JP2011000235A - 放射線検出装置及び放射線画像検出システム - Google Patents

放射線検出装置及び放射線画像検出システム Download PDF

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覚 入澤
Katsuya Yamamoto
勝也 山本
Yasuyoshi Ota
恭義 大田
Takeshi Kamiya
毅 神谷
Norihiro Omae
徳宏 大前
Atsushi Enomoto
淳 榎本
Kenji Matsubara
健二 松原
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【課題】高画質のサブトラクション画像が得られる放射線検出装置及び放射線画像検出システムを提供する。
【解決手段】放射線検出装置20は、画像情報を担持する放射線14を検出して画像信号に変換する第1放射線検出構成単位18a及び第2放射線検出構成単位18bを2枚積層してなる放射線検出器19を備え、放射線14が照射される放射線検出器19の前面19a側に配置された第1放射線検出構成単位18aは、放射線14の低エネルギー成分を吸収する第1放射線吸収部を有し、放射線検出器19の背面19b側に配置された第2放射線検出構成単位18bは、放射線14の高エネルギー成分を吸収する第2放射線吸収部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも2枚積層された放射線検出構成単位により画像情報を担持する放射線を検出して電気信号にそれぞれ変換する放射線検出装置と、該放射線検出装置を備える放射線画像検出システムとに関する。
従来より、被写体の特定の構造物(例えば、患者の臓器、骨部又は血管)が特有の放射線エネルギー吸収特性を有することを利用して前記被写体に放射線を照射し、該被写体を透過した前記放射線(前記被写体の画像情報を担持する放射線)の低エネルギー成分を第1放射線検出構成単位により第1電気信号に変換し、一方で、該第1放射線検出構成単位を透過した前記放射線の高エネルギー成分を、前記第1放射線検出構成単位に積層された第2放射線検出構成単位により第2電気信号に変換して、前記第1電気信号及び前記第2電気信号の間で所定の減算処理(エネルギーサブトラクション処理)を行うことにより、前記構造物を強調したサブトラクション画像を取得することが行われている(特許文献1〜3参照)。
特許文献2及び3には、第1放射線検出構成単位及び第2放射線検出構成単位において、比較的に重い元素(重元素)を含む蛍光体からなるシンチレータが放射線を可視光に変換し、光電変換層が前記可視光を電気信号に変換することが提案されている。
特開昭59−83486号公報 特開平7−27865号公報 特開平7−84056号公報
しかしながら、蛍光体が重元素を含むことにより、第1放射線検出構成単位で放射線の高エネルギー成分が吸収されて、第2放射線検出構成単位に吸収される前記高エネルギー成分の放射線量が低下するので、第1電気信号と第2電気信号との間でエネルギーサブトラクション処理を行っても、高画質のサブトラクション画像が得られないという問題がある。
本発明は、前記の課題に鑑みなされたものであり、高画質のサブトラクション画像が得られる放射線検出装置及び放射線画像検出システムを提供することを目的とする。
本発明は、放射線検出装置が、画像情報を担持する放射線を検出して電気信号に変換する放射線検出構成単位を少なくとも2枚積層してなる放射線検出器を備え、前記放射線が照射される放射線検出器の前面側に配置された第1放射線検出構成単位は、前記放射線の低エネルギー成分を主として吸収する第1放射線吸収部を有し、前記放射線検出器の背面側に配置された第2放射線検出構成単位は、前記放射線の高エネルギー成分を主として吸収する第2放射線吸収部を有することを特徴としている。
この場合、前記第1放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端を、前記第2放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端よりも30keV以上小さくすることが好ましい。
本発明によれば、第1放射線検出構成単位における前記放射線の高エネルギー成分の吸収が抑制され、第2放射線検出構成単位で吸収される前記高エネルギー成分の放射線量が増大する。これにより、エネルギーサブトラクション処理後のサブトラクション画像のS/N比の劣化が抑制されて、エネルギー分解能が高く且つ高画質のサブトラクション画像を得ることができる。
また、本発明によれば、第1放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端を、第2放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端より30keV以上小さくすることで、より高いエネルギー分解能のサブトラクション画像を得ることができる。
図1A及び図1Bは、本実施形態の放射線画像検出システムの構成ブロック図である。 本実施形態の放射線画像検出システムの構成ブロック図である。 図3A〜図3Dは、放射線検出器の構成を示す説明図である。 図4A〜図4Dは、放射線検出器の構成を示す説明図である。 図5A及び図5Bは、放射線検出器の構成を示す説明図である。 実施例1における吸収比と第1放射線画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例1における吸収比と加算画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例2における吸収比と第1放射線画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例2における吸収比と加算画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例3における吸収比と第1放射線画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例3における吸収比と加算画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例4における吸収比と第1放射線画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例4における吸収比と加算画像のDQEとの関係を示すグラフである。 比較例1における吸収比と第1放射線画像のDQEとの関係を示すグラフである。 比較例1における吸収比と加算画像のDQEとの関係を示すグラフである。 実施例1における吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すグラフである。 実施例2における吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すグラフである。 実施例3における吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すグラフである。 実施例4における吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すグラフである。 比較例1における吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すグラフである。 実施例1における吸収比とサブトラクション画像の病変部のコントラストとの関係を示すグラフである。 実施例2における吸収比とサブトラクション画像の病変部のコントラストとの関係を示すグラフである。 実施例3における吸収比とサブトラクション画像の病変部のコントラストとの関係を示すグラフである。 実施例4における吸収比とサブトラクション画像の病変部のコントラストとの関係を示すグラフである。 比較例1における吸収比とサブトラクション画像の病変部のコントラストとの関係を示すグラフである。 実施例1における吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すグラフである。 実施例2における吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すグラフである。 実施例3における吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すグラフである。 実施例4における吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すグラフである。 比較例1における吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すグラフである。
本発明に係る放射線検出装置及び放射線画像検出システムの好適な実施形態について、図1A〜図30を参照しながら説明する。
本実施形態に係る放射線画像検出システム10は、図1Aに示すように、被写体12に放射線14を照射する放射線源16と、被写体12の照射方向(図1Aの左右方向)に沿って第1放射線検出構成単位18a及び第2放射線検出構成単位18bを2枚積層してなる放射線検出器19を有する放射線検出装置20と、放射線検出装置20からの第1画像信号(第1電気信号)Sa及び第2画像信号(第2電気信号)Sbを用いて所定の画像処理を行うことにより画像信号Sを生成する画像処理手段22と、画像信号Sに応じた放射線画像を出力するディスプレイ等の画像出力手段24とを有する。
また、画像処理手段22は、加算画像生成部26及びサブトラクション画像生成部28を有する。加算画像生成部26は、第1画像信号Saと第2画像信号Sbとを加算することにより、医師による被写体12の通常の画像診断に使用可能な加算画像を生成し、生成した加算画像を画像信号Sとして画像出力手段24に出力する。また、サブトラクション画像生成部28は、第1画像信号Sa及び第2画像信号Sbについて所定の重み付け減算処理(エネルギーサブトラクション処理)を行うことにより、1回の撮影(放射線14の照射)で被写体12中の特定の構造物(例えば、患者の臓器、骨部又は血管)を強調した放射線画像(サブトラクション画像)を生成する、いわゆる1ショットエネルギーサブトラクションを行い、生成したサブトラクション画像を画像信号Sとして画像出力手段24に出力する。
なお、1ショットエネルギーサブトラクション及びこれを実施するための具体的な構成及び作用については、特許文献2及び3に記載されているので、それらの詳細な説明については省略する。
ここで、第1放射線検出構成単位18aは、放射線14が照射される放射線検出装置20の前面20a(放射線検出器19の前面19a)側に配置され、被写体12を透過した放射線14(被写体12の画像情報を担持する放射線)のうち、主として低エネルギー成分を第1放射線画像に変換し、変換した第1放射線画像を第1画像信号Saとして画像処理手段22に出力する。放射線14の高エネルギー成分は、第1放射線検出構成単位18aを透過して第2放射線検出構成単位18bに到達し、放射線検出装置20の背面20b(放射線検出器19の背面19b)側に配置された該第2放射線検出構成単位18bは、主として前記高エネルギー成分を第2放射線画像に変換し、変換した第2放射線画像を第2画像信号Sbとして画像処理手段22に出力する。従って、放射線検出装置20は、吸収エネルギー成分(低エネルギー成分及び高エネルギー成分)の異なる2つの画像信号(第1画像信号Sa及び第2画像信号Sb)を画像処理手段22に出力する。
なお、放射線画像検出システム10は、図1Aの構成に代えて、図1Bに示すように、放射線14の低エネルギー成分を吸収する物質を含むフィルタ30を、第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に介在させてもよい。この場合、フィルタ30は、Al、Ti、Ag、Pb、Fe、Ni、Cu、Zn、La、Cs、Ba、Sn、Sb、Tb、Ce又はSmを主成分とし且つ50μm〜450μmの厚みを有する金属板38(図4A〜図4D参照)であることが好ましい。
また、放射線画像検出システム10は、図1Aの構成に代えて、図2に示すように、第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に、第3放射線検出構成単位18cを介挿させてもよい。この場合、第1放射線検出構成単位18aは、放射線14の低エネルギー成分を主に吸収して第1画像信号Saに変換し、第3放射線検出構成単位18cは、放射線14の中エネルギー成分(低エネルギー成分と高エネルギー成分との間の中間領域のエネルギー成分)を吸収して第3画像信号(第3電気信号)Scに変換し、第2放射線検出構成単位18bは、放射線14の高エネルギー成分を主に吸収して第2画像信号Sbに変換する。従って、図2の構成において、放射線検出装置20は、変換した第1〜第3画像信号Sa〜Scを画像処理手段22に出力することになる。
なお、第1〜第3放射線検出構成単位18a〜18cとは、放射線検出器19において、被写体12を透過した放射線14(被写体12の画像情報を担持する放射線14)を検出して第1〜第3画像信号Sa〜Scにそれぞれ変換するための放射線変換層である。
ここで、放射線検出器19の構成として、例えば、下記(i)〜(x)のいずれか1つの構成(図3A〜図5Bのいずれか1つの構成)を採用することが可能である。
(i)図3Aに示すように、放射線14を可視光に変換する第1シンチレータ(第1放射線吸収部)34aと、該第1シンチレータ34aで変換された可視光を第1画像信号Saに変換する第1光電変換層、並びに、第1画像信号Saを読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第1固体検出器32aとで第1放射線検出構成単位18aを構成し、一方で、放射線14を可視光に変換する第2シンチレータ(第2放射線吸収部)34bと、該第2シンチレータ34bで変換された可視光を第2画像信号Sbに変換する第2光電変換層、並びに、第2画像信号Sbを読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第2固体検出器32bとで第2放射線検出構成単位18bを構成する。従って、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1固体検出器32a、第1シンチレータ34a、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bの順に配置される。すなわち、図3Aの構成からなる放射線検出器19は、放射線14を一旦可視光に変換した後に第1画像信号Sa及び第2画像信号Sbにそれぞれ変換する間接変換式の放射線検出器である。
ここで、第1固体検出器32a及び第2固体検出器32bは、可視光を電気信号(第1画像信号Sa及び第2画像信号Sb)に変換するa−Si等の物質(半導体)からなる固体検出素子を、行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のアレイ上に配置した構造を有する。この場合、2次元状に配置された各固体検出素子は、可視光から変換された電気信号を電荷として蓄積し、図示しないゲート駆動回路及び読出回路により所望のTFTをオンして前記電荷を読み出すことにより、該電荷を第1画像信号Sa及び第2画像信号Sbとして画像処理手段22に出力することができる。
また、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収を抑えるために、第1シンチレータ34aは、放射線14のエネルギー吸収特性のうち、被写体12(患者)の骨部と軟部の吸収差が大きい低エネルギー成分の領域でK吸収端を有する材料(第1放射線変換材料)を主成分とする母体構成の蛍光体からなる。前記第1放射線変換材料として、原子番号55以下の元素を母体として構成される物質、具体的には、ZnS、CsI、MgGaO4、ZnSiO4、Y23又はY22S等の比較的に軽い元素(以下、軽元素ともいう。)が選定される。
一方、第2放射線検出構成単位18bにおいて放射線14の高エネルギー成分を吸収しやすくするために、第2シンチレータ34bは、放射線14のエネルギー吸収特性のうち、被写体12(患者)の骨部と軟部の吸収差が小さい高エネルギー成分の領域でK吸収端を有する材料(第2放射線変換材料)を主成分とする母体構成の蛍光体からなる。前記第1放射線変換材料として、原子番号64以上の元素を母体として構成される物質、具体的には、Gd22S(GOS)、Lu22S、CaWO4、ZnWO4、MgWO4、(Y,La,Ga,Lu,Sr)TaO4、GdBO3又はBi4Ge312等の比較的に重い元素(以下、重元素ともいう。)が選定される。
また、上記の第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間では、K吸収端が異なるように、より好ましくは、該K吸収端の差が30keV以上となるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定する。より具体的には、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(軽元素)のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(重元素)のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定する。例えば、第1放射線変換材料としてZnSを選定し、第2放射線変換材料としてGOSを選定した場合に、ZnS中のZnのK吸収端(9.7keV)と、GOS中のGdのK吸収端(50.2keV)との間で、K吸収端の差は、40.5keV(50.2keV−9.7keV=40.5keV)となる。
なお、軽元素とは、第1放射線変換材料中の元素が第2放射線変換材料中の元素よりも相対的に軽いことを示す意味で用い、一方で、重元素とは、第2放射線変換材料中の元素が第1放射線変換材料中の元素よりも相対的に重いことを示す意味で用いている。
(ii)図3Bに示すように、放射線14を第1画像信号Saに直接変換する第1放射線変換パネル(第1固体検出器)36aで第1放射線検出構成単位18aを構成し、一方で、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bで第2放射線検出構成単位18bを構成する。従って、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1放射線変換パネル36a、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bの順に配置される。すなわち、図3Bの構成からなる放射線検出器19は、放射線14を第1画像信号Saに直接変換する直接変換式と、放射線14を一旦可視光に変換した後に第2画像信号Sbに変換する間接変換式とを併用した放射線検出器である。
ここで、第1放射線変換パネル36aは、放射線14を第1画像信号Saに直接変換する光電変換層(第1光電変換層、第1放射線吸収部)と、前記第1画像信号Saを読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる固体検出器(第1固体検出器)である。具体的には、第1放射線変換パネル36aは、放射線14を電気信号(第1画像信号Sa)に直接変換するアモルファスセレン(a−Se)、GaAs又はZnSe等を主成分とする母体構成の物質(半導体)からなる固体検出素子を、行列状のTFTのアレイ上に配置した構造を有する。この場合、2次元状に配置された各固体検出素子は、放射線14から変換された電気信号を電荷として蓄積し、図示しないゲート駆動回路及び読出回路により所望のTFTをオンして前記電荷を読み出すことにより、該電荷を第1画像信号Saとして画像処理手段22に出力することができる。
一方、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bは、(i)で説明した第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bと同様の構成である。
第1放射線変換パネル36aの固体検出素子を構成し、且つ、原子番号55以下の元素を母体として構成されるa−Se、GaAs又はZnSeの半導体は、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収を抑えるために、放射線14のエネルギー吸収特性のうち、被写体12(患者)の骨部と軟部の吸収差が生じやすい低エネルギー成分の領域でK吸収端を有する軽元素を含む材料(第1放射線変換材料)を主成分とする。
また、(i)と同様に、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間で、具体的には、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(軽元素)のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(重元素)のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することが望ましい。例えば、第1放射線変換材料としてa−Seを選定し、第2放射線変換材料としてGOSを選定した場合に、a−Se中のSeのK吸収端(12.7keV)と、GOS中のGdのK吸収端(50.2keV)との間で、K吸収端の差は、37.5keV(50.2keV−12.7keV=37.5keV)となる。
(iii)図3Cに示すように、第1シンチレータ34a及び第1固体検出器32aにより第1放射線検出構成単位18aを構成し、一方で、放射線14を第2画像信号Sbに直接変換する第2放射線変換パネル(第2固体検出器)36bで第2放射線検出構成単位18bを構成する。従って、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1固体検出器32a、第1シンチレータ34a及び第2放射線変換パネル36bの順に配置される。すなわち、図3Cの構成からなる放射線検出器19は、放射線14を一旦可視光に変換した後に第1画像信号Saに変換する間接変換式と、放射線14を第2画像信号Sbに直接変換する直接変換式とを併用した放射線検出器である。
ここで、第1シンチレータ34a及び第1固体検出器32aは、(i)で説明した第1シンチレータ34a及び第1固体検出器32aと同様の構成である。また、第2放射線変換パネル36bは、固体検出素子がCdTe又はCdZnTe等を主成分とする母体構成の物質(半導体)からなる点以外は、(ii)で述べた第1放射線変換パネル36aと同様の構成である。すなわち、第2放射線変換パネル36bは、放射線14を第2画像信号Sbに直接変換する光電変換層(第2光電変換層、第2放射線吸収部)と、前記第2画像信号Sbを読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる固体検出器(第2固体検出器)である。
この場合、第2放射線変換パネル36bの固体検出素子を構成し、且つ、原子番号64以上の元素を母体として構成されるCdTe又はCdZnTe等の半導体は、第2放射線検出構成単位18bにおいて放射線14の高エネルギー成分を吸収しやすくするために、放射線14のエネルギー吸収特性のうち、被写体12(患者)の軟部が吸収しやすい高エネルギー成分の領域でK吸収端を有する重元素を含む材料(第2放射線変換材料)を主成分とする。また、(i)及び(ii)と同様に、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(軽元素)のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(重元素)のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することが望ましい。
(iv)図3Dに示すように、第1放射線変換パネル36aで第1放射線検出構成単位18aを構成し、一方で、第2放射線変換パネル36bで第2放射線検出構成単位18bを構成する。従って、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1放射線変換パネル36a及び第2放射線変換パネル36bの順に配置される。すなわち、図3Dの構成からなる放射線検出器19は、放射線14を第1画像信号Sa及び第2画像信号Sbにそれぞれ直接変換する直接変換式の放射線検出器である。
第1放射線変換パネル36aは、(ii)で説明した第1放射線変換パネル36aと同様の構成であり、一方で、第2放射線変換パネル36bは、(iii)で説明した第2放射線変換パネル36bと同様の構成である。従って、この場合でも、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(軽元素)のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(重元素)のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することが望ましい。
(v)図4Aに示すように、上記(i)で説明した第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間にフィルタ30としての金属板38を介在させて、放射線検出器19を構成する。
(vi)図4Bに示すように、上記(ii)で説明した第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に金属板38を介在させて、放射線検出器19を構成する。
(vii)図4Cに示すように、上記(iii)で説明した第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に金属板38を介在させて、放射線検出器19を構成する。
(viii)図4Dに示すように、上記(iv)で説明した第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に金属板38を介在させて、放射線検出器19を構成する。
(ix)図5Aに示すように、上記(i)で説明した第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に、放射線14を可視光に変換する第3シンチレータ34cと、該第3シンチレータ34cで変換された可視光を第3画像信号Scに変換する第3固体検出器32cとで構成される第3放射線検出構成単位18cを介挿させて放射線検出器19を構成する。従って、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1固体検出器32a、第1シンチレータ34a、第3シンチレータ34c、第3固体検出器32c、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bの順に配置される。すなわち、図5Aの構成からなる放射線検出器19は、放射線14を一旦可視光に変換した後に第1〜第3画像信号Sa〜Scにそれぞれ変換する間接変換式の放射線検出器である。なお、第3固体検出器32cは、(i)〜(iii)で述べた第1固体検出器32a及び第2固体検出器32bと同様の構成である。すなわち、第3固体検出器32cは、該第3シンチレータ34cで変換された可視光を第3画像信号Scに変換する第3光電変換層、並びに、第3画像信号Scを読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる。
ここで、第1シンチレータ34aにおける第1放射線変換材料として、ZnS、CsI、MgGaO4、ZnSiO4、Y23 又はY22Sが選定され、第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料として、Bi4Ge312が選定され、第3シンチレータ34cにおける第3放射線変換材料として、Gd22S、Gd23又はGdBO3が選定される。従って、この場合でも、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(軽元素)のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い元素(重元素)のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することが望ましい。
(x)図5Bに示すように、第1放射線検出構成単位18aと第2放射線検出構成単位18bとの間に、第3放射線検出構成単位18cを介挿させるが、上記(ix)とは異なり、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1固体検出器32a、第1シンチレータ34a、第3固体検出器32c、第3シンチレータ34c、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bの順に配置して、間接変換式の放射線検出器19を構成する。
なお、放射線検出器19は、上記(i)〜(x)の構成に限定されることはなく、前述したように、軽元素を含む第1放射線変換材料と、重元素を含む第2放射線変換材料との間でK吸収端の差が30keV以上であり(軽元素のK吸収端が重元素のK吸収端より30keV以上小さく)、且つ、第1放射線検出構成単位18aにおいて放射線14の高エネルギー成分の吸収を抑え、一方で、第2放射線検出構成単位18bにおいて放射線14の高エネルギー成分が吸収しやすいような放射線検出器の構成であればよい。
本実施形態に係る放射線検出装置20及び放射線画像検出システム10は、以上のように構成されるものであり、次に、本実施形態の効果について、図6〜図30のグラフを参照しながら説明する。
ここでは、軽元素を含む第1放射線変換材料及び重元素を含む第2放射線変換材料を選定した本実施形態の実施例(実施例1〜4)と、重元素を含む第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定した比較例1(特許文献2及び3)と、蓄積性蛍光体シートを第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料として選定した比較例2(特許文献1)とを比較しながら、本実施形態の顕著な効果について説明する。
なお、図6〜図30は、第2放射線検出構成単位18bにおける放射線14の吸収フォトン数に対する第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の吸収フォトン数の比(吸収比)を横軸に取り、Cuを主成分とする金属板38(フィルタ30)の厚みを変化させると共に、第1放射線変換材料を主成分に含む第1シンチレータ34a又は第1放射線変換パネル36aの厚みを変化させたときの第1放射線画像の検出量子効率(DQE:Detective Quantum Efficiency)、加算画像のDQE、サブトラクション画像のS/N比、該サブトラクション画像中の病変部(被写体12中の特定の構造物のうち、医師による画像診断が行われる構造物:肺結節)のコントラストCnod、及び、(サブトラクション画像のS/N比)2×Cnod2の値のそれぞれの変化を示すシミュレーション結果(グラフ)である。
この場合、吸収比とは、(吸収比)=(第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14に対する吸収フォトン数)/(第2放射線検出構成単位18bにおける放射線14に対する吸収フォトン数)である。吸収フォトン数は、IEC規格に基づくRQA9(管電圧120kV、Al40mmフィルタ透過後)の線質で評価した場合を示している。
ここで、実施例1〜4、比較例1及び2で用いた計算手法について説明する。
線スペクトルの放射線の物質による透過及び吸収は、物質の減弱係数μ (cm-1)を用いて以下のように表されることが一般的に知られている。
I=I0・exp(−μ・x) (1)
A=I0・{1−exp(−μ・x)} (2)
I:透過フォトン数、I0:入射フォトン数、x:物質の厚さ(cm)、A:吸収フォトン数である。
また、連続スペクトルでは減弱係数μが電圧Eの関数となるため、吸収フォトン数Aは、以下の(3)式のように表される。
∫A(E)dE=∫I0(E)・[1−exp{−μ(E)・x}]dE
(3)
(3)式の積分記号∫において、積分範囲は[0、Vp]であり、Vp:管電圧である。
この場合、放射線検出器19で吸収されたフォトンは、そのエネルギーに応じて電荷Qへ変換される。
Q=∫k(E)・A(E)dE (4)
k(E)は、フォトンから電荷への変換方式と放射線変換材料とによって決まる係数である。
また、画像中での骨のコントラスト値Cabone、Cbbone(Cabone:1枚目の画像における骨のコントラスト値、Cbbone:2枚目の画像における骨のコントラスト値)や、画像中での病変部(肺結節)のコントラスト値Canod、Cbnod(Canod:1枚目の画像中の肺結節のコントラスト値、Cbnod:2枚目の画像中の肺結節のコントラスト値)は、以下の(5)式〜(8)式で定義する。
Cabone=ln(Sa0)−ln(Sabone) (5)
Cbbone=ln(Sb0)−ln(Sbbone) (6)
Canod=ln(Sa0)−ln(Sanod) (7)
Cbnod=ln(Sb0)−ln(Sbnod) (8)
Sa0:1枚目の画像の素抜け部の読出電荷量、Sb0:2枚目の画像の素抜け部の読出電荷量、Sabone:1枚目の画像の骨部の読出電荷量、Sbbone:2枚目の画像の骨部の読出電荷量、Sanod:1枚目の画像の病変部の読出電荷量、Sbnod:2枚目の画像の病変部の読出電荷量である。
そして、シミュレーション計算では、放射線検出器19に至るまでの放射線14の減弱を考慮し、(1)式を各減弱要素に対して計算し、放射線検出器19への入射スペクトルを算出した。次に、(2)式〜(4)式を用いて放射線検出器19の検出電荷量を算出した。この場合、第2固体検出器(第2固体検出器32b、第2放射線変換パネル36b)の計算に際しては、第1固体検出器(第1固体検出器32a、第1放射線変換パネル36a)を減弱要素とみなして計算を行った。
さらに、評価パラメータについては、以下の計算により求めた。
エネルギーサブトラクション処理の演算を簡易に再現するため、骨部消去係数Wsを用いて以下の(9)式で演算を定義する。
sub=Ws・Sa + Sb (9)
sub:サブトラクション画像の信号である。
なお、骨部消去係数Wsは、以下の(10)式で定義される。
s=μb bone/μa bone (10)
μa bone:1枚目の画像(第1画像信号Saの第1放射線画像)における骨の減弱係数μの平均値、μb bone:2枚目の画像(第2画像信号Sbの第2放射線画像)における骨の減弱係数μの平均値である。
実際の系では、骨部の1枚目の画像及び2枚目の画像におけるコントラスト差から骨部消去係数Wsを計算する。その計算式を以下の(11)式に示す。
s=Cbbone/Cabone (11)
また、加算画像のDQEであるDQEaddは、以下の(12)式に基づき算出される。
DQEadd=(Saout+Sbout2
/[{(Naout2+(Nbout2}・(S/N)in 2](12)
Saout:1枚目の画像の出力信号値、Sbout:2枚目の画像の出力信号値、Naout:1枚目の画像のノイズ値、Nbout:2枚目の画像のノイズ値、(S/N)in:放射線検出器19全体の入力信号値である。
さらに、サブトラクション画像のS/N比であるS/Nsubは、エネルギーサブトラクションの演算を行った後の軟部画像におけるS/N比を表し、以下の(13)式に基づき算出される。
(S/Nsub2=1/{Ws 2・(Naout/Saout2
+(Nbout/Sbout2} (13)
さらにまた、サブトラクション画像(軟部画像)における肺結節のコントラストCnodは、以下の(14)式に従って計算される。
nod=Ws・Canod−Cbnod (14)
実施例1(図6、図7、図16、図21及び図26参照)は、(i)及び(v)の構成(図3A及び図4A参照)であって、第1シンチレータ34aにおける第1放射線変換材料としてZnS(Zn:9.7keV)を選定し、第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料としてGOS(Gd:50.2keV)を選定したものである。従って、K吸収端の差は、40.5keV(50.2keV−9.7keV=40.5keV)である。また、実施例1では、第1シンチレータ34aの厚みを100μm〜800μmの間で変化させ、第2シンチレータ34bの厚みを300μmに設定し、金属板38の厚みを0μm〜1050μmの間で変化させている。そのため、各グラフ中の曲線にプロットされたデータを示すマークは、第1シンチレータ34aの厚みを100μm(各曲線中、最も低い吸収比でのデータ)から100μmおきに変化させたときのデータを示している。
実施例2(図8、図9、図17、図22及び図27参照)は、(i)及び(v)の構成(図3A及び図4A参照)であって、第1シンチレータ34aにおける第1放射線変換材料としてY22S(Y:17.0keV)を選定し、第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料としてGOS(Gd:50.2keV)を選定したものである。従って、K吸収端の差は、33.2keV(50.2keV−17.0keV=33.2keV)である。また、実施例2では、第1シンチレータ34aの厚みを50μm〜400μmの間で変化させ、第2シンチレータ34bの厚みを300μmに設定し、金属板38の厚みを0μm〜1050μmの間で変化させている。そのため、各グラフ中の曲線にプロットされたデータを示すマークは、第1シンチレータ34aの厚みを50μm(各曲線中、最も低い吸収比でのデータ)から50μmおきに変化させたときのデータを示している。
実施例3(図10、図11、図18、図23及び図28参照)は、(i)及び(v)の構成(図3A及び図4A参照)であって、第1シンチレータ34aにおける第1放射線変換材料としてCsI(Cs:26.9keV)を選定し、第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料としてGOS(Gd:50.2keV)を選定したものである。従って、K吸収端の差は、23.3keV(50.2keV−26.9keV=23.3keV)である。また、実施例3では、第1シンチレータ34aの厚みを50μm〜400μmの間で変化させ、第2シンチレータ34bの厚みを300μmに設定し、金属板38の厚みを0μm〜1050μmの間で変化させている。そのため、各グラフ中の曲線にプロットされたデータを示すマークは、第1シンチレータ34aの厚みを50μm(各曲線中、最も低い吸収比でのデータ)から50μmおきに変化させたときのデータを示している。
実施例4(図12、図13、図19、図24及び図29参照)は、(ii)及び(vi)の構成(図3B及び図4B参照)であって、第1放射線変換パネル36aにおける第1放射線変換材料としてa−Se(Se:12.7keV)を選定し、第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料としてGOS(Gd:50.2keV)を選定したものである。従って、K吸収端の差は、37.5keV(50.2keV−12.7keV=37.5keV)である。また、実施例4では、第1放射線変換パネル36aの厚みを50μm〜400μmの間で変化させ、第2シンチレータ34bの厚みを300μmに設定し、金属板38の厚みを0μm〜1050μmの間で変化させている。そのため、各グラフ中の曲線にプロットされたデータを示すマークは、第1放射線変換パネル36aの厚みを50μm(各曲線中、最も低い吸収比でのデータ)から50μmおきに変化させたときのデータを示している。
比較例1(図14、図15、図20、図25及び図30参照)は、図3A及び図4Aの構成において、第1シンチレータ34aにおける第1放射線変換材料及び第2シンチレータ34bにおける第2放射線変換材料としてGOS(Gd:50.2keV)をそれぞれ選定したものである。従って、K吸収端の差は、0keV(50.2keV−50.2keV=0keV)である。また、比較例1では、第1シンチレータ34aの厚みを50μm〜400μmの間で変化させ、第2シンチレータ34bの厚みを300μmに設定し、金属板38の厚みを0μm〜1050μmの間で変化させている。そのため、各グラフ中の曲線にプロットされたデータを示すマークは、第1シンチレータ34aの厚みを50μm(各曲線中、最も低い吸収比でのデータ)から50μmおきに変化させたときのデータを示している。
比較例2は、図1A及び図1Bの構成において、第1放射線検出構成単位18a及び第2放射線検出構成単位18bを215μmの厚みを有する蓄積性蛍光体シートとし、2つの蓄積性蛍光体シートの間に、Cuを主成分とし且つ750μmの厚みを有する金属板38を介在させたものである。従って、K吸収端の差は、0keVである。
先ず、図6〜図15に示す吸収比と第1放射線画像のDQE又は加算画像のDQEとの関係を示すシミュレーション結果(グラフ)について説明する。
実施例1〜4及び比較例1では、0.10〜2.3の吸収比の範囲内(実施例1:図6及び図7)、0.06〜1.7の吸収比の範囲内(実施例2:図8及び図9)、0.14〜3.3の吸収比の範囲内(実施例3:図10及び図11)、並びに、0.15〜3.8の吸収比の範囲内(実施例4:図12及び図13)、及び0.22〜5.0(比較例1:図14及び図15)において、それぞれ、同じ吸収比で比較した場合、いずれのグラフについても、加算画像のDQEは、第1放射線画像のDQEよりも高くなっている。従って、前記加算画像は、第1放射線画像と比較して、医師による被写体12の画像診断に適合するような、エネルギー分解能が高く且つ高画質の放射線画像であることが容易に理解できる。
また、同じ吸収比で比較した場合、金属板38の厚みが薄い程、第1放射線画像のDQE及び加算画像のDQEが高くなる。従って、金属板38の厚みを薄くする程、より好ましくは、金属板38が存在しない(i)又は(iii)の構成(図3A及び図3C参照)とすることで、第1放射線画像のDQE及び加算画像のDQEをそれぞれ高くすることができる。
次に、図16〜図20に示す吸収比とサブトラクション画像のS/N比との関係を示すシミュレーション結果(グラフ)について説明する。
実施例1〜4及び比較例1では、0.10〜2.3の吸収比の範囲内(実施例1:図16)、0.06〜1.7の吸収比の範囲内(実施例2:図17)、0.14〜3.3の吸収比の範囲内(実施例3:図18)、及び、0.15〜3.8の吸収比の範囲内(実施例4:図19)、及び0.22〜5.0(比較例1:図20)において、それぞれ、同じ吸収比で比較した場合、いずれのグラフについても、金属板38の厚みを薄くする程、サブトラクション画像のS/N比が向上する。すなわち、サブトラクション画像のS/N比の劣化が抑制されている。
次に、図21〜図25に示す吸収比とコントラストCnodとの関係を示すシミュレーション結果(グラフ)について説明する。
実施例1〜4及び比較例1では、0.10〜2.3の吸収比の範囲内(実施例1:図21)、0.06〜1.7の吸収比の範囲内(実施例2:図22)、0.14〜3.3の吸収比の範囲内(実施例3:図23)、0.15〜3.8の吸収比の範囲内(実施例4:図24)、及び0.22〜5.0(比較例1:図25)において、それぞれ、同じ吸収比で比較した場合、いずれのグラフについても、金属板38の厚みを厚くする程、コントラストCnodが向上する。これは、第1放射線検出構成単位18aを透過した放射線14の低エネルギー成分(第1画像信号Saに変換されなかった低エネルギー成分)を金属板38が吸収し、第2放射線検出構成単位18bが放射線14の高エネルギー成分のみ吸収することにより、サブトラクション画像における病変部のコントラストCnodが良くなるためである。
このように、金属板38の厚みを薄くする程、図16〜図20のS/N比が高くなり、一方で、金属板38の厚みを厚くする程、図21〜図25のコントラストCnodが高くなるので、S/N比及びコントラストCnodが共に高くなって、医師がサブトラクション画像中の病変部を容易に視認できるような、最適な金属板38の厚みが存在するものと想定される。
そこで、次に、図16〜図25のグラフに基づいた、吸収比と(S/N比)2×Cnod2の値との関係を示すシミュレーション結果(グラフ)について、図26〜図30を参照しながら説明する。
実施例1〜4では、0.10〜2.3の吸収比の範囲内(実施例1:図26)、0.06〜1.7の吸収比の範囲内(実施例2:図27)、0.14〜3.3の吸収比の範囲内(実施例3:図28)、及び、0.15〜3.8の吸収比の範囲内(実施例4:図29)において、各曲線では、いずれも、0.40近傍の吸収比で(S/N比)2×Cnod2の値が最大値となる。特に、金属板38の厚みが300μm又は450μmの曲線は、他の曲線と比較して、0.40近傍の吸収比での(S/N比)2×Cnod2の値が高い。
これは、前述した(i)及び(v)又は(ii)及び(vi)に記載された材料を第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料として選択し、第2放射線検出構成単位18bにおける放射線14の吸収フォトン数に対する、第1放射線検出構成単位18aの吸収フォトン数の比(吸収比)を0.40程度とすることで、サブトラクション画像のS/N比及びコントラストCnodを改善できるためである。
すなわち、第1放射線検出構成単位18aは、高エネルギー成分の吸収を抑制しつつ、低エネルギー成分を効率よく吸収し、金属板38は、第1放射線検出構成単位18aで吸収されなかった低エネルギー成分を確実に吸収し、第2放射線検出構成単位18bは、高エネルギー成分のみ確実に吸収するので、第1放射線検出構成単位18aが吸収する低エネルギー成分の放射線量と、第2放射線検出構成単位18bが吸収する高エネルギー成分の放射線量とが同等程度となり、この結果、前記低エネルギー成分の第1放射線画像(第1画像信号Sa)と、前記高エネルギー成分の第2放射線画像(第2画像信号Sb)とに対してエネルギーサブトラクション処理を行うことで、S/N比が高く且つ病変部のコントラストCnodが良好なサブトラクション画像が容易に得られる。
これに対して、第1比較例(図30参照)の場合には、第1〜第4実施例(図26〜図29参照)と比較して、各曲線で(S/N比)2×Cnod2がピーク値となるような吸収比の値を特定することができない。
これは、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料が共にGOSであり、各材料のK吸収端の差が0keVとなるため、第1〜第4実施例と比較して、S/N比(図20参照)及びコントラストCnod(図25参照)のいずれか一方を向上させることは可能であるが、S/N比及びコントラストCnodを共に向上させることができないためである。
次に、上述した第1〜第4実施例と、第1比較例及び第2比較例とについて、具体的な数値を明示して、本実施形態の顕著な効果を説明する。
先ず、金属板38が存在しない場合(金属板38の厚みが0μm)の実施例1〜4と、比較例1及び2とについて対比する。
実施例1(図7、図16、図21参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.38(38%)、サブトラクション画像のS/N比は149、及び、コントラストCnodは0.0080である。
実施例2(図9、図17、図22参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.41(41%)、サブトラクション画像のS/N比は168、及び、コントラストCnodは0.0072である。
実施例3(図11、図18、図23参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.45(45%)、サブトラクション画像のS/N比は170、及び、コントラストCnodは0.0054である。
実施例4(図13、図19、図24参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.47(47%)、サブトラクション画像のS/N比は170、及び、コントラストCnodは0.0076である。
これに対して、比較例1(図15、図20、図25参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.51(51%)、サブトラクション画像のS/N比は164、及び、コントラストCnodは0.0025である。
また、比較例2において、加算画像のDQEは0.224(22.4%)、サブトラクション画像のS/N比は75、及び、コントラストCnodは0.0083である。
ここで、実施例1〜4と比較例1とを比較した場合、実施例1〜4の病変部のコントラストCnodは、比較例1の病変部のコントラストCnodよりも2倍以上も高い。これは、第1放射線変換材料がZnS、Y22S、CsI又はa−Seの軽元素を含んでいるので、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間で、K吸収端の差が大きくなって、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収が抑制され、第2放射線検出構成単位18bにて吸収される高エネルギー成分の放射線量が増大するためである。
また、実施例1〜4と比較例2とを比較した場合、実施例1〜4の加算画像のDQE及びサブトラクション画像のS/N比は、比較例2の加算画像のDQE及びサブトラクション画像のS/N比よりも高い。
比較例2では、第1放射線検出構成単位18a及び第2放射線検出構成単位18b(2枚の蓄積性蛍光体シート)の間に金属板38を介在させることで、第1放射線検出構成単位18aを透過した放射線14の低エネルギー成分を吸収させて、第2放射線検出構成単位18bにおいて高エネルギー成分のみ吸収させるようにしている。しかしながら、実際上、比較例2では、第1放射線検出構成単位18aで大部分の放射線14が吸収され、第1放射線検出構成単位18aを透過した放射線14が金属板38でさらに吸収されるので、第2放射線検出構成単位18bで吸収される高エネルギー成分の放射線量が低くなる。この結果、比較例2では、加算画像のDQEやサブトラクション画像のS/N比が著しく低下する。
これに対して、実施例1〜4では、前述したように、軽元素を含んだ第1放射線変換材料及び重元素を含んだ第2放射線変換材料を選定することで、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間でK吸収端の差が大きくなり、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収が抑制され、一方で、第2放射線検出構成単位18bでは、前記高エネルギー成分が確実に吸収される。従って、実施例1〜4では、金属板38を介在させなくても、加算画像のDQE及びサブトラクション画像のS/N比を高めることができる。
このように、実施例1〜4では、金属板38を介在させなくても、通常の画像診断に使用可能な高画質の加算画像が容易に得られると共に、サブトラクション画像のS/N比の劣化が抑制されることで、エネルギー分解能が高く且つ高画質のサブトラクション画像を容易に得ることができる。
次に、金属板38が存在する場合(金属板38の厚みが300μm)の実施例1〜4と、比較例1及び2とについて対比する。
実施例1(図7、図16、図21参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.30(30%)、サブトラクション画像のS/N比は132、及び、コントラストCnodは0.011である。
実施例2(図9、図17、図22参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.33(33%)、サブトラクション画像のS/N比は140、及び、コントラストCnodは0.010である。
実施例3(図11、図18、図23参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.38(38%)、サブトラクション画像のS/N比は134、及び、コントラストCnodは0.0082である。
実施例4(図13、図19、図24参照)において、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.40(40%)、サブトラクション画像のS/N比は140、及び、コントラストCnodは0.0092である。
これに対して、比較例1(図15、図20、図25参照)では、第1シンチレータ34aの厚みが200μmである場合、加算画像のDQEは0.44(44%)、サブトラクション画像のS/N比は133、及び、コントラストCnodは0.0055である。
また、比較例2の数値は、前述した比較例2の数値と同様である。
ここで、実施例1〜4と比較例1とを比較した場合、実施例1〜4のサブトラクション画像のS/N比及び病変部のコントラストCnodは、比較例1のサブトラクション画像のS/N比及び病変部のコントラストCnodよりも高い。これは、第1放射線変換材料がZnS、Y22S、CsI又はa−Seの軽元素を含んでいるので、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間で、K吸収端の差が大きくなって、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収が抑制されるためである。また、実施例1〜4では、金属板38を介在させているので、第1放射線検出構成単位18aを透過した放射線14の低エネルギー成分は、該金属板38に確実に吸収されて、第2放射線検出構成単位18bでは、高エネルギー成分のみが吸収される。従って、金属板38が存在する実施例1〜4では、第1放射線検出構成単位18aでの高エネルギー成分の吸収の抑制と、金属板38による低エネルギー成分の吸収とにより、第2放射線検出構成単位18bで吸収される高エネルギー成分の放射線量が増大する。
また、実施例1〜4と比較例2とを比較した場合、実施例1〜4の加算画像のDQE、サブトラクション画像のS/N比及び病変部のコントラストCnodは、比較例2の加算画像のDQE、サブトラクション画像のS/N比及び病変部のコントラストCnodよりも高い。
前述したように、比較例2では、第1放射線検出構成単位18aで大部分の放射線14が吸収され、第1放射線検出構成単位18aを透過した放射線14が金属板38でさらに吸収されるので、第2放射線検出構成単位18bで吸収される高エネルギー成分の放射線量が低くなり、加算画像のDQE、サブトラクション画像のS/N比及びコントラストCnodが著しく低下する。
これに対して、金属板38を含む実施例1〜4では、上述したように、軽元素を含んだ第1放射線変換材料及び重元素を含んだ第2放射線変換材料を選定することで、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間でK吸収端の差が大きくなり、第1放射線検出構成単位18aにおける放射線14の高エネルギー成分の吸収が抑制され、金属板38において低エネルギー成分が確実に吸収されて、第2放射線検出構成単位18bにおいて前記高エネルギー成分が確実に吸収される。従って、実施例1〜4では、金属板38を介在させることにより、加算画像のDQE、サブトラクション画像のS/N比及び病変部のコントラストCnodを共に高めて、加算画像及びサブトラクション画像に関わる各性能のバランスを取ることができる。
このように、実施例1〜4においては、金属板38を介在させることにより、通常の画像診断に使用可能な加算画像が容易に得られると共に、サブトラクション画像のS/N比の劣化が抑制され、且つ病変部のコントラストCnodも向上するので、エネルギー分解能が高く且つ高画質のサブトラクション画像を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る放射線検出装置20及び放射線画像検出システム10によれば、放射線14の高エネルギー成分の吸収を抑制すると共に放射線14の低エネルギー成分を吸収する第1放射線変換材料を含む第1放射線検出構成単位18aが放射線検出器19の前面19a(放射線検出装置20の前面20a)側に配置され、一方で、前記高エネルギー成分を吸収する第2放射線変換材料を含む第2放射線検出構成単位18bが放射線検出器19の背面19b(放射線検出装置20の背面20b)側に配置され、さらに、第2放射線変換材料の放射線14に対する吸収フォトン数を、第1放射線変換材料の放射線14に対する吸収フォトン数の0.1倍〜1倍とすることで(吸収比を0.1〜1.0倍の間にすることで)、エネルギーサブトラクション処理後のサブトラクション画像のS/N比の劣化が抑制されて、エネルギー分解能が高く且つ高画質のサブトラクション画像を得ることができる。
また、第1放射線検出構成単位18aにおいて放射線14から変換された第1画像信号Saと、第2放射線検出構成単位18bにおいて放射線14から変換された第2画像信号Sbとを加算して高画質の加算画像を得ることにより、得られた加算画像を通常の画像診断用の放射線画像として提供することが可能となる。
さらに、本実施形態では、第1放射線変換材料と第2放射線変換材料との間でK吸収端が異なるように、具体的には、第1放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い軽元素のK吸収端が、第2放射線変換材料を構成する元素のうち最もK吸収端の値が高い重元素のK吸収端よりも30keV以上小さくなるように、第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することにより、より高いエネルギー分解能のサブトラクション画像を得ることができる。例えば、前記軽元素のK吸収端の値が20keV程度であり、一方で、前記重元素のK吸収端の値が50keV以上であれば、K吸収端の差を容易に30keV以上とすることができる。
さらにまた、吸収比が0.4近傍であれば、第1放射線検出構成単位18aにおいて吸収される放射線14の低エネルギー成分の放射線量と、第2放射線検出構成単位18bにおいて吸収される高エネルギー成分の放射線量とが同等程度となるので、より高画質の加算画像及びサブトラクション画像が容易に得られる。
また、放射線検出器19の構成を上記(i)〜(x)のいずれか1つの構成とし、前記(i)〜(x)にて説明した第1放射線変換材料及び第2放射線変換材料を選定することにより、上述した各効果が容易に得られる。
(i)の構成では、放射線検出器19の前面19aから背面19bへの方向に向かって、第1固体検出器32a、第1シンチレータ34a、第2シンチレータ34b及び第2固体検出器32bの順に配置されるので、第1シンチレータ34a及び第2シンチレータ34bを構成する蛍光体での放射線14の吸収分布を利用して、加算画像及びサブトラクション画像のエネルギー分解能を効率よく高めることができる。
また、(ii)〜(iv)及び(vi)〜(viii)の構成のように、第1放射線変換パネル36a及び/又は第2放射線変換パネル36bを用いることにより、放射線14が電荷(電気信号)に直接変換されるので、より鮮鋭度の高い加算画像及びサブトラクション画像を得ることができる。
さらに、(v)〜(viii)の構成のように、金属板38を介在させることにより、エネルギー分解能をさらに向上させて、サブトラクション画像での病変部のコントラストCnodを高めることができる。また、金属板38の厚みを50μm〜450μmとすることで、加算画像及びサブトラクション画像の各性能のバランスを良好に取ることができる。
さらにまた、(ix)及び(x)の構成のように、吸収エネルギー領域の異なる第1〜第3放射線検出構成単位18a〜18cを用いることにより、2つの構造物(病変部)のサブトラクション画像を得ることが可能となるので、放射線検出装置20及び放射線画像検出システム10の用途を拡大することができる。
なお、本発明に係る放射線検出装置及び放射線画像検出システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…放射線画像検出システム
12…被写体
14…放射線
16…放射線源
18a…第1放射線検出構成単位
18b…第2放射線検出構成単位
18c…第3放射線検出構成単位
19…放射線検出器
19a、20a…前面
19b、20b…背面
20…放射線検出装置
22…画像処理手段
24…画像出力手段
26…加算画像生成部
28…サブトラクション画像生成部
30…フィルタ
32a…第1固体検出器
32b…第2固体検出器
32c…第3固体検出器
34a…第1シンチレータ
34b…第2シンチレータ
34c…第3シンチレータ
36a…第1放射線変換パネル
36b…第2放射線変換パネル
38…金属板

Claims (14)

  1. 画像情報を担持する放射線を検出して電気信号に変換する放射線検出構成単位を少なくとも2枚積層してなる放射線検出器を備え、
    前記放射線が照射される前記放射線検出器の前面側に配置された第1放射線検出構成単位は、前記放射線の低エネルギー成分を主として吸収する第1放射線吸収部を有し、
    前記放射線検出器の背面側に配置された第2放射線検出構成単位は、前記放射線の高エネルギー成分を主として吸収する第2放射線吸収部を有することを特徴とする放射線検出装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記第1放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端は、前記第2放射線吸収部を構成する主たる物質のK吸収端より30keV以上小さいことを特徴とする放射線検出装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記第1放射線吸収部を構成する主たる物質は、原子番号55以下の元素を母体として構成され、
    前記第2放射線吸収部を構成する主たる物質は、原子番号64以上の元素を母体として構成されることを特徴とする放射線検出装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記第1放射線検出構成単位は、
    前記第1放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を可視光に変換する第1シンチレータと、
    該第1シンチレータで変換された可視光を第1電気信号に変換する第1光電変換層、並びに、前記第1電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第1固体検出器と、
    を有し、
    前記第2放射線検出構成単位は、
    前記第2放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を可視光に変換する第2シンチレータと、
    該第2シンチレータで変換された可視光を第2電気信号に変換する第2光電変換層、並びに、前記第2電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第2固体検出器と、
    を有することを特徴とする放射線検出装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記放射線検出器の前面から背面に向かって、前記第1固体検出器、前記第1シンチレータ、前記第2シンチレータ、前記第2固体検出器の順に配置されていることを特徴とする放射線検出装置。
  6. 請求項3記載の装置において、
    前記第1放射線検出構成単位は、
    前記第1放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を第1電気信号に直接変換する第1光電変換層と、前記第1電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる第1固体検出器を有し、
    前記第2放射線放射線検出構成単位は、
    前記第2放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を可視光に変換する第2シンチレータと、
    該第2シンチレータで変換された可視光を第2電気信号に変換する第2光電変換層、並びに、前記第2電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第2固体検出器と、
    を有することを特徴とする放射線検出装置。
  7. 請求項3記載の装置において、
    前記第1放射線検出構成単位は、
    前記第1放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を可視光に変換する第1シンチレータと、
    該第1シンチレータで変換された可視光を第1電気信号に変換する第1光電変換層、並びに、前記第1電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第1固体検出器と、
    を有し、
    前記第2放射線検出構成単位は、前記第2放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を第2電気信号に直接変換する第2光電変換層と、前記第2電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる第2固体検出器を有することを特徴とする放射線検出装置。
  8. 請求項3記載の装置において、
    前記第1放射線検出構成単位は、前記第1放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を第1電気信号に直接変換する第1光電変換層と、前記第1電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる第1固体検出器を有し、
    前記第2放射線検出構成単位は、前記第2放射線吸収部を構成し且つ前記放射線を第2電気信号に直接変換する第2光電変換層と、前記第2電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板とからなる第2固体検出器を有することを特徴とする放射線検出装置。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載の装置において、
    前記第1放射線検出構成単位が前記第1放射線吸収部を構成する第1シンチレータと前記第1固体検出器とを有する場合に、当該第1シンチレータは、ZnS、CsI、MgGaO4、ZnSiO4、Y23 又はY22Sを主成分とする母体構成の蛍光体からなり、
    前記第1放射線検出構成単位が前記第1放射線吸収部を構成する第1固体検出器を有する場合に、当該第1固体検出器の前記第1光電変換層は、a−Se、GaAs又はZnSeを主成分とする母体構成の半導体からなり、
    前記第2放射線検出構成単位が前記第2放射線吸収部を構成する第2シンチレータと前記第2固体検出器とを有する場合に、当該第2シンチレータは、(Gd,Lu)22S、CaWO4、ZnWO4、MgWO4、(Y,La,Ga,Lu,Sr)TaO4、GdBO3又はBi4Ge312を主成分とする母体構成の蛍光体からなり、
    前記第2放射線検出構成単位が前記第2放射線吸収部を構成する第2固体検出器を有する場合に、当該第2固体検出器の前記第2光電変換層は、PbI2、CdTe、CdZnTe、BiI3、PbO、HgI2又はBi12(Ti,Si,Ge)O20を主成分とする母体構成の半導体からなることを特徴とする放射線検出装置。
  10. 請求項4記載の装置において、
    前記放射線検出器は、前記第1放射線検出構成単位と前記第2放射線検出構成単位との間に介挿された第3放射線検出構成単位をさらに有し、
    前記第3放射線検出構成単位は、前記放射線を可視光に変換する第3シンチレータと、該第3シンチレータで変換された可視光を第3電気信号に変換する第3光電変換層、並びに、前記第3電気信号を読み出すためのスイッチング素子及び電極が配列された基板からなる第3固体検出器とを有することを特徴とする放射線検出装置。
  11. 請求項10記載の装置において、
    前記第1シンチレータは、ZnS、CsI、MgGaO4、ZnSiO4、Y23 又はY22Sを主成分とする蛍光体からなり、
    前記第2シンチレータは、Bi4Ge312を主成分とする蛍光体からなり、
    前記第3シンチレータは、Gd22S、Gd23又はGdBO3を主成分とする蛍光体からなることを特徴とする放射線検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置において、
    前記各放射線検出器構成単位の間には、前記放射線の低エネルギー成分を吸収する物質を含むフィルタが介在されていることを特徴とする放射線検出装置。
  13. 請求項12記載の装置において、
    前記フィルタは、Al、Ti、Ag、Pb、Fe、Ni、Cu、Zn、La、Cs、Ba、Sn、Sb、Tb、Ce又はSmを主成分とし且つ50μm〜450μmの厚みを有する金属板であることを特徴とする放射線検出装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記各放射線検出構成単位からの電気信号を読み出し、読み出した前記各電気信号を加算処理して加算画像を生成し、及び/又は、読み出した前記各電気信号に対してエネルギーサブトラクション処理を行いサブトラクション画像を生成する画像処理手段と、
    を備えることを特徴とする放射線画像検出システム。
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