JP6659017B2 - リラクタンスモータ - Google Patents
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Description
従来、特許文献1に開示されているリラクタンスモータが知られている。特許文献1に開示されているリラクタンスモータは、固定子と、固定子に空隙(エアギャップ)を介して回転可能に配置されている回転子を備えている。回転子は、図5に示されているように、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有するスリット(フラックスバリア)331〜334が周方向および径方向に沿って配置されている。スリット331〜334によって、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有する磁路351〜354が形成される。そして、磁束が磁路351〜354を流れることによってリラクタンストルクが発生する。また、回転子の外周面321は、軸方向に直角な断面で見て、円形形状に形成されている。このため、固定子の内周面313と回転子の外周面321の間の空隙(エアギャップ)Gが一定である。
固定子の内周面313と回転子の外周面321の間の空隙が一定であるため、図5に矢印361〜364で示される磁束や、矢印365および366で示される磁束が流れる。ここで、回転子の外周面321側に形成されている磁路(例えば、磁路354)を磁束が流れた場合に発生するリラクタンストルクは、回転中心O側に形成されている磁路(例えば、磁路351)を磁束が流れた場合に発生するリラクタンストルクに較べて小さい。特に、矢印365や366で示される磁束が流れた場合に発生するリラクタンストルクは、非常に小さい。すなわち、矢印365や366で示される磁束は、有効に利用されない。このため、リラクタンスモータの効率が低い。
そこで、特許文献2に開示されているリラクタンスモータが提案されている。特許文献2に開示されているリラクタンスモータでは、図6に示されているように、回転子の外周面421は、周方向に隣接するスリットの間の周方向中央部と回転中心Oを結ぶ第1の線Aと交差する第1の外周部分421aと、スリットの周方向中央部と回転中心Oを結ぶ第2の線Bと交差する第2の外周部分421bが接続されて構成されている。第1の外周部分421aは、回転中心Oを中心点とする円弧形状に形成され、第2の外周部分421bは、第2の線Bと直交する方向に延在する直線形状に形成されている。これにより、第2の線Bに沿った空隙の間隔G2が第1の線Aに沿った空隙の間隔G1より広くなり、図4に矢印365や366で示される磁束が流れるのが抑制され、リラクタンスモータの効率が高められる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、磁束を有効に利用して効率を高めるとともに、磁束量の変化に起因して発生する騒音を抑制することができるリラクタンスモータを提供することを目的とする。
回転子は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するとともに、径方向に沿って離間して配置されている複数のフラックスバリアによって構成されるフラックスバリアグループが、周方向に沿って極数に応じた数設けられている。フラックスバリアは、高磁気抵抗を有し、磁束の通過を阻止する磁束遮蔽部として機能する。好適には、フラックスバリアは、スリット(空隙部)により構成される。
回転子の外周面は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に隣接するフラックスバリアの間の周方向中央部と回転中心を結ぶ第1の線と交差する第1の外周部分と、フラックスバリアの周方向中央部と回転中心を結ぶ第2の線と交差する第2の外周部分が接続されて構成されている。第1の外周部分は、第1の線上の回転中心を中心点とする円弧形状に形成されている。第2の外周部分は、第2の線上であって、回転中心より第2の外周部分と反対側に離れた点を中心点とし、第1の外周部分の半径より大きい半径を有する円弧形状に形成されている。
第1発明では、フラックスバリアは、回転中心側に配置されている内壁、回転子の外周側に配置されている外壁、周方向に沿った両端に配置されている端壁により形成されている。
フラックスバリアグループを構成する複数のフラックスバリアのうちの回転子の外周側に配置されているフラックバリアの内壁と、回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを除くフラックスバリアの内壁および外壁は、第2の線上の点を中心点とし、周方向中央部が回転中心側に飛び出ている円弧形状に形成されている。そして、回転子の外周側に配置されているフラックスバリアの外壁と回転子の外周面の第2の外周部分の間に、磁束の漏洩を防止するブリッジ部が形成されている。
第2発明では、フラックスバリアは、第2の線を挟んで周方向両側に配置されている分割フラックスバリアにより構成されている。分割フラックスバリアは、回転中心側に配置されている内壁、回転子の外周側に配置されている外壁、周方向に沿った両端に配置されている端壁により形成されている。
フラックスバリアグループを構成する複数のフラックスバリアのうちの、回転子の外周側に配置されているフラックバリアを構成する分割フラックスバリアの内壁と、回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを除くフラックスバリアを構成する分割フラックスバリアの内壁および外壁は、第2の線上の点を中心点とし、周方向中央部が回転中心側に飛び出ている円弧形状に形成されている。そして、回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを構成する分割フラックスバリアの外壁と回転子の外周面の第2の外周部分の間に、磁束の漏洩を防止するブリッジ部が形成されている。
第1発明および第2発明では、周方向に隣接するフラックスバリアの間の周方向中央部と回転中心を結ぶ第1の線に沿った空隙の間隔が、フラックスバリアの周方向中央部と回転中心を結ぶ第2の線に沿った空隙の間隔より狭くなるように構成されているため、回転子の外周面の、第2の線と交差する箇所の近傍の部分と固定子の内周面の間の空隙を介して磁束が流れるのを抑制することができる。これにより、磁束を有効に利用することができ、リラクタンスモータの効率を高めることができる。さらに、回転子の外周面が、第1の線と交差し、外周側に突状に形成されている第1の外周部分と、第2の線と交差し、外周側に突状に形成されている第2の外周部分が接続されて構成されているため、第1の外周部分と第2の外周部分を滑らかに接続することができ、磁束量の変化に起因して発生する騒音を抑制することができる。特に、第1の外周部分は、第1の線上の回転中心を中心点とする半径R1の円弧形状に形成され、第2の外周部分は、第2の線上の、回転中心より第2の外周部分と反対側に離れた点を中心点とする、半径R1より大きい半径R2(R2>R1)の円弧形状に形成されている。これにより、第2の線に沿った空隙の間隔を第1の線に沿った空隙の間隔より長く設定することができる回転子の外周面を容易に形成することができる。
第2発明では、フラックスバリアは、第2の線と交差する箇所に配置されるブリッジ部(中央ブリッジ部)を挟んで周方向両側に配置されている複数の分割フラックスバリアにより構成されている。
これにより、第2発明では、さらに、遠心力に対する回転子の強度を高めることができる。
固定子や回転子は、電磁鋼板等の軟磁性材料により形成される。第1発明および第2発明の異なる形態では、固定子および回転子の少なくとも一方は、ナノ結晶軟磁性材料により形成されている。
ナノ結晶軟磁性材料(「ナノ結晶合金」とも呼ばれる)は、Fe基のアモルファス合金を結晶化させることにより、ランダム配向した強磁性相のナノ結晶粒を残存するアモルファス相に分散させた軟磁性材料である。ナノ結晶軟磁性材料は、高飽和磁束密度や低鉄損等の優れた磁気特性を有している。固定子や回転子をナノ結晶軟磁性材料により形成する方法としては、好適には、固定子や回転子を、ナノ結晶軟磁性材料により形成される薄帯部材を積層した積層体により構成する方法が用いられる。
本形態では、リラクタンスモータの効率をより高めることができる。
本明細書では、「軸方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子(回転軸)の回転中心を通る回転中心線の方向を示す。「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心を中心とする円周方向を示す。「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心を通る方向を示す。
また、スリット(フラックスバリア)の「内壁」および「外壁」は、スリットを形成する、径方向に対向する壁のうち回転中心側に配置されている壁および回転子の外周側に配置されている壁を表し、「端壁」は、周方向に沿った両端に配置されている壁を表す。
本実施形態のリラクタンスモータ100は、固定子110と、固定子110と空隙(エアギャップ)を介して回転可能に配置されている回転子120を有している。
固定子110は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨーク部111と、ヨーク部111から径方向に沿って回転中心O側に延在するティース部112を有している。ティース部112は、ヨーク部111から径方向に沿って延在するティース基部112aと、ティース基部112aの先端側(回転中心O側)に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部112bを有している。ティース先端部112bの回転中心O側には、ティース先端面113が形成されている。ティース先端面113は、「固定子110の内周面」を形成する。
周方向に沿って隣接するティース部112により形成されるスロット114には、固定子巻線(図示省略)が挿入される。本実施形態では、固定子巻線は、分布巻き方式を用いてスロット114に挿入されている。固定子巻線をスロット114に挿入する(ティース部112に巻き付ける)方式としては、集中巻き方式等の種々の方式を用いることができる。
回転子120は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するフラックスバリアが複数設けられている。フラックスバリアは、高磁気抵抗を有し、磁束の流れを阻止する磁束遮蔽部として機能する。
径方向に沿って配置されているフラックスバリアによってフラックスバリアグループが構成され、フラックスバリアグループが、回転子120の極数に応じた数設けられる。そして、周方向に隣接するフラックスバリアグループ間の周方向中央部と回転中心Oを結ぶ線が第1の線Aとして定義され、隣接する第1の線A間の周方向中央部(フラックスバリアグループの周方向中央部)と回転中心Oを結ぶ線が第2の線Bとして定義される。すなわち、周方向に隣接するフラックスバリアの間を第1の線Aが通り、フラックスバリアの周方向中央部を第2の線Bが通っている。
なお、回転子120は、回転中心側に内周面122を有する。内周面122によって、回転軸(図示省略)が挿入される回転軸挿入孔が形成される。
本実施形態では、スリットグループは、回転中心Oと外周面121の間に離間して配置されている(径方向に沿って配置されている)第1スリット131〜第4スリット134の4つのスリットにより構成されている。勿論、スリットの数は、適宜変更可能である。
第1スリット131〜第4スリット134は、内壁131a〜134a、外壁131b〜134b、端壁131c〜134cおよび131d〜134dにより形成されている。
第1スリット131〜第3スリット133の内壁131a〜133aおよび外壁131b〜133bと第4スリット134の内壁134aは、第2の線B上の点を中心点とし、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有している。すなわち、第1スリット131〜第3スリット133は、軸方向に直角な断面で見て、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有している。また、第4スリット134の内壁は、第1スリット131〜第3スリット133の内壁131a〜133aおよび外壁131b〜133bの円弧形状と同じ中心点を中心点とする円弧形状を有している。これにより、第1スリット131〜第3スリット133の回転中心側および外周側に、複数の円弧形状の磁路151〜154が形成される。
本実施形態では、4つのスリットグループが周方向に沿って配置されており、4極の回転子120が構成されている。
固定子巻線に電流が流れることによって発生した磁束が、固定子110のティース部112、固定子110内周面(ティース先端面113)と回転子120の外周面121との間の空隙を介して回転子120の磁路151〜154を流れることによって、回転子の突極性に起因するリラクタンストルクが発生する。
また、第4スリット134の外壁134bと回転子120の外周面121の間には、ブリッジ部(外周ブリッジ部)144aが形成されている。このブリッジ部144aによって、遠心力に対する回転子120の強度が高められているとともに、第4スリットの外壁134bと回転子120の外周面121の間の部分を介して磁束が短絡されるのを、すなわち、磁束が漏洩するのを防止している。
第1の外周部分121aは、第1の線A上の回転中心Oを中心点とする、半径R1の(外周側に突状の)円弧形状に形成されている。また、第2の外周部分121bは、第2の線B上であって、回転中心Oより第2の外周部分121bと反対側に離れた点Pを中心点とし、第1の外周部分121aの円弧形状の半径R1より大きい半径R2(R2>R1)の(外周側に突状)の円弧形状に形成されている。
これにより、第2の線Bに沿った空隙の間隔G2が、第1の線Aに沿った空隙の間隔G1より広くなる(G2>G1)。
第2の外周部分121bの長さ(接続部120A、120Bの位置)は、磁束が、回転子120の外周面121の、第2の線Bと交差する箇所の近傍の部分と固定子の内周面の間の空隙を介して流れるのを抑制することができる適宜の長さに設定される。
また、第1の外周部分121aおよび第2の外周部分121bが円弧形状を有しているため、回転子120の外周面121を容易に加工することができる。
また、回転子120の外周面121を、半径R1の円弧形状を有する第1の外周部分121aと半径R2(R2>R1)の円弧形状を有する第2の外周部分121bを交互に接続して構成しているため、第1の外周部分121aと第2の外周部分121bを滑らかに接続することができる。これにより、第1の外周部分121aと第2の外周部分121bとの接続部120Aおよび120Bが、固定子110のティース部112(ティース先端面113)が配置されている箇所を通過する際における磁束量の変化を小さくすることができ、磁束量の変化に起因する騒音の発生を抑制することができる。
第2の実施形態のリラクタンスモータ200は、スリット(フラックスバリア)を、複数の分割スリット(分割フラックスバリア)により構成している点が、第1の実施形態のリラクタンスモータ100と異なっている。したがって、以下では、主に、スリットの構成について説明する。なお、図3および図4において、スリット以外の構成要素に関しては、図1および図2に示されている符号と百番台以外が同じ符号が付されている構成要素は同じ構成要素である。
第1スリットは、第2の線Bを挟んで周方向両側に配置されている分割スリット231と232により構成されている。分割スリット231(232)は、内壁231a(232a)、外壁231b(232b)、端壁231cおよび231d(232cおよび232d)により形成されている。第2スリット〜第4スリットも、同様に、それぞれ第2の線Bを挟んで周方向両側に配置されている分割スリット233と234、235と236、237と238により構成されている。分割スリット233〜238は、内壁233a〜238a、外壁233b〜238b、端壁233c〜238cおよび233d〜238dにより形成されている。なお、図4では、符号の一部の図示が省略されている。
分割スリット231〜236の内壁231a〜236aおよび外壁231b〜236bと、分割スリット237および238の内壁237aおよび238aは、第2の線B上の点を中心点とし、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有している。すなわち、分割スリット231〜236は、軸方向に直角な断面で見て、回転中心O側に飛び出ている円弧形状を有している。また、分割スリット237および238の内壁237aおよび238aは、分割スリット231〜236の内壁231a〜236aおよび外壁231b〜236bの円弧形状と同じ中心点を中心点とする円弧形状を有している。これにより、第1スリット(分割スリット231と232)〜第3スリット(分割スリット235と236)の回転中心側および外周側に、複数の円弧形状の磁路251〜254が形成される。
なお、分割スリット237および238の外壁237bおよび238bと回転子220の外周面221の間には、回転子220の強度を高めるとともに、磁束の短絡(磁束の漏洩)を防止するためのブリッジ部(外周ブリッジ部)244aおよび244bが形成されている。
また、回転子220の外周面221を、半径R1の円弧形状を有する第1の外周部分221aと半径R2(R2>R1)の円弧形状を有する第2の外周部分221bを交互に接続して構成しているため、第1の外周部分221aと第2の外周部分221bを滑らかに接続することができる。これにより、第1の外周部分221aと第2の外周部分221bとの接続部220Aおよび220Bが、固定子210のティース部212が配置されている箇所を通過する際における磁束量の変化を小さくすることができ、磁束量の変化に起因する騒音の発生を抑制することができる。
また、外周側にブリッジ部(外周ブリッジ部)241a〜243aおよび241b〜244bを有しているとともに、第2の線Bと交差する箇所に、ブリッジ部(中央ブリッジ部)241c〜244cを有しているため、遠心力に対する回転子220の強度をより高めることができる。
例えば、固定子や回転子を、ナノ結晶軟磁性材料により形成された薄帯部材を積層した積層体により構成することもできる。ナノ結晶軟磁性材料は、Fe基のアモルファス合金を結晶化させることにより、ランダム配向した強磁性相のナノ結晶粒を残存するアモルファス相に分散させた軟磁性材料であり、ナノ結晶合金とも呼ばれている。ナノ結晶軟磁性材料は、高飽和磁束密度や低鉄損等の優れた磁気特性を有している。
なお、ナノ結晶軟磁性材料は、例えば、特開2007−107096号公報、特開2011−195936号公報等に開示されているので、本明細書では詳しく説明しない。
(態様1)
固定子と、前記固定子に空隙を介して配置された回転子を備え、前記回転子は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在する複数のフラックスバリアが周方向に沿って配置されているリラクタンスモータであって、
前記回転子の外周面は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に隣接する前記フラックスバリアの間の周方向中央部と回転中心を結ぶ第1の線と交差する第1の外周部分と、前記フラックスバリアの周方向中央部と回転中心を結ぶ第2の線と交差する第2の外周部分が接続されて構成され、前記第1の外周部分および前記第2の外周部分は、周方向中央部が外周側に飛び出ている突形状に形成されており、
前記第1の線に沿った空隙の間隔が前記第2の線に沿った空隙の間隔より狭くなるように構成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様2)
態様1のリラクタンスモータであって、前記第1の外周部分は、前記第1の線上に中心点を有する円弧形状に形成され、前記第2の外周部分は、前記第2の線上に中心点を有し、前記第1の外周部分の半径より大きい半径を有する円弧形状に形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様3)
態様1または2のリラクタンスモータであって、前記フラックスバリアは、周方向中央部が回転中心側に飛び出ている突形状を有していることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様4)
態様3のリラクタンスモータであって、前記フラックスバリアは、円弧形状を有していることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様5)
態様1〜4のうちのいずれかのリラクタンスモータであって、前記フラックスバリアは、ブリッジ部を挟んで周方向両側に配置されている複数の分割フラックスバリアにより構成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様6)
態様1〜5のうちのいずれかのリラクタンスモータであって、前記固定子および前記回転子の少なくとも一方は、ナノ結晶合金により形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
(態様7)
機器と、前記機器を駆動する電動機を備える機器駆動装置であって、前記電動機として請求項1〜6のうちのいずれかのリラクタンスモータが用いられていることを特徴とする機器駆動装置。
スリットとして、軸方向に直角な断面で見て、回転中心側に飛び出ている円弧形状を有するスリットを用いたが、スリットの形状は円弧形状に限定されない。例えば、台形形状やV字形状のスリットを用いることができる。さらに、回転中心側に飛び出ていない形状、例えば、直線形状であってもよい。
フラックスバリアは、磁束の流れを阻止する機能を有していればよく、スリット(空隙部)に限定されない。
磁性材料により形成された板状部材を積層した積層体により固定子や回転子を構成したが、固定子や回転子を磁性材料で形成する方法は、これに限定されない。
回転子の外周面を、外周側に突状の(飛び出ている)円弧形状を有する第1の外周部分と第2の外周部分を接続して構成したが、第1の外周部分および第2の外周部分の形状は、外周側に突状であればよく、円弧形状に限定されない。例えば、直線や曲線を組み合わせた形状に形成することもできる。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
110、210 固定子
111、211 ヨーク
112、212 ティース部
112a、212a ティース基部
112b、212b ティース先端部
113、213、313、413 ティース先端面
114、214 スロット
120、220 回転子
120A、120B、220A、220B、420A、420B 接続部
121、221、321、421 外周面
121a、221a、421a 第1の外周部分
121b、221b、421b 第2の外周部分
122、222 内周面
123、223 カシメピン
131〜134、331〜334、431〜434 スリット(フラックスバリア)
131a〜134a、231a〜238a 内壁
131b〜134b、231b〜238b 外壁
131c〜134c、131d〜134d、231c〜238c、231d〜238d 端壁
141a〜144a、141b〜143b、241a〜244a、241b〜244b ブリッジ部(外周ブリッジ部)
151〜154、251〜254、351〜354、451〜454 磁路
231〜238 分割スリット(分割フラックスバリア)
241c〜244c ブリッジ部(中央ブリッジ部)
Claims (3)
- 固定子と、前記固定子に空隙を介して配置された回転子を備え、前記回転子は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するとともに、径方向に沿って離間して配置されている複数のフラックスバリアによって構成されるフラックスバリアグループが、周方向に沿って極数に応じた数設けられている、圧縮機の圧縮機構部を駆動するリラクタンスモータであって、
前記回転子の外周面は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に隣接する前記フラックスバリアの間の周方向中央部と回転中心を結ぶ第1の線と交差する第1の外周部分と、前記フラックスバリアの周方向中央部と前記回転中心を結ぶ第2の線と交差する第2の外周部分が接続されて構成され、
前記第1の外周部分は、前記第1の線上の前記回転中心を中心点とする円弧形状に形成され、
前記第2の外周部分は、前記第2の線上であって、前記回転中心より前記第2の外周部分と反対側に離れた点を中心点とし、前記第1の外周部分の半径より大きい半径を有する円弧形状に形成され、
前記フラックスバリアは、前記回転中心側に配置されている内壁、前記回転子の外周側に配置されている外壁、周方向に沿った両端に配置されている端壁により形成され、
前記フラックスバリアグループを構成する複数のフラックスバリアのうちの、前記回転子の外周側に配置されているフラックバリアの前記内壁と、前記回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを除くフラックスバリアの前記内壁および前記外壁は、前記第2の線上の点を中心点とし、周方向中央部が前記回転中心側に飛び出ている円弧形状に形成され、
前記回転子の外周側に配置されているフラックスバリアの前記外壁と前記回転子の外周面の前記第2の外周部分の間に、磁束の漏洩を防止するブリッジ部が形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。 - 固定子と、前記固定子に空隙を介して配置された回転子を備え、前記回転子は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するとともに、径方向に沿って離間して配置されている複数のフラックスバリアによって構成されるフラックスバリアグループが、周方向に沿って極数に応じた数設けられている、圧縮機の圧縮機構部を駆動するリラクタンスモータであって、
前記回転子の外周面は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に隣接する前記フラックスバリアの間の周方向中央部と回転中心を結ぶ第1の線と交差する第1の外周部分と、前記フラックスバリアの周方向中央部と前記回転中心を結ぶ第2の線と交差する第2の外周部分が接続されて構成され、
前記第1の外周部分は、前記第1の線上の前記回転中心を中心点とする円弧形状に形成され、
前記第2の外周部分は、前記第2の線上であって、前記回転中心より前記第2の外周部分と反対側に離れた点を中心点とし、前記第1の外周部分の半径より大きい半径を有する円弧形状に形成され、
前記フラックスバリアは、前記第2の線を挟んで周方向両側に配置されている分割フラックスバリアにより構成され、
前記分割フラックスバリアは、前記回転中心側に配置されている内壁、前記回転子の外周側に配置されている外壁、周方向に沿った両端に配置されている端壁により形成され、
前記フラックスバリアグループを構成する複数のフラックスバリアのうちの、前記回転子の外周側に配置されているフラックバリアを構成する分割フラックスバリアの前記内壁と、前記回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを除くフラックスバリアを構成する分割フラックスバリアの前記内壁および前記外壁は、前記第2の線上の点を中心点とし、周方向中央部が前記回転中心側に飛び出ている円弧形状に形成され、
前記回転子の外周側に配置されているフラックスバリアを構成する分割フラックスバリアの前記外壁と前記回転子の外周面の前記第2の外周部分の間に、磁束の漏洩を防止するブリッジ部が形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。 - 請求項1または2に記載のリラクタンスモータであって、
前記固定子および前記回転子の少なくとも一方は、ナノ結晶合金により形成されていることを特徴とするリラクタンスモータ。
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