JP6653603B2 - 蓄冷熱材の使用方法、包装体、及び蓄冷熱材 - Google Patents

蓄冷熱材の使用方法、包装体、及び蓄冷熱材 Download PDF

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Description

本発明は、包装体内部の保温又は保冷に用いられる蓄冷熱材の使用方法、蓄冷熱材が収納される包装体、及び、蓄冷熱材に関する。
従来から外気温度に左右されず温度管理の必要な物品を長時間に亘って所定の温度に維持して保管及び輸送できる低温保管容器に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1には、容器内部に2種の蓄熱材又は蓄冷材が収容される低温保管輸送容器が開示されている。以下では、蓄熱材又は蓄冷材を蓄冷熱材と総称する。
特許文献1に記載の低温保管輸送容器は、融解状態にある第一の蓄冷熱材を温度管理対象物品に隣接して配置し、凝固状態にある第二の蓄冷熱材を第一の蓄冷熱材の外周部に配置している。第一の蓄冷熱材は、第二の蓄冷熱材よりも高い融点又は凝固点を有している。
外気の温度が第一の蓄冷熱材の融点又は凝固点よりも高い場合には、容器の外周部に配置された第二の蓄冷熱材は、外気の温度によって凝固状態から融解状態に相転移する。また、温度管理対象物品に隣接する第一の蓄冷熱材は、第二の蓄冷熱材に冷却されて融解状態から凝固状態に相転移する。融解状態の第二の蓄冷熱材は、外気の温度により加温され、第一の蓄冷熱材は、第二の蓄冷熱材に加温されて凝固状態から融解状態に相転移する。
外気の温度が第一の蓄冷熱材の融点又は凝固点よりも低く、第二の蓄冷熱材の融点又は凝固点よりも高い場合には、容器の外周部に配置された第二の蓄冷熱材は、外気の温度によって凝固状態から融解状態に相転移する。また、温度管理対象物品に隣接する第一の蓄冷熱材は、第二の蓄冷熱材に冷却されて融解状態から凝固状態に相転移する。
外気の温度が第二の蓄冷熱材の融点又は凝固点より低い場合には、温度管理対象物品に隣接する第一の蓄冷熱材は、容器の外周部に配置された第二の蓄冷熱材に冷却されて融解状態から凝固状態に相転移する。
特開2015−48103号公報
前記特許文献1に記載の低温保管輸送容器は、外気の温度に関わらず、温度管理対象物品に隣接して配置された第一の蓄冷熱材が、第二の蓄冷熱材に冷却されて融解状態から凝固状態に相転移する。凝固状態の第一の蓄冷熱材が第二の蓄冷熱材に冷却されると、第一の蓄冷熱材の凝固点よりもさらに温度が低下し、隣接する温度管理対象物品の温度が所定の温度以下に低下する虞がある。
また、温度管理対象物品に隣接して配置された第一の蓄冷熱材が、第二の蓄冷熱材に冷却されて融解状態から凝固状態に相転移するときに、第二の蓄冷熱材に対して熱を放出し、第二の蓄冷熱材の温度が上昇する。このとき、温度管理対象物品の温度管理に使用すべき第一の蓄冷熱材及び第二の蓄冷熱材のエネルギーが、第一の蓄冷熱材と第二の蓄冷熱材との間で無駄に消費され、温度管理対象物品を適切な温度に維持可能な持続時間が短縮される虞がある。
また、第一の蓄冷熱材は、第二の蓄冷熱材よりも高い融点又は凝固点を有している。そのため、融解状態にある第一及び第二の蓄冷熱材をともに冷却していくと、まず、第一の蓄冷熱材の凝固点以下の温度で第一の蓄冷熱材が凝固し、次に、第二の蓄冷熱材の凝固点以下の温度で第二の蓄冷熱材が凝固する。そのため、融解状態にある第一の蓄冷熱材と凝固状態にある第二の蓄冷熱材とを使用するためには、第一の蓄冷熱材と第二の蓄冷熱材とを異なる温度で個別に管理する必要があり、蓄冷熱材の管理が煩雑である。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも包装体内部の温度を安定させ、持続時間を長くすることができ、温度管理が簡便な蓄冷熱材の使用方法、包装体、及び蓄冷熱材を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の蓄冷熱材の使用方法は、包装体内部を保冷又は保温する蓄冷熱材の使用方法であって、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備えた蓄冷熱材を用い、前記蓄冷熱材を前記第1冷熱剤の凝固点以下かつ前記第2冷熱剤の凝固点以上の温度にする準備工程と、前記準備工程を経た前記蓄冷熱材を前記包装体内部に収納する収納工程と、を有することを特徴とする。
換言すると、本発明の蓄冷熱材の使用方法は、包装体内部を所定の温度範囲に保冷又は保温する蓄冷熱材の使用方法であって、前記所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤と、前記所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備えた蓄冷熱材を用い、前記蓄冷熱材を前記第1冷熱剤が固相でありかつ前記第2冷熱剤が液相である温度にする準備工程と、前記準備工程を経た前記蓄冷熱材を包装体内部に収納する収納工程と、を有することを特徴とする。
本発明の蓄冷熱材の使用方法は、例えば、食品や医療品等の温度管理が必要な内容物を収容する断熱容器等の包装体内部の温度を、適切な温度範囲に維持することを目的とする。そのために、収納工程前の準備工程において、例えば冷凍庫等の温度管理された保管庫に蓄冷熱材を収容し、蓄冷熱材を第1冷熱剤の凝固点以下かつ前記第2冷熱剤の凝固点以上の温度に冷却する。すなわち、準備工程において、蓄冷熱材を第1冷熱剤が固相でありかつ第2冷熱剤が液相である温度に冷却する。その後、収納工程において、準備工程を経た蓄冷熱材を包装体内部に収納することで、包装体内部が所定の温度範囲に保冷又は保温される。
より具体的には、包装体外部の温度が包装体内部の管理温度よりも高い場合、本発明の蓄冷熱材の使用方法において、蓄冷熱材は、包装体内部の温度を包装体外部の温度よりも低い温度に保冷する蓄冷材、保冷材として使用することができる。また、包装体外部の温度が包装体内部の管理温度よりも低い場合、本発明の蓄冷熱材の使用方法において、蓄冷熱材は、包装体内部の温度を包装体外部の温度よりも高い温度に保温する蓄熱材又は保温材として使用することができる。
本発明の蓄冷熱材の使用方法では、準備工程において、例えば、蓄冷熱材の収容部に各々隔離されて収容された第1冷熱剤及び第2冷熱剤がともに液相である状態から蓄冷熱材を冷却していくと、相対的に凝固点の高い第1冷熱剤が先に凝固して固相に相転移する。一方、相対的に凝固点の低い第2冷熱剤は、第2冷熱剤の凝固点以下の温度になるまで液相を維持する。すなわち、第1冷熱剤及び第2冷熱剤がともに液相である状態から蓄冷熱材を冷却していくと、蓄冷熱材を第1冷熱剤が固相でありかつ第2冷熱剤が液相である温度にすることができる。
したがって、本発明の蓄冷熱材の使用方法によれば、準備工程において第1冷熱剤と第2冷熱剤の温度管理を一括して行うことができ、従来よりも蓄冷熱材の管理を簡便にすることができる。
なお、準備工程では、蓄冷熱材を第2冷熱剤の凝固点以下の温度になるまで冷却して第1冷熱剤及び第2冷熱剤を固相に相転移させ、収納工程において、第2冷熱剤を液相に相転移させるようにしてもよい。換言すると、準備工程において、蓄冷熱材を第1冷熱剤及び第2冷熱剤が固相である温度にして、収納工程において、蓄冷熱材を第1冷熱剤が固相でありかつ第2冷熱剤が液相である温度にしてもよい。
本発明の蓄冷熱材の使用方法では、上記のいずれの場合にも、収納工程において包装体内部に収納された蓄冷熱材は、包装体内部で固相の第1冷熱剤と液相の第2冷熱剤とが収容部の複数の収容室に各々隔離されて収容された状態になる。
包装体外部の温度が第1冷熱剤の融点よりも高い場合、本発明の蓄冷熱材の使用方法によって包装体内部の温度を包装体外部の温度よりも低い温度に保冷することができる。この場合、包装体内部の温度が包装体外部の温度よりも低くなるため、包装体外部の熱は、包装体を介して包装体内部に伝わり、さらに蓄冷熱材の収容部を介して第1冷熱剤に伝わって、固相の第1冷熱剤の温度を上昇させる。
第1冷熱剤は、その温度が融点まで上昇すると、固相から液相へ相転移する。第1冷熱剤は、その全体が固相から液相に相転移して融解するまでの間、包装体外部から包装体内部へ伝わった熱を潜熱として吸収し、概ね融点に等しい一定の温度に維持される。これにより、第1冷熱剤は、包装体内部に伝わった熱が第2冷熱剤に伝わるのを抑制し、第2冷熱剤を包装体外部の温度よりも低い温度に保冷する。
そのため、収納工程において、第2冷熱剤が収容された収容室が包装体内部の温度管理室に対向するように蓄冷熱材を包装体内部に配置することが好ましい。第2冷熱剤は、液相であるため、固相である場合よりも比熱が大きく、包装体外部から伝わる熱や、第1冷熱剤との間の熱の移動による温度変化が固相である場合よりも小さく、温度が安定している。そのため、第1冷熱剤によって保冷された第2冷熱剤により、温度管理室の温度は、包装体外部の温度よりも低く、温度変化の少ない安定した所定の温度範囲の管理温度に維持される。
したがって、本発明の蓄冷熱材の使用方法によれば、従来よりも包装体内部の温度を安定させることができる。また、第2冷熱剤は、包装体内部で相転移することがなく、潜熱を吸収又は放出することがないため、第1冷熱剤との間での無駄なエネルギー消費が抑制される。したがって、本発明の蓄冷熱材の使用方法によれば、従来よりも包装体内部の温度を適切な温度に維持することができる時間、すなわち持続時間を長くすることができる。
一方、包装体外部の温度が蓄冷熱材の第1冷熱剤の凝固点よりも低い場合、蓄冷熱材によって包装体内部の温度を包装体外部の温度よりも高い温度に保温することができる。この場合にも、準備工程において、蓄冷熱材は、使用前に第1冷熱剤の凝固点以下かつ第2冷熱剤の凝固点より高い温度、すなわち第1冷熱剤が固相でありかつ第2冷熱剤が液相である温度に冷却される。
そして、収納工程において、蓄冷熱材は、保温が必要な食品等の内容物とともに包装体内部に収容される。第1冷熱剤の温度が凝固点と等しい温度である場合、第1冷熱剤の温度は包装体外部の温度よりも高いため、第1冷熱剤の熱は、蓄冷熱材の収容部及び包装体を介して包装体外部へ伝わる。第1冷熱剤は、固相の状態を維持して収容部及び包装体を介して包装体外部へ熱を放出して冷却されるが、その温度が包装体外部と等しい温度に低下するまでは、第2冷熱剤を包装体外部よりも高い温度に保温し、第2冷熱剤の温度低下を抑制する。
収納工程において包装体内部に収納された蓄冷熱材の第2冷熱剤は、液相であるため、固相である場合よりも比熱が大きく、包装体外部へ伝わる熱や、第1冷熱剤との間の熱の移動による温度変化が固相である場合よりも小さく、温度が安定している。そのため、第1冷熱剤によって保温された第2冷熱剤により、温度管理室の温度は、包装体外部の温度よりも高く、温度変化の少ない安定した所定の温度範囲の管理温度に維持される。
なお、包装体外部の温度が第1冷熱剤の凝固点より低く、蓄冷熱材によって包装体内部の温度を包装体外部の温度よりも高い温度に保温する場合、第1冷熱剤を液相から固相へ相転移させることもできる。この場合、蓄冷熱材は、準備工程において、第1冷熱剤及び第2冷熱剤の双方が液相の融解状態となる第1冷熱剤の融点よりも高い温度にされる。そして、収納工程において、準備工程を経た蓄冷熱材は、保温が必要な内容物とともに包装体内部に収容される。液相の第1冷熱剤の温度は、包装体外部の温度よりも高いため、第1冷熱剤の熱は、蓄冷熱材の収容部及び包装体を介して包装体外部へ伝わる。
第1冷熱剤は、収容部及び包装体を介して包装体外部へ熱を放出し、温度が凝固点まで低下すると、液相から固相へ相転移する。第1冷熱剤は、全体が液相から固相に相転移して凝固するまでの間、概ね凝固点に等しい一定の温度に維持される。これにより、第1冷熱剤は、第2冷熱剤の温度を包装体外部の温度よりも高い温度に保温する。
第2冷熱剤は、第1冷熱剤によって包装体外部の温度よりも高い温度に保温され、収容部を介して隣接する包装体内部の温度管理室内の空気及び内容物の温度を包装体外部の温度よりも高い温度に保温する。また、第2冷熱剤は、液相であり、固相である場合と比較して比熱が大きいため、第1冷熱剤への放熱による温度低下が抑制される。これにより、包装体内部の空気や内容物の温度変化が抑制され、包装体内部の温度を安定させることができる。
第1冷熱剤は、全体が液相から固相に相転移して凝固しても、その温度が包装体外部の温度と等しい温度に低下するまでは、第2冷熱剤を包装体外部の温度よりも高い温度に保温し、第2冷熱剤の温度低下を抑制する。第2冷熱剤は、液相であるため、固相と比較して比熱が大きく、第1冷熱剤への放熱による温度低下が抑制され、包装体内部の空気や内容物の温度変化を抑制し、包装体内部の温度を安定させることができる。
したがって、本発明の蓄冷熱材の使用方法によれば、蓄冷熱材を蓄熱材又は保温材として用いる場合にも、準備工程において第1冷熱剤と第2冷熱剤の温度管理を一括して行うことができ、従来よりも蓄冷熱材の管理を簡便にすることができる。また、収容工程において、従来よりも包装体内部の温度を安定させることができ、従来よりも包装体内部の温度を適切な温度に維持することができる時間、すなわち持続時間を長くすることができる。
本発明の包装体は、蓄冷熱材が収納されて内部が保温又は保冷される包装体であって、前記蓄冷熱材は、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部とを備え、前記第1冷熱剤の凝固点以下かつ前記第2冷熱剤の凝固点以上の温度で包装体内部に収納されることを特徴とする。
換言すると、本発明の包装体は、蓄冷熱材が収納されて内部が所定の温度範囲に保温又は保冷される包装体であって、前記蓄冷熱材は、前記所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤と、前記所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、前記第1冷熱剤が固相でありかつ前記第2冷熱剤が液相である温度で包装体内部に収納されることを特徴とする。
本発明の包装体によれば、前述の本発明の蓄冷熱材の使用方法と同様に、従来よりも蓄冷熱材の管理を簡便にすることができ、従来よりも包装体内部の温度を安定させることができ、従来よりも包装体内部の温度を適切な温度に維持することができる時間、すなわち持続時間を長くすることができる。
本発明の包装体において、蓄冷熱材は、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室が包装体内部の温度管理室に対向して配置されることが好ましい。第2冷熱剤は、包装体内部で液相であるため、固相である場合よりも比熱が大きく、包装体外部から伝わる熱や、第1冷熱剤との熱の移動による温度変化が固相である場合よりも小さく、温度が安定している。そのため、第1冷熱剤によって保冷又は保温された第2冷熱剤により、包装体内部の温度は、温度変化の少ない安定した所定の温度範囲の管理温度に維持される。
本発明の蓄冷熱材は、包装体内部を保冷又は保温する蓄冷熱材であって、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、前記収容部の外表面の一部又は全体は、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室の外壁面であることを特徴とする。
換言すると、本発明の蓄冷熱材は、包装体内部を所定の温度範囲に保冷又は保温する蓄冷熱材であって、前記所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤と、前記所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、前記収容部の外表面の一部又は全体は、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室の外壁面であることを特徴とする。この場合、前記第1冷熱剤の凝固点及び融点は、前記第2冷熱剤の凝固点及び融点よりも高くすることができる。
本発明の蓄冷熱材によれば、前述の本発明の蓄冷熱材の使用方法と同様に、従来よりも蓄冷熱材の管理を簡便にすることができ、従来よりも包装体内部の温度を安定させることができ、従来よりも包装体内部の温度を適切な温度に維持することができる時間、すなわち持続時間を長くすることができる。
本発明の蓄冷熱材において、前記第1冷熱剤の質量W1と前記第2冷熱剤の質量W2との比W1/W2は、0.25以上4.0以下であることが好ましい。これにより、前述の効果を十分に発揮することができる。また、本発明の蓄冷熱材において、複数の前記収容室は、一体的に連結されていてもよい。これにより、複数の収容室に各々隔離されて収容された第1冷熱剤と第2冷熱剤とを一括して管理するのが容易になる。
本発明によれば、従来よりも包装体内部の温度を安定させ、持続時間を長くすることができ、温度管理が簡便な蓄冷熱材の使用方法、包装体、及び蓄冷熱材を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る蓄冷熱材の概略構成を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る包装体の概略構成を示す断面図。 本発明の実施形態2に係る蓄冷熱材の概略構成を示す斜視図。 本発明の実施形態2に係る包装体の概略構成を示す断面図。 本発明の実施形態3に係る蓄冷熱材の概略構成を示す斜視図。 本発明の実施形態3に係る包装体の概略構成を示す断面図。 本発明の実施形態4に係る蓄冷熱材の概略構成を示す斜視図。 本発明の実施形態4に係る包装体の概略構成を示す断面図。 本発明の実施例1に係る包装体の概略構成を示す断面図。 実施例1に係る包装体の内容物と蓄冷熱材の温度変化を示すグラフ。 比較例1に係る包装体の概略構成を示す断面図。 比較例1に係る包装体の内容物と蓄冷熱材の温度変化を示すグラフ。 比較例2に係る包装体の概略構成を示す断面図。 比較例2に係る包装体の内容物と蓄冷熱材の温度変化を示すグラフ。
以下、本発明の蓄冷熱材の使用方法、包装体、及び蓄冷熱材の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[実施形態1]
以下では、最初に本発明の実施形態1に係る蓄冷熱材について説明し、次に本発明の実施形態1に係る包装体について説明し、最後に本発明の実施形態1に係る蓄冷熱材の使用方法について説明する。
(蓄冷熱材)
図1は、本発明の実施形態1に係る蓄冷熱材1の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の蓄冷熱材1は、例えば、食品や医療品等の温度管理を必要とする物品を収容する包装体内部の温度を保冷又は保温するための蓄冷材又は蓄熱材である。
蓄冷熱材1は、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤10と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤20とを備えている。換言すると、蓄冷熱材1は、所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤10と、前記所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤20とを備えている。すなわち、第1冷熱剤10の凝固点及び融点は、第2冷熱剤20の凝固点及び融点よりも高い。
また、蓄冷熱材1は、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを収容する収容部30を備えている。収容部30は、蓄冷熱材1の外形を形成し、第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20を収容する容器である。収容部30は、例えば、内部に収容された第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20を視認可能な透明又は半透明のポリエチレン等の樹脂を用いたブロー成形によって製作することができる。
収容部30は、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有している(図2参照)。収容部30は、例えば、ブロー成形によって、内部に複数の収容室31,32を有する概ね長方形の板状の形状に一体成形されることで、複数の収容室31,32が一体的に連結されている。
収容部30の複数の収容室31,32は、隔壁33によって隔離されて互いに分離された空間である。本実施形態の蓄冷熱材1において、複数の収容室31,32のうち、一方は、第1冷熱剤10を収容する第1収容室31であり、他方は第2冷熱剤20を収容する第2収容室32である。収容部30は、第1収容室31に第1冷熱剤10を収容し、第2収容室32に第2冷熱剤20を収容することで、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容している。
収容部30の第1収容室31及び第2収容室32は、それぞれ図示を省略する注液口及び蓋を有し、各注液口を介してそれぞれの内部空間に液相の第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20が注入されている。第1収容室31及び第2収容室32の各注液口は、第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20の注入後に、例えば蓋を溶着することによって密閉されている。
本実施形態の蓄冷熱材1において、収容部30の第1収容室31は、収容部30の隔壁33を介して収容部30の第2収容室32によって包囲され、図示を省略する収容部30の隔壁33の一部によって第2収容室32の内側に支持されている。これにより、蓄冷熱材1は、収容部30の外表面の全体が、第2冷熱剤20が収容された収容室32の外壁面32aによって構成されている。
収容部30の第1収容室31の容積と第2収容室32の容積は、例えば、内部に収容される第1冷熱剤10の容量と第2冷熱剤20の容量に応じて設定することができる。第1収容室31の容積と第2収容室32の容積は、例えば、第1冷熱剤10の質量W1と第2冷熱剤20の質量W2との比W1/W2が0.25以上かつ4.0以下となるように設定することができる。
収容部30に収容される第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20は、例えば、90質量%以上の水に、カルボキシメチルセルロース(CMC)、プロピレングリコール、増粘剤、食用色素、及び防腐剤等、人体に無害な成分を添加することによって調製することができる。第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20の凝固点及び融点は、例えば、水に添加する上記成分の添加率や、無機塩としての硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等の添加率を調節することで、適宜調節することができる。
第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20は、第1冷熱剤10の凝固点が第2冷熱剤20の凝固点よりも10℃以上高くなるように調製することができる。すなわち、第1冷熱剤10の凝固点又は融点は、第2冷熱剤20の凝固点又は融点よりも10℃以上高いことが好ましく、15℃以上高いことがより好ましい。
(包装体)
図2は、本発明の実施形態1に係る包装体100の概略構成を示す断面図である。本実施形態の包装体100は、蓄冷熱材1が収納されて内部が保温又は保冷される容器である。より詳細には、本実施形態の包装体100は、蓄冷熱材1が収納されて内部が所定の温度範囲に保温又は保冷される容器である。
本実施形態の包装体100は、前述の蓄冷熱材1を備えている。蓄冷熱材1は、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤10と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤20と、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する収容部30とを備える。収容部30は、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有する。本実施形態の包装体100の内部には、第1冷熱剤10の凝固点以下かつ第2冷熱剤20の凝固点以上の温度にされた蓄冷熱材1が収納されている。
換言すると、蓄冷熱材1は、所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤10と、その所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤20と、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する収容部30と、を備える。収容部30は、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有する。本実施形態の包装体100の内部には、第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度にされた蓄冷熱材1が収納されている。
包装体100は、例えば発泡ポリスチレン製の断熱容器であり、上部が開放された矩形箱状の包装体本体110と、包装体本体110の開口部111を閉塞する蓋120とを有している。包装体本体110は、周側壁112と底壁113とを有し、内側に温度管理が必要な物品を収容する温度管理室101が形成されている。周側壁112の上端部には、蓋120の凹部121に係合する凸部114が設けられ、周側壁112の内側面112aには、蓄冷熱材1の端部を支持する段部115が設けられている。
本実施形態の包装体100において、蓄冷熱材1は、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32が包装体100内部の温度管理室101に対向して配置されている。
蓄冷熱材1を蓄冷材、保冷材として使用して包装体100内部の温度管理室101の温度を包装体100外部の温度よりも低くなるように保冷する場合、温度管理室101の管理温度は、例えば包装体100外部の温度より低く、かつ第1冷熱剤10の融点より高い温度に設定することができる。
より具体的には、包装体100外部の温度が10℃よりも高く、包装体100内部の温度管理室101の内容物が、例えば、野菜、飲料、生菓子等、0℃以上での温度管理を必要とする物品である場合、温度管理室101の管理温度は、例えば0℃以上かつ10℃以下、好ましくは2℃以上かつ8℃以下に設定することができる。この場合、包装体100の断熱性にもよるが、第1冷熱剤10の凝固点又は融点は、例えば−5℃以上かつ5℃以下に、第2冷熱剤20の凝固点又は融点は、例えば−20℃以上かつ−10℃以下に、それぞれ設定することができる。
また、包装体100外部の温度が0℃以上であり、包装体100内部の温度管理室101の内容物が、例えば氷菓や冷凍食品等、0℃より低い温度管理を必要とする物品である場合、温度管理室101の管理温度は、例えば−10℃以上かつ0℃より低い温度に設定することができる。この場合、包装体100の断熱性にもよるが、第1冷熱剤10の凝固点又は融点は、例えば−20℃以上かつ−10℃以下に、第2冷熱剤20の凝固点又は融点は、例えば−35℃以上かつ−25℃以下に、それぞれ設定することができる。
蓄冷熱材1を蓄熱材、保温材として使用して包装体100内部の温度管理室101の温度を包装体100外部の温度よりも高くなるように保温する場合、温度管理室101の管理温度は、例えば包装体100外部の温度より高く、かつ第1冷熱剤10の融点より低い温度に設定することができる。
より具体的には、包装体100外部の温度が0℃よりも低く、包装体100内部の温度管理室101の内容物が、例えば、医薬品等等、0℃以上での温度管理を必要とする物品である場合、温度管理室101の管理温度は、例えば0℃以上かつ10℃以下に設定することができる。この場合、包装体100の断熱性にもよるが、第1冷熱剤10の凝固点又は融点は、例えば5℃以上かつ15℃以下に、第2冷熱剤20の凝固点又は融点は、例えば、包装体100外部の温度以下に、それぞれ設定することができる。
(蓄冷熱材の使用方法)
次に、本発明の本実施形態に係る蓄冷熱材の使用方法について説明する。
本実施形態の蓄冷熱材の使用方法は、包装体100内部を保冷又は保温する蓄冷熱材の使用方法である。本実施形態の蓄冷熱材の使用方法は、前述の蓄冷熱材1を用い、準備工程と、収納工程を有することを特徴としている。
すなわち、本実施形態の蓄冷熱材の使用方法では、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤10と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤20と、第1冷熱剤10と前記第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有する収容部30と、を備えた蓄冷熱材1を用いる。
換言すると、本実施形態の蓄冷熱材の使用方法では、所定の温度範囲において固相であるか又は固相と液相との間で相転移する第1冷熱剤10と、所定の温度範囲において液相である第2冷熱剤20と、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有する収容部30と、を備えた蓄冷熱材1を用いる。
準備工程では、蓄冷熱材1を、例えば冷凍庫等の温度管理された保管庫に収容し、第1冷熱剤10の凝固点以下かつ第2冷熱剤20の凝固点以上の温度、すなわち、第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度にする。なお、準備工程では、蓄冷熱材1を第2冷熱剤20の凝固点以下の温度にして、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20の双方を凝固させて固相にしてもよい。
収納工程では、準備工程を経た蓄冷熱材1を包装体100内部に収納する。本実施形態では、蓄冷熱材1を包装体100内部の温度管理室101の上部に配置する例を示している。収納工程では、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32が包装体100内部の温度管理室101に対向するように、蓄冷熱材1を包装体100内部に配置することが好ましい。蓄冷熱材1は、温度管理室101の上部だけでなく、包装体100の周側壁112の内側面112aに配置してもよいし、包装体100の底壁113に配置してもよい。
以下、本実施形態の蓄冷熱材1、包装体100及び蓄冷熱材1の使用方法の作用について説明する。
本実施形態の蓄冷熱材1及び包装体100を使用するには、まず、準備工程を実施して、蓄冷熱材1を第1冷熱剤10の凝固点以下かつ第2冷熱剤20の凝固点以上の温度、すなわち、第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度にする。準備工程は、例えば、蓄冷熱材1を冷凍庫等の収容庫に収容して所定の温度に管理することによって実施することができる。準備工程では、例えば、蓄冷熱材1の収容部30に各々隔離されて収容された第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20がともに液相である状態から、蓄冷熱材1を冷却し、蓄冷熱材1の温度を低下させていく。
ここで、本実施形態の蓄冷熱材1は、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20とを各々隔離して収容する複数の収容室31,32を有する収容部30を備えている。そのため、第1収容室31に収容された相対的に凝固点の高い第1冷熱剤10が先に凝固して固相に相転移する。一方、第2収容室32に収容された相対的に凝固点の低い第2冷熱剤20は、第2冷熱剤20の凝固点以下の温度になるまで液相が維持される。すなわち、第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20がともに液相である状態から蓄冷熱材1を冷却していくと、蓄冷熱材1を第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度にすることができる。
したがって、本実施形態の蓄冷熱材1、包装体100及び蓄冷熱材1の使用方法によれば、準備工程において、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20の温度管理を一括して行うことができ、従来よりも蓄冷熱材1の管理を簡便にすることができる。
また、蓄冷熱材1において、第1冷熱剤10の凝固点を第2冷熱剤20の凝固点よりも10℃以上、より好ましくは15℃以上高くなるように調製することで、第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度に管理することが容易になる。また、準備工程において、蓄冷熱材1を、第1冷熱剤10の凝固点よりも10℃以上低い温度にすることができる。これにより、蓄冷熱材1の温度を低く保ち、蓄冷熱材1の持続時間を長くすることができる。なお、準備工程では、蓄冷熱材1の温度を第2冷熱剤20の凝固点よりも低くして、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20の双方を凝固させて固相にしてもよい。
準備工程の終了後、収納工程を実施し、準備工程を経た蓄冷熱材1を包装体100内部の温度管理室101に収容する。これにより、蓄冷熱材1は、包装体100内部に収納され、包装体100内部で固相の第1冷熱剤10と液相の第2冷熱剤20とが収容部30の複数の収容室31,32に各々隔離されて収容された状態になる。
包装体100外部の温度が第1冷熱剤10の融点よりも高い場合、蓄冷熱材1は、包装体100内部の温度を包装体100外部の温度よりも低い温度に保冷する蓄冷材、保冷材として用いることができる。この場合、包装体100内部の温度が包装体100外部の温度よりも低くなるため、包装体100外部の熱は、包装体100を介して包装体100内部に伝わり、さらに蓄冷熱材1の収容部30を介して第1冷熱剤10に伝わって、固相の第1冷熱剤10の温度を上昇させる。
また、準備工程において第1冷熱剤10と第2冷熱剤20の双方を凝固させた場合、包装体100外部の熱は、包装体100を介して包装体100内部に伝わり、さらに蓄冷熱材1の収容部30を介して第2冷熱剤20に伝わって、固相の第2冷熱剤20の温度を上昇させる。蓄冷熱材1の温度が第2冷熱剤20の融点に達すると、第2冷熱剤20は、固相から液相に相転位する。一方、第1冷熱剤10は、その融点が第2冷熱剤20の融点よりも高いため、固相を維持する。
第1冷熱剤10は、その温度が融点まで上昇すると、固相から液相へ相転移する。すなわち、第1冷熱剤10は、所定の温度範囲、例えば、包装体100の内部の温度管理室101の管理温度の範囲において、固相から液相へ相転移する。第1冷熱剤10は、その全体が固相から液相に相転移して融解するまでの間、包装体100外部から包装体100内部へ伝わった熱を潜熱として吸収し、概ね融点に等しい一定の温度に維持される。これにより、第1冷熱剤10は、包装体100内部に伝わった熱が第2冷熱剤20に伝わるのを抑制し、第2冷熱剤20を包装体100外部の温度よりも低い温度に保冷する。
第2冷熱剤20は、第1冷熱剤10によって包装体100外部の温度よりも低い温度に保冷されて、温度管理室101を所定の温度範囲の管理温度に保冷する。第2冷熱剤20は、第1冷熱剤10の温度が上昇して概ね融点に等しい一定の温度に達すると、一定の温度に維持された第1冷熱剤10によって包装体100外部の温度よりも低い安定した温度に保冷され、収容部30を介して隣接する包装体100内部の温度管理室101を保冷する。
第2冷熱剤20は、所定の温度範囲、例えば、温度管理室101の管理温度において、常に液相を維持し、固相の冷熱剤と比較して比熱が大きいため、温度管理室101内の空気や内容物又は包装体100及び収容部30を介して伝わる熱による温度上昇が抑制される。これにより、温度管理室101内の空気や内容物の温度変化が抑制され、温度管理室101内の温度を安定させることができる。
ここで、本実施形態の蓄冷熱材1は、収容部30の外表面の全体が、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32の外壁面32aになっている。これにより、収納工程において、蓄冷熱材1を包装体100内部に収納するときに、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32を、容易かつ確実に、包装体100内部の温度管理室101に対向させることができる。
第2冷熱剤20は、所定の温度範囲、例えば、温度管理室101の管理温度の範囲において液相である。そのため、第2冷熱剤20は、固相である場合よりも比熱が大きく、包装体100外部から伝わる熱や、第1冷熱剤10との間の熱の移動による温度変化が固相である場合よりも小さく、温度が安定している。
そして、本実施形態では、蓄冷熱材1は、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32が包装体100内部の温度管理室101に対向して配置されている。これにより、第2冷熱剤20によって、温度管理室101の温度を、包装体100外部の温度よりも低く、温度変化の少ない、安定した所定の温度範囲の管理温度に維持することができる。
また、第2冷熱剤20は、包装体100内部の温度管理室101の管理温度では相転移せず、潜熱を吸収又は放出することがない。そのため、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20との間で、温度管理室101の温度管理に寄与しない無駄なエネルギーの消費が抑制される。
したがって、本実施形態の蓄冷熱材1、包装体100、及び蓄冷熱材1の使用方法によれば、前記特許文献1に記載された従来の蓄冷熱材と比較して、包装体100内部の温度を安定させることができる。また、従来のように、温度管理対象物品に隣接する第一の蓄冷熱材が固相に変化する場合と比較して、温度管理室101の温度を管理温度に維持することができる持続時間を長くすることができる。
一方、包装体100外部の温度が蓄冷熱材1の第1冷熱剤10の凝固点よりも低い場合、蓄冷熱材1は、包装体100内部の温度を包装体100外部の温度よりも高い温度に保温する蓄熱材又は保温材として使用することができる。この場合にも、準備工程において、蓄冷熱材1は、使用前に第1冷熱剤10の凝固点以下かつ第2冷熱剤20の凝固点より高い温度、すなわち第1冷熱剤10が固相でありかつ第2冷熱剤20が液相である温度に冷却される。
そして、収納工程において、蓄冷熱材1は、保温が必要な医薬品や食品等の内容物とともに包装体100内部に収容される。第1冷熱剤10の温度が凝固点と等しい温度である場合、第1冷熱剤10の温度は包装体100外部の温度よりも温度が高いため、第1冷熱剤10の熱は、蓄冷熱材1の収容部30及び包装体100を介して包装体100外部へ伝わる。
第1冷熱剤10は、固相の状態を維持して収容部30及び包装体100を介して包装体100外部へ熱を放出して冷却されるが、その温度が包装体100外部と等しい温度に低下するまでは、第2冷熱剤20を包装体100外部よりも高い温度に保温し、第2冷熱剤20の温度低下を抑制する。
収納工程において包装体100内部に収納された蓄冷熱材1の第2冷熱剤20は、液相であるため、固相である場合よりも比熱が大きく、包装体100外部へ放出される熱や、第1冷熱剤10との間の熱の移動による温度変化が固相である場合よりも小さく、温度が安定している。そのため、第1冷熱剤10によって保温された第2冷熱剤20により、温度管理室101の温度は、包装体100外部の温度よりも高く、温度変化の少ない安定した所定の温度範囲の管理温度に維持される。
なお、包装体100外部の温度が第1冷熱剤10の凝固点より低く、蓄冷熱材1によって包装体100内部の温度を包装体100外部の温度よりも高い温度に保温する場合、第1冷熱剤10を液相から固相へ相転移させることもできる。この場合、蓄冷熱材1は、準備工程において、第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20の双方が液相の融解状態となるように、第1冷熱剤10の融点よりも高い温度にされる。そして、収納工程において、準備工程を経た蓄冷熱材1は、保温が必要な内容物とともに包装体100内部に収容される。液相の第1冷熱剤10の温度は、包装体100外部の温度よりも高いため、第1冷熱剤10の熱は、蓄冷熱材1の収容部30及び包装体100を介して包装体100外部へ伝わる。
第1冷熱剤10は、収容部30及び包装体100を介して包装体100外部へ熱を放出し、温度が凝固点まで低下すると、液相から固相へ相転移する。第1冷熱剤10は、全体が液相から固相に相転移して凝固するまでの間、概ね凝固点に等しい一定の温度に維持される。これにより、第1冷熱剤10は、第2冷熱剤20の温度を包装体100外部の温度よりも高い温度に保温する。
第2冷熱剤20は、第1冷熱剤10によって包装体100外部の温度よりも高い温度に保温され、収容部30を介して隣接する包装体100内部の温度管理室101内の空気及び内容物の温度を包装体100外部の温度よりも高い温度に保温する。また、第2冷熱剤20は、液相であり、固相である場合と比較して比熱が大きいため、第1冷熱剤10への放熱による温度低下が抑制される。これにより、包装体100内部の空気や内容物の温度変化が抑制され、包装体100内部の温度を安定させることができる。
第1冷熱剤10は、全体が液相から固相に相転移して凝固しても、その温度が包装体100外部の温度と等しい温度に低下するまでは、第2冷熱剤20を包装体100外部の温度よりも高い温度に保温し、第2冷熱剤20の温度低下を抑制する。第2冷熱剤20は、液相であるため、固相と比較して比熱が大きく、第1冷熱剤10への放熱による温度低下が抑制され、包装体100内部の空気や内容物の温度変化を抑制し、包装体100内部の温度を安定させることができる。
したがって、本実施形態の蓄冷熱材1、包装体100、及び蓄冷熱材1の使用方法によれば、蓄冷熱材1を蓄熱材又は保温材として用いる場合にも、準備工程において第1冷熱剤10と第2冷熱剤20の温度管理を一括して行うことができ、従来よりも蓄冷熱材1の管理を簡便にすることができる。また、収容工程において、従来よりも包装体100内部の温度を安定させることができ、従来よりも包装体100内部の温度を適切な温度に維持することができる持続時間を長くすることができる。
なお、本実施形態の蓄冷熱材1において、第1冷熱剤10の質量W1と第2冷熱剤20の質量W2との比W1/W2は、0.25以上かつ4.0以下であることが好ましい。これにより、第1冷熱剤10による第2冷熱剤20の保冷効果又は保温効果を十分に得ることができるだけでなく、第2冷熱剤20による包装体100内部の温度管理室101内の温度安定化の効果を十分に得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の蓄冷熱材1、包装体100、及び蓄冷熱材1の使用方法によれば、従来よりも包装体100内部の温度管理室101の温度を安定させることができ、使用前の温度管理が簡便な蓄冷熱材1及びその使用方法並びにその蓄冷熱材1を備えた包装体100を提供することができる。
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る蓄冷熱材1A及びその使用方法並びに包装体100Aについて、図3及び図4を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態2に係る蓄冷熱材1Aの概略構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態2に係る包装体100Aの概略構成を示す断面図である。
本実施形態の蓄冷熱材1A及びその使用方法並びに包装体100Aは、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と、蓄冷熱材1Aの収容部30Aの第1収容室31及び第2収容室32の構成のみが異なっている。本実施形態の蓄冷熱材1A及びその使用方法並びに包装体100Aのその他の点は、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態において、蓄冷熱材1Aの収容部30Aは、第1冷熱剤10を収容する第1収容室31と、前記第2冷熱剤20を収容する第2収容室32とを有し、第1収容室31と第2収容室32とは、隔壁33を介して積層されている。これにより、蓄冷熱材1Aは、収容部30Aの外表面の一部、より具体的には、下面と側面の下部が、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32の外壁面32aになっている。第1収容室31と第2収容室32は、収容部30Aの成形時に一体に成形してもよいし、個別に成形して一体に組み合わせてもよい。
このように第1収容室31と第2収容室32とを隔壁33を介して積層させることで、第1収容室31内の第1冷熱剤10と第2収容室32内の第2冷熱剤20とを、収容部30Aの隔壁33を介して十分な面積で隣接させ、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20との伝熱面積を十分に確保することが可能になる。そのため、第1冷熱剤10による第2冷熱剤20の保温又は保冷が容易になり、第2冷熱剤20の温度をより安定させ、第2冷熱剤20に隣接する包装体100A内部の温度管理室101内の温度をより安定させることができる。
なお、本実施形態では、第1収容室31と第2収容室32とが、一層ずつ積層されている構成について説明したが、第1収容室31と第2収容室32とをそれぞれ複数層ずつ積層することも可能である。この場合、複数の第1収容室31に収容される第1冷熱剤10の融点又は凝固点は、同一であってもよく異なっていてもよい。同様に、複数の第2収容室32に収容される第2冷熱剤20の融点又は凝固点は、同一であってもよく異なっていてもよい。
[実施形態3]
次に、本発明の実施形態3に係る蓄冷熱材1B及びその使用方法並びに包装体100Bについて、図5及び図6を参照して説明する。図5は、本発明の実施形態3に係る蓄冷熱材1Bの概略構成を示す斜視図である。図6は、本発明の実施形態3に係る包装体100Bの概略構成を示す断面図である。
本実施形態の蓄冷熱材1B及びその使用方法並びに包装体100Bは、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と、蓄冷熱材1Bの収容部30Bの第1収容室31及び第2収容室32の構成のみが異なっている。本実施形態の蓄冷熱材1B及びその使用方法並びに包装体100Bのその他の点は、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の蓄冷熱材1Bにおいて、収容部30Bは、前述の実施形態2の蓄冷熱材1Aと同様に、第1冷熱剤10を収容する第1収容室31と、第2冷熱剤20を収容する第2収容室32とを有し、第1収容室31と第2収容室32とは、隔壁33を介して積層されている。これにより、蓄冷熱材1Bは、収容部30Bの外表面の一部、より具体的には上面、下面、側面の上部、及び側面の下部が、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32の外壁面32aになっている。
さらに本実施形態の蓄冷熱材1Bにおいて、第1収容室31は、隔壁33を介して第2収容室32の間に配置されている。より具体的には、2層の第2収容室32の間に1層の第1収容室31が隔壁33を介して配置されている。第1収容室31と第2収容室32は、収容部30Bの成形時に一体に成形してもよいし、個別に成形して一体に組み合わせてもよい。
このように第1収容室31と前記第2収容室32とを隔壁33を介して積層させ、隔壁33を介して第1収容室31を第2収容室32の間に配置することで、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20との伝熱面積を十分に確保することが可能になる。これにより、第2冷熱剤20の温度をより安定させ、第2冷熱剤20に隣接する包装体100内部の温度管理室101内の温度をより安定させることができる。また、第2冷熱剤20を蓄冷熱材1Bの表裏に配置することで、固相の冷熱剤と比較して比熱が大きくより温度が安定した第2冷熱剤20を、包装体100内部の温度管理室101に容易かつ確実に隣接させることができる。
なお、本実施形態では、二層の第2収容室32の間に一層の第1収容室31が配置される構成について説明したが、蓄冷熱材1Bは、この構成に限定されない。例えば、複数の第1収容室31と複数の第2収容室32を交互に配置してもよいし、二層の第2収容室32の間に複数の第1収容室31を配置してもよいし、複数の第2収容室32と複数の第2収容室32との間に単数又は複数の第1収容室31を配置してもよい。
[実施形態4]
最後に、本発明の実施形態4に係る蓄冷熱材1Cについて、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の実施形態4に係る蓄冷熱材1Cの概略構成を示す斜視図である。図8は、図7に示す蓄冷熱材1Cを包装体100Cに収容した状態を示す断面図である。
本実施形態の蓄冷熱材1C及びその使用方法並びに包装体100Cは、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と、蓄冷熱材1Cの収容部30Cの第1収容室31及び第2収容室32の構成のみが異なっている。本実施形態の蓄冷熱材1C及びその使用方法並びに包装体100Cのその他の点は、前述の実施形態1で説明した蓄冷熱材1及びその使用方法並びに包装体100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の蓄冷熱材1Cにおいて、第1収容室31及び第2収容室32は、それぞれ複数の櫛歯部31A,32Aを有する櫛型形状を有し、互いの櫛歯部31A,32Aが噛合して交互に配置されている。これにより、蓄冷熱材1Cは、収容部30Cの外表面の一部、より具体的には櫛歯部32Aの外表面が、第2冷熱剤20が収容された第2収容室32の外壁面32aになっている。
第1収容室31の櫛歯部31Aと第2収容室32の櫛歯部32Aとの間には間隙gが形成されている。第1収容室31の櫛歯部31Aと第2収容室32の櫛歯部32Aとは、収容部30Cの連結部材33Aによって互いに連結されている。第1収容室31と第2収容室32は、収容部30Cの成形時に一体に成形してもよいし、個別に成形して一体に組み合わせてもよい。
また、本実施形態の蓄冷熱材1Cは、収容部30Cの表面に複数の溝状の凹部30aを有している。凹部30aは、例えば、櫛歯部31A,32Aの延在方向及び複数の櫛歯部31A,32Aを連結する基部の延在方向に沿って形成することができる。なお、凹部30aの形状は溝状に限定されず、例えば、円形、矩形、その他の多角形の形状であってもよい。
このように、第1収容室31の櫛歯部31Aと第2収容室32の櫛歯部32Aとを噛合させて交互に配置することで、第1冷熱剤10と第2冷熱剤20との伝熱面積を十分に確保することが可能になる。これにより、第2冷熱剤20の温度をより安定させ、第2冷熱剤20に隣接する包装体100C内部の温度管理室101内の温度をより安定させることができる。また、第2冷熱剤20を蓄冷熱材1Cの表裏に配置することができ、固相の冷熱剤と比較して比熱が大きくより温度が安定した第2冷熱剤20を包装体100C内部の温度管理室101に容易かつ確実に隣接させることができる。
さらに、第1収容室31の櫛歯部31Aと第2収容室32の櫛歯部32Aとの間に間隙gを形成することで、間隙gの空気が断熱層として機能し、第2冷熱剤20から第1冷熱剤10への熱の移動を抑制し、第1冷熱剤10の温度上昇を抑制することができる。したがって、第1収容室31の櫛歯部31Aと第2収容室32の櫛歯部32Aとの間に間隙gを有しない場合と比較して、蓄冷熱材1Cの持続時間を長くすることができる。
また、本実施形態の蓄冷熱材1Cは、収容部30の表面に複数の凹部30aを有することで、収容部30の隔壁33の強度を向上させることができる。さらに、収容部30の表面積を増大させ、包装体100C内部の温度管理室101内の空気との熱交換をより促進することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、包装体は、上述の実施形態で説明した断熱容器に限定されず、容器、箱、コンテナ、袋等を含み、好ましくは断熱性を有する収容体である。また、「一体的に連結された複数の収容室」には、使用時に分離して使用するものは含まない。使用時とは、準備工程を含み、包装体の内部(温度管理室)を所定の温度に保つため、蓄冷熱材が包装体に収納されることをいう。
また、包装体内部の温度管理室は、包装体内部に実際に仕切られて閉じられた領域だけでなく、包装体内部の領域全体をいう場合もある。すなわち、温度管理室は、所定温度に管理される領域であればよく、食品等の温度管理対象物品が収納される領域である。また、「温度管理室に対向する」とは、温度管理室に隣接する状態をいい、温度管理室との間に仕切り材等を有していてもよい。
また、蓄冷熱材は、包装体内部の温度管理室の仕切り材として用いることもできる。包装体内部の温度管理室は、蓄冷熱剤によって第1の温度管理室と第2の温度管理室に分けることができる。この場合、図4に示されるように、蓄冷熱材の厚さ方向の一方の表面が第1冷熱剤を収容する収容室の隔壁の表面であり、蓄冷熱材の厚さ方向の他方の表面が第2冷熱剤を収容する収容室の隔壁の表面であってもよい。これにより、第1冷熱剤を収容する収容室に対向する第1の温度管理室の管理温度と、第2冷熱剤を収容する収容室に対向する第2の温度管理室の管理温度とを異ならせることができる。
また、図6に示されるように、蓄冷熱材が厚さ方向に積層された複数の収容室を有する構成において、蓄冷熱材の厚さ方向の一方の面と他方の面は、第2冷熱剤を収容する収容室の隔壁によって構成されている。この場合、これら第2冷熱剤を収容する蓄冷熱材の表裏の収容室の間の中間層に、複数層の収容室を有してもよい。さらにこの場合、各収容室に収容される第1冷熱剤又は第2冷熱剤の配置を変更したり、融点又は凝固点を変更したりすることで、包装体内部の管理温度を異ならせることができる。
また、図6に示されるように、蓄冷熱材が厚さ方向に積層された複数の収容室を有する構成において、蓄冷熱材の厚さ方向の一方の面が第1冷熱剤を収容する収容室の隔壁によって構成され、蓄冷熱材の厚さ方向の他方の面が第2冷熱剤を収容する収容室の隔壁によって構成されていてもよい。
さらに、蓄冷熱材の厚さ方向の一方の面と他方の面を構成する一対の収容室の間の中間層を構成する複数層の収容室は、それぞれ融点又は凝固点の異なる冷熱剤を収容することができる。この場合、中間層のある収容室に収容された冷熱剤は、他の収容室に収容された冷熱剤との間の融点又は凝固点の大小関係によって、第1冷熱剤としても機能し得るし、第2冷熱剤としても機能し得る。
[実施例]
以下、本発明の蓄冷熱材及びその使用方法並びに包装体の実施例1と、本発明に含まれない比較例1及び比較例2の蓄冷熱材及びその使用方法並びに包装体について説明する。
(実施例1)
図9は、実施例1に係る蓄冷熱材1A、包装体100Aの概略構成を示す断面図である。まず、実施例1の蓄冷熱材及び包装体として、前述の実施形態2で説明した蓄冷熱材1A及び包装体100Aを用意した。実施例1の包装体100Aは、外形寸法が300mm×200mm×250mmの直方体であり、周側壁112、底壁113、及び蓋120の厚さは、それぞれ25mmであった。
まず、融点が0℃になるように調製した1000gの第1冷熱剤10と、融点が−8℃になるように調製した第2冷熱剤20とを、蓄冷熱材1Aの収容部30Aの第1収容室31と第2収容室32に収容して蓄冷熱材1Aを作製した。次に、準備工程を実施して、蓄冷熱材1Aの温度を−5℃に冷却して、第1冷熱剤10が固相であり、第2冷熱剤20が液相である状態にした。
次に、包装体100Aの内容物として、上部収容室C1と下部収容室C2とを有する二層の板状の容器Cを用意し、上部収容室C1と下部収容室C2にそれぞれ初期温度が5℃の水を800gずつ収容した。次に、収納工程を実施して、包装体100A内部の温度管理室101の上部に蓄冷熱材1Aを収納するとともに、水を収容した容器Cを温度管理室101に収納した。このとき、容器Cの上部収容室C1と下部収容室C2、及び蓄冷熱材1Aの第1収容室31と第2収容室32に温度計を設置して、容器Cに収容された水の温度と、蓄冷熱材1Aの第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20の温度を24時間に亘って計測した。
図10は、容器C内の水と蓄冷熱材1Aの第1冷熱剤10及び第2冷熱剤20の温度変化を示すグラフである。図10において、実線は、容器Cの下部収容室C2に収容された水の温度変化を示し、破線は、容器Cの上部収容室C1に収容された水の温度変化を示し、一点鎖線は、第1冷熱剤10の温度変化を示し、二点鎖線は、第2冷熱剤20の温度変化を示している。
本実施例の蓄冷熱材1A及びその使用方法並びに包装体100Aでは、測定開始から24時間経過後の下部収容室C2に収容された水の温度上昇を5℃未満に抑制することができた。また、測定開始から2時間を経過するまでの上部収容室C1に収容された水の温度低下を概ね2℃以下に抑制することができた。
これにより、測定開始から約24時間に亘って、包装体100A内部の温度管理室101に収納された水の温度を0℃以上かつ10℃以下の管理温度の範囲に維持することができた。さらに、測定開始から約10時間に亘って、温度管理室101に収納された水の温度を2℃以上かつ8℃以下のより好ましい管理温度の範囲に維持することができた。
(比較例1)
図11は、比較例1に係る蓄冷熱材1X、包装体100Xの概略構成を示す断面図である。比較例1の包装体100Xは、内部に収納される蓄冷熱材1Xの構成以外は、実施例1の包装体100Aと同一の構成を有している。比較例1の蓄冷熱材1Xは、第1冷熱剤10Xを収容する収容部30X1と、第2冷熱剤20Xを収容する収容部30X2とが分離されている点で、実施例1の蓄冷熱材1Aと異なっている。
また、比較例1の蓄冷熱材1Xは、第1冷熱剤10Xの融点が0℃であり、実施例1の蓄冷熱材1Aの第1冷熱剤10の融点と等しいが、第2冷熱剤20Xの融点が3℃であり、蓄冷熱材1Aの第2冷熱剤20の融点である−8℃よりも11℃高くなっている。さらに、比較例1の蓄冷熱材1Xでは、第1冷熱剤10Xを1000gとし、第2冷熱剤20Xを500gとした。
そして、第1冷熱剤10Xを収容した収容部30X1を初期温度が−5℃になるように冷却して、第1冷熱剤10Xを凝固させて固相に相転移させた。また、第1冷熱剤10Xを収容した収容部30X1とは別に、第2冷熱剤20Xを収容した収容部30X2を初期温度が5℃になるように冷却して、第2冷熱剤20Xが液相を維持するようにした。
次に、実施例1と同様に水を収容した容器Cを包装体100Xの温度管理室101に収納するとともに、第2冷熱剤20Xを収容した収容部30X2を温度管理室101に対向するように包装体100Xの内側に配置し、その外側に第1冷熱剤10Xを収容した収容部30X1を配置し、実施例1と同様に、容器Cに収容された水の温度と、蓄冷熱材1Xの第1冷熱剤10X及び第2冷熱剤20Xの温度を24時間に亘って計測した。
図12は、容器C内の水と蓄冷熱材1Xの第1冷熱剤10X及び第2冷熱剤20Xの温度変化を示すグラフである。図12において、実線は、容器Cの下部収容室C2に収容された水の温度変化を示し、破線は、容器Cの上部収容室C1に収容された水の温度変化を示し、一点鎖線は、第1冷熱剤10Xの温度変化を示し、二点鎖線は、第2冷熱剤20Xの温度変化を示している。
本比較例の蓄冷熱材1X及びその使用方法並びに包装体100Xでは、測定開始から24時間経過後の下部収容室C2に収容された水の温度上昇が7℃以上になり、実施例1よりも概ね2℃以上、水の温度が上昇した。また、第2冷熱剤20Xは、第1冷熱剤10Xによって冷却され、測定開始から概ね2時間経過後に融点を下回って液相から固相に相転移した。また、第2冷熱剤20Xは、測定開始から概ね8時間を経過するまで温度が低下し続け、その後温度が上昇に転じ、概ね13時間経過後に再び融点に達し、概ね18時間経過後に全体が液相に相転移した。
その結果、包装体100Xの温度管理室101内の水の温度を0°以上かつ10℃以下の管理温度の範囲に維持することができた時間は17時間程度、より好ましい2℃以上8℃以下の管理温度の範囲に維持することができた時間は2時間程度となった。すなわち、実施例1の蓄冷熱材1Aと比較して蓄冷熱材1Xの持続時間が大幅に短くなった。
(比較例2)
図13は、比較例2に係る蓄冷熱材1Y、包装体100Yの概略構成を示す断面図である。比較例2の包装体100Yは、内部に収納される蓄冷熱材1Yの構成以外は、実施例1の包装体100Aと同一の構成を有している。比較例2の蓄冷熱材1Yは、一種類の第1冷熱剤10Yのみを収容する収容部30Yを有する点で、実施例1の蓄冷熱材1Aと異なっている。
また、比較例2の蓄冷熱材1Yは、第1冷熱剤10Yの融点が0℃であり、実施例1の蓄冷熱材1Aの第1冷熱剤10の融点と等しく、実施例1の第1冷熱剤10と同様に、第1冷熱剤10Yを1000gとした。そして、蓄冷熱材1Yを初期温度が−5℃になるように冷却し、実施例1と同様に水を収容した容器Cとともに、包装体100Yの温度管理室101に収納した。そして、実施例1と同様に、容器Cに収容された水の温度と、蓄冷熱材1Yの第1冷熱剤10Yの温度を24時間に亘って計測した。
図14は、容器C内の水と蓄冷熱材1Yの第1冷熱剤10Yの温度変化を示すグラフである。図14において、実線は、容器Cの上部収容室C1に収容された水の温度変化を示し、破線は、容器Cの下部収容室C2に収容された水の温度変化を示し、一点鎖線は、第1冷熱剤10Yの温度変化を示している。
本比較例の蓄冷熱材1Y及びその使用方法並びに包装体100Yでは、測定開始から24時間経過後の下部収容室C2に収容された水の温度上昇が概ね5.5℃になり、実施例1よりも0.5℃程度、水の温度が上昇した。また、測定開始から2時間を経過するまで上部収容室C1に収容された水の温度が約3.5℃低下して概ね1.5℃になり、実施例1よりも1.5℃程度、水の温度が低下した。
その結果、包装体100Yの温度管理室101内の水の温度を0°以上かつ10℃以下の管理温度の範囲に維持することができた時間は、23時間程度、より好ましい2℃以上8℃以下の管理温度の範囲に維持することができた時間は9時間程度となった。すなわち、実施例1の蓄冷熱材1Aと比較して蓄冷熱材1Xの持続時間が短くなった。また、測定開始から2時間を経過するまで上部収容室C1に収容された水の温度が急激に低下して好ましい温度範囲の下限である2℃を下回った。
以上の結果から、実施例1の蓄冷熱材1A及びその使用方法並びに包装体100Aによれば、比較例1及び2の蓄冷熱材1X,1Y及びその使用方法並びに包装体100X,100Yと比較して、包装体100A内部の温度を安定させ、蓄冷熱材1Aの持続時間を長くすることができ、蓄冷熱材1Aの温度管理を簡便にすることができた。
1 蓄冷熱材、1A 蓄冷熱材、1B 蓄冷熱材、1C 蓄冷熱材、10 第1冷熱剤、20 第2冷熱剤、30 収容部、30A 収容部、30B 収容部、30C 収容部、31 第1収容室、32 第2収容室、32a 外壁面、100 包装体、100A 包装体、100B 包装体、100C 包装体、101 温度管理室

Claims (8)

  1. 包装体内部を保冷又は保温する蓄冷熱材の使用方法であって、
    相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、前記第1冷熱剤の融点又は凝固点が前記第2冷熱剤の融点又は凝固点よりも10℃以上高く、前記収容部が長方形板状の樹脂成形体であり、前記複数の収容室が分離不能に一体的に連結された蓄冷熱材を用い、
    前記蓄冷熱材を前記第1冷熱剤の凝固点以下かつ前記第2冷熱剤の凝固点以上の温度にする準備工程と、前記準備工程を経た前記蓄冷熱材を前記包装体内部に収納する収納工程と、を有することを特徴とする蓄冷熱材の使用方法。
  2. 前記収納工程において、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室が前記包装体内部の温度管理室に対向するように前記蓄冷熱材を前記包装体内部に配置することを特徴とする請求項1に記載の蓄冷熱材の使用方法。
  3. 蓄冷熱材が収納されて内部が保温又は保冷される包装体であって、
    前記蓄冷熱材は、相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、
    前記第1冷熱剤の融点又は凝固点が前記第2冷熱剤の融点又は凝固点よりも10℃以上高く、
    前記収容部は、長方形板状の樹脂成形体であり、
    前記複数の収容室は、分離不能に一体的に連結されていることを特徴とする包装体。
  4. 前記蓄冷熱材は、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室が前記包装体内部の温度管理室に対向して配置されることを特徴とする請求項3に記載の包装体。
  5. 包装体内部を保冷又は保温する蓄冷熱材であって、
    相対的に融点又は凝固点の高い第1冷熱剤と、相対的に融点又は凝固点の低い第2冷熱剤と、前記第1冷熱剤と前記第2冷熱剤とを各々隔離して収容する複数の収容室を有する収容部と、を備え、
    前記第1冷熱剤の融点又は凝固点が前記第2冷熱剤の融点又は凝固点よりも10℃以上高く、
    前記収容部は、長方形板状の樹脂成形体であり、前記複数の収容室は、分離不能に一体的に連結され、
    前記収容部の外表面の一部又は全体は、前記第2冷熱剤が収容された前記収容室の外壁面であることを特徴とする蓄冷熱材。
  6. 前記第1冷熱剤の質量W1と前記第2冷熱剤の質量W2との比W1/W2は、0.25以上4.0以下であることを特徴とする請求項5に記載の蓄冷熱材。
  7. 前記第1冷熱材を収容する前記収容部の第1収容室は、前記第2冷熱材を収容する前記収容部の第2収容室によって包囲されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の蓄冷熱材。
  8. 前記第1冷熱材を収容する前記収容部の第1収容室と、前記第2冷熱材を収容する前記収容部の第2収容室とが積層され、
    2層の前記第2収容室の間に1層の前記第1収容室が配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の蓄冷熱材。
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