以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100を示す斜視図である。図2は、画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成処理を施す装置である。図1及び図2に示す例では、画像形成装置100は、コンピューター等の外部機器から入力される画像データに基づき画像形成処理を施すモノクロプリンターである。但し、画像形成装置100は、モノクロプリンターであることに限定されるものではなく、カラープリンターであってもよいし、複写機であってよい。また、画像形成装置1は、通信回線を介して伝送された画像情報に基づき画像を出力するファクシミリであってもよい。
なお、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置100の原理を何ら限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
画像形成装置100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101(装置本体)を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103と、上壁102と底壁103との間の本体後壁105と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を有する。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。また、筐体101は、左壁101L及び右壁101Rを、更に含む。左壁101Lおよび右壁101Rは、筐体101の左右の側面を形成する壁部である。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104には、前カバー106(カバー部材)と、手差しトレイ104Aとが配置される。前カバー106および手差トレイ104Aは、それぞれ下端側を支点として、上下に開閉可能である(図2の矢印DT)。手差しトレイ104Aは、前カバー106に対して回動可能とされている。手差しトレイ104Aは、上記支点となるトレイ支点部104Bを有する。なお、図1は、手差しトレイ104Aを含む前カバー106が、筐体101に対して開放された状態を示している。前カバー106および手差しトレイ104Aは、筐体101に対する閉状態において、本体前壁104の一部を構成する。
一方、上壁102の前端部102Bは、アーム108を支点として後方に回動可能とされている(図1)。図1に示すように、上壁102の前端部102Bおよび前カバー106がそれぞれ開放されると、本体内部空間107が画像形成装置100の外側に露出する。この結果、後記の現像ユニット120Hやトナーコンテナ30が筐体101の内部に装着可能とされる。また、シート搬送路PPにおいてシートSが詰まった場合には、シートSが除去可能とされる。
図2を参照して説明すると、画像形成装置100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113及び第2給紙ローラー114のシート搬送方向の下流に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113及び第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成処理のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126と、クリーニング装置127とを備える。なお、詳細については後述するが、現像装置20及びトナーコンテナ30は、現像ユニット120Hとして、筐体101に対して一体的に着脱可能とされる。
感光体ドラム121は、円筒形状を有し、筐体101に回転可能に支持されている。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される周面であって、当該静電潜像に応じたトナー像(現像剤像)を担持する周面を有する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。レーザー光は、画像形成装置100に通信可能に接続されたコンピューター等の外部機器から入力される画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。なお、露光装置123は、支持フレーム100H(図2)によって支持されている。支持フレーム100Hは、筐体101の内部に配置されたフレームである。支持フレーム100Hは、後方に向かって先下がりの排紙部102Aに沿うように配置されている。なお、支持フレーム100Hの前端部には、フレーム前壁100H1が立設されている。フレーム前壁100H1は、排紙部102Aの直下において鉛直方向に延びる壁部である。フレーム前壁100H1は、トナーコンテナ30に対向して配置される(図2)。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナー(現像剤)を供給する。トナーコンテナ30は、内部にトナーを収容し、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱自在に装着される。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー像が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー像をシートSに転写させる。
クリーニング装置127は、シートSへトナー像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりもシート搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
画像形成装置100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
<現像ユニットの構造について>
次に、図3乃至図10を参照して、本実施形態に係る現像ユニット120H(現像装置20及びトナーコンテナ30)について詳述する。図3は、画像形成装置100における現像ユニット120H及び本体ユニット150(筐体101の一部)の斜視図である。図4A及び図4Bは、画像形成装置100におけるトナーコンテナ30の斜視図である。図5は、画像形成装置100における現像装置20の斜視図である。図6は、画像形成装置100における現像ユニット120Hの一部の上面図である。図7乃至図10は、画像形成装置100における現像ユニット120H及び本体ユニット150の断面図である。なお、図7及び図8の各断面図は、図6のX−X線における断面図に相当し、図9及び図10の各断面図は、図6のY−Y線における断面図に相当する。
前述のように、現像ユニット120Hは、現像装置20と、トナーコンテナ30とを含む。現像ユニット120Hは、筐体101に対して、所定の着脱方向に沿って着脱可能とされる。この結果、トナーコンテナ30は、現像装置20と一体的に筐体101に装着されることが可能である。なお、先に、現像装置20が筐体101に装着されている場合には、トナーコンテナ30は、筐体101内の現像装置20に対して着脱自在に装着される。図2及び図3の矢印DAは、筐体101に対する現像ユニット120Hの装着方向を示している。
更に、画像形成装置100は、本体ユニット150を備える(図3)。本体ユニット150は、筐体101の一部であり、現像ユニット120H(現像装置20)の本体内部空間107への進入および着脱をガイドする。図1に示すように、前カバー106が筐体101に対して開放されると、本体ユニット150が筐体101の外部に露出する。現像ユニット120Hは、本体ユニット150の上方を通過するように、筐体101の本体内部空間107に装着される。図3に示すように、本体ユニット150は、側面視で略三角形状からなり、左右方向に長く延びたユニットである。本体ユニット150は、位置決め機構150S(図9)と、被係合部153(図3、図7)と、ガイド面154と、を備える。
位置決め機構150Sは、本体ユニット150の左右方向の両端部に一対配置されている。位置決め機構150Sは、付勢突起151と、ユニット付勢ばね152と、を備える。付勢突起151は、筐体101に装着された現像ユニット120Hのハウジング被押圧部200K(図9)に当接する。ユニット付勢ばね152は、付勢突起151を後方に向かって付勢している。換言すれば、ユニット付勢ばね152を含む位置決め機構150Sは、筐体101内の現像位置に装着された現像ユニット120Hを後方に向かって付勢し、現像ユニット120Hの位置決めを行う。
ガイド面154(図7)は、本体ユニット150の上面部に形成されている。ガイド面154は、現像ユニット120Hの装着をガイドする機能を有する。ガイド面154は、前方から後方に向かって先下がりの傾斜面を有する。また、ガイド面154のうち当該傾斜面の更に後端側は、水平面とされている。被係合部153は、ガイド面154よりも現像ユニット120Hの装着方向(図3の矢印DA方向)先端側に配置されている。被係合部153には、後記のロックレバー50のフック506(図7)が係合可能とされる。
トナーコンテナ30は、内部にトナーを収容する。図4Aに示すように、トナーコンテナ30は、コンテナ本体31(容器本体)と、コンテナカバー31Cとを備える。コンテナ本体31は、左右方向(長手方向)に延びる形状とされている。コンテナ本体31は、本体部31Aと、蓋部31Bとを含む。本体部31Aは、コンテナ本体31の下方部分を画定する。なお、本体部31Aの上面部は開口されている。
蓋部31Bは、本体部31Aの上面部の開口を塞ぐように、本体部31Aに固定される。本実施形態では、蓋部31Bは本体部31Aに溶着固定される。この際、本体部31Aの上面部における開口の周縁に沿って形成されたコンテナフランジ31Fにおいて、本体部31Aと蓋部31Bとが固定される。蓋部31Bは、第1把持部31Dと、第2把持部31E(図3)とを含む。トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際、または、トナーコンテナ30及び現像装置20を含む現像ユニット120Hが筐体101に装着される際に、作業者は、第1把持部31D及び第2把持部31Eを把持することができる。
コンテナカバー31Cは、コンテナ本体31の右側部に装着される。コンテナカバー31Cは、右ガイド311と、伝達ギア310と、ロック係合部312と、を含む。また、コンテナ本体31の本体部31Aは左ガイド301を含む。右ガイド311は、コンテナカバー31Cから突設された略直方体形状のガイドである。左ガイド301は、トナーコンテナ30の左側の側部に、右ガイド311と同じ形状をもって設けられている(図4B)。これらのガイドは、トナーコンテナ30の現像装置20への装着をガイドする。伝達ギア310は、後記のコンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達するギアである。ロック係合部312は、コンテナカバー31Cの右側面において、右ガイド311に対して間隔をおいて、コンテナカバー31Cから突設された突起である。左右方向と交差する断面視において、ロック係合部312は、略台形形状である。ロック係合部312は、ロック当接片202S(図5)に係合可能とされる。
更に、トナーコンテナ30は、コンテナスクリュー33と、コンテナパドル30Kとを備える(図9)。
コンテナスクリュー33は、本体部31Aの底部に沿って配置されたスクリューである。本体部31Aの底部には、後記のトナー排出口30Pが開口されている。コンテナスクリュー33は、回転され、コンテナ本体31内のトナーをトナー排出口30Pに向かって搬送する。コンテナ本体31に備えられた後記のコンテナシャッター32がスライド移動されるとトナー排出口30Pが開放され、トナーコンテナ30からトナーが排出可能とされる。コンテナパドル30Kは、トナーコンテナ30の内部において、回転可能に支持され、トナーコンテナ30内に収容されたトナーを撹拌する。
現像装置20は、現像ハウジング200(図3)と、現像ローラー21A(図3、図9)と、当接ローラー211(図3)と、第1スクリュー212(図9)と、第2スクリュー213(図9)と、層厚規制部材214(図9)と、現像ローラーカバー215と、を備える。
現像ハウジング200は、現像装置20の各部材を支持するハウジングである。また、現像ハウジング200は、トナーコンテナ30を支持する機能を有する。図5を参照して説明すると、現像ハウジング200は、ハウジング左壁200Lと、ハウジング右壁200Rと、トナー補給口204と、を含む。ハウジング左壁200L及びハウジング右壁200Rは、現像ハウジング200の左右方向の両端部から立設された壁部である。ハウジング左壁200Lとハウジング右壁200Rとの間に、トナーコンテナ30が装着される。
ハウジング右壁200Rは、右ガイド溝201Rと、ロック当接片202Sと、ロックボタン202と、を含む。ハウジング左壁200Lは、左ガイド溝201Lを含む。右ガイド溝201R及び左ガイド溝201Lは、それぞれ、ハウジング右壁200R及びハウジング左壁200Lに形成されたガイド溝である。これらのガイド溝は、現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着方向(図5の矢印DC1)に沿って形成されている。トナーコンテナ30の前述の右ガイド311(図4A)が、右ガイド溝201Rに進入する。また、トナーコンテナ30の左側面に備えられた左ガイド301(図4B)が、左ガイド溝201Lに進入する。なお、トナーコンテナ30は、現像ハウジング200の上方に挿入された後、図5の矢印DC2方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pがトナー補給口204に対向し、トナーコンテナ30から現像装置20にトナーの補給が可能となる。なお、左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rの奥側は、左ガイド301及び右ガイド311の回転を許容するように、扇形形状とされている(図5)。現像装置20の現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着構造については、後記で更に詳述する。
ロック当接片202Sは、ロック係合部312(図4A)と係合することで、矢印DC2方向に回動されたトナーコンテナ30をロックする。また、ロックボタン202が押圧されると、ロック当接片202Sとロック係合部312との係合が解除され、トナーコンテナ30のロックが解除される。この結果、トナーコンテナ30が図5の矢印DC2方向とは反対の方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30が矢印DC1とは反対の方向に現像装置20から脱離可能とされる。
現像ローラー21Aは、現像ハウジング200に回転可能に支持されている。現像ローラー21Aは、周面にトナーを含む現像剤を担持する。現像ローラー21Aは、感光体ドラム121にトナーを供給し、感光体ドラム121上の静電潜像を現像する。当接ローラー211は、現像ローラー21Aの軸方向の両端部に一対配置される。当接ローラー211は感光体ドラム121の周面に当接することにより、現像ローラー21Aと感光体ドラム121との間の間隔を一定に保持する。
第1スクリュー212及び第2スクリュー213は、現像ハウジング200内において、回転可能に支持されたスクリューである。現像ハウジング200内の現像剤は、第1スクリュー212及び第2スクリュー213によって循環搬送される。また、現像剤は、第1スクリュー212によって現像ローラー21Aに供給される。層厚規制部材214は、現像ローラー21A上に供給された現像剤の層厚を規制する。現像ローラーカバー215は、現像ハウジング200に対して揺動可能とされている。図3は、現像ローラーカバー215が現像ローラー21Aの上方に退避された状態を示している。図3に示される状態から現像ローラーカバー215が下方に揺動されると、現像ローラーカバー215は現像ローラー21Aを覆うことができる。従って、現像ユニット120Hが筐体101から脱離された際に、現像ローラー21Aに異物が付着することや、現像ローラー21A上のトナーによって周囲が汚れることが抑止される。
更に、現像装置20は、ロックレバー50を備える(図3、図5)。ロックレバー50は、現像装置20のハウジング左壁200Lに揺動可能に備えられている。ロックレバー50は、筐体101内において現像ユニット120H(現像装置20)を後記の現像位置にロックするロック姿勢と、現像ユニット120Hのロックを解除するとともに、現像ユニット120Hが所定の着脱方向に沿って筐体101から脱離されることを許容する解除姿勢との間で姿勢変更が可能とされる。
図3、図5及び図7を参照して説明すると、ロックレバー50は、レバー本体501と、レバー被押圧部502と、当接部503と、ガイド溝504と、支点部505と、フック506と、を備える。
レバー本体501は、ロックレバー50の本体部分であり、図7に示すように、前方かつ上方から後方かつ下方に向かって斜めに延びるように配置されている。レバー被押圧部502は、レバー本体501の上端部に設けられた平坦部である。レバー被押圧部502は、現像ユニット120Hが筐体101から脱離される前に、作業者によって押圧される。当接部503は、ロックレバー50の前後方向の略中央部において、下方に向かって突出した円弧形状を有する。なお、現像ユニット120Hが筐体101内に装着されると、図3及び図7に示すように、当接部503は本体ユニット150のガイド面154に対向して配置される。ガイド溝504は、当接部503の後方に開口された溝部である。ガイド溝504は、支点部505を中心とした円弧形状を形成するように開口されている。なお、ガイド溝504の後側には、レバー側係止部504Sが設けられている。レバー側係止部504Sは、ロックレバー50から突設されたフック形状を有する。レバー側係止部504Sには、後記のレバー付勢ばね52の一端が係止される。
支点部505は、ロックレバー50の後端側に配置されている。支点部505は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lに回転可能に支持されている。支点部505は、ロックレバー50の揺動における支点となる。なお、前述の当接部503は、支点部505とレバー被押圧部502との間に配置されている(図7)。フック506は、支点部505に対して、レバー被押圧部502とは反対側に配置されている。フック506は、本体ユニット150の被係合部153(図7)と係合可能とされている。図7に示すように、フック506は、支点部505から下方に向かって延びるとともに、その先端部が前方(現像ユニット120Hの装着方向後端側)に屈曲されている。
更に、現像装置20は、ガイドスクリュー51と、レバー付勢ばね52とを備える(図7)。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に挿通され、ハウジング左壁200Lに締結されたスクリューである。ガイドスクリュー51は、ガイド溝504に沿って、ロックレバー50の揺動をガイドする機能を備えている。
レバー付勢ばね52は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lとレバー付勢ばね52との間で伸縮するばね部材である。前述のハウジング左壁200Lは、ハウジング側係止部200L2を備える。図7に示すように、レバー付勢ばね52の一端はレバー付勢ばね52のレバー側係止部504Sに係止され、レバー付勢ばね52の他端はハウジング側係止部200L2に係止されている。この結果、レバー付勢ばね52は、フック506が被係合部153に係合する(図7)ように、ロックレバー50を支点部505回りに付勢する。
<現像ユニットの着脱について>
次に、現像ユニット120Hの筐体101に対する着脱について説明する。なお、前述のとおり、現像ユニット120Hは、現像装置20およびトナーコンテナ30から構成される。そして、トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱可能である。また、現像ユニット120Hは、トナーコンテナ30を備えることなく、現像装置20のみでも筐体101に装着可能とされている。ここでは、トナーコンテナ30を含む現像ユニット120Hが、筐体101に対して着脱される様子を説明する。
図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、筐体101の本体内部空間107に現像ユニット120Hが装着される。この際、現像ユニット120Hは、図2、図3の矢印DA方向に沿って、本体内部空間107に挿入される。本体ユニット150(図3)は、現像ユニット120Hの下部を案内する。現像ユニット120Hの装着に伴って、ロックレバー50のフック506は、ガイド面154上を滑りながら、後方に進行する。やがて、フック506の傾斜面506S(図7)が被係合部153の傾斜面153Sと摺擦する。この際、図7において、フック506が支点部505回りに僅かに時計回りに回動することで、現像ユニット120が下方に移動しながら、フック506の先端部が被係合部153の下方に進入する。この結果、フック506が被係合部153と係合し、現像ユニット120Hが、図7に示す現像位置にロックされる。現像位置では、現像装置20の現像ローラー21Aが感光体ドラム121に所定の間隔をおいて対向配置される。図7におけるロックレバー50の姿勢がロックレバー50のロック姿勢と定義される。この際、図9に示すように、現像ハウジング200のハウジング被押圧部200Kが、位置決め機構150Sの付勢突起151によって後方に向かって押圧される。すなわち、位置決め機構150Sは、現像ローラー21Aが感光体ドラム121に近づく方向に向かって、現像ユニット120Hを付勢する。そして、筐体101内において現像ユニット120Hが図7および図9の現像位置に位置決めされると、当接ローラー211(図3)が感光体ドラム121の周面に当接することで、現像ローラー21Aが感光体ドラム121に対して所定の間隔をおいて配置される。この結果、現像ローラー21Aから感光体ドラム121に安定してトナーが供給され、感光体ドラム121上にトナー像が形成される。
筐体101から現像ユニット120Hが取り外される際には、図1に示すように、筐体101の前カバー106および上壁102の前端部102Bが開放されると、ロックレバー50のレバー被押圧部502がプリンター100の外側に露出する。作業者は、まずレバー被押圧部502を下方に押圧する(図7の矢印DR1)。この結果、ロックレバー50がレバー付勢ばね52の付勢力に抗して支点部505回りに揺動し、ロックレバー50が図8に示す解除姿勢とされる。この際、フック506と被係合部153との係合が解除される。また、レバー被押圧部502が更に押圧されると、図8に示すように、ロックレバー50の当接部503がガイド面154に当接する。そして、この当接部503を支点として、支点部505が加重点とされながら、現像ユニット120Hが図7に示される現像位置よりも上方の待機位置に押し上げられる(図1の矢印、図8の矢印DR2)。この結果、図10に示されるように、ハウジング被押圧部200Kが付勢突起151の斜面に乗り上げ、位置決め機構150Sによる現像ユニット120Hの位置決めが解除される。この際、位置決め機構150S(ユニット付勢ばね152)の付勢力が現像ハウジング200に強く付与されていない。従って、現像ユニット120Hが前述の着脱方向に沿って筐体101から容易に脱離可能とされる(図10の矢印DR3)。
なお、図8に示されるように、現像ユニット120Hが矢印DR2方向に押し上げられた後、現像ユニット120Hの自重によってフック506が被係合部153の上方のガイド面154に当接することで、現像ユニット120Hが前記待機位置に保持される。このため、作業者がロックレバー50から手を離した場合であっても、フック506が被係合部153に再係合することが抑止される。このため、作業者が容易かつ確実に現像ユニット120Hを取り外すことができる。
なお、他の実施形態において、現像ユニット120Hが待機位置に押し上げられた際、フック506の傾斜面506S(図7)が被係合部153の傾斜面153Sに当接していてもよい。この場合も、現像ユニット120Hの引き出し動作(図10の矢印DR3)に伴って、ロックレバー50が支点部505回りに回動することができるため、上記と同様に、フック506が被係合部153に再び係合することが抑止される。
<トナーコンテナ及び現像装置の構造について>
次に、本実施形態に係るトナーコンテナ30及び現像装置20の構造について、更に詳述する。図11A及び図11Bは、トナーコンテナ30におけるトナー排出口30Pの近傍を拡大して示す斜視図である。なお、図11Aは、トナー排出口30Pがコンテナシャッター32によって閉止された状態を示しており、図11Bは、トナー排出口30Pが開放された状態を示している。図12は、トナーコンテナ30が現像装置20に装着される様子を示す斜視図である。
トナーコンテナ30は、一の方向に延びる長手形状を有する。なお、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される際には、トナーコンテナ30の長手方向が左右方向に沿うように配置される。トナーコンテナ30は、前述のコンテナ本体31に加え、コンテナシャッター32(図4B、図11A)と、トナー排出口30P(図11B)と、パドル軸受部302(図12)と、コンテナシャッター押圧部305(図11B)と、弾性片押圧部306(図11B)と、ガイドリブ307(図11A)と、伝達ギア310(図4A、図11A)と、を備える。
トナー排出口30P(図11B)は、本体部31Aの下面の右端側に開口された開口部である。トナーコンテナ30の内部に収容されたトナーは、トナー排出口30Pから排出され、現像装置20に供給される。
前述の左ガイド301は、本体部31Aの左側面において、所定の方向に延びるように長手形状をもって形成された突起であり、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着方向(図12の矢印DA方向)への移動を規制する。なお、左ガイド301の内部は空洞とされている。パドル軸受部302(図12)は、左ガイド301の内部に配置された軸受部である。パドル軸受部302は、コンテナパドル30Kを回転可能に軸支する。なお、右ガイド311の内部にも、左ガイド301側のパドル軸受部302と同様の軸受部が配置されており、伝達ギア310に隣接してコンテナパドル30Kの軸部を軸支している。
コンテナシャッター押圧部305(図11B)は、トナーコンテナ30の長手方向(左右方向)において、トナー排出口30Pが形成された排出突起部34を挟むように突設された一対のリブである。なお、コンテナシャッター押圧部305はトナー排出口30Pよりも、姿勢変更時におけるトナーコンテナ30の回動方向(正方向、図11Aの矢印DM)下流側に配置されている。一対のコンテナシャッター押圧部305は、それぞれ前記回動方向に沿って延びるとともに、先端部がトナーコンテナ30の長手方向に沿うように(左右方向にそれぞれ広がるように)屈曲された形状を有している。コンテナシャッター押圧部305は、後記の本体シャッター22を押圧するとともに、本体シャッター22によって押圧される機能を有している。
弾性片押圧部306(図11B)は、コンテナシャッター押圧部305に隣接して、本体部31Aから突設された一対の突片である。一対の弾性片押圧部306は、左右方向において一対のコンテナシャッター押圧部305を挟むように配置されている。弾性片押圧部306は、前述のトナーコンテナ30の回動方向に沿って延びるように配置され、トナー排出口30Pから離れるに従って突出高さが高くなるような傾斜形状を有している。弾性片押圧部306は、後記のシャッターストッパー32Bの弾性片に対向し、弾性片を押圧する機能を有している。
ガイドリブ307(図11A)は、本体部31Aから突設され、コンテナシャッター押圧部305に連結された円弧状の一対のリブ部材である。ガイドリブ307は、トナーコンテナ30の回動方向に沿って延びるように形成されている。一対のガイドリブ307は、トナー排出口30Pを左右方向において挟むように配置されている。なお、一対のガイドリブ307の外周部は、それぞれ左右方向に屈曲されており、所定の幅を有している。ガイドリブ307は、後記のコンテナシャッター32を所定の軸心回りにスライド移動可能にガイドする。
伝達ギア310(図4A、図11A)は、トナーコンテナ30の右側の側面に回転可能に支持された回転ギアである。伝達ギア310は、コンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達する機能を有している。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されると、現像装置20の不図示のギア群が伝達ギア310に連結され、伝達ギア310に回転駆動力が入力される。
コンテナシャッター32(図11A)は、トナー排出口30Pに対してスライド移動可能にコンテナ本体31に支持され、トナー排出口30Pを封止または開放する(図11A、図11B)。この際、コンテナシャッター32は、姿勢変更時におけるトナーコンテナ30の回動方向に沿って、スライド移動する。コンテナシャッター32は、シャッター本体32Aと、シャッターストッパー32Bとを備える。シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aに揺動可能に支持される。
シャッター本体32Aは、コンテナ本体31の周面に沿うような曲面を有した、略矩形形状の部材である。シャッター本体32Aは、トナー排出口30Pを封止する。シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aのうち、トナー排出口30Pを封止する面とは反対側の面に装着される。シャッターストッパー32Bは、コンテナシャッター32のスライド移動を規制または許容する機能を有している。
図12を参照して説明すると、現像装置20は、ハウジング右壁200Rとハウジング左壁200Lとの間に、コンテナ装着部20Hを備える。コンテナ装着部20Hには、トナーコンテナ30が着脱自在に装着される。
更に、現像装置20において現像ハウジング200は、ストッパー押圧部206(図12)と、コンテナシャッター固定部207(図12)と、シャッタースプリング208(図5)と、を備える。
ストッパー押圧部206(図12)は、トナー補給口204の後方に隣接して、現像ハウジング200の天板から突設された突起部である。ストッパー押圧部206は、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のストッパー解除片32B2(図4B)を押圧する機能を有している。換言すれば、ストッパー押圧部206は、コンテナシャッター32のスライド移動を許容する。
コンテナシャッター固定部207(図12)は、左右方向において、ストッパー押圧部206を挟むように現像ハウジング200の天板から突設された突起部である。左右方向と交差する断面視において、コンテナシャッター固定部207は略台形形状を有している。また、コンテナシャッター固定部207のうち、前側の側面には、楔形状の切欠き部が形成されている。トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、当該切欠き部には、トナーコンテナ30のコンテナシャッター32のシャッター係合片32A8(図4B)が係合する。この結果、コンテナシャッター固定部207は、コンテナシャッター32を固定し、コンテナシャッター32の移動(回動)を規制する。
シャッタースプリング208(図5)は、一対のコンテナシャッター固定部207の左右方向の外側に配置された一対のばね部材である。シャッタースプリング208は、前後方向に延びるように配置されている。シャッタースプリング208の一端は、現像ハウジング200の天板に係止されている。また、シャッタースプリング208の他端は、後記の本体シャッター22(図5)に係止されている。
更に、現像装置20は、本体シャッター22(図5)を備える。本体シャッター22は、トナー補給口204に対してスライド移動可能に現像ハウジング200に支持されている。本体シャッター22は、トナー補給口204を封止または開放する。
前述のシャッタースプリング208は、本体シャッター22がトナー補給口204(図5)を封止する方向に、本体シャッター22を付勢している。従って、図12に示すように、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外された状態において、本体シャッター22はシャッタースプリング208の付勢力を受けてトナー補給口204を封止する。
<現像装置に装着されたトナーコンテナの姿勢変更について>
次に、現像装置20に装着されたトナーコンテナ30の姿勢変更について説明する。図13A及び図13Bは、現像装置20に装着されたトナーコンテナ30が第1姿勢とされた状態を示し、図13Aが斜視図であり、図13Bが断面図である。図14A及び図14Bは、現像装置20に装着されたトナーコンテナ30が第2姿勢とされた状態を示し、図14Aが斜視図であり、図14Bが断面図である。
前述のように、本実施形態では、現像装置20が先に筐体101に装着された状態で、トナーコンテナ30が単独で現像装置20に着脱可能とされている。このため、トナーコンテナ30が空になった場合でも、容易にトナーコンテナ30を交換することが可能となる。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されるまでの間は、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを塞ぐ位置から誤ってスライド移動されると、トナー排出口30Pからトナーが漏れ出してしまう。本実施形態では、トナーコンテナ30単体の状態では、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pからスライド移動することが規制されている。
トナーコンテナ30は、左ガイド301及び右ガイド311がそれぞれ左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rに挿入され、当該左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rによって装着方向(図12の矢印DA方向)に沿ってガイドされながら、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着される。このようにしてコンテナ装着部20Hに装着された直後のトナーコンテナ30の姿勢は、図13A及び図13Bに示す第1姿勢となる。この第1姿勢では、図13Bに示すように、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pが、現像装置20のトナー補給口204の上方に離間して配置され、トナー排出口30Pとトナー補給口204とは未だ連通していない。
また、第1姿勢では、現像ハウジング200のストッパー押圧部206がシャッターストッパー32Bのストッパー解除片32B2(図4B)を押圧する。この結果、シャッターストッパー32Bによるコンテナシャッター32のロックが解除され、コンテナシャッター32のコンテナ本体31に対するスライド移動が可能となる。更に、第1姿勢では、コンテナシャッター32のシャッター本体32Aの一対のシャッター係合片32A8が、コンテナシャッター固定部207の楔形の切欠き部に係合する(図13A)。
トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、図13A及び図13Bに示す第1姿勢と、図14A及び図14Bに示す第2姿勢との間で、姿勢変更が可能である。本実施形態では、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、所定の軸回りに(コンテナパドル30K(図13B)の軸心回りに)正逆両方向に回動可能である。トナーコンテナ30は、第1姿勢から正方向(図13Aの矢印DM方向、以下「正方向DM」という)に回動されることにより第2姿勢に姿勢変更され、第2姿勢から逆方向(図14Bの矢印DN方向、以下「逆方向DN」という)に回動されることにより第1姿勢に姿勢変更される。
トナーコンテナ30が第1姿勢から正方向DMに回動されると、トナー排出口30Pが、コンテナシャッター固定部207に固定されたコンテナシャッター32に対してスライド移動されながら、第2姿勢に姿勢変更される。この第2姿勢では、図14Bに示すように、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pと現像装置20のトナー補給口204とが連通する。これにより、トナーコンテナ30からの現像装置20へのトナー補給が可能となる。
なお、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されていない状態では、本体シャッター22がトナー補給口204を封止している。そして、トナーコンテナ30が前述のように正方向DMに回動され、第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更されると、シャッタースプリング208(図5)の付勢力に抗して、トナーコンテナ30の一部が本体シャッター22を正方向DMに押圧する。この結果、本体シャッター22がトナーコンテナ30のコンテナ本体31とともに正方向DMにスライド移動し、図14Bに示すように、トナー補給口204が開放される。従って、トナー排出口30Pとトナー補給口204とが上下方向において連通することが可能となる。
トナーコンテナ30が第2姿勢でコンテナ装着部20Hに装着された状態では、ロック当接片202S(図5)がロック係合部312(図4A)に係合する。この結果、ロック当接片202Sが、トナーコンテナ30を第2姿勢にロックする。このロック状態では、シャッタースプリング208(図5)の付勢力が、本体シャッター22を介してトナーコンテナ30に及んでも、ロック当接片202Sによってトナーコンテナ30の回動が規制される。このため、トナーコンテナ30の逆方向DNへの回動、すなわち、トナーコンテナ30が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変更することが抑止される。
一方、トナーコンテナ30内のトナーが空になったことが、不図示のセンサーによって検知されると、画像形成装置100の不図示の表示部には、トナーコンテナ30の交換表示が報知される。画像形成装置100の使用者が、ロックボタン202を押圧すると(図5)、ロック当接片202Sが後方に移動する。この結果、ロック当接片202Sがロック係合部312から後方に離間し、ロック当接片202Sとロック係合部312との係合が解除される。このため、ロック押圧部312を規制していた規制力が失われ、トナーコンテナ30のロックが解除される。本体シャッター22にはシャッタースプリング208の付勢力が付与されているため、本体シャッター22がトナーコンテナ30を押圧しながら、トナーコンテナ30が逆方向DNに回動する。この結果、トナーコンテナ30が、シャッタースプリング208の付勢力によって、自動的に第2姿勢から第1姿勢に姿勢変更される。
トナーコンテナ30の第2姿勢から第1姿勢への姿勢変更によって、トナー排出口30Pが逆方向DNに回動し、トナー排出口30Pがコンテナシャッター32によって再び封止される。また、シャッタースプリング208の付勢力によって、本体シャッター22がスライド移動することによって、トナー補給口204が本体シャッター22によって再び封止される。
第2姿勢から第1姿勢へと姿勢変更されたトナーコンテナ30が、コンテナ装着部20Hから装着方向とは反対の方向に沿って脱離されることにより、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される。このように、本実施形態では、トナーコンテナ30のロックが解除されると、トナーコンテナ30が第2姿勢から第1姿勢へと姿勢変更される。この際、トナー排出口30P及びトナー補給口204が、それぞれ、コンテナシャッター32及び本体シャッター22によって封止されている。このため、使用者によってトナーコンテナ30が取り外される際に、現像装置20及びトナーコンテナ30の周囲がトナーで汚染されることが防止される。
<記憶部の接触式通信に関する構造について>
次に、画像形成装置100における、筐体101の一部を構成する本体ユニット150のコネクタ部6と、トナーコンテナ30の記憶部35とについて説明する。図15は、トナーコンテナ30の記憶部35の近傍を拡大して示す斜視図である。図16は、現像ユニット120Hの斜視図である。図17は、本体ユニット150の斜視図である。図18A及び図18Bは、本体ユニット150に配置されたコネクタ部6の斜視図である。図19A及び図19Bは、コネクタ部6からコネクタシャッター61が取り除かれた状態の斜視図である。図20A及び図20Bは、コネクタ部6におけるコネクタシャッター61及び端子ユニット62の斜視図である。図21A及び図21Bは、コネクタ部6の端子ユニット62の斜視図である。図22Aは、コネクタ部6及びシャッター付勢ばね63の斜視図である。図22Bは、コネクタ部6におけるシャッター付勢ばね63及びハウジング付勢ばね64の位置関係を示す斜視図である。
図4A及び図15を参照して説明すると、トナーコンテナ30は、記憶部35を備える。記憶部35は、トナーコンテナ30の本体部31Aの外表面に取り付けられている。記憶部35は、ICチップ350と、グランド端子351と、複数の入出力端子352(第2入出力端子)と、を備える。また、記憶部35は、係合爪35Aと、先端規制部35Bと、後端規制部35Cと、ガイド片35Dと、を備える。
ICチップ350は、略矩形形状を有する板状部材である。ICチップ350には、トナーコンテナ30の使用履歴やトナーコンテナ30に収容されているトナー情報などの所定の情報が記憶されている。グランド端子351は、ICチップ350の外部に露出したグランド線である。同様に、入出力端子352は、ICチップ350の外部に露出した端子である。記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352は、それぞれ、後記のコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624(第1入出力端子)と接触することにより、電気的に接続される。記憶部35の入出力端子352は、コネクタ部6の入出力端子624と電気的に接続されることにより、ICチップ350に記憶された各種情報の送受信を行う。
本実施形態では、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352は、最表面に金めっき層が形成されてなる端子である。より具体的には、グランド端子351及び入出力端子352は、例えばニッケル等を含む下地金属板に金めっき層が形成された端子である。また、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30が姿勢変更される際の回動方向に所定の長さを有し、前記回動方向に長く延びる端子である。
係合爪35A、先端規制部35B、後端規制部35Cは、それぞれ、トナーコンテナ30の本体部31Aから突設された突起であって、ICチップ350を固定する機能を有している。ガイド片35Dは、ICチップ350を挟むように本体部31Aから立設された突片である。ガイド片35Dは、トナーコンテナ30の姿勢変更時の回動方向に沿って延びている。
図16を参照して説明すると、現像ユニット120Hは、コンテナ支持板200Hを備える。コンテナ支持板200Hは、現像ハウジング200の天板部に連設された支持板であって、トナーコンテナ30を下方から支持する。コンテナ支持板200Hは、切欠き部200H1を有する。切欠き部200H1は、コンテナ支持板200Hの一部が部分的に切り欠かれることにより形成される。切欠き部200H1は、トナーコンテナ30が現像装置20に装着された際に、ICチップ350を現像ユニット120Hの下方に露出させる。
図17を参照して説明すると、筐体101の一部を構成する本体ユニット150には、コネクタ部6が配置されている。コネクタ部6は、トナーコンテナ30のICチップ350に電気的に接続されることにより、画像形成装置100とトナーコンテナ30との各種情報の送受信を行う。
コネクタ部6は、筐体101の本体ユニット150において、トナーコンテナ30に対向して配置される。コネクタ部6は、本体ユニット150に揺動可能に支持されている。図17乃至図22Aを参照して、コネクタ部6は、コネクタハウジング60と、コネクタシャッター61(規制部材)と、端子ユニット62と、シャッター付勢ばね63と、ハウジング付勢ばね64と、を備える。
コネクタハウジング60は、コネクタ部6の筐体部分である。コネクタハウジング60は、略直方体形状を有し、内部にコネクタシャッター61及び端子ユニット62を収容する。コネクタハウジング60は、ハウジング軸部60Sと、支持面601と、ガイド側壁602と、ガイド前壁603と、ハウジング係止爪604と、基板係合爪605と、シャッター支持部606と、スプリング係止部607と、を備える。
ハウジング軸部60Sは、コネクタハウジング60の後端部に配置された一対の軸部である。ハウジング軸部60Sは、本体ユニット150のコネクタ支持部150J(図17)に回動可能に支持されている。なお、ハウジング軸部60Sは、コネクタハウジング60において、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変更される際のトナーコンテナ30の回動方向(正方向DM)上流側に配置されている。
支持面601は、コネクタハウジング60の上面部に相当する。トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部20Hに第2姿勢で装着された状態において、支持面601は、トナーコンテナ30の記憶部35に対向して配置される。支持面601は、ハウジング開口部60Hを含む(図18A)。ハウジング開口部60Hは、支持面601の略中央部において矩形形状をもって開口されている。ハウジング開口部60Hは、左右方向に長く延びている。ハウジング開口部60Hの後側の側部は、切欠き部端縁601A及び開口部後端縁601Bによって画定されている。切欠き部端縁601Aは、開口部後端縁601Bの一部が後方に向かって矩形状に切り欠かれることで形成される。なお、切欠き部端縁601Aは、後記のグランド端子623(図19A)に対向して配置される。また、支持面601とハウジング軸部60Sとの間には、支持面601に向かって先上がりの斜面601T(図19A)が形成されている。
ガイド側壁602は、ハウジング開口部60Hを挟むように、支持面601の左右の端部から立設された一対の壁部である。ガイド側壁602は、前後方向に長く延びるように形成されている。ガイド側壁602は、第1ガイド部602Aと、第2ガイド部602Bとを含む。第1ガイド部602Aは、ガイド側壁602の後端部が屈曲された領域である。一対の第1ガイド部602Aは、支持面601に沿う方向においてハウジング軸部60Sに近づくに従って先拡がりとなっている(図18A)。第2ガイド部602Bは、ガイド側壁602の前端側に形成されている。第2ガイド部602Bは、ガイド側壁602の上端部に形成されたテーパ面である。一対の第2ガイド部602Bは、支持面601と垂直な方向において支持面601から離れるに従って先拡がりとなっている。なお、図18Aでは、右側の第2ガイド部602Bのみが現れている。
ガイド前壁603は、支持面601の前端部から立設された壁部である。ガイド前壁603は、左右方向に延びるように形成されている。なお、ガイド前壁603及び一対のガイド側壁602によって、後方が開口された扁平状の空間からなるチップ収容部6S(図18A)が形成される。当該チップ収容部6Sには、トナーコンテナ30の記憶部35のICチップ350が収容可能とされる。
ハウジング係止爪604は、コネクタハウジング60の前側の壁部から略下方に向かって突設された爪部である。ハウジング係止爪604は、本体ユニット150の被係止部155A(図24A)に係止可能とされる。基板係合爪605(図18B)は、支持面601の裏側から突設された3つの爪部である。基板係合爪605によって、コネクタハウジング60に端子ユニット62が固定される。シャッター支持部606は、一対のハウジング軸部60Sの前方において、支持面601の裏側に形成された一対の軸受部である。シャッター支持部606は、後記のコネクタシャッター61のシャッター軸部61Sを回動可能に支持する。スプリング係止部607は、ハウジング係止爪604の後方において、支持面601の裏側から突設された突起である。スプリング係止部607は、十字状に配置された4つの突起からなる。スプリング係止部607には、ハウジング付勢ばね64の一端が係止される(図18B)。
コネクタシャッター61(図20A)は、コネクタハウジング60の内部に配置される。また、コネクタシャッター61の一部は、コネクタハウジング60のハウジング開口部60Hから突出するように配置される。コネクタシャッター61は、端子ユニット62のグランド端子623及び入出力端子624を保護する機能を有している。更に、コネクタシャッター61は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30が第2姿勢である場合に、端子ユニット62におけるグランド端子623及び入出力端子624の、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352との接触を許容し、トナーコンテナ30が第1姿勢である場合に、グランド端子623及び入出力端子624の、グランド端子351及び入出力端子352との接触を規制する規制部材としての機能を有している。
コネクタシャッター61は、カバー部611と、脚部612と、第1開口613と、第2開口614と、シャッター軸部61Sと、を備える。
カバー部611は、コネクタシャッター61の本体部分であり、正面視で略コの字型形状からなる。カバー部611は、ハウジング開口部60Hを覆うように配置される。カバー部611の上面部には、第1開口613および第2開口614が開口されている。第1開口613は、カバー部611の上面部の右端部に開口された開口部である。第2開口614は、第1開口613の左側に間隔をおいて3つ開口されている。第1開口613は、ハウジング開口部60Hから突出したグランド端子623(図19A)を露出させる。また、第2開口614は、ハウジング開口部60Hから突出した入出力端子624(図19A)をそれぞれ露出させる。カバー部611のうち第1開口613及び第2開口614の周囲の領域によって、グランド端子623及び入出力端子624が保護される。
一対の脚部612は、カバー部611の左右の端部から後方に向かって延びている。そして、一対の脚部612の後端部には、それぞれシャッター軸部61Sが配置されている。シャッター軸部61Sは、コネクタシャッター61の揺動における支点部となる。シャッター軸部61Sは、コネクタハウジング60のシャッター支持部606(図18B)に回動可能に支持される。なお、シャッター軸部61Sは、コネクタシャッター61において、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変更される際のトナーコンテナ30の回動方向(正方向DM)上流側に配置されている。
更に、コネクタシャッター61は、アース部632(図20B)を備える。アース部632は、第1開口613及び第2開口614の前側において、これらの開口に隣接して配置される。アース部632は、カバー部611の上端部において、左右方向に延びるように延設された電線である。アース部632は、画像形成装置100の使用者がコネクタ部6に触れようとした場合などに、コネクタ部6において放電、リークが生じることを防止する。画像形成装置100の使用が開始されると、アース部632は接地される。本実施形態では、アース部632は、シャッター付勢ばね63の一部から構成される。
端子ユニット62(図21A、図21B)は、コネクタハウジング60の内部に配置される。また、図20A及び図20Bに示すように、端子ユニット62は、コネクタシャッター61のカバー部611の下方に配置される。端子ユニット62は、基板621と、支持箱622と、グランド端子623と、入出力端子624(第1入出力端子)と、を備える。
基板621は、端子ユニット62の下方部分に配置される。基板621は、略矩形形状からなる。基板621は、不図示のハーネスによって筐体101内の不図示の制御部に電気的に接続される。支持箱622は、基板621に連結された箱型形状からなる。支持箱622は、グランド端子623及び入出力端子624を支持する機能を有している。支持箱622の前側の壁部は、後記の支持壁60Tとして機能する。
図21A及び図21Bに示すように、グランド端子623及び3つの入出力端子624は、支持箱622に形成された溝部からそれぞれ突設された端子である。グランド端子623及び入出力端子624は、側面視で略三角形状をなすように、屈曲された金属線からなる。グランド端子623及び入出力端子624は、基板621の不図示の端子にそれぞれ電気的に接続されている。また、グランド端子623及び入出力端子624は、板バネ状の弾性力をもってハウジング開口部60Hから上方に向かって突出している(図19A)。グランド端子623及び入出力端子624は、それぞれ、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352と接触することにより、電気的に接続される。この際、グランド端子351及び入出力端子352によって上方から押圧されることで、グランド端子623及び入出力端子624は下方に弾性変形可能とされる。
シャッター付勢ばね63(図20A、図20B)は、コネクタシャッター61のカバー部611がハウジング開口部60H(図18A)から突出するようにコネクタシャッター61をシャッター軸部61S回りに付勢する。シャッター付勢ばね63は、第1コイル部631と、前述のアース部632と、導通部633とを含む。第1コイル部631、アース部632及び導通部633は、1本の金属線からなる。第1コイル部631は、カバー部611の左端部に形成された突起611A(図20B)と、基板621との間で圧縮されるコイルばね部分である。アース部632は、第1コイル部631の上端部から延び、カバー部611の右端部に係止されている。アース部632は、前述のように、グランド端子623及び入出力端子624でリークなどが生じることを防止する。一方、導通部633は、第1コイル部631の下端部から延び、コネクタシャッター61及び端子ユニット62の前方において、略U字状に曲げられた領域である。導通部633は、図18Bに示すように、スプリング係止部607(図19B)に係止される。
ハウジング付勢ばね64(図22A、図22B)は、コネクタハウジング60と本体ユニット150との間で圧縮変形可能とされる。ハウジング付勢ばね64は、グランド端子623及び入出力端子624がグランド端子351及び入出力端子352に近づく方向に、コネクタハウジング60をハウジング軸部60S回りに付勢する。ハウジング付勢ばね64は、第2コイル部641と、ワイヤー部642と、フレーム導通部643と、を含む。第2コイル部641は、コネクタハウジング60と本体ユニット150との間で圧縮変形されるコイルばね部分である。第2コイル部641の上端部は、コネクタハウジング60のスプリング係止部607に係止される。また、第2コイル部641の下端部は、本体ユニット150に備えられたばね支持部155B(図24A)に係止される。ワイヤー部642は、第2コイル部641の下端部から延びる線状部分であって、本体ユニット150の内部において、左方に向かって延設されている。フレーム導通部643は、ワイヤー部642の先端部に形成されたコイル状部分及びフックからなる。フレーム導通部643は、本体ユニット150のユニット左壁150Lに開口された開口付近に係止されている。予めコネクタ部6が装着された本体ユニット150が筐体101内に取り付けられると、ユニット左壁150Lから突出したフレーム導通部643は、筐体101の不図示の金属フレームに接触する。この結果、ハウジング付勢ばね64が接地される。
コネクタ部6が本体ユニット150に装着されるにあたって、以下の手順でコネクタ部6が組み立てられる。まず、コネクタハウジング60の支持面601(図18A)とコネクタシャッター61の脚部612(図20A)とが直交するようなコネクタシャッター61の姿勢をもって、一対のシャッター軸部61Sがコネクタハウジング60の一対のシャッター支持部606に挿入される。そして、コネクタシャッター61がシャッター軸部61S回りに略90度前方に回転されると、コネクタハウジング60の内部にコネクタシャッター61が収容される。この際、予めコネクタシャッター61に取り付けられていたシャッター付勢ばね63の導通部633が、コネクタハウジング60の前端側において、スプリング係止部607に係止される(図18B)。
更に、コネクタシャッター61との間で第1コイル部631を圧縮するように、コネクタハウジング60の内部に端子ユニット62(図21A)が装着される(図18B)。この際、端子ユニット62の基板621が3つの基板係合爪605によって係止される。本体ユニット150のばね支持部155Bに第2コイル部641が固定された状態で、コネクタハウジング60のハウジング軸部60Sがコネクタ支持部150Jに軸支される(図17)。そして、コネクタハウジング60のスプリング係止部607が第2コイル部641の上端部を圧縮しながら、ハウジング係止爪604が被係止部155Aに係止される(図24A)。なお、コネクタハウジング60の内部では、ハウジング付勢ばね64の第2コイル部641と、シャッター付勢ばね63の導通部633とが接触することで(図22B)、シャッター付勢ばね63とハウジング付勢ばね64とが導通する。この結果、シャッター付勢ばね63のアース部632が、前述の筐体101の金属フレームを介して接地される。
<トナーコンテナの姿勢変更による記憶部とコネクタ部との位置関係について>
次に、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されたトナーコンテナ30の姿勢変更による、記憶部35とコネクタ部6との位置関係について説明する。
(第1実施形態)
図23、図24A及び図24Bは、第1実施形態に係る画像形成装置100における、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第1姿勢で装着された状態の、記憶部35とコネクタ部6との位置関係を示す図である。図23は上面図であり、図24Aは図23のA−A線における断面図であり、図24Bは図23のB−B線における断面図である。また、図25、図26A及び図26Bは、第1実施形態に係る画像形成装置100における、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第2姿勢で装着された状態の、記憶部35とコネクタ部6との位置関係を示す図である。図25は上面図であり、図26Aは図25のA−A線における断面図であり、図26Bは図25のB−B線における断面図である。
第1実施形態に係る画像形成装置100では、前述のように、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、トナー排出口30Pが現像装置20のトナー補給口204と連通していない第1姿勢と、トナー排出口30Pがトナー補給口204と連通した第2姿勢との間で、姿勢変更が可能である。
ここで、トナーコンテナ30の本体部31Aの外表面に取り付けられた記憶部35と、筐体101の一部を構成する本体ユニット150に配置されたコネクタ部6との位置関係に着目すると、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、図24Aに示すように、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624に対して離間して配置されている。すなわち、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624に対して離間して配置されている。
一方、トナーコンテナ30が第2姿勢で現像装置20に装着された状態では、図26Aに示すように、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触して配置されている。すなわち、トナーコンテナ30が第2姿勢で現像装置20に装着された状態では、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触し、電気的な接続が可能な状態とされている。
第1実施形態に係る画像形成装置100では、トナーコンテナ30が第1姿勢(図24Aの姿勢)で現像装置20に装着された状態で画像形成装置100を梱包することにより、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624に対して離間した状態で、トナーコンテナ30を同梱させることができる。このような状態で画像形成装置100を輸送することにより、輸送時の振動などに起因した記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352の摩耗を抑止することができる。このため、輸送後に所定の設置環境に画像形成装置100が設置され、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢(図26Aの姿勢)へと姿勢変更されて、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触したときに、導通不良が生じることがなく、記憶部35の接触式通信の安定性を保持することができる。
なお、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、トナー排出口30Pが現像装置20のトナー補給口204と連通していないので、このような状態で画像形成装置100を輸送することにより、輸送時の振動などによってトナーコンテナ30から現像装置20に多量のトナーが流入してしまうことを防止することができる。この結果、画像形成装置100の内部がトナーで汚れることを防止することができる。
また、前述のように、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、コンテナパドル30Kの軸心回りに正逆両方向に回動可能である。トナーコンテナ30は、第1姿勢から正方向DMに回動されることにより第2姿勢に姿勢変更され、第2姿勢から逆方向DNに回動されることにより第1姿勢に姿勢変更される。このような、トナーコンテナ30を回動させるという簡単な操作で、第1姿勢と第2姿勢との間でトナーコンテナ30を姿勢変更させることができる。従って、このような簡単な操作で、記憶部35とコネクタ部6との間に導通不良が生じることがなく、記憶部35の接触式通信の安定性を保持することができる。
次に、トナーコンテナ30の姿勢変更時における回動動作について、より具体的に説明する。
トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されていない場合、コネクタ部6のコネクタハウジング60は、第2コイル部641によってハウジング軸部60S回りに上方に付勢されている。また、コネクタ部6のコネクタシャッター61は、第1コイル部631の付勢力によってシャッター軸部61S回りに上方に付勢されている。この際、コネクタ部6において、コネクタハウジング60のハウジング開口部60Hから突出したグランド端子623及び入出力端子624は、それぞれ、コネクタシャッター61の第1開口613及び第2開口614の内部に没している。このため、コネクタ部6において、グランド端子623及び入出力端子624は、コネクタシャッター61により保護される。
トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されて第1姿勢とされると、前述のように、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624に対して離間して配置される。このような、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、図24Bに示すように、コネクタ部6のコネクタハウジング60におけるガイド側壁602が、トナーコンテナ30の本体部31Aに当接する。このため、図24Aに示すように、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降する。コネクタハウジング60がハウジング軸部60S回りに下降すると、ハウジング係止爪604が被係止部155Aから下方に離間する。この際、コネクタシャッター61には第1コイル部631の付勢力に抗した力が作用していない。このため、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、コネクタシャッター61は、コネクタ部6におけるグランド端子623及び入出力端子624の、トナーコンテナ30の本体部31Aとの接触を規制している。この結果、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態での画像形成装置100の輸送時において、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624は、コネクタシャッター61により保護された状態が保持される。
一方、現像装置20に装着された第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更するために、トナーコンテナ30が正方向DMに回動されると、記憶部35のガイド片35D(図15)が、コネクタ部6の斜面601T(図19A)及び第1ガイド部602A(図19A)によって案内されながら、支持面601(図19A、図26A)を押圧することにより、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降する。
また、記憶部35のICチップ350は、コネクタ部6の支持面601に沿ってコネクタシャッター61に当接しながら、コネクタシャッター61を下方に押圧するため、コネクタシャッター61は第1コイル部631の付勢力に抗してシャッター軸部61S回りに下降する。やがて、図26Aに示すように、トナーコンテナ30が第2姿勢となり、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6の支持面601に対向して配置され、コネクタシャッター61がICチップ350の厚さ方向において、ICチップ350と支持壁60Tとに挟まれた状態となると、コネクタハウジング60及びコネクタシャッター61の回動が停止する。現像装置20に装着された状態において、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更されると、コネクタシャッター61は、シャッター軸部61S回りに下降し、コネクタ部6におけるグランド端子623及び入出力端子624の、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352との接触を許容する。
このように、トナーコンテナ30の第1姿勢から第2姿勢への姿勢変更時に、ハウジング付勢ばね64の第2コイル部641が圧縮変形されることにより、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624の、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352に対する当接圧が調整される。また、トナーコンテナ30が第2姿勢で現像装置20に装着された状態では、図26Aに示すように、ハウジング係止爪604が被係止部155Aから下方に離間している。このため、コネクタ部6及び記憶部35のそれぞれの端子同士が過剰な力で当接することが抑止され、特に、ICチップ350側の端子が破損することが防止される。
また、トナーコンテナ30が第2姿勢とされ、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6に対向して配置されると、コネクタシャッター61がコネクタハウジング60及びICチップ350に当接し且つ挟まれることにより、コネクタ部6におけるグランド端子623及び入出力端子624の、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352に対する最終的な当接圧が規制される。すなわち、コネクタシャッター61がスペーサとして機能し、ICチップ350と端子ユニット62との位置が決定される。このため、コネクタ部6及び記憶部35の端子同士の当接圧が安定して維持される。
また、前述のように、本実施形態では、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352は、最表面に金めっき層が形成されてなる端子である。このように金めっき層が形成された端子は、酸化され難く、高い導電性が長期間にわたって保持可能な端子である。一方、金めっき層が形成された端子は、その金めっき層が摩耗により剥離しやすいという欠点を有する。金めっき層が剥離すると、酸化され易いニッケル等を含む下地金属が露出することになり、コネクタ部6及び記憶部35の端子間の導通不良の要因となる。
前述のように、本実施形態では、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態において、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352がコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624に対して離間した状態とし、輸送時の振動などに起因した記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352の摩耗が抑止された構成としている。このため、記憶部35におけるグランド端子351及び入出力端子352を、金めっき層が形成されてなる端子とした場合であっても、輸送時の振動などによって当該金めっき層が剥離することを防止することができる。この結果、金めっき層が有する高導電性特性を保持することができる。
(第2実施形態)
図27は、第2実施形態に係る画像形成装置100における、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第1姿勢で装着された状態の、記憶部35とコネクタ部6との位置関係を示す断面図である。図28は、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第1姿勢で装着された状態における、記憶部35及びコネクタ部6の各々の端子間の接触状態を示す斜視図である。また、図29は、第2実施形態に係る画像形成装置100における、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第2姿勢で装着された状態の、記憶部35とコネクタ部6との位置関係を示す断面図である。図30は、トナーコンテナ30が現像装置20に対して第2姿勢で装着された状態における、記憶部35及びコネクタ部6の各々の端子間の接触状態を示す斜視図である。
第2実施形態に係る画像形成装置100では、前述のように、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、トナー排出口30Pが現像装置20のトナー補給口204と連通していない第1姿勢と、トナー排出口30Pがトナー補給口204と連通した第2姿勢との間で、姿勢変更が可能である。
ここで、トナーコンテナ30の本体部31Aの外表面に取り付けられた記憶部35と、筐体101の一部を構成する本体ユニット150に配置されたコネクタ部6との位置関係に着目すると、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、図27及び図28に示すように、記憶部35のICチップ350におけるグランド端子351の所定の第1領域351aがコネクタ部6のグランド端子623と接触し、記憶部35のICチップ350における入出力端子352の所定の第1領域352aがコネクタ部6の入出力端子624と接触して、電気的な接続が可能な状態とされている。
トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態では、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352の各々における第1領域351a、352aがコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触して電気的な接続が可能である。これにより、トナーコンテナ30が第1姿勢の状態で、記憶部35に記憶された所定の情報の送受信が可能である。このため、トナーコンテナ30が現像装置20に装着された時点における、記憶部35に記憶された情報に誤りがあるか否かなどのチェックを、コネクタ部6を介して行うことができる。
一方、トナーコンテナ30が第2姿勢で現像装置20に装着された状態では、図29及び図30に示すように、記憶部35のICチップ350におけるグランド端子351の所定の第2領域351bがコネクタ部6のグランド端子623と接触し、記憶部35のICチップ350における入出力端子352の所定の第2領域352bがコネクタ部6の入出力端子624と接触して、電気的な接続が可能な状態とされている。ここで、記憶部35における、グランド端子351の第2領域351bは、グランド端子351が延びる長手方向において第1領域351aとは異なる領域であり、入出力端子352の第2領域352bは、入出力端子352が延びる長手方向において第1領域352aとは異なる領域である。
記憶部35に記憶された情報のチェック後に画像形成装置100を輸送する際には、トナーコンテナ30が第1姿勢で現像装置20に装着された状態で画像形成装置100を梱包する。このような梱包状態で画像形成装置100が輸送されると、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352における、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触した第1領域351a、352aが、輸送時の振動などにより摩耗する場合がある。このように、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352において、画像形成装置100の輸送時にコネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触していた第1領域351a、352aに、輸送時の振動などに起因した摩耗が生じた場合であっても、画像形成装置100の設置後に、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更されることにより、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352における第1領域351a、352aとは異なる第2領域351b、352bが、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触して電気的な接続が可能となる。このため、トナーコンテナ30が第2姿勢とされた状態において、記憶部35とコネクタ部6との間に導通不良が生じることがなく、記憶部35の接触式通信の安定性を保持することができる。
また、前述のように、トナーコンテナ30は、現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着された状態において、コンテナパドル30Kの軸心回りに正逆両方向に回動可能である。トナーコンテナ30は、第1姿勢から正方向DMに回動されることにより第2姿勢に姿勢変更され、第2姿勢から逆方向DNに回動されることにより第1姿勢に姿勢変更される。
次に、トナーコンテナ30の姿勢変更時における回動動作について、より具体的に説明する。
トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されていない場合、前述の第1実施形態と同様に、コネクタ部6のコネクタハウジング60は、第2コイル部641によってハウジング軸部60S回りに上方に付勢されている。また、コネクタ部6のコネクタシャッター61は、第1コイル部631の付勢力によってシャッター軸部61S回りに上方に付勢されている。この際、コネクタ部6において、コネクタハウジング60のハウジング開口部60Hから突出したグランド端子623及び入出力端子624は、それぞれ、コネクタシャッター61の第1開口613及び第2開口614の内部に没している。このため、コネクタ部6において、グランド端子623及び入出力端子624は、コネクタシャッター61により保護される。
トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部20Hに装着されて第1姿勢とされると、図27に示すように、記憶部35のガイド片35D(図15)の一部がコネクタ部6の支持面601(図19A、図27)に当接するとともに、記憶部35のICチップ350の一部がコネクタシャッター61に当接する。このため、図27に示すように、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降するとともに、コネクタシャッター61が第1コイル部631の付勢力に抗してシャッター軸部61S回りに下降する。コネクタハウジング60がハウジング軸部60S回りに下降すると、ハウジング係止爪604が被係止部155Aから下方に離間する。また、コネクタシャッター61がシャッター軸部61S回りに下降すると、前述のように、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352における第1領域351a、352aが、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触した状態となる。
一方、現像装置20に装着された第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更するために、トナーコンテナ30が正方向DMに回動されると、記憶部35のガイド片35Dが、コネクタ部6の斜面601T(図19A)及び第1ガイド部602A(図19A)によって案内されながら、支持面601(図19A、図29)を押圧することにより、コネクタハウジング60が第2コイル部641の付勢力に抗してハウジング軸部60S回りに下降する。
また、記憶部35のICチップ350は、コネクタ部6の支持面601に沿ってコネクタシャッター61に当接しながら、コネクタシャッター61を下方に押圧するため、コネクタシャッター61は第1コイル部631の付勢力に抗してシャッター軸部61S回りに下降する。やがて、図29に示すように、トナーコンテナ30が第2姿勢となり、記憶部35のICチップ350がコネクタ部6の支持面601に対向して配置され、コネクタシャッター61がICチップ350の厚さ方向において、ICチップ350と支持壁60Tとに挟まれた状態となると、コネクタハウジング60及びコネクタシャッター61の回動が停止する。現像装置20に装着された状態において、トナーコンテナ30が第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更されると、コネクタシャッター61は、シャッター軸部61S回りに下降し、記憶部35のグランド端子351及び入出力端子352における第2領域351b、352bが、コネクタ部6のグランド端子623及び入出力端子624と接触した状態となる。