用されるべき経路を知ることなく、ネットワーク全体にわたり流れを維持する経路を独立して取得してもよい。同様にサーバにより実現される場合に、サーバは他のナビゲーション装置に関して生成される経路を参照する必要なく、ナビゲーション装置に関する経路をケースバイケースで生成できるので、要求される処理パワーは大幅に低減される。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)で開示されるすべての特徴及び/又は開示される何らかの方法又は処理のすべてのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが互いに排他的である組み合わせを除き、どのような組み合わせで組み合わされてもよい。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)で開示される各特徴は、明示して指示のない限り、同一の、同等の又は同様の目的を果たす代替特徴と置き換えられてもよい。従って、明示して指示のない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等の又は同様の特徴の単なる一例である。
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)で開示される特徴の中の何らかの新規な特徴又は何らかの新規な特徴の組み合わせ、あるいは開示される方法又は処理のステップの中の何らかの新規なステップ又は何らかの新規なステップの組み合わせに拡張される。特許請求の範囲は、上述の実施形態のみを含むと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の範囲内に含まれるあらゆる実施形態を含むものと解釈されるべきである。