JP2004283410A - 医用画像生成装置、医用画像処理システム、撮影条件の調整方法及び異常陰影候補の検出条件の調整方法 - Google Patents

医用画像生成装置、医用画像処理システム、撮影条件の調整方法及び異常陰影候補の検出条件の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医師の読影に最適な画質であり、かつ異常陰影候補検出装置による異常陰影候補の検出に最適な画質の医用画像を得る。
【解決手段】医用画像処理システム100では、医用画像生成装置10においてファントム画像を撮影し、当該ファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件を調整し、そのファントム画像の画像特徴量を利用して画像処理条件の調整を行うとともに、異常陰影候補検出装置30において、ファントム画像の特徴量又は撮影条件の調整結果を利用して異常陰影候補の検出条件の調整を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者の医用画像データを生成する医用画像生成装置、生成された医用画像データを画像解析して異常陰影候補を検出する医用画像処理システム、医用画像生成装置における撮影条件の調整方法及び異常陰影候補検出装置における異常陰影候補の検出条件の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現され、医師による診断時には、CR(Computed Radiography)装置等の医用画像生成装置により生成された医用画像データをモニタやフィルムに出力するスクリーン/フィルム(以下、S/Fという。)システムが一般的に利用されている。医師は、モニタやフィルムに出力された医用画像を読影し、病変部と思われる異常陰影の検出や病変部の経時変化を観察して診断を行っている。
【0003】
近年では、医師の読影に対する負担軽減を目的として、撮影された医用画像を画像解析することにより、病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる異常陰影候補検出装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記CR装置等により撮影を行う際には、患者への不必要な被曝を避けなければならないため、放射線量やグリッド比などの撮影条件の調整は必須である。また、上記CR装置等により撮影される医用画像の画質は、その撮影条件により大きく異なるため、従来は、上記S/Fシステムに応じてモニタやフィルムに医用画像を出力したときに医師が読影しやすい画質となるように、撮影条件が調整されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−112985号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の撮影条件の調整方法では、医師のS/Fシステムによる読影を前提として撮影条件が決定されるため、医師による観察に適した画質は得られるが、必ずしもCADによる異常陰影候補の検出に最適な画質となるわけではなかった。
【0007】
また、一般にデジタル画像はダイナミックレンジが広く、対応可能な照射線量域が広いため、施設間や医用画像生成装置毎に設定する撮影条件が異なる場合が多く、画質がばらつくことが多かった。このような画質にばらつきがある状態で上記CADにより異常陰影候補の検出を行った場合、撮影条件によってその検出結果に大きな差が生じることとなり、安定した検出結果が得られない。
【0008】
本発明の課題は、医師の読影に最適な画質であり、かつ異常陰影候補検出装置による異常陰影候補の検出に最適な画質の医用画像を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
患者を撮影する撮影手段を備え、当該撮影手段によって撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成する医用画像生成装置において、
前記医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析手段と、
前記算出された画像特徴量に基づいて前記撮影手段における撮影条件を調整する撮影条件調整手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像生成装置において、
前記撮影手段は、撮影条件調整のための基準画像であるファントム画像を撮影し、
前記画像解析手段は、前記撮影されたファントム画像の画像特徴量を算出し、前記撮影条件調整手段は、前記算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件を調整することを特徴としている。
【0011】
請求項15に記載の発明は、
患者を撮影する撮影手段を備えた医用画像生成装置における撮影条件の調整方法において、
前記撮影手段により患者を撮影する撮影工程と、
前記撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成するデータ生成工程と、
前記医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析工程と、
前記算出された画像特徴量に基づいて前記撮影手段における撮影条件を調整する撮影条件調整工程と、
を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の撮影条件の調整方法において、
前記撮影工程では、撮影条件調整のための基準画像であるファントム画像を撮影し、
前記画像解析工程では、前記撮影されたファントム画像の画像特徴量を算出し、
前記撮影条件調整工程では、前記算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件を調整することを特徴としている。
【0013】
請求項1、3、15、17に記載の発明によれば、調整の基準となるファントム画像を撮影し、当該ファントム画像から算出された画像特徴量に基づいて撮影条件を調整するので、医師の読影に最適な画質であり、かつ異常陰影候補検出装置による異常陰影候補の検出に最適な画質が得られるように撮影条件を設定することができる。また、医用画像生成装置毎又は画像毎の画質のばらつきを抑えることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像生成装置において、
前記撮影手段は、患者に放射線を照射して放射線画像を撮影し、
前記撮影条件調整手段は、前記撮影手段により照射される放射線量を、所定範囲内で調整することを特徴としている。
【0015】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の撮影条件の調整方法において、
前記撮影工程では、患者に放射線を照射して放射線画像を撮影し、
前記撮影条件調整工程では、前記撮影手段により照射される放射線量を、所定範囲内で調整することを特徴としている。
【0016】
請求項2、16に記載の発明によれば、撮影手段により照射される放射線量を所定範囲内で調整するので、適切な範囲内で放射線照射を行うことができ、安全な撮影を行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の医用画像生成装置において、
前記ファントム画像は、模擬病変が撮影された画像及び/又は濃度が段階的に変化するグラデーションを有する画像であることを特徴としている。
【0018】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の撮影条件の調整方法において、
前記ファントム画像は、模擬病変が撮影された画像及び/又は濃度が段階的に変化するグラデーションを有する画像であることを特徴としている。
【0019】
請求項4、18に記載の発明によれば、模擬病変が撮影された画像やグラデーションを有する画像を調整用のファントム画像として利用することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の医用画像生成装置において、
前記ファントム画像は、密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像であることを特徴としている。
【0021】
請求項19に記載の発明は、請求項17に記載の撮影条件の調整方法において、
前記ファントム画像は、密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像であることを特徴としている。
【0022】
請求項5、19に記載の発明によれば、物質の密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像を調整用のファントム画像として利用することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の医用画像生成装置において、
前記撮影条件調整手段による撮影条件の調整結果を保存する保存手段を備えることを特徴としている。
【0024】
請求項20に記載の発明は、請求項15〜19の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法において、
前記撮影条件調整工程における撮影条件の調整結果を保存手段に保存する保存工程を含むことを特徴としている。
【0025】
請求項6、20に記載の発明によれば、撮影条件の調整結果を保存するので、後に調整結果を容易に確認することができるとともに、調整結果の履歴を保存し、当該履歴に基づいて最適な撮影条件を予測することが可能となる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の医用画像生成装置において、
前記保存手段に保存された撮影条件の調整結果の履歴を表示する表示手段を備え、
前記表示された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された調整結果の撮影条件に設定可能であることを特徴としている。
【0027】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の撮影条件の調整方法において、
前記保存手段に保存された撮影条件の調整結果の履歴を表示手段に表示する表示工程と、
前記表示された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された調整結果の撮影条件を設定する設定工程と、
を含むことを特徴としている。
【0028】
請求項7、21に記載の発明によれば、保存された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された撮影条件を設定可能であるので、過去調整を行った撮影条件の中から最適な撮影条件を再度設定することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の医用画像生成装置において、
医用画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像解析手段により算出された画像特徴量に基づいて前記画像処理手段における画像処理条件を調整する画像処理条件調整手段と、
を備えることを特徴としている。
【0030】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の医用画像生成装置において、
前記画像処理手段による画像処理には、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理が含まれることを特徴としている。
【0031】
請求項22に記載の発明は、請求項15〜21の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法において、
前記データ生成工程において生成された医用画像データに画像処理手段により画像処理を施す画像処理工程と、
前記画像解析工程において算出された画像特徴量に基づいて前記画像処理手段における画像処理条件を調整する画像処理条件調整工程と、
を含むことを特徴としている。
【0032】
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の撮影条件の調整方法において、
前記画像処理工程で施される画像処理には、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理が含まれることを特徴としている。
【0033】
請求項8、9、22、23に記載の発明によれば、撮影条件の調整時に算出された画像特徴量を用いて、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ処理などの画像処理条件を調整するので、医師の読影に最適な画質かつ異常陰影候補検出に最適な画質を両立する撮影条件で撮影された医用画像が、さらに医師の読影に最適な画質となるように画像処理条件を設定することができる。
【0034】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の医用画像生成装置において、
医用画像データを出力する出力装置に接続し、当該出力装置に前記画像処理手段により画像処理された医用画像データを出力させることを特徴としている。
【0035】
請求項24に記載の発明は、請求項22又は23に記載の撮影条件の調整方法において、
医用画像データを出力する出力装置により、前記画像処理工程で画像処理された医用画像データを出力する出力工程を含むことを特徴としている。
【0036】
請求項10、24に記載の発明によれば、医師の読影に最適な画質となるように画像処理が施された医用画像データを出力することができる。
【0037】
請求項11に記載の発明は、
請求項1〜10の何れか一項に記載された医用画像生成装置と、医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置とが接続された医用画像処理システムであって、
前記異常陰影候補検出装置は、
前記医用画像生成装置の撮影条件調整手段による撮影条件の調整結果に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整手段を備えることを特徴としている。
【0038】
請求項25に記載の発明は、請求項15〜24の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法において、
医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を、前記撮影条件調整工程における撮影条件の調整結果に基づいて調整する検出条件調整工程を含むことを特徴としている。
【0039】
請求項11、25に記載の発明によれば、撮影条件の調整結果に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整するので、撮影環境が異なる場合でも、撮影画像の画質に応じて検出条件の最適化を図ることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【0040】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記医用画像生成装置の画像解析手段により算出される画像特徴量は、前記異常陰影候補検出手段により算出される画像特徴量と少なくとも1つ以上共通していることを特徴としている。
【0041】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記検出条件調整手段は、前記画像解析手段により算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出条件を調整することを特徴としている。
【0042】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の撮影条件の調整方法において、
前記画像解析工程において算出される画像特徴量は、前記異常陰影候補検出手段により算出される画像特徴量と少なくとも1つ以上共通していることを特徴としている。
【0043】
請求項27に記載の発明は、請求項26に記載の撮影条件の調整方法において、
前記検出条件調整工程では、前記画像解析工程で算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出条件を調整することを特徴としている。
【0044】
請求項12、13、26、27に記載の発明によれば、撮影条件の調整時に算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量を用いて検出条件の調整を行うので、異常陰影候補の検出に最適な調整を行うことができる。
【0045】
請求項14に記載の発明は、
患者を撮影する撮影手段を備え、当該撮影手段によって撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成する医用画像生成装置と、医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置とが接続された医用画像処理システムであって、
前記医用画像生成装置又は異常陰影候補検出装置は、
医用画像生成装置により生成された医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析手段を備え、
前記異常陰影候補検出装置は、
前記算出された画像特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整手段を備えることを特徴としている。
【0046】
請求項28に記載の発明は、異常陰影候補の検出条件の調整方法において、
医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置における異常陰影候補の検出条件の調整方法であって、
医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析工程と、
前記算出された画像特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整工程と、を含むことを特徴としている。
【0047】
請求項14、28に記載の発明によれば、医用画像の画像特徴量に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整するので、撮影環境が異なる場合でも、撮影画像の画質に応じて検出条件の最適化を図ることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、医用画像生成装置において、ファントム画像を撮影し、当該ファントム画像の画像特徴量に基づいて、撮影画像が医師による読影及び異常陰影候補検出装置による異常陰影候補検出に最適な画質となるように撮影条件を調整するとともに、調整された撮影条件による撮影画像が医師の読影に最適となるように、ファントム画像の画像特徴量に基づいて画像処理条件の調整を行い、異常陰影候補検出装置において、ファントム画像の特徴量又は撮影条件の調整結果を利用して異常陰影候補の検出条件の調整を行い、施設間又は撮影装置間の検出結果のばらつきを抑える医用画像処理システムの例を説明する。
【0049】
なお、本実施の形態では、患者の乳房画像(以下、マンモグラフィという。)を撮影し、このマンモグラフィから異常陰影候補を検出する医用画像処理システムについて説明するが、これに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。
【0050】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理システム100は、医用画像生成装置10、異常陰影候補検出装置30、出力装置50が通信ネットワークNを介して互いに情報の送受信が可能に接続されている。
【0051】
次に、医用画像生成装置10について説明する。
医用画像生成装置10は、被写体(患者)に対して放射線を照射して撮影を行い、被写体を透過した放射線量に応じて医用画像データを生成するものである。
【0052】
図2に、医用画像生成装置10の機能的構成を示す。
図2に示すように、医用画像生成装置10は、撮影手段11、画像データ生成手段12、記憶手段13、画像解析手段14、撮影条件調整手段15、保存手段16、画像処理手段17、画像処理条件調整手段18、通信手段19を備えて構成される。
【0053】
撮影手段11は、放射線を発生する放射線源(図示せず)を有している。放射線源は、放射線を発生させる管球により構成される。
撮影条件の調整時には、撮影手段11は、撮影条件調整の基準となるファントム画像を初期設定の撮影条件により撮影する。そして、撮影条件調整手段15から入力された撮影制御情報に従って指示された撮影条件を設定し、当該設定された撮影条件により放射線を発生させ、患者の撮影を行う。
【0054】
撮影条件としては、例えば管球の種類(なお、管球の種類としては、マンモグラフィでは、Mo(モリブデン)、Rh(ロジウム)等の管球を構成する物質に応じた種類がある。)、放射線を放出する際の管電圧(単位;kV)、放射線量(なお、放射線量は、管電流(単位;mA)と放射線放出時間(単位;s(秒))との積で示され、単位はmAsで表される。)、人体に吸収される可能性がある小エネルギーの放射線を吸収するフィルタの種類(フィルタの種類としては、マンモグラフィでは、Mo、Rh等のフィルタを構成する物質に応じた種類がある。)、放射線透過物質と放射線吸収物質とが交互に配列され、散乱線を吸収するグリッド比(放射線透過物質と放射線吸収物質との比率)等が挙げられる。
【0055】
ここで、撮影条件と撮影された画像の画質との相関関係について説明する。
一般に、管電圧又は管電流を高くすると、照射される放射線量が増大する。照射される放射線量が多い場合、撮影画像においては、局所領域における画素値が大きくなるとともに、画像のノイズ量が減少するため信号値のばらつきが少なくなり、撮影画像の粒状性が良好となる。一方、照射される放射線量が少ない場合、局所領域における画素値は小さくなるとともに、画像のノイズ量が増大するため、信号値のばらつきが多くなり、粒状性が悪化する。
【0056】
管電圧特性については、管電圧を高くすると撮影画像におけるコントラストが低くなる傾向があり、管電圧を適切な範囲内で小さくすると、コントラストが向上する。また、管電流値を大きくすると放射線量が増大し、撮影画像における画素値、つまり濃度が大きくなる。
【0057】
撮影にフィルタを使用した場合、不使用の場合と比較して撮影画像のコントラストが向上する傾向があるが、放射線量が減少するため撮影画像におけるノイズ量が増加し粒状性が悪化する。さらに、グリッド比を大きくする(放射線吸収物質の比率を大きくする)に従って除去される散乱線量が増大するため、放射線量は減少するとともにコントラストが高く鮮鋭性の高い撮影画像が得られる。
【0058】
画像データ生成手段12は、輝尽性蛍光体層を形成した撮影パネル、励起光発生器、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子、A/D変換器等から構成される。画像データ生成手段11は、被写体を透過した放射線を撮影パネルに吸収させ、この撮影パネルに励起光を照射して撮影パネル上を走査する。そして、撮影パネルから放射された蛍光を光電変換後してアナログ画像信号を生成し、さらにこのアナログ画像信号をA/D変換することによりデジタル画像データを生成する。生成した画像データは、記憶手段12に出力する。
【0059】
なお、画像データ生成手段12として、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)の適用が可能である。FPDは、例えば特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものであり、被写体の放射線画像を撮像して電気信号として出力する。
【0060】
記憶手段13は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ生成手段11により生成された画像データを記憶する。
【0061】
画像解析手段14は、撮影手段11により撮影され、画像データ生成手段12により生成されたファントム画像の画像データの画像解析を行い、各種画像特徴量を算出する。
【0062】
図3〜5に、ファントム画像例を示す。
図3は、乳癌の2大所見である微小石灰化クラスタ及び腫瘤の模擬病変が撮影されたファントム画像Aを示す図であり、図4は、微小石灰化クラスタの模擬病変が撮影されたファントム画像Bを示す図である。また、図5(a)は、濃度が段階的に変化するグラデーションを有するファントム画像Cを示す図である。以下、各ファントム画像A〜Cについて説明する。
【0063】
ファントム画像Aは、図3に示すように、微小石灰化クラスタの陰影パターン1〜5、腫瘤の陰影パターン6〜10を有している。各陰影パターンは、異常陰影候補の検出レベルが異なるように構成され、例えば微小石灰化クラスタの陰影パターン1〜5では、陰影を構成する点の大きさが小さくなるに従ってそのコントラストが小さくなり、検出が困難になる。腫瘤の陰影パターン6〜10では、略円形の陰影の大きさが小さくなるに従って検出が困難になる。
【0064】
ファントム画像Bは、図4に示すように、模擬病変の厚さ、半径をパラメータとして、コントラスト、粒状性、鮮鋭性等の画質レベルが段階的に変化する陰影パターンを有する。つまり、画質レベルの変化により陰影の検出レベルが異なるように構成され、例えばコントラストが高ければ陰影が明瞭となるため検出が容易となるが、粒状性が低ければ画像のノイズ量が増加していることが推測され、検出が困難になる。
【0065】
ファントム画像Cは、図5(b)に示す、階段状に厚さが変化するように形成されたステップウェッジと呼ばれるファントムが撮影された画像であり、図5(a)に示すように、濃度が段階的に変化した濃度パターン0〜9を有する。ステップウェッジの厚みが小さいステップ部分では放射線の透過率が高いため、その放射線画像が高濃度になる一方、厚みが大きいステップ部分では放射線の透過率が低いため、その放射線画像が低濃度になる。従って、ステップウェッジが撮影された放射線画像は、段階的に濃度が変化したグラデーションを有する画像となる。
【0066】
画像解析手段14は、上述したファントム画像の画像解析を行って、例えば模擬病変が撮影されたファントム画像A、Bであれば、局所領域における画素値、模擬病変部のコントラスト、模擬病変部周辺の標準偏差等の各種画像特徴量を算出する。また、ステップウェッジが撮影されたファントム画像Cであれば、ある特定のステップ部分、例えば濃度パターン5の平均画素値、濃度パターン4と濃度パターン5の平均画素値の差(コントラスト)、濃度パターン5における標準偏差等の各種画像特徴量を算出する。算出された各種特徴量は、撮影条件調整手段15、保存手段16及び画像処理条件調整手段18に出力される。
【0067】
撮影条件調整手段15は、画像解析手段14から入力されるファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件の調整を行う。具体的には、ファントム画像から算出される画像特徴量に対して、撮影条件調整のための基準値を設定した基準テーブル(図6参照)を備えており、当該基準テーブルに設定された基準値と、画像解析手段14により算出されたファントム画像の画像特徴量とを比較し、その比較結果に基づいて初期設定の撮影条件を変更する。
【0068】
図6(a)に、模擬病変が撮影されたファントム画像A、Bの画像特徴量に対する基準値が設定された場合の基準テーブルを示す。図6(a)に示すように、局所領域における画素値の基準値として「1500」の値が設定され、模擬病変部のコントラストの基準値として「300」、模擬病変部周辺の標準偏差の基準値として「50」が設定されている。
【0069】
図6(b)に、ステップウェッジが撮影されたファントム画像Cの画像特徴量に対する基準値が設定された場合の基準テーブルを示す。図6(b)に示すように、濃度パターン5の平均画素値の基準値として「1500」、濃度パターン4、5のコントラストの基準値として「300」、濃度パターン5における標準偏差の基準値として「50」が設定されている。
【0070】
調整により初期設定の撮影条件が変更された結果、撮影条件が決定されると、撮影条件調整手段15は、当該決定された撮影条件で撮影を行うよう指示する撮影制御情報を生成し、撮影手段11に出力する。また、撮影条件の調整結果を保存手段16に出力する。
【0071】
保存手段16は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、図7に示すように、撮影条件が調整された調整日と、画像解析手段14から入力されたファントム画像の各種画像特徴量と、撮影条件調整手段15から入力された撮影条件の調整結果とを対応付けて保存する。
【0072】
撮影条件の調整結果は、図7に示すように、調整により最終決定された撮影条件の情報が保存され、初期設定の撮影条件から変更が有る場合はその変更があった条件項目において、初期設定の撮影条件からどれだけ変更されたのかを示す変更履歴の情報が保存される。例えば、初期設定の撮影条件ではグリッド比が“1:4” 、管電圧値が“28kV”に設定されており、調整によるグリッド比の変更が無く、管電圧値が“30kV”に変更された場合、グリッド比の条件項目には「1:4」と保存され、管電圧の条件項目には「28(調整前)→30(調整後)」と、調整前と調整後の撮影条件が把握できるようにその変更履歴の情報が保存される。
【0073】
画像処理手段17は、画像データ生成手段12又は記憶手段13から医用画像データを読み出して、当該医用画像データに各種画像処理を施す。画像処理された医用画像データは、通信手段19に出力される。なお、画像処理手段17による画像処理は、任意に行われるものであり、画像データ生成手段12により生成された医用画像データに画像処理を施さず、原画像のまま異常陰影候補検出装置30、出力装置50に出力することも可能である。
【0074】
画像処理手段17による画像処理には、画像全体のコントラストを調整する階調処理、広範囲にわたって存在する陰影領域のコントラストを同一レベルに補正するコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整する周波数処理、ダイナミックレンジの広い画像において低濃度又は高濃度領域の濃度を補正し、見やすい濃度範囲に収めるダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0075】
以下、各画像処理について説明する。
階調処理は、原画像データと階調処理後の処理画像データとの対応を示す階調変換曲線を用いて、原画像データの階調を所望の階調に変換する処理である。階調変換曲線の作成方法としては、例えば特開昭55−116340号公報、特開平2−272529号公報に示される手法が適用可能である。
【0076】
コントラスト補正処理は、広い領域にわたって存在する陰影領域のコントラストを同一レベルに補正するコントラスト補正曲線を用いて原画像データを画像変換する処理であり、異常陰影候補検出の前処理として行われるものである。コントラスト補正曲線の作成方法としては、MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.14 No.6 November 1996 第665頁から第679頁に記載されている方法を適用することができる。
【0077】
コントラスト補正処理では、上記コントラスト補正曲線を用いて医用画像を画像変換することにより、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪量域の濃度階調を圧縮するように補正が行われる。このコントラスト補正処理は、異常陰影候補の検出精度の向上に貢献するだけではなく、視覚的にも乳腺組織内の観察が容易になるという点で、異常陰影候補検出の前処理として非常に有効な画像処理である。
【0078】
周波数処理としては、例えば特公昭62−62373号に示される非鮮鋭マスク処理や、特開平9−44645号公報に示される多重解像度解析を適用することができる。周波数処理では、下記の式(1)で示される演算を行って原画像データに含まれる特定の周波数成分に強調係数αを乗じて強調することにより、原画像データから所望の鮮鋭度の処理画像データを得る。
Figure 2004283410
【0079】
ダイナミックレンジ処理としては、例えば特許250950号に示される手法を適用することができる。ダイナミックレンジ圧縮処理では、下記の式(2)で示される演算を行って、ある信号値Aより低濃度領域の画像信号に補正係数βを乗じて補正を行うことにより、当該低濃度領域の濃度階調を圧縮する。
Figure 2004283410
【0080】
画像処理条件調整手段18は、画像解析手段14により算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて、画像処理手段17における画像処理条件の調整を行う。調整の結果、画像処理条件が決定されると、当該決定された画像処理条件の情報を画像処理手段17に出力し、当該画像処理条件を画像処理手段17に設定する。
【0081】
すなわち、画像処理条件調整手段18は、ファントム画像から算出される画像特徴量に対して画像処理条件調整のための基準値を設定した基準テーブル(図示せず)を備え、当該基準テーブルに設定された基準値と、画像解析手段14により算出されたファントム画像の画像特徴量とを比較し、その比較結果に基づいて画像処理条件を決定する。なお、基準テーブルのデータ構成は、図6に示した撮影条件調整のための基準テーブルと同様であるので、基準テーブルについての図示及び説明は省略する。
【0082】
通信手段19は、ネットワークインターフェイスカードやモデム等により構成され、通信ネットワークN上の異常陰影候補検出装置30、出力装置50と情報の送受信を行う。通信手段19は、画像データ生成手段12、画像処理手段17又は記憶手段13から入力された医用画像データを異常陰影候補検出装置30又は出力装置50に送信する。また、異常陰影候補の検出条件調整時には、保存手段16に保存されたファントム画像の画像特徴量及び/又は撮影条件の調整結果の情報を異常陰影候補検出装置30に送信する。
【0083】
次に、異常陰影候補検出装置30について説明する。
異常陰影候補検出装置30は、医用画像生成装置10から受信された医用画像データを画像解析して各種画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として検出するものである。
【0084】
図8に、異常陰影候補検出装置30の機能的構成を示す。
図8に示すように、異常陰影候補検出装置30は、通信手段31、記憶手段32、画像処理手段33、異常陰影候補検出手段34、検出条件調整手段35、出力制御手段36を備えて構成される。
【0085】
通信手段31は、通信ネットワークN上の医用画像生成装置10、出力装置50と情報の送受信を行う。通信手段31は、医用画像生成装置10から異常陰影候補検出対象の医用画像データを受信するとともに、異常陰影候補を検出済みの医用画像データをその検出結果とともに出力装置50に送信する。
【0086】
また、通信手段31は、医用画像生成装置10から異常陰影候補の検出条件の調整に用いるファントム画像の画像特徴量及び/又は医用画像生成装置10における撮影条件の調整結果を受信し、記憶手段32又は検出条件調整手段35に出力する。
【0087】
記憶手段32は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、通信手段31から入力された医用画像データ、ファントム画像の画像特徴量、撮影条件の調整結果等の各種情報を記憶する。
【0088】
画像処理手段33は、通信手段31又は記憶手段32から入力された医用画像データに対し、必要に応じて階調処理、コントラスト補正処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等の各種画像処理を施す。
【0089】
異常陰影候補検出手段34は、通信手段31又は記憶手段32から入力された医用画像データの画像解析を行って画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補の画像領域を検出する。
【0090】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタ等の陰影を検出する。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在した場合、そこが初期癌である可能性が高い。マングラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0091】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出する手法について説明する。
異常陰影候補検出手段34では、腫瘤陰影の検出に適した手法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0092】
・左右乳房を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した乳房領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0093】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適した方法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0094】
・乳房領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0095】
異常陰影候補検出手段34は、上述したような手法により、例えば医用画像データ中の陰影の位置情報、大きさ(面積)、陰影の内部と外部の濃度値の差であるコントラスト、陰影の周辺部から中心部にかけての濃度勾配の強度成分、方向成分等の各種画像特徴量を算出する。そして、算出された画像特徴量に対して、検出条件調整手段35により設定された検出条件、つまり各画像特徴量に対して設定される閾値を超えた陰影を異常陰影候補として検出する。異常陰影候補として検出された陰影の各種画像特徴量は検出結果として出力制御手段36に出力される。
【0096】
なお、異常陰影候補の検出条件は、上述した画像特徴量に対して設定される閾値だけに限らず、異常陰影候補の検出要因となるのであれば、異常陰影候補検出の前処理であるコントラスト補正処理で適用されるコントラスト補正曲線等も含むこととする。
【0097】
ここで、撮影画像の画質と異常陰影候補検出との相関関係について説明する。
病変部と思われる異常陰影は、陰影内部が低濃度であり陰影の内部と外部のコントラストが高くなる。従って、撮影画像におけるコントラストが高い場合、陰影領域の内外のコントラストがつきやすく、異常陰影候補の検出が容易になる一方、コントラストが低い場合、病変部の陰影領域と陰影周辺の領域との区別が困難になるため異常陰影候補の検出が困難になる。
【0098】
また、撮影画像における粒状性が低い場合、つまりノイズ量が多い場合、ノイズと画像信号との区別がつきにくく異常陰影候補の検出が困難になる。特に、微小石灰化クラスタの陰影においては、石灰化部分が点状に分布する形態をとるため、ノイズの影響が大きい。逆に、撮影画像における粒状性が高い場合、ノイズ量が少なく異常陰影候補の検出が容易となる。
【0099】
さらに、撮影画像における鮮鋭性が高い場合、陰影領域の境界が明瞭になるため検出が容易となるが、撮影画像における鮮鋭性が低い場合、陰影領域と陰影周辺の領域との境界が不明瞭となり、検出が困難になる。
【0100】
検出条件調整手段35は、通信手段31又は記憶手段32から入力されたファントム画像の画像特徴量又は医用画像生成装置10における撮影条件の調整結果に基づいて、異常陰影候補検出手段34における異常陰影候補の検出条件の調整を行う。調整の結果、検出条件が決定されると、検出条件調整手段35は、当該決定された検出条件の情報を異常陰影候補検出手段34に出力し、当該検出条件を異常陰影候補検出手段34に設定する。
【0101】
検出条件調整手段35は、ファントム画像の画像特徴量に基づいて検出条件を調整する場合、ファントム画像の画像特徴量の算出値に応じて最適な異常陰影候補の検出レベルを設定した検出レベルテーブル(図9参照)、各検出レベルに応じた検出条件が設定された検出条件テーブル(図10参照)を予め備えておく。
【0102】
図9に、ファントム画像のコントラストcに応じて検出レベルが設定された場合の検出レベルテーブルの例を示す。コントラストが低くなるに従って異常陰影候補の検出が困難になると推測されるので、図9に示す検出レベルテーブルでは、ファントム画像のコントラストcが低くなるにつれて検出レベルが低く設定されている。また、図10に示すように、検出条件テーブルでは、検出レベルに応じて検出条件が対応づけられており、例えば検出レベル1に対しては、コントラスト400、標準偏差35等、異常陰影候補検出時の画像特徴量に対する閾値等が設定された検出条件Aが対応付けられている。
【0103】
例えば、ファントム画像から算出されたコントラストcが“650”であった場合、検出条件調整手段35は、検出レベルテーブルに基づいて、異常陰影候補の検出レベルをレベル2と決定する。検出レベルがレベル2に決定されると、検出条件テーブルに基づいて、検出条件Bを実際に異常陰影候補の検出に適用される検出条件として決定する。
【0104】
検出条件調整手段35は、撮影条件の調整結果に基づいて検出条件を調整する場合、初期設定の撮影条件からの変更状況に応じて初期設定の検出レベルを変更する。そして、上述した検出条件テーブルに基づいて、最終変更された検出レベルに応じた検出条件を実際に異常陰影候補検出に適用される検出条件として決定する。
【0105】
出力制御手段36は、出力装置50に送信する医用画像データの出力制御を行う。出力制御手段36は、画像処理手段33により画像処理が施された医用画像データを通信手段31に出力装置50に送信する際に、当該医用画像データと異常陰影候補検出手段55から入力された検出結果とを対応付けて送信させる。
【0106】
次に、出力装置50について説明する。
出力装置50は、医用画像データを表示出力する表示装置やフィルムに出力するフィルム出力装置、紙などの記録媒体に印刷出力するプリンタ等が適用可能である。出力装置50は、医用画像生成装置10から送信された医用画像データを出力する。また、異常陰影候補検出装置30から送信された医用画像データをその異常陰影候補の検出結果とともに出力し、このとき、異常陰影候補の位置を指摘するマーカーを医用画像上に表示する等して異常陰影候補の画像領域を識別可能に出力する。
【0107】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
まず、図11を参照して、医用画像生成装置10により実行される撮影条件設定処理を説明する。この撮影条件設定処理は、撮影して得られたファントム画像の画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて撮影条件を調整して撮影手段11に設定する処理である。
【0108】
なお、本実施の形態では、撮影条件として管電流、管電圧、フィルタ、グリッド比を調整する例を説明するが、管球等の他の撮影条件を調整対象としてもよい。また、ファントム画像の画像特徴量として、画素値、コントラスト、標準偏差を適用した例を説明するが、他の画像特徴量を算出して調整に用いることとしてもよい。
【0109】
図11に示す撮影条件設定処理では、まずステップS1において、撮影手段11により初期設定の撮影条件、例えば管電圧が28kV、管電流が50mA、グリッド比が1:4の条件でファントム画像の撮影が行われる。そして、撮影されたファントム画像の画像データが画像データ生成手段12により生成され、生成されたファントム画像の画像データが記憶手段13に記憶される。
【0110】
次いで、ステップS2では、画像解析手段14によりファントム画像の画像解析が行われ、ファントム画像の画像特徴量が算出される。例えば、ファントム画像が模擬病変が撮影されたファントム画像A、Bであれば、局所領域における画素値、模擬病変部のコントラスト、模擬病変部周辺の標準偏差が算出され、ファントム画像がステップウェッジが撮影されたファントム画像Cであれば、濃度パターン5の平均画素値及び標準偏差、濃度パターン4、5のコントラストが算出される。算出された画像特徴量は撮影条件調整手段15、画像処理条件調整手段18、保存手段16に出力される。
【0111】
ステップS3では、算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて、撮影条件調整手段15により撮影条件調整処理が行われる。
図12を参照して、ステップS3の撮影条件の調整処理について説明する。
図12に示す撮影条件調整処理では、まずステップS31において、算出されたファントム画像の画像特徴量と、各画像特徴量に対して基準テーブルに設定されている基準値とが順次比較される。
【0112】
次いで、ステップS32では、算出された画素値(ファントム画像A、Bの場合は局所領域の画素値であり、ファントム画像Cの場合は濃度パターン5の平均画素値)は、画素値に対して設定されている基準値を超えているか否かが判別される。
【0113】
算出された画素値が基準値を下回っている場合(ステップS32;N)、撮影手段11により照射される放射線量が少ないと推測され、初期設定の撮影条件における管電圧及び管電流の値が所定値だけ引き上げられる(ステップS33)。すなわち、放射線量を増大させる方向に撮影条件が変更される。
【0114】
一方、画素値が基準値を超えている場合(ステップS32;Y)、撮影手段11により照射される放射線量が多いと推測され、初期設定の撮影条件における管電圧及び管電流の値が所定値だけ引き下げられる(ステップS34)。すなわち、放射線量を減少させる方向に撮影条件が変更される。
【0115】
なお、上記基準値は、医師の読影の要望に応じて又は異常陰影候補検出装置の検出特性に応じて適宜設定可能とする。例えば、濃度が高い画質の撮影画像を得たい場合は、画素値の基準値を低く設定しておく。以下、コントラスト、標準偏差の場合も同様である。
【0116】
画素値に基づいて撮影条件が変更されると、ステップS35において、算出されたコントラスト(ファントム画像A、Bの場合は模擬病変部のコントラストであり、ファントム画像Cの場合は濃度パターン4、5のコントラスト)は、コントラストに対して設定されている基準値を超えているか否かが判別される。
【0117】
算出されたコントラストが基準値を下回っている場合(ステップS35;N)、初期設定の撮影条件における管電圧の値が所定値だけ引き下げられるとともに、管電流、グリッド比の値が所定値だけ引き上げられ、フィルタを使用するように撮影条件が変更される(ステップS36)。すなわち、コントラストの向上が図られる。
【0118】
一方、算出されたコントラストが基準値を超えている場合(ステップS35;Y)、初期設定の撮影条件における管電圧が所定値だけ引き上げられるとともに、管電流、グリッド比が所定値だけ引き下げられ、フィルタを不使用にするように撮影条件が変更される(ステップS37)。すなわち、コントラストを下げてコントラストの最適化が図られるが、異常陰影候補の検出が容易になるようにコントラストの高い撮影画像を得たい場合には、ステップS37の処理を行わずにステップS38に移行することとしてもよい。
【0119】
コントラストに基づいて撮影条件が変更されると、ステップS38において、算出された標準偏差(ファントム画像Aの場合は模擬病変部周辺の標準偏差であり、ファントム画像Cの場合は濃度パターン5における標準偏差)が、標準偏差に対して設定されている基準値を超えるか否かが判別される。
【0120】
算出された標準偏差が基準値を下回っている場合(ステップS38;N)、放射線量が少なく信号値にばらつきが多いと推測されるため、初期設定の撮影条件における管電圧、管電流の値が所定値だけ引き上げられる(ステップS39)。すなわち、放射線量を増大させる方向に撮影条件が変更される。
【0121】
一方、算出された標準偏差が基準値を超えている場合(ステップS38;Y)、放射線量が多く信号値にばらつきが少ないと推測されるため、撮影条件の変更を行わずに次の処理、つまり図11のステップS4に移行する。
【0122】
なお、上述した説明において、初期設定の撮影条件から引き上げる又は引き下げる変更値を、算出された各画像特徴量とその基準値との比率に応じて決定することとしてもよい。例えば、画素値とその基準値との比率(画素値/基準値)が1.0〜1.2である場合は管電圧値を2kV引き下げ、比率が1.3〜1.5である場合は4kV引き下げる。これにより、画像特徴量の算出値に応じたより細かな調整を行うことができる。
【0123】
図11のステップS4では、撮影条件調整手段15による調整により撮影条件が変更された結果、最終変更された撮影条件で撮影を行うよう指示する撮影制御情報が生成され、撮影手段11に出力される。撮影手段11では、撮影制御情報に従って撮影条件が設定される。また、撮影条件の調整結果の情報が撮影条件調整手段15から保存手段16に出力される。
【0124】
次いで、ステップS5では、保存手段16において、画像解析手段14から入力されたファントム画像の画像特徴量の情報及び撮影条件調整手段15から入力された撮影条件の調整結果の情報が保存される。
【0125】
次いで、ステップS6では、保存手段16に保存されたファントム画像の画像特徴量及び撮影条件の調整結果の情報が通信手段19を介して異常陰影候補検出装置30に送信され、本処理を終了する。
【0126】
次に、図13を参照して、医用画像生成装置10により実行される画像処理条件設定処理を説明する。この画像処理条件設定処理は、撮影条件の調整のためにファントム画像から算出された画像特徴量を用いて、医師の読影に最適な画質及び異常陰影候補検出装置30による検出に最適な画質を両立する撮影条件で撮影された医用画像が、さらに医師の読影に最適な画像となるように画像処理条件を調整し、当該調整の結果、決定された画像処理条件を画像処理手段17に設定する処理である。
【0127】
本実施の形態では、画像処理条件として、階調処理の階調変換曲線、周波数処理における強調係数α、ダイナミックレンジ圧縮処理における補正係数βを調整する例を説明するが、非鮮鋭画像を作成する際のマスクパラメータ等、他の画像処理条件を調整対象とすることとしてもよい。
【0128】
図13に示す画像処理条件設定処理では、まずステップT1において、画像解析手段14により算出されたファントム画像の画像特徴量が画像処理条件調整手段18に入力されると、ステップT2では、ファントム画像の画像特徴量に基づいて画像処理条件調整手段18により画像処理条件の調整処理が行われる。
【0129】
図14を参照して、ステップT2の画像処理条件の調整処理を説明する。
図14に示す画像処理条件の調整処理では、まずステップT21において、ファントム画像の画像特徴量のうち、コントラストとその基準値とが比較され、コントラストは基準値を超えているか否かが判別される。
【0130】
コントラストが基準値を超えている場合(ステップT21;Y)、コントラストが高く異常陰影候補の検出が容易になると推測されるため、階調処理における画像処理条件として、コントラストを保持する階調変換曲線が決定される(ステップT22)。一方、算出されたコントラストが基準値を下回る場合(ステップT21;N)、コントラストを向上させる階調変換曲線が決定される(ステップT23)。
【0131】
階調処理における画像処理条件が決定されると、ステップT24では、画素値と標準偏差のうち、どちらの画像特徴量を用いて周波数処理及びダイナミックレンジ圧縮処理における画像処理条件を決定するかが判別される。画素値で画像処理条件を決定する場合は(ステップT24;画素値)、ステップT25に移行し、標準偏差で画像処理条件を決定する場合は(ステップT24;標準偏差)、ステップT30に移行する。
【0132】
まず、画素値により画像処理条件を決定する場合を説明する。
ステップT25では、算出された画素値とその画素値に対して設定されている基準値とが比較され、画素値は基準値を超えているか否かが判別される。
【0133】
画素値が基準値を超えている場合(ステップT25;Y)、放射線量が多く撮影画像におけるノイズ量が少ないため、高周波成分を強調しやすいと推測され、強調の程度を強くするように周波数処理における強調係数αが、例えば「0.3」と大きな値に決定される(ステップT26)。すなわち、鮮鋭性の向上が図られる。逆に、ノイズ量が少ないため、高周波成分の強調は不要という場合は、強調の程度を抑えるように強調係数αを決定し、画像の鮮鋭化によるノイズの増加を防止すればよい。
【0134】
次いで、ステップT27では、撮影画像におけるノイズ量が少ないため、低濃度領域に対するノイズの影響が少ないと推測され、低濃度領域の圧縮程度を大きくするようにダイナミックレンジ圧縮処理における補正係数βが、例えば「0.3」と大きな値に決定される。
【0135】
一方、画素値が基準値を下回る場合(ステップT25;N)、放射線量が少なく撮影画像におけるノイズ量が大きいため、高周波成分を強調しづらいと推測され、強調の程度を抑えるように周波数処理における強調係数αが、例えば「0.1」と小さな値に決定される(ステップT28)。すなわち、画像の鮮鋭化によるノイズの増加を防ぐ。逆に、ノイズ量が多いので、ノイズと画像信号の区別をつけるために高周波成分の強調が必要という場合は、強調の程度を強くするように強調係数αを決定すればよい。
【0136】
次いで、ステップT29では、撮影画像におけるノイズ量が多いため、低濃度領域へのノイズの影響が大きいと推測され、低濃度領域の圧縮程度を抑えるようにダイナミックレンジ圧縮処理における補正係数βが、例えば「0.1」と小さな値に決定される。すなわち、低濃度領域におけるノイズの増加を防ぐ。
【0137】
次に、標準偏差により画像処理条件を決定する場合について説明する。
ステップT30では、算出された標準偏差がその標準偏差に対して設定された基準値を超えているか否かが判別される。
【0138】
算出された標準偏差が基準値を超えている場合(ステップT30;Y)、ノイズ量が多く撮影画像における信号値にばらつきが多いため、高周波成分を強調しづらいと推測され、強調の程度を抑えるように周波数処理における強調係数αが小さな値に決定される(ステップT31)。次いで、ステップT32では、撮影画像におけるノイズが多いため、低濃度領域における圧縮の程度を抑えるように、ダイナミックレンジ圧縮処理における補正係数βが小さな値に決定される。
【0139】
一方、算出された標準偏差が基準値を下回る場合(ステップT30;N)、撮影画像におけるノイズ量が少なく信号値のばらつきが少ないため、高周波成分を強調しやすいと推測され、強調の程度を強くするように周波数処理における強調係数αが大きな値に決定される(ステップT33)。次いで、ステップT34では、撮影画像におけるノイズ量が少ないため、低濃度領域の圧縮程度を大きくするように、ダイナミックレンジ圧縮処理における補正係数βが大きな値に決定される。
【0140】
このようにして、画像処理条件調整手段18により、ファントム画像の画像特徴量に基づき、各画像処理条件が決定されると、図13のステップT3に移行する。
図13に示すステップT3では、画像処理条件調整手段18による調整の結果、決定された画像処理条件の情報が画像処理手段17に出力される。画像処理手段17では、入力された画像処理条件が画像処理時に適用される条件として設定され、本処理を終了する。
【0141】
次に、図15を参照して、異常陰影候補検出装置30により実行される異常陰影候補の検出条件設定処理を説明する。この検出条件設定処理は、撮影条件の調整時に算出されたファントム画像の画像特徴量又は撮影条件の調整結果に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整し、当該調整の結果、決定された検出条件を異常陰影候補検出手段34に設定する処理である。
【0142】
図15に示す検出条件設定処理では、まずステップE1において、通信手段31を介して医用画像生成装置10からファントム画像の画像特徴量及び/又は医用画像生成装置10における撮影条件の調整結果の情報が受信される。受信された画像特徴量及び/又は撮影条件の調整結果の情報は、記憶手段32に記憶される。
【0143】
次いで、ステップE2において、ファントム画像の特徴量に基づいて異常陰影候補の検出条件の調整を行うのか、撮影条件の調整結果に基づいて調整を行うのかが判別される。画像特徴量に基づいて調整を行う場合は(ステップE2;画像特徴量)、ステップE3に移行し、撮影条件の調整結果に基づいて調整を行う場合は(ステップE2;調整結果)、ステップE4に移行する。
【0144】
まず、図16を参照して、ステップE3の画像特徴量に基づく検出条件調整処理を説明する。
図16に示す画像特徴量に基づく検出条件調整処理では、まずステップE31において、撮影条件調整時に算出されたファントム画像の画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量が抽出される。例えば、撮影条件調整時に画素値、コントラスト、標準偏差が算出されている場合、異常陰影候補の検出時にも算出されるコントラスト、標準偏差の画像特徴量が抽出される。
【0145】
次いで、ステップE32では、検出条件調整手段35により、検出レベルテーブルに基づいて、抽出された画像特徴量の算出値に応じて実際の異常陰影候補検出に適用される検出レベルが決定される。例えば、ファントム画像のコントラストcが1000であった場合、図9に示す検出レベルテーブルに基づいて、異常陰影候補検出時の検出レベルがレベル3と決定される。
【0146】
検出レベルが決定されると、ステップE33では、当該決定された検出レベルに応じて、実際の異常陰影候補検出に適用される検出条件が、検出条件テーブルに基づいて決定される。例えば、検出時の検出レベルがレベル3と決定された場合、図10に示す検出条件テーブルに基づいて、検出条件Dが異常陰影候補の検出に適用される検出条件として決定される。検出条件が決定されると、次の処理、つまり図15のステップE5へ移行する。
【0147】
次に、撮影条件の調整結果に基づく検出条件調整処理について、図17を参照して説明する。なお、説明の前提として、予め特定の検出レベルが初期設定されていることとする。
図17に示す撮影条件の調整結果に基づく検出条件調整処理では、まずステップE41において、医用画像生成装置10から受信された撮影条件の調整結果の情報に基づいて、調整により管電圧、管電流の値が変更されているか否かが判別される。
【0148】
管電流、管電圧の値が増大する方向に変更されている場合(ステップE41;増大)、放射線量の増大により撮影画像のノイズ量は少ないと推測されるため、初期設定の検出レベルから1段階レベルが引き上げられ(ステップE42)、ステップE44に移行する。例えば、初期設定の検出レベルがレベル3であった場合、検出レベルがレベル4に引き上げられる。
【0149】
また、管電圧、管電流の値が減少する方向に変更されている場合(ステップE41;減少)、放射線量の減少により撮影画像のノイズ量の増加が推測されるため、初期設定の検出レベルから1段階レベルが引き下げられ(ステップE43)、ステップE44に移行する。一方、管電流、管電圧の値に変更が無い場合は(ステップE41;変更なし)、ステップE42、E43の処理を行わずに、ステップE44に移行する。
【0150】
ステップE44では、撮影条件の調整により、グリッド比が変更されたか否かが判別される。グリッド比が増大する方向に変更されている場合(ステップE44;増大)、撮影画像のコントラスト及び鮮鋭性は高いと推測されるため、検出レベルが1段階引き上げられ(ステップE45)、ステップE47に移行する。
なお、粒状性に関わる検出パラメータが検出条件に含まれている場合は、その検出レベルは下げることとする。
【0151】
また、グリッド比が減少する方向に変更されている場合(ステップE44;減少)、撮影画像のコントラスト及び鮮鋭性が低下していると推測されるため、検出レベルが1段階引き下げられ(ステップE46)、ステップE47に移行する。一方、グリッド比が変更されていない場合は(ステップE44;変更なし)、ステップE45、E46の処理を行わず、ステップE47に移行する。
【0152】
ステップE47では、撮影条件の調整により、フィルタの使用が決定されたか否かが判別される。フィルタが使用されている場合、撮影画像のコントラストが高くなるとともに放射線量が減少するため粒状性が低下する可能性がある。そのため、フィルタの不使用が決定されている場合は(ステップE47;不使用)、撮影画像の粒状性が向上しノイズ量が減少することが推測されるので、検出レベルが1段階引き下げられ(ステップE48)、ステップE50に移行する。一方、フィルタの使用が決定されている場合(ステップE47;使用)、撮影画像の粒状性が低くノイズ量が多いと推測されるので、検出レベルが1段階引き上げられ(ステップE49)、ステップE50に移行する。
【0153】
ステップE50では、最終変更された検出レベルに応じて、異常陰影候補検出に適用される検出条件が検出条件テーブルに基づいて決定される。例えば、初期設定の検出レベルがレベル3であり、撮影条件の調整により、管電流、管電圧及びグリッド比が増大され、フィルタが不使用に決定されている場合、最終変更された検出レベルはレベル4であるので、図10に示す検出条件テーブルに基づいて、検出条件Dが決定される。
このようにして、異常陰影候補の検出条件が決定されると、次の処理、つまり、図15のステップE5へ移行する。
【0154】
図15に示すステップE5では、検出条件調整手段35の調整により決定された検出条件の情報が異常陰影候補検出手段34に出力される。異常陰影候補検出手段34では、入力された検出条件が異常陰影候補の検出に適用される検出条件として設定され、本処理を終了する。
【0155】
以上のように、ファントム画像から画像特徴量を求め、この画像特徴量に基づいて撮影条件を調整するので、医師による読影及び異常陰影候補検出装置による異常陰影候補の検出に最適な画質の医用画像が得られる撮影条件を自動的に設定することが可能となる。また、施設間又は医用画像生成装置毎の画質のばらつきを抑えることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【0156】
また、撮影条件の調整時に算出されたファントム画像の画像特徴量を用いて、画像処理条件を調整するので、医師の読影に最適な画質と異常陰影候補検出装置による検出に最適な画質とを両立する撮影条件で撮影された撮影画像において、さらに医師の読影に最適な画像となるような画像処理条件を自動的に設定することが可能となる。
【0157】
さらに、撮影条件の調整時に算出されたファントム画像の画像特徴量又は撮影条件の調整結果に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整するので、撮影環境が異なる場合でも、撮影画像の画質に応じて検出レベルの最適化を図ることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【0158】
また、撮影条件の調整結果は、保存手段16に保存されるので、後に調整結果を容易に確認することができるとともに、調整結果の履歴に基づいて最適な撮影条件を予測して設定することが可能となる。
【0159】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した医用画像処理システム100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0160】
例えば、上述した説明におけるファントム画像A〜C及びそのファントム画像A〜Cから算出される画像特徴量は一例に過ぎず、例えば模擬病変として骨粉等が撮影されたファントム画像であってもよいし、物質の密度及び/又は厚さが均等なアクリル板等の物体をファントムとして撮影し、得られたファントム画像から鮮鋭性の評価尺度であるMTF(Modulation Transfer Function)、粒状性の評価尺度であるウィナースペクトル等の各種画像特徴量を算出して撮影条件の調整を行うこととしてもよい。
【0161】
また、異常陰影候補検出装置30においても、画像処理条件調整手段18を備え、画像処理手段33における画像処理条件を調整することとしてもよい。
【0162】
また、撮影条件の調整方法についても、上述した方法に限らず、ファントム画像の画像特徴量の算出値に応じた撮影条件を設定したテーブルを予め準備しておき、当該テーブルに基づいて、画像解析手段14により算出された画像特徴量の算出値に応じた撮影条件を決定することとしてもよい。
【0163】
また、医用画像生成装置10に表示手段を備え、当該表示手段に保存手段16に保存された撮影条件の調整結果の履歴を表示させて、その履歴のうちオペレータにより指定された調整結果の撮影条件を設定できることとしてもよい。これにより、過去調整を行った撮影条件の中から最適な撮影条件を再度設定することができる。
【0164】
また、ファントム画像の特徴量に基づいて撮影条件を調整後、画像処理条件や異常陰影候補の検出条件の調整を行うこととして説明したが、これに限らず、ファントム画像の画像特徴量を用いて、撮影条件の調整の画像処理条件の調整のみ、或いは異常陰影候補の検出条件の調整のみを行うこととしてもよい。
【0165】
また、撮影条件の調整時には、調整により放射線量が少なすぎたり多すぎたりしないように、予め調整可能な放射線量の線量範囲を設定しておき、この所定の範囲内で放射線量の調整を行うこととしてもよい。
【0166】
その他、本実施の形態における医用画像処理システム100の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0167】
【発明の効果】
請求項1、3、15、17に記載の発明によれば、調整の基準となるファントム画像を撮影し、当該ファントム画像から算出された画像特徴量に基づいて撮影条件を調整するので、医師の読影に最適な画質であり、かつ異常陰影候補検出装置による異常陰影候補の検出に最適な画質が得られるように撮影条件を設定することができる。また、医用画像生成装置毎又は画像毎の画質のばらつきを抑えることができる。
【0168】
請求項2、16に記載の発明によれば、撮影手段により照射される放射線量を所定範囲内で調整するので、適切な範囲内で放射線照射を行うことができ、安全な撮影を行うことができる。
【0169】
請求項4、18に記載の発明によれば、模擬病変が撮影された画像やグラデーションを有する画像を調整用のファントム画像として利用することができる。
【0170】
請求項5、19に記載の発明によれば、物質の密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像を調整用のファントム画像として利用することができる。
【0171】
請求項6、20に記載の発明によれば、撮影条件の調整結果を保存するので、後に調整結果を容易に確認することができるとともに、調整結果の履歴を保存し、当該履歴に基づいて最適な撮影条件を予測することが可能となる。
【0172】
請求項7、21に記載の発明によれば、保存された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された撮影条件を設定可能であるので、過去調整を行った撮影条件の中から最適な撮影条件を再度設定することができる。
【0173】
請求項8、9、22、23に記載の発明によれば、撮影条件の調整時に算出された画像特徴量を用いて、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ処理などの画像処理条件を調整するので、医師の読影に最適な画質かつ異常陰影候補検出に最適な画質を両立する撮影条件で撮影された医用画像が、さらに医師の読影に最適な画質となるように画像処理条件を設定することができる。
【0174】
請求項10、24に記載の発明によれば、医師の読影に最適な画質となるように画像処理が施された医用画像データを出力することができる。
【0175】
請求項11、25に記載の発明によれば、撮影条件の調整結果に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整するので、撮影環境が異なる場合でも、撮影画像の画質に応じて検出条件の最適化を図ることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【0176】
請求項12、13、26、27に記載の発明によれば、撮影条件の調整時に算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量を用いて検出条件の調整を行うので、異常陰影候補の検出に最適な調整を行うことができる。
【0177】
請求項14、28に記載の発明によれば、医用画像の画像特徴量に基づいて異常陰影候補の検出条件を調整するので、撮影環境が異なる場合でも、撮影画像の画質に応じて検出条件の最適化を図ることができ、安定した異常陰影候補の検出結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理システム100のシステム構成を示す図である。
【図2】医用画像生成装置10の機能的構成を示す図である。
【図3】模擬病変が撮影されたファントム画像Aを示す図である。
【図4】模擬病変が撮影されたファントム画像Bを示す図である。
【図5】(a)はステップウェッジが撮影されたファントム画像Cを示す図であり、(b)はステップウェッジを示す図である。
【図6】(a)は模擬病変が撮影されたファントム画像における画像特徴量に対して設定されている基準値例を示す図であり、(b)はステップウェッジが撮影されたファントム画像における画像特徴量に対して設定されている基準値例を示す図である。
【図7】保存手段16に保存されたファントム画像の画像特徴量及び撮影条件の調整結果の一例を示す図である。
【図8】異常陰影候補検出装置30の機能的構成を示す図である。
【図9】検出条件調整手段35が備える検出レベルテーブルの一例を示す図である。
【図10】検出条件調整手段35が備える検出条件テーブルの一例を示す図である。
【図11】医用画像生成装置10により実行される撮影条件設定処理を説明するフローチャートである。
【図12】医用画像生成装置10により実行される撮影条件の調整処理を説明するフローチャートである。
【図13】医用画像生成装置10により実行される画像処理条件設定処理を説明するフローチャートである。
【図14】医用画像生成装置10により実行される画像処理条件の調整処理を説明するフローチャートである。
【図15】異常陰影候補検出装置30により実行される異常陰影候補の検出条件設定処理を説明するフローチャートである。
【図16】異常陰影候補検出装置30により実行される画像特徴量に基づく検出条件調整処理を説明するフローチャートである。
【図17】異常陰影候補検出装置30により実行される撮影条件の調整結果に基づく検出条件調整処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
100 医用画像処理システム
10 医用画像生成装置
11 撮影手段
12 画像データ生成手段
13 記憶手段
14 画像解析手段
15 撮影条件調整手段
16 保存手段
17 画像処理手段
18 画像処理条件調整手段
19 通信手段
30 異常陰影候補検出装置
33 画像処理手段
34 異常陰影候補検出手段
35 検出条件調整手段
36 出力制御手段
50 出力装置

Claims (28)

  1. 患者を撮影する撮影手段を備え、当該撮影手段によって撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成する医用画像生成装置において、
    前記医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析手段と、
    前記算出された画像特徴量に基づいて前記撮影手段における撮影条件を調整する撮影条件調整手段と、を備えることを特徴とする医用画像生成装置。
  2. 前記撮影手段は、患者に放射線を照射して放射線画像を撮影し、
    前記撮影条件調整手段は、前記撮影手段により照射される放射線量を、所定範囲内で調整することを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成装置。
  3. 前記撮影手段は、撮影条件調整のための基準画像であるファントム画像を撮影し、
    前記画像解析手段は、前記撮影されたファントム画像の画像特徴量を算出し、前記撮影条件調整手段は、前記算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像生成装置。
  4. 前記ファントム画像は、模擬病変が撮影された画像及び/又は濃度が段階的に変化するグラデーションを有する画像であることを特徴とする請求項3に記載の医用画像生成装置。
  5. 前記ファントム画像は、密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像であることを特徴とする請求項3に記載の医用画像生成装置。
  6. 前記撮影条件調整手段による撮影条件の調整結果を保存する保存手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の医用画像生成装置。
  7. 前記保存手段に保存された撮影条件の調整結果の履歴を表示する表示手段を備え、
    前記表示された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された調整結果の撮影条件に設定可能であることを特徴とする請求項6に記載の医用画像生成装置。
  8. 医用画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
    前記画像解析手段により算出された画像特徴量に基づいて前記画像処理手段における画像処理条件を調整する画像処理条件調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の医用画像生成装置。
  9. 前記画像処理手段による画像処理には、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理が含まれることを特徴とする請求項8に記載の医用画像生成装置。
  10. 医用画像データを出力する出力装置に接続し、当該出力装置に前記画像処理手段により画像処理された医用画像データを出力させることを特徴とする請求項8又は9に記載の医用画像生成装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載された医用画像生成装置と、医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置とが接続された医用画像処理システムであって、
    前記異常陰影候補検出装置は、
    前記医用画像生成装置の撮影条件調整手段による撮影条件の調整結果に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整手段を備えることを特徴とする医用画像処理システム。
  12. 前記医用画像生成装置の画像解析手段により算出される画像特徴量は、前記異常陰影候補検出手段により算出される画像特徴量と少なくとも1つ以上共通していることを特徴とする請求項11に記載の医用画像処理システム。
  13. 前記検出条件調整手段は、前記画像解析手段により算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出条件を調整することを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理システム。
  14. 患者を撮影する撮影手段を備え、当該撮影手段によって撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成する医用画像生成装置と、医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置とが接続された医用画像処理システムであって、
    前記医用画像生成装置又は異常陰影候補検出装置は、
    医用画像生成装置により生成された医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析手段を備え、
    前記異常陰影候補検出装置は、
    前記算出された画像特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整手段を備えることを特徴とする医用画像処理システム。
  15. 患者を撮影する撮影手段を備えた医用画像生成装置における撮影条件の調整方法において、
    前記撮影手段により患者を撮影する撮影工程と、
    前記撮影された患者の画像に基づいて医用画像データを生成するデータ生成工程と、
    前記医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析工程と、
    前記算出された画像特徴量に基づいて前記撮影手段における撮影条件を調整する撮影条件調整工程と、を含むことを特徴とする撮影条件の調整方法。
  16. 前記撮影工程では、患者に放射線を照射して放射線画像を撮影し、
    前記撮影条件調整工程では、前記撮影手段により照射される放射線量を、所定範囲内で調整することを特徴とする請求項15に記載の撮影条件の調整方法。
  17. 前記撮影工程では、撮影条件調整のための基準画像であるファントム画像を撮影し、
    前記画像解析工程では、前記撮影されたファントム画像の画像特徴量を算出し、
    前記撮影条件調整工程では、前記算出されたファントム画像の画像特徴量に基づいて撮影条件を調整することを特徴とする請求項15又は16に記載の撮影条件の調整方法。
  18. 前記ファントム画像は、模擬病変が撮影された画像及び/又は濃度が段階的に変化するグラデーションを有する画像であることを特徴とする請求項17に記載の撮影条件の調整方法。
  19. 前記ファントム画像は、密度及び/又は厚さが均等な物体が撮影された画像であることを特徴とする請求項17に記載の撮影条件の調整方法。
  20. 前記撮影条件調整工程における撮影条件の調整結果を保存手段に保存する保存工程を含むことを特徴とする請求項15〜19の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法。
  21. 前記保存手段に保存された撮影条件の調整結果の履歴を表示手段に表示する表示工程と、
    前記表示された撮影条件の調整結果の履歴のうち、指定された調整結果の撮影条件を設定する設定工程と、を含むことを特徴とする請求項20に記載の撮影条件の調整方法。
  22. 前記データ生成工程において生成された医用画像データに画像処理手段により画像処理を施す画像処理工程と、
    前記画像解析工程において算出された画像特徴量に基づいて前記画像処理手段における画像処理条件を調整する画像処理条件調整工程と、を含むことを特徴とする請求項15〜21の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法。
  23. 前記画像処理工程で施される画像処理には、階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理が含まれることを特徴とする請求項22に記載の撮影条件の調整方法。
  24. 医用画像データを出力する出力装置により、前記画像処理工程で画像処理された医用画像データを出力する出力工程を含むことを特徴とする請求項22又は23に記載の撮影条件の調整方法。
  25. 医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を、前記撮影条件調整工程における撮影条件の調整結果に基づいて調整する検出条件調整工程を含むことを特徴とする請求項15〜24の何れか一項に記載の撮影条件の調整方法。
  26. 前記画像解析工程において算出される画像特徴量は、前記異常陰影候補検出手段により算出される画像特徴量と少なくとも1つ以上共通していることを特徴とする請求項25に記載の撮影条件の調整方法。
  27. 前記検出条件調整工程では、前記画像解析工程で算出された画像特徴量のうち、異常陰影候補の検出時に算出される画像特徴量と共通する画像特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出条件を調整することを特徴とする請求項26に記載の撮影条件の調整方法。
  28. 医用画像データから画像特徴量を算出し、当該画像特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置における異常陰影候補の検出条件の調整方法であって、
    医用画像データを画像解析して画像特徴量を算出する画像解析工程と、
    前記算出された画像特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段における異常陰影候補の検出条件を調整する検出条件調整工程と、を含むことを特徴とする異常陰影候補の検出条件の調整方法。
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