JP6658646B2 - 現像スリーブ及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像スリーブ及び画像形成装置に関し、詳しくは、1成分現像剤を用いて好適に画像を形成できる現像スリーブ及び画像形成装置に関する。
磁性体分散型樹脂キャリアにおいて、N−イソプロピルアクリルアミド及び/又はN−イソプロピルメタクリルアミドを必須成分とする温度応答性高分子(詳しくは、ビニル重合体)を含有する被覆層を、キャリアコア(コア粒子)の表面に形成する技術が、特許文献1に開示されている。
特開2008−233341号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術は、キャリアを使用しない1成分現像剤には適用できない。また、上記技術を2成分現像剤に適用した場合、環境変動によるトナーの帯電量の変化が、温度応答性高分子によってある程度は抑制されるものの、低温低湿環境から高温高湿環境までの幅広い温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、幅広い温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することを目的とする。また、本発明の他の目的は、幅広い温度環境において1成分現像剤の帯電量を適切なレベルに維持することである。
本発明に係る現像スリーブは、表層部にコート層を備える。前記コート層は、コート樹脂と、それぞれ前記コート樹脂中に分散している第1温度応答性ポリマードメイン及び第2温度応答性ポリマードメインとを含有する。前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度よりも高い。
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像を磁性トナーで現像するように構成される現像装置を備える。前記現像装置は、前記磁性トナーを収容している収容部と、前記収容部から供給された前記磁性トナーを担持するトナー担持体とを備える。前記トナー担持体は、シャフトと、前記シャフトの周りを回転可能な現像スリーブとを備える。前記現像スリーブは、表層部にコート層を備える。前記コート層は、コート樹脂と、それぞれ前記コート樹脂中に分散している第1温度応答性ポリマードメイン及び第2温度応答性ポリマードメインとを含有する。前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度よりも高い。
本発明によれば、幅広い温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することが可能になる。また、本発明を1成分現像剤に適用した場合には、幅広い温度環境において1成分現像剤の帯電量を適切なレベルに維持することが可能になる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー担持体の概略構成を示す図である。 図1中の領域Sを拡大して示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の、画像形成部、転写部、及び定着部を示す図である。 本発明の実施形態に係る現像スリーブのコート層について、疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)の温度特性を示すグラフである。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、磁性粉、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度(オンセット温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。また、分子量(例えば、数平均分子量又は質量平均分子量)の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係る現像スリーブは、現像ローラーの一部を構成する。現像ローラーは、静電潜像をトナーで現像するように構成される現像装置の部品である。静電潜像は、例えば像担持体の表面に形成される。現像装置において、現像ローラーは、表面にトナーを担持するとともに、そのトナーを像担持体(例えば、感光体ドラム)に渡す役割を担う。図1に、本実施形態に係る現像スリーブ13を備える現像ローラー10aを示す。なお、図1(及び、後述する図3)において、矢印X、Y、Zは、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の方向を示している。
図1に示すように、現像ローラー10aは、シャフト11と、マグネットロール12と、筒状の現像スリーブ13とを備える。マグネットロール12は、シャフト11に固定されている。マグネットロール12は現像スリーブ13内(筒内)に位置し、現像スリーブ13は現像ローラー10aの表層部に位置する。現像スリーブ13は、シャフト11(固定軸)の周りを回転できるように支持されている。詳しくは、非回転のマグネットロール12の周りを現像スリーブ13が回転できるように、シャフト11と現像スリーブ13とがフランジ部13a及び13bを介して接続されている。こうした構造により、現像スリーブ13は、シャフト11の周方向(例えば、後述する図3中の矢印の方向)に回転することができる。
シャフト11は、例えば金属(より具体的には、鉄等)から構成される。マグネットロール12は、少なくともその表層部に磁極(例えば、永久磁石に基づくN極及びS極)を有する。マグネットロール12としては、例えば、フェライト磁石、プラスチックマグネット、及び希土類ボンド磁石からなる群より選択される1種以上の磁石が好ましい。現像ローラー10aは、マグネットロール12の磁力によって磁性トナーを引き付けて、表面に磁性トナー(1成分現像剤)を担持できるように構成される。
現像スリーブ13は、スリーブ基体130と、コート層131とを備える。スリーブ基体130の表面領域のうち、少なくともトナーが担持される領域は、コート層131(最外層)で覆われている。コート層131は、現像スリーブ13の表層部に位置する。コート層131は、スリーブ基体130の表面全域を覆っていてもよい。スリーブ基体130は、非磁性の筒体である。スリーブ基体130の直径は、例えば5mm以上100mm以下である。スリーブ基体130の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮、及びこれら金属の合金(すなわち、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮のいずれかと他の任意の金属との合金)からなる群より選択される1種以上の非磁性金属が好ましく、アルミニウム又はその合金がより好ましい。ステンレス鋼では、SUS303、SUS304、又はSUS316が特に好ましい。アルミニウム合金では、A6063、A5056、又はA3003が特に好ましい。スリーブ基体130は、表面処理されていてもよい。
スリーブ基体130の表面は、凹凸を有していていもよい。スリーブ基体130の表面に凹凸を形成する場合には、現像ローラー10aの表面にトナーを担持し易くなる。スリーブ基体130の表面に凹凸を付ける方法の好適な例としては、ブラスト加工(より具体的には、サンドブラスト等)が挙げられる。スリーブ基体130の表面が凹凸を有する場合、コート層131の表面も、スリーブ基体130の表面の凹凸に対応する凹凸(スリーブ基体130の表面形状に沿った凹凸)を有すると考えられる。特に、スリーブ基体130がアルミニウム又はその合金から構成される場合には、スリーブ基体130の表面に深い凹部を形成し易くなる。例えばサンドブラストによりスリーブ基体130の表面を加工することで、比較的容易にスリーブ基体130の表面粗さ(詳しくは、十点平均表面粗さ)を5μm以上20μm以下にすることができる。スリーブ基体130の表面粗さの測定方法は、JIS(日本工業規格)B0601における十点平均表面粗さRzjisの測定方法に準ずる。
次に、図2を参照して、コート層131の構成について説明する。図2は、図1中の領域Sを拡大して示す図である。
図2に示すように、コート層131は、コート樹脂131aと、第1ドメイン131bと、第2ドメイン131cとを含有する。コート層131において、コート樹脂131aは、結着樹脂として機能する。コート樹脂131aの好適な例としては、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、アクリル酸系樹脂、シリコーン樹脂、又はフッ素樹脂が挙げられる。これらの中でも、ナイロン樹脂が好ましく、アルコール可溶性ナイロン樹脂が特に好ましい。ナイロン樹脂は、正帯電性トナーの結着樹脂と近い帯電性を有する傾向があり、正帯電性トナーの剥離性が良好である。また、現像スリーブの生産性の観点からは、アルコール可溶性ナイロン樹脂が好ましい。ナイロン樹脂のアルコール溶液に、コート層131の他の材料を加えて、コート層131の材料を含むコート液を調製することで、このコート液を用いたディッピング法により、スリーブ基体130の表面(詳しくは、外周面)にコート層131を好適に形成することができる。
第1ドメイン131b及び第2ドメイン131cはそれぞれ、粒子状の形態を有し、実質的に温度応答性ポリマーから構成される。複数の第1ドメイン131bと、複数の第2ドメイン131cとは、それぞれコート樹脂131a中に分散している。
温度応答性とは、低温で水溶性を有する物質が、LCST(Lower Critical Solution Temperature)と呼ばれる温度を超えるまで加熱されると、急激に親水性が弱くなって(すなわち、疎水性が強くなって)非水溶性を有するようになり、かつ、その物質が再び、上記温度(LCST)を下回るまで冷却されると、急激に疎水性が弱くなって(すなわち、親水性が強くなって)水溶性を有するようになるような性質をいう。温度応答性ポリマーは、外部からの温度刺激に応答して鋭敏で可逆的な変化を起こす物質である。一般的な温度応答性ポリマーは、水中において水素結合性部位を有し、低温側では、伸展した高分子鎖のまわりに水分子が強く付着することで、水に溶解する。しかし、加熱されると、温度応答性ポリマーの高分子鎖が収縮(凝集)する。このため、温度応答性ポリマーは、高温側では、水と相分離し、水に溶けなくなって沈殿する。温度応答性ポリマーが水に溶けているか否かは、水の透明度で判定できる。詳しくは、温度応答性ポリマーを含む水に関して、水の温度がLCSTを超えると、温度応答性ポリマーの不溶化により水が白濁し、水の温度がLCSTを下回ると、温度応答性ポリマーが溶解して水が透明になる。
第2ドメイン131cを構成する温度応答性ポリマーのLCSTは、第1ドメイン131bを構成する温度応答性ポリマーのLCSTよりも高い。こうした2種類のドメイン(第1ドメイン131b及び第2ドメイン131c)を、コート樹脂131a中に分散させることで、画像形成において、幅広い温度環境(詳しくは、低温低湿環境、常温常湿環境、及び高温高湿環境の全て)においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することが可能になることを、本願発明者が見出した。このことについては、後で詳述する(図4参照)。
コート層131の体積抵抗値のばらつきを低減するために、コート層131に比誘電率10以上の抵抗調整剤を添加していてもよい。コート層131全体の電気抵抗のむらを低減するためには、コート層131全体に抵抗調整剤が分散していることが好ましい。コート層131全体における電気抵抗の均一性が向上することで、現像ローラー10aの表面に担持されている状態のトナー層が安定して帯電するようになる。また、現像ローラー10aの表面に存在するトナーを回収するときには、容易に現像ローラー10aの表面からトナー層を剥離することが可能になる。現像ローラー10aと像担持体との間でのリーク電流を防止し、かつ、現像ローラー10aの表面に残留電荷を適度に滞留させるためには、コート層131の体積抵抗率が、1.0×104Ω・cm以上1.0×108Ω・cm以下であることが好ましい。抵抗調整剤の好適な例としては、カーボンブラック、酸化チタン、又はチタン酸カリウム(より好ましくは、繊維状のチタン酸カリウム)が挙げられる。抵抗調整剤としては、個数平均1次粒子径0.01μm以上0.10μm以下の導電性酸化チタン粒子が特に好ましい。2種以上の抵抗調整剤を併用してもよい。例えば、コート層131が、抵抗調整剤としてカーボンブラック及び酸化チタンを含有していてもよい。
コート層131の形成方法としては、ディッピング法が好ましい。ディッピング法の一例では、コート層131の材料(例えば、コート樹脂、2種類の温度応答性ポリマー、及び抵抗調整剤)を含むコート液を準備する。そして、コート液の液面に対してスリーブ基体130の軸方向(長手方向)が直交するように、スリーブ基体130の軸方向(長手方向)を鉛直線と一致させる。スリーブ基体130を、鉛直線に沿ってコート液の液面に近づけて、一端側からコート液に入れる。そして、スリーブ基体130の全体がコート液に浸かった状態で、所定の時間(例えば、3秒間以上20秒間以下から選ばれる時間)保つ。その後、スリーブ基体130を、他端側から鉛直線に沿って所定の引上げ速度(例えば、5mm/秒以上20mm/秒以下から選ばれる速度)で引き上げて、コーティングされたスリーブ基体130をコート液から取り出して乾燥させる。その結果、スリーブ基体130の表面にコート層131が形成される。コート層131の厚さは、2μm以上11μm以下であることが好ましい。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置の、画像形成部、転写部、及び定着部を示す図である。図3には、画像形成装置の搬送部は示していない。本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体P(例えば、紙)を搬送するための搬送部(例えば、ベルト搬送方式の搬送装置)を備える。
本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部は、図3に示すような現像装置10を備える。現像装置10は、収容部Rに現像剤を収容している。現像剤は、例えば磁性トナー(1成分現像剤:キャリアを含まない現像剤)である。磁性トナーは、複数のトナー粒子T(それぞれ後述する構成を有する磁性粒子)を含む粉体である。現像装置10は、静電潜像をトナー(詳しくは、磁性トナー)で現像するように構成される。画像形成部は、現像装置10の収容部Rにトナーを補給するためのトナーコンテナを備えていてもよい。
現像装置10は、現像ローラー10aを備える。現像ローラー10aは、収容部Rから供給されたトナーを担持できるように構成される。現像装置10は、収容部Rにあるトナーを現像ローラー10aに供給するためのトナー供給ローラー14を備える。トナー供給ローラー14は、現像剤(磁性トナー)を攪拌する役割を担ってもよい。また、現像装置10は、現像ローラー10aの表面に担持されたトナーを帯電させるためのトナー帯電部材15(例えば、ドクターブレード)を備える。トナー帯電部材15は、現像ローラー10a上のトナーの量(トナー層の厚さ)を規制する役割を担ってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部は、像担持体として、感光体ドラム20(例えば、アモルファスシリコン(a−Si)感光体ドラム)を備える。感光体ドラム20は、現像装置10の近傍に配置される。感光体ドラム20は、表層部に感光層を備える。画像形成部は、感光体ドラム20の感光層に一様に静電気を帯びさせるための帯電装置21をさらに備える。帯電装置21としては、接触帯電方式で感光層を帯電させる部材(例えば、直流電圧の印加により、又は直流電圧に交流電圧を重畳したAC重畳直流電圧の印加により、帯電させたローラー、ブラシ、又はブレード)が好ましい。また、画像形成部は、感光体ドラム20の感光層に静電潜像を形成するための露光装置22(例えば、LEDヘッド)をさらに備える。また、画像形成部は、感光体ドラム20上の付着物(例えば、不要なトナー)を除去するためのクリーニング部材24(例えば、クリーニングブレード)をさらに備える。
本実施形態に係る画像形成装置の転写部は、図3に示すような転写ローラー23を備える。転写ローラー23は感光体ドラム20に対向する。転写ローラー23と感光体ドラム20との間を記録媒体Pが通過するように、転写ローラー23と感光体ドラム20との間には記録媒体Pの搬送路が設けられている。転写ローラー23には、所定のタイミングでバイアス(電圧)が印加される。転写ローラー23は、バイアス(電圧)が印加されることで、電気的な力(詳しくは、感光体ドラム20と記録媒体Pとの電位差)に基づき感光体ドラム20上のトナー像を記録媒体P(詳しくは、感光体ドラム20と転写ローラー23との間に位置する記録媒体P)に転写するように構成される。
本実施形態に係る画像形成装置の定着部は、図3に示すような定着装置30を備える。定着装置30は、第1ローラー31(例えば、ヒーターを備える加熱ローラー)と、第2ローラー32(例えば、ヒーターを備えない非加熱ローラー)とを備える。定着装置30は、記録媒体Pの表裏面のうち、表面(感光体ドラム20側の面)に存在するトナー像(詳しくは、転写工程で記録媒体Pに転写されたトナー像)に第1ローラー31が接触し、裏面に第2ローラー32が接触するように、記録媒体Pを挟むことで、トナー像を記録媒体Pに定着させるように構成される。
帯電装置21及び露光装置22は、感光体ドラム20の感光層に静電潜像を形成する。そして、現像装置10は、現像ローラー10aに担持された状態のトナーを感光体ドラム20の感光層に移動させることにより、トナーで静電潜像を現像する。例えば、現像ローラー10aの現像スリーブ13と、感光体ドラム20と、トナー供給ローラー14とがそれぞれ、図3中の矢印の方向に回転することで、次に示すような画像の形成が行われる。
まず、帯電装置21が、感光体ドラム20の感光層を一様に帯電させる。次に、露光装置22が、画像データに基づいて感光体ドラム20の感光層に光を照射して静電潜像(低電位部位及び高電位部位を含む像)を形成する。次に、現像装置が、トナー(詳しくは、磁性トナー)で感光体ドラム20の静電潜像を現像する。詳しくは、現像ローラー10aの表面に担持されたトナーのうち、現像ローラー10aの表面とトナー帯電部材15との隙間に位置するトナーは、現像ローラー10aの表面(詳しくは、現像スリーブ13の表面)及びトナー帯電部材15の各々との摩擦により帯電する。この際、正帯電性トナーは、摩擦により正に帯電する。負帯電性トナーは、摩擦により負に帯電する。現像装置10は、帯電したトナーを感光体ドラム20に供給して、電気的な力で感光体ドラム20の静電潜像に付着させる。トナーが静電潜像の電位分布に応じて選択的に付着することで、トナーで静電潜像が現像され、感光層上にトナー像が形成される。なお、図3に示す例では、現像ローラー10aの表面に担持された状態のトナーは、感光体ドラム20に接触せず、電気的な力で感光体ドラム20に引き付けられて、現像ローラー10aから感光体ドラム20に向かって飛翔する。しかしこれに限られず、現像ローラー10aの表面に担持された状態のトナーが感光体ドラム20に接触するようにしてもよい。
さらに、上記現像工程に続く転写工程では、転写ローラー23が、感光体ドラム20の感光層上のトナー像を記録媒体P(例えば、紙)に転写する。トナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置30へ搬送される。定着工程では、定着装置30(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)が、トナーを加熱及び加圧して、記録媒体Pにトナーを定着させる。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
本実施形態に係る画像形成装置は、次に示す「好適な装置構成」を有する。また、その画像形成装置の現像装置は、次に示す「好適なスリーブ構成」を有する現像スリーブを備える。
(好適な装置構成)
画像形成装置が、静電潜像を磁性トナーで現像するように構成される現像装置を備える。現像装置(例えば、図3に示す現像装置10)は、磁性トナーを収容している収容部(例えば、図3に示す収容部R)と、トナー担持体(例えば、図1及び図3に示す現像ローラー10a)とを備える。
トナー担持体は、収容部から供給された磁性トナーを担持するように構成される。また、トナー担持体は、シャフトと、シャフトの周りを回転可能な現像スリーブとを備える。
(好適なスリーブ構成)
現像スリーブが、表層部にコート層を備える。コート層は、樹脂(以下、「コート樹脂」と記載する)と、それぞれコート樹脂中に分散している第1温度応答性ポリマードメイン及び第2温度応答性ポリマードメインとを含有する。第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度(LCST)は、第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度(LCST)よりも高い。以下、第1温度応答性ポリマードメインを「低TRドメイン」と、第2温度応答性ポリマードメインを「高TRドメイン」と、それぞれ記載する場合がある。LCSTの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
上記「好適なスリーブ構成」において、現像スリーブは、表層部にコート層を備える。こうした現像スリーブの好適な例としては、筒状のスリーブ基体と、スリーブ基体の表面を直接的に又は間接的に覆うコート層とを備える現像スリーブが挙げられる。コート層がスリーブ基体の表面を直接的に覆うとは、コート層がスリーブ基体の表面に接触する態様で、コート層がスリーブ基体の表面を覆っていることを意味する。コート層がスリーブ基体の表面を間接的に覆うとは、コート層がスリーブ基体の表面に接触しない態様で、コート層がスリーブ基体の表面を覆っていることを意味する。すなわち、コート層がスリーブ基体の表面を間接的に覆っている場合には、スリーブ基体とコート層との間に、他の層が存在する。例えば、スリーブ基体の表面に中間層(例えば、バッファー層)が形成されており、スリーブ基体の表面に中間層及びコート層がこの順で積層されている場合には、コート層がスリーブ基体の表面を間接的に覆っていることになる。トナーを適切に摩擦帯電させるためには、スリーブ基体の表面領域のうち、少なくともトナーが担持される領域が、直接的に又は間接的にコート層で覆われていることが好ましい。
トナーを用いた画像形成では、例えば現像スリーブの表面とトナーとの摩擦によりトナーを帯電させることができる。しかし、一般的な現像スリーブを使用した場合、低温低湿環境下では、トナーが過剰に帯電し易く、高温高湿環境下では、トナーの帯電量が不十分になり易い。低温低湿環境下では、現像スリーブの表面が乾いた状態になるため、トナーの帯電量が過剰になり易くなると考えられる。高温高湿環境下では、現像スリーブの表面が濡れた状態になるため、トナーの帯電量が不足し易くなると考えられる。これに対し、上記「好適なスリーブ構成」を有する現像スリーブでは、表層部に存在するコート層が、低TRドメインと高TRドメインとを含有する。こうした現像スリーブを使用することで、画像形成において、幅広い温度環境(詳しくは、低温低湿環境、常温常湿環境、及び高温高湿環境の全て)においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することが可能になる。図4に、上記「好適なスリーブ構成」を有する現像スリーブのコート層の一例について、疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)の温度特性を示す。
図4に示すように、低TRドメインと高TRドメインとを含有するコート層の疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)は、温度に応じて変化する。図4に示す例では、低TRドメインのLCSTが約17℃であり、高TRドメインのLCSTが約28℃である。図4に示すグラフは、第1安定部C1と、第1ショルダーS1と、第1飽和点P1と、第2安定部C2、第2ショルダーS2と、第2飽和点P2と、第3安定部C3とを有する。図4に示す例では、13℃以上20℃以下の温度領域R1に、第1ショルダーS1と第1飽和点P1とが含まれている。また、25℃以上30℃以下の温度領域R2に、第2ショルダーS2と第2飽和点P2とが含まれている。
第1安定部C1は、低TRドメインのLCSTよりも十分低い温度領域である。この低温領域では、コート層が安定して強い親水性(略一定の親水性)を有する。コート層の温度が上昇して第1ショルダーS1の温度になった時点でコート層の親水性が急激に弱くなり始める。そして、ある程度の期間そのまま大きな変化率でコート層の親水性が弱くなった後、次第にその変化率が小さくなる。さらにコート層の温度が上昇して第1飽和点P1に達すると、コート層の疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)は、変化しなくなり、再び安定する。なお、低TRドメインのLCSTは、第1ショルダーS1の温度と第1飽和点P1の温度との間に存在する。
第2安定部C2は、第1飽和点P1の温度以上かつ第2ショルダーS2の温度以下の温度領域である。この温度領域では、コート層の疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)が安定しており、コート層は、略一定の疎水性(又は、親水性)を有する。しかし、コート層の温度が上昇して第2ショルダーS2の温度になった時点でコート層の疎水性が急激に強くなり始める。そして、ある程度の期間そのまま大きな変化率でコート層の疎水性が強くなった後、次第にその変化率が小さくなる。さらにコート層の温度が上昇して第2飽和点P2に達すると、コート層の疎水性の強さは、変化しなくなり、再び安定する。なお、高TRドメインのLCSTは、第2ショルダーS2の温度と第2飽和点P2の温度との間に存在する。
第3安定部C3は、高TRドメインのLCSTよりも十分高い温度領域である。この高温領域では、コート層が安定して強い疎水性(略一定の疎水性)を有する。
低TRドメイン及び高TRドメインはそれぞれ、LCSTよりも低い温度領域では、水溶性を有し、LCSTよりも高い温度領域では、非水溶性を有する。このため、第1安定部C1では、低TRドメイン及び高TRドメインがそれぞれ水溶性ドメインである。第2安定部C2では、低TRドメインが非水溶性ドメインであり、高TRドメインが水溶性ドメインである。第3安定部C3では、低TRドメイン及び高TRドメインがそれぞれ非水溶性ドメインである。第1安定部C1(低温領域)では、コート層が強い親水性を有する。第2安定部C2(常温領域)では、コート層が両親媒性を有する。第3安定部C3(高温領域)では、コート層が強い疎水性を有する。コート層の疎水性の強さ(又は、親水性の強さ)は、温度に応じて3段階(第1安定部C1、第2安定部C2、及び第3安定部C3)で変化する。これにより、環境変動に伴う現像スリーブの表面の仕事関数の変化を抑制できる。低温低湿環境下においても、常温常湿環境下と同様、コート層に適量の水分が付着して、トナーの過剰なチャージアップが抑制される。また、高温高湿環境下においては、コート層に水分が付着しにくくなり、水分による帯電量の低下が抑制される。このため、高温高湿環境下においても、十分なトナーの帯電量を確保し易くなる。
温度10.0℃かつ湿度10.0%RHと、温度23.0℃かつ湿度50.0%RHと、温度32.5℃かつ湿度80.0%RHとの各々の温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持し、かつ、継続的に高画質の画像を形成するためには、前述の「好適なスリーブ構成」において、低TRドメイン(第1温度応答性ポリマードメイン)のLCSTが13℃以上20℃以下であり、高TRドメイン(第2温度応答性ポリマードメイン)のLCSTが25℃以上30℃以下であることが特に好ましい(後述する現像スリーブSA−1〜SA−8参照)。
1種類の温度応答性モノマーだけを重合させて、所望のLCSTを有する温度応答性ポリマーを得ることは難しい。特に、1種類の温度応答性モノマーだけを重合させて、LCST13℃以上20℃以下の温度応答性ポリマーを得ることは難しい。このため、低TRドメインを構成するLCST13℃以上20℃以下の第1温度応答性ポリマーは、2種以上の温度応答性モノマーを含む単量体(ポリマー原料)の重合物であることが好ましい。以下、1種類の温度応答性モノマーだけの重合物を、「単独重合型TRポリマー」と記載する場合がある。また、2種以上の温度応答性モノマーを含む単量体の重合物を、「共重合型TRポリマー」と記載する場合がある。
低TRドメインを構成する共重合型TRポリマーの好適な例としては、N原子の位置にアセチル基を有するアクリルアミド(例えば、N−アセチルアクリルアミド)と、N原子の位置にアセチル基を有するメタクリルアミド(例えば、N−アセチルメタクリルアミド)とを含む単量体(ポリマー原料)の重合物が挙げられる。N原子の位置にアセチル基を有するメタクリルアミドの量に対して、N原子の位置にアセチル基を有するアクリルアミドの相対的な量を増やすほど、共重合型TRポリマーのLCSTが高くなる傾向がある。
LCST25℃以上30℃以下の高TRドメインを容易かつ確実に得るためには、高TRドメインを構成する第2温度応答性ポリマーも、共重合型TRポリマーであることが好ましい。
高TRドメインを構成する共重合型TRポリマーの好適な例としては、N原子の位置に直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリルアミド(例えば、N−ノルマルプロピルアクリルアミド)と、N原子の位置に分岐アルキル基を有する(メタ)アクリルアミド(例えば、N−イソプロピルアクリルアミド)とを含む単量体(ポリマー原料)の重合物が挙げられる。直鎖アルキル基及び分岐アルキル基の各々の炭素数は、1以上8以下であることが好ましく、3又は4であることが特に好ましい。
ただし、高TRドメインを構成する第2温度応答性ポリマーは、単独重合型TRポリマーであってもよい。高TRドメインを構成する単独重合型TRポリマーの好適な例としては、N原子の位置に環状エーテル基を有する(メタ)アクリルアミド(例えば、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド)を含む単量体(ポリマー原料)の重合物が挙げられる。単量体(ポリマー原料)が1種類の温度応答性モノマーしか含んでいなくても、LCST25℃以上30℃以下の高TRドメインが得られる(後述する温度応答性ポリマーTR−11参照)。
例えば、次に示す温度応答性モノマーを重合させることで、温度応答性ポリマーが得られる。温度応答性ポリマーの好適な例としては、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ノルマルプロピルアクリルアミド、N−ノルマルプロピルメタクリルアミド、N−(エトキシエチル)アクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、又はメチルビニルエーテルが挙げられる。N−イソプロピルアクリルアミドだけの重合物のLCSTは32℃である。N−ノルマルプロピルアクリルアミドだけの重合物のLCSTは21℃である。N−ノルマルプロピルメタクリルアミドだけの重合物のLCSTは32℃である。N−(エトキシエチル)アクリルアミドだけの重合物のLCSTは35℃である。N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミドだけの重合物のLCSTは29℃である。N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミドだけの重合物のLCSTは35℃である。N,N−ジエチルアクリルアミドだけの重合物のLCSTは32℃である。
幅広い温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持し、かつ、継続的に高画質の画像を形成するためには、前述の「好適なスリーブ構成」において、低TRドメインのLCSTと高TRドメインのLCSTとの差が5℃以上20℃以下であり、低TRドメインの量と高TRドメインの量とがそれぞれ、コート樹脂と低TRドメインと高TRドメインとの合計質量に対して10質量%以上20質量%以下であり、低TRドメインと高TRドメインとの合計質量が、コート樹脂と低TRドメインと高TRドメインとの合計質量に対して25質量%以上35質量%以下であることが特に好ましい(後述する現像スリーブSA−1〜SA−8参照)。
現像スリーブの好適な例では、スリーブ基体が、表面にアルマイト層を有する、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の円筒であり、コート層が、アルマイト層の表面を直接的に覆っており、コート樹脂がナイロン樹脂であり、コート層の厚さが2μm以上11μm以下である。
アルマイト層は、現像スリーブと像担持体との間でのリーク電流を抑制する働きをする。コート樹脂がナイロン樹脂であることで、ディッピング法により、適当な厚さ(詳しくは、2μm以上11μm以下)のコート層を形成し易くなる。こうしたコート層は、現像スリーブと像担持体との間でのリーク電流を十分に抑制し、かつ、スリーブ基体との密着性に優れる。
アルマイト層は、例えば陽極酸化処理により形成できる。陽極酸化処理の一例では、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のスリーブ基体を電解浴(例えば、硫酸のような強酸水溶液)に浸して、スリーブ基体を陽極として電流を流すことにより、電気化学的な処理によってスリーブ基体(陽極)の表面にアルマイト層(酸化アルミニウム皮膜)が形成される。形成されたアルマイト層は陽極酸化被膜である。対極(陰極)としては、例えばカーボンを使用できる。
磁性トナーは、複数のトナー粒子(それぞれ磁性トナー粒子)を含む。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着している。トナー母粒子は、結着樹脂と磁性粉とを含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、磁性粉以外の内添剤(例えば、離型剤、着色剤、及び電荷制御剤の少なくとも1つ)を含有していてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
トナー母粒子は、シェル層を備えないトナー母粒子(以下、非カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー母粒子(以下、カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよい。カプセルトナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。後述する非カプセルトナー母粒子をトナーコアとして使用して、カプセルトナー母粒子を作製してもよい。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
非カプセルトナー母粒子の作製方法の好適な例としては、粉砕法又は凝集法が挙げられる。これらの方法は、結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。粉砕法で得られたトナーは粉砕トナーに属し、凝集法で得られたトナーは重合トナー(ケミカルトナーとも呼ばれる)に属する。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕した後、分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。粉砕法は、凝集法よりも容易にトナー母粒子を作製できることが多い。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法が挙げられる。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、トナーコアとシェル層の材料とを含む水性媒体中で、トナーコアの表面にシェル層を形成することが好ましい。
以下、非カプセルトナー母粒子及び外添剤について、順に説明する。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分を割愛してもよい。
[トナー母粒子]
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般に、成分の大部分(例えば、50質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂のような熱可塑性樹脂が好ましい。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として好適に使用できる。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、ポリエステル樹脂及び/又はスチレン−アクリル酸系樹脂を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂はアルコール成分と酸成分とを含む。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール又はビスフェノール等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
ジオールの好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はコハク酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するためには、例えば以下に示すような、スチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレン等)、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンが挙げられる。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、結着樹脂として、Mw(質量平均分子量)150000以上500000以下かつTg(ガラス転移点)55℃以上70℃以下の第1ポリエステル樹脂と、Mw(質量平均分子量)60000以上95000以下かつTg(ガラス転移点)55℃以上70℃以下の第2ポリエステル樹脂とを含有することが特に好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤(例えば、黒色着色剤)を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、又はアニリンブラックが挙げられる。黒色着色剤として、後述する磁性粉を用いてもよい。すなわち、トナー母粒子は、磁性粉以外の着色剤を含まなくてもよい。
黒色着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。例えば、トナーの正帯電性を強めるために、トナー母粒子に2種以上の正帯電性電荷制御剤を含有させてもよい。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
磁性トナーでは、トナー母粒子が磁性粉を含有する。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれらの合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
磁性トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、トナー母粒子中の磁性粉の量が、トナー母粒子100質量部に対して、30質量部以上60質量部以下であることが好ましい。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)を付着させてもよい。外添剤は、内添剤とは異なり、トナー母粒子の内部には存在せず、トナー母粒子の表面(トナー粒子の表層部)のみに選択的に存在する。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、攪拌条件(より具体的には、攪拌時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。ただし、外添剤粒子として、樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。1種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
トナーの流動性を向上させるためには、外添剤粒子として、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子(粉体)を使用することが好ましい。外添剤をトナー粒子間でスペーサーとして機能させてトナーの耐熱保存性を向上させるためには、外添剤粒子として、個数平均1次粒子径50nm以上200nm以下の樹脂粒子(粉体)を使用することが好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係る現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3を示す。また、各現像スリーブで用いられる温度応答性ポリマーを、表2に示す。
Figure 0006658646
表1中、「コート樹脂」、「第1温度応答性ポリマー」、及び「第2温度応答性ポリマー」の各々の「量」は、コート樹脂と第1温度応答性ポリマーと第2温度応答性ポリマーとの合計質量に対する割合(単位:質量%)を示している。
Figure 0006658646
表2中、「第1モノマー」及び「第2モノマー」の各々に関して、「アセチルAA」、「アセチルMA」、「n−プロピルAA」、「iso−プロピルAA」、及び「テトラヒドロフルフリル」は、次に示す化合物を意味する。
アセチルAAは、N−アセチルアクリルアミドであった。
アセチルMAは、N−アセチルメタクリルアミドであった。
n−プロピルAAは、N−ノルマルプロピルアクリルアミドであった。
iso−プロピルAAは、N−イソプロピルアクリルアミドであった。
テトラヒドロフルフリルは、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミドであった。
以下、現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3のいずれかを備える画像形成装置の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[材料の準備]
(温度応答性ポリマーTR−1〜TR−12の調製)
温度計、窒素導入管、攪拌装置、及び加熱装置を備えたフラスコ内に、ジメチルスルホキシド500mLと、表2に示す種類及び量の第1モノマーと、表2に示す種類及び量の第2モノマーと、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)250mgとを入れた。ただし、温度応答性ポリマーTR−11及びTR−12の各々の合成では、第1モノマー(TR−11:N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド60g、TR−12:N−イソプロピルアクリルアミド60g)のみを添加し、第2モノマーは添加しなかった。
例えば、温度応答性ポリマーTR−1の合成では、N−アセチルアクリルアミド6.8gと、N−アセチルメタクリルアミド51.7gとを入れた。また、温度応答性ポリマーTR−10の合成では、N−ノルマルプロピルアクリルアミド45.0gと、N−イソプロピルアクリルアミド15.0gとを入れた。
続けて、窒素雰囲気かつ温度75℃の条件で、上記フラスコの内容物を3時間攪拌して、反応液を得た。
ビーカーをマグネチックスターラーにセットし、ビーカー内に、棒磁石を内蔵する攪拌子と、エタノール2000mLとを入れた。続けて、マグネチックスターラーを用いて、攪拌子でビーカー内容物を激しく攪拌しながら、上記のようにして得た反応液をビーカー内に少量ずつ滴下した。滴下終了後、ビーカー内容物をさらに2時間攪拌し、ビーカー内に沈殿物を得た。続けて、ビーカー内容物を濾過して、ビーカー内容物に含まれる固体と液体とを分離した。続けて、ビーカー内容物から分離された固形分(すなわち、沈殿物)について、エタノールによる洗浄と、減圧雰囲気かつ室温(約25℃)の条件での乾燥とを行い、50gの温度応答性ポリマー(白色固体)を得た。
上記のようにして得られた温度応答性ポリマーTR−1〜TR−12に関して、LCSTの測定結果は、表2に示すとおりであった。例えば、温度応答性ポリマーTR−1に関しては、LCSTが12℃であった。LCSTの測定方法は、下記のとおりであった。
<LCSTの測定方法>
ポリマー(測定対象:温度応答性ポリマーTR−1〜TR−12のいずれか)25mgを、温度10℃の蒸留水5mLに溶解させて、透明なポリマー水溶液を得た。得られたポリマー水溶液の透過率(詳しくは、可視域の透過率)を測定した。以下、ここで測定された透過率を、「初期の透過率」と記載する。温度応答性ポリマーTR−1〜TR−12のいずれにおいても、初期の透過率は100%であった。ポリマー水溶液の温度を、10℃から0.5℃/分の速度で上昇させて、ポリマー水溶液の温度が0.5℃上昇するごとに、ポリマー水溶液の透過率(詳しくは、可視域の透過率)を測定した。透過率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−3600」)を使用した。昇温後の透過率が初期の透過率に対して90%(すなわち、0.9倍)以下になったときに、温度応答性ポリマーを含む水の温度が、温度応答性ポリマーのLCSTを超えたと判定した。温度応答性ポリマーTR−1〜TR−12の各々の測定においては、初期の透過率が100%であるため、昇温後の透過率が90%(=100×0.9)以下になったときに、温度応答性ポリマーのLCSTを超えたと判定した。透過率が変化する理由は、温度応答性ポリマーの不溶化により、温度応答性ポリマーを含む水が白濁するからであると考えられる。
例えば、温度応答性ポリマーTR−1では、温度応答性ポリマーを含む水の温度を11.5℃から12.0℃に上昇させたときに、水が白濁し、水の透過率が90%以下になった。よって、温度応答性ポリマーTR−1のLCSTは12.0℃であった。
[現像スリーブの製造方法]
直径20mmの円筒状アルミニウム管(スリーブ基体)に対して陽極酸化処理(アルマイト処理)を施して、アルミニウム管の外周面に厚さ10μmのアルマイト層を形成した。その後、温度120℃かつ処理時間10分間の条件で熱処理を行って、スリーブ基体を得た。スリーブ基体は、表面にアルマイト層を有するアルミニウム製の円筒であった。
ボールミル(粉砕メディア:直径1mmのジルコニア製ビーズ)の容器に、メタノール800質量部と、表1中の「コート樹脂」に示す量のアルコール可溶性ナイロン樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、成分:ポリアミド共重合体)と、表1に示す種類及び量の第1温度応答性ポリマー及び第2温度応答性ポリマーと、導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「ET−300W」、基体:ルチル型TiO2粒子、被覆層:SbドープSnO2膜、個数平均1次粒子径:約0.04μm)100質量部とを48時間混合して、コート液を得た。コート樹脂(アルコール可溶性ナイロン樹脂)と第1温度応答性ポリマーと第2温度応答性ポリマーとの合計質量は、100質量部であった。第1温度応答性ポリマー及び第2温度応答性ポリマーを添加しない場合には、コート樹脂(アルコール可溶性ナイロン樹脂)の添加量を100質量部とした。なお、現像スリーブSB−1の製造では、第1温度応答性ポリマー及び第2温度応答性ポリマーを添加しなかった。また、現像スリーブSB−2及びSB−3の各々の製造では、第1温度応答性ポリマー(SB−2:温度応答性ポリマーTR−3、SB−3:温度応答性ポリマーTR−10)のみを添加し、第2温度応答性ポリマーは添加しなかった。
例えば、現像スリーブSA−1の製造では、800質量部のメタノールと、70質量部のアルコール可溶性ナイロン樹脂と、15質量部の温度応答性ポリマーTR−2と、15質量部の温度応答性ポリマーTR−10と、100質量部の導電性酸化チタン粒子とを混合した。
また、現像スリーブSA−3の製造では、800質量部のメタノールと、75質量部のアルコール可溶性ナイロン樹脂と、12.5質量部の温度応答性ポリマーTR−3と、12.5質量部の温度応答性ポリマーTR−10と、100質量部の導電性酸化チタン粒子とを混合した。
上記のようにして得たコート液を用いて、ディッピング法により、前述のスリーブ基体の表面をコーティングした。詳しくは、スリーブ基体を、鉛直線に沿ってコート液の液面に近づけて、一端側からコート液に入れた。続けて、スリーブ基体の全体がコート液に浸かった状態で、10秒間保った。その後、スリーブ基体を、他端側から鉛直線に沿って引上げ速度100mm/秒で引き上げて、スリーブ基体をコート液から取り出した。その後、コーティングされたスリーブ基体について、温度130℃で10分間、熱風乾燥を行った。その結果、スリーブ基体の外周面(詳しくは、アルマイト層の表面)にコート層が形成された。コート層の厚さは8μmであった。このようにして、スリーブ基体及びコート層を備える現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3を得た。コート層は、ナイロン樹脂(コート樹脂)を含有していた。現像スリーブSB−1以外の現像スリーブでは、複数の温度応答性ポリマードメインがナイロン樹脂中に分散していた。
[評価方法]
各現像スリーブ(現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3)の評価方法は、以下のとおりである。
(トナーの製造:トナー母粒子の作製)
次に示す割合で、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いてトナー材料(第1ポリエステル樹脂、第2ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤)を混合した。
第1ポリエステル樹脂:30質量部
第2ポリエステル樹脂:20質量部
磁性粉:40質量部
離型剤:5質量部
電荷制御剤:5質量部
第1ポリエステル樹脂としては、Mw(質量平均分子量)300000、Tg(ガラス転移点)65℃のポリエステル樹脂を使用した。第2ポリエステル樹脂としては、Mw(質量平均分子量)75000、Tg(ガラス転移点)61℃のポリエステル樹脂を使用した。着色剤としては、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)を使用した。離型剤としては、エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−5」)を使用した。電荷制御剤としては、電荷制御剤(ニグロシン染料:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)を使用した。
上記割合でトナー材料を混合した後、得られたトナー材料の混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、得られた混練物を、粉砕機(旧東亜機械製作所製「ロートプレックス16/8型」)を用いて、設定粒子径2mmで粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(コアンダ効果を利用した風力分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナー母粒子(粉体)が得られた。
(トナーの製造:外添工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて、回転速度3500rpmの条件で、上記のようにして得たトナー母粒子100質量部と、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」、粒子:表面処理により正帯電性が付与されたシリカ粒子、個数平均1次粒子径:約13nm)1.0質量部と、酸化チタン粒子(テイカ株式会社製「MT−500B」、粒子:未処理の酸化チタン粒子、個数平均1次粒子径:約35nm)1.5質量部と、樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ファインスフェア(登録商標)MG−451」、樹脂:架橋スチレン−アクリル酸樹脂、個数平均1次粒子径:100nm)1質量部とを、5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子、酸化チタン粒子、及び樹脂粒子)が付着した。その後、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(詳しくは、磁性トナー)が得られた。
(画像形成装置の製造)
上記のようにして得たトナーと、現像スリーブ(評価対象:現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3のいずれか)とを、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)P2135d」)にセットして、評価用装置(画像形成装置)を得た。現像スリーブに関しては、モノクロプリンター(ECOSYS P2135d)の現像スリーブと、前述の手順で製造した現像スリーブ(評価対象)とを交換した。トナーは、モノクロプリンター(ECOSYS P2135d)の現像装置及びトナーコンテナにセットした。
(トナーの帯電量)
LL環境(温度10.0℃かつ湿度10.0%RH)下とNN環境(温度23.0℃かつ湿度50.0%RH)下とHH環境(温度32.5℃かつ湿度80.0%RH)下との各々で、上記評価用装置を用いて、次に示す耐刷試験を行った。耐刷試験では、上記評価用装置を用いて、印字率5%で10000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行った。現像スリーブの表面における所定の測定領域(以下に示すような、合計12箇所の測定領域)に付着したトナーを吸引して回収した。現像スリーブの表面における所定の測定領域(12箇所)の位置は、現像ローラーの4つの回転位置(角度0°、90°、180°、270°)の各々における現像スリーブの両端部(フランジに近い部分)及び中央部であった。12箇所の各測定領域についてトナーの帯電量を測定し、得られた12個の測定値の算術平均を評価値(トナーの帯電量)とした。
トナーの帯電量の測定には、Q/mメーター(トレック社製「MODEL210HS−1」)を用いた。詳しくは、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、トナーの帯電量(単位:μC/g)を求めた。
以下、LL環境下で耐刷試験を行った後に測定されたトナーの帯電量を「QL」と、NN環境下で耐刷試験を行った後に測定されたトナーの帯電量を「QN」と、HH環境下で耐刷試験を行った後に測定されたトナーの帯電量を「QH」と、それぞれ記載する。QLをQNで除して、「QL/QN」を算出した。QNをQHで除して、「QN/QH」を算出した。
L/QNが、0.80超1.20未満であれば○(良い)と評価し、0.80以下又は1.20以上であれば×(良くない)と評価した。QN/QHが、0.80超1.20未満であれば○(良い)と評価し、0.80以下又は1.20以上であれば×(良くない)と評価した。
(画像濃度)
LL環境(温度10.0℃かつ湿度10.0%RH)下とNN環境(温度23.0℃かつ湿度50.0%RH)下とHH環境(温度32.5℃かつ湿度80.0%RH)下との各々で、上記評価用装置を用いて、次に示す耐刷試験を行った。耐刷試験では、上記評価用装置を用いて、印字率5%で10000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行った。耐刷試験後、評価用装置を用いて、3つのソリッド部(印字率100%の部分)を含むサンプル画像を記録媒体(A4サイズの評価用紙)に形成した。形成された3つのソリッド部の各々について、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて画像濃度(ID)を測定し、得られた3個の測定値の算術平均を評価値(画像濃度)とした。
以下、LL環境下で耐刷試験を行った後に測定された画像濃度を「IDL」と、NN環境下で耐刷試験を行った後に測定された画像濃度を「IDN」と、HH環境下で耐刷試験を行った後に測定された画像濃度を「IDH」と、それぞれ記載する。IDLをIDNで除して、「IDL/IDN」を算出した。IDNをIDHで除して、「IDN/IDH」を算出した。
IDL/IDNが、0.82超1.18未満であれば○(良い)と評価し、0.82以下又は1.18以上であれば×(良くない)と評価した。IDN/IDHが、0.82超1.18未満であれば○(良い)と評価し、0.82以下又は1.18以上であれば×(良くない)と評価した。
[評価結果]
現像スリーブSA−1〜SA−16及びSB−1〜SB−3の各々の評価結果を、表3及び表4に示す。表3及び表4は、トナーの帯電量(QL/QN及びQN/QH)と、画像濃度(IDL/IDN及びIDN/IDH)との各々の測定結果を示している。
参考のため、各環境(LL、NN、HH)で測定された帯電量(QL、QN、及びQH)について小数点以下2桁を四捨五入した値を、表3に示している。ただし、帯電量変化(QL/QN及びQN/QH)の算出では、各環境(LL、NN、HH)で測定されたトナーの帯電量の小数点以下4桁までの数値を考慮している。
参考のため、各環境(LL、NN、HH)で測定された画像濃度(IDL、IDN、及びIDH)について小数点以下3桁を四捨五入した値を、表4に示している。ただし、ID変化(IDL/IDN及びIDN/IDH)の算出では、各環境(LL、NN、HH)で測定された画像濃度(ID)の小数点以下5桁までの数値を考慮している。
表4中、「画像不良」は、適切に画像を形成できなかった(詳しくは、形成された画像にかぶりが発生した)ことを示している。
Figure 0006658646
Figure 0006658646
現像スリーブSA−1〜SA−16(実施例1〜16に係る現像スリーブ)はそれぞれ、前述の「好適なスリーブ構成」を有していた。詳しくは、現像スリーブSA−1〜SA−16ではそれぞれ、現像スリーブが、表層部にコート層を備えていた。コート層は、コート樹脂と、低TRドメイン(第1温度応答性ポリマードメイン)と、高TRドメイン(第2温度応答性ポリマードメイン)とを含有していた。低TRドメイン及び高TRドメインはそれぞれ、コート樹脂中に分散していた。高TRドメインのLCST(下限臨界溶液温度)は、低TRドメインのLCST(下限臨界溶液温度)よりも高かった(表1参照)。また、現像スリーブSA−1〜SA−16の各々を備える評価用装置(画像形成装置)は、前述の「好適な装置構成」を有していた。
表3及び表4に示されるように、現像スリーブSA−1〜SA−16の各々を使用することで、幅広い温度環境においてトナーの帯電量を適切なレベルに維持することができた。また、現像スリーブSA−1〜SA−16の各々を備える評価用装置(画像形成装置)は、幅広い温度環境において、継続的に高画質の画像を形成できた。
現像スリーブSB−1(比較例1に係る現像スリーブ)は、一般的な現像スリーブである。現像スリーブSB−1では、スリーブ基体を覆うコート層が温度応答性ポリマーを含有していなかった。こうした現像スリーブSB−1を使用した場合には、表3及び表4に示されるように、低温低湿環境(LL環境)下でトナーが過剰に帯電し、画像不良(かぶり)が生じた。また、高温高湿環境(HH環境)下では、十分なトナーの帯電量を確保することができなかった。また、環境変動に伴うトナーの帯電量の変化が大きいため、トナーの帯電量分布がブロードになった。
現像スリーブSB−2(比較例2に係る現像スリーブ)では、スリーブ基体を覆うコート層が、1種類の温度応答性ポリマードメイン(詳しくは、LCST19℃の温度応答性ポリマーTR−3)のみを含有していた(表1参照)。こうした現像スリーブSB−2を使用した場合には、表3及び表4に示されるように、QN/QHが大きくなった。QN/QHが大きくなり過ぎると、常温常湿環境(NN環境)と高温高湿環境(HH環境)との間での環境変化が生じた場合に、画像不具合が生じ易くなる。
現像スリーブSB−3(比較例3に係る現像スリーブ)では、スリーブ基体を覆うコート層が、1種類の温度応答性ポリマードメイン(詳しくは、LCST26℃の温度応答性ポリマーTR−10)のみを含有していた(表1参照)。こうした現像スリーブSB−3を使用した場合には、表3及び表4に示されるように、QL/QNが大きくなった。QL/QNが大きくなり過ぎると、常温常湿環境(NN環境)と低温低湿環境(LL環境)との間での環境変化が生じた場合に、画像不具合が生じ易くなる。
本発明に係る現像スリーブ及び画像形成装置は、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 現像装置
10a 現像ローラー
11 シャフト
12 マグネットロール
13 現像スリーブ
13a、13b フランジ部
14 トナー供給ローラー
15 トナー帯電部材
20 感光体ドラム
21 帯電装置
22 露光装置
23 転写ローラー
24 クリーニング部材
30 定着装置
31 第1ローラー
32 第2ローラー
130 スリーブ基体
131 コート層
131a コート樹脂
131b 第1ドメイン
131c 第2ドメイン
P 記録媒体
R 収容部
T トナー粒子

Claims (9)

  1. 表層部にコート層を備える現像スリーブであって、
    前記コート層は、コート樹脂と、それぞれ前記コート樹脂中に分散している第1温度応答性ポリマードメイン及び第2温度応答性ポリマードメインとを含有し、
    前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度よりも高く、
    前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、13℃以上20℃以下であり、
    前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、25℃以上30℃以下である、現像スリーブ。
  2. 前記第1温度応答性ポリマードメインは、2種以上の温度応答性モノマーを含む単量体の重合物を含有する、請求項に記載の現像スリーブ。
  3. 前記第1温度応答性ポリマードメインは、N原子の位置にアセチル基を有するアクリルアミドと、N原子の位置にアセチル基を有するメタクリルアミドとを含む単量体の重合物を含有する、請求項に記載の現像スリーブ。
  4. 前記第2温度応答性ポリマードメインは、2種以上の温度応答性モノマーを含む単量体の重合物を含有する、請求項又はに記載の現像スリーブ。
  5. 前記第2温度応答性ポリマードメインは、N原子の位置に直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリルアミドと、N原子の位置に分岐アルキル基を有する(メタ)アクリルアミドとを含む単量体の重合物を含有する、請求項又はに記載の現像スリーブ。
  6. 前記第2温度応答性ポリマードメインは、N原子の位置に環状エーテル基を有する(メタ)アクリルアミドを含む単量体の重合物を含有する、請求項又はに記載の現像スリーブ。
  7. 前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度と前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度との差は、5℃以上20℃以下であり、
    前記第1温度応答性ポリマードメインの量と前記第2温度応答性ポリマードメインの量とはそれぞれ、前記コート樹脂と前記第1温度応答性ポリマードメインと前記第2温度応答性ポリマードメインとの合計質量に対して10質量%以上20質量%以下であり、
    前記第1温度応答性ポリマードメインと前記第2温度応答性ポリマードメインとの合計質量は、前記コート樹脂と前記第1温度応答性ポリマードメインと前記第2温度応答性ポリマードメインとの合計質量に対して25質量%以上35質量%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の現像スリーブ。
  8. 筒状のスリーブ基体をさらに備え、
    前記スリーブ基体は、表面にアルマイト層を有する、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の円筒であり、
    前記コート層は、前記アルマイト層の表面を直接的に覆っており、
    前記コート樹脂は、ナイロン樹脂であり、
    前記コート層の厚さは、2μm以上11μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の現像スリーブ。
  9. 静電潜像を磁性トナーで現像するように構成される現像装置を備える画像形成装置であって、
    前記現像装置は、
    前記磁性トナーを収容している収容部と、
    前記収容部から供給された前記磁性トナーを担持するトナー担持体と、
    を備え、
    前記トナー担持体は、シャフトと、前記シャフトの周りを回転可能な現像スリーブとを備え、
    前記現像スリーブは、表層部にコート層を備え、
    前記コート層は、コート樹脂と、それぞれ前記コート樹脂中に分散している第1温度応答性ポリマードメイン及び第2温度応答性ポリマードメインとを含有し、
    前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度よりも高く、
    前記第1温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、13℃以上20℃以下であり、
    前記第2温度応答性ポリマードメインの下限臨界溶液温度は、25℃以上30℃以下である、画像形成装置。
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