JP6651735B2 - クラミジア・トラコマチスを検出するためのオリゴヌクレオチドプライマーおよび当該プライマーを用いたクラミジア・トラコマチスの検出方法 - Google Patents

クラミジア・トラコマチスを検出するためのオリゴヌクレオチドプライマーおよび当該プライマーを用いたクラミジア・トラコマチスの検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料中に含まれるクラミジア・トラコマチスを迅速、高感度かつ特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー、および当該プライマーを用いたクラミジア・トラコマチスの検出方法に関する。
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)はクラミジア科に属するグラム陰性の偏性細胞内寄生性の真正細菌であり、性器クラミジア感染症の原因微生物である。性器クラミジア感染症は、主に性行為で感染し、男性では尿道炎や精巣上体炎を、女性では子宮頚管炎や骨盤内炎症性疾患を発症するが、特別な症状が見られない場合(無症候性感染)も多い。クラミジア・トラコマチスは感染症法に基づいて、定点医療機関により感染者数が報告されているが、2014年11月時点でその感染者数は性感染症の中でも最も多い(非特許文献1)。
近年、性行動の多様化を反映して、咽頭や直腸感染など、性器外の感染例も増加している。性器の淋菌またはクラミジアの陽性者や性産業従業女性を対象に、咽頭の淋菌およびクラミジア検査を行なった結果、前記陽性患者の多くは、咽頭発赤や扁桃腫脹など他覚的所見が見られない無症候性感染者であった(非特許文献2)。そのため、前記患者が無自覚のうちに他者への感染源となる可能性が考えられる。さらに無症候性感染者のうち、女性の場合、そのまま放置すると、子宮外妊娠、不妊症、分娩時の産道感染による新生児結膜炎など、重篤な合併症が生じる可能性がある。したがって、クラミジア・トラコマチスへの感染が判明した場合、確実に治療することが必要であり、感染が疑われる患者や妊婦に対し、クラミジア・トラコマチスの検査を実施することは非常に重要である。
臨床的に用いられているクラミジア・トラコマチスの検出法として、クラミジア・トラコマチス抗原に対する抗体を用いて検出する方法や、クラミジア・トラコマチス特有の塩基配列を増幅して検出する方法等があげられる。中でも核酸増幅による検出法は、感度、特異性とも極めて高いため、現在主流となりつつある。
しかしながら増幅対象核酸がクラミジア・トラコマチス23S rRNAまたはその遺伝子の場合、他の菌種の23S rRNA(またはその遺伝子)との間で塩基配列の相同性が高いものが多数存在するため、クラミジア・トラコマチス23S rRNAまたはその遺伝子を高感度かつ特異的に検出するプライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブを設計することは極めて困難であった。特に比較的低温の一定温度(例えば、40℃から50℃)条件下でRNAの増幅が可能な増幅方法を利用する場合、増幅対象核酸が高次構造を形成しやすくなるため、当該プライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブの設計はさらに困難であった。
比較的低温の一定温度条件下でクラミジア・トラコマチス23S rRNAの増幅が可能なプライマーセットおよび当該増幅した核酸を検出可能なオリゴヌクレオチドプローブは、特許文献1で開示されている。しかしながら、特許文献1で開示のプライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブを用いて試料を測定したところ、稀に偽陽性が発生するという課題があった。
特開2012−130290号公報
感染症発生動向調査、16(50)、7−8(2014) 日本性感染症学会、性感染症 診断・治療 ガイドライン、37(2011)
本発明の目的は、試料中に存在するクラミジア・トラコマチスを特異的に増幅し、かつ偽陽性が発生しないオリゴヌクレオチドプライマー、および当該プライマーを用いたクラミジア・トラコマチスの検出方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一の態様は、
試料中に含まれるクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
第一のプライマーが、配列番号5に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号16に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、
前記プライマーセットである。
また本発明の第二の態様は、
第一のプライマーが、配列番号25に記載の塩基配列中、少なくとも連続する20塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号18に記載の塩基配列中、少なくとも連続する22塩基からなるオリゴヌクレオチドである、
前記第一の態様に記載のプライマーセットである。
また本発明の第三の態様は、
第一のプライマーが配列番号6から8および10から15のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号17または18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、
前記第二の態様に記載のプライマーセットである。
また本発明の第四の態様は、第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、前記第一から第三の態様のいずれかに記載のプライマーセットである。
さらに本発明の第五の態様は、前記第一から第四の態様のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を、前記核酸の一部とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、クラミジア・トラコマチス23S rRNAを検出する方法である。
また本発明の第六の態様は、インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号19に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、前記第五の態様に記載の方法である。
また本発明の第七の態様は、インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号20から24のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、前記第六の態様に記載の方法である。
さらに本発明の第八の態様は、前記第一から第四の態様のいずれかに記載のプライマーセットと、配列番号19に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブとを含む、クラミジア・トラコマチス23S rRNA検出試薬である。
また本発明の第九の態様は、インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドが配列番号20から24のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、前記第八の態様に記載の試薬である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明中において試料とは、食品、飲料水、環境水、糞便および嘔吐物、鼻腔、咽頭および尿道、子宮頸管等のぬぐい液、うがい液、血液、尿、その他の分泌液、体液、組織洗浄液などがあげられる。
本発明において特定塩基配列とは、クラミジア・トラコマチス23S rRNAのうち、第一のプライマーとの相同領域の5’末端から第二のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列のことをいう。すなわち本発明では前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が増幅されることになる。
本発明におけるストリンジェントな条件の例として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件があげられる。すなわち、前述したストリンジェントな条件下で、前記塩基配列と、十分に特異的かつ高効率にハイブリダイゼーション可能であれば、塩基配列の置換、欠失、付加、修飾があってもよい。プライマーの長さは任意に設定できるが、好ましくは10塩基から50塩基までの範囲である。
本発明は、試料中に含まれるクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーとして、配列番号5に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856739番目から856804番目までの塩基配列の相補配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、試料中に含まれるクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとして、配列番号16に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856965番目から856992番目までの塩基配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いることを特徴としている。
配列番号5に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの一例として、配列番号5に記載の塩基配列の相補配列である配列番号25に記載の塩基配列中、少なくとも連続する20塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号6(GenBank No.HE601794の856740番目から856759番目までの塩基配列)、配列番号7(GenBank No.HE601794の856741番目から856761番目までの塩基配列)、配列番号8(GenBank No.HE601794の856769番目から856791番目までの塩基配列)、配列番号10(GenBank No.HE601794の856781番目から856804番目までの塩基配列)、配列番号11(GenBank No.HE601794の856780番目から856802番目までの塩基配列)、配列番号12(GenBank No.HE601794の856776番目から856800番目までの塩基配列)、配列番号13(GenBank No.HE601794の856765番目から856791番目までの塩基配列)、配列番号14(GenBank No.HE601794の856767番目から856791番目までの塩基配列)および配列番号15(GenBank No.HE601794の856739番目から856761番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
配列番号16に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの一例として、配列番号16に記載の塩基配列の相補配列である配列番号18に記載の塩基配列中、少なくとも連続する22塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号17(GenBank No.HE601794の856965番目から856986番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号18(GenBank No.HE601794の856965番目から856992番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明のプライマーセットは、RT−PCR法等、当業者が通常用いる核酸増幅法を利用した、クラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットとして有用である。なお第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、前記プロモーターに対応したRNAポリメラーゼを用いて、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が合成されるため、これら核酸からNASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription−Mediated Amplification)法、TRC(Transcription−Reverse transcription Concerted reaction)法といった一定温度でRNAを増幅する方法を用いて、RNAを増幅させることができる点で好ましい。プライマーの5’末端側に付加するプロモーターは、RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼ(例えば、分子生物学の分野で汎用される、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼやSP6 RNAポリメラーゼ)に対応したプロモーターを用いればよい。また前記プロモーターに、転写効率に影響を及ぼすことが知られている転写開始領域をさらに付加してもよい。RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼとしてT7 RNAポリメラーゼを用いたときの、プライマーの5’末端側に付加するプロモーター(T7プロモーター)の具体例として、配列番号26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明のプライマーセットを用いて増幅したクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸の検出は、従来から知られた核酸検出方法を利用することができる。具体的には、
(A)電気泳動や液体クロマトグラフィーを用いた方法、
(B)検出可能な標識で標識されたオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーション法、
(C)当該増幅産物の塩基配列の一部とハイブリダイズすることで蛍光特性が変化するように設計された蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブを用いた方法、
などがあげられる。前記(C)の蛍光色素標識プローブの一例として、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した蛍光標識プローブや、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブがあげられる。
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブの一例として、クラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列または当該特定塩基配列の相補配列を含む核酸の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの3’末端側、5’末端側、リン酸ジエステル部または塩基部分に、適当なリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブがある。前記プローブはクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列(または当該特定塩基配列の相補配列)と相補的2本鎖を形成するとインターカレーター性蛍光色素部分が前記相補的2本鎖部分にインターカレートすることで蛍光特性が変化するプローブである。標識するインターカレーター性蛍光色素に特に限定はなく、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、エチジウムブロマイド、ヘミシアニン等の汎用されている蛍光色素、およびこれらの誘導体の中から、蛍光強度や蛍光特性を考慮して、適宜選定すればよい。なお3’末端側に蛍光色素を標識する場合を除き、オリゴヌクレオチドの3’末端側は当該末端側からの核酸伸長反応を防止する意味で、グリコール酸などの適当な修飾がされているとよい。
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドの好ましい例として、配列番号19に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856766番目から856856番目までの塩基配列)またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号20(GenBank No.HE601794の856766番目から856784番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号21(GenBank No.HE601794の856799番目から856816番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号22(GenBank No.HE601794の856838番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号23(GenBank No.HE601794の856840番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)、および配列番号24(GenBank No.HE601794の856842番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明のプライマーセットを用いてクラミジア・トラコマチス23S rRNAを検出するには、例えば以下の(1)から(6)に示す工程により実施すればよい。
(1)配列番号16に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第二のプライマーがクラミジア・トラコマチス23S rRNAにハイブリダイズし、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列に相補的なcDNAを合成し、前記RNAとのRNA−DNA2本鎖を生成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素により、前記RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)該1本鎖DNAに、配列番号5に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第一のプライマーがハイブリダイズし(ここで前記第一または第二のプライマーのいずれか一方はその5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加される)、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列または特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素により前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生産する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)配列番号19またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、前記RNA転写産物量を経時的に測定する工程、
前記(1)の工程で用いるRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、前記(2)の工程で用いるRNase H活性を有する酵素、および前記(3)の工程で用いるDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素は、それぞれ別個あるいは種々の組合せで添加することもできるが、前記活性を併せ持つレトロウイルス由来の逆転写酵素を使用することもできる。該逆転写酵素は特に限定されないが、分子生物学の分野で汎用される、AMV(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素、MMLV(Molony Murine Leukemia Virus)逆転写酵素、RAV(Rous Associated Virus)逆転写酵素、HIV(Human Immunodeficiency Virus)逆転写酵素などが使用できる。
前述した態様において、RNAポリメラーゼのプロモーターを第一のプライマーの5’末端側に付加した場合は、前記(1)の工程を実施する前に、クラミジア・トラコマチス23S rRNAのうち特定塩基配列の5’末端部位があらかじめ切断されていると好ましい。特定塩基配列の5’末端部位で切断されることで、cDNA合成後に、cDNAにハイブリダイズした第一のプライマーのプロモーター配列に相補的なDNA鎖を、前記cDNAの3’末端を伸長することにより効率的に合成することができ、結果としてRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成することができる。前記切断方法の好ましい例として、クラミジア・トラコマチス23S rRNA内の特定塩基配列の5’末端部位(当該特定塩基配列内で5’末端を含む部分配列)に重複して5’方向に隣接する領域に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、切断用オリゴヌクレオチドとする)を添加することによって形成されたRNA−DNAハイブリッドのRNA部分をRNase H活性を有する酵素などにより切断する方法があげられる。なお当該切断用オリゴヌクレオチドの3’末端にある水酸基は、伸長反応を防止するために適当な修飾(例えばアミノ化)がされていると好ましい。
前記切断用オリゴヌクレオチドの好ましい例として、配列番号1に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856730番目から856791番目までの塩基配列)とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号2(GenBank No.HE601794の856730番目から856749番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号3(GenBank No.HE601794の856756番目から856778番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号4(GenBank No.HE601794の856769番目から856791番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。なお、
第一のプライマーとして配列番号6、7、15のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いる場合は、配列番号2に記載の塩基配列からなる切断用オリゴヌクレオチドを、
第一のプライマーとして配列番号8、13、14のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いる場合は、配列番号3に記載の塩基配列からなる切断用オリゴヌクレオチドを、
第一のプライマーとして配列番号10から12のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いる場合は、配列番号4に記載の塩基配列からなる切断用オリゴヌクレオチドを、
それぞれ用いると好ましい。
前述した態様によるクラミジア・トラコマチス23S rRNA検出方法における反応温度は、使用する各酵素の耐熱性や活性、ならびにプライマー/プローブのTm等に依存するが、使用する酵素がAMV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼであり、プライマー/プローブの長さが15から28塩基の範囲である場合は、35から65℃の範囲で反応温度を設定すればよく、40から50℃の範囲で設定するとより好ましい。
前述した態様によるクラミジア・トラコマチス23S rRNA検出方法は、蛍光強度を経時的に測定することから有意な蛍光増加が認められた任意の時間で測定を終了することが可能であり、核酸増幅および測定をあわせて通例20分以内で終了することが可能である。
前述した態様によるクラミジア・トラコマチス23S rRNA検出方法は、前述した第一のプライマー、第二のプライマー、およびインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを含むクラミジア・トラコマチス23S rRNA試薬に試料を添加し、経時的に蛍光検出可能な温調ブロックに載置することで、自動的にクラミジア・トラコマチス23S rRNAを増幅し検出することができる。
本発明のプライマーセットはクラミジア・トラコマチス23S rRNAに特異的な配列(特定塩基配列)およびその相補配列の一部にそれぞれハイブリダイズすることより、クラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列またはその相補配列を特異的に増幅させることができる。
本発明のプライマーセットを用いたクラミジア・トラコマチス23S rRNA検出法は、試料中に含まれるクラミジア・トラコマチスを迅速、高感度に検出でき、かつ偽陽性の発生もなく、特異性が高い。そのため、検査結果を早急に医師に提示することが可能となり、感染拡大防止や、適切な薬剤の投与による耐性菌の発生防止に寄与するものと考えられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1 標準RNA調製
後述の実施例で使用する、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)標準RNA、クラミドフィラ・シッタシ(Chlamydophila psittaci、オウム病の起因菌)標準RNA、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae、クラミジア肺炎の起因菌)標準RNA、および淋菌(Neisseria gonorrhoeae)標準RNAを以下に示す方法でそれぞれ調製した。なお調製した各標準RNAの定量は、260nmにおける吸光度を基に実施した。
(1)クラミジア・トラコマチス標準RNA
クラミジア・トラコマチスUW−3/Cx株(ATCC No.VR−885)の核酸抽出物からクラミジア・トラコマチス23S rRNA遺伝子をクローニングし、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、クラミジア・トラコマチス標準RNAを調製した。
(2)クラミドフィラ・シッタシ標準RNA
クラミドフィラ・シッタシの23S rRNA配列(GenBank No.U68447)に基づき人工的に23S rRNA遺伝子を作成し、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、クラミドフィラ・シッタシ標準RNAを調製した。
(3)クラミドフィラ・ニューモニエ標準RNA
クラミドフィラ・ニューモニエ(TW−183株)の核酸抽出物から23S rRNA遺伝子をクローニングし、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、クラミドフィラ・ニューモニエ標準RNAを調製した。
(4)淋菌標準RNA
淋菌(ATCC No.19424)の核酸抽出物から淋菌16S rRNA遺伝子をクローニングし、インビトロ転写後、転写産物を精製することで、淋菌標準RNAを調製した。
実施例2 インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドの調製
下記(A)から(F)に示す、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ(以下、INAFプローブと記載する)を特開2000−316587号公報で開示の方法に基づき作製した。
(A)配列番号20に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856766番目から856784番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から9番目のグアニンと10番目のアデニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP5。
Figure 0006651735
(B)配列番号21に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856799番目から856816番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から12番目のシトシンと13番目のアデニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP8。
(C)配列番号22に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856838番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から10番目のシトシンと11番目のグアニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP2。
(D)配列番号23に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856840番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から10番目のシトシンと11番目のグアニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP3。
(E)配列番号24に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856842番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から10番目のシトシンと11番目のグアニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP4。
(F)配列番号23に記載の塩基配列(GenBank No.HE601794の856840番目から856856番目までの塩基配列の相補配列)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端から5番目のグアニンと6番目のアデニンとの間に、リンカーを介して式(1)に記載の色素を標識したINAFプローブP6。
実施例3 クラミジア・トラコマチス23S rRNA検出用オリゴヌクレオチドの検討(その1)
表1に示す、第一のプライマー、第二のプライマー、切断用オリゴヌクレオチドおよびINAFプローブの組み合わせ(以下、オリゴヌクレオチドの組み合わせと記載する)を用いて、以下に示す方法で評価した。なお表1に記載のINAFプローブのうち、23(P3)は実施例2(D)で、23(P6)は実施例2(F)で、それぞれ作製したプローブである。またオリゴヌクレオチドの組み合わせA04は、特開2012−130290号公報で開示の組み合わせである。
(1)実施例1で調製した標準RNAのうち、クラミジア・トラコマチス標準RNA(実施例1(1))は、RNA希釈液(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA、5.0mM DTT)を用いて300コピー/2μLになるように、クラミドフィラ・シッタシ標準RNA(実施例1(2))、クラミドフィラ・ニューモニエ標準RNA(実施例1(3))および淋菌標準RNA(実施例1(4))は、前記RNA希釈液を用いて10コピー/2μLになるように、それぞれ希釈し、これらをRNA試料として用いた。
(2)以下の組成からなる反応液を市販の0.5mL容量PCR用チューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、これに前記RNA試料を添加した。なおRNA試料添加後の液量は25μLとなる。
反応液の組成:濃度は酵素液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl緩衝液(pH8.6)
17mM 塩化マグネシウム
100mM 塩化カリウム
1mM DTT
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3.0mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.6mM ITP
0.16μM 切断用オリゴヌクレオチド(3’末端の水酸基をアミノ基で修飾)
0.2から1.0μM 第一のプライマー(各配列番号記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの5’末端側にT7プロモータ(配列番号26)が付加したもの)
0.2μM 第二のプライマー
40nM INAFプローブ(実施例2で調製したもの)
10.9から13.0% DMSO
(3)上記の反応液を46℃で5分間保温後、予め46℃で2分間保温した、以下の組成からなる酵素液5μLを添加した。
酵素液の組成:反応時(30μL中)の最終濃度
2から23% グリセロール
300mM トレハロース
33.3mM 塩化カリウム
5.1から6.4U AMV逆転写酵素
71から142U T7 RNAポリメラーゼ
0.025mg/mL 牛血清アルブミン
(4)引き続きPCR用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長450nm−蛍光波長495nm)を経時的に20分間測定した。
酵素液を加えた時点を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.5を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした結果を表1および2に示す。なお表1の「TE」はRNA試料の代わりにTE(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA)を添加したときの結果である。また表1および2の「N.D.」は反応開始後20分後の蛍光強度比が1.5未満(陰性判定)であったことを意味する。
クラミジア・トラコマチス23S rRNAの検出性能(表1)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A01からA21)いずれもが300コピー/testのクラミジア・トラコマチス23S rRNAを15分以内に検出した。特に、オリゴヌクレオチドの組み合わせA01、A03からA07、A12からA19、およびA21は300コピー/testのクラミジア・トラコマチス23S rRNAを10分以内に検出しており、クラミジア・トラコマチス23S rRNAを迅速に検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
Figure 0006651735
交差反応性(表2)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A01からA21)いずれもが10コピー/testのクラミドフィラ・シッタシ23S rRNA、クラミドフィラ・ニューモニエ23S rRNAおよび淋菌16S rRNAは検出せず、クラミジア・トラコマチス23S rRNAに対して高い特異性を有していた。特にオリゴヌクレオチドの組み合わせA04からA06、およびA15からA21は、クラミドフィラ・シッタシ23S rRNAまたはクラミドフィラ・ニューモニエ23S rRNA共存下においても300コピー/testのクラミジア・トラコマチス23S rRNAを10分以内に検出しており、クラミジア・トラコマチス23S rRNAを迅速かつ特異的に検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
Figure 0006651735
実施例4 クラミジア・トラコマチス23S rRNA検出用オリゴヌクレオチドの検討(その2)
オリゴヌクレオチドの組み合わせとして表3に示す組み合わせを用いた他は、実施例3と同様な方法で評価した。なおオリゴヌクレオチドの組み合わせA04は、特開2012−130290号公報で開示の組み合わせである。
酵素液を加えた時点を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.5を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした結果を表3および4に示す。なお表3の「TE」はRNA試料の代わりにTE(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA)を添加したときの結果である。また表3および4の「N.D.」は反応開始後20分後の蛍光強度比が1.5未満(陰性判定)であったことを意味する。
クラミジア・トラコマチス23S rRNAの検出性能(表3)については、本実施例で新たに検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A031、A032、A021およびB01)いずれもが300コピー/testのクラミジア・トラコマチス23S rRNAを20分以内に検出した。中でも、オリゴヌクレオチドの組み合わせA031およびA032は、実施例3(表1)でクラミジア・トラコマチス23S rRNAを迅速に検出していたオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A03およびA04)よりも迅速または同等に300コピー/testのクラミジア・トラコマチス23S rRNAを検出していた。
Figure 0006651735
交差反応性(表4)については、本実施例で新たに検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A031、A032、A021およびB01)いずれもが10コピー/testのクラミドフィラ・シッタシ23S rRNA、クラミドフィラ・ニューモニエ23S rRNAおよび淋菌16S rRNAは検出せず、クラミジア・トラコマチス23S rRNAに対して高い特異性を有していた。
Figure 0006651735
実施例5 クラミジア・トラコマチス23S rRNA検出用オリゴヌクレオチドの検討(その3)
表5に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、以下に示す方法で陰性試料(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0))を測定した。なおオリゴヌクレオチドの組み合わせA04は、特開2012−130290号公報で開示の組み合わせである。
(1)以下の組成からなる反応液を市販の0.5mL容量PCR用チューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、これに前記陰性試料を添加した。なお陰性試料添加後の液量は30μLとなる。
反応液組成:
60mM Tris−HCl緩衝液(pH8.6)
17mM 塩化マグネシウム
100mM 塩化カリウム
1mM DTT
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3.0mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.6mM ITP
0.16μM 切断用オリゴヌクレオチド(3’末端の水酸基をアミノ基で修飾)
1.0μM 第一のプライマー(各配列番号記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの5’末端側にT7プロモータ(配列番号26)が付加したもの)
0.2μM 第二のプライマー
40nM INAFプローブ(実施例2で調製したもの)
10.9から13.0% DMSO
2から23% グリセロール
300mM トレハロース
33.3mM 塩化カリウム
5.1から6.4U AMV逆転写酵素
71から142U T7 RNAポリメラーゼ
0.025mg/mL 牛血清アルブミン
(2)陰性試料添加後のPCR用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計に載置し、46℃で30分間反応させた。
反応30分後の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)を算出した結果を表5に示す。特開2012−130290号公報で開示のオリゴヌクレオチドの組み合わせであるA04では、偽陽性が約14%(2/14)発生した。一方、本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A01からA03およびA05からA07)では偽陽性は発生せず、実施例3の結果と合わせ、クラミジア・トラコマチス23S rRNAを特異的に検出していることがわかる。
Figure 0006651735
実施例6 クラミジア・トラコマチス変異株の測定
クラミジア・トラコマチスにはcryptic plasmid DNAの一部が欠損した変異株(Sweden株)が知られており、cryptic plasmid DNAを標的としたPCR法では前記変異株を検出することができなかった(病原体検出情報、29(9)、9−10(2008))。そこで本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせが前記変異株を検出するか検証した。検証は、RNA試料としてクラミジア・トラコマチス標準RNA(実施例1(1))300コピー/testおよび前記変異株標準RNA(前記変異株の23S rRNA配列(GenBank No.NC_017441)に基づき人工的に23S rRNA遺伝子を作成し、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで調製)300コピー/testを、オリゴヌクレオチドの組み合わせとしてA032(表3)を用いた他は、実施例5と同様な方法で行なった。
結果を表6に示す。変異株も標準株と同様、300コピー/testの標準RNAを検出することができた。
Figure 0006651735

Claims (7)

  1. 試料中に含まれるクラミジア・トラコマチス23S rRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
    第一のプライマーが、配列番号6から8および10から15のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
    第二のプライマーが、配列番号17または18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、
    前記プライマーセット。
  2. 第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、請求項1に記載のプライマーセット。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を、前記核酸の一部とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、クラミジア・トラコマチス23S rRNAを検出する方法。
  4. インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号19に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、請求項に記載の方法。
  5. インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号20から24のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項に記載の方法。
  6. 請求項1または2に記載のプライマーセットと、配列番号19に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブとを含む、クラミジア・トラコマチス23S rRNA検出試薬。
  7. インターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを構成するオリゴヌクレオチドが配列番号20から24のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項に記載の試薬。
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