JP6653136B2 - 脱臭フィルター - Google Patents
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Description
また、例えば、特許文献2には、基材(例えば、FRP)の表面に熱可塑性樹脂(例えば、アクリル樹脂)からなるバインダを被覆した後、バインダ表面に酸化チタンの粉末を溶射して作製した光触媒被覆材を用いて、例えば、アセトアルデヒドが混入した空気の脱臭を行うことが記載されている。
また、孔の内面に存在する光触媒粒子を活性化させるためには孔内に光を導入する必要があり、多孔性ゲルは光透過性でなければならないという制約が生じる。このため、多孔性ゲルに吸着され難い悪臭物質や有害物質の分解除去は困難になるという問題がある。
前記臭気処理手段の非通光側に、前記臭気処理手段内に流入するガスに含まれる臭気成分の含有量増加に伴って該ガス中からの臭気成分の吸着量を増加させ、ガスに含まれる臭気成分の含有量減少に伴って該ガス中への吸着臭気成分の放出量を増加させる塊状の緩衝吸着材が配置され、該緩衝吸着材は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせからなる。
前記目的に沿う第2の発明に係る脱臭フィルターは、通気性及び通光性を有する多数の小開口が形成された網状板を、上流側及び下流側に有する平板状通気性容器と、該平板状通気性容器内に収納され、前記小開口のサイズより粒径が大きく、表面には太陽光で活性化する光触媒が担持された臭気成分吸着性を有する粒状多孔質体とを備えた臭気処理手段を有し、上流側から前記平板状通気性容器内に流れ込むガス中の臭気成分を、前記粒状多孔質体で吸着すると共に、上流側から太陽光を照射して前記臭気処理手段の上流側表面層に存在する前記粒状多孔質体の活性化した前記光触媒で臭気成分を分解し、
前記臭気処理手段の非通光側に、前記臭気処理手段から流出するガスに含まれる臭気成分を一時吸着して、該臭気処理手段内に流入するガスに含まれる臭気成分及び臭気成分の分解過程で生成した中間生成物のいずれか一方又は双方を吸着する後処理吸着材が配置され、該後処理吸着材は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせからなる。
更に、臭気処理手段の下流側表面に光が照射される状況下でガス中に含まれる臭気成分の含有量が低下すると、臭気処理手段の下流側表面層では臭気成分が分解除去されることにより臭気成分濃度が低下するので、上流側領域と下流側表面層の間に臭気成分濃度の勾配が発生し、上流側領域の粒状多孔質体に吸着された臭気成分は下流側表面層に向けて移動し下流側表面層の粒状多孔質体に吸着されて分解除去される。このため、臭気処理手段内においても臭気成分の吸着性が再生される。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る脱臭フィルター10は、通気性及び通光性を有する多数の小開口11が形成された対となる網状板12、13をそれぞれガスの流れ方向における上流側及び下流側に有する平板状通気性容器14と、平板状通気性容器14内に収納され、小開口11のサイズより粒径が大きく、表面には太陽光(可視光線及び紫外線の双方の光の一例、可視光線及び紫外線のいずれか一方の光を使用してもよい)で活性化する光触媒15が担持された臭気成分吸着性を有する粒状多孔質体16とを備えた臭気処理手段17を有している。
そして、脱臭フィルター10では、上流側から平板状通気性容器14内に流れ込むガス中の臭気成分を粒状多孔質体16で吸着すると共に、平板状通気性容器14の下流側に配置された網状板13の小開口11を通過した太陽光で光触媒15が活性化した粒状多孔質体16(即ち、臭気処理手段17の下流側表面層に存在する粒状多孔質体16)では、吸着した臭気成分を分解し除去している。以下、詳細に説明する。
ここで、粒状多孔質体16のサイズが一定範囲内になるように調整する(そろえる)ことで、粒状多孔質体16を平板状通気性容器14内に収納(充填)した際、粒状多孔質体16同士の間に隙間を効率的に形成することができる。
網状板12、13と平板状通気性容器14の側部材18(網状板12、13の外周部同士を連結して、網状板12、13を対向配置状態に保つ部材)は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができる。ここで、側部材18は、粒状多孔質体16の粒径より小さく開口を有する網状板や孔開き平板、又は平板状のいずれか1で構成することができる。また、網状板12、13、側部材18の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、臭気成分が腐食性を有していても、平板状通気性容器14(網状板12、13、側部材18)の損傷を防止できる。
ここで、臭気処理手段17の下流側表面を太陽光で照射する場合、臭気処理手段17の下流側表面が太陽に対向するように臭気処理手段17を傾斜させる、例えば、下流側表面の長手方向を東西方向に向け、下流側表面の法線を設置場所に立てた垂線に対して南側に傾斜(傾斜角度は10°以上50°以下の範囲)させることが好ましい。このため、図2に示すように、平板状通気性容器14内に縦横に仕切り壁19を設けて、平板状通気性容器14内を平面視して複数の区画に分割することが好ましい。平板状通気性容器14内を仕切り壁19により分割することにより、平板状通気性容器14を傾けても収納された粒状多孔質体16が下方側に移動することを防止し、平板状通気性容器14内に粒状多孔質体16を一様に収納することができ、臭気処理手段17の厚みを一定に保つことができる。
緩衝吸着材20は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成することができ、緩衝吸着材20のサイズは、粒状多孔質体16のサイズより大きく、例えば、直径が2〜6mm、長さが3〜15mmの円柱状、外径が3〜5mmの球状である。緩衝吸着材20のサイズを粒状多孔質体16のサイズより大きくすることにより、粒状多孔質体16の間に形成されるガス通過路の断面積より緩衝吸着材20の間に形成されるガス通過路の断面積を大きくすることができる。これにより、臭気処理手段17の上流側に緩衝吸着材20を配置しても、臭気処理手段17におけるガスの通気性に影響を及ぼさない(臭気処理手段17におけるガスの通気性を、臭気処理手段17(粒状多孔質体16の間)に形成されるガス通過路の中を移動するガスの流速に律速される)ようにすることができる。
また、網状ケース21は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができ、網状ケース21の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、臭気成分が腐食性を有していても、網状ケース21の損傷を防止できる。
図1に示すように、臭気処理手段17において、ガスの流れ方向の上流側の外側に緩衝吸着材20を配置し、ガスの流れ方向の下流側表面に太陽光を照射した場合、ガスが緩衝吸着材20を透過する際に、ガスに含まれる臭気成分含有量が多い場合は、臭気成分の一部が緩衝吸着材20に吸着し(ガスに含まれる臭気成分の緩衝吸着材20に対する吸着量が、緩衝吸着材20に吸着されている臭気成分が緩衝吸着材20から離脱してガスに混入する離脱量(放出量)より多くなって)、ガスに含まれる臭気成分含有量が少ない場合は、緩衝吸着材20に吸着されている臭気成分の一部が緩衝吸着材20から離脱してガス中に混入する(緩衝吸着材20に吸着されている臭気成分が緩衝吸着材20から離脱してガス中に混入する離脱量(放出量)が、ガスに含まれる臭気成分の緩衝吸着材20に対する吸着量より多くなる)ので、緩衝吸着材20を通過した(従って、臭気処理手段17に流入する)ガス中に含まれる臭気成分含有量の変動が抑制される。
更に、緩衝吸着材20では、ガス中に含まれる臭気成分含有量が低下すると、緩衝吸着材20に吸着している臭気成分の一部が離脱してガス中に混入するので、緩衝吸着材20の再生処理が自動的に行われることになって、臭気成分の吸着を継続的に行うことができる。
そして、ガス中に含まれる臭気成分含有量が低下したり、臭気成分を含むガスの流入量が低下すると、臭気処理手段17の下流側表面層では臭気成分が分解除去されることにより臭気成分濃度が低下するので、上流側領域と下流側表面層の間に臭気成分濃度の勾配が発生し、上流側領域の粒状多孔質体16に吸着された臭気成分は下流側表面層に向けて移動し下流側表面層の粒状多孔質体16に吸着されて分解除去される。このため、臭気処理手段17内においても臭気成分の吸着性が再生される
また、網状ケース24は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができ、網状ケース24の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、臭気成分が腐食性を有していても、網状ケース24の損傷を防止できる。
また、臭気成分が硫黄化合物である場合は、吸着剤として活性炭を使用した臭気吸着材を用いることが効果的である。
図3に示すように、臭気処理手段17内にガスが流入すると、ガスに含まれる臭気成分は粒状多孔質体16に吸着される。ここで、臭気処理手段17の上流側表面は太陽光に照射されているので、上流側表面層に存在する粒状多孔質体16に担持された光触媒15は活性状態が維持され、上流側表面層に存在する粒状多孔質体16に吸着された臭気成分は直ちに分解除去されるため再生処理が自動的に行われる。その結果、臭気処理手段17の上流側表面層に存在する粒状多孔質体16により、ガス中の臭気成分を継続して分解除去することができる。
また、臭気処理手段17の下流側表面の外側には後処理吸着材23が配置されているので、臭気処理手段17を通過したガス中に臭気成分(臭気成分の分解過程で生じた中間生成物を含む)が残留していても、ガスの発生量が急増して臭気処理手段17により臭気成分の低減を十分に行うことができなくても、臭気処理手段17を通過したガス中に残留する臭気成分を後処理吸着材23で吸着することができる。これにより、臭気処理手段17から流出するガス中に含まれる臭気成分、中間生成物の残留量を目標値以下にすることができる。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
Claims (6)
- 通気性及び通光性を有する多数の小開口が形成された網状板を、上流側及び下流側に有する平板状通気性容器と、該平板状通気性容器内に収納され、前記小開口のサイズより粒径が大きく、表面には太陽光で活性化する光触媒が担持された臭気成分吸着性を有する粒状多孔質体とを備えた臭気処理手段を有し、上流側から前記平板状通気性容器内に流れ込むガス中の臭気成分を、前記粒状多孔質体で吸着すると共に、下流側から太陽光を照射して前記臭気処理手段の下流側表面層に存在する前記粒状多孔質体の活性化した前記光触媒で臭気成分を分解し、
前記臭気処理手段の非通光側に、前記臭気処理手段内に流入するガスに含まれる臭気成分の含有量増加に伴って該ガス中からの臭気成分の吸着量を増加させ、ガスに含まれる臭気成分の含有量減少に伴って該ガス中への吸着臭気成分の放出量を増加させる塊状の緩衝吸着材が配置され、該緩衝吸着材は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせからなることを特徴とする脱臭フィルター。 - 請求項1記載の脱臭フィルターにおいて、前記緩衝吸着材のサイズは、前記粒状多孔質体のサイズより大きいことを特徴とする脱臭フィルター。
- 通気性及び通光性を有する多数の小開口が形成された網状板を、上流側及び下流側に有する平板状通気性容器と、該平板状通気性容器内に収納され、前記小開口のサイズより粒径が大きく、表面には太陽光で活性化する光触媒が担持された臭気成分吸着性を有する粒状多孔質体とを備えた臭気処理手段を有し、上流側から前記平板状通気性容器内に流れ込むガス中の臭気成分を、前記粒状多孔質体で吸着すると共に、上流側から太陽光を照射して前記臭気処理手段の上流側表面層に存在する前記粒状多孔質体の活性化した前記光触媒で臭気成分を分解し、
前記臭気処理手段の非通光側に、前記臭気処理手段から流出するガスに含まれる臭気成分を一時吸着して、該臭気処理手段内に流入するガスに含まれる臭気成分及び臭気成分の分解過程で生成した中間生成物のいずれか一方又は双方を吸着する後処理吸着材が配置され、該後処理吸着材は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせからなることを特徴とする脱臭フィルター。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱臭フィルターにおいて、前記粒状多孔質体は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成されることを特徴とする脱臭フィルター。
- 請請求1〜4のいずれか1項に記載の脱臭フィルターにおいて、少なくとも前記光が通過する側の前記網状板に形成された前記小開口のサイズが1〜8mmであって、通光率が50〜90%の範囲にあることを特徴とする脱臭フィルター。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱臭フィルターにおいて、前記平板状通気性容器内は、平面視して複数の区画に分割されていることを特徴とする脱臭フィルター。
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