JP6664712B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
セントラル空調方式による冷房では、機械室等に設置された空気調和装置が空気を適切な温度に冷却し、この冷却された空気が搬送され、居室に設けられた吹出口から吹き出される。しかしながら、このセントラル空調方式では、吹出口の近傍では室内温度が低く吹出口から離れるにしたがって室内温度が高くなるという、吹出口からの距離に応じて温度差が生じてしまう。また、吹出口の近傍にいる執務者は、冷却された空気を直接体に受けるため、不快に感じることがある。このように、セントラル空調方式では、室内を均一な温熱環境とすることが難しい。
また、上記の特許文献2に記載の室内空調システムでは、天井放射パネルの上方の冷却された空気は天井放射パネルの上方から室内側へ移動する構成ではないため、室内が十分に冷房されないという問題点がある。さらに、天井放射パネル上方の空間を冷却するために、ファン等により空気を流動させると、エネルギー負荷が高くなるという問題点もある。
すなわち、本発明に係る空調システムは、冷水の流通する冷水配管を有する冷却装置を備え、前記冷却装置は、部屋の天井に設けられたパネル状の天井パネルと該天井パネルの上方に設けられた上階の床スラブとの間の天井内空間に設けられ、前記冷却装置は、前記冷水配管と、前記冷水配管の延在方向に離間して配置され、前記延在方向に貫通する貫通孔が形成された複数のプレートフィンと、前記複数のプレートフィンを収容した四方枠状の筐体と、を有したユニットで構成され、前記プレートフィンの前記貫通孔には、前記冷水配管が挿通されており、前記天井内空間において、前記冷水と、前記冷水配管の周りの空気との間で熱交換が行われ、冷却された空気は前記天井パネル側へ移動し、前記天井パネルを冷却することで、冷輻射により前記部屋を冷却可能に構成されており、前記筐体は、板状に形成され対向配置された2枚の側壁部と、該側壁部の端部同士を連結し、板状に形成された挿通壁部と、を有し、前記側壁部と前記挿通壁部が鉛直面に沿うように配置され、前記筐体には、鉛直方向に貫通する開口部が形成されており、前記冷却装置は、前記天井パネルの上面と、前記上階の床スラブの下面との鉛直方向中間の高さに設けられていることを特徴とする。
また、搬送動力を伴わずに自然対流により、部屋内の空気を冷却することができるため、エネルギー負荷を抑えることができる。
このように構成された空調システムは、冷却装置の周辺の冷却された空気は、熱伝導率の高い金属からなる天井パネルを冷却する。よって、冷却された天井パネルからの冷輻射により、部屋内を効率的に冷却することができる。
このように構成された空調システムは、温度検出部で検出した部屋の温度に応じて、複数の冷却装置の冷却能力を制御する。よって、温度の高い部屋に対しては冷却装置の冷却能力が大きくなるようにし、温度の低い部屋に対しては冷却装置の冷却能力を抑えることにより、部屋内を適切な温度に調整することができる。
本発明の第一実施形態に係る空調システムについて、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る(a)空調システムの構成を示す模式的な図であり、(b)空調システムを構成する冷却装置の設けられる部屋の天井パネルの上面図であり、(c)空調システムの要部の構成を示す模式的な図であり、(d)空調システムを構成する冷却装置の設けられる部屋の天井パネルの拡大図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る空調システムの構成を冷却装置の斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る空調システム1は、建築物の天井C内に配置され、居室2(部屋)内の空気を冷却するものである。
居室2は、床スラブSと、床スラブSから上方に延び隣接する部屋(不図示)との空間を仕切る複数の壁Wと、床スラブSと対向する天井Cとを有している。建築物において、このような居室2が水平方向及び鉛直方向に複数設けられている。
図1(a)に示すように、空調システム1は、居室2に設けられ居室2内の温度を検出する温度検出部21と、複数の冷却装置30と、冷却装置30を制御する制御部39とを有している。
また、天井内空間Kの高さを高さH0とすると、冷却装置30は、天井パネル10の上面10Pから0.1H0以上且つ0.8H0以下の空間内に配置することが好ましい。
ここで、挿通壁部31Uから挿通壁部31Vに向かう方向をX1方向とし、側壁部31Sから側壁部31Tに向かう方向をY1方向とし、開口部31Wから開口部31Xに向かう方向(鉛直方向)をZ1方向とする。
冷水配管33において、直管部33Dは、挿通壁部31Uにおける側壁部31S側の配管貫通孔31Aから挿通され、X1方向に延び、複数のプレートフィン32,32…のフィン貫通孔32S,32S…に順次挿通されている。そして、直管部33Dは、挿通壁部31Vの配管貫通孔31Aに挿通され、直管部33Dに連続する曲管部33Eが側壁部31Sの外側に配置されている。この曲管部33Eに連続するもう一方の直管部33Dは、挿通壁部31Vにおける側壁部31T側の配管貫通孔31Aに挿通され、X1方向に延びている。このようにして、蛇行状に形成された冷水配管33が、複数のプレートフィン32に挿通されている。
また、プレートフィン32の高さ(Z1方向の長さ)寸法及びプレートフィン32同士の離間距離(X1方向の離間距離)寸法は、大きい方が好ましい。これにより、筐体31内部において、詳細は後述する自然対流が促進される。
また、検出温度が初期設定温度以下の場合には、冷却装置30を停止させる。
空調システム1では、天井パネル10と上階の床スラブSJとの間に設けられた冷却装置30の冷水配管33内には、冷水が流通する。冷水配管33内を流通する冷水と、冷水配管33周りの空気との間で熱交換が行われる。冷却され、密度が高くなった空気は、冷却装置30の開口部31Xから下方へと移動して、天井パネル10に形成された天井貫通孔11Aを通過して居室2へ移動する。一方、居室2の執務者の発熱や機器類の発熱等の居室2の熱負荷によって温められた空気は、上方へと移動して天井パネル10の天井貫通孔11Aを通過して、天井パネル10と上階の床スラブSJとの間に設けられた冷却装置30の開口部31Wから筐体31内に到達する。そして、この空気は、上記のように冷水配管33内を流通する冷水との熱交換により、冷却される。このように冷水配管33により冷却され密度の高くなった空気が下方へ移動し、居室2の温かい空気が上方に移動する自然対流が生じる。
また、搬送動力を伴わずに自然対流により、居室2内の空気を冷却することができるため、エネルギー負荷を抑えることができる。
上記に示す第一実施形態の変形例1について、主に図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第一実施形態の変形例1に係る空調システムの構成する冷却装置の設けられる部屋の天井パネルの上面図である。
以下の変形例、他の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態に係る空調システムについて、主に図4を用いて説明する。
図4は、本発明の第二実施形態に係る空調システムの構成を示す模式的な図である。
上記に示す第二実施形態の変形例1について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第二実施形態の変形例1に係る空調システムを構成する冷却装置の設けられる部屋の天井パネルの上面図である。
天井パネル本体311Pの開口率は、天井パネル本体311Qの開口率よりも大きい。天井パネル本体311Qの開口率は、天井パネル本体311Rの開口率よりも大きい。
なお、開口率の異なる天井パネル本体311P,311Q,311Rの種類は三種類に限られず、適宜設定可能である。
ここで、X3方向一方側(図5に示す紙面左側)からそれぞれ第1列、第2列…とする。また、Y3方向一方側(図5に示す紙面上側)からそれぞれ第1段、第2段…とする。本実施形態では、天井パネル310は、6列4段で構成されている。
次に、本発明の第三実施形態に係る空調システムについて、主に図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第三実施形態に係る空調システムを構成する冷水配管の斜視図である。
次に、本発明の第四実施形態に係る空調システムについて、主に図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第四実施形態に係る空調システムを構成する冷水配管の斜視図である。
次に、本発明の第五実施形態に係る空調システムについて、主に図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第五実施形態に係る空調システムを構成する冷水配管の斜視図である。
次に、本発明の第六実施形態に係る空調システムについて、主に図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第六実施形態に係る空調システムを構成する(a)複数の冷却装置の冷水配管が直列に配置された状態を模式的に示す平面図であり、(b)複数の冷却装置の冷水配管が並列に配置され、熱負荷が大きい場合の動作を示す図であり、(c)複数の冷却装置が並列に配置され、熱負荷が(b)よりも小さい場合の動作を示す図であり、(d)複数の冷却装置が並列に配置され、熱負荷が(c)よりも小さい場合の動作を示す図である。
ここで、水平方向の一方向をX4方向とし、水平方向の一方向と直交する方向をY4方とする。また、X4方向一方側(図9に示す紙面左側)からそれぞれ第1列、第2列…とする。また、Y4方向一方側(図9に示す紙面上側)からそれぞれ第1段、第2段…とする。本実施形態では、冷却装置530A〜530Hは、4列2段で構成されている。
図9(b)に示すように、居室2の熱負荷が大きい場合には、全ての530A〜530Hを作動させる。
上記に示す第六実施形態の変形例1について、主に図10を用いて説明する。
図10は、本発明の第六実施形態の変形例1に係る空調システムを構成する(a)複数の冷却装置の冷水配管が直列に配置された状態を模式的に示す平面図であり、(b)複数の冷却装置の冷水配管が並列に配置され、熱負荷が大きい場合の動作を示す図であり、(c)複数の冷却装置が並列に配置され、熱負荷が(b)よりも小さい場合の動作を示す図である。
図10(b)に示すように、居室2の熱負荷が大きい場合には、全ての冷却装置630A,630B,630C,630Dを作動させる。
上記に示す第六実施形態の変形例2について、主に図11を用いて説明する。
図11は、本発明の第六実施形態の変形例2に係る空調システムの構成を示す模式的な図である。
Claims (5)
- 冷水の流通する冷水配管を有する冷却装置を備え、
前記冷却装置は、部屋の天井に設けられたパネル状の天井パネルと該天井パネルの上方に設けられた上階の床スラブとの間の天井内空間に設けられ、
前記冷却装置は、
前記冷水配管と、
前記冷水配管の延在方向に離間して配置され、前記延在方向に貫通する貫通孔が形成された複数のプレートフィンと、
前記複数のプレートフィンを収容した四方枠状の筐体と、を有したユニットで構成され、
前記プレートフィンの前記貫通孔には、前記冷水配管が挿通されており、
前記天井内空間において、前記冷水と、前記冷水配管の周りの空気との間で熱交換が行われ、冷却された空気は前記天井パネル側へ移動し、前記天井パネルを冷却することで、冷輻射により前記部屋を冷却可能に構成されており、
前記筐体は、
板状に形成され対向配置された2枚の側壁部と、
該側壁部の端部同士を連結し、板状に形成された挿通壁部と、を有し、
前記側壁部と前記挿通壁部が鉛直面に沿うように配置され、
前記筐体には、鉛直方向に貫通する開口部が形成されており、
前記冷却装置は、
前記天井パネルの上面と、前記上階の床スラブの下面との鉛直方向中間の高さに設けられていることを特徴とする空調システム。 - 前記天井パネルには、前記天井内空間から前記部屋へと貫通する貫通部が形成されており、
前記天井パネルの開口率は、6〜30%で設定されていることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。 - 前記冷水配管は、直線状に形成された直管部と、曲線状に形成された曲管部とが連続するように形成され、
蛇行状に形成された前記冷水配管が、前記複数のプレートフィンに挿通されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。 - 前記天井パネルは、金属からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。
- 複数の前記冷却装置と、
前記部屋の温度を検出する温度検出部と、
該温度検出部の検出した前記温度に応じて、複数の前記冷却装置の冷却能力を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システム。
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