JP6643892B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、固形粉末化粧料に関するものである。
アイカラーやパウダーアイブロウ等の固形粉末化粧料は、粉体成分に油性成分を添加混合した化粧料基材を、皿等の容器に充填成型してなる化粧料であり、使用方法が簡便な上に携帯性にも優れるため、消費者に好まれている。固形粉末化粧料に求められる品質としては、伸び広がり等の使用性、負担感のなさ等の使用感など、多岐に渡るが、特にパウダーアイブロウでは、自然な仕上がりでありながら、発色が良く、眉尻などの細い曲線を明確に描くことができ、しかも化粧持ちに優れたものが強く求められている。
発色が良く細い曲線を明確に描く為には、着色剤を高濃度含有し、さらに肌への密着性を高める工夫が試みられてきた。しかしながら、これでは伸び広がりが良く自然な仕上がりを実現する事は難しく、双方ともに満足できる水準にはなかった。
一方、化粧持ちを向上させる技術としては、撥水撥油処理粉体と固形及び/又は半固形油剤を用いる技術(特許文献1参照)や膨潤性有機変性粘土鉱物等のゲル化剤を用いる技術(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、撥水撥油処理粉体と固形及び/又は半固形油剤を用いる技術では、化粧持ちは向上するものの、肌への密着性が十分ではなく、肌への密着性を向上させるために固形及び/又は半固形油剤の含有量を増やしていくと、伸び広がりが悪くなってしまい、眉尻などの細い曲線を明確に描くことが困難な場合があった。また、膨潤性有機変性粘土鉱物等のゲル化剤を用いる技術では、肌への密着性や成型性が良好なものを得るためには、該膨潤性有機変性粘土鉱物等のゲル化剤を製剤中に均一に分散させる必要があり、分散が不十分であると、使用時にざらつきを感じことがあり、更に、滑らかな伸び広がりや小道具への取れ等の使用性についても満足のいくものが得られていなかった。
特開2010−37213号公報 特開2010−235513号公報
従って従来技術では、発色の良さと密着性がありながら、伸び広がりが良く自然な仕上がりという相反する品質を両立し、且つ、化粧持ちに優れ、使用時に筆などの小道具により均一にほぐれ、粉チリもなく、細くても明確なラインを簡単に描くことのできる固形粉末化粧料を実現することは困難であった。すなわち本発明は、伸び広がりが良く自然な仕上がりという相反する品質を両立し、且つ、化粧持ちに優れ、使用時に筆などの小道具により均一にほぐれ、粉チリもなく、細くても明確なラインを簡単に描くことのできる固形粉末化粧料を提供することを課題とするものである。
上記実状に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1,000gの範囲内にあるデキストリン脂肪酸エステルと、油剤との親和性に優れるトリアルコキシアルキルシラン処理粉体を含有することにより、粉チリがなく、肌への密着性や発色が良く、さらに、肌への親和性、伸展性に優れるラウロイルリシンを含有することにより、伸び広がりが向上し、これらすべてが含有されることで、発色の良さと密着性がありながら、伸び広がりが良く自然な仕上がりという相反する品質を両立し、且つ、化粧持ちに優れ、使用時に筆などの小道具により均一にほぐれ、粉チリもなく、細くても明確なラインを簡単に描くことのできる固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(b)トリアルコキシアルキルシラン処理粉体
(c)ラウロイルリシン
を含有し、
前記成分(a)及び(b)の含有質量比率が(a)/(b)=0.0025〜10である
ことを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しない固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが、40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、クスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1,000gの範囲内にあるデキストリン脂肪酸エステルである固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)及び(b)の含有質量比率が(a)/(b)=0.031〜10である固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)の含有量が、0.1〜5質量%、前記成分(b)の含有量が、0.1〜40質量%、前記成分(c)の含有量が、0.1〜20質量%である固形粉末化粧料を提供するものである。
さらに成分(d)として、25℃で液状の親油性界面活性剤を含有する固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明の固形粉末化粧料は、発色の良さと密着性がありながら、伸び広がりが良く自然な仕上がりという相反する品質を両立し、且つ、化粧持ちに優れ、使用時に筆などの小道具により均一にほぐれ、粉チリもなく、細くても明確なラインを簡単に描くことのできる固形粉末化粧料を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明の固形粉末化粧料に使用される成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルは、適度なタック性を有した皮膜を形成する成分である。デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であり、デキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
また、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有することが好ましい。
(1)液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
(2)成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲のタック性を有する。
本発明における「タック性」とは、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表すことができ、例えば、該デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gであることが好ましい。
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.,51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
また、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、EPA、イワシ酸、DHA、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
次に、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
成分(a)の製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶媒を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
このような成分(a)の市販品としては、「ユニフィルマHVY」(千葉製粉社製)等が挙げられる。
本発明における成分(a)の含有量は、固形粉末化粧料中0.1〜5質量%(以下単に「%」と記す)であり、1〜3%が好ましい。この範囲であれば、肌への密着性と、化粧持ち等に優れる点でより好ましい。
本発明の固形粉末化粧料に使用される成分(b)のトリアルコキシアルキルシラン処理粉体とは、トリアルコキシアルキルシランで表面の一部又は全体を処理された粉体である。ここで、トリアルコキシアルキルシランとは、ケイ素原子に三つのアルコキシ基と一つのアルキル基が結合した化合物であり、該アルコキシ基が粉体表面の水酸基等と反応することにより、粉体表面を化学的に処理する化合物であり、粉体に撥水性を付与するものである。該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルコキシ基は、炭素数1〜3のアルコキシ基であるメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が好ましい。また、該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルキル基は、炭素数6〜18のアルキル基であるヘキシル基、オクチル基、デシル基オクタデシル基等が好ましい。このようなトリアルコキシアルキルシランは、例えば、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシカプリリルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリエトキシカプリルシラン、トリエトキシデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。これら、トリアルコキシアルキルシランの中でも、トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシランを選択すると、油剤との親和性も良く、撥水性もあることから、化粧持ちが向上するためより好ましい。
前記トリアルコキシアルキルシランで処理される粉体としては、通常化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン・酸化チタン焼結物、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、カオリン、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ヒドロキシアパタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、魚燐箔、二酸化チタン被覆ガラスフレーク、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体類、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、N−アシルリジン等の有機粉体類、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化ケイ素、酸化亜鉛含有二酸化ケイ素等の複合粉体等が挙げられ、これらを必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。これらの粉体の中でも、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン・酸化チタン焼結物などの着色剤を用いると、肌への密着性と発色が向上するためより好ましい。
前記トリアルコキシアルキルシランで前記粉体を処理する方法としては、通常公知の処理方法が用いられ特に限定されるものではないが、例えば直接粉体と混合し加熱して処理する乾式処理方法、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン等の溶媒に前記トリアルコキシシランを溶解又は分散し、これに粉体を添加し、混合後、前記溶媒を乾燥等により除去、加熱、粉砕する湿式処理方法、溶媒に溶解又は分散したトリアルコキシアルキルシランを流動層中で粉体にスプレーコートする気相処理方法、メカノケミカル方法等が挙げられる。
成分(b)は、粉体表面の一部又は全体が前記トリアルコキシアルキルシランで処理されたものであり、その処理量は、特に限定されないが、粉体に対して0.5〜10%が好ましく、更に1〜8%が好ましい。本発明における成分(b)の含有量は固形粉末化粧料中0.1〜40%であり、好ましくは5〜20%である。この範囲であると、肌への密着性や化粧持ち等に優れる点でより好ましい。
また、成分(a)と成分(b)の含有質量比(a)/(b)が0.0025〜10の範囲であると、肌への密着性と、化粧持ち等により優れ、さらに0.005〜1だとより好ましい。
本発明の固形粉末化粧料に使用される成分(c)ラウロイルリシンは、ラウリン酸とリシンとのアミドである。特に限定されるものではないが、形状は、薄片状や板状が好ましく、平均粒径は、肌への密着性等の観点より、1〜30μmが好ましい。また、アスペクト比は、肌への伸び広がりの観点より、30〜70のものがより好ましい。市販品として、Nε−ラウロイル−L−リジンであるアミホープLL(味の素社製)が好適に用いられる。本発明における成分(c)の含有量は固形粉末化粧料中0.1〜20%であり、好ましくは1〜15%である。この範囲であれば、肌への伸び広がり、肌への密着性等に優れる点でより好ましい。
本発明の固形粉末化粧料には、さらに成分(d)として、25℃で液状の親油性界面活性剤を含有することができる。親油性界面活性剤は、界面活性剤の中で親油性の界面活性剤であり、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性のいずれの界面活性剤も使用する事ができる。その性状が液体であると接触角が低い為、粉体成分への濡れ性や、肌への密着性等が向上する点で、より好ましい。また、HLBが8以下であると、化粧塗膜が汗など親水成分への親和性が下がり、化粧持ち等が向上する点で、好ましく、HLBが5以下であるとさらに化粧持ち等が向上する点で、より好ましい。具体的な化合物としては、化粧料に通常使用されるものであれば特に限定されず利用することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これら界面活性剤の中でも、特にセスキイソステアリン酸ソルビタンを選択すると、分散性や肌への密着性、化粧持ち等が向上する点でより好ましい。
本発明における成分(d)の含有量は、特に限定はされないが、0.1〜5%が好ましく、より好ましくは1〜3%である。この範囲であると、化粧持ち等が良い固形粉末化粧料を得ることが出来るため、より好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、上記の成分(a)〜(d)の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常化粧料に使用される成分、成分(b)、(c)以外の粉体、油剤、成分(d)以外の界面活性剤、一価アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、紫外線吸収剤、保湿剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を適宜、含有することができる。保湿としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
油剤としては、例えば、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂、揮発性油剤等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
粉体としては、例えば、例えば球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、着色剤として、酸化チタン、酸化亜鉛、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、タール系色素等、感触調整剤として、酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、窒化硼素、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、ウレタンパウダー等が挙げられる。また、真珠光沢顔料として、オキシ塩化ビスマス、マイカチタン、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等、紫外線遮断剤として、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、酸化セリウム、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。なお、これらの粉体は、分散性や付着性を改良するために、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、成分(b)以外の油剤類等の表面処理剤で通常公知の方法により、表面処理して用いても良い。
本発明の固形粉末化粧料は、特に限定されないが、ファンデーション、アイカラー、アイライナー、頬紅、白粉、コンシーラー、アイブロウ等のメーキャップ化粧料に好適に用いられるが、本発明の効果が顕著に発揮される化粧料は、アイブロウ、アイシャドウ、アイライナーなどのメーキャップ化粧料である。
本発明の固形粉末化粧料の製造方法としては、特に限定されないが、成分(b)、(c)及びその他の粉体を含む粉体成分と、成分(a)、(d)及びその他の油剤を含む油剤を混合した後、粉砕し、乾式で圧縮成型する方法、また、成分(b)、(c)及びその他の粉体を含む粉体成分と、成分(a)、(d)及びその他の油剤を含む油剤と揮発性溶媒とを混合してスラリー状とし、これを充填成型した後、該揮発性溶媒を除去して成型する湿式成型方法等が挙げられる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%) 尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。
置換度は2.2、イソステアリン酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
実施例1〜7及び比較例1〜5:アイブロウ
表1に示す組成のアイブロウを下記製造方法に従って調製した。得られたアイブロウについて、下記評価方法1及び2により評価を行った。その結果を併せて表1に示す。
(製造方法)
A.成分14〜18を70℃に加熱し、均一混合する。
B.成分1〜13をスーパーミキサーで均一混合する。
C.Bを攪拌しながら、Aを添加し、均一分散する。
D.Cを粉砕し、金皿にプレス成型してアイブロウを得た。
(評価方法1)
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例のアイブロウを使用してもらい、筆などの小道具を使用した際の「粉チリのなさ」、塗布時の「伸び広がり」、「眉尻の明確なラインの描きやすさ」、化粧の仕上がりとしての「発色のよさ」の各項目について、各自が下記の基準に従って5段階評価し、サンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。なお、「化粧持ち」については、アイブロウ塗布直後の状態と、日常生活6時間後の状態とを比較し、評価した。
<評価基準>
(評価結果):(評点)
非常に良好:5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満: ○
1.5以上〜3.5未満: △
1.5未満 : ×
(結果)
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜7のアイブロウは、筆などの小道具を使用した際の「粉チリのなさ」、塗布時の「伸び広がり」、「眉尻の明確なラインの描きやすさ」、化粧の仕上がりとしての「発色の良さ」、及び「化粧持ち」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
一方、成分(b)のトリアルコキシアルキルシラン処理顔料の代わりにジメチコン処理顔料を用いた比較例1や、未処理の顔料を用いた比較例2では、筆など小道具を使用した際に粉チリが多く、眉尻のラインが明確に描けず、化粧持ちが悪く、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルをトリメチルシロキシケイ酸や、ジペンタエリトリット脂肪酸エステルに置き換えた比較例3、4では、眉尻のラインが細く描けず、成分(c)のラウロイルリシンを含有しなかった比較例5では、筆など小道具を使用した際に粉チリが多く、伸び広がりが悪く満足のいくものは得られなかった。
実施例8:アイカラー
下記の処方および製法によりアイカラーを製造した。
(成分) (%)
1.マイカ 残量
2.トリアルコキシアルキルシラン処理タルク*9 15
3.N−ラウロイル−L−リジン*1 5
4.窒化ホウ素 5
5.合成金雲母 10
6.ベンガラ 1
7.黄酸化鉄 2
8.黒酸化鉄 0.5
9.雲母チタン*10 20
10.ベンガラ被覆雲母チタン*11 10
11.製造例1のデキストリン脂肪酸エステル 2
12.ジメチコン*12 5
13.セスキオレイン酸ソルビタン*13 1
14.リンゴ酸ジイソステアリル 7
15.防腐剤 適量

*9:タルク JA−46R(浅田製粉社製)にトリメトキシオクチルシラン2%処理を施したもの
*10:TIMIRON STARLUSTER MP−115(メルク社製)
*11:クロイゾネコッパー(BASF社製)
*12:KF−96−10cs(信越化学工業社製)
*13:コスモール 82(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A.成分11〜15を70℃に加熱し、均一混合する。
B.成分1〜10をスーパーミキサーで均一混合する。
C.Bを攪拌しながら、Aを添加し、均一分散する。
D.Cを粉砕し、金皿にプレス成型してアイカラ−を得た。
(結果)
得られたアイカラーは、高発色でありながら、使用時の伸び広がりが良く、小道具への取れ易さも良好で粉チリもなく、さらには、化粧持ちにも優れたものであった。
実施例9:アイライナー
下記の処方および製法によりアイライナーを製造した。
(成分) (%)
1.ラウリン酸亜鉛処理セリサイト 15
2.タルク 残量
3.N−ラウロイル−L−リジン*1 15
4.アミノ変性シリコーン処理マイカ*14 5
5.トリアルコキシアルキルシラン処理黒酸化鉄*4 20
6.グンジョウ 5
7.黒酸化鉄被覆雲母チタン 10
8.製造例1のデキストリン脂肪酸エステル 1
9.スクワラン 5
10.水添ポリイソブテン 2
11.モノステアリン酸グリセリル*15 1.5
12.防腐剤 適量

*14:マイカ Y−2300WA3(ヤマグチマイカ社製)
*15:NIKKOL MGS−ASEV(日本サーファクタント工業社製)
(製造方法)
A.成分8〜12を70℃に加熱し、均一混合する。
B.成分1〜7をスーパーミキサーで均一混合する。
C.Bを攪拌しながら、Aを添加し、均一分散する。
D.Cを粉砕し、金皿にプレス成型してアイライナーを得た。
(結果)
得られたアイライナーは、高発色でありながら、使用時の伸び広がりが良く、小道具への取れ易さも良好で粉チリもなく、さらには、化粧持ちにも優れたものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(a)〜(c);
    (a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
    (b)トリアルコキシアルキルシラン処理粉体
    (c)ラウロイルリシン
    を含有し、
    前記成分(a)及び(b)の含有質量比率が(a)/(b)=0.0025〜10である
    ことを特徴とする固形粉末化粧料。
  2. 前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の固形粉末化粧料。
  3. 前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTMD445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しない請求項1または2に記載の固形粉末化粧料。
  4. 前記成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが、これを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1,000gの範囲内にあるデキストリン脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれか項に記載の固形粉末化粧料。
  5. 前記成分(a)及び(b)の含有質量比率が(a)/(b)=0.031〜10である請求項1〜4のいずれか項に記載の固形粉末化粧料。
  6. 前記成分(a)の含有量が、0.1〜5質量%、前記成分(b)の含有量が、0.1〜40質量%、前記成分(c)の含有量が、0.1〜20質量%である請求項1〜5のいずれか項に記載の固形粉末化粧料。
  7. さらに成分(d)として、25℃で液状の親油性界面活性剤を含有する請求項1〜6のいずれか項に記載の固形粉末化粧料。
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