JP6647971B2 - ガス製造システム - Google Patents

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Description

本発明は、吸着剤を用いたガス製造システムに関する。
従来、混合ガスから目的のガス(以下、「目的ガス」と称する)を分離する技術として、圧力スイング吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)法が知られている。PSA法は、吸着剤に対する目的ガスの吸着量が、目的ガスの分圧によって異なることを利用した分離方法である。PSA法では、吸着剤が充填された吸着塔に混合ガスを導入し、混合ガスに含まれる目的ガスを吸着剤に選択的に吸着させる工程(吸着工程)と、目的ガスが吸着した後の吸着剤から目的ガスを脱着(吸着していた物質が界面から離れること)させる工程(再生工程)と、において圧力差を付けることで、混合ガスから目的ガスを分離する。
上記吸着工程においては、混合ガスを吸着塔に導入するためにブロワが用いられ、上記再生工程においては、吸着剤から目的ガスを脱着させるために、真空ポンプで吸着塔内を減圧することが一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
特許第4721967号公報
PSA法を用いて目的ガスを製造する際に、電力を消費する装置として上記ブロワと真空ポンプが挙げられる。この中で、特に真空ポンプは電力消費量が大きいため、真空ポンプの電力消費量を削減して、電力原単位(単位体積の目的ガスを製造するために必要な電力量)を低減する技術の開発が希求されている。
本発明は、このような課題に鑑み、電力原単位を低減することが可能なガス製造システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のガス製造システムは、少なくとも第1ガスおよび第2ガスを含む混合ガスから、該混合ガスより該第1ガスの含有率が大きい第1富化ガスを分離するガス製造システムであって、前記第1ガスを吸着する吸着剤が内部に収容された吸着塔と、前記吸着塔内を減圧し、前記吸着剤に吸着した前記第1ガスを該吸着剤から脱着させて該吸着塔から排出する真空ポンプと、前記吸着塔から排出され前記真空ポンプに導入される前の前記第1富化ガスと、液化ガスとを熱交換して該第1富化ガスを冷却するとともに、該液化ガスを気化させる第1熱交換器と、前記第1熱交換器によって液化ガスが気化された結果生じる気化ガスを減圧する減圧手段と、前記吸着塔から排出され前記真空ポンプに導入される前の前記第1富化ガスと、前記減圧手段によって減圧された気化ガスとを熱交換して該第1富化ガスを冷却する第2熱交換器と、を備えたことを特徴とする。
また、前記液化ガスは、前記第1ガスを液化した液化ガスであるとしてもよい。
また、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器のうちのいずれか一方または両方によって熱交換された液化ガスと、前記真空ポンプから送出された前記第1富化ガスとを貯留する貯留タンクを備えるとしてもよい。
また、前記吸着塔から排出された第1富化ガスは、前記第2熱交換器で冷却された後、前記第1熱交換器で冷却されて前記真空ポンプに導入されるとしてもよい。
また、前記第1ガスは酸素ガスであるとしてもよい。
本発明によれば、電力原単位を低減することが可能となる。
ガス製造システムを説明するための図である。 ガス製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 吸着工程の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 再生工程の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 シミュレーション結果を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(ガス製造システム100)
図1は、ガス製造システム100を説明するための図である。本実施形態のガス製造システム100は、PSA法を利用しており、以下では、酸素ガス(第1ガス)と窒素ガス(第2ガス)の混合ガスである空気から酸素富化ガスを分離する構成を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態において、ガス製造システム100は、ガス製造装置110と、液体酸素を貯留する液化ガス貯留タンク120と、窒素ガス貯留タンク130と、酸素ガス貯留タンク140(貯留タンク)とを含んで構成される。ガス製造システム100では、ガス製造装置110において空気を酸素富化ガスと窒素富化ガスとに分離し、分離された窒素富化ガスは、窒素ガス貯留タンク130に送り込まれ、分離された酸素富化ガスは、液化ガス貯留タンク120から送出される液体酸素とともに酸素ガス貯留タンク140に送り込まれる。以下、ガス製造装置110の具体的な構成について説明する。
(ガス製造装置110)
ガス製造装置110は、吸着塔210(図1中、210a、210bで示す)を備えている。吸着塔210は、円筒形状に構成される。また、吸着塔210は、保温庫202に収容されており、保温庫202は、吸着塔210に収容された、後述する吸着剤230を常温より高温(例えば、250℃〜900℃)の所定の温度の雰囲気に曝すように保温している。保温庫202に供給される熱は、電気式加熱、ガス燃焼式加熱、または、ガス製造装置110が設置されるプラントの排熱を利用してもよい。また、吸着塔210における吸着剤230が収容される箇所の近傍には加熱部212が設けられている。
ブロワ220は、酸素ガスと他の物質とを含有する混合ガス(ここでは、空気)を吸着塔210内に供給する。具体的に説明すると、ブロワ220と吸着塔210とを接続(連通)する供給管222が設けられており、供給管222のうち、ブロワ220と吸着塔210aとを接続する管にはバルブ224aが、ブロワ220と吸着塔210bとを接続する管にはバルブ224bが設けられている。したがって、ブロワ220は、供給管222を通じて、常温の空気を吸着塔210内に供給することとなる。
吸着剤230(図1中、クロスハッチングで示す)は、吸着塔210内に設けられ(充填され)、所定の圧力および所定の温度環境下で混合ガスに接触すると、混合ガスに含有される酸素ガス(酸素分子)を吸着して、酸素ガスを分離する。
吸着剤230は、例えば、構造式A1−x1−y3−zで表されるペロブスカイト型酸化物である。ここで、Aはランタノイド元素またはアルカリ土類金属元素であり、Bはランタノイド元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属元素の群のうちいずれかの元素ドーパントであり、Cはチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)の群から選択される1または複数の元素であり、Dはチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の群から選択される1または複数の元素であり、かつ、Cとは異なる元素である。具体的に説明すると、吸着剤230は、例えば、La1−xSrCo1−yFe3−z(La:Sr:Co:Fe=1:9:9:1)である。
ペロブスカイト型酸化物は、所定の温度(例えば、250℃〜900℃)において、酸素ガスを選択的に吸着する(物理吸着)。したがって、吸着剤230として、ペロブスカイト型酸化物を利用することにより、空気から選択的に酸素ガスを吸着することができる。また、ペロブスカイト型酸化物は、250℃〜900℃において、圧力を変化させることにより、酸素ガスの吸着および脱着(吸着していた物質が界面から離れること)を容易に行うことが可能となる。
分離ガス排出部240は、空気から、吸着剤230に吸着されることで酸素ガスが取り除かれた窒素富化ガスを、吸着塔210から排出する。具体的に説明すると、分離ガス排出部240は、吸着塔210と窒素ガス貯留タンク130とを接続(連通)する排出管242と、排出管242のうち、吸着塔210aと窒素ガス貯留タンク130とを接続する管に設けられたバルブ244aと、吸着塔210bと窒素ガス貯留タンク130とを接続する管に設けられたバルブ244bとを含んで構成される。分離ガス排出部240によって排出された窒素富化ガスは、排出管242を通って窒素ガス貯留タンク130へ送出される。窒素ガス貯留タンク130に貯留された窒素富化ガスは、後段のプロセスに順次送出されることとなる。
真空ポンプ250は、吸着塔210内を減圧して吸着剤230に吸着した酸素ガスを吸着剤230から脱着させて当該吸着塔210から排出する。具体的に説明すると、吸着塔210と真空ポンプ250とを接続(連通)する排出管252が設けられており、排出管252のうち、真空ポンプ250と吸着塔210aとを接続する管にはバルブ254aが、真空ポンプ250と吸着塔210bとを接続する管にはバルブ254bが設けられている。したがって、真空ポンプ250は、排出管252を通じて、吸着塔210から酸素富化ガスを排出する。そして、真空ポンプ250によって排出された酸素富化ガスは、酸素ガス貯留タンク140へ送出される。酸素ガス貯留タンク140に貯留された酸素富化ガスは、後段のプロセスに順次送出されることとなる。
蓄熱体260(図1中、ハッチングで示す)は、吸着塔210における吸着剤230よりも空気の供給方向の上流側に配され、ブロワ220から当該吸着塔210内に供給される空気(混合ガス)、および、真空ポンプ250によって当該吸着塔210内から排出される酸素富化ガスが通過する。蓄熱体262(図1中、ハッチングで示す)は、吸着塔210における吸着剤230よりも空気の供給方向の下流側に配され、当該吸着塔210内から排出される窒素富化ガス(分離ガス)が通過する。
蓄熱体260、262は、流体が通過する際の圧損が少なく、かつ、蓄熱量が大きいものを使用するとよい。蓄熱体260、262は、例えば、ライナー間ピッチ2mm程度、平板厚さ0.5mm程度のステンレス製蓄熱材ハニカムを挙げることができる。
詳しくは後述するが、本実施形態のガス製造装置110では、ブロワ220が駆動される工程(吸着工程)と、真空ポンプ250が駆動される工程(再生工程)とが排他的に繰り返し行われる。したがって、吸着工程において、ブロワ220によって吸着塔210に空気が供給される際に、常温の空気が蓄熱体260を通過し、吸着工程において蓄熱体260は常温となる。一方、再生工程において、真空ポンプ250によって吸着塔210が減圧されると、高温(例えば、250℃〜900℃)の酸素富化ガスが、蓄熱体260を通って排出される。したがって、再生工程において、常温の蓄熱体260が高温の酸素富化ガスによって加熱されるとともに、常温の蓄熱体260によって高温の酸素富化ガスが冷却されることとなる。
ただし、真空ポンプ250によって吸引される酸素富化ガス、つまり、排出管252を通過する酸素富化ガスは、常温よりは高温であるため、常温の場合と比較して、単位体積当たりの酸素分子の数が少ない(標準状態の体積(Nm)が小さい)。
そこで、本実施形態のガス製造装置110は、排出管252に熱交換ユニット270を設けておき、排出管252を通過する酸素富化ガスを冷却する。熱交換ユニット270は、第1熱交換器280と、第2熱交換器282と、冷媒流通管284と、減圧手段286とを含んで構成される。
第1熱交換器280、第2熱交換器282は、排出管252に設けられ、液化ガス貯留タンク120から排出される液化酸素で、排出管252を通過する酸素富化ガスを冷却する。具体的に説明すると、一端が液化ガス貯留タンク120に接続されるとともに、他端が酸素ガス貯留タンク140に接続される冷媒流通管284が設けられており、冷媒流通管284は、第1熱交換器280を通過した後、第2熱交換器282を通過する。また、冷媒流通管284における第1熱交換器280と第2熱交換器282との間には減圧手段286が設けられ、液化ガス貯留タンク120と第1熱交換器280との間には開閉弁288が設けられている。
したがって、第1熱交換器280は、排出管252を通過する酸素富化ガスと、冷媒流通管284を通過する液化酸素とを熱交換する。これにより、酸素富化ガスの熱を、液化酸素の潜熱および顕熱とすることができ、液化酸素を気化するとともに、酸素富化ガスを冷却することが可能となる。
減圧手段286は、例えば、減圧弁で構成され、第1熱交換器280において気化された酸素ガス(気化ガス)を減圧する。減圧手段286を備える構成により、気化ガスを断熱膨張させることができ、気化ガスの温度を低下させることが可能となる。
そして、第2熱交換器282は、排出管252を通過する酸素富化ガスと、冷媒流通管284を通過する気化ガス(減圧手段286によって温度が低下した気化ガス)とを熱交換する。これにより、酸素富化ガスの熱を、気化ガスに伝達することができ、酸素富化ガスを冷却するとともに、気化ガスを加熱することが可能となる。
こうして、吸着塔210から排出された酸素富化ガスは、熱交換ユニット270によって冷却された後、真空ポンプ250に導入されることとなる。したがって、真空ポンプ250によって吸引される酸素富化ガスの単位体積当たりの酸素分子の数を多くする(標準状態の体積(Nm)を大きくする)ことができる。
これにより、熱交換ユニット270を備えない構成と同じ電力消費量で真空ポンプ250を駆動させたとしても、真空ポンプ250から酸素ガス貯留タンク140に送り出す酸素富化ガスの量(標準状態の体積)を多くすることができる。また、熱交換ユニット270を備えない構成と同じ量(標準状態の体積)の酸素富化ガスを酸素ガス貯留タンク140に送り出す場合、真空ポンプ250の電力消費量を低減することができる。つまり、酸素富化ガスの電力原単位を低減することが可能となる。
また、本実施形態の熱交換ユニット270では、排出管252における酸素富化ガスの流れ方向の上流側(吸着塔210に近い側)から順に、第2熱交換器282、第1熱交換器280が設けられている。これにより、第1熱交換器280、第2熱交換器282を小型化することができ、第1熱交換器280、第2熱交換器282のコストを低減することが可能となる。
(ガス製造方法)
続いて、ガス製造装置110を用いたガス製造方法について説明する。図2は、ガス製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図2に示すように、吸着塔210において、吸着工程S310、再生工程S320を繰り返す。なお、初期状態において、不図示の制御手段は、バルブ224a、224b、244a、244b、254a、254b、開閉弁288を閉状態にしておくとともに、吸着塔210における吸着剤230を250℃〜900℃の所定の温度の雰囲気に曝しておく。本実施形態において、吸着塔210aにおいて吸着工程S310を遂行しているときには、吸着塔210bにおいて再生工程S320を並行して遂行し、吸着塔210aにおいて再生工程S320を遂行しているときには、吸着塔210bにおいて吸着工程S310を並行して遂行する。
また、後述するように、吸着工程S310では窒素富化ガスが生成され、再生工程S320では酸素富化ガスが生成される。したがって、吸着塔210aと吸着塔210bとが吸着工程S310と再生工程S320とを排他的に交互に繰り返すことにより、窒素富化ガスおよび酸素富化ガスの生成を連続的に行うことが可能となる。
以下、吸着塔210aを例に挙げて、吸着工程S310、および、再生工程S320の処理について詳述し、実質的に処理が等しい吸着塔210bにおける吸着工程S310、および、再生工程S320の処理については説明を省略する。
(吸着工程S310)
図3は、吸着工程S310の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
(供給工程S310−1)
不図示の制御手段は、ブロワ220を駆動し、バルブ224aを開状態とし、吸着塔210a内へ空気(混合ガス)を供給する(供給処理)。つまり、常温の空気は、蓄熱体260を通って、吸着剤230へ到達することとなる。
(吸着工程S310−2)
そして、制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P1(例えば、100kPa〜200kPa)以上となったか否かを判定する。制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P1以上となるまで(S310−2におけるNO)、供給工程S310−1を遂行する。制御手段が供給処理を遂行し、吸着塔210a内を所定の圧力P1まで昇圧している間に、空気(混合ガス)中の酸素ガスを吸着剤230に吸着させる。一方、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P1以上となると(S310−2におけるYES)、ブロワ220を停止させ、後述する分離ガス排出工程S310−3へと処理を移行する。
(分離ガス排出工程S310−3)
吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P1以上となると(S310−2におけるYES)、制御手段は、バルブ224aを閉状態とし、バルブ244aを開状態とする。これにより、分離ガス排出部240は、吸着剤230によって空気から酸素ガスが取り除かれることで製造された窒素富化ガスを吸着塔210aから排出する(分離ガス排出処理)。この際、高温の窒素富化ガスは、蓄熱体262を通って排出されることとなり、蓄熱体262は、かかる高温の窒素富化ガスによって加熱されることになる。蓄熱体262を備えることにより、吸着塔210からの放熱を抑制することができる。そして、吸着塔210aから排出された窒素富化ガスは、窒素ガス貯留タンク130に送出されることとなる。
(分離ガス排出判定工程S310−4)
そして、制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P2(例えば、60kPa)未満となったか否かを判定する。制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P2未満となるまで(S310−4におけるNO)、分離ガス排出工程S310−3を遂行する。一方、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P2未満となると(S310−4におけるYES)、吸着工程S310が終了したとみなし、後述する再生工程S320へと処理を移行する。
(再生工程S320)
図4は、再生工程S320の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
(吸着ガス排出工程S320−1)
上述した分離ガス排出判定工程S310−4において、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P2未満となると(S310−4におけるYES)、制御手段は、バルブ244aを閉状態とし、バルブ254aを開状態とするとともに、真空ポンプ250を駆動する。これにより、吸着塔210a内が減圧されて吸着剤230に吸着された酸素ガスが吸着剤230から脱着し、当該吸着塔210aから酸素富化ガスが排出される(吸着ガス排出処理)。つまり、高温(300℃以上)の酸素富化ガスは、蓄熱体260を通って排出されることとなり、常温の蓄熱体260は、かかる高温の酸素富化ガスによって加熱されることになる。一方、常温の蓄熱体260によって高温の酸素富化ガスを冷却することができる。また、蓄熱体260を備えることにより、吸着塔210からの放熱を抑制することができる。
(液化ガス排出工程S320−2)
制御手段は、開閉弁288を開状態とする。そうすると、第1熱交換器280、第2熱交換器282を液化酸素が通過することになり、第1熱交換器280、第2熱交換器282によって、吸着塔210aから排出され真空ポンプ250に導入される前の酸素富化ガスが冷却されることとなる。こうして、吸着塔210aから排出され、熱交換ユニット270によって冷却された酸素富化ガスは、酸素ガス貯留タンク140に送出されることとなる。また、液化ガス貯留タンク120から送出され、第1熱交換器280で気化された気化ガス(酸素ガス)は、減圧手段286で減圧された後、第2熱交換器282で加熱されて酸素ガス貯留タンク140に送出される。
(吸着ガス排出判定工程S320−3)
そして、制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P3(例えば、2kPa〜20kPa)未満となったか否かを判定する。制御手段は、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P3未満となるまで(S320−3におけるNO)、吸着ガス排出工程S320−1、液化ガス排出工程S320−2を遂行する。一方、吸着塔210a内の圧力Pが所定の圧力P3未満となると(S320−3におけるYES)、再生工程S320が終了したとみなし、制御手段は、バルブ254a、開閉弁288を閉状態として、上記吸着工程S310からの処理を繰り返す。
したがって、再生工程S320に続いて遂行される吸着工程S310において、ブロワ220によって吸着塔210に導入された常温の空気は、再生工程S320において加熱された蓄熱体260によって予熱されることとなる。これにより、吸着剤230の加熱に要するエネルギーを低減することができ、吸着剤230の加熱に要する電力原単位を削減することが可能となる。
(シミュレーション)
ガス製造装置110によって製造される(排出管252を通過する)酸素富化ガスの流量に対する、液化ガス貯留タンク120から送出される(冷媒流通管284を通過する)液化酸素の流量と、電力原単位の削減分(kWh/Nm)との関係についてシミュレーションを行った。
なお、液化酸素の製造に要する電力原単位を0.4kWh/Nmとし、液化酸素の温度を−183℃とし、第1熱交換器280、第2熱交換器282を備えないガス製造装置(ガス製造装置110において、熱交換が為されずに吸着塔210から酸素富化ガスが真空ポンプ250で吸引される構成)で酸素富化ガスの製造を行う際に要する電力原単位を0.25kWh/Nmとし、吸着塔210から排出される酸素富化ガスの温度を50℃とし、吸着塔210から排出される酸素富化ガスの組成を酸素ガス80%:窒素ガス20%としてシミュレーションを行った。
図5は、シミュレーション結果を説明する図である。なお、図5中、第1熱交換器280、第2熱交換器282、減圧手段286を備えた場合のシミュレーション結果を実線で示し、第1熱交換器280のみを備えた場合のシミュレーション結果を破線で示す。
図5に示すように、第1熱交換器280、第2熱交換器282、減圧手段286を備えた場合、酸素富化ガスの流量に対する液体酸素の流量が0.50(酸素富化ガスの流量が1である場合に液体酸素の流量が0.50)である場合に最も電力原単位の削減分が大きくなることが分かった。また、第1熱交換器280のみを備えた場合、酸素富化ガスの流量に対する液体酸素の流量が0.25である場合に最も電力原単位の削減分が大きくなることが分かった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態において、ガス製造システム100が空気から酸素富化ガスを分離する構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス製造システム100は、少なくとも第1ガスおよび第2ガスを含む混合ガスから、混合ガスより第1ガスの含有率が大きい第1富化ガスを分離することができればよい。この場合、分離するガス(第1富化ガス)を液化したガスを液化ガスとして用いるとよい。
また、上記実施形態において、酸素富化ガスを冷却する冷却流体として液化酸素を例に挙げて説明した。しかし、冷却流体に限定はなく、液化酸素以外の液化ガス(例えば、液化窒素、LNG等)であってもよいし、水、冷媒等であってもよい。また、上記実施形態において、熱交換ユニット270は、酸素富化ガスと冷却流体とを熱交換する構成を例に挙げて説明した。しかし、熱交換ユニット270は、酸素富化ガスを冷却できれば、構成に限定はない。熱交換ユニットとして、例えば、ペルチェ素子や冷凍機を採用してもよい。
また、上記実施形態において、熱交換ユニット270が、第1熱交換器280、第2熱交換器282、減圧手段286を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、熱交換ユニット270は、酸素富化ガスを冷却することができれば、構成に限定はない。例えば、熱交換ユニット270が第1熱交換器280(酸素富化ガスの熱を潜熱と顕熱にする熱交換器)のみ、第2熱交換器282(酸素富化ガスの熱を顕熱にする熱交換器)のみを有していてもよい。
また、上記実施形態において、吸着塔210から排出された酸素富化ガスが、第2熱交換器282で冷却された後、第1熱交換器280で冷却されて真空ポンプ250に導入される構成を例に挙げて説明した。しかし、吸着塔210から排出された酸素富化ガスは、第1熱交換器280で冷却された後、第2熱交換器282で冷却されて真空ポンプ250に導入されるとしてもよい。
また、上記実施形態において、吸着剤230として、ペロブスカイト構造の酸化物を例に挙げて説明した。しかし、吸着剤は、所定の圧力および常温より高温の所定の温度環境下で第1ガス(分離目的のガス)を吸着することができれば、限定はない。
また、上述した実施形態において説明したガス製造装置110における吸着塔210の圧力範囲は、単なる例示に過ぎない。
また、上述した実施形態において、吸着塔210a、210bを2つ備えたガス製造装置110を例に挙げて説明したため、吸着塔210aと吸着塔210bとが再生と吸着とを並行して行う場合について説明した。しかし、吸着塔210の数に限定はない。つまり、吸着塔210の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、上述した実施形態において、蓄熱体260、262がステンレス製蓄熱材ハニカムで構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、蓄熱体260、262の材質に限定はなく、例えば、吸着剤230と同一の部材で構成されていてもよい。かかる構成により、蓄熱体260、262においても酸素ガスと窒素ガスとを分離することが可能となる。
さらに、蓄熱体260、262は、所定の圧力および吸着剤230よりも常温に近い温度環境下で空気(混合ガス)に接触すると、酸素を吸着して、窒素を分離する物質(例えば、活性炭(MSC)や、低温で作動する複合酸化物等の吸着剤)で構成されてもよい。これにより、蓄熱体260、262において、より効率的に酸素ガスと窒素ガスとを分離することが可能となる。
また、上記実施形態において、蓄熱体260、262を備える構成を例に挙げて説明したが、蓄熱体260および蓄熱体262のいずれか一方のみを備えてもよいし、蓄熱体260、262を備えずともよい。
また、上記実施形態において、吸着剤230が酸素ガスを吸着する構成を例に挙げて説明した。しかし、窒素ガスを吸着する吸着剤を用いて酸素富化ガスを製造することもできる。この場合、ガス製造システムは、第1ガスとして窒素ガスを吸着する吸着剤が内部に収容された吸着塔と、吸着塔内を減圧し、吸着剤に吸着した窒素ガスを吸着剤から脱着させて吸着塔から排出する真空ポンプと、吸着塔から排出され真空ポンプに導入される前の窒素富化ガスを冷却する熱交換ユニットと、を備える。そして、このガス製造システムは、少なくとも第1ガスおよび第2ガスを含む混合ガスから第1富化ガス(窒素富化ガス)を分離することにより、第2富化ガス(酸素富化ガス)を製造することとなる。なお、第2富化ガスの製造は、吸着工程(分離ガス排出工程)を遂行することによって為される。
本発明は、吸着剤を用いたガス製造システムに利用することができる。
100 ガス製造システム
140 酸素ガス貯留タンク(貯留タンク)
210(210a、210b) 吸着塔
212 加熱部
220 ブロワ
230 吸着剤
250 真空ポンプ
270 熱交換ユニット
280 第1熱交換器
282 第2熱交換器
286 減圧手段

Claims (5)

  1. 少なくとも第1ガスおよび第2ガスを含む混合ガスから、該混合ガスより該第1ガスの含有率が大きい第1富化ガスを分離するガス製造システムであって、
    前記第1ガスを吸着する吸着剤が内部に収容された吸着塔と、
    前記吸着塔内を減圧し、前記吸着剤に吸着した前記第1ガスを該吸着剤から脱着させて該吸着塔から排出する真空ポンプと、
    前記吸着塔から排出され前記真空ポンプに導入される前の前記第1富化ガスと、液化ガスとを熱交換して該第1富化ガスを冷却するとともに、該液化ガスを気化させる第1熱交換器と、
    前記第1熱交換器によって液化ガスが気化された結果生じる気化ガスを減圧する減圧手段と、
    前記吸着塔から排出され前記真空ポンプに導入される前の前記第1富化ガスと、前記減圧手段によって減圧された気化ガスとを熱交換して該第1富化ガスを冷却する第2熱交換器と、
    を備えたことを特徴とするガス製造システム。
  2. 前記液化ガスは、前記第1ガスを液化した液化ガスであることを特徴とする請求項に記載のガス製造システム。
  3. 前記第1熱交換器および前記第2熱交換器のうちのいずれか一方または両方によって熱交換された液化ガスと、前記真空ポンプから送出された前記第1富化ガスとを貯留する貯留タンクを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のガス製造システム。
  4. 前記吸着塔から排出された第1富化ガスは、前記第2熱交換器で冷却された後、前記第1熱交換器で冷却されて前記真空ポンプに導入されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガス製造システム。
  5. 前記第1ガスは酸素ガスであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のガス製造システム。
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