JP6660275B2 - 吸収式冷凍機の能力診断システム及び能力診断方法 - Google Patents

吸収式冷凍機の能力診断システム及び能力診断方法 Download PDF

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本発明は、吸収式冷凍機の能力診断システム及び能力診断方法に関するものである。
各種工場やビル等、比較的大規模な空間を冷房するための装置として、吸収式冷凍機が用いられている。一般に、冷凍機は、求められる冷房負荷によって冷房出力を制御しており、7、8月の盛夏期は出力が大きく、5、10月等の中間期は出力が小さくなる。定格の冷凍能力と比較して冷凍機の出力が小さい場合、すなわち冷房出力が低下している場合に、冷房負荷が小さいのか、冷凍機の異常なのか、を診断する必要がある。
特許文献1には、吸収式冷温水機の吸収器の異常度を計算する異常検出装置の例として、四則演算によって定義される簡易な計算式を用いて実際の平均温度差を算出し、吸収器での熱交換量を計算し、その熱交換量に基づいて、実際の平均温度差を同一熱交換量における理想的な平均温度差と対比するものが記載されている。
特開平08−029028号公報
特許文献1に記載の装置によれば、吸収器と蒸発器の異常度を求めることができるが、冷凍機の中側の異常なのか、冷水や冷却水配管等の冷凍機に付随する設備の異常なのか、が診断できない、という課題があった。また、冷凍出力が小さい場合には、誤差が大きくなるおそれがある。
そこで、本発明は、吸収式冷凍機の冷凍出力が低下した場合に、冷凍出力が低い状態でも能力診断を可能とすることを目的とする。
本発明は、吸収器と、蒸発器と、再生器と、凝縮器と、再生器を加熱する加熱源と、を備え、蒸発器で冷却される冷水と、吸収器及び凝縮器のうち少なくともいずれか一方で発生する熱を除去する冷却水と、を用いる、吸収式冷凍機の能力を診断するシステムにおいて、冷水の入口温度と出口温度との差を用いて冷凍出力を算出し、所定の温度差と冷凍出力との比を算出する演算装置を有し、上記の比を用いて冷凍能力を診断する。
本発明によれば、吸収式冷凍機の冷凍出力が低下した場合に、冷凍出力が低い状態でも能力診断を可能とすることができる。
実施例1の吸収式冷凍機における計測センサーの配置を示す構成図である。 実施例1の吸収式冷凍機の能力診断システムを示す構成図である。 冷凍出力と、冷水出口温度と冷水出口設定温度との差の関係を示すグラフである。 冷凍出力と温度制御指数Aとの関係を示すグラフである。 冷凍出力と凝縮器劣化指数Cとの関係を示すグラフである。 冷凍出力と蒸発器劣化指数Dとの関係を示すグラフである。 実施例1の冷凍能力の診断工程を示すフロー図である。 データ等の表示装置における第一の表示画面の例である。 データ等の表示装置における第二の表示画面の例である。 実施例2の吸収式冷凍機における計測センサーの配置を示す構成図である。 実施例3の吸収式冷凍機の能力診断システムを示す構成図である。
本発明は、吸収式冷凍機の冷凍出力が低下した場合に、その原因を診断する技術に関するものであり、冷凍出力が低い状態でも能力診断が可能とすることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明においては、冷水の入口温度と出口温度との差を用いて冷凍出力を算出し、所定の温度差と冷凍出力との比を算出する。上記の温度差は、冷水若しくは冷却水の作用、言い換えると、冷水若しくは冷却水が吸収式冷凍機において熱交換をする場合における効率により影響を受ける。また、上記の温度差は、再生器の加熱源の作用、言い換えると、再生器と加熱源との熱交換効率や、加熱源が燃料を使用するものである場合は加熱源の燃焼効率により影響を受ける。さらに、吸収器、蒸発器、再生器若しくは凝縮器の内部に混入した不凝縮性ガスに影響される。
ここで、不凝縮性ガスは、減圧状態に保たれた吸収器、蒸発器、再生器、凝縮器等に徐々に漏れ込む空気や、吸収器、蒸発器、再生器、凝縮器等の内部における化学反応等により発生するガスであり、吸収式冷凍機に付設された抽気装置によって外部に排出されるようになっている。しかし、抽気装置の不具合等により、不凝縮性ガスが内部に蓄積された結果、冷媒である水蒸気の移動に支障をきたす場合がある。
さらに、上記の温度差としては、冷水の出口温度と冷水出口設定温度との差、冷却水の出口温度と入口温度との差、凝縮器における凝縮温度と冷却水の出口温度との差、及び蒸発器における蒸発温度と冷水の出口温度との差のうちいずれか一つ以上を用いることが望ましい。これにより、冷房負荷が小さいのか、吸収式冷凍機の異常なのか、を診断でき、吸収式冷凍機の異常の場合には、どこで異常が発生しているのか診断できるようになる。
以上をまとめると、吸収式冷凍機として問題となる現象としては、主として、冷却水配管の汚れ(スケールやスライム等)、冷水配管の汚れ(スケール等)、上記のような加熱源の不具合(作用の低下)、及び真空度の低下の4つが考えられる。このほか、冷却水配管、冷水配管等の孔あきなども考えられる。真空度の低下の原因としては、吸収液等における化学反応、吸収器や再生器の容器の孔あき、吸収器と再生器とを接続する配管等の減圧系の配管における孔あきなどが考えられる。
以下、実施例について図面を用いて説明する。
まず、吸収式冷凍機の動作原理について説明する。
図1は、本実施例の吸収式冷凍機に能力診断システムを適用した場合における計測センサーの配置を示す構成図である。
吸収式冷凍機は、主に蒸発器40、吸収器41、再生器42及び凝縮器43で構成され、吸収液として臭化リチウム水溶液、冷媒として水を用いている。
蒸発器40の内部は、真空に保たれており、水が約4℃で沸騰して蒸発する。水が蒸発する時に熱を奪うため、冷水配管101内の水が冷やされる。水蒸気となった水は、吸収器41で臭化リチウム水溶液に吸収され、液体の水に戻る。臭化リチウム水溶液は、温度が低いほど蒸気を吸収しやすいため、吸収器41内では、冷却水配管102に冷却水を流し、これにより臭化リチウム水溶液を冷却している。
再生器42では、冷媒である水を吸収して濃度が低下した臭化リチウム水溶液を加熱して溶液中の水分を蒸発させて溶液を濃縮する。この加熱源には、都市ガス、プロパンガス、重油、排ガス、温水等を用いる。再生器42で蒸発した水分は、凝縮器43に流れ、凝縮器42内で冷却水配管103を流れる冷却水との熱交換により凝縮されて、液体の水に戻る。凝縮した水は、蒸発器40内に送られ、再び蒸発器40内で蒸発する。吸収式冷凍機は、以上のようなサイクルを繰り返している。
冷水配管101は、空調機(室内機)に接続されており、冷却水配管102、103は、図示していない冷却塔等に接続されている。図1では、一例として単効用の吸収式冷凍機の場合の図を示したが、二重効用や三重効用の吸収式冷凍機などの多重効用吸収式冷凍機にも本発明を適用することができる。
なお、計測センサーとしては、冷水入口温度センサー4、冷水出口温度センサー5、冷水流量センサー6、冷却水入口温度センサー7、冷却水出口温度センサー8、冷却水流量センサー106、凝縮温度センサー9a及び蒸発温度センサー10aが各所に設けられている。
図2は、本実施例の吸収式冷凍機の能力診断システムを示す構成図である。
図2において、能力診断システムは、計測部1及び演算装置2を備えている。計測部1は、各所に設置されているセンサーのデータを蓄積する機能を有する。図1に示す吸収式冷凍機の場合は、冷水入口温度センサー4、冷水出口温度センサー5、冷水流量センサー6、冷却水入口温度センサー7、冷却水出口温度センサー8、凝縮温度センサー9a及び蒸発温度センサー10aの計測値はそれぞれ、図2における冷水入口温度204、冷水出口温度205、冷水流量206、冷却水入口温度207、冷却水出口温度208、凝縮温度209及び蒸発温度210のデータとして記録される。
演算装置2は、冷凍能力計算部21、温度制御指数計算部22、性能指数計算部23、凝縮器劣化指数計算部24、蒸発器劣化指数計算部25及び異常判定部26を備えている。冷水出口設定温度11は、温度制御指数計算部22における計算に用いられる。
計測部1の各種計測値は、演算装置2に送られ、各種指数の算出に用いられる。そして、異常判定部26において正常値20との比較により判定され、その結果が表示装置3に出力される。
吸収式冷凍機の異常は、温度制御指数A、性能指数B、凝縮器劣化指数C及び蒸発器劣化指数Dの4つの指数を用いて診断される。それぞれの算出方法について、以下に記述する。
温度制御指数Aは、下記計算式(1)により算出することができる。
Figure 0006660275
式中、Rは冷凍出力、Ta_outは冷水出口温度、Ta_setは冷水出口設定温度である。
吸収式冷凍機の性能が低下すると、冷水出口温度Ta_outは冷水出口設定温度Ta_setよりも高くなるため、吸収式冷凍機の異常を診断できる。
ここで、冷凍出力Rは、下記計算式(2)により算出することができる。
Figure 0006660275
式中、Vは冷水流量、Cは冷水比熱、ρは冷水密度、Ta_inは冷水入口温度、Ta_outは冷水出口温度である。なお、ここで用いる冷水比熱C及び冷水密度ρの基準となる温度は、冷水入口温度Ta_inの他に、冷水出口温度Ta_out、冷水出口設定温度Ta_set、冷水入口温度Ta_inと冷水出口温度Ta_outとの平均値や、予め設定した一定の温度等を用いることができる。冷水の温度は、比較的狭い範囲にあるため、このような基準温度を用いることができる。
また、冷凍出力Rは、上記計算式(2)に限らず、下記計算式(3)〜(6)により算出してもよい。
Figure 0006660275
Figure 0006660275
Figure 0006660275
Figure 0006660275
また、温度制御指数Aを算出する際、下記計算式(7)に示すように、定数αをかけてもよい。
Figure 0006660275
ここで、αは、正常値と計測値との比較を見やすくするための定数であり、1でもよい。定数αの値をAが1程度となるような値とすると、正常時に対する異常の度合いが比較しやすくなる。比較する正常時の値としては、吸収式冷凍機のカタログ値や出荷前検査時の値を用いるとよい。
図3Aは、吸収式冷凍機に異常が生じ、冷水出口温度がその設定温度からずれた場合のデータを示したものである。冷水出口設定温度Ta_setが7℃の場合に、冷水出口温度Ta_outが最大で8.5℃に上昇した場合である。縦軸に(Ta_out−Ta_set)、横軸に冷凍出力Rをとっている。
本図から、冷凍出力Rが低い領域では、正常値と異常時の計測値の差が小さく、正常か異常かの診断がしにくいことがわかる。
図3Bは、図3Aのデータから温度制御指数Aを算出して示したものである。ここでは、上記計算式(7)の定数αを1000としている。縦軸に温度制御指数A、横軸に冷凍出力Rをとっている。
図3Bから、冷凍出力Rによらず、温度制御指数Aが一定値となることがわかる。よって、温度制御指数Aを用いることにより、冷凍出力Rが低い領域においても、正常か異常かの診断がしやすくなる。本図のように、定数αの値を1000とした場合には、例えば計測値が1を超える場合に異常と診断する。
性能指数Bは、下記計算式(8)により算出する。
Figure 0006660275
式中、Tco_inは冷却水入口温度、Tco_outは冷却水出口温度、βは定数である。ここで、定数βは、正常値と計測値の比較を見やすくするための定数であり、1でもよい。
吸収式冷凍機の減圧領域における性能が低下すると、冷却水への放熱量が増加するため、正常値と比較して性能指数Bの値は小さくなる。一方で、吸収式冷凍機の減圧領域における性能は維持されているが冷却水配管内部が汚れて伝熱性能が低下した場合には、冷却水出口温度が低下するため、性能指数Bの値は正常値と比較して大きくなる。
凝縮器劣化指数Cは、下記計算式(9)により算出する。
Figure 0006660275
式中、Tcondは凝縮温度、Tco_outは冷却水出口温度、γは定数である。γは、正常値と計測値の比較を見やすくするための定数であり、1でもよい。
冷却水配管の内部が汚れると、(Tcond−Tco_out)の値が増加するため、凝縮器劣化指数Cの値は正常値と比較して大きくなる。
図4は、凝縮器劣化指数Cについて、正常値と、凝縮器内部の冷媒と冷却水配管内部の水との熱交換性能が約20%低下した場合の値と、を示したものである。縦軸に凝縮器劣化指数C、横軸に冷凍出力Rをとっている。
本図から、冷凍出力Rによらず、凝縮器劣化指数Cが一定値となることがわかる。よって、凝縮器劣化指数Cを用いることにより、冷凍出力Rが低い領域においても、正常か異常かの診断がしやすくなる。例えば、正常値と比較して1.5倍以上の値となった場合を異常値として診断する。
蒸発器劣化指数Dは、下記計算式(10)により算出する。
Figure 0006660275
式中、Tevaは蒸発温度、Ta_outは冷水出口温度である。δは、正常値と計測値との比較を見やすくするための定数であり、1でもよい。冷水配管が汚れると、(Ta_out−Teva)の値が増加するため、蒸発器劣化指数Dの値は正常値と比較して大きくなる。
図5は、蒸発器劣化指数Dについて、正常値と、蒸発器内部の冷媒と冷水配管内部の水との熱交換性能が約20%低下した場合の値と、を示したものである。縦軸に蒸発器劣化指数D、横軸に冷凍出力Rをとっている。
本図から、冷凍出力Rによらず、蒸発器劣化指数Dが一定値となることがわかる。よって、蒸発器劣化指数Dを用いることにより、冷凍出力Rが低い領域においても、正常か異常かの診断がしやすくなる。例えば、正常値と比較して1.5倍以上の値となった場合を異常値として診断する。
冷凍出力が低下した場合に、冷房負荷が小さいのか、吸収式冷凍機の異常なのかを診断する方法について、以下に述べる。
図6は、吸収式冷凍機の能力診断方法を示すフロー図である。
本図においては、温度制御指数A、性能指数B、凝縮器劣化指数C及び蒸発器劣化指数Dの4つの指数を算出し、段階的に判別する。
まず、計算結果を入力する。
温度制御指数Aが増加しているかを判別する(S101)。Aが正常値の範囲を超えて増加している場合は、吸収式冷凍機で異常が生じている、と判定する。温度制御指数Aが増加していない場合は、次のステップS102に進む。
S102では、性能指数Bが増加しているかを判別する。Bが正常値の範囲を超えて増加している場合は、冷却水系統で異常が生じている、と判定する。性能指数Bが増加していない場合は、次のステップS103に進む。
S103では、性能指数Bが減少しているかを判別する。Bが正常値の範囲を超えて減少している場合は、吸収式冷凍機で異常が生じている、と判定する。性能指数Bが減少していない場合は、次のステップS104に進む。
S104では、凝縮器劣化指数Cが増加しているかを判別する。Cが正常値の範囲を超えて増加している場合は、冷却水系統で異常が生じている、と判定する。凝縮器劣化指数Cが増加していない場合は、次のステップS105に進む。
S105では、蒸発器劣化指数Dが増加しているかを判別する。Dが正常値の範囲を超えて増加している場合は、冷水系統で異常が生じている、と判定する。蒸発器劣化指数Dが増加していない場合は、正常運転中である、と判定する。
温度制御指数Aが正常値の範囲内で、性能指数Bも正常値の範囲内であれば、吸収式冷凍機側に異常は無いと診断する。この場合に、凝縮器劣化指数Cが増加していれば、冷却水系統の異常と診断する。また、蒸発器劣化指数が増加していれば、冷水系統の異常と診断する。冷却水系統の異常の主な原因は、配管内のスケール生成やスライム発生等の汚れである。
温度制御指数Aが正常値の範囲内で、性能指数Bが減少した場合は、吸収式冷凍機の異常と診断する。冷房負荷が小さい場合においては、吸収式冷凍機に異常が発生していたとしても冷水出口温度は設定値どおりの値となるため、温度制御指数Aと性能指数Bを組み合わせて診断することは有効である。
温度制御指数Aが正常値の範囲内で、性能指数Bが増加した場合には、冷却水系統の異常と診断する。
温度制御指数Aが増加した場合に、蒸発器劣化指数Dが増加している場合は、冷水系統の異常と診断する。温度制御指数Aが増加した場合に、蒸発器劣化指数が正常値の範囲内であれば、吸収式冷凍機の異常と診断する。この場合は蒸発器内部で異常が発生している可能性が高く、蒸発器の真空度が悪化している可能性が高い。
性能指数Bの値が減少した場合に、凝縮器劣化指数Cが増加している場合は、冷却水系統の異常と診断する。性能指数Bの値が減少した場合に、蒸発器劣化指数Cが正常値の範囲内であれば、吸収式冷凍機の異常と診断する。この場合は、吸収器内部や再生器等で異常が発生している可能性が高い。
なお、判別の順序は、上記のフローに限定されるものではなく、例えば、異常が生じる可能性が高い現象を予測して、可能性が高い順に判別してもよい。
図7Aは、図2の表示装置3における第一の表示画面の例を示したものである。
本図においては、冷凍出力、冷水出口温度及び冷却水出口温度の定格値及び現在値、並びに吸収式冷凍機の状態を表示した画面を示している。冷凍出力は定格値より若干低めであるが、冷水出口温度及び冷却水出口温度は正常値の範囲であり、「正常運転中です。」という表示が出ている。
表示するメッセージは、冷却水系統で異常が発生している場合は、「冷却水系統で異常が発生しています」の他に「冷却水配管を洗浄して下さい」といった具体的な内容でもよく、その場合は、次の作業内容が分かりやすくなる。
図7Bは、図2の表示装置3における第二の表示画面の例を示したものである。
本図においては、温度制御指数A、性能指数B、凝縮器劣化指数C及び蒸発器劣化指数Dの現在値、これらの指数を算出するための定数の値、各指数の経時変化を示すグラフが表示されている。温度制御指数Aの定数αや性能指数Bの定数βは、画面上で所望の数値を入力することができるようになっている。定数を変更すると計算結果が変わってしまうことから、第二以降の画面には、パスワード等をかけて、見られる人を制限するとよい。
表示画面には、画面保護のスクリーンセーバー時等の消灯時を除き、常に表示される第一の表示画面と、第一の表示画面から切り替えて表示する第二の表示画面等の複数の画面と、がある。
第一の表示画面には、上述のような吸収式冷凍機の性能に関わる最低限の情報を表示し、第二の表示画面等に、凝縮温度や蒸発温度等の具体的な計測値や、温度制御指数A、性能指数B、凝縮器劣化指数C、蒸発器劣化指数D等の情報を表示する。数値の他に、一日の経時変化のグラフ等を表示すると吸収式冷凍機の状態変化がわかりやすい。また、時間毎ではなく、日毎や月毎の変化の値を表示してもよい。なお、表示する内容は、表示画面の大きさや、演算装置の処理能力に応じて、適宜変更する。
また、第一の画面が十分に大きい場合には、凝縮温度や蒸発温度等の具体的な計測値や、温度制御指数A、性能指数B、凝縮器劣化指数C、蒸発器劣化指数D等の情報を第一の画面に表示し、画面を切り替えずに第一の画面のみを用いてもよい。第一の画面のみの場合には、定数αや定数βの値等は、予め演算装置2のメモリ内に保存しておく。
本実施例によれば、冷凍出力が低下した場合に、冷房負荷が小さいのか、吸収式冷凍機の異常なのか、を診断できる吸収式冷凍機の能力診断システムを実現することができる。
本実施例においては、吸収式冷凍機に用いる冷却水の流量の算出に際し、流量計の代わりに圧力計を用いている。
図8は、本実施例の吸収式冷凍機における計測センサーの配置を示す構成図である。
図8については、図1と同様の構成についての説明は省略する。
図8においては、冷水配管101に冷水入口圧力センサー50及び冷水出口圧力センサー51、冷却水配管102の上流側に冷却水入口圧力センサー52、冷却水配管103の下流側に冷却水出口圧力センサー53が設置されている。また、凝縮器43の底部または出口配管に凝縮器出口温度センサー9b、蒸発器40に蒸発器出口温度センサー10bが設置されている。
流量計は、圧力計と比較して高価であり、設置する配管の太さに制限がある。このため、圧力計を用いると、流量計測に係るコストを低減できる。なお、凝縮器内部と蒸発器内部は真空であることから、簡便に温度を測定するために、凝縮温度を凝縮器の出口温度(凝縮温度センサー9bにて測定)、蒸発温度を蒸発器の出口温度(蒸発温度センサー10bにて測定)で代用してもよい。実施例1の場合においても、圧力計を用いて流量計測を行ってもよい。凝縮温度と蒸発温度をそれぞれの出口温度で代用してもよい。
圧力計を用いて流量を計測する場合は、まず、吸収式冷凍機が動作していない場合の圧力を計測し、冷水入口圧力Pa_in,noと冷水出口圧力Pa_out,noとの差圧ΔPa,noをとり、吸収式冷凍機が動作している場合の冷水入口圧力Pa_in,opと冷水出口圧力Pa_out,opとの差圧ΔPa,opを計測し、差圧ΔPa,opから差圧ΔPa,noを引いて、冷水系統の差圧ΔPを算出する。吸収式冷凍機が動作していない場合の差圧ΔPa,noを差圧ΔPa,opから引くことにより、圧力センサーの設置高さによる計測誤差を排除できる。冷水流量Vは、下記計算式(11)により算出する。
Figure 0006660275
式中、Va,deは設計値の冷水流量、ΔPa,deは設計値の差圧である。
冷却水の流量Vcoも、冷水流量Vと同様にして、冷却水入口と冷却水出口の差圧から求める。
流量が変化しないことが予め判明している箇所や、流量計測のためのセンサーの設置が難しい場合には、冷凍出力や各種指数の算出に、装置設置時の流量の値を用い、流量を常時計測しなくても構わない。流量を常時計測しないことにより、電気代やデータのメモリを削減できる。
さらに、能力評価指数Eの算出方法について述べる。
能力評価指数Eは、下記計算式(12)により算出される。
Figure 0006660275
式中、Rinは、入熱量であり、下記計算式(13)により算出される。
Figure 0006660275
式中、Rは放熱量であり、下記計算式(14)により算出される。
Figure 0006660275
式中、Vcoは冷却水の流量、Ccoは冷却水の比熱、ρcoは冷却水の密度、Tco_inは冷却水入口温度、Tco_outは冷却水出口温度である。Cco及びρcoは、冷却水入口温度Tco_inの値の他に、冷却水出口温度Tco_out、冷却水出口設定温度Tco_set、又は冷却水入口温度Tco_inと冷却水出口温度Tco_outとの平均値における値を用いてもよく、予め設定した定数等を用いることもできる。
また、放熱量Rは、上記計算式(14)に限らず、下記計算式(15)〜(18)により算出することも可能である。
Figure 0006660275
Figure 0006660275
Figure 0006660275
Figure 0006660275
能力評価指数Eを用いた吸収式冷凍機の診断方法について記載する。
冷凍出力が低い場合に、能力評価指数Eが正常値の範囲内であれば、吸収式冷凍機の性能は維持されていると診断できる。能力評価指数Eが低く、凝縮器劣化指数Cの値が増加している場合は、冷却水系統で異常が発生している可能性が高い。能力評価指数Eが低く、凝縮器劣化指数Cが正常値の範囲内である場合には、吸収式冷凍機内部で異常が発生していると診断できる。
図9は、本実施例の吸収式冷凍機の能力診断システムを示したものである。
本図において図2と異なる点は、異常判定部26と表示装置3との間にネットワーク60を設けた点である。ネットワーク60は、インターネットや携帯電話等である。このように、ネットワーク60を介して吸収式冷凍機と表示装置3とを接続することにより、吸収式冷凍機の遠隔地においても吸収式冷凍機の状態を把握することができる。計測部1と演算装置2との間にネットワークを接続してもよい。また、演算装置2で計算した結果を吸収式冷凍機の近くに設置した表示装置に送って表示してもよい。吸収式冷凍機から離れた場所に演算装置2を設置することにより、利用できるCPUやメモリの制限が無くなるため、高速に演算可能となる。また、記憶容量も大きくできるため、数十年分の計測データや演算結果を保持することが可能となる。
なお、吸収式冷凍機の能力診断方法については、実施例1又は実施例2と同様に行う。
1:計測部、2:演算装置、3:表示装置、4:冷水入口温度センサー、5:冷水出口温度センサー、6:冷水流量センサー、7:冷却水入口温度センサー、8:冷却水出口温度センサー、9a:凝縮温度センサー、9b:凝縮器出口温度センサー、10a:蒸発温度センサー、10b:蒸発器出口温度センサー、11:冷水出口設定温度、20:正常値、21:冷凍能力計算部、22:温度制御指数計算部、23:性能指数計算部、24:凝縮器劣化指数計算部、25:蒸発器劣化指数計算部、26:異常判定部、40:蒸発器、41:吸収器、42:再生器、43:蒸発器、50:冷水入口圧力センサー、51:冷水出口圧力センサー、52:冷却水入口圧力センサー、53:冷却水出口圧力センサー、60:ネットワーク、101:冷水配管、102、103:冷却水配管、106:冷却水流量センサー。

Claims (7)

  1. 吸収器と、蒸発器と、再生器と、凝縮器と、前記再生器を加熱する加熱源と、を備え、前記蒸発器で冷却される冷水と、前記吸収器及び前記凝縮器のうち少なくともいずれか一方で発生する熱を除去する冷却水と、を用いる、吸収式冷凍機の能力を診断するシステムにおいて、
    前記冷水の入口温度と出口温度との差を用いて冷凍出力を算出し、所定の温度差と前記冷凍出力との比を算出する演算装置を有し、前記比を用いて冷凍能力を診断
    前記温度差としては、前記冷水の出口温度と冷水出口設定温度との差、前記冷却水の出口温度と入口温度との差、前記凝縮器における凝縮温度と前記冷却水の出口温度との差、及び前記蒸発器における蒸発温度と前記冷水の出口温度との差を用い、これらの差を用いて算出される前記比のそれぞれについて段階的に判別する、吸収式冷凍機の能力診断システム。
  2. 請求項1記載の吸収式冷凍機の能力診断システムにおいて、
    前記温度差と前記冷凍出力との比は、あらかじめ設定した正常値と比較することにより判定をする、吸収式冷凍機の能力診断システム。
  3. 請求項1記載の吸収式冷凍機の能力診断システムにおいて、
    前記冷水又は前記冷却水の流量又は圧力を計測するセンサーを有する、吸収式冷凍機の能力診断システム。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機の能力診断システムにおいて、
    さらに、前記演算装置に接続された表示装置を有し、
    前記吸収式冷凍機の状態の集中管理又は遠隔管理を可能とした、吸収式冷凍機の能力診断システム。
  5. 吸収器と、蒸発器と、再生器と、凝縮器と、前記再生器を加熱する加熱源と、を備え、前記蒸発器で冷却される冷水と、前記吸収器及び前記凝縮器のうち少なくともいずれか一方で発生する熱を除去する冷却水と、を用いる、吸収式冷凍機の能力を診断する方法において、
    前記冷水の入口温度と出口温度との差を用いて冷凍出力を算出し、所定の温度差と前記冷凍出力との比を算出する工程を有し、前記比を用いて冷凍能力を診断
    前記温度差としては、前記冷水の出口温度と冷水出口設定温度との差、前記冷却水の出口温度と入口温度との差、前記凝縮器における凝縮温度と前記冷却水の出口温度との差、及び前記蒸発器における蒸発温度と前記冷水の出口温度との差を用い、これらの差を用いて算出される前記比のそれぞれについて段階的に判別する、吸収式冷凍機の能力診断方法。
  6. 請求項記載の吸収式冷凍機の能力診断方法において、
    前記温度差と前記冷凍出力との比は、あらかじめ設定した正常値と比較することにより判定をする、吸収式冷凍機の能力診断方法。
  7. 請求項5又は6に記載の吸収式冷凍機の能力診断方法において、
    前記冷水又は前記冷却水の流量又は圧力を計測する、吸収式冷凍機の能力診断方法。
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