JP6649155B2 - 金鉱石の前処理方法及び、金鉱石からの金の回収方法 - Google Patents

金鉱石の前処理方法及び、金鉱石からの金の回収方法 Download PDF

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Description

この発明は、黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立って行う金鉱石の前処理方法及び、その前処理方法を用いる金の回収方法に関するものであり、特には、金の回収率向上に資する技術を提案するものである。
金を含有する硫化鉱物から金を回収するため、湿式法による処理が一般に用いられている。この種の湿式処理として、伝統的には、硫化鉱物中の金を溶液中へ浸出させるには、シアン、チオ尿素、チオ硫酸、ハロゲンガスといった薬品を使用することにより行われてきたが、最近では、より毒性の低い浸出剤として、特許文献1等に記載されているような、塩化物イオン、臭化物イオン、鉄イオン及び銅イオンを含む金浸出液を使用することが提案されている。特許文献1に記載された方法は、毒性の高いシアン、チオ尿素、チオ硫酸、ハロゲンガスといった薬品を使用することなく金を有効に浸出できるので、金の浸出に極めて有効である。
ところで、硫化鉱物から金を浸出しやすくするため、湿式処理の前処理として、硫化鉱物を焙焼することが行われている。これは、たとえば、黄鉄鉱を主体とした金鉱石では、表面に露出している金は容易に浸出できるが、黄鉄鉱の粒子中に存在する金は、黄鉄鉱が酸に難溶性であることに起因して浸出が困難になるところ、その浸出に先立って焙焼することにより、黄鉄鉱を可溶性の化合物(FeS)に変換させるためである。
ここで、硫化鉱物を浸出前に酸化焙焼すると、2CuS+2O2→2CuO+SO2や、2CuFeS2+6O2→CuO+4SO2+Fe23、4FeS2+11O2→2Fe23+8SO2のような化学反応が優先的に起こり、環境汚染物質として知られる二酸化硫黄(SO2)が発生する。二酸化硫黄は、安全性の観点や環境面に悪影響を及ぼすという点で問題があることから、かかる酸化焙焼は望ましいとはいえない。
これに対し、特許文献2では、たとえばロータリーキルンを用いて、黄鉄鉱を含有する金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、硫化鉄(II)と単体硫黄に熱分解する前処理を行う方法が提案されている。このように黄鉄鉱を非酸化焙焼する前処理によれば、有害な酸化硫黄の発生を効果的に抑制することができる。
特開2009−235525号公報 特開2014−198886号公報
特許文献2に記載された方法のように、ロータリーキルンを用いて、不活性雰囲気下で金鉱石を加熱処理するには通常、ロータリーキルンの内部で、金鉱石が加熱ゾーンを通過する間に金鉱石を加熱するに際し、不活性ガスを金鉱石の進行方向と同じ向きに流す、いわゆる並流方式を採用することが考えられる。
しかるに、この並流方式を用いて金鉱石を焙焼した場合、その後の湿式処理での金の浸出率を、所期したほどに大きく高めることができないことが解かった。それ故に、湿式処理の前処理として行うロータリーキルンを用いた非酸化焙焼は、金の回収率の更なる向上の点で改善の余地があった。
この発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、黄鉄鉱を含有する金鉱石から金を回収する湿式処理の前処理を改善し、湿式処理での金の回収率向上に寄与することのできる金鉱石の前処理方法及び、金鉱石からの金の回収方法を提供することにある。
発明者は、ロータリーキルンにて不活性ガスを並流方式で流して金鉱石を非酸化焙焼し、焙焼後の焙焼鉱粒子をEPMA(電子線マイクロアナライザ)により分析したところ、粒子内殻に硫化鉄(II)が存在し、それを覆って外殻の二硫化鉄が存在する形態となっていることを確認した。これは、ロータリーキルンによる焙焼時に、金鉱石全体が一旦は硫化鉄(II)に変化したが、その後に、表面のみが逆反応により二硫化鉄に戻ったことによるものと考えられる。
さらに鋭意検討の結果、ロータリーキルン内では、金鉱石の加熱に伴い、2FeS2→2FeS+S2の反応によって金鉱石から硫黄ガスが発生するが、並流方式では、この硫黄ガスが不活性ガスとともに、ロータリーキルンの排鉱部の近傍に流れ、排鉱部での硫黄分圧を上昇させる結果として、排鉱部近傍では平衡論的に逆反応が進みやすい雰囲気となること、及び、それにより二硫化鉄から硫化鉄(II)への変換不良が生じることを解明し、これを防止するべく以下の発明をするに至った。
すなわち、この発明の金鉱石の前処理方法は、黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立って行う前処理方法であって、金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を、硫化鉄(II)と単体硫黄とに熱分解するに当り、金鉱石を通過させつつ加熱する加熱ゾーンを有するロータリーキルンを用い、前記ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にし、ロータリーキルンが、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に、不活性ガスを導入するガス導入口を有するとともに、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の後方側に、加熱ゾーンを通過した使用済ガスを回収するガス回収口を有するというものである。
ここで、前記不活性ガスを流すことにより、ロータリーキルン内のガスの、前記進行方向と同じ向きの流れ(逆流)を発生させずに、金鉱石を加熱することが好ましい。
前記加熱ゾーンでの不活性ガスの平均流速は、0.01m/s以上にすることが好ましい。
ータリーキルンは、前記ガス回収口から回収した使用済ガスを、使用済ガス処理装置へと送るガス排出パイプを備えるものとすることが好ましい。
このガス排出パイプは、前記ガス回収口から加熱ゾーンを通って当該加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に延びるように、ロータリーキルンの内部に配置することができる。
上記のガス回収口における使用済ガスの温度は、445℃以上に維持させることが好ましい。
また金鉱石は、ロータリーキルンに投入する間に、150℃〜400℃に予熱することが好適である。
加熱ゾーンでは金鉱石を700℃以上に加熱することが好ましい。
この発明の金鉱石からの金の回収方法は、黄鉄鉱を含有する金鉱石から金を回収する方法であって、上記のいずれかの前処理方法により処理された金鉱石を、ハロゲン化物イオン、鉄イオン及び銅イオンを含む金浸出液に、酸化剤の供給下で接触させて、当該金鉱石中の金成分を浸出させ、それにより得られた金浸出後液中の金を活性炭に吸着させることにある。
この発明によれば、ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にすることにより、ロータリーキルンの排鉱部で硫黄分圧が低下して、2FeS2→2FeS+S2の逆反応を防止することができる。それにより、二硫化鉄が硫化鉄(II)に有効に変換されて、湿式処理での金の浸出率、ひいては金の回収率の向上に寄与することができる。
この発明の一の実施形態に係る金鉱石の前処理方法で用いることのできるロータリーキルンを模式的に示す図である。 焙焼反応における温度と平衡硫黄分圧の関係を示すグラフである。 この発明の他の実施形態に係る金鉱石の前処理方法で用いることのできるロータリーキルンを模式的に示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る金鉱石の前処理方法で用いることのできるロータリーキルンを模式的に示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る金鉱石の前処理方法で用いることのできるロータリーキルンを模式的に示す図である。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態に係る金鉱石の前処理方法は、黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立ち、金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を、硫化鉄(FeS)と単体硫黄(S2)とに熱分解する工程(前処理工程)を含み、この前処理工程で、内部に、金鉱石を通過させつつ加熱する加熱ゾーンを有するロータリーキルンを用いることとし、ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にする。
(金鉱石)
この発明では、黄鉄鉱を含有する金鉱石を対象とする。黄鉄鉱は難溶性で金の浸出率が低いところ、この発明は、このような黄鉄鉱を含有する金鉱石に対し、浸出に先立って前処理を施すことにより、当該金鉱石中の金の浸出率を高めることを目的とするものである。
但し、たとえば鉱石中の金の濃度の大小等の金鉱石のその他の要件は問わない。この発明の処理対象となる金鉱石は、浮遊選鉱や比重選別といった慣用の選鉱処理を経たものとすることもできる。粉砕摩鉱して鉱石の粒径を小さくし、金浸出液が鉱石内部の金に接触しやすいようにすることもできる。金鉱石中の金濃度は典型的には0.1〜100質量ppm程度であり、より典型的には1〜20質量ppm程度である。
金鉱石は黄鉄鉱を含有する他、黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、硫砒鉄鉱、輝安鉱、磁硫鉄鉱などを含有していてもよいが、典型的には、黄鉄鉱が3質量%以上含まれる金鉱石を用い、より典型的には、黄鉄鉱が30質量%以上含まれる金鉱石を用いる。このような金鉱石を用いた場合、この発明の効果が有効に発揮される。金鉱石中の黄鉄鉱の含有量には特に上限はなく、100質量%でもよいが、典型的には80質量%以下である。
(前処理工程)
前処理工程では、上記の金鉱石を、不活性雰囲気下で、たとえば450℃以上に加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を硫化鉄(II)及び単体硫黄に熱分解する。このときの化学反応は、次式:2FeS2→2FeS+S2で表される。理論的には酸化硫黄は発生しない。当該熱分解を経た後の金鉱石は、黄鉄鉱が可溶性の硫化鉄(II)に変換されていることから、後述する金浸出液に対する溶解性が格段に向上する。熱分解を経ない場合に比べて、金の浸出率が約10倍も上昇することがある。
この前処理工程では、図1に例示するような一般的なロータリーキルン1を用いることができる。このロータリーキルン1は加熱ゾーン2を有し、内部に投入された金鉱石は、図1に矢印で示す進行方向Dmに沿って、ロータリーキルン1の金鉱石投入口側(図1では左側)から、ロータリーキルン1の排鉱部3側(図1では右側)に向けて移動して、加熱ゾーン2を通過する。
この加熱ゾーン2で、金鉱石は、好ましくは700℃以上に加熱されて、上記の化学反応式に基き、黄鉄鉱が硫化鉄(II)に変換される。
ここにおいて、金鉱石を非酸化焙焼するため、ロータリーキルン1の内部に不活性ガスを導入して内部を不活性雰囲気とするに当り、この発明では、ロータリーキルン1の加熱ゾーン2で、不活性雰囲気とするため金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向Dmとは逆向きの向流にする。
より具体的には、図1に示すところでは、不活性ガスは、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの前方側(図1では右側)に設けたガス導入口4から、ロータリーキルン1の内部に導入され、図1に矢印で示すガス流れ方向Dgに沿って、加熱ゾーン2を通過した後、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側(図1では左側)に設けたガス回収口5から回収されて排出される。つまり、不活性ガスのガス流れ方向Dgを、金鉱石の進行方向Dmとは逆向きとし、このような金鉱石の移動方向とは逆向きの不活性ガスの流れを、ここでは向流という。
金鉱石に含まれる黄鉄鉱は、加熱ゾーンで加熱されることにより、上記の化学反応式で示す反応が起こって、硫黄ガスを発生させるところ、仮に従来技術のように、不活性ガスの流れを金鉱石の進行方向と同じ向きとする並流方式とした場合は、その不活性ガスの流れにより、加熱ゾーンで加熱された黄鉄鉱から発生する硫黄ガスが排鉱部に流れて、排鉱部での硫黄分圧が上昇する。特に、図2に示す焙焼反応における温度と平衡硫黄分圧の関係から解かるように、温度が高いほど硫化鉄(II)が安定するが、排鉱部では冷却のために温度が低下することから、高い硫黄分圧の下、二硫化鉄が再合成される逆反応が進行しやすくなる。それにより、並流方式では、二硫化鉄から硫化鉄(II)への変換不良が生じるという問題がある。なお、図2では、FeS、FeS2活量を1として計算している。
これに対し、この発明では、不活性ガスのガス流れ方向Dgを、金鉱石の進行方向Dmとは逆向きの向流方式を採用することにより、排鉱部3での硫黄分圧が低下するので、排鉱部3で温度が低下しても逆反応が防止されて、二硫化鉄を硫化鉄(II)に有効に変換することができる。その結果として、後述するその後の湿式処理にて金の浸出率を向上させることができる。
ここで、不活性ガスとしては、たとえば、アルゴンやヘリウムのような希ガス、窒素ガス等を挙げることができる。なお、不活性ガスが加熱ゾーン2を通過して硫黄ガスを含んだ使用済ガスは、ガス回収口5から回収され、図示しない使用済ガス処理装置に送られて所要の処理を施した後、不活性ガスとしてガス導入口4から導入して再利用することが可能である。
また、加熱ゾーン2での不活性ガスの平均流速は、0.01m/s以上とすることが好ましい。これにより、他の諸条件にもよるが、特に不活性ガスを窒素ガスとした場合、排鉱部3での硫黄分圧をほぼ0atmに維持することができるので、二硫化鉄が再合成される逆反応をより有効に防止することができる。不活性ガスの流量が0.01m/s未満である場合、ガスが排鉱部3へ逆流するおそれがある。より確実に逆流を防止するためには、不活性ガスの平均流速は、0.015m/sとすることがより好ましい。
なお、逆流防止の観点からは不活性ガスの平均流速の上限値は特にないが、不活性ガスの平均流速が大きすぎると、ガスと鉱石が逆向きに流れる向流方式では、ガスが焙焼鉱に対して抵抗になって排出不良を起こし、ロータリーキルン1からの焙焼鉱排出時間が延びる結果として、処理時間の増大を招くことが懸念される。また、不活性ガスの平均流速が大きすぎる場合は、不活性ガスがコスト的に無駄である他、焙焼鉱が使用済ガスと一緒に系外に排出されて、焙焼鉱ロスが大きくなることが懸念される。このような観点より、不活性ガスの平均流速は、0.08m/s以下とすることが好適である。
ところで、この発明では向流方式を採用することにより、ガス回収口5は、図1に示すように、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側に配置することが考えられる。しかしながら、この場合、ガス回収口5の当該配置箇所は、加熱ゾーン2より進行方向Dmの後方側の、加熱前の金鉱石が存在する位置にあることに起因して温度が低くなり、ガス回収口5から回収する使用済ガス中の硫黄の凝縮を招くおそれがある。
このような硫黄の凝縮によるガス回収口5の閉塞を防止し、それを除去するための維持管理の手間を省くため、ガス回収口5では、使用済ガスの温度を、硫黄の沸点である445℃以上に維持することが好ましい。このことは、たとえば、ガス回収口5に加熱ヒーターを設置したり、あるいは、金鉱石を、ロータリーキルン1に投入する前に予熱したりすることにより実現することができる。
金鉱石を予熱した場合、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側に位置するガス回収口5の温度は、予熱された金鉱石により上昇し、そこを通る使用済ガスの温度も上昇させることができる。金鉱石の予熱温度は、150℃以上かつ400℃以下とすることがより好ましい。
予熱温度の好ましい上限値が400℃である理由は、ロータリーキルン1に鉱石を挿入した際の使用済ガスとの熱交換による鉱石温度の上昇を考慮した上で、焙焼反応を有効に進行させるためである。一方、予熱温度の好ましい下限値が150℃である理由は、硫黄の蒸気圧を考慮してガス回収口5の温度を所定の温度以上とし、硫黄をガス形態で存在させるためである。
ロータリーキルン1の内部には、図3、4に例示するようなガス排出パイプ6a、6bを設置することができる。
図3に示すガス排出パイプ6aは、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側にガス回収口5を備え、当該ガス回収口5から回収した使用済ガスを加熱ゾーン2で外部の使用済ガス処理装置等へ送るべく、途中で折れ曲がる管形状を有する。
また、図4に示すガス排出パイプ6bは、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側にガス回収口5を備える点では、図3に示すガス排出パイプ6aと同様であるが、当該ガス回収口5から加熱ゾーン2を通って、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの前方側に延びる直線状等の管形状を有する点で、図3のそれとは異なるものである。ガス排出パイプ6bを設けた場合、ガス導入口4から導入された不活性ガスは、図4に矢印で示すように、ガス排出パイプ6bの外側で、金鉱石に接触しつつ金鉱石の進行方向Dmとは逆向きに流れて使用済ガスとなった後、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側のガス回収口5から回収されて直線状のガス排出パイプ6bを通り、使用済ガス処理装置等に送られる。
図3及び4に示すガス排出パイプ6a、6bを設けることにより、ガス回収口5から回収される使用済ガスが、加熱ゾーン2の近傍のガス排出パイプ6a、6b内を通るので、加熱ゾーン2及び加熱後の金鉱石の高い温度を有効に活用して、先述したような、使用済ガス回収時のそれに含まれる硫黄成分の凝縮を効果的に防止することができる。
したがって、ガス抜出パイプ6a、6bを挿入する場合は、キルン炉内の445℃以上の場所から使用済ガスを抜き出すことで、鉱石を先述したように予熱しなくても硫黄の凝縮を防止できる。
あるいは、図5に示すように、ガス回収口5を、加熱ゾーン2の途中に設けることも可能である。この場合、給鉱部からガス回収口5までの領域は、ガス流れが金鉱石の進行方向Dmと同じ向きとなり得るが、仮に、この領域で、二硫化鉄が再合成される逆反応が生じたとしても、その後に金鉱石が通過する加熱ゾーン2のガス回収口5から排鉱部までの領域は、不活性ガス流れが向流となることから、最終的な反応効率にそれほど大きな悪影響を及ぼさない。
またこの場合、硫黄の凝縮温度である445℃以上となる加熱ゾーン2の位置に、ガス回収口5を配置することにより、先述したような硫黄成分の凝縮による問題は生じない。
このようなロータリーキルン1内での熱分解時は、金鉱石の温度を700℃以上に保持することが好ましい。これは、700℃未満では、硫黄分圧の影響により反応が平衡に達して進まなくなり、黄鉄鉱の熱分解が進行しにくく反応速度が低下するおそれがあるからである。特に、焙焼反応は吸熱反応であり、ロータリーキルン1内の雰囲気温度より鉱石温度が下がることを考慮すれば、金鉱石の温度は750℃以上に保持することがより好ましい。また、上記の温度は5分以上継続することが好ましく、30分以上継続することがより好ましい。
但し、金鉱石の温度を過剰に高くすると昇温に必要なエネルギーと処理時間が大きくなるおそれがあるので、保持温度は800℃以下とすることが好ましい。同様の観点から、保持温度を維持する時間は120分以下とすることが好ましく、60分以下とすることがより好ましい。
以上に述べた前処理工程を経た後の金鉱石に対しては、後述の金浸出工程を行うことができる。なおここでは、酸化焙焼工程は含まない。従来技術では酸素や空気の存在下で酸化焙焼を行っていたことによって、硫化鉱物中の硫黄が酸素と結合して酸化硫黄が生じていたが、このような酸化硫黄の発生を防止するためである。
(金浸出工程)
金浸出工程では、前処理工程後の金鉱石を、たとえば、ハロゲン化物イオンとしての塩化物イオン及び臭化物イオン、鉄イオン並びに銅イオンを含有する金浸出液に酸化剤の供給下で接触させて、当該金鉱石中の金成分を浸出させる。
金の浸出は、溶出した金が塩化物イオン又は臭化物イオンと反応し、金の塩化錯体又は金の臭化錯体を生成することにより進行する。臭化物イオンを併用することで、より低電位の状態で錯体を形成するため、金の浸出効率の向上を図ることができる。また、鉄イオンは酸化剤の供給下で酸化した三価の鉄イオン又は当初より三価の鉄イオンが、金を酸化する働きをする。金浸出液は銅イオンを含有することが好ましい。銅イオンは直接反応に関与しないが、銅イオンが存在することで鉄イオンの酸化速度が速くなるからである。
浸出液と金鉱石の接触方法としては特に制限はなく、撒布や浸漬などの方法があるが、反応効率の観点から、浸出液中に残渣を浸漬し、撹拌する方法が好ましい。
塩化物イオンは、塩化銅(塩化第一銅、塩化第二銅)、塩化鉄(塩化第一鉄、塩化第二鉄)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)の塩化物、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)の塩化物等の塩化金属の形態で供給することが好ましい。
臭化物イオンは、たとえば臭化銅(臭化第一銅、臭化第二銅)、臭化鉄(臭化第一鉄、臭化第二鉄)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)の臭化物、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)の臭化物等の臭化金属の形態で供給することが好ましい。
銅イオン及び鉄イオンは通常、これらの塩の形態で供給し、たとえばハロゲン化塩の形態で供給することができる。
金浸出液中の塩化物イオンの濃度は、40g/L〜200g/Lであることが好ましい。金浸出液中の臭化物イオンの濃度は、反応速度や溶解度の観点から、20g/L〜100g/Lであることが好ましい。金浸出液中の鉄イオンは、0.01g/L〜10g/Lであることが好ましい。金の浸出効率の観点からは、金浸出液中の塩化物イオンに対する臭化物イオンの重量濃度比が1以上であることが好ましい。
金浸出の開始時における浸出液の酸化還元電位(vs Ag/AgCl)は、金浸出を促進する観点から550mV以上とすることが好ましく、600mV以上とすることがより好ましい。また、金の浸出速度を高める観点から、金浸出液のpHは2.0以下に維持することが好ましいが、鉄の酸化速度は高いpHの方が促進されるため、金浸出液のpHは0.5〜1.9に維持することがより好ましい。金浸出液の温度は、金の浸出速度を高める観点から45℃以上とすることが好ましく、60℃以上とすることがより好ましいが、高すぎると浸出液の蒸発や加熱コストの上昇があるので、95℃以下とすることが好ましく、85℃以下とすることがより好ましい。
金浸出工程は酸化剤を供給しながら実施することで、酸化還元電位を管理する。酸化剤を添加しなければ途中で酸化還元電位が低下し、浸出反応が進行しない。酸化剤としては特に制限はないが、たとえば酸素、空気、塩素、臭素、及び過酸化水素などが挙げられる。極端に高い酸化還元電位をもつ酸化剤は必要なく、空気で十分である。
なお、金浸出工程では、金の浸出に先立って、先述の前処理工程で二硫化鉄から変換された硫化鉄(II)を浸出させて除去する脱鉄処理を行うことができる。この脱鉄処理での浸出条件は、上記の金の浸出条件とほぼ同様とすることができるが、脱鉄処理の浸出液は、臭化物イオンを含まないものとすることが好ましい。脱鉄処理の浸出液としては、たとえば、銅イオン、鉄イオンおよび塩化物イオンをそれぞれ所定の量で含有する塩酸系溶液を用いることができる。このような浸出液は、臭化物イオンを含まないことにより、金が浸出されにくい。その他の条件、たとえば浸出時の液温、空気の吹込み量等は、金の浸出条件と同等とすることができる。
脱鉄処理で得られた浸出残渣を、上述した金の浸出に供することで、金の浸出率を高めることができる。
(金回収工程)
金の浸出反応後、固液分離することによって得られた金溶解液から、活性炭吸着により金を回収する金回収工程を実施する。金の活性炭への接触はバッチ回分式もしくは活性炭を充填した吸着塔に酸性浸出液を連続通液することで行ってもよい。
バッチ式の場合、攪拌速度は指定されない。添加の活性炭量は金重量の50倍〜10000倍となるように添加する。連続通液法式では特に通液速度は限定されない(一般的にはSV1〜25)が活性炭の単位重量あたりの金吸着量が20000〜30000g/tとなった時点で、活性炭は要求能力を満たさなくなる。そのため活性炭からの金のストリップや再生はこの吸着量を目安に行う。活性炭の再生方法は一般的に知られる硫黄化合物や窒素化合物、もしくは酸により行われ、特に限定されない。
次に、この発明を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は、単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
黄鉄鉱を含有する金鉱石に対し、前処理として、焙焼を施さなかった比較例1と、ロータリーキルンにて並流方式で非酸化焙焼を施した比較例2と、向流方式で非酸化焙焼を施した発明例とのそれぞれについて、金の浸出を行い、その浸出率を確認する試験を行った。その結果を各種条件とともに表1に示す。
ここで、表1中、Fe及びAuのそれぞれの浸出率は、浸出残渣に残った量から、次式:浸出率=100−(浸出残渣品位×残渣量)÷(焙焼鉱品位×浸出に使用した焙焼鉱量)×100により算出した。
またここで、表1中の変換率は、焙焼鉱品位と浸出残渣品位のそれぞれから概略値を算出し、二硫化鉄のどの程度が硫化鉄(II)に変換されたかを示す指標として、参考までに載せたものである。
表1に示す結果より、焙焼を行わなかった比較例1では、Au浸出率が70%程度と低くなったが、比較例2及び発明例のように、焙焼することにより、約80%〜90%に上昇することが解かる。さらに、向流方式で焙焼した発明例は、並流方式で焙焼した比較例2よりも、Au浸出率が10%程度高くなったことが解かる。
また、比較例2の並流方式による焙焼後の焙焼鉱粒子をEPMAで分析した結果、内殻のFeSを取り囲む形態で外殻のFeS2が存在していたが、発明例の向流方式による焙焼後の焙焼鉱粒子を同様に分析すると、このような内外殻が存在する粒子は見られず、すべてFeSに変換されていたことを確認した。
以上より、この発明によれば、ロータリーキルンでの不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流方式にすることにより、二硫化鉄を可溶性の硫化鉄(II)に有効に変換して、金の浸出率を向上できることが解かった。
1 ロータリーキルン
2 加熱ゾーン
3 排鉱部
4 ガス導入口
5 ガス回収口
6a、6b ガス排出パイプ
Dm 金鉱石の進行方向
Dg 不活性ガスの流れ方向

Claims (9)

  1. 黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立って行う前処理方法であって、金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を、硫化鉄(II)と単体硫黄とに熱分解するに当り、
    金鉱石を通過させつつ加熱する加熱ゾーンを有するロータリーキルンを用い、前記ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にし、
    ロータリーキルンが、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に、不活性ガスを導入するガス導入口を有するとともに、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の後方側に、加熱ゾーンを通過した使用済ガスを回収するガス回収口を有する、金鉱石の前処理方法。
  2. 前記不活性ガスを流すことにより、ロータリーキルン内のガスの、前記進行方向と同じ向きの流れを発生させずに、金鉱石を加熱する、請求項1に記載の金鉱石の前処理方法。
  3. 前記加熱ゾーンでの不活性ガスの平均流速を、0.01m/s以上にする、請求項2に記載の金鉱石の前処理方法。
  4. ロータリーキルンが、前記ガス回収口から回収した使用済ガスを、使用済ガス処理装置へと送るガス排出パイプを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
  5. 前記ガス排出パイプが、前記ガス回収口から加熱ゾーンを通って当該加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に延びるように、当該ガス排出パイプをロータリーキルンの内部に配置する、請求項に記載の金鉱石の前処理方法。
  6. 前記ガス回収口における使用済ガスの温度を、445℃以上に維持させる、請求項のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
  7. 金鉱石を、ロータリーキルンに投入する間に、150℃〜400℃に予熱する、請求項1〜のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
  8. 加熱ゾーンで金鉱石を700℃以上に加熱する、請求項1〜のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
  9. 黄鉄鉱を含有する金鉱石から金を回収する方法であって、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の前処理方法により処理された金鉱石を、ハロゲン化物イオン、鉄イオン及び銅イオンを含む金浸出液に、酸化剤の供給下で接触させて、当該金鉱石中の金成分を浸出させ、それにより得られた金浸出後液中の金を活性炭に吸着させる、金鉱石からの金の回収方法。
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