JP6661714B2 - マイクロ波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波装置に関する。
たとえば特開平7−66627号公報(特許文献1)は、従来のマイクロ波装置である平面パッチアンテナ装置の例を開示する。
図23は、特開平7−66627号公報に開示された発明の概略的な構成を示した図である。平面パッチアンテナ装置400は、アンテナ基板410と、アンテナ基板410の一方の面に設けられたアンテナパッチ電極420と、回路基板450と、回路基板450の一方の面に形成された回路パターン460と、アース電極438とを備える。アンテナ基板410の他方の面に設けられたアース電極と、回路基板450の他方の面に設けられたアース電極とを重ねることによって、アース電極438がアンテナ基板410と回路基板450とに供給されるとともに、アンテナ基板410と回路基板450とが互いに積層される。
アンテナ基板410側のスルーホール440と回路基板450側のスルーホール490とは互いに導通する。スルーホール440,490は、アンテナ基板410側のスルーホール導体440aおよび回路基板450側のスルーホール導体490aに電気的に接続される。これにより、アンテナ基板410側のアンテナパッチ電極420と、回路基板450側の回路パターン460を含む回路ユニットとが電気的に接続される。
上記構成によれば、平面パッチアンテナと、これに接続される回路ユニットとからなる平面パッチアンテナ装置400を小型化および薄型化することができる。さらに、アンテナと回路ユニットとを接続するためのケーブルが不要であるため、部品点数および工数を削減することができる。
たとえば特開2007−13531号公報(特許文献2)は、別の構成を有する平面パッチアンテナ装置を開示する。図24は、特開2007−13531号公報に開示された発明の概略的な構成を示した図である。図24(a)は、特開2007−13531号公報に開示されたアンテナ装置の分解斜視図である。図24(b)は、特開2007−13531号公報に開示されたアンテナ装置を裏面側斜め方向から見た斜視図である。
図24(a)および図24(b)に示すように、アンテナ装置は、誘電体基板1000と、シールド部材2000とを備える。誘電体基板1000の一方の面1000bには、高周波回路部および、低周波回路部(サブ基板1800)が搭載される。誘電体基板1000の他方の面1000aには、送信側パッチアレイアンテナ1100および受信側パッチアレイアンテナ1200、前記パッチアレイアンテナに分配接続された給電線路1310,1320、および、前記高周波回路に接続される高周波接続線路1410〜1450とが形成されている。誘電体基板1000の面1000aに、前記給電線路及び前記高周波接続線路の少なくとも一部を覆うシールド部材2000が設けられる。ネジ3000により、シールド部材2000と誘電体基板1000とが機械的に固定される。これによりシールド部材2000とグランドパターン1500とが接触する。
シールド部材2000には、送信側パッチアレイアンテナを露出させる開口部2100と、受信側パッチアレイアンテナを露出させる開口部2200とが、別個に設けられる。これによれば、送信側パッチアレイアンテナと受信側パッチアレイアンテナとが、シールド部材2000によって分断されるので、送信側パッチアレイアンテナ1100から受信側パッチアレイアンテナ1200へと直接入力される電波を低減することが可能となる。
さらに、誘電体基板1000の一方の面1000bには、高周波回路を取り囲むグランドパターン1710〜1740が設けられている。このグランドパターンに接する導電性のシールドケースを設けることにより、そのシールドケースによって高周波回路を覆うことが可能となる。したがって、高周波回路から発生する不要輻射についても効果的にシールドすることが可能となる。
特開平7−66627号公報 特開2007−13531号公報
しかしながら特開平7−66627号公報に開示された構成によれば、回路ユニットと、平面パッチアンテナとがスルーホール導体により接続されていることにより、高周波インピーダンスが不安定になりやすいという課題がある。一例として、上記構成では、高周波インピーダンスを、マイクロ波帯で一般的に使用されている50オームの特性インピーダンスに一定化することが困難である。このためスルーホール導体と回路ユニットまたはアンテナとの接続部において、不要放射が生じる。その結果、高周波損失が大きくなるので、アンテナ素子に均一で安定した信号が供給されない。このことは、アンテナの放射効率の低下、あるいは、放射パターンが崩れることによるサイドローブの増大を頻繁に生じさせる要因となる。
加えて、上記の平面アンテナ装置を小型化する場合、アンテナ自体は小型化できたとしても、十分な広さを有する接地面を確保することができない。このため、小型化したアンテナ装置を機器あるいは設備等に設置した場合、後方への放射、さらには、周囲の機器あるいは設備の影響によって、アンテナの放射特性が、本来の放射特性から大きく崩れた特性になるという課題がある。
さらに、平面アンテナ部の放射効率を高くするためには、厚い基板が必要である。しかし、厚い基板を用いると、アンテナ部と回路部とを接続するスルーホール導体の長さ(線路長)が大きくなる。スルーホール導体が長くなると、スルーホール導体の高周波線路長としての損失が大きくなるとともに、高周波インピーダンスも不安定になる。このためアンテナの効率の低下あるいは不要放射が生じやすくなる。
特開2007−13531号公報も、特開平7−66627号公報に開示された構成と同様の構成を開示する。誘電体基板1000の面1000aには送信側パッチアレイアンテナ1100および受信側パッチアレイアンテナ1200と、給電線路1310,1320とが形成される。誘電体基板1000の反対側の面1000bは、高周波回路部(発振回路1610、出力回路1620、LNA1630、およびミキサ回路1640など)が実装された面である。高周波回路部とパッチアンテナとは、スルーホール電極を含む高周波接続線路1420,1430により接続される。その結果、特開平7−66627号公報に開示された平面パッチアンテナ装置の課題と同様な課題が生ずる。誘電体基板1000の縦および横のサイズとも、パッチアレイアンテナの大きさの数倍のサイズが必要であるので、誘電体基板1000として十分大きな面積を有する基板が必要である。言い換えると、特開2007−13531号公報に開示された構成では、小型の誘電体基板を用いた平面アンテナ装置を実現することが難しい。
さらに、送信側パッチアレイアンテナ1100および受信側パッチアレイアンテナ1200が形成された面と反対側の誘電体基板1000の面1000bには、グランド導体1710〜1740が形成される。しかし、グランド導体は高周波回路の周囲にしか存在しない。原理的に、マイクロストリップ線路型のパッチアンテナの構成では、基板の一方の面にパッチアンテナが形成され、基板の他方の面にはグランド導体が形成される。特開2007−13531号公報に開示されたアンテナは、厳密には、マイクロストリップ線路型のパッチアンテナではない。このため、高周波回路が実装された面側に、送信側パッチアレイアンテナ1100および受信側パッチアレイアンテナ1200から電波が漏れる可能性が生じる。あるいは給電線路1310,1320、または高周波接続線路1420,1430において、線路の特性インピーダンスが不定になる可能性がある。このように、特開2007−13531号公報に開示されたアンテナ装置は、その動作が不安定になる可能性を有している。
本発明の目的は、小型であるとともに放射特性に優れたマイクロ波装置を提供することである。
本発明のある局面では、マイクロ波装置は、第1の面および第2の面を有する第1の基板と、第1の面に設けられた送信アンテナ部と、第1の面に設けられた受信アンテナ部と、第1の面に設けられ、送信アンテナ部および受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備える。高周波回路部は、送信アンテナ部と受信アンテナ部との間に配置されて、第1の接地面、回路部品および線路を含む。マイクロ波装置は、第1の基板の第2の面に、送信アンテナ部、受信アンテナ部および高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、高周波回路部の第1の接地面と第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備える。第1の接地面、第2の接地面およびビアホールによって、送信アンテナ部、受信アンテナ部、および高周波回路部に共通の接地面が構成される。
上記構成によれば、単一基板の両面を用いてマイクロ波装置が構成される。互いに積層されたアンテナ基板および回路基板は不要である。アンテナ部と高周波回路部とが基板の同一の面に構成されるために、アンテナ部と高周波回路部との信号線路の接続を、スルーホールによって接続する必要がない。この結果、入出力回路部の入出力インピーダンスを、一例として、高周波で多用される50オームに、一定に保つことが可能となるので、アンテナ部と高周波回路部との間の整合をとることができる。これにより、接続部の高周波損失が小さく、高周波回路部からアンテナ素子に均一で安定した信号が供給されるので、アンテナの放射効率を高効率に保ち、サイドローブの増大等の影響を防ぐことが可能となる。
加えて、上記基板上では、回路部とアンテナパターンが形成された第1の面に第1の接地面を形成し、基板の裏面側である第2の面にアンテナ基板の接地面と高周回路部の接地面となる第2の接地面を構成し、第1の接地面と第2の接地面をビアホール接続する。アンテナ部と回路部は共通の接地面を形成することにより安定した高周波の接地面を構成することができる。
加えて、接地面、線路および高周波部品で構成される高周波回路部が、基板の中央部に配置され、送信アンテナ部と、受信アンテナ部が、高周波回路部の両側に構成および配置される。送信側アンテナ部の指向性として、高周波回路部と受信アンテナ部とを横断する方向のアンテナ指向性は、高周波回路部の接地面、配線、あるいは部品に影響されて、回路部側に、より傾く指向性となる。逆に、受信アンテナ部の指向性として、高周波回路部と送信アンテナ部とを横断する方向のアンテナ指向性は、高周波回路部の接地面、配線、あるいは部品に影響されて、回路部側に、より傾く指向性となる。つまり、送信アンテナ部および受信アンテナ部のそれぞれの回路部を横断する方向の指向性は、基板の中央の領域に構成された回路部に向けて傾いた指向性となる(これを傾いた指向性と呼ぶ)。
これにより、センシング装置である平面アンテナを備えた本マイクロ波装置を、他の機器あるいは設備等に取り付けた際に、他の機器の誘電体部、あるいは金属部に影響されるアンテナの放射指向性を、この傾いた指向性により補正して、その影響度を低減することができる。
加えて、部品が搭載された高周波回路部が、基板の第1の面の中央の領域に配置され、部品が搭載されないアンテナ部は、アンテナレイアウト形状として、基板表面の両端に構成される。生産時の表面実装の工程処理において、部品が搭載された綴り基板から、個々の基板にカットする際に生ずる応力、つまり、基板の両側端部周辺にかかる応力の影響を避けることができるので、部品には不要な応力等がかかりにくい。したがって部品が剥がれるといった影響が極めて小さくなり、優れた生産性を有するというメリットが生ずる。
本発明のある局面では、マイクロ波装置は、第1の面および第2の面を有する第1の基板と、第1の面に設けられ、送信アンテナ部と受信アンテナ部とが共用化され、給電部を有する送受信アンテナ部と、送受信アンテナ部と並べて第1の面に設けられ、送受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備える。高周波回路部は、第1の接地面、回路部品、線路、送信端子および受信端子を含む。送受信アンテナ部の給電部と、高周波回路部の送信端子および受信端子とは、端子間アイソレーションを備えた電力分配器、または方向性を具備した2分岐型結合器により接続される。マイクロ波装置は、第1の基板の第2の面に、送受信アンテナ部および高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、高周波回路部の第1の接地面と第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備える。第1の接地面、第2の接地面およびビアホールによって、送受信アンテナ部、および高周波回路部に共通の接地面が構成される。
上記構成によれば、単一基板の両面を用いてマイクロ波装置が構成される。アンテナ部と高周波回路部とが基板の同一の面に構成されるために、アンテナ部と回路の信号部との接続を、スルーホールにより接続する必要がない。したがって信号線路の、高周波の入出力インピーダンスを、一例として、高周波で多用される50オームの一定に保つことが可能となる。これによってアンテナ部と回路部との整合をとることができるため、接続部の高周波損失が小さくなり、回路部からアンテナ素子に均一で安定した信号が供給される。この結果、アンテナの放射効率を高効率に保つことができるとともに、サイドローブの増大の影響等を防ぐことが可能となる。
加えて、上記アンテナ部が構成された基板の領域と反対側の領域には、接地面、線路および高周波部品等により構成される高周波回路部が配置される。アンテナ部の、回路部を横断する方向の指向性は、高周波回路部の接地面や配線、あるいは部品に影響されて、回路部側に、より傾く指向性となる(傾いた指向性と呼ぶ)。
これにより、センシング装置となる平面アンテナを備えた本マイクロ波装置を、他の機器あるいは設備等に取り付ける際に、回路部側が、より空気に近い外側に配置されるように本装置の取り付けの向きを定めることによって、他の機器の誘電体部、あるいは金属部に影響されるアンテナの放射指向性を、この傾いた指向性により補正して、その影響度を低減することができる。
さらに、送信アンテナ部と受信アンテナ部が共用化されているので、マイクロ波装置をより小型かつ安価に構成することができる。
好ましくは、第1の基板の第2の接地面は、第2の基板の接地面および、第1の基板および第2の基板の金属部以外の他の金属部に電気的に接続される。第2の基板の接地面および他の金属部は、送信アンテナ部および受信アンテナ部、または共用化された送信アンテナ部および受信アンテナ部の接地面である。
上記構成によれば、本発明によれば、マイクロ波モジュールとして構成された本装置を用いて、大きなシステムを構成する場合に、第1の基板の第2の接地面を、他の第2の回路基板あるいはダイキャスト等の他の金属部と電気的に接続することにより、第2の基板や金属部を、アンテナ部及び回路部で構成される本装置の接地面を補強する、広いエリアの接地面として機能させることができる。その結果、とりわけアンテナ部の特性において、放射パターンでは、後方への放射が低減される。さらに、傾いた指向性が広い接地面により補正されて、正面方向を向く指向性が得られる。したがって、より理想的な放射パターンを得ることが可能であるので、サイドローブあるいは不要放射を低減させることができる。
好ましくは、高周波回路部の高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路およびグランドコプレーナ線路によって構成される。送信アンテナ部および受信アンテナ部、または共用化された送信アンテナ部および受信アンテナ部の給電線路は、マイクロストリップ線路で構成される。高周波回路部の一部は、グランドコプレーナ線路を含む。高周波回路部は、マイクロストリップ線路とグランドコプレーナ線路とを変換する変換部を含む。第1の基板の第2の面において、接地面の一部が除去されて、接地面の除去された領域に高周波回路部のための信号配線が形成される。
上記構成によれば、アンテナ部分は、基板の第2の面が接地面であるマイクロストリップパッチアンテナと給電線路とがマイクロストリップ線路で構成され、高周波回路部の高周波伝送線路の一部はグランドコプレーナ線路で構成される。回路裏面のグランド部の一部は除去され、その部分には、基板の第1の面から第2の面を通すスルーホール線路を用いた信号配線が配置される。信号配線を配置することによる接地面の除去あるいは接地面の分断の影響を低減することができる。グランドコプレーナ線路により高周波線路の特性インピーダンスを一定に保つことができる。この結果、安定した動作の高周波回路を構成することが可能となる。
好ましくは、第1の基板は、比誘電率が4以上の基板である。
従来のアンテナ基板の比誘電率は一般的に2〜3である。この基板上に高周波回路部を形成する場合、比誘電率が低いため、たとえば、高周波回路で多用される特性インピーダンス50Ωの線路の線路幅が大きくなる。したがって高周波回路部を小型化することが難しい。とりわけ、本線路を組み合わせて、電力分配器あるいは方向性結合器等を構成する場合には、線路幅が大きいため線路の接続部において寄生成分が大きくなるという課題が生じる。比誘電率4以上の基板では、特性インピーダンス50Ω線路の線路幅は小さくなるので、アンテナ部、回路部含めて本装置の小型化が可能である。
一方、とりわけアンテナ部について、比誘電率4以上の高い誘電率の基板では、空気との整合が難しくなり、空気中への放射効率が悪くなる。この結果、基板上に電磁界成分が基板上にとどまりやすく、表面波の影響が増加し、送信アンテナ部、受信アンテ部間の、十分なアイソレーション特性を確保することが困難である。上記構成によれば、基板の第1の面に、高周波回路部とアンテナ部とが構成され、第1の接地面、線路、部品等を含む高周波回路部によって、送信アンテナ部と受信アンテナ部とが分離される。基板の裏面側である第2の面には、アンテナ部の接地面と、高周回路部の接地となる第2の接地面が構成され、基板上の第1の接地面と第2の接地面とがビアホールにより接続される。これによって安定した高周波接地面が形成される。第1の接地面により、アンテナ基板上の表面波等の影響が終端されて、受信部では、送信アンテナ部からのアイソレーション(分離)特性が向上するので、良好な受信感度特性を得ることができる。
さらに比誘電率4以上の基板を用いることによって比誘電率が大きくなるので、基板上での波長が短くなる。したがって、アンテナ部の表面波の影響が軽減されるため、高周波線路部を含めた高周波回路部を、より小型化することができるとともに、良好な高周波特性を確保することができる。
本発明のある局面では、マイクロ波装置は、第1の面および第2の面を有する第1の基板と、第1の面に設けられた送信アンテナ部と、第1の面に設けられた受信アンテナ部と、第1の面に設けられ、送信アンテナ部および受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備える。高周波回路部は、送信アンテナ部と受信アンテナ部との間に配置されて、第1の接地面、回路部品および線路を含む。送信アンテナ部と受信アンテナ部とは、それぞれの給電点の間隔が0.7λ〜2λ(λは空気中でのマイクロ波の波長を表す)となるように構成される。マイクロ波装置は、第1の基板の第2の面に、送信アンテナ部、受信アンテナ部および高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、高周波回路部の第1の接地面と第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備える。第1の接地面、第2の接地面およびビアホールによって、送信アンテナ部、受信アンテナ部、および高周波回路部に共通の接地面が構成される。
上記構成によれば、マイクロ波装置は、単一基板の両面を用いて構成される。アンテナ部と、高周波回路部とが基板の同一の面に構成される。アンテナ部と回路部の信号線路とをスルーホールによって接続する必要がないので、入出力回路部の入出力インピーダンスを、一例として、高周波で多用される50±20Ω以内に保つことが可能となる。したがって、アンテナ部と高周波回路部との間の整合をとることができる。これにより、接続部の高周波損失が小さく、回路部からアンテナ素子に均一で安定した信号が供給されるので、アンテナの放射効率を高効率に保ち、サイドローブの増大等の影響を防ぐことが可能となる。
加えて、基板では、高周波回路部とアンテナパターンとが形成された第1の面に、第1の接地面が形成される。基板の裏面である第2の面に、アンテナおよび高周波回路部の接地面となる第2の接地面が形成される。第1の接地面と第2の接地面とがビアホールにより接続される。アンテナ部と高周波回路部とで共用の接地面を形成することにより、高周波のための安定した接地面を構成することができる。
加えて、高周波回路部は、基板の中央のエリアに構成される。送信アンテナ部および受信アンテナ部は、高周波回路部の両側に構成される。送信アンテナ部、受信アンテナ部の各々の給電点の間隔が0.7λ〜2λ(λ:空気中でのマイクロ波の波長)で構成されることにより、送信・受信アンテナの放射パターンのピークを、ほぼ正面の方向に向けることができる。これによりセンシングするターゲットを捕捉することができるので、高い感度特性を得ることができる。逆に、送信側のアンテナと受信側のアンテナ部が接近し過ぎると、それぞれのアンテナの放射パターンが互いに影響して、放射パターンのピーク方向が、基板の正面方向からずれてしまう。このため、基板上に送信・受信アンテナを一体的に形成した場合、ピーク方向の不一致により、送信・受信アンテナの放射パターンのピークがセンシングするターゲットからずれてしまう。したがって大幅な感度低下をまねいてしまう。上記構成によれば、このような課題が生じることを回避できる。
好ましくは、送信アンテナ部および前記受信アンテナ部の各々は、マイクロストリップ・パッチアンテナを含む。マイクロストリップ・パッチアンテナは、給電部の辺に直交し、かつ、第1の基板の端部に近い第1の辺を有する。第1の辺は、第1の基板の第2の面の端部にある接地導体から、λ/60以上、離間されている。
従来のマイクロストリップ・パッチアンテナでは、パッチ導体が構成された基板の裏面側に、十分に広いグランド導体が必要である。従来のマイクロストリップ・パッチアンテナの場合、パッチ導体から少なくともλ/2以上の裏面にグランド導体を備えた誘電体面が必要である。しかしながらマイクロ波装置の小型化のために、グランド導体を小さくしてゆくと、基板裏面からの放射が増加するとともに、正面方向の利得が低下してしまう。さらに、放射パターンのピーク方向が基板面の法線方向からずれる。
当該パッチアンテナの給電部の反対側にあるパッチアンテナの辺(パッチ辺)の側を、基板の第2の面に構成された基板端側のグランド部からλ/60以上離間して構成する。これによって、上記の影響を軽減することができ、本来のパッチアンテナに近い性能を得ることができる。一例として、周波数24.1GHzの場合、空気中の波長λは12.4mmであり、λ/60=0.20mmとなる。基板上での方形パッチアンテナの場合、一例として、方形パッチアンテナ素子の1辺の長さは3.2mm程度である。したがって、本基板構成では大型化することなく小型化を保ったまま、良好な性能を得ることが可能となる。
好ましくは、送信アンテナ部および受信アンテナ部の各々は、複数のマイクロストリップ・パッチアンテナを含む。複数のマイクロストリップ・パッチアンテナは、給電部の方向に一列に配列されてアレイアンテナを構成する。
上記構成によれば、給電部方向を揃えて複数のマイクロストリップ・パッチアンテナを配列することにより、基板上に形成されたアンテナの方位角方向と仰角方向との間で、指向性パターンに差をもたせることができる。たとえば部屋の垂直(仰角)方向の指向性を広くする一方、方位角方向の指向性を狭くすることができるので、人感検出に適した指向性を有することができる。さらに、部屋の中での人の接近・離反に対して、距離ごとにエリアを検出する精度を高くすることができる。
好ましくは、複数のマイクロストリップ・パッチアンテナのうち、第1の基板の端部に最も近いパッチアンテナにおいて、給電部の反対側に位置する第2の辺が、第1の基板の第2の面の端部にある接地導体から、1/5λ以上、離間されている。
上記構成によれば、送信アンテナ部、受信アンテナ部ともに、パッチアンテナの給電部とは反対側のパッチ辺の周辺において、基板の第2の面に構成された基板端側のグランド部から、少なくともλ/5以上の距離が確保される。本スペースを利用して、基板固定用のネジドメのための抜き穴を形成することができる、あるいは接続端子部を配置することができる。基板のスペースを有効活用することによって、マイクロ波装置のより小型化が可能となる。
好ましくは、第1の基板は、マイクロストリップ・パッチアンテナの給電部と反対側に位置するパッチアンテナの辺の側に、領域を有する。前記領域には、第1の基板を固定するためのネジが挿入される貫通孔が形成される、または領域には、接続端子部が配置される。
上記構成によれば、基板のスペースを有効活用することによって、マイクロ波装置のより小型化が可能となる。
好ましくは、マイクロ波装置は、第1の基板の第1の面に配置された信号処理回路をさらに備える。高周波回路部および信号処理回路は、第1の基板の第1の面の長手方向に沿って配置される。
上記構成によれば、基板の長手方向に、高周波回路部及び信号処理回路が構成することによって、基板の短辺側の長さを一定の長さに保つことができる。したがって、小型のマイクロ波装置を実現できるので、たとえば家電製品の額縁等に搭載しやすくなる。加えて、基板がアンテナ素子(たとえば4素子)の配列方向に長いので、アンテナ素子の放射特性が安定化する。したがって、マイクロ波装置をマザーボードあるいは設備等に搭載した際に、安定したビーム幅を作り出すことができる。
好ましくは、マイクロ波装置は、高周波回路部によって低周波数に変換された信号を処理する信号処理回路部と、信号処理回路部が配置された第2の基板と、第2の基板に設けられて、第1の基板と第2の基板とが縦方向に積み重なるように第1の基板を支持する、樹脂製の取付け台と、高周波回路部と信号処理回路部とを電気的に接続するピンとを備える。
上記構成によれば、ピンおよび樹脂製の取り付け台によって、アンテナ回路基板を大きくすることなく、アンテナ回路基板の下部に、信号処理回路基板を搭載することができるので、マイクロ波装置をより小型化することができる。加えて、高周波回路で処理された、より低周波のベースバンド信号が、ピンによって、信号処理基板に送られるので、特性の劣化を抑制することができる。したがって、マイクロ波装置の良好な特性を確保することができる。
本発明によれば、小型であるとともに放射特性に優れたマイクロ波装置を提供することができる。
第1の実施の形態に従うマイクロ波装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に従うマイクロ波装置に適用される基板の第1の面および基板の断面を示す図である。 基板の裏面(第2の面)の構成を示した図である。 第1の実施の形態に従う平面アンテナの指向特性を示す図である。 第1の実施の形態に係るマイクロ波装置の具体的な一つの応用例を示した図である。 第2の実施の形態に従うマイクロ波装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るマイクロ波装置の基板の第1の面及び断面の構成を示す図である。 第2の実施の形態に係るマイクロ波装置の具体的な一つの応用例を示した図である。 第3の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。 第3の実施の形態に係るマイクロ波装置が備える基板の裏面および断面の他の形態を示した図である。 第4の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。 La=9.65mm(0.78λ)の場合のアンテナ特性の放射パターンを示した図である。 La=8.75mm(0.71λ)の場合のアンテナ特性の放射パターンを示した図である。 基板端付近に位置するパッチ素子部を示した図である。 送信アンテナ部の給電部と受信アンテナ部の給電部との間の距離LaがLa>0.7λを満たす場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である(Lb=1mm(0.08λ))。 送信アンテナ部の給電部と受信アンテナ部の給電部との間の距離LaがLa>0.7λを満たす場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である(Lb=0.2mm(λ/60))。 パッチ辺と、基板の端側の接地面との間の距離Lcが3mm(0.3λ)の場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である。 パッチ辺と、基板の端側の接地面との間の距離Lcが1.0mm(0.08λ)の場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である。 高周波回路基板の例を示した図である。 基板の裏面の接地面の一部が基板端に達していない構成を示した図である。 第6の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。 実施形態6のマイクロ波装置を、温水トイレ洗浄便座設備に搭載した事例を示した図である。 特開平7−66627号に開示された発明の概略的な構成を示した図である。 特開2007−13531号公報に開示された発明の概略的な構成を示した図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
(回路ブロック)
図1は、第1の実施の形態に従うマイクロ波装置100aの構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施の形態に従うマイクロ波装置100aに適用される基板の第1の面および基板の断面を示す図である。
図1および図2に示すように、第1の実施の形態に従うマイクロ波装置100aは、主な構成要素として、信号処理部40と、マイクロ波ドップラセンサ150とを含む。信号処理部40と、マイクロ波ドップラセンサ150とは単一の基板45aに実装されてもよい。マイクロ波装置100aの小型化のために、マイクロ波ドップラセンサ150の回路部が設けられた基板とは別の基板に信号処理部40が設けられてもよい。
マイクロ波ドップラセンサ150は、対象物にマイクロ波を放射し、反射してきたマイクロ波から、対象物等を反映する信号を信号処理部40に出力する。また、マイクロ波ドップラセンサ150は、入力された反射波(反射信号)から、互いに直交するIチャネル信号およびQチャネル信号を生成する。
具体的には、マイクロ波ドップラセンサ150の回路部は、発振回路21と、増幅器22A,22Bと、送信アンテナ部25と、受信アンテナ部30と、ミキサ32I,32Qと、ローパスフィルタ(LPF)33I,33Qと、90度移相器38とを含む。図2に示されるように、マイクロ波ドップラセンサ150の回路部は、RFIC50として、集積化(IC化)されている。しかしながら、回路部は、高周波トランジスタ、およびダイオード等の個別部品によって構成されてもよい。
図2には、マイクロ波装置100aの回路基板上のレイアウト、および、各回路部の配置構成が示される。図2を参照して、高周波回路部99は、図1に示したマイクロ波ドップラセンサ150の回路部、信号処理部40、および電源回路部等を一体化した構成を有する回路部である。上述のように、マイクロ波装置100aの小型化のため、信号処理部40は、別の基板に設けられてもよい。
高周波回路部99とは別に、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が基板45a(第1の基板)上に設けられる。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30はともに平面アンテナにより構成される。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30は、導波管アンテナ、あるいは、誘電体アンテナにより構成されていてもよい。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30は、高周波回路部99に電気的に接続される。
高周波回路部99、送信アンテナ部25、および受信アンテナ部30の動作を以下に説明する(図1および図2を参照)。発振回路21から出力されたマイクロ波正弦波信号は、増幅器22Aによって増幅され、送信アンテナ部25から放射される。空間に放射されたマイクロ波Mtは、対象物、例えば生体である被検者の体表(例えば、胸部)で反射される。放射されたマイクロ波の反射波Mrには、被検者の身体の動き(体動)と、呼吸動作および心拍動作とに対応したドップラ周波数・位相が生じている。そのため、受信アンテナ部30に入力される反射波Mrの信号(反射信号)は、被検者の体動、呼吸および心拍の動きに対応した信号となる。
受信アンテナ部30により受信された反射信号は、増幅器22Bによって増幅される。当該増幅後の信号Drは、Iチャネル側のミキサ32IおよびQチャネル側のミキサ32Qに入力される。ここでは、Iチャネル側に入力される信号Drを便宜上「Dri」と称し、Qチャネル側に入力される信号Drを便宜上「Drq」と称する。
増幅器22Aによって増幅された信号Dtは、Iチャネル側のミキサ32Iと、90度移相器38を介してミキサ32Qとに入力される。ここでは、Iチャネル側に入力される信号Dtを便宜上「Dti」と称し、Qチャネル側に入力される信号Dtを便宜上「Dtq」と称する。なお、本実施の形態では、90度移相器38を用いることにより、信号Dtiに対する信号Dtqの位相を90度ずらす構成について説明するが、当該構成に限られない。例えば、ミキサ32Qの入力側に90度移相器38を用いることにより、信号Driに対する信号Drqの位相を90度ずらす構成であってもよい。
ミキサ32Iにより周波数変換(ダウンコンバージョン)された信号はLPF33Iに入力される。LPF33Iは、当該信号から比較的高い周波数成分を除去した信号を、Iチャネル側のベースバンド信号Dbiとして信号処理部40に出力する。また、ミキサ32Qにより周波数変換された信号は、LPF33Qに入力される。LPF33Qは、当該信号から比較的高い周波数成分を除去した信号を、Qチャネル側のベースバンド信号Dbqとし信号処理部40に出力する。当該ベースバンド信号Dbi,Dbqは、それぞれ、被検者の体動によって、ドップラ周波数・位相を含んだ信号として出力される。
受信アンテナ部30に入力される反射信号の速度および振幅は、時間とともに変化する。そのため、Iチャネル側の信号およびQチャネル側の信号は、瞬時的には90度位相が異なっているものの、信号の速さおよび方向に応じて、ベースバンド信号Dbiに対するベースバンド信号Dbqの位相の進み方は、一定でなく、常に時間変動することになる。
(アンテナ一体化型マイクロ波装置の構成)
図2の平面図は、第1の実施の形態に従うマイクロ波装置100aにおける、基板45aの第1の面69のレイアウトを示す。基板45aの第1の面69には、基板45aの左右のエリアに、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が平面アンテナとして構成され、基板45aの中央エリアに、高周波回路部99が構成される。すなわち基板45aの第1の面69上において、高周波回路部99は送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の間に配置される。
本実施形態では、送信アンテナ部25と、受信アンテナ部30とは、同一形状の平面アンテナにより構成される。一例では、平面アンテナは、4つのアンテナパッチ素子部60によって構成された平面アンテナである。各々のアンテナパッチ素子部60は、マイクロストリップパッチアンテナである。送信アンテナ部25と、受信アンテナ部30とは、4つのアンテナパッチ素子部60、および、整合回路を備えた給電線路(マイクロストリップ線路61)によって構成される。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の各々の入出力線路(マイクロストリップ線路61b)は、高周波回路部99に含まれる部品であるRFIC50に接続されている。
高周波回路部99は、RFIC50、電源IC53、RFIC用の発振部制御用部品59およびLCR(インダクタ、容量、抵抗)部品52、アナログ信号処理のためのオペアンプ/コンパレータ51及びマイクロコンピュータ56(AD変換部含む)と、それらに関連したLCR部品52で構成される。各構成要素は配線部70により配線されている。図2においては、本発明に関連する主要線路のみを配線部70として示している。
基板45a(第1の基板)の第1の面69には、接地面55(第1の接地面)が設けられる。複数のビアホール49により、接地面55は、基板45aの第2の面に設けられた接地面に電気的に接続されている。図2において、平面図に示したc−c′線での基板45aの断面が示される。断面図に示されるように、複数のビアホール54によって、第1の面69の接地面55と、第2の面68の接地面66とが電気的に接続されて、接地面55と、接地面66との間の高周波インピーダンスは略0Ωとなる。第1の面の接地面55と、第2の面の接地面66とは、高周波回路部99、送信アンテナ部25、および受信アンテナ部30に共通の高周波接地面を構成している。
図2に示すように、第1の実施の形態に係るマイクロ波装置100aは、単一の基板45aの両面を用いて構成される。送信アンテナ部25、受信アンテナ部30および高周波回路部99は、基板45aの同一の面(第1の面69)に構成されるので、これらをスルーホールにより接続する必要がない。アンテナ給電部の信号線路部(マイクロストリップ線路61b)の入出力インピーダンスを、一例として、高周波で一般的に用いられる50オームに一定に保つことが可能となるので、送信アンテナ部25と高周波回路部99との接続におけるインピーダンス整合、および受信アンテナ部30と高周波回路部99との接続におけるインピーダンス整合を確保しやすくなる。これにより、高周波損失が小さくなるので、高周波回路部99から送信アンテナ部25へ、および受信アンテナ部30から高周波回路部99へ、均一かつ安定した信号が供給される。また、アンテナ部(送信アンテナ部25および受信アンテナ部30をこのように総称する)の放射効率を高効率に保つことができるとともに給電部からの不要放射等の影響を防ぐことができる。
さらに、基板45aの第1の面69には、高周波回路部99、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30のレイアウトパターンに加えて接地面55が形成される。一方、基板45aの裏面である第2の面68には、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の接地面であるとともに、高周波回路部99の接地面である、接地面66(第2の接地面)が形成される。接地面55と接地面66とは、ビアホール54によって接続される。これによって、送信アンテナ部25、受信アンテナ部30および高周波回路部99に共通の接地面を形成することができる。この接地面は安定した高周波接地面を構成することができるので、送信アンテナ部25、受信アンテナ部30、および高周波回路部99のいずれも、高性能かつ安定した動作を保つことができる。
RFIC50の入出力線路等により、第1の面69において配線ができない部分が生じる可能性がある。このような課題を解決するために、たとえば図3に示した構成を採用することができる。
図3は、基板45aの裏面(第2の面68)の構成を示した図である。図3に示すように、接地面66の一部のエリアが削除される。そのエリアに、2つのスルーホール線路71の各々の第2の面68側の端部および配線部72が配置される。配線部72は、2つのスルーホール線路71の第2の面68側の端部同士を接続する。2つのスルーホール線路71の第1の面69側の端部は、配線部あるいは回路部に接続され、図2に示す出力コネクタ57によって、他の基板と接続される(図2を参照)。なお、図3に示したレジスト部85については後述する。
図3には、平面図に示したc−c′線での基板45aの断面が示される。c−c′線は図2の平面図に示したc−c′線と同じである。すなわち図2に示した基板45aの断面が図3にも示されている。
次に、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の各々を構成する平面アンテナについて説明する。図4は、第1の実施の形態に従う平面アンテナの指向特性を示す図である。図4(a)は、方位角(水平)方向110の指向特性パターン110a及び仰角方向111の指向特性パターン111aを示す図である。図4(a)の横軸は、指向性を示すための放射角度を示し、縦軸は振幅の強さを示すアンテナ利得(dBi)を示す。
図4(b)は、図4(a)に示す指向特性が得られるときの、アンテナ評価基板145の配置および構成を示す図である。図4(b)に示すアンテナ評価基板145は、図2に示した基板45aのアンテナ部および高周波回路部99の部分に相当する。アンテナ部115は、4つのアンテナパッチ素子部60を含む。回路部116は、図2に示した高周波回路部99の配線部70、接地面55、ビアホール49等により構成される。なお図4(b)では、回路部116は模式的に示されている。また、図4(b)には方位角方向110および仰角方向111が示される。
図4(a)および図4(b)を参照して、方位角方向110の指向特性パターン110aによって表されるアンテナ指向性特性は、方位角ゼロ度の方向に指向性ピーク113を有し、略ゼロ方位角を中心とした対称な特性である。一方、仰角方向111の指向特性パターン111aによって表されるアンテナ指向性特性は、ゼロ度から+20度付近に指向性ピーク114を有し、仰角ゼロ度を中心とすると非対称な特性である。この理由は、図4(b)に示されるように、アンテナ評価基板145が、方位角方向110には、アンテナパッチ素子部60から見て、アンテナ部115が回路部116に関して略対称的に構成されている一方で、仰角方向111には、アンテナ評価基板145が、アンテナ部115と回路部116に関して非対称に構成されているためである。つまり、アンテナパッチ素子部60から仰角方向111に見ると、アンテナパッチ素子部60の一方側の隣接部は基板端であるが、アンテナパッチ素子部60の反対側には基板表面が続き、金属配線パターン等や接地面が形成された回路部116が隣接部である。仰角方向111の指向特性は、この回路部116側に引きずられるように、仰角ゼロ度を中心とした非対称の特性である(指向特性パターン111aを参照)。
したがって図2に示すように、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が、高周波回路部99の両側に構成される場合、送信アンテナ部25部および受信アンテナ部30部の放射パターンは、基板表面において広いエリア(とりわけ高周波回路側の接地面)、基板上の部品あるいは基板上の金属配線側に傾く。送信アンテナ部25及び受信アンテナ部30の仰角方向の指向性は、各々、基板表面の中央に配置された高周波回路部99側に傾いた放射パターン(傾いた指向性と呼ぶ)を構成する。
このことは、平面アンテナを備えたマイクロ波装置100aを、センシング装置として、機器あるいは設備等に取り付けた際に、アンテナの放射パターンが、その機器の誘電体部あるいは金属部に影響されることを意味する。詳細には、その誘電体部分あるいは金属部側にアンテナの指向性のピーク位置が引きずられた結果、アンテナパッチ素子部60の中心方向(ゼロ度)の方向が傾斜してしまう。このように、他の機器にマイクロ波装置100aを搭載した時の指向性の傾きの影響を、基板自体の前述の傾いた指向性によって補正することにより、低減することができる。
図5は、第1の実施の形態に係るマイクロ波装置100aの具体的な一つの応用例を示した図である。図5に示す様に、温水トイレ洗浄便座設備250にマイクロ波装置100aを搭載した例を説明する。マイクロ波装置100aは電波センサとして、温水トイレ洗浄便座設備250の本体(便座)の樹脂内部に組み込まれる。したがって使用者には、どこにマイクロ波装置100aが組み込まれているかは見えないようになっている。
本応用例では、温水トイレ洗浄便座設備250の便座に人が近づいた場合、人の動きに反応して、マイクロ波装置100a(ドップラセンサ)が動作して、便座の蓋256が自動的に開く。さらには、本応用例では、マイクロ波装置100aは、人が便座に着座している状態あるいは立っている状態で、その人の体動(体の動きや心拍・呼吸)をモニターし、人が本便座から離れた場合に、蓋256を閉めることが可能である。
このような応用にマイクロ波装置100aを用いた場合、図5(a)に示す様に、水平(方位角)方向210では、±20度程度に方向を制限する一方、垂直(仰角)方向211では、±40度程度の幾分広い指向角が必要となる。本特性を満足するために、水平方向にアンテナパッチ素子部60が4個並び、基板45aの上部に送信アンテナ部25、基板45aの中央部に高周波回路部99、基板45aの下部側に受信アンテナ部30が配置されるように基板45aが取り付けられる。なお、正面方向から見て、上記配置を180度回転させた配置であってもよい。すなわち、基板45aの上部に受信アンテナ部30、下部に送信アンテナ部25が配置されるように基板45aが取り付けられてもよい。
さらには、基板45aは、電源あるいは通信等のための制御基板200に取り付けられても構わない。マイクロ波装置100aをこのような配置に従って、温水トイレ洗浄便座設備250に取り付けた場合、便座部260、および蓋256が閉まった状態での蓋256および便座部260では、マイクロ波装置100aから見ると、樹脂部は3次元的に前方に突出した形状を有する。とりわけ、便座部260の樹脂部の中には、ヒータや配線の金属部が内蔵されており、便座の下の陶器からなる部分は誘電率が9程度の高い比誘電率を有する。そのため、マイクロ波装置100aの仰角方向の指向性は、垂直方向の下部に傾く特性となりやすい。つまり、マイクロ波装置100aの仰角方向の指向性は、垂直上部方向に電波を放射し難い特性となる。本実施形態では、送信アンテナ部25及び受信アンテナ部30の仰角方向の指向性を基板45aの高周波回路部99側に傾かせる。したがって、温水トイレ洗浄便座設備250にマイクロ波装置100aを取り付けると、便座部260下部方向への仰角方向の指向性の傾きを抑えることができるので、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の特性を、周囲の構造物の影響を受けにくいアンテナ指向特性とすることができる。
加えて、部品が搭載された高周波回路部99が、基板45aの中央のエリアに配置され、部品が搭載されていない送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が、平面形状のアンテナパッチ素子部60として、基板45aの高周波回路部99の両側のエリアに配置される。この配置および構成によって、生産工程で表面実装された後の工程において、綴り基板から個片基板にカットする際に生ずる応力、つまり、基板の両側端部周辺にかかる応力の影響を避けることができる。つまり、基板カットの際に、基板45aの中央のエリアに存在する高周波回路部99の搭載部品には、不要な応力等が掛かリ難いので、部品はがれ等の影響が極めて小さくなる。したがって本実施の形態によれば、マイクロ波装置100aの生産性に優れるというメリットも生ずる。
(比誘電率4以上の基板について)
上記の実施形態では、第1の基板である基板45aを、比誘電率3.3の基板を用いて構成する。しかし、基板45aに比誘電率が4以上の基板を用いても上記の効果を発揮することができる。
上記、比誘電率が2〜3の基板上に高周波回路部99を形成する場合、高周波回路部99で多用される、特性インピーダンスが50Ωの線路の線路幅は大きくなる。このため高周波回路部99を小型することが難しくなる。とりわけ、本線路を組み合わせて、電力分配器、方向性結合器およびフィルタ等を構成する場合には、線路幅が大きくなると、各線路の接続部において寄生成分が大きくなるという課題がある。一方、比誘電率4以上の基板には、一例として、一般的に使用されているFR4等の安価な基板が利用できる。さらに基板の厚さも、薄く設定できる。このため特性インピーダンスが50Ωの線路の線路幅が小さくなるので、アンテナ部、高周波回路部を含めたマイクロ波装置全体を、より小型化することができる。
しかしながら、とりわけアンテナ部について、比誘電率4以上の高い誘電率の基板では、空気との整合が難しくなるので空気中への放射の効率が悪くなる。この結果、基板上に電磁界成分がとどまりやすくなるので、表面波の影響が増加して、送信アンテナ部および受信アンテナ部の間での、十分なアイソレーション特性を確保することが困難である。
第1の実施の形態では、基板45aの第1の面69に、高周波回路部99、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が構成される。接地面55(第1の接地面)と、線路および部品等とにより構成された高周波回路部99によって、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30とが分離されている。基板45aの裏面側である第2の面68には、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の接地面であり、かつ、高周波回路部99の接地のための接地面である、接地面66(第2の接地面)を構成する。基板45aの接地面55と、基板45aの接地面66とがビアホール54により接続される。これにより、安定した高周波接地面が形成される。接地面55によって、基板45a上での表面波等の影響が終端されて送信アンテナ部25から受信アンテナ部30を分離するアイソレーション(分離)特性が向上するので、良好な受信感度特性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態にかかるマイクロ波装置に比誘電率4以上の基板を用いることによって、比誘電率を大きくする。これにより、基板上での波長が短くなり、アンテナ部の表面波の影響が軽減される。高周波回路部99を含むマイクロ波装置を、より小型化することができるとともに、良好な高周波特性を確保することができる。
(グランドコプレーナ線路の利用)
さらに、本実施形態では、送信アンテナ部25及び受信アンテナ部30は、基板45aの第2の面68に接地面66が設けられたマイクロストリップパッチアンテナおよび給電線路がマイクロストリップ線路により構成される(マイクロストリップ線路61,61b)。一方、高周波回路部99の伝送線路部は、マイクロストリップ線路82およびグランドコプレーナ線路81で構成されている。なお、図2では配線の一例が図示されている。
グランドコプレーナ線路81は、アンテナ部の給電線路のマイクロストリップ線路61bと直接接続されて、マイクロストリップ線路61bとグランドコプレーナ線路81とが変換される。マイクロストリップ線路61,61bは、接地面66とともに特性インピーダンスを確保する。これに対して、グランドコプレーナ線路81は、(1)信号線路81の線路幅と、(2)基板45aの第1の面69の接地面55と中心の信号線路81までのギャップ(隙間)の距離との(1)および(2)の2種類のパラメータにより、特性インピーダンスを確保でき、安定した特性インピーダンスの信号線路を構成することができる。そのため、下記の場合のように、マイクロストリップ線路では、グランド層が分断されるとインピーダンスは不安定になるが、グランドコプレーナ線路では、信号線路81の幅と両側に存在する接地面55との間の隙間を適宜選択することによって、安定した特性インピーダンスの信号線路となる。
高周波回路部99において、マイクロストリップ線路61bからグランドコプレーナ線路81に変換することによる効果を説明する。図3に示すように、回路裏面部では接地面66の一部が除去されて、基板45aの第1の面69から第2の面68へと通じる2つのスルーホール線路71が、第2の面68の配線部72により接続される。このため接地面66の一部が分断されるが、分断された部分の第1の面でグランドコプレーナ線路81に変換することにより、マイクロストリップ線路61bの特性インピーダンスが不安定になる影響を低減することができる。つまり、マイクロストリップ線路61bおよびグランドコプレーナ線路81の間で高周波線路の特性インピーダンスを一定に保つことができ、安定した動作する高周波回路部99を構成することが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下では実施形態1と相違するところについて説明し、実施形態1と同じまたは相当する部分の説明は繰り返さない。
図6は、第2の実施の形態に従うマイクロ波装置100bの構成を示すブロック図である。実施形態1(図1参照)と異なり、第2の実施の形態では、図1に示された送信アンテナ部25および受信アンテナ部30を共用化することにより、送受信アンテナ部125(共用アンテナ部)が構成される。送受信アンテナ部125の給電端子121と、高周波回路部199の送信側端子122と受信側端子123とは、送信側端子122と受信側端子123との間のアイソレーション特性を備えたウイルキンソン型電力分配器75、または方向性を具備した2分岐型分配器(ブランチラインデバイダ)120により接続される。送信側端子122と受信側端子123とを、それらの間のアイソレーション特性を備えたウイルキンソン型電力分配器75、または方向性を具備したブランチラインデバイダ120で接続することによって、送信信号Dtと、受信信号Drとが分離される。
ここで、上記のウイルキンソン型電力分配器75およびブランチラインデバイダは、それぞれ、ウイルキンソン型電力結合器およびブランチラインカプラとしても動作することができる。これらの素子は、送信時に電力結合器として機能して、送信側端子122からの送信信号Dtが給電端子121(出力端子)を介して送受信アンテナ部125へ供給されてマイクロ波Mtが放出される。このとき、送信側端子122と受信側端子123とを、それらの間のアイソレーション特性により、送信信号Dtの受信側端子123側へのリーク成分が低減されるので、低雑音アンプ(増幅器22B)の歪みを除去することができる。一方、送受信アンテナ部125で受信したマイクロ波の反射波Mrは給電端子121に入力されると、ウイルキンソン型電力分配器75(またはブランチラインデバイダ)は、受信側端子123および送信側端子122に受信信号を出力する電力分配器として動作する。受信側端子123からの信号Drは、低雑音アンプ(増幅器22B)へ入力され増幅される。一方、送信側端子122に出力された送信信号Dtは送信側アンプ(増幅器22A)で終端される。なお下記の説明では、ウイルキンソン型電力分配器75およびブランチラインデバイダ120として説明する。
(平面アンテナ一体化回路の構成)
図7は、第2の実施形態に係るマイクロ波装置の基板の第1の面及び断面の構成を示す図である。本実施形態においては、基板45bの第1の面69には、送受信共用の送受信アンテナ部125と、ウイルキンソン型電力分配器75と、高周波回路部199とが構成される。高周波回路部199は、RFIC50、電源IC53、RFIC用の発振部制御用部品59およびLCR(インダクタ、容量、抵抗)部品52b、アナログ信号処理のためのオペアンプ/コンパレータ51a及びマイクロコンピュータ56(AD変換部含む)と、それらに関連したLCR部品52aで構成される。各構成要素は配線部70bにより配線されている。実施の形態2では基板45bが「第1の基板」に相当する。
図7(b)に詳細に示すように、ウイルキンソン型電力分配器75の送受信アンテナ部125側の給電端子121から、送信側端子122と、受信側端子123とに分配される。3つの端子(給電端子121、送信側端子122および、受信側端子123)の間の整合と、送信側端子122および受信側端子123の間の分離とのために、吸収抵抗77が接続されている。
通常は、送受信アンテナ部125およびRFIC50(高周波回路部)の特性インピーダンスに50Ωが用いられるので、吸収抵抗77の抵抗値は100Ωが適切である。しかし理想的な50Ω系の確保が難しいため、適宜調整された抵抗値を用いても構わない。RFIC50から、送信信号Dtがウイルキンソン型電力分配器75を介して、送受信アンテナ部125に供給されてマイクロ波Mtが放出される。一方、到来するマイクロ波Mrは、送受信アンテナ部125で受信されてウイルキンソン型電力分配器75に受信信号が入力される。受信信号はウイルキンソン型電力分配器75で2分配され、分配された受信信号Drは、RFIC50に入力される。
なお、3端子型のウイルキンソン型電力分配器75に替えて、図7(c)に示すブランチラインデバイダ120を用いても構わない。この場合、端子124には、50Ωの終端抵抗171が接続され、端子124は終端抵抗171を介して接地面55に接続および接地される。
図7(a)のd−d’に沿った断面図に示すように、基板45bの第2の面68には、送受信アンテナ部125および高周波回路部199に共通する接地面66が構成される。高周波回路部199の接地面55(第1の接地面)と接地面66(第2の接地面)とはビアホール54で接続されて、共用アンテナ部、高周波回路部の共通の接地面が構成される。RFICに受信信号Dtが入力された後のマイクロ波装置100bの動作については、実施形態1に係るマイクロ波装置100aの動作と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
本実施形態2の構成では、基板45bの第1の面69において、送受信アンテナ部125が構成されたエリアと反対側のエリアには、接地面55、線路および高周波部品等により構成された高周波回路部199が配置される。その結果、送受信アンテナ部125の、高周波回路部199を横断する方向の指向性は、高周波回路部199の接地面、配線、および部品等に影響されて、高周波回路部199側に、より傾く指向性となる(傾いた指向性と呼ぶ)。このような特性自体は、第1の実施形態に係るマイクロ波装置100aの特性と同様である。
実施形態2は、マイクロ波装置100bの取り付け方の点において実施形態1と異なる。つまり、平面アンテナ(送受信アンテナ部125)を備えたマイクロ波装置100bを、センシング装置として機器あるいは設備等に取り付ける際に、高周波回路部199側が、より空気に近い外側に配置されるように、マイクロ波装置100bの取り付けの向きを定める。マイクロ波装置100bの上記の傾いた指向性により、機器の誘電体部あるいは金属部による、アンテナの放射パターンへの影響を補正および低減することができる。
さらに、実施形態2では、送信アンテナと受信アンテナとを共用化しているため、マイクロ波装置を、より小型かつ安価に構成することができる。
(応用例)
図8は、第2の実施の形態に係るマイクロ波装置100bの具体的な一つの応用例を示した図である。本実施形態においても、図8に示す様に、温水トイレ洗浄便座設備250にマイクロ波装置100bを搭載した事例を説明する。実施形態1と同様にマイクロ波装置100bは電波センサとして、温水トイレ洗浄便座設備250の本体(便座)の樹脂内部に組み込まれる。したがって使用者には、どこにマイクロ波装置100が組み込まれているかは見えないようになっている。温水トイレ洗浄便座設備250の便座に人が近づいた場合、人の動きに反応して、マイクロ波装置100b(ドップラーセンサ)が動作して、便座の蓋256が自動的に開く。マイクロ波装置100bは、人が便座に着座している状態あるいは立っている状態で、その人の体動(体の動きや心拍・呼吸)をモニターし、人が本便座から離れた場合に、蓋256を閉めることが可能である。
このような応用にマイクロ波装置100bを用いた場合、図8(a)に示す様に、水平(方位角)方向210では、±20度程度に方向を制限する一方、垂直(仰角)方向211では、±40度程度の幾分広い指向角が必要となる。本特性を満足するために、水平方向にアンテナパッチ素子部60が4個並び、基板45bの上部に高周波回路部199、基板45bの下部に送受信アンテナ部125が配置されるように基板45bが取り付けられる。
さらには、基板45bは、電源あるいは通信等のための制御基板200に取り付けられても構わない。マイクロ波装置100bをこのような配置に従って、温水トイレ洗浄便座設備250に取り付けた場合、便座部260、および蓋256が閉まった状態での蓋256および便座部260では、マイクロ波装置100bから見ると、樹脂部は3次元的に前方に突出した形状を有する。とりわけ、便座部260の樹脂部の中には、ヒータや配線の金属部が内蔵されており、便座の下の陶器からなる部分は誘電率が9程度の高い比誘電率を有する。そのため、マイクロ波装置100bの仰角方向の指向性は、垂直方向の下部に傾く特性となりやすい。つまり、マイクロ波装置100bの仰角方向の指向性は、垂直上部方向に電波を放射し難い特性となる。本実施形態では、送受信アンテナ部125の仰角方向の指向性を、基板45bの高周波回路部199側に傾かせる。したがって、温水トイレ洗浄便座設備250にマイクロ波装置100bを取り付けると、便座部260の下部方向への仰角方向の指向性の傾きを抑えることができるので、送受信アンテナ部125の特性を、周囲の構造物の影響を受け難いアンテナ指向特性とすることができる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下では実施形態1または実施形態2と相違するところについて説明し、同じまたは相当する部分の説明は繰り返さない。
図9は、第3の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。実施の形態3では、基板45a(第1の基板)の接地面66(第2の接地面)が、基板300(第2の基板)の第1の面302の接地面366に電気的に接続される。基板300の接地面366(「第3の接地面」と定義する)は、複数の第2のビアホール354により、基板300の第2の面301の金属層に接続される。基板300の第2の面301の金属層として、接地面303(「第4の接地面」と定義する)が形成される。従って、第4の接地面(接地面303)は、送信アンテナ部25、受信アンテナ部30および高周波回路部99に共通する接地面を構成する。
基板300の面積は、基板45aの面積よりも十分に大きい。たとえば基板45a上のアンテナパッチ素子部60の端部(図9において、直線a1−a1’および直線a2−a2’により示す)から、第3の基板の端部までの距離L1,L2を、動作波長(たとえば24.1GHzでは、λ=12.4mm)の2倍以上確保する。これにより、無限GND板の特性により近い特性が得られるので、基板45aでは、基板300への漏れ出し(後方への放射)を小さくすることができる。また、周囲の筐体、基板45aの取付けられた設備による放射パターンの乱れの影響を小さくすることができる。
さらには、接地面が広いグランドエリアとなることにより、第1及び第2の実施形態に示した、仰角方向の傾いた指向性を修正することができる。したがって指向性を、ピークの方向がより正面方向に近づいた特性とすることができる。
一例として、基板300の第1の面302には、他の部品等が搭載されてもよい。たとえばマイクロ波装置100aの通信部あるいは信号制御部が第1の面302に搭載されてもよく、他のセンシング装置310等が第1の面302に搭載されても構わない。
加えて、図9の例では、マイクロ波装置100aは、基板300に搭載されたが、他の金属物、例えばアルミダイキャスト等と、電気的に接続されても構わない。また、マイクロ波装置100bを基板300に搭載しても構わない。マイクロ波装置100a,100bを基板300に搭載するには、図2−図3、および図7(a)に示したネジ穴63にネジを通してマイクロ波装置100aあるいはマイクロ波装置100bを基板300に固定するのが望ましい。
第3の実施の形態では、基板45aの第2の面68の配線パターン(2つのスルーホール線路71の端部および配線部72)は、レジスト85等で、第3の基板のGND層(接地面366)と絶縁される(図2を参照)。または、裏面配線のある部分は、GND層を切り抜いてパターン化することで絶縁部が構成されてもよい。
図10は、第3の実施の形態に係るマイクロ波装置が備える基板の裏面および断面の他の形態を示した図である。図10に示すように、GND層(接地面66)から、配線や端子が有る部分を切り抜いて、その部分に配線パターン67を設けてもよい。基板45aを表面実装するため、ハンダ実装等により、基板45aあるいは基板45bをGND層に電気的および物理的に接続してもよい。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下では実施形態1から実施形態3と相違するところについて説明し、同じまたは相当する部分の説明は繰り返さない。
図11は、第4の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。なお、図11では、第4の実施の形態に係るマイクロ波装置のうち、基板45上に形成された高周波回路ブロック101を示す。基板45の第1の面145aには、平面アンテナとして、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が形成される。第1の面145aの左右のエリアに、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30が平面アンテナとして構成され、第1の面145aの中央エリアに、高周波回路部と、その周辺回路部50a,50bと、フィルタ回路部33とが構成される。
送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の各々の入出力線路(マイクロストリップ線路61)は、高周波回路部に含まれる部品であるRFIC50に接続されている。
高周波回路部は、RFIC50、電源部、RFIC50の周辺回路部50a,50b、IQチャンネルのフィルタ回路部33および、入出力部であるピンヘッダ部190により構成される。
RFIC50の入出力線路等によって、周辺回路部50a,50bが第1の面145aにおいて配線できない場合は、基板45の裏面に配線してもよい。基板45の第2の面145bの平板メタル部の一部が切り取られる。第1の面145aから複数のスルーホールを通して、それらスルーホールを接続する配線を、平板メタル部の除去された部分に配置してもよい。これにより信号の配線が可能である(図示せず)。この実施の形態では、第1の面145aの接地導体は、複数のビアホール154により、第2の面145bの接地導体と電気的に接続されている。
図11は、平面図に加えて、平面図に示したd−d’線での断面を示す断面図を含む。断面図に示されるように、複数のビアホール154により、基板45の第1の面145aの接地面55と、第2の面の接地面66とが電気的に接続される。接地面55と接地面66との間の高周波インピーダンスは、略0Ωとなる。接地面55と接地面66とにより、高周波回路ブロック101、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30に共用の高周波接地面が形成されている。
実施の形態1と同様に、アンテナおよび高周波回路部は、単一の基板45の両面を用いて構成される。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30、RFIC50、周辺回路部50a,50b、およびフィルタ回路部33が、基板45の同一の面(第1の面145a)に形成される。したがって従来の構成のように、高周波信号をスルーホールで接続する必要がない。アンテナ給電部の信号線路部(マイクロストリップ線路61)のRFIC50の送受信部に対する入出力インピーダンスは、一例として、高周波で多用される50Ω±20Ω程度に一定に保つことが可能となる。したがって、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30と、RFIC50の接続部との整合を確保しやすい。これにより、高周波損失が小さく、高周波回路部から送信アンテナ部25および受信アンテナ部30に均一で安定した信号が供給されるので、アンテナの放射効率を高効率に保ち、給電部からの不要放射等の影響を防ぐことができる。
基板45において、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30のパターンが第1の面145aに形成される。第1の面145aに、RFIC50と周辺回路部50a,50bに共通の接地面55が形成される。基板45の裏面である第2の面145bには、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30、および、高周波回路ブロック101のための接地面となる接地面66が形成される。接地面55と接地面66とがビアホール154により接続されるので、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30、RFIC50および、周辺回路部50a,50bに共用の接地面を形成することができる。したがって安定した高周波接地面を形成することができるので、送信アンテナ部25、受信アンテナ部30、RFIC50および周辺回路部50a,50bのいずれも、高性能で安定した動作を保つことができる。
図11において、Laは、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30との間の距離を表す。距離Laが大きいほど、給電線路(マイクロストリップ線路61)の配線損失が大きくなる。また、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30とを大きく離しすぎると、送信アンテナ部25のビームの軸と受信アンテナ部30のビームの軸とが互いに一致することが困難となるため、アンテナの性能が劣化する。
一方、高周波回路ブロック101の小型化のために、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30とを近づけ過ぎた場合、電波の送信および受信の際に、互いのアンテナの影響が出てしまい、アンテナ放射パターンが崩れてしまう。さらに、アンテナ放射ビームのピーク軸が、平面アンテナの法線方向からずれてしまう。したがって、基板上に送信アンテナと受信アンテナとを一体的に形成した場合、送信アンテナと受信アンテナとの間で放射ビームのピーク方向が不一致になり、センシングするターゲットからずれてしまう。このために、大幅な感度低下をまねく。
(アンテナ特性の給電線路間隔(La長)依存性)
実施の形態4では、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30との間の距離Laを0.7λ〜2λとする。これにより、上記の影響を低減することができる。
図12および図13は、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である。本放射パターンは、方位角方向175および仰角方向176の指向性を表す。方位角方向175は、パッチアンテナの4素子の配列方向に相当する。仰角方向176は、方位角方向175に直交する方向である。
図12および図13では、基板上の送信アンテナ部25と受信アンテナ部30との間の位置関係も併せて示す。曲線175a,175bは、それぞれ、方位角方向175および仰角方向176の指向性を示している。方位角方向175の指向性を表すビーム幅が、仰角方向176の指向性を表すビーム幅に比べて狭くなっている。
一例として、周波数24.1GHzの場合、空気中の波長λは12.4mmであり、0.7λ〜2λは、8.68mm〜24.8mmとなる。図12(a)は、La=9.65mm(0.78λ)の場合のアンテナ特性の放射パターンを示した図であり、距離Laが上記範囲内にあるときの放射パターンを示す。図13(a)は、La=8.75mm(0.71λ)の場合のアンテナ特性の放射パターンを示した図であり、距離Laが上記範囲の境界部(0.7λ)付近にある場合のアンテナ特性の放射パターンを示している。なお、この例では、アンテナパッチ素子部60と、接地面66が存在する基板端との間の距離Lbは1mmである。
図12(a)および図13(a)では、送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の仰角方向176の指向性における正面方向を、符号170a,170bを付した線により示す。指向性のピーク方向は、符号171a,171bを付した線により示される。図12(a)に示す指向性では、正面方向の利得(符号167aを付した線で示す)とピーク方向の利得(符号167を付した線で示す)との間の利得差(ΔGa)は0.3dBである。図13に示す指向性では、正面方向とピーク方向との間の利得差がより大きくなり、1.1dBとなる。
送信アンテナ部25および受信アンテナ部30は、基板45上に一体的に形成される。送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の送受信一体でのアンテナ特性は、放射ビームのピーク方向が、正面方向と一致することが重要である。正面方向とピーク方向との利得差は、送受信では少なくとも2倍となる。したがって、送受信一体の場合、正面方向とピーク方向との間の利得差が、図12(a)の例では0.6dBとなり、図13(a)の例では、2.2dBとなる。図13(a)に示した例では、平面アンテナの正面方向では、ピーク方向に対して利得が2dB以上小さくなる。すなわち、正面方向の感度が低下している。
(アンテナの特性の端部長(Lb)依存性)
平面アンテナの法線方向に対する、アンテナ放射ビームのピーク軸のずれは、アンテナパッチ素子部60(図11参照)の面の辺60bと、基板45の接地面が存在する基板端との間の距離Lbにも依存する。図14は、基板端付近に位置するパッチ素子部60を示した図である。図14を参照して、辺60bは、アンテナパッチ素子部60の辺60cに直交し、基板端に近い辺である。辺60cは、給電線路(マイクロストリップ線路61)に接続されるアンテナパッチ素子部60の辺である。辺60bは、接地面66が存在する基板45の第2の面145bの基板端側のグランド部から、λ/60以上離間して構成される必要がある。
高周波回路ブロック101の小型化のためには、距離Lbを小さくする必要がある。しかし距離Lbが小さくなると以下の課題がある。1)基板裏面からの放射が増加する。2)放射ビームの正面方向の利得が低下する。3)仰角方向の指向性において、放射ビームのピーク方向も、基板面の法線方向である正面方向からずれる。
具体的に、一例として周波数24.1GHzの場合、空気中の波長λは12.4mmであり、λ/60=0.20mmである。基板45上の方形パッチアンテナの一例として、アンテナパッチ素子部60の1辺の長さは3.2mm程度である。本実施の形態の構成では、上記の距離Lbの範囲では、基板の大型化を回避できる。したがって、高周波回路は小型でありながら良好な性能を得ることが可能となる。
図15は、送信アンテナ部25の給電部と受信アンテナ部30の給電部との間の距離LaがLa>0.7λを満たす場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である(Lb=1mm(0.08λ))。図16は、送信アンテナ部25の給電部と受信アンテナ部30の給電部との間の距離LaがLa>0.7λを満たす場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である(Lb=0.2mm(λ/60))。
図15に示した例の場合、Lb=1mm(0.08λ)であるので、L>λ/60に比較して十分大きい。基板45上のアンテナの仰角方向176の指向性において、基板45の法線方向にある正面方向170cと、アンテナ利得のピーク方向171cとの間での利得の差(ΔGa)は、0.9dBである。
図16に示した例(Lb=0.2mm(λ/60))の場合、基板45上のアンテナの仰角方向176の指向性において、基板45の法線方向にある正面方向170dと、アンテナ利得のピーク方向171dとの間での利得の差(ΔGa)は、1.5dBである。基板45上に形成された送信アンテナ部25および受信アンテナ部30の送受信一体としてのアンテナ特性では、正面方向からの利得差が2倍となる。したがって図15に示す例では、利得差が1.8dBとなり、図1に示す例では、利得差が3.0dBとなる。図16に例示された平面アンテナでは、正面方向の利得がピーク方向の利得に対して3dB程度低下するので、正面方向の利得が送受信平面アンテナとして運用できる下限値となる。
(アンテナの特性のLc長依存性)
高周波回路ブロック101の小型化のために、アンテナパッチ素子部60の給電線路(マイクロストリップ線路61)と反対側の辺(パッチ辺)60aと、基板45の端側の接地面66との間の距離Lcを小さくしていくと、以下の課題がある。1)基板裏面からの放射が増加する。2)基板面の法線方向にある正面方向170の利得が低下する。3)パッチアンテナの4素子の配列方向(方位角方向)の指向性が広がることにより、ビームを鋭くした効果が低減する。
これらの影響を抑制するために、本実施の形態では、距離Lcを1/5λ以上とする。これにより、上記の影響を軽減することができる。したがって、アンテナ利得の低下を防ぐことができるとともに、パッチアンテナの4素子の配列方向のビームを絞ることができる。
一例として、周波数24.1GHzの場合、空気中の波長λは12.4mmである。図17は、パッチ辺60aと、基板45の端側の接地面66との間の距離Lcが3mm(0.3λ)の場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である。図18は、パッチ辺60aと、基板45の端側の接地面66との間の距離Lcが1.0mm(0.08λ)の場合における、実施の形態4に係るアンテナ特性の放射パターンを示した図である。図17および図18を参照して、Lc=1mm(0.08λ)の場合、Lc=3.75mm(0.3λ)の場合と比べて、パッチアンテナの4素子の配列方向(方位角方向175)の利得が、0.8dB(送受信で1.6dB)低下する。また、10dBビーム幅が本来は70度〜90度となるような狭いビーム幅が必要である場合においても、図18に示す例では、ビーム幅が150度程度に広がってしまっている(符号165bで示す両矢印を参照)。すなわち、4素子を配列することによりビームを絞った効果が得られていない。
図11は、高周波回路基板の例を示した図である。図11に示すように、基板45を他の基板あるいは設備等に固定するために、基板45にはピンヘッダ部190が形成される。また、入出力インタフェースである、ピンヘッダ部190あるいはコネクタ等のような接続端子部を配置するためのエリアが基板45の面に必要である。距離Lcを1/5λ以上とすることにより、パッチ辺60aと、基板45の端部との間の距離を十分に確保することができる。したがって、その距離Lcにより定まる領域を利用して、上記のピンヘッダ部190あるいはコネクタ等を配置することができる。
図18に示すように、実施の形態4によれば、距離La,Lb,Lcを適切に選択することによって、アンテナ基板の法線方向にあるビームの正面方向を、ビームのピーク方向と一致させることができる。また10dBのビーム幅が方位角方向175において、約80度程度であり、仰角方向176で約140度程度となる指向特性を得ることができる。すなわち、方位角方向175と仰角方向176とで、明確に異なった指向特性を得ることができる。
上述の構成では、基板45の第2の面145bにおいて、基板端まで接地面66が形成されている。しかし、図20に示すように、接地面66の一部が基板端に達していなくてよい。この場合、図20に示すように距離Lbおよび距離Lcを定義することができる。この場合、たとえば、Lb=Lcである。
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。実施の形態4と異なるところについて、再び図19を参照しながら説明する。実施の形態4では、基板45上に形成された高周波回路ブロックのみを示した。図19には、高周波回路部50および信号処理部40を含む、マイクロ波装置100aの構成が示されている。
高周波回路部50は、送信アンテナ部25と受信アンテナ部30と、高周波回路部50の出力部であるフィルタ回路部33とを含む。信号処理部40は、フィルタ回路部33に接続される。信号処理部40は、アナログ増幅・フィルタ部41と、マイクロコントローラユニット(MCU)部42とを含む。マイクロコントローラユニット部42は、AD変換部を含むことができる。デジタル出力(一例としてUART出力)が、コネクタ189から出力される。さらにマイクロ波装置100aの制御信号としてのデジタル入力(一例としてUART入力)も、コネクタ189を介して入力される。
マイクロ波装置100aでは、高周波回路部50と信号処理部40とが、長方形の同一の基板(基板45)上に一体的に形成される。このため図19に示したf−f’方向に基板45が長い。言い換えると、基板45の長手方向に沿って高周波回路部50と信号処理部40とが配置される。
送信アンテナ部25および受信アンテナ部30からみて、図12、図13、図15〜図18に示したアンテナの放射パターン形状、すなわち、方位角方向175の指向性(4つのパッチアンテナ素子の配列方向の指向性)は、基板45がf−f’方向に長くなることで安定する。これにより約70度の10dBビーム幅を得ることができる。そのため、仰角方向の10dBビーム幅の指向性(約140度の10dBビーム幅)と比較して、明確な指向性の差を作り出すことができる。
第4の実施形態と同じく、第5の実施の形態でも、距離Lcにより定まる基板面内の領域を確保することができる。この領域に、ネジ穴198a,198bを形成したり、接続端子部であるコネクタ189を配置することができる。したがって、アンテナ特性を確保できるのみならず、基板45の取り付けおよび固定が容易になる。さらに、接続端子部(入出力インタフェース部)を基板面内に効率的に配置することができる。
さらに、基板45の短辺側の長さ(e−e’方向の長さ)を一定の長さに保つことができる。基板45をその短辺側に大きくしなくてもよいので、小型のマイクロ波装置を実現できる。したがってマイクロ波装置100aを家電製品(一例としてTVあるいはPC)の額縁等に搭載しやすくすることができる。
<第6の実施形態>
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、以下では実施形態5と相違するところについて、図21を参照して説明する。
図21は、第6の実施の形態に係るマイクロ波装置の構成を示した図である。図21に示すように、実施形態6では、マイクロ波装置100aは、アンテナおよび高周波回路部50が形成された高周波回路基板155(アンテナ基板に相当)と、信号処理回路基板156とを備える。
図21において、g−g’線は、高周波回路基板155の断面方向を示す線である。高周波回路基板155と、信号処理回路基板156とは、ピンヘッダ部190,191により接続される。ピンヘッダ部190,191は入出力インタフェースを兼用する。
2つの基板同士を物理的に安定して接続するため、図21に示すピンヘッダ部190,191のような接続部材を各基板の左右に2個配置することが従来から採用されている。とりわけ高周波回路基板155では、基板の両側に2個のピンヘッダ部を配置する必要がある。しかしこのために高周波回路基板155の面積が大きくなると、マイクロ波装置の大型化、高コスト化を招くことになる。
実施の形態6では、各種の回路209,240を含む信号処理部40を、高周波回路部50とは異なり、ガラスエポキシ基板(FR4)等の汎用基板上に構成することができる。マザーボード上に他の回路と一緒に信号処理部40を構成して、高周波回路部50のみを専用の基板に構成する。したがって、比誘電率が小さくかつ誘電正接の小さい高周波回路基板155を、信号処理回路基板156と、独立に構成することができる。実施の形態6によれば、高周波回路基板と信号処理回路基板とをそれぞれ最適化できるので、異種基板の接続によってマイクロ波装置の性能を高くすることができる。信号処理回路基板156は、たとえば、ネジ198によって所望の位置に固定される。
高周波回路基板155では、ピンヘッダ部190が基板の片側にのみ配置される、基板の別の片側は、樹脂製の取り付け部192により支えられる。取り付け部192は凹型樹脂部材であり、高周波回路基板155を窪みの部分に挟み込むことにより高周波回路基板155を支持している。
取り付け部192の窪みの高さを、ピンヘッダ部190,191の高さの合計と一致させることにより、高周波回路基板155が小型のまま、たとえば数mm〜6mm程度の空間(隙間)を空けて、高周波回路基板155と信号処理回路基板156とを縦方向に積み重ねることができる。樹脂製の取り付け部192は、信号処理回路基板156に形成された孔への挿入により信号処理回路基板156に固定されてもよく、接着剤等により信号処理回路基板156に固定されてもよい。数mm〜6mm程度の隙間により、高周波回路基板155は、その裏面に接地面、あるいは、接地面および信号配線が形成されていても、レジストで2つの基板の間を絶縁することなく、基板を縦積みすることができる。さらに、高周波回路基板155の裏面からの不要放射成分を、信号処理回路基板156あるいはマザーボード等により、グランド部に終端させることもできる。
さらに、送信アンテナ部および受信アンテナ部を4素子でなく、1素子で構成してもよい。これにより、高周波回路基板155をさらに小さくすることができる。
なお、本実施形態の変形例として、ピンヘッダ部191の代わりに、図19に示したコネクタ189およびネジ穴198a,198bを高周波回路基板155に適用してもよい。コネクタ189から、図示しない接続ケーブルを介して、別の場所に存在する信号処理回路基板156、あるいは、信号処理部40を構成したマザーボートと接続してもよい。このような構成であれば、スペースに余裕のないところに高周波回路基板155を配置することができる。したがって、実施形態7(以下を参照)で示すような人感・モーション・バイタルセンサーとして、マイクロ波装置を活用することが可能となる。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について説明する。本実施形態の説明では、実施形態6のマイクロ波装置100aを、温水トイレ洗浄便座設備250に搭載した例を示す。
図22に示すように、マイクロ波装置100aは、温水トイレ洗浄便座設備250の本体(便座)の樹脂内部に組み込まれる。図22に示すように、マイクロ波装置100aは、4素子の送信アンテナ部25および受信アンテナ部30を備え、f−f’方向が水平方向(方位角方向175)となるように、温水トイレ洗浄便座設備250の本体に搭載される。マイクロ波装置100aは樹脂部材で覆われているために、温水トイレ洗浄便座設備250の外からは見えないというメリットがある。マイクロ波装置100aの送信波Mtおよび受信波Mr(図1参照)であるマイクロ波は、本樹脂部材を透過する。マイクロ波装置100aはマイクロ波の送信および受信によりセンシングする。人が3m位先から温水トイレ洗浄便座設備250に近づいてくる際に、マイクロ波装置100aは、人の近づき(接近)動作をセンシングする。マイクロ波装置100aのセンシングにより、温水トイレ洗浄便座設備250自動的に温水便座の蓋を開く。接近動作は、マイクロ波装置100aのIQ振幅値の増加や、IQ位相の進み方から判定することもできる。
人が3mくらい先から温水トイレ洗浄便座設備250に近づく場合を考える。また、本構成でのアンテナビーム幅を10dBビーム幅とする。人の横幅が0.5m以下と小さいため、本構成では、水平方向の方位角方向175の角度は、角度が90度以下であることが好ましく、特に80度〜70度程度が好ましい。一方、大人の場合の身長は1.7m程度であることから、仰角方向176の指向性については、できるだけ角度が広いことが好ましい。しかし、天井あるいは床等に電波ビームが直接当たり難い角度であることが好ましい。このため、仰角方向176の指向性については、150度〜100度程度の指向性が好ましい。したがって、マイクロ波装置100aは、上記のように、方位角方向175に約70度〜80度程度、仰角方向176に130〜140度程度の指向性が得られるように搭載される。
なお、上記説明では、アンテナ特性のビーム幅を10dB幅とし、送信および受信電力がそれぞれ1/10になる角度範囲とした。マイクロ波装置100aは人に電波ビームを放射して、人から反射された電波ビームを受信することで、人が居るか居ないかを検出する。上記説明は、このようなマイクロ波装置100aの特性を実現することが可能な電波の指向性の範囲を示したものである。
以上のように、マイクロ波装置100aを温水トイレ洗浄便座設備250に取り付けて、方位角方向と仰角方向の指向性を絞ることによって、誤検知を少なくして、より確実に、人のセンシングが可能となる。とりわけ、方位角方向の指向性を絞り込むことによって、公衆トイレ等に、上記の温水トイレ洗浄便座設備250を複数台設置した場合でも、周囲への電波の影響、あるいは周囲からの電波の影響を軽減することができる。
加えて、この実施の形態では、マイクロ波装置100aは、人が便座に着座している状態あるいは立っている状態における、人の体動をモニターすることができる。人が便座から離れた場合に、温水トイレ洗浄便座設備250は蓋256を閉めることができる。この場合は、体動IQ振幅値の減少あるいはIQ位相の反転(接近の場合とは逆位相)により、マイクロ波装置100aは、人が便座から離れたことを判定することができる。加えて本便器に人が着座状態で、温水トイレ洗浄便座設備250の本体部に設置されたマイクロ波装置100aにより、被験者の腰の部から心拍あるいは呼吸成分を抽出することも可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、マイクロ波およびミリ波等の高周波を用いる通信装置およびレーダ装置等に利用することができる。特に、本発明は移動体検知用センサ、生体センサ及び人感センサに有用である。
21,1610 発振回路、22A,22B 増幅器、25 送信アンテナ部、30 受信アンテナ部、32I,32Q ミキサ、33 フィルタ回路部、38 90度移相器、40 信号処理部、41 フィルタ部、42 マイクロコントローラユニット部、45a,45b,300 基板、49,54,154 ビアホール、50,99,199 高周波回路部、50a,50b 周辺回路部、51,51a コンパレータ、52,52a,52b 部品、53 電源IC、55,66,303,366 接地面、56 マイクロコンピュータ、57 出力コネクタ、59 発振部制御用部品、60 アンテナパッチ素子部、60a パッチ辺、60b,60c 辺、61,61b,82 マイクロストリップ線路、63,198a,198b ネジ穴、67 配線パターン、68,145b,301 第2の面、69,145a,302 第1の面、70,70b,72 配線部、71 スルーホール線路、75 ウイルキンソン型電力分配器、77 吸収抵抗、81 グランドコプレーナ線路、85 レジスト部、100a,100b マイクロ波装置、101 高周波回路ブロック、110,175 方位角方向、110a,111a 指向特性パターン、111,176 仰角方向、113,114 指向性ピーク、115 送受信アンテナ部、116 回路部、120 ブランチラインデバイダ(ブランチラインカプラ)、121 給電端子、122 送信側端子、123 受信側端子、124 端子、125 送受信アンテナ部、145 アンテナ評価基板、150 マイクロ波ドップラセンサ、155 高周波回路基板、156 信号処理回路基板、170,170c,170d 正面方向、171 終端抵抗、171c,171d ピーク方向、175a,175b 曲線、189 コネクタ、190,191 ピンヘッダ部、192 取り付け部、198,3000 ネジ、200 制御基板、209,240 回路、250 温水トイレ洗浄便座設備、256 蓋、260 便座部、354 第2のビアホール、400 平面パッチアンテナ装置、410 アンテナ基板、420 アンテナパッチ電極、438 アース電極、440,490 スルーホール、440a,490a スルーホール導体、450 回路基板、460 回路パターン、Dbi,Dbq ベースバンド信号、Dr,Dri,Drq,Dt,Dti,Dtq 信号、L1,L2 距離、Mr,Mt マイクロ波、a1,a2 直線。

Claims (12)

  1. 第1の面および第2の面を有する第1の基板と、
    前記第1の面に設けられた送信アンテナ部と、
    前記第1の面に設けられた受信アンテナ部と、
    前記第1の面に設けられ、前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備え、前記高周波回路部は、前記送信アンテナ部と前記受信アンテナ部との間に配置されて、第1の接地面、回路部品および線路を含み、
    前記第1の基板の前記第2の面に、前記送信アンテナ部、前記受信アンテナ部および前記高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、
    前記高周波回路部の前記第1の接地面と前記第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備え、
    前記第1の接地面、前記第2の接地面および前記ビアホールによって、前記送信アンテナ部、前記受信アンテナ部、および前記高周波回路部に共通の接地面が構成された、マイクロ波装置。
  2. 第1の面および第2の面を有する第1の基板と、
    前記第1の面に設けられ、送信アンテナ部と受信アンテナ部とが共用化され、給電部を有する送受信アンテナ部と、
    前記送受信アンテナ部と並べて前記第1の面に設けられ、前記送受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備え、前記高周波回路部は、第1の接地面、回路部品、線路、送信端子および受信端子を含み、
    前記送受信アンテナ部の前記給電部と、前記高周波回路部の前記送信端子および前記受信端子とは、端子間アイソレーションを備えた電力分配器、または方向性を具備した2分岐型結合器により接続され、
    前記第1の基板の前記第2の面に、前記送受信アンテナ部および前記高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、
    前記高周波回路部の前記第1の接地面と前記第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備え、
    前記第1の接地面、前記第2の接地面および前記ビアホールによって、前記送受信アンテナ部、および前記高周波回路部に共通の接地面が構成された、マイクロ波装置。
  3. 前記第1の基板の前記第2の接地面は、第2の基板の接地面および、前記第1の基板および前記第2の基板の金属部以外の他の金属部に電気的に接続され、
    前記第2の基板の前記接地面および前記他の金属部は、前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部、または共用化された前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部の接地面であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
  4. 前記高周波回路部の高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路およびグランドコプレーナ線路によって構成され、
    前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部、または前記共用化された前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部の給電線路は、マイクロストリップ線路で構成され、
    前記高周波回路部の一部は、グランドコプレーナ線路を含み、
    前記高周波回路部は、前記マイクロストリップ線路と前記グランドコプレーナ線路とを変換する変換部を含み、
    前記第1の基板の前記第2の面において、前記接地面の一部が除去されて、前記接地面の除去された領域に前記高周波回路部のための信号配線が形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
  5. 前記第1の基板は、比誘電率が4以上の基板である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
  6. 第1の面および第2の面を有する第1の基板と、
    前記第1の面に設けられた送信アンテナ部と、
    前記第1の面に設けられた受信アンテナ部と、
    前記第1の面に設けられ、前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部に接続された高周波回路部とを備え、前記高周波回路部は、前記送信アンテナ部と前記受信アンテナ部との間に配置されて、第1の接地面、回路部品および線路を含み、
    前記送信アンテナ部と前記受信アンテナ部とは、それぞれの給電点の間隔が0.7λ〜2λ(λは空気中でのマイクロ波の波長を表す)となるように構成され、
    前記第1の基板の前記第2の面に、前記送信アンテナ部、前記受信アンテナ部および前記高周波回路部に共通して設けられた第2の接地面と、
    前記高周波回路部の前記第1の接地面と前記第2の接地面とを接続するビアホールとをさらに備え、
    前記第1の接地面、前記第2の接地面および前記ビアホールによって、前記送信アンテナ部、前記受信アンテナ部、および前記高周波回路部に共通の接地面が構成された、マイクロ波装置。
  7. 前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部の各々は、マイクロストリップ・パッチアンテナを含み、
    前記マイクロストリップ・パッチアンテナは、給電部の辺に直交し、かつ、前記第1の基板の端部に近い第1の辺を有し、前記第1の辺は、前記第1の基板の前記第2の面の端部にある接地導体から、λ/60以上、離間されている、請求項6に記載のマイクロ波装置。
  8. 前記送信アンテナ部および前記受信アンテナ部の各々は、複数のマイクロストリップ・パッチアンテナを含み、
    前記複数のマイクロストリップ・パッチアンテナは、給電部の方向に一列に配列されてアレイアンテナを構成する、請求項6または請求項7に記載のマイクロ波装置。
  9. 前記複数のマイクロストリップ・パッチアンテナのうち、前記第1の基板の端部に最も近いパッチアンテナにおいて、前記給電部の反対側に位置する第2の辺が、前記第1の基板の前記第2の面の端部にある接地導体の端部から、1/5λ以上、離間されている、請求項8に記載のマイクロ波装置。
  10. 前記第1の基板は、前記マイクロストリップ・パッチアンテナの給電部と反対側に位置するパッチアンテナの辺の側に、領域を有し、
    前記領域には、前記第1の基板を固定するためのネジが挿入される貫通孔が形成される、または前記領域には、接続端子部が配置される、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
  11. 前記マイクロ波装置は、前記第1の基板の前記第1の面に配置された信号処理回路をさらに備え、
    前記高周波回路部および前記信号処理回路は、前記第1の基板の前記第1の面の長手方向に沿って配置される、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
  12. 前記マイクロ波装置は、
    前記高周波回路部によって低周波数に変換された信号を処理する信号処理回路部と、
    前記信号処理回路部が配置された第2の基板と、
    前記第2の基板に設けられて、前記第1の基板と前記第2の基板とが縦方向に積み重なるように前記第1の基板を支持する、樹脂製の取付け台と、
    前記高周波回路部と前記信号処理回路部とを電気的に接続するピンとを備える、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のマイクロ波装置。
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