JP6656820B2 - パチンコ遊技機のハンドル接触検知装置 - Google Patents

パチンコ遊技機のハンドル接触検知装置 Download PDF

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Description

この発明は、パチンコ遊技機の遊技者が、パチンコ玉の発射強度を調節するハンドルに手で接触してハンドルを操作しているかどうかを確認して、それが確認された場合だけパチンコ玉の発射を許可する信号を出力するために、ハンドルに遊技者の手が接触していることを静電容量センサによって検知するハンドル接触検知装置に関する。
パチンコ遊技機において、以前には、パチンコ玉の発射強度を調節するためのハンドルの回転部分と固定部分との間に硬貨等の異物を挟み込んで、パチンコ玉が入賞する可能性の高い発射強度の位置にハンドルの回転部分を固定したり、さらには複数のパチンコ台で同様の操作を行って、一人で複数のパチンコ台を独占して遊戯したりする、といった不正な行為が行われていた。しかし、そのような不正行為が規制の対象となったことに伴い、現在のパチンコ遊技機には、遊技者が手で直接にハンドルの操作を行っていることを確認して、それが確認された場合だけパチンコ玉の発射を許容する、といった機能が備わっている。例えば、パチンコ玉発射強度調節用のハンドルの回転部分もしくはその近傍の固定部分に、金属のプレス体からなるタッチ電極あるいはプラスチック成型品の表面全体に金属メッキを施したタッチ電極を形設し、そのタッチ電極を金属製のスプリングやリード線を介して、ハンドルの固定部分の内部に設けられたタッチセンサ回路部のタッチ電極用端子に接続し、タッチ電極に遊技者の手が触れたときに、人体の静電容量がタッチ電極に印加されるようにし、タッチ電極に印加された人体の静電容量の値が所定値以上かどうかが、ハンドルの固定部分の内部に設けられたタッチセンサ回路部で判別されて、静電容量の値が所定値以上であると判定されたときに遊戯許可の信号が出力され、パチンコ玉の発射が可能となるように構成されている。
図14に示す分解斜視図により、従来のパチンコ玉発射強度調節用ハンドルの構成例について説明する。
ハンドル100は、固定部分であるハンドルベース部102、回転部分であるハンドル回転部104およびカバー106により構成されている。そして、ハンドル100は、ハンドルベース部102にハンドル回転部104を取着した後、ハンドル回転部104によって自在にボリューム108を回転させることができるようにハンドル回転部104の前面側にカバー106を取着して組み立てられ、パチンコ台に取り付けられる。ハンドル回転部104の外表面には、その全面に金属メッキが施されており、これがタッチセンサのタッチ電極となる。タッチ電極は、ハンドルベース部102に内設されたタッチセンサ回路部110に配線によって接続されている。ハンドルベース部102には、パチンコ玉の発射強度調節用のボリューム108やタッチセンサ回路部110の他、パチンコ玉の発射停止用のスイッチ112が内蔵されている。そして、タッチセンサ回路部110、パチンコ玉発射強度調節用ボリューム108およびパチンコ玉発射停止用スイッチ112の各接続用配線114は、結束バンド116を用いて線がバラバラにならないように結束され、コネクタ118によって制御基板120に接続されるとともに、FG端子122がパチンコ台のフレームグランドラインの代替としての金属部124に接続される。
ところで、パチンコ台においては、パチンコ玉がプラスチック製の通路を衝撃や摩擦を繰り返しながら通過するため、非常に高い電圧の静電気が発生し、パチンコ玉はその静電気を帯びて移動する。また、遊技者は、特に寒い冬場の乾燥した時期には毛織物や化繊の衣料を身に着けて行動するので、高い電位の静電気が発生して、その静電気を人体は帯びて活動する。これらの高電位の静電気がハンドルのタッチ電極に印加されると、タッチ電極に接続されたタッチセンサ回路部の電子部品はもちろんのこと、タッチセンサ回路部からの信号を受けてゲームを機能させパチンコ玉の発射を制御する制御回路に用いられた電子部品も、一瞬にして静電電荷によって破壊されることとなる。そこで、そのような静電破壊を防止するため、色々な静電気保護対策がなされている。
例えば、タッチ電極に印加された静電気を電源0Vラインへ放電ギャップを用いて放電させ、0Vラインから直接にあるいはコンデンサを介してフレームグランドへ静電電荷を排出させて大地へ帰還させるもの(例えば、特許文献1参照。)、タッチ電極に印加された静電気を、基板に設けられたスルホールを介し放電ギャップを用いてフレームグランドへ排出させて大地へ帰還させるもの(例えば、特許文献2参照。)、タッチ電極に印加された静電気を直接にフレームグランドへ放電させて静電電荷を大地へ帰還させるもの(例えば、特許文献3参照。)、タッチ電極に印加された静電気を直接にフレームグランドへ放電させるとともに、フレームグランドから電源0Vラインへ放電させて静電電荷を大地へ排出するもの(例えば、特許文献4参照。)などがある。これらの静電気保護対策はいずれも、フレームグランド端子がパチンコ台のハンドルの近傍にあり、しかも、タッチ電極からフレームグランドへの接続が、極めて短い距離での配線によりなされていることが前提条件となっている。
特許第4381035号公報 特許第4737521号公報 特開2006−203406号公報 特許第4836480号公報
タッチセンサは、電気回路の一部であるタッチ電極が露出していなければ機能することができない。そして、電気回路は電気配線を伴うため、その配線の分布容量を介して高周波的には大地電位に近いので、静電気がタッチ電極に近付くと必ず直接放電し、それを避けることはできない。したがって、上記した特許文献1〜4に記載されたように、タッチ電極に印加された静電電荷をフレームグランドへ移動させ大地に放出して電子回路の電子部品を保護する、といった対策は、フレームグランドラインが無ければ全く意味を持たない。ところが、パチンコ遊戯機による遊技を提供する古い建屋の店舗には、フレームグランドラインが無い場合が多い、といった問題点がある。
また、フレームグランドラインが有ったとしても、ハンドルのタッチ電極の近くにそれが無い場合には、長い距離での配線が必要になる。タッチ電極からフレームグランドまでの配線距離が長くなり、配線による導体抵抗分や配線誘導分(インダクタンス)が高くなると、静電電荷の放電における単位時間当たりの電圧変化率dV/dTは、30,000Vの電圧が1nS〜2nSの間に0Vへと変化するような非常に大きい変化率となる。このような静電気放電においては、電気配線の高周波インピーダンスが高くなり、フレームグランドを経由した大地への静電電荷の排出は困難になる。このため、静電電荷は、フレームグランドへ完全には排出されず、フレームグランドへ排出されない静電電荷は、大地電位に最も近い電源ラインや信号ラインの電気回路を経由し分岐して大地へ放出されることとなる。この結果、タッチセンサそのものに用いた電子部品やパチンコ台の制御回路に用いた電子部品の静電破壊が多くなる。したがって、特許文献1〜4に記載された技術によっては、静電気からタッチセンサ回路部やパチンコ台の制御回路を保護することができない、といった問題点がある。
上記した問題点につき、タッチセンサを用いたハンドルを備えた従来のパチンコ遊技機の全体の回路構成を示す図15によりさらに詳細に説明する。なお、図15においては、理解し易くするために、配線用導体抵抗や配線用インダクタンスについては0V電源グランドのみを例示して説明する。
高電位の静電気を帯びた人がパチンコ台で遊戯しようとして、ハンドル操作のためハンドル126に接触すると、人体が帯びていた静電気は、電気配線の分布容量等を介して、高周波的には最も大地に近い電位の、ハンドル126に取り付けられた人体検出用のタッチセンサに放電する。そして、静電電荷は、タッチセンサの静電容量検出回路128、タッチセンサの出力信号を処理する制御回路130、電気配線の大地に対する分布容量CW1〜CW3、および、電源回路132のAC商用電源134の1次と2次のトランス136の巻線コイル間の結合容量CTRを経由してAC商用電源134のアースに至り、人体の静電気が大地へと移動し除電される。このときの静電気放電により、遊技者は、その手に静電電荷の移動に伴う静電気放電ショックを受けて大きな痛みを感じる。この静電気の放電時には、静電電荷が印加されるタッチ電極が接続された静電容量検出回路128や、その信号を処理する制御回路130等の電子回路は、静電気による高電圧によってしばしば破壊される。そこで、パチンコ台のハンドル126に用いられる人体検出用のタッチセンサには、一般に その高い静電電圧によって破壊されない条件として、静電電圧30,000V、静電電圧容量500PF、静電気放電抵抗0Ωで、しかも接触放電の耐力仕様の対策が要求されている。しかしながら、タッチセンサ部のみでの対応は大変困難であり、要求される仕様には至らず、現状では、最低の条件として静電電圧20,000V、静電電圧容量500PF、放電抵抗0Ωの接触放電に耐えられるような対策が施されているものが使用されている。
ここで、一般的な人体検出のタッチセンサの原理を含めて図15により説明する。
図15において、静電容量検出回路128は、数百KHz〜数MHzの発振回路を用いて常時発振を行い、その発振回路の一部から分極防止コンデンサと抵抗を介してタッチ電極接続端子が設けられ、外部からタッチ電極がその端子に接続されている。人体がタッチ電極に接触すると、タッチ電極→人体と大地間容量C→大地グランド→AC電源大地アース→トランス136の1次と2次間の巻線コイル間の結合容量CTR→トランス136の2次と電源回路132のGND間容量C→静電容量検出回路128のGNDの回路構成により 人体と大地間の静電容量Cは、タッチセンサの静電容量検出回路128のタッチ電極Tと回路の0VGNDであるGS間に入力される。このタッチ電極TとGS間に静電容量が印加されると、静電容量検出回路128を構成している発振回路の選択度Qを低下させ、発振ゲインが減少するように回路定数が設定されているため、発振ゲインが減少あるいは発振を停止して人体の検出信号を出力するように構成されている。従来のパチンコ台のハンドルに使用されているタッチセンサは、この入力容量がおよそ20PF〜50PFになると人体検出信号を出力するようになっている。
上記したようにタッチセンサのタッチ電極Tは、配線分布容量やトランスの巻線コイル間結合容量等を介して高周波的には大地に接続されているため、人体が静電気を帯びてパチンコ台のハンドル126を操作しようとして手を近付けると、遊技者の手からタッチ電極Tに向けて静電気が放電し、遊技者は放電ショックの痛みを受けるとともに、その静電電荷は、タッチ電極Tから静電容量検出回路128を経て制御回路130に至り、電気配線の分布容量やトランス136の巻線コイル間結合容量CTRを経由して大地へ帰還することとなる。人体が持つ静電電圧が低い場合には、電荷量も少なく、配線分布容量を介して減衰消滅するので、何ら問題は発生しないが、静電電圧が高くなると、色々な問題が発生する。一般的に、市場より要求される静電気に対する仕様としては、上記したように静電電圧30,000V−静電容量500PF−放電抵抗0Ωとなっている。この静電気がタッチ電極Tに接触し放電して印加されると、静電容量検出回路128に用いた電子部品は元より、抵抗やコンデンサなどすべての電子部品は一瞬にして破壊される。このため、図15に記号Gで示すように、タッチセンサの電源回路132のGNDとタッチ電極T間に数十〜数百μmの放電ギャップをプリント基板上にパターンで設け、あるいは、マイクロギャップという放電パーツを同様に用いて電源GNDに静電電荷を放出して、T−GND間の残留電圧をおよそ数百V以下まで落として、静電容量検出回路128に用いた電子部品の電圧破壊を保護するようにされている。
しかしながら、放電ギャップGでタッチ電極Tから電源GNDに移動した静電電荷は、放電時の単位時間当たりの電圧変化率dV/dTがおよそ30、000V/1〜2nSというように大きいので、直流電源で信号用の僅かな電流しか流れない通常の使用では電気配線のインピーダンスは全く問題にならなかったが、500PF、30,000Vの静電電荷量が瞬時にして大地に向けて移動するため、配線の誘導分であるL等のインダクタンスや抵抗分のR、あるいは、誘導分は図示しないがRGC1、RGC2、RGC3等の抵抗分には、数千Vにもなる大きな残留電圧が、同電位であるはずの各電源0VのGND間に発生し、その残留電圧は、一般的な電子部品の定格耐電圧仕様である数十Vに対してその定格の数百倍もの高電圧であるため、タッチセンサの静電容量検出回路128は元より、制御回路130や電源回路132に用いた電子部品を瞬時に静電破壊することとなる。例えば、制御回路130が1枚のプリント基板のパターン配線上においてGC1、GC2、GC3と多点の電源GNDに接続されている場合、同電位であるはずの各GND間に数百〜数千Vの大きな電位差が発生するため、同様に電子部品が静電破壊され、その保護の仕方も論理的・技術的に非常に困難となっている。
この静電気保護対策のため、上記した特許文献1〜4に記載された発明がなされ、それらの対策が市場で採用されて実施されている。しかしながら、フレームグランドへの配線やフレームグランドが無い古い遊技場のパチンコ店も多く、その場合には特許文献1〜4に記載された技術内容では、静電破壊防止に役に立つことはできない。また、パチンコ台の枠に使用されている金属部品等を代用にして見掛け上のフレームグランドにしている場合もある。この見掛け上のフレームグランドに、静電気電源の容量が500PFで静電電圧が30、000Vで印加される場合、金属部などフレームグランドとしての代替部の必要な大地に対する静電容量は、タッチセンサの静電容量検出回路128やパチンコ台の制御回路130に使用される電子部品の耐電圧仕様である数十Vまでに分圧・減衰し低下させるために必要な大地間容量を考えると、静電容量に対する電圧の分圧は容量値に反比例するので、500PFの静電気電源容量で30,000Vを、例えば50Vまで減衰させるには500PFのおよそ600倍である300,000PF、すなわち0.3μFの非常に大きな容量が無いと、静電容量による分圧保護が機能しないこととなる。ところが、パチンコ台はその大きさからいっても、そのような大容量の大地に対する静電容量を持たせることは不可能である。
また、静電電荷を大地に排除するフレームグランドまでの配線長についても、極めて短いことが、静電破壊防止の機能させるための基本的な条件となっている。これに関して、図16を用いて説明する。なお、図16においても、理解し易くするために、配線用導体抵抗や配線用インダクタンスについては0V電源グランドのみを例示して説明する。
特許文献1〜4に記載されたタッチセンサ装置においては、静電気からの制御回路等の電子部品の保護は、静電電荷をフレームグランドに排除して機能させるようになっているが、単位時間当たりの電圧変化率dV/dTが非常に大きい場合に、図16に示すパチンコ遊技機全体の回路構成において、タッチ電極Tから印加された静電電荷がタッチセンサの静電容量検出回路128のプリント基板上の放電ギャップGを介してフレームグランド端子FGからフレームグランドまでの電気配線の導体直流抵抗RFG1、RFG2が無く、誘導分である配線インダクタンスLFG1、LFG2が無いことが条件となっている。このことは、特許文献1〜4には配線上の降下電圧等の残留電圧の記載がないことからも推察することができる。しかしながら、そのようなことは、放電ギャップGを直接に大地へ放電させない限り理論的にも現実的にもあり得ないことであり、必ず図16に示すような配線の直流抵抗RFG1や誘導分であるインダクタンスLFG1が、パチンコ台に設けられた金属部138からなる代替フレームグランドまでに存在し、しかもその代替フレームグランドから大地へ接続されるためのFGライン端子までの配線にRFG2やLFG2が存在するので、この部分でも電荷移動に伴う大きな残留降下電圧が必ず発生する。これらの残留電圧は、FGラインに接続された大地GNDと、タッチセンサの静電容量検出回路128やパチンコ台の制御回路130等の電源の元であるAC電源134のアースされた大地グランドは同電位であり、また、放電ギャップGの電位と放電ギャップGFGの電位は、両放電ギャップG、GFGが並列に入っているため、放電ギャップGFGは放電ギャップGと同様に静電気が放電し、放電されたGFG部は、放電によって空気がイオン化されてタッチセンサの回路グランドポイントであるGS部と同電位となる。すなわち、大地グランドを共通としてタッチ電極に印加された静電電圧は、図16に示すようにGS部から大地アースまでの電気配線回路が並列回路になっているため、そっくりそのままGS部とAC電源の大地アース間に並列回路として印加される。したがって、或る程度の長さの電気配線が有ると、タッチ電極に印加された静電気は多少減衰するが、基本的にはフレームグランド端子FGを用いても、程度の差はあるがタッチセンサの静電容量検出回路128や制御回路130の電子部品を破壊することになる。
すなわち、特許文献1〜4に示した技術は、フレームグランドが無い場合には全く意味をなさず、フレームグランドが有る場合でも、多少の配線長があると静電気に対する保護機能は多少の効果しかないため、市場での静電気による破壊を無くすことができない、といった現状となっている。
上記したような高電位の静電気によってタッチセンサの検出回路や制御回路が破壊され、パチンコ台として機能しなくなる、といった従来のパチンコ台のハンドルの問題を解決するために、高電位の静電気放電に強く、実際には静電気に対して余り機能することができないフレームグランドを必要とせず、フレームグランドへの高価な組立配線加工費が不要となる、といったような人体検出の可能なパチンコ台のハンドルが要望されている。
また、従来のハンドルに使用されているタッチセンサは、高周波の電磁波や温度、湿度などの環境条件、あるいは組立て配線による静電容量のバラツキ等を勘案し、定格の検出容量が20PFから50PFの範囲のもので、25PFと30PFのものが主流となっている。この場合において、タッチセンサは、農作業や力仕事などに従事する人で手の角質が厚い遊具者でも容易に検出しなければならないが、タッチセンサが人を検出するための静電容量は、タッチ電極と掌との接触面積に比例して発生するため、従来のタッチセンサでは、広い接触面積が得られるものでなければならない。このため、大きなタッチ電極が必要となるので、検出回路部と検出電極部との分離が必要であり、小型一体化することができない。また、ハンドルの表面に設けられるタッチ電極とハンドルの固定部分の内部に設置されるタッチセンサの検出回路部を一体化することは不可能であるため、ハンドルにタッチ電極とタッチセンサの検出回路を別々に組み込んだ後に配線によってそれらを接続しなければならないので、組立費用と配線加工費が高くなる、といった問題点もある。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、静電気放電電荷の移動を大幅に減少させ、もって、センサや制御回路の静電破壊を防止することができ、また、遊技者が静電気放電ショックを受けて痛みを感じる、といったことを無くすことができ、フレームグランドを不要にすることができ、人体による静電容量の検出感度を高くすることができ、これにより、タッチセンサを用いた従来のハンドルのように遊技者がハンドルを一定の力で長時間握り締める、といった必要が無くなって手首の疲労感が軽減され、また、手袋をしたままでの遊戯が可能となり、さらに、検出電極と検出回路との一体化を可能にし、もって構成部品の小型化を図ることが可能となり、また、検出電極と検出回路との配線を不要にして配線加工費を安価にすることを可能にするパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置を提供することを目的とする。
この発明では、上記目的を達成するために、人体を検出するセンサとして、遊技者が手で直接に検出電極に接触することを必要とするタッチセンサを使用せずに、検出電極に対して遊技者の手の一部が接近することで人体検出が可能である静電容量センサを用いるようにした。ここにいう静電容量センサは、静電容量検出感度が数PF〜0.1PF程度の容量を検出する能力があり、接地された金属板や静電容量の大きな人体は、センサ間の距離が数mm程度離れた位置に接近しただけで検出が可能であり、タッチセンサのように直接にタッチ電極に接触する必要が無いため、一般に静電容量近接センサとも呼ばれている。
すなわち、請求項1に係る発明は、パチンコ遊技機におけるパチンコ玉の発射強度を調節するハンドルに遊技者の手が接触してハンドルが操作されていることを静電容量センサによって検知するハンドル接触検知装置において、ハンドルの内部に静電容量センサの検出面部を、遊技者の手の一部が接触する部位のハンドル外表に近接するように配設し、前記ハンドルの外表面に接触する遊技者の手の一部と前記検出面部との間に介在するように絶縁材形成部を設け、遊技者が帯びている静電気がその手の一部から前記絶縁材形成部を介して前記静電容量センサの検出面部に放電されるようにし、前記静電容量センサの検出回路をプリント基板上に形成するとともに、前記静電容量センサの検出電極を、検出回路が形成された前記プリント基板の一部にパターン形成し、前記プリント基板の、前記静電容量センサの検出電極と検出回路との間であって、検出電極と検出回路とを電気的に接続する配線パターンの形成部分以外の部分に切欠きを形設したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のハンドル接触検知装置において、静電容量センサを、遊技者の手で操作されてその手と一体的に回転するハンドルの回転部に実装し、それと同期して回転するようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のハンドル接触検知装置において、静電容量センサの検出面部を、遊技者の指の一部がハンドルに接触する部位に対応する位置に配設したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のハンドル接触検知装置において、ハンドルの、静電容量センサの検出面部に対応して遊技者の指の一部が接触する部位が絶縁材で形成され、その絶縁材形成部に、前記検出面部の配設位置を示して遊技者の指をその位置に案内するためのガイドを形設したことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のハンドル接触検知装置において、ハンドルの、遊技者の手が接触し把持して回転させる部分が、絶縁材料によって一体形成された構成部品であり、その構成部品の、遊技者の手の一部が接触する部位の肉厚を、強度を要するそれ以外の部分より薄く形成したことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のハンドル接触検知装置において、静電容量センサがケースの内部に収納され、前記ケースを、ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位に対応する位置に設置したことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のハンドル接触検知装置において、静電容量センサの検出面部が、少なくとも1つの壁面が絶縁材料で形成されたケースの内部に前記壁面に当接もしくは近接するように配設され、前記ケースを、ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位に、前記壁面がハンドル外表面の一部を成すように取着したことを特徴とする。
請求項1に係る発明のハンドル接触検知装置においては、人体を検出する静電容量センサの検出面部が、遊技者の手の一部が接触する部位のハンドル外表面と絶縁材形成部を介在して近接しているので、大きな静電気を帯びた遊技者の手の一部がハンドルに接近もしくは接触して、その者自身が帯びていた高電位の静電気が静電容量センサの検出面部に放電しても、遊技者の手の一部と検出面部との間に介在した絶縁材形成部(絶縁体)の放電インピーダンスが大きいため、静電気放電に伴って静電容量センサの電気回路部を移動する静電電荷が極めて小さくなる。このため、ハンドル内部に設けられている静電容量センサの電子部品や、その静電容量センサの信号を処理するパチンコ台の制御回路の電子部品には、静電気放電の影響が及ばず、それらの電子部品の静電破壊を防止することができる。そして、静電気放電に伴う静電電荷量が極めて少なくなるので、遊技者自身が持つ静電気がハンドルへ放電するときの痛さが軽減され、特に女性に多いのであるが、静電気放電ショックへの怖さが無くなり、また、ペースメーカを装着された遊技者も安心して遊戯することが可能となる。
また、静電電荷の移動が少ないことにより、電気配線の、大地に対する分布容量で静電電荷の移動が大きく減衰するので、フレームグランドが不要となる。このため、フレームグランドへの外部配線作業等が不要となるので、パチンコ台のハンドルの製作コストを安価にすることが可能となる。さらに、人体検出用の検出センサとして、従来のタッチセンサに代えて静電容量センサを用いることにより、人体の検出感度が非常に高くなるので、僅かな容量の変化を検出することが可能となる。したがって、検出電極を小さくすることが可能となり、検出センサ(静電容量センサ)の小型化を図ることができる。そして、静電容量センサの小型化に伴い、検出電極と検出回路との一体化が可能となる。
さらに、このハンドル接触検知装置では、静電容量センサの検出回路と検出電極とが1枚のプリント基板上に形成されるので、検出回路と検出電極との配線接続作業や検出回路部分の組込み1つの作業で行うことができ、ハンドルの製作コストをより安価にすることができる。
そして、このハンドル接触検知装置では、静電容量センサの検出回路が形成されたプリント基板の一部に検出電極がパターン形成されるので、人体を検出する静電容量センサの検出電極の製作コストが安価になり、また、検出電極と検出回路との配線組立が不要になり、静電容量センサを小型化することが可能になる。
また、このハンドル接触検知装置では、検出電極の固定容量を少なくして静電容量センサの検出特性を良くすることができる。
もう少し詳しく説明すると、1枚のプリント基板に検出回路と検出電極を設ける場合、検出電極は、エポキシガラスなどのプリント基板材料の比誘電率εsによって発生するパターン間分布容量を介して検出回路に接続される。そして、検出回路は、それに電源回路や制御回路が接続されているため、静電容量センサから外部への配線の分布容量により高周波的には大地グランドに接続されている。このことは、検出電極の周りに固定した大地グランドを設けた状態と同様となる。この固定静電容量は、検出回路のS/N(ノイズ分に対する信号分の比)からみるとノイズに相当し、静電容量センサの耐環境特性の中でも温度特性に大きな悪影響を及ぼし、静電容量センサとしての機能を果たせなくする場合がある。したがって、検出回路と検出電極との間で、それらを接続するための1本の配線パターンの形成部分以外の、パターンの無い部分のプリント基板材が切り欠かれ、検出電極の、大地に対する固定容量の発生を排除しているので、耐環境特性が良く信頼性の高い静電容量センサとなっている。
請求項2に係る発明のハンドル接触検知装置では、検出電極と検出回路とが一体化され静電容量センサの小型化が可能となるのに伴い、静電容量センサが、遊技者の手で操作されてその手と一体的に回転するハンドルの回転部に実装されそれと同期して回転することにより、パチンコ玉の発射強度を調節するためにハンドルを回転させたときに、静電容量センサの人体(遊技者の手の一部)検出位置がずれない。
請求項3に係る発明のハンドル接触検知装置では、人体の検出に用いる静電容量センサが、大量の静電容量の発生が必要なタッチセンサではなくて僅かな静電容量を検出することができる静電容量センサであることに伴い、静電容量センサの検出面部が、遊技者の指の一部がハンドルに接触する部位に対応する位置に配設されることにより、グリップを強く握り締める必要が無くなるので、長時間の遊戯によるハンドル操作での手の疲れを防止することができる。
請求項4に係る発明のハンドル接触検知装置では、凸や凹の形状を付加したり表面の平滑化処理を施したりするなどして指のガイドが絶縁材形成部に形設されていることにより、遊技者の指の検出位置が分かり易くなり、また、遊戯中に夢中になっても指が静電容量センサの検出位置から移動して遊戯が停止する、といったことを防止することができる。
請求項5に係る発明のハンドル接触検知装置では、遊技者の手の一部が静電容量センサの検出面部に接近することによる静電容量の発生が大きくなり、検出信頼性を高くすることができ、また、寒い冬場や衛生的潔癖性の遊技者では手袋をしたままでも手の一部の接近を確実に検出することができる。
請求項6に係る発明のハンドル接触検知装置では、ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位に対応する位置にケースを設置することにより、静電容量センサをハンドルに組み付けることができるので、ハンドルへの静電容量センサの組み込みが容易になる。
請求項7に係る発明のハンドル接触検知装置では、ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位にケースを取着することにより、静電容量センサをハンドルに組み付けることができるので、ハンドルへの静電容量センサの組み込みが容易になる。
この発明の実施形態の1例を示し、パチンコ遊技機のハンドル部分に設置されるハンドル接触検知装置の構成を示す分解斜視図である。 (a)は、図1に示したハンドル接触検知装置の静電容量センサをパチンコ遊技機のハンドル回転部に取り付けた状態を示す斜視図であり、(b)は、ハンドル回転部を裏側から見た斜視図であり、(c)は、静電容量センサを検出面側から見た斜視図であり、(d)は、それを検出面裏側から見た斜視図である。 (a)は、図2に示した静電容量センサを検出面裏側から見た平面図であり、(b)は、その側面図であり、(c)は、それを検出面側から見た平面図である。 静電容量センサの、図3に示したものとは異なる構成例を示し、(a)は、静電容量センサを検出面裏側から見た平面図であり、(b)は、それを検出面側から見た平面図である。 静電容量センサが取着されたハンドル部分に形設された、遊技者の指を検出位置に案内するためのガイドの形状の1例を示す斜視図である。 静電容量センサが取着されたハンドル部分に形設された、遊技者の指を検出位置に案内するためのガイドの別の形状例を示す斜視図である。 パチンコ遊技者の指が、静電容量センサの検出電極との間に介在するハンドルの絶縁材形成部に接触にしている状態を示す部分拡大断面図である。 ハンドルの絶縁材形成部の表面の、静電容量センサの検出電極に対応する位置に補助検出電極を設けた構成例を示す斜視図である。 パチンコ遊技者の指が、静電容量センサの検出電極との間に介在するハンドルの絶縁材形成部の表面に設けられた補助検出電極に接触にしている状態を示す部分拡大断面図である。 この発明の別の実施形態を示し、(a)は、ハンドル接触検知装置の静電容量センサをパチンコ遊技機のハンドル回転部に取り付けた状態を示す斜視図であり、(b)は、ハンドル回転部を裏側から見た斜視図であり、(c)は、静電容量センサを収納したケースを検出面側から見た斜視図であり、(d)は、それを検出面裏側から見た斜視図である。 図9に示した静電容量センサの構成を示し、(a)は、静電容量センサを収納したケースを検出面側から見た平面図であり、(b)は、その側面図であり、(c)は、それを検出面裏側から見た平面図である。 この発明のさらに別の実施形態を示し、(a)は、ハンドル接触検知装置の静電容量センサをパチンコ遊技機のハンドル部分に取り付ける状態を説明するための分解斜視図であり、(b)は、静電容量センサを収納したケースを検出面側から見た平面図であり、(c)は、その側面図であり、(d)は、その正面図であり、(e)は、それを検出面裏側から見た平面図である。 この発明に係るハンドル接触検知装置を具備したパチンコ遊技機の全体回路構成の1例を示す図である。 この発明に係るハンドル接触検知装置を具備したパチンコ遊技機において、ハンドル部分の絶縁材形成部を介して静電容量センサに静電気が印加され、静電気放電に伴う静電電荷が移動するときの等価回路図である。 パチンコ遊技機のハンドル部分に設置される従来のハンドル接触検知装置の構成を示す分解斜視図である。 タッチセンサを具備した従来のパチンコ遊技機の全体回路構成の1例を示す図である。 タッチセンサを具備しフレームグランドを用いた従来のパチンコ遊技機の全体回路構成の1例を示す図である。
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
パチンコ遊技機のハンドル自体の構成は、従来と同様であり、図1に示すように、ハンドル10は、固定部分であるハンドルベース部12、回転部分であるハンドル回転部14およびカバー16により構成されている。そして、ハンドル10は、ハンドルベース部12にハンドル回転部14を取着した後、ハンドル回転部14によって自在にボリューム18を回転させることができるようにハンドル回転部14の前面側にカバー16を取着して組み立てられ、パチンコ台に取り付けられる。ハンドルベース部12には、パチンコ玉の発射強度調節用のボリューム18の他、パチンコ玉の発射停止用のスイッチ20が内蔵されており、ボリューム18やスイッチ20などの複数本の接続用配線22は、結束バンド24を用いて線がバラバラにならないように結束され、コネクタ26によって制御基板28に接続されている。
このハンドル10には、そのハンドル回転部14の外表面にタッチセンサのタッチ電極が設けられておらず、ハンドル回転部14の周壁面が、絶縁材料である熱可塑性プラスチック材で形成されている。そして、ハンドル回転部14の周壁面の内側に、その内面に密着するように静電容量センサ30が配設されている。この静電容量センサ30は、配線32により接続用配線22およびコネクタ26を介して制御基板28に接続されている。ここで用いられる静電容量センサ30は、その検出電極に人体などの比誘電率の大きい検出体が数mm程度の距離まで接近するとおよそ0.1PF以上の静電容量が入力され、回路定数で設定された静電容量値以上の静電容量になると発振回路の発振を開始させ、発振が開始すると検出信号を出力する静電容量式の近接センサである。
静電容量センサ30は、図2の(c)、(d)および図3に示すように、1枚の矩形状のプリント基板34の一方の片側表面に検出電極36をパターン形成し、プリント基板34の他方の片側裏面に検出回路38を形成して、それら検出電極36と検出回路38とを配線パターン40によって電気的に接続することにより構成されている。プリント基板34の長手方向における中央部分には、検出電極36と検出回路38との間であって、検出電極36と検出回路38とを接続する配線パターン40の形成部分以外の部分に一対の切欠き42が形設されている。また、プリント基板34の裏面側に、検出回路38の形成部分に隣接してコネクタ44が設けられている。各部の寸法の1例を示すと、プリント基板34は、幅×長さ=〔10mm〜14mm〕×〔20mm〜30mm〕、検出電極36は、〔8mm×8mm〕〜〔12mm×12mm〕であり、従来用いられているタッチセンサの、センサ回路部を除いたタッチ電極だけの大きさに比べてもその数分の1〜数十分の1の大きさで、面積および体積共に非常に小型化されている。また、切欠き42は、その幅が1.5mm程度である。なお、図4に示すように、切欠き42に代えて、静電容量センサ30aのプリント基板34aの長手方向における中央部分に、一対の貫通した長孔、例えば長手方向が5mm程度で短手方向が1.5mm程度である長孔42aを穿設するようにしてもよい。このように、1枚のプリント基板34に検出電極36と検出回路38とが形成されて構成されている静電容量センサ30は、安価に製作することができる。さらに、検出電極36と検出回路38とが1枚のプリント基板34に形成されて一体化されているので、従来のタッチ電極のようにハンドル部分への組込みのための高価な費用や、タッチ電極とタッチセンサ回路部との配線接続のための加工費用も不要となるので、ハンドルの製作コストを安価にすることができる。
ここで、パチンコ台における電気回路は、高周波的には大地に対する電気配線の分布容量やトランスなどのコイル巻線間の結合容量を介して大地グランドに接続されているため(後述する図12参照)、この静電容量センサ30の検出電極36は、電気回路との間に大きな固定容量が発生して検出回路38の温度やドリフト等の耐環境特性を悪くしないために、プリント基板34の検出電極36と検出回路38とを接続する1本の配線パターン40以外の部分を、機械的強度が許される程度までに切り欠いて、プリント基板34の形成材料であるエポキシガラスの比誘電率εsによって発生する大地に対する固定静電容量値を少なくしている。検出電極36と検出回路部38との間の固定静電容量値を小さくすると、検出容量と固定容量のS/N比が上がり、それに伴って検出感度を超高感度にしても安定した静電容量検出を可能にしている。静電容量センサ30は、一般的に、外部から入力される0.1PF〜数PFの静電容量を検出するようになっている。例えば、プリント基板が、幅12mm、厚み1.2mmであるガラスエポキシ樹脂で形成され、パターンの銅箔厚みが18μmで、検出電極を想定したパターン1と検出回路を想定したパターン2との間隔が1.5mmであるときに、パターン1、2間の静電容量として、およそ0.5PFの固定静電容量が発生する。このようなプリント基板の、パターン1、2間の銅箔の無い部分を1.5mmの幅で8mmの長さに切り欠くと、固定容量は0.35PFとなって0.5PFの70%になり、およそ30%の固定容量を削減することができる。この削減された0.15PFの固定容量値は、外部から入力される例えば0.3PFの静電容量の検出を行う静電容量センサにとっておよそ50%を占め、検出回路にとっては非常に大きなノイズ部のカットとなる。したがって、温度特性やドリフト等の耐環境特性の改善が図られ、大きな品質の向上と高感度な検出に寄与することとなる。この静電容量データを表1に示す。
Figure 0006656820
上記したように構成された静電容量センサ30は、図2の(a)、(b)に示すようにハンドル回転部14の周壁面の内側に、検出面部をなす検出電極36の形成面側が周壁面に密着するように実装される。したがって、静電容量センサ30は、遊技者の手で操作されてその手と一体的に回転するハンドル回転部14と同期して回転することになる。ハンドル回転部14への静電容量センサ30の取付位置は、遊技者がハンドル10を普通に把持したときにその手指の一部が接触する部位に対応するように検出電極36が配置される位置とされる。
遊技者がハンドル操作時に、遊戯に夢中になって指の位置が検出電極36の対応部位からずれて検出機能が働かなくなることを無くすために、ハンドル回転部14外周面の、ハンドル10を把持した遊技者の手指の一部が接触する部位には、検出面部(検出電極36)の配設位置を示して遊技者の指をその位置に案内するためのガイド46が形設されている。ガイド46は、図5−1に示すように、指先の腹に沿うような形状にハンドル回転部14の外周面の一部を成形して設けられる。また、図5−2に示すように、ハンドル回転部14の外周面の一部に指の腹に沿うような曲面状窪みを形成してそれをガイド46aとする。
ハンドル回転部14の周壁面の、ガイド46が形設された部分の肉厚は、図6に示すように、強度を要するそれ以外の部分より極く薄く形成されている。したがって、遊技者が手で自然にハンドル10を把持したとき、ガイド46に案内されてハンドル回転部14の外周面に接触した指Fは、薄肉の絶縁材形成部48を介在して静電容量センサ30の検出電極36に近接することとなる。そして、静電容量センサ30は、検出電極36を隔絶する薄肉の絶縁材形成部48で発生する僅かな静電容量と指Fの接近で発生する静電容量とを合計した静電容量値が検出電極36に入力され、回路定数で設定されたレベル弁別値以上の静電容量が入力されない限り検出信号を出力せず、レベル弁別値以上の静電容量が入力されたときに検出回路38から検出信号を出力する。例えば、静電容量センサ30の回路定数が検出感度0.3PFに設定されており、薄肉の絶縁材形成部48の比誘電率εsが2.2で0.1PFの固定容量が発生した場合において、絶縁材形成部48を介して指Fが、絶縁材形成部48の表面から例えば3mmの距離まで接近したときに、検出電極36に対して0.2PFの静電容量が発生すると、合計静電容量値が0.3PFとなり、検出信号を出力することになる。したがって、遊技者はハンドル10を強く握り締める必要が無く、ガイド46の形成部分に指Fを添えるだけでよい。また、冬の寒い時期などに手袋を装着したままでもハンドル操作することも可能になり、ペースメーカを装着している人でも心理的に安心してパチンコ遊戯を楽しむことが可能となる。そして、指Fの接近による静電容量の発生量が多くなるので、静電容量の検出特性が非常に安定し、温度特性や長期使用によるドリフト特性など耐環境特性や品質信頼性が確保される。絶縁体(絶縁材形成部48)の厚みと検出電極36で発生する静電容量の大きさとの関係については、静電気試験の結果を示して下記においても説明する。
この静電容量センサ30が、図2に示したようにハンドル回転部14の内面側に実装される場合、図1に示したように、ハンドル回転部14とハンドル固定部12との間およびハンドル回転部14とカバー16との間にはそれぞれ絶縁体の無い隙間が生じる。ここで、高電位の静電電圧がハンドル回転部14の検出部位に印加されたときに、静電気印加部と電気回路部との間の沿面距離(絶縁体の表面に沿った最短距離)が短いと、静電気は絶縁体の沿面で放電し、放電した沿面の空気がイオン化されて導通状態となり、大きな静電電荷が電気回路部へ移動し、静電容量センサ30に用いた電子部品や制御回路に用いた電子部品を、従来のタッチセンサを用いたハンドルと同様に静電破壊することとなる。沿面距離と沿面放電電圧との関係は、絶縁体の形状や材料によっても異なるが、この発明に係る接触検知装置を備えたハンドル10においては、耐静電電圧に要求される仕様に基づき、安全率を考慮に入れた大きな沿面距離となるような寸法で各部が設計され、静電気の沿面放電による破壊を防止するようにされる。
図7に示す実施形態は、ハンドル回転部14の、静電容量センサ30の検出電極36(図7には図示せず)に対応するガイド46の形成部分に補助検出電極50を設けたものである。補助検出電極50は、導電性があればよく、金属板だけでなく、プラスチック材にカーボンや金属粉を混入した導電性プラスチックでもよいし、導電塗料の印刷もしくは金属の部分メッキでもよい。一般的には、補助検出電極50は、金属プレートで構成され、その金属プレートからなる補助検出電極50をガイド46形成部分の絶縁材形成部48の表面に接着剤で貼り付けたり、成形品であるハンドル回転部14の外面に溝を形成してその溝に補助検出電極50を嵌め込んだりする。あるいは、補助検出電極50は、ハンドル回転部14のガイド46形成部分の絶縁材形成部48の表面に導電材料を塗布もしくは鍍金して形成されている。静電容量センサ30の検出電極36での静電容量の発生量は、検出電極36への接近距離が一定であれば接近する検出体(遊技者の指)と検出電極36との間の近接面積に比例するが、絶縁材形成部48の表面に補助検出電極50を設けるようにしたときは、図8に示すように遊技者が指Fの先を立てて静電容量センサ30の検出電極36に接近させたり、指の位置が検出電極36から多少ずれたりして、静電容量センサ30の検出電極36に対する指Fの近接面積が十分に得られずに発生静電容量が小さい場合でも、指Fの一部が補助検出電極50に例え点状でも接触すると、人体が持つ導電性を利用して、静電容量センサ30の検出電極36全面に指Fが接近したときと同様の大きな静電容量が静電容量センサ30に入力されることになる。この結果、信頼性の高い指Fの検出が可能になる。絶縁体(絶縁材形成部48)の表面に補助検出電極50を設けることによる効果については、静電気試験の結果を示して下記においても説明する。
次に、図9および図10により、静電容量センサの、上記とは異なる構成例について説明する。
この静電容量センサ52は、図10の(b)に示すように、上記した静電容量センサ30と同様、1枚の矩形状のプリント基板54の一方の片側表面に検出電極56をパターン形成し、プリント基板54の他方の片側裏面に検出回路58を形成して、それら検出電極56と検出回路58とを配線パターン(図示せず)によって電気的に接続することにより構成されている。また、プリント基板54の裏面側に、検出回路58の形成部分に隣接してコネクタ60が設けられている。そして、この静電容量センサ52が、図9の(c)、(d)および図10に示すように、プラスチック材で形成された矩形状のケース62の内部に収納され、ケース62は、コネクタ60に対応する部分が開口したカバー64によって閉塞されている。ケース62の大きさは、例えば14mm×29mmである。ケース62の、検出電極56が接する壁面は、非常に薄く形成される。また、静電容量センサ52の検出電極56は、図9の(c)および図10の(a)に示すようにケース62の表側が検出面66を成すよう、ケース62の内壁面に密着するように配置される。そして、静電容量センサ52を収納したケース62は、図9の(a)、(b)に示すようにハンドル回転部14の周壁面の内側に、検出面66が周壁面に密着するように実装される。
図9および図10に示すようなケース入りの静電容量センサ52を使用する場合において、静電容量センサ52を収納するケース62により沿面距離を確保することができるときは、検出面66に静電気を放電させても、プラスチック材で形成されたケース62によって静電電荷の移動を防止することができる。したがって、静電容量センサ52をハンドル回転部14の周壁面内側に取り付ければよく、二重に絶縁体で覆う必要は無い。このようなケース入りの静電容量センサ52は、品質を重要視したり乱雑な取扱いにも耐え得るよう取扱い易くしたい場合などに用いられる。
図11に示す実施形態は、ハンドル回転部14aの周壁面の一部に取付孔部68を穿設し、その取付孔部68に外部側から、静電容量センサ70を収納したケース74を嵌め込むようにして実装したものである。取付孔部68は、遊技者が手でハンドルを把持したときにその指先が当接する部位に形成される。静電容量センサ70は、詳細な図示および説明を省略するが、上記した静電容量センサ30、52と同様の構成であり、1枚のプリント基板に検出電極、検出回路および配線パターンを形成し、検出回路形成部分に隣接してコネクタ72が設けられている。ケース74は、絶縁材料であるプラスチック材で形成されており、検出面部の配設位置を示して遊技者の指先をその位置に案内するガイド板状部76、および、このガイド板状部76の下方側に連接し筒状に形成された装着部78から構成されている。ガイド板状部76の壁面は、薄肉に形成されており、薄肉の壁面に検出電極(図示せず)が当接もしくは近接するように静電容量センサ70がケース74の内部に配設されている。装着部78の両側面には、ケース74をハンドル回転部14aに位置決めして固着するためのロック部80が形設されている。ケース74の装着部78には、コネクタ72に対応する部分が開口したカバー82が取り付けられ、そのカバー82によって静電容量センサ70が覆蓋されている。そして、静電容量センサ70を収納したケース74をハンドル回転部14aの取付孔部68に嵌め込んで、ケース74のガイド板状部76の表面がハンドル回転部14aの外表面の一部を成すように取着する。このようなケース入りの静電容量センサ70は、それを収納するケース74により沿面距離を確保することができるので、ハンドル回転部14aに対しその外部側からの取付けが可能となり、組立て性の向上やハンドルデザインの自由度も大きく、また、メンテナンス性も向上させることができる。
次に、パチンコ遊技機における静電容量センサに対する静電気保護の回路構成について、図12に基づいて説明する。なお、図12においては、理解し易くするために、配線用導体抵抗や配線用インダクタンスについては0V電源グランドのみを例示して説明する。また、上記した図15に関して説明した部材と同一の部材には、図15で使用した符号と同一符号を付している。
パチンコ台のハンドル10を操作する遊技者が帯びている静電気が、ハンドル10部分に設けられた静電容量センサの検出電極36に対して放電する場合、この接触検知装置においては、電気回路へ直接に静電電荷が移動するのを防止し絶縁体(絶縁材形成部)48を介して静電電荷が移動するので、静電電荷の移動量を極めて少なくすることができる。そして、静電電荷の移動に伴って電気配線上で発生する残留降下電圧が減少するので、静電容量センサの検出回路38や制御回路96の電気回路に用いた電子部品を静電破壊から保護することができる。このときの極めて少なくなった静電電荷量は、電気配線の分布容量等を介して大地に帰還し消去される。
但し、静電容量センサに静電気が印加される瞬時においては、絶縁体48の容量CDを介して静電容量センサの検出電極36に入力される静電気の静電電荷量は数百分の1に制限されるが、静電電圧はおよそ30,000Vで従来と変わりはない。この静電電圧は、印加されるのが非常に短時間であり、静電電荷量も僅かではあるが、電位が高いために静電容量センサの電子部品を静電電圧破壊する能力は十分に持っている。したがって、この静電容量センサの検出電極36には、図12中にZCP1およびZCP2で示すように、低ジャンクション容量で、しかもクリッピング電圧が検出回路38に用いられている電子部品の定格仕様電圧以下であるクリッピングダイオードを、それぞれのカソード同士もしくはアノード同士を接続して、検出電極36と電源グランドである0Vラインとの間に挿入している。これにより、如何なる極性の静電気に対してもパーツを静電破壊から保護できるようにするとともに、発振回路の交流発振周波数には影響を与えないように保護している。そして、絶縁体48を介しクリッピングダイオードZCP1、ZCP2を経由した電荷は極めて少なくなっているので、配線抵抗分であるR、RGC1、RGC2、RGC3や配線インダクタンスL等で発生する残留降下電圧が僅かになる。このため、残留降下電圧は、電気回路に用いた電子部品を破壊する力が無く、配線途中に発生している電気配線の大地に対する分布容量であるCW1、CW2、CW3で大地へと移動して、減衰し消去される。
この接触検知装置を備えたパチンコ台のハンドル10において、静電容量センサへの静電電荷の放電は、絶縁材形成部(絶縁体)48を経由してからでないと行われないので、冬場に毛織物や化繊の衣服を着用して活動することにより大きい静電電圧を帯びた遊戯者がハンドル10を操作する場合においても、静電電荷の移動は僅かしか起こらず、遊戯者が放電に伴う痛みを感じることも無いようになっている。この原理について、図13を用いて説明する。
図13は、静電気試験装置の等価構成回路図であり、一般的に市場で要求される仕様であるところの、放電抵抗:R=0Ω、静電電圧:V=30,000V、静電気容量:CT=500PFの場合を示している。この試験では、静電容量センサ30の検出電極36の前面に配置された絶縁材形成部48を模擬する絶縁体として、各種厚み(2mm、1.5mm、1.0mmおよび0.5mm)のアクリル板を使用し、その絶縁体(アクリル板)の裏面側に12mm×12mmの大きさの検出電極36を密着するように配置した。また、人体の指先に擬した疑似指放電チップPCを使用した。裏面側に検出電極36が設置された絶縁体の表面に、絶縁体と疑似指放電チップPCとのなす角度が30°となるように放電チップPCを絶縁体に対し傾けて接触させると、絶縁体の厚みに応じて、絶縁体を介在させた放電チップPCと検出電極36間に、表2に示すような静電容量CDが発生した。
Figure 0006656820
表2に示した結果から、絶縁体の肉厚を薄くすることにより検出電極36で発生する静電容量が大きくなることが分かる。
一方、接触放電試験に一般的に用いられる接触放電チップを使用し、その接触放電チップの先端を絶縁体に点接触させると、接触放電チップと検出電極36間に、表3に示すような静電容量CDが発生した。
Figure 0006656820
静電容量センサ30の検出電極36の前面に配置された絶縁体の抵抗値は、数十MΩ〜数百MΩと非常に高いので、絶縁体の抵抗を介しての放電電荷量は無視することができる程度に小さくなっている。ハンドル回転部14の、遊技者の指先に接触する部分は、機械的な強度を要しないので、その部位の厚みを大きくする必要は無く、指の接近によって発生する静電容量を大きくするためには他の部分より薄く、例えば1mmの厚みに形成すればよい。絶縁体の厚みが1mmであるときの疑似指放電チップPCと検出電極36間の静電容量CDは、表2に示すように0.94PFであり、絶縁体の厚みが1mmであるときの接触放電チップと検出電極36間の静電容量CDは、表3に示すように0.44PFである。したがって、静電電圧30,000V、静電容量500PFの静電気を発生する試験装置を使用し、その静電気を静電容量センサ30の検出電極36に疑似指放電チップPCを用いて印加した場合においても、電気的には図13に示したものと等価の回路を構成し、絶縁体を介した放電チップPCと検出電極36との間の静電容量CDと静電気電源の500PFとは直列回路となる。このため、500PFの静電電荷は、静電容量CDに充電されてその静電電圧がおよそ30,000Vになると、電荷の移動が止まり、図13中に破線で示す電荷の移動も止まることとなる。
静電容量センサ30の検出電極36に印加される電荷量Q(クーロン;C)は、容量C(ファラッド;F)と電圧V(ボルト;V)との積であるから、Q=C×V(クーロン)となる。従来のタッチセンサを用いた場合における放電電荷量Qは、Q=500×10−12×30,000=15×10−6クーロン=15マイクロクーロンとなる。これに対し、この発明に係る接触検知装置を用いた場合における放電電荷量Qは、Q=0.94×10−12×30,000=28.2×10−9クーロン=28.2ナノクーロンとなる。このように、従来のタッチセンサを用いた場合の放電電荷量15μクーロンに対して、この発明に係る接触検知装置を用いた場合の放電電荷量は28.2nクーロンとなり、タッチセンサの場合に比べてその約0.19%に減少する。すなわち、0.94PFと500PFは直列回路となるので、合成容量に比例して僅かな放電電荷量に減少し、検出回路38や制御回路96、電源回路132を通過して大地に帰還しても、それらに用いた電気回路の電子部品を静電破壊する能力は全く無くなる。
そして、静電容量CDと分圧される500PFに残留する静電電圧は、0.94PFの容量CDに充電した分だけ減衰するが、その程度は僅かであるため、およそ30,000Vのまま残留保存される。しかしながら、静電気は絶縁体の中でも移動することができるため、僅かずつ時間をかけて放電し徐々に排除されるので、静電気放電によって発生する単位時間当たりの急激な静電電荷の移動は生じない。このため、電気回路に用いた電子部品の破壊は全く起こらない。しかも、一般的に接触放電試験に用いる接触放電チップによって発生する容量CDは、表3に示すように0.44PFであるため、放電電荷量Qは、Q=0.44×10−12×30,000=13.2×10−9クーロンとなり、すなわち急激に変化する静電電荷量は13.2nクーロンとなり、タッチセンサを用いた場合に比べてその約0.09%と極めて小さな電荷量となり、上記したように電気回路を破壊することができるような力は全く無い。従来のタッチセンサを用いた場合には、上記したように静電電圧30,000V−静電電圧容量500PF−放電抵抗0オームのとき、15μクーロンの電荷が1nS〜2nSといった瞬時にタッチ電極に放電し、急激に静電電荷が大地に排除される。これに対して、この発明に係る接触検知装置を用いたハンドルにおいては、電気回路に接続された静電容量センサ30の検出電極36や検出回路38が絶縁体で隔絶されているので、静電気が放電され易い前面は絶縁抵抗が非常に大きく、その上、電気回路は、静電気が印加される部分から十分な沿面距離を確保して設けられるので、静電気による気中放電におけるような急激な放電に伴う大きな静電電荷の移動が起こるとはない。
また、絶縁板として、上記と同様に各種厚み(2mm、1.5mm、1.0mmおよび0.5mm)のアクリル板を使用し、その絶縁体の裏面側に12mm×12mmの大きさの検出電極を密着するように配置し、絶縁体の表面側に15mm×15mmの大きさの補助検出電極を、絶縁体を介在して検出電極と対向するように位置決めし密着するように配置した。そして、一般的に用いられる接触放電チップを使用し、その先端部を絶縁体表面上の補助検出電極に点接触させたときに、接触放電チップと検出電極間に発生する静電容量CDを計測した。その結果を表4に示す。
Figure 0006656820
補助検出電極に何も接触しないときには、大地間に容量が発生しないので、絶縁体による極めて僅かな容量しか発生しないが、大地に対する大きな静電容量を持った人体が補助検出電極に例え点で接触しても、人体の高周波導電性により大きな容量が検出電極と補助検出電極間で発生する。すなわち、表4に示した結果からも明らかなように、補助検出電極に接触放電チップの先端部が点接触するだけでも、接触放電チップと検出電極間に十分な大きさの静電容量が発生する。したがって、上記で説明した図7および図8に示すように、ハンドル回転部14の絶縁材形成部48の表面に補助検出電極50を設けることにより、高い信頼性で遊技者の指Fの検出が可能となる。また、この補助検出電極による効果を利用すると、発生容量が大きくなるので、逆に検出感度が低い安価な静電容量センサを人体検出に用いることも可能となる。
表4に示すように、絶縁体の厚みを例えば1mmとすると、発生容量CDは3.1PFとなる。この場合において、静電電圧30,000V、静電容量500PF、放電抵抗0Ωの静電気が補助検出電極に印加されたとき、およその放電電荷Qは、Q=3.1×10−12×30,000=93×10−9クーロン=93ナノクーロン(nクーロン)となり、従来用いられているタッチセンサのタッチ電極に直接放電するときの放電電荷量15μクーロンに対して、その約161分の1である0.6%となる。このため、静電容量センサや制御回路に用いた電子部品を静電気破壊する力は無い。このように静電気放電電荷が小さくなると、電気回路の配線が持っている大地との分布容量のみで十分に電荷の排除が可能になり、遊技者がパチンコ台に放電印加する静電気を排除するためのフレームグランド(FG)ラインは不要となる。
この発明の実施形態について上記したが、この発明は、上記した実施形態以外の態様でも実施することができる。すなわち、
1)人体の検出は、指の検出に限定されず、例えば、ハンドル10のハンドル回転部14の前面側を覆蓋するカバー16の内面側に静電容量センサの検出電極を、カバー16内面に接触もしくは近接させて配設し、ハンドル10を握る遊技者の掌の検出を行うようにすることも可能であり、
2)複数個の静電容量センサを使用して、例えば、2本の指の検出を行ったり掌と指との検出を行ったりするなどして、複数の人体部分の検出信号を論理処理することにより、遊技者が手でハンドル操作していることを検知することも可能であり、
3)配線加工費が高価になってもデザイン性を重要視したい場合などに、静電容量センサの検出電極と検出回路とを分離し、それらを配線で接続するようにしてもよく、また、
4)多少の不便さを許容することができるのであれば、静電容量センサの検出電極をハンドル固定部に実装するようにしてもよい。
この発明は、パチンコ遊技機に、遊技者が手でハンドル操作を行っていることを静電容量センサにより確認する機能を持たせるための技術に関するものであって、この発明に係るハンドル接触検知装置は、遊技機製造や精密電子部品などの製造分野において利用されるものである。
10 ハンドル
12 ハンドルベース部
14、14a ハンドル回転部
16 カバー
30、30a、52、70 静電容量センサ
34、34a、54 プリント基板
36、56 検出電極
38、58 検出回路
40 配線パターン
42 切欠き
42a 長孔
44、60、72 コネクタ
46、46a ガイド
48 絶縁材形成部(絶縁体)
50 補助検出電極
62、74 ケース
64、82 ケースのカバー
66 検出面
68 取付孔部

Claims (7)

  1. パチンコ遊技機におけるパチンコ玉の発射強度を調節するハンドルに遊技者の手が接触してハンドルが操作されていることを静電容量センサによって検知するハンドル接触検知装置において、
    ハンドルの内部に静電容量センサの検出面部を、遊技者の手の一部が接触する部位のハンドル外表面に近接するように配設し、前記ハンドルの外表面に接触する遊技者の手の一部と前記検出面部との間に介在するように絶縁材形成部を設け、遊技者が帯びている静電気がその手の一部から前記絶縁材形成部を介して前記静電容量センサの検出面部に放電されるようにし、前記静電容量センサの検出回路をプリント基板上に形成するとともに、前記静電容量センサの検出電極を、検出回路が形成された前記プリント基板の一部にパターン形成し、前記プリント基板の、前記静電容量センサの検出電極と検出回路との間であって、検出電極と検出回路とを電気的に接続する配線パターンの形成部分以外の部分に切欠きを形設したことを特徴とするパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  2. 前記静電容量センサは、遊技者の手で操作されてその手と一体的に回転する前記ハンドルの回転部に実装されそれと同期して回転する請求項1に記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  3. 前記静電容量センサの検出面部は、遊技者の指の一部が前記ハンドルに接触する部位に対応する位置に配設された請求項1または請求項2に記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  4. 前記ハンドルの、前記静電容量センサの検出面部に対応して遊技者の指の一部が接触する部位が絶縁材で形成され、その絶縁材形成部に、前記検出面部の配設位置を示して遊技者の指をその位置に案内するためのガイドが形設された請求項3に記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  5. 前記ハンドルの、遊技者の手が接触し把持して回転させる部分が、絶縁材料によって一体形成された構成部品であり、その構成部品の、遊技者の手の一部が接触する部位の肉厚が、強度を要するそれ以外の部分より薄く形成された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  6. 前記静電容量センサがケースの内部に収納され、前記ケースが、前記ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位に対応する位置に設置された請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
  7. 前記静電容量センサの検出面部が、少なくとも1つの壁面が絶縁材料で形成されたケースの内部に前記壁面に当接もしくは近接するように配設され、前記ケースが、前記ハンドルの、遊技者の手の一部が接触する部位に、前記壁面がハンドル外表面の一部を成すように取着された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパチンコ遊技機のハンドル接触検知装置。
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