JP6655833B2 - スライス方法およびスライス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スライス方法およびスライス装置に関する。
シリコン(Si)ウエハなどの基板を製造する場合には、石英るつぼ内に溶融されたシリコン融液から引き上げながら凝固させた円柱形のインゴットを適切な長さのブロックに切断し、目標の形状、および直径になるよう研削した後、ブロック状のインゴットをワイヤソーによりスライスして基板を製造している。
しかし、ワイヤソーによる切断(スライスとも称される)の際には、ワイヤ径やワイヤの反りなどにより、ワイヤ径以上の切り代が必要となるため材料ロスが大きく、厚さ0.1mm以下の薄い基板を製造することが非常に困難であるという問題がある。
特にGaNやSiC、サファイアなどの硬脆性材料の場合には、シリコン(Si)に比べ加工が困難であるため、切り代が大きくなり、かつ薄い基板への切断が困難である。
また、材料コストの高い材料であるため、材料ロスが基板コストに及ぼす影響が大きく、1つのインゴットから製造できる基板の枚数を増加させることで、基板の製造コストを低減する必要がある。
GaNについても、バルク材からの多数枚取りの開発が進められており、コストダウンを図ることが期待できる。
その中の方式の一つとして、レーザを用いて内部改質層を形成し、内部改質層を境界としてウエハ状に分離する方式がある。
シリコンウエハのスライス工程において、集光レンズでレーザ光の集光点を被加工材の内部に合わせ、そのレーザ光で被加工材を相対的に走査することにより面状の加工領域を形成し、被加工材の内部で発生した熱による膨張・収縮を利用して、加工領域を剥離面として被加工材の一部を基板として剥離する基板の製造方法および製造装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載の基板加工方法を示す基板の断面図である。
基板100の内部に浸透するレーザ光190は、レーザ集光部160を介して基板100に向けて照射され、基板100内部の所定位置に、厚さ方向(光軸方向)t、幅方向(光軸と直交方向)wの集光点Qを形成する。集光点Qの近傍では、基板100を多結晶化し、この領域を境に基板100を分割する。
レーザ光190の集光点において、レーザ光190の外周側の成分190bの光線が交差する集光点Q2が、レーザ光190の内周側190aの成分の光線が交差する集光点Q1よりもレーザ集光部160側にあるように構成されている。レーザ光190の外周側の成分190bの集光点Q2は、レーザ光190の内周側190aの集光点Q1よりも、対物レンズ170及び平凸レンズ180側、すなわち基板100の表面から浅い位置にある。
レーザ集光部160は、対物レンズ170及び集光点形状調整部としての平凸レンズ180で構成される。レーザ集光部160は、基板100の表面101と内部改質層14の距離を、対物レンズ170と基板表面の距離L1で主に調整する。また、レーザ集光部160は、平凸レンズ180と基板100の表面101の距離L2を大きくすることで、集光点Pにおいて、集光点P1を基準に、集光点P2の位置をより基板100の表面101側に移動させる。レーザ集光部160は、レーザ光190が内周側から外周側に移るに従い、レーザ集光部160に近い位置で集光するように、設定される。
特開2013−161976号公報
しかしながら、被加工材の内部に改質層を形成時にガスが発生する場合がある。例えば、被加工材における加工点での温度が被加工材の沸点を超えることで被加工材自体が昇華しガス化する、あるいは沸点に到達しない場合であっても被加工材の分子結合が切断されることで材質の一部がガス化する、または被加工材の内部の不純物が昇華することでガス化する場合などがある。
前記従来の構成では、レーザ光の集光点Qの幅w、厚みtの範囲においては発生したガスが移動することができるが、既にレーザ光により加工されている領域については、ガスが移動することができないため、集光点Qの範囲内で留まることになる。
集光点Qにおいて発生するガスが多い場合には、被加工材の内部に残存したガスによる圧力が上昇するため、被加工材にクラックや割れが発生することがある。例えばGaNの場合、レーザ照射によりGaとNが分離しN2ガスが発生するため、N2ガスが集光点Qの外部へ排出されず被加工材の内部の圧力(内圧)が上昇し、クラックや割れの原因となる。
このため、被加工材を複数枚の基板にスライスすることが困難となり、基板の製造コストを低減する際に支障になるという問題点があった。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決するもので、基板の製造コストを低減することが可能なスライス方法およびスライス装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のスライス方法は、
レーザ光を、集光部を介して被加工材の内部に集光させ、当該被加工材の内部における集光点近傍に改質層を形成する改質層形成工程と、
前記被加工材を加熱することにより前記被加工材の内部で前記改質層を溶融するとともに、ガスを発生させ、前記溶融した改質層物質を、前記発生させたガスの圧力により、前記被加工材の外部に排出する排出工程と、
前記被加工材の内部に集光させた前記レーザ光を走査させることで、前記被加工材の内部に前記改質層により境界を形成する走査工程と、
前記改質層を境界として前記被加工材を少なくとも2枚以上の基板に分離する分離工程と、
を備える。
本発明のスライス装置は、
被加工材の内部に改質層を形成し、当該改質層を境界として前記被加工材を少なくとも2枚以上の基板に分離する基板のスライス装置であって、
レーザ光を、集光部を介して前記被加工材の内部に集光させ、当該被加工材の内部における集光点近傍に前記改質層を形成する改質層形成部と、
前記被加工材を加熱することにより前記被加工材の内部で前記改質層を溶融するとともに、ガスを発生させ、前記溶融した改質層物質を、前記発生させたガスの圧力により、前記被加工材の外部に排出するする排出部と、
を備える。
以上のように、本発明のスライス方法およびスライス装置によれば、基板の製造コストを低減することができる。
本発明の第1実施の形態に係るスライス装置の模式図 加熱しない場合の被加工材の加工部断面図 加熱する場合の被加工材の加工部断面図 被加工材の端部写真 本発明の第2実施の形態に係るスライス装置の模式図 本発明の第3実施の形態に係るスライス装置の模式図 本発明の第1〜第3実施の形態に係る加熱方法の模式図 特許文献1に記載されたスライス装置における概略図
以下、本発明の各種実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態に係るスライス装置の構成について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係るスライス装置の模式図である。
スライス装置は、被加工材1の内部にレーザ光を照射し、その集光点近傍に改質層8を形成し、改質層8を境界として少なくとも2枚以上の基板に分離する装置である。
スライス装置は、熱源2、駆動ステージ3、レーザ発振器4、ミラー6、対物レンズ7、レンズ用温度センサ9、被加工材用温度センサ10、温度コントローラ11および熱線カットフィルタ12を有する。
被加工材1は、硬脆性材料と言われているGaN(窒化ガリウム)である。本実施の形態では、被加工材1として直径2インチ、厚み400μmのGaNウエハが用いられるが、特に直径や厚みによって限定されるものではなく、厚みの大きいバルク材が用いられてもよい。
被加工材1は、少なくともレーザ光を入射させる面は鏡面加工がなされたものであって、可視光に対して少なくとも80%以上の透過率を有する。
熱源2は、被加工材1に接触し熱を加えることができる熱源である。なお、熱源2は、図示しないが吸着するための穴を有し、当該穴を真空ポンプなどで負圧とすることで、熱源2上に載置した被加工材1を固定できる機能を有してもよい。熱源2の温度をTsとする。熱源2が本発明の「加熱部」に対応する。
駆動ステージ3は、被加工材1に対するレーザ光におけるxyzの3軸方向の相対位置を移動可能に構成される。
レーザ発振器4は、被加工材1に対して80%以上透過する波長を有し、例えば波長532nmのピコ秒レーザで、最大繰返し周波数1MHzでパルス発振することができ、最大出力50W、パルス幅25ps以下のレーザ光を出射することができる。
また、レーザ発振器4は、図示しないが駆動ステージ3との制御信号のやりとりによりレーザ光のON/OFF制御可能に構成される。
レーザ光5はレーザ発振器4より出射された直径約5mmのレーザ光で直線偏光である。
ミラー6は、レーザ発振器4から出射されたレーザ光を90%以上反射させ被加工材1に伝送するミラーで、本実施の形態では、波長532nmを反射する多層誘電膜ミラーが用いられる。
対物レンズ7は、レーザ光を透過する材質でできており、加工深さに応じて最適な収差量に補正することが可能で、レーザ光5を透過させることで集光することができる。対物レンズ7が本発明の「集光部」に対応する。また、レーザ発振器4、ミラー6および対物レンズ7が「改質層形成部」に対応する。
対物レンズ7を透過したレーザ光5aの集光点Aは、被加工材1の内部における被加工材1の表面から距離Lの位置に調整される。本実施の形態では波長532nmを透過する顕微鏡用の収差補正環付で、NA=0.85、f=2mm、100倍対物レンズが用いられる。レンズの耐熱温度をTLとする。
改質層8は集光点A近傍においてGaNの改質成分で形成される。改質層8の厚みが10μm以下になるようにレーザ光5aが集光されるが、改質層8自体は、駆動ステージ3の精度および被加工材1の面精度等により凹凸した形状となる。
レンズ用温度センサ9は対物レンズ7の被加工材1側に取り付けられている。レンズ用温度センサ9が本発明の「第1温度センサ」に対応する。
被加工材用温度センサ10は被加工材1の表面側に取り付けられている。被加工材用温度センサ10が本発明の「第2温度センサ」に対応する。
温度コントローラ11は、熱源2およびレンズ用温度センサ9、被加工材用温度センサ10と接続されており、レンズ用温度センサ9、および被加工材用温度センサ10の測定温度を元に熱源2の温度を制御する。温度コントローラ11が本発明の「温度制御部」に対応する。
熱線カットフィルタ12は、レーザ光5の波長を透過するが、熱線である赤外域の波長をカット(吸収)するものである。
図2、図3は集光点A近傍の断面図を示す。図2、図3において図1と同じ構成に関しては同じ符号を付し説明を省略する。
図2は熱源2により被加工材1を加熱しない場合、図3は熱源2により被加工材1を加熱する場合を示す。
レーザ光5aは被加工材1に対して透過する波長を有するため、集光点A近傍に減衰の小さい状態で集光される。本実施の形態では集光点Aの被加工材1の表面からの距離Lを被加工材1の厚み400μmの1/2である200μmに設定する。
次に、上記実施の形態に係るスライス装置の動作について説明する。
被加工材1の深さに応じて対物レンズ7の収差補正環を調整しているため、集光点Aにおいてレーザ光5aが最も絞られた状態となる。ピコ秒レーザを用いることで集光点Aにおいて多光子吸収加工による下記反応により改質層8が形成される。
2GaN→2Ga+N2
EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)分析により、改質層8においては、Ga成分は残存するがN成分が抜けた状態となっていることが分かっており、集光点Aにおいて改質層8におけるGaが析出してGa部8aを形成するとともにN2ガス8dが発生していると推定される。なお、Gaは、29.8℃の融点Tmを有する金属である。
レーザ光5aの集光点Aにより、1パルスごとに形成される改質部B(図2,図3参照)は、駆動ステージ3の移動方向に対して、レーザ発振器4の繰返し周波数F、および駆動ステージ3の走査速度Vにより決まる一定の間隔C(=V/F)で形成される。例えば、繰返し周波数F=100kHz、走査速度V=100mm/sの場合、改質部Bは、1μmの間隔C(=100mm/100KHz)で形成される。
1パルスごとに形成される改質部Bの幅をD(図3参照)とすると、本実施の形態では、走査方向のパルス間隔CP、およびそれに直交するライン間隔CLが改質部Bの幅D=3〜5μm以下にするように、繰り返し周波数Fおよび走査速度Vが設定される。これにより、面状の改質層8を形成することができる。
図2において、熱源2により加熱しない場合について説明する。レーザ照射部においてはGa部8a、N2ガス8dが存在するが、改質層8の中で既レーザ照射部8bは凝固した固体Gaとして存在する。そのため、N2ガス8dが発生することにより被加工材1の内部の圧力(内圧)が上昇する。内圧を矢印P1で示す。N2ガス8dの発生量が多い場合や被加工材1の強度が弱い箇所においては、内圧P1の逃げ道がないため圧力を緩和するためのクラック8eが発生し、図2(b)に示すようにクラックが厚み方向に伸展することにより、図2(c)に示すように被加工材1が割れる原因となる。
図3において、熱源2によりGaの融点Tm以上に被加工材1を加熱する場合を示す。
被加工材用温度センサ10により測定した対物レンズ7の温度T1、レンズ用温度センサ9により測定した被加工材1の温度をT2とする。
T2>Tm
T1<TL
となるように設定する。なお、前述するように、TmをGaの融点(29.8℃)、TLを対物レンズ7の耐熱温度とする。
本実施の形態では、熱源2の温度Ts=45℃の時に、被加工材1の温度T2=40℃(>Tm)、対物レンズ7の温度T1=35℃(<TL)となり、熱線カットフィルタ12を用いない場合でもGaを溶融した状態でレーザ照射することは可能である。これに対し、熱線カットフィルタ12を用いる場合では、対物レンズ7の温度T1<40℃を維持しながら被加工材の温度T2、つまりGaの温度を更に上昇させることができる。
レーザ照射部においては加熱しない場合同様、Ga部8a、N2ガス8dが発生するが、改質層8の中で既レーザ照射部8fは溶融したGaとして存在する。発生したN2ガス8dによる被加工材1の内部の圧力(内圧)を図3に矢印P2で示す。これにより、内圧は、溶融したGaを押し出すことにより緩和され、クラックが発生する圧力まで上昇しない。このため、ラックを発生させることなく、改質層8が被加工材1の全面に形成される。溶融して、液体状態のGaを以下、「液体Ga」と称する。
被加工材1の端部においては、内圧により押し出された液体Gaが球状に凝固したGa部8gが生じる。
図4は被加工材1の端部を上方から観察した写真である。図4に、溶融したGaが押し出され球状に凝固した部位8gを示す。
上記実施の形態に係るスライス方法およびスライス装置によれば、被加工材1の内部で発生するガス起因のクラックを防止することで、品質の良い基板が得られる。複数枚の基板に分離する際に発生する不良の低減や、後工程である研磨量の低減による材料ロス低減が期待でき、基板の製造コストを低減することが能となる。また、本発明を被加工材1としてのGaNウエハに適用することで、LEDや半導体レーザ、パワーデバイスのコストダウンが可能となり、また、SiCウエハに適用することで、パワーデバイスのコストダウンに寄与できる。
(第2実施の形態)
図5は、本発明の第2実施の形態に係るスライス装置の模式図である。図5において図1と同じ構成要素に関しては同じ符号を付し説明を省略する。
真空チャンバ20は、被加工材1を覆うような形で設置されている。真空チャンバ20の対物レンズ7側の面は、熱線カットフィルタ12で構成されている。熱線カットフィルタ12は、レーザ光5を90%以上透過するが、熱線をカット(吸収)する。真空ポンプ21は、真空チャンバの排気口に接続されており、真空チャンバ20の内部を真空引きすることができる。
上記第2実施の形態に係るスライス装置によれば、レーザ照射時に、改質層8は熱源2により加熱され、溶融したGaで形成されており、その状態で真空チャンバ20の内部を真空ポンプ21により真空引きすることにより、改質層8の内部の液体GaおよびN2ガスを強制的に被加工材1の内部から外部に排出することができる。これにより、被加工材1の割れやクラックを容易に防止することができる。
(第3実施の形態)
図6は、本発明の第3実施の形態に係るスライス装置の模式図である。図6において図1、図5と同じ構成要素に関しては同じ符号を付し説明を省略する。
負電極31aは被加工材1の上面に薄膜として形成された、あるいは接触している電極である。
負電極31bは被加工材1の下面に薄膜として形成された透明電極、あるいは接触している電極である。
正電極30は被加工材1の側面に露出した改質層8に接触するように設置された電極である。
電源(図示しない)は負電極31a、負電極31b、正電極30に接続され、電圧を印加することができる。負電極31a,31b、正電極30および電源が本発明の「電圧印加部」に対応する。
一般的に、液体に電圧を印加することで濡れ性が向上することが知られている。かかる構成によれば、レーザ照射時に改質層8は熱源2により加熱され溶融した液体Gaで形成されており、その状態で負電極31a、負電極31b、および正電極30間に電圧を付与することにより、液体Gaの濡れ性を向上させることができる。これにより、改質層8の内部の圧力により液体GaおよびN2ガスを被加工材1の内部から外部に排出させ易くなる。
また、図示しないが第2実施の形態と同様に真空チャンバ20を設置し真空ポンプ21により真空引きすることにより、更に被加工材1の内部から溶融した液体GaおよびN2ガスを外部に排出させ易くなる。これにより、被加工材1の割れやクラックの発生を防止することができる。
なお、上記第1、第2および第3の各実施の形態に係る熱源2では、接触式の熱源(例えばホットプレートなど)が用いられたが、本発明はこれに限らず、例えば、図7に示すような非接触式熱源40が用いられてもよい。
また、例えば、被加工材1に対して80%以上の透過性を有し、改質層8が50%以上の吸収性を示すようなIRヒータやハロゲンランプなど光源が用いられても、同様に、改質層8に析出したGaを加熱しながら加工することが可能となる
また、本発明は、被加工材1の厚みや直径は特に限定されるものではない。また、本発明は、材質もGaNに限定するものではなく、シリコン基板、サファイア基板、サファイア基板上にGaN層をエピタキシャル成長させた基板、GaAs基板InP基板、AlGaN/GaN基板、SiC基板、SiC基板上にGaN層をエピタキシャル成長させた基板、ダイヤモンドなどレーザ光が透過し改質層8を形成可能な材料であれば適用可能であり、さらに、GaNなどの改質層8の融点が低い材料がより好適である。
また、上記実施の形態では、発振器4から発振されるレーザ光5として波長532nmが用いられたが、本発明はこれに限らず、例えば、被加工材1に対して透過性を有する波長であれば制限されるものではないが、波長が短い方が被加工材1の内部での集光スポットの厚み方向、および水平方向の寸法が小さくなるため加工性が良好でありより好適である。
また、本発明においては、パルス幅は1fs以上1ns以下の範囲で、多光子吸収による内部加工が可能であれば制限されるものではない。また、繰り返し周波数についても、生産性と材料とレーザ光の相互作用に起因する加工性との関係から、レーザ発振器が発振可能な1MHz以下の範囲で選択されるものであればよい。
さらに、本発明では、対物レンズ7は、開口数NAの大きい方が集光スポット径を小さくさせるため、望ましく、0.4以上0.95以下であれば適用可能である。また、収差補正機能は、集光点でのエネルギ密度を高くできるため収差補正機能付レンズが望ましいが、位相変調素子などにより予め補正を加えてもよい。
また、本発明では、ミラーなどにより多分岐させてもよく、あるいは、回折光学素子や位相変調素子により多点を同時に加工してもよい。これにより、上記実施の形態と同様の効果が得られるとともに、加工時間の短縮など生産性を向上することができる。
本発明は、基板の製造コストを低減することが要求されるスライス方法およびスライス装置に適用することができる。
1 被加工材
2 熱源
4 レーザ発振器
5 レーザ光
7 対物レンズ
8 改質層
9 レンズ用温度センサ
10 被加工材用温度センサ
11 温度コントローラ
12 熱線カットフィルタ

Claims (11)

  1. レーザ光を、集光部を介して被加工材の内部に集光させ、当該被加工材の内部における集光点近傍に改質層を形成する改質層形成工程と、
    前記被加工材を加熱することにより前記被加工材の内部で前記改質層を溶融するとともに、ガスを発生させ、前記溶融した改質層物質を、前記発生させたガスの圧力により、前記被加工材の外部に排出する排出工程と、
    前記被加工材の内部に集光させた前記レーザ光を走査させることで、前記被加工材の内部に前記改質層により境界を形成する走査工程と、
    前記改質層を境界として前記被加工材を少なくとも2枚以上の基板に分離する分離工程と、
    を備え
    前記排出工程は、前記改質層形成工程の実行中に行われる、ことを特徴とするスライス方法。
  2. 前記排出工程は、前記被加工材を、前記改質層の融点以上、前記被加工材の融点以下かつ前記集光部の耐熱温度以下に加熱する、請求項1に記載のスライス方法。
  3. 前記排出工程は、前記溶融した改質層物質を前記被加工材の外部に排出し易くするように、前記被加工材の周囲を負圧にする工程を有する、請求項1または2に記載のスライス方法。
  4. 前記排出工程は、前記溶融した改質層物質の濡れ性を向上させて、当該溶融した改質層物質を前記被加工材の外部に排出し易くするように、前記改質層に電圧を印加する工程を有する、請求項1から3のいずれかに記載のスライス方法。
  5. 被加工材の内部に改質層を形成し、当該改質層を境界として前記被加工材を少なくとも2枚以上の基板に分離する基板のスライス装置であって、
    レーザ光を、集光部を介して前記被加工材の内部に集光させ、当該被加工材の内部における集光点近傍に前記改質層を形成する改質層形成部と、
    前記被加工材を加熱することにより前記被加工材の内部で前記改質層を溶融するとともに、ガスを発生させ、前記溶融した改質層物質を、前記発生させたガスの圧力により、前記被加工材の外部に排出する排出部と、
    前記集光部の温度を測定するための第1温度センサと、
    前記被加工材の温度を測定するための第2温度センサと、
    前記第1および第2の温度センサの測定結果に基づいて、前記改質層が融点以上、前記被加工材が融点以下および前記集光部が耐熱温度以下になるように排出部を制御する温度制御部と、
    を備える、スライス装置。
  6. 前記レーザ光と前記被加工材の間に前記レーザ光を透過するが、熱を遮断するフィルタを有する、ことを特徴とする請求項5に記載のスライス装置。
  7. 前記排出部は、前記被加工材と接触して加熱する接触式の熱源を有する、請求項5または6に記載のスライス装置。
  8. 前記排出部は、前記被加工材と接触せずに加熱する非接触式の熱源を有する、請求項5または6に記載のスライス装置。
  9. 前記排出部は、前記溶融した改質層物質を前記被加工材の外部に排出し易くするように、前記被加工材の周囲を負圧にする真空チャンバおよび真空ポンプを有する、請求項5からのいずれかに記載のスライス装置。
  10. 前記排出部は、前記溶融した改質層物質の濡れ性を向上させて、当該溶融した改質層物質を前記被加工材の外部に排出し易くするように、前記改質層に電圧を印加する電圧印加部を有する、請求項5からのいずれかに記載のスライス装置。
  11. レーザ光を、集光部を介して被加工材の内部に集光させ、当該被加工材の内部における集光点近傍に改質層を形成する改質層形成工程と、
    前記被加工材を加熱することにより前記被加工材の内部で前記改質層を溶融するとともに、ガスを発生させ、前記溶融した改質層物質を、前記発生させたガスの圧力により、前記被加工材の外部に排出する排出工程と、
    前記被加工材の内部に集光させた前記レーザ光を走査させることで、前記被加工材の内部に前記改質層により境界を形成する走査工程と
    前記改質層を境界として前記被加工材を少なくとも2枚以上の基板に分離する分離工程と、
    を備え
    前記排出工程は、前記溶融した改質層物質を前記被加工材の外部に排出し易くするように、前記被加工材の周囲を負圧にする工程を有する、ことを特徴とするスライス方法。
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