JP6663093B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
ここでいう「チャンバー」には、半導体基板やガラス基板等の各種の基板(以下、単に「基板」という)に対して各種の処理を施すための処理チャンバー、処理チャンバーに基板を出し入れする際に当該処理チャンバーの真空を保持するために配置されるロードロックチャンバー、処理チャンバー等に対する基板の搬出入を行うための搬送装置が配置される搬送チャンバー、等が含まれる。
具体的には例えば、真空下で基板に対して成膜、エッチング等の処理を行う処理チャンバーに連結してロードロックチャンバーが配置され、該ロードロックチャンバーに連結して搬送チャンバーが配置されることがある。場合によっては、ロードロックチャンバーに搬送装置が配置されて、搬送チャンバーが省略されることもある。
また、並行処理によりスループットを高めるべく、処理チャンバーが複数設けられることもあり、このような装置においては、複数の処理チャンバーが、1台のロードロックチャンバー(あるいは、搬送装置が配置された搬送チャンバー)を取り囲むようにして、これと連結して配置されることが多い(所謂、クラスター型の基板処理装置)。
この構成によると、処理チャンバーをレールに沿って移動させることで、処理チャンバーを搬送チャンバーから容易に切り離すことができる。例えば特許文献1の装置においては、処理チャンバーをレールに沿って移動させて搬送チャンバーから離れた位置に配置すると、処理チャンバーに設けられている保守用扉を大きく開くことができるようになり、これによって、作業者が当該扉を介して処理チャンバーの内部に容易にアクセスしてそのメンテナンス作業をスムーズに行うことができる。
連結して固定される複数のチャンバーで構成される基板処理装置であって、
前記複数のチャンバーのうちの少なくとも1つが、
チャンバーの筐体に配設された、3個以上のボール型のキャスタ、
を備える。
前記筐体と前記キャスタとの高さ方向の相対位置関係を変更する高さ変更部、
をさらに備える。
前記チャンバーを、これが設置される基台に対して固定する固定状態と、前記基台に対して移動可能とする移動可能状態との間で切り替える制動部、
をさらに備える。
実施形態に係る基板処理装置の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、基板処理装置100の構成を模式的に示す側面図である。図2は、基板処理装置100の構成を模式的に示す上面図である。
処理チャンバー1は、上述したとおり、4個のキャスタユニット4を備える。各キャスタユニット4は、処理チャンバー1の筐体10における、下側の4頂点の付近の位置に固定配置される。図示の例では、各キャスタユニット4は筐体10の下面に固定配置されているが、各キャスタユニット4は筐体10の側面に固定配置されてもよい。
キャスタ部6は、ボール型のキャスタ(所謂、ボールキャスタ)であり、全方向に回転可能な球体(ボール)61を備える。ボール61は、ベアリング62を介して受け部63に回転自在に支持されている。また、受け部63内には、ボール61の衝撃を吸収するための部材(例えば、バネ)64が配設される。受け部63は、後述する高さ変更部7のナット72の下端に固定されており、これによって、キャスタ部6は筐体10に、間接的に(すなわち、後述する高さ変更部7を介して)、連結されている。
高さ変更部7は、ボルト71を備える。ボルト71は、上端が筐体10に対して固定されて、鉛直方向に延在配置されており、その下端にナット72が螺合されている。ナット72の下端には、上述したキャスタ部6が取り付けられている。この構成において、ナット72を回転させることによって、ボルト71におけるナット72の上側に突出する部分の長さが変更され、これによって、筐体10とキャスタ部6との高さ方向の相対位置関係(つまりは、筐体10の高さ)が変更される。
制動部8は、ボルト81を備える。ボルト81は、上端が筐体10に対して固定され、鉛直方向に延在して基台101に形成された長孔102に挿通されて、下端が長孔102の下側に配置されている。図2に示されるように、長孔102は、その長尺方向が、処理チャンバー1とロードロックチャンバー2の連結方向に沿うような向きに、形成されている。また、同図に示されるように、長孔102は、その長尺方向の長さ、および、その短尺方向の長さ(幅)の両方が、ボルト81の軸径よりも十分大きな寸法とされており、ボルト81が所定の二次元領域内を自由に移動することを妨げないようになっている。
処理チャンバー1を連結位置から移動させるにあたっては、まず、制動部8の第1ナット82および第2ナット83をそれぞれ回転させて、これらを基台101から離間させた位置に配置して、処理チャンバー1を移動可能状態とする。この状態で、処理チャンバー1に例えば作業者が力を加えると、キャスタ部6のボール61が回転し、処理チャンバー1は当該力が加えられた方向に簡単に移動する。例えば、処理チャンバー1をロードロックチャンバー2との連結方向に沿って、ロードロックチャンバー2から離間させる方向に移動させて、処理チャンバー1とロードロックチャンバー2の間に隙間を形成することができる。この隙間から処理チャンバー1やゲートバルブ3に直接にアクセスすることによって、処理チャンバー1やゲートバルブ3のメンテナンス作業等を行うことができる。
上記の実施形態においては、レール等を必要としない簡易な構成でありながら、処理チャンバー1をそれが設置される基台101の表面に沿う自由な方向に移動させることができるとともに、処理チャンバー1の向きを自由に変更することもできる。したがって、例えば上記のように、処理チャンバー1の位置や向きを微調整しながら当該処理チャンバー1をロードロックチャンバー2に精確に位置合わせすることができる。つまり、簡易な構成で、チャンバーの位置合わせを精確に行うことができる。
上記の実施形態においては、処理チャンバー1の筐体10に、4個のキャスタユニット4が配設されていたが、キャスタユニット4の配設個数は3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
例えば、図7に示される基板処理装置100cのように、処理チャンバー1に設けられた4個のキャスタユニット4の全てにおいて、制動部8を省略してもよい。この構成によると、処理チャンバー1を、基台101の表面に沿う自由な方向に自由な距離だけ移動させることができる。したがって、例えば、処理チャンバー1を、処理チャンバー1とロードロックチャンバー2の連結方向と直交する方向に移動させたり、処理チャンバー1をその配設位置で鉛直軸を中心に回転させたりすることで、メンテナンス作業のための隙間を十分大きく形成することができる。したがって、基板処理装置100cが設置される部屋が比較的小さい場合でも、当該部屋の形状に応じて柔軟に隙間を形成することが可能となり、メンテナンス作業等を難なく行うことができる。また、処理チャンバー1が故障等した場合にこれを交換する作業等も容易になる。
また、制動部8を省略した場合、当該キャスタユニット4は、ボール51を介してのみ基台101に接触することになるので、基台101から各チャンバー1に熱や振動が特に伝わりにくくなる。したがって、チャンバー1の温度コントロールの精密性や、処理の精密性が損なわれにくくなる。特に、複数の処理チャンバー1を、ロードロックチャンバー2を取り囲むようにしてこれと連結して配置する装置構成(図6参照)において、各処理チャンバー1に設けられる4個のキャスタユニット4の全てにおいて制動部8を省略すれば、各処理チャンバー1が外部から受ける熱や振動の絶対量が小さくなることによって処理チャンバー1間の機差が小さくなり、処理の均一性が高まる。
この構成において、第1ボルト85および第2ボルト86をそれぞれ締め付けると、L字状の金具84を介して、筐体10と基台101が固定的に連結された状態となる。つまり、この状態において、処理チャンバー1は、基台101に対して固定された状態(固定状態)となる。一方、第2ボルト86を取り外すことにより、L字状の金具84と基台101との連結が解除される。つまり、この状態において、処理チャンバー1は、基台101の表面に沿う自由な方向に移動可能な状態(移動可能状態)となる。
この制動部8aによると、移動可能状態において、処理チャンバー1の移動範囲が長孔102の内部領域等に限定されない状態となり、キャスタ部6によって処理チャンバー1を任意の位置まで移動させることができる。
なお、図の例では、処理チャンバー1の側方から見て、制動部8aとキャスタ部6がずれた位置に配置されているが、制動部8aとキャスタ部6は、処理チャンバー1の側方から見て重なる位置に配置されてもよい。
また、制動部8aにおいては、L字状の金具84に形成される、第1ボルト85が挿通される貫通孔843が、長尺方向が鉛直方向に沿うように形成された長孔であることが好ましい。この構成によると、第2ボルト86を取り外してL字状の金具84と基台101との連結を解除した後、第1ボルト85を緩めて、L字状の金具84を長孔843に沿って微小量だけ上方に移動させてから、再び第1ボルト85を締めてL字状の金具84を筐体10に固定しておく。こうしておけば、L字状の金具84の下面と基台101との間に微小な隙間ができるので、L字状の金具84と基台101との間の摩擦により処理チャンバー1が動きにくくなる、といった事態の発生を、未然に回避できる。
10 筐体
2 ロードロックチャンバー
20 筐体
3 ゲートバルブ
4 キャスタユニット
5 ガイド構造
51 位置決めピン
52 ピン受け部
6 キャスタ部
61 ボール
62 ベアリング
63 受け部
64 バネ
7 高さ変更部
71 ボルト
72 ナット
8,8a 制動部
81 ボルト
82 第1ナット
83 第2ナット
84 L字状の金具
85 第1ボルト
86 第2ボルト
9 固定脚部
100,100a,100b 基板処理装置
101 基台
102 長孔
Claims (2)
- 連結して固定される複数のチャンバーで構成される基板処理装置であって、
前記複数のチャンバーのうちの少なくとも1つが、
チャンバーの筐体に配設された、3個以上のボール型のキャスタと、
前記チャンバーを、これが設置される基台に対して固定する固定状態と、前記基台に対して移動可能とする移動可能状態との間で切り替える制動部と、
を備え、
前記制動部が、前記基台に形成された長孔と、上端が前記筐体に対して固定され、下端部が前記長孔内を移動可能に該長孔に挿通されたボルトと、該ボルトのうち前記長孔の上側の部分に螺合された第1ナット及び前記長孔の下側の部分に螺合された第2ナットとを有し、前記チャンバーは、前記第1ナット及び前記第2ナットを締めつけることで前記固定状態とされ、前記第1ナット及び前記第2ナットを緩めることで前記移動可能状態とされる、基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記筐体と前記キャスタとの高さ方向の相対位置関係を変更する高さ変更部、
をさらに備える、基板処理装置。
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