JP6661999B2 - 電動式パワーステアリング装置の製造方法及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置の製造方法及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明の対象となる電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として使用されるもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図れるものである。
特許文献1には、図13〜14に示す様な、電動式パワーステアリング装置が開示されている。後端部にステアリングホイール1を取り付けられたステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3内に回転自在に支持されており、この部分にウォームホイール4が固定されている。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5を軸方向中間部に有し、電動モータ7により回転駆動されるウォーム軸6の両端部は、1対の転がり軸受8a、8bにより、前記ハウジング3内に回転自在に支持されている。そして、この状態で、前記ウォームホイール4と前記ウォーム歯5とを噛合させて、前記電動モータ7の補助動力を、このウォームホイール4に伝達可能としている。
電動式パワーステアリング装置のより具体的な構造に就いて、図13〜14に、図15を加えて説明する。ウォームホイール4は、この電動式パワーステアリング装置の出力部となる出力軸9のうち、1対の転がり軸受10a、10b同士の間部分に外嵌固定されており、この出力軸9と共に回転する。この出力軸9は、ハウジング3内に、前記両転がり軸受10a、10bにより回転のみ可能に支持された状態で、トーションバー11により、ステアリングシャフト2の前端部と結合されている。電動モータ7は、トルクセンサ12が検出する、ステアリングホイール1から前記ステアリングシャフト2に加えられる操舵トルクの方向及び大きさに応じてウォーム軸6を回転駆動し、前記出力軸9に補助動力(補助トルク)を付与する。この出力軸9の回転は、1対の自在継手13a、13b及び中間シャフト14を介して、ステアリングギヤユニット15の入力部となるピニオン軸16に伝達し、操舵輪に所望の舵角を付与する。
又、上述の様な電動式パワーステアリング装置の場合、前記ハウジング3は、前記出力軸9の軸方向(図15の左右方向)に関して2分割された、前側ハウジング素子17と後側ハウジング素子18とを組み合わせて成る。即ち、前記ハウジング3は、この前側ハウジング素子17の後部外周面に設けた円筒状の内径側嵌合面部19を、前記後側ハウジング素子18の前部内周面に設けた円筒状の外径側嵌合面部20に内嵌した状態で、これら前側ハウジング素子17と後側ハウジング素子18とを、ボルト21、21により結合固定して成る。これら前側、後側両ハウジング素子17、18は何れも、アルミニウム合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により完成品に近い形状に造られた後、必要箇所に切削や研削等の機械加工を施す事で造られている。尚、これら前側、後側両ハウジング素子17、18のうちの後側ハウジング素子18は、その内側に前記ウォームホイール4と前記ウォーム軸6のウォーム歯5とを噛合させて成るウォーム減速機22を収容するギヤ用ハウジング素子としての役割を果たすと共に、その内側に前記トルクセンサ12を収容するセンサ用ハウジング素子としての役割を果たす。
上述の様な電動式パワーステアリング装置を製造する場合に、従来は、ダイキャスト成形により完成品に近い形状に造られた前記前側、後側両ハウジング素子17、18に対して、必要箇所に切削や研削等の機械加工(仕上げ加工)を施す際に、これら前側、後側両ハウジング素子17、18を保持する為、これら前側、後側両ハウジング素子17、18の外面を直接把持していた。この為、この把持力によって、これら前側、後側両ハウジング素子17、18が大きく変形(塑性変形)する可能性があった。この様な大きな変形が生じた場合には、形状を修正する必要が生じたり、廃棄処分にせざるを得なくなったりする為、好ましくない。
特開2011−094763号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ハウジングを構成する複数のハウジング素子に含まれる対象ハウジング素子に機械加工を施す際に、この対象ハウジング素子を保持する力によって生じる変形を抑えられる構造及び製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となる電動式パワーステアリング装置は、ウォーム減速機と、ハウジングとを備える。
このうちのウォーム減速機は、電動モータにより回転駆動されるウォーム軸の中間部に設けられたウォーム歯とウォームホイールとを噛合させて成る。
又、前記ハウジングは、複数のハウジング素子同士を組み合わせる事により構成され、その内側に前記ウォーム減速機を収容している。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置の製造方法の場合には、前記各ハウジング素子のうちの少なくとも1つのハウジング素子である対象ハウジング素子の製造過程で、例えば、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形により、完成品に近い形状を有する前記対象ハウジング素子を造る際に、この対象ハウジング素子の外面(好ましくはこの外面の複数箇所で、より好ましくは3箇所以上)に被把持片を一体形成する。その後、この被把持片を把持具により把持する事によって、この対象ハウジング素子を保持した状態で、この対象ハウジング素子(の必要箇所)に、所定の(切削や研削等の)機械加工を施す。
本発明の製造方法を実施する場合には、前記ハウジングが、ギヤ用ハウジング素子を含む複数のハウジング素子同士を組み合わせる事により構成されている電動式パワーステアリング装置を対象とする。
この電動式パワーステアリング装置のうち、前記ギヤ用ハウジング素子は、ウォームホイール用収容部と、ウォーム軸用収容部とを備える。
このうちのウォームホイール用収容部は、前記ウォームホイールの外周を囲む位置に配置されると共に軸方向一端部が開口したウォームホイール用筒状部と、このウォームホイール用筒状部の軸方向他端部から内径側に折れ曲がる状態で設けられたウォームホイール用側板部とを備える。
又、前記ウォーム軸用収容部は、前記ウォームホイール用収容部の外径側部分の周方向一部分にその一部が開口する状態で固設され、内径側に前記ウォーム軸を配置する。
そして、前記ギヤ用ハウジング素子を前記対象ハウジング素子とすると共に、前記ウォームホイール用筒状部の外周面に前記被把持片を形成する。
この様な本発明の製造方法を実施する場合には、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分のうちの周方向に離隔した少なくとも2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、少なくとも1箇所とに、前記被把持片をそれぞれ形成する。
この場合、より具体的には、例えば、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分で、且つ、このウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部を周方向両側から挟んだ2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、前記ウォームホイール用筒状部に対して径方向反対側に位置する1箇所とに、前記被把持片をそれぞれ形成する。即ち、前記ギヤ用ハウジング素子の外面の周方向ほぼ等間隔の3箇所に、前記被把持片をそれぞれ形成する。
又、本発明の製造方法を実施する場合には、例えば、前記被把持片の形成位置を、前記ウォームホイール用筒状部の軸方向に関して、このウォームホイール用筒状部の軸方向中央位置よりも軸方向他端側(前記ウォームホイール用側板部が設けられた側)に寄った位置とする。
又、本発明の製造方法を実施する場合には、例えば、前記ウォームホイール用筒状部の外周面の周方向複数箇所に、前記ハウジングを構成する他のハウジング素子に対して結合固定する為の結合フランジを形成する。これと共に、前記ウォームホイール用筒状部の外周面からの前記被把持片の突出量(このウォームホイール用筒状部の径方向に関する、この被把持片の寸法)を、同じく前記各結合フランジの突出量(このウォームホイール用筒状部の径方向に関する、これら各結合フランジの寸法)以下とする(好ましくは、前記各結合フランジの突出量よりも小さくする)。
又、本発明の製造方法を実施する場合には、例えば、前記結合フランジ及び前記被把持片を、それぞれの先端部(前記ウォームホイール用筒状部の径方向に関する、外端部)が、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部に於ける接平面から突出しない様に形成する。
又、本発明の製造方法を実施する場合には、例えば、前記対象ハウジング素子の外面に前記被把持片を形成する工程で(この被把持片を形成するのと同時に)、この被把持片の基端部(前記ウォームホイール用筒状部の径方向に関する、内端部)に除肉部(切り欠き、凹溝等)を形成する。又、前記対象ハウジング素子に前記所定の機械加工を施す工程を実行した後、前記被把持片の基端部を破断する(例えば、この被把持片の基端部を繰り返し曲げる、若しくは、この被把持片をハンマーで叩く等して衝撃を加える事で、この被把持片を基端部から折り取ったり、この被把持片の基端部を捩じ切ったり、又は、この被把持片の基端部を引き千切ったりする)事により、この被把持片を除去する。
又、本発明の電動式パワーステアリング装置の場合、前記ハウジングは、ギヤ用ハウジング素子を含む複数のハウジング素子同士を組み合わせる事により構成されている。
このうちのギヤ用ハウジング素子は、ウォームホイール用収容部と、ウォーム軸用収容部とを備える。
このうちのウォームホイール用収容部は、前記ウォームホイールの外周を囲む位置に配置されると共に軸方向一端部が開口したウォームホイール用筒状部と、このウォームホイール用筒状部の軸方向他端部から内径側に折れ曲がる状態で設けられたウォームホイール用側板部とを備える。
又、前記ウォーム軸用収容部は、前記ウォームホイール用収容部の外径側部分の周方向一部分にその一部が開口する状態で固設され、内径側に前記ウォーム軸を配置する。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、前記ウォームホイール用筒状部の外周面に、前記ギヤ用ハウジング素子の製造過程で(例えば、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形により、完成品に近い形状を有する前記ギヤ用ハウジング素子を造った後、このギヤ用ハウジング素子に)所定の(切削や研削等の)機械加工を施す際に、このギヤ用ハウジング素子を保持する為に把持具により把持される被把持片が一体に設けられている(一体形成されている)。
本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合には、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分のうちの周方向に離隔した少なくとも2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、少なくとも1箇所とに、前記被把持片をそれぞれ設ける。
この場合、より具体的には、例えば、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分で、且つ、このウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部を周方向両側から挟んだ2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、前記ウォームホイール用筒状部に対して径方向反対側に位置する1箇所とに、前記被把持片をそれぞれ設ける。即ち、前記ギヤ用ハウジング素子の外面の周方向ほぼ等間隔の3箇所に、前記被把持片をそれぞれ設ける。
本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合には、例えば、前記被把持片の設けられている位置(形成位置)を、前記ウォームホイール用筒状部の軸方向に関して、このウォームホイール用筒状部の軸方向中央位置よりも軸方向他端側(前記ウォームホイール用側板部が設けられた側)に寄った位置とする。
本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合には、例えば、前記ギヤ用ハウジング素子の前記ウォームホイール用筒状部の外周面の周方向複数箇所に結合フランジが設けられていると共に、前記ハウジングを構成する他のハウジング素子の外周面のうち、周方向に関する位相がこれら各結合フランジと一致する部分に相手側結合フランジが設けられており、これら各結合フランジと相手側結合フランジとが、互いの周方向に関する位相を合せた状態で結合手段により結合固定されており、前記ウォームホイール用筒状部の外周面からの前記被把持片の突出量が、同じく前記各結合フランジの突出量以下になっている(好ましくは、これら各結合フランジの突出量よりも小さくなっている)構成を採用する。
上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合には、例えば、前記結合フランジ及び前記被把持片の先端部(前記ウォームホイール用筒状部の径方向に関する、外端部)が、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部よりも、この周方向中央部に於ける接平面から突出していない構成を採用する。
上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置の製造方法及び電動式パワーステアリング装置によれば、対象ハウジング素子に機械加工を施す際に、この対象ハウジング素子を保持する力によって生じる、この対象ハウジング素子の本体部分(被把持片以外の部分でウォーム減速機を収容する部分)の変形(塑性変形乃至弾性変形)を抑えられる。
即ち、本発明の場合には、前記対象ハウジング素子に対して機械加工を施す際に、この対象ハウジング素子の外面に一体に設けられた被把持片を把持具により把持する事によって、この対象ハウジング素子を保持する。この為、この保持力(把持力)が、この対象ハウジング素子の本体部分に直接加わる事を防止できる。この結果、この保持力(把持力)によって生じる、この対象ハウジング素子の本体部分の変形を抑えられる。
、対象ハウジング素子である、ギヤ用ハウジング素子の外面のうち、少なくとも3箇所(ウォームホイール用筒状部の外周面の周方向に離隔した2箇所、及び、前記ウォーム軸用収容部の外周面の1箇所)に被把持片を形成する為、これら各被把持片を把持する事により、前記ギヤ用ハウジング素子をバランス良く保持する事ができる。この為、このギヤ用ハウジング素子の本体部分に対する保持力(把持力)の偏りを抑えて、このギヤ用ハウジング素子の変形をより効果的に抑える事ができる。そして、機械加工を施す際の抵抗(切削抵抗、研削抵抗等)が、異なるギヤ用ハウジング素子毎にばらつくのを抑えられ、完成状態でこれら各ギヤ用ハウジング素子の形状精度を良好にできる。
又、本発明の一態様では、対象ハウジング素子である、ギヤ用ハウジング素子を構成するウォームホイール用筒状部のうち、軸方向中央位置よりも軸方向一端側(開口部側)に寄った部分に比べて剛性が高い部分である、軸方向中央位置よりも軸方向他端側(ウォームホイール用側板部が存在する側)に寄った部分の外周面に、被把持片を形成する。この為、この被把持片を把持する事により、前記ギヤ用ハウジング素子を保持した状態で、この保持力(把持力)によって生じる、このギヤ用ハウジング素子の本体部分の変形をより小さく抑えられる。
又、本発明の一態様では、ウォームホイール用筒状部の外周面からの被把持片の突出量を、同じく各結合フランジの突出量以下とする為、完成状態で前記被把持片を除去せずに残す場合でも、車体に組み付けた状態でのレイアウト性を確保できる。
更に、本発明の一態様では、前記結合フランジ及び前記被把持片の先端部を、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部に於ける接平面から突出させない為、完成状態で前記被把持片を除去せずに残す場合でも、車体に組み付けた状態でのレイアウト性をより良好に確保できる。
又、本発明の一態様では、対象ハウジング素子の完成状態で、この対象ハウジング素子の外面から被把持片が除去された状態になる為、その分、小型軽量化を図れる。又、このハウジング素子の外面からこの被把持片を除去する作業は、この被把持片の基端部を破断する事により行うが、この基端部には切り欠き等の除肉部が形成されている為、その分、この基端部は低強度になっている。従って、この基端部を破断する作業を容易に行える。又、この被把持片の基端部を破断する作業は、同じく切断する作業に比べて容易に(大掛かりな装置を用いたり、長い時間を掛けたりする事なく)行える為、生産効率を高める事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のa−a断面図。 ギヤ用ハウジング素子を後方から見た図(A)と、(A)の左方から見た図(B)と、(A)の右方から見た図(C)と、(A)の上方から見た図(D)と、(A)の下方から見た図(E)。 ギヤ用ハウジング素子に機械加工を施す際に、このギヤ用ハウジング素子の被把持片を把持具により把持する前の状態を示す側面図(A)と、同じく把持した状態を示す側面図(B)。 本発明の実施の形態の第1例の変形例を示す、図3のb部に相当する拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3の(D)と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図3の(D)と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図3の(A)と同様の図。 図8のc部拡大図。 被把持片の基端部に形成する切り欠きの形状の別例を示す、図8と同様の図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図9と同様の図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図3の(A)と同様の図(A)、及び、(A)のd−d断面図(B)。 電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 同じく図13の拡大e−e断面図。 より具体的な構造を示す、図14のf−f断面に相当する図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4により、本発明の実施の形態の第1例に就いて説明する。
本例の電動式パワーステアリング装置は、前述の図13〜15に示した電動式パワーステアリング装置と基本的には同様の構成を有し、ステアリングホイール1により所定方向に回転させられるステアリングシャフト2aの前端部は、ハウジング3aの内側に回転自在に支持されている。そして、このステアリングシャフト2aの前端部(図2の左端部)にトーションバー11を介して結合された出力軸9aに、ウォーム減速機22aを構成するウォームホイール4aが外嵌固定されている。又、このウォーム減速機22aを構成するウォーム軸6aの中間部に設けられたウォーム歯5aは、前記ウォームホイール4aに噛合している。又、このウォーム軸6aの基端部には、前記ハウジング3aに支持された電動モータ7の出力軸が補助動力(補助トルク)の伝達を可能に結合されている。
前記ハウジング3aは、前側(図2の左側)に配置されるギヤ用ハウジング素子23と、後側(図2の右側)に配置されるセンサ用ハウジング素子24とを、互いに組み合わせて成る。
前記ギヤ用ハウジング素子23は、鉄系合金の鋳造、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形、合成樹脂の射出成形等により、完成品に近い形状に造られた後、必要箇所に切削や研削等の機械加工(仕上げ加工)を施す事で造られている。この様なギヤ用ハウジング素子23は、ウォームホイール用収容部25と、ウォーム軸用収容部26とを備える。
このうちのウォームホイール用収容部25は、前記ウォームホイール4aの外周を囲む位置に配置されると共に軸方向一端部である後端部が開口した円筒状のウォームホイール用筒状部27と、このウォームホイール用筒状部27の軸方向他端部である前端部から内径側に折れ曲がる状態で設けられたウォームホイール用側板部28とを備える。このウォームホイール用側板部28の内周部には、円筒状の軸受保持部29が固設されている。又、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面の後端部の周方向複数箇所(図示の例では、径方向に関して凡そ反対側となる2箇所)には、結合フランジ35a、35aが固設されている。
又、前記ウォーム軸用収容部26は、有底円筒状に構成されたもので、前記ウォームホイール用収容部25の外径側部分の周方向一部分(車体への取付状態で下方に位置する部分である、図1〜2の下端部)に、その一部分を開口させた状態で(自身の内側空間と前記ウォームホイール用収容部25の内側空間とを連通させた状態で)固設され、内径側に前記ウォーム軸6aを配置している。これらウォームホイール用収容部25の中心軸とウォーム軸用収容部26の中心軸とは、互いに捩れの位置関係にある。又、このウォーム軸用収容部26の開口側端部(図1の左端部)には、部分円すい筒状の取付部30が固設されている。
更に、本例の場合には、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部26及び前記各結合フランジ35a、35aが固設された部分から周方向に外れた部分で、且つ、このウォーム軸用収容部26が固設された部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部{図3の(A)のP部}を周方向両側から挟んだ2箇所に、矩形板状の被把持片36、36を一体形成している。これら各被把持片36、36の厚さ方向は、前記ウォームホイール用筒状部27の軸方向{図3の(A)の表裏方向}に一致させている。又、本例の場合には、前記各被把持片36、36を、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、軸方向中央位置{図3の(D)の鎖線αの位置}よりも後側(同図の下側)に寄った部分に形成している。更に、本例の場合には、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面からの前記各被把持片36、36の突出量(このウォームホイール用筒状部27の径方向に関する、これら各被把持片36、36の寸法)を、同じく前記各結合フランジ35a、35aの突出量(前記ウォームホイール用筒状部27の径方向に関する、これら各結合フランジ35a、35aの寸法)よりも小さくしている。これと共に、本例の場合には、これら各被把持片36、36と、これら各結合フランジ35a、35aとを、それぞれの先端部(前記ウォームホイール用筒状部27の径方向に関する、外端部)が、このウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部26を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部{図3の(A)のP部}に於ける接平面βから突出しない様に形成している。
又、前記ウォーム軸用収容部26の外周面のうち、径方向に関して前記ウォームホイール用収容部25と反対側部分に於いて、前記取付部30と前記ウォーム軸用収容部26の軸方向中間部とに掛け渡す状態で、リブ状の被把持片37を一体形成している。この被把持片37の厚さ方向は、前記ウォームホイール用筒状部27の軸方向に一致させている。この様に本例の場合には、この被把持片37の一端部{図1及び図3の(A)(E)の左端部}を、前記取付部30の外周面に結合する事により、この被把持片37を、後述する把持具38により把持する部位として機能させる事に加えて、前記ウォーム軸用収容部26の軸方向中間部と前記取付部30との結合部を補強する補強リブとして機能させている。又、本例の場合、前記各被把持片36、37は、前記ギヤ用ハウジング素子23の外面の周方向ほぼ等間隔の3箇所位置に形成されている。
又、前記センサ用ハウジング素子24は、鉄系合金の鋳造、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形、合成樹脂の射出成形等により、所定の形状(例えば、完成品に近い形状、又は、完成品の形状)に造られた後、必要に応じて所定の箇所に切削や研削等の機械加工を施す事で造られている。この様なセンサ用ハウジング素子24は、段付円筒状の筒状部31と、この筒状部31の前端部から外径側に延出する状態で設けられた円輪状の側板部32と、この側板部32の前側面の外周寄り部分から前方に向け突出した円筒状の嵌合筒部33と、同じく内周寄り部分から前方に向け突出した円筒状の軸受保持部34とを備える。又、前記側板部32の外周面のうち、周方向に関して前記ギヤ用ハウジング素子23の結合フランジ35a、35aと同位相となる複数箇所に、相手側結合フランジ部である、結合フランジ35b、35bが固設されている。
そして、前記ハウジング3aを構成する為に、前記ギヤ用ハウジング素子23を構成するウォームホイール用筒状部27の後端部に、前記センサ用ハウジング素子24を構成する嵌合筒部33を内嵌している。これと共に、これら両ハウジング素子23、24を構成する前記各結合フランジ35a、35b同士を軸方向に重ね合せている。更に、この状態で、これら各結合フランジ35a、35b同士を、それぞれが結合手段である、ボルト21、21とナットとにより、或いは一方の結合フランジ35a(又は35b)に形成した通孔を挿通したボルト21、21を、他方の結合フランジ35b(又は35a)に形成したねじ孔に螺合し更に締め付ける事により、結合固定している。
又、前記ウォームホイール4aは、前記出力軸9aのうち、1対の転がり軸受10a、10bの間部分に、締り嵌め等により外嵌固定し、この出力軸9aと共に回転する様にしている。前記出力軸9aは、前記ハウジング3a内に、前記両転がり軸受10a、10bにより、回転のみ自在に支持されている。即ち、前記出力軸9aの軸方向中間部を、これら両転がり軸受10a、10bのうちの一方の転がり軸受10aにより、前記センサ用ハウジング素子24を構成する軸受保持部34の内径側に回転自在に支持すると共に、前記出力軸9aの前端寄り部分を、他方の転がり軸受10bにより、前記ギヤ用ハウジング素子23を構成する軸受保持部29の内径側に回転自在に支持している。
又、前記ウォーム軸6aの両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受8a、8bにより、前記ギヤ用ハウジング素子23を構成するウォーム軸用収容部26の内径側に回転自在に支持されている。
又、前記電動モータ7は、前記ウォーム軸用収容部26の開口側端部に固設された取付部30の大径側端部(開口部)に支持固定されている。この電動モータ7は、前記センサ用ハウジング素子24内に設けられたトルクセンサ12が検出する、前記ステアリングシャフト2aに加えられるトルクの方向及び大きさに応じて前記ウォーム軸6aを回転駆動し、前記出力軸9aに補助トルクを付与する。この出力軸9aの回転は、1対の自在継手13a、13b及び中間シャフト14を介して、ステアリングギヤユニット15の入力部であるピニオン軸16(図13参照)に伝達され、操舵輪に所望の舵角が付与される。
又、本例の場合、前記ギヤ用ハウジング素子23を造る場合には、先ず、鉄系合金の鋳造、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形、合成樹脂の射出成形により、完成品に近い形状を有する、前記各被把持片36、37を備えたギヤ用ハウジング素子23を得る。そして、図4の(A)→(B)の順に示す様に、これら各被把持片36、37(被把持片37に就いては、図1、3参照)をそれぞれ、把持具38を構成する1対の把持腕39a、39bにより把持する事で、当該ギヤ用ハウジング素子23を保持する。そして、この状態で、必要箇所{例えば、前記軸受保持部29の内周面(前記転がり軸受10bの内嵌支持部)、前記各結合フランジ35a、35aの一部(前記各ボルト21、21の挿通部又は螺合部)}に切削や研削等の機械加工を施す事で、前記ギヤ用ハウジング素子23を完成させる。
尚、本例の場合には、このギヤ用ハウジング素子23の完成状態で、このギヤ用ハウジング素子23の外面に、前記各被把持片36、37を残したままの状態としている。但し、本発明を実施する場合、これら各被把持片36、37は、前記ギヤ用ハウジング素子23の完成前(切削や研削等の機械加工を施した後)に切断等して除去する事もできる。
上述の様な本例の電動式パワーステアリング装置の製造方法及び電動式パワーステアリング装置によれば、前記ハウジング3aを構成するギヤ用ハウジング素子23に切削や研削等の機械加工を施す際に、このギヤ用ハウジング素子23を保持する力によって生じる、このギヤ用ハウジング素子23の本体部分(前記被把持片36、37以外の部分で、前記ウォーム減速機22aを収容した部分)の変形を抑えられる。
即ち、本例の場合には、前記ギヤ用ハウジング素子23に対して機械加工を施す際に、このギヤ用ハウジング素子23の外面に一体形成した被把持片36、37を把持具38により把持する事によって、このギヤ用ハウジング素子23を保持する。この為、この保持力(把持力)が、このギヤ用ハウジング素子23の本体部分に直接加わる事を防止できる。この結果、この保持力(把持力)によって生じる、このギヤ用ハウジング素子23の本体部分の変形を抑えられる。言い換えれば、本例の場合には、この様にギヤ用ハウジング素子23の本体部分の変形を抑えられる為、より大きな保持力でこのギヤ用ハウジング素子23を保持する事ができる。
更に、本例の場合には、前記各被把持片36、37を前記ギヤ用ハウジング素子23の外面の周方向ほぼ等間隔の3箇所に設けている為、これら各被把持片36、37を把持する事により、前記ギヤ用ハウジング素子23をバランス良く保持する事ができる。従って、このギヤ用ハウジング素子23の本体部分に対する保持力(把持力)の偏りを抑えて、このギヤ用ハウジング素子23の変形をより効果的に抑える事ができる。そして、機械加工を施す際の抵抗(切削抵抗、研削抵抗等)が、異なるギヤ用ハウジング素子23毎にばらつくのを抑えられ、完成状態でこれら各ギヤ用ハウジング素子23の形状精度を良好にできる。
又、本例の場合には、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面からの前記各被把持片36、36の突出量を、同じく前記各結合フランジ35a、35aの突出量よりも小さくしている為、完成状態で前記各被把持片36、36を除去せずに残している構造でありながら、車体に組み付けた状態でのレイアウト性を維持し易くできる。尚、本例の構造を実施する場合には、前記各被把持片36、36の突出量を、前記各結合フランジ35a、35aの突出量と等しくする事もできる。この場合でも、完成状態でこれら各被把持片36、36を除去せずに残す場合のレイアウト性を維持し易くできる。又、前記各被把持片36、36の突出量は、前記各結合フランジ35a、35aの突出量に近づけて大きくする程、前記各被把持片36、36を前記把持具38により把持し易くなる。
更に、本例の場合には、前記各結合フランジ35a、35a及び前記各被把持片36、36の先端部を、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部26を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部に於ける接平面βから突出させない為、その分、車体に組み付けた状態での前記ギヤ用ハウジング素子23の上下方向寸法を小さくできる。従って、完成状態で前記各被把持片36、37を除去せずに残す構造でありながら、車体に組み付けた状態でのレイアウト性を、より維持し易くできる。
尚、本発明を実施する場合には、上述した実施の形態の第1例の変形例として、図5に示す様に、ギヤ用ハウジング素子23を構成する結合フランジ35aと被把持片36とを周方向に隣接配置して互いに一体に形成する構造を採用する事もできる。この場合も、ウォームホイール用筒状部27の外周面からの前記被把持片36の突出量A1を、同じく前記結合フランジ35aの突出量A2以下(A1≦A2)とすれば、完成状態でこの被把持片36を除去せずに残す場合のレイアウト性を向上させる事ができる。又、この場合も、前記被把持片36の突出量A1は、前記各結合フランジ35a、35aの突出量A2に近づけて大きくする程、前記被把持片36を把持具38(図4参照)により把持し易くなる。
[実施の形態の第2例]
図6により、本発明の実施の形態の第2例に就いて説明する。
本例の場合には、ギヤ用ハウジング素子23aを構成するウォームホイール用筒状部27の外周面に一体形成された1対の被把持片36、36の軸方向位置が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
即ち、本例の場合には、前記各被把持片36、36の軸方向位置を、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、軸方向中央位置(図6の鎖線αの位置)よりも、上述した実施の形態の第1例と比較して更に軸方向他端側である前側(ウォームホイール用側板部28が存在する側で、図6の上側)に寄った位置としている。
この様な本例の場合には、前記ウォームホイール用筒状部27のうち、軸方向中央位置(図6の鎖線αの位置)よりも後側(開口部側で、図6の下側)に寄った部分に比べて剛性が高い部分である、軸方向中央部よりも前側に寄った部分の外周面に、前記各被把持片36、36を形成している為、これら各被把持片36、36を把持具38、38(図4参照)により把持する事によって、前記ギヤ用ハウジング素子23aを保持した状態で、この保持力(把持力)によって生じる、このギヤ用ハウジング素子23aの本体部分の変形を十分に抑えられる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図7により、本発明の実施の形態の第3例に就いて説明する。
本例の場合には、ギヤ用ハウジング素子23bを構成するウォームホイール用筒状部27の外周面に一体形成された1対の被把持片36、36の軸方向位置が、上述した実施の形態の第1例及び第2例の場合と異なる。
即ち、本例の場合には、前記各被把持片36、36の軸方向位置を、前記ウォームホイール用筒状部27の外周面のうち、軸方向中央位置(図7の鎖線αの位置)よりも、上述した実施の形態の第2例と比較して更に軸方向他端側である前端部(ウォームホイール用側板部28と径方向に重畳する部分である、図7の上端部)に対応する位置としている。
この様な本例の場合には、前記ウォームホイール用筒状部27のうち、軸方向に関して剛性が最も高い部分である前端部の外周面に、前記各被把持片36、36を形成している為、これら各被把持片36、36を把持具38、38(図4参照)により把持する事によって、前記ギヤ用ハウジング素子23bを保持した状態で、この保持力(把持力)によって生じる、このギヤ用ハウジング素子23bの本体部分の変形を、上述した実施の形態の第1〜2例の場合と比較して、更に十分に抑えられる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
図8〜9により、本発明の実施の形態の第4例に就いて説明する。
本例の場合には、ギヤ用ハウジング素子23cを構成するウォームホイール用筒状部27の外周面に一体形成された1対の被把持片36a、36aの形状が、上述した実施の形態の第1〜3例の場合と異なる。
即ち、本例の場合、前記各被把持片36a、36aは、それぞれ自身の基端部(前記ウォームホイール用筒状部27の径方向に関する、内端部)の幅方向(前記ウォームホイール用筒状部27の周方向)両側縁に、それぞれが除肉部である、厚さ方向から見た形状がV字形(三角形)の切り欠き40、40を有している。本例の場合には、これら各切り欠き40、40を、前記各被把持片36a、36aの成形と同時に(鋳造、ダイキャスト成形、射出成形等により)成形している。尚、前記各切り欠き40、40の長さ寸法(被把持片36a、36aの幅方向に関する寸法)は、前記各被把持片36a、36aを把持具38(図4参照)により把持した状態で、必要箇所に機械加工を施す際に、これら各被把持片36a、36aが変形しない程度の剛性を確保できる限り、大きい方が好ましい。
又、本例の場合、前記ギヤ用ハウジング素子23cを造る際には、前記1対の被把持片36a、36aと1個の被把持片37とを、それぞれ把持具38、38(図4参照)により把持した状態で、必要箇所に切削や研削等の機械加工を施した後、前記1対の被把持片36a、36aの基端部を破断する(例えば、これら各被把持片36a、36aの基端部を繰り返し曲げる、若しくは、これら各被把持片36a、36aをハンマーで叩く等して強い衝撃を加える事で、これら各被把持片36a、36aを基端部から折り取ったり、これら各被把持片36a、36aの基端部を捩じ切ったり、又は、これら各被把持片36a、36aの基端部を引き千切ったりする)事により、これら各被把持片36a、36aを除去する。
この様な本例の場合には、前記ギヤ用ハウジング素子23cの完成状態で、この前記ギヤ用ハウジング素子23cの外面から前記1対の被把持片36a、36aが除去された状態になる為、その分、小型軽量化を図れる。
又、前記ギヤ用ハウジング素子23cの外面から前記1対の被把持片36a、36aを除去する作業は、これら各被把持片36a、36aの基端部を破断する事により行うが、これら各基端部の幅方向(周方向)両端部には切り欠き40、40が形成されている為、その分、これら各基端部の強度(特に、周方向の負荷に対する強度)が低くなっている。従って、これら各基端部を破断する作業を容易に行える。但し、本例の場合、前記各切り欠き40、40は、前記各被把持片36a、36aの基端部の幅方向(周方向)両端部に設けられている為、各被把持片の基端部の厚さ方向両側面に凹溝を設ける場合に比べて、前記各被把持片36a、36aの基端部の厚さ方向の負荷(これら各被把持片36a、36aを前記各把持具38、38により把持した状態で前記機械加工を施す際に作用する負荷)に対する剛性を確保し易く、この機械加工を施す際に、前記ギヤハウジング素子23cを安定して保持し易くする事ができる。
又、これら各被把持片36a、36aの基端部を破断する作業は、同じく切断する作業に比べて容易に(大掛かりな装置を用いたり、長い時間を掛けたりする事なく)行える為、生産効率を高める事ができる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜3例の場合と同様である。
尚、本発明を実施する場合で、被把持片の基端部に除肉部である切り欠きを設ける場合、この切り欠きの形状は、特に問わない。例えば、図10に示す被把持片36bの様に、基端部の幅方向両側縁に設けた切り欠き40a、40aの厚さ方向から見た形状を、円弧形とする事もできる。
[実施の形態の第5例]
図11により、本発明の実施の形態の第5例に就いて説明する。
上述した実施の形態の第1例では、ウォーム軸用収容部26の外周面のうち、径方向に関してウォームホイール用収容部25と反対側部分に、取付部30とウォーム軸用収容部26の軸方向中間部とに掛け渡す状態で、リブ状の被把持片37を一体形成する構成を採用した。
これに対し、本例の場合には、この様なリブ状の被把持片37を設けていない。
その代わりに、本例の場合には、ギヤ用ハウジング素子23dを構成するウォーム軸用収容部26の外周面のうち、径方向に関してウォームホイール用収容部25と反対側部分に於ける、軸方向中間部(前記ウォーム軸用収容部26の軸方向に関する配置の位相が、前記ウォーム軸用収容部26の中心軸と一致する位置)に、上述した実施の形態の第4例で採用したV字形(三角形)の切り欠き40、40を有する矩形板状の被把持片36aを一体に形成している。本例の場合も、この被把持片36aの厚さ方向は、ウォームホイール用筒状部27の軸方向(図11の表裏方向)に一致させている。この様な本例によれば、前記ウォーム軸用収容部26に形成された被把持片36aを、前記ウォームホイール用収容部25に形成された被把持片36aと同様に、破断する事で容易に除去する事ができ、ハウジング3a(図1、2参照)、延いては、ウォーム減速機全体をより軽量化する事ができる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜4例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
図12により、本発明の実施の形態の第6例に就いて説明する。
本例の場合には、上述した各実施の形態の被把持片36、36a、36bの代わりに、図示の様な形状を有する被把持片36cを採用している。即ち、本例で採用する被把持片36cは、基端部の厚さ方向両側面に、それぞれが除肉部である、断面形状がV字形(三角形)の凹溝41、41を幅方向に亙って設けている。この凹溝41、41の深さは、被把持片36cを把持具38により把持して、必要箇所に機械加工を施す際に、被把持片36cが変形しない限り、大きい方が好ましい。この様な本例の場合にも、上述した実施の形態の第4例の場合と同様に、前記被把持片36cの基端部を破断する事により、この被把持片36cを容易に除去する事ができる。
尚、図示は省略するが、本発明を実施する場合で、被把持片の基端部の厚さ方向側面に除肉部である凹溝を設ける場合、この凹溝の断面形状は、円弧形とする事もできる。
更に、被把持片の基端部の幅方向両端部に切り欠きを設けると共に、同じく基端部の厚さ方向両側面に凹溝を設ける(実施の形態の第4例の構造と同じく第6例の構造とを組み合わせて実施する)事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜5例の場合と同様である。
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ハウジング
4、4a ウォームホイール
5、5a ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8a、8b 転がり軸受
9、9a 出力軸
10a、10b 転がり軸受
11 トーションバー
12 トルクセンサ
13a、13b 自在継手
14 中間シャフト
15 ステアリングギヤユニット
16 ピニオン軸
17 前側ハウジング素子
18 後側ハウジング素子
19 内径側嵌合面部
20 外径側嵌合面部
21 ボルト
22、22a ウォーム減速機
23、23a、23b、23c、23d ギヤ用ハウジング素子
24 センサ用ハウジング素子
25 ウォームホイール用収容部
26 ウォーム軸用収容部
27 ウォームホイール用筒状部
28 ウォームホイール用側板部
29 軸受保持部
30 取付部
31 筒状部
32 側板部
33 嵌合筒部
34 軸受保持部
35a、35b 結合フランジ
36、36a、36b、36c 被把持片
37 被把持片
38 把持具
39a、39b 把持腕
40、40a、40b 切り欠き
41 凹溝

Claims (9)

  1. 電動モータにより回転駆動されるウォーム軸の中間部に設けられたウォーム歯とウォームホイールとを噛合させて成るウォーム減速機と、
    ギヤ用ハウジング素子を含む複数のハウジング素子同士を組み合わせる事により構成され、その内側に前記ウォーム減速機を収容したハウジングとを備え、
    前記ギヤ用ハウジング素子は、前記ウォームホイールの外周を囲む位置に配置されると共に軸方向一端部が開口したウォームホイール用筒状部及びこのウォームホイール用筒状部の軸方向他端部から内径側に折れ曲がる状態で設けられたウォームホイール用側板部を有するウォームホイール用収容部と、このウォームホイール用収容部の外径側部分の周方向一部分にその一部が開口する状態で固設され、内径側に前記ウォーム軸を配置するウォーム軸用収容部とを備えている、
    電動式パワーステアリング装置の製造方法であって、
    前記ギヤ用ハウジング素子の製造過程で、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分のうちの周方向に離隔した少なくとも2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、少なくとも1箇所とのそれぞれに、被把持片を一体形成した後、これらの被把持片を把持具により把持する事によって、前記ギヤ用ハウジング素子を保持した状態で、このギヤ用ハウジング素子に所定の機械加工を施す事を特徴とする電動式パワーステアリング装置の製造方法。
  2. 前記被把持片の形成位置を、前記ウォームホイール用筒状部の軸方向に関して、このウォームホイール用筒状部の軸方向中央位置よりも軸方向他端側に寄った位置とする、請求項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
  3. 前記ウォームホイール用筒状部の外周面の周方向複数箇所に、前記ハウジングを構成する他のハウジング素子に対して結合固定する為の結合フランジを形成すると共に、前記ウォームホイール用筒状部の外周面からの前記被把持片の突出量を、同じく前記各結合フランジの突出量以下とする、請求項1又は2に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
  4. 前記結合フランジ及び前記被把持片を、それぞれの先端部が、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部に於ける接平面から突出しない様に形成する、請求項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
  5. 前記ギヤ用ハウジング素子に前記被把持片を形成する工程で、この被把持片の基端部に除肉部を形成し、
    前記ギヤ用ハウジング素子に前記所定の機械加工を施す工程を実行した後、前記被把持片の基端部を破断する事により、この被把持片を除去する、
    請求項1〜のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
  6. 電動モータにより回転駆動されるウォーム軸の中間部に設けられたウォーム歯とウォームホイールとを噛合させて成るウォーム減速機と、
    その内側に前記ウォーム減速機を収容したハウジングとを備え、
    このハウジングは、ギヤ用ハウジング素子を含む複数のハウジング素子同士を組み合わせる事により構成されたものであり、このうちのギヤ用ハウジング素子は、前記ウォームホイールの外周を囲む位置に配置されると共に軸方向一端部が開口したウォームホイール用筒状部及びこのウォームホイール用筒状部の軸方向他端部から内径側に折れ曲がる状態で設けられたウォームホイール用側板部を有するウォームホイール用収容部と、このウォームホイール用収容部の外径側部分の周方向一部分にその一部が開口する状態で固設され、内径側に前記ウォーム軸を配置するウォーム軸用収容部とを備えている、
    電動式パワーステアリング装置であって、
    前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部を固設した部分から周方向に外れた部分のうちの周方向に離隔した少なくとも2箇所と、前記ウォーム軸用収容部の外周面のうち、少なくとも1箇所とのそれぞれに、前記ギヤ用ハウジング素子の製造過程で所定の機械加工を施す際に、このギヤ用ハウジング素子を保持する為に把持具により把持される被把持片が一体に設けられている事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  7. 前記被把持片の設けられている位置が、前記ウォームホイール用筒状部の軸方向に関して、このウォームホイール用筒状部の軸方向中央位置よりも軸方向他端側に寄った位置である、請求項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  8. 前記ギヤ用ハウジング素子の前記ウォームホイール用筒状部の外周面の周方向複数箇所に結合フランジが設けられていると共に、前記ハウジングを構成する他のハウジング素子の外周面のうち、周方向に関する位相がこれら各結合フランジと一致する部分に相手側結合フランジが設けられており、これら各結合フランジと相手側結合フランジとが、互いの周方向に関する位相を合せた状態で結合手段により結合固定されており、前記ウォームホイール用筒状部の外周面からの前記被把持片の突出量が、同じく前記各結合フランジの突出量以下になっている、請求項6又は7に記載した電動式パワーステアリング装置。
  9. 前記結合フランジ及び前記被把持片の先端部が、前記ウォームホイール用筒状部の外周面のうち、前記ウォーム軸用収容部が固設された部分に対して径方向反対側に位置する部分の周方向中央部に於ける接平面から突出していない、請求項に記載した電動式パワーステアリング装置。
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