JP6649338B2 - 有機elデバイス及び光プリントヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に有機EL素子が配置された有機ELデバイス及び当該有機ELデバイスを備える光プリントヘッドに関する。
通常、有機ELデバイスの製造では、基板上に多数の有機EL素子からなる有機ELデバイスが配置されたマザー基板を作製し、これらの有機ELデバイスを封止する封止工程を経た後に、マザー基板を有機ELデバイスの個片に分断している。
一般的に、有機EL素子は水蒸気による劣化が顕著である。また、有機EL素子を構成する有機EL材料は、水分子が透過しやすいため、水蒸気浸入経路となり得る。なお、水蒸気浸入経路となりうる有機ELデバイス構成材料としては、有機EL材料の他に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの合金、又はこれらを含む化合物を主成分とした電子注入層、有機層間絶縁膜がある。
そこで、有機EL材料が外気と封止領域内部の有機EL素子とを繋ぐ水蒸気浸入経路とならないように、有機EL材料を成膜する有機EL材料成膜領域は、封止領域内に留まるよう島状に形成され、外気との橋渡しとならないようにする。有機EL材料の成膜方法は真空蒸着法が主流であるため、有機EL材料成膜領域を島状に形成する方法としては、非成膜領域をメタルマスクで覆い隠す方法が一般に行われている。
国際公開第2003/061346号
マザー基板上に配置される隣り合う有機ELデバイスの有機EL材料成膜領域の間隔を広く取れる場合は、安価なメタルマスクを用いることができる。
しかしながら、マザー基板上に配置される隣り合う有機ELデバイスの有機EL材料成膜領域の間隔を広く取れない場合は、非成膜領域を形成するためのメタルマスクは細長い形状となる。特に、細長い形状のディスプレイや光プリントヘッドを作る場合は、メタルマスクも細長形状となるため、安価なメタルマスクでは製造が難しく、高精細メタルマスクを使用する必要がある。高精細メタルマスクは、0.1mm以下の薄さの金属板を使い、位置合わせ機構を持った金属枠にテンションを掛けながら貼り付けることで形状を維持する。しかしながら、高精細メタルマスク及び高精細メタルマスクの使用に適した機構を備える真空成膜装置は非常に高額であり、また、高精細メタルマスクは成膜使用回数に上限があるため頻繁に交換する必要があり、さらに、高精細メタルマスクは薄いために破損等の課題もある。このため、有機ELデバイスの製造コストが増加する。
一方、一般的な安価なメタルマスクを使用するために、隣り合う有機ELデバイスの有機EL材料成膜領域の間隔を広く取ると、デッドスペースが増え、1枚のマザー基板から得られる有機ELデバイスの個数が少なくなる。このため、有機ELデバイスの製造コストが、やはり増加する。
このように、従来の方法では、高精細メタルマスクを使用する工法、一般的な安価なメタルマスクを使用する工法の何れにおいても、有機ELデバイスの製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明の一側面は、有機EL素子への水蒸気の浸入を抑制し、且つ、製造コストを低減することができる有機ELデバイス及び当該有機ELデバイスを備える光プリントヘッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、マザー基板を有機ELデバイスの個片に分断する分断部分の構造を工夫することにより、高精細メタルマスクを使用しなくても、有機EL材料に外気と有機EL素子とを繋ぐ水蒸気浸入経路が形成されない構造とし、且つ、マザー基板1枚あたりに得られる有機ELデバイスの個数を増加させることができることを見出した。本発明の一側面は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の一側面は、基板上に、第一電極、有機EL材料及び第二電極を有する有機EL素子が配置された有機ELデバイスであって、有機ELデバイスの端面と有機EL素子との間に配置されて、基板に垂直な方向に延びる端部構造体と、基板と端部構造体との間に配置された第一無機層と、有機EL素子を覆う第二無機層と、端部構造体の端面側及び端面とは反対側に隣接する位置において第一無機層と第二無機層とが接続される接続部と、を備え、有機EL材料、第一無機層及び第二無機層は、有機ELデバイスの端面まで延びており、有機EL材料は、端部構造体の端面側及び端面とは反対側に隣接する位置において接続部により分断されている。
この有機ELデバイスでは、有機EL材料、第一無機層及び第二無機層が、有機ELデバイスの端面まで延びており、有機ELデバイスの端面と有機EL素子との間に基板に垂直な方向に延びる端部構造体が配置されている。そして、有機EL材料が、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置において、第一無機層及び第二無機層が互いに接続される接続部により分断されている。このため、有機ELデバイスの端面から有機EL材料に水蒸気が浸入したとしても、端部構造体の有機ELデバイスの端面側に隣接する接続部により、当該水蒸気の浸入が遮断される。たとえ有機ELデバイスの端面から有機EL材料に浸入した水蒸気が端部構造体に浸入したとしても、端部構造体の有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する接続部により、当該水蒸気の浸入が遮断される。これにより、有機ELデバイスの端面から有機EL材料に浸入した水蒸気が有機EL素子に浸入することを防止することができる。
また、有機EL材料、第一無機層及び第二無機層が、有機ELデバイスの端面まで延びており、且つ、有機EL材料が、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置において接続部により分断されている。このため、マザー基板上に複数の有機ELデバイスを配置する際に、高精細メタルマスクを使用しなくても、マザー基板上において隣り合う有機ELデバイスの間隔を狭くすることができる。これにより、有機ELデバイスの製造コストを低減することができる。
第二無機層は、端部構造体を覆っていてもよい。この有機ELデバイスでは、基板と端部構造体との間に配置された第一無機層と端部構造体を覆う第二無機層とが、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置において互いに接続されているため、端部構造体は、第一無機層及び第二無機層に囲まれる。このため、有機ELデバイスの製造過程において端部構造体に水蒸気が残留したとしても、当該水蒸気が端部構造体から漏れ出して有機EL素子に浸入することを防止することができる。
第二無機層は、有機EL素子を覆って第一無機層に接続される第一保護膜と、第一保護膜上に配置された第二保護膜を有していてもよい。この有機ELデバイスでは、第二無機層が第一保護膜と第二保護膜を有するため、有機ELデバイスを適切に保護することができる。
第二保護膜は、端部構造体の端面とは反対側に配置され、端部構造体の端面側に配置されなくてもよい。この有機ELデバイスでは、第二保護膜が、端部構造体の有機ELデバイスの端面とは反対側に配置され、端部構造体の有機ELデバイスの端面側に配置されないため、低コストで有機ELデバイスを保護することができる。しかも、第二保護膜を形成する際に、第二保護膜を形成する材料が端部構造体に堰き止められるため、第二保護膜を容易に厚くすることができる。
端面と有機EL素子との間に、複数の端部構造体が配置されていてもよい。この有機ELデバイスでは、端面と有機EL素子との間に複数の端部構造体が配置されているため、水蒸気浸入経路が、各端部構造体に隣接される接続部において遮断される。ところで、複数の有機ELデバイスが配置されたマザー基板を有機ELデバイスの個片に分断する際に、有機ELデバイスの端部にクラック等の水蒸気浸入経路が発生する可能性がある。しかしながら、この有機ELデバイスでは、複数の端部構造体によりクラックの進行が阻害され、有機EL素子側の端部構造体までダメージが達しにくくなる。このため、有機EL素子の封止状態を高く保つことができる。
端部構造体の少なくとも一部が導電体であり、端部構造体は、第一電極又は第二電極のうち有機EL材料に対して基板とは反対側に配置される電極と電気的に接続されていてもよい。一般的に、第一電極又は第二電極のうち基板とは反対側に配置される電極は、電極の剥離を防止するために応力を抑制する必要があり、その結果厚くすることができないため、抵抗値が高くなりやすい。この有機ELデバイスでは、当該電極が、少なくとも一部が導電体である端部構造体に電気的に接続されているため、当該電極の抵抗値を低くすることができる。更に、端部構造体は、基板に垂直な方向に厚いため、狭い線幅でも、抵抗値を低くすることができる。しかも、端部構造体は有機EL素子から離れているため、有機EL素子に対する端部構造体の発熱の影響を小さくすることができる。
端部構造体は、頂面から底面に向けて徐々に細くなる断面逆テーパ状に形成されており、基板に垂直な方向に対する端部構造体のテーパ角度は、有機EL材料を蒸着する際に蒸着される有機EL材料が頂面下に入射する入射角度よりも大きくてもよい。この有機ELデバイスでは、端部構造体のテーパ角度が、蒸着される有機EL材料の入射角度よりも大きいため、有機EL材料を蒸着することで、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置に、有機EL材料が形成されない領域を適切に形成することができる。このため、その後に基板上に第二無機層を形成することで、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置に、第一無機層及び第二無機層が互いに接続される接続部を形成することができる。
端部構造体は、第一無機層上に配置される支持部と、支持部上に配置されて支持部に対して端面側及び端面とは反対側に突出するオーバーハング部と、を有し、支持部の高さをTとし、支持部に対するオーバーハング部の端面側及び端面とは反対側に突出する長さをLとし、有機EL材料を蒸着する際に蒸着される有機EL材料がオーバーハング部下に入射する入射角度をθとした場合、θ<tan−1(L/T)の関係を満たしてもよい。この有機ELデバイスでは、支持部の高さ及びオーバーハング部の突出長さと、蒸着される有機EL材料の入射角度とが、上記関係を満たすため、有機EL材料を蒸着することで、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置に、有機EL材料が形成されない領域を適切に形成することができる。このため、その後に基板上に第二無機層を形成することで、端部構造体の有機ELデバイスの端面側及び有機ELデバイスの端面とは反対側に隣接する位置に、第一無機層及び第二無機層が互いに接続される接続部を形成することができる。
本発明の他の一側面に係る光プリントヘッドは、光感応媒体を露光する長尺の光プリントヘッドであって、上記の有機ELデバイスと、基板上に配置されて薄膜トランジスタで構成された電気回路と、電気回路上に配置された平坦化膜と、を備え、第一無機層は、平坦化膜上に配置されており、有機EL素子は、電気回路に接続されている。
この光プリントヘッドでは、上記の有機ELデバイスを備えるため、有機EL素子への水蒸気の浸入を抑制し、且つ、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、有機EL素子への水蒸気の浸入を抑制し、且つ、製造コストを低減することができる。
第一実施形態の有機ELデバイスが適用されるパッシブマトリックス型有機ELディスプレイパネルを示す模式平面図である。 図1に示すII−II線における模式断面図である。 図1に示すIII−III線における模式断面図である。 有機EL素子の部分を拡大した模式断面図である。 端部構造体の部分を拡大した模式断面図である。 変形例のパッシブマトリックス型有機ELディスプレイパネルの、図1に示すII−II線に対応する断面の模式断面図である。 変形例のパッシブマトリックス型有機ELディスプレイパネルの、図1に示すIII−III線に対応する断面の模式断面図である。 マザー基板を示す模式平面図である。 図9(a)及び図9(b)は、有機ELデバイスの製造工程を示す模式図である。 図10(a)及び図10(b)は、有機ELデバイスの製造工程を示す模式図である。 図11(a)及び図11(b)は、有機ELデバイスの製造工程を示す模式図である。 図12(a)及び図12(b)は、有機ELデバイスの製造工程を示す模式図である。 端部構造体に隣接する位置に有機EL材料が形成されない領域を形成する方法を説明する模式図である。 マザー基板を示す模式平面図である。 図14に示すXV−XV線における模式断面図である。 マザー基板を有機ELデバイスの個片に分断した状態を示す模式平面図である。 図17(a)は、第一実施形態で使用するメタルマスクを示す模式平面図であり、図17(b)は、高精細メタルマスクを示す模式平面図である。 第一実施形態の変形例の有機ELデバイスの部分を示す模式平面図である。 第二実施形態の有機ELデバイスが適用される光プリントヘッドを示す模式平面図である。 図19に示すXX−XX線における模式断面図である。 マザー基板を示す模式平面図である。 図21に示すXXII−XXII線における模式断面図である。 端部構造体に隣接する位置に有機EL材料が形成されない領域を形成する方法を説明する模式図である。 有機ELデバイスの製造工程を示す模式図である。 図24に示すXXV−XXV線における模式断面図である。 図26(a)は、高精細メタルマスクを示す模式平面図であり、図26(b)は、第二実施形態で使用するメタルマスクを示す模式平面図であり、図26(c)は、第三実施形態で使用するメタルマスクを示す模式平面図である。 第三実施形態の有機ELデバイスが適用される光プリントヘッドを示す模式平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
(第一実施形態)
第一実施形態は、本発明に係る有機ELデバイスを、パッシブマトリックス型有機ELディスプレイパネルに用いる有機ELデバイスに適用したものである。このパッシブマトリックス型有機ELディスプレイの画素数としては、例えば、256×16ドットとすることができる。
図1〜図5に示すように、本実施形態の有機ELデバイス1は、基板2と、有機EL素子3と、端部構造体4と、素子間構造体5と、第一無機層6と、第二無機層7と、保護樹脂8と、保護フィルム9と、配線部10と、を備える。なお、図1では、保護樹脂8及び保護フィルム9の図示を省略している。
基板2は、有機EL素子3、配線部10等が設けられる素子基板である。基板2は、例えば、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、又は可撓性を有する基板(例えば、プラスチック基板等)である。基板2は、例えば、透光性を有している。基板2は、例えば、矩形の板状に形成されている。基板2は、水蒸気を透過しない材料により形成されていることが好ましい。ここで、水蒸気を透過しないとは、水蒸気を完全に透過しないことのみをいうのではなく、水蒸気を実質的に透過しないことをいう。具体的には水蒸気透過度が10−5[g/m・day]台以下であることをいう。
有機EL素子3は、電流が供給されることによって光を発生する素子である。有機EL素子3は、基板2上に配置されている。基板2が水蒸気を透過しない材料により形成されている場合、有機EL素子3は、基板2に接していてもよく、基板2上に配置された、水蒸気を透過しない材料により形成された薄膜15(図6及び図7参照)に接していてもよい。上述したように、水蒸気を透過しないとは、水蒸気を完全に透過しないことのみをいうのではなく、水蒸気を実質的に透過しないことをいう。具体的には水蒸気透過度が10−5[g/m・day]台以下であることをいう。有機EL素子3が基板2に接している場合は、基板2は水蒸気を透過しない材料により形成されていることが好ましく、有機EL素子3が基板2上に配置された薄膜に接している場合は、当該薄膜は水蒸気を透過しない材料により形成されていることが好ましい。
有機EL素子3は、基板2側から順に積層された第一電極11、有機EL材料12、及び第二電極13を有している。
第一電極11は、陽極又は陰極の何れか一方として機能する導電層である。本実施形態では、第一電極11は、陽極として機能する透明導電層であるものとして説明する。第一電極11を構成する材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛:登録商標)等の透光性を有する導電材料が用いられる。第一電極11は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等のPVD法(物理気相成長法)によって基板2上に成膜した透明導電膜をパターニングすることによって形成される。
有機EL材料12は、容易に水蒸気を透過し、又は、容易に水蒸気と反応する特性を有する。有機EL材料12としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層及び正孔注入層等の有機材料、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、塩化物及びその合金等が挙げられる。有機EL材料12は、例えば、PVD法によって形成される。
第二電極13は、陽極又は陰極の何れか他方として機能する導電層である。本実施形態では、第二電極13は、陰極として機能する導電層であるものとして説明する。第二電極13を構成する材料(導電材料)は、例えば、アルミニウム、銀等の金属である。当該導電材料には、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)が含まれてもよく、IZO、ITO等の透光性を有する材料が含まれてもよい。また、第二電極13は、これらの材料が積層されたものであってもよい。第二電極13は、例えば、抵抗加熱蒸着法、誘導加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、PVD法によって形成される。
端部構造体4は、有機ELデバイス1の端面1aと有機EL素子3との間に配置されて、基板2に垂直な方向Dに延びている。端部構造体4は、隣り合う有機EL素子3の第二電極13同士を分離するカソードセパレータとしても機能する。端部構造体4は、頂面4aが底面4bよりも大きい。頂面4aは、端部構造体4の基板2とは反対側の面であり、底面4bは、端部構造体4の基板2側の面である。具体的には、端部構造体4は、頂面4aから底面4bに向けて徐々に細くなる断面逆テーパ状に形成されている。端部構造体4は、有機ELデバイス1の端面1aの近傍において、有機ELデバイス1の端面1aに沿って形成されている。そして、端部構造体4の端面1aとは反対側(内側)には、有機EL素子3が配置されており、端部構造体4の端面1a側(外側)には、有機EL素子3が配置されていない。端部構造体4は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
素子間構造体5は、隣り合う有機EL素子3の間に配置されて、基板2に垂直な方向Dに延びている。素子間構造体5は、隣り合う有機EL素子3の第二電極13同士を分離するカソードセパレータとしても機能する。素子間構造体5は、端部構造体4と同じ形状をなしている。
第一無機層6は、基板2と端部構造体4との間に配置されている。第一無機層6は、水蒸気を透過しない無機材料により形成されている。上述したように、水蒸気を透過しないとは、水蒸気を完全に透過しないことのみをいうのではなく、水蒸気を実質的に透過しないことをいう。具体的には水蒸気透過度が10−5[g/m・day]台以下であることをいう。第一無機層6としては、例えば、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素又はアルミナを主成分とする無機絶縁膜を用いることができる。なお、ガラス基板である基板2、又は、第一電極11若しくは第二電極13のうち基板2側に配置される電極(第一電極11)を、第一無機層6として用いてもよい。第一無機層6として無機絶縁膜を用いる場合、第一無機層6は、例えば、スパッタ法、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)法、又はプラズマCVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。
第二無機層7は、有機EL素子3、端部構造体4及び素子間構造体5を覆う。第二無機層7は、水蒸気を透過しない無機材料により形成されている。上述したように、水蒸気を透過しないとは、水蒸気を完全に透過しないことのみをいうのではなく、水蒸気を実質的に透過しないことをいう。具体的には水蒸気透過度が10−5[g/m・day]台以下であることをいう。第二無機層7は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。本実施形態では、第二無機層7は、第一保護膜7a及び第二保護膜7bの二層構造となっている。
第一保護膜7aは、第二保護膜7bの基板2側に配置されて、有機EL素子3、端部構造体4、及び素子間構造体5を覆う保護膜である。第一保護膜7aは、例えば、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、チタニア、又は酸化ジルコニウムを主成分とする無機材料を含む。第一保護膜7aは、例えば、スパッタ法、プラズマCVD法、光CVD(PhotoChemical Vapor Deposition)法、触媒化学気相成長(Cat−CVD:Catalytic ChemicalVapor Deposition)法、又は原子層堆積法によって形成される。具体的には、第一保護膜7aは、スパッタ法、プラズマCVD法、光CVD法、触媒化学気相成長法、又は原子層堆積法等の被覆性の優れた形成方法で形成された酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、チタニア、又は酸化ジルコニウムを主成分とすることが好ましい。中でも、プラズマCVD法又は原子層堆積法がその量産設備の成熟度、採用実績、被覆性、及び欠陥の少なさからもたらされる水蒸気遮蔽性の高さから好ましい。また、プラズマCVD法においては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、又は窒化ケイ素が、原子層堆積法においては酸化ケイ素、アルミナ、チタニア、酸化ジルコニウム、又はこれらの膜の積層が、量産採用実績が多く生産性が高いという面から好ましい。
第二保護膜7bは、第一保護膜7a上、つまり、第一保護膜7aの基板2とは反対側に配置されて、有機EL素子3及び素子間構造体5を覆う保護膜である。第二保護膜7bは、有機EL素子3及び素子間構造体5上に配置され、端部構造体4と有機ELデバイス1の端面1aとの間に配置されないことが好ましい。つまり、第二保護膜7bは、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に配置され、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側に配置されないことが好ましい。第二保護膜7bは、第一保護膜7aの欠陥を被覆する性能に優れる材料を有することが好ましい。第二保護膜7bとしては、例えば、ポリシラザン、又はポリシロキサンを主成分とする無機材料を用いることができる。第二保護膜7bは、例えば、塗布法、ウェット法によって形成される。第二保護膜7bの水蒸気遮蔽性能を向上させる観点から、第二保護膜7bの表面が、プラズマ照射、真空紫外光照射、電子線照射等の高エネルギーに曝されていることが好ましい。
保護樹脂8は、第二保護膜7b上に配置されて、機械的なダメージに対する耐性を向上させるための樹脂である。保護樹脂8としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂を用いることができる。この中でも、シリコーン樹脂は、特に衝撃機能に優れ、機械的なダメージに対する耐性が高いため、好ましい。保護樹脂8は、例えば、インクジェット法、ディスペンス法によって形成される。
保護フィルム9は、第二保護膜7b又は保護樹脂8上に配置されて、機械的なダメージに対する耐性を向上させるためのフィルムである。保護フィルム9としては、例えば、PETフィルム等の樹脂フィルム、アルミ箔、銅箔、ステンレススチール箔等の金属箔などを用いることができる。
配線部10は、有機EL素子3から引き出された引き出し配線である。配線部10は、例えば、モリブデン合金、アルミニウム合金、及びモリブデン合金がこの順に積層された積層膜(以下「MAM配線膜」という。)により形成される。
また、有機ELデバイス1は、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において、第一無機層6と第二無機層7の第一保護膜7aとが接続される接続部14を有する。端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側に隣接する接続部14を外側接続部14aといい、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する接続部14を内側接続部14bという。接続部14では、第一無機層6と第一保護膜7aとが、基板2に垂直な方向Dに積層されて接続されている。
有機EL材料12、第一無機層6及び第一保護膜7aは、有機ELデバイス1の端面1aまで延びている。このため、有機ELデバイス1の端面1aの一部は、有機EL材料12、第一無機層6及び第一保護膜7aによって形成されている。
そして、有機EL材料12は、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において、接続部14により分断されている。つまり、有機EL材料12は、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側において外側接続部14aにより分断されており、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1aとは反対側において内側接続部14bにより分断されている。有機EL材料12は、水蒸気を透過させる水蒸気透過層であるため、有機EL素子3まで水蒸気を浸入させる水蒸気浸入経路となり得る。接続部14は、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置で有機EL材料12を分断することで、水蒸気浸入経路を遮断する水蒸気浸入経路遮断部として機能する。
次に、有機ELデバイス1の製造方法の一例について説明する。ただし、有機ELデバイス1の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
有機ELデバイス1の製造では、図8に示すように、複数の有機ELデバイス1が配置されたマザー基板20を作製し、その後、マザー基板20を有機ELデバイス1の個片に分断することにより行う。なお、マザー基板20において、各有機ELデバイス1が配置される領域を、有機ELデバイス配置領域21という。
まず、図9(a)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、第一電極11を形成する。詳しく説明すると、基板2となる無アルカリガラス基板上に第一電極11となる陽極材料のITOをスパッタ法で成膜し、その後、陽極パターンをフォトリソグラフィー法により形成する。
次に、図9(b)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、配線部10を形成する。詳しく説明すると、配線部10となるMAM配線膜をスパッタ法で真空を破らずに連続成膜し、更に、フォトリソグラフィー法で陽極とドライバーICを繋ぐための配線パターンを加工する。それぞれの電極材料の加工は、有機ELディスプレイ又は液晶ディスプレイで一般的に用いられている方法を用いることができる。
次に、図10(a)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、第一無機層6を形成する。詳しく説明すると、第一電極11(ITO)のパターン段差及び露出させたくない配線部10(MAM配線膜)を、第一無機層6となる酸化ケイ素で被覆する。この場合、第一無機層6となる無機材料としては、水蒸気を透過しない無機材料であればよく、酸化ケイ素の代わりに、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素又はアルミナを主成分とする無機絶縁材料を用いてもよい。成膜方法としては、スパッタ法、又はプラズマCVD法を用いることができる。酸化ケイ素を成膜した後に、フォトリソグラフィー法でパターン加工する。酸化ケイ素のエッチングは、バッファード弗酸を用いたウェットエッチング法で行うが、ドライエッチング法で加工してもよい。ドライエッチングの場合は、酸化ケイ素のパターン段差を制御性よく角度20°程度以下のテーパ形状に加工することが可能であり、これにより、酸化ケイ素のパターン段差上に積層する有機EL材料12等の薄膜の被覆性がよくなるため、好ましい。加工方法は、使用した第一無機層6の加工に適した加工方法を使用すればよい。なお、第二電極13(陰極)と配線部10(MAM配線膜)を接合する部分の第一無機層6も導通が確保されるように適切に加工されている(加工方法は図示省略)。
次に、図10(b)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、端部構造体4及び素子間構造体5を形成する。詳しく説明すると、第一無機層6上に、端部構造体4及び素子間構造体5を形成する。端部構造体4は、有機ELデバイス配置領域21の長辺側切断部に沿うように形成し、素子間構造体5は、有機ELデバイス配置領域21における隣り合う有機EL素子3の間に形成する。なお、端部構造体4と素子間構造体5とは、同じ方法で同時に成形できるため、以下では、端部構造体4の形成方法のみを説明する。端部構造体4の形成は、頂面4aが底面4bよりも大きく、頂面4aから底面4bに向けて徐々に細くなる断面逆テーパ状となるように、ネガレジスト(有機樹脂)により行う。
次に、図11(a)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、有機EL材料12を形成する。詳しく説明すると、有機EL材料12は、真空蒸着法により形成する。
ところで、有機EL素子は水蒸気で劣化しやすいため、成膜後に外気暴露することはできない。つまり、第二電極13のパターニングには、フォトリソグラフィー法が適用できないため、成膜すると同時に隣り合う有機EL素子3間で電気的に分離されることが必須である。そこで、第二電極13の成膜方法として段差被覆性が悪い方法を採用し、且つ、端部構造体4及び素子間構造体5を被覆されにくい構造とすることで、第二電極13の成膜と同時に端部構造体4及び素子間構造体5の設置部分を境に素子間で分離されるようにする。カソードセパレータの目的は、隣り合う有機EL素子3間で陰極を電気的に分離することであり、それにより隣り合う有機EL素子3を独立に駆動することが可能となる。このため、カソードセパレータとしての観点からは、端部構造体4及び素子間構造体5は、第二電極13のみが電気的に分離されていればよく、有機EL材料12等は端部構造体4及び素子間構造体5全体を覆っていても構わない。
しかしながら、本実施形態では、端部構造体4及び素子間構造体5の形状を工夫することにより、端部構造体4及び素子間構造体5に隣接する位置において水蒸気透過層となり得る有機EL材料12が形成されないようにする。
具体的に説明すると、図13に示すように、基板2に垂直な方向Dに対する端部構造体4のテーパ角度θが、有機EL材料12を蒸着する際に蒸着される有機EL材料が頂面4a下に入射する入射角度θ(基板2に垂直な方向Dに対する角度)よりも大きくなるようにする。なお、素子間構造体5も、端部構造体4と同様に、基板2に垂直な方向Dに対する素子間構造体5のテーパ角度θが、有機EL材料12を蒸着する際に蒸着される有機EL材料が頂面下に入射する入射角度θよりも大きくなるようにする。
この場合、テーパ角度θ及び入射角度θの設定は、端部構造体4及び素子間構造体5の形状を調整することにより行ってもよく、有機EL材料12の蒸着条件を調整することにより行ってもよい。端部構造体4及び素子間構造体5の形状を調整することにより行う場合は、蒸着される有機EL材料の入射角度θを固定することができるため、有機EL材料の蒸着を容易に行うことができる。一方、有機EL材料12の蒸着条件を調整することにより行う場合は、端部構造体4及び素子間構造体5の形状に自由度を持たせることができる。有機EL材料12の蒸着条件を調整することにより行う場合は、例えば、端部構造体4及び素子間構造体5のテーパ角度θが蒸着される有機EL材料の入射角度θよりも大きくなるように、基板2、蒸着るつぼ、及び蒸着材料遮蔽板(入射角度調整板)を配置する。一例として、端部構造体4及び素子間構造体5の高さを3μmとし、端部構造体4及び素子間構造体5のテーパ角度θを45°とした場合は、蒸着される有機EL材料が頂面4a下に入射する入射角度θが最大30°となるように、基板2、蒸着るつぼ、及び蒸着材料遮蔽板(入射角度調整板)を配置する。
これにより、端部構造体4及び素子間構造体5の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において、有機EL材料12が形成されずに第一無機層6が露出する領域が形成される。なお、製造ばらつき等を考慮した場合、有機EL材料12が形成されずに第一無機層6が露出する領域は、十分広い方がよいが、後工程において形成する第一保護膜7aの膜厚以上の広さがあれば十分である。有機EL材料12が形成されずに第一無機層6が露出する領域は、例えば、1μm以上とすることができる。
次に、図11(b)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、第二電極13を形成する。詳しく説明すると、第二電極13となる陰極材料のアルミニウムを電子ビーム加熱蒸着法で成膜する。アルミニウムの成膜は、例えば、0.2μmとする。
なお、有機EL材料12及び第二電極13の成膜時には、図17(a)に示すような大きく開口が開いたメタルマスクM1を用い、配線部10、ドライバーIC、及びフレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuits)の接続部分に有機EL材料12及び第二電極13が成膜されないようにする。
次に、図12(a)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、第二無機層7の第一保護膜7aを形成する。詳しく説明すると、露出した第一無機層6に接触するように段差被覆性の高い方法で第一保護膜7aを成膜する。第一保護膜7aの成膜は、例えば、プラズマCVD法で窒化ケイ素の膜を0.3μm成膜することにより行う。これにより、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側に隣接して外側接続部14a(接続部14)が形成されるとともに、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接して内側接続部14b(接続部14)が形成される。なお、素子間構造体5に隣接する位置にも、第一無機層6と第一保護膜7aとが接続される接続部が形成される。
次に、図12(b)に示すように、有機ELデバイス配置領域21に、第二無機層7の第二保護膜7bを形成する。詳しく説明すると、ポリシラザン溶液をディスペンス法で塗布した後に溶媒を蒸発乾燥させ、85℃で硬化させることで、第二保護膜7bを形成する。第二保護膜7bは、更に真空紫外光を照射したりプラズマを照射したりすることで、緻密な保護膜となって水蒸気からの保護性能をより向上させることが可能である。また、85℃硬化時に水蒸気に暴露してポリシラザン膜を酸化シリコン膜に転化させることで、圧縮応力が発生するため第二保護膜7bにクラックが発生しにくくなる。
第一保護膜7a及び第二保護膜7bの合計膜厚は、例えば、約1μmとする。この場合、第一保護膜7a及び第二保護膜7bの合計膜厚は、0.3〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。0.3μmより薄いと完全に欠陥を被覆することが難しくなり、5μmより厚いと膜応力が大きくなりやすく応力制御が困難になる。0.5〜2μmの膜厚とすることで欠陥を抑えつつ、応力制御も容易となる。このように異なる成膜方法で複数の保護膜を形成することで、より欠陥が少なく保護性能の優れた保護膜とすることができる。
次に、有機ELデバイス配置領域21に、保護樹脂8及び保護フィルム9を形成する。詳しく説明すると、第二保護膜7b上に、保護樹脂8としてシリコーン樹脂をディスペンス法を用いて塗布し、その後、保護樹脂8上に、保護フィルム9を貼付する。シリコーン樹脂の厚さは、例えば、約100μmとする。保護樹脂8の膜厚は、膜面の凹凸が平坦化されるように、端部構造体4及び素子間構造体5の高さより高いことが好ましい。保護樹脂8の最大厚さは、特に制限されないが、基板2を含めた有機ELデバイス1の厚さが1mm以下となるようにすれば、最終製品に組み込むスペースが少なくて済むため好ましい。
以上より、図14及び図15に示すように、複数の有機ELデバイス1が配置されたマザー基板20が作製される。なお、図14は、保護樹脂8及び保護フィルム9の図示を省略している。そして、図16に示すように、マザー基板20を切断することにより、有機ELデバイス1の個片に分断する。マザー基板20の切断は、マザー基板20の材料に適した方法で行えばよく、マザー基板20の材料がガラスであればガラススクライバー、マザー基板20の材料が樹脂であればトムソン刃等の刃物、又はレーザー加工機を用いることができる。なお、マザー基板20の切断を容易にする観点から、切断部には、第二保護膜7b及び保護樹脂8を形成しないことが好ましい。切断部は、有機ELデバイス1の端面1aと端部構造体4との間である。
そして、個片に分断された有機ELデバイス1に、ドライバーIC、及びフレキシブル回路基板を実装する。これにより、有機ELディスプレイパネルが完成する。
このように、本実施形態に係る有機ELデバイス1では、有機EL材料12、第一無機層6及び第一保護膜7aが、有機ELデバイス1の端面1aまで延びており、有機ELデバイス1の端面1aと有機EL素子3との間に基板2に垂直な方向Dに延びる端部構造体4が配置されている。そして、有機EL材料12が、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において、第一無機層6及び第一保護膜7aが互いに接続される接続部14により分断されている。このため、有機ELデバイス1の端面1aから有機EL材料12に水蒸気が浸入したとしても、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側に隣接する接続部14により、当該水蒸気の浸入が遮断される。たとえ有機ELデバイス1の端面1aから有機EL材料12に浸入した水蒸気が端部構造体4に浸入したとしても、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する接続部14により、当該水蒸気の浸入が遮断される。これにより、有機ELデバイス1の端面1aから有機EL材料12に浸入した水蒸気が有機EL素子3に浸入することを防止することができる。
また、有機EL材料12、第一無機層6及び第一保護膜7aが、有機ELデバイス1の端面1aまで延びており、且つ、有機EL材料12が、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において接続部14により分断されている。このため、マザー基板20上に複数の有機ELデバイス1を配置する際に、図17(b)に示すように隣り合う有機ELデバイス1の間に細い桟αを渡した高精細メタルマスクM2を使用しなくても、マザー基板20上において隣り合う有機ELデバイス1の間隔を狭くすることができる。これにより、有機ELデバイス1の製造コストを低減することができる。
また、端部構造体4において、頂面4aが底面4bよりも大きいため、例えば、基板2上に、第一電極11、第一無機層6及び端部構造体4を形成した後、有機EL材料12を蒸着することで、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置に、有機EL材料12が形成されない領域を形成することができる。このため、その後に基板2上に第一保護膜7aを形成することで、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置に、第一無機層6及び第一保護膜7aが互いに接続される接続部14を形成することができる。
また、基板2と端部構造体4との間に配置された第一無機層6と端部構造体4を覆う第一保護膜7aとが、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置において互いに接続されているため、端部構造体4は、第一無機層6及び第一保護膜7aに囲まれる。このため、有機ELデバイス1の製造過程において端部構造体4に水蒸気が残留したとしても、当該水蒸気が端部構造体4から漏れ出して有機EL素子3に浸入することを防止することができる。
また、接続部14では第一無機層6と第一保護膜7aとが基板2に垂直な方向Dに積層されているため、第一無機層6と第一保護膜7aとを強固に接続することができる。
また、端部構造体4が有機ELデバイス1の端面1aの近傍において有機ELデバイス1の端面1aに沿って形成されているため、有機ELデバイス1の端面1aから有機EL材料12に浸入した水蒸気が有機EL材料12に浸入することを更に防止することができるとともに、マザー基板20上に複数の有機ELデバイス1を配置する際に、マザー基板20上において隣り合う有機ELデバイス1の間隔を更に狭くすることができる。
また、有機EL素子3が、水蒸気を透過しない材料により形成された基板2に接しているため、又は、有機EL素子3が、基板2上に配置されて水蒸気を透過しない材料により形成された薄膜に接しているため、基板2側から有機EL素子3に水蒸気が浸入することを防止することができる。
また、この有機ELデバイス1では、第一無機層6を前述のものとすることで、低コストで第一無機層6を形成することができる。
また、有機EL素子3を覆って第一無機層6に接続される第一保護膜の材料を前述のものとすることで、低コストで第一保護膜を形成することができる。
また、第二無機層7が第一保護膜7aと第二保護膜7bを有するため、有機ELデバイス1を適切に保護することができる。
また、第二保護膜7bが有機EL素子3上に配置されて端部構造体4と端面1aとの間には配置されないため、低コストで有機ELデバイス1を保護することができる。しかも、第二保護膜7bを形成する際に、第二保護膜7bを形成する材料が端部構造体4に堰き止められるため、第二保護膜7bを容易に厚くすることができる。
また、端部構造体4のテーパ角度θが、蒸着される有機EL材料12の入射角度θよりも大きいため、有機EL材料12を蒸着することで、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置に、有機EL材料12が形成されない領域を適切に形成することができる。このため、その後に基板2上に第一保護膜7aを形成することで、端部構造体4の有機ELデバイス1の端面1a側及び有機ELデバイス1の端面1aとは反対側に隣接する位置に、第一無機層6及び第一保護膜7aが互いに接続される接続部14を形成することができる。
なお、有機ELデバイス1の端面1a付近(切断部)に配置する端部構造体4の数は、特に限定されるものではなく、複数であってもよい。例えば、図18に示す有機ELデバイス1Aのように、端部構造体4を3本とすることができる。有機ELデバイス1の端面1aと有機EL素子3との間に複数の端部構造体4を配置することで、水蒸気浸入経路が、各端部構造体4に隣接される接続部14において遮断される。ところで、複数の有機ELデバイス1が配置されたマザー基板20を有機ELデバイス1の個片に分断する際に、有機ELデバイス1の端部にクラック等の水蒸気浸入経路が発生する可能性がある。しかしながら、複数の端部構造体4によりクラックの進行が阻害されるため、水蒸気浸入経路の発生及び進行が抑制されるとともに、有機EL素子3側の端部構造体4までダメージが達しにくくなる。このため、有機EL素子3の封止状態を高く保つことができる。
(第二実施形態)
第二実施形態は、本発明に係る有機ELデバイスを、光感応媒体を露光する長尺の光プリントヘッドに用いる有機ELデバイスに適用したものである。この光プリントヘッドは、プリンタ及び複写機用感光ドラムの露光用光源であって、アクティブ駆動方式の有機ELデバイスを備えたものである。この光プリントヘッドの外形としては、例えば、幅6mm、長さ320mmの矩形形状とすることができる。
図19に示すように、本実施形態の有機ELデバイス31は、矩形形状に形成されている。図20に示すように、有機ELデバイス31は、バックプレーン基板32と、有機EL素子33と、端部構造体34と、第一無機層36と、第二無機層37と、を備える。
バックプレーン基板32は、有機EL素子33等が設けられる素子基板である。バックプレーン基板32は、基板32aと、基板32a上に配置されて薄膜トランジスタで構成された電気回路32bと、電気回路32b上に配置された平坦化膜32cと、を備える。基板32aは、第一実施形態の基板2に対応するものである。電気回路32bを構成する薄膜トランジスタとしては、例えば、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ(以下「LTPS−TFT」という。)を用いることができる。LTPS−TFTで構成される電気回路32b(LTPS−TFT駆動回路)は、一般的な製造方法で作製することができる。平坦化膜32cには、電気回路32bを有機EL素子33等と導通させるビアホール38が形成されている。
有機EL素子33は、第一実施形態の有機EL素子3に対応するものであり、バックプレーン基板32上に配置されて、ビアホール38を介して電気回路32bに接続されている。有機EL素子33は、バックプレーン基板32側から順に積層された第一電極41、有機EL材料42、及び第二電極43を有している。第一電極41、有機EL材料42、及び第二電極43は、第一実施形態の第一電極11、有機EL材料12、及び第二電極13に対応するものである。なお、第一電極41、有機EL材料42、及び第二電極43自体の構造は、第一実施形態の第一電極11、有機EL材料12、及び第二電極13と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
端部構造体34は、第一実施形態の端部構造体4に対応するものであり、有機ELデバイス31の端面31aと有機EL素子33との間に配置されて、バックプレーン基板32に垂直な方向Dに延びている。端部構造体34は、隣り合う有機EL素子33の第二電極43同士を分離するカソードセパレータとして機能する。端部構造体34は、頂面34aが底面34bよりも大きい。頂面34aは、端部構造体34のバックプレーン基板32とは反対側の面であり、底面34bは、端部構造体34のバックプレーン基板32側の面である。具体的には、端部構造体34は、断面T字状に形成されている。そして、端部構造体34は、第一無機層36上に配置される支持部34Aと、支持部34A上に配置されて支持部34Aに対して有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に突出するオーバーハング部34Bと、を有する。端部構造体34は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
端部構造体34は、矩形環状構造体341と、直線状構造体342と、を備えており、矩形環状構造体341及び直線状構造体342により多重に構成されている。矩形環状構造体341は、有機ELデバイス31の端面31aに沿って複数の有機EL素子33を囲む矩形環状に形成された端部構造体34である(図19参照)。直線状構造体342は、矩形環状構造体341と有機ELデバイス31の端面31aとの間に配置されて、有機ELデバイス31の長辺側の端面31aに沿って延びる直線状に形成された端部構造体34である(図19参照)。矩形環状構造体341と直線状構造体342とは、平面視(底面視)における形状が異なるだけで、その構造は同一である。このため、以下では、矩形環状構造体341及び直線状構造体342を特に区別して説明する場合を除き、矩形環状構造体341及び直線状構造体342を端部構造体34として纏めて説明する。端部構造体34(矩形環状構造体341及び直線状構造体342)は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
第一無機層36は、第一実施形態の第一無機層6に対応するものであり、バックプレーン基板32と端部構造体34との間に配置されており、バックプレーン基板32の平坦化膜32c上に配置されている。平坦化膜32cは単層でも複数層でもよいが、少なくとも第一電極41に接する層は水蒸気透過率の低い層であることが好ましい。なお、第一無機層36自体の構造は、第一実施形態の第一無機層6と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第二無機層37は、第一実施形態の第二無機層7に対応するものであり、有機EL素子33を覆うとともに、矩形環状構造体341の一部を覆う。第二無機層37は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。本実施形態では、第二無機層37は、第一保護膜37a及び第二保護膜37bの二層構造となっている。なお、第二無機層37自体の構造は、第一実施形態の第二無機層7と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第一保護膜37aは、第一実施形態の第一保護膜7aに対応するものであり、第二保護膜37bのバックプレーン基板32側に配置されて、有機EL素子33を覆う保護膜である。なお、第一保護膜37a自体の構造は、第一実施形態の第一保護膜7aと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第二保護膜37bは、第一実施形態の第二保護膜7bに対応するものであり、第一保護膜37a上、つまり、第一保護膜37aのバックプレーン基板32とは反対側に配置されて、有機EL素子33を覆うとともに、矩形環状構造体341の一部を覆う保護膜である。第二保護膜37bは、有機EL素子33上に配置され、矩形環状構造体341上及び矩形環状構造体341と有機ELデバイス31の端面31aとの間に配置されないことが好ましい。つまり、第二保護膜37bは、矩形環状構造体341の有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に配置され、矩形環状構造体341上及び矩形環状構造体341の有機ELデバイス31の端面31a側に配置されないことが好ましい。なお、第二保護膜37b自体の構造は、第一実施形態の第二保護膜7bと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、有機ELデバイス31は、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置において、第一無機層36と第一保護膜37aとが接続される接続部44を有する。つまり、接続部44は、矩形環状構造体341の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置と、直線状構造体342の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置と、に設けられる。端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側に隣接する接続部44を外側接続部44aといい、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する接続部44を内側接続部44bという。接続部44では、第一無機層36と第一保護膜37aとが、バックプレーン基板32に垂直な方向Dに積層されて接続されている。
有機EL材料42、第二電極43、第一無機層36及び第一保護膜37aは、有機ELデバイス31の端面31aまで延びている。このため、有機ELデバイス31の端面31aの一部は、有機EL材料42、第二電極43、第一無機層36及び第一保護膜37aによって形成されている。
そして、有機EL材料42、第二電極43及び第一保護膜37aは、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置において、接続部44により分断されている。つまり、有機EL材料42、第二電極43及び第一保護膜37aは、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側において外側接続部44aにより分断されており、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31aとは反対側において内側接続部44bにより分断されている。有機EL材料42は、水蒸気を透過させる水蒸気透過層であるため、有機EL素子33まで水蒸気を浸入させる水蒸気浸入経路となり得る。接続部44は、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置で有機EL材料42を分断することで、水蒸気浸入経路を遮断する水蒸気浸入経路遮断部として機能する。
次に、有機ELデバイス31の製造方法の一例について説明する。ただし、有機ELデバイス31の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
有機ELデバイス31の製造では、図21及び図22に示すように、複数の有機ELデバイス31が配置されたマザー基板50を作製し、その後、マザー基板50を有機ELデバイス31の個片に分断することにより行う。なお、マザー基板50において、各有機ELデバイス31が配置される領域を、有機ELデバイス配置領域51という。
まず、有機ELデバイス配置領域51に、バックプレーン基板32を形成する。詳しく説明すると、基板32aとなる無アルカリガラス上に、有機EL素子33の駆動回路である電気回路32bをLTPS−TFTで構成する。LTPS−TFT駆動回路は、一般的な製造方法で作製することができる。この場合、工程中及び工程間は、基板32a及びLTPS−TFTをウェット洗浄及びドライ洗浄等により常に清浄な状態に保ち、フォトリソグラフィー法により加工を行う。そして、電気回路32b上に平坦化膜32cを形成するとともに、平坦化膜32cに電気回路32bを有機EL素子33等に接続するためのビアホール38を開口する。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、第一電極41を形成する。詳しく説明すると、バックプレーン基板32上に第一電極41となる陽極材料のITOをスパッタ法で成膜し、その後、陽極パターンをフォトリソグラフィー法により形成する。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、第一実施形態の配線部10に対応するMAM配線膜を形成する。なお、LTPS−TFT作製時に形成した配線膜を利用できる薄膜構造及び配線パターンにした場合には、新たにMAM配線膜を形成せずに、その配線膜と第二電極43が接続可能なように接続部を配置すればよい。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、第一無機層36を形成する。詳しく説明すると、第一電極41(ITO)のパターン段差及び露出させたくないMAM配線膜を、第一無機層36となる酸化ケイ素で被覆する。この場合、第一無機層36となる無機材料としては、第一実施形態と同様に、水蒸気を透過しない無機材料であればよく、酸化ケイ素の代わりに、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素又はアルミナを主成分とする無機絶縁材料を用いてもよい。なお、第一無機層36となる無機材料として、第一電極41と同様のITOを用いてもよい。この場合、切断部全域にITOを形成しておくことで、静電気による放電から薄膜トランジスタ及び有機EL素子33を保護することができる。成膜方法としては、第一実施形態と同様に、スパッタ法、又はプラズマCVD法を用いることができる。酸化ケイ素を成膜した後に、フォトリソグラフィー法でパターン加工する。酸化ケイ素のエッチングは、バッファード弗酸を用いたウェットエッチング法で行い、第一電極41(ITO)と有機EL材料42との接続部分、ドライバーIC及びフレキシブル回路基板との接続部分、及び第二電極43と接続する配線上に形成された無機材料を除去する。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、端部構造体34を形成する。詳しく説明すると、第一無機層36上に、端部構造体34を形成する。端部構造体34は、二重構造とする。そして、端部構造体34として、複数の有機EL素子33を囲む矩形環状の矩形環状構造体341を形成し、矩形環状構造体341と有機ELデバイス31の端面31aとの間に、有機ELデバイス31の長辺側の端面31aに沿って直線状に延びる直線状構造体342を形成する。端部構造体34の形成では、まず、第一無機層36に支持部34Aとなるポリイミド樹脂を1〜2μmの厚さで塗布及び乾燥させ、その後にオーバーハング部34Bとなるフォトレジストを2〜3μmの厚さで塗布及び乾燥させた。これにより、支持部34A上にオーバーハング部34Bが配置された断面T字状の端部構造体34が形成される。なお、ポリイミド樹脂のエッチング液でもある現像液への浸漬時間により、支持部34Aに対する、オーバーハング部34Bの有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に突出する長さ(以下「オーバーハング長」という。)を調整することができる。例えば、この浸漬時間を調整することで、オーバーハング長を2〜3μmとする。なお、端部構造体34の形成として、単層でT字状に形成できるフォトレジストが利用できる場合には、端部構造体34を二重構造としなくてもよい。
ここで、有機EL材料42が支持部34A(ポリイミド樹脂層)まで達してしまうと、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置に、有機EL材料42が形成されずに第一無機層36が露出する領域を形成することができない。一方、支持部34Aの高さ(ポリイミド樹脂層の膜厚)(T)に対するオーバーハング長(L)の比(L/T)が大きいほど、オーバーハング部34B下において、有機EL材料42が形成されずに第一無機層36が露出する領域の幅が大きくなる。そこで、図23に示すように、有機EL材料42を蒸着する際に蒸着される有機EL材料がオーバーハング部34B下に入射する入射角度をθとした場合、θ<tan−1(L/T)=ψの関係を満たすようにする。
一般的に、蒸着される有機EL材料の入射角度θは45°より小さい。このため、L/Tは1(=tan(45°))以上であることが好ましく、1.5〜3であることがより好ましい。L/Tが1より小さいと、有機EL材料の入射角度によっては支持部34A(ポリイミド樹脂層)と有機EL素子33の有機EL材料42とが接してしまい、第一無機層36が露出しない。一方、L/Tが3より大きいと、製造工程中の熱によるレジストの変形でオーバーハング部34Bがバックプレーン基板32側に垂れてしまい易い。オーバーハング部34Bが垂れて第一無機層36と接すると、接続部44を適切に形成できなくなる。
端部構造体34が形成されると、バックプレーン基板32を120〜200℃で加熱して、支持部34A(ポリイミド樹脂層)及びオーバーハング部34B(フォトレジスト層)の硬化及び脱水を行う。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、有機EL材料42を形成する。詳しく説明すると、有機EL材料42は、真空蒸着法により形成する。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、第二電極43を形成する。詳しく説明すると、第二電極43となる陰極材料のアルミニウムを電子ビーム加熱蒸着法で成膜する。
なお、有機EL材料42及び第二電極43の成膜時に、これらを付着させたくない部分を覆うメタルマスクは、図26(a)に示すような有機ELデバイス31の細長い個片毎に開口が形成されている高精細メタルマスクM3ではなく、図26(b)に示すような有機ELデバイス31の複数の又は全ての個片に跨った大きな開口が開いたメタルマスクM4を用いることができる。メタルマスクM4は、非常に安価であり、また厚手で形状が単純であるため取り扱いやすく、クリーニングもしやすいためランニングコストも安い。
次に、有機ELデバイス配置領域51に、第二無機層37の第一保護膜37aを形成する。詳しく説明すると、露出した第一無機層36に接触するように第一保護膜37aを成膜する。第一保護膜37aの成膜は、例えば、プラズマCVD法で窒化ケイ素の膜を成膜することにより行う。これにより、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側に隣接して外側接続部44a(接続部44)が形成されるとともに、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接して内側接続部44b(接続部44)が形成される。
プラズマCVD法による窒化ケイ素の膜は、一般的に、シラン(SiH)、アンモニア(NH)、又は窒素(N)等を主原料ガスとして使用するが、原料ガスが水素原子を含むため、水素原子を含有した窒化ケイ素の膜となる。水素含有量が多過ぎる膜は緻密性が劣るため、水蒸気遮蔽性を高めるためには、水素含有量としては30at%より小さい方が好ましい。窒化ケイ素におけるケイ素と窒素との組成比(N/Si+N)は一般的に、より化学両論比に近い方が水蒸気遮蔽性に優れるが、遮蔽性に優れるのであれば組成比は必ずしも化学量論比、或いはそれに近い比である必要はない。
第一保護膜37aの膜応力の絶対値は、1×10MPaより小さい方が好ましく、5×10MPa以下であることがより好ましく、1×10MPa以下であることがさらに好ましい。第一保護膜37aの膜応力が高すぎると、膜に亀裂や皺が発生しやすく欠陥が生じ、水蒸気を遮蔽する機能が失われることがある。膜応力としては引っ張り応力(tensile)より圧縮応力(compressive)の方が亀裂が発生しにくいためより好ましい。第一保護膜37aの膜応力を調整する方法は、構成元素の組成、構成原子の結合状態、熱膨張係数差を利用した成膜温度を調整することによる残留熱応力の利用、膜厚を変化させる方法などがある。ただし、水蒸気の遮蔽性と機械的な強度が十分であれば、調整方法はいずれでもよく、これらの方法のどれか或いは複数を組み合わせてもよい。その他の被覆性の高い保護膜の成膜方法としては、原子層堆積法、光CVD法、Cat−CVD法などがある。
第一保護膜37aの成膜は、大開口のメタルマスクを用いて、ドライバーIC及びフレキシブル回路基板の接続部分に第一保護膜37aが成膜されないようにする。なお、この接続部分に予め第一保護膜37aのリフトオフ用材料を成膜しておくと、第一保護膜37a成膜用のメタルマスクが不要になる。この場合、第一保護膜37a及びリフトオフ用材料は電気的検査工程やドライバーIC及びフレキシブル回路基板をボンディングする前に除去する必要がある。この場合、リフトオフ用材料は、図26(c)に示すようなメタルマスクM5を用いて有機EL材料42の一部または全部を形成してもよい。
次に、有機EL素子33上に、第二無機層37の第二保護膜37bを形成する。詳しく説明すると、第二保護膜37bは、液体材料により、有機EL素子33の部分にのみ成膜する。具体的には、ポリシラザン溶液をディスペンス法で塗布した後に溶媒を蒸発乾燥させ、85℃で硬化させることで、第二保護膜37bを形成する。種々の化学気相成長法では、水蒸気透過率が非常に小さな膜質の薄膜を成膜することが比較的容易に可能である。しかしながら、0.1〜1μm前後のサイズのパーティクルが付着して欠陥になったり、原材料の異常成長が起こって欠陥になったりすることがある。一方、液体材料を使った保護膜の形成方法では、そうした欠陥は発生しにくく、また、化学気相成長法で形成した薄膜の上に積層すると、その薄膜の欠陥を埋めてくれるという効果を有する。
次に、第二保護膜37b上に、保護フィルムを形成する。保護フィルムとしては、例えば、125μmの厚さのPETフィルムにシリコーン樹脂が塗布されたテープを用いる。
以上より、図24及び図25に示すように、複数の有機ELデバイス31が配置されたマザー基板50が作製される。なお、図24及び図25は、保護フィルムの図示を省略している。そして、マザー基板50を切断することにより、有機ELデバイス31の個片に分断する。マザー基板50の切断は、ガラススクライバーを用いることができる。スクライブラインは、薄膜面側(バックプレーン基板32に対する有機EL素子33側)から形成してもよく、薄膜面と対向する面側(バックプレーン基板32に対する有機EL素子33とは反対側)から形成してもよいが、切断面に発生する薄膜の切りくずがガラススクライバーの切断刃を汚染することを防ぐ観点から、薄膜面と対向する面側からスクライブラインを入れる方がよい。また、スクライブで発生したクラックの進行や破断した薄膜の飛散を抑えるために、切断部には、硬化型の樹脂を塗布するとさらによい。切断部は、図25の破線で示した部分である。
そして、個片に分断された有機ELデバイス31に、ドライバーIC、及びフレキシブル回路基板を実装し、保護樹脂でボンディング部分をコートし、セルフォック(登録商標)レンズアレイとともに筐体に位置を調整して設置する。これにより、光プリントヘッドが完成する。
このように、本実施形態に係る有機ELデバイス31では、第一実施形態に係る有機ELデバイス1の効果に加え、以下のような効果が得られる。
この有機ELデバイス31では、支持部34Aの高さT及びオーバーハング部34Bの突出長さLと、蒸着される有機EL材料の入射角度θとが、θ<tan−1(L/T)の関係を満たすため、有機EL材料を蒸着することで、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置に、有機EL材料42が形成されない領域を適切に形成することができる。このため、その後にバックプレーン基板32上に第一保護膜37aを形成することで、端部構造体34の有機ELデバイス31の端面31a側及び有機ELデバイス31の端面31aとは反対側に隣接する位置に、第一無機層36及び第一保護膜37aが互いに接続される接続部44を形成することができる。
(第三実施形態)
第三実施形態は、第二実施形態と基本的に同様であり、端部構造体のみ第二実施形態と相違する。このため、以下では、第二実施形態と相違する事項のみを説明し、第二実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図27に示すように、本実施形態の有機ELデバイス61は、バックプレーン基板32と、有機EL素子33と、端部構造体64と、第一無機層36と、第二無機層37と、を備える。
端部構造体64は、第二実施形態の端部構造体34に対応するものであり、第一無機層36上に配置される支持部64Aと、支持部64A上に配置されて支持部64Aに対して有機ELデバイス61の端面61a側及び有機ELデバイス61の端面61aとは反対側に突出するオーバーハング部64Bと、を有する。
支持部64Aは、第二実施形態の支持部34Aに対応するものであるが、低抵抗の金属により形成されている。支持部64Aを形成する低抵抗金属としては、例えば、MoNb/AlNd/MoNb(モリブデン・ニオブ合金/アルミニウム・ネオジウム合金/モリブデン・ニオブ合金、以下「MAM」という。)構造の多層金属膜とすることができる。例えば、支持部64Aを1μmの厚さのMAM構造の多層金属膜とした場合、この多層金属膜のシート抵抗は約0.05Ω/□と非常に小さい値とすることができる。なお、支持部64Aは、コンタクトホールを介して電源供給のための引き出し配線と接続されている。
オーバーハング部64Bは、第二実施形態のオーバーハング部34Bに対応するものであるが、支持部64Aと同様に金属により形成されていてもよい。
第一無機層36は、導電性を有する素材により形成されており、例えば、第一電極41と同様のITOにより形成することができる。第一無機層36としてITOを用いる場合は、第一電極41と第一無機層36とを同時に形成することができる。第一無機層36と第一電極41との間には、無機絶縁膜39が配置されている。無機絶縁膜39は、バックプレーン基板32と有機EL材料42との間に配置されており、バックプレーン基板32の平坦化膜32c上に配置されている。無機絶縁膜39としては、例えば、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素又はアルミナを主成分とする無機絶縁材料を用いることができる。
そして、支持部64Aは、第二電極43と電気的に接続されている。具体的には、第一無機層36がITOで形成されており、第二電極43が第一無機層36に接続されており、第一無機層36が支持部64Aに接続されている。このため、第二電極43と第一無機層36とが導通するとともに、第一無機層36と支持部64Aとが導通している。これにより、第二電極43が支持部64Aと電気的に接続された状態となる。なお、第二電極43を直接的に支持部64Aに接続することで、第二電極43と支持部64Aとを電気的に接続してもよい。
次に、有機ELデバイス61の製造方法の一例について説明する。ただし、有機ELデバイス61の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
MAM構造の多層金属膜により、端部構造体64の支持部64Aを形成し、フォトレジストにより、端部構造体64のオーバーハング部64Bを形成する。支持部64A及びオーバーハング部64Bは、フォトリソグラフィー法により形成する。多層金属膜の膜厚は、例えば1μmとし、多層金属膜のシート抵抗は、例えば、約0.05Ω/□とする。多層金属膜は、コンタクトホールを介して電源供給のための引き出し配線と接続する。
また、ITOにより第一無機層36を形成し、第一無機層36を支持部64Aのモリブデン・ニオブ合金と電気的に接続する。また、第一無機層36を形成するITOを有機EL素子33の第一電極41にも用い、第一無機層36と第一電極41とを同時に形成する。また、このITOを、引き出し配線とドライバーIC及びフレキシブル回路基板との接続部分にも形成しておき、支持部64Aの多層配線膜をエッチングする際に、当該接続部分をエッチング液から保護する。
また、有機EL材料42を成膜した後、有機EL材料42を超えてオーバーハング部64B下に回り込むように第二電極43を成膜する。これにより、オーバーハング部64B下において、第二電極43と第一無機層36とが接続されるとともに、第二電極43と第一無機層36とが電気的に接続される。これにより、第二電極43は、第一無機層36を介して支持部64Aと電気的に接続される。第二電極43の成膜方法としては、例えば、有機EL材料42を成膜するよりも入射角度を大きくして蒸着する方法、スパッタ法、又はこれらの併用とすることができる。
なお、その他の方法は、第二実施形態と同様であるため、詳しい説明を省略する。
ここで、第一電極41又は第二電極43のうち有機EL材料42に対してバックプレーン基板32とは反対側に配置される電極を上部電極といい、第一電極11又は第二電極43のうち有機EL材料42に対してバックプレーン基板32側に配置される電極を下部電極という。本実施形態では、第二電極43が上部電極となり、第一電極41が下部電極となる。
一般的に、上部電極は、厚くすることができない。上部電極と有機EL材料42との密着力は弱く、上部電極を厚くして、その応力が大きくなると、上部電極は有機EL材料42から容易に剥離する。このため、上部電極は、0.05〜0.3μm程度の膜厚がよく用いられる、その範囲を大きく逸脱して厚くすることは困難である。
一方、光プリントヘッドは、画像信号を電気回路32bの薄膜トランジスタで制御し、光プリントヘッド上に併置にされた個々の有機EL素子33に、下部電極側から上部電極側に電流ソースを流す。上部電極は、多数の有機EL素子33の電流を集めて外部回路に流す共通電極でもあるので、可能な限り低抵抗であることが望ましい。そうでない場合、点灯させる画素数次第で上部電極の電位が変動するため、各画素の発光輝度が均一な駆動に影響が出たり、大電流が流れることで発生する発熱が素子特性に影響を及ぼし所望の制御ができなくなったりする。しかしながら、前述の剥離の問題から厚い膜とすることは難しい。電極幅を広げることで上部電極の抵抗値を下げることも考えられるが、この場合、1枚のマザー基板から得られる有機ELデバイスの個数が少なくなる。
本実施形態では、上部電極が、導電体である支持部64Aに電気的に接続されているため、上部電極の抵抗値を下げることができる。更に、端部構造体64は、バックプレーン基板32(基板32a)に垂直な方向Dに厚いため、狭い線幅でも、抵抗値を低くすることができる。しかも、端部構造体64は有機EL素子33から離れているため、有機EL素子33に対する端部構造体64の発熱の影響を小さくすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。
1…有機ELデバイス、1A…有機ELデバイス、1a…有機ELデバイスの端面、2…基板、3…有機EL素子、4…端部構造体、4a…頂面、4b…底面、5…素子間構造体、6…第一無機層、7…第二無機層、7a…第一保護膜、7b…第二保護膜、8…保護樹脂、9…保護フィルム、10…配線部、11…第一電極、12…有機EL材料、13…第二電極、14…接続部、14a…外側接続部、14b…内側接続部、15…薄膜、20…マザー基板、21…有機ELデバイス配置領域、31…有機ELデバイス、31a…有機ELデバイスの端面、32…バックプレーン基板、32a…基板、32b…電気回路、32c…平坦化膜、33…有機EL素子、34…端部構造体、341…矩形環状構造体、342…直線状構造体,34A…支持部、34B…オーバーハング部、34a…頂面、34b…底面、36…第一無機層、37…第二無機層、37a…第一保護膜、37b…第二保護膜、38…ビアホール、39…無機絶縁膜、41…第一電極、42…有機EL材料、43…第二電極、44…接続部、44a…外側接続部、44b…内側接続部、50…マザー基板、51…有機ELデバイス配置領域、61…有機ELデバイス、61a…有機ELデバイスの端面、64…端部構造体、64A…支持部、64B…オーバーハング部、α…桟、M1…メタルマスク、M2…高精細メタルマスク、M3…高精細メタルマスク、M4…メタルマスク、M5…メタルマスク。

Claims (9)

  1. 基板上に、第一電極、有機EL材料及び第二電極を有する有機EL素子が配置された有機ELデバイスであって、
    前記有機ELデバイスの端面と前記有機EL素子との間に配置されて、前記基板に垂直な方向に延びる端部構造体と、
    前記基板と前記端部構造体との間に配置された第一無機層と、
    前記有機EL素子を覆う第二無機層と、
    前記端部構造体の前記端面側及び前記端面とは反対側に隣接する位置において前記第一無機層と前記第二無機層とが接続される接続部と、を備え、
    前記有機EL材料、前記第一無機層及び前記第二無機層は、前記有機ELデバイスの端面まで延びており、
    前記有機EL材料は、前記端部構造体の前記端面側及び前記端面とは反対側に隣接する位置において前記接続部により分断されている、
    有機ELデバイス。
  2. 前記第二無機層は、前記端部構造体を覆う、
    請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 前記第二無機層は、前記有機EL素子を覆って前記第一無機層に接続される第一保護膜と、前記第一保護膜上に配置された第二保護膜を有する、
    請求項1又は2に記載の有機ELデバイス。
  4. 前記第二保護膜は、前記端部構造体の前記端面とは反対側に配置され、前記端部構造体の前記端面側に配置されない、
    請求項3に記載の有機ELデバイス。
  5. 前記端面と前記有機EL素子との間に、複数の前記端部構造体が配置されている、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の有機ELデバイス。
  6. 前記端部構造体の少なくとも一部が導電体であり、
    前記端部構造体は、前記第一電極又は前記第二電極のうち前記有機EL材料に対して前記基板とは反対側に配置される電極と電気的に接続されている、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の有機ELデバイス。
  7. 前記端部構造体は、頂面から底面に向けて徐々に細くなる断面逆テーパ状に形成されており、
    前記基板に垂直な方向に対する前記端部構造体のテーパ角度は、前記有機EL材料を蒸着する際に蒸着される有機EL材料が前記頂面下に入射する入射角度よりも大きい、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の有機ELデバイス。
  8. 前記端部構造体は、前記第一無機層上に配置される支持部と、前記支持部上に配置されて前記支持部に対して前記端面側及び前記端面とは反対側に突出するオーバーハング部と、を有し、
    前記支持部の高さをTとし、前記支持部に対する前記オーバーハング部の前記端面側及び前記端面とは反対側に突出する長さをLと、前記有機EL材料を蒸着する際に蒸着される有機EL材料が前記オーバーハング部下に入射する入射角度をθとした場合、θ<tan−1(L/T)の関係を満たす、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の有機ELデバイス。
  9. 光感応媒体を露光する長尺の光プリントヘッドであって、
    請求項1〜8の何れか一項記載の有機ELデバイスと、
    前記基板上に配置されて薄膜トランジスタで構成された電気回路と、
    前記電気回路上に配置された平坦化膜と、を備え、
    前記第一無機層は、前記平坦化膜上に配置されており、
    前記有機EL素子は、前記電気回路に接続されている、
    光プリントヘッド。
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