JP6651648B2 - Sgrモジュレーターの物理的形態 - Google Patents

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Description

本発明は、2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミドの新しい物理的形態、それを含有する医薬組成物、及び療法におけるその使用に関する。
グルココルチコイド(GC)は、関節リウマチ、喘息、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、変形性関節症、リウマチ熱、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、クローン病、炎症性腸疾患、及び潰瘍性大腸炎を含む急性及び慢性の炎症性病態及び免疫病態を治療するのに数十年間にわたって使用されてきた。GCの例には、デキサメタゾン、プレドニゾン、及びプレドニゾロンがある。残念なことに、GCは、骨粗鬆症、高血糖症、グルコース代謝に対する作用(糖尿病)、皮膚の菲薄化、高血圧、緑内障、筋萎縮、クッシング症候群、体液の恒常性、及び精神病(うつ病)など、重度で時には不可逆な副作用と関連することが多い。これらの副作用により、慢性の状況においてGCの使用が特に制限されることがある。そのため、GCの有益な効果を有するが、副作用の可能性が減少した代替療法が依然として必要とされている。
GCはGC受容体(GR)と複合化し、遺伝子転写を調節する。GC−GR複合体は細胞核に移動し、次いで、種々の遺伝子のプロモーター領域中のGC応答エレメント(GRE)に結合する。生じたGC−GR−GRE複合体は、次に、近くに位置する遺伝子の転写を活性化又は阻害する。GC−GR複合体は、また(又は代りに)、DNA結合を含まないプロセスにより遺伝子転写を負に調節することもある。転写抑制(transrepression)と呼ばれるこのプロセスにおいて、GC−GR複合体は核に入り、他の転写因子と(タンパク質−タンパク質相互作用により)直接相互作用し、遺伝子転写を誘導する他の因子の能力を抑制し、したがってタンパク質発現を抑制する。
GCの副作用のいくつかは、幾分相同なリガンド結合ドメインを有する他のステロイド受容体(例えば、プロゲステロン、アンドロゲン、鉱質コルチコイド、及びエストロゲン受容体)との交差反応;並びに/又は遺伝子発現及び下流のシグナル伝達の選択的な調節ができないことの結果であると考えられる。その結果、他のステロイドホルモン受容体より高い親和性でGRと結合する効能のある選択的GRモジュレーター(SGRM)であれば、GCの有益な作用を有すると同時に副作用が少ない療法の依然として満たされていない必要性に対処する別の療法を与えるであろうと考えられる。
様々な化合物がSGRM活性を有すると報告されている。例えば、国際公開第2007/0467747号パンフレット、国際公開第2007/114763号パンフレット、国際公開第2008/006627号パンフレット、国際公開第2008/055709号パンフレット、国際公開第2008/055710号パンフレット、国際公開第2008/052808号パンフレット、国際公開第2008/063116号パンフレット、国際公開第2008/076048号パンフレット、国際公開第2008/079073号パンフレット、国際公開第2008/098798号パンフレット、国際公開第2009/065503号パンフレット、国際公開第2009/142569号パンフレット、国際公開第2009/142571号パンフレット、国際公開第2010/009814号パンフレット、国際公開第2013/001294号パンフレット、及び欧州特許第2072509号明細書を参照されたい。依然として、例えば、向上した効力、効能、ステロイド非感受性患者における有効性、選択性、経口投与を可能にする溶解度、望ましい投薬レジメンを可能にする薬物動態プロファイル、保存安定性(stability on the shelf)(例えば、加水分解安定性、熱安定性、化学的安定性、又は光化学的安定性)、結晶性、様々な患者にとっての忍容性、副作用プロファイル、及び/又は安全性プロファイルを示す新たなSGRMが引き続き必要とされている。
薬剤物質の製剤において、薬剤物質(活性化合物)は、それを便利に取り扱い且つ加工することができる形態にあることが重要である。これは、薬剤物質自体にとって商業的に実行可能な製造プロセスを得るという観点からだけでなく、活性化合物及び好適な賦形剤を含む医薬製剤のその後の製造の観点からも重要なものである。これに関連して、活性化合物の化学的安定性及び物理的安定性は重要な要素である。活性化合物及びそれを含有する製剤は、活性化合物の物理化学的特性(化学組成、密度、吸湿性及び溶解性)におけるいかなる顕著な変化もなく、かなりの期間にわたって効果的に保存されなければならない。
2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(以降、「化合物(I)」)の構造を以下に示す。
本発明者らは、化合物Iが多くの結晶形で存在し得ることを見出した。化合物Iの1つの結晶形「C型」は、実質的に図1に示したX線粉末回折パターンを提供する。
本発明の一態様は、以下の適切な表1に示すような、特徴的なX線粉末回折ピーク(°2θで表される)を呈する化合物(I)の物理的形態を提供する。
特記されない限り、本明細書で記載されるX線粉末回折データの全ては、実施例で記載されるようにCuKα放射線を用いて取得した。
本発明の実施形態では、本化合物は、結晶特性を有し、一態様では少なくとも50%が結晶であり、別の態様では少なくとも60%が結晶であり、別の態様では少なくとも70%が結晶であり、別の態様では少なくとも80%が結晶であり、及び別の態様では90%が結晶である。結晶化度は、従来のX線回折技術によって推定することができる。
本発明の別の実施形態では、化合物(I)は、50%、60%、70%、80%又は90%〜95%、96%、97%、98%、99%又は100%が結晶である。
化合物(I)のC型の最も顕著なピークを表1に示している。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.7°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.6及び/又は25.7°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.6及び/又は25.6°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.7°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.6°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.6及び/又は25.7°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.6及び/又は25.6°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.7°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.6°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、19.4及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、15.3及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5及び/又は15.3°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5及び/又は15.3°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、15.3及び/又は19.0°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.5、15.3及び/又は19.0°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、12.4、12.5、19.4及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、14.5、15.3、17.6、19.4、23.6及び25.7°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5、19.0及び/又は22.9°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び25.7°において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.7°において少なくとも2つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.3、17.6、19.0、22.9及び/又は25.7°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5、19.4及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、12.5、15.3及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、15.3、17.6及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、14.5、15.3、17.6、19.4、23.6及び25.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、2θ=7.3、8.7、11.4、12.5、14.5、15.3、17.6、19.4、23.6及び25.7°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、化合物(I)のC型において、実質的に図1に示すようなX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、化合物(I)のC型が提供される。
示差走査熱量計(DSC)において加熱されるとき(実施例セクションで記載される通りの条件)、化合物(I)のC型は、図2に図示するように、約160.6℃の開始温度及び約162.6℃のピーク温度で溶融を示す。
当業者であれば、特定の化合物のDSCサーモグラムにおいて観測される値又は値の範囲が異なる純度のバッチ間で変動を示すであろうことを理解する。したがって、1つの化合物について範囲が小さい場合がある一方、他のものについて範囲が非常に大きい場合もある。一般的に、DSC熱事象における回折角の測定誤差は、およそ+/−5℃であり、本明細書に含まれるDSCデータについて考察するとき、このような程度の測定誤差を考慮に入れるべきである。
したがって、一実施形態では、約160.6℃における溶融開始及び約162.6℃におけるピークを伴うDSC吸熱を有する、結晶形の化合物(I)のC型が提供される。
したがって、一実施形態では、160.6℃+/−5℃における溶融開始及び162.6℃+/−5℃におけるピークを伴うDSC吸熱を有する、結晶形の化合物(I)のC型が提供される。
一実施形態では、160.6℃における溶融開始及び162.6℃におけるピークを伴うDSC吸熱を有する、結晶形の化合物(I)のC型が提供される。
一実施形態では、実質的に図2に示すようなDSCサーモグラムを有する、結晶形の化合物(I)のC型が提供される。
本明細書に記載されるプロセスにおけるC型の結晶化は、C型の結晶で種晶添加することによって促進することができる。種結晶は、実施例に記載された方法の1つを用いて得ることができる。種晶添加の使用は、より大規模な製造において特に有利である。
本明細書において、化合物が「2θ=約....において少なくとも1つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターン」を有すると記載される場合、化合物のXRPDは、列記された2θ値の1つ以上を含有することができる。例えば、列記される2θ値の1つ以上、2θ値の2つ以上、又は2θ値の3つ以上である。
化合物(I)の結晶についてX線粉末回折ピークを定義している前項において、「=約」という用語は、当業者によって理解されるように、ピークの正確な位置が、1つの測定装置と別の測定装置との間で、1つの試料から別の試料で、又は利用される測定条件におけるわずかな変動の結果としてわずかに変化し得るため、ピークの正確な位置(すなわち、列挙された2−シータ角度値)が絶対値として解釈されるべきではないことを示すために「2θ=約...において」という表現で用いられる。前項において、化合物(I)の結晶形は、表1に示した実質的に最も顕著なピーク(2−シータ角度値)を有する、図1に示したX線粉末回折パターンと「実質的に」同じX線粉末回折パターンを提供することも表明されている。これに関連して「実質的に」という用語の使用も、X線粉末回折パターンの2−シータ角度値が、1つの測定装置と別の測定装置との間で、1つの試料から別の試料で、又は利用される測定条件におけるわずかな変動の結果としてわずかに変化し得るため、図に示すか又は表に引用したピーク位置も絶対値として解釈されるべきではないことを示すように意図していることを理解されたい。
X線粉末回折の技術分野における当業者であれば、ピークの相対的な強度が、サイズがおよそ30マイクロメートルより大きい粒子及び試料の分析に影響を与え得る非単一性のアスペクト比によって影響を受ける可能性があることを認識するであろう。さらに、強度が、実験条件及び試料中の粒子の好ましい配向などの試料調製に応じて変動し得ることも理解されたい。自動型又は固定型発散スリットの使用も相対的強度の算出に影響を及ぼすであろう。当業者であれば、回折パターンを比較するとき、このような影響を取り扱うことができる。
X線粉末回折の技術分野における当業者であれば、試料の高さにおける差及び検出器位置の校正における誤差のために、2θ位置におけるわずかなシフトが発生し得ることも認識するであろう。一般的に、与えられた値から±0.1°の差は正しいと考えるべきである。
本明細書に記載される化合物(I)のC型はまた、他の好適な分析技術、例えば、NIR分光法又は固相核磁気共鳴分光法を用いて特性化及び/又は他の物理的形態から識別することができる。
本明細書に記載される化合物(I)のC型の化学構造は、日常的な方法、例えば、プロトン核磁気共鳴(NMR)分析によって確認することができる。
式(I)の化合物のC型は、以降の実施例に記載した通りに調製することができる。
疾患及び医学的病態
化合物(I)のC型は、抗炎症剤として有用であり得、抗アレルギー作用、免疫抑制作用、及び抗増殖性作用も示し得る。そのため、化合物(I)のC型は、哺乳動物における以下の病態(一般的には疾患)の1つ以上の治療又は予防のための医薬品として使用できることが企図され得る:
(i)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる肺疾患、例えば、あらゆる原因の慢性閉塞性肺疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む)、異なる原因の気管支炎、成人の呼吸形態の拘束性肺疾患(アレルギー性肺胞炎を含む)、全形態の肺浮腫(毒性肺浮腫(toxic pulmonary edema)を含む)、サルコイドーシス、及び肉芽腫症(ベック病を含む);
(ii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こるアレルギー、例えば、全形態のアレルギー反応(クインケ浮腫;虫刺され;医薬品、血液誘導体、造影剤などに対するアレルギー反応;アナフィラキシーショック;蕁麻疹;及びアレルギー性の血管疾患を含む)、アレルギー性血管炎、及び炎症性血管炎;
(iii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こるリウマチ性疾患/自己免疫疾患/変性関節疾患、例えば、リウマチ性関節炎、急性リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症を含む全形態のリウマチ疾患、ベーチェット病、反応性関節炎、強直性脊椎炎及び乾癬性関節炎を含む脊椎関節炎、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、結節性多発動脈炎、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、スティル症候群、フェルティ症候群、痛風、白斑、及び他の起源の炎症性軟組織疾患血液誘導体、並びに変性関節疾患における関節炎の症状(変形性関節症);及び外傷性関節炎;
(iv)血管の炎症(血管炎)、例えば、結節性紅斑、結節性多発動脈炎、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎、川崎病、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、及びクリオグロブリン血症性血管炎。
(v)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる腎症、例えば、ネフローゼ症候群及び全腎炎(糸球体腎炎を含む);
(vi)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる肝臓疾患、例えば、急性肝細胞分解、種々の原因の急性肝炎(ウイルス性、毒性、又は医薬品誘発性を含む)、並びに慢性活動性(chronically aggressive)及び/又は慢性間欠性肝炎;
(vii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる胃腸疾患、例えば、限局性腸炎(クローン病)、胃炎、還流食道炎、潰瘍性大腸炎、及び他の原因の胃腸炎(ネイティブ(native)スプルーを含む);
(viii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる直腸肛門の疾患、例えば、肛門湿疹、裂肛、痔核、及び特発性直腸炎;
(ix)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる眼疾患、例えば、アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎、結膜炎、眼瞼炎、視神経炎、脈絡膜炎、及び交感性眼炎;
(x)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる耳−鼻−喉領域の疾患、例えば、アレルギー性鼻炎、花粉症、外耳炎(接触性皮膚炎、感染などにより起こる)、及び中耳炎;
(xi)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる神経性疾患、例えば、原発性脳血管炎、脳浮腫(腫瘍性脳浮腫を含む)、多発性硬化症、急性脳脊髄炎、種々の形態の痙攣(乳児点頭痙攣を含む)、髄膜炎、脊髄損傷、及び脳卒中;
(xii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる血液の疾患、例えば、後天性溶血性貧血、血小板減少症(特発性血小板減少症を含む)、M.ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、血小板血症、及び赤血球増加症;
(xiii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる腫瘍疾患、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、リンパ肉芽腫症、リンパ肉腫、及び広範な転移(乳癌及び前立腺癌を含む);
(xiv)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる内分泌疾患、例えば、内分泌性眼窩疾患、甲状腺クリーゼ、ド・ケルバン甲状腺炎、橋本甲状腺炎、甲状腺機能亢進、バセドウ病、肉芽腫性甲状腺炎、リンパ節様甲状腺腫;
(xv)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる移植;
(xvi)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる重度のショック状態、例えば、アナフィラキシーショック;
(xvii)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる補充療法、例えば、生得的な原発性副腎機能不全(先天性副腎性器症候群を含む)、後天性原発性副腎機能不全(アジソン病、自己免疫性副腎炎、感染後(meta−infective)、腫瘍、転移などを含む)、生得的な続発性副腎機能不全(例として先天性下垂体機能低下症を含む)、及び後天性続発性副腎機能不全(感染後、腫瘍などを含む);
(xviii)細胞増殖抑制剤誘発性の嘔吐における5−HT拮抗剤との組み合わせを含む、炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる嘔吐;
(xix)腰痛を含む炎症性の原因の疼痛;並びに
(xx)炎症性、アレルギー性、及び/又は増殖性プロセスと同時に起こる皮膚科疾患、例えば、アトピー性皮膚炎(小児のものを含む)、剥脱性皮膚炎、乾癬、紅斑性疾患(放射線、化学薬品、熱傷などの異なる病毒により引き起こされる)、酸熱傷、水泡性皮膚症(自己免疫尋常性天疱瘡、及び水疱性類天疱瘡を含む)、苔癬群の疾患、かゆみ(アレルギー性の原因のものを含む)、全形態の湿疹(アトピー性湿疹又は脂漏性湿疹を含む)、酒さ、尋常性天疱瘡、多形滲出性紅斑、結節性紅斑、亀頭炎、そう痒症(アレルギー性の原因のものを含む)、血管の疾患の現れ、外陰炎、炎症性の脱毛(円形脱毛症を含む)、皮膚T細胞リンパ腫、あらゆる原因の発疹又は皮膚疾患、乾癬及び類乾癬群、並びに毛孔性紅色粃糠疹。
前記に影響することなく、本明細書に開示される化合物が、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)、ギラン・バレー症候群、経皮経管血管形成術後の再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性疼痛、動脈硬化症、再潅流障害、熱傷、外傷に続発する多臓器損傷、急性化膿性髄膜炎、壊死性小腸結腸炎及び血液透析に関連する症候群、白血球除去、顆粒球輸血、コニーズ(Conies)症候群、原発性及び続発性高アルドステロン症、ナトリウム貯留の増加、マグネシウム及びカリウム排泄の増加(利尿)、水分貯留の増加、高血圧(孤立性収縮期及び収縮期/拡張期)、不整脈、心筋線維症、心筋梗塞、バーター症候群、過剰なカテコールアミンレベルと関連する疾患、拡張期及び収縮期の鬱血性心不全(CHF)、末梢血管疾患、糖尿病性腎障害、浮腫及び腹水を伴う硬変、食道静脈瘤、筋衰弱、皮膚のメラニン色素沈着増加、体重減少、低血圧、低血糖、多尿症、多渇症、炎症、自己免疫疾患、臓器移植と関連する組織拒絶反応、白血病及びリンパ腫などの悪性腫瘍、リウマチ熱、肉芽腫性多発動脈炎、骨髄細胞系の阻害、免疫増殖/アポトーシス、HPA軸抑制及び制御、高コルチゾール血症、Th1/Th2サイトカインバランスの調節、慢性腎臓疾患、高カルシウム血症、急性副腎不全、慢性原発性副腎不全、続発性副腎不全、先天性副腎過形成、リトル(Little’s)症候群、全身性炎症、炎症性腸疾患、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、変形性関節症、血管神経性浮腫、腱炎、滑液包炎、自己免疫慢性活動性肝炎、肝炎、肝硬変、脂肪織炎、炎症性嚢胞、壊疽性膿皮症、好酸球性筋膜炎、再発性多発性軟骨炎、サルコイドーシススウィート病、1型反応性ハンセン病(reactive leprosy)、毛細血管腫、扁平苔癬、結節性紅斑ざ瘡、多毛症、中毒性表皮壊死症、多形性紅斑、精神病、認知障害(記憶障害など)気分障害(うつ病及び双極性障害など)、不安障害及びパーソナリティ障害などの病態の治療に使用できることが企図される。
本明細書で使用される場合、用語「鬱血性心不全(CHF)」又は「鬱血性心臓疾患」は、心臓が、体の組織及び器官系の要求を満たす適切な体積の血液を効率よく送り出すことができない心血管系の病態を指す。典型的には、CHFは、基礎病因が冠動脈疾患、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、心臓弁膜症、及び心筋症を含む1つ以上の心臓又は心血管疾患状態に帰される、左室不全(収縮機能不全)及び肺の体液貯留を特徴とする。用語「拡張期鬱血性心不全」は、心臓が適切に弛緩し血液で満ちる能力の低下を特徴とするCHFの状態を指す。逆に、用語「収縮期鬱血性心不全」は、心臓が適切に収縮し血液を噴出する能力の低下を特徴とするCHFの状態を指す。
当業者により認識される通り、生理学的疾患は、「慢性」の状態としても、「急性」のエピソードとしても現われ得る。本明細書で使用される場合、用語「慢性」は、ゆっくりと進行し長期間継続する状態を意味する。したがって、慢性の状態はそれが診断されるときに治療され、治療は疾患の過程にわたり継続される。逆に、用語「急性」は、短い過程の悪化した事象又は発作と、それに続く寛解との期間を意味する。そのため、生理学的疾患の治療は、急性の事象と慢性の状態との両方を企図する。急性の事象において、化合物は、症状の始まりに投与され、症状が消えると中止される。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、療法に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、GR媒介性病態(上述の病態など)の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ステロイド性グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、及び/又はプレドニゾロン)に反応する炎症性病態又は免疫病態の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、炎症性病態の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸器病態の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、リウマチ病態の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、関節リウマチの治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、喘息の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度の喘息増悪の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、COPDの治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度のCOPD増悪の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、過敏性腸症候群の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、コラーゲン疾患の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、腎移植片拒絶の予防に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、サルコイドーシスの治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、アジソン病の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、慢性リンパ球性白血病の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、急性リンパ球性白血病の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸窮迫症候群の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ネフローゼ症候群の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、皮膚科疾患の治療に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、療法のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、GR媒介性病態(上述の病態など)の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ステロイド性グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、及び/又はプレドニゾロン)に反応する炎症性病態又は免疫病態の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、炎症性病態の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸器病態の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、リウマチ病態の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、関節リウマチの治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、喘息の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度の喘息の増悪の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、COPDの治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度のCOPDの増悪の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、過敏性腸症候群の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、コラーゲン疾患の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、腎移植片拒絶の予防のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、サルコイドーシスの治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、アジソン病の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、慢性リンパ球性白血病のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、急性リンパ球性白血病の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸窮迫症候群の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ネフローゼ症候群の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、皮膚科疾患の治療のための医薬品の製造に使用するための化合物(I)のC型を対象とする。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、疾患の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、GR媒介性病態(上述の病態など)の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ステロイド性グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、及び/又はプレドニゾロン)に反応する炎症性病態又は免疫病態の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、炎症性病態の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸器病態の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、リウマチ病態の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、関節リウマチの治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、喘息の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度の喘息の増悪の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、COPDの治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、中程度から重度のCOPDの増悪の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、過敏性腸症候群の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、コラーゲン疾患の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、腎移植片拒絶の予防を、そのような治療を必要としている哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、サルコイドーシスの治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、アジソン病の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、慢性リンパ球性白血病の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、急性リンパ球性白血病の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、呼吸窮迫症候群の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、ネフローゼ症候群の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、皮膚科疾患の治療を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行う方法を対象とする。方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を投与することを含む。
いくつかの実施形態において、上述の治療の方法は、哺乳動物に、治療上有効な量の化合物(I)のC型を経口投与することを含む。
いくつかの実施形態において、上述の治療の方法において治療される哺乳動物はヒトである。
いくつかの実施形態において、上述の治療の方法において治療される哺乳動物は、ヒト以外の哺乳動物である。そのような哺乳動物には、例えば、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ、及びウマ)、家畜動物(例えば、ウシ及びブタ);実験動物(例えば、マウス及びラット);並びに野生動物、動物園の動物、及びサーカスの動物(例えば、クマ、ライオン、トラ、類人猿、及びサル)がある。
C.医薬組成物
本明細書のいくつかの実施形態は、化合物(I)のC型を含む医薬組成物(又は医薬品)並びにそのような医薬組成物を製造するプロセスを対象とする。一般に、医薬組成物は、治療上有効な量の化合物を含む。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、幅広く様々になり得る。本明細書に記載される化合物がそれ自体で(すなわち他の有効成分も不活性な成分もなしで)投与され得ることが企図されるものの、医薬組成物は、通常、むしろ1種以上の追加の有効成分及び/又は不活性な成分を含む。本明細書の医薬組成物に存在する不活性な成分は、集合的に「賦形剤」と称されることがある。好適な医薬製剤の選択及び調製のための従来的な手順は、例えば、“Pharmaceuticals−The Science of Dosage Form Designs”,M.E.Aulton,Churchill Livingstone,2nd Ed.2002に記載されている。
化合物(I)のC型を含む組成物が、経口、直腸、鼻腔内、局所、頬側、舌下、膣内、吸入、吹送、又は非経口投与を含む、種々の好適な投与の経路及び手段用に製剤され得ることが企図される。いくつかの実施形態において、化合物は経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物は静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物は筋肉内投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、皮下投与される。また、いくつかの実施形態において、化合物は、腹腔内に、胸腔内に、硬膜外に、くも膜下腔内に、脳室内に投与され、関節内に注射される。いくつかの実施形態において、化合物は局所投与される。
本明細書の医薬組成物が、例えば、固体、水性又は油性の溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、ミスト、ゲル、鼻腔内スプレー、坐剤、微粉砕された粉末、及び吸入用のエアゾール又は噴霧器の形態であり得ることが企図される。
いくつかの実施形態において、組成物は、経口投与され得る液体剤形を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、経口投与され得る固体剤形を含む。
固体形態の組成物は、例えば、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤、及び坐剤を含み得る。固体担体は、1種以上の物質を含み得る。そのような物質は一般的に不活性である。担体は、例えば、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、結合剤、又は崩壊剤としても作用し得る。それは、例えば、カプセル化材料としても作用し得る。しばしば好適な担体の例には、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、糖(例えば、グルコース及びスクロース)、ペクチン、デキストリン、スターチ、トラガカント、セルロース、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム)、ナトリウムサッカリン、低融点ワックス、及びカカオバターがある。
粉末において、担体は、典型的には微粉砕された固体であり、微粉砕された活性成分との混合物中にある。錠剤において、活性成分は、典型的には、望ましい結合性を有する担体と好適な比率で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。
坐剤組成物を調製するために、低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドとカカオバターとの混合物)は、典型的には、最初に融かされ、それに続いて有効成分が、例えば撹拌によりその中に分散される。次いで、融かされた均質な混合物が、簡便な大きさの型に注がれ、放冷され、凝固する。坐剤組成物中に存在してよい非刺激性賦形剤の例には、例えば、カカオバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルがある。
液体組成物は、例えば、本明細書の化合物を、例えば、水、水/プロピレングリコール溶液、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、又はエタノールなどの担体に溶解又は分散させることにより調製できる。いくつかの実施形態において、経口投与用の水溶液は、本明細書の化合物を、可溶化剤(例えば、ポリエチレングリコール)と共に水に溶解させることにより調製できる。例えば、着色剤、着香剤、安定剤、及び増粘剤も加えてよい。いくつかの実施形態において、経口使用のための水性懸濁液は、微粉砕された形態の本明細書の化合物を、粘性の物質、例えば、1種以上の天然合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の懸濁化剤などと共に水に分散させることにより製造できる。必要に応じて、液体組成物は、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレアートなどの他の非毒性の補助的な不活性な成分も含み得る。そのような組成物は、他の成分、例えば、1種以上の医薬補助剤なども含み得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物中の化合物(I)のC型の濃度は約0.05%〜約99%(重量基準)である。そのようないくつかの実施形態において、例えば、濃度は、約0.05〜約80%、約0.10〜約70%、又は約0.10%〜約50%(重量基準)である。
本明細書の化合物が疾患を治療する単独の療法として投与される場合、「治療上有効な量」は、病態の症状若しくは他の有害な作用を減少若しくは完全に緩和するか;病態を治癒するか;病態の進行を逆転、完全に停止、若しくは緩徐化するか;病態が悪化するリスクを減少させるか;又は病態の始まりのリスクを遅延若しくは減少させるのに充分な量である。
本明細書のいくつかの実施形態において、医薬組成物は、例えば、約0.1mg〜約10gの化合物(I)のC型を含む錠剤又はカプセルの単位剤形での経口投与に好適である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、治療が望まれるGR媒介性病態(上述の病態など)を治療するのに治療上有効である量の化合物(I)のC型を含む。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、炎症性病態を治療するのに治療上有効である量の化合物(I)を含む。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、リウマチ病態を治療するのに治療上有効である量の化合物(I)のC型を含む。
最適な用量及び投与の頻度は、治療されている特定の病態及びその重症度;患者の種;特定の患者の年齢、性別、体格、及び体重、食事、及び全般的な肉体的状態;脳/体重比;患者が服用していることがあり得る他の医薬品;投与経路;製剤;並びに医師(ヒト患者の状況において)、獣医(非ヒト患者の状況において)、及び他の当業者に公知である種々の他の因子による。
いくつかの実施形態において、全身投与される場合、本明細書の化合物の最適な量は、1日あたり少なくとも約0.01mg/kg体重、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重、又は1日あたり約0.01〜約10mg/kg体重(例えば、1日あたり0.5mg/kg体重)であることが企図される。
医薬組成物が1つ以上の単位剤形であり得ることが企図される。したがって、組成物は、適切な量の活性成分を含む投薬単位に分割され得る。単位剤形は、例えば、カプセル剤、カシェ剤、又は錠剤自体であり得るか、或いはそれは、これらのいずれかが適切な数包装された形態にあるものであり得る。或いは、単位剤形は包装された製剤であって、包装が、別個な量の組成物、例えば、小分けにされた(packeted)錠剤、カプセル剤、又は散剤をバイアル又はアンプル中に含むものなどであり得る。単位剤形は、例えば、調剤の技術分野で周知である種々な方法により調製できる。
用量が、1日1回、又は例えば1日あたり2〜4回などの分割された投与量で与えられ得ることが企図される。
D.組み合わせ
本明細書は、化合物(I)を含む化合物(I)が、先に議論された病態のいずれかの治療のための1種以上の他の活性薬剤と並行して(場合により同じ組成物で)又は連続的に投与される併用療法又は組成物も対象とする。
併用療法が利用されるいくつかの実施形態において、本明細書の化合物の量及び他の薬学的に活性な薬剤の量は、合わさると動物患者における標的疾患を治療するのに治療上有効である。これに関連して、合わせた量は、それらが合わさると、疾患の症状若しくは他の有害な作用を減少若しくは完全に緩和するか;疾患を治癒するか;疾患の進行を逆転、完全に停止、若しくは緩徐化するか;疾患が悪化するリスクを減少させるか;又は疾患の始まりのリスクを遅延若しくは減少させるのに充分である場合、「治療上有効な量」である。典型的には、そのような量は、例えば、本明細書の化合物に関して本特許に記載された用量範囲及び他の薬学的に活性な化合物の認可された又は他の方法で公表された用量範囲で始めることにより、当業者により決定され得る。
併用療法に利用される場合、本明細書の化合物及び他の有効成分が、単一の組成物でも、完全に別の組成物でも、その組み合わせでも投与され得ることが企図される。有効成分が、並行しても、同時にも、連続的にも、別々にも投与され得ることも企図される。併用療法の特定の組成物及び投薬頻度は、投与経路、治療されている病態、患者の種、単一の組成物に組み合わされる場合の有効成分の間の潜在的な相互作用、動物患者に投与される場合の有効成分間の任意の相互作用、並びに医師(ヒト患者の状況において)、獣医(非ヒト患者の状況において)、及び他の当業者に公知である種々の他の因子を含む種々の因子に依存する。
E.キット
本明細書は、部分的に、化合物(I)の形態Cを含むキットを対象とする。いくつかの実施形態において、キットは、例えば:(a)化合物(I)の形態Cを投与するための装置;(b)化合物(I)の形態Cを投与するための説明書;(c)賦形剤(例えば、再懸濁化剤);又は(d)化合物(I)の形態Cと同じ及び/又は異なる剤形でよい追加の有効成分などの1種以上の追加要素をさらに含む。
実施例1(C型)のX線粉末回折パターンを示す。 実施例1(C型)のDSCを示す。
本発明は、ここで、以下の例示的な実施例を参照することによりさらに説明され、この中で、特記されない限り、
(i)温度は、セルシウス度(℃)で与えられ、操作は、室温又は周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲の温度で行われた。
(ii)一般的に、反応の経過は、HPLCで追跡され、反応時間は、例示のためにのみ与えられる。
(iii)収率は、例示のためにのみ与えられ、必ずしも入念なプロセス開発によって得ることができるものではなく、より多くの物質が必要とされる場合には調製を繰り返して行った。
(iv)化学記号は、それらの通常の意味を有し、SI単位及び記号が用いられる。
(v)溶媒比は、体積:体積(v/v)に関して与えられる。
(vi)特記されない限り、出発物質は、市販のものであった。
X線粉末回折分析
X線回折分析を、例えば、Kitaigorodsky,A.I.(1973),Molecular Crystals and Molecules,Academic Press,New York;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;又はKlug,H.P.&Alexander,L.E.(1974),X−ray Diffraction Procedures,John Wiley&Sons,New Yorkに見られ得る標準方法に従って実施した。
試料を単結晶シリコン(SSC)ウエハマウント上に載せて、粉末X線回折をPANalytical X’Pert PRO(反射配置、X線の波長1.5418Å、ニッケルフィルタ処理Cu放射線、電圧45kV、フィラメント放出40mA)で記録した。自動可変式発散及び散乱防止スリットを使用し、試料を測定中に回転させた。試料を、PIXCEL検出器(活性長3.35°2シータ)を使用して、0.013°ステップ幅及び1415秒毎ステップを用いて2〜50°2シータで走査した。
測定条件(装置、試料調製又は使用される機械など)に応じて1つ以上の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが得られ得ることが当該技術分野において既知である。特に、X線粉末回折パターンにおける強度が、測定条件及び試料調製に応じて変動し得ることが一般的に知られている。例えば、X線粉末回折の技術分野における当業者は、ピークの相対的強度が、試験対象の試料の配向及び使用される機器の種類並びに設定に従って変化し得ることを認識するであろう。当業者はまた、反射の位置が、試料が回折計内に位置する正確な高さ及び回折計のゼロ較正によって影響を受け得ることも認識するであろう。試料の表面平坦度もわずかな影響を及ぼし得る。したがって、当業者は、本明細書に提示される回折パターンデータが絶対的なものとして解釈されるべきではなく、本明細書に開示されるものと実質的に同一の粉末回折パターンを提供するいかなる結晶形も本開示の範囲内に入ることを理解するであろう(さらなる情報については、Jenkins,R&Snyder,R.L.‘Introduction to X−ray Powder Diffractometry’John Wiley&Sons,1996を参照されたい)。
一般的に、X線粉末ディフラクトグラムにおける回折角の測定誤差は、およそ+/−0.1゜2−シータであり得、X線粉末回折データについて考察するとき、このような程度の測定誤差を考慮に入れるべきである。
化合物(I)のC型を特性化するのに有用であり得る追加のピークは、17.3、19.0及び22.9°2−シータである。化合物(I)のC型を特性化するのに有用であり得るさらに他の追加のピークは、12.4及び25.6°2−シータである。
一般的な方法
NMRスペクトルは、プロトン周波数300、400、500、又は600MHzでBruker Avance、Avance II、又はAvance III分光計で記録した。クロロホルム−δ(H 7.26ppm)、又はDMSO−d(H 2.49ppm)の中心のピークを内部標準として使用した。
LC/MS実験を、Waters Xevo Q−ToF Massと組み合わせたWaters Acquityシステム又はShimadzu 2010EV UPLCシステムをESIモードで使用して実施した。LCを、2つの構成で運転した:1)pH10の46mM炭酸アンモニウム水溶液/アンモニア緩衝液(A)とMeCN(B)との流量1.0mL/分での勾配(5分で2〜95%B)と組み合わせた、又は水及びTFA(0.05%)(A)とCHCN及びTFA(0.05%)(B)との流量1.0mL/分での勾配(2分で5〜95%B)と組み合わせたBEH C18カラム(1.7μm 2.1×50mm)。
鏡像体過剰率(%ee)として示される光学純度は、下記により決定した。
方法A:Agilent 1100シリーズクロマトグラフを使用するキラルHPLC。Chiralpak(IB−3、IA−3、又はIC−3)50×4.6mm;3μmを備えた装置。移動相として、流量1mL/分のヘキサン(0.1%トリエチルアミン)/EtOH(85:15)を使用した。注入体積は3μLであり、化合物検出をUVにより254nmで実施した。
方法B:Chiralpak(IC又はAD−H)150×4.6mm、3μm又はChiracel(OD−H、OJ−3、OD−3)又はLux 5uセルロース−3を備えたキラルSFCシステム。溶離液として、CO(100g/分、120バール、40℃)(A)と5〜40%MeOH/ジエチルアミン(0.1%)、EtOH/ジエチルアミン(0.1%)、20%イソプロピルアルコール又は20%イソプロピルアルコール/NH 200:1(B)との勾配を、流量4mL/分で適用した。注入体積は0.7μL又は10μLであり、化合物検出をUVにより254nm又は220nmで実施した。
分取HPLCは、X−Bridge又はSunfireのPrep C18 OBD 5μm 19×150mmカラムを備えた、一体化されたMS検出を有するWaters FractionLynxシステムで実施した。或いは、一体化されたUV検出を有し、Kromasil C8 10μm、20×250 ID又は50×250 IDmmを備えたGilson GX−281を利用した。溶離液として、水/MeCN/酢酸(95/5/0.1)又は水/0.05%TFA(A)とMeCN/0.05%TFA(B)との(酸性)勾配又はMeCN又はMeOH(A)と水中0.03%アンモニア又は0.03%NHHCO(B)との(塩基性)勾配を適用した。
特記されない限り、以下の実施例に使用した出発物質は、市販されていたか、又は以前に文献に記載されていた。溶媒及び市販の試薬は全て実験室グレードであり、特記されない限り受け取ったまま使用した。温度は全てセルシウス度(℃)である。一般に、特記されない限り、以下の実施例で議論される操作は室温又は周囲温度(18〜25℃)で実施し;反応の進行は、HPLC、LC−MS、又はTLCでモニターし;オーブンで乾燥させた標準的な実験室ガラス器具を使用し、定型的な操作は、Nのブランケット下で、周囲温度で実施し;蒸発は、減圧下でロータリーエバポレーター又は他の標準蒸留装置を使用して実施し;生成物は、減圧下において好適な温度で乾燥させた。
本特許に例示される化合物の名称は、ChemDraw Ultra 11.0を使用して発生させた。これは、ボタンを押すと、描かれた構造に化学名が割り当てられる化学名発生プログラムである。
示差走査熱量測定(DSC)
標準方法(例えば、Hohne,G.W.H.et al(1996),Differential Scanning Calorimetry,Springer,Berlin)を用いて、温度上昇に対する試験試料の熱量測定の応答を、TA Instruments Q2000示差走査熱量計(DSC)を使用して検討した。測定は、毎分5℃の上昇速度で15℃〜190℃で実施した。およそ0.5〜5mgの試験試料を、窒素ガスの流動下(50mL/分)において、蓋を有するアルミニウムパン(圧着なし)内に置いた。
本明細書で以前に述べたように、DSC開始及びピーク温度が、試料の純度及び機器パラメータ、特に温度走査速度に従って変化し得ることが周知である。当業者は、本明細書に提示されるデータに相当するデータが収集され得るように示差走査熱量計についての機器パラメータを設定するために、定型的な最適化/較正を用いることができる。
略語
以下の略語を使用した。
Aq:水性
MeCN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
実施例1
2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(形態C)の調製
工程A.5−[5−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1H−インダゾール−1−イル]−1−メチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オンの調製
パージしてNの不活性雰囲気下に維持した2Lの四つ口丸底フラスコに、5−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1H−インダゾール(805g、3.2mol)のトルエン(8L)溶液、5−ヨード−1−メチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン(800g、3.4mol)、及びKPO(1.2kg、5.8mol)を入れた。シクロヘキサン−1,2−ジアミン(63g、0.5mol)を加え、それに続いてCuI(1.3g、6.8mmol)を数回に分けて加えた。生じた溶液を102℃で一晩撹拌した。生じた混合物を真空下で濃縮すると3.0kgの標記化合物を粗製の黒色固体として与えた。LC/MS:m/z 356[M+H]
工程B.5−(5−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オンの調製
2Lの四つ口丸底フラスコに、5−[5−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1H−インダゾール−1−イル]−1−メチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン(3.0kg、粗製)及びHCl(2L、24mol、36%)の水(2L)とMeOH(5L)中の溶液とを入れた。生じた溶液を40℃で1時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。生じた固体を水(4×5L)及び酢酸エチル(2×0.5L)で洗浄すると、480g(61%、2工程)の標記生成物を茶色の固体として与えた。LC/MS:m/z 242[M+H]HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ 3.52(3H,s),6.61(1H,m),7.06(2H,m),7.54(1H,m),7.77(1H,m),8.19(2H,m)9.35(1H,s).
工程C.tert−ブチル((1R,2S)−1−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルブタン−2−イル)カルバマートの調製
(S)−tert−ブチル3−メチル−1−オキソ−1−フェニルブタン−2−イルカルバマート(1.0kg、3.5mol)をトルエン(4L)に溶解させた。その後、2−プロパノール(2L)を加え、それに続いてトリイソプロポキシアルミニウム(0.145L、0.73mol)を加えた。反応混合物を、54〜58℃において1時間減圧下で(300〜350ミリバール)加熱して、共沸蒸留を開始した。0.75Lの凝縮液を回収した後、2−プロパノール(2L)を加え、反応混合物を減圧下で一晩撹拌すると、全体で4Lの凝縮液を与えた。トルエン(3L)を20℃で加え、それに続いて2M HCl(2L)を15分かけて加えて、温度を28℃未満に保った。層を分離し(水相のpH0〜1)、有機層を水(3L)、4%NaHCO(2L)、及び水(250mL)で連続的に洗浄した。有機層の体積を、50℃及び70ミリバールで6Lから2.5Lに減少させた。生じた混合物を50℃に加熱し、ヘプタン(6.5L)を47〜53℃で加えて、物質を溶解状態に保った。混合物の温度を、ゆっくりと20℃に低下させ、標記化合物の結晶により37℃でシーディングし(種結晶は、同じ方法により製造し、次いで反応混合物を蒸発乾固させ、残渣をヘプタン中にスラリー化し、濾過により結晶を単離することにより、先のバッチで調製した)、一晩放置した。生成物を濾過により除き、ヘプタン(2×1L)で洗浄し、真空下で乾燥させると、806g(81%)の標記化合物を白色の固体として与えた。HNMR(500MHz,DMSO−d6):δ 0.81(dd,6H),1.16(s,8H),2.19(m,1H),3.51(m,1H),4.32(d,1H),5.26(s,1H),6.30(d,1H),7.13−7.2(m,1H),7.24(t,2H),7.3−7.36(m,3H).
工程D.(1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン−1−オール塩酸塩の調製
20℃のHClのプロパン−2−オール溶液(5〜6N、3.1L、16mol)に、tert−ブチル((1R,2S)−1−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルブタン−2−イル)カルバマート(605g、2.2mol)を少量ずつ70分かけて加え、それに続いてMTBE(2L)を30分かけて加えた。反応混合物を5℃に冷却し、18時間撹拌した。生成物を濾過により単離し、乾燥させると、286gの標記化合物をHCl塩として与えた(収率61%)。母液を300mLに濃縮した。次いで、MTBE(300mL)を加え、生じた沈殿を濾過により単離すると、さらに84gの標記化合物をHCl塩として与えた(収率18%)。全体で370g(79%)。HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ 0.91(dd,6H),1.61−1.81(m,1H),3.11(s,1H),4.99(s,1H),6.08(d,1H),7.30(t,1H),7.40(dt,4H),7.97(s,2H).
工程E.(2S,3S)−2−イソプロピル−1−(4−ニトロフェニルスルホニル)−3−フェニルアジリジンの調製
(1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン−1−オール塩酸塩(430g、2.0mol)を20℃のDCM(5L)と混合した。次いで、4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(460g、2.0mol)を5分かけて加えた。その後、混合物を−27℃に冷却した。温度を−18℃に保ちながら、トリエチルアミン(1.0kg、10mol)をゆっくりと加えた。反応混合物を−30℃に冷却し、温度を−25℃に保ちながら、メタンスルホニルクロリド(460g、4.0mol)をゆっくりと加えた。次いで、反応混合物を0℃で16時間撹拌してから、トリエチルアミン(40mL、0.3mol;20mL、0.14mol及び10mL、0.074mol)を0℃で分割して4時間かけて加えた。その後、水(5L)を20℃で加え、生じた層を分離した。有機層を水(5L)で洗浄し、真空下で体積を1Lに減少させた。MTBE(1.5L)を加え、混合物を、ロータバップ上で、20℃で一晩撹拌し、濾過すると、500g(70%)の標記生成物を固体として与えた。HNMR(400MHz,CDCl−3):δ 1.12(d,3H),1.25(d,3H),2.23(ddt,1H),2.89(dd,1H),3.84(d,1H),7.08−7.2(m,1H),7.22−7.35(m,4H),8.01−8.13(m,2H),8.22−8.35(m,2H).
工程F.N−((1R,2S)−3−メチル−1−(1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−1−フェニルブタン−2−イル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミドの調製
(2S,3S)−2−イソプロピル−1−(4−ニトロフェニルスルホニル)−3−フェニルアジリジン(490g、1.3mol)を、20℃のアセトニトリル(5L)中の5−(5−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(360g、1.4mol)と混合した。炭酸セシウム(850g、2.6mol)を5分かけて少量ずつ加えた。次いで、反応混合物を50℃で一晩撹拌した。水(5L)を20℃で加え、生じた混合物を2−メチルテトラヒドロフラン(5L及び2.5L)で抽出した。合わせた有機層を、0.5M HCl(5L)、水(3×5L)、及びブライン(5L)で連続的に洗浄した。残った有機層を濃い油に濃縮し、次いでMTBE(2L)を加えた。生じた沈殿物を濾過すると、780g(純度71%w/w)の粗製の標記生成物を黄色の固体として与え、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ 0.93(dd,6H),2.01−2.19(m,1H),3.50(s,3H),3.74(s,1H),5.00(d,1H),6.54(d,1H),6.78(d,1H),6.95−7.15(m,4H),7.23(d,2H),7.49(d,1H),7.69(dd,1H),7.74(d,2H),8.00(s,1H),8.08(d,2H),8.13(d,2H).
工程G.2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミドの調製
N−((1R,2S)−3−メチル−1−(1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−1−フェニルブタン−2−イル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミド(780g、71%w/w)をDMF(4L)と混合した。次いで、DBU(860g、5.6mol)を20℃で10分かけて加えた。2−メルカプト酢酸(170g、1.9mol)を、温度を20℃に保ったまま、ゆっくりと30分かけて加えた。1時間の攪拌後(その間、対応するアミン、5−(5−((1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブトキシ)−1H−インダゾール−1−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オンが生成された)、エチル2,2−ジフルオロプロパノアート(635g、4.60mol)を10分かけて20℃で加えた。反応混合物を18時間撹拌した。その後、追加のエチル2,2−ジフルオロプロパノアート(254g、1.8mol)を加え、反応混合物をさらに4時間20℃で撹拌した。次いで、水(5L)を、温度を20℃に保ったまま、40分かけてゆっくりと加えた。水層を酢酸イソプロピル(4L及び2×2L)で抽出した。合わせた有機層を0.5M HCl(4L)及びブライン(2L)で洗浄した。次いで、有機層を、96gのN−((1R,2S)−3−メチル−1−((1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル)オキシ)−1−フェニルブタン−2−イル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミドから出発した並行反応からの有機層と合わせ、およそ1.5Lに濃縮した。生じた茶色の溶液を濾過した。フィルターを酢酸イソプロピル(2×0.5L)で2回洗浄した。固体が形成するまで濾液を蒸発させた。次いで、固体を99.5%エタノール(1L)と同時蒸発させると、標記化合物493g(77%、2工程)の非晶質の固体を与えた。
工程H.2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(A型)の調製
前工程からの非晶質固体(464g、0.94mol)を50℃のエタノール/水2:1(3.7L)に溶解させた。次いで、反応混合物を47℃でA型としての標記化合物(0.5g)の結晶でシーディングすると、わずかに不透明な混合物が形成した。混合物をその温度に1時間保った。その後、温度を7時間かけて20℃に低下させ、20℃で40時間保った。固体を濾過により除き、冷(5℃)エタノール/水1:2(0.8L)で洗浄し、真空中で37℃において一晩乾燥させると、356g(0.70mol、74%、99.9%ee)の標記化合物を一水和物(A型)として与えた。LC/MS:m/z 495[M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d6)δ 0.91(dd,6H),1.38(t,3H),2.42(m,1H),3.50(s,3H),4.21(m,1H),5.29(d,1H),6.53(d,1H),7.09(d,1H),7.13(dd,1H),7.22(t,1H),7.29(t,2H),7.47(d,2H),7.56(d,1H),7.70(dd,1H),8.13(d,1H),8.16(d,1H),8.27(d,1H).
上記工程で使用した種結晶を、以下の手順に従って非晶質化合物から調製した:DMF(8容量)中の5−(5−((1R,2S)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブトキシ)−1H−インダゾール−1−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(1.0mol当量)、2,2−ジフルオロプロパン酸(1.2mol当量)、HATU(1.5mol当量)及びDIPEA(3.0mol当量)の混合物を室温で数時間攪拌した。その後、反応混合物を水に注ぎ、DCM(3×20容量)で抽出し、NaSO上で乾燥させて濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製した。この生成物(401mg)をガラスバイアル中に量り取った。エタノール(0.4mL)を加え、バイアルを振とうして40℃に加熱すると、透明でわずかに黄色の溶液を与えた。エタノール/水(0.4mL、50/50%vol/vol)を加えた。結晶化が5分以内に起こり始め、10分後、白色の濃い懸濁液が形成した。結晶を濾過により回収し、標記化合物を一水和物(A型)として与えた。
工程I.2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(C型)の調製
一水和物−A型としての2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(100g)を50〜55℃のイソプロパノール(1.2L)中に溶解し、得られた溶液を濾過した。次いで、これを減圧下で≦50℃で約0.3Lになるまで蒸留し、溶液の水分含量をチェックした(目標<0.20%w/w)。目標の水分含量が得られなかった場合、目標が達成されるまで、イソプロパノール(1.2L)の添加及び約0.3Lに戻す蒸留を繰り返すことにより、溶液をさらに乾燥させた。さらなるイソプロパノール(0.3L)を加え、混合物を73〜77℃に加熱して、0.5〜2時間還流した。次いで、得られた溶液を減圧下で45〜80℃において約0.3Lになるまで蒸留し、0.5〜1時間還流し、次いで約1時間かけて58〜62℃に冷却した。標記化合物の種結晶(0.1g)を加え、混合物を3.5〜4時間かけて22〜26℃まで冷却した。混合物を22〜26℃で3〜5時間攪拌し、次いでn−ヘプタン(0.6L)を10〜12時間かけて加えた。次いで、これを約1時間かけて48〜52℃に加熱し、約1時間かけて22〜26℃に冷却し、再び約1時間かけて48〜52℃に加熱して、最後に5〜6時間かけて2〜7℃まで冷却した。混合物を6〜10時間攪拌し、濾過して、得られた固体をn−ヘプタン(約0.1L)で洗浄した。固体を真空下で50〜55℃において乾燥して標記化合物(C型)を得た(80〜90g、80〜90%の収率)。
前の工程で使用した種結晶は、以下の手順に従って調製した:2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド(一水和物として)(15g)を約50℃のイソプロパノール(180ml)中に溶解した。次いで、得られた溶液を約45mlまで蒸留し、攪拌したところ、この間に固体が晶出することを観察した。混合物を約30分かけて約25℃まで冷却し、約5時間攪拌し、次いで約35℃まで加熱した。これにn−ヘプタン(12ml)を約4時間かけて加え、混合物を約4時間攪拌した。得られた固体を濾過により採取し、真空下で約50℃において乾燥して標記化合物(C型)を得た。
生物学的活性
GREアゴニストアッセイ
レポーター細胞株(ChagoK1 18:7:2 s4/GRE)を、ヒト気管支原性癌細胞株、ChaGo K1(ATCC:HTB 168)のMMTV−GRE−LacZレポーターコンストラクトによる安定的遺伝子導入により確立した。発生した細胞株は、LacZ遺伝子発現の誘導によりヒトグルココルチコイド受容体(GR)でアゴニスト活性を示す化合物の特定を可能にする。リガンドにより活性化されたGRは、LacZ遺伝子のプロモーター中のグルココルチコイド応答エレメント(GRE)に結合し、転写が開始される。生じたβ−ガラクトシダーゼ活性を、色の反応(吸光度の変化)により測定する。
冷凍保存されたChagoK1 18:7:2 s4/GRE細胞を、10%FBS、1%NEAA、及び1%ピルビン酸ナトリウムを含むRPMI培地に懸濁させ、96ウェルプレートに50000細胞/200μl/ウェルで播種し、37℃で、5%CO及び95%湿度で、24時間培養した。1μlの化合物を、異なる濃度で細胞に加え、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBS中で1回洗い、50μlの0.1%Triton−Xで10分間室温において溶解させた。40μlの反応混合物(2.5mM MgCl、0.1M β−メルカプトエタノール、1.7mg/ml ONPG、及び42.5mMリン酸ナトリウム、pH7.5)を各ウェルに加え、60分間37℃に保った。次いで、100μlの停止液(300mMグリシン、15mM EDTA、pH11.3、NaOHにより調整)の添加により、反応を終了させた。プレートを、SpectraMaxリーダー(Molecular Device)で、420nmで吸光度に関して測定した。
化合物の相対的な効能(効果%)を、デキサメタゾンの完全なアゴニスト効果に基づいて計算する。
効果%=((試料吸光度−最低吸光度)/(最大吸光度−最低吸光度))×100
各化合物でEC50、最大、最小、及びスロープファクターを計算するために、濃度反応曲線を、4パラメータロジスティック方程式を使用して効果%対化合物濃度をプロットすることによりフィッティングさせる。
y=A+(B−A)/(1+((10C)/x)D)
式中、A=最小Y、B=最大Y、C=logEC50、及びD=スロープファクターである。
GREアンタゴニストアッセイ
レポーター細胞株(ChagoK1 18:7:2 s4/GRE)を、ヒト気管支原性癌細胞株、ChaGo K1(ATCC:HTB 168)のMMTV−GRE−LacZレポーターコンストラクトの安定的遺伝子導入により確立した。発生した細胞株は、LacZ遺伝子発現の減少により、ヒトグルココルチコイド受容体(GR)でアンタゴニスト活性を示す化合物の特定を可能にする。デキサメタゾンにより活性化されたGRは、LacZ遺伝子のプロモーター中のグルココルチコイド応答エレメント(GRE)に結合し、転写が開始される。化合物の拮抗作用を、デキサメタゾンによる予備刺激によるβ−ガラクトシダーゼ強度の減少として、色の反応(吸光度の変化)により評価する。
冷凍保存されたChagoK1 18:7:2 s4/GRE細胞を、10%FBS、1%NEAA、及び1%ピルビン酸ナトリウムを含むRPMI培地に懸濁させ、96ウェルプレートに50000細胞/200μl/ウェルで播種し、37℃で、5%CO及び95%湿度で、24時間培養した。細胞を2μlデキサメタゾンにより(最終濃度70nM)4〜5時間予備刺激してから、1μlの化合物を異なる濃度で加え、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBS中で1回洗浄し、50μlの0.1%Triton−Xで10分間室温において溶解させた。40μlの反応混合物(2.5mM MgCl、0.1M β−メルカプトエタノール、1.7mg/ml ONPG、及び42.5mMリン酸ナトリウム、pH7.5)を各ウェルに加え、60分間37℃に維持した。次いで、100μlの停止液(300mMグリシン、15mM EDTA、pH11.3、NaOHにより調整)の添加により、反応を終了させた。プレートを、SpectraMaxリーダー(Molecular Device)で、420nmで吸光度に関して測定した。
化合物の相対的な効能(効果%)を、参照化合物ミフェプリストン(RU486)の完全なアンタゴニスト効果に基づいて計算する。
効果%=((試料吸光度−最低吸光度)/(最高吸光度−最低吸光度))×100
各化合物のIC50、最大、最小、及びスロープファクターを計算するために、濃度反応曲線を、4パラメータロジスティック方程式を使用して効果%対化合物濃度をプロットすることによりフィッティングさせる。
y=A+(B−A)/(1+((10C)/x)D)
式中、A=最小Y、B=最大Y、C=logEC50、及びD=スロープファクターである。
表2は、実施例1の化合物によるこれらのアッセイの結果を示す。「TA」は、GREアゴニストアッセイにおいてアゴニストモードで、及びGREアンタゴニストアッセイにおいてアンタゴニストモードで測定したトランス活性化である。
インビトロのヒト全血
化合物及びプレドニゾロンの抗炎症活性を、LPSにより刺激された全血からのTNFαの放出を阻害するその能力により、インビトロで決定した。ヒトドナーからの静脈血を収集し、ヘパリンナトリウムにより凝固抑制し、ウェルあたり190μLで滅菌ポリスチレン丸底プレート(Corning)に移した。
化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)中の10mMストック溶液から、DMSOで1/3に段階希釈することにより調製し、最高濃度が3.33mMで最低濃度が0.1μMのマスタープレートを作製した。マスタープレートの化合物を、血液に1μL/ウェル(1/200)の希釈で加えて、16.7μM〜0.5nMの最終濃度を与えた。対照ウェルには、1μLのDMSOのみを与え、全ウェルで最終DMSO濃度は0.5%であった。試料を静かに混合し、37℃の加湿インキュベーター(95%空気/5%CO)に入れ、45分間インキュベートした。
LPS(大腸菌(E.coli)血清型0127:B8、Sigma)を、CaCl/MgCl不含のPBS(Gibco)に希釈し、600μg/mLの作業溶液を与えた。10μLを各ウェルに加えると、30μg/mLの最終LPS濃度を与えた。刺激されない対照にはPBSのみを10μL/ウェルで与えた。試料を再び静かに混合し、プレートを一晩18時間インキュベートした。インキュベーション後、血液を、700×gで5分間遠心分離し、血漿を除去し、移動して−20℃で冷凍してから、TNFα放出のアッセイを行った。
TNFαタンパク質レベルは、製造者の説明書に従って、AlphaLISA hTNFαキット(Perkin Elmer)を使用して決定した。簡単に記すと、試料を室温に戻し、1500×gで5分間遠心分離した。試料を1/5に希釈した(20μLのAlphaLISA緩衝液中に5μLの試料)。同時に、TNFαの標準曲線を、ストック溶液からの1/3の段階希釈により準備した(5000〜2pg/mL)。5μL試料/標準曲線を、384ウェルOptiplate(商標)に移し、これに、20μLの抗ヒトTNFαアクセプタービーズ/ビオチン化抗体ミックスを加えた。プレートを室温で60分間インキュベートした。このインキュベーションの後、25μLのストレプトアビジンドナービーズを加え、プレートをさらに60分間、暗所で、室温でインキュベートした。Envisionプレートリーダーを利用して、試料を680nmで励起させて615nmで読み取った。試料中のTNFαを、標準曲線からの外挿により決定し、pg/mLとして表した。
TNFαの阻害%は、以下の式により決定した。
阻害%=(1−(A−B)/(C−B))×100
ここで、A=化合物を含むLPSにより刺激された試料中のTNFα、B=刺激されていない試料中のTNFα、C=化合物を含まないLPSにより刺激された試料中のTNFαである。阻害パーセントを濃度に対してプロットし、4−パラメーターカーブフィット(Xlfit 4.1)を利用して曲線を描いてpIC50を決定した。
チロシンアミノトランスフェラーゼ(「TAT」)mRNA発現インビトロアッセイ
高血糖事象に対する試験化合物の影響を、ヒト肝細胞中のグルココルチコイド受容体の直接的な制御下にある、チロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)をコードする遺伝子のmRNA発現の変化を調べることにより評価した。
実験の概略
ヒトの凍結保存された初代肝細胞(BioreclamationIVT、M00995−P lot EPB)を、24ウェルのコラーゲンIコートプレート(Becton Dickinson、354408)に蒔いた。細胞を4時間接着させてから、試験化合物に一晩(18時間)曝露させた。細胞を収集し、RNeasy Plus Mini Kit(Qiagen、74136)を使用して総RNAを単離し、それに続いて、High Capacity cDNA逆転写キット(Applied Biosystems、4368813)を使用してcDNA合成を行った。TAT用のTaqmanプライマー(Life technologies、Hs00356930_m1)及びリファレンス遺伝子ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(Life technologies、Hs99999909_m1)を使用して、リアルタイムRT PCRをApplied Biosystems 7500 PCRサイクラーで実施した。
プロトコル
ヒトの凍結保存された初代肝細胞を、事前に温めた(37℃)播種培地(BioreclamationIVT、Z990003)に移し、0.7×10生細胞/mLに希釈した。500μLの細胞懸濁液を、コラーゲンIコート24ウェルプレートの各ウェルに蒔き、細胞を、37℃で4時間沈殿及び接着させた。インキュベーション後、培地を静かに廃棄し、DMSOに溶解された(最終DMSO濃度0.01%)1μMの対象の化合物、プレドニゾロン、又は対照としてのDMSOのみを含む、インスリン、グルコース、グルタミン、ピルビン酸塩不含培地(BioreclamationIVT、S00304)に変えた。次いで、プレートを37℃でさらに18時間インキュベートした。培地を廃棄し、総RNA単離(Qiagen)及びcDNA合成(Applied Biosystems)を、製造者のプロトコルに従って実施した。リアルタイムRT PCRを、TaqMan試薬(Life technologies)を使用して7500 PCRサイクラーで実施し、TAT遺伝子発現のCt−値を対照遺伝子に対して正規化し、2−ΔΔCt法を利用してDMSO対照に比較した倍率変化として表した。

Claims (7)

  1. ,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミド:
    の結晶であって、CuKα放射線を用いて測定されるとき、2θ=約7.3、8.7、12.5、15.3及び/又は19.0°において少なくとも3つの特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する、結晶形2,2−ジフルオロ−N−[(1R,2S)−3−メチル−1−{[1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イル]オキシ}−1−フェニルブタン−2−イル]プロパンアミドの結晶
  2. CuKα放射線を用いて測定されるとき、2θ=約7.3、8.7、12.5、19.4及び23.6°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶
  3. 2θ=約7.3、8.7、11.4、12.5、14.5、15.3、17.6、19.4、23.6及び25.7°において特異的なピークを伴うX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶
  4. 薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤又は担体を伴って、請求項1〜のいずれか一項に記載の結晶を含む医薬組成物。
  5. 医薬品として使用するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の結晶
  6. 喘息の治療において使用するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の結晶
  7. リウマチ性関節炎の治療において使用するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の結晶
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