JP6649463B2 - リソグラフィ装置及びリソグラフィ装置を用いてデバイスを製造する方法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2014年7月4日に出願された欧州特許出願第14175743.5号の優先権を主張する。この出願は引用によりその全体が本願に含まれるものとする。
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置、及びリソグラフィ装置を用いたデバイスの製造方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0005] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又は更に強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0006] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、デバイス構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを提供することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義されたフィーチャへの言及は、液体に関して定義されたフィーチャを含むと考えてもよい。
[0007] 通常は液浸空間内の液浸液に接触していない投影システムの最終要素の一部等のコンポーネントに、液体の小滴がはね散ることがある。このような小滴はその後蒸発して、投影システムの最終要素等のコンポーネント上に冷点(cold spot)を形成し、結合誤差及び/又は集束誤差を引き起こす可能性がある。
[0008] 従って、はね散った小滴の効果を軽減するか、又はそのような小滴の形成を実質的に回避するためのシステムを提供することが望ましい。
[0009] 本発明によれば、リソグラフィ装置が提供される。この装置は、
基板にパターン付放射ビームを投影するための投影システムと、
投影システムの最終要素と基板の表面との間の局所領域に液浸流体を閉じ込めるように構成された流体閉じ込め構造と、
一方側で投影システム及び投影システムの最終要素を少なくとも部分的に取り囲むリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面によって、他方側で流体閉じ込め構造の表面によって、画定された空間と、
空間に加湿ガスを供給するための加湿ガス源及び空間からガスを抜き取るための過小圧力源のうち一方に接続可能に構成された、投影システム及びリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面上の1つ以上の開口と、
を備える。
[0010] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置が提供される。この装置は、
基板にパターン付放射ビームを投影するための投影システムと、
投影システムの最終要素と基板の表面との間の局所領域に液浸流体を閉じ込めるように構成された流体閉じ込め構造と、
一方側で投影システム及び投影システムの最終要素を少なくとも部分的に取り囲むリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面によって、他方側で流体閉じ込め構造の表面によって、画定された空間と、
流体閉じ込め構造と、投影システム及びリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面の1つと、の間に延出する可撓性シールであって、空間が更に可撓性シールによって画定されるように構成された、可撓性シールと、
を備える。
[0011] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置を用いてデバイスを製造する方法が提供される。この方法は、
投影システムを用いて、液浸流体を介して基板にパターン付放射ビームを投影することと、
流体閉じ込め構造を用いて、投影システムの最終要素と基板との間の局所領域に液浸流体を供給し閉じ込めることと、
一方側で投影システム及び投影システムの最終要素を少なくとも部分的に取り囲むリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面によって、他方側で流体閉じ込め構造の表面によって、画定された空間を提供することと、
空間を画定する投影システム及びリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面上の1つ以上の開口に加湿ガスを供給することと、空間を画定する投影システム及びリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面上の1つ以上の開口からガスを抜き取ることと、のうち一方と、
を備える。
[0012] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置を用いてデバイスを製造する方法が提供される。この方法は、
投影システムを用いて、液浸流体を介して基板にパターン付放射ビームを投影することと、
流体閉じ込め構造を用いて、投影システムの最終要素と基板との間の局所領域に液浸流体を供給し閉じ込めることと、
一方側で投影システム及び投影システムの最終要素を少なくとも部分的に取り囲むリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面によって、他方側で流体閉じ込め構造の表面によって、画定された空間を提供することと、
を備え、
空間が更に、流体閉じ込め構造と、投影システム及びリソグラフィ装置のコンポーネントのうち少なくとも一方の表面の1つと、の間に延出する可撓性シールによって画定される。
[0013] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0014] 本発明の実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す。 [0015] リソグラフィ投影装置において用いるための液体供給システムを示す。 [0016] ある実施形態に従った別の液体供給システムを示す側断面図である。 [0017] 本発明の別の実施形態に従った流体閉じ込め構造及び投影システムを断面図で示す。 [0018] 本発明の別の実施形態に従った流体閉じ込め構造及び投影システムを断面図で示す。 [0019] 本発明の別の実施形態に従った流体閉じ込め構造及び投影システムを断面図で示す。 [0020] 本発明の別の実施形態に従った流体閉じ込め構造及び投影システムを断面図で示す。 [0021] 本発明の別の実施形態に従った流体閉じ込め構造及び投影システムを断面図で示す。
[0022] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0023]−放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0024]−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0025]−基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0026]−パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0027] 照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0028] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0029] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0030] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0031] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[0032] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0033] リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(又はステージ又は支持体)、例えば2つ以上の基板テーブル、又は1つ以上の基板テーブルと1つ以上のクリーニング、センサ又は測定テーブルとの組み合わせを有するタイプであってもよい。例えば、一実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムの露光側に配置された2つ以上のテーブルを含むマルチステージ装置であり、各テーブルは1つ以上の対象物を含む及び/又は保持する。ある実施形態では、テーブルのうち1つ以上は放射線感応性基板を保持することができる。ある実施形態では、テーブルのうち1つ以上は投影システムからの放射を測定するセンサを保持することができる。ある実施形態では、マルチステージ装置は、放射感応性基板を保持するように構成された第1のテーブル(すなわち、基板テーブル)と、放射感応性基板を保持するように構成されていない第2のテーブル(以降は一般に、測定及び/又はクリーニングテーブルと呼ぶが、これに限定されない)とを備える。第2のテーブルは、放射感応性基板以外に1つ以上のオブジェクトを備える、及び/又は保持することができる。このような1つ以上のオブジェクトには、以下から選択される1つ以上がある。すなわち、投影システムからの放射を測定するセンサ、1つ以上の位置合わせマーク、及び/又は(例えば液体閉じ込め構造をクリーニングする)クリーニングデバイスである。
[0034] このような「マルチステージ(multiple stage)」(又は「マルチステージ(multi stage)」)機械では、複数のテーブルを並行して使用することができ、又は1つ以上のテーブル上で予備工程を実行し、1つ以上の他のテーブルを露光に使用することができる。リソグラフィ装置は、基板、クリーニング、センサ及び/又は測定テーブルと同様の方法で並行して使用され得る2つ以上のパターニングデバイステーブル(又はステージ又は支持体)を有することができる。
[0035] ある実施形態において、リソグラフィ装置は、この装置のコンポーネントの位置、速度等を測定するためのエンコーダシステムを備えてもよい。ある実施形態において、このコンポーネントは基板テーブルを含む。ある実施形態において、このコンポーネントは測定テーブル及び/又はセンサテーブル及び/又は洗浄テーブルを含む。エンコーダシステムは、これらのテーブルのため、本明細書に記載される干渉計システムに追加するか又はその代替とすることができる。エンコーダシステムは、スケール又はグリッドと関連付けた、例えば対にして設けた、センサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドを含む。ある実施形態では、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定テーブル及び/又はセンサテーブル及び/又は洗浄テーブル)が、1つ以上のスケール又はグリッドを有し、このコンポーネントはリソグラフィ装置のフレームに対して移動し、このフレームが、センサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドの1つ以上を有する。センサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドの1つ以上は、スケール(複数のスケール)又はグリッド(複数のグリッド)と協働して、コンポーネントの位置、速度等を決定する。ある実施形態では、リソグラフィ装置のフレームに対してコンポーネントが移動し、このフレームが1つ以上のスケール又はグリッドを有し、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定テーブル及び/又はセンサテーブル及び/又は洗浄テーブル)が、スケール(複数のスケール)又はグリッド(複数のグリッド)と協働してコンポーネントの位置、速度等を決定するセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドの1つ以上を有する。
[0036] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0037] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように設定されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0038] 放射ビームBは、支持構造MT(例えば、マスクテーブル)上に保持されたパターニングデバイスMA(例えば、マスク)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0039] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0040] 1.ステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0041] 2.スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0042] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0043] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0044] 局所液浸システムを用いて、投影システムPSの最終レンズ要素と基板Wとの間に液体を供給することができる。局所液浸システムは、液体が基板の局所エリアにのみ供給される液体供給システム又は流体閉じ込め構造を用いる。液体が充填される領域は、平面視で基板の上面よりも小さい。液体が充填される領域は、基板Wがこの領域の下で移動する間、投影システムPSに対してほぼ静止状態に維持される。図2及び図3は、そのようなシステムで使用することができる異なる液体供給システムを示す。局所領域に液体を封止するため、封止特徴部が存在する。これを提供するために提案された1つの方法が、PCT特許出願公報第WO99/49504号に開示されている。
[0045] オールウェット構成を用いて、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間に液体を供給することができる。オールウェット構成では、液体は閉じ込められない。基板の上面全体及び基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆っている液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜等の膜とすることができる。液浸液は、投影システムのこの領域及び投影システムに対向する対向面(そのような対向面は基板及び/又は基板テーブルの表面であり得る)に対して又はその内部に供給することができる。そのようなシステムにおいて、図2及び図3の液体供給システムのいずれも使用可能である。しかしながら、局所領域のみに液体を封止するための封止特徴部は存在しないか、活性化されないか、通常よりも効率が低いか、又は効果的でない。
[0046] ある実施形態において、リソグラフィ装置は、メッシュ又は同様の多孔性材料で覆われた入口を有する液体除去デバイスを有する流体閉じ込め構造を含む。メッシュ又は同様の多孔性材料は、投影システムの最終要素と可動テーブル(例えば基板テーブル)との間の空間内の液浸液に接触する2次元配列の孔を提供する。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔性材料はハニカム又は他の多角形メッシュを含む。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔性材料は金属メッシュを含む。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔性材料は、リソグラフィ装置の投影システムのイメージフィールドの周りをぐるりと一周して延出する。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔性材料は、流体閉じ込め構造の底面に配置され、テーブルに面した表面を有する。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔性材料は、その底面の少なくとも一部がテーブルの上面と概ね平行である。
[0047] 図2は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の領域の境界の少なくとも一部に沿って延出する局所液体供給システム又は流体閉じ込め構造12を概略的に示す。(以下の文章では、明示的に指定した場合を除いて、基板Wの表面に言及する場合、それに加えて又はその代わりに基板テーブルWTの表面を表すことに注意されたい。)流体閉じ込め構造12は、XY面内で投影システムPSに対してほぼ静止状態であるが、Z方向(光軸の方向)において、ある程度の相対的な移動があり得る。ある実施形態では、流体閉じ込め構造12と基板Wの表面との間にシールが形成され、これは、ガスシール(欧州特許出願公開第EP−A−1,420,298号に開示されたガスシールを有するシステム等)又は液体シールのような無接触シールとすればよい。
[0048] 流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の領域11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。投影システムPSのイメージフィールドの周りに、基板Wに対する無接触シール16が形成されているので、基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の領域内に液体を閉じ込めることができる。領域11は、投影システムPSの最終要素の下にこれを取り囲むように位置決めされた流体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、液体入口13によって、投影システムPSの下の流体閉じ込め構造12内の領域に導入される。液体は、液体出口13によって除去することができる。流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素よりもわずかに上方に延出し得る。液体レベルは最終要素よりも高くなるので、液体のバッファが与えられる。ある実施形態において、流体閉じ込め構造12は、上端において投影システムPS又はその最終要素の形状と密接に一致する内周を有し、例えば丸い形状とすることができる。底部では、内周はイメージフィールドの形状と密接に一致し、例えば矩形であるが、これは必須ではない。
[0049] 使用中に流体閉じ込め構造12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって、液体を領域11に封じ込めることができる。ガスシールはガスによって形成される。ガスシール内のガスは、圧力下で、入口15を通って流体閉じ込め構造12と基板Wとの間のギャップに供給される。ガスは出口14を介して抜き取られる。ガス入口15の過圧、出口14の真空レベル、及びギャップの幾何学的形状は、液体を閉じ込める内側への高速ガス流16が生じるように構成されている。流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体に加わるガスの力が、液体を領域11内に封じ込める。入口/出口は、領域11を取り囲む環状の溝とすればよい。環状の溝は、連続的又は不連続的とすればよい。ガス16の流れは、液体を領域11内に封じ込めるのに効果的である。そのようなシステムは、米国特許出願公開第2004−0207824号に開示されている。ある実施形態では、流体閉じ込め構造12はガスシールを持たない。
[0050] 図3は、一実施形態に従った別の局所液体供給システム又は流体閉じ込め構造12を示す側断面図である。図3に示し、以下に説明する構成は、上述し図1に示したリソグラフィ装置に適用することができる。この液体供給システムには、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延出する流体閉じ込め構造12が設けられている(以下の文章では、明示的に指定した場合を除いて、基板Wの表面に言及する場合、それに加えて又はその代わりに基板テーブルWTの表面を表すことに注意されたい)。
[0051] 流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の局所領域11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。局所領域11は、投影システムPSの最終要素の下にこれを取り囲むように位置決めされた流体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。ある実施形態において、流体閉じ込め構造12は、本体部材53と多孔性部材83とを備えている。多孔性部材83は板状であり、複数の孔(すなわち開口又は細孔)を有する。ある実施形態において、多孔性部材83はメッシュプレートであり、メッシュに多数の小さい孔84が形成されている。そのようなシステムは、米国特許出願公報第2010/0045949A1号に開示されている。これは引用によりその全体が本願に含まれるものとする。
[0052] 本体部材53は、局所領域11に液体を供給することができる供給ポート72と、局所領域11から液体を回収することができる回収ポート73と、を備えている。供給ポート72は、通路74を介して液体供給装置75に接続されている。液体供給装置75は、液体を供給ポート72に供給することができる。液体供給装置75から供給された液体は、対応する通路74を介して供給ポート72の各々に供給される。供給ポート72は、光路の近傍で、光路に面した本体部材53の既定位置に配置されている。回収ポート73は、局所領域11から液体を回収することができる。回収ポート73は、通路79を介して液体回収装置80に接続されている。液体回収装置80は、真空システムを備え、回収ポート73を介した液体の吸引によって液体を回収することができる。液体回収装置80は、回収ポート23を介して回収された液体LQを、通路29を通して回収する。多孔性部材83は回収ポート73に配置されている。
[0053] ある実施形態では、一方側で投影システムPSと流体閉じ込め構造12との間に、他方側で基板Wとの間に液体が存在する局所領域11を形成するため、液体は供給ポート72から局所領域11に供給され、多孔性部材83の孔84(すなわち回収ポート73)を介して液体を回収するように流体閉じ込め構造12の回収チャンバ81内の圧力は負圧に調整される。供給ポート72を用いて液体供給動作を実行すると共に多孔性部材83を用いて液体回収動作を実行することで、一方側で投影システムPSと流体閉じ込め構造12との間、他方側で基板Wとの間に、局所領域11が形成される。
[0054] 上記のように、投影システムPSの最終要素の表面に液浸流体の小滴がはね散るか又は形成されることがある。これは、液浸流体が閉じ込められる局所領域11に隣接して起こり得る。これは、例えば投影システムPSに対する基板W及び/又は基板テーブルWTの移動によってメニスカス400の移動が引き起こされた場合に発生し得る。本発明のある実施形態では、局所領域11内の液浸流体に隣接した空間60に、加湿ガスが供給される。加湿ガスは、気体の形の液浸流体を含み得る。これによって液浸流体の小滴の蒸発を低減させることができる。図4に示すように、空間60は、一方側で投影システムPSの表面によって、他方側で流体閉じ込め構造12の表面によって、画定され得る。空間60は、液浸流体を封じ込めている局所領域11に隣接して設けられる。従って空間60は、局所領域11内の液浸流体の表面、例えばメニスカス400によっても、部分的に画定され得る。
[0055] 任意選択として、図4に示すように、少なくとも投影システムPSの最終要素を取り囲むコンポーネントを含んでもよい。例えば熱調節システム50を設けることができる。熱調節システム50は、少なくとも投影システムPSの最終要素を熱的に調節するように構成され得る。そのような熱調節システム50は、例えば、少なくとも投影システムPSの最終要素の周りに、これに密接して配置され得る。少なくとも投影システムPSの最終要素を取り囲むコンポーネントは、以下で更に詳しく検討する熱調節システム50の例に対して代替的又は追加的な機能を有し得る。例えば、少なくとも投影システムPSの最終要素を取り囲むコンポーネントは、メトロロジフレームとしてもよい。
[0056] 図において、投影システムPSと熱調節システム50との間の分離は明確さのために誇張した形態で図示されていることは認められよう。更に、いくつかの構成では、投影システムPSと熱調節システム50との間、又は他の少なくとも投影システムPSの最終要素を取り囲むコンポーネントとの間の分離は存在しない場合がある。
[0057] 熱調節システム50は、所望の動作温度に対する投影システムPSの温度変動を最小限に抑えるように構成することができる。これは例えば、比較的高い熱容量を有する熱調節システム50によって達成され得る。例えばこれは、金属等の比較的大きい質量の材料から形成することができる。この代わりに又はこれに加えて、熱調節システム50は内部に複数のチャネルを有し得る。これらのチャネル内に熱調節流体を提供することができる。具体的には、熱調節流体は、この熱調節流体の安定した温度を維持する調節システムを介して循環させることができる。この代わりに又はこれに加えて、熱調節システム50において1つ以上のペルチエデバイス及び/又は加熱器を設けてもよい。
[0058] 熱調節システム50を使用する文脈でコンポーネントについて記載しているが、コンポーネントは、他の理由で設けること及び/又は異なる構成を有することも可能であることは認められよう。いずれの場合でも、コンポーネント50が図4から図8に示す断面形状を有することは必須ではないことは認められよう。
[0059] 熱調節システム50等のコンポーネントを用いる場合、投影システムの少なくとも1つの表面及び熱調節システム50の少なくとも1つの表面の組み合わせが、空間60の一方側を画定し得る。図4にそのような構成を示す。
[0060] 空間60内で液浸流体の湿度を維持することによって、投影システムPSの、特に投影システムPSの最終要素の表面上の小滴からの液浸流体の蒸発を最小限に抑えることができる。従って、適切な導管(この図には示していない)を介して加湿ガス源に接続可能である1つ以上の開口61が設けられている。これによって加湿ガスを空間60に供給することができる。加湿ガス源を用いて空間60内の湿度レベルを維持することができる。
[0061] 空間60からガスを抜き取るための1つ以上の開口62も設けることができる。例えば、1つ以上の開口62は導管を介して過小圧力源に接続可能である。1つ以上の開口62は、リソグラフィ装置の他の部分への加湿ガスの漏れを最小限に抑えるよう適切に配置することができる。
[0062] 本発明のある構成では、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61及び過小圧力源に接続される1つ以上の開口62の少なくとも一方を、流体閉じ込め構造12とは反対側の空間60の表面上に配置することができる。例えば1つ以上の開口61、62は、図4に示すように投影システムPSの表面上に設けることができる。他の構成では、以下に記載するように、開口61、62の少なくとも一方は、熱調節システム50が設けられているならばその表面上に設けることができる。
[0063] この代わりに又はこれに加えて、投影システムPSの最終要素を少なくとも部分的に取り囲む別のコンポーネントを設ける場合、そのコンポーネントの表面上に開口61、62の少なくとも一方を設けてもよい。
[0064] 開口61、62の少なくとも一方を、流体閉じ込め構造12とは反対側の空間60の表面上に設けると、流体閉じ込め構造12内の追加設備(service)を取り付ける必要性を低減させることができる。局所領域11内における液浸流体の供給を制御するため、流体閉じ込め構造12内には複数の設備が既に提供されている可能性がある。流体閉じ込め構造12内に、例えば空間60に加湿ガスを供給するためのもの等の追加設備を提供することは、困難である場合があり、及び/又は、既存の設備の提供に影響を及ぼす場合がある。
[0065] 図4に示す構成では、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61は、空間60を画定する投影システムPSの表面上に設けられている。空間60からガスを抜き取るための過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62は、流体閉じ込め構造12の表面上に設けられている。
[0066] 構成の配置を入れ替えてもよいことは認められよう。その場合、投影システムPSの表面上の1つ以上の開口61は過小圧力源に接続可能であり、流体閉じ込め構造12の1つ以上の開口62は加湿ガス源に接続可能である。
[0067] 図5は、そのような構成の変形を示す。図5の構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62を投影システムの表面上に設けるのではなく、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62は熱調節システム50の表面上に設けられている。このような構成によって、加湿ガス源又は過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口61、62の少なくとも一方を流体閉じ込め構造12内に収容することは必須でないことが保証され得る。しかしながら、そのような構成では、1つ以上の開口61、62のセットを投影システムPS内に提供する必要性も回避される。同様に、1つ以上の開口61、62を加湿ガス源又は過小圧力源に接続するための導管も投影システムPS内に必要ない。そのような開口61、62及び導管内の関連したガス流を提供すると、投影システムPS内で振動が発生し得る。投影システムPS内に開口61、62及び/又は関連付けられた導管を必要としないことにより、投影システムPSにおける振動誘発の誤差を低減することができる。
[0068] 本発明のある構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62は、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61よりも、液浸流体を封じ込めている局所領域11から遠くに配置することができる。そのような配置は、リソグラフィ装置の他の部分への加湿ガスの漏れを制御するのに役立ち得る。
[0069] 加湿ガスがすぐに抜き取られずに空間60へ供給されることを保証するため、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62を、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61から充分に分離させなければならないことは認められよう。しかしながら、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61と過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62との間の分離が大きくなればなるほど、リソグラフィ装置の他の部分への加湿ガスの漏れを最小限に抑えるために必要な抜き取り量が多くなる。従って、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61と過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62との間の分離は、これらの必要性のバランスをとるように選択すればよい。
[0070] 一般に、空間60内の液浸流体湿度のレベルは、空間60内の加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61の位置から、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62の位置まで低下し得る。従って、空間60内の最高湿度は、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61の位置の付近で見出され得る。このため、加湿ガス源に接続可能な少なくとも1つ以上の開口61は、液浸流体を封じ込めている局所領域11にできる限り近付けて配置すればよい。この位置は、投影システムPSの表面上に液浸流体の小滴が形成される可能性が最も高い位置である。この位置に、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61を設けることで、蒸発を抑制するため最も有効な位置にできる限り高い湿度を与えることが保証され得る。
[0071] 従って、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61は、投影システムPSの表面上に設ければよい。この構成の上述の利点は、1つ以上の開口61及び関連付けられた導管を投影システムPS内に含めた場合に引き起こされ得る、投影システムPS内で発生する振動のリスクによる欠点よりも大きい可能性がある。
[0072] 1つ以上の開口61、62及び関連付けられた導管のセットを投影システムPS内に設ける場合、振動絶縁システム63によって導管及び/又は開口61、62を投影システムPSに搭載することができる。そのような構成を図4に示す。この場合、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61は投影システムPSの表面上に設けられている。具体的には、ガス導管及び1つ以上の開口61が形成された投影システムPSの表面の部分は、振動絶縁システム63を形成する弾性部材及び/又はダンパを介して、投影システムPSの他の部分から分離させることができる。そのような構成は、一方ではガス導管と加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61との間、他方では投影システムPSとの間の振動の伝達を最小限に抑えることができる。このため、ガス流誘発の振動は、投影システムPSの動作に著しい影響を及ぼさない可能性がある。
[0073] 図6及び図7は、リソグラフィ装置が、投影システムPSの最終要素を少なくとも部分的に取り囲む熱調節システム50等のコンポーネントを含む構成を示す。図6及び図7に示すように、熱調節システム50は、流体閉じ込め構造12の一部も少なくとも部分的に取り囲むように構成され得る。その場合、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61は、空間60を画定する熱調節システム50の表面上に形成することができる。この場合、1つ以上の開口62は、液浸流体を封じ込めている局所領域11から更に離れた位置に配置することができる。具体的には、開口62は、コンポーネントの表面が流体閉じ込め構造12の対向面に面した位置に形成すればよい。
[0074] 図6に示す1つの構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62も熱調節システム50上に設けることができる。図7に示すように、別の構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62を流体閉じ込め構造12の表面上に設けることができる。
[0075] 過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62が流体閉じ込め構造12の表面上に設けられている図4及び図7に示すような構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62は、液浸流体を閉じ込めるための流体閉じ込め構造12のシステムの一部である導管に接続してもよい。従って、流体を閉じ込めるシステム及び空間60からの加湿ガスの抜き取りの双方のために、共通の過小圧力源及び/又は過小圧力源に接続可能な導管を用いることができる。
[0076] 図4から図7に示す例の他にも、開口61、62の他の構成及び構成の組み合わせが提供され得ることは認められよう。
[0077] 加湿ガス源は、ガス供給の温度及び圧力において最大達成可能加湿度を有するガスを供給するように構成することができる。しかしながら、その後、加湿ガス源から空間60へのガス送出中に圧力が低下すると、結果として生じたガス圧で、ガスの最大達成可能加湿度からの低下が生じる。これは、空間60内で液浸流体の蒸発を抑制する効果を低減させ得る。
[0078] このため、加湿ガス源から空間60へ加湿ガスを送出するためのシステムは、圧力低下を最小限に抑えるように構成することができる。例えば、加湿ガス源と空間60への1つ以上の開口61との間のガス導管は、平滑であるように及び/又は尖ったかどを持たないように構成され得る。この代わりに又はこれに加えて、加湿ガス源と1つ以上の開口61との間に多数の導管を用いてもよい。更に、1つ以上のガス導管は、例えば3〜8mm、任意選択として4〜6mmの、比較的大きい直径を有し得る。もっと大きい直径の導管を用いてもよい。
[0079] 圧力低下は、1つ以上の開口61を充分な大きさに構成することによっても最小限に抑えられる。例えば1つ以上の開口61は、断面を約0.2〜2mm、任意選択として0.5〜1mmとすればよい。一般に、加湿ガスを空間60内に供給するため複数の開口61を用いることができる。例えば、液浸流体を封じ込めている局所領域11を囲む線に沿って、10〜100の孔の配列を配置することができる。ある構成では、開口61を相互に充分に近接させて、開口61からの加湿ガス流が加湿ガスのカーテンを形成することを可能とする。開口61は、隣接した開口から数ミリメートル〜数センチメートル離すことができる。
[0080] 開口61の構成は、液浸流体を封じ込めている局所領域11の全周にわたって同一ではない場合がある。例えば、開口61の大きさは、第1の領域では第2の領域とは異なることがある。この代わりに又はこれに加えて、隣接した開口61間の分離は、第1の領域では第2の領域とは異なる場合がある。
[0081] 開口61の構成の非対称性の効果は、ある領域では別の領域よりも大きい加湿ガス流が提供され得ることである。これは、たとえ全ての開口61が同一の加湿ガス源に接続されている場合であっても当てはまり得る。
[0082] そのような構成は、流体閉じ込め構造12の構成に非対称性がある場合に有用となり得る。具体的には、流体閉じ込め構造12は、液浸流体及び液浸流体の粒子も含むことがあるガスを抜き取るように構成されている。この抜き取りは、空間60に供給された加湿ガスの一部も抜き取る可能性がある。流体閉じ込め構造12に対して基板W及び/又は基板テーブルWTを移動させた場合、流体閉じ込め構造12に対する基板及び/又は基板テーブルWTの移動を考慮に入れるため、流体閉じ込め構造12による液浸流体及びガスの抜き取りは、流体閉じ込め構造12の一方側では他方側よりも大きくなるように構成することができる。これに対応して、流体閉じ込め構造12による空間60に供給された加湿ガスの抜き取りは、一方側では他方側よりも大きくなり得る。従って、流体閉じ込め構造12のそのような側で空間60に供給される加湿ガス流を相対的に大きくすることで、流体閉じ込め構造12によるその側での加湿ガスの抜き取り増大の効果を相殺することができる。これによって、空間60内の加湿度レベルが、液浸流体を封じ込めている局所領域11の全ての側で、できる限り一貫していることが保証され得る。
[0083] 一般に、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62の構成について考慮すべき事項は、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61に関して上述したものと同じであり得る。
[0084] ある構成では、加湿ガス源及び/又は過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口61、62は、多孔膜の形態で提供することができる。しかしながら、多孔膜の提供では比較的大きい圧力低下が起こり得る。従って、多孔膜は、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62とだけ関連付けて使用してもよい。以下で説明するように、抜き取り流路において比較的大きい圧力低下を与えることが有益である場合もある。
[0085] 過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62に、ガス流制約部(restriction)を関連付けることができる(図には示していない)。例えば上述のように、1つ以上の開口62に多孔膜を設けることができる。これがガス流制約部を提供する。この代わりに又はこれに加えて、1つ以上の開口62を過小圧力源に接続する導管内に狭窄部(constriction)を設けることも可能である。狭窄部は、例えば導管の幅を狭くすること、又は導管の方向の1つ以上の変化とすればよい。ガス流制約部のそのような構成のいずれか、又は別の形態のガス流制約部を用いて、圧力低下を生成することができる。抜き取り流路における比較的大きい圧力低下は、圧力変動の効果を軽減することができる。
[0086] ある構成では、過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62にガス流制約部を関連付けなくてよい。過小圧力源に接続可能な1つ以上の開口62、及び1つ以上の開口62を過小圧力源に接続する1つ以上の導管は、1つ以上の開口62と過小圧力源との間の圧力低下を最小限に抑えるように構成することができる。これは、加湿ガス源に接続可能な1つ以上の開口61に関して上述したものと同様の構成を用いることにより達成され得る。
[0087] 加湿ガス源は、液浸流体で加湿される任意の適切なガスを供給し得ることは認められよう。液浸流体として超純水を用いる場合、加湿ガスとして加湿空気を用いることが好都合であり得る。
[0088] 空間60内の加湿度レベルを維持するため、空間60からの加湿ガスの漏れが最小限に抑えられ得ることは認められよう。従って、リソグラフィ装置は、例えば投影システムPSと流体閉じ込め構造12との間のギャップの大きさを最小限に抑えるように構成することができる。この代わりに又はこれに加えて、投影システムPSと、投影システムPSの最終要素を取り囲む熱調節システム50等の任意のコンポーネントとの間のギャップを最小限に抑えることができる。この代わりに又はこれに加えて、流体閉じ込め構造12と、投影システムPSの最終要素を取り囲む熱調節システム50等のコンポーネントとの間のギャップを最小限に抑えることができる。しかしながら、リソグラフィ装置の使用中にリソグラフィ装置のそのような部分どうしが接触することなくそれらの部分を相互に移動させるため、リソグラフィ装置のそれらの部分間に最小限の分離が必要とされ得ることは認められよう。
[0089] 図8は、単独で又は上述の実施形態の任意のものとともに使用され得る本発明の実施形態を示す。図示のように、空間60に境界を与えるため、リソグラフィ装置の2つの部分間のギャップを横切るように延出する可撓性シール65を設けることができる。図8に示す構成において、可撓性シール65は、流体閉じ込め構造12の表面から投影システムPSの表面まで延出している。可撓性シール65の構成は、空間60内に加湿ガスを封じ込めるのを助けることができる。加湿ガス源からの加湿ガスの供給を含まないある実施形態では、液浸流体を封じ込めている局所領域11のエッジのメニスカス400における液浸流体の蒸発によって、空間60内のガスを加湿することができる。
[0090] ある構成において、可撓性シール65は、空間60の体積が一定に維持される場合にガスが可撓性シール65を透過して流れることがないように構成することができる。しかしながら、空間60の体積が変化すると、ガスは可撓性シール65を透過して流れることができる。これによって、空間60の体積の変化が空間60内の圧力の変化を引き起こすのを回避することができる。空間60の体積は、例えば流体閉じ込め構造12が投影システムPSに対して移動した場合に変化し得る。これはリソグラフィ装置の使用中に起こる可能性がある。
[0091] 可撓性シール65の第1のエッジ66は、リソグラフィ装置の一部に取り付けるように構成することができる。可撓性シール65の第2のエッジ67は、他端でリソグラフィ装置の別の部分に当接するだけとすればよい。例えば図8に示す構成において、可撓性シール65は、可撓性シール65の第1のエッジ66で流体閉じ込め構造12に固定して接続されている。可撓性シール65の第2のエッジ67は、投影システムPSに当接するだけである。従って、空間60内にわずかな圧力上昇があると、可撓性シール65は湾曲して、可撓性シール65の第2のエッジ67と投影システムPSとの間にガスが流れる小さい空間を生じることができる。
[0092] 更に、可撓性シール65の使用は、あるコンポーネントから別のコンポーネントへの振動の伝達を最小限に抑えることができる。例えば図8に示すもののような構成において、これは、流体閉じ込め構造12から投影システムPSへの振動の伝達を最小限に抑えることができる。
[0093] 可撓性シール65は、リソグラフィ装置内での使用に適した任意の材料から形成することができ、必要な弾性特性を有する。可撓性シール65は、上述した湾曲を可能とするように少量だけ弾性変形することができると望ましい。この代わりに又はこれに加えて、可撓性シール65は、可撓性シール65の第2のエッジ67が投影システムPSに当接する際、少量だけ弾性変形させることで、付勢されて投影システムPSに当接するように構成することができる。可撓性シール65は金属又はプラスチックから形成することができる。例えば可撓性シール65は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成すればよい。
[0094] 上述の実施形態の任意のものと組み合わせて、流体閉じ込め構造12内の液浸流体を加熱し、液浸流体蒸気を空間60に供給する蒸発器を提供してもよい。これによって、空間60内の湿度を最大にするのを支援することができる。
[0095] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0096] 本明細書で想定されるような液体供給システムは、広義に解釈されるべきである。いくつかの実施形態では、これは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に液体を供給する構造の機構又は組み合わせであり得る。これは、1つ以上の構造、1つ以上の液体開口を含む1つ以上の流体開口、1つ以上のガス開口、又は2相の流れのための1つ以上の開口の組み合わせを含み得る。開口は各々、液浸空間への入口(又は流体ハンドリング構造からの出口)、又は液浸空間からの出口(又は流体ハンドリング構造への入口)であり得る。ある実施形態では、空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ以上の要素を更に含むことができる。
[0097] 上記の説明は、限定でなく例示であることが意図される。従って、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく説明したような本発明に対する変更を実施し得ることは、当業者には明らかであろう。

Claims (7)

  1. リソグラフィ装置であって、
    基板にパターン付放射ビームを投影するように構成された投影システムと、
    前記投影システムの最終要素と前記基板の表面との間の局所領域に液浸流体を閉じ込めるように構成された流体閉じ込め構造と、
    一方側で前記投影システムの表面及び/又は前記投影システムの前記最終要素を少なくとも部分的に取り囲む前記リソグラフィ装置のコンポーネントであって前記流体閉じ込め構造から分離したコンポーネントの表面によって、他方側で前記流体閉じ込め構造の表面によって、画定された空間と、
    前記空間に加湿ガスを供給するための加湿ガス源又は前記空間からガスを抜き取るための過小圧力源のいずれか一方に接続可能に構成された、前記投影システムの表面及び/又は前記リソグラフィ装置の前記コンポーネントの前記表面における1つ以上の開口と、
    前記空間に加湿ガスを供給するための前記加湿ガス源及び前記空間からガスを抜き取るための前記過小圧力源のうち他方に接続可能に構成された1つ以上の開口と、
    を備え、
    前記空間に加湿ガスを供給するための前記加湿ガス源に接続可能に構成された前記1つ以上の開口が、前記空間からガスを抜き取るための前記過小圧力源に接続可能に構成された前記1つ以上の開口よりも前記局所領域内の前記液浸流体に近い、
    リソグラフィ装置。
  2. 前記表面における前記1つ以上の開口が、前記投影システムの前記面に設けられている、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記表面における前記1つ以上の開口が、振動絶縁システムによって前記投影システムに搭載されたガス供給導管に形成されている、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記コンポーネントを備え、前記コンポーネントが、前記投影システムの少なくとも前記最終要素の温度の変動を軽減するように構成された熱調節システムを備え、
    前記表面における前記1つ以上の開口が、前記熱調節システムの表面に形成されている、請求項1から3の何れか一項に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記コンポーネントを備え、前記コンポーネントが、前記投影システムの少なくとも前記最終要素の温度の変動を軽減するように構成された熱調節システムを備え、
    相互に対向する前記熱調節システムの表面と前記流体閉じ込め構造の表面との間にギャップが設けられるように、前記熱調節システムの一部が前記流体閉じ込め構造の一部を取り囲み、
    ガスを抜き取るように構成された前記1つ以上の開口が、前記熱調節システム及び前記流体閉じ込め構造の前記対向する表面の1つに設けられている、請求項1から4の何れか一項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記1つ以上の開口が、少なくとも部分的に前記空間を取り囲む線に沿って設けられた複数の開口を含み、
    前記開口の断面及び/又は隣接した開口間の分離が、前記開口の第1のグループでは前記開口の第2のグループとは異なっている、請求項1からの何れか一項に記載のリソグラフィ装置。
  7. 少なくとも1つの開口にガス流制約部が関連付けられている、請求項1からの何れか一項に記載のリソグラフィ装置。
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