以下、図1〜図7を用い、本発明の実施形態を説明する。以下では、画像形成装置としてプリンター100を例に挙げ説明する。本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(プリンター100)
図1を用いて実施形態に係るプリンター100の一例を説明する。図1は、実施形態に係るプリンター100の一例を示す図である。
プリンター100は制御部1、記憶部2、操作パネル3、印刷部4、通信部13を含む。制御部1はプリンター100の動作を制御する。制御部1は、CPU11、画像処理部12を含む。記憶部2は、ROM、RAM、HDDを含む。記憶部2は、データ、制御用プログラムを記憶する。例えば、記憶部2は制御用データ、設定データ、画像データを記憶する。CPU11は、記憶部2に記憶されたプログラム、データに基づきプリンター100の各部(操作パネル3、印刷部4、通信部13)を制御する。画像処理部12は各種画像処理を行う。例えば、画像処理部12は、画像処理専用の回路(ASIC)である。
操作パネル3は、表示パネル31、タッチパネル32、ハードキー33を含む。表示パネル31は、画面、画像を表示する。制御部1は表示パネル31の表示を制御する。タッチパネル32、ハードキー33は、使用者の操作を受け付ける。タッチパネル32、ハードキー33の出力に基づき、制御部1は、使用者の操作内容を認識する。また、ハードキー33も使用者の操作を受け付ける。
印刷部4は、給紙部4a、用紙搬送部4b、画像形成部4c、中間転写部4d、定着部4eを含む。印刷のとき、制御部1は給紙部4aに用紙を給紙させる。制御部1は用紙を用紙搬送部4bに搬送させる。制御部1は、画像データに基づくトナー像を画像形成部4cに形成させる。制御部1は、画像形成部4cで形成されたトナー像の用紙への転写を中間転写部4dに行わせる。制御部1は、用紙に転写されたトナー像の定着を定着部4eに行わせる。制御部1は、機外に向けて定着後の用紙を用紙搬送部4bに排出させる。
通信部13は、コンピューター200と通信する。例えば、コンピューター200はPCやサーバーである。通信部13は、コネクタ、通信用回路、通信用メモリーを含む。通信部13は、コンピューター200から送信された印刷用データを受信する。印刷用データは画像データやページ記述言語で記述されたデータを含む。制御部1は受信した印刷用データに基づき、印刷部4に印刷させる(プリントジョブ)。
また、プリンター100はファン5を有する。ファン5は、例えば複数の羽根を有する。ファン5は、回転することで気流を発生させて機内の空気を循環させ、機内の温度を調整する。プリンター100内には空気の通風路(不図示)が設けられる。吸気口が通風路の一方の端に設けられる。排気口が通風路の他方の端に設けられる。制御部1は、ファン5の回転を制御する。ファン5を回転させたとき、吸気口からプリンター100の外側の空気が機内に流入する。吸気口から排気口に向けて空気が流れる。ファン5を回転させたとき、排気口からプリンター100の内の空気が機外に排出される。
また、プリンター100は温度センサー50を有する。温度センサー50は、プリンター100の環境温度(設置場所の温度)を検知するためのセンサーである。温度センサー50は、温度に応じた電圧を出力する。温度センサー50は、例えば、吸気口又は排気口の近傍に設けられる。温度センサー50の出力は、制御部1に入力される。温度センサー50の出力に基づき、制御部1は、環境温度を認識する。
時間を計るため、制御部1は計時部14(タイマー)を含む。計時部14は時間を計る。プリンター100の主電源がONされている間、制御部1は、所定周期ごとに(計時部14が所定周期をカウントするごとに)、環境温度を認識する。例えば、数秒ごと、十数秒ごと、数十秒ごと、1分ごと、あるいは、数分ごとに、制御部1は環境温度を計測する。制御部1は、環境温度の計測結果を記憶部2に記憶させる。記憶部2は、計測された環境温度の履歴(温度履歴データ21)を記憶する。
(画像形成部4c)
次に、図1、図2を用いて、実施形態に係る画像形成部4cの一例を説明する。図2は、実施形態に係る画像形成ユニット40の一例を示す図である。
プリンター100は、カラー印刷可能である。カラー印刷のため、画像形成部4cは、複数の画像形成ユニット40を含む。図1に示すように、画像形成部4cは、ブラックのトナー像を形成する画像形成ユニット40Bkと、シアンのトナー像を形成する画像形成ユニット40Cと、イエローのトナー像を形成する画像形成ユニット40Yと、マゼンタのトナー像を形成する画像形成ユニット40Mを含む。また、画像形成部4cは露光装置41も含む(図1参照)。露光装置41は、各画像形成ユニット40に含まれる感光体ドラム42をレーザービームで走査露光する。中間転写部4dは、中間転写ベルト43(図2参照)を含む。
各画像形成ユニット40Bk〜40Mは形成するトナー像の色が異なるが、いずれも同様の構成である。そこで、以下ではブラック用の画像形成ユニット40Bkを例に挙げて説明する。他色の画像形成ユニット40も同様に説明にできる。そのため、以下の説明では色を示すBk、Y、C、Mの符号は特に説明する場合を除き省略する。共通する部材には、共通の符号を付して説明する。
図2に示すように、各画像形成ユニット40は、感光体ドラム42、帯電装置44、現像装置45、クリーニング装置46を含む。印刷のとき、感光体ドラム42は、回転する。制御部1はモーターの回転を制御する。帯電装置44は、感光体ドラム42の表面を一定の電位で帯電させる。露光装置41は、下方から感光体ドラム42にレーザー光Lをあてる。露光装置41は、レーザー光Lの照射位置を主走査方向で移動させる。露光装置41は、画像データに応じて、レーザー光Lを点消灯する。これにより、画像データに基づいた光信号が、帯電後の感光体ドラム42に照射される。その結果、画像データに対応する静電潜像が感光体ドラム42の周面に形成される。
現像装置45は、トナー(色材)を飛翔させる。現像装置45は感光体ドラム42の静電潜像をトナーで現像する。1次転写ローラー47が感光体ドラム42に対して1つ設けられる。感光体ドラム42と1次転写ローラー47は中間転写ベルト43を挟む。印刷のとき、制御部1は、中間転写ベルト43を回転させる。印刷のとき、制御部1は、1次転写ローラー47に転写用電圧を印加する。これにより、各画像形成ユニット40で形成された各色のトナー像が中間転写ベルト43に1次転写される。制御部1は、中間転写ベルト43に1次転写されたトナー像を搬送される用紙に2次転写させる。クリーニング装置46は、感光体ドラム42の清掃を行う。
(モーターの回転制御)
次に、図3、図4を用いて、実施形態に係るプリンター100でのモーターの回転制御の一例を説明する。図3は、実施形態に係るプリンター100でのモーターの回転制御の一例を示す図である。図4は、実施形態に係るプリンター100でのDCブラシモーター6を用いる部分の一例を示す図である。
プリンター100には、複数のモーターが設けられる。図3に示すように、プリンター100に設けられるモーターのうち、1又は複数は、DCブラシモーター66である。なお、図3に示すように、プリンター100には、ステッピングモーターのような他種のモーターも設けられる。ステッピングモーターは、例えば、ステッピングモーターは、給紙、用紙搬送、トナー像形成、転写、定着に関する回転体の回転に用いられる。
1つのDCブラシモーター6に対して1つのモーター駆動部7が設けられる。図3では、便宜上、DCブラシモーター6とモーター駆動部7を1つのみ図示している。DCブラシモーター6とモーター駆動部7は複数設けられる場合もある。また、図3では、制御部1とモーター駆動部7を別体として図示している。しかし、モーター駆動部7は、制御部1(制御基板)内に設けられてもよい。
DCブラシモーター6はプリンター100内に設けられた回転体を回転させる。図4を用いて、DCブラシモーター6の設置例(使用例)を説明する。図4は、露光装置41の斜視図である。図4に示すように、露光装置41から各感光体ドラム42に向けて、レーザー光Lが出射される。レーザー光Lの出射部分にガラス板41a(透光性の板状部材)が設けられる。レーザー光Lは、ガラス板41aを通過し、感光体ドラム42に照射される。ガラス板41aは、露光装置41の上面に設けられる。ガラス板41aは、色ごとに設けられる(計4枚)。ガラス板41aは、露光装置41内への粉塵の侵入を防ぐ。
ガラス板41aの上側に各画像形成ユニット40が配される。各画像形成ユニット40から出たトナーや粉塵は、各ガラス板41aに落ちる。つまり、ガラス板41aが汚れる。汚れは、レーザー光Lの乱反射や照射光量減少を引き起こす。ガラス板41aの汚れがひどくなると、印刷物の画質が低下する。そこで、ガラス板41aを清掃するためのガラス板清掃機構41bが設けられる。
ガラス板清掃機構41bは、回転軸41c、移動体41d、DCブラシモーター6を含む。操作パネル31aが清掃指示を受け付けたとき、制御部1は、ガラス板41aの清掃を行わせる。また、一定枚数(例えば、数百枚〜数千枚)印刷するごとに、制御部1は、ガラス板41aの清掃を行わせる。なお、プリンター100の電源が投入されたとき、制御部1は、ガラス板41aの清掃を行わせてもよい。
図3に示すように、露光装置41の上面に回転軸41cが設けられる。回転軸41cは、ガラス板41aの長手方向と平行である。回転軸41cには螺旋状に突条(溝でもよい)が設けられる。回転軸41cは、回転可能に支持される。この回転軸41cに、移動体41dが取り付けられる。移動体41dの下面に、ガラス板41aを拭き取る清掃部材が取り付けられる。清掃部材はガラス板41aと接する。清掃部材は、例えば、スポンジや不織布である。
露光装置41の側面に、1つのDCブラシモーター6が設けられる。DCブラシモーター6は、正逆回転自在である。また、露光装置41の側面にギア列41fが設けられる。ギア列41fに含まれる各ギアはDCブラシモーター6により回転する。ギア列41fに含まれるギアと回転軸41cのギア部41gが噛み合う。これにより、DCブラシモーター6を回転させたとき、回転軸41cが回転する。各回転軸41cの回転により、各移動体41dがガラス板41aの長手方向に沿って移動する(図4において移動方向を白抜き矢印で図示)。各移動体41dにより移動する清掃部材が各ガラス板41aを拭き取る。
ガラス板41aの清掃時、制御部1は、待機位置(図3に示す位置)から、ストッパー(不図示)まで移動体41dを移動させる。待機位置はガラス板41aの一方側の端である。ストッパーはガラス板41aの他方側の端に設けられる。ストッパー到達後、制御部1は、DCブラシモーター6を逆回転させる。そして、制御部1は、移動体41dを再び待機位置まで戻す。移動体41dの往復により、1回の清掃動作が完了する。その他、トナーを攪拌する攪拌部材の回転にDCブラシモーター6を用いることがある。また、給紙、用紙搬送、トナー像形成、転写、定着に関する回転体の回転に、DCブラシモーター6が用いられてもよい。
(モーター駆動部7)
次に、図3、図5を用いて、実施形態に係るモーター駆動部7の一例を説明する。図5は、実施形態に係るモーター駆動部7の一例を示す図である。
図3に示すように、モーター駆動部7は、第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4、第1信号出力部81、第2信号出力部82、第1遅延部91、第2遅延部92、第3遅延部93、第4遅延部94、過電流検知部70を含む。
図5を用いて、モーター駆動部7の回路の一例を説明する。図5の略中心にDCブラシモーター6を示している。DCブラシモーター6は、第1端子61と第2端子62を含む。第1端子61はDCブラシモーター6のコイルの一端と接続される。第2端子62はDCブラシモーター6のコイルの他端と接続される。
そして、第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4は、DCブラシモーター6と接続される。第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2は、第1端子61と接続される。第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4は第2端子62と接続される。第1スイッチ素子Q1〜第4スイッチ素子Q4はHブリッジ(フルブリッジ)回路を構成する。電流の方向を規制するため、Hブリッジ(フルブリッジ)回路は、第1ダイオードDa、第2ダイオードDb、第3ダイオードDc、第4ダイオードDdを含む。
第1スイッチ素子Q1と第3スイッチ素子Q3は、pnp型のバイポーラトランジスタである。第2スイッチ素子Q2と第4スイッチ素子Q4は、npn型のバイポーラトランジスタである。第1スイッチ素子Q1〜第4スイッチ素子Q4は、電界効果型のトランジスタでもよい。
第1スイッチ素子Q1の1つ目の端子(エミッタ)とモーター電源V1は、抵抗Raを介して接続される。モーター電源V1は、例えば、DC24Vである。プリンター100内に設けられる電源装置(不図示)が、DC24Vを生成する。また、第1スイッチ素子Q1のエミッタと第3スイッチ素子Q3の1つ目の端子(エミッタ)が接続される。つまり、第1スイッチ素子Q1と第3スイッチ素子Q3は、電源に対して並列接続される。また、図5に示すように、第1スイッチ素子Q1のエミッタと、抵抗Rbと、抵抗Rcと、抵抗Rdと、第1ダイオードDaと、第3ダイオードDcとが接続される。
第1スイッチ素子Q1の2つ目の端子(コレクタ)と、第2スイッチ素子Q2の1つ目の端子(コレクタ)と、DCブラシモーター6の第1端子61が接続される。また、第1スイッチ素子Q1のコレクタと、第1ダイオードDaと、第2ダイオードDbと、が接続される。さらに、第1スイッチ素子Q1の3つめの端子(ベース)と、第1コンデンサーC1の一端と、第1抵抗R1の一端が接続される。なお、第1スイッチ素子Q1のエミッタと第1スイッチ素子Q1のベースは、抵抗Rbを介して接続される。
第2スイッチ素子Q2の2つ目の端子(エミッタ)と、第4スイッチ素子Q4の2つ目の端子(エミッタ)とグランドが接続される。なお、第2スイッチ素子Q2のエミッタと第4スイッチ素子Q4のエミッタは、抵抗Re、抵抗Rf、第2ダイオードDb、第4ダイオードDdと接続される。第2スイッチ素子Q2の3つ目の端子(ベース)と、第2抵抗R2の一端が接続される。また、第2スイッチ素子Q2のベースとグランドは、抵抗Reを介して、接続される。
第3スイッチ素子Q3の1つ目の端子(エミッタ)と、第1スイッチ素子Q1のエミッタが接続される。第3スイッチ素子Q3のエミッタとモーター電源V1は、抵抗Raを介して接続される。第3スイッチ素子Q3の2つ目の端子(コレクタ)と、第4スイッチ素子Q4の1つ目の端子(コレクタ)と、DCブラシモーター6の第2端子62が接続される。なお、第3スイッチ素子Q3のコレクタと、第4スイッチ素子Q4のコレクタは、第3ダイオードDc及び第4ダイオードDdと接続される。さらに、第3スイッチ素子Q3の3つめの端子(ベース)と、第3コンデンサーC3の一端と、第3抵抗R3の一端が接続される。なお、第3スイッチ素子Q3のコレクタと第3スイッチ素子Q3のベースは、抵抗Rdを介して接続される。第4スイッチ素子Q4の3つ目の端子(ベース)と、第4抵抗R4の一端が接続される。また、第4スイッチ素子Q4のベースとグランドは、抵抗Rfを介して、接続される。
第1リモート信号Rm1が入力される第1リモート端子t1が設けられる。第1リモート端子t1は、第1信号出力部81と接続される。これにより、制御部1が送信する第1リモート信号Rm1は、第1信号出力部81に入力される。第1信号出力部81は、第1制御信号S1と第2制御信号S2を出力する。第1信号出力部81は、第1抵抗R1を介し、第1制御信号S1を第1スイッチ素子Q1のベースに入力する。第1信号出力部81は、第2抵抗R2を介し、第2制御信号S2を第2スイッチ素子Q2のベースに入力する。第1信号出力部81は、第1リモート信号Rm1のレベル(High、Low)に基づき、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2のON、OFFを制御する。
第1信号出力部81は、トランジスタQa、トランジスタQb、抵抗Rg、抵抗Rh、抵抗Ri、抵抗Rjを含む。トランジスタQaとトランジスタQbは、npn型のバイポーラトランジスタである。
トランジスタQaのエミッタと、トランジスタQbのエミッタと、グランドが接続される。トランジスタQaのコレクタは、第1抵抗R1を介し、第1スイッチ素子Q1のベースと接続される。トランジスタQaのコレクタの電位が、第1制御信号S1として、第1スイッチ素子Q1のベースに入力される。トランジスタQaのベースは、抵抗Rgを介して、第1リモート端子t1と接続される。また、トランジスタQaのベースは、抵抗Rhと接続される。トランジスタQaのエミッタと、グランドと、トランジスタQbのエミッタと、抵抗Rhと、抵抗Riが接続される。抵抗Rhは、トランジスタQaのベースと、トランジスタQaのエミッタと、抵抗Riに接続される。
トランジスタQbのコレクタと、第2コンデンサーC2と、第2抵抗R2が接続される。トランジスタQbのコレクタは、抵抗Roを介して、第1バイアス電源V2と接続される。トランジスタQbのコレクタは、第2抵抗R2を介して、第2スイッチ素子Q2のベースと接続される。トランジスタQbのコレクタの電位が、第2制御信号S2として、第2スイッチ素子Q2のベースに入力される。トランジスタQbのベースは、抵抗Rjを介して、第1リモート端子t1と接続される。また、トランジスタQbのベースは、抵抗Riと接続される。
第2リモート信号Rm2が入力される第2リモート端子t2が設けられる。第2リモート端子t2は、第2信号出力部82と接続される。これにより、制御部1が送信する第2リモート信号Rm2は、第2信号出力部82に入力される。第2信号出力部82は、第3制御信号S3と第3制御信号S3を出力する。第2信号出力部82は、第3抵抗R3を介し、第3制御信号S3を第3スイッチ素子Q3のベースに入力する。第2信号出力部82は、第4抵抗R4を介し、第4制御信号S4を第4スイッチ素子Q4のベースに入力する。第2信号出力部82は、第2リモート信号Rm2のレベル(High、Low)に基づき、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4のON、OFFを制御する。
第2信号出力部82は、トランジスタQc、トランジスタQd、抵抗Rk、抵抗Rl、抵抗Rm、抵抗Rnを含む。トランジスタQcとトランジスタQdは、npn型のバイポーラトランジスタである。
トランジスタQcのエミッタと、トランジスタQdのエミッタと、グランドが接続される。トランジスタQcのコレクタは、第3抵抗R3を介し、第3スイッチ素子Q3のベースと接続される。トランジスタQcのコレクタの電位が、第3制御信号S3として、第3スイッチ素子Q3のベースに入力される。トランジスタQcのベースは、抵抗Rkを介して、第2リモート端子t2と接続される。また、トランジスタQcのベースは、抵抗Rlと接続される。トランジスタQcのエミッタと、グランドと、トランジスタQdのエミッタと、抵抗Rlと、抵抗Rmが接続される。抵抗Rlは、トランジスタQcのベースと、トランジスタQcのエミッタと、抵抗Rmに接続される。
トランジスタQdのコレクタと、第4コンデンサーC4と、第4抵抗R4が接続される。トランジスタQdのコレクタは、抵抗Rpを介して、第2バイアス電源V3と接続される。トランジスタQdのコレクタは、第4抵抗R4を介して、第4スイッチ素子Q4のベースと接続される。トランジスタQdのコレクタの電位が、第2制御信号S2として、第2スイッチ素子Q2のベースに入力される。トランジスタQdのベースは、抵抗Rnを介して、第2リモート端子t2と接続される。また、トランジスタQdのベースは、抵抗Rmと接続される。
第1遅延部91は、第1抵抗R1と第1コンデンサーC1を含む。第1抵抗R1の一端は、第1コンデンサーC1の一端と、第1スイッチ素子Q1のベースと接続される。第1抵抗R1の他端は、トランジスタQaのコレクタと接続される。第1コンデンサーC1の他端は、グランドと接続される。
第2遅延部92は、第2抵抗R2と第2コンデンサーC2を含む。第2抵抗R2の一端と、第2コンデンサーC2の一端が接続される。第2抵抗R2の他端と第2スイッチ素子Q2のベースが接続される。第3コンデンサーC3の他端は、グランドと接続される。第1バイアス電源V2の電圧が第2抵抗R2と第2コンデンサーC2に印加される。
第3遅延部93は、第3抵抗R3と第3コンデンサーC3を含む。第3抵抗R3の一端と、第3コンデンサーC3の一端と、第3スイッチ素子Q3のベースが接続される。第3抵抗R3の他端は、トランジスタQcのコレクタと接続される。第3コンデンサーC3の他端は、グランドと接続される。
第4遅延部94は、第4抵抗R4と第4コンデンサーC4を含む。第4抵抗R4の一端と、第4コンデンサーC4の一端が接続される。第4抵抗R4の他端と第4スイッチ素子Q4のベースが接続される。第4コンデンサーC4の他端は、グランドと接続される。第2バイアス電源V3の電圧が第4抵抗R4と第4コンデンサーC4に印加される。
過電流検知部70は、トランジスタQeと、抵抗Rq、抵抗Rrを含む。トランジスタQeは、pnp型のトランジスタである。トランジスタQeのエミッタは、モーター電源V1と接続される。また、トランジスタQeのエミッタは、抵抗Raと接続される。トランジスタQeのベースは、抵抗Rcを介して、第1スイッチ素子Q1のエミッタと、第3スイッチ素子Q3のエミッタと接続される。トランジスタQeのコレクタは、抵抗Rqの一端と接続される。抵抗Rqの他端は、抵抗Rrの一端に接続される。抵抗Rrの他端はグランドに接続される。抵抗Rqと抵抗Rrの間の電圧が過電流検知用電圧として、制御部1に入力される。出力される過電流検知用電圧に基づき、制御部1は、過電流が流れているか否かを判定する。
(モーター駆動部7とDCブラシモーター6の動作)
次に、図5、図6を用いて、実施形態に係るモーター駆動部7と、モーターの動作の一例を説明する。図6は、実施形態に係るモーター駆動部7の動作の一例を説明するための図である。
(1)停止時
DCブラシモーター6を停止させるとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1と第2リモート信号Rm2をLowレベルとする。第1リモート信号Rm1をLowレベルとすることにより、トランジスタQaは、OFF状態となる。従って、第1制御信号S1(トランジスタQaのコレクタ電圧)は、モーター電源V1により、Highレベルとなる。第1スイッチ素子Q1(pnp型トランジスタ)のベースに入力される電圧がHighレベルとなる。その結果、第1スイッチ素子Q1はOFF状態となる。
第1リモート信号Rm1をLowレベルとすると、トランジスタQbもOFF状態となる。従って、第2制御信号S2(トランジスタQbのコレクタ電圧)は、第1バイアス電源V2により、Highレベルとなる。第2スイッチ素子Q2(npn型トランジスタ)のベースに入力される電圧がHighレベルとなる。第2スイッチ素子Q2はON状態となる。その結果、DCブラシモーター6の第1端子61はグランドに接続される。
第2リモート信号Rm2をLowレベルとすることにより、トランジスタQcは、OFF状態となる。従って、第3制御信号S3(トランジスタQcのコレクタ電圧)は、モーター電源V1により、Highレベルとなる。第3スイッチ素子Q3(pnp型トランジスタ)のベースに入力される電圧がHighレベルとなる。その結果、第3スイッチ素子Q3はOFF状態となる。
第2リモート信号Rm2をLowレベルとすることにより、トランジスタQdも、OFF状態となる。従って、第2制御信号S2(トランジスタQdのコレクタ電圧)は、第2バイアス電源V3により、Highレベルとなる。第4スイッチ素子Q4(npn型トランジスタ)のベースに入力される電圧がHighレベルとなる。第4スイッチ素子Q4はON状態となる。その結果、DCブラシモーター6の第2端子62もグランドに接続される。従って、DCブラシモーター6は回転しない。
(2)正回転時
DCブラシモーター6を正回転させるとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1をHighレベル、第2リモート信号Rm2をLowレベルとする。第1リモート信号Rm1をHighレベルとすることにより、トランジスタQaはON状態となる。従って、トランジスタQaのコレクタはグランドと接続される。その結果、第1制御信号S1は、Lowレベルとなる。第1スイッチ素子Q1のベースに入力される電圧がLowレベルとなる。その結果、第1スイッチ素子Q1はON状態となる。そして、DCブラシモーター6の第1端子61はモーター電源V1と接続される。
第1リモート信号Rm1をHighレベルとすることにより、トランジスタQbも、ON状態となる。従って、トランジスタQbのコレクタはグランドと接続される。第2制御信号S2(トランジスタQbのコレクタ電圧)は、Lowレベルとなる。第2スイッチ素子Q2のベースに入力される電圧がLowレベルとなる。第2スイッチ素子Q2はOFF状態となる。
第2リモート信号Rm2をLowレベルとしたときの動作は、上述したとおりである。その結果、第1スイッチ素子Q1=ON、第2スイッチ素子Q2=OFF、第3スイッチ素子Q3=OFF、第4スイッチ素子Q4=ONとなる。これにより、図5のA方向に示す方向に電流が流れる。
(2)逆回転時
DCブラシモーター6を正回転させるとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1をLowレベル、第2リモート信号Rm2をHighレベルとする。第1リモート信号Rm1をLowレベルとしたときの動作は、上述したとおりである。
第2リモート信号Rm2をHighレベルとすることにより、トランジスタQcは、ON状態となる。従って、トランジスタQcのコレクタはグランドと接続される。その結果、第3制御信号S3は、Lowレベルとなる。第3スイッチ素子Q3のベースに入力される電圧がLowレベルとなる。その結果、第3スイッチ素子Q3はON状態となる。
第2リモート信号Rm2をHighレベルとすることにより、トランジスタQdも、ON状態となる。従って、トランジスタQdのコレクタはグランドと接続される。第4制御信号S4(トランジスタQdのコレクタ電圧)は、Lowレベルとなる。第4スイッチ素子Q4のベースに入力される電圧がLowレベルとなる。第4スイッチ素子Q4はOFF状態となる。その結果、DCブラシモーター6の第2端子62はモーター電源V1と接続される。第1スイッチ素子Q1=OFF、第2スイッチ素子Q2=ON、第3スイッチ素子Q3=ON、第4スイッチ素子Q4=OFFとなる。これにより、図5のB方向に示す方向に電流が流れる。
ここで、第1遅延部91は、第1スイッチ素子Q1のONタイミングを遅らせる。そのため、第1リモート信号Rm1がLowからHighに変化した後、第1スイッチ素子Q1は、第1抵抗R1と第1コンデンサーC1の時定数に応じた時間が経過してからONする。第2遅延部92は、第2スイッチ素子Q2のONタイミングを遅らせる。そのため、第1リモート信号Rm1がHighからLowに変化した後、第2スイッチ素子Q2は、第2抵抗R2と第2コンデンサーC2の時定数に応じた時間が経過してからONする。第3遅延部93は、第3スイッチ素子Q3のONタイミングを遅らせる。第2リモート信号Rm2がLowからHighに変化した後、第3スイッチ素子Q3は、第3抵抗R3と第3コンデンサーC3の時定数に応じた時間が経過してからONする。第4遅延部94は、第4スイッチ素子Q4のONタイミングを遅らせる。第2リモート信号Rm2がHighからLowに変化した後、第4スイッチ素子Q4は、第4抵抗R4と第4コンデンサーC4の時定数に応じた時間が経過してからONする。
第1抵抗R1、第2抵抗R2の各抵抗R値と、第1コンデンサーC1、第2コンデンサーC2の各静電容量は、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2が同時にONしないように設定される。第3抵抗R3、第4抵抗R4の各抵抗R値と、第3コンデンサーC3、第4コンデンサーC4の各静電容量は、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4が同時にONしないように設定される。
第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2が同時にONしている状態は、モーター電源V1とグランドが直結されている状態に近い。この状態のとき、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2に過電流(貫通電流)が流れる。第1遅延部91、第2遅延部92は、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2の同時オンを防ぐ。また、第3スイッチ素子Q3と第3スイッチ素子Q3が同時にONしている状態も、モーター電源V1とグランドが直結されている状態に近い。この状態のとき、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4に過電流(貫通電流)が流れる。第3遅延部93、第4遅延部94は、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4の同時オンを防ぐ。
なお、制御部1は、PWM制御により、DCブラシモーター6の回転速度を制御してもよい。正回転させるとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1のON/OFFを繰り返す。逆回転させるとき、制御部1は、第2リモート信号Rm2のON/OFFを繰り返す。DCブラシモーター6の回転速度を速くするほど、制御部1は、PWM信号(各リモート信号)のデューティ比を大きくする。
(結露によるモーター駆動部7の破損の防止)
次に、図7を用いて、実施形態に係るモーター駆動部7の結露による破損の防止制御の一例を説明する。図7は、実施形態に係るモーター駆動部7の結露による破損の防止制御の一例を示すフローチャートである。
結露(水滴)が各遅延部のコンデンサーや抵抗Rに付着することがある。結露付着により、コンデンサーや抵抗Rがショートすることがある。ショートした場合、遅延部の時定数が変わる。その結果、第1リモート信号Rm1と第2リモート信号Rm2のレベルを変化させたとき、過電流が流れる場合がある。
結露のため、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2の両方が同時にON状態になることがある。この場合、モーター電源V1、第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、グランドの経路で過電流が流れる。また、結露が生じているとき、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4の両方が同時にON状態になることがある。この場合、モーター電源V1、第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4、グランドの経路で大きな貫通電流が流れる。結露しているのに、第1リモート信号Rm1と第2リモート信号Rm2のレベル変化を繰り返した場合、各スイッチ素子の破損の可能性が高くなる。
過電流検知部70の出力(過電流検知用電圧)に基づき、制御部1は、過電流(貫通電流)が流れたか否かを判定できる。図5に示すように、トランジスタQeは、pnpトランジスタである、トランジスタQeのベースがLowレベルになったとき、トランジスタQeは、ONする。第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2の両方が同時にON状態になったとき、トランジスタQeのベースがLowレベル(グランドと接続された状態)となる。また、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4の両方が同時にON状態になったときも、トランジスタQeのベースがLowレベルとなる。つまり、過電流(貫通電流)が流れるとき、過電流検知部70の出力はHighレベルとなる。過電流(貫通電流)が流れていないとき、過電流検知部70の出力はLowレベルとなる。制御部1は、過電流検知部70の出力のレベルに基づき、過電流(貫通電流)が流れたか否かを判定する。
プリンター100では、結露によるモーター駆動部7内の回路の破損を防ぐ。以下、図7を用いて、破損防止のための処理の流れの一例を説明する。図7のスタートは、DCブラシモーター6の回転を開始しようとする時点である。スタートの時点では、DCブラシモーター6は停止している。そのため、両リモート信号のレベルは、Lowレベル(第2レベル)である。
制御部1は、結露判定処理の開始条件を満たすか否かを確認する(ステップ♯1)。プリンター100では、一定時間22内に基準値23以上、環境温度が低下したことが開始条件の1つとされる。
一般的に、温度が急に下がったとき、結露が生ずる。そこで、温度履歴データ21に基づき、制御部1は、一定時間22内に基準値23以上、環境温度が低下しているか否かを確認する。一定時間22と基準値23は、予め定められる。定められた一定時間22と基準値23は、記憶部2に記憶される。一定時間22は、例えば、5〜30分(より好ましくは、10〜15分)の範囲内の何れかの値とできる。基準値23は、例えば、5〜30°C(より好ましくは、10〜20°C)の範囲内の何れかの値とできる。
環境温度は、一定周期で計られる。制御部1は、現時点から遡って、一定時間22内に計測された環境温度の計測結果を選択する。例えば、一定時間22が20分、一定周期が1分のとき、制御部1は、最新の計測結果から順に20個の計測結果を選択する。そして、選択した計測結果のうち、制御部1は、最大値(最も高い温度)と最小値(最も低い温度)を認識する。制御部1は、最大値から最小値を減じて減算値を求める。減算値が基準値23以上のとき、制御部1は、ステップ♯1をYesと判定する。減算値が基準値23未満のとき、制御部1は、ステップ♯1をNoと判定する。
なお、プリンター100の電源投入時にDCブラシモーター6を回転させるとき、現時点から一定時間22内の計測結果がない。ここで、結露は冬期に生ずることが多い。電源OFF後、夜間の温度低下でプリンター100がよく冷やされることが一因である。そこで、プリンター100の電源投入時、制御部1は、現時点の温度が予め定められた低温基準温度以下であるか否かを確認してもよい。低温基準温度は、適宜定められる。低温基準温度は、例えば、5〜15°Cのうち、何れかの温度とできる。プリンター100の電源投入時にDCブラシモーター6を回転させる場合、制御部1は、現在の環境温度が低温基準温度以下のとき、ステップ♯1をYesと判定する。現在の環境温度が低温基準温度を超えているとき、制御部1は、ステップ♯1をNoと判定する。
ステップ♯1がNoの場合、制御部1は、DCブラシモーター6を回転させる(ステップ♯2)。具体的に、制御部1は、各リモート信号のうち、何れか一方をHighレベルとし、他方をLowレベルとする。そして、必要なだけDCブラシモーター6を回転させた後、本フローは終了する(エンド)。
ステップ♯1がYesの場合、制御部1は結露判定処理を行う(ステップ♯3)。具体的に、制御部1は、第1リモート信号Rm1と第2リモート信号Rm2の両方を一時的にHighレベル(第1レベル)とする(ステップ♯3)。過電流検知部70の出力に基づき、制御部1は、過電流(貫通電流)が流れたか否かを確認する(ステップ♯4)。なお、第1遅延部91と第3遅延部93の時定数の変化がないとき、DCブラシモーター6の第1端子61と第2端子62に同じ電圧(モーター電源V1の電圧)が印加される。そのため、DCブラシモーター6は回転しない。DCブラシモーター6に電流は流れない。
過電流が流れたとき(ステップ♯4のNo)、制御部1は、結露あり(時定数が変わっている)と判定する(ステップ♯5)。そして、制御部1は、ファン5を回転させる(ステップ♯6)。ファン5の回転中、制御部1は、DCブラシモーター6を回転させない。ファン5は、機内空気を循環させる。この循環により、結露部分(各遅延部)近傍の高湿の空気が移動し、湿度が低い空気が流れ込む。これにより、結露の解消が早くなる。なお、結露を素早く解消するため、モーター駆動部7に空気を吹き付けるファン5が設けられてもよい。制御部1はこのファン5を回転させてもよい。次に、制御部1は、ファン5の回転開始から乾燥時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯7)。乾燥時間は、予め定められる。乾燥時間は適宜定めることができる。例えば、乾燥時間は、5〜10分程度とできる。
ファン5の回転開始から乾燥時間が経過していないとき(ステップ♯7のNo)、フローは、ステップ♯6に戻る。つまり、ファン5の回転開始から乾燥時間が経過するまで、制御部1は、ファン5を回転させ続ける。ファン5の回転開始から乾燥時間が経過したとき(ステップ♯7のYes)、フローは、ステップ♯3に戻る。つまり、制御部1は、結露判定処理を再度実行する。
一方、過電流が流れなかったとき(ステップ♯4のNo)、制御部1は、第1リモート信号Rm1と第2リモート信号Rm2を同時にLowレベル(第2レベル)とする(ステップ♯8)。そして、過電流検知部70の出力に基づき、制御部1は、過電流(貫通電流)が流れたか否かを確認する(ステップ♯9)。
結露により第2遅延部92又は第4遅延部94の時定数が変化しているとき、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2が同時にON状態となることがある。また、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4が同時にON状態となることがある。同時ON状態では、過電流(貫通電流)が流れる。一方、第2遅延部92と第4遅延部94の時定数の変化がないとき、過電流は流れない。
過電流が流れたとき(ステップ♯9のNo)、フローは、ステップ♯5に移行する。これにより、第2遅延部92と第4遅延部94の結露の乾燥が行われる。過電流が流れなかったとき(ステップ♯9のNo)、フローは、ステップ♯2に移行する。ステップ♯2の後、本フローは終了する(エンド)。
結露で第1遅延部91の第1抵抗R1や第1コンデンサーC1がショートした場合、第1遅延部91の時定数が小さくなる。ショートしていないときよりも第1スイッチ素子Q1のオンタイミングが早くなる。その結果、第1リモート信号Rm1を第2レベルから第1レベルに変化させたとき、第2スイッチ素子Q2がOFFしきる前に、第1スイッチ素子Q1がONとなる場合がある。
また、結露で第2遅延部92の第2抵抗R2や第2コンデンサーC2がショートした場合、第2遅延部92の時定数が小さくなる。ショートしていないときよりも第2スイッチ素子Q2のオンタイミングが早くなる。その結果、第1リモート信号Rm1を第1レベルから第2レベルに変化させたとき、第1スイッチ素子Q1がOFFしきる前に、第2スイッチ素子Q2がONする場合がある。
そこで、実施形態に係る画像形成装置(プリンター100)は、モーター(DCブラシモーター6)、モーター駆動部7、制御部1、ファン5、温度センサー50を含む。モーター駆動部7は、第1スイッチ素子Q1と、第2スイッチ素子Q2と、第1信号出力部81と、第1遅延部91と、過電流検知部70と、を含む。制御部1は、モーター駆動部7に第1リモート信号Rm1を入力し、モーターの動作を制御する。ファン5は空気を循環させる。具体的に、ファン5は、画像形成装置内(モーター、モーター駆動部7、各遅延部近傍)の空気を循環させる。温度センサー50は、環境温度を検知する。第1スイッチ素子Q1は、モーター電源V1と、第2スイッチ素子Q2と、モーターの第1端子61と接続される。第2スイッチ素子Q2は、グランドにも接続される。第1信号出力部81は、第1制御信号S1を第1スイッチ素子Q1に入力し、第2制御信号S2を第2スイッチ素子Q2に入力して、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2のON、OFFを制御する。第1信号出力部81は、第1リモート信号Rm1のレベルが予め定められた第1レベルのとき、第1スイッチ素子Q1をONさせるとともに、第2スイッチ素子Q2をOFFさせる。第1信号出力部81は、第1リモート信号Rm1のレベルが予め定められた第2レベルのとき、第1スイッチ素子Q1をOFFさせるとともに、第2スイッチ素子Q2をONさせる。第1遅延部91は、第1信号出力部81と第1スイッチ素子Q1に接続され、第1抵抗R1と第1コンデンサーC1を含む。第1遅延部91は、第1スイッチ素子Q1のONタイミングを遅延させる。制御部1は、温度センサー50の出力に基づき、環境温度を認識する。制御部1は、過電流検知部70の出力に基づき、モーター駆動部7内の回路に過電流が流れたか否かを認識する。制御部1は、モーターの停止時、第1リモート信号Rm1を第2レベルとする。一定時間22内に予め定められた基準値23以上、環境温度が低下しているとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1のレベルを一時的に第2レベルから第1レベルに変化させる結露判定処理を行う。制御部1は、結露判定処理で過電流が流れたとき、結露ありと判定し、モーターを回転させず、ファン5を回転させる。
また、モーター駆動部7は第2遅延部92を含む。第2遅延部92は、第1信号出力部81と第2スイッチ素子Q2に接続され、第2抵抗R2と第2コンデンサーC2を含む。第2遅延部92は、第2スイッチ素子Q2のONタイミングを遅延させる。結露判定処理で過電流が流れなかったとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1のレベルを第1レベルから第2レベルに戻す。第1リモート信号Rm1のレベルを戻したときに過電流が流れた場合、制御部1は結露ありと判定し、モーターを回転させず、ファン5を回転させる。
結露により、モーター駆動部7に含まれる第1遅延部91と第2遅延部92の時定数が設計上の値とずれていることを検知することができる。そして、モーター駆動部7に過電流が流れるか否かを判定することができる。言い換えると、試験的に第1リモート信号Rm1のレベルを変化させることにより、各スイッチ素子が同時にオンするか否かを確認することができる。結露で過電流が流れる場合、モーターを回転させない。さらに、ファン5を動作させ、結露の解消が促される。従って、結露により、モーター駆動部7(第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2)が壊れることを防ぐことができる。また、結露検知センサーのような特別な部材を設ける必要がない。画像形成装置の製造コストを抑えることができる。
結露により、第3遅延部93の第3抵抗R3や第3コンデンサーC3がショートした場合、第3遅延部93の時定数が小さくなる。ショートしていないときよりも第3スイッチ素子Q3のオンタイミングが早くなる。その結果、第2リモート信号Rm2を第2レベルから第1レベルに変化させたとき、第4スイッチ素子Q4がOFFしきる前に、第3スイッチ素子Q3がONとなる場合がある。このような状態で、モーターのON/OFFを繰り返した場合、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4が壊れるおそれがある。
結露により、第4遅延部94の第4抵抗R4や第4コンデンサーC4がショートした場合、第4遅延部94の時定数が小さくなる。ショートしていないときよりも第4スイッチ素子Q4のオンタイミングが早くなる。その結果、第2リモート信号Rm2を第1レベルから第2レベルに変化させたとき、第3スイッチ素子Q3がOFFしきる前に、第4スイッチ素子Q4がONとなる場合がある。このような状態で、モーターのON/OFFを繰り返した場合、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4が壊れるおそれがある。
モーター駆動部7は、第3スイッチ素子Q3と、第4スイッチ素子Q4と、第2信号出力部82と、第3遅延部93と、を含む。制御部1は、モーター駆動部7に第2リモート信号Rm2を入力してモーターの動作を制御する。第3スイッチ素子Q3は、モーター電源V1と、第1スイッチ素子Q1と、第4スイッチ素子Q4と、モーターの第2端子62と接続される。第4スイッチ素子Q4は、グランドにも接続される。第2信号出力部82は、第3制御信号S3を第3スイッチ素子Q3に入力し、第4制御信号S4を第4スイッチ素子Q4に入力して、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4のON、OFFを制御する。第2リモート信号Rm2のレベルが第1レベルのとき、第2信号出力部82は、第3スイッチ素子Q3をONさせるとともに、第4スイッチ素子Q4をOFFさせる。第2リモート信号Rm2のレベルが第2レベルのとき、第2信号出力部82は、第3スイッチ素子Q3をOFFさせるとともに、第3スイッチ素子Q3をONさせる。第3遅延部93は、第2信号出力部82と第3スイッチ素子Q3に接続され、第3抵抗R3と第3コンデンサーC3を含む。第3遅延部93は、第3スイッチ素子Q3のONタイミングを遅延させる。制御部1は、過電流検知部70の出力に基づき、モーター電源V1から流れ出す電流の大きさを認識する。結露判定処理を行うとき、制御部1は、第1リモート信号Rm1とともに第2リモート信号Rm2を一時的に第1レベルから第2レベルに変化させる。第1リモート信号Rm1及び第2リモート信号Rm2のレベル変化時に過電流が流れたとき、制御部1は結露ありと判定し、モーターを回転させず、ファン5を回転させる。
試験的に第2リモート信号Rm2のレベルを変化させることにより、各スイッチ素子が同時にオンするか否かを確認することができる。そして、結露で過電流が流れる場合、モーターを回転させない。さらに、ファン5を動作させ、結露の解消が促される。従って、結露により、モーター駆動部7(第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4)が壊れることを防ぐことができる。また、結露検知センサーのような特別な部材を設ける必要がない。画像形成装置の製造コストを抑えることができる。
また、結露ありの判定によりファン5を回転させるとき、制御部1は、予め定められた乾燥期間、ファン5を回転させた後、結露判定処理を再実行する。これにより、結露による過電流が流れなくなるまで、ファン5の回転と結露判定処理が繰り返される。結露によるモーター駆動部7の破損を防ぐことができる。
また、制御部1は、モーターの回転開始前に、基準値23よりも一定時間22内の環境温度の温度低下量が大きいか否かを確認する。これにより、モーターを回転させるときに、結露判定処理を行うか否かを確認することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。