JP6646588B2 - ホットスタンプ成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブランク材を加熱し、加熱したブランク材をホットスタンプ成形により高強度の成形品を成形するホットスタンプ成形品の製造方法に関する。
ホットスタンプ成形品の製造方法として、成形品をホットスタンプ成形した後、成形品の一部を加熱・徐冷して焼なましすることにより、成形品の一部(以下、延性部という)に延性をもたせる方法が知られている。
この製造方法によれば、成形品の延性部を焼なましする際に、延性部を保持具で押さえることにより延性部の熱変形が抑えられる(例えば、特許文献1参照。)。
成形品を焼なまして延性部に延性を持たせることにより、延性部をスポット溶接などの溶接接合部として用いることが可能になり、成形品を自動車などのフレームに採用することが可能になる。
ここで、特許文献1のホットスタンプ成形品の製造方法のように、延性部を保持具で押さえて延性部の熱変形を抑えるためには、延性部を焼なましする際に延性部の適切な箇所を保持具で押さえる必要がある。
しかし、延性部のなかから適切な箇所を選択して保持具で押さえることは難しく、延性部の熱変形を保持具で好適に抑えられないことが考えられる。
米国特許第5972134号公報
本発明は、成形品の延性部の熱変形を抑えることができるホットスタンプ成形品の製造方法を提供することを課題とする。
請求項に係る発明では、鋼板のブランク材をオーステナイト組織になるまで加熱する加熱工程と、加熱したブランク材をホットスタンプ成形で高強度のプレス部品および熱歪抑制部に一体成形するプレス工程と、前記プレス部品のうち、前記熱歪抑制部に隣接する部位の熱変形を前記熱歪抑制部で抑えた状態で、前記隣接する部位を焼なまして延性を有する延性部とする焼なまし工程と、を備え、前記プレス部品のうち前記熱歪抑制部に隣接する部位が帯状に形成され、前記焼なまし工程の際に、前記帯状に形成された部位を間隔をおいて一対のクランプで固定し、前記一対のクランプ間を焼なました後、前記一対のクランプを移動し、移動した一対のクランプ間を焼なましする工程を順次繰り返して、前記帯状に形成された部位を連続させて焼なましすることにより前記延性部とする。
請求項に係る発明では、鋼板のブランク材をオーステナイト組織になるまで加熱する加熱工程と、加熱したブランク材をホットスタンプ成形で高強度のプレス部品および熱歪抑制部に一体成形するプレス工程と、前記プレス部品のうち、前記熱歪抑制部に隣接する部位の熱変形を前記熱歪抑制部で抑えた状態で、前記隣接する部位を焼なまして延性を有する延性部とする焼なまし工程と、を備え、前記プレス工程において、前記プレス部品を成形することにより、前記プレス部品に、断面略U字状に形成される高強度部と、該高強度部の開口端から前記高強度部の外側に張り出される一対のフランジとを含み、前記焼なまし工程において、前記一対のフランジを焼なまして一対の延性部とし、前記一対の延性部を溶接部として利用する。
ここで、ホットスタンプ成形されたプレス部品は高強度の部品である。よって、プレス部品を溶接(例えば、スポット溶接)する場合、溶接熱により溶接部周囲に、熱影響ゾーンの狭い最軟化部のピークが発生する虞がある。このため、溶接部周囲に応力が集中して亀裂が発生することが考えられる。
そこで、請求項において、プレス部品に高強度部と一対のフランジとを含ませ、一対のフランジを焼なまして延性部とした。さらに、一対の延性部を溶接部として利用するようにした。
請求項1および2に係る発明では、プレス部品に熱歪抑制部を備えた。よって、熱歪抑制部に隣接する部位を焼なまして延性部とする際に、隣接する部位の熱変形を熱歪抑制部で抑えることができる。
すなわち、成形品の延性部が熱変形することを熱歪抑制部で抑えることができる。これにより、例えば、成形品を再プレスして成形品の形状を矯正しなくても、ホットスタンプ成形品の精度を確保できる。
また、請求項に係る発明では、一対のクランプ間を焼なましする工程を順次繰り返し、帯状に形成された部位を連続させて焼なましすることにより、帯状に形成された部位を延性部とするようにした。
このように、帯状に形成された部位を一対のクランプで複数に区画し、区画した部位を焼なましすることにより、区画範囲の熱変形を一対のクランプで好適に抑制できる。これにより、延性部の熱変形を好適に抑制することができる。
また、請求項に係る発明では、プレス部品に高強度部と一対のフランジとを含ませ、一対のフランジを焼なまして一対の延性部とした。さらに、一対の延性部を溶接部として利用するようにした。よって、溶接(例えば、スポット溶接)の際に、溶接熱により溶接部周囲に、熱影響ゾーンの狭い最軟化部のピークが発生することを抑制できる。これにより、溶接部周囲に応力が集中して亀裂が発生すること防止できる。
本発明に係るホットスタンプ成形品の製造方法を示す概略図である。 図1のプレス工程で成形した成形素材を示す斜視図である。 図1の焼なまし工程を説明する斜視図である。 図1の除去工程を説明する斜視図である。 図1のホットスタンプ成形品(高強度成形品)を示す斜視図である。 図1の焼なまし工程に用いる焼鈍装置を示す斜視図である。 図6の焼鈍装置で成形素材の左接合フランジを左端部から焼なましする例を説明する図である。 図6の焼鈍装置で成形素材の左接合フランジを右端部まで焼なましする例を説明する図である。 図5の高強度成形品にプレートを接合して閉断面部材を形成する例を説明する図である。 本発明に係る実施例の変形例1を示す斜視図である。 本発明に係る実施例の変形例2を示す斜視図である。 本発明に係る実施例の変形例3を示す斜視図である。 本発明に係る実施例の変形例4を示す斜視図である。 (a)は本発明に係る高強度成形品を備える車両を示す斜視図、(b)は(a)の14b−14b線断面図である。 (a)は図14のインナパネルを含む成形素材を示す平面図、(b)は(a)の15b−15b線断面図である。 (a)は図15のインナパネルを示す平面図、(b)は(a)の16b−16b線断面図である。 (a)は図15(a)の成形素材の変形例5を示す平面図、(b)は(a)の17b−17b線断面図である。 (a)は図15(a)の成形素材の変形例6を示す平面図、(b)は(a)の18b−18b線断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図14(a)において「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例に係るホットスタンプ成形品10の製造方法について説明する。
図1に示すように、ホットスタンプ成形品10の製造方法は、鋼板のブランク材12を加熱する加熱工程E1と、加熱したブランク材12を高強度の成形素材14(すなわち、プレス部品15および左右の熱歪抑制部16,17)に成形するプレス工程E2と、プレス部品15の一部を焼なまし(すなわち、焼鈍)する焼なまし工程E3と、成形素材14から左右の熱歪抑制部16,17を除去する除去工程E4とを備えている。
以下、ホットスタンプ成形品10を「高強度成形品10」として説明する。
加熱工程E1において、コイル状の鋼板がブランク材12(すなわち、平板の素材)に切断された後、ブランク材12がオーステナイト組織になるまでブランク材12を加熱炉21で加熱する。
プレス工程E2において、加熱されたブランク材12を成形型23でホットスタンプ成形(すなわち、熱間プレス)して成形素材14を得る。ブランク材12を成形型23で成形素材14に成形する際に、成形素材14が成形型23に接触して急冷され、高強度の成形素材14を得ることができる。
図2に示すように、成形素材14は、プレス部品15および左右の熱歪抑制部(熱歪抑制部)16,17を有する。すなわち、プレス部品15および左右の熱歪抑制部16,17がホットスタンプ成形で高強度に一体に成形される。
プレス部品15は、断面略U字状に形成される高強度部25と、高強度部25の開口端25aから高強度部25の外側に張り出される左接合フランジ26および右接合フランジ27(一対のフランジ)とを含む。
高強度部25、左接合フランジ26および右接合フランジ27でプレス部品15が断面略ハット状に形成されている。
高強度部25は、平坦な帯状に形成された頂部31と、頂部31の左側辺から下向きに折り曲げられた左側壁32と、頂部31の右側辺から下向きに折り曲げられた右側壁33とを有する。頂部31、左側壁32および右側壁33で高強度部25が断面略U字状に形成される。
左側壁32の下辺から左接合フランジ(一対のフランジの一方)26が左外向きに張り出されている。左接合フランジ26は、左熱歪抑制部16に隣接する部位であり、高強度部25に沿って帯状に形成されている。
右側壁33の下辺から右接合フランジ(一対のフランジの他方)27が右外向きに張り出されている。右接合フランジ27は、右熱歪抑制部17に隣接する部位であり、高強度部25に沿って帯状に形成されている。
左接合フランジ26の外辺に左熱歪抑制部16が一体に成形されている。左熱歪抑制部16は、左接合フランジ26の外辺に連結する左連結部35と、左連結部35の側辺から上向きに立ち上げられる左折曲フランジ(折曲フランジ)36とを有する。すなわち、左折曲フランジ36は、プレス部品15の左外側に立設される。
右接合フランジ27の外辺に右熱歪抑制部17が一体に成形されている。右熱歪抑制部17は、右接合フランジ27の外辺に連結する右連結部38と、右連結部38の側辺から上向きに立ち上げられる右折曲フランジ(折曲フランジ)39とを有する。すなわち、右折曲フランジ39は、プレス部品15の右外側に立設される。
図3に示すように、焼なまし工程(E3)において、左接合フランジ26をレーザ58により加熱して徐冷することにより焼なましする。左接合フランジ26を焼なましすることにより、高強度の左接合フランジ26を左延性部(延性部)41とすることができる。左延性部41は、焼なましされることにより延性を有するソフトゾーンである。
左接合フランジ26(左延性部41)に隣接して高強度の左熱歪抑制部16が設けられている。よって、左接合フランジ26を左延性部41に焼なましする際に、左延性部41の熱変形(すなわち、熱歪)が高強度の左熱歪抑制部16で抑えられる。
また、右接合フランジ27を、左接合フランジ26と同様に、レーザ58により焼なましすることにより右延性部(延性部)42とすることができる。右延性部42は、焼なましされることにより延性を有するソフトゾーンである。
右接合フランジ27(右延性部42)に隣接して高強度の右熱歪抑制部17が設けられている。よって、右接合フランジ27を右延性部42に焼なましする際に、右延性部42の熱変形(すなわち、熱歪)が高強度の右熱歪抑制部17で抑えられる。
ここで、左熱歪抑制部16の左折曲フランジ36をプレス部品15の外側に立設させた。また、右熱歪抑制部17の右折曲フランジ39をプレス部品15の外側に立設させた。よって、左熱歪抑制部16の剛性を左折曲フランジ36で確保できる。さらに、右熱歪抑制部17の剛性を右折曲フランジ39で確保できる。
これにより、左延性部41および右延性部42の熱変形を、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17でそれぞれ好適に抑制できる。
高強度部25、左延性部41および右延性部42で、断面略ハット状の高強度成形品(すなわち、高強度フレーム)10(図5参照)が形成される。
図4に示すように、除去工程E4において、左熱歪抑制部16(具体的には、左連結部35)および左延性部41の左境界44をレーザ47により切断することにより、左延性部41から左熱歪抑制部16を除去する。
同様に、右熱歪抑制部17(具体的には、右連結部38)および右延性部42の右境界45をレーザ47により切断することにより、右延性部42から右熱歪抑制部17を除去する。
左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17を左延性部41および右延性部42から除去することにより、断面略ハット状の高強度成形品10(図5参照)が得られる。
また、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17が左延性部41および右延性部42から除去されることにより、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17は高強度成形品10として用いられない。
このように、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17を除去することにより、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17の形状を大きく形成することが可能になる。これにより、左延性部41の熱変形を左熱歪抑制部16で好適に抑制できる。同様に、右延性部42の熱変形を右熱歪抑制部17で好適に抑制できる。
さらに、左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17は、高強度成形品10として用いられない部位である。これにより、左右の熱歪抑制部16,17が高強度成形品10に影響を与える虞がなく、高強度成形品10の設計の自由度を確保できる。
図5に示すように、左延性部41および右延性部42から左熱歪抑制部16および右熱歪抑制部17(図4参照)を除去することにより、断面略ハット状の高強度成形品10が得られる。
ここで、左延性部41に焼なましする際に、左延性部41の熱変形が左熱歪抑制部16(図3参照)で抑えられる。同様に、右延性部42に焼なましする際に、右延性部42の熱変形が右熱歪抑制部17(図3参照)で抑えられる。
これにより、例えば、高強度成形品10を再プレスして高強度成形品10の形状を矯正しなくても、高強度成形品10の精度を確保できる。
また、ホットスタンプ成形されたプレス部品は高強度の部品である。よって、プレス部品をスポット溶接などで接合する場合、溶接熱により溶接部周囲に、熱影響ゾーンの狭い最軟化部のピークが発生する虞がある。このため、溶接部周囲に応力が集中して亀裂が発生することが考えられる。
そこで、高強度成形品10に左右の延性部41,42を備えた。
左延性部41および右延性部42は延性を有する部位であり、例えば、スポット溶接などによる接合の際に、溶接熱により溶接部周囲に、熱影響ゾーンの狭い最軟化部のピークが発生することを抑制できる。これにより、溶接部周囲に応力が集中して亀裂が発生すること防止できる。
すなわち、高強度成形品10の左延性部41および右延性部42を溶接部として利用することができる。
つぎに、プレス部品15の左接合フランジ26、右接合フランジ27を焼なましする焼鈍装置50を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、焼鈍装置50は、床部51に固定されるベース52と、ベース52に設けられてプレス部品15を載せる載置台(図示せず)と、ベース52に矢印A−B方向へ移動自在に支持された支持部53と、支持部53に設けられた第1、第2のクランプ手段(一対のクランプ)54,55と、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55間に配置されるレーザ手段56とを備えている。
載置台に成形素材14が載置されることにより、成形素材14が支持部53の前方に配置される。この状態において、成形素材14の左接合フランジ26、右接合フランジ27が、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で把持可能な位置に配置される。
図6においては、発明の理解を容易にするために左接合フランジ26を第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で把持する例について説明して、右接合フランジ27を把持する説明を省略する。
載置台に成形素材14が載置された状態において、左接合フランジ26が第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で把持される。第1クランプ手段54および第2クランプ手段55は、支持部53の前部53aに、左接合フランジ26の長手方向(矢印A−B方向)に間隔L1をおいて配置されている。
第1クランプ手段54は、成形素材14の上方に配置される第1上クランプ部61と、成形素材14の下方に配置される第1下クランプ部62とを備えている。第1上クランプ部61は、基部61aが支持部53の前部53aに上下方向へ移動自在に支持される。第1下クランプ部62は、基部62aが支持部53の前部53aに上下方向へ移動自在に支持される。
第1上クランプ部61を下方に移動し、第1下クランプ部62を上方に移動する。これにより、第1上クランプ部61の先端61bおよび第1下クランプ部62の先端62bで成形素材14の左接合フランジ26を上下方向から把持する(すなわち、クランプする)。
第2クランプ手段55は、成形素材14の上方に配置される第2上クランプ部64と、成形素材14の下方に配置される第2下クランプ部65とを備えている。第2上クランプ部64は、基部64aが支持部53の前部53aに上下方向へ移動自在に支持される。第2下クランプ部65は、基部65aが支持部53の前部53aに上下方向へ移動自在に支持される。
第2上クランプ部64を下方に移動し、第2下クランプ部65を上方に移動する。これにより、第2上クランプ部64の先端64bおよび第2下クランプ部65の先端65bで成形素材14の左接合フランジ26を把持する(すなわち、クランプする)。
焼なまし工程E3(図1参照)の際に、第1上クランプ部61および第1下クランプ部62で左接合フランジ26を把持し、第2上クランプ部64および第2下クランプ部65で左接合フランジ26を把持する。これにより、左接合フランジ26が間隔L1をおいて第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で固定される。
この状態において、支持部53を矢印A方向(すなわち、成形素材14の搬送方向)に移動することにより、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55とともに成形素材14が矢印Aの方向に搬送される。
第1クランプ手段54および第2クランプ手段55間にレーザ手段56が配置されている。レーザ手段56は、支持部53の上部53bに矢印A−B方向に移動可能に支持され、下方へ向けてレーザ58を照射する照射部57を備えている。
照射部57からレーザ58が照射されることにより、レーザ58が左接合フランジ26に照射される。この状態で、レーザ手段56を矢印A方向に移動することにより、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55間の左接合フランジ26をレーザ58で焼なましすることができる。
つぎに、焼鈍装置50でプレス部品15の左接合フランジ26を左延性部41(図3参照)に焼なましする例(すなわち、焼なまし工程E3)を図7、図8に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、第1クランプ手段54で左接合フランジ26の第1固定部位26bを把持することにより固定する。第1固定部位26bは、左接合フランジ26の左端部26aから間隔L1だけ離れている。
すなわち、左接合フランジ26が第1クランプ手段54で区画範囲L1に区画されている。
この状態において、左接合フランジ26の左端部26aから第1固定部位26bまで矢印Aの如くレーザ58(図6参照)を照射して第1焼鈍部位71を焼なましする。第1焼鈍部位71を焼なました後、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55(図7(b)参照)を矢印A方向に移動する。
図7(b)に示すように、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動した後、第2クランプ手段55で第2固定部位26cを把持することにより固定する。第2固定部位26cは、左接合フランジ26の左端部26aに隣接する部位であり、第1焼鈍部位71(図7(a)参照)の途中に位置している。
さらに、第1クランプ手段54で左接合フランジ26の第3固定部位26dを把持することにより固定する。第3固定部位26dは、第2固定部位26cから間隔L1だけ離れている。
すなわち、左接合フランジ26が第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で区画範囲L1に区画されている。
この状態において、第2固定部位26cから第3固定部位26dまで矢印Aの如くレーザ58(図6参照)を照射して第2焼鈍部位72を焼なましする。第2焼鈍部位72の一部が第1焼鈍部位71の一部に重なることにより、左接合フランジ26の左端部26aから第3固定部位26dまでの距離L2が連続して焼なましされる。
第2焼鈍部位72を焼なました後、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動する。
図7(c)に示すように、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動した後、第2クランプ手段55で左接合フランジ26の第4固定部位26eを把持することにより固定する。第4固定部位26eは、第2焼鈍部位72(図7(b)参照)の途中に位置している。
さらに、第1クランプ手段54で左接合フランジ26の第5固定部位26fを把持することにより固定する。第5固定部位26fは、第4固定部位26eから間隔L1だけ離れている。
すなわち、左接合フランジ26が第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で区画範囲L1に区画されている。
この状態において、第4固定部位26eから第5固定部位26fまで矢印Aの如くレーザ58(図6参照)を照射して第3焼鈍部位73を焼なましする。第3焼鈍部位73の一部が第2焼鈍部位72の一部に重なることにより、左接合フランジ26の左端部26aから第5固定部位26fまでの距離L3が連続して焼なましされる。第3焼鈍部位73を焼なました後、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動する。
図8(a)に示すように、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動した後、第2クランプ手段55で左接合フランジ26の第(n−2)固定部位26gを把持することにより固定する。第(n−2)固定部位26gは、第(mー2)焼鈍部位74の途中に位置している。
さらに、第1クランプ手段54で第(n−1)固定部位26hを把持することにより固定する。第(n−1)固定部位26hは、左接合フランジ26の右端部26iに隣接する部位である。第(n−1)固定部位26hは、第(n−2)固定部位26gから間隔L1だけ離れている。
すなわち、左接合フランジ26が第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で区画範囲L1に区画されている。
この状態において、第(n−2)固定部位26gから第(n−1)固定部位26hまで矢印Aの如くレーザ58(図6参照)を照射して第(mー1)焼鈍部位75を焼なましする。
第(mー2)焼鈍部位74の一部が第(mー1)焼鈍部位75の一部に重なることにより、左接合フランジ26の左端部26aから第(n−1)固定部位26hまでの距離L4が連続して焼なましされる。
第(mー1)焼鈍部位75を焼なました後、第1クランプ手段54および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動する。
図8(b)に示すように、第1クランプ手段54(図8(a)参照)および第2クランプ手段55を矢印A方向に移動した後、第2クランプ手段55で左接合フランジ26の第(n)固定部位26jを把持することにより固定する。第(n)固定部位26jは、第(mー1)焼鈍部位75の途中に位置している。
第(n)固定部位26jは、左接合フランジ26の右端部26iから間隔L1だけ離れている。
すなわち、左接合フランジ26が第2クランプ手段55で区画範囲L1に区画されている。
この状態において、第(n)固定部位26jから左接合フランジ26の右端部26iまで矢印Aの如くレーザ58(図6参照)を照射して第(m)焼鈍部位76を焼なましする。第(m)焼鈍部位76の一部が第(mー1)焼鈍部位75の一部に重なることにより、左接合フランジ26の左端部26aから左接合フランジ26の右端部26iまでの距離L5が連続して焼なましされる。
よって、左接合フランジ26が左延性部41(図3参照)に焼なましされる。
このように、左接合フランジ26を第1クランプ手段54および第2クランプ手段55で複数の区画範囲L1に小さく区画し、区画範囲L1を順次焼なましすることにより、区画範囲L1の熱変形を第1、第2のクランプ手段54,55で好適に抑制できる。これにより、左延性部41の熱変形を好適に抑制することができる。
同様に、図6に示す右接合フランジ27を連続させて焼なましすることにより、右接合フランジ27を右延性部42(図3参照)とすることができる。加えて、右延性部42の熱変形も、左延性部41と同様に、好適に抑制できる。
ついで、高強度成形品10にプレート81を接合して閉断面部材(すなわち、閉断面フレーム)を形成する例を図9に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、断面略ハット状の高強度成形品10は、左延性部41や右延性部42の精度が確保されている。よって、高強度成形品10にプレート81を精度よく重ね合わせることができる。
具体的には、高強度成形品10の左延性部41にプレート81の左側部81aを精度よく重ね合わせることができる。同様に、高強度成形品10の右延性部42にプレート81の右側部81bを精度よく重ね合わせることができる。
図9(b)に示すように、高強度成形品10にプレート81を精度よく重ね合わせた状態において、左延性部41および左側部81aをスポット溶接による接合部83で接合する。同様に、右延性部42および右側部81bをスポット溶接による接合部84で接合する。
ここで、高強度成形品10の左延性部41および右延性部42は延性を有する部位である。よって、スポット溶接などによる接合の際に、溶接部周囲に応力が集中して亀裂が発生することを防止できる。これにより、左延性部41および左側部81aをスポット溶接で好適に接合し、右延性部42および右側部81bをスポット溶接で好適に接合できる。
すなわち、高強度成形品10およびプレート81で高剛性の閉断面フレームを形成することができる。
つぎに、実施例の変形例1〜4を図10〜図13に基づいて説明する。なお、変形例1〜4の成形素材において実施例の成形素材14と同一類似構成部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(変形例1)
図10に示すように、変形例1の成形素材90は、実施例の成形素材14の左熱歪抑制部16を左熱歪抑制部(熱歪抑制部)92に代え、右熱歪抑制部17を右熱歪抑制部(熱歪抑制部)93に代えたもので、その他の構成は実施例の成形素材14と同様である。
左熱歪抑制部92は、左接合フランジ26の外辺から左接合フランジ26と同一面になるように平坦に張り出される高強度の部位である。
よって、左接合フランジ26をレーザ58(図6参照)で左延性部41に焼なましする際に、左延性部41の熱変形を左熱歪抑制部92で抑制できる。
右熱歪抑制部93は、右接合フランジ27の外辺から右接合フランジ27と同一面になるように平坦に張り出される高強度の部位である。
よって、右接合フランジ27をレーザ58で右延性部42に焼なましする際に、右延性部42の熱変形を右熱歪抑制部93で抑制できる。
左接合フランジ26を左延性部41に焼なまし、右接合フランジ27を右延性部42に焼なましした後、左熱歪抑制部92を成形素材90の左境界90aから除去する。さらに、右熱歪抑制部93を成形素材90の右境界90bから除去する。これにより、実施例と同様に、精度が確保された高強度成形品10(図5参照)が得られる。
よって、高強度成形品10を再プレスして高強度成形品10の形状を矯正しなくても、高強度成形品10の精度を確保できる。
すなわち、変形例1の成形素材90によれば、実施例の成形素材14と同様の効果が得られる。
(変形例2)
図11に示すように、変形例2の成形素材95は、実施例の成形素材14の左熱歪抑制部16を左熱歪抑制部(熱歪抑制部)96に代え、右熱歪抑制部17を右熱歪抑制部(熱歪抑制部)98に代えたもので、その他の構成は実施例の成形素材14と同様である。
左熱歪抑制部96は、成形素材95をホットスタンプ成形する際に、左接合フランジ26の外辺に連結して成形される。左熱歪抑制部96は、断面略U字状に立設するビード97を有する高強度の部位である。
よって、左接合フランジ26をレーザ58(図6参照)で左延性部41に焼なましする際に、左延性部41の熱変形を左熱歪抑制部96で抑制できる。
右熱歪抑制部98は、成形素材95をホットスタンプ成形する際に、右接合フランジ27の外辺に連結して成形される。右熱歪抑制部98は、断面略U字状に立設するビード99を有する高強度の部位である。
よって、右接合フランジ27をレーザ58で右延性部42に焼なましする際に、右延性部42の熱変形を右熱歪抑制部98で抑制できる。
左接合フランジ26を左延性部41に焼なまし、右接合フランジ27を右延性部42に焼なましした後、左熱歪抑制部96を成形素材95の左境界95aから除去する。さらに、右熱歪抑制部98を成形素材95の右境界95bから除去する。これにより、実施例と同様に、精度が確保された高強度成形品10(図5参照)が得られる。
よって、高強度成形品10を再プレスして高強度成形品10の形状を矯正しなくても、高強度成形品10の精度を確保できる。
すなわち、変形例2の成形素材95によれば、実施例の成形素材14と同様の効果が得られる。
(変形例3)
図12(a)に示すように、変形例3の成形素材102は、実施例の成形素材14の頂部31にも一対の熱歪抑制部103,104が間隔L6をおいて設けられたもので、その他の構成は実施例の成形素材14と同様である。
ここで、高強度成形品を、例えば、自動車(すなわち、車体)の骨格材として用いる場合、高強度成形品の頂部をスポット溶接などで接合することが考えられる。このため、高強度成形品の頂部に延性を有する部位が必要になる場合が考えられる。
そこで、変形例3の成形素材102において、頂部31に一対の熱歪抑制部103,104を設け、一対の熱歪抑制部103,104間の部位31aをレーザ58(図6参照)で焼なまし可能とした。
一対の熱歪抑制部103,104は、頂部31から立設する断面略U字状のビードに形成されている。一対の熱歪抑制部103,104をビードに形成することにより、一対の熱歪抑制部103,104の剛性が高められる。よって、一対の熱歪抑制部103,104間の部位31aをレーザ58で延性部105に焼なましする際に、延性部105の熱変形を一対の熱歪抑制部103,104で抑制できる。延性部105は延性を有する部位である。
成形素材102の左境界102aから左熱歪抑制部16を除去し、右境界102bから右熱歪抑制部17を除去することにより、高強度成形品100(図12(b)参照)が得られる。
図12(b)に示すように、高強度成形品100は、延性部105、左延性部41および右延性部42の熱変形が抑えられることにより精度が確保されている。よって、高強度成形品100を再プレスして高強度成形品100の形状を矯正しなくても、高強度成形品100の精度を確保できる。
すなわち、変形例3の成形素材102によれば、実施例の成形素材14と同様の効果が得られる。
加えて、変形例3の高強度成形品100によれば、頂部31に延性部105を有することにより、頂部31をスポット溶接などで接合する部位として利用することができ、高強度成形品100の用途の拡大が図れる。
(変形例4)
図13(a)に示すように、変形例4の成形素材112は、平面視略矩形状にホットスタンプ成形された高強度の部材である。成形素材112は、中央に設けられたプレス部品113と、プレス部品113の周縁113aに連結される熱歪抑制部114とを有する。
プレス部品113は、平面視略矩形状に形成され、両側に一対の焼なまし部位116,117を有する。焼なまし部位116をレーザ58(図6参照)で焼なましすることにより延性部118が得られる。同様に、焼なまし部位117をレーザ58で焼なましすることにより延性部119が得られる。一対の延性部118,119は延性を有する部位である。
ここで、プレス部品113の周縁113aから熱歪抑制部114が大きく張り出されて、熱歪抑制部114の外形が矩形枠状に形成されている。プレス部品113の周縁113aから熱歪抑制部114が大きく張り出されることにより、熱歪抑制部114の剛性が高められている。
よって、一対の焼なまし部位116,117をレーザ58で一対の延性部118,119に焼なましする際に、一対の延性部118,119の熱変形を熱歪抑制部114で抑制できる。一対の焼なまし部位116,117を一対の延性部118,119に焼なましした後、熱歪抑制部114を成形素材112の境界112aから除去することにより高強度成形品110(図13(b)参照)が得られる。
図13(b)に示すように、高強度成形品110は、一対の延性部118,119の熱変形が抑えられることにより精度が確保されている。よって、高強度成形品110を再プレスして高強度成形品110の形状を矯正しなくても、高強度成形品110の精度を確保できる。
すなわち、変形例4の成形素材112によれば、実施例の成形素材14と同様の効果が得られる。
つぎに、実施例の高強度成形品を自動車などに適用する例を図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、自動車の車体120は軽量化などの観点から車体120に高強度成形品が採用される。具体的には、車体120の骨格材を構成する、左右のフロントサイドフレーム121、クロスメンバ122、左右のサイドシル123や左右のアッパメンバ124に高強度成形品が採用されている。
以下、右フロントサイドフレーム121に高強度成形品を採用する例について説明する。
図14(b)に示すように、右フロントサイドフレーム121は、ホットスタンプ成形された高強度のアウタパネル126と、ホットスタンプ成形された高強度のインナパネル127とを備えている。アウタパネル126およびインナパネル127で右フロントサイドフレーム121が閉断面に形成されている。
以下、インナパネル127を図15に基づいて説明する。
図15(a)に示すように、成形素材131は、平面視略矩形状にホットスタンプ成形された高強度の部材である。成形素材131は、中央に設けられたプレス部品132と、プレス部品132の周縁132aに連結される熱歪抑制部133とを有する。
プレス部品132は、断面略U字状に形成される高強度部135と、高強度部135の上辺に沿って形成される上接合フランジ136と、高強度部135の下辺に沿って形成される下接合フランジ137とを有する。
熱歪抑制部133は、外形が略矩形状に形成され、上辺に沿って折り曲げられた上折曲フランジ138と、下辺に沿って折り曲げられた下折曲フランジ139とを有する。上折曲フランジ138および下折曲フランジ139は、プレス部品132の外側に立設されている。
熱歪抑制部133に上折曲フランジ138および下折曲フランジ139を形成することにより、上折曲フランジ138および下折曲フランジ139で熱歪抑制部133の剛性が確保されている。
よって、上接合フランジ136および下接合フランジ137をレーザ58(図6参照)で上延性部(延性部)141および下延性部(延性部)142に焼なましする際に、上下の延性部141,142の熱変形を熱歪抑制部133で抑制できる。
上接合フランジ136および下接合フランジ137を上延性部141および下延性部124に焼なましした後、熱歪抑制部133を成形素材131の境界131aから除去することによりインナパネル(すなわち、高強度成形品)127(図16参照)が得られる。
上延性部141および下延性部142は、レーザ58で焼なましされることにより延性を有している。
図16に示すように、インナパネル127は、上延性部141および下延性部142の熱変形が抑えられることにより精度が確保されている。よって、インナパネル127を再プレスしてインナパネル127の形状を矯正しなくても、インナパネル127の精度を確保できる。
図14(b)に戻って、インナパネル127と同様にアウタパネル126が製造される。アウタパネル126は、上辺に沿って延びる上延性部144と、下辺に沿って延びる下延性部145とを有する。上延性部144および下延性部145は、レーザ58(図6参照)で焼なましされることにより延性を有している。
インナパネル127の上延性部141にアウタパネル126の上延性部144がスポット溶接の接合部147で接合される。また、インナパネル127の下延性部142にアウタパネル126の下延性部145がスポット溶接の接合部148で接合される。
これにより、アウタパネル126およびインナパネル127で高強度の右フロントサイドフレーム121が閉断面に形成される。このように、右フロントサイドフレーム121に高強度部材を採用することにより、右フロントサイドフレーム121の板厚寸法を小さく抑えることが可能になり、車体120は軽量化などを図ることができる。
ここで、図15、図16においては、熱歪抑制部133に上下の折曲フランジ138,139を形成して熱歪抑制部133の剛性を確保する例について説明したが、これに限定するものではない。例えば、図17の変形例5や図18の変形例6のように熱歪抑制部を形成することも可能である。
以下、変形例5、変形例6を図17、図18に基づいて説明する。なお、変形例5、変形例6の成形素材において図15の成形素材131と同一類似構成部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(変形例5)
図17(a)、図17(b)に示すように、変形例5の成形素材150は、図15の成形素材131の熱歪抑制部133を熱歪抑制部151に代えたもので、その他の構成は成形素材131と同様である。
熱歪抑制部151は、成形素材150をホットスタンプ成形する際に、プレス部品132の周縁132aに連結して成形される。熱歪抑制部151は、断面略U字状に立設する上ビード153および下ビード154を有する高強度の部位である。
熱歪抑制部151に上ビード153および下ビード154を形成することにより、上ビード153および下ビード154で熱歪抑制部151の剛性が確保されている。
よって、上接合フランジ136をレーザ58(図6参照)で上延性部141に焼なましする際に、上延性部141の熱変形を熱歪抑制部151(特に、上ビード153)で抑制できる。
同様に、下接合フランジ137をレーザ58で下延性部142に焼なましする際に、下延性部142の熱変形を熱歪抑制部151(特に、下ビード154)で抑制できる。
上接合フランジ136を上延性部141に焼なまし、下接合フランジ137を下延性部142に焼なましした後、熱歪抑制部151を成形素材150の境界150aから除去する。これにより、図16に示すように、精度が確保されたインナパネル(すなわち、高強度成形品)127(図16参照)が得られる。
すなわち、変形例5の成形素材150によれば、図15の成形素材131と同様の効果が得られる。
(変形例6)
図18(a)、図18(b)に示すように、変形例6の成形素材160は、図15の成形素材131の熱歪抑制部133を熱歪抑制部161に代えたもので、その他の構成は成形素材131と同様である。
熱歪抑制部161は、成形素材160をホットスタンプ成形する際に、プレス部品132の周縁132aに連結して成形される。熱歪抑制部161は、プレス部品132の周縁132aから外方に向けて大きく張り出されて、外形が矩形枠状に形成されている。プレス部品132の周縁132aから熱歪抑制部161が大きく張り出されることにより、熱歪抑制部161の剛性が確保されている。
よって、上接合フランジ136をレーザ58(図6参照)で上延性部141に焼なましする際に、上延性部141の熱変形を熱歪抑制部161で抑制できる。同様に、下接合フランジ137をレーザ58で下延性部142に焼なましする際に、下延性部142の熱変形を熱歪抑制部161で抑制できる。
上接合フランジ136を上延性部141に焼なまし、下接合フランジ137を下延性部142に焼なましした後、熱歪抑制部161を成形素材160の境界160aから除去する。これにより、図16に示すように、精度が確保されたインナパネル(すなわち、高強度成形品)127(図16参照)が得られる。
すなわち、変形例6の成形素材160によれば、図15の成形素材131と同様の効果が得られる。
なお、本発明に係るホットスタンプ成形品の製造方法は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、左接合フランジ26および右接合フランジ27をレーザ58で焼なましする例について説明したが、これに限らないで、左接合フランジ26および右接合フランジ27を高周波誘導加熱などの他の方法で焼なましすることも可能である。
高周波誘導加熱は、コイルに交流電流を流すことにより左接合フランジ26および右接合フランジ27を加熱する、一般に採用されている加熱方法である。
また、前記実施例では、車体120の右フロントサイドフレーム121に高強度成形品を採用する例について説明したが、これに限定するものではなく、左フロントサイドフレーム121、クロスメンバ122、左右のサイドシル123や左右のアッパメンバ124などの他の部材に高強度成形品を採用することも可能である。
さらに、前記実施例で示したホットスタンプ成形品(高強度成形品)、ブランク材、プレス部品、熱歪抑制部、高強度部、接合フランジ、折曲フランジ、延性部および第1、第2のクランプ手段などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、ブランク材をホットスタンプ成形により高強度の成形品を成形するホットスタンプ成形品の製造方法であり、高強度の成形品は自動車への適用に好適である。
10,100,110 ホットスタンプ成形品(高強度成形品)
12 ブランク材
15,113,132 プレス部品
16,17,92,93,96,98 左右の熱歪抑制部(熱歪抑制部)
25,135 高強度部
25a 高強度部の開口端
26 左接合フランジ(左熱歪抑制部に隣接する部位)
27 右接合フランジ(右熱歪抑制部に隣接する部位)
36,39 左右の折曲フランジ(折曲フランジ)
41,42 左右の延性部(延性部)
54,55 第1、第2のクランプ手段(一対のクランプ)
58 レーザ
103,104 一対の熱歪抑制部
105,118,119 延性部
114,133,151,161 熱歪抑制部
116,117 焼なまし部位(熱歪抑制部に隣接する部位)
126 アウタパネル(高強度成形品)
127 インナパネル(高強度成形品)
136,137 上下の接合フランジ(熱歪抑制部に隣接する部位)
138,139 上下の折曲フランジ(折曲フランジ)
141,142 上下の延性部(延性部)
E1 加熱工程
E2 プレス工程
E3 焼なまし工程
E4 除去工程
L1 間隔

Claims (2)

  1. 鋼板のブランク材をオーステナイト組織になるまで加熱する加熱工程と、
    加熟したブランク材をホットスタンプ成形で高強度のプレス部品および熟歪抑制部に一体成形するプレス工程と、
    前記プレス部品のうち、前記熟歪抑制部に隣接する部位の熱変形を前記熟歪抑制部で抑えた状態で、前記隣接する部位を焼なまして延性を有する延性部とする焼なまし工程と、
    を備え、
    前記プレス部品のうち前記熟歪抑制部に隣接する部位が帯状に形成され、
    前記焼なまし工程の際に、前記帯状に形成された部位を間隔をおいて一対のクランプで固定し、
    前記一対のクランプ間を焼なました後、前記一対のクランプを移勤し、
    移動した一対のクランプ間を焼なましする工程を順次繰り返して、前記帯状に形成された部位を連続させて焼なましすることにより前記延性部とする、ホットスタンプ成形品の製造方法。
  2. 鋼板のブランク材をオーステナイト組織になるまで加熱する加熱工程と、
    加熟したブランク材をホットスタンプ成形で高強度のプレス部品および熟歪抑制部に一体成形するプレス工程と、
    前記プレス部品のうち、前記熟歪抑制部に隣接する部位の熱変形を前記熟歪抑制部で抑えた状態で、前記隣接する部位を焼なまして延性を有する延性部とする焼なまし工程と、
    を備え、
    前記プレス工程において、前記プレス部品を成形することにより、前記プレス部品に、断面略U字状に形成される高強度部と、該高強度部の開口端から前記高強度部の外側に張り出される一対のフランジとを含み、
    前記なまし工程において、前記一対のフランジを焼なまして一対の延性部とし、
    前記一対の延性部を溶接部として利用する、ホットスタンプ成形品の製造方法。
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