以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の構成について説明する。図1に示すように、放射線画像撮影システム10は、放射線照射装置12、放射線画像撮影装置16、及びコンソール18を備えている。
本実施の形態に係る放射線照射装置12は、例えばエックス線(X線)等の放射線Rを撮影対象の一例である被検体Wに照射する放射線源14を備えている。放射線照射装置12の一例としては、回診車等が挙げられる。なお、放射線照射装置12に対して放射線Rの照射を指示する方法は、特に限定されない。例えば、放射線照射装置12が照射ボタン等を備えている場合は、放射線技師等のユーザが照射ボタンにより放射線Rの照射の指示を行うことで、放射線照射装置12から放射線Rを照射してもよい。また、例えば、放射線技師等のユーザが、コンソール18を操作して放射線Rの照射の指示を行うことで、放射線照射装置12から放射線Rを照射してもよい。
放射線照射装置12は、放射線Rの照射の指示を受け付けると、設定された管電圧、管電流、及び照射期間等の照射条件に従って、放射線源14から放射線Rを照射する。なお、以下では、放射線Rの線量を、単に「放射線量」という。
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16は、放射線照射装置12から照射され、被検体Wを透過した放射線Rを各々検出する第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bを備えている。放射線画像撮影装置16は、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bを用いて、被検体Wの放射線画像を撮影する。なお、以下では、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bを区別せずに総称する場合は、「放射線検出器20」という。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16の構成について説明する。図2に示すように、放射線画像撮影装置16は、放射線Rを透過する平板状の筐体21を備え、防水性、抗菌性、及び密閉性を有する構造とされている。筐体21内には、第1放射線検出器20A、第2放射線検出器20B、放射線制限部材24、制御基板25、制御基板26A、制御基板26B、及びケース28が設けられている。
第1放射線検出器20Aは、放射線Rの入射側に配置され、第2放射線検出器20Bは、第1放射線検出器20Aの放射線Rが透過されて出射される側に積層されて配置されている。また、第1放射線検出器20Aは、TFT(Thin Film Transistor)基板30A、及び放射線Rが照射されることにより光を発する発光層の一例としてのシンチレータ22Aを備えている。また、TFT基板30A及びシンチレータ22Aは、放射線Rの入射側からTFT基板30A及びシンチレータ22Aの順番で積層されている。なお、上記「積層」とは、放射線画像撮影装置16における放射線Rの入射側又は出射側から視認した場合に、第1放射線検出器20Aと第2放射線検出器20Bとが重なって視認される状態のことをいい、具体的にどのように重なっているかは問わない。例えば、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20B、又は、第1放射線検出器20A、放射線制限部材24、及び第2放射線検出器20Bが、互いに接触した状態で重なっていてもよいし、積層方向に空間を有した状態で重なっていてもよい。
また、第2放射線検出器20Bは、TFT基板30B、及び上記発光層の一例としてのシンチレータ22Bを備えている。また、TFT基板30B及びシンチレータ22Bは、放射線Rの入射側からTFT基板30B及びシンチレータ22Bの順番で積層されている。
すなわち、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bは、TFT基板30A、30B側から放射線Rが照射される表面読取方式(所謂ISS(Irradiation Side Sampling)方式)の放射線検出器である。
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16では、第1放射線検出器20Aのシンチレータ22Aと、第2放射線検出器20Bのシンチレータ22Bとは、シンチレータの組成が異なる。具体的には、一例として、シンチレータ22Aは、CsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を含んで構成され、シンチレータ22Bは、GOS(ガドリニウム硫酸化物)を含んで構成されている。なお、シンチレータ22Aの組成及びシンチレータ22Bの組成の組み合わせは、上記の例に限定されず、他の組成の組み合わせでもよいし、同じ組成の組み合わせでもよい。
また、第1放射線検出器20Aと第2放射線検出器20Bとの間には、放射線Rの透過を制限する放射線制限部材24が設けられている。放射線制限部材24の一例としては、銅及びすず等の板状部材が挙げられる。また、この板状部材の厚みは、厚みのばらつきの誤差が1%以下の範囲内で均一であることが好ましい。
制御基板25には、後述する統合制御部71等の電子回路が基板上に形成されている。また、制御基板26Aは、第1放射線検出器20Aに対応して設けられ、後述する画像メモリ56A及び制御部58A等の電子回路が基板上に形成されている。また、制御基板26Bは、第2放射線検出器20Bに対応して設けられ、後述する画像メモリ56B及び制御部58B等の電子回路が基板上に形成されている。また、制御基板25、制御基板26A、及び制御基板26Bは、第2放射線検出器20Bにおける放射線Rの入射側の反対側に配置されている。
ケース28は、筐体21内の一端側の放射線検出器20とは重ならない位置(すなわち、撮影領域の範囲外)に配置され、後述する電源部70等が収容される。なお、ケース28の設置位置は特に限定されず、例えば、第2放射線検出器20Bの放射線の入射側の反対側の位置であって、放射線検出器20と重なる位置に配置されてもよい。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16の電気系の要部構成について説明する。
図3に示すように、TFT基板30Aには、画素32が一方向(図3の行方向)及び一方向に交差する交差方向(図3の列方向)に2次元状に複数設けられている。画素32は、センサ部32A、及び電界効果型薄膜トランジスタ(TFT、以下、単に「薄膜トランジスタ」という。)32Bを含んで構成される。
センサ部32Aは、図示しない上部電極、下部電極、及び光電変換膜等を含み、シンチレータ22Aが発する光を吸収して電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する。薄膜トランジスタ32Bは、センサ部32Aに蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する。なお、センサ部32Aが放射線量の増加で、発生する電荷が増加する変換素子の一例である。
また、TFT基板30Aには、上記一方向に延設され、各薄膜トランジスタ32Bをオン・オフさせるための複数本のゲート配線34が設けられている。また、TFT基板30Aには、上記交差方向に延設され、オン状態の薄膜トランジスタ32Bを介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線36が設けられている。
また、TFT基板30Aの隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ52Aが配置され、他辺側に信号処理部54Aが配置されている。TFT基板30Aの個々のゲート配線34はゲート線ドライバ52Aに接続され、TFT基板30Aの個々のデータ配線36は信号処理部54Aに接続されている。
TFT基板30Aの各薄膜トランジスタ32Bは、ゲート線ドライバ52Aからゲート配線34を介して供給される電気信号により行単位で順にオン状態とされる。そして、オン状態とされた薄膜トランジスタ32Bによって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線36を伝送されて信号処理部54Aに入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像を示す画像データが取得される。
信号処理部54Aは、個々のデータ配線36毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路及びサンプルホールド回路(何れも図示省略)を備えており、個々のデータ配線36を伝送された電気信号は増幅回路で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、及びA/D(Analog/Digital)変換器が順に接続されている。そして、個々のサンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、マルチプレクサにより順次選択された電気信号がA/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
信号処理部54Aには後述する制御部58Aが接続されており、信号処理部54AのA/D変換器から出力された画像データは制御部58Aに順次出力される。制御部58Aには画像メモリ56Aが接続されており、信号処理部54Aから順次出力された画像データは、制御部58Aによる制御によって画像メモリ56Aに順次記憶される。画像メモリ56Aは所定の枚数分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56Aに順次記憶される。
制御部58Aは、CPU(Central Processing Unit)60、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)等を含むメモリ62、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部64を備えている。制御部58Aの一例としては、マイクロコンピュータ等が挙げられる。
統合制御部71は、CPU72、ROMとRAM等を含むメモリ74、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部76を備えている。統合制御部71の一例としては、マイクロコンピュータ等が挙げられる。また、制御部58A及び統合制御部71は、互いに通信可能に接続されている。
通信部66は、制御部58A及び統合制御部71に接続され、無線通信及び有線通信の少なくとも一方により、放射線照射装置12及びコンソール18等の外部の装置との間で各種情報の送受信を行う。電源部70は、前述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ52A、信号処理部54A、画像メモリ56A、制御部58A、統合制御部71、及び通信部66等)に電力を供給する。なお、図3では、錯綜を回避するために、電源部70と各種回路や各素子を接続する配線の図示を省略している。
なお、第2放射線検出器20BのTFT基板30B、ゲート線ドライバ52B、信号処理部54B、画像メモリ56B、及び制御部58Bの各構成部品については、各々第1放射線検出器20Aの対応する構成部品と同様であるため、ここでの説明を省略する。なお、制御部58A及び制御部58Bは、互いに通信可能に接続されている。
以上の構成により、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16は、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bの各々を用いて、放射線画像の撮影を行う。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るコンソール18の構成について説明する。図4に示すように、コンソール18は、コンソール18の全体的な動作を司るCPU80、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM82を備えている。また、コンソール18は、CPU80による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM84、及びHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶部86を備えている。
また、コンソール18は、操作メニュー及び撮影により得られた放射線画像等を表示する表示部88と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル90と、を備えている。また、コンソール18は、無線通信及び有線通信の少なくとも一方により、放射線照射装置12及び放射線画像撮影装置16等の外部の装置との間で各種情報の送受信を行う通信部92を備えている。そして、CPU80、ROM82、RAM84、記憶部86、表示部88、操作パネル90、及び通信部92の各部が、バス94を介して互いに接続されている。
ところで、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16では、第1放射線検出器20A及び放射線制限部材24により放射線Rが吸収されるため、第2放射線検出器20Bに到達する放射線量は、第1放射線検出器20Aに到達する放射線量よりも少なくなる。さらに、放射線制限部材24は、それを構成する素材にもよるが、一般に、放射線Rを構成するエネルギーのうち、軟線成分を硬線成分よりも多く吸収するという特徴を持つ。そのため、第2放射線検出器20Bに到達する放射線Rのエネルギー分布は、第1放射線検出器20Aに到達する放射線Rのエネルギー分布に比べると、硬線成分に偏った分布を持つ。
本実施の形態では、一例として、第1放射線検出器20Aに到達した放射線Rは、第1放射線検出器20Aにより約50%吸収されて放射線画像の撮影に用いられる。また、第1放射線検出器20Aを透過して放射線制限部材24に到達した放射線Rは、放射線制限部材24により約60%吸収される。また、第1放射線検出器20A及び放射線制限部材24を透過して第2放射線検出器20Bに到達した放射線Rは、第2放射線検出器20Bにより約50%吸収されて放射線画像の撮影に用いられる。なお、放射線Rのエネルギーによっては放射線検出器20及び放射線制限部材24による放射線の吸収率は異なるため、スペクトルの形状は変化する。
すなわち、第2放射線検出器20Bによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量(≒第2放射線検出器20Bで発生する電気信号の信号量)は、第1放射線検出器20Aによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量の約20%となる。なお、第1放射線検出器20Aによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量と、第2放射線検出器20Bによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量との比は、上記の比に限らない。但し、第2放射線検出器20Bによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量は、診断の観点から、第1放射線検出器20Aによる放射線画像の撮影に用いられる放射線量の10%以上であることが好ましい。
また、放射線Rは低エネルギーの成分から吸収される。このため、一例として図5に示すように、第2放射線検出器20Bに到達する放射線Rのエネルギー成分は、第1放射線検出器20Aに到達する放射線Rのエネルギー成分の低エネルギー成分が除かれたものとなる。なお、図5は、放射線源14の管電圧を80kVとした場合において、縦軸は放射線Rの単位面積当たりの吸収量を示し、横軸は放射線Rのエネルギーを示している。また、図5の実線L1は、第1放射線検出器20Aが吸収する放射線Rについてのエネルギーと単位面積当たりの吸収量との関係を示している。また、図5の実線L2は、第2放射線検出器20Bが吸収する放射線Rについてのエネルギーと単位面積当たりの吸収量との関係を示している。
前述したように、第2放射線検出器20Bに到達する放射線量は、第1放射線検出器20Aに到達する放射線量よりも少なくなる。従って、予め定められた第1の撮影条件で放射線画像の撮影を行った場合、第2放射線検出器20Bに到達する放射線量が放射線画像の撮影に十分な放射線量に足りない場合がある。なお、ここでいう撮影条件とは、例えば、放射線照射装置12に設定される管電圧、管電流、及び照射期間等の照射条件と撮影回数とを含む条件である。また、ここでいう撮影回数とは、後述するエネルギーサブトラクション画像及び骨密度を得るための一連の撮影における撮影回数を示す。また、本実施の形態では、第1の撮影条件の撮影回数が1回である場合について説明する。
具体的には、例えば、放射線Rの照射開始及び照射停止を各々1回行って、各放射線検出器20による撮影により得られた放射線画像の各々からエネルギーサブトラクション画像及び骨密度を得た場合の撮影回数は1回である。また、例えば、放射線Rの照射開始及び照射停止を2回繰り返し、各回での第1放射線検出器20Aによる撮影により得られた放射線画像の各々からエネルギーサブトラクション画像及び骨密度を得た場合の撮影回数は2回である。
上記第1の撮影条件での放射線画像の撮影において、第2放射線検出器20Bに到達する放射線量が放射線画像の撮影に十分な放射線量に足りない場合、撮影条件を、第1の撮影条件とは異なる第2の撮影条件に変えて放射線画像の撮影を再度行う必要がある。そこで、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16は、第1の撮影条件で放射線画像撮影装置16により撮影された場合の第1電気信号及び第2電気信号の少なくとも一方に応じた値が閾値未満である場合に、第1電気信号及び第2電気信号の少なくとも一方を用いて、第2の撮影条件を導出する。
上記第1電気信号とは、第1の撮影条件で放射線画像撮影装置16により撮影された場合の第1放射線検出器20Aの画素32で発生する電荷が変換された電気信号であって、上記電荷が増加するほど大きくなる信号である。また、上記第2電気信号とは、第1の撮影条件で放射線画像撮影装置16により撮影された場合の第2放射線検出器20Bの画素32で発生する電荷が変換された電気信号であって、上記電荷が増加するほど大きくなる信号である。
本実施の形態では、上記第1電気信号として、第1放射線検出器20Aの画素32に蓄積された電荷、具体的には、第1放射線検出器20Aの画素32の画素値を適用した場合について説明する。また、上記第2電気信号として、第2放射線検出器20Bの画素32に蓄積された電荷、具体的には、第2放射線検出器20Bの画素32の画素値を適用した場合について説明する。
次に、図6〜図14を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の作用を説明する。なお、図6は、ユーザにより操作パネル90を介して被検体Wの氏名、撮影部位、及び上記第1の撮影条件等を含む撮影メニューが入力された場合にコンソール18のCPU80によって実行される全体撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この全体撮影処理プログラムはコンソール18のROM82に予めインストールされている。
また、図12は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の制御部58Aによって実行される第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この第1撮影処理プログラムは制御部58Aのメモリ62のROMに予めインストールされている。
また、図13は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の制御部58Bによって実行される第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この第2撮影処理プログラムは制御部58Bのメモリ62のROMに予めインストールされている。
また、図14は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の統合制御部71によって実行される撮影条件導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この撮影条件導出処理プログラムは統合制御部71のメモリ74のROMに予めインストールされている。
なお、以下では、第1放射線検出器20Aにより撮影された放射線画像を「第1放射線画像」といい、第1放射線画像を示す画像データを「第1放射線画像データ」という。また、以下では、第2放射線検出器20Bにより撮影された放射線画像を「第2放射線画像」といい、第2放射線画像を示す画像データを「第2放射線画像データ」という。
図6のステップ100で、CPU80は、入力された撮影メニューに含まれる情報を放射線画像撮影装置16に通信部92を介して送信し、かつ放射線Rの照射条件を放射線照射装置12に通信部92を介して送信する。そして、CPU80は、放射線Rの照射開始の指示を放射線画像撮影装置16及び放射線照射装置12に通信部92を介して送信する。放射線照射装置12は、コンソール18から送信された照射条件及び照射開始の指示を受信すると、受信した照射条件に従って放射線Rの照射を開始する。なお、放射線照射装置12が照射ボタンを備えている場合は、放射線照射装置12は、コンソール18から送信された照射条件及び照射開始の指示を受信し、かつ照射ボタンが押圧操作された場合に、受信した照射条件に従って放射線Rの照射を開始する。
次のステップ102で、CPU80は、後述するように放射線画像撮影装置16により送信されたデータを受信するまで待機する。CPU80が、放射線画像撮影装置16により送信されたエラー情報と、第1放射線画像データ及び第2放射線画像データと、管電圧及び管電流を示す情報と、撮影回数情報との何れかを受信するとステップ102が肯定判定となり、処理はステップ104に移行する。
ステップ104で、CPU80は、ステップ102で受信されたデータが、後述する撮影条件導出処理のステップ232の処理により送信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データの2つの画像データであるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ106に移行する。ステップ106で、CPU80は、図7に示す画像生成処理を実行した後、本全体撮影処理を終了する。
図7のステップ140で、CPU80は、上記ステップ102で受信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを、各々記憶部86に記憶する。次のステップ142で、CPU80は、上記ステップ102で受信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを用いて、エネルギーサブトラクション画像を示す画像データを生成する。なお、以下では、エネルギーサブトラクション画像を「ES(Energy Subtraction)画像」といい、エネルギーサブトラクション画像を示す画像データを「ES画像データ」という。
本実施の形態では、CPU80は、第1放射線画像データに所定の係数を乗算して得られた画像データを、第2放射線画像データに所定の係数を乗算して得られた画像データから対応する画素毎に減算する。この減算を行うことにより、CPU80は、軟部組織を除去し、骨部組織を強調したES画像を示すES画像データを生成する。なお、第1放射線画像データと第2放射線画像データとの対応する画素の決定方法は特に限定されない。例えば、事前にマーカーが写り込む状態で放射線画像撮影装置16により撮影を行って得られた第1放射線画像データと第2放射線画像データとにおけるマーカーの位置の差異から、第1放射線画像データと第2放射線画像データとの位置ずれ量を算出する。そして、算出した位置ずれ量に基づいて、第1放射線画像データと第2放射線画像データとの対応する画素を決定すればよい。
この場合、例えば、被検体Wの撮影時に、被検体Wと一緒にマーカーも撮影して得られた第1放射線画像データと第2放射線画像データとにおけるマーカーの位置の差異から、第1放射線画像データと第2放射線画像データとの位置ずれ量を算出してもよい。また、例えば、被検体Wを撮影して得られた第1放射線画像データと第2放射線画像データとにおける被検体Wの構造に基づいて、第1放射線画像データと第2放射線画像データとの位置ずれ量を算出してもよい。
次のステップ144で、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データにより示されるES画像における骨部組織の領域(以下、「骨部領域」という。)を決定する。本実施の形態では、例えば、CPU80は、撮影メニューに含まれる撮影部位に基づいて、おおよその骨部領域の範囲を推定する。そして、CPU80は、推定した範囲内において、周辺画素の微分値が所定値以上の画素を、骨部領域のエッジ(端部)を構成する画素として検出することで、骨部領域を決定する。
一例として図8に示すように、本ステップ144の処理により、CPU80は、骨部領域BのエッジEを検出し、エッジE内の領域を骨部領域Bと決定する。図8では、一例として、被検体Wの上半身の背骨部分を撮影した場合のES画像を示している。
なお、骨部領域Bの決定方法は上記の例に限定されない。例えば、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データにより示されるES画像を表示部88に表示する。ユーザは表示部88に表示されたES画像に対して、操作パネル90を介して骨部領域BのエッジEを指定する。そして、CPU80は、ユーザにより指定されたエッジE内の領域を骨部領域Bと決定してもよい。
また、CPU80は、ES画像と、ステップ144で検出されたエッジEとを重畳させた画像を表示部88に表示してもよい。この場合、ユーザは、表示部88に表示されたエッジEを修正する必要がある場合は、操作パネル90を介してエッジEの位置を修正する。そして、CPU80は、ユーザにより修正されたエッジE内の領域を骨部領域Bと決定してもよい。
次のステップ146で、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データにより示されるES画像における軟部組織の領域(以下、「軟部領域」という。)を決定する。本実施の形態では、例えば、CPU80は、エッジEから所定の方向に対して所定の画素数を空けた位置の画素を含む所定の面積の領域であって、骨部領域Bを除く領域を軟部領域と決定する。一例として図8に示すように、本ステップ146の処理により、CPU80は、複数(図8に示す例では6つ)の軟部領域Sを決定する。
なお、上記所定の方向及び所定の画素数は、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、撮影部位等に応じて予め定めておけばよい。また、上記所定の面積は、予め定めておいてもよいし、ユーザに指定させてもよい。また、例えば、CPU80は、ES画像データにおける最小の画素値(骨部領域Bを除いた被検体Wの体厚が最も厚い位置に対応する画素値)を下限値とした所定の範囲内の画素値の画素を軟部領域Sと決定してもよい。また、ステップ146で決定する軟部領域Sの数は、図8に示した例の数に限定されないことは言うまでもない。
次のステップ148で、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データに対し、ES画像の撮影毎のばらつきが許容範囲内となる補正を行う。本実施の形態では、一例として、CPU80は、ES画像データの全周波数帯域に対し、画像のムラを除去する補正を行う。なお、本ステップ148の処理により補正が行われて得られた画像データは、後述するステップ150からステップ154までの処理による骨密度の算出に用いられるため、以下では「DXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)画像データ」という。
次のステップ150で、CPU80は、DXA画像データにおける骨部領域Bの画素値の平均値A1を算出する。次のステップ152で、CPU80は、DXA画像データにおける全ての軟部領域Sの画素値の平均値A2を算出する。ここで、本実施の形態では、一例として、CPU80は、エッジEから遠い軟部領域Sほど画素値が小さくなる重み付けを行って、平均値A2を算出する。なお、ステップ150及びステップ152で平均値A1、A2を算出する前に、メディアンフィルタ等を用いて骨部領域Bの画素値及び軟部領域Sの画素値の異常値を除去してもよい。
次のステップ154で、CPU80は、被検体Wの撮影部位の骨密度を算出する。本実施の形態では、一例として、CPU80は、ステップ150で算出された平均値A1とステップ152で算出された平均値A2との差分を算出する。また、CPU80は、算出した差分に対し、画素値を骨量[g]に変換する変換係数を乗算することにより、骨量を算出する。そして、CPU80は、算出した骨量を、骨部領域Bの面積[cm2]で除算することにより、骨密度[g/cm2]を算出する。なお、上記変換係数は、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、撮影部位等に応じて予め定めておけばよい。
次のステップ156で、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データ、及びステップ154で算出された骨密度を、被検体Wを識別する情報に対応付けて、記憶部86に記憶する。なお、例えば、本ステップ156において、CPU80は、ES画像データ及び骨密度に代えて、上記ステップ102で受信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを、被検体Wを識別する情報に対応付けて、記憶部86に記憶してもよい。また、例えば、ステップ142で生成されたES画像データ、及びステップ154で算出された骨密度と、上記ステップ102で受信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データとの双方を、被検体Wを識別する情報に対応付けて、記憶部86に記憶してもよい。さらに、例えば、CPU80は、今回の撮影における放射線源14の管電圧及び管電流の実績値を各々放射線源14から取得して、取得した実績値も被検体Wを識別する情報に対応付けて、記憶部86に記憶してもよい。
次のステップ158で、CPU80は、ステップ142で生成されたES画像データにより示されるES画像、及びステップ154で算出された骨密度を表示部88に表示した後、本画像生成処理を終了する。
一方、図6のステップ104の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ108に移行する。ステップ108で、CPU80は、ステップ102で受信されたデータが、後述するステップ240の処理により送信された管電圧及び管電流を示す情報であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ110に移行する。
ステップ110で、CPU80は、ステップ102で受信された管電圧及び管電流を示す情報により示される管電圧及び管電流を表示する第1表示画面を表示部88に表示する。図9に、第1表示画面の一例を示す。図9に示すように、本実施の形態に係る第1表示画面では、第1の撮影条件の撮影回数と同じ回数(本実施の形態では、1回。図9に示す例では「1ショット」と表記)で再撮影を行う旨を示す情報が表示される。また、第1表示画面では、ステップ102で受信された管電圧を示す情報が表示される。さらに、第1表示画面では、ステップ102で受信された管電流に第1の撮影条件と同じ照射期間を乗算して得られた値が、放射線源14から照射される放射線Rの線量として表示される。ユーザが放射線画像の撮影を続行する場合は、第1表示画面の下部に表示された続行ボタンを指定する。続行ボタンが指定されると、処理はステップ112に移行する。
次のステップ112で、CPU80は、第1の撮影条件での管電圧及び管電流の各々の設定値と実績値との比から、ステップ102で受信された管電圧及び管電流を補正して、第2の撮影条件での管電圧及び管電流の設定値を導出する。
次のステップ114で、CPU80は、ステップ112で導出された管電圧及び管電流と、第1の撮影条件の照射期間と同じ照射期間とを用いて再撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。具体的には、ステップ112で導出された管電圧及び管電流と、第1の撮影条件の照射期間と同じ照射期間とを用いて上記ステップ100と同様の処理を行う。これにより、放射線画像撮影装置16で後述する第1撮影処理及び第2撮影処理が行われ、第1放射線画像データ及び第2放射線画像データが放射線画像撮影装置16からコンソール18に送信される。CPU80は、第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを受信すると、上記画像生成処理と同じ処理を実行することによって、ES画像データの生成、及び骨密度の導出を行う。なお、この場合、上記画像生成処理において、CPU80は、第1の撮影条件での撮影により得られた第1放射線画像データと、第2放射線画像データと、管電圧及び管電流の実績値との少なくとも一つも、ステップ156の処理で記憶部86に記憶してもよい。
一方、ステップ108の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ116に移行する。ステップ116で、CPU80は、ステップ102で受信されたデータが、後述する撮影条件導出処理のステップ242の処理により送信された撮影回数情報であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ118に移行する。
ステップ118で、CPU80は、ステップ102で受信された撮影回数情報により示される撮影回数を表示する第2表示画面を表示部88に表示する。図10に、第2表示画面の一例を示す。図10に示すように、本実施の形態に係る第2表示画面では、ステップ102で受信された撮影回数情報により示される撮影回数(本実施の形態では、2回。図10に示す例では「2ショット」と表記)で再撮影を行う旨を示す情報が表示される。ユーザが放射線画像の撮影を続行する場合は、第2表示画面の下部に表示された続行ボタンを指定する。続行ボタンが指定されると、処理はステップ120に移行する。
ステップ120で、CPU80は、再撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。具体的には、まず、CPU80は、第1の撮影条件の照射条件と同様の条件で放射線画像を撮影するための制御を行い、第1放射線検出器20Aによる撮影により得られた第1放射線画像データを受信する。次に、CPU80は、第1の撮影条件よりも管電圧を大きくして放射線画像を撮影するための制御を行い、第1放射線検出器20Aによる撮影により得られた第1放射線画像データを受信する。
なお、本ステップ122での再撮影では、撮影を2回行うため、2回の撮影間で被検体Wが動いてしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、CPU80は、まず、受信した2つの第1放射線画像データにより各々示される2つの第1放射線画像における被検体Wの位置ずれ量を導出する。
具体的には、例えば、CPU80は、各第1放射線画像の骨部領域のエッジから複数の解析点を抽出し、対応する解析点同士の位置ずれ量の平均値を導出することで、2つの第1放射線画像間の被検体Wの位置ずれ量を導出する。なお、この解析点を抽出する処理としては、例えば、特開2014−079558号公報に記載されている手法等の公知の手法を適用すればよいため、ここでの説明は省略する。
次に、CPU80は、導出した位置ずれ量が予め定められた閾値未満である場合は、受信した2つの第1放射線画像データを用いて、上記画像生成処理を実行することによって、ES画像データの生成、及び骨密度の導出を行う。一方、CPU80は、導出した位置ずれ量が上記閾値以上である場合は、2つの第1放射線画像間の被検体Wの位置合わせ処理を行う。この位置合わせ処理としては、例えば、特開平10−108073号公報に記載されている手法等の公知の手法を適用すればよいため、ここでの説明は省略する。そして、この場合、CPU80は、2つの第1放射線画像データの各々に対して上記位置合わせ処理を行って得られた2つの画像データを用いて、上記画像生成処理を実行することによって、ES画像データの生成、及び骨密度の導出を行う。
なお、後述する撮影条件導出処理のステップ242の処理によって、放射線画像撮影装置16により撮影回数情報に加えて、管電圧及び管電流も送信された場合は、該管電圧及び管電流を放射線源14に設定して1回目の放射線画像の撮影を行えばよい。また、上記画像生成処理において、CPU80は、第1の撮影条件での撮影により得られた第1放射線画像データと、第2放射線画像データと、管電圧及び管電流の実績値との少なくとも一つも、ステップ156の処理で記憶部86に記憶してもよい。
一方、ステップ116の判定が否定判定となった場合は、ステップ102で受信されたデータが、後述する撮影条件導出処理のステップ228で送信されたエラー情報であると見なして、処理はステップ122に移行する。
ステップ122で、CPU80は、エラー通知画面を表示部88に表示した後、本全体撮影処理を終了する。図11に、エラー通知画面の一例を示す。図11に示すように、本実施の形態に係るエラー通知画面では、第2放射線検出器20Bの画素32に蓄積された電荷量が第1放射線検出器20Aの画素32に蓄積された電荷量以上である旨、及び放射線画像撮影装置16が故障している可能性がある旨を示す情報が表示される。
一方、図12のステップ170で、制御部58Aは、第1放射線検出器20Aの各画素32のセンサ部32Aに蓄積された電荷を取り出して除去するリセット動作を行う。なお、制御部58Aは、本ステップ170でのリセット動作を、1回のみ行ってもよいし、予め定められた複数回繰り返して行ってもよいし、後述するステップ172の判定が肯定判定となるまで繰り返して行ってもよい。
次のステップ172で、制御部58Aは、放射線Rの照射開始の指示を受信するまで待機する。上記全体撮影処理のステップ100の処理によりコンソール18から送信された照射開始の指示を制御部58Aが通信部66を介して受信すると、ステップ172の判定が肯定判定となり、ステップ174に移行する。なお、放射線照射装置12が照射ボタンを備えている場合は、コンソール18から送信された照射開始の指示、及び照射ボタンが押圧操作されたことを示す情報を制御部58Aが通信部66を介して受信した場合に、ステップ172の判定が肯定判定となる。この場合、例えば、放射線照射装置12は、照射ボタンが押圧操作された場合に、照射ボタンが押圧操作されたことを示す情報を、放射線画像撮影装置16に直接送信してもよいし、コンソール18を介して放射線画像撮影装置16に送信してもよい。
ステップ174で、制御部58Aは、上記全体撮影処理のステップ100の処理によりコンソール18から送信された情報に含まれる照射期間の間待機する。
ステップ176で、制御部58Aは、ゲート線ドライバ52Aを制御し、ゲート線ドライバ52Aから第1放射線検出器20Aの各ゲート配線34に1ラインずつ順に所定期間オン信号を出力させる。これにより、各ゲート配線34に接続された各薄膜トランジスタ32Bが1ラインずつ順にオン状態とされ、1ラインずつ順に各センサ部32Aに蓄積された電荷が電気信号として各データ配線36に流れ出す。そして、各データ配線36に流れ出した電気信号は信号処理部54Aでデジタルの画像データに変換されて、画像メモリ56Aに記憶される。
次のステップ178で、制御部58Aは、上記ステップ176で画像メモリ56Aに記憶された画像データに対し、オフセット補正及びゲイン補正等の各種補正を行う画像処理を実行する。次のステップ180で、制御部58Aは、上記ステップ178で画像処理が行われた画像データ(第1放射線画像データ)を統合制御部71に送信した後、本第1撮影処理を終了する。
一方、図13のステップ190で、制御部58Bは、第2放射線検出器20Bの各画素32のセンサ部32Aに蓄積された電荷を取り出して除去するリセット動作を行う。なお、制御部58Bは、本ステップ190でのリセット動作を、1回のみ行ってもよいし、予め定められた複数回繰り返して行ってもよいし、後述するステップ192の判定が肯定判定となるまで繰り返して行ってもよい。
次のステップ192で、制御部58Bは、放射線Rの照射開始の指示を受信するまで待機する。上記全体撮影処理のステップ100の処理によりコンソール18から送信された照射開始の指示を制御部58Bが通信部66を介して受信すると、ステップ192の判定が肯定判定となり、ステップ194に移行する。なお、放射線照射装置12が照射ボタンを備えている場合は、コンソール18から送信された照射開始の指示、及び照射ボタンが押圧操作されたことを示す情報を制御部58Bが通信部66を介して受信した場合に、ステップ192の判定が肯定判定となる。この場合、例えば、放射線照射装置12は、照射ボタンが押圧操作された場合に、照射ボタンが押圧操作されたことを示す情報を、放射線画像撮影装置16に直接送信してもよいし、コンソール18を介して放射線画像撮影装置16に送信してもよい。
ステップ194で、制御部58Bは、上記全体撮影処理のステップ100の処理によりコンソール18から送信された情報に含まれる照射期間の間待機する。
ステップ196で、制御部58Bは、ゲート線ドライバ52Bを制御し、ゲート線ドライバ52Bから第2放射線検出器20Bの各ゲート配線34に1ラインずつ順に所定期間オン信号を出力させる。これにより、各ゲート配線34に接続された各薄膜トランジスタ32Bが1ラインずつ順にオン状態とされ、1ラインずつ順に各センサ部32Aに蓄積された電荷が電気信号として各データ配線36に流れ出す。そして、各データ配線36に流れ出した電気信号は信号処理部54Bでデジタルの画像データに変換されて、画像メモリ56Bに記憶される。
次にステップ198で、制御部58Bは、上記ステップ196で画像メモリ56Bに記憶された画像データに対し、オフセット補正及びゲイン補正等の各種補正を行う画像処理を実行する。次のステップ200で、制御部58Bは、上記ステップ198で画像処理が行われた画像データ(第2放射線画像データ)を統合制御部71に送信した後、本第2撮影処理を終了する。
一方、図14に示す撮影条件導出処理のステップ220で、統合制御部71は、第1放射線画像データ、及び第2放射線画像データを受信するまで待機する。上記ステップ180の処理により送信された第1放射線画像データ、及び上記ステップ200の処理により送信された第2放射線画像データを統合制御部71が受信すると、本ステップ220の判定が肯定判定となり、処理はステップ222に移行する。
ステップ222で、統合制御部71は、ステップ220で受信された第1放射線画像データにより示される第1放射線画像の画素値の平均値(以下、「第1画素値」という)を導出する。本実施の形態では、一例として、統合制御部71は、第1画素値として、第1放射線画像データにおける放射線Rが透過した領域の画素32の画素値の平均値を導出する。放射線Rが透過した領域としては、例えば、ユーザにより予め指定された関心領域(ROI(Region Of Interest))を適用することができる。
次のステップ224で、統合制御部71は、ステップ220で受信された第2放射線画像データにより示される第2放射線画像の画素値の平均値(以下、「第2画素値」という)を導出する。本実施の形態では、一例として、統合制御部71は、第2画素値として、上記ステップ222と同様に、第2放射線画像データにおける放射線Rが透過した領域の画素32の画素値の平均値を導出する。なお、上記ステップ222及びステップ224の各々で画素値の平均値の導出対象とする領域は、放射線Rが透過した領域に限定されないことは言うまでもない。また、例えば、上記ステップ222及びステップ224の各々で画素値の平均値の導出対象とする領域は、ユーザにより設定可能としてもよい。
次のステップ226で、統合制御部71は、ステップ222で導出された第1画素値が、ステップ224で導出された第2画素値より大きいか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップ228に移行する。
前述したように、放射線画像撮影装置16に照射された放射線Rは第1放射線検出器20Aで吸収されるため、第2放射線検出器20Bに到達する放射線量は、第1放射線検出器20Aに到達する放射線量よりも少なくなる。すなわち、放射線画像撮影装置16が正常な状態である場合、ステップ222で導出された第1画素値はステップ224で導出された第2画素値より大きくなる。
そこで、ステップ228で、統合制御部71は、第2放射線検出器20Bに到達した放射線量が、第1放射線検出器20Aに到達した放射線量以上であることを示すエラー情報を、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。
一方、ステップ226の判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ230に移行する。ステップ230で、統合制御部71は、ステップ224で導出された第2画素値が予め定められた閾値TH1未満であるか否かを判定する。なお、閾値TH1としては、例えば、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、上記ステップ106の処理により得られるES画像の画質、及び骨密度の精度が許容範囲内となる下限値として得られた値等を適用すればよい。一例として、本実施の形態では、閾値TH1として、放射線量が0.1[mR]の場合における画素32の画素値を適用している。
また、例えば、本ステップ230において、統合制御部71は、ステップ224で導出された第2画素値、及びステップ222で導出された第1画素値の双方が、閾値TH1未満であるか否かを判定してもよい。また、この場合、第1画素値及び第2画素値の比較対象とする閾値は、異なる値であってもよい。この場合、第1画素値の比較対象とする閾値を第2画素値の比較対象とする閾値よりも大きい値とする形態が例示される。
また、例えば、本ステップ230において、統合制御部71は、ステップ222で導出された第1画素値から第2画素値を推定し、推定した第2画素値が閾値TH1未満であるか否かを判定してもよい。この場合、統合制御部71は、例えば、ステップ222で導出された第1画素値に予め定められた透過率を乗算して得られた値を、第2画素値として導出すればよい。この場合の透過率は、例えば、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、第2放射線検出器20Bに到達した放射線量を、第1放射線検出器20Aに到達した放射線量で除算することで得られた割合等を適用すればよい。また、例えば、本ステップ230において、統合制御部71は、第1画素値が、上記閾値TH1を上記透過率で除算して得られた値未満であるか否かを判定してもよい。
上記ステップ230の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ232に移行する。ステップ232で、統合制御部71は、ステップ220で受信された第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。
一方、上記ステップ230の判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ234に移行する。ステップ234で、統合制御部71は、コンソール18を介して、今回の撮影における放射線源14の管電圧及び管電流の実績値を放射線源14から各々取得する。
次のステップ236で、統合制御部71は、第2の撮影条件として、照射期間を第1の撮影条件の照射期間と同じ期間とし、撮影回数が上記第1の撮影条件での回数と同じ回数である場合において第2画素値が閾値TH1以上となる管電圧及び管電流を導出する。具体的には、一例として、統合制御部71は、閾値TH1をステップ222で導出された第1画素値で除算すること得られた割合を、ステップ234で取得された管電流の実績値に乗算することで、第2の撮影条件の管電流を導出する。なお、この場合、統合制御部71は、導出した管電流に所定のマージンを加味してもよい。
また、統合制御部71は、導出した管電流が放射線源14に設定可能な管電流の上限値以下である場合は、第2の撮影条件の管電圧をステップ234で取得された管電圧とする。一方、統合制御部71は、導出した管電流が放射線源14に設定可能な管電流の上限値を超える場合は、第2の撮影条件の管電流を放射線源14に設定可能な管電流の上限値とする。さらに、この場合、統合制御部71は、導出した管電流と上記管電流の上限値との差に対応する放射線量の分だけ、ステップ234で取得された管電圧を増加させた管電圧を第2の撮影条件の管電圧として導出する。
図5に示したように、各放射線検出器20による放射線Rのエネルギー吸収量は、放射線Rのエネルギーが高くなるほど、ピーク値を超えた以降における差が小さくなる。すなわち、放射線源14の管電圧を大きくするほど、各放射線検出器20による放射線Rのエネルギー吸収量は差が小さくなる。そして、この差が小さくなるほど、各放射線検出器20で撮影された画像には、ES画像として有用な画像差が出にくくなる。そこで、本実施の形態では、第2の撮影条件として、管電圧よりも管電流を優先的に増加させた条件を適用している。
次のステップ238で、統合制御部71は、ステップ236で導出された管電圧及び管電流を放射線源14に設定して放射線画像の撮影を行った場合に、第1放射線画像データの画素値が飽和するか否か判定する。具体的には、統合制御部71は、ステップ220で受信された第1放射線画像データの各画素の画素値と、ステップ234で取得された管電圧及び管電流の実績値から、以下に示す推定値を導出する。すなわち、統合制御部71は、該各画素の画素値と、該実績値から、ステップ236で導出された管電圧及び管電流を放射線源14に設定して放射線画像の撮影を行った場合の第1放射線画像データの各画素の画素値の推定値を導出する。
そして、統合制御部71は、導出した各画素の画素値の推定値が、画素値の上限値を超えるか否かを判定することによって、第1放射線画像データの画素値が飽和するか否か判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ242に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップ240に移行する。
ステップ240で、統合制御部71は、第2の撮影条件として、ステップ236で導出された管電圧及び管電流を示す情報を、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。一方、ステップ242で、統合制御部71は、第2の撮影条件として、撮影回数が複数回(本実施の形態では、2回)であることを示す撮影回数情報を、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。
なお、本ステップ242において、例えば、統合制御部71は、ステップ222で導出された第1画素値が閾値TH1未満である場合、上記ステップ236と同様に、第1画素値が閾値TH1以上となる管電圧及び管電流を導出してもよい。そして、この場合、統合制御部71は、撮影回数情報に加えて、導出した管電圧及び管電流を、通信部66を介してコンソール18に送信する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第2画素値が閾値TH1未満である場合に、第2の撮影条件として、撮影回数が第1の撮影条件での回数と同じ回数である場合において第2画素値が閾値TH1以上となる管電圧及び管電流を導出している。従って、第1の撮影条件に従った撮影での放射線の線量が放射線画像の撮影に不十分な場合に、新たに適切な第2の撮影条件を適用することができる。
なお、本実施の形態では、第2画素値が閾値TH2未満の場合に、管電圧及び管電流を増加させる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、信号処理部54A、54Bの増幅回路の増幅率を増加させる形態としてもよい。
また、本実施の形態において、第1画素値に代えて、第1放射線検出器20Aから出力される電気信号とノイズ量とのS/N(Signal/Noise)比を用いる形態としてもよい。この場合、例えば、S/N比として、第1画素値と、第1画素値の導出対象とされた画素のばらつきの度合を表す値(例えば、標準偏差)との比を適用する形態が例示される。さらに、この場合、第2画素値についても同様に、第2放射線検出器20Bから出力される電気信号とノイズ量とのS/N比を用いる形態が例示される。
また、本実施の形態において、第2画素値が閾値TH1以上である場合に、第1画素値と第2画素値との差が閾値未満であるか否かを判定する形態としてもよい。この場合、該差が閾値以上である場合は、上記ステップ232の処理により第1放射線画像データ及び第2放射線画像データをコンソール18に送信する。また、この場合、該差が閾値未満である場合は、第2の撮影条件の管電圧として、第1の撮影条件の管電圧より大きい管電圧を導出する形態が例示される。この場合の閾値としては、例えば、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、ES画像として有用な画像差が出る下限値として得られた値等を適用すればよい。
また、本実施の形態のステップ230において、上記第1信号と上記第2信号との差(すなわち、第1画素値と第2画素値との差)が閾値未満であるか否かを判定する形態としてもよい。例えば、被検体Wの撮影部位に金属プレート等が埋め込まれている場合は、上記第1信号と上記第2信号との差が比較的小さくなり、かつ第2放射線検出器20Bに到達する放射線量も比較的少なくなる。このような場合は、上記第1信号と上記第2信号との差が閾値未満である場合に、第2の撮影条件を導出する形態としてもよい。
また、本実施の形態のステップ230において、ステップ220で受信された第2放射線画像データにより示される第2放射線画像に対して、被検体Wの骨部領域を検出させる処理等の予め定められた画像処理を行う形態としてもよい。この場合、この画像処理が正常終了した場合にステップ230の判定が否定判定となり、この画像処理が異常終了した場合にステップ230の判定が肯定判定となる形態が例示される。
また、本実施の形態のステップ238において、第1画素値が飽和すると判定された場合に、信号処理部54A、54Bの増幅回路の増幅率を低下させる形態としてもよい。
また、本実施の形態では、第2の撮影条件の照射期間を第1の撮影条件の照射期間と同じ期間とした場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第2の撮影条件の照射期間を第1の撮影条件の照射期間と異なる期間としてもよい。この場合、例えば、上記ステップ236において、統合制御部71は、第2の撮影条件として、管電圧及び管電流を第1の撮影条件の管電圧及び管電流と同じ値とし、撮影回数が第1の撮影条件での回数と同じ回数である場合において第2画素値が閾値TH1以上となる照射期間を導出する形態が例示される。さらに、この場合、ステップ114において、CPU80は、第1の撮影条件と同じ管電圧及び管電流と、統合制御部71により導出された照射期間とを用いて、再撮影を行うための制御を行う形態が例示される。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の構成は、放射線画像撮影装置16の電気系の要部構成以外は上記第1の実施の形態と同様(図1、図2、及び図4参照)であるため、ここでの説明を省略する。また、上記第1の実施の形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図15を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16の電気系の要部構成について説明する。
図15に示すように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置16では、TFT基板30A、30Bに設けられている画素32の一部が、放射線Rの照射検出用の画素32Eに置き換えられている点が上記第1の実施の形態とは異なっている。また、本実施の形態に係る放射線検出器20Aは、TFT基板30Aを挟んだゲート線ドライバ52Aの反対側に、第2信号処理部55Aをさらに備えている。なお、画素32Eの配置状態は、特に限定されず、例えば、TFT基板30A上の全体において、均一に分布するように画素32Eが配置されていてもよい。また、例えば、放射線検出器20Aの撮影領域の中央部を含む一部の領域(例えば、TFT基板30Aの中央部の画素32を中心とする所定の画素数の矩形の領域)内に、画素32Eが配置されていてもよい。
画素32Eは、画素32と同様に、センサ部32A及び薄膜トランジスタ32Bを含んで構成される。また、画素32Eを構成するセンサ部32Aと薄膜トランジスタ32Bとの接続部には、直接読出配線38の一端部が接続されている。
また、直接読出配線38の他端部は、第2信号処理部55Aに接続されている。第2信号処理部55Aは、直接読出配線38毎に設けられた増幅器及びA/D変換器(何れも図示省略)を備えており、制御部58Aと接続されている。第2信号処理部55Aは、制御部58Aからの制御により、所定の周期で各直接読出配線38のサンプリングを行って各直接読出配線38を伝送される電気信号をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを順次、制御部58Aへ出力する。このデジタルデータが放射線量を示すものであり、制御部58Aは、第2信号処理部55Aを制御することにより、第1放射線検出器20Aに照射された放射線量を逐次検出する。
なお、第2放射線検出器20BのTFT基板30B上の画素32E、直接読出配線38、及び第2信号処理部55Bの各構成部品については、各々第1放射線検出器20Aの対応する構成部品と同様であるため、ここでの説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1電気信号として、制御部58Aが第2信号処理部55Aを制御することにより逐次検出した第1放射線検出器20Aに照射された放射線量の累積値を適用した場合について説明する。また、上記第2電気信号として、制御部58Bが第2信号処理部55Bを制御することにより逐次検出した第2放射線検出器20Bに照射された放射線量の累積値を適用した場合について説明する。
次に、図16〜図18を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の作用を説明する。なお、本実施の形態に係る全体撮影処理プログラム及び画像生成処理プログラムの処理の流れは、上記第1の実施の形態(図6及び図7参照)と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図16は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の制御部58Aによって実行される第1撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この第1撮影処理プログラムは制御部58Aのメモリ62のROMに予めインストールされている。また、図16における図12と同一の処理を実行するステップについては図12と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
また、図17は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の制御部58Bによって実行される第2撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この第2撮影処理プログラムは制御部58Bのメモリ62のROMに予めインストールされている。また、図17における図13と同一の処理を実行するステップについては図13と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
また、図18は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の統合制御部71によって実行される撮影条件導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この撮影条件導出処理プログラムは統合制御部71のメモリ74のROMに予めインストールされている。また、図18における図14と同一の処理を実行するステップについては図14と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図16のステップ173で、制御部58Aは、第2信号処理部55Aを制御することにより、第2信号処理部55Aから出力された放射線量を示すデジタルデータを取得し、取得したデジタルデータの累積値を導出する。以下では、本ステップ173の処理により導出された累積値を「第1累積値」という。
制御部58Aは、本ステップ173の処理をステップ174の判定が肯定判定となるまで繰り返す。ステップ175で、制御部58Aは、ステップ173の処理により導出された第1累積値を統合制御部71に送信する。ステップ178Aで、制御部58Aは、上記ステップ178と同様に、上記ステップ176で画像メモリ56Aに記憶された画像データに対し、オフセット補正及びゲイン補正等の各種補正を行う画像処理を実行する。さらに、制御部58Aは、画素32Eの配置位置における放射線画像の画素情報を、画素32Eの周囲に位置する画素32により得られた画素情報を用いて補間する欠陥画素補正処理も実行する。
一方、図17のステップ193で、制御部58Bは、第2信号処理部55Bを制御することにより、第2信号処理部55Bから出力された放射線量を示すデジタルデータを取得し、取得したデジタルデータの累積値を導出する。以下では、本ステップ193の処理により導出された累積値を「第2累積値」という。
制御部58Bは、本ステップ193の処理をステップ194の判定が肯定判定となるまで繰り返す。ステップ195で、制御部58Bは、ステップ193の処理により導出された第2累積値を統合制御部71に送信する。ステップ198Aで、制御部58Bは、上記ステップ198と同様に、上記ステップ196で画像メモリ56Bに記憶された画像データに対し、オフセット補正及びゲイン補正等の各種補正を行う画像処理を実行する。さらに、制御部58Bは、画素32Eの配置位置における放射線画像の画素情報を、画素32Eの周囲に位置する画素32により得られた画素情報を用いて補間する欠陥画素補正処理も実行する。
また、図18のステップ219Aで、統合制御部71は、第1累積値及び第2累積値を受信するまで待機する。上記ステップ175の処理により送信された第1累積値、及び上記ステップ195の処理により送信された第2累積値を統合制御部71が受信すると、本ステップ219Aの判定が肯定判定となり、処理はステップ219Bに移行する。
ステップ219Bで、統合制御部71は、ステップ219Aで受信された第1累積値が、ステップ219Aで受信された第2累積値より大きいか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップ228に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップ220に移行する。
ステップ230Aで、統合制御部71は、ステップ219Aで受信された第2累積値が予め定められた閾値TH2未満であるか否かを判定する。なお、閾値TH2としては、例えば、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、上記ステップ106の処理により得られるES画像の品質、及び骨密度の精度が許容範囲内となる値として予め定められた値等を適用すればよい。一例として、本実施の形態では、閾値TH2として、放射線量が0.1[mR]の場合における第2累積値を適用している。
また、例えば、本ステップ230Aにおいて、統合制御部71は、ステップ219Aで受信された第1累積値及び第2累積値の双方が、閾値TH2未満であるか否かを判定してもよい。また、この場合、第1累積値及び第2累積値の比較対象とする閾値は、異なる値であってもよい。この場合、第1累積値の比較対象とする閾値を第2累積値の比較対象とする閾値よりも大きい値とする形態が例示される。
また、例えば、本ステップ230Aにおいて、統合制御部71は、ステップ219Aで受信された第1累積値から第2累積値を推定し、推定した第2累積値が閾値TH2未満であるか否かを判定してもよい。この場合、統合制御部71は、例えば、ステップ219Aで受信された第1累積値に上記透過率を乗算して得られた値を、第2累積値として導出すればよい。また、例えば、本ステップ230Aにおいて、統合制御部71は、第1累積値が、上記閾値TH2を上記透過率で除算して得られた値未満であるか否かを判定してもよい。
上記ステップ230Aの判定が否定判定となった場合は、処理はステップ232に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップ234に移行する。
ステップ236Aで、統合制御部71は、第2の撮影条件として、照射期間を第1の撮影条件の照射期間と同じ期間とし、撮影回数が上記第1の撮影条件での回数と同じ回数である場合において第2累積値が閾値TH2以上となる管電圧及び管電流を導出する。具体的には、一例として、統合制御部71は、閾値TH2をステップ219Aで受信された第2累積値で除算すること得られた割合を、ステップ234で取得された管電流の実績値に乗算することで、第2の撮影条件の管電流を導出する。なお、この場合、統合制御部71は、導出した管電流に所定のマージンを加味してもよい。
また、統合制御部71は、導出した管電流が放射線源14に設定可能な管電流の上限値以下である場合は、第2の撮影条件の管電圧をステップ234で取得された管電圧とする。一方、統合制御部71は、導出した管電流が放射線源14に設定可能な管電流の上限値を超える場合は、第2の撮影条件の管電流を放射線源14に設定可能な管電流の上限値とする。さらに、この場合、統合制御部71は、導出した管電流と上記管電流の上限値との差に対応する放射線量の分だけ、ステップ234で取得された管電圧を増加させた管電圧を第2の撮影条件の管電圧として導出する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施の形態によれば、第2放射線検出器に照射された放射線の線量を逐次検出している。また、本実施の形態によれば、検出した線量の累積値が閾値未満である場合に、第2の撮影条件として、撮影回数が第1の撮影条件での回数と同じ回数である場合において累積値が閾値以上となる管電圧及び管電流を導出している。従って、上記第1の実施の形態に比較して、早期に第2放射線検出器に照射された放射線の線量が閾値未満であるか否かを判定することができる。
なお、本実施の形態では、画素32EをTFT基板30B上に設けることで、第2放射線検出器20Bに照射された放射線量を逐次検出する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第2放射線検出器20Bとは別体で設けられたセンサで第2放射線検出器20Bに照射された放射線量を逐次検出する形態としてもよい。この場合、例えば、放射線制限部材24と第2放射線検出器20Bとの間の放射線Rが照射される領域に、放射線Rの照射量を検出するセンサを設ける形態が例示される。
また、上記第2撮影処理(図17参照)において、ステップ193で導出された第2累積値が閾値TH2以上となった場合に、照射期間が経過する前でもステップ195以降の処理を実行する形態としてもよい。この場合、例えば、制御部58Bが、コンソール18を介して、放射線照射装置12に放射線Rの照射を停止する指示を示す指示情報を送信してもよい。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の構成は、上記第1の実施の形態と同様(図1〜図4参照)であるため、ここでの説明を省略する。また、上記第1の実施の形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下では、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で行ったES画像及び骨密度を得るための撮影を「本撮影」という。
本実施の形態では、例えば被検体Wの位置合わせ等のために、本撮影に先立って該本撮影よりも照射される放射線量が少ない事前撮影を行う場合について説明する。すなわち、事前撮影では、第1の撮影条件に含まれる照射条件の管電圧、管電流、及び照射期間の値の少なくとも1つが、本撮影での値より小さい値とされることで、本撮影より放射線量が少ない状態で放射線画像の撮影が行われる。
また、本実施の形態では、事前撮影において、各放射線検出器20のうち、第1放射線検出器20Aによる撮影により得られた第1放射線画像データを用いて、本撮影での撮影条件(すなわち、第2の撮影条件)を導出する場合について説明する。
次に、図19〜図23を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の作用を説明する。なお、本実施の形態に係る画像生成処理プログラム及び第1撮影処理プログラムの処理の流れは、上記第1の実施の形態(図7及び図12参照)と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図19は、ユーザにより操作パネル90を介して被検体Wの氏名、撮影部位、及び上記第1の撮影条件等を含む撮影メニューが入力された場合にコンソール18のCPU80によって実行される全体撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この全体撮影処理プログラムはコンソール18のROM82に予めインストールされている。
また、図22は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の統合制御部71によって実行される撮影条件導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この撮影条件導出処理プログラムは統合制御部71のメモリ74のROMに予めインストールされている。
図19のステップ300で、CPU80は、上記ステップ100と同様に、入力された撮影メニューに含まれる情報を放射線画像撮影装置16に通信部92を介して送信し、かつ放射線Rの照射条件を放射線照射装置12に通信部92を介して送信する。そして、CPU80は、放射線Rの照射開始の指示を放射線画像撮影装置16及び放射線照射装置12に通信部92を介して送信する。放射線照射装置12は、コンソール18から送信された照射条件及び照射開始の指示を受信すると、受信した照射条件に従って放射線Rの照射を開始する。
次のステップ302で、CPU80は、第1放射線画像データと、管電圧と管電流とを示す情報、撮影回数情報、又は後述する第1情報とを受信するまで待機する。CPU80が、放射線画像撮影装置16により送信された第1放射線画像データを受信し、かつ管電圧と管電流とを示す情報、撮影回数情報、又は第1情報を受信するとステップ302が肯定判定となり、処理はステップ304に移行する。
ステップ304で、CPU80は、ステップ302で受信されたデータに、後述する撮影条件導出処理のステップ348の処理により送信された管電圧及び管電流を示す情報が含まれるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ306に移行する。
ステップ306で、CPU80は、ステップ302で受信された管電圧及び管電流を示す情報、及び第1放射線画像データにより示される第1放射線画像を表示する第3表示画面を表示部88に表示する。図20に、第3表示画面の一例を示す。図20に示すように、本実施の形態に係る第3表示画面では、上記第1表示画面に表示された情報と同様の情報、及びステップ302で受信された第1放射線画像データにより示される第1放射線画像Gが表示される。ユーザは、第1放射線画像Gを目視で確認し、必要に応じて、被検体Wの位置合わせを行う。また、ユーザは、放射線画像の撮影を続行する場合は、第3表示画面の下部に表示された続行ボタンを指定する。続行ボタンが指定されると、処理はステップ308に移行する。
ステップ308で、CPU80は、上記ステップ112と同様に、第2の撮影条件での管電圧及び管電流の設定値を導出する。次のステップ310で、CPU80は、上記ステップ114と同様に、ステップ308で導出された管電圧及び管電流を用いて本撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。
一方、上記ステップ304の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ312に移行する。ステップ312で、CPU80は、ステップ302で受信されたデータに、後述する撮影条件導出処理のステップ350の処理により送信された撮影回数情報が含まれるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ314に移行する。
ステップ314で、CPU80は、ステップ302で受信された撮影回数情報、及び第1放射線画像データにより示される第1放射線画像を表示する第4表示画面を表示部88に表示する。図21に、第4表示画面の一例を示す。図21に示すように、本実施の形態に係る第4表示画面では、上記第2表示画面に表示された情報と同様の情報、及びステップ302で受信された第1放射線画像データにより示される第1放射線画像Gが表示される。ユーザは、第1放射線画像Gを目視で確認し、必要に応じて、被検体Wの位置合わせを行う。また、ユーザは、放射線画像の撮影を続行する場合は、第4表示画面の下部に表示された続行ボタンを指定する。続行ボタンが指定されると、処理はステップ316に移行する。一方、ユーザは、放射線画像の撮影を中止する場合は、第4表示画面の下部に表示された中止ボタンを指定する。中止ボタンが指定されると、CPU80は、本全体撮影処理プログラムの実行を中止し、放射線画像撮影装置16を待機状態へ移行させる。
ステップ316で、CPU80は、本撮影の照射条件として予め定められた条件を用いて、上記ステップ120と同様に本撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。
一方、上記ステップ312の判定が否定判定となった場合は、ステップ302で受信されたデータに、後述する撮影条件導出処理のステップ352の処理により送信された第1情報が含まれると見なして、処理はステップ318に移行する。
ステップ318で、CPU80は、本撮影での照射条件として予め定められた管電圧及び管電流を示す情報、及び第1放射線画像データにより示される第1放射線画像を表示する第5表示画面を表示部88に表示する。なお、第5表示画面では、上記第3表示画面における管電圧及び管電流の値のみが異なる画面が表示されるため、ここでの説明を省略する。
ステップ320で、CPU80は、上記予め定められた条件を用いて、上記ステップ114と同様に本撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。
一方、図22のステップ330で、統合制御部71は、第1放射線画像データを受信するまで待機する。上記第1撮影処理のステップ180の処理により送信された第1放射線画像データを統合制御部71が受信すると、本ステップ330の判定が肯定判定となり、処理はステップ332に移行する。
ステップ332で、統合制御部71は、ステップ330で受信された第1放射線画像データを用いて濃度ヒストグラムを生成する。図23に、濃度ヒストグラムの一例を示す。なお、図23では、被検体Wの胸部を撮影した場合の濃度ヒストグラムを示している。また、図23の右端のピークは、被検体Wを透過していない素抜け部の画素の濃度に対応している。そして、統合制御部71は、生成した濃度ヒストグラム及び撮影部位に基づいて、第1放射線画像の被検体Wを透過した領域における比較的低濃度となる濃度Nを特定する。例えば、図23に示す例では、統合制御部71は、被検体Wの縦隔に対応する画素の濃度Nを特定する。
次のステップ334で、統合制御部71は、ステップ330で受信された第1放射線画像データにおけるステップ332で特定された濃度N以下の濃度の画素を、処理対象の画素(以下、「処理対象画素」という)として特定する。次のステップ336で、統合制御部71は、第1画素値として、第1放射線画像データにおける処理対象画素の画素値の平均値を導出する。ステップ332〜ステップ336の処理により、関心領域における放射線量が比較的少ない領域の画素値の平均値が導出される。
ステップ338で、統合制御部71は、ステップ336で導出された第1画素値が予め定められた閾値TH3未満であるか否かを判定する。なお、閾値TH3としては、例えば、放射線画像撮影装置16の実機を用いた実験等により、本撮影における上記ステップ106の処理により得られるES画像の画質、及び骨密度の精度が許容範囲内となる下限値として得られた値等を適用すればよい。上記ステップ338の判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ340に移行する。
ステップ340で、統合制御部71は、第2画素値の推定値として、ステップ334で導出された第1画素値に上記透過率を乗算した値を導出する。次のステップ342で、統合制御部71は、コンソール18を介して、今回の事前撮影における放射線源14の管電圧及び管電流の実績値を放射線源14から各々取得する。次のステップ344で、統合制御部71は、上記ステップ236と同様に、ステップ340で導出された第2画素値を用いて、本撮影での第2画素値が閾値TH1以上となる管電圧及び管電流を導出する。
次のステップ346で、統合制御部71は、ステップ238と同様に、ステップ344で導出された管電圧及び管電流を放射線源14に設定して放射線画像の撮影を行った場合に、第1放射線画像データの画素値が飽和するか否か判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ350に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップ348に移行する。
ステップ348で、統合制御部71は、ステップ344で導出された管電圧及び管電流を示す情報を、通信部66を介してコンソール18に送信する。一方、ステップ350で、統合制御部71は、撮影回数が複数回(本実施の形態では、2回)であることを示す撮影回数情報を、通信部66を介してコンソール18に送信する。
一方、上記ステップ338の判定が否定判定となった場合は、処理はステップ352に移行する。ステップ352で、統合制御部71は、ステップ336で導出された第1画素値が閾値TH3以上であることを示す第1情報を、通信部66を介してコンソール18に送信する。
ステップ354で、統合制御部71は、ステップ330で受信された第1放射線画像データを、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。ステップ348、ステップ350、又はステップ352と、ステップ354との処理によりデータが送信されると、上記全体撮影処理のステップ302の判定が肯定判定となる。
なお、事前撮影の間、第2放射線検出器20Bについては、上記第2撮影処理を実行してもよいし、画素32に蓄積された電荷を掃き出す処理を実行してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施の形態によれば、事前撮影での第1放射線画像データに基づいて、第2の撮影条件を導出している。従って、上記第1及び第2の実施の形態に比較して、少ない放射線量で第2の撮影条件を導出することができる。
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の構成は、上記第1の実施の形態と同様(図1〜図4参照)であるため、ここでの説明を省略する。また、上記第1の実施の形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図24〜図26を参照して、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10の作用を説明する。なお、本実施の形態に係る画像生成処理プログラム、第1撮影処理プログラム、及び第2撮影処理プログラムの処理の流れは、上記第1の実施の形態(図7、図12、及び図13参照)と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図24は、ユーザにより操作パネル90を介して被検体Wの氏名、撮影部位、及び上記第1の撮影条件等を含む撮影メニューが入力された場合にコンソール18のCPU80によって実行される全体撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この全体撮影処理プログラムはコンソール18のROM82に予めインストールされている。また、図24における図6と同一の処理を実行するステップについては図6と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
また、図26は、放射線画像撮影装置16の電源がオン状態とされた場合に放射線画像撮影装置16の統合制御部71によって実行される撮影条件導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、この撮影条件導出処理プログラムは統合制御部71のメモリ74のROMに予めインストールされている。また、図26における図14と同一の処理を実行するステップについては図14と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図24のステップ102Aで、CPU80は、放射線画像撮影装置16により送信されたデータを受信するまで待機する。CPU80が、放射線画像撮影装置16により送信されたエラー情報と、第1放射線画像データ及び第2放射線画像データと、撮影回数情報との何れかを受信するとステップ102Aが肯定判定となり、処理はステップ104に移行する。
ステップ116の判定が肯定判定となった場合は、処理はステップ110Aに移行し、否定判定となった場合は、ステップ102Aで受信されたデータが、ステップ228で送信されたエラー情報であると見なして、処理はステップ122に移行する。CPU80が、後述する撮影条件導出処理のステップ372で送信された撮影回数情報を受信すると、ステップ116が肯定判定となる。
ステップ110Aで、CPU80は、ステップ102Aで受信された撮影回数情報を表示する第6表示画面を表示部88に表示する。図25に、第6表示画面の一例を示す。図25に示すように、本実施の形態に係る第6表示画面では、ステップ102Aで受信された撮影回数情報により示される撮影回数(本実施の形態では、2回。図25に示す例では「2ショット」と表記)で、2つの放射線検出器を用いて再撮影を行う旨を示す情報が表示される。ユーザが放射線画像の撮影を続行する場合は、第6表示画面の下部に表示された続行ボタンを指定する。続行ボタンが指定されると、処理はステップ114Aに移行する。一方、ユーザは、放射線画像の撮影を中止する場合は、第6表示画面の下部に表示された中止ボタンを指定する。中止ボタンが指定されると、CPU80は、本全体撮影処理プログラムの実行を中止し、放射線画像撮影装置16を待機状態へ移行させる。
ステップ114Aで、CPU80は、再撮影を行うための制御を行った後、本全体撮影処理を終了する。具体的には、まず、CPU80は、第1の撮影条件の照射条件と同様の条件で放射線画像を撮影するための制御を行う。これにより、CPU80は、第1放射線検出器20Aによる撮影により得られた第1放射線画像データ、及び第2放射線検出器20Bよる撮影により得られた第2放射線画像データを受信する。
また、CPU80は、上記の制御を、ステップ102Aで受信された撮影回数情報により示される撮影回数だけ繰り返す。これにより、CPU80は、撮影回数と同様の数の第1放射線画像データ及び第2放射線画像データを各々受信する。
また、CPU80は、受信した複数の第1放射線画像データにおける対応する画素同士の画素値の平均値を導出することによって第1平均画像データを生成する。さらに、CPU80は、受信した複数の第2放射線画像データにおける対応する画素同士の画素値の平均値を導出することによって第2平均画像データを生成する。そして、CPU80は、第1平均画像データ及び第2平均画像データを用いて、上記画像生成処理を実行することによって、ES画像データの生成、及び骨密度の導出を行う。
一方、図26のステップ370で、統合制御部71は、第2の撮影条件の撮影回数として、予め定められた複数(本実施の形態では、2回)の回数を導出する。なお、統合制御部71は、第2の撮影条件の撮影回数として、例えば、ステップ224で導出された第2画素値が小さくなるほど多くなる回数を導出してもよい。
次のステップ372で、統合制御部71は、ステップ370で導出された撮影回数を示す撮影回数情報を、通信部66を介してコンソール18に送信した後、本撮影条件導出処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施の形態によれば、放射線源14の管電圧及び管電流の設定値を変更せずに、第2の撮影条件での放射線画像の撮影を行っている。従って、比較的安価な放射線源等の管電圧及び管電流の設定値が変更できない放射線源を用いた場合でも、第2の撮影条件での放射線画像の撮影を行うことができる。
なお、撮影回数を複数回にする場合において、本第4の実施の形態で説明した撮影回数を複数回とする方式と、上記第1〜第3の実施の形態で説明した撮影回数を複数回とする方式とを、ユーザが選択することによって切り替え可能としてもよい。
なお、上記各実施の形態では、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bの双方に、放射線を一旦光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換型の放射線検出器を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bの少なくとも一方に、放射線を電荷へ直接変換する直接変換型の放射線検出器を適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bの双方に、TFT基板30A、30B側から放射線Rが入射される表面読取方式の放射線検出器を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第1放射線検出器20A及び第2放射線検出器20Bの少なくとも一方に、シンチレータ22A、22B側から放射線Rが入射される裏面読取方式(所謂PSS(Penetration Side Sampling)方式)の放射線検出器を適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態において、統合制御部71により実現される機能は、コンソール18のCPU80、制御部58A、及び制御部58Bの何れかで実現してもよい。また、例えば、制御部58A、制御部58B、及び統合制御部71の2つ以上の制御部が一体化されて構成されてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1放射線画像及び第2放射線画像を用いて、骨密度を導出する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第1放射線画像及び第2放射線画像を用いて、骨塩定量を導出してもよいし、骨密度及び骨塩定量の双方を導出してもよい。
また、上記各実施の形態において、被検体Wの体厚が所定値以上の場合に、撮影回数を複数回とする形態としてもよい。この場合、例えば、放射線照射装置12に超音波による測距装置を設け、測距装置により放射線照射装置12から被検体Wまでの距離と、放射線照射装置12から放射線画像撮影装置16までの距離とを各々測定する。そして、測定して得られた2つの距離の差から被検体Wの体厚を求める形態が例示される。また、被検体Wの情報に含まれる身長及び体重から被検体Wの体厚を推定する形態も例示される。
また、上記各実施の形態において、統合制御部71は、予め用意された複数の撮影条件から何れかの撮影条件を選択することによって第2の撮影条件を導出する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、全体撮影処理プログラムがROM82に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。全体撮影処理プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、全体撮影処理プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1撮影処理プログラムが制御部58Aのメモリ62のROMに予め記憶され、第2撮影処理プログラムが制御部58Bのメモリ62のROMに予め記憶されている態様を説明したが、これに限定されない。第1撮影処理プログラム及び第2撮影処理プログラムは、上記記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、第1撮影処理プログラム及び第2撮影処理プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、撮影条件導出処理プログラムが統合制御部71のメモリ74のROMに予め記憶されている態様を説明したが、これに限定されない。撮影条件導出処理プログラムは、上記記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、撮影条件導出処理プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。