JP6645624B1 - ヒートポンプ式蒸気生成装置 - Google Patents

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Abstract

スケールの付着を防止するため、熱源水から冷媒に熱を吸収し、冷媒が吸収した熱を被加熱水に伝達することにより蒸気の生成を行うヒートポンプ式蒸気生成装置であって、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部と、蒸発器に対して熱源水を流通させる熱源水供給部と、凝縮器に対して外部から導入された被加熱水を流通させることによって蒸気を生成する蒸気生成部と、運転停止指令が与えられた場合、蒸気生成部に対して外部からの被加熱水の導入流量を増大させる希釈処理を実施する制御部を備える。

Description

本発明は、ヒートポンプ式蒸気生成装置に関するものである。
蒸気生成装置の一つとして、ヒートポンプサイクルを利用したヒートポンプ式蒸気生成装置がある。ヒートポンプ式蒸気生成装置では、工場排水や使用済冷却水等の排熱源水から熱を回収して蒸気を生成するようにしている。この種のヒートポンプ式蒸気生成装置によれば、ボイラ設備等のように燃料の燃焼熱を利用した燃焼系蒸気生成装置に比べてランニングコストが低く、二酸化炭素の排出量も低減できる等のメリットがある。
ところで、蒸気の原料となる被加熱水には、シリカ(二酸化ケイ素)等のスケール原因物質が含まれている。このため、蒸気を連続生成した場合には、被加熱水のスケール原因物質が濃縮され、スケール付着の原因となる。こうした問題を防止するため、被加熱水が貯留される水蒸気分離器にブローダウン流路を設け、水蒸気分離器に貯留された被加熱水をブローダウン流路から定期的に、または一時的に外部に排水するようにしたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−247146号公報
しかしながら、スケール原因物質が濃縮された状態では、単に被加熱水を外部に排水したとしても、被加熱水に触れていた部分についてはスケールが析出する事態を招来する懸念がある。
本発明は、上記実情に鑑みて、スケール付着を防止することのできるヒートポンプ式蒸気生成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置は、冷媒が熱源水から熱を吸収し、吸収した熱を被加熱水に伝達することにより蒸気の生成を行うヒートポンプ式蒸気生成装置であって、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部と、前記蒸発器に対して熱源水を流通させる熱源水供給部と、前記凝縮器に対して外部から導入された被加熱水を流通させることによって蒸気を生成する蒸気生成部と、運転停止指令が与えられた場合、前記蒸気生成部に対して外部から被加熱水を導入する希釈処理を実施する制御部を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、記制御部は、予め設定した希釈処理終了条件が成立した場合に前記希釈処理を終了し、前記蒸気生成部の被加熱水を外部に排水する排水処理を実施することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、前記制御部は、前記蒸気生成部の被加熱水が予め設定した水量を超えた場合、または前記希釈処理が予め設定した時間継続された場合、または前記蒸気生成部の被加熱水に含まれるスケール原因物質が予め設定した濃度を下回った場合、前記希釈処理終了条件が成立し
たと判断することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、前記制御部は、予め設定した排水処理終了条件が成立した場合に前記排水処理を終了して前記蒸気生成部を密閉状態とする密閉処理を実施することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、記制御部は、前記蒸気生成部の圧力が予め設定した値まで低下した場合、あるいは前記排水処理が予め設定した時間継続された場合に前記排水処理終了条件が成立したと判断することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、記制御部は、運転停止指令が与えられた場合、前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回るまでの間、前記膨張機構を閉じた状態で前記圧縮機の運転を行うポンプダウン処理を実施することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、前記制御部は、前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回った場合にポンプダウン処理を終了することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、記制御部は、前記ポンプダウン処理が終了するまで前記希釈処理を継続して実施し、かつ前記蒸気生成部の被加熱水が予め設定した水量を超えた場合、あるいは前記希釈処理が予め設定した時間継続された場合、前記被加熱水を外部に排水する排水処理を実施することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、記制御部は、前記蒸気生成部の圧力が予め設定した値まで低下した場合、あるいは前記排水処理が予め設定した時間継続された場合に、前記排水処理を終了して前記蒸気生成部を密閉状態とする密閉処理を実施することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、前記制御部は、起動指令が与えられた場合、前記圧縮機から前記膨張機構までの冷媒圧力が予め設定した値を超えた際に前記蒸気生成部に対する外部からの被加熱水の導入を開始することを特徴とする。
また本発明は、上述したヒートポンプ式蒸気生成装置において、前記制御部は、起動指令が与えられた場合、前記蒸発器の温度が予め設定した値に到達した際に前記圧縮機の運転を開始することを特徴とする。
本発明によれば、運転停止指令が与えられた場合に外部から導入される被加熱水の流量を増大するようにしているため、被加熱水に含まれるスケール原因物質が希釈され、スケールが付着する事態をより確実に防止することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1であるヒートポンプ式蒸気生成装置の構成を示す図である。 図2は、図1のヒートポンプ式蒸気生成装置に適用する蒸気生成部の構成を模式的に示す図である。 図3は、図1に示す制御部が実施する蒸気生成処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、図3に示した起動処理の内容を示すフローチャートである。 図5は、図3に示した運転停止処理の内容を示すフローチャートである。 図6は、図5に示した希釈密閉処理の内容を示すフローチャートである。 図7は、図5に示したポンプダウン処理の内容を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態2であるヒートポンプ式蒸気生成装置の構成を示す図である。 図9は、実施の形態2で実施される起動処理の内容を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態2で実施される運転停止処理の内容を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態2で実施される希釈密閉処理の内容を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であるヒートポンプ式蒸気生成装置の構成を示すものである。ここで例示するヒートポンプ式蒸気生成装置は、工場排水等の排温水(熱源水)から排熱を回収し、回収した排熱を利用して蒸気を生成するもので、排温水を流通させる熱源水供給部Aと、外部から導入された被加熱水を流通する蒸気生成部Bと、これら熱源水供給系A及び蒸気生成部Bの間に介在するヒートポンプ部Cとを備えている。
熱源水供給部Aは、温水流通経路1において排温水を流通するものである。図には明示していないが、温水流通経路1の上流には、温水タンク及び温水供給ポンプが設けられている。この熱源水供給部Aでは、温水供給ポンプの運転により、温水タンクに貯留されている排温水が所定の流量で温水供給経に流通されることになる。
蒸気生成部Bは、蒸気を生成するための被加熱水を流通するもので、水蒸気分離器10を備えている。水蒸気分離器10は、鉛直方向に沿った円筒状容器によって構成したものである。この水蒸気分離器10には、圧力センサ及び水位センサ12が設けてあるとともに、送出経路13及び循環水経路14が設けてある。圧力センサ11は、水蒸気分離器10の内部の圧力を検出するものであり、水位センサ12は、水蒸気分離器10に貯留された被加熱水の水位を検出するものである。これらのセンサ11,12の検出結果は、後述する制御部20に送信される。
送出経路13は、図示せぬ外部の蒸気利用設備に接続されたもので、水蒸気分離器10の上端において内部に連通している。この送出経路13には、送出弁15が設けてある。送出弁15は、与えられた指令に応じて開度を変更することにより、送出経路13の圧力を調整することのできる圧力調整弁である。この送出弁15は、全閉指令が与えられた場合、送出経路13を遮断することが可能である。なお、送出経路13を遮断する機能は、送出弁15が備えている必要はなく、専用の開閉弁を追加するようにしても良い。
循環水経路14は、一端が水蒸気分離器10の下端部において内部に連通し、かつ他端が水蒸気分離器10の上部周面において内部に連通したものである。この循環水経路14には、給水経路30、第1ブローダウン経路40及び第2ブローダウン経路50が接続してある。
給水経路30は、外部の給水源から循環水経路14に被加熱水を供給するもので、給水弁31及び給水ポンプ32を備えている。給水弁31は、与えられた指令に応じて開度を変更することにより給水経路30を開閉する開閉弁である。給水弁31を開いた状態で給水ポンプ32が運転されると、給水経路30を通じて外部の被加熱水を循環水経路14に供給することができる。循環水経路14に供給される被加熱水の流量は、給水ポンプ32の回転数を制御することによって変更することができる。給水ポンプ32によって供給される被加熱水の流量が変更された場合には、水蒸気分離器10に貯留される被加熱水の水位も変化することになる。
第1ブローダウン経路40及び第2ブローダウン経路50は、それぞれが循環水経路14の被加熱水を外部に排水するためのものである。第1ブローダウン経路40には第1開閉弁41が設けてあり、第2ブローダウン経路50には第2開閉弁51及び逆止弁52が設けてある。図には明示していないが、第1ブローダウン経路40としては、第2ブローダウン経路50よりも大きな内径を有したものを適用している。
第1開閉弁41及び第2開閉弁51は、それぞれ与えられた指令に応じて開度を変更することにより、対応するブローダウン経路40,50を開閉する開閉弁である。逆止弁52は、第2ブローダウン経路50において循環水経路14から外部への被加熱水の通過のみを許容するものである。図2に示すように、第1ブローダウン経路40は、循環水経路14において給水経路30の接続部位よりも下流側でもっとも低位となる位置に接続してある。第2ブローダウン経路50は、循環水経路14において水蒸気分離器10と給水経路30との間に接続してある。図には明示していないが、それぞれのブローダウン経路40,50の開口端部には、排水タンクが接続してある。
ヒートポンプ部Cは、循環する冷媒により、熱源水供給部Aの温水流通経路1を流通する排温水の熱を、蒸気生成部Bの循環水経路14を流通する被加熱水に伝達するものである。本実施の形態1のヒートポンプ部Cは、図1に示すように、冷媒循環経路60によって順次接続された蒸発器61、圧縮機62、凝縮器63、過冷却器64、膨張機構65を備えている。蒸発器61は、熱源水供給部Aの温水流通経路1において流通される排温水との間で熱交換を行うことにより、流通する冷媒を蒸発させるものである。圧縮機62は、蒸発器61を通過した後の冷媒を圧縮するものである。凝縮器63は、圧縮機62から吐出された冷媒と、循環水経路14を流通する被加熱水との間で熱交換を行うものである。過冷却器64は、凝縮器63を通過した後の冷媒と、給水経路30を流通する被加熱水との間において熱交換を行うものである。膨張機構65は、過冷却器64を通過した後の冷媒を減圧するものである。本実施の形態1では、膨張機構65として、与えられた指令に応じて開度を変更することのできる電子膨張弁を適用している。この膨張機構65は、全閉指令が与えられた場合に冷媒循環経路60を遮断することが可能である。
図2からも明らかなように、凝縮器63は、水蒸気分離器10よりも高さ方向で低位置に設置されている。より具体的に説明すると、凝縮器63は、被加熱水の吐出口63aが、水蒸気分離器10に貯留された被加熱水の水面よりも低位置となるように、水蒸気分離器10との高さ方向の位置が規定された状態で設置してある。これにより、蒸気生成部Bにおいては、水蒸気分離器10の水位と、凝縮器63の水位との間に水位差W(水面のヘッド差)が形成され、サーモサイフォン現象により、別途循環ポンプを要することなく、水蒸気分離器10の被加熱水を確実に凝縮器63に循環させることが可能である。
上述のヒートポンプ部Cには、図1に示すように、吸入圧力センサ66、吐出圧力センサ67、吸入温度センサ68及び蒸発器温度センサ69が設けてある。吸入圧力センサ66は、圧縮機62へ吸入される冷媒の圧力を検出するもので、吐出圧力センサ67は、圧縮機62から吐出された冷媒の圧力を検出するものである。吸入温度センサ68は、圧縮
機62へ吸入される冷媒の温度を検出するもので、蒸発器温度センサ69は、蒸発器61の表面温度を検出するものである。蒸発器61の表面温度とは、例えばフロンドカバーとバックカバーとの間に複数の伝熱プレートを重ね合わせて冷媒の流路と、排温水の流路とが交互に形成されたブレージングプレート式蒸発器の場合、冷媒及び排温水の供給側となるフロントカバーの温度である。これら吸入圧力センサ66の検出結果、吐出圧力センサ67の検出結果、吸入温度センサ68の検出結果及び蒸発器温度センサ69の検出結果は、それぞれ制御部20に与えられることになる。
制御部20は、図示せぬ起動スイッチ、起動タイマ、運転停止スイッチ等の操作入力部から入力された操作指令、あるいは上述した圧力センサ11、水位センサ12、吸入圧力センサ66、吐出圧力センサ67、蒸発器温度センサ69等の状態検出部から検出結果が与えられると、予めメモリ(図示せぬ)に格納されたプログラムやデータに基づいて圧縮機62、膨張機構65、給水ポンプ32、送出弁15、給水弁31、第1開閉弁41、第2開閉弁51の制御を行うものである。この制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良い。また、ソフトウェア及びハードウェアを併用して制御部20を実現しても良い。
図3〜図7は、制御部20が所定のサイクルタイムで繰り返し実行する蒸気生成処理の内容を示すものである。以下、これらのフローチャートを適宜参照し、制御部20で実施される蒸気生成処理の内容について説明する。なお、以下においては便宜上、ヒートポンプ式蒸気生成装置は運転停止状態にあるものとする。この運転停止状態では、膨張機構65、送出弁15、給水弁31、第1開閉弁41及び第2開閉弁51がそれぞれ全閉状態にあり、かつ給水ポンプ32及び圧縮機62がそれぞれ停止されている。蒸気生成部Bにおいては、すべての経路が空の状態となっている。一方、熱源水供給部Aにおいては、図示せぬ温水供給ポンプが常時運転されており、温水タンクの排温水が温水流通経路1を流通した状態にある。なお、運転停止状態においては、必ずしも経路が空の状態である必要はなく、通常運転時と比較して被加熱水の量が減少していれば良く、経路内の一部に被加熱水が残っていても構わない。
図3に示すように、蒸気生成処理においては、制御部20によって運転開始指令の有無が監視されている(ステップS1)。運転開始指令とは、例えば図示しない起動スイッチの操作によって出力されるものや起動タイマのタイムアップによって出力されるものがある。制御部20は、運転開始指令を受信しない場合、以降の処理を実施することなく今回の処理を終了する(ステップS1:NO)。
これに対して運転開始指令を受信すると(ステップS1:YES)、制御部20は、起動処理を実施する(ステップS2)。起動処理において制御部20は、図4に示すように、蒸発器温度センサ69を通じて蒸発器61の表面温度T1を取得し(ステップS11)、取得した表面温度T1が予め設定した起動許容温度T0(例えば60℃)に到達した時点で圧縮機62の運転を開始する(ステップS12)。
このヒートポンプ式蒸気生成装置では、上述したように、熱源水供給部Aにおいて温水流通経路1に排温水が常時流通しているため、起動開始時においても排温水によって蒸発器61が昇温されている。このため、通常においては、運転開始指令が与えられた時点で既に蒸発器61の表面温度T1が起動許容温度T0を超えた状態にあり、手順が直ちにステップS13に移行して圧縮機62の運転が開始されることになる。
圧縮機62の運転を開始した制御部20は、吐出圧力センサ67を通じて圧縮機62か
ら吐出される冷媒の圧力P1を取得し(ステップS14)、取得した冷媒の圧力P1が予め設定した運転許容圧力P0に到達するまで給水待機状態となる(ステップS15)。従って、蒸気生成部Bにおいては、給水弁31が全閉状態で、給水ポンプ32が停止状態に維持されるため、循環水経路14に対して被加熱水が供給されることはない。
これに対して圧縮機62から吐出される冷媒の圧力P1が運転許容圧力P0に到達した場合(ステップS15:YES)、制御部20は、給水弁31を開くとともに、給水ポンプ32の運転を開始し、さらに、第2ブローダウン経路50の第2開閉弁51を開く処理を実施し(ステップS16)、今回の起動処理を終了する。これにより、給水経路30を通じて外部の被加熱水が循環水経路14に供給されるとともに、水蒸気分離器10及び循環水経路14を循環する被加熱水の一部が第2ブローダウン経路50を通じて一定量ずつ外部に排水される。
被加熱水が供給された状態で圧縮機62が運転されると、ヒートポンプ部Cにおいて高圧の気相冷媒が凝縮器63に供給され、この気相冷媒と凝縮器63を通過する被加熱水との間において熱交換が行われる。この結果、被加熱水が加熱されるとともに、気相の冷媒が凝縮されて液相の冷媒となる。加熱された被加熱水は、水蒸気分離器10において重力により分離され、液相部分が下方に貯留されて再び蒸気生成に供される。一方、被加熱水の加熱によって生成された蒸気は、水蒸気分離器10の上方に貯留された状態となる。従って、送出弁15を適宜開閉すれば、送出経路13を通じて蒸気利用設備に蒸気を供給することができる。
凝縮器63を通過した高圧の液相冷媒は、過冷却器64を通過する際に給水経路30を通過する被加熱水との間において熱交換され、さらに膨張機構65において減圧された後、蒸発器61に供給される。蒸発器61に供給された低圧冷媒は、排温水との間の熱交換により蒸発し、圧縮機62に供給されることになる。
以降、このヒートポンプ式蒸気生成装置では、ヒートポンプ部Cにおいて冷媒が循環することにより、熱源水供給部Aの温水流通経路1を流通する排温水の熱が、蒸気生成部Bの循環水経路14を流通する被加熱水に伝達され、被加熱水から順次蒸気が生成されることになる。
この間、循環水経路14を循環する被加熱水は、第2ブローダウン経路50を通じて一定の少量ずつ外部に排水されるため、スケール原因物質が過剰に濃縮されるおそれがなく、蒸気生成部Bにおいてスケールが析出する事態を防止することが可能となる。なお、第2ブローダウン経路50については、常時第2開閉弁51を開いた状態としても、逆止弁52が機能するため、蒸気生成部Bに対して外部から水や空気が流入するおそれはない。
蒸発器61の表面温度T1が起動許容温度T0に到達していない場合に圧縮機62の運転を開始しないのは、冷媒が液相のままで圧縮機62に供給される事態を未然に防止するためである。つまり、運転開始指令を受信した時点で熱源水供給部Aの温水流通経路1に排温水が流通していない場合には、蒸発器61の表面温度T1が起動許容温度T0に到達するまで圧縮機62の運転が開始されないことになり、液相の冷媒が圧縮機62に供給されるおそれがない。また、圧縮機62から吐出される冷媒の圧力P1が予め設定した運転許容圧力P0に到達しない場合に、循環水経路14に被加熱水を供給しないのは、冷媒循環経路60を循環する冷媒をヒートポンプ部C各部の予熱に利用するためである。これにより、ヒートポンプ部Cの各部を短時間に昇温することができ、その後に被加熱水を供給することで蒸気の生成を短時間に開始することが可能となる。
図3に示すように、上述の蒸気生成中においては、制御部20により通常運転が行われ
、後述する運転停止指令が入力されるまで給水ポンプ32の回転数制御が繰り返し行われている(ステップS3)。この給水ポンプ32の回転数制御は、予めメモリに格納した凝縮器63の熱交換量(負荷)と水蒸気分離器10の水位との相関関係を示す相関データに基づき、凝縮器63において蒸気の生成効率が最大となるように実施される。なお、通常運転時の制御詳細は、目的に応じて一般的な加熱出力制御、蒸気量制御、水量一定制御、圧力一定制御等が適宜選択可能であり、ここでの詳細説明は省略する。
すなわち、凝縮器63の内部においては、循環水経路14が下方から上方に向かって順に、被加熱水の液相と、被加熱水及び蒸気が混在する気液混合相と、蒸気の気相との三層状態となっている。一般に被加熱水は、液相の状態では伝熱性が悪いため熱交換効率が低く、気液混合相の状態でもっとも伝熱性が良好となって熱交換効率が高くなる。従って、凝縮器63の内部において気液混合相の割合が最適となるように凝縮器63に流入する被加熱水の流量を制御することで、凝縮器63で生成される蒸気の量と凝縮器63へ供給される被加熱水の量とを一致させ、凝縮器63において蒸気の生成効率を最大化することができる。
例えば、凝縮器63における冷媒と被加熱水との間の熱交換量が小さい状態で凝縮器63に供給される被加熱水の流量が大きくなると、凝縮器63において被加熱水(液相)の割合が増えて水位が上昇し、結果として生成される蒸気の量が低下する。一方、凝縮器63における冷媒と被加熱水との間の熱交換量が大きい状態で凝縮器63に供給される被加熱水の流量が小さくなると、凝縮器63において被加熱水がすべて蒸発することになり、結果として生成される蒸気が十分量とならない。また、凝縮器63において冷媒と被加熱水との間の熱交換量が大きい状態であっても、凝縮器63に供給される被加熱水の流量が過剰に大きくなると、一部の被加熱水は蒸発せず、気液混合相の状態で水蒸気分離器10に供給されることになる。
上述のヒートポンプ式蒸気生成装置では、凝縮器63の高さ位置を水蒸気分離器10よりも下方に配置して水位差Wを形成している。従って、給水ポンプ32の回転数制御によって外部からの被加熱水の導入流量を調整し、水蒸気分離器10の水位を変化させれば、水位差Wに基づいて凝縮器63へ供給される被加熱水の流量が変更されるため、凝縮器63における蒸気の生成効率を最大化することができる。
上述の制御を行うため、制御部20には、凝縮器63における被加熱水と冷媒との間の熱交換量と、その熱交換量のときに蒸気の生成効率が最大となる水位(つまり、凝縮器63への水の供給流量)との相関関係を示す相関データがメモリに格納してある。熱交換量と水位との相関関係は、実験を行うことにより取得することができる。この相関データは、例えば、表形式のものであっても良いし、数式やグラフ形式のものでも良い。より具体的には、熱交換量が増加した場合に水蒸気分離器10の水位を高くし、熱交換量が減少した場合に水蒸気分離器10の水位を低くするという内容である。凝縮器63の熱交換量が増加した場合には、水蒸気分離器10の水位を高くすることで、凝縮器63への被加熱水の供給量を増やし、凝縮器63で気液混合相を適正量に維持しつつ蒸気の生成を促進して蒸気の生成効率及び生成量を最大化する。一方、凝縮器63の熱交換量が減少した場合には、水蒸気分離器10の水位を低くすることで、凝縮器63に過剰に被加熱水が供給されることを防止し、気液混合相を適正量に維持しつつ蒸気の生成を促進して蒸気の生成効率及び生成量を最大化する。
制御部20は、例えば、現在の凝縮器63の熱交換量を取得すると、相関データに基づいてその熱交換量の際に蒸気の生成効率が最大となる水蒸気分離器10の水位を導出し、水位センサ12を通じて取得される水蒸気分離器10の水位が相関データから導出した水位と一致するように給水ポンプ32の回転数制御を行う。
水位の制御の指標となる凝縮器63での被加熱水と冷媒との間の熱交換量の具体的なパラメータとしては、例えば、冷媒から凝縮器63へ入力される熱量が用いられる。冷媒から凝縮器63に入力される熱量が得られれば、この入力熱量における凝縮器63への最適な被加熱水の供給流量が決まるため、この供給流量が得られる水位となるように給水ポンプ32の回転数を制御することになる。入力熱量は、圧縮機62の排除容積が既知のため、例えば、ヒートポンプ部Cの圧縮機62に対する冷媒の吸入圧力、冷媒の吸入温度、圧縮機62の回転数を取得することにより、凝縮器63への冷媒循環量を演算することができ、この冷媒循環量から推定することが可能である。冷媒の吸入圧力及び吸入温度はそれぞれ吸入圧力センサ66及び吸入温度センサ68を通じて制御部20が取得可能であり、圧縮機62の回転数は制御部20において既知である。また、凝縮器63での被加熱水と冷媒との間の熱交換量の別のパラメータとしては、送出経路13から外部に送り出される蒸気の流量を用いても良い。送出経路13から送出される蒸気の流量は、例えば、送出経路13に流量計(図示せず)を設置することによって検出することが可能である。送出経路13から送り出される蒸気の流量が取得できれば、蒸気の送出流量と凝縮器63に循環供給される被加熱水の流量とを一致させるように、水蒸気分離器10の水位を制御すれば良い。この場合、制御部20は、蒸気の送出流量と水位との相関関係のデータに基づき、蒸気の送出流量が増加した際には、水位を上昇させる制御を行って循環する被加熱水の量を増やす。一方、蒸気の送出流量が減少した際には、水位を低下させる制御を行って凝縮器63に過剰に被加熱水が供給されることを防止し、気液混合相を適正量に維持する制御を行う。なお、図4に示すステップS16において給水弁31を開いた際に仮に循環水経路14が負圧であったとしても、上述のように給水ポンプ32の回転数が制御されているため、循環水経路14に対して過度に被加熱水が流入されることはない。
図3に示すように、上述した給水ポンプ32の回転数制御の間、制御部20は、運転停止指令の有無を監視し(ステップS4)、運転停止指令を受信した場合(ステップS4:YES)、手順をステップS5の運転停止処理に移行する。運転停止指令とは、例えば、図示しない停止スイッチの操作によって出力されるものがある。
運転停止処理において制御部20は、図5に示すように、蒸気生成部Bの希釈密閉処理(ステップS21)及びヒートポンプ部Cのポンプダウン処理を行う(ステップS22)。なお、本実施の形態では希釈密閉処理とポンプダウン処理とを同時に実施するようにしているが、これらの処理も順番に実施するシーケンス処理としても良いし、それぞれの処理を独立して実施するようにしても良い。例えば、希釈密閉処理を開始した後、予め設定した時間の経過後にポンプダウン処理を開始しても良い。この場合、ポンプダウン処理を開始する以前に凝縮器63の温度が低下するため、ポンプダウン処理を実施する際に凝縮器63において冷媒を確実に凝縮させることが可能となる。
希釈密閉処理では、図6に示すように、制御部20から給水ポンプ32に対して運転指令、例えば回転数を最大とする指令が与えられる(ステップS31)。これにより、給水経路30を通じて被加熱水が供給されるため、水蒸気分離器10に貯留される被加熱水の水位も上昇することになる(希釈処理)。
次いで、制御部20は、水位センサ12を通じて取得した水蒸気分離器10の水位L1が予め設定した希釈停止水位L0に到達したか否かを監視する(ステップS32→ステップS33)。この希釈停止水位L0は、凝縮器63からの循環水経路14と水蒸気分離器10との接続位置よりも高い水位に設定されることが望ましい。また、水蒸気分離器10が被加熱水で満たされるような水位に設定しても良い。このような設定にすることにより、循環水経路14全体のスケール原因物質濃度を確実に希釈することができる。水蒸気分離器10の水位L1が希釈停止水位L0に到達していない場合、制御部20は、給水ポン
プ32の運転を継続する(ステップS33:NO)。
一方、水蒸気分離器10の水位L1が希釈停止水位L0に到達すると(ステップS33:YES)、制御部20は、給水ポンプ32を停止するとともに、第1ブローダウン経路40の第1開閉弁41を開く処理を行う(ステップS34)。この結果、循環水経路14及び水蒸気分離器10に貯留されている被加熱水が第1ブローダウン経路40を通じて外部に排水される(排水処理)。上述したように、第1ブローダウン経路40は、第2ブローダウン経路50よりも内径が大きいため、被加熱水が単位時間当たりに外部に排水される流量も大きなものとなる。
ここで、外部に排水される被加熱水は、運転停止指令を受信する以前に蒸気生成部Bに貯留されていたものに対して、運転停止指令を受信した後に給水ポンプ32を通じて外部から導入されたものとの混合物となる。従って、運転停止指令を受信するまで蒸気生成を繰り返し行うことによって循環水経路14の被加熱水にスケール原因物質が濃縮されていたとしても、運転停止指令の受信後に外部から導入された被加熱水によって希釈されることになる。これにより、希釈された状態で第1ブローダウン経路40から被加熱水が外部に排水されるため、被加熱水が接触していた部分についてもその後にスケールが析出するおそれがなくなる等、蒸気生成部Bにスケールが付着する事態をより確実に防止することができるようになる。
なお、水蒸気分離器10の水位L1が希釈停止水位L0となった場合(希釈処理終了条件が成立)に、給水ポンプ32を停止して希釈処理を終了するようにしているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、被加熱水の流量から蒸気生成部Bにおける被加熱水の水量を算出し、算出した水量が予め設定した水量となった場合に希釈処理終了条件が成立したとして給水ポンプ32を停止しても良いし、水蒸気分離器10から循環水経路14と給水経路30との合流点までに貯留された被加熱水に含まれるスケール原因物質を検出し、その検出結果が予め設定した濃度を下回った場合に希釈処理終了条件が成立したとして給水ポンプ32を停止しも良い。さらに、循環水経路14から被加熱水の一部を排出した後に希釈処理を開始しても良く、希釈された被加熱水の一部を排出した後に再度給水ポンプ32を運転して希釈処理を複数回繰り返しても良い。
第1開閉弁41を開いた後、制御部20は、圧力センサ11を通じて取得する水蒸気分離器10の内部圧力P2が予め設定した排水終了圧力P3まで低下したか否かを監視する(ステップS35→ステップS36)。排水終了圧力P3は、水蒸気分離器10及び循環水経路14の被加熱水がすべて排水された際の水蒸気分離器10の圧力よりもわずかに大きい値に設定されるものである。具体的は大気圧よりもわずかに大きな値に設定すれば良い。
制御部20は、ステップS35において取得した水蒸気分離器10の内部圧力P2が排水終了圧力P3まで低下した場合(排水処理終了条件成立)、送出弁15、給水弁31、第1開閉弁41、第2開閉弁51をすべて閉じる密閉処理を行い(ステップS36→ステップS37)、今回の希釈密閉処理を終了する。これにより、蒸気生成部Bの内部が密閉された状態となる。従って、仮に運転停止中の温度低下によって循環水経路14の圧力が低下した場合であっても、外部から水や空気が流入するおそれはない。なお、排水処理を終了する条件としては、必ずしも上記のものに限らず、例えば、排水処理が予め設定した時間継続された場合に排水を終了するようにしても良い。この場合、蒸気生成部B内に被加熱水の一部が残っていても構わない。
一方、運転停止処理で実施されるポンプダウン処理では、図7に示すように、まず、制御部20から膨張機構65に対して開度を全閉とする指令が与えられる(ステップS41
)。ヒートポンプ部Cにおいては、圧縮機62の運転が継続しているため、膨張機構65が全閉状態となると、冷媒循環経路60の冷媒が圧縮機62から膨張機構65までの間に貯留され、膨張機構65から圧縮機62までの間は冷媒がほとんどなくなった状態となる。上述したように、ヒートポンプ部Cでポンプダウン処理が実施される間、蒸気生成部Bにおいては希釈処理を実施している。従って、凝縮器63において冷媒が凝縮されるため、ポンプダウン処理を効率良く行うことが可能である。
上述のポンプダウン処理の間、制御部20は、吸入圧力センサ66を通じて取得される冷媒の圧力P4が予め設定した終了許可圧力P5を下回ったか否かを監視している(ステップS42→ステップS43)。制御部20は、ステップS42において取得した冷媒の圧力P4が終了許可圧力P5を下回った場合に圧縮機62の運転を停止してポンプダウン処理を終了し(ステップS44)、今回のポンプダウン処理を終了する。
このように、上記のヒートポンプ式蒸気生成装置では、運転を停止する際に希釈処理を実施し、外部から蒸気生成部Bに導入する被加熱水の流量を増大するようにしている。従って、蒸気生成部Bにおいては、スケール原因物質が希釈されることになり、スケールが付着する事態をより確実に防止することが可能となる。
また、希釈密閉処理においては、蒸気生成部Bの被加熱水を外部に排水した後に循環水経路14を密閉するようにしている。このため、循環水経路14で水蒸気が凝縮する等して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。さらに、次回の起動時には、ヒートポンプ部Cにおいて圧縮機62が運転されて冷媒が循環されている状態においても、凝縮器63において被加熱水との間の熱交換は行われない。つまり、循環する冷媒は、ヒートポンプ部Cの各部を予熱するために用いられる。従って、循環水経路14に被加熱水がある場合に比べてヒートポンプ部Cの各部の温度が早く上昇することになり、起動時間の短縮化を図ることが可能となる。
また、運転を停止する際には、ヒートポンプ部Cにおいて冷媒を圧縮機62から膨張機構65までの間に貯留するようにしているため、換言すれば起動時において蒸発器61に液相冷媒が貯留されていないため、圧縮機62の運転を開始した場合に液相冷媒が吸入される事態を防止することができる。
なお、上述した希釈処理においては、希釈した蒸気生成部Bの被加熱水を外部に排水するようにしているが、必ずしも外部に排水する必要はなく、希釈した状態のままで運転を停止するようにしても良い。また、希釈処理は、ポンプダウン処理が終了するまで給水ポンプ32の運転を継続するとともに第1開閉弁41を開くことにより、循環水経路14に被加熱水を循環させるようにしても良い。この場合には、ポンプダウン処理を実施している間、凝縮器63においてヒートポンプ部Cの冷媒を凝縮させる効果がより顕著となる。さらに、希釈処理とポンプダウン処理とは、必ずしも同時に開始する必要はなく、希釈処理を開始した後、ポンプダウン処理を開始するようにしても良い。この場合、ポンプダウン処理は、例えば、希釈処理を開始した後、凝縮器63の温度が予め設定した値を下回った時点で開始したり、希釈処理が予め設定した時間継続された後に開始すれば良い。このように、ポンプダウン処理を実施する以前において希釈処理を予め開始しておけば、凝縮器63を流通する被加熱水の温度が低下するため、ヒートポンプ部Cの冷媒をより効率的に凝縮することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、(1)希釈処理中や排水処理中に起動指令があった場合、(2)排水処理開始後の時間経過により排水処理を終了し、蒸気生成部B内に被加熱水の一部が残った状態で装置を停止した場合、(3)緊急停止等の理由により、通常の排水処理を経ず
に装置を停止した場合等、循環水経路14及び水蒸気分離器10にそれぞれ被加熱水が残留した状態で装置の起動を行った場合に実施する制御について説明を行う。
図8は、上述した制御を行うヒートポンプ式蒸気生成装置の構成を示すものである。ここで例示するヒートポンプ式蒸気生成装置は、実施の形態1と同様の構成を有したもので、実施の形態1とは、圧縮機62から凝縮器63までの間の冷媒循環経路60に吐出温度センサ161を追加した点、過冷却器64と膨張機構65との間の冷媒循環経路60に過冷却温度センサ162及び過冷却圧力センサ163を追加した点が異なる。以下、実施の形態1と異なる点について詳述し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
吐出温度センサ161は、圧縮機62から吐出された冷媒の温度を検出するものであり、過冷却温度センサ162は、過冷却器64を通過した後の冷媒の温度を検出するものである。過冷却圧力センサ163は、過冷却器64を通過した後の冷媒の圧力を検出するものである。これら吐出温度センサ161の検出結果、過冷却温度センサ162の検出結果、過冷却圧力センサ163の検出結果は、それぞれ制御部20に与えられることになる。
図9〜図11は、実施の形態2の制御部20が所定のサイクルタイムで繰り返し実行する蒸気生成処理において、実施の形態1と異なるもののみを示したものである。以下、これらの図9〜図11に示すフローチャート及び実施の形態1で示した図3のフローチャートを適宜参照し、制御部20で実施される蒸気生成処理の内容を実施の形態1と異なる点について主に説明する。なお、以下においては便宜上、ヒートポンプ式蒸気生成装置が運転停止状態にあり、膨張機構65、送出弁15、給水弁31、第1開閉弁41及び第2開閉弁51がそれぞれ全閉され、かつ給水ポンプ32及び圧縮機62がそれぞれ停止しているものとする。蒸気生成部Bにおいては、循環水経路14及び水蒸気分離器10にそれぞれ被加熱水が残留したままとなっている。
図9は、図3に示す蒸気生成処理において運転開始指令の受信後に実施の形態2で実施される起動処理の内容を示したものである。この起動処理では、まず、制御部20によって予め設定した被加熱水排水条件が成立するか否かの判定が行われる(ステップS51)。この判定では、蒸気生成部Bに被加熱水が残留されている可能性を考慮し、過冷却温度センサ162、吐出温度センサ161、過冷却圧力センサ163を通じて検出される冷媒の温度及び圧力のいずれか、またはこれらの温度及び圧力の組み合せから求められる冷媒の過冷却度の値を基準として被加熱水の排水の要否を決定する。
蒸気生成部B内に被加熱水が残留した状態で装置を起動した場合の処理について例示する。冷媒の温度もしくは圧力を判断基準とした場合には、検出値が予め設定した値以上であれば排水処理を行うことなくそのままの起動(高温起動)とする。この高温起動では、装置を停止してから間もない状態等、装置全体を予熱する必要がない場合、排水処理を待つことなくすぐに起動処理を行うことができる。一方、検出値が予め設定した値を下回る場合は排水処理を行った後の起動(低温起動)とする。この低温起動では、装置を停止した後に時間が経過し、装置が常温まで冷却されている場合に、起動時間の長大化を防止するための処理を行う。すなわち、起動処理を実施する前に被加熱水の排水処理を行うことにより装置全体の熱容量を低下させ、起動処理の際の装置の昇温時間を短縮化する。冷媒の過冷却度を判断基準とした場合には、求められた過冷却度が予め設定した値以上であれば低温起動し、求められた過冷却度が予め設定した値を下回れば高温起動する。過冷却度とは、ある圧力における冷媒の飽和温度と、検出した過冷却液冷媒温度との温度差である。ある圧力における冷媒の飽和温度は、圧力温度表等から求めることができる。凝縮器63を通過した冷媒の過冷却度を一定値未満に制御することにより、膨張機構65において冷媒を確実に気化させることが可能となる。これらの基準となる値は設計値によって設定
しても良いし、運用もしくは装置の構成によって適宜設定しても良い。
上述の判定において被加熱水排水条件が成立したと判定されると(ステップS51:YES)、制御部20により、低温起動を実施すべく手順がステップS52に移行され、蒸気生成部Bにおいて第1開閉弁41が開かれて被加熱水の排水処理が実施される。
排水処理を実施している間、制御部20は、予め設定した排水処理の完了条件が成立したか否かを監視する(ステップS53)。排水処理の完了条件としては、例えば排水を開始してからの経過時間とすれば良い。つまり、排水を開始してからの経過時間が予め設定した時間となった場合に排水処理が完了したと判断することができる。あるいは凝縮器63の水位と水蒸気分離器10の水位とが連動している場合には、水蒸気分離器10の水位が予め設定した値を下回ったことを条件として排水処理が完了したと判断しても良い。排水処理の完了条件が成立した場合には、制御部20によって第1開閉弁41が閉じた状態となる(ステップS53:YES→ステップS54)。この結果、蒸気生成部Bにおいては、貯留されていた被加熱水のほぼすべてが外部に排水された状態となる。
次いで制御部20は、蒸発器温度センサ69を通じて蒸発器61の表面温度T1を取得し(ステップS55)、取得した表面温度T1が予め設定した起動許容温度T0(例えば60℃)に到達しているか否かを判断する(ステップS56)。実施の形態1と同様、熱源水供給部Aにおいて温水流通経路1に排温水が流通している場合には、運転開始指令が与えられた時点で既に蒸発器61の表面温度T1が起動許容温度T0を超えた状態にあり、手順が直ちにステップS57に移行して圧縮機62の運転が開始されることになる。
圧縮機62の運転を開始した制御部20は、吐出圧力センサ67を通じて圧縮機62から吐出される冷媒の圧力P1を取得し(ステップS58)、取得した冷媒の圧力P1が予め設定した運転許容圧力P0に到達するまで給水待機状態となる(ステップS59)。従って、蒸気生成部Bにおいては、給水弁31が全閉状態で、給水ポンプ32が停止状態に維持されるため、循環水経路14に対して被加熱水が供給されることはない。
これに対して圧縮機62から吐出される冷媒の圧力P1が運転許容圧力P0に到達した場合(ステップS59:YES)、制御部20は、給水弁31を開くとともに、給水ポンプ32の運転を開始し、さらに、第2ブローダウン経路50の第2開閉弁51を開く処理を実施し(ステップS60)、今回の起動処理を終了する。これにより、給水経路30を通じて外部の被加熱水が循環水経路14に供給されるとともに、水蒸気分離器10及び循環水経路14を循環する被加熱水の一部が第2ブローダウン経路50を通じて一定量ずつ外部に排水される。
被加熱水が供給された状態で圧縮機62が運転されると、ヒートポンプ部Cにおいて高圧の気相冷媒が凝縮器63に供給され、この気相冷媒と凝縮器63を通過する被加熱水との間において熱交換が行われる。この結果、被加熱水が加熱されるとともに、気相の冷媒が凝縮されて液相の冷媒となる。加熱された被加熱水は、水蒸気分離器10において重力により分離され、液相部分が下方に貯留されて再び蒸気生成に供される。一方、被加熱水の加熱によって生成された蒸気は、水蒸気分離器10の上方に貯留された状態となる。従って、送出弁15を適宜開閉すれば、送出経路13を通じて蒸気利用設備に蒸気を供給することができる。
凝縮器63を通過した高圧の液相冷媒は、過冷却器64を通過する際に給水経路30を通過する被加熱水との間において熱交換され、さらに膨張機構65において減圧された後、蒸発器61に供給される。蒸発器61に供給された低圧冷媒は、排温水との間の熱交換により蒸発し、圧縮機62に供給されることになる。
以降、このヒートポンプ式蒸気生成装置では、ヒートポンプ部Cにおいて冷媒が循環することにより、熱源水供給部Aの温水流通経路1を流通する排温水の熱が、蒸気生成部Bの循環水経路14を流通する被加熱水に伝達され、被加熱水から順次蒸気が生成されることになる。
この間、循環水経路14を循環する被加熱水は、第2ブローダウン経路50を通じて一定の少量ずつ外部に排水されるため、スケール原因物質が過剰に濃縮されるおそれがなく、蒸気生成部Bにおいてスケールが析出する事態を防止することが可能となる。なお、第2ブローダウン経路50については、常時第2開閉弁51を開いた状態としても、逆止弁52が機能するため、蒸気生成部Bに対して外部から水や空気が流入するおそれはない。
なお、被加熱水の供給を開始する条件としては、必ずしも圧縮機62から吐出される冷媒の圧力が運転許容圧力P0に到達した場合に限らない。例えば、過冷却温度センサ162を通じて取得した冷媒の温度が予め設定した温度以上になった場合が挙げられる。冷媒の温度を検出する過冷却温度センサ162の配設位置は、圧縮機62から膨張機構65までの間であれば、その他の部位に設けられていても良い。
また、吐出温度センサ161を通じて取得される凝縮器63入口の冷媒温度及び過冷却温度センサ162を通じて取得される凝縮器63出口の冷媒温度との差を被加熱水供給条件の判定基準としても良い。この場合、2つの温度センサ161,162の検出する温度差が一定値未満になった時点で凝縮器63が十分に予熱されたと判断し、給水ポンプ32の運転を開始すれば良い。
さらに、過冷却温度センサ162の検出結果と過冷却圧力センサ163の検出結果とから凝縮器63の出口における冷媒の過冷却度を求め、被加熱水供給条件の判定基準としても良い。この場合、過冷却度が一定値未満になった場合に、給水ポンプ32の運転を開始すれば良い。なお、過冷却温度センサ162の検出結果に換えて、吐出温度センサ161の検出結果を利用しても良い。つまり、過冷却温度センサ162の位置は圧縮機62から膨張機構65の間において適宜選択することができる。過冷却圧力センサ163の位置については、凝縮器63から膨張機構65の間において適宜選択することができる。
また、排水完了後にタイマ設定を行うことにより、被加熱水の供給を開始する条件の判定基準としても良い。この場合、排水完了後、タイマに設定した時間が経過した場合に、凝縮器63が十分に予熱されたと判断して給水ポンプ32の運転を開始すれば良い。
なお、被加熱水排水条件と被加熱水供給条件とは、同一の検出結果を参照して成立の可否を判断しても良いし、異なる検出結果を用いて成立の可否を判断しても良い。また、判断基準となる検出結果の組み合せは自由であり、設計や運転状況に応じて適宜選択すれば良い。
一方、ステップS51において被加熱水排水条件が成立していないと判定されると、制御部20により、高温起動を実施すべく手順がステップS61に移行され、直ちに給水弁31が開くとともに、圧縮機62及び給水ポンプ32の運転が開始され、さらに、第2ブローダウン経路50の第2開閉弁51が開かれることになる。これによりヒートポンプ部Cにおいて冷媒が循環するとともに、蒸気生成部Bにおいて被加熱水が循環されることになり、熱源水供給部Aの温水流通経路1を流通する排温水の熱が、蒸気生成部Bの循環水経路14を流通する被加熱水に伝達され、被加熱水から順次蒸気が生成されることになる。
なお、上述の蒸気生成中においては、実施の形態1と同様、制御部20により、後述する運転停止指令が入力されるまで給水ポンプ32の回転数制御が繰り返し行われている。給水ポンプ32の回転数制御は、実施の形態1と同様であるため、詳細説明は省略する。
上述した給水ポンプ32の回転数制御の間、制御部20は、図3に示すように、運転停止指令を受信した場合、運転停止処理を実施する。図10は、図3に示す蒸気生成処理において運転停止指令の受信後に実施の形態2で実施される運転停止処理の内容を示したものである。この運転停止処理では、制御部20によって、蒸気生成部Bの希釈密閉処理が行われるとともに(ステップS71)、ヒートポンプ部Cのポンプダウン処理が行われる(ステップS22)。ポンプダウン処理については、実施の形態1と同様であるため、詳細説明は省略する(図7参照)。
一方、希釈密閉処理では、図11に示すように、制御部20から給水ポンプ32に対して回転数を増大させる指令、例えば回転数を最大とする指令が与えられる(ステップS81)。これにより、給水経路30を通じた被加熱水の供給が増大するため、水蒸気分離器10に貯留される被加熱水の水位も上昇することになる(希釈処理)。
次いで、制御部20は、水位センサ12を通じて取得した水蒸気分離器10の水位L1が予め設定した希釈停止水位L0に到達したか否かを監視する(ステップS82→ステップS83)。水蒸気分離器10の水位L1が希釈停止水位L0に到達していない場合、制御部20は、給水ポンプ32の運転を継続する(ステップS83:NO)。
一方、水蒸気分離器10の水位L1が希釈停止水位L0に到達すると(ステップS83:YES)、制御部20は、給水ポンプ32を停止し、さらに送出弁15、給水弁31、第1開閉弁41、第2開閉弁51をすべて閉じる密閉処理を行い(ステップS84)、今回の希釈密閉処理を終了する。これにより、蒸気生成部Bの内部が密閉された状態となる。従って、仮に温度低下によって循環水経路14の圧力が低下した場合であっても、外部からの水や空気の流入が防止される。
ここで、上述の希釈処理が実施された場合、蒸気生成部Bにおいては、運転停止指令を受信する以前に貯留されていた被加熱水に対して、運転停止指令を受信した後に給水ポンプ32の回転数増大によって外部から大量に導入された被加熱水が混合されることになる。従って、運転停止指令を受信するまで蒸気生成を繰り返し行うことによって循環水経路14の被加熱水にスケール原因物質が濃縮されていたとしても、運転停止指令の受信後に外部から大量に導入された被加熱水によって希釈されることになる。これにより、蒸気生成部Bにスケールが付着する事態をより確実に防止することができるようになる。
希釈密閉処理及びポンプダウン処理が終了した後においては、図10に示すように、制御部20によって被加熱水排水条件が成立するか否かの判断が行われ(ステップS72)、被加熱水排水条件が成立した場合、排水処理が開始される(ステップS73)。被加熱水排水条件としては、(1)運転停止後に予め設定した時間が経過した場合、(2)運転停止中に過冷却温度センサ162、過冷却圧力センサ163で検出された値のいずれかが予め設定した値を下回った場合、(3)過冷却温度センサ162で検出された温度及び過冷却圧力センサ163で検出された圧力から求められる冷媒の過冷却度が一定値以上になった場合、がある。これらの条件が成立した場合には、第1開閉弁41が開いた状態となり、循環水経路14及び水蒸気分離器10の被加熱水が第1ブローダウン経路40を通じて外部に排水されることになる。被加熱水の排水が完了した場合には、制御部20によって第1開閉弁41が閉じた状態となる。なお、この排水処理は省略可能である。排水処理を省略した場合には、希釈処理後の被加熱水を蒸気生成部B内に残留させたまま装置を停止し、起動時において上述した排水要否の判定を行う。運転停止時において蒸気生成部B
の被加熱水を排水した場合には、次回の起動時において被加熱水排水条件が成立しているか否かの判定を省略し、図9において手順をステップS55に移行し、蒸発器61の表面温度T1が予め設定した起動許容温度T0に到達しているか否かの判断を行う手順から起動処理を行えば良い。
上記のように排水処理を実施した場合には、次回の起動時にヒートポンプ部Cにおいて圧縮機62が運転されて冷媒が循環されていても、凝縮器63において被加熱水との間の熱交換が行われない。つまり、循環する冷媒は、ヒートポンプ部Cの各部を予熱するために用いられる。従って、循環水経路14に被加熱水がある場合に比べてヒートポンプ部Cの各部の温度が早く上昇することになり、次の起動時間を短縮することができるようになる。また、運転停止時に蒸気生成部Bに被加熱水が滞留しないため、スケールが付着する事態をより確実に防止することが可能となる。なお、ステップS72において被加熱水排水条件が成立していないと判断した場合には、上述の排水処理を実施することなく今回の運転停止処理を終了する。
なお、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、運転停止指令を受信した場合に必ず希釈処理を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、運転停止指令が与えられた場合に蒸気生成部Bに貯留されている被加熱水のスケール原因物質を検出し、検出したスケール原因物質の濃度が予め設定した値を超えていた場合にのみ希釈処理を実施するようにしても良い。こうした処理を行えば、例えば、運転開始指令が与えられた後にすぐに運転停止指令が与えられた場合、希釈処理を省略することが可能であり、運転停止完了までの時間が短縮化できるという効果がある。
1 温水流通経路
10 水蒸気分離器
11 圧力センサ
12 水位センサ
13 送出経路
14 循環水経路
15 送出弁
20 制御部
30 給水経路
31 給水弁
32 給水ポンプ
40 第1ブローダウン経路
41 第1開閉弁
50 第2ブローダウン経路
51 第2開閉弁
52 逆止弁
60 冷媒循環経路
61 蒸発器
62 圧縮機
63 凝縮器
63a 吐出口
64 過冷却器
65 膨張機構
66 吸入圧力センサ
67 吐出圧力センサ
68 吸入温度センサ
69 蒸発器温度センサ
161 吐出温度センサ
162 過冷却温度センサ
163 過冷却圧力センサ
A 熱源水供給部
B 蒸気生成部
C ヒートポンプ部

Claims (16)

  1. 冷媒が循環される凝縮器に対して外部から導入された被加熱水を流通させることによって蒸気を生成する蒸気生成部と
    蒸発器、圧縮機、前記凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部とを備えたヒートポンプ式蒸気生成装置であって、
    前記蒸気生成部は、
    前記凝縮器で加熱された被加熱水を液相及び蒸気に分離する水蒸気分離器と、
    前記凝縮器及び前記水蒸気分離器の間に被加熱水を循環させる循環水経路と、
    外部の給水源から前記循環水経路に被加熱水を供給する給水経路
    備えたものであり、
    運転停止指令が与えられた場合前記蒸気生成部に対して外部から被加熱水を導入する希釈処理を実施し、かつ前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回るまでの間、前記膨張機構を閉じた状態で前記圧縮機の運転を行うポンプダウン処理を実施する制御部を備え
    前記制御部は、前記ポンプダウン処理が終了するまで前記希釈処理を継続して実施し、かつ予め設定した希釈処理終了条件が成立した場合に、前記被加熱水を外部に排水する排水処理を実施することを特徴とするヒートポンプ式蒸気生成装置。
  2. 前記制御部は、予め設定した排水処理終了条件が成立した場合に前記排水処理を終了して前記蒸気生成部を密閉状態とする密閉処理を実施することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  3. 前記制御部は、前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回った場合にポンプダウン処理を終了することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  4. 前記制御部は、起動指令が与えられた場合、前記圧縮機から前記膨張機構までの冷媒圧力が予め設定した値を超えた際に前記蒸気生成部に対する外部からの被加熱水の導入を開始することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  5. 前記制御部は、起動指令が与えられた場合、前記蒸発器の温度が予め設定した値に到達した際に前記圧縮機の運転を開始することを特徴とする請求項4に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  6. 前記蒸気生成部は、
    前記循環水経路において一端が前記給水経路の接続部位よりも下流側に設けられ、他端が外部に開放された第1ブローダウン経路と、
    前記循環水経路において一端が水蒸気分離器と給水経路との間に接続され、他端が弁を介して外部に開放された第2ブローダウン経路と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  7. 前記第1ブローダウン経路は、前記第2ブローダウン経路よりも内径が大きいことを特徴とする請求項6に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  8. 前記凝縮器は、被加熱水の吐出口が前記水蒸気分離器に貯留された被加熱水の水面よりも低位置となるよう前記水蒸気分離器との高さ位置が規定された状態で設置されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置。
  9. 冷媒が循環される凝縮器に対して外部から導入された被加熱水を流通させることによって蒸気を生成する蒸気生成部と、蒸発器、圧縮機、前記凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部とを備え、
    前記蒸気生成部は、
    前記凝縮器で加熱された被加熱水を液相及び蒸気に分離する水蒸気分離器と、
    前記凝縮器及び前記水蒸気分離器の間に被加熱水を循環させる循環水経路と、
    外部の給水源から前記循環水経路に被加熱水を供給する給水経路と
    を備えたヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法であって、
    運転停止指令が与えられた場合、前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回るまでの間、前記膨張機構を閉じた状態で前記圧縮機の運転を行うポンプダウン処理を実施するとともに、前記ポンプダウン処理が終了するまで前記蒸気生成部に対して外部から被加熱水を導入する希釈処理を実施し、予め設定した希釈処理終了条件が成立した場合に、前記被加熱水を外部に排水する排水処理を実施することを特徴とするヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  10. 前記希釈処理終了条件は、前記蒸気生成部の被加熱水が予め設定した水量を超えた場合、前記希釈処理が予め設定した時間継続された場合、前記蒸気生成部の被加熱水に含まれるスケール原因物質が予め設定した濃度を下回った場合、のいずれかであることを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  11. 前記水蒸気分離器の水位が、前記凝縮器からの前記循環水経路と前記水蒸気分離器との接続位置よりも高い位置に設定された希釈停止水位に到達した場合に前記希釈処理を終了することを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  12. 予め設定した排水処理終了条件が成立した場合に前記排水処理を終了して前記蒸気生成部を密閉状態とする密閉処理を実施することを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  13. 前記排水処理終了条件は、前記蒸気生成部の圧力が予め設定した値まで低下した場合、あるいは前記排水処理が予め設定した時間継続された場合、の何れかであることを特徴とする請求項12に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  14. 前記圧縮機の吸入圧力が予め設定した値を下回った場合にポンプダウン処理を終了することを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  15. 起動指令が与えられた場合、前記圧縮機から前記膨張機構までの冷媒圧力が予め設定した値を超えた際に前記蒸気生成部に対する外部からの被加熱水の導入を開始することを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
  16. 起動指令が与えられた場合、前記蒸発器の温度が予め設定した値に到達した際に前記圧縮機の運転を開始することを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ式蒸気生成装置の制御方法。
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