以下、本発明の便器洗浄装置1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便器洗浄装置1の便座(不図示)に座った人から視た場合の前後の向きを前後方向とする。また、一対の側部カバー8b,8bが離間する方向を左右方向とする。また、側部カバー8bから上部カバー8aへ向かう方向(図1の上方向)を上方向とし、その反対方向を下方向とし、これらを上下方向とする。まず、本発明の一実施形態に係る便器洗浄装置1の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態の便器洗浄装置1は、図1及び図2に示すように、便器2と、ベースプレート3と、洗浄水タンク4と、操作ダイヤル部7(操作部)を有する水流調整機構6と、上部カバー8aと、一対の側部カバー8b,8bと、を備える。
便器2は、便器本体2aと、便座(不図示)及び便蓋2bと、を含んで構成される。便座(不図示)及び便蓋2bは、便器本体2aの上部に、便器本体2aに対して回動可能に取り付けられる。
ベースプレート3は、図2に示すように、便器本体2aの後方の上面に取り付けられる。ベースプレート3の上方には、洗浄水タンク4が配置される。ベースプレート3には、水流調整機構6が取り付けられている。
水流調整機構6は、ベースプレート3に取り付けられ、給水流路部510(後述)の分岐流路部512を流通する水の流れを調整可能である。
水流調整機構6は、操作ダイヤル部7を有する。操作ダイヤル部7は、水流調整機構6の下方側に配置され、ベースプレート3の下方に突出するように配置される。操作ダイヤル部7は、水流調整機構6における補給水の量を操作可能である。
洗浄水タンク4は、ベースプレート3の上方において、便器2の後方かつ上方に配置され、便器本体2aを洗浄する洗浄水を貯留する。この洗浄水タンク4は、図2に示すように、上面が開口したタンク本体401と、このタンク本体401の上面に配置され、タンク本体401の上面を覆う蓋部402と、を備える。
洗浄水タンク4は、洗浄水タンク4の後端部から前方側に窪むタンク凹部405を有する。タンク凹部405は、洗浄水タンク4の上下方向の全域に亘って形成されている。タンク凹部405は、洗浄水タンク4の左右方向の中央から一方側(図2における左側)にずれた位置に形成される。タンク凹部405は、第1壁部405aと、第2壁部405bと、第3壁部405cと、により構成される。
第1壁部405aは、洗浄水タンク4の左右方向の一方側(図2における左側)を向く面であり、洗浄水タンク4の前後方向及び上下方向に沿う方向に延びる。第2壁部405bは、第1壁部405aよりも洗浄水タンク4の左右方向の一方側(図2における左側)において、第1壁部405aに平行に第1壁部405aに対向して配置される。第2壁部405bは、洗浄水タンク4の左右方向の他方側(図2における右側)を向く面であり、洗浄水タンク4の前後方向及び上下方向に沿う方向に延びる。第3壁部405cは、第1壁部405a及び第2壁部405bの前方側の端辺をつないで形成される。第3壁部405cは、洗浄水タンク4の前後方向の後方側(図2における手前側)を向く面であり、洗浄水タンク4の左右方向及び上下方向に沿う方向に延びる。
洗浄水タンク4の内部には、図2に示すように、給水部5が配置される。給水部5には、給水流路部510が接続される。給水流路部510は、給水部5から洗浄水を洗浄水タンク4に供給する。給水部5には、外部の給水源(図示せず)に接続される給水管501が接続されている。
給水流路部510は、主流路部511と、分岐流路部512と、を有する。
主流路部511は、洗浄水タンク4の内部を通る。主流路部511は、給水部5から給水された洗浄水を、洗浄水タンク4に供給する。
分岐流路部512は、主流路部511から分岐して、洗浄水タンク4の外部を通る。分岐流路部512は、給水部5から給水された洗浄水を、便器本体2aに補給する補給水として、洗浄水タンク4の外部において、ベースプレート3に吐出する。分岐流路部512は、下流側の端部において、後述する補給水吐水部613a(図8参照)を有する。
また、タンク本体401の下部には、フロート弁(図示せず)により開閉される排水口(図示せず)が形成されている。タンク本体401の排水口(図示せず)は、下方に突出して形成される。そして、フロート弁を引き上げて排水口を開放することにより、タンク本体401の内部に貯留された洗浄水が排水口から流出して便器本体2aに供給され、便器本体2aが洗浄される。
また、タンク本体401の排水口(図示せず)には、後述するディストリビュータ410(図5参照)が接続されている。
上部カバー8aは、図1に示すように、洗浄水タンク4及び他の機能部品を覆うように形成される。
一対の側部カバー8b,8bは、便器本体2aの後方の左右方向の両側の側部を塞ぐように形成される。一対の側部カバー8b,8bの形状は、便器本体2aの左右方向において対称の形状である。
次に、各構成について詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、ベースプレート3は、底板部310と、上部周壁321と、一対の下部側縁壁部322,322と、延出板部330と、2つの載置枠部341a,341bと、2つの取付係合部342,342と、導出管挿通開口部350と、第1導出開口部(補給水排出開口部)361と、第2導出開口部362と、水流調整機構取付部370と、2つの第1環状リブ381,381と、第2環状リブ382と、を有する。
底板部310は、図3及び図4に示すように、左右方向に延びる板状に形成されている。底板部310は、図3に示すように、上面側において、第1導出傾斜面部311と、第2導出傾斜面部312と、中間板面部313と、を有する。中間板面部313は、略水平方向に広がるように形成され、底板部310の左右方向の略中央に配置される。第1導出傾斜面部311及び第2導出傾斜面部312は、中間板面部313を挟んで、左右方向に離間して配置されている。
第1導出傾斜面部311は、底板部310における中間板面部313の一方側(図3における左側)に配置される。第1導出傾斜面部311は、後述する第1導出開口部361に向かうに従って下方に傾斜する面状に形成される。第1導出傾斜面部311には、水流調整機構6の補給水吐水部613a(後述)から吐出され且つベースプレート3に一旦供給された補給水が第1導出開口部361に向かって流れる。
第2導出傾斜面部312は、底板部310における中間板面部313の他方側(図3における右側)に配置される。第2導出傾斜面部312は、後述する第2導出開口部362に向かうに従って下方に傾斜する面状に形成される。第2導出傾斜面部312には、例えば、洗浄水タンク4の外面に付着して洗浄水タンク4の表面を伝わって落下した結露水や、温水タンク(図示せず)に供給する水の圧力が上がり過ぎるのを防ぐためにリリースされたリリース水が、第2導出開口部362に向かって流れる。
上部周壁321は、図3に示すように、底板部310の上面の周縁から上方に向かって延びると共に、ベースプレート3の周囲を全周に亘って囲むように延びている。
一対の下部側縁壁部322,322は、図4に示すように、底板部310の下面の左右方向の両側の縁部から下方に向かって延びると共に、ベースプレート3の前後方向に延びている。
延出板部330は、図3に示すように、略水平方向に広がる板状に形成され、ベースプレート3の前方側に延出して形成される。
導出管挿通開口部350は、ベースプレート3の左右方向の略中央に形成される。導出管挿通開口部350は、ベースプレート3の底板部310を円形状に貫通して形成される。導出管挿通開口部350には、タンク本体401の排水口(図示せず)が挿通される。
ディストリビュータ410(導出管)は、図5に示すように、ベースプレート3の下方において、便器本体2aの後方の上部に配置される。ディストリビュータ410は、洗浄水タンク4に貯留された洗浄水を便器本体2aに導出する。ディストリビュータ410は、洗浄水タンク4の下部の排水口(図示せず)に接続される基端部411と、基端部411から左右方向に分岐して延びる2本の分岐ホース412,412と、を有する。
ディストリビュータ410の基端部411は、導出管挿通開口部350に挿通された洗浄水タンク4の下部の排水口(図示せず)に接続される。ディストリビュータ410の2本の分岐ホース412,412は、それぞれ、便器本体2aの2つの導水供給路(図示せず)に配置される。便器本体2aの2つの導水供給路(図示せず)は、それぞれ、便器本体2aの左右方向の外側において、便器本体2aの後方から前方に向かうように、便器本体2aの内部に延びている。2本の分岐ホース412,412は、導出管挿通開口部350の左右方向の両側から、それぞれ、便器本体2aの後方から前方に向かうに従って、便器本体2aの左右方向の外側に向かうように延びている。
洗浄水タンク4の排水口(図示せず)から排出された洗浄水は、ディストリビュータ410を経由して、便器本体2aの内部に排出される。これにより、便器本体2aの洗浄が実行される。
第1導出開口部361は、図3に示すように、第1導出傾斜面部311の前方側において、第1導出傾斜面部311と中間板面部313との境界に形成される。第1導出開口部361は、底板部310を貫通して形成される。第1導出開口部361は、ベースプレート3に供給された補給水を、ベースプレート3の下方に配置される便器本体2aに排出する。
第1導出開口部361から排出された補給水は、便器本体2aに供給され、便器本体2aの内部の排水トラップ部分(図示せず)に供給される。例えばサイフォン式便器及び洗い落とし式便器において、洗浄水タンク4の外部を通して分岐流路部512を流通された補給水を、ベースプレート3を介して便器本体2aの内部の排水トラップ部分(図示せず)に供給する。これにより、便器洗浄装置を設置する現場の配管状況などにより排水トラップ部分での封水の不足が生じる場合において、排水トラップ部分での封水の不足を防止することができる。
第2導出開口部362は、図3に示すように、第2導出傾斜面部312の前方側において、第2導出傾斜面部312と中間板面部313との境界に形成される。第2導出開口部362は、底板部310を貫通して形成される。第2導出開口部362は、ベースプレート3で受け止めた水を、ベースプレート3の下方に配置される便器本体2aに排出する。
第1導出開口部361及び第2導出開口部362は、それぞれ、図5に示すように、便器本体2aを前後方向に視たときに、導出管挿通開口部350の少なくとも一部351,352に重なる位置に配置される。言い換えると、第1導出開口部361及び第2導出開口部362は、導出管挿通開口部350寄りに配置されている。本実施形態においては、導出管挿通開口部350がベースプレート3の略中央に配置されているため、第1導出開口部361及び第2導出開口部362は、ベースプレート3の左右方向の中央寄りに配置される。これにより、第1導出開口部361及び第2導出開口部362は、ディストリビュータ410の2本の分岐ホース412,412を避けた位置に配置される。
2つの載置枠部341a,341bは、図3に示すように、底板部310の上面に形成される。一方の載置枠部341aは、第1導出傾斜面部311に配置される。他方の載置枠部341bは、第2導出傾斜面部312に配置される。2つの載置枠部341a,341bには、洗浄水タンク4の底部に形成される載置凸部(図示せず)が載置される。2つの載置枠部341a,341bに洗浄水タンク4の底部の載置凸部(図示せず)が載置されることで、洗浄水タンク4は、ベースプレート3の上面との間に上下方向に隙間を形成した状態で、ベースプレート3の上面に配置される。
2つの取付係合部342は、図3に示すように、底板部310の上面における導出管挿通開口部350の左右方向の両側の近傍に形成される。2つの取付係合部342には、洗浄水タンク4をベースプレート3に取り付ける際に、洗浄水タンク4の底部に形成される係合部(図示せず)が係合される。
2つの第1環状リブ381,381は、図4に示すように、底板部310の下面に形成される。2つの第1環状リブ381,381は、それぞれ、第1導出開口部361及び第2導出開口部362それぞれの周縁に沿って、第1導出開口部361及び第2導出開口部362を囲むように、底板部310の下面から下方に立ち上がるように形成される。2つの第1環状リブ381,381は、それぞれ、第1導出開口部361及び第2導出開口部362それぞれの周縁の全域に設けられる。
第2環状リブ382は、底板部310の下面に形成される。第2環状リブ382は、2つの第1環状リブ381,381の外側において、2つの第1環状リブ381,381の両方を囲むように、底板部310の下面から下方に立ち上がるように形成される。
水流調整機構取付部370は、図3に示すように、ベースプレート3の後方側の一方側(図3における左側)に配置される。水流調整機構取付部370には、水流調整機構6が取り付けられる。水流調整機構取付部370には、水流調整機構6の操作ダイヤル部7がベースプレート3の下方に位置するように取り付けられる。
水流調整機構取付部370は、図6に示すように、貫通開口371と、円筒状リブ壁372と、側壁373と、下面環状凸部374(図4参照)と、を有する。
貫通開口371は、ベースプレート3の底板部310を円形状に開口して形成される。貫通開口371には、後述する水流調整機構6が挿通して配置される。
円筒状リブ壁372は、円筒状に形成され、貫通開口371の周縁に沿って、ベースプレート3の底板部310の上面から上方に立ち上がるように形成される。円筒状リブ壁372の上端部には、水流調整機構6(後述)の操作機構本体部610の方形筒部611b(図8参照)の下面が当接する。
側壁373は、ベースプレート3の底板部310から上方に立ち上がるように形成されると共に、前後方向に延びるように形成される。側壁373は、円筒状リブ壁372の接線に沿う平板状に形成される。側壁373は、円筒状リブ壁372の他方側(図6における右側)に接続される。側壁373の上端部には、半円弧状に窪む凹部373aが形成されている。凹部373aには、水流調整機構6(後述)の操作機構本体部610の導出管部613(図8参照)が配置される。
下面環状凸部374は、図4に示すように、底板部310の下面において、貫通開口371の周縁に形成される。下面環状凸部374は、水流調整機構6の操作ダイヤル部7がベースプレート3に取り付けられた際に、ベースプレート3の底板部310が傾斜していることの影響により操作ダイヤル部7が傾かないように、底板部310の下面における貫通開口371の周縁が水平になるように突出して形成される。下面環状凸部374は、図4に示すように、底板部310の下面における貫通開口371の周縁において、下面環状凸部374の下面が水平になるように、第1導出開口部361から離れるに従って突出量が徐々に大きくなるように突出して形成される。
下面環状凸部374には、後述する操作ダイヤル部7の上部に配置されるフランジ部730の上面の外周縁が対向して配置される(図9参照)。
水流調整機構6は、図7〜図9に示すように、分岐流路部512に配置される。水流調整機構6は、分岐流路部512を流通する水の流れを調整する。
分岐流路部512は、図8及び図9に示すように、主流路部511との接続部分から水流調整機構6までの第1分岐流路部512aと、水流調整機構6の内部を通り補給水吐水部613aまでの第2分岐流路部512bと、を有する。本実施形態においては、第1分岐流路部512aは、例えば、ホースで構成される。
水流調整機構6は、図7〜図10に示すように、ベースプレート3の水流調整機構取付部370に取り付けられる。水流調整機構6は、操作機構本体部610と、操作部としての操作ダイヤル部7と、ストップリング620と、水流抑制部630と、を備える。
操作機構本体部610は、図9及び図10に示すように、ベースプレート3の上方において、水流調整機構取付部370に取り付けられる。操作機構本体部610は、本体管部611と、導入管部612と、導出管部613と、を有する。
本体管部611は、上下方向に延びる筒状に形成され、上部側が閉止されると共に、上部側の側部の両側が開放される。本体管部611は、上部円筒部611aと、方形筒部611bと、下部円筒部611dと、を有する。上部円筒部611a、方形筒部611b及び下部円筒部611dは、互いの内部空間が、上下方向に連通する。
上部円筒部611aは、本体管部611の上部に配置され、上部が閉止された円筒状に形成される。上部円筒部611aの上部の側部の一方側(図9における左側)には、導入管部612が接続されている。上部円筒部611aの上部の側部の他方側(図9における右側)には、導出管部613が接続されている。導入管部612、上部円筒部611a及び導出管部613は、互いの内部空間が、左右方向に連通する。導入管部612、上部円筒部611a及び導出管部613における左右方向に連通する部分は、第2分岐流路部512bを構成する。
方形筒部611bは、外形が略直方体形状に形成される。方形筒部611bは、上部円筒部611aの下端部に接続され、本体管部611の上下方向の途中において、外方に突出するように形成される。方形筒部611bの下端部は、水流調整機構取付部370の円筒状リブ壁372の上端部に当接する。方形筒部611bの内部には、一対の方形貫通溝611c,611cが形成される。一対の方形貫通溝611c,611cは、便器本体2aの前後方向に方形状に貫通する溝状に形成される。方形貫通溝611c,611cには、ストップリング620が挿入される。
下部円筒部611dは、円筒状に形成される。下部円筒部611dは、方形筒部611bの下端部に接続され、本体管部611の下部に配置される。下部円筒部611dは、水流調整機構取付部370の円筒状リブ壁372の内部空間に配置される。下部円筒部611dの外周面には、第1Oリング641が配置される外周止水用溝611eが形成される。
外周止水用溝611eには、第1Oリング641が配置される。第1Oリング641は、外周止水用溝611eに配置された状態で、本体管部611と水流調整機構取付部370の円筒状リブ壁372との間に配置される。これにより、第1Oリング641は、操作機構本体部610とベースプレート3との間を止水する。
導入管部612は、本体管部611の上端部の一方の側部に接続され、本体管部611の上端部の一方の側部から上方側に屈曲し、屈曲した部分から上方側に所定長さ延びる。導入管部612の上端部は、第1分岐流路部512aに接続される。
導出管部613は、本体管部611の上端部の他方の側部に接続され、本体管部611の上端部の他方の側部から水平方向に所定長さ延びる。導出管部613の先端には、吐水部としての補給水吐水部613aが設けられる。別の言い方をすると、補給水吐水部613aは、分岐流路部512(第2分岐流路部512b)の先端に設けられる。
補給水吐水部613aは、洗浄水タンク4の外部において、分岐流路部512を流通する洗浄水を、便器本体2aに供給する補給水として吐出する。本実施形態においては、補給水吐水部613aは、ベースプレート3に補給水を吐出する。補給水吐水部613aからは、水流調整機構6により調整された水量の補給水が吐出される。補給水吐水部613aは、ベースプレート3の底板部310から上方に離間した操作機構本体部610の上方側の位置において、底板部310に沿う方向に、補給水を吐出する。本実施形態においては、補給水吐水部613aは、ベースプレート3の底板部310から上方に離間した位置で、便器本体2aの左右方向の他方側(図9における右側)に、略水平方向に、補給水を吐出する。導出管部613の補給水吐水部613aの上端部からは、後述する水流抑制部630の屋根壁部632が水平方向(左右方向)に延びている。
操作ダイヤル部7は、図9及び図10に示すように、上方側の部分(後述する流量調整筒部710)が操作機構本体部610の本体管部611の内部に配置され、本体管部611の周方向に回転可能に配置される。操作ダイヤル部7は、水流調整機構6を操作することができ、水流調整機構6を操作することで、分岐流路部512を流通する水の流れを調整することができる。操作ダイヤル部7は、洗浄水タンク4の外部において、ベースプレート3の下方から突出するように、ベースプレート3に取り付けられる。操作ダイヤル部7は、上下方向に延びて形成され、上部が閉止された筒状に形成される。
操作ダイヤル部7は、流量調整筒部710と、流量調整筒部710の下方に配置された操作把持部720と、操作ダイヤル部7の外周面から突出するフランジ部730と、を有する。
流量調整筒部710は、操作ダイヤル部7の上部に配置される。流量調整筒部710は、操作機構本体部610における上部円筒部611a及び方形筒部611bの内部空間に亘って上下方向に延びて配置される。
流量調整筒部710は、流量調整貫通穴711と、第1内周止水用溝712と、第2内周止水用溝713と、ストップリング係止溝714と、導入部側止水環状突起715aと、導出部側止水環状突起715bと、を有する。
流量調整貫通穴711は、流量調整筒部710の上部において水平方向に延びて貫通する。流量調整貫通穴711は、操作ダイヤル部7が回転されることで、流量調整貫通穴711が導入管部612及び導出管部613を連通する連通位置(図示せず)と連通しない非連通位置(図9参照)との間を、補給水の流量を調整するように回転可能である。
流量調整貫通穴711の連通位置(図示せず)は、流量調整貫通穴711が延びる方向と導入管部612及び導出管部613をつなぐ方向とが一致する位置である。
流量調整貫通穴711の非連通位置(図9参照)は、流量調整貫通穴711が延びる方向と導入管部612及び導出管部613をつなぐ方向とが直交する位置である。
流量調整貫通穴711は、連通位置と非連通位置との間を回転して移動することで、回転角度により開口面積が変化される。これにより、流量調整貫通穴711は、導入管部612から導入された補給水の流量が連続的に変化するように調整して、導出管部613から導出することができる。
なお、操作ダイヤル部7を、補給水の流量を段階的に調整可能に構成してもよい。例えば、操作ダイヤル部7の外面に凹凸などを設けて、操作ダイヤル部7の回転位置を補給水の流量に応じて複数箇所で引っ掛かるように構成して、操作ダイヤル部7を回転させる際の凹凸に引っ掛かる際の音や手の感覚などにより、補給水の流量を設定できるように構成してもよい。
導入部側止水環状突起715aは、図9及び図10に示すように、流量調整貫通穴711が非連通位置に位置する場合において、本体管部611の内面における導入管部612との接続部分の開口の周縁に当接する位置に配置され、流量調整筒部710の外面から環状に突出して形成される。導入部側止水環状突起715aは、流量調整貫通穴711が非連通位置に位置する場合において、本体管部611の内面における導入管部612との接続部分の開口の周縁に当接して、導入管部612から本体管部611側へ補給水を流通させないように止水する。
導出部側止水環状突起715bは、図9及び図10に示すように、流量調整貫通穴711が非連通位置に位置する場合において、本体管部611の内面における導出管部613との接続部分の開口の周縁に当接する位置に配置され、流量調整筒部710の外面から環状に突出して形成される。導出部側止水環状突起715bは、流量調整貫通穴711が非連通位置に位置する場合において、本体管部611の内面における導出管部613との接続部分の開口の周縁に当接して、本体管部611から導入管部612側へ補給水を流通させないように止水する。
第1内周止水用溝712、第2内周止水用溝713及びストップリング係止溝714は、それぞれ、流量調整筒部710の外周面において、流量調整筒部710の外周面の周方向に沿って溝状に形成される。
ストップリング係止溝714は、図9に示すように、流量調整筒部710の上下方向の略中央に形成される。ストップリング係止溝714には、操作ダイヤル部7が操作機構本体部610の本体管部611の内部空間に配置された状態において、ストップリング620が配置される。ストップリング620は、操作ダイヤル部7を操作機構本体部610に固定する。
第1内周止水用溝712は、流量調整筒部710におけるストップリング係止溝714よりも下方側に形成される。第1内周止水用溝712には、第2Oリング741が配置される。第2Oリング741は、第1内周止水用溝712に配置された状態で、操作機構本体部610の本体管部611と流量調整筒部710との間に配置される。これにより、第2Oリング741は、流量調整筒部710の下方側において、操作機構本体部610の本体管部611と流量調整筒部710との間を止水する。
第2内周止水用溝713は、流量調整筒部710におけるストップリング係止溝714よりも上方側に形成される。第2内周止水用溝713には、第3Oリング742が配置される。第3Oリング742は、第2内周止水用溝713に配置された状態で、操作機構本体部610の本体管部611と流量調整筒部710との間に配置される。これにより、第3Oリング742は、流量調整筒部710における流量調整貫通穴711とストップリング係止溝714との間において、操作機構本体部610の本体管部611と流量調整筒部710との間を止水する。
操作把持部720は、図9及び図10に示すように、流量調整筒部710の下端部に接続され、流量調整筒部710から下方に向けて延びて形成される。操作把持部720は、略方形筒状に形成され、上下方向に貫通する。流量調整筒部710及び操作把持部720は、上下方向に直線状に連続して形成され、互いの内部空間は上下方向に連通している。
フランジ部730は、流量調整筒部710と操作把持部720との境界部分の外周面から突出して形成され、略水平方向に広がる円環状の板状に形成される。フランジ部730の上面の外周縁は、ベースプレート3の底板部310の下面における貫通開口371の周縁において、底板部310の下面環状凸部374に対向して配置される。フランジ部730は、底板部310の下面環状凸部374に対向して配置されることで、水平状態を維持することができる。これにより、フランジ部730が傾くことが低減されて、操作ダイヤル部7のガタツキを低減することができる。
ストップリング620は、図10に示すように、基部621と、リング係止部622と、を有する。基部621は、手で把持される部分である。リング係止部622は、略C字形状に形成される。リング係止部622の閉止端は、基部621に接続される。リング係止部622の開放端は、操作ダイヤル部7が操作機構本体部610の本体管部611の内部に配置された状態において、図9に示すように、操作ダイヤル部7のストップリング係止溝714に配置される。これにより、ストップリング620は、操作ダイヤル部7を操作機構本体部610に固定する。
水流抑制部630は、導出管部613の補給水吐水部613aから吐出された補給水の勢いを弱めて、補給水吐水部613aから吐出された補給水の勢いを抑制する。水流抑制部630は、図8〜図10に示すように、対向壁部631と、屋根壁部632と、を有する。
対向壁部631は、ベースプレート3の底板部310から上方に立ち上がるように形成され、導出管部613の補給水吐水部613aに対向して配置される。対向壁部631は、補給水吐水部613aから吐出された補給水を受ける。対向壁部631は、一方側がベースプレート3の後方側の上部周壁321に接続され、他方側がベースプレート3の内側に向けて延びる。対向壁部631の上部には、円弧状に突出する円弧状突起631aが形成される。
屋根壁部632は、操作機構本体部610の導出管部613に連続して形成される。屋根壁部632は、導出管部613の補給水吐水部613aの吐水口の上部から、導出管部613から離れるように、対向壁部631側に略水平方向に延びる。屋根壁部632は、円弧状部632aと、平板状部632b,632bと、を有する。
円弧状部632aは、前後方向の断面が上方に突出する円弧状に形成され、導出管部613の補給水吐水部613aの上端部から、対向壁部631に向かって直線状に延びる。
平板状部632b,632bは、円弧状部632aの前後方向の両縁部に沿って略水平に形成され、対向壁部631に向かって延びる。
以上のように構成される水流抑制部630は、対向壁部631により、導出管部613の補給水吐水部613aから吐出された補給水の勢いを弱めると共に、屋根壁部632により、上方側への補給水の飛散を抑制して、補給水の勢いを抑制することができる。
次に、水流調整機構6をベースプレート3に取り付ける手順について説明する。
まず、図2に示すように、上部カバー8aをベースプレート3に取り付けていない状態で、作業者は、図10に示すように、ベースプレート3の上方側から、水流調整機構6の操作機構本体部610を、ベースプレート3の水流調整機構取付部370の円筒状リブ壁372に挿入して、方形筒部611bの下端部を、水流調整機構取付部370の円筒状リブ壁372の上端部に当接させる。
次に、ベースプレート3の下方側から、操作機構本体部610の内部に操作ダイヤル部7を挿入する。
続けて、ストップリング620を、流量調整筒部710のストップリング係止溝714に挿入して、ストップリング620により、操作ダイヤル部7を操作機構本体部610に固定する。
そして、第1分岐流路部512aの先端部を操作機構本体部610の導入管部612に取り付ける。
これにより、水流調整機構6をベースプレート3に取り付けることができる。
このように、ストップリング620をベースプレート3の上方側に配置していることで、ベースプレート3の上方側から、水流調整機構6をベースプレート3に組み付けることができる。そのため、水流調整機構6をベースプレート3に組み付ける際の組み付け性が良好である。
その後、図1に示すように、上部カバー8aを、洗浄水タンク4を覆うように、洗浄水タンク4に被せて、上部カバー8aをベースプレート3に取り付ける。
この状態においては、図2に示すように、水流調整機構6の操作ダイヤル部7は、ベースプレート3の後部において、ベースプレート3の下方から下方に向けて突出している。ベースプレート3の下方に操作ダイヤル部7が配置されているため、ベースプレート3の下方において、施工時の作業者は、操作ダイヤル部7を操作することができる。また、設置後においても、作業者は、上部カバー8aを外さずに、操作ダイヤル部7を操作することができる。
従って、便器洗浄装置1から上部カバー8aを外さなくても、操作ダイヤル部7を操作して、便器本体2aに補給する補給水の量を調整することができる。
なお、操作ダイヤル部7は、便器本体2aに補給する補給水の流量を調整するものであることから、便器洗浄装置1の施工業者等の作業者が操作できれば十分である。作業者は、例えば、便器洗浄装置1を設置した際、又は、便器洗浄装置1を設置した後において、操作ダイヤル部7を操作して、便器本体2aに補給する補給水の流量を調整する。また、操作ダイヤル部7による補給水の流量の調整は、通常、頻繁に行われるものではなく、一度調整された後には、その調整の設定のままで使用される場合が多い。ただし、便器洗浄装置1を設置した現場の配管などの状況に応じて、便器洗浄装置1を設置した際、又は、便器洗浄装置1を設置した後において、操作ダイヤル部7による補給水の流量の調整が必要となる場合がある。
また、ベースプレート3の下方に操作ダイヤル部7を設けるため、操作ダイヤル部7は、外部から視認しづらい位置に配置される。そのため、上部カバー8aの側面に操作ダイヤル部を配置する場合よりも、意匠性が向上される。
また、操作ダイヤル部7をベースプレート3の水流調整機構取付部370に取り付けた状態においては、補給水吐水部613aは、ベースプレート3の底板部310から上方に離間した操作機構本体部610の上方側の位置において、底板部310に沿う方向に、補給水を吐出する。補給水吐水部613aが操作機構本体部610の上方側の位置に配置されるため、操作機構本体部610の内部空間に配置される操作ダイヤル部7を、上方側の位置に配置できる。これにより、操作ダイヤル部7のベースプレート3の下方への突出量を、小さくすることができる。従って、操作ダイヤル部7を、ベースプレート3の下方に突出し過ぎることなく、コンパクトに配置できる。よって、操作ダイヤル部7を目立ちにくい位置に配置でき、操作ダイヤル部7の誤操作を防止できる。
以上のように構成される便器洗浄装置1においては、水流調整機構6は、操作ダイヤル部7が回転されることで、流量調整貫通穴711の向きを変更して、補給水の流量を調整することができる。具体的には、例えば、作業者は、便器洗浄装置1を設置した現場の配管などの状況に応じて、操作ダイヤル部7を回転させることで、流量調整貫通穴711の開口面積を変化させて、便器本体2aに補給する補給水の流量を調整することができる。
そして、便器本体2aの洗浄時においては、操作ダイヤル部7により流量が調整された補給水が、水流調整機構6の補給水吐水部613aにより吐出されて、一旦ベースプレート3に供給される。補給水として一旦ベースプレート3に供給された補給水は、第1導出傾斜面部311を流れて、第1導出開口部361を介して、便器本体2aに排出される。これにより、水流調整機構6により流量が調整された補給水が、便器本体2aに補給される。
ここで、本実施形態の便器洗浄装置1においては、水流調整機構6は、ベースプレート3に取り付けられている。また、操作ダイヤル部7は、ベースプレート3に取り付けられている。そのため、水流調整機構6と操作ダイヤル部7とがワイヤーなどの長い接続ケーブルを介して接続される場合よりも、操作ダイヤル部7は、水流調整機構6の操作において、補給水の流量の調整範囲を広く確保することが可能であると共に、補給水の流量の調整を精度よく行うことが可能である。
特に、本実施形態においては、操作ダイヤル部7が水流調整機構6に直接接続された状態で、水流調整機構6は、ベースプレート3に取り付けられている。操作ダイヤル部7が水流調整機構6に直接接続されているため、操作ダイヤル部7は、水流調整機構6の操作において、補給水の流量の調整範囲をより広く確保することが可能であると共に、補給水の流量の調整をより精度よく行うことが可能である。
また、補給水吐水部613aは、ベースプレート3に沿う方向に補給水を吐出する。補給水吐水部613aから吐出される補給水の勢いを抑制する水流抑制部630を備える。水流抑制部630は、対向壁部631と、屋根壁部632と、を有する。そのため、水流抑制部630により、補給水吐水部613aから吐出される補給水の勢いを弱めて、補給水吐水部613aから吐出される補給水の勢いを抑制できる。
また、ベースプレート3の下面において、第1導出開口部361を囲むように形成される第1環状リブ381と、第1環状リブ381を囲むように形成される第2環状リブ382と、が形成されている。そのため、ベースプレート3の下面において、第1導出開口部361の周囲が二重のリブに囲まれているため、第1導出開口部361から便器本体2aの排出される補給水が周囲に飛び散ることが低減される。
また、第1導出開口部361は、便器本体2aを前後方向に視たときに、導出管挿通開口部350の少なくとも一部351,352に重なる位置に配置される。そのため、第1導出開口部361は、ディストリビュータ410の2本の分岐ホース412,412を避けた位置に配置されている。よって、第1導出開口部361から排出される補給水は、ディストリビュータ410に当たることが抑制されるため、補給水がディストリビュータ410に当たって周囲に飛び散ることが抑制される。
以上説明した本実施形態の便器洗浄装置1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の便器洗浄装置1は、便器本体2aと、洗浄水タンク4と、洗浄水タンク4の内部を通り洗浄水を洗浄水タンク4に給水する主流路部511と、主流路部511から分岐し洗浄水タンク4の外部を通ると共に洗浄水を補給水として洗浄水タンク4の外部において吐出する分岐流路部512と、を有する給水流路部510と、分岐流路部512に配置され分岐流路部512を流通する水の流れを調整する水流調整機構6と、洗浄水タンク4の外部に配置され、水流調整機構6を操作する操作ダイヤル部7と、を備える。
そのため、洗浄水タンク4の外部において、便器本体2aに補給する補給水の量を調整することができる。従って、簡易な構成で、上部カバー8aを外さずに、便器本体2aに補給する補給水の量を調整することができる。
また、本実施形態においては、便器本体2aの後方の上面に取り付けられ、洗浄水タンク4が配置されるベースプレート3を更に備え、分岐流路部512は、ベースプレート3に補給水を吐出する補給水吐水部613aを有し、操作ダイヤル部7は、ベースプレート3に取り付けられる。
そのため、ベースプレート3に一旦供給された補給水を便器本体2aに供給することができる。また、ベースプレート3に取り付けられた操作ダイヤル部7を操作することで、便器本体2aに補給する補給水の量を調整することができる。
また、本実施形態においては、補給水吐水部613aから吐出される補給水の勢いを抑制する水流抑制部630を備える。そのため、水流抑制部630により補給水吐水部613aから吐出される補給水の勢いを抑制することで、ベースプレート3に供給される補給水が周囲に飛び散ることを低減することができる。
また、本実施形態においては、補給水吐水部613aは、ベースプレート3の上面に沿う方向に補給水を吐出し、水流抑制部630は、ベースプレート3から上方に立ち上がるように形成され補給水吐水部613aに対向して配置される対向壁部631と、補給水吐水部613aの吐水口の上部から対向壁部631側に略水平方向に延びる屋根壁部632と、を有する。
そのため、対向壁部631が、補給水吐水部613aから吐出した補給水を受けて水平方向への補給水の噴出を抑制すると共に、屋根壁部632が、補給水吐水部613aから吐出した補給水及び対向壁部631が受けた補給水を上方に飛び散らないようにガードすることができる。従って、簡易な構成で、ベースプレート3に供給される補給水が周囲に飛び散ることを低減して、補給水の勢いを抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1導出開口部361は、便器本体2aを前後方向に視た場合に、導出管挿通開口部350の少なくとも一部に重なる位置に配置される。
そのため、第1導出開口部361は、ディストリビュータ410の2本の分岐ホース412,412を避けた位置に配置されている。よって、第1導出開口部361から排出される補給水は、ディストリビュータ410に当たることが抑制されるため、補給水がディストリビュータ410に当たって周囲に飛び散ることが抑制される。
また、ベースプレート3の下面において、第1導出開口部361を囲むように第1環状リブ381が形成されているため、第1導出開口部361から便器本体2aの排出される補給水が周囲に飛び散ることが低減される。
次に、本発明の第2実施形態に係る便器洗浄装置1の構成について、図11を参照して説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
図11に示すように、第2実施形態に係る便器洗浄装置1においては、水流調整機構6Aの補給水吐水部613aが補給水を吐出する向き、及びガイド壁635の構成が、第1実施形態と主に異なる。
第2実施形態の水流調整機構6Aの補給水吐水部613aの吐出口は、図11に示すように、ベースプレート3の左右方向の中央側を向いている。水流調整機構6Aの補給水吐水部613aの吐出口は、ベースプレート3の前後方向の中央側を向いている。補給水吐水部613aは、ベースプレート3の底板部310から上方に離間した位置で、略水平方向に、ベースプレート3の左右方向の中央側に補給水を吐出する。本実施形態においては、補給水吐水部613aは、洗浄水タンク4のタンク凹部405側に向けて補給水を吐出する。
便器洗浄装置1は、ガイド壁635を備える。ガイド壁635は、補給水吐水部613aから吐出される補給水の流れをガイドする。
ガイド壁635は、ベースプレート3の左右方向の中央から一方側(図11における左側)にずれた位置において、洗浄水タンク4のタンク凹部405の下方側に配置される。ガイド壁635は、ベースプレート3の上面から上方に立ち上がるように形成される。ガイド壁635は、水流調整機構6Aの補給水吐水部613aから吐出される補給水をガイドするように、補給水吐水部613a側の面が凹となるように湾曲して、ベースプレート3の後方側から前方側に向かって、補給水吐水部613aの吐出口の側方の近傍から補給水吐水部613aから離れる側に、円弧状に延びる。ガイド壁635は、補給水吐水部613a側の面が、補給水吐水部613aから吐出される補給水の方向に沿うように形成され、補給水吐水部613aから離れるに従って補給水吐水部613aの吐出口に対向するように湾曲している。
以上のように構成される水流調整機構6Aの補給水吐水部613a及びガイド壁635においては、補給水吐水部613aは、ベースプレート3の中央側に補給水を吐出し、ガイド壁635は、ベースプレート3から上方に立ち上がるように形成され補給水吐水部613aから吐出される補給水の流れをガイドする。
そのため、補給水吐水部613aから吐出される補給水は、ベースプレート3の中央側に吐出され、ガイド壁635に沿ってガイドされる。ガイド壁635に衝突して上方側に跳ねた補給水は、洗浄水タンク4のタンク凹部405を構成する第1壁部405a、第2壁部405b及び第3壁部405cにより、ベースプレート3の外部への飛び跳ねが抑制される。
以上、本発明の便器洗浄装置1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、ベースプレート3に補給水を供給するように構成したが、これに限定されない。例えば、ベースプレート3を用いずに、水流調整機構6から便器2までをホースで接続してホースを介して補給水を流通させたり、水流調整機構6から便器2と洗浄水タンク4との途中の流路までをホースで接続してホースを介して補給水を流通させてもよい。