JP6658272B2 - インクジェット記録装置用洗浄液、洗浄液兼充填液、洗浄方法、記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置用洗浄液、洗浄液兼充填液、洗浄方法、記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置の洗浄液、洗浄液兼充填液、洗浄方法、記録方法に関する。
インクジェット記録装置は、通常、検査インク等での印字確認(吐出確認)を行った上で出荷されるため、印字検査後の洗浄に残存したインクを洗浄する必要がある。このような洗浄に使用される洗浄液としては、インク経路への濡れ性・洗浄力が必要とされる。このため、洗浄液としては濡れ性・洗浄性を確保する目的で、従来から界面活性剤を添加した洗浄液が用いられてきた。
しかし、従来の界面活性剤を含有する洗浄液では、界面活性剤を含有するために泡立ちやすく、洗浄時に泡によるトラブルが発生したり、出荷後の装置内に微量に残る洗浄液により、インクの初期充填不良が発生するという問題があった。また界面活性剤の種類によっては、インク供給路内の部材を劣化させたり、金属部材を腐食させたり、更には、装置内に微量に残る印字検査インクとの相溶性が悪く、吐出不良を起こすこともあった。またインクを吐出するヘッドには通常撥インク処理がほどこされているが、これらの撥インク性を低下させる不具合もあった。
インク供給路内での洗浄液の乾燥を防ぐとともに、インクを再充填する際、洗浄液が残留していても容易にインクと混合し易くするために洗浄液には有機溶剤を添加している。
しかしながら、インクを再充填後、非多孔質基材へ印刷する場合、インクと残留洗浄液との混合溶液中に含まれる有機溶剤の種類によっては、その画像の定着性を低下させることがあった。非多孔質基材、特にプラスチックフィルム等は例えばディスプレイ、ポスター、掲示板など産業用途に用いられ、そのためのインク、洗浄液が開発されてきている。
特許文献1、2では、洗浄性に優れるとともに、印字検査に顔料インクを使用した場合でも、該インクとの相溶性に優れ、インクを再充填した際に吐出不良を起こさない洗浄液兼充填液が提案されている。特許文献1に記載の洗浄液兼充填液では3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールが用いられており、特許文献2に記載の洗浄液兼充填液では特定のアミド化合物などが用いられている。しかしながら、特許文献1、2に記載のものは何れも優れた保水力、保湿力を持つ沸点が290℃のグリセリンを中心とした高沸点の有機溶剤を含むものについては、特に非多孔質基材へ印刷する場合、再充填後初期印刷画像の乾燥性に対して問題があった。また、グリセリンを含まないものについても、十分な性質が得られておらず、より高い性能を要求されているのが、実情である。
また、インクジェット記録装置以外の洗浄剤として、特許文献3では、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールに加えて特定のグリコールエーテルを用いたスクリーン版洗浄剤が、特許文献4では、ノニオン界面活性剤または/およびアルキレングリコールジアルキルエーテルを用いたフラックス洗浄剤がそれぞれ提案されている。しかしながら、グリコールエーテルは一般的に安全性に難があり、主成分として用いた洗浄液組成では、金属を接合するための接着剤を浸食する場合があり、また蒸発が速いために、蒸発によって発生する泡が原因でインクを再充填した際に吐出不良を起こす場合があり、インクジェット記録装置用としては適さない。
本発明は、泡立ちが少なく、濡れ性、洗浄性、再充填性、顔料インクとの相溶性に優れ、初期画像の乾燥性にも優れ、安全性の高いインクジェット記録装置用洗浄液を提供することを目的とする。
本発明者は、有機溶剤として沸点が250℃未満の特定の有機溶剤を組み合わせて用いることで、インク供給路部材への濡れ性を向上させて洗浄性を高めるとともに、低起泡性・抑泡性となり洗浄効率を向上させることができること、及び、インク中の色材との相溶性が向上し、インクの再充填後の吐出安定性が向上し、特に非多孔質基材へ印刷する場合、再充填後初期画像の乾燥性にも優れることを見出し、上記課題を解決したものである。
すなわち上記課題は、本発明の下記(1)のインクジェット記録装置用洗浄液により達成される。
(1)沸点が250℃未満の有機溶剤を含み、沸点が250℃以上の有機溶剤を含有しないインクジェット記録装置用洗浄液であって、前記沸点が250℃未満の有機溶剤として、メトキシ基を有する有機溶剤の2種以上と、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール及び2,3−ブタンジオールよりなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有することを特徴とするインクジェット記録装置用洗浄液。
本発明のインクジェット記録装置用洗浄液は泡立ちが少なく、濡れ性、洗浄性、再充填性、顔料インクとの相溶性に優れ、初期画像の乾燥性及び安全性に優れている。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は上記(1)に加えて下記(2)〜(7)も実施の形態として包含する。
(2)前記洗浄液に含まれる有機溶剤の総量が25質量%以上であることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
(3)前記メトキシ基を有する有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドを含有し、
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドが質量基準で1:4〜1:2であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
(4)インク供給路にインクが充填されたインクジェット記録装置に、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填し、
インクの吸光度A1と、インクジェット記録装置用洗浄液を通液した後の、インク供給路にある液体の吸光度A2とが下記(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置洗浄方法。
(A2/A1)×100 ≦ 2 ・・・(1)
(5)インクが充填されたインクジェット記録装置のインク供給路に、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填し排出する工程を、インクの吸光度A1と、インクジェット記録装置用洗浄液を充填し排出した後の、インク供給路にある液体の吸光度A2とが下記(1)の関係を満たすまで繰り返すことを特徴とするインクジェット記録装置洗浄方法。
(A2/A1)×100 ≦ 2 ・・・(1)
(6)インク供給路に上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填する工程、インク供給路にインクを再充填する工程、非多孔質基材にインクを付与し記録する工程を有することを特徴とする記録方法。
(7)上記(1)記載の洗浄液が充填液であることを特徴とする洗浄液兼充填液。
インクジェット記録装置の洗浄液は次の特性を備えていることが必要である。
・インク供給路内の異物を剥離し押し流す洗浄能力が高いこと
・インク供給路内の洗浄にはインクと混合置換しながらインク成分をインク供給路から剥離する必要があるが、この時洗浄液によってインク供給路部材を劣化させないこと
本発明においては、洗浄液中にメトキシ基を有する沸点が250℃未満の有機溶剤の2種以上と、沸点が250℃未満の有機溶剤である1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール及び2,3−ブタンジオールよりなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有させる。これにより、従来の界面活性剤を使用した洗浄液と同様のインク供給路への濡れ性、及び洗浄能力を確保しながら、界面活性剤を使用したときに課題となっていた泡や装置内に残る微量のインク中の色材成分との相溶性が確保され、上記の洗浄液としての機能を十分に発揮することができる。更に、本発明においては、例えばグリセリンのような高沸点溶剤を使用しないことにより、特に非多孔質基材へ印刷する場合、再充填後初期画像の乾燥性にも優れる。
また、インクジェット記録装置のインク供給路内に充填して、インクジェットヘッドや
インク供給路系を保存する充填液としても使用できるものである。
本発明の洗浄液(以下、洗浄液兼充填液ともいう)は、洗浄液として使用しても良く、充填液として使用しても良く、洗浄液兼充填液として使用しても良い。
以下、本発明の洗浄液を構成する成分について説明する。
<有機溶剤>
本発明において用いる有機溶剤は、供給路内での洗浄液の乾燥を防ぐとともに、インクを再充填する際、洗浄液が残留していても容易にインクと混合し易くすることを目的とするものである。そのため、出荷前の吐出確認を行うための検査インクや通常印刷に使用されるインクと相溶性が高いことが好ましく、インクジェット用インクで使用される有機溶剤と同様のものを用いることができる。また、有機溶剤としては水溶性有機溶剤を使用することができる。
本発明においては、このような有機溶剤として沸点が250℃未満の有機溶剤を用いる。そして、沸点が250℃未満の有機溶剤としては、(A)メトキシ基を有する有機溶剤の2種以上と、(B)1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール及び2,3−ブタンジオールよりなる群から選ばれた1種以上とを用いる。
また、上記の(A)及び(B)の有機溶剤に加えて(C)その他の沸点が250℃未満
である有機溶剤を更に用いても良い。
上記(A)のメトキシ基を有する有機溶剤としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。
特に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールと3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドとを併用することにより、インクと洗浄液兼充填液との相溶性が上がり洗浄性が向上する。また、洗浄残渣の凝集を防ぎ、インク充填時には洗浄液兼充填液とインクが速やかに混ざり、凝集すること無くインクの充填が行える。前記メトキシ基を有する有機溶剤の総添加量は洗浄液兼充填液全体の5.0〜20.0質量%とする。 該範囲であることにより、上記特性が得られ易く好ましい。
なお、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドは下記の構造式を有する化合物である。
Figure 0006658272
また、洗浄液兼充填液が上記(B)の1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有することにより、インクを再充填後に特に非多孔質基材へ印刷する場合、初期画像の乾燥性に優れるインクを得ることができ、また高い光沢が得られやすい。
上記(A)及び(B)以外に使用することができるその他の有機溶剤(C)の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
洗浄液兼充填液が、沸点が250℃未満である有機溶剤を25質量%以上含有することで、インクを再充填後に非多孔質基材へ印刷する場合、初期印刷画像の乾燥に掛かるエネルギー量の低減ができ、インクが供給される間は終始良好な画像の定着性が得られる。
また、本発明の有機溶剤は、沸点が250℃以上の有機溶剤を含有しないが、製造過程での反応副生成物、乾燥防止のため予め原材料に含まれている等により、不純物程度に含まれる場合があっても良い。具体的にはインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液全体に対して1.5質量%以下であれば含んでいても良い。
本発明の洗浄液兼充填液は、必要に応じて、防腐防黴剤、キレート剤、防錆剤、pH調整剤、湿潤剤等の他の添加剤を加えることができ、これらは、インクに用いているものと同様の成分が好ましい。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジクロロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
pH調整剤としては、調合される洗浄液兼充填液に悪影響を及ぼさず、インクジェット記録装置のインク供給路にダメージを与えあければ、いずれの物質も使用できる。例えば、塩基性に調節するときは、ジエタノールアミンやトリエタノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、第四級アンモニウム水酸化物等の第四級化合物水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩が挙げられ、酸性に調整するときは、塩酸や硫酸等に無機酸、酢酸や蓚酸等の有機酸が挙げられる。
湿潤剤は、有機溶剤による浸透性を補うもので、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0質量%のポリオールが望ましく、このようなポリオールとしては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
さらに、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類を併用してもよい。
また、糖類等の固体湿潤剤を添加してもよく、糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
また上記の効果を損なわない程度であれば、界面活性剤を併用してもよい。
次にインクジェット用インクについて説明する。
インクは特に限定されず使用することができる。また、樹脂粒子を含むインクや、固形分濃度が高いインクであっても、効果的に洗浄することが可能であり好ましい。インクに含まれる成分は、特に限定されず用いることができる。例えば 色材、樹脂微粒子、界面活性剤、有機溶剤、浸透剤、消泡剤、その他添加剤をインクジェットインクに含有することが可能であり、界面活性剤、有機溶剤、浸透剤、添加剤に関しては、洗浄液と同様の物質が利用可能である。以後、インクジェットインクに使用可能な添加剤について説明を行う。
<色材>
インクで使用する色材は顔料、染料共に使用可能であるが、光褪色の面から顔料を用いることが好ましい。
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。また色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。
前記無機顔料としては、例えば、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
また、顔料と同時にまたは単独で用いる染料としては、酸性染料、食用染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料などを利用することができるが、水への溶解性と発色性の面から酸性染料、食用染料が好ましい。
使用できる顔料は、水への分散可能な状態へ顔料表面が改質され自己分散性を有する必要がある。好ましい形態としては、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。そのためには、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいはまた、次亜ハロゲン酸および/またはその塩を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。
また、この自己分散型顔料を用いたインクは、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。
また、この自己分散型の顔料は、後述する界面活性剤及び浸透剤と組み合わせたときに、特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることが可能となる。
上記自己分散型顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。
顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及び/またはポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。ポリマーエマルジョンは、全ての顔料が封入及び/または吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散していてもよい。
ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられる。特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーである。
その他の形態の着色剤としては、顔料が顔料分散剤、及び高分子分散安定化剤により分散された顔料分散体である。
前記高分子分散安定化剤としては、例えば、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
前記顔料分散剤としては、HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤が好適である。
前記HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが特に好ましい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用の着色剤、カラー用の着色剤、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク中の着色剤の添加量は、1〜20質量%程度が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
<樹脂微粒子>
インクは樹脂粒子を有しても良い。例えばアクリル樹脂微粒子、ポリオレフィン樹脂微粒子、酢酸ビニル樹脂微粒子、塩化ビニル樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、ポリエーテル系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子などが挙げられる。
また、インクはポリカーボネート系ウレタン樹脂微粒子を含有していても良く、それ以外の樹脂を含んでも構わない。インクに添加される樹脂の50質量%以上はポリカーボネート系ウレタン樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは70質量%以上がポリカーボネート系ウレタン樹脂であると良い。
<インクジェット記録装置>
本発明の洗浄液兼充填液が適用されるインクジェット記録装置として、インク供給路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク供給路の壁面を形成する振動板を変形させてインク供給路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特公平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク
供給路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特公昭61−59911号公報参照)、インク供給路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク供給路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェット記録装置に良好に使用できる。
本発明の洗浄液兼充填液は、各種分野において好適に使用することができる。 特に、インクジェット記録方式による画像形成装置(プリンター等)において好適に使用することができ、ヘッド以外のインク供給路に充填して出荷することが可能である。
本発明のインクジェット記録装置の洗浄方法は、上記洗浄液兼充填液をインク供給路内に充填し、排出する工程を繰り返せば良く、例えば、インクジェット記録装置本体の充填、吸引機構を用いて、洗浄液兼充填液の入ったカートリッジから洗浄液兼充填液をインク供給路内に充填、排出を繰り返す方法、インクジェット記録装置本体に設けているインク容器に洗浄液兼充填液を入れ、外部からインク容器を加圧してインク供給路内に充填、排出する方法、ヘッド側から外部のポンプを用い、洗浄液兼充填液をインク供給路内へ充填し、吸引により排出する方法等が挙げられる。特に、上記の洗浄液兼充填液の入ったカートリッジを用いると、洗浄が簡単に行えるため好ましい。また、これらの方法により、洗浄液兼充填液をインク供給路内に充填し排出する工程を、排出液中の着色微粒子の濃度が2質量%以下になるまで繰り返すことが好ましい。 これによりインクジェット記録装置のインク供給路の洗浄を充分に行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、部は質量部を示し、%は質量%を示す。
[実施例1〜8、比較例1〜9]
表1に示す処方で、水、メトキシキを有する有機溶剤、その他の有機溶剤及び界面活性剤の各成分を室温にて充分に攪拌、混合した後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過を行ない、実施例1〜8、比較例1〜9の洗浄液兼充填液を得た。
次に、本発明の洗浄液兼充填液を評価する評価インクについて説明する。
<評価インクの調製>
下記に示す方法で評価インクを調製した。
−ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンAの調製−
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加え90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下のもと水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
得られたポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンAをスライドガラス上に膜厚10μmとなるように塗布し、100℃30分で乾燥させて樹脂フィルムを成形し、微小表面硬度計(FISCHERSCOPE HM2000、フィッシャー社製)を用いて、ビッカース圧子を9.8mNの荷重をかけて押し込んだ際のマルテンス硬度は120N/mmであった。
−ポリマー溶液の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4g、メチルエチルケトン40gを混合し、65℃に昇温した。 次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン342gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。
−イエロー顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
前記ポリマー溶液28gとC.I.ピグメントイエロー74を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のイエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
−イエロー顔料インクの調製−
イエロー顔料インクの調製は以下の手順で行った。
上記イエロー顔料含有ポリマー粒子分散液を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
上記イエロー顔料含有ポリマー粒子分散液 15部
ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 7.5部
(内、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃) 0.9部含む)
アクリル系樹脂エマルジョン 2部
(DIC社製ボンコートR−3380−E)
界面活性剤 CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2部
プロピレングリコール(bp188℃) 20部
ジエチレングリコールnブチルエーテル(bp230℃) 15部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
イオン交換水 38.4部
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
前記ポリマー溶液17.5gとC.I.ピグメントレッド122を32.5g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液8.5g、メチルエチルケトン13g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
−マゼンタ顔料インクの調製−
上記マゼンタ顔料含有ポリマー粒子分散液を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
上記マゼンタ顔料含有ポリマー粒子分散液 15部
ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 7.5部
(内、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃) 0.9部含む)
アクリル系樹脂エマルジョン 2部
(DIC社製ボンコートR−3380−E)
界面活性剤 CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2部
プロピレングリコール(bp188℃) 20部
ジエチレングリコールnブチルエーテル(bp230℃) 15部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
イオン交換水 38.4部
−シアン顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
色材をC.I.ピグメントブルー15:3に変えたほかはイエロー顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
−シアン顔料インクの調製−
上記シアン顔料含有ポリマー粒子分散液を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
上記シアン顔料含有ポリマー粒子分散液 15部
ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 7.5部
(内、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃) 0.9部含む)
アクリル系樹脂エマルジョン 2部
(DIC社製ボンコートR−3380−E)
界面活性剤 CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2部
プロピレングリコール(bp188℃) 20部
ジエチレングリコールnブチルエーテル(bp230℃) 15部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
イオン交換水 38.4部
―ブラック顔料インクの調製−
KM−9036(東洋インキ、自己分散型顔料) 15部
ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 7.5部
(内、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃) 0.9部含む)
アクリル系樹脂エマルジョン 2部
(DIC社製ボンコートR−3380−E)
界面活性剤 CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2部
プロピレングリコール(bp188℃) 20部
ジエチレングリコールnブチルエーテル(bp230℃) 15部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
イオン交換水 38.4部
<評価>
上記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過を行ない、評価インクとした。
実施例および比較例の洗浄液兼充填液を用いて下記の評価1〜6を行った。
なお、評価1は、実施例および比較例の洗浄液兼充填液についての評価である。
また、評価3は、実施例および比較例の洗浄液兼充填液と上記評価インクのうちマゼンタ顔料インクについて評価した。評価5、6は、上記4色全てのインクを用いたコンポジットブラックのベタ画像を印刷して評価した。
[評価1:洗浄液兼充填液の起泡性・消泡性評価]
作製した洗浄液兼充填液を100mlのメスシリンダーに10ml入れ、10℃の環境下で該洗浄液兼充填液に空気を注入した。そして、該洗浄液兼充填液と起泡の体積合計が100mlになった時点、もしくは60秒経過した時点で空気の注入を停止した。
空気の注入から空気の注入停止までの時間を起泡時間とし、空気の注入を停止した時点から該インクと気泡の合計体積が20mlになるまでの時間を計測して、消泡時間として以下の基準で評価した。
起泡性・消泡性の結果の悪い方を泡立ちの評価結果とした。
(評価基準)
(起泡性)
◎:泡がたたない
○:起泡時間が30秒以上
△:起泡時間が15秒以上、30秒未満
×:起泡時間が15秒未満
(消泡性)
◎:消泡時間が10秒未満(泡がたたない場合も含む)
○:消泡時間が10秒以上、20秒未満
△:消泡時間が20秒以上、30秒未満
×:消泡時間が30秒以上
[評価2:洗浄液兼充填液の洗浄性評価]
加熱ファンを有するインクジェットプリンター(株式会社リコー製IPSiO GXe5500改造機)に上記各色評価インクを充填したカートリッジを取り付け、上記充填を行い、ノズルチェックパターンを印字し、ノズル抜けが無いことを確認した。
その後、洗浄液兼充填液を充填したカートリッジを全カートリッジの代わりに取り付け、ヘッドリフレッシング動作を6回実施した。その後プリンターの維持ユニットを動作させ、各ヘッドから4.5cc吸引しては再び充填する動作を3回繰り返して実施し、最後に各ヘッドから吸引した液について、吸光度の測定を行った。各色のλMaxの波長における吸光度から(ヘッドから吸引した液の吸光度A2/インクの吸光度A1)×100(%)を算出し、その値に基づいて下記基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:0.5%未満
○:0.5%以上、1%未満
△:1%以上、2%未満
×:2%以上
[評価3:相溶性評価]
洗浄液兼充填液97gとインク3gをそれぞれ混合し、90℃の恒温槽中に8時間放置した。
その後取り出し、2時間静置し、液の状態を目視で観察した。判断は下記基準にて行った。
(評価基準)
◎:分離が全く見られない
○:わずかに濃淡が観察される
△:色材の沈殿がわずかに認められる
×:色材が沈殿している
[評価4:再充填性評価]
評価2で洗浄した後の加熱ファンを有するインクジェットプリンター(株式会社リコー製IPSiO GXe5500改造機)を40℃の恒温槽中に24時間放置し、上記評価インクを充填したインクカートリッジを取り付け、初期充填動作を実施させた。その後ノズルチェックパターンを印字し、充填動作後にヘッドリフレッシング動作を繰り返し、ノズルチェックにて吐出不良(ノズルの不吐出や吐出曲がり=画像に対する白筋や黒筋が目立つ状態)が無くなるまでのヘッドリフレッシング回数にて評価を行った(最大8回まで)。
(評価基準)
◎:ヘッドリフレッシング1回以下
○:ヘッドリフレッシング2回〜3回
△:ヘッドリフレッシング3回〜4回
×:ヘッドリフレッシング5回以上必要、もしくは回復不能
[評価5:乾燥性評価]
評価4で吐出不良が無くなった後の加熱ファンを有するインクジェットプリンター(株式会社リコー製IPSiO GXe5500改造機)を用いて、白塩ビシートIJ5331(住友スリーエム社製)に対してベタ画像を印刷した後、加熱ファンにより60℃で乾燥させ、画像を形成した。乾燥後のベタ部に濾紙を押し当て、濾紙へのインクの転写の具合から以下の基準により判定した。
◎:60℃15分の乾燥条件で濾紙への転写がなくなる。
○:60℃30分の乾燥条件で濾紙への転写がなくなる。
△:60℃60分の乾燥条件で濾紙への転写がなくなる。
×:60℃60分の乾燥条件でも濾紙への転写がなくならない。
[評価6:画像光沢度評価]
評価5で形成した画像ベタ部の60°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により測定し、以下の基準より判定した。
(評価基準)
◎:60°光沢度が100%より大きい。
○:60°光沢度が81%〜100%。
△:60°光沢度が60%〜80%。
×:60°光沢度が60%未満
評価1〜6についての評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006658272
特開2014−177589号公報 特開2013−158918号公報 特開平8−188797号公報 特開平7−109493号公報

Claims (8)

  1. 沸点が250℃未満の有機溶剤を含み、沸点が250℃以上の有機溶剤を含有しないインクジェット記録装置用洗浄液であって、
    前記沸点が250℃未満の有機溶剤として、メトキシ基を有する有機溶剤の2種以上と、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール及び2,3−ブタンジオールよりなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有することを特徴とするインクジェット記録装置用洗浄液。
  2. 前記洗浄液に含まれる有機溶剤の総量が25質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
  3. 前記メトキシ基を有する有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
  4. 前記3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオン酸アミドが質量基準で1:4〜1:2であることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
  5. インク供給路にインクが充填されたインクジェット記録装置に、請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填し、
    インクの吸光度A1と、インクジェット記録装置用洗浄液を通液した後の、インク供給路にある液体の吸光度A2とが下記(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置洗浄方法。
    (A2/A1)×100 ≦ 2 ・・・(1)
  6. インクが充填されたインクジェット記録装置のインク供給路に、請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填し排出する工程を、インクの吸光度A1と、インクジェット記録装置用洗浄液を充填し排出した後の、インク供給路にある液体の吸光度A2とが下記(1)の関係を満たすまで繰り返すことを特徴とするインクジェット記録装置洗浄方法。
    (A2/A1)×100 ≦ 2 ・・・(1)
  7. インク供給路に請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置用洗浄液を充填する工程、インク供給路にインクを再充填する工程、非多孔質基材にインクを付与して記録する工程を有することを特徴とする記録方法。
  8. 請求項1記載の洗浄液が充填液であることを特徴とする洗浄液兼充填液。
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