JP6659337B2 - 成形ロール組合体およびこれを備えたロール成形装置 - Google Patents

成形ロール組合体およびこれを備えたロール成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、成形ロール組合体に係り、特に、長さ方向の部位によって板厚が異なる長尺材料を所定の断面形状に成形して差厚部材とするための、成形ロール組合体及びロール成形装置に関する。
差厚部材は、例えば、航空機の胴体パネルの補強用部材として用いられる。図6は、差厚部材の断面形状を示す図である。図中の寸法A、Bは、組み立て加工(パネルやフレーム)の際の取り付けの関係から、各部位の板厚に関係無く、常に一定の寸法にしなくてはならない。特に、図7に示すような長尺の差厚部材に成形する場合でも、寸法A、Bは一定の数値としなければならない。
図8は、差厚部材を形成するための被成形材料の側面図を示す図であり、特に長手方向の部位によって板厚が異なっている場合を示している。このような、部位によって板厚が異なる被成形材料から成形される差厚部材は、軽量化を目的として使用されている。なお、被成形材料に対して長手方向に沿って板厚を変化させるために、本発明のロール成形装置とは別の機械で加工している。被成形材料の板厚の一例としては、最も厚い部位で4mm程度であり、最も薄い部位で0.8mm程度である。図8(A)は、厚い部分と薄い部分が交互に形成されている例であり、図8(B)は両端部分が厚く中間部分が薄い場合の例である。なお、図8では説明の便宜上、板厚の差を強調して記載している。
図9は、従来の成形ロール組合体111を示す概略図であり、図9(A)は被成形材料の板厚が厚い部位を成形する場合を示し、図9(B)は薄い部位を成形する場合を示している。図中の点線円で囲まれた領域で成形が行われる。この成形ロール組合体111は、第1ロール軸S101にそれぞれ支持された左上固定成形ロール121、中上固定成形ロール123、右上可動成形ロール125と、第2ロール軸S102にそれぞれ支持された左下可動成形ロール131、中下可動成形ロール133、右下固定成形ロール135とを備えている。ここで、上述の寸法Aは中上固定成形ロール123と右下固定成形ロール135との固定された位置関係によって一定値に規定され、寸法Bは左上固定成形ロール121と右上可動成形ロール125との左右方向の固定された位置関係によって一定値に規定される。
一方、板厚の変化に対応するのは、右上可動成形ロール125、左下可動成形ロール131および中下可動成形ロール133である。各可動成形ロール125,131,133に付している矢印は、それぞれの移動可能方向を示している。すなわち、右上可動成形ロール125は上下方向に可動であり、左下可動成形ロール131は左右に可動であり、中下可動成形ロール133は上下方向及び左右方向に可動である。なお、左下可動成形ロール131には上下方向の矢印が記載されていないが、これは上下に移動しないという意味では無い。左下可動成形ロール131は、中下可動成形ロール133の上下移動と一体となって移動し、個別には上下移動しない。このため、個別の押圧手段も不要である。このことを踏まえ、敢えて上下方向の矢印は省略したものである。
次に、実際の成形プロセスについて説明する。上記したように、図9(A)は板厚が厚い部位を成形する場合の構成を示している。この図に示すように、右上可動成形ロール125は最高位置に退避しており、左下可動成形ロール131と中下可動成形ロール133とは互いにほぼ接触するように近接している。これにより、上側の成形ロール群121,123,125と下側の成形ロール群131,133,135との間に、広い隙間が形成されることになる。一方、薄い部位が通過する際には、図9(B)に示すように、右上可動成形ロールを下方に移動させる必要がある。また、左下稼動成形ロール131が左斜め上方向に移動して、中下稼動成形ロールが右斜め上方に移動する必要がある。これは、水平方向の隙間と垂直方向の隙間を均一にするためである。
上記のような状態を実現するためには、右上可動成形ロール125に対する上下方向の押圧制御と、左下可動成形ロール131に対する左右方向の押圧制御と、中下可動成形ロール133に対する上下及び左右方向の押圧制御を必要とする。
しかしながら、上記従来の成形ロール組合体111においては、以下のような課題が存在する。すなわち、押圧制御には一般的に油圧機械(油圧シリンダ)などを用いるが、従来の成形ロール組合体111では、図に示す矢印の数から明らかなように、4組の油圧機械でそれぞれ個別に各可動成形ロール125,131,133の押圧制御をしなければならない。このため、制御自体が複雑となり、被成形材料を目的形状に安定的に成形することが困難である。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形ロール組合体でのロール成形時において、簡易な構造及び制御で、被成形材料の板厚が長手方向に沿って変動しても、差厚部材の寸法を所望の値に成形できる成形ロール組合体及びロール成形装置を提供することを目的とする。
第1手段は、上ロール軸に設けられた左上固定成形ロールと、上ロール軸と平行な下ロール軸に設けられ且つ左上固定成形ロールとの間に被成形材料を挟んで成形を行う左下可動成形ロールとを備え、左下可動成形ロールは、左上固定成形ロールに対して何れの部分でも同じ隙間を維持しながら可動である、という構成を採っている。
第2手段は、第1手段の構成に加え、左上固定成形ロールは円周方向に沿って形成された第1テーパ面を備え、左下可動成形ロールは第1テーパ面に対応して傾斜した第2テーパ面を備え、左下可動成形ロールは第1テーパ面と第2テーパ面とが接触した状態で可動である、という構成を採っている。
第3手段は、第1手段又は第2手段の構成に加え、上ロール軸には、左上固定成形ロールに隣接する中上可動成形ロールと、この中上可動成形ロールに隣接する右上固定成形ロールとが設けられ、下ロール軸には、左下可動成形ロールに隣接する中下可動成形ロールと、この中下可動成形ロールに隣接する中下固定成形ロールと、この中下固定成形ロールに隣接する右下可動成形ロールとが設けられ、左下可動成形ロール及び中下可動成形ロールは、左上固定成形ロール及び中上可動成形ロールに対して何れの部分でも同じ隙間を維持しながら可動であり、上側の成形ロール群と下側の成形ロール群との間に被成形材料を挟んで成形を行う、という構成を採っている。
第4手段は、第3手段の構成に加え、右上固定成形ロールは円周方向に沿って形成された第3テーパ面を備え、右下可動成形ロールは第3テーパ面に対応して傾斜した第4テーパ面を備え、右下可動成形ロールは第3テーパ面と第4テーパ面とが接触した状態で可動であり、第3テーパ面は、第1テーパ面の傾斜方向とは逆方向に傾斜している、という構成を採っている。
第5手段は、第1手段又は第2手段の構成に加え、第1及び第2テーパ面の傾斜角度は、上ロール軸及び下ロール軸の軸線方向に対して45°である、という構成を採っている。
第6手段は、第3手段又は第4手段の構成に加え、第3及び第4テーパ面の傾斜角度は、上ロール軸及び下ロール軸の軸線方向に対して45°である、という構成を採っている。
第7手段は、第3手段から第6手段の何れかの構成に加え、中上可動成形ロールには下方に向かって押圧力を付与する押圧手段が接触しており、左下可動成形ロールおよび右下可動成形ロールの少なくとも何れか一方には上方に向かって押圧力を付与する押圧手段が接触している、という構成を採っている。
第8手段は、第7手段の構成に加え、押圧手段は油圧機械からなる、という構成を採っている。
第9手段は、第3手段から第8手段の何れかの構成に加え、左下可動成形ロール、中上可動成形ロール、中下可動成形ロール及び右下可動成形ロールの少なくとも何れか1つは、被成形材料の移動に伴って従動する従動ロールである、という構成を採っている。
第10手段は、第3手段から第9手段の何れかの構成に加え、中下可動成形ロールと右下可動成形ロールとは一体的に連結されている、という構成を採っている。
第11手段は、第3手段から第10手段の何れかの構成に加え、左下可動成形ロールと中下可動成形ロールと右下可動成形ロールとは長尺ボルトと圧縮バネによって連結されており、各移動成形ロールの上下方向の相対移動は規制されると共に中下可動成形ロールに対する左下可動成形ロールの左右方向の相対移動は許容される、という構成を採っている。
第12手段は、一直線上に並んだ複数のロールスタンドを具備し、各ロールスタンドに第1手段から第11手段の何れかの成形ロール組合体を備えているロール成形装置、という構成を採っている。
本発明によれば、左下可動成形ロール又は右下可動成形ロールのどちらかに対する上下方向の押圧制御のみで、左下可動成形ロール及び中下可動成形ロールの左右方向の移動も制御できる。このため、被成形材料を所望の寸法の差厚部材に成形することが可能である。更に複雑な断面形状の差厚部材を成形する場合でも、中上可動成形ロールに対する押圧制御を追加するのみで実現することが可能である。
本発明に係る成形ロール組合体の各成形ロールの位置関係を示す断面図であり、図1(A)は板厚が厚い部位を成形する場合を示し、図1(B)は板厚が薄い部位を成形する場合を示している。 図1に開示した左上固定成形ロールと中上可動成形ロールとを示す図であり、図4(A)は両者を組み合わせた状態の断面図であり、図4(B)は両者を組み合わせる前の斜視図である。 図1に開示した可動成形ロールに対して押圧制御するための押圧手段を示す図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は側面図である。 図1(A)に開示した成形ロール組合体の側面図である。 図1に開示した成形ロール組合体を含むロールスタンドを複数段備えたロール成形装置を示す図であり、図5(A)は上面図を示し、図5(B)は正面図を示す。 差厚部材の断面形状及び厚さを示す図である。 ロール成形された後の差厚部材を示す斜視図である。 ロール成形前の被成形材料の側面図であり、図8(A)は厚い部分と薄い部分が交互に形成された例であり、図8(B)は両端部分が厚く中間部分が薄い場合の例である。 従来の成形ロール組合体を示す図であり、図9(A)は板厚が厚い部位を成形する場合を示し、図9(B)は板厚が薄い部位を成形する場合を示している。
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。説明中において、方向を示す上下左右という語句を使用しているが、これは各構成要素の位置関係を説明するための便宜上のものである。このため、上下方向が実際のロール成形装置では左右方向に対応する場合もあるし、またその逆も成立し得ることは当然である。更には、上と下が入れ替わったり、右と左が入れ替わったりしても、発明として成立する。
まず、図1に基づいて本実施形態に係る成形ロール組合体11について説明する。ここで、図1(A)は被成形材料の板厚が厚い部位を成形する場合の状態を示し、図1(B)は被成形材料の板厚が薄い部位を成形する場合の状態を示している。なお、ここで示す成形ロール組合体は、差厚部材の最終形状に近い構成である。また、図の中央付近に記載されている略S字状の2つの図形は、それぞれ成形後の差厚部材における板厚が異なる部位の断面を示すものである。図中の点線円で囲まれた領域は、成形が行われる領域を示している。
成形ロール組合体11は、相互に平行に設置されている上ロール軸S1と下ロール軸S2とを備えている。上ロール軸S1には左から順に、左上固定成形ロール21と、中上可動成形ロール23と、右上固定成形ロール25が設けられている。本実施形態では、隣り合う各成形ロール21,23,25は上ロール軸S1の軸線方向に関して相互に接触しているが、多少離間して配置されてもよい。左上固定成形ロール21と右上固定成形ロール25とは、上ロール軸S1に対してキーS1aによって固定されている。このため、これら左上固定成形ロール21と右上固定成形ロール25は、上ロール軸S1と一体的に回転するようになっている。
一方、中上可動成形ロール23は、左上固定成形21に対して可動構造で設置されている。図2は、可動構造を説明するための図である。図2に示すように、中上可動成形ロール23の中心には上ロール軸S1の直径及びキーよりも大きな直径の貫通孔23bが形成されており、上ロール軸S1から直接回転駆動力が伝達されないようになっている。このため、中上可動成形ロール23は、移動する被成型材料と接触することで回転する、いわゆる従動ロール(フリーロール)となっている。但し、中上可動成形ロール23は、何らかの機構で駆動力が伝達されるような構造を有していてもよい。
図1に戻って各成形ロールの形状について説明する。左上固定成形ロール21は、左側から順に小径部21b、第1テーパ面21cおよび小径部21dを備えている。各小径部21b、21dは上ロール軸S1の軸線方向と平行な面であり、第1テーパ面21cは左方向に向かって一定の割合で小径となるような傾斜面である。本実施形態における第1テーパ面21cの傾斜角度は45°である。但し、他の傾斜角度に設定してもよい。また、本実施形態において、左側の小径部21bは必須ではない。
中上可動成形ロール23は、概ね単純なドーナツ状の形状を有している。但し、本実施形態の中上可動成形ロール23は、差厚部材の右端部と中間部とを成形するためのものであるので、左側面の外周部23cに曲面加工が施されている。また、中上可動成形ロール23には、上部から押圧手段29が当接している。この押圧手段29は中上可動成形ロール23に対して常に下方向の押圧力を付与するためのものである。なお、図1では押圧手段を概略図としている。
図3は、押圧手段29の一例を示す図である。この押圧手段29は、フレーム29aに4つの押圧ロール29bが回転自在に支持されており、フレーム29aには上部に設けられた油圧シリンダ29cにより所定の押圧力が付与されている。4つの押圧ロール29bは中上可動成形ロール23の外周面に接触して、押圧力を付与するようになっている。なお、図3(B)に示される押圧ロール23bは一部にテーパ面を有しているが、これはテーパ面を有する可動成形ロールに対応するための一例の形状である。中上可動成形ロール23の外周面は円筒状であるので、実際の押圧手段29では円筒状の押圧ローラを用いる。本実施形態のように、押圧手段として油圧機械(例えば、油圧シリンダ)を用いることで、成形に際して柔軟な制御が可能となる。すなわち、差厚部材を成形する際には、差厚部材の目標断面形状に応じて押圧力を様々に調整する必要がある。油圧機械であれば油圧を変更するだけで押圧力を細かく調整できるため、適切な成形を行うことができる。特に、ロール成形には多数組の成形ロール組合体を用いるが、それぞれの成形ロール組合体ごとに押圧力を調整する必要があり、その場合でも油圧機械は迅速且つ柔軟に押圧力を調整できる点で優れている。但し、バネなどを用いて押圧力を付与するような構造を用いてもよい。
図1に戻り、右上固定成形ロール25について説明する。この右上固定成形ロール25は、左側から順に大径部25b、第3テーパ面25c、小径部25dを備えている。第3テーパ面25cは、右側に向かって小径となるような傾斜面であり、傾斜角度は45°である。但し、第3テーパ面25cの傾斜角度は、第1テーパ面21cの傾斜角度と同一であれば45°以外の角度であってもよい。
下ロール軸S2には左から順に、左下可動成形ロール31と、中下可動成形ロール32と、中下固定成形ロール33と、右下可動成形ロール35とが設けられている。本実施形態では、隣接する各成形ロールは下ロール軸S2の軸線方向に関して相互に接触しているが、多少離間して配置されてもよい。左下可動成形ロール31と、中下可動成形ロール32と、右下可動成形ロール35とは、下ロール軸S2には固定されていない。このため、これら左下可動成形ロール31と、中下可動成形ロール32と、右下可動成形ロール35は、下ロール軸S2に対して移動できるようになっている。一方、中下固定成形ロール33は、下ロール軸S2に対して固定されている。
左下可動成形ロール31は、左側から順に大径部31b、第2テーパ面31c、小径部31dおよび大径部31eを備えている。各大径部31b,31eおよび小径部31dは、下ロール軸S2の軸線方向と平行な面であり、第2テーパ面31cは上述の第1テーパ面21cに対応して、左方向に向かって一定の割合で大径となるような傾斜面である。本実施形態における第2テーパ面の傾斜角度は45°である。小径部31dから垂直面に移行する部分及び垂直面から大径部31eに移行する部分には曲面加工が施されている。これは、当該部分が差厚部材の折り曲げ部分に対応するからである。なお、本実施形態において、左側の大径部31bは必須ではない。
左下可動成形ロール31の小径部31dから移行する垂直面は、上述の左上固定成形ロール21の垂直面に対し、所定の隙間を有して対向している。この隙間が差厚部材の厚さに対応している。また、左下可動成形ロール31の右端部の大径部31eは、左上固定成形ロール21の右端の小径部21dに対し、所定の隙間を有して対向している。この隙間は、上述した垂直面同士の隙間と同じ値となっている。
次に、中下可動成形ロール32について説明する。この中下可動成形ロール32は、左下可動成形ロール31の大径部31eと同一の外径を有している。図1(A)においては、中下可動成形ロール32は左下可動成形ロール31に対して当接した状態となっている。このため、中下可動成形ロール32と左下可動成形ロール31の外周面によって、あたかも1つの成形ロールのように構成されている。ここで、中下可動成形ロール32の右端部の外周部32aには曲面加工が施されている。これは、差厚部材の左側の水平部と中間の垂直部との間を適切に折り曲げるためである。
中下固定成形ロール33の外周面は、概ね単純な円筒状となっている。当該中下固定成形ロール33は差厚部材の右端部の底面に接して成形するロールである。このため、差厚部材の右端部の底面は常に一定位置で成形されることとなる。
次に、右下可動成形ロール35について説明する。この右下可動成形ロール35は、左側から順に小径部35b、第4テーパ面35c、大径部35dを備えている。第4テーパ面35cは、右側に向かって大径となるような傾斜面であり、傾斜角度は45°である。但し、第4テーパ面35cの傾斜角度は、第3テーパ面25cの傾斜角度と同一であれば45°以外の角度であってもよい。また、本実施形態において大径部35dは必須ではない。
中下可動成形ロール32と右下可動成形ロール35とは、所定の連結部材34を介して相互に連結されている。このため、中下可動成形ロール32と右下可動成形ロール35とは、一体的に移動するようになっている。ここで、具体的な連結構造としては、中下可動成形ロール32と右下可動成形ロール35との間に連結部材34を介在させて、これら中下可動成形ロール32、連結部材34及び右下可動成形ロール35を通るボルトによって固定している。
また、左下可動成形ロール31、中下可動成形ロール32及び右下可動成形ロール35とは、長尺ボルトによって連結されている。この長尺ボルトは、下ロール軸S2と平行の方向に各成形ロール31,32,35を貫通している。このため、左下可動成形ロール31、中下可動成形ロール32及び右下可動成形ロール35間の上下方向の相対移動は規制される。一方、長尺ボルトの左端部には、左下可動成形ロール31とナットの間に圧縮バネが配置されている。このため、左下可動成形ロール31に対して左向きで圧縮バネのバネ力よりも大きな外力が加わった場合には、中下可動成形ロール32から離間することができる。
また、左下可動成形ロール31および右下可動成形ロール35の少なくとも何れか一方には、下方から上方に向けて押圧力を付与する押圧手段39が当接している。押圧手段39は、図3に示すものと同様のものである。左下可動成形ロール31も右下可動成形ロール35もテーパ面31c、35cを有しているので、押圧ローラもこれらのテーパ面31c、35cに対応してテーパ面を有するものを使用することが望ましい。但し、左下可動成形ロール31および右下可動成形ロール35の大径部31b、35dのみに押圧力を付与するものであれば、押圧ローラは単純な円筒形状のものでもよい。押圧手段39は、上述の押圧手段29と同様に油圧機械を用いている。従って、押圧力の調整を迅速且つ適切に行うことができる。また、上記した左下可動成形ロール31、中下可動成形ロール32及び右下可動成形ロール35は、中上可動成形ロール23と同様に、従動ロールであってもよい。但し、これらの各可動成形ロール31,32,35は、何らかの機構で駆動力が伝達されるような構造を有していてもよい。
図4は、図1(A)に開示した成形ロール組合体11の側面図である。すなわち、各成形ロールの外周面を表すように示した図である。図に示すように、上ロール軸S1に支持された成形ロール群21,23,25と下ロール軸S2に支持された成形ロール群31,32,33,35とにより、所定の隙間が形成されて、この隙間で差厚部材が成形される(図中の点線円部分)。
図1に戻り、実際の成形プロセスについて説明する。上述したように、図1(A)は被成形材料の板厚の厚い部位を成形する場合を示し、図1(B)は板厚の薄い部位を成形する場合を示している。被成形材料は長手方向に沿って板厚が変化するものである。このため、上側の成形ロール群21,23,25と下側の成形ロール群31,32,33,35との間の隙間も変化させる必要がある。本実施形態では、押圧手段29,39により、中上可動成形ロール23に対して下方への押圧力と、左下可動成形ロール31又は右下可動成形ロール35に対して上方への押圧力を付与している。この状態で、板厚の厚い部位が通過すると、押圧力に対向して中上可動成形ロール23を上方に押しやり、左下可動成形ロール31、中下可動成形ロール32及び右下可動成形ロール35を下方に押しやる。
一方、板厚の薄い部位が通過する際には、被成形材料が各可動成形ロール23,31,32,35を押しやる力が低下する。このため、図1(B)に示すように、中上可動成形ロール23は押圧手段29の押圧力により下方へ移動し、左下可動成形ロール31及び右下可動成形ロール35は同様に上方へ移動する。左下可動成形ロール31は上方へ移動する際に、第1テーパ面21cと第2テーパ面31cとの作用により、左斜め上方45°の方向に移動する。それと同時に、右下可動成形ロール35も上方へ移動する際に、第3テーパ面25cと第4テーパ面35cとの作用により、右斜め上方45°の方向に移動する。この右下可動成形ロール35の移動に伴って、中下可動成形ロール32も右斜め上方45°の方向に移動する。
以上のような各移動成形ロール23,31,32,35の移動により、上側の成形ロール群21,23,25と下側の成形ロール群31,32,33,35との間に形成される隙間は、何れの部分においても常に均一に維持される。このため、上下方向の2組の押厚手段29,39による押圧力を適切に設定するだけで、被成形材料の板厚の変化に柔軟に対応して被成形材料の成形を行うことができる。なお、差厚部材に成形する際に、板厚の薄い部位と厚い部位とでは、差厚部材の断面の両端部(図6中の〇で囲った部分)は所望の寸法にならない場合がある。このため、成形後に二次加工によって寸法通りの加工を行ってもよい。用いられる被成形材料は、図8に示すような、各部位に厚みの変化をもたせたものである。
次に、図5に基づいて、上述した成形ロール組合体を備えたロール成形装置1について説明する。このロール成形装置1は、10段のロールスタンド3を備えており、各ロールスタンド3に成形ロール組合体が組み込まれている。この図において、成形ラインの左側が上流であり、右側が下流である。すなわち、左端から長尺の被成形材料(母材)が供給され、右端において成形後の製品が排出されるようになっている。
成形プロセスは上流側から下流側に向かって進展するため、最上流側のロールスタンドは平板に対応した構成を有し、最下流側のロールスタンドは差厚部材の最終の断面形状に対応した構成を有している。このため、各ロールスタンドに具備される成形ロール組合体は、それぞれ異なる形状の成形ロールを備えると共に、押圧手段による押圧力もロールスタンド毎に適切に調整されている。例えば、本実施形態のロール成形装置では、最下流のロールスタンドで差厚部材を最終形状に成形するが、実際には6段目のロールスタンドで、全体的な成形は概ね完了している。7段目以降のロールスタンドでは、差厚部材のリップ部(図6の左端部)の曲げ成形を行っている。具体的には、7段目で水平に対して20°まで曲げ、8段目でさらに45°まで曲げ、9段目で70°まで曲げて、最終的に10段目で90°まで曲げている。なお、最上流部にある2つはロールスタンドでは無く、3つ目からがロールスタンドである。ロールスタンドの数は一例であり、10段より少なくしても良いし、10段より多くしてもよい。
被成形材料は、予め別の機械(図示略)によって加工される。すなわち、長手方向に沿って一定の板厚を有する材料を用いて、この材料に対してローラ圧延装置で板厚の変化を付与している。板厚の変化は、一例として0.8mmから4mm程度であり、1本の差厚部材の長さは最長で10m程度である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は以上の全ての構成要素を合わせ持つものだけを想定していない。すなわち、一部の構成要素だけの組み合わせでも発明として成立するものであれば、本願が想定するものである。例えば、左上固定成形ロールと左下可動成形ロールと押厚手段だけでも、単純な断面形状の差厚部材の成形は可能である。このため、上記説明には、各構成要素の任意の組み合わせが開示されているものと理解するべきである。
本発明の成形ロール組合体、ロール成形装置は、長さ方向に沿って板厚が変化する被成形材料に対して、適切な断面形状に成形を行うのに利用可能である。
1 ロール成形装置
3 ロールスタンド
11 成形ロール組合体
21 左上固定成形ロール
21c 第1テーパ面
23 中上可動成形ロール
23b 貫通孔
25 右上固定成形ロール
25c 第3テーパ面
29 押圧手段
31 左下可動成形ロール
31c 第2テーパ面
32 中下可動成形ロール
33 中下固定成形ロール
34 連結部材
35 右下可動成形ロール
35c 第4テーパ面
39 押圧手段
S1 上ロール軸
S1a キー
S2 下ロール軸

Claims (11)

  1. 上ロール軸(S1)に設けられた左上固定成形ロール(21)と、前記上ロール軸(S1)と平行な下ロール軸(S2)に設けられ且つ前記左上固定成形ロール(21)との間に被成形材料を挟んで成形を行う左下可動成形ロール(31)とを備え、
    前記左下可動成形ロール(31)は、前記左上固定成形ロール(21)に対して何れの部分でも同じ隙間を維持しながら可動であり、
    前記上ロール軸(S1)には、前記左上固定成形ロール(21)に隣接する中上可動成形ロール(23)と、この中上可動成形ロール(23)に隣接する右上固定成形ロール(25)とが設けられ、
    前記下ロール軸(S2)には、前記左下可動成形ロール(31)に隣接する中下可動成形ロール(32)と、この中下可動成形ロール(32)に隣接する中下固定成形ロール(33)と、この中下固定成形ロール(33)に隣接する右下可動成形ロール(35)とが設けられ、
    前記左下可動成形ロール(31)及び中下可動成形ロール(32)は、前記左上固定成形ロール(21)及び中上可動成形ロール(23)に対して何れの部分でも同じ隙間を維持しながら可動であり、上側の成形ロール群と下側の成形ロール群との間に前記被成形材料を挟んで成形を行う、成形ロール組合体。
  2. 請求項1に記載の成形ロール組合体であって、前記左上固定成形ロール(21)は円周方向に沿って形成された第1テーパ面(21c)を備え、前記左下可動成形ロール(31)は前記第1テーパ面(21c)に対応して傾斜した第2テーパ面(31c)を備え、前記左下可動成形ロール(31)は前記第1テーパ面(21c)と第2テーパ面(31c)とが接触した状態で可動である、成形ロール組合体。
  3. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、前記右上固定成形ロール(25)は円周方向に沿って形成された第3テーパ面(25c)を備え、前記右下可動成形ロール(35)は前記第3テーパ面(25c)に対応して傾斜した第4テーパ面(35c)を備え、
    前記右下可動成形ロール(35)は前記第3テーパ面(25c)と第4テーパ面(35c)とが接触した状態で可動であり、
    前記第3テーパ面(25c)は、第1テーパ面(21c)の傾斜方向とは逆方向に傾斜している、成形ロール組合体。
  4. 請求項2又は3に記載の成形ロール組合体であって、前記第1及び第2テーパ面(21c、31c)の傾斜角度は、前記上ロール軸(S1)及び下ロール軸(S2)の軸線方向に対して45°である、成形ロール組合体。
  5. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、前記第3及び第4テーパ面(35c)の傾斜角度は、前記上ロール軸(S1)及び下ロール軸(S2)の軸線方向に対して45°である、成形ロール組合体。
  6. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、 前記中上可動成形ロール(23)には下方に向かって押圧力を付与する第1の押圧手段(29)が接触しており、前記左下可動成形ロール(31)および右下可動成形ロール(35)の少なくとも何れか一方には上方に向かって押圧力を付与する第2の押圧手段(39)が接触している、成形ロール組合体。
  7. 請求項に記載の前記第1及び第2の押圧手段(29、39)は油圧機械からなる、成形ロール組合体。
  8. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、前記左下可動成形ロール(31)、中上可動成形ロール(23)、中下可動成形ロール(32)及び右下可動成形ロール(35)の少なくとも何れか1つは、前記被成形材料の移動に伴った従動する従動ロールである、成形ロール組合体。
  9. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、前記中下可動成形ロール(32)と右下可動成形ロール(35)とは一体的に連結されている、成形ロール組合体。
  10. 請求項に記載の成形ロール組合体であって、前記左下可動成形ロール(31)と中下可動成形ロール(32)と右下可動成形ロール(35)とは長尺ボルトと圧縮バネによって連結されており、各移動成形ロールの上下方向の相対移動は規制されると共に前記中下可動成形ロール(32)に対する前記左下可動成形ロール(31)の左右方向の相対移動は許容される、成形ロール組合体。
  11. 一直線上に並んだ複数のロールスタンド(3)を具備し、各ロールスタンド(3)に請求項1から10の何れか一項に記載の成形ロール組合体を備えている、ロール成形装置。
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