JP6666071B2 - 局所半田付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、局所半田付け方法に関し、より詳細には、該ギ酸含有不活性ガスの雰囲気下で、基板の半田付けすべき箇所に局所的に半田付けを行う局所半田付け方法に関する。
近年、フロー方式による半田付け方法の一つとして、基板の小型化及び電子部品の高密度実装化の要求から、基板と電子部品との半田付け領域(例えば基板のスルーホールと、該スルーホールを貫通させた電子部品のリードとを半田付けする領域)のみを半田付けするための、局所半田付け方法が提案されている。
局所半田付け方法としては、例えば、密閉型ハウジングに収容されたヒータ装備の溶融半田槽と、溶融半田供給手段と、側部外周を保温チャンバに覆われたノズルとを備えた局所半田付け装置(特許文献1)を使用し、基板に必要な半田付け領域をあらかじめ定め、ノズル及び基板の位置等に関するプログラムに従い、ノズルあるいは基板を走査し、基板の半田付けすべき箇所においてノズルより溶融半田を基板表面に向けて吐出させ、溶融半田を近接する基板と接触させることにより半田付けを為すというフロー方式の半田付け方法が採られてきた。
このフロー方式の半田付けでは、半田塗布される基板表面からの酸化物の除去、溶融半田の酸化の防止、及び基板表面への溶融半田の濡れ性の改良を目的として、基板表面にフラックスを塗布し予備加熱を行い、その後半田付けをするという方法が採られている。
しかし、フラックスは一般にロジン等の有機酸やハロゲン化合物からなり、半田付け後の基板のフラックス残渣は、基板を腐食したり、基板と部品との電気接触不良を引き起こしたりする可能性がある。そのため、フロー方式の半田付けでは、半田付け後に基板からフラックス残渣を洗浄する必要がある。
また、洗浄不要な無洗浄フラックスを使用した半田付け方法が提案されている(特許文献2)。
特開2009−10395号公報 特開平5−220595号公報
従来のフラックス残渣の洗浄には、フロンやトリクロロエチレン等の溶剤が使用されてきた。しかし、これら溶剤は、オゾン層の破壊や、地下水を汚染する等、環境や人体に悪影響を与えるので、その使用が規制されてきている。
また、無洗浄フラックスを使用したフロー方式の半田付けでも、基板にフラックスを塗布する工程は必要なので、そのための装置等の設置場所や費用が必要となる。加えて、フラックスの塗布不良等により、基板の半田付け不良が生じる可能性もある。
そこで、従来のフロー方式の局所半田付けよりも、作業効率を高め、またフラックスによる半田付け不良をなくすために、フラックスを使用しない局所半田付け方法を開発する要求がある。
上記課題を鑑み、本発明は、フラックスを使用することなく、基板への半田付けを可能とする、局所半田付方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を鑑み、ギ酸含有不活性ガス雰囲気中で半田付けを行うことにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]乃至[6]に関する。
[1]基板の半田付けすべき箇所と半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田とを接触させることにより、局所的に該箇所の半田付けを行う局所半田付け方法において、
a)ガス吹出し手段を用いて該半田付けすべき箇所の基板表面に向けてギ酸含有不活性ガスを吹付けることにより、及び/又は
b)該基板及び該半田吐出ノズルを備えた局所半田付装置をその中に収容する閉じられたチャンバの内部をギ酸含有不活性ガスで満たすことにより、
該ギ酸含有不活性ガスの雰囲気下で上記の半田付けを為すことを特徴とする、方法。
[2]各々閉じることができるチャンバであって、隣り合ってかつチャンバ間を連通そして閉鎖可能に設けられた第一チャンバ及び第二チャンバと、
第一チャンバ内に備えられた半田吐出ノズルを備えた半田付け装置と、
基板を第一チャンバ内部と第二チャンバ内部との間で移送する基板移送手段と、
第一チャンバ及び/又は第二チャンバ内部をギ酸含有不活性ガスで置換するガス置換手段とを備え、
i)該基板を第二チャンバ内に収容し、第一チャンバ及び第二チャンバを閉じ、閉じられたチャンバ内部をガス置換手段によりギ酸含有不活性ガスで満たす段階と、
ii)第一チャンバ及び第二チャンバ間を連通し、該基板移送手段により該基板を第二チャンバ内より第一チャンバ内に移送し、そして第一チャンバ及び第二チャンバ間を閉鎖する段階と、
iii)第一チャンバ内において、該基板の半田付けすべき箇所と半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田とを接触させることにより、局所的に該箇所の半田付けを行う段階と、
iv)第一チャンバ及び第二チャンバ間を連通し、該基板移送手段により該半田付けされた基板を第一チャンバ内より第二チャンバ内に移送し、そして該基板を取り出す段階と
を含む局所半田付け方法。
[3]前記ギ酸含有不活性ガスは、ギ酸ガスと、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、水素ガス及びこれらの混合ガスからなる群から選択される不活性ガスとを含むものである、[1]又は[2]記載の方法。
[4]前記ギ酸含有不活性ガスは110℃乃至250℃の温度に保たれる、[1]乃至[3]の何れか一つに記載の方法。
[5]前記ギ酸ガス含有不活性ガス中の酸素濃度は100ppm以下である、[1]乃至[4]の何れか一つに記載の方法。
[6]前記チャンバの内部には、炭酸ガスと水素ガスとの反応によりギ酸を形成する能力を有する触媒が設けられ、且つ、該チャンバに満たされるガスには、少なくとも、前記ギ酸含有不活性ガスの生成に必要な量の炭酸ガス及び水素ガスが含まれる、[1]乃至[5]の何れか一つに記載の方法。
本発明によれば、ギ酸含有不活性ガスの雰囲気下で半田付けを為すことにより、半田塗布される基板表面の酸化物が除去され、かつ基板表面及び溶融半田の酸化が防止され、及び基板表面への溶融半田の濡れ性が改良されるという効果を奏する、フラックスを使用しない局所半田付け方法が提供される。
つまり、本発明によれば、フラックスの塗布及び洗浄のための設備及び工程は不要となるので、その費用の削減、作業スペースの減少及び作業効率を上げることができる。
図1は、実施例1で使用した局所半田付け装置の全体図であって、特にノズル及び保温チャンバ部分の拡大された断面図を含む。 図2(a)乃至(c)は、実施例1における局所半田付け装置を用いた半田付け過程を示し、図2(a)は、ノズルから半田を吐出させた状態、図2(b)は基板と溶融半田との接触状態、図2(c)は、基板への半田塗布後の状態をそれぞれ示す。 図3は、実施例2の半田付け方法に使用した装置全体の模式図である。 図4は、実施例3の半田付け方法に使用した装置全体の模式図である。 図5は、実施例3の半田付け方法に使用した装置全体の模式図である。
本発明の局所半田付け方法は、ギ酸含有不活性ガスの雰囲気下で、基板の半田付けすべき箇所と半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田とを接触させることにより局所半田付けを行う。
ギ酸含有不活性ガスとしては、基板表面の酸化物を還元する性質があり、かつ半田付けの際に、溶融半田に溶け込み絶縁性を低下させない或いは基板を腐食しないガスであればよい。例えば、ギ酸と、溶融半田、局所半田付装置、基板、基板に実装した電子部品等と反応しない不活性ガスとの混合ガスが例示される。
その不活性ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、炭酸ガス、水素ガス等の不活性ガス及びこれらの混合ガスが挙げられる。
また、ギ酸含有不活性ガス中の酸素濃度は、通常例えば1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下である。1000ppm以上酸素が含まれると、ギ酸の還元力が低下して基板表面の酸化物の除去が不十分になるという問題、或いは溶融半田が酸化してドロスを形成するという問題を生じ、半田付け不良を引き起こす可能性がある。
また、ギ酸含有不活性ガスは、特に限定されないが、ギ酸含有不活性ガス供給源、例えば、ギ酸溶液に不活性ガスをバブリングさせるバブリング槽、不活性ガスにギ酸溶液を導入して蒸発させる蒸発器(加熱槽)、ギ酸溶液の蒸気と不活性ガスとを混合させる混合器等のギ酸含有不活性ガス発生装置より得られる。得られたギ酸含有不活性ガスは、更に不活性ガスと混合して、ギ酸濃度を調節することができる。
使用される半田は、特に限定されないが、鉛フリー半田が好ましく、例えばSn−Zn系、Sn−Zn−Al系、Sn−Bi系、Sn−Bi−Zn系、Sn−Ag−Al−Bi系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系等の鉛フリー半田を使用できる。
なお、溶融半田の温度は、基板との接触の際に、低温になり粘度が上昇することなく融解状態を保てればよい。溶融半田の種類(融点)にもよるが、例えば、半田の融点よりも、30℃乃至80℃高い温度である。溶融半田の温度が融点よりも80℃以上高いと、溶融半田が酸化してドロスを形成しやすくなったり、溶融半田を基板に接触させたときに基板表面のレジストの熱劣化が生じたり、基板が熱変形したり、電子部品の機能が低下したりする恐れがある。また、溶融半田の温度が融点よりも30℃以上高くない場合、溶融半田を基板に接触させた際に、溶融半田の温度が融点以下に低下して粘度が増大し、基板のホールを埋められない等の半田付け不良を引き起こす可能性がある。
<ガス吹付け手段>
基板と溶融半田との接触箇所をギ酸含有不活性ガスの雰囲気下にするには、一つの方法として、例えば、ガス吹付け手段を用いて該半田付け箇所の基板表面に向けてギ酸含有不活性ガスを吹付ける方法を採用することができる。
ガス吹付け手段は、特に限定されるものではないが、例えば、上述したギ酸含有不活性ガス供給源を、遮断弁、圧力調整弁、流量調整弁、流量指示計(マスフロ―コントローラを使用することもできる)及び開閉弁等を介してガス吹付けノズルに接続し、ガス供給源より発生したギ酸含有吹付けガスをガス吹付けノズルに給送して、ガス吹付けノズル口からギ酸含有不活性ガスを吹付ける手段などがある。
ガス吹付けノズルは、半田吐出ノズル近傍、溶融半田槽の上端の周縁部、又はプログラミングに従い移動可能なガス吹付けノズル支持手段に取付けることができる。特に、半田吐出ノズル近傍に、ノズル口の上方に向けてガスを吹付け可能にガス吹付けノズルを設けた場合、吹付けたガスにより、基板表面の酸化部分の除去に加えてノズル口より吐出される溶融半田の酸化も防止できるので好ましい。
ガス吹付けノズルとしては、ガス供給源より供給されたギ酸含有不活性ガスをガス吹付けノズル口より吹付け可能であれば、その形状等は限定されない。
また、ガス吹付け手段は、ヒータなどによりギ酸含有不活性ガス収容部及びガス吹付け口をギ酸が液化しない温度以上に保持することができるものであることが求められ、例えば、ガス吹付け手段をヒータ等で加熱保温する手段が採用されうる。特に、半田を溶融するためのヒータ或いはノズル口の温度を一定に保つためのヒータを共用して加熱保温することが好ましい。或いは例えば、従来の局所半田付け装置におけるノズル口の保温チャンバに、ガス供給口及びガス吹付けノズル口を設けたものであっても良い。
また、ギ酸吹付けノズルから吹付けるギ酸含有不活性ガスの温度は、基板に吹付けた際に基板表面の酸化物を還元でき、また溶融半田の温度を低下させて溶融半田の粘度を上昇させない温度であればよく、例えば110℃乃至250℃の範囲に設定される。吹付け手段の温度が110℃よりも低い場合、基板表面が低温になり、溶融半田の粘度増加による塗布不良が生じたりする可能性がある。一方、250℃よりも高い温度の場合、基板と接触した溶融半田が固化できず落下してしまう可能性がある。
また、基板と溶融半田との接触箇所をギ酸含有不活性ガス雰囲気下にする一つの方法として、例えば、該基板及び該半田吐出ノズルを備えた局所半田付装置をその中に収容する閉じられたチャンバの内部をギ酸含有不活性ガスで満たす方法を採用することができる。
チャンバは、慣用の真空チャンバを使用することができ、例えば基板を出し入れするための密閉扉と、その内部環境をギ酸含有不活性ガスで置換するガス置換手段とを備え、また、その内部に、基板保持手段と、必要により基板移送手段と、半田吐出ノズルを備えた局所半田付け装置とが収容されてなる。
チャンバ内のガス置換手段としては、従来のガス置換手段、例えば真空排気装置及びギ酸含有不活性ガス供給装置の組合わせを用いることができる。真空排気装置は、真空ポンプ等のチャンバ内を減圧するための排気装置であり、開閉弁を介してチャンバに接続され、その排気口には慣用のギ酸ガス回収手段、例えばギ酸ガスをトラップするためのフィルター、冷却管或いは冷却水又はギ酸ガスを中和するためのアルカリスクラバ等を備えてなる。ギ酸含有不活性ガス供給装置は、上述したギ酸含有不活性ガス供給源を、遮断弁、圧力調整弁、流量調整弁、流量指示計(マスフロ―コントローラを使用することもできる)及び開閉弁などを介してチャンバに接続される。また、ギ酸含有不活性ガス供給装置とチャンバとを接続する経路にヒータを備えることで、チャンバに導入するギ酸含有不活性ガスを予備加熱することができる。
基板保持手段としては、基板を横置き状態で保持するものであれば、保持できる基板の数及びその構造は特に限定されるものではない。例えば、複数の基板収容部を夫々包囲する枠部が形成された一個又はそれ以上の基板用トレイを基板保持手段として用いることができる。この基板用トレイを用いれば、複数の基板収容部に収容された複数の基板に対し
て局所半田付けを行うことができるため、基板の製造効率が向上する。
基板移送手段としては、チャンバ内で基板保持手段を移送できるものであれば、その構造は特に限定されるものではない。例えば、プログラムに従い移動可能な駆動機構を備えた基板保持手段をチャンバ内に設けられたレールに沿って移送させるか、基板保持手段をプログラムに従い走行するベルトコンベア或いはローラコンベア上で、又はコンベアに吊持されたアームに把持されて移送する等の手段が適用される。基板移送手段により、基板保持手段はチャンバの扉外の基板を取付け又は取出し可能な位置から、基板保持手段に保持された基板が到来するまで、局所半田付け装置の上方、或いは必要により後述する基板予備加熱用のヒータ上方に移送される。
局所半田付け装置としては、溶融半田槽、半田吐出ノズル及び半田吐出ノズルへの溶融半田供給手段を備えた従来の局所半田付け装置を使用できる。溶融半田供給手段としては、溶融半田槽の横にモータや電磁式ポンプ等の動力伝達機構を備えた局所半田付け装置よりも、溶融半田槽の下方に動力伝達機構を備えた局所半田付け装置の方が、局所半田付け装置の占める底面積が小さくなるので、局所半田付け装置を収容するのに必要なチャンバの底面積を小さくでき、チャンバを小型化できるので好ましい。特に、溶融半田を供給するための動力伝達機構として、溶融半田槽内のインペラシャフトを回転させるための磁石を配列した内部回転体と、該内部回転体と溶融半田槽の底壁を介して近接して対向配置された溶融半田槽外の磁石を配列した外部回転体とを備え、該外部回転体をモータ等により回転させることにより、外部回転体に配列された磁石に対応して内部回転体が回転し、これによりインペラシャフトが回転して溶融半田をノズルに供給するという動力伝達機構を有する局所半田付け装置が、第一チャンバを小型化できるのでより好ましい。この動力伝達機構は、溶融半田槽の外部にモータを設けるので、モータの熱劣化が生じにくく、また装置のメンテナンスが容易になる。結果として、装置に係る費用の削減及び作業時間を短縮できる。
また、チャンバは、ギ酸含有不活性ガスに含まれるギ酸の液化を防止し、及びギ酸含有不活性ガスによる基板表面の金属酸化物の還元を可能にする温度を維持するために、ヒータ等の慣用の温度調整装備を備えていても良い。
例えば半田付けを行うチャンバ内の温度は、チャンバ内の装置・器具類の耐熱温度以下に設定されるとよい。例えば80℃乃至150℃の範囲である。チャンバ内の温度を高くすることで、基板表面の金属酸化物がより除去されやすくなる。
また、溶融半田と接触させる基板の温度が低い場合、塗布された溶融半田が急に固化し半田付け不良を生じたり、基板と溶融半田との温度差により、基板にヒートショックによる破損、反りやゆがみ等が生じたりするので、半田付けする基板を予備加熱することが好ましい。その手段としては、例えば、チャンバ内に設けたヒータである。また、基板表面を予備加熱することにより、ギ酸含有不活性ガスによる基板表面の金属酸化物の除去が促進される。
チャンバ内部をギ酸含有不活性ガスで満たすには、例えば、基板を収容し密閉されたチャンバの内部を真空排気装置により減圧し、次いで減圧されたチャンバ内部にギ酸含有不活性ガス供給手段によりギ酸含有不活性ガスを導入するという方法により行われる。
ギ酸含有不活性ガス雰囲気下での半田付けは、特に限定されないが、例えばプログラミング制御に従い、基板の半田付けすべき箇所と、局所半田付け装置のノズル口とが、対向する位置に来るように相対移動させ、そして基板の半田付けすべき箇所にノズル口より吐出された溶融半田を接触させることにより行われる。
また、ギ酸含有不活性ガスで満たされたチャンバ内での半田付けにおいても、ガス吹付けノズルを用いて基板の半田付けすべき箇所にギ酸含有不活性ガスを吹付けながら局所半
田付けを行っても良い。特に、ギ酸含有不活性ガスで満たされたチャンバ内での半田吐出ノズルの近傍にガス吹付けノズルを設け、半田吐出ノズルのノズル口の側方よりギ酸含有不活性ガスを基板表面に吹付けながら半田付けを行うのが好ましい。
また、局所半田付け装置を収容したチャンバを基板の出し入れのたびに大気に開放すると、次の半田付け操作でもチャンバ内部をギ酸含有不活性ガスに置換する必要が生じ、その作業時間がかかるうえ、チャンバ内に入った酸素により溶融半田が酸化されドロスが生じる可能性がある。そこで、本発明の方法では、半田吐出ノズルを備えた半田付け装置を備えた半田塗布用のチャンバ(第一チャンバ)と、第一チャンバと隣り合う、基板の収容及び取出し用のチャンバ(第二チャンバ)とを備えた二室構造の装置が使用される。
二室構造の装置は、各々閉じることができるチャンバであって、隣り合ってかつチャンバ間を連通そして閉鎖可能に設けられた第一チャンバ及び第二チャンバと、第一チャンバ内に備えられた半田吐出ノズルを備えた半田付け装置と、基板を第一チャンバ内部と第二チャンバ内部との間で移送する基板移送手段と、第一チャンバ内部又は該チャンバ内部及び第二チャンバ内部をギ酸含有不活性ガスで置換するガス置換手段とを備えている。
各々閉じることができるチャンバとしては慣用の真空チャンバを利用できる。
第一チャンバと第二チャンバとの隔壁には基板を移送するための連通口が設けられ、その連通口には各チャンバからもう一方のチャンバへの基板の出入りの際、連通口を開閉する窓構造又は扉構造が通常設けられる。
例えば、各チャンバの連通口にゲートバルブを設けるか、電動スライド式の密閉扉を使用するのが簡便である。
第一チャンバ内の半田付け装置としては、一般に、局所半田付け装置を使用できる。特に下記の実施例に記載される局所半田付け装置が、第一チャンバの底面積を小さくできるので好ましい。
基板移送手段としては、基板を水平に保持しながら移送できるものであれば如何なる構成のものでもよく、基板自体でなく、基板を枠体に保持させ、それを移送させる構成のものでもよい。例えば、プログラムに従い該枠に備えた駆動機構により基板を保持する構造枠をチャンバ内に設けたレールに沿って移送させるか、基板保持手段をプログラムに従いベルトコンベア或いはローラコンベア上を走行させるか、又はコンベアに吊持されたアームに基板を固定し移送する等の手段が適用される。なお、ここでのレール(コンベア)は、第一チャンバ及び第二チャンバの連通口での開閉動作の妨げとならないように構成される。
上記のガス置換手段としては、真空排気装置及びギ酸含有不活性ガス供給源が備えられる。
真空排気装置は、第一チャンバ及び第二チャンバの各々に開閉弁等を介して接続しても良いし、第一チャンバ及び第二チャンバに三方コックを介して一つの経路で接続しても良い。
ギ酸含有不活性ガス供給源は、第一チャンバ及び第二チャンバの各々に遮断弁、圧力調整弁、流量調整弁及び流量指示計(マスフロ―コントローラでもよい)とともに、三方コック又は開閉弁を介して接続することができる。
なお、チャンバには、チャンバ内の空気置換、圧力調整或いはギ酸濃度の調整のために開閉弁を介して窒素ボンベ等の不活性ガス供給源を接続しても良い。
また、第一チャンバ及び/又は第二チャンバ内部をギ酸含有不活性ガスで置換するその他のガス置換手段としては、水素ガスと炭酸ガスとの混合ガスからギ酸を生成する触媒と
しての金属錯体をチャンバ内表面或いはチャンバ内部に設け、チャンバ内に十分なギ酸ガスを作り得る量の水素ガス及び炭酸ガスを含む不活性ガスを充填することにより、ギ酸含有不活性ガス雰囲気下とすることもできる。この場合、水素ガス供給源及び炭酸ガス供給源が遮断弁、圧力調整弁、流量調整弁、流量指示計及び開閉弁等を介してチャンバ内部と接続される。
また、第一チャンバには、チャンバ内部の温度調節あるいは基板の予備加熱のためにヒータ等の加熱源を備えることができる。これにより、所望の温度条件下での局所半田付けを達成し、またヒートショックによる基板の破損を防止することができる。
この場合、第一チャンバ内の温度は、ギ酸含有不活性ガスに含まれるギ酸が液化しない温度で且つ溶融半田の融点以下の温度に調節される。例えば80℃乃至150℃の範囲に設定される。そして、第二チャンバ内の温度は、第一チャンバ内の温度とほぼ同様に調節される。
そして、二室構造の装置を使用した局所半田付け方法は、i)該基板を第二チャンバ内に収容し、第一チャンバ及び第二チャンバを閉じ、閉じられたチャンバ内部をガス置換手段によりギ酸含有不活性ガスで満たす段階と、ii)第一チャンバ及び第二チャンバの連通口を開き、該基板移送手段により該基板を第二チャンバ内より第一チャンバ内に移送し、そして連通口を閉鎖する段階と、iii)第一チャンバ内において、該基板の半田付けすべき箇所に半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田を接触させることにより、局所的に該箇所の半田付けを行う段階と、iv)第一チャンバ及び第二チャンバの連通口を開放し、該基板移送手段により該半田付けされた基板を第一チャンバ内より第二チャンバ内に移送し、そして該基板を取り出す段階とを含む。
第二チャンバとしては、第一チャンバに比して容積が小さいチャンバを適用できるので、必要なギ酸含有不活性化ガスの量を節減でき、ガス置換に係る作業時間も短縮できる。また、二室構造の場合、基板の導入・取出し時に第一チャンバを開放しないので、溶融半田は空気によって酸化されず、ドロス等が生じにくいものとなる。さらに、基板の導入・取出しを行っても、第一チャンバ内部の温度低下が抑えられ、作業時間及びエネルギーが削減できる。
また、減圧下で溶融半田の塗布作業及び塗布した溶融半田の固化をおこなうことができ、半田塗布時にボイド等が生じたとしても、ボイドを消滅させることができる。
なお、第二チャンバは更に基板導入用のチャンバと、基板取出し用のチャンバとの二つの小チャンバに分かれていてもよい。つまり、局所半田付け用のチャンバ(第一チャンバ)と基板導入用のチャンバと基板取出し用のチャンバとからなる三室構造の装置を使用することもできる。チャンバ内のガス置換手段、チャンバ間の基板移送手段は、二室構造の装置と同様のものを使用することができる。
三室構造とすることにより、半田付けした基板を第一チャンバから基板取出し用のチャンバに移送する操作と並行して、基板導入用のチャンバから次の基板を第一チャンバ内に導入する操作を為すことができる。
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:ギ酸含有不活性ガスの吹付を伴う局所半田付け方法
図1は実施例1の方法で使用した局所半田付け装置15、特に半田吐出ノズル2及びこれを取り囲む保温チャンバ1付近の装置構造を拡大して示す。図中の矢印P(↑)はギ酸含有不活性ガスの移動を表す。
この局所半田付け装置15は、半田吐出ノズル2を囲繞する保温チャンバがノズル外周面と間隔をあけて、ギ酸含有不活性ガス吹付け口8を半田吐出ノズル2の上部に形成するとともに、保温チャンバ1には、ギ酸含有不活性ガスを側方より供給するガス供給管3が設けられている。
すなわち、ガス供給管3には、窒素ボンベ21、圧力調整弁22、ギ酸溶液29を収容した密閉容器23、遮断弁24、マスフロ―コントローラ25、開閉弁26及びヒータ27を介して接続されてガス供給経路20が形成されている。そして、圧力調整弁22により圧力調整された窒素ガスを密閉容器23内のバブリング部28に導入し、生成したギ酸含有不活性ガスは遮断弁24、マスフロ―コントローラ25、開閉弁26、ヒータ27及びガス供給管3を経由して保温チャンバ1に導入される。
ヒータ27により約200℃に予備加熱されたギ酸含有不活性ガスを20L/分の流速で保温チャンバ1に供給し、保温チャンバ内4に給送されたギ酸含有不活性ガスを350℃に設定されたヒータ5で約250℃に更に加熱するとともに該ギ酸含有不活性ガスを保温チャンバの下部に設けた通気口6を通るように下方に流し、そして半田吐出ノズル2の外周面との隙間7を通って上昇するように流れを反転させ、ガス吹付け口8より半田吐出ノズルの直上方に向けて吹付けた。
プログラムに従い移動可能な駆動機構を備えた基板保持枠11に基板10を取付け、基板の半田付けすべき箇所12をヒータ(図示せず)により約150℃に予備加熱するとともに、該箇所12と半田吐出ノズル2のノズル口とが対向する位置にくるように基板保持枠11及び局所半田付け装置15を相対移動させた。次いで、半田付けすべき箇所12にガス吹付け口8よりギ酸含有不活性ガスを吹付けて、基板の半田付けすべき箇所12の表面の金属酸化物を還元し(図2a参照)、そして、ギ酸含有不活性ガスが基板の半田付けすべき箇所に吹付ける状態を保ったまま局所半田付け装置15を上昇させて溶融半田17を半田吐出ノズル2のノズル口より上方に吐出して基板10に接触させ(図2b参照)、そしてその後、局所半田付け装置15を下降させる際、基板10に接触した半田に半田融解温度より低い温度のギ酸含有不活性ガスを吹き当てて、半田を固形化し、半田付けを完了させ(図2c参照)、その後、基板10を放冷することで、局所半田付けされた基板を得た。
実施例2:チャンバ内での局所半田付け
図3は実施例2の局所半田付け方法に使用した装置全体の模式図である。図中の矢印Q(⇒、⇔)は基板47を取付けた基板保持枠31の移動方向を示す。
チャンバ30は、その内部にプログラムに従い移動可能な駆動機構を備えた基板保持枠31、基板保持枠を移送するためのレール32、基板予備加熱用のヒータ33、及びプログラムに従い移動自在な移動台45に載置 された局所半田付け装置34を収容してなり、チャンバ内部を減圧するための真空排気装置35を開閉弁49を介して接続するとともに、局所半田付け装置の保温チャンバ43内部及びチャンバ30内部にギ酸含有不活性ガスを供給するためのガス供給経路20(実施例1参照)を三方コック56及びヒータ57を介して接続してなる。なお、チャンバ30の外部には、ヒータ33、溶融半田槽36及び保温チャンバ43の加熱制御装置(図示せず)並びに基板保持枠31及び移動台45の運転制御装置(図示せず)が備えられている。
局所半田付け装置34は、溶融半田槽36と、溶融半田槽の槽外下方に設置した駆動モータ37と、該モータ37により回転する溶融半田槽外の外部マグネットロータ38と、外部マグネットロータ38の回転に連動して回転する内部マグネットロータ39と、該内部マグネットロータ39の上部に固定されたインペラシャフト40と、回転したインペラシャフト40により圧送される溶融半田をノズル42まで輸送するフローダクト41と、該フローダクト41に連通するノズル42と、ガス供給管、ガス放出ノズル及びヒータを備えた保温チャンバ43とを備えてなり、この装置を使用して、以下の通り局所半田付けを行った。なお、溶融半田槽36は溶融半田の温度低下を防止するために断熱材44で覆
われている。
クラッチ式密閉扉46を開き、基板47を基板保持枠31に取付け、クラッチ式密閉扉46を閉めてチャンバ30を密閉した。
開閉弁49を開いて真空排気装置35によりチャンバ30内を減圧した。次いで、弁49を閉じるとともに三方コック56よりガス供給経路20からのギ酸含有不活性ガスをチャンバ30内部に導入し、その際ヒータ57により該ガスを約120℃に予備加熱した。
その後、三方コック56を切り替えて、ガス供給経路20と保温チャンバ43とを連通させ、ヒータ57により約200℃に予備加熱したギ酸含有不活性ガスを局所半田付け装置34の保温チャンバ43に20L/分の流量で供給し、そして該ギ酸含有不活性ガスを350℃に設定された保温チャンバ43のヒータで約250℃まで加熱し、ガス吹出し口より半田吐出ノズル42の上方に向けて吹付けた。
基板47を取付けた基板保持枠31を、レール32に沿ってヒータ33の上方まで移動させて、基板47の半田付けすべき箇所を約150℃まで予備加熱した。次いで、予備加熱された基板47の半田付けすべき箇所と局所半田付け装置34のノズル42とが対向する位置に来るように基板保持枠31をレール32に沿って移動させ、同時に局所半田付け装置34が載置された移動台45を移動させ、そして実施例1と同様に半田付けを行った。
その後、局所半田付けされた基板47が取付けられた基板保持枠31をレール32に沿ってクラッチ式密閉扉46の下方まで移動させ、基板47を放冷後、クラッチ式密閉扉46を開けて局所半田付けがなされた基板47を取り出した。
実施例3:二室構造の装置を使用した局所半田付け
半田付けを為すための第一チャンバ71と、基板を出し入れするための第二チャンバ72とを有する二室構造の装置70を使用する。図4に二室構造の装置全体の模式図を示す。図中の矢印Q(⇒、⇔)は基板74を取付けた基板保持枠75の移動方向を示す。
第一チャンバ71と第二チャンバ72とは各々閉じることができ、電動スライド式密閉扉73を設けた連通口を介して連結されている。また、第一チャンバ71及び第二チャンバ72は、一のチャンバ内から連通口を通って他のチャンバ内に基板74を移送することができるように、基板保持枠75と基板移送レール76a、76bとを備えてなる。
チャンバ71は、その内部に基板予備加熱用のヒータ78、及びプログラムに従い移動自在な移動台81に載置された局所半田付け装置80を収容してなり、チャンバ内部を減圧するための真空排気装置84を開閉弁83を介して接続してなるとともに、局所半田付け装置80の保温チャンバ82内部及びチャンバ71内部にギ酸含有不活性ガスを供給するためのガス供給経路20を、三方コック85及びヒータ86を介して接続してなる。
チャンバ72は、チャンバ内を減圧するための真空排気装置88を開閉弁87を介して接続してなるとともに、チャンバ72内部にギ酸含有不活性ガスを供給するためのガス供給経路20を開閉弁89及びヒータ90を介して接続してなる。
なお、第一及び第二チャンバ71、72の外部には、電動スライド式密閉扉73の開閉装置(図示せず)、ヒータ78、溶融半田槽及び保温チャンバ82の加熱制御装置(図示せず)並びに基板保持枠75及び移動台81の運転制御装置(図示せず)等が収容されている。
而して、以下の手順従い局所半田付けを行う。
第二チャンバ72のクラッチ式密閉扉79を開け、第二チャンバ72内部の基板保持枠75に基板74を取付け、クラッチ式密閉扉79を閉じて、第一チャンバ71及び第二チャンバ72を密閉した。
開閉弁87を開いて真空排気装置88により第二チャンバ72内部を減圧した。次いで開閉弁89を開いてヒータ90により約120℃に予備加熱したギ酸含有不活性ガスを第二チャンバ72内部に充填した。
一方、開閉弁83を開き、真空排気装置84により第一チャンバ71内部を減圧し、次いで、三方コック85よりガス供給経路20からのギ酸含有不活性ガスを第一チャンバ71内部に供給し、その際ギ酸含有不活性ガスをヒータ86により約120℃に予備加熱した。
電動スライド式密閉扉73を開き、基板74が基板移送レール76a及び76b間を越え渡りうる状態とし、基板74を取付けた基板保持枠75を第二チャンバ72から第一チャンバ71に移送し、実施例2と同様に局所半田付けを行った。
局所半田付けされた基板74を、連通口を経由して第二チャンバ72に移送し、電動スライド式密閉扉73を閉じた後、第二チャンバ72内部の基板74を放冷した。チャンバ72内部に空気を入れて大気圧に戻したあと、クラッチ式密閉扉79を開けて、局所半田付けがなされた基板を取出す。
その後、新しい基板を第二チャンバ72の基板保持枠75に取付け、同様に半田付けを行った。
実施例4:三室構造の装置を使用した局所半田付け
半田付けを為すための第一チャンバ101と、基板導入用チャンバ102と、基板取出用チャンバ103とを有する三室構造の装置100を使用した。図5に三室構造の装置全体の模式図を示す。なお、図5は、電動スライド式密閉扉104を開いて、基板導入用チャンバ102と第一チャンバ101とを連通した状態を示す図であり、図中の矢印Q(⇒、⇔)は基板106を取付けた基板保持枠107の移動方向を示す。
第一チャンバ101、基板導入用チャンバ102及び基板取出用チャンバ103は各々閉じることができ、電動スライド式密閉扉104、105を設けた連通口を介して連接されている。また、第一チャンバ101、基板導入用チャンバ102及び基板取出用チャンバ103は、一のチャンバ内から連通口を通じて隣合う他のチャンバ内に基板106を移送することができるように、基板保持枠107と基板移送レール108a乃至eを備えてなる。
第一チャンバ101は、その内部に基板予備加熱用のヒータ110、及びプログラムに従い移動自在な移動台115に載置された局所半田付け装置113を収容してなり、チャンバ内部を減圧するための真空排気装置121を開閉弁120を介して接続してなるとともに、局所半田付け装置113の保温チャンバ111内部及びチャンバ101内部にギ酸含有不活性ガスを供給するためのガス供給経路20を、三方コック122及びヒータ123を介して接続してなる。
基板導入用チャンバ102及び基板取出用チャンバ103は、夫々チャンバ内部を減圧するための真空排気装置125、129を開閉弁124、128を介して接続してなるとともに、チャンバ102、103内部にギ酸含有不活性ガスを供給するためのガス供給経路20を開閉弁126、130を介して接続してなる。
なお、第一チャンバ101、基板導入用チャンバ102及び基板取出用チャンバ103の外部には、電動スライド式密閉扉104、105の開閉装置(図示せず)、ヒータ110、123、溶融半田槽及び保温チャンバ111の加熱制御装置(図示せず)並びに基板保持枠107及び移動台115の運転制御装置(図示せず)等が収容されている。
而して、以下の手順に従い、局所半田付けを行なう。
基板導入用チャンバ102のクラッチ式密閉扉112を開いて、その内部の基板保持枠107に基板106を取付け、クラッチ式密閉扉112を閉じて、第一チャンバ101、基板導入用チャンバ102及び基板取出用チャンバ103を密閉した。
開閉弁124を開いて、真空排気装置125により基板導入用チャンバ102内を減圧した。次いで、開閉弁126を開いてギ酸含有不活性ガスを基板導入用チャンバ102内部に充填した。
一方、開閉弁128を開いて、真空排気装置129により基板取出し用チャンバ103内を減圧した。次いで、開閉弁130を開いてギ酸含有不活性ガスを基板取出し用チャン
バ103内部に充填した。
また、開閉弁120を開き、真空排気装置121により第一チャンバ内を減圧し、次いで、三方コック122により、ガス供給経路20からのギ酸含有不活性ガスを第一チャンバ内部に供給し、その際ギ酸含有不活性ガスをヒータ123により約120℃に予備加熱した。
電動スライド式密閉扉104を開き、基板106が基板移送レール108a及108b間を越え渡りうる状態とし、基板106を取り付けた基板保持枠107を基板導入用チャンバ102内部から第一チャンバ101内部に移送し、電動スライド式密閉扉104を閉じ、実施例2と同様に局所半田付けを行った。
電動スライド式密閉扉105を開き、基板106が基板移送レール108a及108c間を越え渡りうる状態とし、局所半田付けされた基板106を取り付けた基板保持枠107を、第一チャンバ101内部から、基板取出し用チャンバ103内部に移送し、電動スライド式密閉扉105を閉じた後、基板取出用チャンバ103内部で基板106を放冷した。チャンバ内に空気を入れて大気圧に戻したあと、クラッチ式密閉扉113を開けて、局所半田付けがなされた基板106を取出した。
また、第一チャンバ101内部での基板56の半田付けすべき箇所への局所半田付けと並行して、上述と同様に新たな基板106を、基板導入用チャンバ102内部の基板保持枠107に取付け、次いで基板導入用チャンバ102内部をギ酸含有不活性ガスで置換した。そして、電動スライド式密閉扉104、105を開き、半田付けした基板を基板取出用チャンバ103に移送すると同時に、新しい基板を第一チャンバ101内部に移送し、電動スライド式密閉扉104、105を閉じて局所半田付けを行った。同様にして、基板106の局所半田付けを連続して行った。
実施例1乃至実施例4で得られた局所半田付けされた基板は、フラックスを使用していないにもかかわらず、いずれも半田付け不良は生じていなかった。また、実施例2乃至実施例4による局所半田付け終了後、溶融半田槽に半田酸化物(ドロス)は生じていなかった。
10、47、74、106:基板、12:基板の半田付けすべき箇所、15、24、80、113:局所半田付装置、2、42:半田吐出ノズル、8:ガス吹出しノズル口、36:溶融半田槽、1、43、82、111:保温チャンバ、71、101:第一チャンバ、72:第二チャンバ

Claims (5)

  1. 基板の半田付けすべき箇所と半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田とを接触させることにより、局所的に該箇所の半田付けを行う局所半田付け方法において、
    a)ガス吹出し手段を用いて該半田付けすべき箇所の基板表面に向けてギ酸含有不活性ガスを吹付けることにより、及び
    b)該基板及び該半田吐出ノズルを備えた局所半田付装置をその中に収容する閉じられたチャンバの内部をギ酸含有不活性ガスで満たすことにより、
    該ギ酸含有不活性ガスの雰囲気下で上記の半田付けを為す工程と、並びに
    チャンバ内表面或いはチャンバ内部に設けた、水素ガスと炭酸ガスとの混合ガスからギ酸を生成する触媒の下、十分なギ酸ガスを作り得る量の水素ガス及び炭酸ガスを含む不活性ガスをチャンバ内に充填することにより、チャンバ内をギ酸含有不活性ガス雰囲気下とする工程と、
    を有することを特徴とする、方法。
  2. 各々閉じることができるチャンバであって、隣り合ってかつチャンバ間を連通そして閉鎖可能に設けられた第一チャンバ及び第二チャンバと、
    第一チャンバ内に備えられた半田吐出ノズルを備えた半田付け装置と、
    基板を第一チャンバ内部と第二チャンバ内部との間で移送する基板移送手段と、
    第一チャンバ及び/又は第二チャンバ内部をギ酸含有不活性ガスで置換するガス置換手段と、そして
    第一チャンバ又は第一チャンバ及び第二チャンバのチャンバ内表面或いはチャンバ内部に設けられた、水素ガスと炭酸ガスとの混合ガスからギ酸を生成する触媒と、を備えた装置を使用した局所半田付け方法であって、
    i)該基板を第二チャンバ内に収容し、第一チャンバ及び第二チャンバを閉じ、閉じられたチャンバ内部をガス置換手段によりギ酸含有不活性ガスで満たす段階と、
    ii)第一チャンバ及び第二チャンバ間を連通し、該基板移送手段により該基板を第二チャンバ内より第一チャンバ内に移送し、そして第一チャンバ及び第二チャンバ間を閉鎖する段階と、
    iii)第一チャンバ内において、該基板の半田付けすべき箇所と半田吐出ノズルより上方に吐出した溶融半田とを接触させることにより、局所的に該箇所の半田付けを行う段階と、
    iv)第一チャンバ及び第二チャンバ間を連通し、該基板移送手段により該半田付けされた基板を第一チャンバ内より第二チャンバ内に移送し、そして該基板を取り出す段階と、
    十分なギ酸ガスを作り得る量の水素ガス及び炭酸ガスを含む不活性ガスを第一チャンバ内又第一チャンバ及び第二チャンバ内に充填することにより、第一チャンバ内又は第一チャンバ及び第二チャンバ内をギ酸含有不活性ガス雰囲気下とする段階と、
    を含む、局所半田付け方法。
  3. 前記ギ酸含有不活性ガスは、更に、ギ酸ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス又はこれらの混合ガスを含むものである、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 前記ギ酸含有不活性ガスは110℃乃至250℃の温度に保たれる、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記ギ酸含有不活性ガス中の酸素濃度は100ppm以下である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の方法。
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