JP6658355B2 - 離型コーティング剤、離型フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱及び紫外線照射により硬化する離型コーティング剤、及び当該コーティング剤を用いた離型フィルムの製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性等の性能が優れているため、様々な産業分野で利用されている。具体的には、例えば、LCD部材のプリズムシート、光拡散シート、反射板、反射防止板、タッチパネル、防爆フィルム、PDPフィルター等、光学用フィルム製品のベースフィルムとしての利用が挙げられる。
また、プラスチックフィルムは、離型フィルムのベースフィルムとして使用されることも多く、各種粘着シートやタッチパネル用保護フィルム等のセパレーターとしても使用されている。また、離型フィルムは、セラミック電子部品や樹脂シートの製造工程においても使用される。
離型フィルムに用いる離型剤としては、シリコーン樹脂を含むコーティング剤が知られており、特にオルガノ変性ポリシロキサンを用いると離型性が良好になる傾向にあるとされる。しかし、シリコーン樹脂はしばしば塗膜表面にブリードアウトし、該塗膜に積層される粘着剤や樹脂シート等の被着体に移行し、その特性を損なうことがあった。
また、特許文献1には、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びシリコーン樹脂からなる配合液を積層する方法が提案されている。しかしながら上記配合液は、硬化に必要な温度が190℃であり、基材への熱ダメージが大きい。また、特許文献2に記載のように、メラミン樹脂の硬化性を向上させる目的で酸触媒を併用することもあるが、コーティング剤の経時安定性(ポットライフ)が悪化して増粘を招き、作業性の低下を招くことがあった。
特開平11−170440号公報 特開2002−19037号公報
本発明は、プラスチックフィルムに、離型性に優れかつシリコーン成分のブリードアウトの問題が少ない硬化塗膜を低温及び短時間で形成し得る、新規なコーティング剤を提供することを課題とする。
本発明者は検討の結果、所定のポリオールと、所定のシリコーン樹脂と、ポリイソシアネートと、所定の多官能アクリレートと、光重合開始剤を含むコーティング剤により前記課題を解決できることを見出した。即ち本発明は、以下の離型コーティング剤、及び離型フィルムの製造方法に関する。
1.(A)分子内に水酸基を少なくとも3個有し、かつ、数平均分子量が200〜5000であり、かつ、水酸基価が30〜840mgKOH/gであるポリオールと、(B)分子内に水酸基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するオルガノ変性シリコーンと、(C)ポリイソシアネートと、(D)分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個有する多官能アクリレートと、(E)光重合開始剤と、を含む、離型コーティング剤。
2.(A)成分が、開環重合型ポリエステルポリオール(a−1)及び/又は重縮合型ポリエステルポリオール(a−2)を含む、前記項1の離型コーティング剤。
3.(B)成分のオルガノ変性部位が、アクリルポリマー部位、ポリエステル部位及び(ポリ)エーテル部位からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、前記項1又は2の離型コーティング剤。
4.更に(F)硬化触媒を含む、前記項1〜3のいずれかの離型コーティング剤。
5.更に(G)有機溶剤を含む、前記項1〜4のいずれかの離型コーティング剤。
6.前記項1〜5のいずれかの離型コーティング剤をプラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工し、加熱及び紫外線照射処理することを特徴とする、離型フィルムの製造方法。
7.プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、前記項6の離型フィルムの製造方法。
本発明の離型コーティング剤は、経時安定性(ポットライフ)に優れている。また、その塗膜を加熱処理し次いでこれに紫外線を照射することにより、離型性及び耐溶剤性が良好な硬化皮膜を低温かつ短時間で形成できるため、生産性が高い。また、該硬化皮膜から被着体へのシリコーン移行が少ないため、各種離型フィルムの離型剤として有用である。
本発明に係る離型フィルムは、離型性及び耐溶剤性が良好な硬化皮膜を備えており、その上に、例えば樹脂シート用キャスト溶液や無機物スラリー等の、有機溶剤を多く含む材料を塗工することができる。
本発明に係る離型フィルムは、樹脂シート、合成皮革、化粧板、炭素繊維プリプレグ、セラミック電子部品等の製造工程用離型フィルムとして有用である。また、転写印刷関連製品用の離型フィルム、偏光板・位相差板等の粘着層保護用の離型フィルム(セパレーター)等としても好適である。
本発明の離型コーティング剤は、所定の(A)ポリオール(以下、(A)成分)と、(B)分子内に水酸基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するオルガノ変性シリコーン(以下、(B)成分)と、(C)ポリイソシアネート(以下、(C)成分)と、(D)分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個有する多官能アクリレート(以下、(D)成分)と、(E)光重合開始剤(以下、(E)成分)とを含む組成物である。
(A)成分としては、分子内に水酸基を少なくとも3個有し、かつ、数平均分子量が200〜5000であり、かつ、水酸基価が30〜840mgKOH/gのポリオールであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。該数平均分子量及び該水酸基価は、硬化皮膜の耐溶剤性と剥離性の両立の観点より、好ましくは300〜2000程度であり、かつ、80〜560mgKOH/g程度である。
(A)成分の具体例としては、例えば、開環重合型ポリエステルポリオール(a−1)(以下、(a−1)成分)、及び/又は、重縮合型ポリエステルポリオール(a−2)(以下、(a−2)成分)、が挙げられる。
(a−1)成分は、具体的には、各種公知のカプロラクトンとトリオール及び/又はテトラオールとの反応物である。該カプロラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル―δ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等が挙げられ、二種以上を併用できる。また、該トリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサンポリオール、1,2,4−ブタンポリオール等、テトラオールとしてはペンタエリスリトールなどが挙げられ、二種以上を併用できる。(a−1)成分の市販品としては、例えば、プラクセル303、同L320AL、同305、同308、同309、同312、同320及び同410等が挙げられる(全て(株)ダイセル製)。
(a−2)成分は、具体的には、各種公知の低分子ジオール、低分子ジカルボン酸及びトリオールとの反応物である。該低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、二種以上を併用できる。該低分子ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びスベリン酸並びに対応するものの無水物等が挙げられ、二種以上を併用できる。該トリオールは、前記したものと同様である。(a−2)成分の市販品としては、例えば、クラレポリオールF−510、同F−1010、同F−2010、及び同F−3010(以上、(株)クラレ製)等が挙げられる。
(a−1)成分及び(a−2)成分を併用する場合、それらの質量比は特に限定されないが、通常、1/99〜99/1程度である。
(A)成分には、任意に、(a−1)成分及び(a−2)成分の以外のポリオール(以下、(a−3)成分)を含め得る。具体的には、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリエステルジオール(ポリカプロラクトンジオールを除く。)、ポリカプロラクトンテトラオール、ポリエステルテトラオール、ポリエーテルトリオール、ポリエーテルテトラオール、ヒマシ油ポリオール等が挙げられ、二種以上を併用できる。(a−3)成分の市販品としては、例えば、クラレポリオールP−510、同P−1010、同P−1020、同P−2010((株)クラレ製);プラクセル205、同208、同210、同212((株)ダイセル製);アデカポリエーテルG−300、G−400、G−700、BM−54、GM−30((株)アデカ製);HS 6G−160、HS CM−025P、HS CM−075P(豊国製油(株)製);等が挙げられる。(A)成分に占める(a−3)成分の比率は特に限定されないが、通常、50質量%未満である。
(B)成分は、所謂オルガノ変性シリコーンであって、分子内に少なくとも一つの水酸基及び/又は少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するポリオルガノシロキサンであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。(B)成分は、水酸基を介して後述の(C)成分と、また(メタ)アクリロイル基を介して後述の(D)成分と反応することによって、本発明の離型コーティング剤からなる硬化皮膜内部に組み込まれる結果、硬化皮膜から被着体へ移行し難くなる。
(B)成分のオルガノ変性部位としては、例えば、アクリルポリマー部位、ポリエステル部位、(ポリ)エーテル部位、及びカルビノール部位からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。該アクリルポリマー部位は、例えば、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの(共)重合体であり得る。また、該オルガノ変性部位は、ポリオルガノシロキサン鎖の片末端、両末端、及び側鎖のいずれかに導入されておればよい。離型コーティング剤各成分との相溶性の観点より、オルガノ変性部位が、アクリルポリマー部位、ポリエステル部位及び(ポリ)エーテル部位からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
アクリルポリマー部位を有する(B)成分の市販品としては、例えば、ZX−028−G((株)T&K TOKA製)や、BYK−SILCLEAN3700(ビックケミー・ジャパン(株)製)、サイマックUS−270(東亞合成(株)製)等が挙げられ、二種以上を併用できる。
ポリエステル部位を有する(B)成分の市販品、及び前記オルガノ変性部位が(ポリ)エーテルである(B)成分の市販品としては、例えば、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−SILCLEAN3720、BYK−UV3500、BYK−UV3505、BYK−UV3510、BYK−UV3530、BYK−UV3535、BYK−UV3570、BYK−UV3575、BYK−UV3576(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられ、二種以上を併用できる。
カルビノール部位を有する(B)成分の市販品としては、例えば、X−22−4039、X−22−4015、X−22−4952、X−22−4272、X−22−170BX、X−22−170DX、KF−6000、KF−6001、KF−6002、KF−6003、KF−6123、X−22−176F(以上、信越化学工業(株)製)、並びにサイラプレーンFM−4411、サイラプレーンFM−4421、サイラプレーンFM−4425、サイラプレーンFM−0411、サイラプレーンFM−0421、サイラプレーンFM−DA11、サイラプレーンFM−DA21、サイラプレーンFM−DA26(以上、JNC(株)製)等が挙げられ、二種以上を併用できる。
(C)成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等のジイソシアネート類や、該ジイソシアネート類のヌレート体、アダクト体及びビウレット体等のトリイソシアネートが挙げられる。また、例えばポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の所謂ポリメリックイソシアネートも使用できる。これらは二種以上を併用できる。
(D)成分は、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個有する多官能アクリレートであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。(D)成分を用いることで、本発明の離型コーティング剤は紫外線によっても硬化し、離型性を維持しつつ耐溶剤性にも優れた硬化皮膜を与える。(D)成分の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能ポリエステル(メタ)アクリレート;グリセリントリグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体とのアクリル酸付加物等の多官能エポキシ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及び/又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等水酸基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとを付加させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート;等が挙げられ、二種以上を併用できる。該ポリイソシアネートとしては前記したものが挙げられる。
(E)成分としては、各種公知のものを格別限定なく使用できる。具体的には、例えばベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、オキシムエステル化合物等の光重合開始剤等が挙げられる。詳細には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)等が挙げられ、二種以上を併用できる。
本発明の離型コーティング剤には、例えば低温硬化性を付与する目的で、各種公知の(F)硬化触媒(以下、(F)成分)を含めてよい。(F)成分としては、例えば、アミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等の3級アミン系化合物;ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等の錫系化合物;ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系化合物;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物;2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系化合物;安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系化合物;2−エチルヘキサン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等のビスマス系化合物等が挙げられ、二種以上を併用できる。
本発明の離型コーティング剤には、必要に応じ、各種公知の(G)有機溶剤(以下、(G)成分)を含めてよい。具体的には、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、二種以上を併用できる。これらの中でも離型コーティング剤のポットライフの観点よりケトン系の有機溶剤が好ましい。
本発明の離型コーティング剤には、必要に応じ、(A)成分以外のバインダー樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等)、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、レベリング剤、消泡剤、光増感剤(アミン類、キノン類等)等を含めてよい。
本発明の離型コーティング剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分と、必要に応じて(F)成分及び/又は(G)成分とを混合したものである。混合順序は特に限定されない。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の使用比率は特に限定されないが、離型性及び耐溶剤性の観点より、通常、(A)成分及び(B)成分の水酸基の合計モル数と、(C)成分のイソシアネート基のモル数との比(NCO/OH)が0.2〜3程度、好ましくは0.5〜1.5程度となる範囲であればよい。
(B)成分、(D)成分及び(E)成分の使用量も特に限定されないが、耐溶剤性及び離型性の観点より、通常、(A)成分及び(C)成分の合計100質量部(固形分換算)に対して以下の通りであればよい(いずれも固形分換算)。
(B)成分:0.1〜10質量部程度、好ましくは0.5〜5.0質量部程度
(D)成分:10〜90質量部程度、好ましくは30〜80質量部程度
(E)成分:0.1〜15質量部程度、3〜10質量部程度
(F)成分の使用量は特に限定されないが、離型コーティング剤のポットライフや反応硬化速度等の観点より、通常、(A)成分と(C)成分の合計100質量部(固形分換算)に対して0.01〜10質量部(固形分換算)程度となる範囲であればよい。
(G)成分の使用量は特に限定されないが、通常、離型コーティング剤の固形分濃度が1〜50質量%(固形分換算)程度となる範囲であればよい。
本発明に係る離型フィルムは、本発明の離型コーティング剤を、プラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工し、加熱及び紫外線照射処理することにより得られる。
前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム、エポキシ樹脂フィルム、メラミン樹脂フィルム、トリアセチルセルロース樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム等が挙げられる。また、該プラスチックフィルムは、表面処理(コロナ放電等)がなされているものであってよい。また、該プラスチックフィルムは、その片面あるいは両面に、本発明の離型コーティング剤以外の層(例えば易接着層)が設けられたものであってよい。該プラスチックフィルムとしては、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性等の性能の点で、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、該プラスチックフィルムの厚み特に限定されず、通常、10〜100μm程度であればよい。
前記塗工手段は特に限定されず、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター及びバーコーター等が挙げられる。また、塗工量も特に限定されず、通常、乾燥後の質量が0.1〜10g/m程度、好ましくは0.2〜5g/mとなる範囲であればよい。
前記加熱条件も特に限定されず、通常、90〜130℃で30秒〜2分程度である。また、前記紫外線照射条件も特に限定されず、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ、LEDランプ等を用いて、10〜500mJ/cm2程度照射すればよい。本発明の離型コーティング剤は速硬化性が相対的に良好である。そのため、本発明の離型コーティング剤は、熱で変形しやすいプラスチックフィルムに適している。
本発明に係る離型フィルムは、必要に応じ、養生処理に付してよい。条件は特に限定されないが、20〜50℃で1〜24時間程度である。こうすることで、硬化皮膜の耐溶剤性がより良好になる。
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を詳しく説明するが、それらにより本発明の範囲が限定されることはない。また、各実施例及び比較例において、部又は%は質量基準である。
<離型コーティング剤の調製>
実施例1
(A)成分としてプラクセル303((株)ダイセル製;数平均分子量300、水酸基価560mgKOH/gのポリカプロラクトントリオール)を25.80部、(B)成分としてBYK−UV3505(BYK社製;アクリル官能基を有する変性ポリジメチルシロキサン)(有効成分濃度40%)を3.75部、(C)成分としてコロネートHX(東ソー(株)製;ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)(固形分濃度100%)を48.97部、(D)成分としてビスコート#300(大阪有機化学(株)製;ペンタエリスリトールトリアクリレート)を22.73部、(E)成分としてLUNACURE907(DKSHジャパン社製;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)を2.27部、(F)成分としてジオクチルスズジラウレート(固形分濃度100%)(以下、DOTDL)を0.22部、(G)成分としてメチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンの重量比率が1対1となる混合溶剤(以下、MEK/MIBK混合溶剤)を390.28部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例2
プラクセル303を17.20部、BYK−UV3505を3.75部、コロネートHXを32.65部、ビスコート#300を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を390.28部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例3
プラクセル303を8.60部、BYK−UV3505を3.75部、コロネートHXを16.32部、ビスコート#300を68.18部、LUNACURE907を6.82部、DOTDLを0.07部、MEK/MIBK混合溶剤を390.28部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例4
プラクセル303を13.71部、BYK−UV3505を3.75部、(C)成分としてタケネートD―110N(三井化学(株)製;キシリレンジイソシアネートのアダクト体)(固形分濃度75%)を48.19部、ビスコート#300を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を378.25部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例5
(A)成分としてクラレポリオールF−510((株)クラレ製;3−メチル−1,5−ペンタンジオール、アジピン酸及びトリメチロールプロパンからなる、数平均分子量500でかつ水酸基価340mgKOH/gのポリエステルポリオール)を22.84部、BYK−UV3505を3.75部、コロネートHXを27.02部、ビスコート#300を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を390.30部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例6 (A)成分としてクラレポリオールF−510を18.86部、BYK−UV3505を3.75部、タケネートD―110Nを41.32部、ビスコート#300を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を379.96部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例7
プラクセル303を17.20部、(B)成分としてサイラプレーンFM−0411(JNC(株)製;片末端水酸基含有ポリジメチルシロキサン)を1.50部、コロネートHXを32.65部、ビスコート#300を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を395.95部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
実施例8
プラクセル303を17.20部、BYK−UV3505を3.75部、コロネートHXを32.65部、(D)成分としてNKエステルA−9550(新中村化学(株)製;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)を45.45部、LUNACURE907を4.55部、DOTDLを0.15部、MEK/MIBK混合溶剤を390.28部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
比較例1
(A)成分としてプラクセル303を34.40部、コロネートHXを65.30部、DOTDLを0.30部、MEK/MIBK混合溶剤を376.20部、良く混合することによって、固形分濃度21%の離型コーティング剤を調製した。
<離型フィルムの作製>
実施例1の離型コーティング剤を、市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミラーT60、50μm厚)に、乾燥後の塗膜厚が1μmになるように塗工し、120℃で1分間乾燥することによって、熱硬化させた。
次いで、該塗工フィルムを、高圧水銀灯(120W/cm(1灯))の下に通すことによって(照射距離25cm、ベルトスピード43m/min、積算照射量40mJ/cm)、離型フィルムを作製した。他の実施例及び比較例の離型コーティング剤についても同様にして離型フィルムを作製した。
<硬化皮膜の耐溶剤性>
実施例1に係る離型フィルムを一晩放置した後、その硬化皮膜を、メチルエチルケトンを含浸させた綿棒で擦ったところ、100往復を超えても硬化皮膜は溶解しなかった。また、該離型フィルムを23℃で一日放置した後、同様にして硬化皮膜の耐溶剤性を評価したが、溶解は認められなかった。他の実施例に係る離型フィルムについても同様にして耐溶剤性を評価したが、やはり100往復を超えても硬化皮膜は溶解しなかった。一方、比較例1に係る離型フィルムについて同様に評価したところ、2回目で基材フィルムが露出した。そのため、該離型フィルムは後述の離型性評価に付さなかった。他方、比較例2に係るフィルムについては、100往復を超えても硬化皮膜は溶解しなかった。結果を表1に示す。
<離型性の評価>
実施例1に係る離型フィルムを一晩放置した後、その硬化皮膜表面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:20mm幅)を2kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、23℃で1時間放置した。次いで、テンシロン万能試験機(製品名RTC−1250A、(株)オリエンテック製)を用い、前記粘着テープを180℃の角度で水平方向に引っ張り(0.3m/min)、剥離に要した力(N/20mm)を測定した。また、他の実施例及び比較例の離型フィルムについても同様にして剥離力を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006658355

Claims (7)

  1. (A)分子内に水酸基を少なくとも3個有し、かつ、数平均分子量が200〜5000であり、かつ、水酸基価が30〜840mgKOH/gであるポリオールと、
    (B)分子内に水酸基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するオルガノ変性シリコーンと、
    (C)ポリイソシアネートと、
    (D)分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個有する多官能アクリレートと、
    (E)光重合開始剤と、
    を含む、離型コーティング剤。
  2. (A)成分が、開環重合型ポリエステルポリオール(a−1)及び/又は重縮合型ポリエステルポリオール(a−2)を含む、請求項1の離型コーティング剤。
  3. (B)成分のオルガノ変性部位が、アクリルポリマー部位、ポリエステル部位及び(ポリ)エーテル部位からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1又は2の離型コーティング剤。
  4. 更に(F)硬化触媒を含む、請求項1〜3のいずれかの離型コーティング剤。
  5. 更に(G)有機溶剤を含む、請求項1〜4のいずれかの離型コーティング剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかの離型コーティング剤をプラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工し、離型フィルムの製造方法。
  7. プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項6の離型フィルムの製造方法。
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