本発明の遊技機の実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施形態に係る遊技機として回胴式遊技機を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の他の遊技機であってもかまわない。
また、以下に示す本発明に係る実施形態の説明に用いる図面においてx軸、y軸及びz軸を示している場合がある。これらの図面において、x軸は遊技機における左右方向を示し、y軸は遊技機における前後方向を示し、z軸は遊技機における上下方向を示している。具体的には、x軸方向正側を遊技機の正面に向かって「右」側、x軸方向負側を遊技機の正面に向かって「左」側、y軸方向正側を遊技機の「後」側、y軸方向負側を遊技機の「前」側、z軸方向正側を遊技機の「上」側、z軸方向負側を遊技機の「下」側とする。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る遊技機について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。また、図2は、本発明の実施形態1に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。なお、本実施形態に係る遊技機は回胴式の遊技機である。
図1に示すように、遊技機10は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13、14、15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー17等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13、14、15の回転を開始するためのスタートレバー20と、リール13、14、15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン21、22、23と、演出を切り替えるためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。
この遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13、14、15が一斉に回転を開始し、ストップボタン21、22、23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21、22、23に対応するリール13、14、15の回転が停止し、すべてのリール13、14、15が停止したときにリール窓10b1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット36(図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。つまり、上限値を超えてメダルを投入することができない。一方、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は、メダル投入口11にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合にメダルのクレジット枚数が増加するようになっている。
図2に示すように、遊技機10は、前方が開放された箱状である筺体本体(遊技機筐体)10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとで構成された遊技機筺体の内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施形態において、遊技機筺体の内部には、メイン制御基板ユニットである遊技機用基板ケース100、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等が納められている。
遊技機用基板ケース100は基板ケース本体を備え、この基板ケース本体内に役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板(メイン制御基板)が収容されている。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板(サブ制御基板)を備えている。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16(図1を参照)に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板(映像基板)を備えている。電源ユニット33は、遊技機10における各機器に電力を供給する電子基板(電源基板)を備えている。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板(仲介基板)を備えている。リールユニット35は、リール13、14、15の回転をそれぞれ独立して制御する電子基板(リール制御基板)を備えている。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット(遊技機用基板ケース100)からの信号に基づいてメダル払出口12(図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板(ホッパー制御基板)を備えている。
これらのユニットに備えられた各種電子基板は、不正アクセスの対象となる。例えば、遊技機用基板ケース100に備えられたメイン制御基板には、遊技機10における基本的な遊技動作を制御するためのプログラムが記録された記憶装置(ROM)が搭載されている。この記憶装置を、例えば偽造された偽造記憶装置に交換することによって遊技動作が変更されるとの不正行為が行われることがある。例えば、遊技中に特定の操作を行うと必ず大当たりになるように遊技機10が動作するように、遊技機10を不正に制御することが行われている。このため、遊技機10等の遊技機においては、メイン制御基板を、基板ケースの内部に収容して封止している。これにより、記憶装置を偽造記憶装置に交換することを抑制することができる。また、遊技機10において、これらの電子基板を透明な基板ケースの内部に収容して、封止する構造としている。
後述する本実施形態に係る遊技機用基板ケース100、100a、100bは、特に、メイン制御基板を収容するものであるが、メイン制御基板以外の基板を収容するものとしてもよい。つまり、本実施形態に係る遊技機用基板ケース100は、メイン制御基板を収容するもの以外のユニットである、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等においても採用することができる。また、基板ケース本体は、筐体の背板10cや、筺体本体10aの側板、前扉10b等に対して回動可能な状態で取り付けられている。これにより、基板ケースの正面及び背面が外部に露呈可能な構造とされることから、基板ケースの正面側からだけでなく背面側からも、基板ケースへの不正アクセスの有無を容易に確認することができる。
本実施形態1に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図4は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。
なお、以下においては、遊技機用基板ケース100(図2を参照)の電子基板(メイン制御基板)について説明するが、メイン制御基板以外の電子基板を封止する基板ケースの構造についても同様の構成としてもよい。例えば、サブ制御基板ユニット31の電子基板(サブ制御基板)や液晶ユニット32の電子基板(映像基板)等を収納する基板ケースの構造についても、同様の構造を採用することが可能である。
図3に示すように、遊技機用基板ケース100は、基板ケース本体140及びケース支持部110を備えている。基板ケース本体140は、ケース支持部110と2つの蝶番112を介して連結されている。したがって、蝶番112により、ケース支持部110に対して基板ケース本体140は回動することが可能である。なお、この回動における回転軸128は蝶番112の回転軸と同一である。また、ケース支持部110は背板10cの内側の面である設置面37に設置されて固定されている。このため、基板ケース本体140は設置面37に対して回動可能である。
また、基板ケース本体140の前側には検査シール(非透明部)131が貼付けられている。検査シール131は、検査が完了し基板ケース本体140に貼り付けられるものであり、基板ケース本体140が検査を終えられたものであり、不良品でないことを証明するものである。検査シール131には、作業者に対して指示を与えるための指示部134が形成されている。詳細は後述するが、検査シール131は、基板ケース本体140内に収容された電子基板(制御基板)143に設置されたメインCPU(回路素子)160を覆うように基板ケース本体140の表側に貼り付けられている。
また、基板ケース本体140の上部に設けられたカシメピン挿入部149にはカシメピン(非透明部、封印部)144が挿入されている。詳細は後述するが、基板ケース本体140はベース部141(図4を参照)及びカバー部142を組み合わせることにより構成されており、カシメピン144が挿入されることによりベース部141及びカバー部142が分離困難となる。
基板ケース本体140は取付板111を備えており、詳細は後述するが、取付板111に蝶番112が取り付けられることにより、基板ケース本体140及びケース支持部110が連結される。取付板111には蝶番112との取付け部分が露呈しないように蝶番112の一部を覆うように封印カバー(非透明部)123が設置され、さらに封印カバー123をはずすことが困難となるように封印キャップ(非透明部)124が取り付けられている。
ケース支持部110には、取付板111と同様に封印カバー113及び封印キャップ114が設置されている。詳細は後述するが、ケース支持部110には蝶番112が取り付けられ、取付板111及びケース支持部110に蝶番112が取り付けられることにより、上述したように基板ケース本体140及びケース支持部110が連結される。取付板111と同様に、ケース支持部110には蝶番112との取付け部分が露呈しないように蝶番112の一部を覆うように封印カバー113が設置され、さらに封印カバー113をはずすことが困難となるように封印キャップ114が取り付けられている。
基板ケース本体110は、内部に収容される電子基板143等に不正な改造等が施されたことを外部から目視できるように、透明な樹脂によって形成されており、比較的透明度が高い透明部を有している。例えば、基板ケース本体110は、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)やPC(ポリカーボネート)といった熱可塑性樹脂により構成されることとすればよい。また、基板ケース本体110を不正に開封しようとした際には基板ケース本体110に開封の痕跡が残る可能性があるが、基板ケース本体110を透明な樹脂によって形成することによりこのような痕跡も目視により容易に確認できる。
なお、封印カバー113、123、封印キャップ114、124、カシメピン144及び検査シール131等は、ケース支持部110に比べて透明度が低くてもよく、これらは非透明部である。封印カバー113、123、封印キャップ114、124及びカシメピン144は、例えば、PP(ポリプロピレン)等によって構成されることとすればよい。また、検査シール131は、文字等が記載されていることから、ケース支持部110に比べて透明度が低い。
上述したように、基板ケース本体140は、背板10cの設置面37に対して回動可能である。図4に示すように、設置面37に対して略90度の角度となるまで回動可能である。なお、図4に示すように、基板ケース本体140において、設置面37に対して略90度の角度となる位置を展開位置という。また、図3に示すように、基板ケース本体140が設置面37に対して対向し、設置面37と略平行である位置を保持位置という。
遊技機10において、普段は基板ケース本体140が保持位置にあるが、前扉10bを開けて基板ケース本体140を検査する際等においては、基板ケース本体140を展開位置側へと回動させて行われる。基板ケース本体140が保持位置にある場合は、基板ケース本体140の裏面は背板10cに近接しており、作業者は、基板ケース本体140の裏面側を確認することが困難であるが、基板ケース本体140を回動させて展開位置とすることにより、基板ケース本体140の裏面側が露呈することとなり、作業者が容易に確認することができる。そのため、基板ケース本体140の裏面を破損させる等して不正行為が行われていても容易に発見することができる。なお、作業者は、基板ケース本体140を展開位置まで回動させなくてもよく、基板ケース本体140の裏面側が露呈して基板ケース本体140の裏面側を確認できる程度に回動させればよい。
このように、遊技機用基板ケース100によれば、背板10cに設置したままで、ベース部141及びカバー部142に分離させることなく、基板ケース本体140を検査することが可能である。なお、基板ケース本体140は上述したように比較的透明度が高いため、基板ケース本体140の外部から基板ケース本体140の内部に収容された電子基板143等を目視することが可能である。
次に、基板ケース本体140の構成について、図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態1に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。図6は、本発明の実施形態1に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す分解斜視図である。また、図7は、本発明の実施形態1に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す断面図である。
図5に示すように、基板ケース本体140は、内部に電子基板143を収容し、ベース部141及びカバー部142が組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。つまり、基板ケース本体140は、電子基板143の両主面を、それぞれベース部141及びカバー部142で覆うようにして構成されている。カバー部142及び電子基板143は、ネジ148bによりネジ止めされて固定される。また、カバー部142、電子基板143及びベース部141はネジ148aによりネジ止めされて固定される。また、上述したように、基板ケース本体140は、内部に収容される電子基板143等に不正な改造等が施されたことを外部から目視できるように、透明な樹脂によって形成されている。つまり、ベース部141及びカバー部142は、上述の透明な樹脂によって形成されている。
電子基板143には、メインCPU160、電子素子165、比率表示器166、電子部品167及びコネクタ145a〜145cが設置されている。メインCPU160は遊技機10における遊技の進行に関する制御を行うものであり、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行うためのデータが格納されているROMを内部に搭載している。電子素子165はメインCPU160以外に電子基板143に実装されている抵抗やコンデンサ等の素子である。コネクタ145a〜145cは、電子基板143の外部と電気信号を送信するためのものである。また、比率表示器166は、4個の表示部品により構成されており、所定期間における役物払出枚数の総払出枚数に対する百分率や、連続役物払出枚数の総払出枚数に対する百分率や、AT役(押し順役)による払出枚数の総払出枚数に対する百分率等を表示する。また、電子部品167は、例えば集積回路等である。ここで、詳細は後述するが、電子基板143は基板制限領域133を有し、基板制限領域133に非透明部である電子素子165が形成される場合は、その電子素子165の高さはメインCPU160及び電子基板143間の隙間領域164(図9を参照)の高さよりも低いものに限られている。これにより、基板ケース本体140の外部から目視により、隙間領域164に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。つまり、基板制限領域133は、隙間領域164よりも高い電子素子等の非透明部が設置されると、外部から隙間領域164を視認することが困難な領域である。なお、基板制限領域133以外の領域に設置される比率表示器166及び電子部品167等の非透明部は、隙間領域164よりも高い場合であっても、外部から隙間領域164を視認することが困難ということはない。
カバー部142には、電子基板143に形成されたコネクタ145a〜145cを外部に露出するためのコネクタ孔146a〜146cが形成されている。コネクタ孔146a〜146cからコネクタ145a〜145cが露出することにより、外部から電気信号を送受信するための電線等とコネクタ145a〜145cとを連結することができる。また、カバー部142の前側の表面には検査シール131が貼り付けられている。詳細は後述するが、カバー部142はカバー制限領域132を有し、カバー制限領域132に非透明部である検査シール131が貼り付けられることはない。また、カバー制限領域132において非透明部である封印カバー113、123、封印キャップ114、124、カシメピン144等が設置されることもない。これにより、基板ケース本体140の外部から目視により、隙間領域164に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。つまり、カバー制限領域132は、非透明部が設置されると、外部から隙間領域164を視認することが困難な領域である。
また、ベース部141はカシメピン挿入部149を有し、ベース部141及びカバー部142が組み合わされて結合した後に、カシメピン144がカシメピン挿入部149に挿入される。図6に示すように、カバー部142には貫通孔であるカシメピン係合部150が設けられている。また、カシメピン挿入部149にも貫通孔が設けられている。ベース部141及びカバー部142が結合された際に、カシメピン係合部150はカシメピン挿入部149の下方に位置することとなる。そして、ベース部141及びカバー部142が結合された状態で、上方からカシメピン挿入部149の貫通孔にカシメピン144が挿入され、続いてカシメピン144がカシメピン係合部150の貫通孔に挿入されることとなる。カシメピン144の先端には矢じり部144aが形成されており、カシメピン144がカシメピン係合部150に挿入されると、矢じり部144aがカシメピン係合部150に引っ掛かってカシメピン144を抜くことが困難となる。
図7に示すように、矢じり部144aは下方に向かって徐々に狭まっていき、上方に向かって徐々に広がっていく形状である。矢じり部144aがカシメピン係合部150の貫通孔は矢じり部144aの上端よりも狭いが、矢じり部144aがカシメピン係合部150に挿入された際に、カシメピン係合部150の貫通孔に規制されて矢じり部144aが撓み、矢じり部144aの上端が狭まることとなり、カシメピン係合部150を貫通する。そして、矢じり部144aがカシメピン係合部150を貫通すると矢じり部144aは再び元のように広がることから、矢じり部144aの上端がカシメピン係合部150に引っ掛かることとなり、カシメピン144をカシメピン係合部150から抜くことが困難となる。このように、カシメピン144がカシメピン挿入部149及びカシメピン係合部150を貫通することで、ベース部141及びカバー部142を分離することが困難となる。つまり、ベース部141及びカバー部142を分離するためには、カシメピン144をカシメピン挿入部149及びカシメピン係合部150から抜く必要があるが、上述したようにカシメピン144を抜くことが困難であることから、ベース部141及びカバー部142を分離することが困難となる。したがって、不正行為を行うために、ベース部141及びカバー部142を分離させようとする場合は、カシメピン144、ベース部141及びカバー部142の少なくともいずれかを破壊することとなり、不正行為が行われたことを容易に認識することができる。
なお、カシメピン144、カシメピン挿入部149及びカシメピン係合部150のそれぞれは、2つずつ形成されているが、ベース部141及びカバー部142を結合する際は、これらのうちいずれか一方のみを用いることとすればよい。それにより、カシメピン144によりベース部141及びカバー部142を分離困難とすることは、2回行うことが可能である。例えば、ベース部141及びカバー部142を結合して、カシメピン挿入部149及びカシメピン係合部150にカシメピン144を挿入した後に、検査等により正当にベース部141及びカバー部142を分離する際は、カシメピン挿入部149及びカシメピン係合部150に挿入されている一方のカシメピン144を切断することにより、ベース部141及びカバー部142を容易に分離することができる。検査等が終わった後に、残っている他方のカシメピン144を用いてベース部141及びカバー部142を再び、分離困難とすればよい。
次に、基板ケース本体140とケース支持部110との連結構造及びこれらの背板10cへの設置構造について、図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態1に係るケース支持部と基板ケース本体との構成を示す分解斜視図である。
図8に示すように、ケース支持部110には、取付ネジ116によって背板10cの設置面37にネジ止めされるための2つの貫通孔126が形成されている。また、ケース支持部110には、封印カバー113を取り付けるためのネジ穴119が形成されている。また、ケース支持部110には、2つの蝶番112を取り付けるためのネジ穴125a、125bが形成されている。
基板ケース本体140の取付板111には、封印カバー123を取り付けるためのネジ穴129が形成されている。また、取付板111には、2つの蝶番112を取り付けるためのネジ穴125c、125dが形成されている。
基板ケース本体140とケース支持部110とを連結するには、まず、ケース支持部110を設置面37に設置する。貫通孔126を通すことにより、基板ケース本体140を貫通して取付ネジ116を設置面37にネジ止めする。これにより、ケース支持部110が設置面37に固定される。取付ネジ116が貫通している貫通孔126を覆うように蝶番112を配置し、蝶番用ネジ115a、115bを蝶番112の孔122a、122bに通してネジ穴125a、125bに螺合させる。これにより、取付ネジ116が蝶番112に覆われて外部に露呈しないことから、蝶番112を基板ケース本体140からはずさなければ取付ネジ116をはずすことが困難となる。
ケース支持部110に蝶番112を取り付けた状態で、蝶番用ネジ115a、115bを覆うように封印カバー113をケース支持部110に設置し、封印カバー用ネジ117を封印カバー113に貫通させてネジ穴119に螺合させる。これにより、封印カバー113がケース支持部110に固定される。さらに、封印カバー用ネジ117を覆うように封印カバー113に形成されたキャップ穴114aに封印キャップ114を埋め込むように嵌める。封印キャップ114はキャップ穴114aに埋め込まれるように嵌まることにより、封印カバー113からはずすことが困難となる。封印カバー用ネジ117は封印キャップ114に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー用ネジ117をはずすことも困難となる。そのため、封印カバー113をケース支持部110からはずすことも困難である。蝶番用ネジ115a、115bは封印カバー113に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー113をはずさなければ、蝶番112をケース支持部110からはずすことは困難である。
蝶番112は、取付板111にも取り付けられる。具体的には、蝶番用ネジ115c、115dを蝶番112の孔122c、122dに通してネジ穴125c、125dに螺合させる。そして、取付板111に蝶番112を取り付けた状態で、蝶番用ネジ115c、115dを覆うように封印カバー123を取付板111に設置し、封印カバー用ネジ127を封印カバー123に貫通させてネジ穴129に螺合させる。これにより、封印カバー123が取付板111に固定される。さらに、封印カバー用ネジ127を覆うように封印カバー123に形成されたキャップ穴124aに封印キャップ124を埋め込むように嵌める。封印キャップ114はキャップ穴114aに埋め込まれるように嵌まることにより、封印カバー123からはずすことが困難となる。封印カバー用ネジ127は封印キャップ124に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー用ネジ127をはずすことも困難となる。そのため、封印カバー113をケース支持部110からはずすことも困難である。蝶番用ネジ115c、115dは封印カバー123に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー123をはずさなければ、蝶番112を取付板111からはずすことは困難である。
基板ケース本体140とケース支持部110との連結構造及びこれらの背板10c(設置面37)への設置構造は、上述した構造であることから、基板ケース本体140を遊技機10から取りはずしたり、ケース支持部110を含む遊技機用基板ケース100ごと遊技機10から取りはずしたり、する行為は困難である。したがって、不正行為者が基板ケース本体140を遊技機10から取りはずして、不正な基板ケース本体に取り替えることや、ケース支持部110を含む遊技機用基板ケース100ごと遊技機10から取りはずして不正に遊技機用基板ケースに取り替えることも困難である。
不正行為を行うために基板ケース本体140とケース支持部110とを分離するには、蝶番用ネジ115a、115b及び蝶番用ネジ115c、115dのいずれかをはずして蝶番112をはずすことが必要である。また、蝶番用ネジ115a、115b及び蝶番用ネジ115c、115dをはずすためには、それぞれ封印カバー113及び封印カバー123をはずす必要がある。また、封印カバー113及び封印カバー123をはずすために封印キャップ114及び封印キャップ124をはずすには、封印キャップ114または封印カバー113を破壊する、及び、封印キャップ124または封印カバー123を破壊することとなるため、このような行為を行ったことを容易に認識できる。つまり、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、不正行為を行うためにケース支持部110を設置面37から取りはずす場合は、取付ネジ116をはずす必要があるが、そのためには蝶番112をケース支持部110から取りはずす必要がある。しかし、上述したように、封印キャップ114または封印カバー113を破壊せずに蝶番112をケース支持部110から取りはずすことは困難であり、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
次に、電子基板143におけるメインCPU160の配置等について、図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの電子基板の構成を示す斜視図である。
図9に示すように、メインCPU160は、回路が形成されているCPU本体(素子本体部)161及びCPU本体161から伸びる複数の接続端子162を備えている。電子基板143上にはソケット163が設置されており、ソケット163に接続端子162が刺さることにより、メインCPU160が電子基板143上の配線等と電気的に接続される。ここで、メインCPU160は、電子基板143において基板ケース本体140が保持位置にある場合に設置面37と対向する面とは、反対側の面に配置(実装)されている。つまり、基板ケース本体140が保持位置にある場合に、電子基板143の前側にメインCPU160が配置される。
CPU本体161は略直方体であり、基板ケース本体140が保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形である。この長方形の長手方向の2つの辺のそれぞれに沿って複数の接続端子162が形成されている。これら接続端子162が沿って形成される2つの辺は互いに略平行であり、いずれも回転軸128に対して垂直である。ここで、CPU本体161において回転軸128側とは反対側の端部161aから、接続端子162が沿って形成される2つの辺を回転軸128とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を電子基板143に投影した領域が基板制限領域133である。
上述したように、基板制限領域133に非透明部である電子素子165が形成される場合は、その電子素子165の高さはメインCPU160及び電子基板143間の隙間領域164の高さよりも低いものに限られている。ここで、高さとは、y軸に沿った長さをいう。また、隙間領域164は、CPU本体161と電子基板143との間に形成された領域である。なお、本実施形態1において、メインCPU160はソケット163を介して電子基板143に配置されていることから、隙間領域164は、CPU本体161及びソケット163間の領域である隙間領域164aと、電子基板143及びソケット163間の領域である隙間領域164bと、を含んでいる。ここで、隙間領域164の高さhcは、CPU本体161及び電子基板143間の距離である。基板制限領域133内に設置されている電子素子165の高さhdは、この高さhcよりも低くなければならない。これにより、CPU本体161及び電子基板143間の領域である隙間領域164に不正チップ等を配置する不正行為が行われた場合であっても、作業者が基板ケース本体140の外部から電子素子165に邪魔されずに目視により隙間領域164を確認することができ、不正行為の発見が容易である。なお、電子基板143上において、基板制限領域133以外の領域に電子素子等の非透明部が配置されていてもよく、この場合の電子素子等は高さに制限があるわけではない。具体的には、比率表示器166及び電子部品167等の高さは、隙間領域164の高さhcよりも高いが、基板制限領域133以外の領域に配置されていることから、作業者は、基板ケース本体140の外部から目視により隙間領域164を確認することができる。また、基板制限領域133に電子素子165等が設置されていなければ、隙間領域164をより確実に視認することができることから、より好ましい。また、作業者が基板ケース本体140の外部から電子素子165に邪魔されずに目視により隙間領域164bをより確実に確認するには、電子素子165の高さhdは、隙間領域164bの高さhsよりも低いことがより好ましい。なお、隙間領域164bの高さhsは、電子基板143及びソケット163間の距離である。
次に、設置面37に対して基板ケース本体140を回動させることにより、不正行為が行われていないか否かを検査する動作について、図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。また、図11は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの保持位置から回動した位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。図12は、本発明の実施形態1に係る遊技機用基板ケースの展開位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
図10に示すように、基板ケース本体140が保持位置にある状態において、前側(筺体本体10aの正面側)から基板ケース本体140を見た場合は、検査シール131がメインCPU160を覆うように配置されている。ただし、非透明部である検査シール131はカバー制限領域132に設置されることはない。ここで、カバー制限領域132は、カバー部142の一部分である。具体的には、基板ケース本体140が保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるCPU本体161において、複数の接続端子162が沿っている2つの長手方向の辺を端部161aから回転軸128とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所をカバー部142に投影した領域がカバー制限領域132である。上述したように、カバー制限領域132には、非透明部である検査シール131、封印カバー113、123、封印キャップ114、124、カシメピン144等が設置されることがない。これにより、基板ケース本体140の外部から目視により、隙間領域164に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。
なお、基板ケース本体140が保持位置にある状態では、前側から基板ケース本体140を見た場合はカバー部142が透明であることから、外部から電子基板143を目視することは可能であるが、検査シール131がメインCPU160を覆うように配置されていることからメインCPU160を目視することは困難である。ここで、指示部134には、例えば、「ケースを回動させて、検査シールの裏側に設置されたチップと基板との間を探すこと」といった内容の記載がなされている。これにより、作業者は、目視することを忘れやすい隙間領域164においても確実に目視することとなる。基板ケース本体140が保持位置にある状態において作業者は、隙間領域164等は目視が困難であるが、基板ケース本体140内において目視が可能な箇所については、不正チップ等が設置されていないか確認すればよい。また、このような指示部134が形成された検査シール131を、メインCPU160を覆うようにカバー部142に貼り付けることにより、不正チップ等が設置されていないかを調べるために目視すべき箇所を、作業者に明確に指示することができる。このように、指示部134により、作業者は、目視すべき箇所や対象を容易に理解することができる。
基板ケース本体140を保持位置から展開位置側に回動させることにより、基板ケース本体140が設置面37に対向している状態から、設置面37に対して角度を有する状態となる。これにより、図11に示すように、作業者は前側から基板ケース本体140を外部から目視することにより、隙間領域164内についても視認可能となる。この際、検査シール131はカバー制限領域132に貼り付けられていないことから、検査シール131により隙間領域164内の視認が困難になることはない。また、検査シール131以外の非透明部である封印カバー113、123、封印キャップ114、124、カシメピン144等についてもカバー制限領域132に配置されていないことから、隙間領域164内の視認が困難になることはない。また、基板制限領域133に設置された電子素子165についても高さhdが、隙間領域164の高さhcよりも低いことから、隙間領域164内の視認は可能である。また、作業者は前側から基板ケース本体140を目視するだけでなく、例えば、基板ケース本体140の右側から目視する等することにより、より確実に隙間領域164内に不正チップ等が設置されていないかを視認することができる。
また、図12に示すように、基板ケース本体140を展開位置まで回動することで、前側から基板ケース本体140を目視することにより、基板ケース本体140の側面側から基板ケース本体140内を目視できることから、より確実に電子基板143上に不正チップ等が設置されていないかを視認することができる。なお、比率表示器166及び電子部品167により、隙間領域164内の目視が邪魔されることはない。また、基板ケース本体140が展開位置にある状態であれば、ベース部141側から電子基板143を目視することも容易であり、電子基板143においてメインCPU160等が設置されている側とは反対側の面上においても容易に視認できる。また、ベース部141が破損されていないかについても容易に視認できる。
このように、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100によれば、容易に基板ケース本体140全体を目視により確認できるうえ、基板ケース本体140の内部においても容易に目視により確認できることから、基板ケース本体140を破損して行われる不正行為だけでなく、基板ケース本体140を破損させずに電子基板143に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
以上、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100について説明した。本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100によれば、カバー部142のカバー制限領域132に検査シール131、封印カバー113、123、封印キャップ114、124及びカシメピン144等を設置しないことにより、基板ケース本体140の外部から目視により電子基板143上に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。また、電子基板143の基板制限領域133に設置された電子素子165の高さhdを、隙間領域164の高さhcよりも低くすることにより、電子基板143上の隙間領域164等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部141及びカバー部142を分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
(実施形態2)
本実施形態2に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態1に係る遊技機10の遊技機用基板ケース100とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態2に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100のカバー部142に視認用凹部(特定部)210(図13を参照)が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態1に係る遊技機用基板ケース100と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態2に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図13は、本発明の実施形態2に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図14は、本発明の実施形態2に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。また、図15は、本発明の実施形態2に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。また、図16は、本発明の実施形態2に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図13のA−A矢視断面図である。また、図17は、本発明の実施形態2に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
図13に示すように、本実施形態2に係る遊技機用基板ケース100aは、ケース支持部110と基板ケース本体140aとが蝶番112により連結されて構成されている。基板ケース本体140aは、本実施形態1に係るカバー部142とは異なるカバー部(対向部)142aを有する点で、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100とは異なる。なお、後述するが、基板ケース本体140a内に収容される電子基板(制御基板)143a(図15を参照)についても、電子素子165を備えていない点で、本実施形態1に係る電子基板143とは異なる。また、カバー部142aには視認用凹部210が形成され、検査シール131の位置が基板ケース本体140a内に収容された電子基板143aに設置されたメインCPU160を覆う位置ではない点が、本実施形態1に係るカバー部142とは異なる。
カバー部142aに形成された視認用凹部210は、電子基板143a側に突出するように形成された凹部である。また、カバー部142aにおいて視認用凹部210の周りのカバー部142aの主要面(一般部)230は電子基板143aに対向するように配置されている。傾斜板211、第1内壁212、第2内壁213、第3内壁214及び第4内壁215を有している。傾斜板211は第1内壁212、第2内壁213及び第4内壁215と連続しており、第1内壁212及び第2内壁213は互いに対向配置とされる。また、第4内壁215は電子基板143aに近接して、互いに対向配置とされる。第3内壁214は第4内壁215、第1内壁212及び第2内壁213と連続している。また、傾斜板211は主要面230に対して傾斜している。
また、図13に示す状態が基板ケース本体140aの保持位置であり、図14に示すように、保持位置から基板ケース本体140aを回動させて設置面37に対して略90度とされる状態が、展開位置である。ここで、基板ケース本体140a保持位置から展開位置側に回動されることにともない、傾斜板211と設置面37との配置は、主要面230と設置面37との配置に比べて平行に近くなる。
図15に示すように、基板ケース本体140aは、内部に電子基板143aを収容し、ベース部141及びカバー部142aが組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。ここで、電子基板143aにおいて基板制限領域133には電子素子等の非透明部は設置されていない。また、検査シール131はカバー制限領域132以外に配置されている。また、カバー制限領域132には検査シール131以外の非透明部である封印カバー113、123、封印キャップ114、124及びカシメピン144等が設置されていない。ここで、検査シール131の指示部134には、例えば、不正行為が行われているか否かを検査する作業者が検査の際に注意すべき事項等を記載しておくことが好ましい。
遊技機用基板ケース100aにおいて、傾斜板211は回転軸128に略平行であって、かつ、電子基板143aに対して略垂直であることが好ましい。これにより、作業者は基板ケース本体140aの外部から傾斜板211を介して隙間領域164を目視することが可能となる。なお、傾斜板211の配置はこれに限定されるわけでなく、作業者が基板ケース本体140aの外部から傾斜板211を介して隙間領域164を目視可能であるように配置されればよく、電子基板143aに対して略垂直でなくてもよい。
また、図16に示すように、作業者の視線は、方向232となることから、例えば、基板ケース本体140bが保持位置にある場合であっても、作業者は右側から覗きこむようにすれば、隙間領域164を目視することができる。なお、方向232は傾斜板211に対して垂直に近い方が屈折や散乱の影響を受けにくく、隙間領域164をより確実に視認することができる。また、図17に示すように、基板ケース本体140aを保持位置から回動させることにより、作業者は略前側(遊技機10の正面側)から容易に傾斜板211を介して隙間領域164を視認することができる。
ここで、基板ケース本体140aが保持位置にある場合は、電子基板143aの主面と略平行である主要面230は、基板ケース本体140aが保持位置から展開位置側に回動されることにより、設置面37に対して平行な状態から離れていくこととなり、隙間領域164からの光は主要面230に対して90度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、基板ケース本体140aが保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板211は設置面37に対して平行な状態へと近づくこととなり、隙間領域164からの光は傾斜板211に対して90度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域164からの光は傾斜板211により屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域164の視認性が向上する。つまり、基板ケース本体140aが保持位置から展開位置に近づくにしたがい、作業者は右側から覗きこむようにせずとも、略前側(遊技機10の正面側)から目視することにより、傾斜板211を介して隙間領域164を視認することができる。
このように、本実施形態2に係る遊技機用基板ケース100aによれば、傾斜板211を介して容易に基板ケース本体140a内の隙間領域164を目視により確認できる。そのため、基板ケース本体140を破損させずに隙間領域164に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
以上、本実施形態2に係る遊技機用基板ケース100aについて説明した。本実施形態2に係る遊技機用基板ケース100aによれば、カバー部142aに視認用凹部210が設けられていることにより、傾斜板211を介して基板ケース本体140aの外側から電子基板143a上の隙間領域164等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部141a及びカバー部142を分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
(実施形態3)
本実施形態3に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態1に係る遊技機10の遊技機用基板ケース100とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態3に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100のカバー部142に視認用凹部(特定部)210a(図18を参照)が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態1に係る遊技機用基板ケース100と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態3に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図18は、本発明の実施形態3に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図19は、本発明の実施形態3に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。また、図20は、本発明の実施形態3に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。また、図21は、本発明の実施形態3に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図18のB−B矢視断面図である。また、図22は、本発明の実施形態3に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
図18に示すように、本実施形態3に係る遊技機用基板ケース100bは、ケース支持部110と基板ケース本体140bとが蝶番112により連結されて構成されている。基板ケース本体140bは、本実施形態1に係るカバー部142とは異なりカバー部(対向部)142bを有する点で、本実施形態1に係る遊技機用基板ケース100とは異なる。なお、後述するが、基板ケース本体140b内に収容される電子基板(制御基板)143b(図20を参照)についても、電子素子165を備えていない点で、本実施形態1に係る電子基板143とは異なる。また、カバー部142bには視認用凹部210aが形成され、検査シール131の位置が基板ケース本体140b内に収容された電子基板143bに設置されたメインCPU160を覆う位置ではない点が、本実施形態1に係るカバー部142とは異なる。
カバー部142bに形成された視認用凹部210aは、電子基板143b側に突出し、かつ、電子基板143bを貫通するように形成された凹部である。また、カバー部142bにおいて視認用凹部210aの周りのカバー部142bの主要面230は電子基板143bに対向するように配置されている。傾斜板211a、第1内壁212a、第2内壁213a、第3内壁214a及び第4内壁215aを有している。傾斜板211aは第1内壁212a、第2内壁213a及び第4内壁215aと連続しており、第1内壁212a及び第2内壁213aは互いに対向配置とされる。また、第4内壁215aは電子基板143bに近接して、互いに対向配置とされる。第3内壁214aは第4内壁215a、第1内壁212a及び第2内壁213aと連続している。また、傾斜板211aは主要面230aに対して傾斜している。
また、図18に示す状態が基板ケース本体140bの保持位置であり、図19に示すように、保持位置から基板ケース本体140bを回動させて設置面37に対して略90度とされる状態が、展開位置である。ここで、基板ケース本体140b保持位置から展開位置側に回動されることにともない、傾斜板211aと設置面37との配置は、主要面230と設置面37との配置に比べて平行に近くなる。
図20に示すように、基板ケース本体140bは、内部に電子基板143bを収容し、ベース部141及びカバー部142bが組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。ここで、電子基板143aにおいて基板制限領域133には電子素子等の非透明部は設置されていない。また、検査シール131はカバー制限領域132以外に配置されている。また、カバー制限領域132には検査シール131以外の非透明部である封印カバー113、123、封印キャップ114、124及びカシメピン144等が設置されることはない。ここで、検査シール131の指示部134には、例えば、不正行為が行われているか否かを検査する作業者が検査の際に注意すべき事項等を記載しておくことが好ましい。
また、電子基板143bには凹部用貫通孔231が形成されており、ベース部141及びカバー部142bが組み合わされて結合する際に、凹部用貫通孔231に視認用凹部210aが嵌まり込むこととなる。これにより、傾斜板211も電子基板143bを貫通して配置されることとなる。
遊技機用基板ケース100aにおいて、傾斜板211aは回転軸128に略平行であって、かつ、電子基板143aに対して略垂直であることが好ましい。これにより、作業者は基板ケース本体140bの外部から傾斜板211aを介して隙間領域164を目視することが可能となる。なお、傾斜板211aの配置はこれに限定されるわけでなく、作業者が基板ケース本体140bの外部から傾斜板211aを介して隙間領域164を目視可能であるように配置されればよい。
また、図21に示すように、作業者の視線は、方向232となることから、例えば、基板ケース本体140bが保持位置にある場合であっても、作業者は右側から覗きこむようにすれば、隙間領域164を目視することができる。なお、方向232は傾斜板211aに対して垂直に近い方が屈折や散乱の影響を受けにくく、隙間領域164をより確実に視認することができる。また、図22に示すように、基板ケース本体140aを保持位置から回動させることにより、作業者は略前側(遊技機10の正面側)から容易に傾斜板211を介して隙間領域164を視認することができる。
また、傾斜板211aは電子基板143bを貫通していることから、電子基板143bの両主面近傍についても傾斜板211aを介して視認することが可能である。したがって、隙間領域164において電子基板143bの近傍についても視認性が高く、不正行為を容易に発見することができる。
ここで、基板ケース本体140bが保持位置にある場合は、電子基板143bの主面と略平行である主要面230は、基板ケース本体140bが保持位置から展開位置側に回動されることにより、に設置面37に対して平行な状態から離れていくこととなり、隙間領域164からの光は主要面230に対して90度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、基板ケース本体140bが保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板211aは設置面37に対して平行な状態へと近づくこととなり、隙間領域164からの光は傾斜板211aに対して90度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域164からの光は傾斜板211aにより屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域164の視認性が向上する。
このように、本実施形態3に係る遊技機用基板ケース100bによれば、傾斜板211aを介して容易に基板ケース本体140b内の隙間領域164を目視により確認できる。さらに、傾斜板211aが電子基板143bを貫通して配置されていることから、電子基板143の主面の近傍においても、傾斜板211aを介して目視が可能である。そのため、基板ケース本体140を破損させずに隙間領域164に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
以上、本実施形態3に係る遊技機用基板ケース100bについて説明した。本実施形態3に係る遊技機用基板ケース100bによれば、カバー部142bに視認用凹部210aが設けられていることにより、傾斜板211aを介して基板ケース本体140bの外側から電子基板143b上の隙間領域164等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。また、傾斜板211aが電子基板143bを貫通して配置されていることから、電子基板143の主面の近傍においても、傾斜板211aを介して目視が可能である。このため、ベース部141a及びカバー部142を分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。