JP6665397B2 - 酸化亜鉛粒子の製造方法及び放熱性組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化亜鉛粒子の製造方法及びこの方法で製造された酸化亜鉛粒子を用いた放熱性組成物の製造方法に関する。
電子機器などに用いられる熱伝導材料(Thermal Interface Material)は、例えばCPUなどの発熱するデバイスとヒートシンクとの間に設けられて、デバイスで生じた熱を効率よくヒートシンクに伝える役割がある。近年の半導体デバイスの高速化・高集積化にともない、電子機器からの発熱量と発熱密度とは増加傾向にあり、熱伝導材料の熱伝導率の向上が求められている。
熱伝導材料としては、樹脂やグリースなどの媒体に放熱フィラーを分散させたもの(以下、「放熱性組成物」と呼ぶ)が挙げられる。放熱性組成物用の放熱フィラーの候補のひとつとして、酸化亜鉛が知られている。酸化亜鉛は、一般的な放熱フィラーであるアルミナや窒化アルミニウムのほぼ中間の値の熱伝導率をもち、線膨張係数、硬度等の粉体物性、価格の面で比較的バランスのとれた材料であることから、放熱フィラー用材料として種々検討がなされている。例えば、特許文献1には、微粒子酸化亜鉛を亜鉛塩水溶液中で熟成することにより、一次粒子径が0.01μm以上、アスペクト比が2.5以上で、特定六角形状面を有する粒子が50%以上の六角板状酸化亜鉛粒子を製造すること、これを放熱フィラーに用いることが記載されている。また、特許文献2には、亜鉛化合物とカルボン酸等とを混合した水溶液にアミン化合物を添加して水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、沈殿物を含む水溶液を40℃以上に加熱することにより、六角柱状の酸化亜鉛粒子を製造する方法が記載されている。更に、特許文献3には、特許文献2に記載の方法で製造した六角柱状の酸化亜鉛粒子を放熱フィラーに用いることが記載されている。加えて、特許文献4には、酸化亜鉛の小粒子を焼結、造粒することで得られる平均粒子径が1〜300μmの球状酸化亜鉛粒子を、放熱フィラーに用いることが記載されている。
国際公開第2012/147886号 特開2008−254992号公報 特開2014−148568号公報 特開2009−249226号公報
放熱フィラーとして用いる酸化亜鉛粒子に関して、より一層熱伝導率を向上させることが課題になっている。また、添加剤、充填材、吸着剤、顔料、セラミックス原料等に用いる場合でも充填性を向上させることが課題になっている。そのために、酸化亜鉛の粒子制御(粒子の形状や大きさの制御)を行い、酸化亜鉛の粒子径をより大きくすること、充填性を高めることなどが考えられるが、このような酸化亜鉛粒子を比較的緩やかな条件で簡便に製造することができ難いという問題がある。
本発明者らは、酸化亜鉛の粒子制御を行うことができる簡便な方法を鋭意検討した結果、層間にアニオンが配位された層状亜鉛化合物を、塩基性化合物の存在下で、溶液中で熟成させることで、酸化亜鉛の粒子制御を容易にできることを見出し、本発明を完成した。
本発明では例えば、粒子径が比較的大きく(例えばメジアン径で10〜40μm程度の)、しかも、六角柱状の酸化亜鉛粒子を、再現性よく、且つ、効率よく合成することが可能であること、このような酸化亜鉛粒子は、流動性を維持しながら高充填が可能であり、高い熱伝導率を実現可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)塩基性化合物が存在した溶液で、層間にアニオンが配位された層状亜鉛化合物を熟成する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法、
(2)大気圧下、90℃以上溶媒の沸点以下の温度で熟成する、(1)に記載の酸化亜鉛粒子の製造方法、
(3)前記層状亜鉛化合物の前記アニオンが硫酸イオン[SO 2−]である、(1)又は(2)に記載の酸化亜鉛粒子の製造方法、
(4)前記塩基性化合物は酸解離定数(pKa)が9〜10である、(1)〜(3)の何れかに記載の酸化亜鉛粒子の製造方法、
(5)(1)〜(4)の何れかに記載の酸化亜鉛粒子を酸又は塩基で処理する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法、
(6)(1)〜(5)の何れかに記載の酸化亜鉛粒子を700℃以上で焼成する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法、
(7)(1)〜(6)の何れかに記載の方法で製造された酸化亜鉛粒子と、樹脂又は基油とを混合する、放熱性組成物の製造方法、
(8)前記酸化亜鉛粒子よりもメジアン径が小さい小粒径放熱フィラーを更に混合する、(7)に記載の放熱性組成物の製造方法、などである。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法によれば、粒子径の大きな(例えばメジアン径が10〜40μm程度)酸化亜鉛粒子を効率よく製造することができる。また、この方法で製造した酸化亜鉛粒子は、六角柱状で且つ粒子径が大きいことから、高い充填率で放熱性組成物に配合することが可能であり、また高い充填率で配合しても、放熱性組成物の流動性に影響を与え難い。このようなことから、放熱性組成物の流動性を維持しながら高い熱伝導率を実現することが可能となる。
一般に、放熱性組成物では、粘度が概ね10〜500Pa・s(/1rpm)の領域が実用領域(取り扱いや加工が行い易い領域)とされる。本発明の方法で製造した酸化亜鉛粒子を用いて放熱性組成物を調製した場合に、上記実用領域で高い熱伝導率を実現することができる。このようなことから、本発明の製造方法は、放熱性組成物に用いる酸化亜鉛粒子の製造方法として特に好適である。
もちろん、本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、放熱性組成物の用途に限らず、各種組成物(化粧料、塗料、繊維、その他樹脂組成物)に適用することができる。こうすることで、各種組成物の流動性を維持しながら酸化亜鉛粒子を高い充填率で組成物に配合することができる。
実施例1で用いた層状亜鉛化合物aの粉末X線回折スペクトルである。 実施例1の酸化亜鉛粒子(試料A)の粉末X線回折スペクトルである。 実施例1で製造した酸化亜鉛粒子(試料A)の電子顕微鏡写真である。 実施例2で製造した酸化亜鉛粒子(試料B)の電子顕微鏡写真である。 実施例3で製造した酸化亜鉛粒子(試料C)の電子顕微鏡写真である。 比較例1で製造した酸化亜鉛粒子(試料D)の電子顕微鏡写真である。 比較例2で製造した酸化亜鉛粒子(試料E)の電子顕微鏡写真である。 実施例2の酸化亜鉛粒子(試料B)に酸処理及び焼成処理を施したものの電子顕微鏡写真である。 実施例4、実施例5、比較例3の樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示した説明図である。 実施例5、実施例6、実施例7、比較例3の樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示した説明図である。 実施例6、実施例8、実施例9、比較例3の樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示した説明図である。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、塩基性化合物が存在した溶液で、層間にアニオンが配位された層状亜鉛化合物を熟成する工程を含む。本発明の「層状亜鉛化合物」とは、水酸基を有する亜鉛化合物の積層構造と、その層間に配位するアニオン、及び水分子などから構成される層状化合物のことを言う。
層状亜鉛化合物の積層構造に対応する部分は、亜鉛のみを金属元素として含む化合物で構成されていてもよいし、亜鉛以外の金属元素を更に含む化合物で構成されていてもよい。もっとも、製造される酸化亜鉛粒子の純度を確保する観点からすれば、上記積層構造に対応する部分は、金属元素として亜鉛のみを含む化合物であることが好ましい。特に、当該積層構造に対応する部分が水酸化亜鉛で構成される場合、六角柱状で、且つ粒子径の大きな酸化亜鉛粒子を再現性よく、且つ、効率よく製造することができるので、より好ましい。
また、層状亜鉛化合物の層間に配位するアニオンとしては、例えば、硝酸イオン(NO )、塩化物イオン(Cl)、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸イオン(CO 2−)、又は硫酸イオン(SO 2−)などが挙げられる。中でも、アニオンが硫酸イオン(SO 2−)である場合、六角柱状で、且つ粒子径の大きな酸化亜鉛粒子を再現性よく、且つ、効率よく製造することができるので、好ましい。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法に好適な層状亜鉛化合物としては、例えば、組成式Zn(OH)(Ac−(2a−b)/c・nHO(A:アニオン)で表される層状亜鉛水酸化物が挙げられる。具体的には、Zn(OH)(NO・nHO、Zn(OH)Cl・nHO、Zn(OH)(CHCOO)・nHO、Zn(OH)(CO・nHO、又はZnSO(OH)・nHOの組成式で表される化合物などが挙げられる。
尚、本発明の製造方法においては、上述のZnSO(OH)・nHOの組成式で表される層状亜鉛水酸化物(水酸化亜鉛の層間に硫酸イオンや水分子が配位したもの)を用いた場合、六角柱状で且つ粒子径の大きな酸化亜鉛粒子が特に効率よく得られるので、より好ましい。
幾つかの層状亜鉛化合物は鉱物として天然に生ずるものがあるので、これを用いてもよい。例えば、上述のZnSO(OH)・nHOの組成式で表される層状亜鉛化合物は、osakaite(ZnSO(OH)・5HO)と呼ばれる鉱石として天然に存在することが知られている(Ohnishi, M., Kusachi, I. & Kobayashi, S. (2007): Osakaite, Zn4SO4(OH)6・5H2O, a new mineral species from the Hirao mine, Osaka, Japan. The Canadian Mineralogist, 45, 1511-1517)。また、層状亜鉛化合物は、市販されているものがあればこれを用いてもよい。
層状亜鉛化合物は、公知の方法を用いて合成してもよい。上述のZn(OH)(NO・nHOの組成式で表される化合物は、例えば硝酸亜鉛六水和物にヘキサメチレン溶液を加えて加熱する方法やアルカリを添加する方法によって得ることができる(Heather F.Greer, Wuzong Zhou, Ming-Han Lin, Yao-Hung Tseng & Chung-Yuan Mou(2012):The origin of ZnO twin crystals in bio-inspired synthesis, CrystEngComm, 14, 1247-1255)。
また、上述のZn(OH)Cl・nHOの組成式で表される化合物は、例えば塩化亜鉛に水酸化ナトリウムやアンモニア水などのアルカリを添加する方法によって得ることができる(Yan Li, Yunling Zou, Yanyan Hou (2011):Synthesis and characterization of simonkolleite nanodisks and their conversion into ZnO nanostructures, CRYSTAL Research&Technology, 46, 305-308)。
更に、Zn(OH)(CHCOO)・nHOの組成式で表される化合物は、例えば酢酸亜鉛二水和物にヘキサメチレンテトラミン溶液やアルカリ溶液を加えて加熱する方法やアルカリを添加する方法によって得ることができる(Zhenbo Xia, Jian Sha, Yanjun Fang, Yuting Wan, Zongli Wang, Yewu Wang(2010):Purposed Built ZnO/Zn5(OH)8Ac2・2H2O Architectures by Hydrothermal Synthesis, Crystal Growth & Design, 10, 2759-2765)。
加えて、Zn(OH)(CO・nHOの組成式で表される化合物は、例えば亜鉛イオンを含む溶液に炭酸ナトリウム水溶液を添加する方法によって得ることができる(田中春彦、松田善信、古賀信吉、古川義宏(2004),化学教材の開発における熱分析の意義 亜鉛塩の沈殿生成反応とその熱分解反応を例として,熱分析,31 108−116)。
更に加えて、ZnSO(OH)・nHOでの組成式であらわされる化合物は、例えば特開2007−223873号、特開平5−070124号、あるいは特開昭54−38298号などに記載の方法によって得ることができる。尚、ZnSO(OH)・nHOの組成式で表される化合物は、硫酸亜鉛とカルボン酸(例えばクエン酸)とを混合した水溶液にアミン化合物を添加して、水溶液を緩やかに中和することで、当該化合物を調製することもできる。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法に用いる層状亜鉛化合物は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θが8〜9度にピークがあり(層状亜鉛化合物に特有のピーク)、その半価幅が0.8〜1.0度であることが好ましい。また、後述するように、層状亜鉛化合物は、熟成時に重なりあって酸化亜鉛粒子を構成すると考えられる。従って、前駆体としての層状亜鉛化合物の粒子の数が多いことが好ましい。但し、層状亜鉛化合物の粒子の数が多くても、層状亜鉛化合物の粒子が過度に凝集した塊の形態であると、層状亜鉛化合物の積層がうまくいかず、酸化亜鉛粒子がいびつな形状となり、結果として熱伝導性や流動性に影響を及ぼすおそれがある。従って、層状亜鉛化合物は、その粒子の凝集の程度が小さいことが好ましい。
尚、前駆体としての層状亜鉛化合物を公知の方法等を用いて合成する場合には、合成時の温度を適切に調整することで、層状亜鉛化合物の粒子数が多く、且つ凝集の程度が小さい状態を実現することができる。
尚、層状亜鉛化合物の粒子の数は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θが8〜9度のピーク強度と相関があるものと考えられ、前記ピーク強度が大きいほど層状亜鉛化合物の粒子の数が多いと考えられる。従って、粉末X線回折スペクトルにおいて2θが8〜9度のピーク強度は大きいことが好ましい。例えば、Rigaku社製UltimaIVで粉末X線回折スペクトルを測定した場合、2θが8〜9度にあるピーク強度が、100,000以上であることが好ましく、150,000以上であることがより好ましい。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、上述の層状亜鉛化合物を加熱、熟成させる工程を含む。熟成においては、先ず、層状亜鉛化合物を含む溶液を所定の温度まで昇温させ、その後所定の時間、溶液の温度を保持する。昇温後の溶液の温度(熟成温度)は、90℃以上、溶媒の沸点以下であることが好ましい。溶媒としては、水系溶媒、有機溶媒を用いることができるが、安全性の観点から、水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いる場合、熟成温度は90℃以上100℃以下の範囲であることが好ましい。加圧装置を用いて加圧条件下で熟成を行うことも可能であるが、工程の簡略化、製造コスト低減の観点などから、大気圧下で熟成するのが好ましい。尚、還流器を用いる場合でも、閉鎖系とするよりは開放系として、大気圧下で熟成することが好ましい。また、昇温にかける時間は、昇温前の溶液の温度にもよるが、例えば、昇温前の溶液の温度が室温程度(10〜40℃程度)である場合、0.5〜2時間が好ましく、0.7〜1時間がより好ましい。更に、昇温後の溶液の温度を保持する時間(熟成時間)は、4〜12時間が好ましい。以上のような熟成条件とすることで、六角柱状で、且つ粒子径の大きな酸化亜鉛粒子を効率よく製造することができる。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、上述の熟成中に、溶液中に塩基性化合物を存在(共存)させる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、尿素、硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、アミン化合物などを用いることができる。これらの塩基性化合物は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。複数種を組み合わせて緩衝系を構成することで、反応溶液のpH変化を抑制することができる。
アミン化合物は、アンモニア中の水素原子を炭化水素基で置換した化合物であって、その炭化水素基を水酸基、カルボキシル基、フェニル基、チオール基等で置換した誘導体を含む。具体的には第1アミン、第2アミン、第3アミンやそれらの誘導体であって、水溶性でありアルカリ性を呈するものである。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法においては、上述のように、各種の塩基性化合物を用いることが可能であるが、塩基性化合物の酸解離定数(pKa)が9〜10の範囲であることが好ましく、pKaが9.3〜9.7の範囲であることがより好ましい。塩基性化合物のpKaの値がこの範囲であると、酸化亜鉛粒子の成長が緩やかに進行し、より大きな粒子径の六角柱状酸化亜鉛粒子が得られ易くなる。このような観点からすれば、塩基性化合物としてはアルカノールアミンを用いることが好ましく、2−アミノアルコール(例えばモノエタノールアミンやイソプロパノールアミンなど)を用いることがより好ましい。
上記熟成中における溶液中の塩基性化合物の存在量は、使用する塩基性化合物に応じて適宜設定することができ、例えば層状亜鉛化合物の亜鉛原子に対するモル比で表して、0.2〜1.0の範囲であることが好ましい。塩基性化合物の存在量が前記範囲より多すぎると、層状亜鉛化合物から酸化亜鉛粒子への転化反応が早く進行し、層状亜鉛化合物の粒子間での脱水縮合反応が十分に進まないことから、粒子径の小さな酸化亜鉛粒子が生成され易くなることから、1.0以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。また、熟成中の塩基性化合物の存在量が少なすぎると、そもそも層状亜鉛化合物から酸化亜鉛粒子に転化し難いため、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。
塩基性化合物の添加のタイミングとしては、層状亜鉛化合物を含む溶液の温度保持中(熟成中)に添加してもよいし、昇温中及び熟成中の期間に亘って添加してもよい。もっとも、安定した温度条件下で酸化亜鉛粒子の成長を行ったほうが、均質な(粒子径、結晶子径などが揃った)酸化亜鉛粒子が得られると考えられる。従って、塩基性化合物は熟成中に添加することが好ましい。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、塩基性化合物の存在下で熟成中に、溶液中で均一に反応(粒子成長)が起きるように溶液を適宜撹拌することができる。撹拌に用いる撹拌装置としては、公知の各種形態の撹拌翼、例えば、多段翼、アンカー型、馬蹄型、スクリュー型、2重リボン、タービン型、プロペラ型、マックスブレンド、ビスター装置等が使用できる。また、例えば、スタティックミキサー、ラインミキサー等を単独あるいは併用してもよい。撹拌混合に使用する撹拌槽の形状は、特に限定されないが円筒状等が使用できる。撹拌装置の運転条件(撹拌羽の回転数やレイノルズ係数など)は、溶液の性状に合わせて適宜設定することができる。
以上に説明したように、本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、層状亜鉛化合物を、溶液中で、塩基性化合物の存在下で熟成することで比較的大きな粒子径の酸化亜鉛粒子を得ることができる。これは以下のようなメカニズムによるものと考えられる。先ず、層状亜鉛化合物の熟成を開始すると、層状亜鉛化合物の層間に存在する水和水が脱離して、層間の距離が小さくなる。この状態で、溶液の温度を保持して熟成を継続すると、層状亜鉛化合物の層間で脱水縮合が生ずる。また、層状亜鉛化合物の粒子が重なり合って、粒子間でも脱水縮合が生ずる。このときの脱水縮合反応を制御することで、酸化亜鉛粒子を大粒径へと成長し易くする。脱水縮合反応を制御した状態で更に熟成を継続すると、やがて層間に配位されたアニオンが脱離して酸化亜鉛粒子となる。その結果、メジアン径が10〜40μm程度の比較的大きな粒子径の酸化亜鉛粒子が得られるものと考えられる。
このようにして得られた酸化亜鉛粒子は、必要に応じて濾過・洗浄して固液分離し、乾燥、乾式粉砕を行う。固液分離には、フィルタープレス、ロールプレス等の通常工業的に用いられる濾過器を用いることができる。乾燥にはバンド式ヒーター、バッチ式ヒーター、噴霧乾燥機等が、乾式粉砕にはハンマーミル、ピンミル等の衝撃粉砕機、ローラーミル、パルペライザー、解砕機等の摩砕粉砕機、ロールクラッシャー、ジョークラッシャー等の圧縮粉砕機、ジェットミル等の気流粉砕機等を用いることができる。乾燥温度は適宜設定することができるが、80〜200℃程度が適当である。
また、必要に応じて前記の酸化亜鉛粒子を酸又はアルカリで処理してもよい。こうした処理を行うことで、酸化亜鉛粒子の六角柱の稜線及び頂点に相当する部分を曲面状に面取りすることができる。その結果、放熱性組成物などの組成物に配合した場合に、組成物中での酸化亜鉛粒子同士の干渉が抑制され、組成物の流動性を維持することができる。
酸化亜鉛粒子を酸又はアルカリで処理する方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、酸化亜鉛粒子の分散液に酸又はアルカリを添加する方法が挙げられる。また、低濃度の酸/アルカリ溶液中に酸化亜鉛粒子を添加することもできる。
上記酸化亜鉛粒子の分散液は、酸化亜鉛粒子の粉末やケーキと、溶媒とを混合して得ることができる。溶媒には、水系溶媒や有機溶媒を用いることができる。上記分散液中の酸化亜鉛粒子の濃度は250g/L以下とするのが好ましい。添加する酸又はアルカリの態様は特に制限がなく、固体状、液体状、気体状など、任意の状態のものを用いることができる。
酸を用いる場合、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸(酢酸、クエン酸、シュウ酸)、スルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フルオロスルホン酸)などの有機酸を用いることができる。酸又はアルカリは、固体状、液体状、気体状等、任意の状態のものを添加することができる。酸性水溶液を用いる場合、当該水溶液の酸の濃度は硫酸に換算して0.5〜70質量%の範囲であることが好ましい。また、酸化亜鉛粒子の分散液に酸性水溶液を添加する場合、添加時間は例えば0〜360分としてよく、10〜120分が好ましい。添加中は適宜撹拌してもよい。酸化亜鉛粒子を上記方法で酸処理する際の処理温度は40℃以下とするのが好ましく、20〜30℃の範囲とするのがより好ましい。酸処理中の反応溶液のpHは6〜8の範囲に維持することが好ましく、pH7付近に維持することがより好ましい。添加する酸の量は、HとしてZnOに対して10〜25モル%とするのが好ましい。
アルカリを用いる場合、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の公知のアルカリ化合物を用いることができる。添加するアルカリの量は、OHとしてZnOに対して40〜100モル%とするのが好ましい。アルカリ水溶液を用いる場合、その濃度や添加時間は適宜調整することができる。
酸及びアルカリの何れを用いた場合でも、酸化亜鉛粒子の面取りをすることが可能であるが、酸を用いることが好ましい。酸を用いることで、水酸化物などの沈殿物の生成を抑制できる。また、アルカリを用いる場合に比べて酸の添加量を少なくすることができるからである。
また、必要に応じて前記の酸化亜鉛粒子を焼成してもよい。焼成条件は特に限定されないが、焼成温度を300〜1500℃、焼成時間は10分〜10時間程度が適当である。焼成は静置焼成で行ってもよく回転式の炉内で行ってもよい。静置焼成は、ムライト製、ムライト・コージライト製の匣鉢中で行うことができる。焼成は通常、空気、酸素、窒素等の雰囲気下で行うことができる。それらの気体のフロー下で行ってもよい。
メジアン径が小さい(例えば5μm程度の)六角柱状の酸化亜鉛粒子を高い温度で焼成すると、粒子同士が融着してしまい、組成物に配合したときの流動性が著しく低下する。この点で、本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、メジアン径が10μm以上の比較的大きな粒子であるため、これを上記温度で焼成しても粒子同士の融着が起こり難い。従って、上記焼成処理によって、メジアン径を殆ど変化させずに結晶子径を大きくすることができ、酸化亜鉛粒子の熱伝導性を更に高めることができる。
酸化亜鉛粒子の焼成温度は、700〜1200℃で焼成することが好ましく、850〜1200℃の温度で焼成することがより好ましい。焼成温度が高いほど結晶子径が大きくなり易く、酸化亜鉛粒子の熱伝導性をより一層高めることができる。
尚、このような焼成処理は、上述の酸又は塩基による処理の前に行ってもよいし、酸又は塩基による処理の後に行ってもよいが、酸又は塩基による処理の後に焼成を行うことが好ましい。
また、必要に応じて、前記の酸化亜鉛粒子の表面にケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ等の酸化物あるいはそれらのリン酸塩等の無機化合物の被覆層を設けるための表面処理を実施することもできる。また、溶媒、塗料やプラスチックス等への分散性を付与するなどの目的で、有機化合物を被覆してもよく、前記の無機化合物と有機化合物の両者を被覆してもよい。有機化合物としては、例えば、
(1)有機ケイ素化合物((a)オルガノポリシロキサン類(ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン等又はそれらの共重合体)、(b)オルガノシラン類(アミノシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、ビニルシラン、フェニルシラン、メルカプトシラン、クロロアルキルシラン、アルキルシラン、フルオロアルキルシラン等又はそれらの加水分解生成物)、(c)オルガノシラザン類(ヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等)等)、
(2)有機金属化合物((a)有機チタニウム化合物(アミノアルコキシチタニウム、リン酸エステルチタニウム、カルボン酸エステルチタニウム、スルホン酸エステルチタニウム、チタニウムキレート、亜リン酸エステルチタニウム錯体等)、(b)有機アルミニウム化合物(アルミニウムキレート等)、(c)有機ジルコニウム化合物(カルボン酸エステルジルコニウム、ジルコニウムキレート等)等)、
(3)ポリオール類(トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等)、
(4)アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等)又はその誘導体(酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩等)、
(5)高級脂肪酸類(ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等)又はその金属塩(アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)、
(6)高級炭化水素類(パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等)又はその誘導体(パーフルオロ化物等)が挙げられる。
これらの無機化合物、有機化合物は、1種を用いても、2種以上を積層又は混合して用いてもよい。例えば、放熱性組成物に用いる場合は、オルガノシラン類を用いるのが好ましい。また、化粧料に用いる場合は、オルガノポリシロキサン類、高級脂肪酸類を用いるのが好ましい。無機化合物、有機化合物の被覆量は、酸化亜鉛粒子に対し、0.1〜50質量%の範囲が好ましく、0.1〜30質量%の範囲が更に好ましい。
酸化亜鉛粒子の粒子表面に前記の無機化合物や有機化合物を被覆させるには、酸化亜鉛粒子の水性スラリー中で、無機化合物あるいは有機化合物を添加し中和するなどして被覆することができる。また、有機化合物を被覆するには別の方法として、酸化亜鉛粒子に有機化合物を添加してミキサーで乾式処理を行い、熱処理を施すなどして被覆することもできる。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、六方晶、立方晶、立方晶面心構造いずれかのX線回折パターンを示す酸化亜鉛(ZnO)を少なくとも50質量%含むものである。本発明の酸化亜鉛粒子には、水酸化亜鉛や、製造の際に使用する硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物や、後述する各種層状亜鉛化合物等が含まれていてもよい。また、上記亜鉛化合物を構成していた硫酸根、硝酸根、塩素、酢酸等が含まれていてもよく、また、カルボン酸、その塩、アミン化合物等の材料等が含まれていてもよい。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子の好ましい形状は、六角形の面を有し、その面に垂直方向に伸びた六角柱の形状を有する。酸化亜鉛粒子の形状は、電子顕微鏡によって確認することができる。
ここで、「六角柱状」とは、一般的に六角板状、六角短柱状、六角棒状と呼ばれる形状を含む。また、これら以外にも、六角柱を基本形状として、その一部の形状が変更されていたり、六角柱に別の微細構造が付加された形状であって、大まかには六角柱状であると認識できるものも含む。例えば、六角柱状の中央部にくびれがあり、その部分の径が両端部の径に比べて小さい形状(鼓形)であってもよい。
また、六角柱を構成する面同士の稜線及び頂点は必ずしも明確でなくてもよく、例えば図8に示すように、六角柱の隣接する面の稜線及び頂点に相当する部分が曲面状となっている形状(六角柱の角が曲面状に面取りされた形状)であってもよい。尚、このような形状においては、全ての稜線や頂点が曲面状となっている必要は無く、一部が線や点として残っていてもよい。
更に、六角柱を構成する各面は必ずしも平坦な面でなくてもよい。例えば、図3〜5に示すように、六角柱を基本形状として、その表面(側面、上面、及び底面)に錐台状、瘤状又は鱗状から選ばれる少なくとも一種類の凸部が複数存在する形状も、本発明の「六角柱状」に含まれる。このような凸部は単独で(他の凸部と重なり合わないように)存在していてもよく、凸部が重なり合っていてもよい。特に互いの位置を少しずつずらしながら凸部が重なり合っている態様であってもよい。もちろん、このような凸部についても、その輪郭が明確な錐台状や鱗状でなくてもよく、輪郭が曲面で構成された(角が取れた)形状であってもよい(図8を参照)。
酸化亜鉛粒子が六角柱状であることにより、放熱性組成物中に充填されたときに、隣接する粒子どうしが面で接触することができ、粒子間で熱を伝導し易くなる。また、球状粒子と比べて酸化亜鉛粒子を多く充填することができる。その結果、放熱性組成物の熱伝導性を高めることができる。また、酸化亜鉛粒子の六角柱の稜線及び頂点に相当する部分が曲面状であると、放熱性組成物中において、酸化亜鉛粒子同士の干渉(稜線や頂点が接触することによる干渉)が抑制され、粒子自体の動きの自由度を増すことができる。従って、酸化亜鉛粒子を高い充填率で配合しても、放熱性組成物の流動性が維持され易くなる。その結果、放熱性組成物の流動性と熱伝導性とをより高度に両立することができる。更に、六角柱の表面に錐台状、瘤状又は鱗状から選ばれる少なくとも一種類の凸部が複数存在すると、多面体的な効果によって、酸化亜鉛粒子どうしの接触確率(接触頻度)を増やすことができる。その結果、放熱性組成物中で熱伝導パスがより形成され易くなり、組成物の熱伝導性を向上させることができる。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、レーザー回折/散乱法で測定したメジアン径Rが10μm以上であるのが好ましい。酸化亜鉛粒子の粒子径が大きいほうが、樹脂やグリース等の媒体への充填性が良好(高い充填率での配合が可能)であり、放熱性組成物中に熱伝導パスが形成され易いと考えられる。また、酸化亜鉛粒子の粒子径が大きいほうが、粒子の表面エネルギーが小さいため、放熱性組成物中で酸化亜鉛粒子が液体(樹脂)に馴染み易くなり、放熱性組成物の流動性を維持し易くなるものと考えられる。こうした理由から、本発明の酸化亜鉛粒子は、粒子径がより大きいほうが放熱フィラーとしての性能を発揮し易く、従ってメジアン径Rが12μm以上であるとより好ましく、14μm以上であると更に好ましい。もっとも、粒子径があまり大きすぎると、酸化亜鉛粒子の用途が限定される虞がある。従って、汎用性を考慮して、酸化亜鉛粒子のメジアン径Rは、40μm以下であることが好ましい。
メジアン径Rは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製 Partica LA−950V2)を用いて酸化亜鉛粒子の粒度分布を測定し、頻度の累積が50%となる粒子径をメジアン径Rとする。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、粉末X線回折法で求めた平均結晶子径rが0.06〜0.15μmの範囲であると好ましく、0.08〜0.1μmの範囲であるとより好ましい。平均結晶子径rは、Rigaku社製試料水平型多目的X線回折装置 Ultima IVを用いて測定したX線回折パターンに基づき、シェラーの式を用いて算出する。
また、本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子は、メジアン径Rと平均結晶子径rとの比R/rが200以下であることが好ましい。
一般に、酸化亜鉛粒子の多結晶体では、粒子内に存在する結晶粒界が熱伝導等の性能を阻害する障壁として作用する。従って、たとえ粒子径が大きい粒子であっても、結晶粒界が多く存在すると、粒子径に見合うだけの熱伝導率を発現しなくなる。上述のR/rは、粒子内における結晶粒界の平均存在数の指標である。本発明の酸化亜鉛粒子では、R/rを200以下とすることで結晶粒界を減少させ、粒子自体の熱伝導性を高めることができる。もっとも、R/rの値は、R(メジアン径)を小さくすることによっても小さくなるが、Rが小さくなりすぎると、放熱性組成物中での酸化亜鉛粒子の充填性が低下したり、酸化亜鉛粒子が凝集したりすることにより、組成物の熱伝導性が低下するおそれがある。このようなことを勘案するに、R/rは100以上であることが好ましい。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子では、アスペクト比(平均高さH/平均わたり径L)が0.5〜2であることが好ましい。尚、上述の「わたり径」とは、六角形の面の「対抗する頂点を結ぶ線の長さ」のことを言う。また、「高さ」は「六角形の面に略垂直方向の高さ」のことを言い、六角柱の縦の長さを言う。
酸化亜鉛粒子の上記寸法(L及びH)は、電子顕微鏡法で求めることができる。具体的には、酸化亜鉛粒子の平均わたり径L、平均高さHは、少なくとも20個の粒子のわたり径及び高さを電子顕微鏡写真から計測して、下記式によって算出した平均わたり径、平均高さとする。
平均わたり径=Σ(L・n)/Σn
平均高さ=Σ(H・n)/Σn
上記式中、nは計測した個々の粒子の番号を表し、Lは第n番目の粒子のわたり径、Hは第n番目の粒子の高さをそれぞれ表す。
アスペクト比が上述の範囲であると、酸化亜鉛粒子を放熱性組成物に配合した場合の流動性を高めることができる。換言すれば、放熱性組成物の粘度をある一定値とする場合に、酸化亜鉛粒子を高い充填率で配合することができる。その結果、放熱性組成物としたときに実用上十分な流動性を維持しつつ、熱伝導率を更に高めることができる。
本発明の方法で製造された酸化亜鉛粒子はタップ密度が2g/cm以上であることが好ましく、酸化亜鉛自体の密度(真密度:5.6g/cm程度)を考慮するに、2〜5.5g/cmの範囲であることが好ましい。タップ密度が高いと、酸化亜鉛粒子どうしで接触面積を多く取れることから粒子間で熱を伝導し易くなる。また、タップ密度が高いことで、酸化亜鉛粒子の放熱性組成物に対する充填率を高めることができる。その結果、組成物の熱伝導性を高めることができる。タップ密度は、JIS R 1639−2に従って測定する。
本発明の方法で製造した酸化亜鉛粒子は、放熱性組成物用の放熱フィラーとして用いることができる。本発明の放熱性組成物には、放熱性樹脂組成物、放熱性グリース、放熱性塗料組成物などが含まれる。また、それらを用いて形成するシート、ゲル、エラストマー、プラスチックなどであってもよい。
本発明の放熱性樹脂組成物は、上記酸化亜鉛粒子と樹脂とを混合したものである。使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
本発明の放熱性樹脂組成物を製造する場合、組成物中の酸化亜鉛粒子の配合量(充填率)は、目的とする性能(組成物の熱伝導性や硬度等)に合わせて任意に決定することができる。上記酸化亜鉛粒子の熱伝導性を十分に発現させるためには、放熱性樹脂組成物中の固形分全量に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上が更に好ましく、30体積%以上が最も好ましい。このようにして、熱伝導率が好ましくは0.5W/m・K以上とすることができ、より好ましくは1.0W/m・K以上、更に好ましくは2.0W/m・K以上とすることができる。
ここで、本発明の方法で製造した酸化亜鉛粒子は、六角柱状で、且つ、粒子径が比較的大きい(例えばメジアン径10〜40μm程度)ことから、液状の放熱性樹脂組成物の固形分全量に対して40体積%以上の高い充填率で配合しても、放熱性樹脂組成物の粘度を実用領域以下(500Pa・s以下)とすることができる。従って、酸化亜鉛粒子を高充填(好ましくは40体積%以上、より好ましくは50体積%以上)とすることで、液状の樹脂組成物において実用領域以下の流動性を維持しながら、これを固化した固形物の状態で高い熱伝導率(好ましくは2.0W/m・K以上、より好ましくは2.5W/m・K以上)を実現することができる。
放熱性樹脂組成物が熱源と放熱部材(ヒートシンクなど)との間に介在させる用途のものである場合、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂のような接着性が高く硬度が低く、且つ、耐熱性の高い樹脂を選択すればよい。
放熱性樹脂組成物が熱成形用の樹脂組成物である場合、熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含む樹脂組成物を、例えば、スクリュー型二軸押出機を用いた溶融混練によってペレット化し、その後射出成型などの任意の成型方法で所望の形状に成型する方法などによって製造することができる。
放熱性樹脂組成物が熱硬化性樹脂と酸化亜鉛粒子とを混練後、加熱硬化させることによって得られた樹脂組成物である場合、例えば、加圧成型等によって成型するものであることが好ましい。このような樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、樹脂組成物をトランスファー成型により成型し、製造することができる。
本発明の放熱性樹脂組成物は、電子部品の放熱部材、熱伝導性充填剤、温度測定用などの絶縁性充填剤などの用途に用いることができる。例えば、MPU,CPU,パワートランジスタ、トランス等の発熱性電子部品からの熱を、放熱フィンや放熱ファンなどの放熱部材に伝達させる目的で使用することができ、発熱性電子部品と放熱部材との間に設けて使用する。これにより、発熱性電子部品と放熱部材との間の伝熱が良好となり、長期的に発熱性電子部品の誤作動を軽減させることができる。ヒートパイプとヒートシンクの接続や、種々の発熱体が組み込まれたモジュールとヒートシンクとの接続にも好適に用いることができる。
本発明の放熱性グリースは、基油と、上記酸化亜鉛粒子とを混合したものである。上記基油は、鉱油、合成油、シリコーンオイル、フッ素系炭化水素油などの各種油性材料を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。合成油としては特に炭化水素油がよい。合成油として、α−オレフィン、ジエステル、ポリオールエステル、トリメリット酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル等が使用できる。
本発明の放熱性グリース中の酸化亜鉛粒子の配合量(充填率)は、目的とする性能(熱伝導性等)に合わせて任意に決定することができる。上記酸化亜鉛粒子の熱伝導性を十分に発現させるためには、放熱性グリース中の全量に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上が更に好ましい。
本発明の放熱性グリースには、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤が好ましい。非イオン系界面活性剤の配合により、高熱伝導化を図ることができる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエチレンジアミン、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタエリトリットモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステルが挙げられる。
非イオン系界面活性剤の添加の効果は、上記酸化亜鉛粒子の種類、配合量、及び親水性と親油性のバランスを示すHLB(親水親油バランス)によって異なる。また、高放熱性グリース等の電気絶縁性や電気抵抗の低下を重視しない用途では、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができる。
本発明の放熱性グリースは、前述した成分をドウミキサー(ニーダー)、ゲートミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機器を用いて混合することによって調製することができる。
本発明の放熱性グリースは、発熱体や放熱体に塗布することによって使用される。発熱体としては、例えば、一般の電源;電源用パワートランジスタ、パワーモジュール、サーミスタ、熱電対、温度センサなどの電子機器;LSI、CPU等の集積回路素子などの発熱性電子部品などが挙げられる。放熱体としては、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク等の放熱部品;ヒートパイプ、放熱板などが挙げられる。塗布は、例えば、スクリーンプリントによって行うことができる。スクリーンプリントは、例えば、メタルマスクもしくはスクリーンメッシュを用いて行うことができる。本発明の組成物を発熱体及び放熱体の間に介在させて塗布することにより、上記発熱体から上記放熱体へ効率よく熱を伝導させることができるので、上記発熱体から効果的に熱を取り除くことができる。
本発明の放熱性塗料組成物は、上記酸化亜鉛粒子を樹脂溶液又は分散液中に分散させたものである。使用する樹脂は硬化性を有するものであっても、硬化性を有さないものであってもよい。上記樹脂として具体的には、上述した放熱性樹脂組成物において使用することができる樹脂として例示した樹脂を挙げることができる。塗料は、有機溶剤を含有する溶剤系のものであっても、水中に樹脂が溶解又は分散した水系のものであってもよい。
本発明の放熱性塗料組成物中の酸化亜鉛粒子の配合量(充填率)は、目的とする性能(熱伝導性等)に合わせて任意に決定することができる。上記酸化亜鉛粒子の熱伝導性を十分に発現させるためには、塗料組成物中の全量に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上が更に好ましい。
上記放熱性塗料組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、ディスパーやビーズミル等を使用し、必要とする原料及び溶剤を混合・分散することによって製造することができる。
本発明の放熱性塗料組成物は、前述の放熱性樹脂組成物の項に記載した用途に用いることができる。その他、建築物の外壁、建材や、ボイラー等の発熱する産業設備、家電製品などにも用いることができる。
以上に述べた本発明の全ての放熱性組成物は、本発明の酸化亜鉛粒子以外の放熱性フィラーを含有してもよい。他の放熱性フィラーとしては特に限定されず、公知のものを任意に用いることができる。例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、金属粒子、炭素化合物(ダイヤモンド、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブなど)等を挙げることができる。本発明の酸化亜鉛粒子と組み合わせる他の放熱フィラーは、一種類に限定されず、複数種類の放熱フィラーを併用してもよい。
また、本発明の酸化亜鉛粒子と共に、この酸化亜鉛粒子とは粒子径が異なる上記他の放熱フィラーを用いてもよい。特に、この酸化亜鉛粒子よりも粒子径が小さい小粒径放熱フィラーを配合して、放熱性組成物を調製することとしてもよい。具体的には、本発明の酸化亜鉛粒子の粒子径(メジアン径R)に対して、R/40〜R/2μmの小粒径放熱フィラーを併用することで、酸化亜鉛粒子の隙間を埋めることができる。ひいては、放熱性組成物への充填性を高めることができ、熱伝導性を向上させることができる。加えて、酸化亜鉛粒子の隙間に小粒径放熱フィラーが介在することで、これらが潤滑剤の役割を果たし、放熱性組成物の流動性をより維持し易くすることができる。
本発明の酸化亜鉛粒子と小粒径放熱フィラーとの配合比率には特に制限がなく、適宜調整することができるが、体積比で7:3〜9:1の範囲が好適である。上記小粒径放熱フィラーの形状には特に制限がなく、球状、粒状、立方体状、棒状、六角板状、鱗片状、不定形状を上げることができる。上記小粒径放熱フィラーにも無機化合物や有機化合物の被覆を施してもよい。
酸化亜鉛粒子と併用する小粒径放熱フィラーの材料としては、金属酸化物が好ましく、酸化亜鉛又は酸化アルミニウムがより好ましく、酸化亜鉛が更に好ましい。尚、併用する粒子を小粒径酸化亜鉛粒子とすることで、液状の放熱性樹脂組成物において実用領域以下(500Pa・s以下)の粘度(流動性)を維持しながら、これを固化した固形物状の放熱性樹脂組成物において、非常に高い充填率(50体積%以上)の放熱性組成物を実現することができ、結果として、3W/m・K以上非常に高い熱伝導率を実現することができる。
本発明の酸化亜鉛粒子は、紫外線遮蔽材、白色顔料、充填材等として、日焼け止め化粧料、基礎化粧料等の化粧料に適量配合して用いられる。例えば、前記の酸化亜鉛粒子以外に、通常化粧料の用いられる公知の成分、例えば、(1)溶媒(水、低級アルコール類等)、(2)油剤(高級脂肪酸類、高級アルコール類、オルガノポリシロキサン類(シリコーンオイル)、炭化水素類、油脂類等)、(3)界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性等)、(4)保湿剤(グリセリン類、グリコール等のポリオール系、ピロリドンカルボン酸類等の非ポリオール系等)(5)有機紫外線吸収剤(ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体等)、(6)酸化防止剤(フェノール系、有機酸又はその塩、酸アミド系、リン酸系等)、(7)増粘剤、(8)香料、(9)着色剤(顔料、色素、染料等)、(10)生理活性成分(ビタミン類、ホルモン類、アミノ酸類等)、(11)抗菌剤等が配合されていてもよい。化粧料の様態は、固形状、液状、ジェル状等特に制限なく、液状やジェル状の場合、その分散形態も油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、油型等のいずれでもよい。化粧料中の酸化亜鉛粒子の配合量は、0.1〜50質量%の範囲が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
<実施例1>
先ず、次のようにして層状亜鉛化合物を準備した。硫酸亜鉛七水和物0.6モルとクエン酸三ナトリウム二水和物0.002モルとを、5Lのビーカー中で700mlの純水に溶解した。この水溶液を撹拌機で撹拌しながら、1.23モルのモノエタノールアミン(pKa=9.64)を水560mlに溶解した水溶液を10分かけて室温で添加し、60分間保持して沈殿物を析出させた。この沈殿物について、粉末X線回折スペクトルのデータを採取した。図1にその粉末X線回折スペクトルを示す。粉末X線回折スペクトルにおいて、2θが8〜9度の範囲に層状亜鉛化合物に特徴的なピーク(層状亜鉛化合物の(002)面に対応するピーク)が検出されていることから、上記沈殿物は層状亜鉛化合物であることが確認された。この層状亜鉛化合物aの粉末X線回折スペクトルのパターンを、国際回折データセンター(ICDD)提供のX線回折パターンのデータベースであるPDFデータベース(ICDD PDF−2/Release2012RDB,カード番号00−0600655)で照合したところ、層状亜鉛化合物aは、ZnSO(OH)・5HOの組成式で表される層状亜鉛化合物であることが確認された。
尚、上述の層状亜鉛化合物aは、粉末X線回折パターンの2θ=8.6度での半価幅が0.8752度であった。粉末X線回折スペクトルのデータは、試料水平型多目的X線回折装置(Rigaku社製 Ultima IV)を用いて測定した。詳細な測定条件は以下のとおりである。
(1)光学系
(ア)入射スリット 1°
(イ)長手制限スリット 2mm
(ウ)受光スリット1 1°
(エ)Kβフィルター あり
(オ)受光スリット 0.3mm
(2)測定範囲:5〜50deg
(3)走査方法
(ア)スキャン速度 8.000deg/min
(イ)ステップ幅 0.0200deg
(4)X線の波長 CuKα線 1.541Å
上述の沈殿物(層状亜鉛化合物a:0.6モル)を含む水溶液を加熱して、95℃まで昇温させた。昇温後は、水溶液の温度を95℃に保持し、撹拌機で撹拌しながら、0.31モルのモノエタノールアミンを水140mlに溶解した水溶液を添加した。95℃で4時間の間熟成を行い、水溶液中に白色沈殿を得た。吸引ろ過によって上記白色沈殿を回収し、150℃、3時間乾燥し、試料Aを得た。図3に試料Aの粉末X線回折スペクトルのデータを示す。X線回折パターンの測定の結果、試料Aは酸化亜鉛粒子であることが確認された。
<実施例2>
実施例1を基本として、硫酸亜鉛水溶液へのモノエタノールアミンの水溶液の添加時間を60分に変更することで沈殿物を得た。この沈殿物についても、粉末X線回折パターンの照合結果から、ZnSO(OH)・5HOの組成式で表される層状亜鉛化合物(層状亜鉛化合物b)であることが確認された。尚、上述の層状亜鉛化合物bは、粉末X線回折パターンの2θ=8.7度での半価幅が0.8525度であった。
次に、実施例1と同様の条件で、層状亜鉛化合物bを含む水溶液を、モノエタノールアミンの存在下で昇温し、8時間熟成して、水溶液中に白色沈殿を得た。吸引ろ過によって上記白色沈殿を回収し、150℃、3時間乾燥し、試料Bを得た。X線回折パターンの測定の結果、試料Bは酸化亜鉛粒子であることが確認された。
<実施例3>
実施例1を基本として、熟成中に添加する塩基性化合物の種類をモノエタノールアミンからイソプロパノールアミン(pKa=9.4)に変更した。それ以外は実施例1と同様の条件として試料Cを得た。X線回折の結果、試料Cは酸化亜鉛粒子であることが確認された。
<比較例1>
硫酸亜鉛七水和物0.6モルとクエン酸三ナトリウム二水和物0.002モルとを、5Lのビーカー中で700mlの純水に溶解した。この水溶液を撹拌機で撹拌しながら、1.55モルのモノエタノールアミンを水700mlに溶解した水溶液を10分間かけて室温で添加し、60分間保持した。その後水溶液を加熱して、95℃まで昇温させた。水溶液の温度を95℃に保持し、撹拌機で撹拌しながら、4時間の間熟成を行い、水溶液中に白色沈殿を得た。吸引ろ過によって上記白色沈殿を回収し、150℃、3時間乾燥し、試料Dを得た。X線回折パターンの測定の結果、試料Dは酸化亜鉛粒子であることが確認された。
<比較例2>
実施例1を基本として、層状亜鉛化合物aの代わりに酸化亜鉛(ハクスイテックス社製:一種酸化亜鉛)を用いた。それ以外は実施例1と同様の条件で、酸化亜鉛を含む水溶液を、モノエタノールアミンの存在下で昇温、熟成し、水溶液中に白色沈殿を得た。吸引ろ過によって上記白色沈殿を回収し、150℃、3時間乾燥し、試料Eを得た。X線回折パターンの測定の結果、試料Eは酸化亜鉛粒子であることが確認された。
<酸化亜鉛粒子の物性>
上述の実施例の製造方法及び比較例の製造方法で得られた酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図3〜図7に示す。図3〜図5に示すように、実施例1〜3の製造方法で得られた酸化亜鉛粒子は、何れも略六角柱状の形状を有している。六角柱状の中央部にくびれがあり、その部分の径が両端部の径に比べて小さい形状(鼓形)や、六角柱を基本形状として、その表面(側面、上面、及び底面)に錐台状、瘤状又は鱗状から選ばれる少なくとも一種類の凸部が複数存在する形状などが含まれている。また、粒子径が10μm以上の比較的大きな粒子である。このように、本発明の製造方法によって、六角柱状で且つ比較的粒子径の大きな酸化亜鉛粒子が効率よく合成されていることが分かる。一方で、比較例1の製造方法では、図6に示すように、六角柱状の酸化亜鉛粒子は得られるものの、その粒子径は実施例のものよりは小さいことが分かる。また、図7に示すように、比較例2の製造方法では、粒子の形状が不定形であり、粒子の成長がほとんど起こらず、やはり実施例のような大きな粒子は合成されないことが分かる。
また、上述の実施例及び比較例の製造方法で得られた酸化亜鉛粒子のメジアン径R、平均結晶子径r、メジアン径と平均結晶子径との比R/rを表1に示す。
Figure 0006665397
尚、メジアン径Rは、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製 Partica LA−950V2)を用いて測定した。詳細には、ヘキサメタリン酸ナトリウムを0.2%溶解させた水溶液を分散媒とし、その中に各試料を混合し、装置内で循環・撹拌しながら、超音波を3分照射した後、粒度分布を測定した。粒度分布における頻度の累積が50%となる粒子径をメジアン径Rとした。
また、平均結晶子径rは、試料水平型多目的X線回折装置(Rigaku社製 Ultima IV)を用いて測定した。詳細な測定条件は上述のとおりである。各試料のX線回折パターンを測定し、その2θ=34度における回折ピーク(酸化亜鉛の(002)面の回折ピーク)の半価幅の値を用いて、シェラーの式(式1)を用いて算出した。
(式1)・・・r=(K・λ)/βcosθ
r:平均結晶子径(Å)
λ:X線の波長(CuKα線 1.541Å)
β:回折ピークの半価幅
θ:ブラッグ角
K:定数(=0.94)
表1に示すように、本発明の製造方法によって、メジアン径が10μm以上の酸化亜鉛粒子が効率よく合成されていることが分かる。一方で、比較例1の製造方法では、メジアン径が7μm程度の粒子を合成することはできるものの、それ以上に粒子径の大きなもの(メジアン径10μm以上のもの)を製造することは困難であることが分かる。比較例1の製造方法では、酸化亜鉛粒子が形成される際の核生成と、核成長の反応制御が難しいためであると推測される。
また、表1に示すように、本発明の製造方法によって、比較的大きな粒子径を有しながら、平均結晶子径も大きく(0.06μm以上)、メジアン径と平均結晶子径との比R/rが200未満の酸化亜鉛粒子が効率よく合成されていることが分かる。上述のように、R/rは、結晶粒界の数を表す指標である。従って、R/rが上記のような比較的小さな数値範囲であることで、結晶粒界が少なく、ひいては熱伝導性の大きな酸化亜鉛粒子を実現することができる。
尚、小粒径の酸化亜鉛を焼結させて大粒径の酸化亜鉛粒子を得ることも可能であるが、焼結工程を経ている関係上、結晶粒界の数が多くなると考えられ、R/rの値も200を超えると推測される。この点で、本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法では、粒子径が比較的大きなものであっても、結晶粒界の数を少なくすることができる点で、有利である。
また、上述の実施例の製造方法及び比較例の製造方法で得られた酸化亜鉛粒子の平均わたり径、平均高さ、及びアスペクト比を表2に示す。酸化亜鉛粒子の平均わたり径、平均高さは、20個の粒子のわたり径及び高さを電子顕微鏡写真から計測して、それらの数平均により算出した。
Figure 0006665397
表2に示すように、本発明の製造方法によって、アスペクト比が0.5〜2の酸化亜鉛粒子が効率よく合成されていることが分かる。換言すれば、アスペクト比0.5〜2を維持しながら、粒子径が大きな(メジアン径10μm以上)の六角柱状酸化亜鉛粒子を合成可能であることが分かる。
また、上述の実施例の製造方法及び比較例の製造方法で得られた酸化亜鉛粒子のタップ密度の測定結果を表3に示す。尚、タップ密度は、JIS R 1639−2に従い、各試料50gを100ミリリットルのメスシリンダーにいれ、100回タッピングしてタップ密度を測定した。
Figure 0006665397
表3に示すように、本発明の製造方法によって、タップ密度が2以上の酸化亜鉛粒子が効率よく合成されていることが分かる。比較例の酸化亜鉛粒子に比べてタップ密度が大きくなり、充填性が向上していることが分かる。
<放熱性樹脂組成物の特性評価>
上述の実施例及び比較例での方法で製造した酸化亜鉛粒子を用いて、これを配合した放熱性樹脂組成物の性能(流動性、熱伝導性)の評価を行った。
<実施例4>
先ず、上述の実施例1で得た試料Aについて、以下の前処理を行った。即ち、試料Aを100g/Lのスラリーとし、試料Aに対して10モル%量の希硫酸(濃度2%)を添加して酸処理を行った。酸処理後のスラリーをろ過して前処理済みの試料Aを回収し、これを洗浄、乾燥し、700℃で2時間焼成した。更に、焼成後の試料Aに対して0.5質量%のエポキシシラン(KBM−403、信越化学社製)を添加し、ミキサーで乾式処理を行い、150℃で3時間、熱処理して有機物被覆を施して、試料A1を得た。
続いて、上記前処理を施した試料A1を用いて、次のようにして流動性評価用の樹脂組成物を作製した。先ず、樹脂(jER(登録商標)−807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、三菱化学社製)と、試料A1とをスクリュー瓶に秤量し、2000rpmで3分間混練した。続いて、1000rpmで1分間混練することで脱泡し、流動性測定用の樹脂組成物を作製した。尚、樹脂への試料A1の配合量を適宜変更して、樹脂組成物中の固形分全量に対する充填率が異なる複数の樹脂組成物を用意した。充填率は、40%〜55%の範囲内とした。配合比は表4のとおりである。
これらの樹脂組成物について、粘度・粘弾性測定装置(HAAKE RheoStress 6000、サーモサイエンティフィック社製)を用いて樹脂組成物の粘度を測定した。測定は下記条件で行い、コーン上に0.5mL程度の樹脂組成物を載せ、各回転数での粘度を測定した。流動性評価には、回転数が1rpmのときの粘度の値を使用し、比較を行った。
コーン:MP−20,C20/1H
測定温度:25℃
ギャップ:0.052 mm
回転数:1,2,5,10,20rpm
また、上記前処理を施した試料A1を用いて、次のようにして熱伝導率測定用のサンプルを作製した。先ず、樹脂(jER(登録商標)−807)及び試料A1と共に、アミン硬化剤(Jeffamine(登録商標) EDR−148、米国ハンツマン社製)をスクリュー瓶に秤量し、上記粘度測定用の樹脂ペースト作製時と同様に混練、脱泡して、樹脂組成物を作製した。尚、樹脂組成物の試料A1の充填率は、上述の流動性測定用に準備した樹脂組成物と同じ充填率とし、充填率を40%〜55%の範囲内で振った複数の樹脂組成物を準備した。配合比は表5のとおりである。
樹脂組成物を円形の型に流し込んで一晩静置した後、100℃で3時間加熱して硬化させて固化し、熱伝導率測定用ペレットを作製した。
上記熱伝導率測定用ペレットを用いて、以下の方法で熱伝導率を測定した。先ず、熱伝導率測定用ペレットを厚さ1mm程度まで研磨して評価用サンプルとした。評価用サンプルを、JIS R 1611に準拠し、熱拡散率評価装置(TC−7000、アルバック理工社製)を用いて、雰囲気温度25℃中、レーザーフラッシュ法にて熱拡散率を測定した。また、JIS K 7123に準拠し、上記ペレットの比熱を、DSC(示差走査熱量測定法 DSC6200 SII製)により測定した。更に、JIS K 7112に準拠し、上記ペレットの比重を水中置換法により測定した。上述の方法で得られた熱拡散率、比熱、及び比重の値に基づいて、以下の式により熱伝導率を算出した。
熱伝導率=熱拡散率×比熱×比重
<実施例5>
上述の実施例2で得た試料Bを用いること以外は実施例4と同様にして酸処理、焼成、及び有機物被覆による前処理を行い、試料B1を得た。尚、試料Bの酸処理後の電子顕微鏡写真を図8に示す。図示したように、酸処理を行うことで六角柱の隣接する面の稜線及び頂点に相当する部分が曲面状となっている(六角柱の角が曲面状に面取りされている)ことが分かる。
試料B1を用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<実施例6>
上述の実施例5において、酸処理、焼成、及び有機物被覆を施した試料B1と、小粒径酸化亜鉛粒子(ハクスイテック社製、メジアン径0.5μm)とを体積比8:2の割合で混合した。これを用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<実施例7>
上述の実施例5において、酸処理、焼成、及び有機物被覆を施した試料B1と、小粒径酸化アルミニウム粒子(アドマテックス社製、メジアン径0.6μm)とを体積比8:2の割合で混合したものを調製した。これを用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<実施例8>
上述の実施例5において試料Bの焼成温度を700℃から900℃に変更した以外は、実施例5と同様にして、試料B2を得た。続いて、実施例6と同様にして、試料B2と小粒径酸化亜鉛粒子とを体積比8:2の割合で混合したものを調製した。これを用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<実施例9>
上述の実施例5において試料Bの焼成温度を700℃から1100℃に変更した以外は、実施例5と同様にして、試料B3を得た。続いて、実施例6と同様にして、試料B3と小粒径酸化亜鉛粒子とを体積比8:2の割合で混合したものを調製した。これを用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<比較例3>
上述の比較例1で得た試料Dについて、上述の実施例4と同様にして酸処理、焼成、及び有機物被覆を施し試料D1を得た。続いて、試料D1を用いて、実施例4と同様にして樹脂組成物を作製して、粘度及び熱伝導率を測定した。
<評価結果>
上述の実施例4〜9、及び比較例3の結果から得られた、各実施例及び比較例の放熱性樹脂組成物の粘度を表4に示し、熱伝導率を表5に示す。
Figure 0006665397
Figure 0006665397
また、表4、5の内容を、各試料間での比較がし易いようにグラフにまとめたものを図9〜図11に示す。図9には、実施例4、実施例5、比較例3の放熱性樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示す。図示したように、実施例4、5の放熱性樹脂組成物では、実用粘度領域(500Pa・s以下)において、2W/m・K以上の高い熱伝導率となっている。特に、実施例5(メジアン径14μm級の六角柱状酸化亜鉛粒子を含む樹脂組成物)では、実用粘度領域において、2.5W/m・K程度の高い熱伝導率となっている。このように、放熱性樹脂組成物の流動性を維持しつつ、熱伝導性を向上させるためには、酸化亜鉛粒子の形状が六角柱状であり、且つ、メジアン径が比較的大きい(10μm以上)ことが重要であると考えられる。
また、図10には、実施例5、実施例6、実施例7、比較例3の放熱性樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示す。図示したように、実施例6又は実施例7の樹脂組成物のように、六角柱状で大粒径の酸化亜鉛粒子とともに、小粒径の金属酸化物粒子(小粒径酸化亜鉛粒子、小粒径酸化アルミニウム粒子)を併用することで、実用粘度領域(500Pa・s以下)での熱伝導率を更に向上させることができる。特に、実施例6のように、小粒径酸化亜鉛を併用する場合、実用粘度領域(500Pa・s以下)で3.2W/m・K程度の高い熱伝導率を実現することができる。
また、図11には、実施例6、実施例8、実施例9、比較例3の放熱性樹脂組成物の粘度と熱伝導率との関係を示す。尚、図11では、実施例6のデータ(図中で丸で表示)と実施例8のデータ(図中でダイヤで表示)とで一部重複する箇所があり、図を見易くするため、実施例8のデータの一部を白抜きのダイヤで示している。
図示したように、実施例8又は実施例9の放熱性樹脂組成物のように、六角柱状で大粒径の酸化亜鉛粒子とともに小粒径酸化亜鉛粒子を併用し、且つ、六角柱状で大粒径の酸化亜鉛粒子の焼成温度を高めに設定(900℃、1100℃)することで、実用粘度領域(500Pa・s以下)での熱伝導率、中でも実用粘度領域のより低粘度の領域(200Pa・s以下)での熱伝導率を更に向上させることができる。特に、実施例9のように、六角柱状で大粒径の酸化亜鉛粒子の焼成温度を1100℃とすることで、実用粘度領域のより低粘度の領域(200Pa・s以下)で、3W/m・K程度の高い熱伝導率を実現することができる。
本発明では、酸化亜鉛の粒子制御が容易にでき、例えば六角柱状で、且つ粒子径の大きな(メジアン径が10μm以上)酸化亜鉛粒子を効率よく、且つ再現性よく製造することができることから、低粘度で高い熱伝導率の放熱性組成物の用途、その他種々の用途に利用することができる。

Claims (8)

  1. 塩基性化合物が存在した水系溶液で、層間にアニオンが配位された層状亜鉛化合物を熟成する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法。
  2. 大気圧下、90℃以上溶媒の沸点以下の温度で熟成する、請求項1に記載の酸化亜鉛粒子の製造方法。
  3. 前記層状亜鉛化合物の前記アニオンが硫酸イオン[SO 2−]である、請求項1又は請求項2に記載の酸化亜鉛粒子の製造方法。
  4. 前記塩基性化合物は酸解離定数(pKa)が9〜10である、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の酸化亜鉛粒子の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の方法で製造した酸化亜鉛粒子を酸又は塩基で処理する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の方法で製造した酸化亜鉛粒子を700℃以上で焼成する工程を含む、酸化亜鉛粒子の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れかに記載の方法で製造された酸化亜鉛粒子と、樹脂又は基油とを混合する、放熱性組成物の製造方法。
  8. 前記酸化亜鉛粒子よりもメジアン径が小さい小粒径放熱フィラーを更に混合する、請求項7に記載の放熱性組成物の製造方法。
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