JP6653996B2 - プローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、プローブカードに係り、更に詳しくは、配線基板に固定される支持板が2以上のカンチレバー型のプローブを支持し、各プローブが支持板の背中合わせの2つの端面を貫通するプローブカードの改良に関する。
プローブカードは、半導体ウエハに形成された電子回路の電気的特性を検査するのに用いられる検査装置であり、電子回路上の電極にそれぞれ接触させる微細な多数のプローブが配線基板に設けられる。電子回路の特性検査は、プローブカードに半導体ウエハを近づけてプローブの先端を電子回路上の電極に接触させ、プローブを介してテスター装置と電子回路とを導通させることにより行われる。この種の特性検査は、例えば、プローブ形成面を下に向けてプローブカードを保持するカードホルダと、回路形成面を上に向けて半導体ウエハを保持するウエハチャックと、ウエハチャックを上下方向へ移動させるステージとを備えるプローバを用いて行われる。
カンチレバー型のプローブカードでは、金属製の線材により構成される2以上のプローブが共通の支持板により支持される。支持板は、配線基板に固定され、背中合わせの2つの端面の一方から他方へプローブが貫通する。この様な支持板により、各プローブは、片持ち支持され、プローブ先端の位置精度と針圧とが確保される。
プローブの針先部は、プローブを特性検査に繰り返し使用し、酸化膜又は付着物を除去するためのクリーニングを繰り返すことにより、摩耗して長さが短くなる。この様な針先部の摩耗量が一定範囲を超えれば、特性検査におけるオーバードライブ時に、支持板が検査対象物に衝突する虞がある。
特許文献1には、ステージに取り付けられたカメラを用いてプローブカードを撮影し、撮影画像に基づいて、針先部の摩耗量を検知する技術が開示されている。特許文献1に記載のプローブカード3aには、先端の高さがプローブ針4aよりも低いモニタ針5aが設けられる。針先部の摩耗量は、モニタ針先端の高さを基準にしてプローブ針先端の高さを測定することによって検知される。また、先端高さの測定は、撮影画像の焦点位置に基づいて検出される。
また、特許文献2には、プローブ針6aの先端部に寿命を検知するための摩耗検知用溝6bを設け、プローブ針6aの摩耗面に現れる溝断面によって針先部の摩耗量を検知する技術が開示されている。
特開2005−351807号公報 特開平8−37211号公報
従来の検査システムでは、撮影画像を利用してプローブの針先部と支持板との高さの差分を検出することにより、針先部の摩耗量が検知され、針先部の摩耗量が一定範囲内であるか否かが判別される。この判別結果を利用すれば、支持板が検査対象物に衝突するのを防止することができる。ところが、支持板は、エポキシ樹脂等の樹脂成形体により構成されることから、高い平滑度を得ることが困難であり、また、配線基板に対して高い平行度を得ることも難しい。このため、従来のプローブカードでは、高さの検出値が支持板下面のどこを測定するのかによって大きく変化し、摩耗量の測定精度が低いという問題があった。また、樹脂成形体の表面を研磨することにより、支持板下面の平滑度及び配線基板に対する平行度を上げることができる。しかし、研磨により支持板下面の平滑度及び平行度を上げる方法では、樹脂成形体の表面に髭状の突出物が形成され、特性検査を行う際の障害になるという問題があった。
なお、特許文献1に記載のプローブカード3aでは、モニタ針5aを特性検査に使用するプローブ針4aとは別個に設けなければならない。このため、プローブカードの構造が複雑化し、製造コストが増大する虞がある。また、特許文献2に記載のプローブカード6では、プローブ針6aの先端部に摩耗検知用溝6bを加工しなければならない。このため、プローブの製造が複雑化し、製造コストが増大する虞がある。また、スクラブ屑などの異物が摩耗検知用溝6b内に入り込むため、異物が針先部に付着し易いという問題もある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、針先部の摩耗量を測定する際の測定精度を向上させることができ、信頼性を向上させたプローブカードを提供することを目的とする。
第1の本発明によるプローブカードは、2以上の電極パッドが下面に設けられた配線基板と、針元部、中間部、屈曲部及び針先部を有し、前記針元部が前記電極パッドに接続され、前記中間部が前記針元部及び前記屈曲部を連結し、前記屈曲部が前記配線基板から離れる方向へ屈曲して前記針先部に連結する2以上のカンチレバー型のプローブと、前記プローブの前記中間部を支持して、前記配線基板に固定される支持板とを備え、前記支持板の下面に、セラミック板が設置されているように構成される。
このプローブカードでは、2以上のプローブの中間部を支持する支持板が背中合わせの2つの端面の一方から他方へ中間部を貫通させることにより、各プローブの針先部が所望の位置に位置決めされ、オーバードライブ時に所望の針圧が得られる。この様な支持板の下面にセラミック板を配置することにより、樹脂成形体に比べ、セラミック板下面の平滑度及び配線基板に対する平行度を上げることができる。このため、針先部の摩耗量を測定する際の測定精度を向上させることができる。また、支持板下面の一部又は全部をセラミック板により覆うことにより、支持板の表面状態にかかわらず、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
第2の本発明によるプローブカードは、上記構成に加え、前記セラミック板が、平板であり、前記配線基板と平行に配置されるように構成される。この様な構成によれば、セラミック板の下面を研磨することなく、セラミック板下面の平滑度及び配線基板に対する平行度を上げることができる。
第3の本発明によるプローブカードは、上記構成に加え、前記セラミック板が、下面にアライメント用の凹部又は貫通孔を有するように構成される。この様な構成によれば、セラミック板下面の凹部又は貫通孔を測定位置の基準にしてセラミック板の高さを測定することができる。従って、撮影画像を解析して高さの測定位置を自動的に決定する場合に、十分な輝度差を利用して凹部又は貫通孔周縁の位置を特定することができるため、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
第4の本発明によるプローブカードは、上記構成に加え、前記セラミック板が、下面に凹部を有し、上下方向に延びる棒状のアライメントピンが前記凹部内に配置されるように構成される。この様な構成によれば、凹部内のアライメントピンを測定位置の基準にしてセラミック板の高さを測定することができる。従って、撮影画像を解析して高さの測定位置を自動的に決定する場合に、十分な輝度差を利用してアライメントピンの位置を特定することができるため、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
第5の本発明によるプローブカードは、上記構成に加え、前記セラミック板が、下面が、前記配線基板と垂直な方向の距離において、前記針先部の先端と前記屈曲部との間となるように設置されている。この様な構成によれば、プローブカードを下方から撮影するカメラを用いてセラミック板の高さを測定する場合、セラミック板までの距離がプローブの屈曲部までの距離よりも近いため、カメラをセラミック板の下面に近づけた際に、カメラがプローブに接触するのを防止することができる。
本発明によるプローブカードでは、樹脂成形体に比べ、セラミック板下面の平滑度及び配線基板に対する平行度が高いため、針先部の摩耗量を測定する際の測定精度を向上させることができる。また、摩耗量の測定結果を利用することにより、支持板又はセラミック板が検査対象物に衝突するのを抑制することができるため、プローブカードの信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態によるプローブカード1の一構成例を示した図である。 図1のプローブカード1をA−A切断線により切断した場合の切断面を示した断面図である。 図1のプローブカード1を下方から撮影するカメラ110を備えるプローバ100の構成例を模式的に示した説明図である。 図3のプローバ100の動作の一例を示した図である。 図3のカメラ110により撮影された撮影画像の一例を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本明細書では、便宜上、配線基板の法線方向を上下方向として説明するが、本発明によるプローブカードの使用時における姿勢を限定するものではない。
<プローブカード1>
図1は、本発明の実施の形態によるプローブカード1の一構成例を示した図であり、カンチレバー型のプローブカード1が示されている。図中の(a)には、プローブカード1の下面が示され、(b)には、プローブカード1を水平方向から見た場合が示されている。図2は、図1のプローブカード1をA−A切断線により切断した場合の切断面を示した断面図である。
このプローブカード1は、2以上のプローブ2と、セラミック板3、支持板4、台座板5、補強板6及び配線基板10とにより構成され、アライメント用の開口部7を有する。開口部7は、プローブカード1の位置を検査対象物の位置に合わせる際に、プローブ先端の位置を確認するのに用いられる略矩形状の貫通孔であり、プローブカード1の中央部に形成される。
また、プローブカード1には、2つのプローブ列20が形成されている。プローブ列20は、プローブ先端が直線上に位置するように配列された2以上のプローブ2により構成される。一方のプローブ列20は、紙面に関し、開口部7の中央よりも右側に配置され、他方のプローブ列20は、開口部7の中央よりも左側に配置される。
配線基板10は、プローブ2が配設されるプローブ基板であり、プローブ2に接続するための2以上の電極パッド12が下面10aに設けられる。電極パッド12は、プローブ2ごとに設けられる。
この配線基板10は、後述するプローバに保持される円形のプリント基板であり、テスター装置(不図示)に接続するための2以上の外部端子11が上面10bに設けられている。外部端子11は、配線基板10の外周縁部に配置される。外部端子11と電極パッド12とは、配線用のパターン、スルーホール等を介して導通する。配線基板10には、台座板5を配置するための貫通孔13が設けられる。貫通孔13は、略矩形状である。
プローブ2は、金属製の線材により構成されるカンチレバー型プローブであり、針元部21、中間部22、屈曲部23及び針先部24を備える。針元部21は、配線基板10の電極パッド12に接続される固定部である。中間部22は、針元部21と屈曲部23とを連結するビーム部である。屈曲部23は、配線基板10から離れる方向へ屈曲して針先部24に連結する。針先部24は、検査対象物に接触させるコンタクト部である。
補強板6は、配線基板10を補強するための補強部材である。この補強板6は、金属製の平板であり、配線基板10の上面10bに配置されている。補強板6には、開口部7を構成する貫通孔61が設けられる。
台座板5は、支持板4を支持するための部材である。この台座板5は、環状の板部材により構成され、配線基板10の貫通孔13内に配置され、補強板6に固定されている。また、台座板5は、配線基板10の貫通孔13から露出する補強板6の下面に取り付けられている。台座板5の内周面51は、開口部7を構成する。例えば、台座板5は、セラミック材料により形成される。
支持板4は、2以上のプローブ2の中間部22を支持する共通の支持部材であり、配線基板10に固定される。この支持板4は、環状であり、台座板5の下面に形成された樹脂成形体により構成される。例えば、支持板4は、エポキシ樹脂等の電気的な絶縁性を有する樹脂材料により形成される。従って、支持板4は、台座板5及び補強板6を介して配線基板10に固定されている。また、支持板4は、台座板5の下面全体を覆っている。また、支持板4の内側端面4bは、開口部7を構成する。
各プローブ2の中間部22は、支持板4の背中合わせの2つの端面の一方から他方へ貫通する。すなわち、各プローブ2の中間部22は、支持板4の外側端面4aから内側端面4bへ貫通する。従って、各プローブ2の中間部22の一部は、樹脂成形体により覆われている。
この様に中間部22が支持板4を貫通することにより、各プローブ2は、支持板4により片持ち支持され、針先部24が所望の位置に位置決めされるとともに、オーバードライブ時に所望の針圧が得られる。すなわち、各プローブ2の針先部24は、支持板4により、配線基板10に対する基板面内の2次元位置と基板面からの高さとが規定される。
セラミック板3は、支持板4の下面に配置される板部材であり、セラミック材料により形成される。すなわち、セラミック板3は、無機物を焼き固めた焼結体により構成される。セラミック材料には、シリコン等の半導体と、炭化物、窒化物又はホウ化物等の無機化合物とがある。また、セラミック板3は、下面3aが針先部24の先端よりも上方に配置される。
このセラミック板3は、環状の平板であり、配線基板10と平行に配置されている。また、セラミック板3は、支持板4の下面全体を覆っている。セラミック板3の内側端面3bは、開口部7を構成する。また、セラミック板3は、下面3aに凹部31を有し、上下方向に延びる棒状のアライメントピン32が凹部31内に配置されている。
凹部31は、上方に向けて凹んだ有底穴である。アライメントピン32は、セラミック板3の下面3aの高さを測定する際に、ピント合わせの基準として使用される部材であり、凹部31の中央部に配置される。このアライメントピン32は、セラミック板3とは別個の材料、例えば、金属材料により構成される。
この例では、4つの凹部31がセラミック板3の下面3aに設けられ、アライメントピン32がそれぞれ配置されている。凹部31は、セラミック板3のコーナー部にそれぞれ配置されている。
支持板4には、下面から突出する凸部41が形成されている。セラミック板3は、上面に形成された凹部33内に支持板4の凸部41を収容することにより、基板面内における位置が位置決めされる。
この例では、4つの凸部41が支持板4の下面に形成され、セラミック板3の凹部33にそれぞれ収容されている。また、各アライメントピン32は、セラミック板3を貫通し、上端が支持板4の凸部41に当接し、下端部が凹部33から露出している。
セラミック板3は、下面3aがプローブ2の屈曲部23よりも下方に配置される。紙面右側のプローブ列20に属する各プローブ2は、右端部が針元部21として電極パッド12に接続され、左端が針先部24の先端としてセラミック板3の下面3aから突出している。一方、紙面左側のプローブ列20に属する各プローブ2は、左端部が針元部21として電極パッド12に接続され、右端が針先部24の先端としてセラミック板3の下面3aから突出している。
ここでは、プローブ2の針先部24の先端とセラミック板3の下面3aとの上下方向の距離を突出高さhと呼ぶことにする。この突出高さhは、プローバのステージに取り付けられたカメラを用いてプローブカード1を撮影し、撮影画像を解析することにより、測定される。針先部24の摩耗量は、突出高さhに基づいて求められる。
<プローバ100>
図3は、図1のプローブカード1を下方から撮影するカメラ110を備えるプローバ100の構成例を模式的に示した説明図である。図4は、図3のプローバ100の動作の一例を示した図である。図中の(a)には、カメラ110を用いてプローブ2の針先部24を撮影する場合が示され、(b)には、セラミック板3のアライメントピン32を撮影する場合が示されている。
プローバ100は、半導体ウエハ102上の2以上の電極をプローブカード1のプローブ2にそれぞれ接触させ、電子回路をテスター装置に接続する検査装置である。このプローバ100は、回路形成面を上に向けた状態で半導体ウエハ102を保持するウエハチャック101と、ウエハチャック101を上下方向、左右方向及び前後方向へ移動させる可動ステージ103と、プローブカード1を下方から撮影するカメラ110とにより構成される。カメラ110は、撮影方向を上に向けた状態で可動ステージ103に取り付けられ、可動ステージ103とともに上下方向、左右方向又は前後方向へ移動する。
プローブカード1は、プローバ100により、プローブ2の形成面を下に向けた状態で水平に保持される。また、プローバ100には、テスター装置に接続されたテスターヘッド200と、テスターヘッド200及びプローブカード1を連結するインターフェースリング300とが設置される。プローブカード1の外部端子11は、インターフェースリング300を介してテスターヘッド200に接続される。
半導体ウエハ102上の電子回路に対して特性検査を行う際は、可動ステージ103がプローブカード1の直下に移動する。プローブカード1の水平面内における位置決めは、プローブカード1の開口部7を介してプローブ2の針先部24の位置と電子回路上の電極の位置とを確認し、針先部24の先端の水平面内における位置を電極の位置に一致させることによって行われる。
また、針先部24又は電極の高さのばらつきを吸収させるため、プローブ先端と電極とが接触し始める状態からさらにプローブカード1に半導体ウエハ102を近づける処理、いわゆるオーバードライブは、可動ステージ103を上昇させることによって行われる。
プローブ2の針先部24を撮影する際は、カメラ110が針先部24と対向する位置まで可動ステージ103が水平面内を移動する。撮影画像は、可動ステージ103を所定位置まで上昇させて、カメラ110を針先部24の先端に近づけた状態で取得される(図4の(a))。
また、針先部24の先端面にフォーカスを合わせた状態における可動ステージ103の上下方向の位置とカメラ110の焦点距離とに基づいて、針先部24の先端高さが求められる。例えば、配線基板10の下面から針先部24の先端までの上下方向の距離h1が針先部24の先端高さとして求められる。
セラミック板3のアライメントピン32を撮影する際は、カメラ110がアライメントピン32と対向する位置まで可動ステージ103が水平面内を移動する。撮影画像は、可動ステージ103を所定位置まで上昇させて、カメラ110をセラミック板3に近づけた状態で取得される(図4の(b))。
また、アライメントピン32の先端面にフォーカスを合わせた状態における可動ステージ103の上下方向の位置とカメラ110の焦点距離とに基づいて、アライメントピン32の先端高さが求められる。例えば、配線基板10の下面からアライメントピン32の先端までの上下方向の距離h2がアライメントピン32の先端高さとして求められる。
このプローブカード1では、セラミック板3の下面3aの4か所に凹部31及びアライメントピン32が配置されている。針先部24の摩耗量を求める際は、4か所に配置されたアライメントピン32について、距離h2をそれぞれ求めて平均化した値が用いられる。この様な平均化処理により、セラミック板3の反りや傾きの影響を抑制することができ、摩耗量の測定精度が上がる。
前述した突出高さhは、h=(h1−h2)により導出される。また、針先部24の摩耗量は、突出高さhの測定値と設計値との差分により求められる。このプローバ100では、針先部24の摩耗量を所定の判定閾値と比較することにより、針先部24の摩耗量が一定範囲内であるか否かを判別し、その判別結果に応じてユーザ報知が行われる。例えば、摩耗量が判定閾値を超えていれば、その旨をユーザに知らせるべくユーザ報知が行われる。また、針先部24の摩耗量に基づいて、プローブカード1の寿命管理が行われる。
また、プローバ100では、プローブ2の針先部24を撮影して撮影画像から針先部24の先端高さを求める処理と、セラミック板3のアライメントピン32を撮影して撮影画像からアライメントピン32の先端高さを求める処理とが自動的に行われる。
図5は、図3のカメラ110により撮影された撮影画像111及び112の一例を示した図である。図中の(a)には、針先部24の先端面241を撮影した撮影画像111が示され、(b)には、アライメントピン32の先端面32aを撮影した撮影画像112が示されている。
撮影画像111では、複数の先端面241が直線上に並び、当該先端面241が周囲よりも輝度の高い高輝度領域として描画されている。すなわち、プローブ2の針先部24がプローブカード1の開口部7内に配置されることから、針先部24の先端面241とこの先端面以外の背景とでは、輝度差が十分に大きく、コントラストが高い。この様な輝度差を利用することにより、針先部先端の位置を自動的に特定することができる。
撮影画像112では、アライメントピン32の先端面32aが周囲よりも輝度の高い高輝度領域として描画されている。すなわち、アライメントピン32がセラミック板3とは異なる金属材料により構成されることから、先端面32aとこの先端面以外の背景とでは、輝度差が十分に大きく、コントラストが高い。
この様な輝度差を利用することにより、アライメントピン先端の位置を自動的に特定することができる。また、アライメントピン32を設けて撮影画像112のコントラストを高くすることにより、セラミック板3の高さを測定する際の誤差を低減させることができる。
本実施の形態によれば、支持板4の下面にセラミック板3を配置することにより、樹脂成形体に比べ、セラミック板下面3aの平滑度と配線基板10に対する平行度とを向上させることができる。ここでいう平滑度は、セラミック板下面3aの面精度を示す平面度又は平坦度であり、下面3aの反り、うねり又は凹凸具合を識別することができる。
このため、針先部24の摩耗量を測定する際の測定精度を向上させることができる。また、支持板4の下面全体をセラミック板3により覆うことにより、高さの測定位置にかかわらず、かつ、支持板4の表面状態にかかわらず、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
また、セラミック板3が平板であるため、セラミック板3の下面3aを研磨することなく、セラミック板下面3aの平滑度及び配線基板10に対する平行度を上げることができる。また、凹部31内のアライメントピン32を測定位置の基準にしてセラミック板3の高さを測定することができる。従って、撮影画像112を解析して高さの測定位置を自動的に決定する場合に、十分な輝度差を利用してアライメントピン32の位置を特定することができるため、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
例えば、支持板4の下面の一部が露出していれば、支持板4の表面の凸凹による陰影の影響により、撮影画像を解析して高さの測定位置を特定する際の障害になる。これに対し、本実施の形態によるプローブカード1では、セラミック板3が支持板4の下面全体を覆うため、高さの測定位置が正確に特定され、摩耗量の測定精度が高い。
高さ測定の際に針先部24の先端との比較対象となる基準面は、平滑であって、且つ、配線基板10と平行なセラミック板3により形成される。この様な構成によって、摩耗量の測定の精度が従来技術と比べて格段に向上するとともに、基準面が検査対象物と衝突するのを防止することができる。これに加え、基準面となるセラミック板3において、アライメントピン或いは凹部を更に設けることにより、基準面内の一点を撮影の対象として明確に規定できることから、より一層に測定の精度を向上することができる。
また、プローブカード1を下方から撮影するカメラ110を用いてセラミック板3の高さを測定する場合、セラミック板3までの距離がプローブ2の屈曲部23までの距離よりも近いため、カメラ110をセラミック板3の下面3aに近づけた際に、カメラ110がプローブ2に接触するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、セラミック板3が平板である場合の例について説明したが、本発明は、セラミック板3の構成をこれに限定するものではない。例えば、セラミック板3が平板ではなく、セラミック板3の上面に反り、うねり又は凹凸があったとしても、支持板4に取り付けられた状態において、セラミック板3の下面3aが平坦であり、かつ、配線基板10に対して平行であれば良い。また、セラミック板3の下面3aに反り、うねり又は凹凸があれば、表面研磨により、下面3aを平坦に加工し、かつ、配線基板10に対して平行に加工するような構成であっても良い。
また、本実施の形態では、セラミック板3の下面3aに凹部31及びアライメントピン32が配設される場合の例について説明したが、本発明は、セラミック板3が凹部31及びアライメントピン32を有しないプローブカード1にも適用することができる。セラミック板3の下面3aが平坦であり、凹部31及びアライメントピン32のいずれも有しない場合、予め指定される水平面内の位置を測定位置にしてセラミック板3の高さが測定される。
また、本発明は、セラミック板3の下面3aに凹部31のみを設け、アライメントピン32を有しないプローブカード1にも適用することができる。また、本発明は、セラミック板3が下面3aにアライメント用の貫通孔を有するプローブカード1にも適用することができる。セラミック板3の下面3aにアライメント用の凹部31を設け、或いは、セラミック板3を貫通するアライメント用の貫通孔を設けることにより、凹部31又は貫通孔を測定位置の基準にしてセラミック板3の高さを測定することができる。従って、撮影画像を解析して高さの測定位置を自動的に決定する場合に、十分な輝度差を利用して凹部31又は貫通孔周縁の位置を特定することができるため、摩耗量の測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、アライメントピン32がセラミック板3とは別個に形成され、かつ、別部材により構成される場合の例について説明したが、本発明は、アライメントピン32の構成をこれに限定するものではない。例えば、アライメントピン32がセラミック板3と一体的に形成されるような構成であっても良い。また、アライメントピン32は、セラミック板3と同じ材料により構成しても良い。
1 プローブカード
10 配線基板
11 外部端子
12 電極パッド
2 プローブ
20 プローブ列
21 針元部
22 中間部
23 屈曲部
24 針先部
3 セラミック板
31 凹部
32 アライメントピン
33 凹部
4 支持板
41 凸部
5 台座板
6 補強板
7 開口部
100 プローバ
101 ウエハチャック
102 半導体ウエハ
103 可動ステージ
110 カメラ
111,112 撮影画像
h 突出高さ

Claims (5)

  1. 2以上の電極パッドが下面に設けられた配線基板と、
    針元部、中間部、屈曲部及び針先部を有し、前記針元部が前記電極パッドに接続され、前記中間部が前記針元部及び前記屈曲部を連結し、前記屈曲部が前記配線基板から離れる方向へ屈曲して前記針先部に連結する2以上のカンチレバー型のプローブと、
    前記プローブの前記中間部を支持して、前記配線基板に固定される支持板とを備え、
    前記支持板の下面に、セラミック板が設置され、当該セラミック板の下面が、平坦であり、前記配線基板と平行であり、前記針先部の先端より上方に設置されることを特徴とするプローブカード。
  2. 前記セラミック板が平板であることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
  3. 前記セラミック板は、下面にアライメント用の凹部又は貫通孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
  4. 前記セラミック板は、下面に凹部を有し、上下方向に延びる棒状のアライメントピンが前記凹部内に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
  5. 前記セラミック板は、下面が、前記配線基板と垂直な方向の距離において、前記針先部の先端と前記屈曲部との間となるように設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプローブカード。
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