以下に図面を参照して、本発明にかかる通知システム、通知方法、および通知プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる通知方法の一実施例を示す説明図である。図1において、通知システム100は、通知装置101と、端末装置102と、を含む。通知装置101は、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザに注意喚起の通知を行うコンピュータである。端末装置102は、通知先のコンピュータである。
ここで、医療費にかかる負担を軽減するための制度として、医療費控除や高額療養費などの制度がある。医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間で、納税者が一定金額以上の医療費を支払った場合に申告すると、税金(例えば、所得税)が軽減される制度である。高額療養費は、月初から月末までの1ヶ月間で、健康保険制度の加入者が一定金額(自己負担限度額)以上の医療費を支払った場合に申請すると、その超えた分の金額が支給される制度である。
医療費控除や高額療養費などによる医療費の控除や払い戻しは、ユーザの申告や申請に応じて行われる。ところが、医療費の控除や払い戻しを受けられる基準、医療機関において支払った医療費の合計値などをユーザが把握できていないために、医療費控除や高額療養費などの制度を利用できる機会を逸してしまう場合がある。
例えば、高額療養費の自己負担限度額を「80,000円」とすると、ある月の医療費の合計値が「79,999円」の場合は、その月に支払った医療費について高額療養費の制度を利用することができない。このとき、例えば、慢性疾患でユーザが定期的な通院をしていれば、翌月に受診予定だったものを意識的に繰り上げて、当月の末日までに変更すれば、医療費の合計値が自己負担限度額を超えることになり、高額療養費の制度を利用できるようになる可能性が高い。
そこで、本実施の形態では、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザに注意喚起の通知を行うことで、医療費にかかる負担を軽減するための制度をうまく活用できるようにする通知方法について説明する。以下、通知装置101の処理例について説明する。
(1)通知装置101は、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出する。所定の期間Tは、ユーザが利用する制度に応じて設定される。ユーザは、例えば、健康保険制度の加入者や所得税等の納税者である。例えば、医療費控除を利用する場合、所定の期間Tは、各年の1月1日から12月31日までの1年間に設定される。また、高額療養費を利用する場合、所定の期間Tは、各月の月初から月末までの1ヶ月間に設定される。
医療費は、例えば、医療機関において支払われた診療費、調剤費、療養費などである。医療機関は、例えば、病院、診療所、調剤薬局などである。医療機関において支払われた医療費を特定する情報は、例えば、医療機関のコンピュータ(例えば、後述の図2に示すような医療機関端末T1〜Tn)から取得することができる。
図1の例では、ユーザが高額療養費を利用する場合を例に挙げて、予め決められた日付(ここでは、10月25日)に、所定の期間T(ここでは、10月1日〜10月31日)内に支払われた医療費の合計値を算出する場合について説明する。さらに、控除の対象がユーザ本人について支払われた医療費である場合を想定する。この場合、通知装置101は、10月1日〜10月31日の期間内に本人について支払われた医療費の合計値を算出する。ここでは、ユーザ本人について支払われた医療費の合計値を「79,999円」とする。
(2)通知装置101は、算出した医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲R内であるか否かを判断する。ここで、基準値は、例えば、ユーザが利用する制度やユーザの所得に応じて設定される。所定の期間Tに支払われた医療費の合計値が基準値を超えると、その基準値を超えた分の医療費の控除または払い戻しを受けられる。所定の範囲Rは、任意に設定可能であり、例えば、基準値の大きさを考慮して設定される。また、医療費の合計値と基準値との差分は、基準値から医療費の合計値を引くことにより算出される。
図1の例では、高額療養費の基準値が「80,000円」に設定され、所定の範囲Rが「0円≦R≦2,000円」に設定されている場合を想定する。この場合、通知装置101は、算出した医療費の合計値「79,999円」と高額療養費の基準値「80,000円」との差分「1円」が所定の範囲R内であると判断する。
(3)通知装置101は、算出した医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲R内であると判断すると、注意喚起情報を端末装置102に通知する。注意喚起情報には、例えば、期日の情報、差分の情報が含まれていてもよい。
図1の例では、通知装置101は、ユーザに対応する端末装置102に注意喚起情報110を送信する。注意喚起情報110は、期日(10月31日)までに、当月に支払われた医療費の合計値と高額療養費の基準値との差分である「1円」を超える医療費を支払うと、払い戻しの対象となることを通知する情報である。
このように、通知システム100によれば、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲R内である場合に、期日までに当該差分を超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザに注意喚起の通知を行うことができる。この結果、現状の医療費の支払額の合計値と、医療費の控除や払い戻しを受けられる基準との開きをユーザに意識させ、医療費にかかる負担を軽減するための制度をうまく活用できるように支援することができる。また、医療費の合計値と基準値との差分が所定の範囲R内である場合に通知を行うことで、基準値との開きが大きいにもかかわらず通知が行われるといった過剰なアラームを抑制することができる。
図1の例では、ユーザは、注意喚起情報110を確認することで、当月に支払われた医療費の合計値と高額療養費の基準値との差分が「1円」であることがわかる。これにより、期日(10月31日)までに医療機関を受診すれば、その際に支払う医療費について払い戻しを受けられる可能性が高いことをユーザに気付かせることができ、高額療養費の制度を利用できる機会を逸してしまうことを防ぐことができる。例えば、ユーザが翌月(11月)に受診予定だったものを意識的に繰り上げて、当月の末日までに変更すれば、その際に支払う医療費について払い戻しを受けられることになり、高額療養費の制度をうまく活用することができる。
なお、上述した説明では、通知装置101と端末装置102とが別々のコンピュータにより実現される場合について説明したが、これに限らない。例えば、通知装置101は、端末装置102により実現されることにしてもよい。また、通知装置101は、例えば、医療機関のコンピュータにより実現されることにしてもよい。
(通知システム100のシステム構成例)
つぎに、通知システム100のシステム構成例について説明する。以下の説明では、通知システム100を、医療機関M1〜Mnを含む医療モールMLに適用する場合を例に挙げて説明する(n:2以上の自然数)。なお、医療モールMLとは、診療科が異なる複数のクリニックと調剤薬局が同じ建物や敷地に同居する施設である。
図2は、通知システム100のシステム構成例を示す説明図である。図2において、通知システム100は、通知装置101と、医療機関端末T1〜Tnと、クライアント端末C1〜Cmと、を含む。通知システム100において、通知装置101、医療機関端末T1〜Tn、およびクライアント端末C1〜Cmは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
以下の説明では、医療機関端末T1〜Tnのうちの任意の医療機関端末を「医療機関端末Ti」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。また、クライアント端末C1〜Cmのうちの任意のクライアント端末を「クライアント端末Cj」と表記する場合がある(j=1,2,…,m)。
通知装置101は、世帯情報DB(データベース)220、制度情報DB230および支払情報DB240を有し、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザに注意喚起の通知を行う。通知装置101は、例えば、サーバである。なお、各種DB220,230,240の記憶内容については、図5〜図7を用いて後述する。
医療機関端末Tiは、患者情報DB250を有し、医療モールML内の医療機関Miに対応付けて設置されるコンピュータである。医療機関Miは、医療モールML内のクリニック(診療所)や調剤薬局などである。医療機関端末Tiは、例えば、サーバであってもよく、また、医療機関Miの職員により使用されるPC(パーソナル・コンピュータ)であってもよい。
患者情報DB250は、医療モールML内の医療機関Miを受診した患者の患者情報を記憶する。患者情報は、例えば、支払情報と予約情報とを含む。支払情報は、医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する情報である。支払情報には、例えば、患者を識別する情報(例えば、後述する世帯ID、患者IDなど)、および医療機関Miにおいて支払われた医療費の支払額を特定する情報が含まれる。
支払情報は、例えば、領収書情報や診療明細情報をもとに作成される。領収書情報は、医療機関Miにおいて医療費(診療費、調剤費など)の支払い時に発行される領収書の情報である。診療明細情報は、医療機関Miにおいて患者に交付される診療明細の情報である。診療明細には、例えば、初診料、再診料、在宅医療、検査、投薬など診療報酬の算定区分ごとに、具体的な診療行為の項目名や保険点数が記載される。
予約情報は、医療機関Miにおいて予約された診療または検診の予約日を特定する情報である。予約情報には、例えば、診療または検診を予約した、患者を識別する情報(例えば、後述する世帯ID、患者IDなど)、予約日、医療機関Miおよび診療科などを特定する情報が含まれる。
クライアント端末Cjは、通知システム100のユーザ(例えば、患者)が使用するコンピュータである。クライアント端末Cjは、例えば、スマートフォン、PC、タブレットPCなどである。図1に示した端末装置102は、例えば、クライアント端末Cjに相当する。
(通知装置101のハードウェア構成例)
図3は、通知装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、通知装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、通知装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した医療機関端末T1〜Tn、クライアント端末C1〜Cm)に接続される。I/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、通知装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示した医療機関端末T1〜Tnについても、通知装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(クライアント端末Cjのハードウェア構成例)
図4は、クライアント端末Cjのハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、クライアント端末Cjは、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、I/F405と、ディスプレイ406と、入力装置407とを有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、クライアント端末Cjの全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F405は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示した通知装置101)に接続される。そして、I/F405は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ406は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ406として、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを採用することができる。
入力装置407は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置407は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。なお、クライアント端末Cjは、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ403およびディスク404を有していなくてもよい。
(各種DB220,230,240の記憶内容)
つぎに、図5〜図7を用いて、通知装置101が有する各種DB220,230,240の記憶内容について説明する。各種DB220,230,240は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図5は、世帯情報DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、世帯情報DB220は、世帯ID、患者ID、姓、名、代表フラグ、メールアドレスおよび制度番号のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、世帯情報(例えば、世帯情報500−1〜500−4)をレコードとして記憶する。
ここで、世帯IDは、世帯を一意に識別する識別子である。世帯は、生計を同じくする者たちの集合体である。患者IDは、医療モールML内の医療機関Miの患者、すなわち、通知システム100のユーザを一意に識別する識別子である。姓は、患者の姓である。名は、患者の名である。
代表フラグは、世帯の代表者であるか否かを示す。ここでは、代表フラグが「1」の場合、世帯の代表者であることを示す。代表フラグが「0」場合、世帯の代表者ではないことを示す。メールアドレスは、患者のメールアドレスである。制度番号は、患者が利用する制度を一意に識別する識別子である。制度は、医療費にかかる負担を軽減するための制度である。
例えば、世帯情報500−1は、世帯F1に含まれる患者P1の姓「富士」、名「太郎」、代表フラグ「1」、メールアドレス「△△△@×××.com」および制度番号「S1,S2」を示す。
図6は、制度情報DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、制度情報DB230は、制度番号、制度名、自己負担限度額、期間および合算単位のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、制度情報(例えば、制度情報600−1〜600−3)をレコードとして記憶する。
ここで、制度番号は、医療費にかかる負担を軽減するための制度を一意に識別する識別子である。医療費にかかる負担を軽減するための制度としては、例えば、税法における「医療費控除」や健康保険制度における「高額療養費」などがある。
以下の説明では、医療費にかかる負担を軽減するための制度を「制度S」と表記する場合がある。また、制度番号「S#」の制度を「制度S#」と表記する場合がある。
制度名は、制度Sの名称である。自己負担限度額は、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値を示す(単位:円)。なお、自己負担限度額の数字の後の(控)は、医療費の控除を受けられる基準値であることを示す。また、自己負担限度額の数字の後の(払)は、医療費の払い戻しを受けられる基準値であることを示す。
期間は、上述した所定の期間Tに対応しており、どの期間に支払った医療費の合計値を算出するのかを示す。期間としては、例えば、月、年が設定される。期間「月」は、各月の月初から月末までの1ヶ月間を示す。期間「年」は、各年の1月1日から12月31日までの1年間を示す。
合算単位は、制度Sに応じて決まる単位であり、どの単位で医療費の合計値を算出するのかを示す。合算単位としては、例えば、世帯、個人が設定される。合算単位「世帯」は、本人および本人と世帯が同一の者について支払われた医療費の合算値を算出することを示す。合算単位「個人」は、本人について支払われた医療費の合計値を算出することを示す。本人は、健康保険制度の加入者や所得税等の納税者である。
例えば、制度情報600−1は、制度S1の制度名「税還付」、自己負担限度額「50,000円(控)」、期間「年」および合算単位「世帯」を示す。
なお、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値は、同じ制度Sであっても、ユーザの所得に応じて異なる場合がある。このため、制度情報DB230には、ユーザ(患者)の患者IDと対応付けて、ユーザが利用する制度Sの自己負担限度額が記憶されることにしてもよい。
(支払情報DB240の記憶内容)
図7は、支払情報DB240の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、支払情報DB240は、世帯ID、患者ID、受診日、医療機関名および支払額のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、支払情報(例えば、支払情報700−1,700−2)をレコードとして記憶する。
ここで、世帯IDは、世帯を一意に識別する識別子である。患者IDは、医療モールML内の医療機関Miの患者を一意に識別する識別子である。受診日は、医療モールML内の医療機関Miにおいて受診した日を示す。医療機関名は、医療モールML内の医療機関Miの名称である。支払額は、医療モールML内の医療機関Miにおいて支払った医療費の金額である。
例えば、支払情報700−1は、世帯F1に含まれる患者P1が、医療モールML内の医療機関「X皮膚科クリニック」において受診日「2014/11/15」に支払った医療費の支払額「2,000円」を示す。
(通知装置101の機能的構成例)
図8は、通知装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図8において、通知装置101は、取得部801と、算出部802と、判断部803と、通知部804と、決定部805と、を含む構成である。取得部801〜決定部805は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
取得部801は、医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する支払情報を取得する。具体的には、例えば、取得部801は、医療機関端末Tiから支払情報を受信することにより、当該支払情報を取得する。支払情報には、例えば、世帯ID、患者ID、受診日、医療機関名および支払額が含まれる(例えば、図7参照)。
支払情報の取得タイミングは、任意に設定可能である。例えば、取得部801は、深夜に実行される日次処理により、当日に医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する支払情報を医療機関端末Tiから取得することにしてもよい。取得された支払情報は、例えば、支払情報DB240(例えば、図7参照)に記憶される。
なお、支払情報には、例えば、当該支払情報の生成元である領収書情報や診療明細情報が含まれていてもよい。これにより、例えば、どのような診療または検診に応じて支払われた医療費であるかを特定することができる。また、取得部801は、例えば、医療機関端末Tiから領収書情報や診療明細情報を受信して、受診した領収書情報や診療明細情報から、医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する支払情報を生成することにしてもよい。
算出部802は、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出する。例えば、算出部802は、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、本人について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出する。本人は、制度Sを利用するユーザ、すなわち、健康保険制度の加入者や所得税等の納税者である。
また、例えば、算出部802は、控除または払い戻しの対象が本人および本人と生計を同じくする者について支払われた医療費の場合は、本人および本人と生計を同じくする者について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出する。本人と生計を同じくする者とは、本人と世帯が同一の者(例えば、親族)である。
以下の説明では、本人と生計を同じくする者を「家族」と表記する場合がある。また、制度Sを利用するユーザを「ユーザP」と表記し、患者番号「P#」のユーザを「ユーザP#」と表記する場合がある。
ここで、所定の期間Tは、ユーザPが利用する制度Sに応じて設定される。例えば、ユーザPを「ユーザP1(患者P1)」とすると、算出部802は、世帯情報DB220(図5参照)を参照して、ユーザP1が利用する制度S1,S2を特定する。そして、算出部802は、制度情報DB230(図6参照)から、特定した制度S1,S2に対応する制度情報600−1,600−2を取得する。
つぎに、算出部802は、制度情報600−1を参照して、期間「年」および合算単位「世帯」を特定する。期間「年」は、所定の期間Tが、当年の1月1日から12月31日までの1年間であることを示す。また、合算単位「世帯」は、控除または払い戻しの対象が、本人および家族について支払われた医療費であることを示す。
この場合、算出部802は、支払情報DB240から、ユーザP1の世帯ID「F1」と同一の世帯IDが設定された支払情報のうち、受診日が当年の支払情報を取得する。そして、算出部802は、取得した支払情報が示す支払額を足し合わせることにより、支払額の合計値を算出する。これにより、本人および家族(本人と生計を同じくする者)について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出することができる。
また、算出部802は、制度情報600−2を参照して、期間「月」および合算単位「個人」を特定する。期間「月」は、所定の期間Tが、当月の月初から月末までの1ヶ月間であることを示す。また、合算単位「個人」は、控除または払い戻しの対象が、本人について支払われた医療費であることを示す。
この場合、算出部802は、支払情報DB240から、ユーザP1の患者ID「P1」が設定された支払情報のうち、受診日が当月の支払情報を取得する。そして、算出部802は、取得した支払情報が示す支払額を足し合わせることにより、支払額の合計値を算出する。これにより、本人について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出することができる。
判断部803は、算出した医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲R内であるか否かを判断する。ここで、基準値は、ユーザPが利用する制度SやユーザPの所得に応じて設定される自己負担限度額に相当する。例えば、判断部803は、制度情報600−1を参照して、ユーザP1が利用する制度S1の自己負担限度額「50,000円」を特定する。
また、所定の範囲Rは、任意に設定可能であり、例えば、自己負担限度額(基準値)の大きさを考慮して設定される。例えば、自己負担限度額が「50,000円」の場合、所定の範囲Rは、「0円≦R≦5,000円(自己負担限度額の1割程度の値)」の範囲に設定される。所定の範囲Rは、例えば、ユーザPから指定されることにしてもよい。
以下の説明では、医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分を「差分D」と表記する場合がある。
また、判断部803は、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、本人について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人が定期通院しているか否かを判断することにしてもよい。そして、判断部803は、本人が定期通院していると判断した場合、本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超えるか否かを判断することにしてもよい。
具体的には、例えば、判断部803は、支払情報DB240を参照して、特定の期間X内に本人について医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する。特定の期間Xは、任意に設定可能であり、例えば、当日から遡って数ヶ月(例えば、3ヶ月)以内の期間に設定される。
そして、判断部803は、特定の期間X内に本人について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人が定期通院しているか否かを判断する。ここで、本人が定期通院している場合、判断部803は、本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超えるか否かを判断する。
本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額は、例えば、本人の定期通院時に支払われた過去の医療費に基づいて特定される。
また、判断部803は、控除または払い戻しの対象が本人および家族について支払われた医療費の場合は、本人または家族について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人または家族が定期通院しているか否かを判断することにしてもよい。そして、判断部803は、本人または家族が定期通院していると判断した場合、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超えるか否かを判断することにしてもよい。
具体的には、例えば、判断部803は、支払情報DB240を参照して、特定の期間X内に本人または家族について医療機関Miにおいて支払われた医療費を特定する。そして、判断部803は、特定の期間X内に本人または家族について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人または家族が定期通院しているか否かを判断する。
ここで、本人または家族が定期通院している場合、判断部803は、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超えるか否かを判断する。本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額は、例えば、本人または家族の定期通院時に支払われた過去の医療費に基づいて特定される。
また、同一世帯に定期通院している者(本人または家族)が複数存在する場合は、判断部803は、定期通院している者それぞれの次回の定期通院時に支払われる医療費の合計値が差分Dを超えるか否かを判断することにしてもよい。
なお、本人または家族が定期通院しているか否かの判断例、および本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額の特定例については、図9を用いて後述する。
通知部804は、差分Dが所定の範囲R内である場合に、所定の通知先に、期日の情報と差分Dの情報とを通知する。ここで、期日とは、医療費の合計値を算出する期間の末日(最終日)、すなわち、所定の期間Tの末日(最終日)である。
具体的には、例えば、通知部804は、差分Dが所定の範囲R内である場合に、所定の通知先に、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知する。所定の通知先は、例えば、ユーザP、あるいは、ユーザPと同一世帯の他のユーザである。
より具体的には、例えば、まず、通知部804は、世帯情報DB220を参照して、ユーザPと同一世帯の代表者のメールアドレスを特定する。なお、代表者のメールアドレスは、ユーザPと同一の世帯IDが設定され、かつ、代表フラグに「1」が設定された世帯情報から特定される。
そして、通知部804は、例えば、特定した代表者のメールアドレス宛に、第1の注意喚起情報を送信する。第1の注意喚起情報は、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知する情報である。第1の注意喚起情報の具体例については、図10を用いて後述する。
また、通知部804は、本人が定期通院していると判断された場合に、期日の情報と差分Dの情報、例えば、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知してもよい。さらに、通知部804は、本人が定期通院していると判断され、かつ、本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超える場合は、期日の情報と見込み支払額の情報、例えば、期日までに当該見込み支払額を超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知してもよい。
また、通知部804は、本人または家族が定期通院していると判断され、かつ、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超える場合は、期日の情報と見込み支払額の情報、例えば、期日までに当該見込み支払額を超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知してもよい。
具体的には、例えば、まず、通知部804は、世帯情報DB220を参照して、ユーザPと同一世帯の代表者のメールアドレスを特定する。そして、通知部804は、例えば、特定した代表者のメールアドレス宛に、第2の注意喚起情報を送信する。第2の注意喚起情報は、期日までに見込み支払額を超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知する情報である。第2の注意喚起情報の具体例については、図11を用いて後述する。
なお、同一世帯に定期通院している者(本人または家族)が複数存在する場合は、医療費の見込み支払額を、例えば、定期通院している者それぞれの次回の定期通院時に支払われる医療費の合計値としてもよい。
上述した説明では、第1または第2の注意喚起情報を代表者のメールアドレス宛に送信することにしたが、これに限らない。例えば、通知部804は、ユーザP本人のメールアドレスが登録されている場合は、第1または第2の注意喚起情報をユーザPのメールアドレス宛に送信することにしてもよい。
また、取得部801は、医療機関Miにおいて予約された診療または検診の予約日を特定する予約情報を取得する。具体的には、例えば、取得部801は、医療機関端末Tiから予約情報を受信することにより、当該予約情報を取得する。予約情報には、例えば、診療または検診を予約した患者の世帯ID、患者ID、予約日および医療機関Miの医療機関名や診療科を示す情報が含まれる。
決定部805は、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を決定する。具体的には、例えば、決定部805は、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、取得されたユーザP(本人)の予約情報を参照して、期日より後に診療または検診の予約があるか否かを判断する。
この際、決定部805は、例えば、期日から一定期間内(例えば、1ヶ月以内)に予約日が含まれる診療または検診の予約があるか否かを判断することにしてもよい。ここで、診療または検診の予約がある場合、決定部805は、例えば、期日より後の診療または検診のいずれかの予約日を、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補に決定する。
なお、控除または払い戻しの対象が本人および家族について支払われた医療費の場合には、決定部805は、ユーザP(本人)および家族の予約情報を参照して、期日より後に診療または検診の予約があるか否かを判断することにしてもよい。
また、決定部805は、過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて、次回の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することにしてもよい。具体的には、例えば、まず、決定部805は、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、ユーザP(本人)について支払われた医療費を特定する支払情報を参照して、過去の診療時または検診時に支払われた医療費を特定する。
より具体的には、例えば、決定部805は、支払情報DB240を参照して、期日より後の診療または検診の予約ごとに、予約された医療機関Mi(または/および診療科)と同一の医療機関Miにおいて、ユーザP(本人)について支払われた過去の医療費を特定する。これにより、期日より後の診療または検診の予約ごとに、過去の診療時または検診時に支払われた医療費を特定する。
つぎに、決定部805は、期日より後の診療または検診の予約ごとに、特定した過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて、次回の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額を特定する。例えば、決定部805は、過去の診療時(または、検診時)に支払われた医療費のうち、直近の診療時に支払われた医療費を、次回の診療時に支払われる医療費の見込み支払額として特定してもよい。
また、例えば、決定部805は、過去の診療時に支払われた医療費の平均値を、次回の診療時に支払われる医療費の見込み支払額として特定してもよい。また、決定部805は、過去の診療時に支払われた医療費のうちの最小値(あるいは、最大値)を、次回の診療時に支払われる医療費の見込み支払額として特定してもよい。
なお、控除または払い戻しの対象が本人および家族について支払われた医療費の場合には、決定部805は、さらに、家族について支払われた医療費を特定する支払情報を参照して、過去の診療時(または、検診時)に支払われた医療費を特定してもよい。
そして、決定部805は、特定した医療費の見込み支払額に基づいて、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を決定する。具体的には、例えば、決定部805は、特定した医療費の見込み支払額が最大となる診療または検診の予約日を、期日前に日程を変更する候補に決定することにしてもよい。また、例えば、決定部805は、特定した医療費の見込み支払額が差分Dを超える診療または検診の予約日を、期日前に日程を変更する候補に決定することにしてもよい。
通知部804は、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補の情報を通知する。例えば、通知部804は、差分Dが所定の範囲R内である場合に、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を通知することにしてもよい。
具体的には、例えば、まず、通知部804は、世帯情報DB220を参照して、ユーザPと同一世帯の代表者のメールアドレスを特定する。そして、通知部804は、例えば、特定した代表者のメールアドレス宛に、第3の注意喚起情報を送信する。第3の注意喚起情報は、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を通知する情報である。第3の注意喚起情報の具体例については、図12を用いて後述する。
また、判断部803は、取得された予約情報に基づいて、期日前の診療または検診の予約日が存在するか否かを判断することにしてもよい。具体的には、例えば、判断部803は、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、取得されたユーザP(本人)の予約情報を参照して、期日前の診療または検診の予約日が存在するか否かを判断する。
なお、控除または払い戻しの対象が本人および家族について支払われた医療費の場合には、判断部803は、ユーザP(本人)および家族の予約情報を参照して、期日前の診療または検診の予約日が存在するか否かを判断することにしてもよい。
また、判断部803は、期日前の診療または検診の予約日が存在する場合、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値と、期日前の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額との合算値が基準値を超えるか否かを判断することにしてもよい。期日前の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額は、例えば、上述した次回の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額と同様に、過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて特定される。
そして、通知部804は、医療費の合計値と医療費の見込み支払額との合算値が基準値を超えないと判断された場合に、期日の情報と差分Dの情報、例えば、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することにしてもよい。
(定期通院の判断例および見込み支払額の特定例)
つぎに、本人または家族が定期通院しているか否かの判断例、および本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額の特定例について説明する。
図9は、定期通院の判断例および見込み支払額の特定例を示す説明図である。ここでは、ユーザP3が定期通院しているか否かの判断例、およびユーザP3の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額の特定例について説明する。ユーザP3は、制度S1を利用するユーザP1の家族である。
この場合、まず、判断部803は、支払情報DB240から、特定の期間X内にユーザP3について支払われた医療費を特定する支払情報を取得する。図9の例では、特定の期間Xを「2015/10/25〜2015/12/25」とし、支払情報DB240から支払情報900−1〜900−12が取得された場合を想定する。
つぎに、判断部803は、支払情報900−1〜900−12を参照して、条件aおよび条件bを満たすか否かを判断する。そして、判断部803は、条件aおよび条件bを満たす場合に、ユーザP3が定期通院していると判断する。一方、判断部803は、条件aおよび条件bの少なくともいずれかを満たさない場合は、ユーザP3が定期通院していないと判断する。
以下、条件aおよび条件bについて詳細に説明する。
・条件aについて
判断部803は、支払情報900−1〜900−12を参照して、同一の受診日にクリニック(診療所)および当該クリニックに対応する調剤薬局において支払われた医療費を合算した支払額を算出する。ここで、クリニックに対応する調剤薬局とは、当該クリニックの医師の処方箋に基づいて薬剤を調合する薬局である。
医療モールML内のクリニックと調剤薬局との対応関係を示す情報は、例えば、予め作成されてメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されていてもよい。また、クリニックと調剤薬局との対応関係は、医療機関名から特定されることにしてもよい。例えば、判断部803は、医療機関「A整形クリニック」に含まれる文字「A」を含む医療機関「A薬局」を、医療機関「A整形クリニック」に対応する医療機関として特定してもよい。
これにより、診療についての医療費と、当該診療に対する処方についての医療費とを合算したものを、ユーザP3について支払われた医療費の支払額として算出することができる。例えば、受診日「2015/10/22」にユーザP3について支払われた医療費の支払額は、「9,000円(=7,000円+2,000円)」となる。
つぎに、判断部803は、直近の過去3回分の支払額を特定する。図9の例では、受診日「2015/11/20」の支払額「2,300円」と、受診日「2015/12/6」の支払額「2,500円」と、受診日「2015/12/20」の支払額「2,300円」とが特定される。
そして、判断部803は、例えば、直近の過去3回分の支払額のうち、時系列に連続する第1および第2の支払額の差異が、第1の支払額のα%以内である場合に、条件aを満たすと判断する。上記αは、任意に設定可能であり、例えば、20程度の値に設定される。ここでは、上記αを「α=20」とする。
この場合、受診日「2015/11/20」の支払額「2,300円」と、受診日「2015/12/6」の支払額「2,500円」との差異「200円」は、受診日「2015/11/20」の支払額「2,300円」の20%以内である。また、受診日「2015/12/6」の支払額「2,500円」と、受診日「2015/12/20」の支払額「2,300円」との差異「200円」は、受診日「2015/12/6」の支払額「2,500円」の20%以内である。このため、判断部803は、条件aを満たすと判断する。
・条件bについて
判断部803は、支払情報900−1〜900−12を参照して、特定の期間X内の同一の医療機関における医療費の支払いが所定の回数β以上検出された場合に、条件bを満たすと判断する。所定の回数βは、任意に設定可能であり、例えば、「(特定の期間Xに含まれる月数)×1.5」程度の値に設定される。
ここでは、所定の回数βを「β=4.5(=特定の期間Xに含まれる月数「3」×1.5)」とする。また、図9の例では、特定の期間X内の医療機関「A整形クリニック」における医療費の支払いが5回検出される。このため、判断部803は、条件bを満たすと判断する。
以上により、図9の例では、判断部803は、ユーザP3が定期通院していると判断する。また、判断部803は、ユーザP3が定期通院していると判断した場合、ユーザP3の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を特定する。
具体的には、例えば、判断部803は、直近の定期通院時に支払われた医療費の支払額「2,300円」を、ユーザP3の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額として特定することにしてもよい。また、例えば、判断部803は、特定の期間X内の定期通院時に支払われた医療費の支払額の平均値「3,720円」を、ユーザP3の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額として特定することにしてもよい。
(注意喚起情報の具体例)
つぎに、図10〜図12を用いて、クライアント端末Cjのディスプレイ406(図4参照)に表示される第1、第2および第3の注意喚起情報の具体例について説明する。
図10は、第1の注意喚起情報の具体例を示す説明図である。図10において、第1の注意喚起情報1000は、期日までに、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値と自己負担限度額との差分Dを超える医療費を支払うと、控除または払い戻しの対象となることを通知する情報である。
第1の注意喚起情報1000によれば、ユーザP1(富士太郎)は、期日(2015年10月31日)までに「1円」を超える医療費を支払うと、社保Aの基準値(自己負担限度額)に到達することを把握することができる。このため、ユーザP1は、期日前に医療機関を受診すれば、その際の医療費の払い戻しを受けられる可能性が高いことがわかる。
図11は、第2の注意喚起情報の具体例を示す説明図である。図11において、第2の注意喚起情報1100は、期日までに、定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を超える医療費を支払うと、控除または払い戻しの対象となることを通知する情報である。
第2の注意喚起情報1100によれば、ユーザP1(富士太郎)は、期日(2015年12月31日)までに、ユーザP3(富士一郎)が定期通院しているA整形クリニックで「2,300円」を超える医療費を支払うと、税還付の基準値に到達することを把握することができる。このため、ユーザP1は、ユーザP3の次回の定期通院を期日前に変更すれば、その際の医療費の払い戻しを受けられる可能性が高いことがわかる。
図12は、第3の注意喚起情報の具体例を示す説明図である。図12において、第3の注意喚起情報1200は、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を通知する情報である。
第3の注意喚起情報1200によれば、ユーザP1(富士太郎)は、期日(2015年10月31日)までに「1円」を超える医療費を支払うと、社保Aの基準値に到達することを把握することができる。また、ユーザP1は、翌月の6日に予約している検診を期日前に変更すれば、その際の医療費の払い戻しを受けられるかもしれないことに気付くことができる。
(通知装置101の第1の通知処理手順)
つぎに、通知装置101の第1の通知処理手順について説明する。第1の通知処理は、例えば、毎月の25日の午前0時に実行される。
図13は、通知装置101の第1の通知処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、通知装置101は、世帯情報DB220を参照して、未選択の世帯F(世帯ID)を選択する(ステップS1301)。そして、通知装置101は、世帯情報DB220から、選択した世帯Fの世帯情報を取得する(ステップS1302)。
つぎに、通知装置101は、取得した世帯Fの世帯情報を参照して、世帯Fの各ユーザPが利用する制度Sを特定する(ステップS1303)。そして、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、特定した制度Sのうち期間「月」の制度Sがあるか否かを判断する(ステップS1304)。
ここで、期間「月」の制度Sがない場合(ステップS1304:No)、通知装置101は、ステップS1308に移行する。
一方、期間「月」の制度Sがある場合(ステップS1304:Yes)、通知装置101は、特定した制度Sのうち未選択の期間「月」の制度Sを選択する(ステップS1305)。そして、通知装置101は、選択した制度Sについて、第1のメッセージ通知処理を実行する(ステップS1306)。
第1のメッセージ通知処理は、通知先のクライアント端末Cjに注意喚起情報を通知する処理である。なお、第1のメッセージ通知処理の具体的な処理手順については、図14を用いて後述する。
つぎに、通知装置101は、特定した制度Sのうち選択されていない未選択の期間「月」の制度Sがあるか否かを判断する(ステップS1307)。ここで、未選択の期間「月」の制度Sがある場合(ステップS1307:Yes)、通知装置101は、ステップS1305に戻る。
一方、未選択の期間「月」の制度Sがない場合(ステップS1307:No)、通知装置101は、世帯情報DB220を参照して、選択されていない未選択の世帯Fがあるか否かを判断する(ステップS1308)。ここで、未選択の世帯Fがある場合(ステップS1308:Yes)、通知装置101は、ステップS1301に戻る。
一方、未選択の世帯Fがない場合(ステップS1308:No)、通知装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、毎月25日に、当月に支払った医療費の合計値が控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
つぎに、図13に示したステップS1306の第1のメッセージ通知処理の具体的な処理手順について説明する。
図14は、第1のメッセージ通知処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、まず、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、選択した制度Sの合算単位が「世帯」であるか否かを判断する(ステップS1401)。
ここで、合算単位が「世帯」の場合(ステップS1401:Yes)、通知装置101は、支払情報DB240から、世帯Fの各ユーザPの当月の支払情報を取得して(ステップS1402)、ステップS1404に移行する。一方、合算単位が「個人」の場合(ステップS1401:No)、通知装置101は、支払情報DB240から、選択した制度Sを利用するユーザPの当月の支払情報を取得する(ステップS1403)。
そして、通知装置101は、取得した支払情報が示す支払額を足し合わせることにより、医療費の合計値を算出する(ステップS1404)。つぎに、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、算出した医療費の合計値が、選択した制度Sの自己負担限度額より大きいか否かを判断する(ステップS1405)。
ここで、医療費の合計値が自己負担限度額より大きい場合(ステップS1405:Yes)、通知装置101は、第1のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。
一方、医療費の合計値が自己負担限度額以下の場合(ステップS1405:No)、通知装置101は、医療費の合計値と自己負担限度額との差分Dを算出する(ステップS1406)。そして、通知装置101は、見込み支払額算出処理を実行する(ステップS1407)。
見込み支払額算出処理は、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を算出する処理である。見込み支払額算出処理の具体的な処理手順については、図15を用いて後述する。
つぎに、通知装置101は、算出した医療費の見込み支払額が差分Dより大きいか否かを判断する(ステップS1408)。ここで、医療費の見込み支払額が差分D以下の場合(ステップS1408:No)、通知装置101は、第1のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。
一方、医療費の見込み支払額が差分Dより大きい場合(ステップS1408:Yes)、通知装置101は、注意喚起情報を生成する(ステップS1409)。注意喚起情報は、例えば、期日までに見込み支払額を超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知する第2の注意喚起情報である。
そして、通知装置101は、生成した注意喚起情報を通知先のクライアント端末Cjに送信して(ステップS1410)、第1のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。通知先のクライアント端末Cjは、例えば、世帯Fの代表者が使用するクライアント端末Cjである。
これにより、定期通院により月末までに本人または家族がもう一度受診する可能性があり、かつ、その際に医療費を支払うと控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高い場合に、注意喚起の通知を行うことができる。
なお、ステップS1405において、医療費の合計値が自己負担限度額より大きい場合(ステップS1405:Yes)、通知装置101は、医療費の合計値が制度Sの自己負担限度額を超えていることを、通知先のクライアント端末Cjに通知してもよい。
また、通知装置101は、ステップS1408において、差分Dが所定の範囲R内であるか否かを判断することにしてもよい。そして、通知装置101は、差分Dが所定の範囲R内である場合に、ステップS1409において、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知する第1の注意喚起情報を生成することにしてもよい。
つぎに、図14に示したステップS1407の見込み支払額算出処理の具体的な処理手順について説明する。
図15は、見込み支払額算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、まず、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、選択した制度Sの合算単位が「世帯」であるか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、合算単位が「世帯」の場合(ステップS1501:Yes)、通知装置101は、世帯Fの未選択のユーザPを選択する(ステップS1502)。つぎに、通知装置101は、支払情報DB240から、特定の期間X内に、選択したユーザPについて支払われた医療費を特定する支払情報を取得する(ステップS1503)。
そして、通知装置101は、取得した支払情報に基づいて、ユーザPが定期通院しているか否かを判断する(ステップS1504)。ここで、ユーザPが定期通院していない場合(ステップS1504:No)、通知装置101は、ステップS1506に移行する。
一方、ユーザPが定期通院している場合(ステップS1504:Yes)、通知装置101は、直近の定期通院時に支払われた医療費の支払額を特定する(ステップS1505)。そして、通知装置101は、世帯Fの選択されていない未選択のユーザPがいるか否かを判断する(ステップS1506)。
ここで、未選択のユーザPがいる場合(ステップS1506:Yes)、通知装置101は、ステップS1502に戻る。一方、未選択のユーザPがいない場合(ステップS1506:No)、通知装置101は、ステップS1505において特定した支払額に基づいて、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を算出して(ステップS1507)、見込み支払額算出処理を呼び出したステップに戻る。
具体的には、例えば、通知装置101は、ステップS1505において特定した支払額を足し合わせることにより、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を算出してもよい。また、例えば、通知装置101は、ステップS1505において特定した支払額のうちの最大値を、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額として算出してもよい。
なお、ステップS1505においていずれの支払額も特定されなかった場合は、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額は「0円」として扱われる。
また、ステップS1501において、合算単位が「個人」の場合(ステップS1501:No)、通知装置101は、支払情報DB240から、特定の期間X内に、選択した制度Sを利用するユーザPについて支払われた医療費を特定する支払情報を取得する(ステップS1508)。
そして、通知装置101は、取得した支払情報に基づいて、ユーザPが定期通院しているか否かを判断する(ステップS1509)。ここで、ユーザPが定期通院していない場合(ステップS1509:No)、通知装置101は、見込み支払額算出処理を呼び出したステップに戻る。この場合、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額は「0円」として扱われる。
一方、ユーザPが定期通院している場合(ステップS1509:Yes)、通知装置101は、直近の定期通院時に支払われた医療費の支払額を特定する(ステップS1510)。そして、通知装置101は、特定した支払額を、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額として算出して(ステップS1507)、見込み支払額算出処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、本人または家族が定期通院しているか否かを判断することができる。また、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を見積もることができる。
(通知装置101の第2の通知処理手順)
つぎに、通知装置101の第2の通知処理手順について説明する。第2の通知処理は、例えば、毎年12月20日の午前0時に実行される。
図16は、通知装置101の第2の通知処理手順の一例を示すフローチャートである。図16のフローチャートにおいて、まず、通知装置101は、世帯情報DB220を参照して、未選択の世帯Fを選択する(ステップS1601)。そして、通知装置101は、世帯情報DB220から、選択した世帯Fの世帯情報を取得する(ステップS1602)。
つぎに、通知装置101は、取得した世帯Fの世帯情報を参照して、世帯Fの各ユーザPが利用する制度Sを特定する(ステップS1603)。そして、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、特定した制度Sのうち期間「年」の制度Sがあるか否かを判断する(ステップS1604)。
ここで、期間「年」の制度Sがない場合(ステップS1604:No)、通知装置101は、ステップS1608に移行する。
一方、期間「年」の制度Sがある場合(ステップS1604:Yes)、通知装置101は、特定した制度Sのうち未選択の期間「年」の制度Sを選択する(ステップS1605)。そして、通知装置101は、選択した制度Sについて、第2のメッセージ通知処理を実行する(ステップS1606)。
第2のメッセージ通知処理は、通知先のクライアント端末Cjに注意喚起情報を通知する処理である。なお、第2のメッセージ通知処理の具体的な処理手順については、図17を用いて後述する。
つぎに、通知装置101は、特定した制度Sのうち選択されていない未選択の期間「年」の制度Sがあるか否かを判断する(ステップS1607)。ここで、未選択の期間「年」の制度Sがある場合(ステップS1607:Yes)、通知装置101は、ステップS1605に戻る。
一方、未選択の期間「年」の制度Sがない場合(ステップS1607:No)、通知装置101は、世帯情報DB220を参照して、選択されていない未選択の世帯Fがあるか否かを判断する(ステップS1608)。ここで、未選択の世帯Fがある場合(ステップS1608:Yes)、通知装置101は、ステップS1601に戻る。
一方、未選択の世帯Fがない場合(ステップS1608:No)、通知装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、毎年12月20日に、当年に支払った医療費の合計値が控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
つぎに、図16に示したステップS1606の第2のメッセージ通知処理の具体的な処理手順について説明する。
図17は、第2のメッセージ通知処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、まず、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、選択した制度Sの合算単位が「世帯」であるか否かを判断する(ステップS1701)。
ここで、合算単位が「世帯」の場合(ステップS1701:Yes)、通知装置101は、支払情報DB240から、世帯Fの各ユーザPの当年の支払情報を取得して(ステップS1702)、ステップS1704に移行する。一方、合算単位が「個人」の場合(ステップS1701:No)、通知装置101は、支払情報DB240から、選択した制度Sを利用するユーザPの当年の支払情報を取得する(ステップS1703)。
そして、通知装置101は、取得した支払情報が示す支払額を足し合わせることにより、医療費の合計値を算出する(ステップS1704)。つぎに、通知装置101は、制度情報DB230を参照して、算出した医療費の合計値が、選択した制度Sの自己負担限度額より大きいか否かを判断する(ステップS1705)。
ここで、医療費の合計値が自己負担限度額より大きい場合(ステップS1705:Yes)、通知装置101は、第2のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。
一方、医療費の合計値が自己負担限度額以下の場合(ステップS1705:No)、通知装置101は、医療費の合計値と自己負担限度額との差分Dを算出する(ステップS1706)。そして、通知装置101は、見込み支払額算出処理を実行する(ステップS1707)。
見込み支払額算出処理は、次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を算出する処理である。見込み支払額算出処理の具体的な処理手順については、図15に示した処理手順と同様のため説明を省略する。
つぎに、通知装置101は、算出した医療費の見込み支払額が差分Dより大きいか否かを判断する(ステップS1708)。ここで、医療費の見込み支払額が差分D以下の場合(ステップS1708:No)、通知装置101は、第2のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。
一方、医療費の見込み支払額が差分Dより大きい場合(ステップS1708:Yes)、通知装置101は、注意喚起情報を生成する(ステップS1709)。そして、通知装置101は、生成した注意喚起情報を通知先のクライアント端末Cjに送信して(ステップS1710)、第2のメッセージ通知処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、定期通院により年末までに本人または家族がもう一度受診する可能性があり、かつ、その際に医療費を支払うと控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高い場合に、注意喚起の通知を行うことができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる通知装置101によれば、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出し、医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分Dが所定の範囲R内であるか否かを判断することができる。また、通知装置101によれば、差分Dが所定の範囲R内である場合に、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと、控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準に満たないユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。また、差分Dが所定の範囲R外である、すなわち、医療費の合計値と基準値(自己負担限度額)との開きが大きい場合は、注意喚起の通知が行われないため、過剰なアラームを抑制することができる。
また、通知装置101によれば、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、本人について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出することができる。また、通知装置101によれば、控除または払い戻しの対象が本人および家族(本人と生計を同じくする者)について支払われた医療費の場合には、本人および家族について所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出することができる。
これにより、ユーザPが利用する制度Sに応じて定まる合算単位(例えば、世帯、個人)を考慮して、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値を算出することができる。
また、通知装置101によれば、控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合、本人について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人が定期通院しているか否かを判断することができる。そして、通知装置101によれば、本人が定期通院していると判断した場合に、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、定期通院により所定の期間T内に本人がもう一度受診する可能性がある場合に、ユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
また、通知装置101によれば、本人が定期通院していると判断し、かつ、本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超える場合、期日までに当該見込み支払額を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、定期通院により所定の期間T内に本人がもう一度受診する可能性があり、かつ、その際に医療費を支払うと控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高い場合に、ユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
また、通知装置101によれば、本人の定期通院時に支払われた医療費に基づいて、本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することができる。これにより、本人の定期通院時に支払われた過去の医療費を考慮して、次回の定期通院時に支払われる医療費を見積もることができる。
また、通知装置101によれば、控除または払い戻しの対象が本人および家族について支払われた医療費の場合は、本人または家族について医療機関Miにおいて支払われた医療費に基づいて、本人または家族が定期通院しているか否かを判断することができる。そして、通知装置101によれば、本人または家族が定期通院していると判断した場合に、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、定期通院により所定の期間T内に本人または家族がもう一度受診する可能性がある場合に、ユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
また、通知装置101によれば、本人または家族が定期通院していると判断し、かつ、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が差分Dを超える場合に、期日までに当該見込み支払額を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、定期通院により所定の期間T内に本人または家族がもう一度受診する可能性があり、かつ、その際に医療費を支払うと控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高い場合に、ユーザPに注意喚起の通知を行うことができる。
また、通知装置101によれば、本人または家族の定期通院時に支払われた医療費に基づいて、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することができる。これにより、本人または家族の定期通院時に支払われた過去の医療費を考慮して、本人または家族の次回の定期通院時に支払われる医療費を見積もることができる。
また、通知装置101によれば、診療または検診の予約日を特定する予約情報に基づいて、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を通知することができる。これにより、控除または払い戻しの対象となるために、期日前に日程を変更したほうがよい予約日の候補を提示することができる。
また、通知装置101によれば、過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて、次回の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することができる。そして、通知装置101によれば、特定した医療費の見込み支払額に基づいて、期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を決定することができる。
これにより、期日前に日程を変更すると、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高い予約日を候補として提示することができる。
また、通知装置101によれば、期日前の診療または検診の予約日が存在する場合は、所定の期間T内に支払われた医療費の合計値と、期日前の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額との合算値が基準値を超えるか否かを判断することができる。そして、通知装置101によれば、医療費の合計値と医療費の見込み支払額との合算値が基準値を超えない場合に、期日までに差分Dを超える医療費を支払うと控除または払い戻しの対象となることを通知することができる。
これにより、予約済みの期日前の診療時または検診時に支払われる医療費により、控除または払い戻しを受けられる基準を満たす可能性が高いときは注意喚起の通知を行わないようにして、過剰なアラームを抑制することができる。
これらのことから、実施の形態にかかる通知システム100によれば、医療費の控除や払い戻しを受けられる基準との開きをユーザに意識させ、医療費にかかる負担を軽減するための制度をうまく活用できるように支援することができる。
なお、本実施の形態で説明した通知方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本通知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本通知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)通知先の端末装置と、
所定の期間内に支払われた医療費の合計値を算出し、算出した前記医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲内であると判断すると、期日の情報と前記差分の情報とを前記端末装置に通知する通知装置と、
を含むことを特徴とする通知システム。
(付記2)前記通知装置は、
控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、前記本人について前記所定の期間内に支払われた医療費の合計値を算出し、
控除または払い戻しの対象が前記本人および前記本人と生計を同じくする者について支払われた医療費の場合は、前記本人および前記本人と生計を同じくする者について前記所定の期間内に支払われた医療費の合計値を算出する、ことを特徴とする付記1に記載の通知システム。
(付記3)前記通知装置は、
控除または払い戻しの対象が本人について支払われた医療費の場合は、前記本人について医療機関において支払われた医療費に基づいて、前記本人が定期通院しているか否かを判断し、
前記本人が定期通院していると判断すると、前記期日の情報と前記差分の情報とを通知する、ことを特徴とする付記2に記載の通知システム。
(付記4)前記通知装置は、
前記本人が定期通院していると判断し、かつ、前記本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が前記差分を超えると判断すると、前記期日の情報と前記見込み支払額の情報とを通知する、ことを特徴とする付記3に記載の通知システム。
(付記5)前記通知装置は、
控除または払い戻しの対象が前記本人および前記本人と生計を同じくする者について支払われた医療費の場合は、前記本人または前記本人と生計を同じくする者について医療機関において支払われた医療費に基づいて、前記本人または前記本人と生計を同じくする者が定期通院しているか否かを判断し、
前記本人または前記本人と生計を同じくする者が定期通院していると判断すると、前記期日の情報と前記差分の情報とを通知する、ことを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の通知システム。
(付記6)前記通知装置は、
前記本人または前記本人と生計を同じくする者が定期通院していると判断し、かつ、前記本人または前記本人と生計を同じくする者の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額が前記差分を超えると判断すると、前記期日の情報と前記見込み支払額の情報とを通知する、ことを特徴とする付記5に記載の通知システム。
(付記7)前記通知装置は、
診療または検診の予約日を特定する予約情報に基づいて、前記期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補の情報を通知する、ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の通知システム。
(付記8)前記通知装置は、
過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて、次回の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額を特定し、
特定した前記医療費の見込み支払額に基づいて、前記期日前に日程を変更する診療または検診の予約日の候補を決定する、ことを特徴とする付記7に記載の通知システム。
(付記9)前記通知装置は、
診療または検診の予約日を特定する予約情報に基づいて、前記期日前の診療または検診の予約日が存在するか否かを判断し、
前記期日前の診療または検診の予約日が存在する場合、過去の診療時または検診時に支払われた医療費に基づいて、前記期日前の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額を特定し、
前記所定の期間内に支払われた医療費の合計値と、前記期日前の診療時または検診時に支払われる医療費の見込み支払額との合算値が前記基準値を超えないと判断すると、前記期日の情報と前記差分の情報とを通知する、ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の通知システム。
(付記10)医療機関において支払われた医療費を特定する支払情報を記憶する医療機関端末をさらに含み、
前記通知装置は、
前記医療機関端末から得られる前記支払情報に基づいて、前記所定の期間に支払われた医療費の合計値を算出する、ことを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の通知システム。
(付記11)前記通知装置は、
前記本人の定期通院時に支払われた医療費に基づいて、前記本人の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することを特徴とする付記4に記載の通知システム。
(付記12)前記通知装置は、
前記本人または前記本人と生計を同じくする者の定期通院時に支払われた医療費に基づいて、前記本人または前記本人と生計を同じくする者の次回の定期通院時に支払われる医療費の見込み支払額を特定することを特徴とする付記6に記載の通知システム。
(付記13)コンピュータが、
所定の期間内に支払われた医療費の合計値を算出し、
算出した前記医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲内であると判断すると、期日の情報と前記差分の情報とを通知する、
処理を実行することを特徴とする通知方法。
(付記14)コンピュータに、
所定の期間内に支払われた医療費の合計値を算出し、
算出した前記医療費の合計値と、医療費の控除または払い戻しを受けられる基準値との差分が所定の範囲内であると判断すると、期日の情報と前記差分の情報とを通知する、
処理を実行させることを特徴とする通知プログラム。