JP6645769B2 - 洗浄スイッチおよび水洗式便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗式便器、特に、水洗式便器の洗浄操作を行うための洗浄スイッチに関する。
一般的な水洗式便器の側面には、洗浄スイッチが取り付けられている。ユーザが洗浄スイッチを手動操作すると、水洗式便器が内蔵する洗浄制御機構により、便鉢部に洗浄水が吐水される。洗浄スイッチには、ハンドル式やプッシュボタン式などさまざまなタイプがある。
特許文献1は、手動操作用ハンドル42(洗浄スイッチ)の台座部分(ハウジング18)に受光部22が内蔵される構造を開示する(特許文献1の図1〜図3参照)。受光部22がリモコン36等から光信号を受信すると、便鉢洗浄が実行される。また、特許文献1は、ハウジング18ではなく手動操作用ハンドル42(洗浄スイッチ)のツマミに受光部22を内蔵する構造についても開示している(特許文献1の図4参照)。
実開平7−4572号公報
手動操作用ハンドル42の台座に受光部22を設ける構造の場合、比較的大きなハウジング18を取り付ける必要がある。大きなハウジング18は、水洗式便器のデザインへの影響が大きい。また、手動操作用ハンドル42のツマミは一般的には小さいため、ここに受光部22を取り付けるのはスペース上の制約が大きい。ツマミはユーザが触る箇所であるため、手垢等によって汚れると受光感度が悪くなる可能性もある。
本発明は、上記課題認識に基づいてなされたものであり、その主たる目的は、水洗式便器の洗浄スイッチの内部スペースの制約を考慮しつつ、洗浄スイッチで無線信号を高感度にて受信するための技術、を提供することにある。
本発明のある態様における洗浄スイッチは、水洗式便器を洗浄操作するために、水洗式便器に取り付けられ、水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部、を備える。受信部は、スイッチ本体の上面に設置される。
本発明のある態様における水洗式便器は、洗浄スイッチを備える。洗浄スイッチにおいては、水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部がスイッチ本体の上面に設置されてもよい。
本発明の別の態様における洗浄スイッチは、水洗式便器を洗浄操作するために、水洗式便器に取り付けられ、水洗式便器の制御状態を表示する表示部、を備える。
本発明の別の態様における水洗式便器は、洗浄スイッチを備える。洗浄スイッチにおいては、水洗式便器の制御状態を表示する表示部が設置される。
本発明によれば、洗浄スイッチの内部スペースを有効に活用しつつ、洗浄スイッチにて無線信号を高感度にて受信しやすくなる。
第1,2実施形態における水洗式便器の斜視図である。 第1実施形態における洗浄スイッチの外観斜視図である。 第1実施形態における洗浄スイッチの分解斜視図である。 水洗式便器の機能ブロック図である。 第1実施形態における洗浄スイッチの側面図である。 第1,第2実施形態における水洗式便器の外観側面図である。 第1実施形態における洗浄スイッチのうち固定部の分解斜視図である。 第1実施形態における洗浄スイッチの断面図である。 第2実施形態における洗浄スイッチの外観斜視図である。 第2実施形態における洗浄スイッチの分解斜視図である。 第2実施形態における洗浄スイッチのうち固定部の分解斜視図である。 第3実施形態における水洗式便器の斜視図である。 第3実施形態における洗浄スイッチの外観斜視図である。 第3実施形態における洗浄スイッチの分解斜視図である。 第3実施形態における遮光ケースの外観斜視図である。
以下、第1〜第3実施形態に基いて、水洗式便器100、特に、洗浄スイッチ110を中心として説明する。第1〜第3実施形態を特に区別しないときには、「本実施形態」とよぶ。第1実施形態に対応する部材には、洗浄スイッチ110aのように符号に「a」を添えて表記する。第2実施形態については「b」、第3実施形態については「c」を添えて表記する。各実施形態について共通する部材、あるいは、各実施形態において特に区別する必要がないときにはa〜cの添字は表記しない。本実施形態における洗浄スイッチ110(洗浄スイッチ110a〜110c)は、いずれも、受信部と表示部の双方を備えている。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における水洗式便器100aの斜視図である。
第1実施形態の水洗式便器100aは、便器本体部104、タンク106および手洗台108を含む。手洗台108は、ユーザが用便後に手を洗うための台である。タンク106の側面には洗浄スイッチ110aが設置される。タンク106は洗浄水を貯水する。ユーザが洗浄スイッチ110aをy軸(図1参照)を回転軸として回転させると、タンク106の洗浄水が便器本体部104の便鉢内に吐水され、便鉢内の汚物が下水管に押し出される。
水洗式便器100aは、局部洗浄機能や温風機能、脱臭機能などさまざまな付属機能を備える。水洗式便器100aはそのために制御部(電気回路)を内蔵する(図4に関連して後述)。トイレルームの壁にはリモートコントローラー102が設置される。ユーザがリモートコントローラー102を操作すると、リモートコントローラー102から水洗式便器100aに制御信号(無線信号)が送信される。本実施形態においては、赤外線信号として制御信号が送信される。水洗式便器100aが制御信号を受信すると、制御部は制御信号に応じた各種処理を実行する。
ユーザが、リモートコントローラー102の局部洗浄ボタンを押下すると、局部洗浄を指示する制御信号が水洗式便器100aに送信され、水洗式便器100aの制御部は、局部洗浄水用タンク(不図示)の洗浄水を局部洗浄機器(不図示)から吐水させる。同様に、ユーザがリモートコントローラー102の洗浄ボタンを押下すると、水洗式便器100aの制御部はタンク106aと吐水管(不図示)とを連通させて、タンク106の洗浄水を便鉢内に吐水させる。このように、便鉢洗浄に際しては、ユーザは洗浄スイッチ110aを回転させてもよいし、リモートコントローラー102の洗浄ボタンを押下してもよい。
本実施形態の水洗式便器100は、いずれも洗浄スイッチ110(110a〜110c)が内蔵する受信部(図4に関連して後述)により、リモートコントローラー102からの制御信号を受信する。必須ではないが、洗浄スイッチ110あるいは水洗式便器100は送信部を備えてもよい。この場合、水洗式便器100の各種制御状態を示す情報(以下、単に「状態情報」とよぶ)がリモートコントローラー102に送信され、リモートコントローラー102において状態情報を画面表示してもよい。
図2は、洗浄スイッチ110aの外観斜視図である。図3は、洗浄スイッチ110aの分解斜視図である。
洗浄スイッチ110aは、ハンドル118a(洗浄操作部)、固定部112a、クリップ122aおよびハンドル軸124aを含む。本実施形態における「スイッチ本体」は、主として、ハンドル118aと固定部112aの2つのパーツによって形成されるが、少なくとも固定部112aのようにハンドル118aなどの操作部材を水洗式便器100aに接続する部材であればよい。固定部112は、内固定部114aと外固定部116aを有する。内固定部114aは、水洗式便器100a(タンク106)に内蔵され、クリップ122aにより支持される。このように、固定部112aは、タンク106の側壁に固定される。
ハンドル軸124aは、固定部112aを貫通し、ハンドル118aに接続される。ユーザは、ハンドル118aの操作部120(つまみ)をつまんでハンドル118aを回転させる。ハンドル118aが回転すると、ハンドル軸124aも回転する。ハンドル軸124aの回転が水洗式便器100a内部の洗浄制御機構に伝わる。たとえば、タンク106内部のフラッパー弁が引き上げられることで、タンク106の洗浄水が便器本体部104に流れ込む。ハンドル軸124aの回転力によって操作される洗浄制御機構は、一般的な水洗式便器で使用される機構と同様のものでよい。
外固定部116aは、表示部と受信部を内蔵する。受信部は、リモートコントローラー102の制御信号(赤外線)を受信する受光素子152である。受信部は、外固定部116aの上面に内蔵される。表示部および受信部の構造および位置については、図5,8に関連して後に詳述する。
表示部は、外固定部116aの前面に4つのアイコン126を点灯表示させる。ここでいう「前面」とは、水洗式便器100aの前方の面であり、図2,3のx軸正方向をおおむね法線方向とする面である。4つのアイコン126は、それぞれ、電源投入されているか否か(以下、単に「電源状態」とよぶ)、節電モードか否か(以下、単に「節電設定」とよぶ)、プラズマクラスターイオン(登録商標)の発生モードか否か(以下、単に「イオン設定」とよぶ)、点検の要否(以下、単に「点検要否状態」とよぶ)を示す。
イオン設定がオンのときには、たとえば、60分に1回といった所定の頻度で水洗式便器100は所定の射出口から定期的にプラズマクラスターイオン(登録商標)を発生させる。プラズマクラスターイオン(登録商標)は、空気中の不純物(ウィルスやカビ、臭気原因物質)等を除去する効果があるといわれる。
水洗式便器100に内蔵される制御部は、プラズマクラスターイオン(登録商標)は発生しない、制御信号を受信できていないなど、なんらかの異常を自己判定する。異常検出されたとき、点検が必要として、点検要否状態をオンに設定する。このとき、点検要否状態に対応するアイコン126が点灯する。
各アイコン126の表示状態により、これら2値の状態情報がシンボライズされて示される。表示状態として、点灯、消灯のほか、点滅や表示色の変化であってもよい。
図4は、水洗式便器100の機能ブロック図である。
水洗式便器100の制御部128は、電子回路やメモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納する記憶ユニット等の組み合わせによって実現される。
図4では、水洗式便器100を水洗式便器主要部136と洗浄スイッチ110に分けている。水洗式便器主要部136は、図1でいえば便器本体部104、タンク106および手洗台108に対応する。水洗式便器主要部136は、制御部128と洗浄制御機構130を含む。制御部128は、ユーザからの指示に応じて、洗浄水の吐水、プラズマクラスターイオン(登録商標)の発生、局部洗浄、温風発生、故障点検など各種機能を制御する。
洗浄スイッチ110を手動操作すると、洗浄スイッチ110の動きがハンドル軸124を介して洗浄制御機構130に伝わり、タンク106の洗浄水が便器本体部104の便鉢内部に吐水される。洗浄制御機構130は、洗浄スイッチ110aの動作をタンク106の開栓・閉栓動作に変換できる機構であればよい。
洗浄スイッチ110は、受信部132と表示部134を含む。受信部132は、リモートコントローラー102からの制御信号を受信する。受信部132ではなく、送信機能を備える通信部(受信部および送信部)として形成されてもよい。この場合には、通信部は、リモートコントローラー102に状態情報を送信してもよい。受信部132が、洗浄水の吐水を指示する制御信号を受信したときには、制御信号がそのまま洗浄制御機構130に送信され、タンク106の洗浄水が便器本体部104の便鉢内部に吐水される。このように、洗浄スイッチ110を直接操作することで便器洗浄できるだけなく、リモートコントローラー102を操作することで洗浄スイッチ110を直接操作することなく便器洗浄することもできる。
表示部134は、制御部128から各種状態情報を受信し、各アイコン126の点灯・消灯させる。表示部134は、表示機能に限らず、音声報知機能等を備えてもよい。水洗式便器主要部136は電源と接続され、制御部128から受信部132および表示部134に電力が供給される。そのため、洗浄スイッチ110は電池を搭載する必要がない。
図5は、第1実施形態における洗浄スイッチ110aの側面図である。
洗浄スイッチ110aの最上点をP1、最前点をP2とする。また、洗浄スイッチ110aの回転中心、すなわち、ハンドル軸124aの軸点をOとする。受信部132は、洗浄スイッチ110aの上面に形成される。ここでいう「上面に形成」とは、中心点Oに対して、上部1/3(図5の領域R1)に受信部132の一部が少なくとも含まれ、上部1/2(図5の領域R2)に受信部132の全部が含まれることを意味する。受信部132は、最上点P1を含む位置にあることが望ましい。上部1/3(図5の領域R1)に受信部132の全部が含まれてもよい。
表示部134は、洗浄スイッチ110aの前面に形成される。ここでいう前面とは、中心点Oに対して前面部1/2(図5の領域R3)を意味し、表示部134の全部が領域R1に含まれる。表示部134は、最前点P2を含む位置にあることが望ましい。第2、第3実施形態における受信部132や表示部134の洗浄スイッチ110における配置についても同様である。
図6は、水洗式便器100aの外観側面図である。
リモートコントローラー102からの制御信号が洗浄スイッチ110aに到達するコースとして、コースC1,C2が考えられる。
コースC1は、リモートコントローラー102から洗浄スイッチ110aに制御信号が直進するコースであるが、ユーザの体が邪魔になる可能性がある。コースC2では、制御信号が水洗式便器100aの天井138の点P3で反射して洗浄スイッチ110aに到達する。
コースC2はユーザによって遮蔽されにくい。したがって、水洗式便器100aの場合、洗浄スイッチ110aはコースC2がメインコースになる。コースC2では、制御信号は天井138から反射されるため、受信部132を洗浄スイッチ110aの上面に形成すれば、受信部132は制御信号を受信しやすくなる。
なお、一般的には、リモートコントローラー102は洗浄スイッチ110aよりも高い位置に設置されることが多いため、コースC1の場合でも、受信部132を洗浄スイッチ110aの上面に形成する方が制御信号を受信しやすくなる。
特許文献1は、洗浄スイッチ110aの操作部120(ツマミ)に受信部132を設ける構成例を示しているが、これでは各伝播コースC1,C2のいずれを想定しても受信感度が低くなってしまうのではないかと考えられる。また、小さな操作部120に受信部132を形成することは製造が難しいという別の問題もある。
水洗式便器100本体に受信部132を設ける場合、水洗式便器100を新規設計するごとに受信部132の場所を決めなければならない。一方、本実施形態の受信部132は、洗浄スイッチ110aの一部として部品化されるため、水洗式便器100の設計時に受信部132の配置を考慮する必要がなくなる。表示部134についても同様である。
図7は、洗浄スイッチ110aのうち固定部112aの分解斜視図である。
固定部112aは、内固定部114a、基板154a、遮光ケース150a、表示ケース148a、表示シート146aを含む。図3の外固定部116aは、基板154a、遮光ケース150a、表示ケース148aおよび表示シート146aの集合体である。内固定部114aはタンク106の内部にクリップ122aにて固定される。ビス144aは内固定部114aを表示ケース148a(外固定部116a)に固定する。
基板154aには、受光素子152(受信部132)と4つのLED(Light Emitting Diode)156(照明部)が搭載される。4つのLED156は、別々の色を有し、それぞれが電源状態、節電設定、イオン設定、点検要否状態に対応する。基板154aは、内固定部114aに収まるように円形状に加工されている。
基板154aのLED156には遮光ケース150aが被せられる。遮光ケース150aは、隣り合うLED156の光漏れを防止するために4つのLED156を仕切る。基板154aと遮光ケース150aは、表示ケース148aに収容され、表示ケース148aの表面に4つのアイコン126が描かれた表示シート146aが貼付される。表示ケース148は透明な樹脂ケースである。表示シート146aはポリエチレンテレフタレートのフィルムである。
基板154aは、電源線および信号線を介して水洗式便器100内の制御部128と接続される(図4参照)。受光素子152が制御信号を受信すると、制御信号が制御部128に伝送される。また、制御部128は、制御状態を示す状態情報のうち、電源状態等の上記4つの2値情報に応じて、4つのLED156を選択的に点灯・消灯させる。LED156の光は表示ケース148aを透過し、表示シート146上のアイコン126を輝かせる。
図8は、第1実施形態における洗浄スイッチ110aの断面図である。
タンク106のタンク壁160に内固定部114aが固定され、内固定部114aに表示ケース148a等の外固定部116aが固定される。内固定部114aと表示ケース148aの間にはOリング158が挟まれる。内固定部114aは、更に、クリップ122aで支持される。外固定部116aには受光素子152等の各種電子部品が収容される。
内固定部114aおよび表示ケース148aを貫通するハンドル軸124aには、ハンドル118aが接続される。表示ケース148aとハンドル118aの継ぎ目にはギャップGができる。デザイン上の一体感を維持するためには、このギャップGがなるべく小さくなるように加工されることが望ましい。
本実施形態においては、電源状態や節電設定といった4つの重要かつ基本的な状態情報が、ユーザがトイレルームに入った時に真っ先に視認しやすくなるように洗浄スイッチ110aに集約されている。洗浄スイッチ110の表示部134は、リモートコントローラー102に形成される表示画面よりも小さい代わりに、ユーザの目につきやすい場所にある。本実施形態においては、洗浄スイッチ110に、重要な状態情報(2値情報)を、アイコン126の点灯・消灯にて、単純かつ視認しやすい形式で示すことができる。
また、受信部132は、受信感度を高めるため、洗浄スイッチ110の上部に形成される。表示部134は、視認性を高めるため、洗浄スイッチ110の前面に形成される。お互いに最適な配置場所が異なるため、小さな洗浄スイッチ110に受信機能と表示機能を合理的に共存させることができる。更に、これらの電子部品は水洗式便器100か供給される電力で駆動されるため、洗浄スイッチ110に電池を搭載する必要がない。そのため、一般的な洗浄スイッチに比べて、本実施形態の洗浄スイッチ110が特に大きくなるということもない。
更に、ユーザの指が触れる操作部120には受信部132や表示部134等を搭載していない。このため、操作にともなう負荷が受信部132や表示部134等に伝わりにくい。また、手垢の付着によって受信感度が低下したり、表示が見えにくくなるという弊害も生じにくい。
本実施形態においては、ハンドル118、表示ケース148およびタンク壁160は同系色となっている。このため、タンク106と洗浄スイッチ110の見た目上の一体感・統一感を保ちやすい。同系色とは、日本色研配色体系(PCCS:Practical Color Co-ordinate System)の24色相環の同色分類され、かつ、明度および彩度においても同一カテゴリに分類されるものである。無彩色は明度と彩度のみについて同一カテゴリに分類されるものであればよい。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態における洗浄スイッチ110bの外観斜視図である。
洗浄スイッチ110bも、第1実施形態の水洗式便器100aのタンク106に取り付けられる。洗浄スイッチ110bは、ハンドル118bが表示ケース148bを収容することにより、図9に示したギャップGをなくす点に特徴がある。
図10は、第2実施形態における洗浄スイッチ110bの分解斜視図である。
第2実施形態のハンドル118bは、光の透過性を有し、固定部112bを内部に収容する。ハンドル118bの一部には、無線信号(赤外線)を通過させるための受信窓164が設けられる。
固定部112bは、受信部132と表示部134を内蔵する。固定部112bはクリップ122bによりタンク壁160に支持される。ハンドル軸124bは固定部112bを貫通し、ハンドル118bと接続される。
図11は、洗浄スイッチ110bのうち固定部112bの分解斜視図である。
第1実施形態と同様、固定部112bは、内固定部114b、基板154b、Oリング158、遮光ケース150b、表示ケース148b、表示シート146bを含む。内固定部114bはタンク106の内部にクリップ122bにより固定される。ビス144bは内固定部114bを表示ケース148bに固定する。
第2実施形態における洗浄スイッチ110bも、制御方法や基本的な構造は第1実施形態の洗浄スイッチ110aと同様である。第2実施形態の洗浄スイッチ110bでは、ハンドル118bに固定部112bが収容される。固定部112bの表示シート146bがLED156により照射されると、ハンドル118bの表面を光が透過し、ハンドル118bの表面にアイコン126が浮かび上がるような表示となる。
[第3実施形態]
図12は、第3実施形態における水洗式便器100cの斜視図である。
第3実施形態の水洗式便器100cは、便器本体にタンクを内蔵せず、洗浄水給水バルブ(不図示)を介して直接取水する。水洗式便器100cの側面には洗浄スイッチ110cが設置される。
第3実施形態の洗浄スイッチ110cは、回転式ではなくプッシュ式である。ユーザが洗浄スイッチ110cのボタンを押下すると、プッシュ信号が発生して水洗式便器100cの洗浄制御機構に伝わり、洗浄水給水バルブが開放されて洗浄水が便鉢内に吐水され、便鉢内の汚物が下水管に押し出される。
第3実施形態の水洗式便器100cも、洗浄スイッチ110cが内蔵する受信部132により、リモートコントローラー102からの制御信号を受信する。洗浄スイッチ110cは、水洗式便器100a,100bと同様、表示部134も内蔵する。
図13は、第3実施形態における水洗式便器100cの外観斜視図である。図14は、洗浄スイッチ110cの分解斜視図である。図15は、水洗式便器100cのうち固定部112cに内蔵される遮光ケース150cの外観斜視図である。
第3実施形態における洗浄スイッチ110cは、ボタン166、固定部112cおよびクリップ122bを含む。第3実施形態の固定部112cは、ビス144cにより水洗式便器100cの側壁部分に第1実施形態と同様のクリップにより直接固定される(図14参照)。固定部112cは、基板154cを含む。第3実施形態の基板154cは、LED156と受光素子152に加えて、押下検出器170を含む。
ユーザがボタン166を押下すると、押下部材174が押し下げられ、押下検出器170に検出される。押下検出器170は、押下検出すると、プッシュ信号を洗浄制御機構130に送信する。第3実施形態における洗浄制御機構130は、プッシュ信号を受信したとき、洗浄水給水バルブを開放することで便鉢内に洗浄水を吐水させる。スプリング172は、ボタン166に適度な弾性力・復元力を与える。
基板154cには、図15に示す遮光ケース150cがかぶせられ、遮光ケース150cは固定部112cの一部として収容される。遮光ケース150cの遮光板168は、第1実施形態と同様、LED156の光漏れを防止する。固定部112cの上にはアイコン126cが貼付される。各アイコン126cが点灯・消灯により、第1実施形態と同様、2値の状態情報がシンボライズされて示される。固定部112cには表示シート146cが貼付される。第3実施形態の表示シート146cも、洗浄スイッチ110c本体と同系色であってもよい。
洗浄スイッチ110cのボタン166は、プッシュ式ではなくタッチ式でもよい。また、手をかざすと赤外線等で操作を検知する非接触検出方式でもよい。ユーザの操作を制御部128に伝えられればよいため、洗浄スイッチ110が可動部を有することは必須ではない。
第3実施形態における洗浄スイッチ110cは、回転式ではなくボタン式であることを除けば、制御方法や基本的な構造は第1実施形態の洗浄スイッチ110aと同様である。第3実施形態の洗浄スイッチ110cでも、ボタン166にかかる圧力は押下検出器170に集中するため、LED156や受光素子152には操作にともなう負荷がかからない。
以上、第1から第3実施形態に基づいて、水洗式便器100および洗浄スイッチ110の構造を中心として説明した。
洗浄スイッチ110に受信部132および表示部134を内蔵させることで、水洗式便器主要部136の電気回路設計をシンプルにできる。また、水洗式便器100の設計に際して、受信部132および表示部134のレイアウトを考慮する必要がなくなる。もちろん、水洗式便器100に追加の受信部や表示部を設けることは可能である。
受信部132は受信しやすい上面、表示部134は視認しやすい前面に設置されるため、洗浄スイッチ110の小さな筐体に二つの機能を合理的に共存させることができる。受信部132および表示部134はいずれも固定部112に設置されているため、洗浄スイッチ110の可動や操作にともなう負荷がかかりにくい。
表示部134は、水洗式便器100の状態情報のうち、特に、重要かつ基本的な情報を複数のアイコン126により表示させることができる。ユーザは、トイレルームに入ったときに洗浄スイッチ110のカラフルなアイコン126を確認することで、水洗式便器100の状態情報を簡単かつ迅速に認識できる。特に、水洗式便器100の点検要否という重要だが滅多に報知されない情報をユーザに確実に認識させやすくなる。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
以上の記載から、下記の発明が認識される。
水洗式便器を洗浄操作するために、水洗式便器に取り付けられる洗浄スイッチであって、水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部、を備える。受信部は、スイッチ本体の上面に設置される。
洗浄スイッチの上面に受信部を設けることにより、リモートコントローラなどから送信される無線信号を受信しやすくなる。
水洗式便器に固定される固定部材と、固定部材に取り付けられ、水洗式便器内部の洗浄制御機構に洗浄指示を伝える洗浄操作部と、を更に備えてもよい。受信部は、固定部材に取り付けられてもよい。
受信部を固定部材に取り付けることにより、洗浄操作部の操作にともなう負荷が受信部にかかりにくくなる。
洗浄操作部は、固定部材に対して回転可能に取り付けられ、その回転運動が水洗式便器の内部の洗浄制御機構に伝えられてもよい。
水洗式便器の制御状態を表示する表示部、を更に備えてもよい。表示部はスイッチ本体の前面に設置されてもよい。
受信部に加えて表示部を内蔵することにより、洗浄スイッチに2つの機能を集約させることができる。このため、水洗式便器の電子回路レイアウトの自由度がいっそう高くなる。
水洗式便器を洗浄操作するために、水洗式便器に取り付けられる洗浄スイッチを備える水洗式便器に関する。洗浄スイッチにおいては、水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部がスイッチ本体の上面に設置される。
水洗式便器を洗浄操作するために、前記水洗式便器に取り付けられる洗浄スイッチにおいて、水洗式便器の制御状態を表示する表示部、を備える。
洗浄スイッチに表示部を設けることにより、水洗式便器の制御状態を確認しやすくなる。
水洗式便器に固定される固定部材と、固定部材に取り付けられ、水洗式便器の内部の洗浄制御機構に洗浄指示を伝える洗浄操作部と、を更に備えてもよい。表示部は、固定部材に取り付けられてもよい。
表示部を固定部材に取り付けることにより、洗浄操作部の操作にともなう負荷が受信部にかかりにくくなる。
洗浄操作部の一部は、固定部材を収容し、表示部は画像を洗浄操作部を透過させて表示してもよい。
固定部材を洗浄操作部に収容するため、固定部材と洗浄操作部の継ぎ目をなくしやすい。固定部材の表示部が画像を洗浄操作部に浮き上がらせてもよい。
表示部は、水洗式便器の点検要否を制御状態として表示してもよい。
水洗式便器の点検が必要な状態にはめったにならないが、点検が必要なときにはユーザに速やかに認識させる必要がある。洗浄スイッチにこのような重要情報を表示することにより、ユーザが点検の要否を迅速に認識しやすくなる。
表示部は、複数のアイコンの表示状態により、2値情報として複数種類の制御状態を示してもよい。
表示部は、複数のアイコン模様が形成される表示シートと、表示シートに光を照射する照明部を含んでもよい。表示シートの色は、水洗式便器と同系色であってもよい。
表示シートを水洗式便器と同系色とすることにより、洗浄スイッチと水洗式便器の外観上の一体感を高めやすくなる。
水洗式便器を無線制御するための無線信号を受信する受信部、を更に備えてもよい。
水洗式便器に関し、水洗式便器を洗浄操作するために取り付けられる洗浄スイッチを備えてもよい。洗浄スイッチにおいては、水洗式便器の制御状態を表示する表示部が設置されてもよい。
100 水洗式便器、 102 リモートコントローラー、 104 便器本体部、 106 タンク、 108 手洗台、 110 洗浄スイッチ、 112 固定部、 114 内固定部、 116 外固定部、 118 ハンドル、 120 操作部、 122 クリップ、 124 ハンドル軸、 126 アイコン、 128 制御部、 130 洗浄制御機構、 132 受信部、 134 表示部、 136 水洗式便器主要部、 146 表示シート、 148 表示ケース、 150 遮光ケース、 152 受光素子、 154 基板、 156 LED、 158 Oリング、 160 タンク壁、 162 ハンドル、 164 受信窓、 166 ボタン、 168 遮光板、 170 押下検出器、 172 スプリング、 174 押下部材。

Claims (9)

  1. 水洗式便器を洗浄操作するために、前記水洗式便器に取り付けられるスイッチであって、
    前記水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部と、
    前記水洗式便器に固定される固定部材と、
    前記固定部材に取り付けられ、前記水洗式便器内部の洗浄制御機構に洗浄指示を伝える洗浄操作部と、を備え、
    前記受信部は、スイッチ本体の上面に設置され、
    前記受信部は、前記固定部材に取り付けられ、
    前記洗浄操作部は、前記固定部材の側面の全体を覆い、
    前記洗浄操作部は、つまみとなる操作部を有し、
    前記操作部の前記水洗式便器とは反対側の側面は、前記固定部材の下方で前記固定部材と上下に重なる位置に配置されることを特徴とする洗浄スイッチ。
  2. 前記洗浄操作部は、前記固定部材に対して回転可能に取り付けられ、その回転運動が前記水洗式便器の内部の洗浄制御機構に伝えられることを特徴とする請求項1に記載の洗浄スイッチ。
  3. 前記水洗式便器の制御状態を表示する表示部、を更に備え、
    前記表示部は、スイッチ本体の前面に設置されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄スイッチ。
  4. 前記水洗式便器の制御状態を表示する表示部、を備えることを特徴とする請求項1に記載の洗浄スイッチ。
  5. 前記表示部は、前記固定部材に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の洗浄スイッチ。
  6. 水洗式便器を洗浄操作するために、前記水洗式便器に取り付けられるスイッチであって、
    前記水洗式便器を制御するための無線信号を受信する受信部と、
    前記水洗式便器に固定される固定部材と、
    前記固定部材に取り付けられ、前記水洗式便器内部の洗浄制御機構に洗浄指示を伝える洗浄操作部と、を備え、
    前記受信部は、スイッチ本体の上面に設置され、
    前記受信部は、前記固定部材に取り付けられ、
    前記洗浄操作部は、前記固定部材の側面の全体を覆い、
    記水洗式便器の制御状態を表示する表示部を備え、
    記表示部は、前記固定部材に取り付けられ、
    記洗浄操作部の一部は、前記固定部材を収容し、
    前記表示部は、画像を前記洗浄操作部を透過させて表示することを特徴とする洗浄スイッチ。
  7. 前記表示部は、前記水洗式便器の点検要否を前記制御状態として表示することを特徴とする請求項4に記載の洗浄スイッチ。
  8. 前記表示部は、複数のアイコンの表示状態により、2値情報として複数種類の制御状態を示すことを特徴とする請求項4に記載の洗浄スイッチ。
  9. 水洗式便器を洗浄操作するために、前記水洗式便器に取り付けられる請求項1から8のいずれかに記載の洗浄スイッチを備えることを特徴とする水洗式便器。
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